JP2015067743A - 活性エネルギー線硬化型インクジェットインク、インクセット及び像形成方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 白インクを必要とせずに、着色基材や透明基材に鮮やかなカラー画像を与え、更に光造形用インクとして使用した場合においても、鮮やかなカラーの立体像を与える活性エネルギー線硬化型のインクジェットインク及びインクセットを提供する。
【解決手段】 重合性化合物及び光重合開始剤を含有し活性エネルギー線を照射することにより硬化し、白色顔料及び白色顔料以外の着色剤を含む活性エネルギー線硬化型インクジェットインク、該活性エネルギー線硬化型インクジェットインクをふくむ活性エネルギー線硬化型インクジェットインクセット、及びそれを使用した像形成方法。
【選択図】 なし

Description

本発明は、インクジェット方式で吐出可能な活性エネルギー線を照射することにより硬化するインクに関する。
インクジェット方式は、ノズルよりインクを吐出して被着体に画像を形成する方式であり、該ノズルと被着材とが非接触状態にあるため、曲面や凹凸した不規則な形状を有する被着体表面に対し良好な印刷を行うことができる。また最近ではこのような印刷用途の他、厚膜積層印刷や立体造形印刷の、いわゆる3Dプリンターとして立体像を形成する装置としても活用されており、産業用途で広範囲にわたる利用分野が期待されている方式である。
このようなインクジェットプリンター用のインク(インクジェットインク)としては、例えば画像形成用としてはカラー印刷が所望されることから染料インクが使用されていたが、耐摩耗性、耐水性、耐光性等の耐久性が十分ではないことから、近年では、着色剤に顔料を用いた水性顔料及び油性顔料インクや、紫外線等の活性エネルギー線で印刷被膜を硬化、乾燥させることの可能な活性エネルギー線硬化型のインクジェットインクが提案されている。
一方、インクジェットインクのカラー化についても数々の検討がなされている。
カラーインクには、通常、ブラックインクの他、マゼンタインク、シアンインク、及びイエローインクを備える。これらは、そのものの色の他、例えばシアンインクを印字した上にイエローインクを重ねて印字させて、グリーンの二次色を製造することができ、シアンインクを印字した上にマゼンタインクを重ねて印字させて、ブルーの二次色、例えばバイオレット色を得ることもできる。3種以上の異なる色を用いて三次色、例えばコンポジットブラックを印字させることも可能である。
このようなカラー画像において、鮮やかさは記録媒体の被印刷面の地色に影響されるため、一般には、鮮やかなカラー画像を再現するために、被印刷面の地色の白色度の高いインクジェット専用紙やインクジェット専用光沢紙等の記録媒体を用いる。しかしこれらの記録媒体は高価であることから、普通紙や、あるいは透明基材であっても鮮やかなカラー画像を与える方法が検討されてきた。
普通紙や透明基材に対し鮮やかなカラー画像を与える方法として、隠蔽性の高い白インクを用いて視認性を得る手法があり、例えば酸化チタン、重合性化合物、光重合開始剤と水性溶媒からなる光硬化型インクジェットインクが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。また分散性の悪い酸化チタンを安定に分散させ吐出性に優れた特定の酸化チタンを使用した紫外線硬化型インクジェット記録用白色インクも提案されている。(例えば特許文献2参照)
しかしながらこれらの方法はいずれも白インクを別途必要とするものであり、印刷ヘッドの増設等を必要とし、インクカートリッジをYMCK用の4か所しか備えていない汎用のインクジェットプリンターでは対応は困難であった。
一方、光硬化型の厚膜積層印刷や立体造形印刷(光硬化型の厚膜積層印刷や立体造形印刷は、「光造形」とも称される)としては、得られた立体像内部の可視化が可能な透明インクが汎用的で、カラーインクを使用した例は少ない。カラーインクを使用した光造形が少ない理由としては、光造形法が、インクジェットインクを吐出してインク層を形成する工程と該インク層を硬化させる工程とを繰り返し、該インク層を積層させて立体像を形成する方法のため、色が重なり鮮やかさが得られないという問題がある。なお、光造形法でカラーの立体像を得る方法としては、光硬化性の透明インクジェットインクを用いて立体形状を形成した後、着色インクを用いて該立体形状表面を着色する方法が知られている(例えば特許文献3参照)。
特開2000−336295号公報 特開2004−59857号公報 特開2008−188826号公報
本発明の目的は、白インクを必要とせずに、着色基材や透明基材に鮮やかなカラー画像を与え、更に光造形用インクとして使用した場合においても、鮮やかなカラーの立体像を与える活性エネルギー線硬化型のインクジェットインク及びインクセットを提供するものである。
本発明者らは、マゼンタインク、シアンインク、イエローインク等のカラーインクに、白色顔料を添加したインクを使用することで、前記課題を解決した。
即ち本発明は、重合性化合物及び光重合開始剤を含有し活性エネルギー線を照射することにより硬化し、白色顔料及び白色顔料以外の着色剤を含む活性エネルギー線硬化型インクジェットインクを提供する。
また本発明は、重合性化合物及び光重合開始剤を含有し活性エネルギー線を照射することにより硬化する、少なくともマゼンタインク、シアンインク、及びイエローインクを含む活性エネルギー線硬化型インクジェットインクセットであって、該インクジェットインクセットを構成するインクのいずれかあるいは全てに白色顔料を含有する活性エネルギー線硬化型インクジェットインクセットを提供する。
また本発明は、活性エネルギー線硬化型インクジェットインクをインクジェット方式により所望のパターンで吐出して該インク層を形成する工程1と、活性エネルギー線を照射することにより前記インク層を硬化させる工程2とを含み、前記活性エネルギー線硬化型インクジェットインクが前記記載のインクである像形成方法を提供する。
また本発明は、活性エネルギー線硬化型インクジェットインクセットをインクジェット方式により所望のパターンで吐出して画像を形成する工程と、活性エネルギー線を照射することにより前記インクを硬化させる工程とを含み、前記活性エネルギー線硬化型インクジェットインクセットが前記記載のインクセットである像形成方法を提供する。
本発明により、白インクを必要とせずに、着色基材や透明基材に鮮やかなカラー画像を与え、更に光造形用インクとして使用した場合においても、鮮やかなカラーの立体像を与える活性エネルギー線硬化型のインクジェットインク及びインクセットを得ることができる。
次に、本発明の実施形態を示すとともに、本発明を更に詳しく説明する。本発明の活性エネルギー線硬化型インクジェットインクは、重合性化合物、光重合開始剤、白色顔料及び白色顔料以外の着色剤を必須成分とし、必要に応じて各種添加剤から構成される。
(重合性化合物)
重合性化合物は、活性エネルギー線で重合する化合物が好ましい。活性エネルギー線重合性化合物は、活性エネルギー線重合性官能基を一つ持つ単官能性活性エネルギー線重合性化合物(単官能モノマー)、二つ以上の活性エネルギー線重合性官能基を持つ多官能活性エネルギー線重合性化合物(多官能モノマー)からなる。
単官能モノマーとしては、例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、アミル、2−エチルヘキシル、イソオクチル、ノニル、ドデシル、ヘキサデシル、オクタデシル、シクロヘキシル、ベンジル、メトキシエチル、ブトキシエチル、フェノキシエチル、ノニルフェノキシエチル、グリシジル、ジメチルアミノエチル、ジエチルアミノエチル、イソボルニル、ジシクロペンタニル、ジシクロペンテニル、ジシクロペンテニロキシエチル、テトラヒドロフルフリル、カプロラクトン変性テトラヒドロフルフリル、アクリロイルモルホリン、N−アクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタルイミド等の置換基を有するアクリレート、N−ビニルカプロラクタム、N−ビニルピロリドン、N−ビニルホルムアミド等が挙げられる。
またこれらは2種類以上併用して用いることもできる。
また、本発明で使用する活性エネルギー線重合性基を2つ以上有する多官能モノマーとしては、特に限定はなく公知の多官能モノマーを使用できる。例えば、1,3−ブチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、トリシクロデカンジメタノール、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール等のジアクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートのジアクリレート、ネオペンチルグリコール1モルに4モル以上のエチレンオキサイドもしくはプロピレンオキサイドを付加して得たジオールのジアクリレート、ビスフェノールA1モルに2モルのエチレンオキサイドもしくはプロピレンオキサイドを付加して得たジオールのジアクリレート、トリメチロールプロパン1モルに3モル以上のエチレンオキサイドもしくはプロピレンオキサイドを付加して得たトリオールのジまたはトリアクリレート、ビスフェノールA1モルに4モル以上のエチレンオキサイドもしくはプロピレンオキサイドを付加して得たジオールのジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート,ペンタエリスリトールトリアクリレート,ジペンタエリスリトールのポリアクリレート、エチレンオキサイド変性リン酸アクリレート、エチレンオキサイド変性アルキルリン酸アクリレート等の多官能アクリレート、
アクリル酸2−(2−ビニロキシエトキシ)エチル、エチレングリコールジビニルエーテル、ジエチレングリコールジビニルエーテル、トリエチレングリコールジビニルエーテル、プロピレングリコールジビニルエーテル、ジプロピレングリコールジビニルエーテル、ブタンジオールジビニルエーテル、ヘキサンジオールジビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル、トリメチロールプロパントリビニルエーテル等のジ又はトリビニルエーテル化合物の、ビニルエーテル基を有する重合性化合物等が挙げられる。
これらは2種類以上併用して用いることができる。
一方、本発明において、分子量の高いアクリレートオリゴマー等の反応性オリゴマーは硬化塗膜性能を上げる観点から若干量使用しても構わない。しかしながら多量の使用はサテライト発生等の吐出への悪影響の恐れがあることから、使用量としては活性エネルギー線重合性化合物全量に対し20質量%を超えない量で使用することが好ましい。
反応性オリゴマーとしては、ウレタンアクリレートオリゴマー、エポキシアクリレートオリゴマー、ポリエステルアクリレートオリゴマー等が挙げられ、2種類以上併用して用いることができる。
前記活性エネルギー線重合性化合物は、使用するインクジェット装置にもよるが、各々のモノマーを配合後の粘度が概ね1〜1000mPa・secとなるように設計することが好ましい。なお粘度は、回転粘度計(東機産業社製粘度測定器:TVE−20L)を用い測定した。
(光重合開始剤)
本発明において、活性エネルギー線として紫外線を使用する場合には、光重合開始剤を使用することが好ましい。光重合開始剤としてはラジカル重合型の光重合開始剤が使用される。
具体的には、ベンゾインイソブチルエーテル、2,4−ジエチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、ベンジル、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキシド6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキシド、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルフォスフィンオキシド等が好適に用いられ、さらにこれら以外の分子開裂型のものとして、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、ベンゾインエチルエーテル、ベンジルジメチルケタール、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オンおよび2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン等を併用しても良いし、さらに水素引き抜き型光重合開始剤である、ベンゾフェノン、4−フェニルベンゾフェノン、イソフタルフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチル−ジフェニルスルフィド等も併用できる。
特に光源としたLEDを使用する場合には、LEDの発光ピーク波長を加味して光重合開始剤を選択することが好ましい。例えばUV−LEDを使用する場合に適した光重合開始剤としては、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン、2−(ジメチルアミノ)−2−[(4−メチルフェニル)メチル]−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン)、ビス(2、4、6−トリメチルベンゾイル)フェニルフォスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド、2,4−ジエチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン等が挙げられる。
また上記光重合開始剤に対し、増感剤として例えば、トリメチルアミン、メチルジメタノールアミン、トリエタノールアミン、p−ジエチルアミノアセトフェノン、p−ジメチルアミノ安息香酸エチル、p−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、N,N−ジメチルベンジルアミンおよび4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン等の、前述重合性成分と付加反応を起こさないアミン類を併用することもできる。
本発明の活性エネルギー線硬化型インクジェットインクには、インクの保存安定性を高めるため、ハイドロキノン、メトキノン、ジ−t−ブチルハイドロキノン、P−メトキシフェノール、ブチルヒドロキシトルエン、ニトロソアミン塩等の重合禁止剤をインク中に0.01〜2質量%の範囲で添加しても良い。
(着色剤)
本願のインクジェットインクは、前記重合性化合物、前記光重合開始剤を含有し、且つ白色顔料及び白色顔料以外の着色剤を含むことを特徴とする。
(白色顔料)
本発明で使用する白色顔料としては、特に限定されず公知の白色顔料を使用することができる。例えば酸化チタン、硫化亜鉛、鉛白、亜鉛華、リトボン、アンチモンホワイト、塩基性硫酸鉛、塩基性ケイ酸鉛、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、石膏、シリカ等があげられる。これらの中でも、特に白色度および耐擦性に優れるという観点から酸化チタンが好ましい。
前記白色顔料は、220〜320nmの範囲にあるものが好ましく、より好ましくは240〜300nm程度のものである。なおここで粒径は、動的光散乱法を用いた粒子径分布測定器(日機装社製 ナノトラックUPA)により測定した。
前記白色顔料は、本発明のインクジェットインク中に1〜20重量%の範囲で含むことが好ましく、更に2.5〜15重量%含むことがより好ましい。
(白色顔料以外の着色剤)
本発明で使用する白色顔料以外の着色剤とは、通常インクジェットインク分野におけるマゼンタインク、シアンインク、及びイエローインクに使用されるマゼンタ色、シアン色、又はイエロー色を呈する着色剤であればよく、染料であっても顔料であってもよく特に限定はない。なお画像や立体像に耐久性や耐光性を求められる場合は顔料を使用することが好ましい。
本発明で使用する染料としては、直接染料、酸性染料、食用染料、塩基性染料、反応性染料、分散染料、建染染料、可溶性建染染料、反応分散染料、など通常インクジェットインクに使用される各種染料が挙げられる。
本発明で使用する顔料としては、無機顔料あるいは有機顔料を使用することができる。
例えばマゼンタインクに使用する顔料としては、C.I.ピグメントレッド5(アゾ顔料)、C.I.ピグメントレッド7(アゾ顔料)、C.I.ピグメントレッド12(アゾ顔料)、C.I.ピグメントレッド48(Ca)(アゾ顔料)、C.I.ピグメントレッド48(Mn)(アゾ顔料)、C.I.ピグメントレッド57(Ca)(アゾ顔料)、C.I.ピグメントレッド57:1(アゾ顔料)、C.I.ピグメントレッド112(アゾ顔料)、C.I.ピグメントレッド122(キナクリドン顔料)、C.I.ピグメントレッド123(ペリレン顔料)、C.I.ピグメントレッド168(アンスラキノン系顔料)、C.I.ピグメントレッド184(アゾ顔料)、C.I.ピグメントレッド202(キナクリドン顔料)、C.I.ピグメントレッド209(キナクリドン顔料)、C.I.ピグメントヴァイオレット19(キナクリドン顔料)等が挙げられる。
また、シアンインクに使用する顔料としては、例えば、C.I.ピグメントブルー1(レーキ顔料)、C.I.ピグメントブルー15(フタロシアニン顔料)、C.I.ピグメントブルー15:3(フタロシアニン顔料)、C.I.ピグメントブルー15:4(フタロシアニン顔料)、C.I.ピグメントブルー16(フタロシアニン顔料)、C.I.ピグメントブルー60(アンスラキノン顔料)等が挙げられる。
また、イエローインクに使用する顔料としては、C.I.ピグメントイエロー1(アゾ顔料)、2(アゾ顔料)、3(アゾ顔料)、12(アゾ顔料)、13(アゾ顔料)、14(アゾ顔料)、16(アゾ顔料)、17(アゾ顔料)、73(アゾ顔料)、74(アゾ顔料)、75(アゾ顔料)、83(アゾ顔料)、93(アゾ顔料)、95(アゾ顔料)、97(アゾ顔料)、98(アゾ顔料)、109(イソインドリノン顔料)、110(イソインドリノン顔料)、114(アゾ顔料)、120(ベンズイミダゾロン顔料)、128(アゾ顔料)、129(アゾ顔料)、138(キノフタロン顔料)、150(アゾ顔料)、151(ベンズイミダゾロン顔料)、154(ベンズイミダゾロン顔料)、155(アゾ顔料)、180(ベンズイミダゾロン顔料)、185(イソインドリン顔料)、213(キノキサリン顔料)等が挙げられる。
前記マゼンタインク、シアンインク、又はイエローインク中の顔料の平均粒径は、10〜200nmの範囲にあるものが好ましく、より好ましくは50〜150nm程度のものである。また前記着色剤の添加量、十分な画像濃度や印刷画像の耐光性を得るため、インク全量の0.5〜20質量%の範囲で含有させることが好ましい。
(インクセット)
本発明の活性エネルギー線硬化型インクジェットインクは、前述の通り白色顔料及び白色顔料以外の着色剤、例えばマゼンタ色、シアン色又はイエロー色を呈する顔料を含むことを特徴とする。これらは数種をインクセットとして使用してもよく好ましい。具体的には、少なくともマゼンタインク、シアンインク、及びイエローインクを含む活性エネルギー線硬化型インクジェットインクセットであることが好ましく、このうちの1種、数種もしくは全てのインクに白色顔料を加えた本発明の活性エネルギー線硬化型インクジェットインクが使用されていることが必須である。
その他、ブラックインクやクリアインク等、通常活性エネルギー線硬化型インクジェットインクセットに加えられる色インクを加えたセットであってもよい。また本発明のインクセットには、本来白色インクを使用しなくても鮮やかさを呈するものであるが、白色インクを排除するものではなくセットとして使用しても構わない。また、それぞれの色毎に同系列の濃色や淡色を加えてもよく、マゼンタに加えて淡色のライトマゼンタ、濃色のレッド、シアンに加えて淡色のライトシアン、濃色のブルー、ブラックに加えて淡色であるグレイ、ライトブラック、濃色であるマットブラック等を加えてもよい。
例えばブラックインクに使用する黒顔料としては、三菱化学社製のNo.2300、No.900、MCF88、No.33、No.40、No.45、No.52、MA7、MA8、MA100、No.2200B等が、コロンビア社製のRaven5750、同5250、同5000、同3500、同1255、同700等が、キャボット社製のRegal400R、同330R、同660R、Mogul L、同700、Monarch800、同880、同900、同1000、同1100、同1300、同1400等が、デグッサ社製のColor Black FW1、同FW2、同FW2V、同FW18、同FW200、ColorBlack S150、同S160、同S170、Printex 35、同U、同V、同140U、Special Black 6、同5、同4A、同4等が挙げられる。
また、白色インクに使用する白顔料としては、前述の白顔料を使用することができる。
これらの顔料の平均粒径は、具体的にブラックインクは、30〜100nmの範囲にあるものが好ましく、より好ましくは50〜80nm程度のものである。
又前記白色顔料以外の着色剤の添加量は、十分な画像濃度や印刷画像の耐光性を得るため、インクジェットインク全量の1〜30質量%の範囲で含有させることが好ましい。
この他に、本発明の課題を損なわず、且つ吐出安定性を損なわない範囲において、必要に応じて界面活性剤、レベリング添加剤、マット剤、膜物性を調整するためのポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、ゴム系樹脂、ワックス類を添加することが出来る。
前記顔料は、前記活性エネルギー線重合性化合物等に対する分散安定性を高める目的で顔料分散剤を用いることが好ましい。具体的には、味の素ファインテクノ社製のアジスパーPB821、PB822、PB817、アビシア社製のソルスパーズ24000GR、32000、33000、39000、楠本化成社製のディスパロンDA―703―50、DA−705、DA−725等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。また、高分子分散剤の使用量は、顔料に対して10〜80質量%の範囲が好ましく、特に20〜60質量%の範囲が好ましい。使用量が10質量%未満の場合には分散安定性が不十分となる傾向にあり、80質量%を超える場合にはインクの粘度が高くなる傾向にあり、吐出安定性が低下しやすい傾向にある。
また、本発明の活性エネルギー線硬化型インクジェットインクには、被着材に対する接着性の付与等を目的に、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、テルペンフェノール樹脂、ロジンエステル等の非反応性樹脂等を配合することができる。しかしながら非反応性樹脂の添加はサテライト発生の恐れがあることや、耐溶剤性の低下のおそれがあることから、添加量は少量にとどめておくことが好ましい。
本発明の活性エネルギー線硬化型インクジェットインクの製造は、白色顔料及び白色以外の顔料、活性エネルギー線重合性化合物、必要に応じ高分子分散剤、樹脂を加えた混合物をビーズミル等の通常の分散機を用いて顔料を分散した後、光重合開始剤を加え、さらに必要に応じ表面張力調整剤等の添加剤を加えて攪拌、溶解することで調製できる。予め、ビーズミル等の通常の分散機を用いて高濃度の顔料分散液(ミルベース)を作製後、光重合開始剤を溶解した活性エネルギー線重合性化合物、添加剤等を攪拌、混合して調製することもできる。
このとき、白色顔料と白色以外の顔料とを最初から添加して高濃度の顔料分散液を作成してもよいが、予め、白色顔料のみを使用した高濃度の白色顔料分散液を作製し、一方、別途作成した白色顔料以外の着色剤を使用したマゼンタ色、シアン色あるいはイエロー色の高濃度の顔料分散液と所望の割合で混合した後、光重合開始剤を溶解した活性エネルギー線重合性化合物、添加剤等を攪拌、混合して調製することも可能である。この方法は、効率的であり好ましい。
また、白色顔料のみを使用した活性エネルギー線硬化型インクジェットインクを調整し、一方白色顔料以外の着色剤を使用したマゼンタ色、シアン色あるいはイエロー色のインクを調整し、該インク同士を所望の割合で混合してもよい。この場合は、必要とする光重合開始剤を溶解した活性エネルギー線重合性化合物、添加剤等の種類や割合を予め一致させておく必要があるが、簡便であり好ましい。
顔料を分散させるための攪拌・分散装置としては、ビーズミルの他、たとえば超音波ホモジナイザー、高圧ホモジナイザー、ペイントシェーカー、ボールミル、ロールミル、サンドミル、サンドグラインダー、ダイノーミル、ディスパーマット、SCミル、ナノマイザーなど、公知慣用の各種分散機を使用することができる。
(像形成方法)
本発明の活性エネルギー線硬化型インクジェットインクは、インクジェット方式により所望のパターンでインクジェットノズルから吐出して該インク層を形成する工程1と、活性エネルギー線を照射することにより前記インク層を硬化させる工程2により、像を形成することができる。この時、被印刷基材等の被着体に対して、画像パターン状にインクを吐出しインク層を形成し、工程2によりインク層を硬化させることで、画像を形成させることができる。
インクジェット方式としては、従来公知の方式がいずれも使用できる。例えば圧電素子の振動を利用してインクジェットノズルから液滴を吐出させる方法(電歪素子の機械的変形によりインク滴を形成するインクジェットヘッドを用いた方法)や熱エネルギーを利用する方法が挙げられる。
(被印刷基材)
本発明で使用する被基材は、普通紙、コート紙等の紙はもちろん、プラスチック材も使用することができる。具体的には、汎用の射出成形用プラスチックとして使用される、ABS(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン)樹脂、PVC(ポリ塩化ビニル)/ABS樹脂、PA(ポリアミド)/ABS樹脂、PC(ポリカーボネート)/ABS樹脂、PBT(ポリブチレンテレフタレート)/ABS等のABS系のポリマーアロイ、AAS(アクリロニトリル・アクリルゴム・スチレン)樹脂、AS(アクリロニトリル・スチレン)樹脂、AES(アクリロニトリル・エチレンゴム・スチレン)樹脂、MS((メタ)アクリル酸エステル・スチレン)系樹脂、PC(ポリカーボネート)系樹脂、アクリル系樹脂、メタクリル系樹脂、PP(ポリプロピレン)系樹脂、等が挙げられる。
また、被基材として包装材料用の熱可塑性樹脂フィルム等のプラスチック材からなるフィルムを使用することも可能である。例えば食品包装用として使用される熱可塑性樹脂フィルムとしては、ポリエチレンレテフタレート(PET)フィルム、ポリスチレンフィルム、ポリアミドフィルム、ポリアクリロニトリルフィルム、ポリエチレンフィルム(LLDPE:低密度ポリエチレンフィルム、HDPE:高密度ポリエチレンフィルム)やポリプロピレンフィルム(CPP:無延伸ポリプロピレンフィルム、OPP:二軸延伸ポリプロピレンフィルム)等のポリオレフィンフィルム、ポリビニルアルコールフィルム、エチレン−ビニルアルコール共重合体フィルム等が挙げられる。これらは一軸延伸や二軸延伸等の延伸処理を施してあってもよい。またフィルム表面には必要に応じて火炎処理やコロナ放電処理などの各種表面処理を施してもよい。
(硬化反応)
硬化反応としては、活性エネルギー線、好ましくは紫外線等の光照射をすることにより行う。紫外線等の光源としては、通常活性エネルギー線硬化型インクジェットインクに使用する光源、例えばメタルハライドランプ、キセノンランプ、カーボンアーク灯、ケミカルランプ、低圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ等であれば問題なく硬化させることができる。例えばFusion System社製のHランプ、Dランプ、Vランプ等の市販されているものを用いて行うことができる。
本発明の活性エネルギー線硬化型インクジェットインクは、これら紫外線光源から発せられる紫外線にて積算光量で50〜1000mJ/cmの照射で硬化することが好ましく、より好ましくは50〜200mJ/cmで硬化することが好ましい。
また、UV−LEDや、紫外線発光半導体レーザ等の紫外線発光半導体素子によっても硬化が可能である。具体的には、活性エネルギー線硬化型インクジェットインクを被基材に吐出することにより画像を印字する工程と、発光ダイオード(LED)を用いて波長ピークが365〜420nmの範囲にある活性エネルギー線を照射することにより前記画像を硬化させることで、画像を形成させることが可能である。
(光造形法)
また、前記工程2の後、前記工程1および前記工程2を含む工程を繰り返して立体像を得る工程3とを含むことで、光造形による立体像が形成可能である。
一般的な光造形法の一例を示す。インクジェット方式により活性エネルギー線硬化型インクジェットインクをインクジェットノズルから所望の形状パターンを描画するよう吐出してから紫外線を照射して硬化薄膜を形成する。一般にインクジェット光造形法に用いる光造形装置は、目的とする立体造形物を光造形するための平面ステージと、平面ステージに対して少なくとも平行な平面上に移動可能なインクジェットノズルを少なくとも1個と、活性エネルギー線硬化型インクジェットインクの硬化光を照射するための光源とを有している。CADデータ等に基づいて目的とする立体造形物の形状を複数の断面形状に分割した断面形状データに応じた所望のパターンでインクジェットノズルから活性エネルギー線硬化型インクジェットインクを吐出して、同インクからなるインク層を形成した後、光源から活性エネルギー線照射光を照射して該インク層を硬化させる。次いで、該硬化させたインク層の上に、次の断面形状に応じてインクジェットノズルから活性エネルギー線硬化型インクジェットインクを供給する。以上を繰り返すことにより、各断面形状に相当する樹脂硬化層を積層して、目的とする立体像を形成することができる。
以下、実施例により、本発明をさらに詳しく説明するが、本発明は、下記実施例に何ら制限されるものではない。なお、以下実施例中にある部とは、質量部を表す。
[シアン顔料分散液(ミルベース)の調整例]
(ミルベース(1)の製造例)
ファストゲンブルーTGR-J 10部
DIC製 銅フタロシアニン顔料C.I.ピグメントブルー15:4
アジスパー PB−821 3部
ルーブリゾール製 高分子顔料分散剤
ライトアクリレート PGA 7部
共栄社化学製 2−ヒドロキシ3−フェノキシプロピルアクリレート(単官能モノマー)
MIRAMER M−222 80部
MIWON製 ジプロピレングリコールジアクリレート(多官能モノマー)
を攪拌機で30分以上混合させて、シアン顔料の懸濁液を得た。
得られたシアン顔料の懸濁液を、連続式分散メディア攪拌型湿式分散装置(日本コークス製、SCミル100型)を用いて、この分散装置の排出口に、懸濁液を保持する容器を接続し、更にこの容器を分散装置の供給口に接続して、循環ポンプを設けることなく懸濁液を循環させて、顔料が所定の粒子径の顔料分散液となるまで、繰り返し分散させた。
この時の分散条件は、分散装置のローター回転数2500min-1、分散メディアである0.5mmφジルコニアビーズ充填率80%、上記シアン顔料の懸濁液の時間当たりの供給量は250Lで、2時間循環分散とさせて、ミルベース(1)を作製した。
[マゼンタ顔料分散液(ミルベース)の調整例]
(ミルベース(2)の製造例)
ファストゲンスーパーマゼンタRTSP 10部
DIC製 キナクリドン顔料C.I.ピグメントレッド122
アジスパー PB−821 4.5部
ルーブリゾール製 高分子顔料分散剤
ライトアクリレート PGA 10.5部
共栄社化学製 2−ヒドロキシ3−フェノキシプロピルアクリレート(単官能モノマー)
MIRAMER M−222 75部
MIWON製 ジプロピレングリコールジアクリレート(多官能モノマー)
を攪拌機で30分以上混合させて、マゼンタ顔料の懸濁液を得た。
得られたマゼンタ顔料の懸濁液を、連続式分散メディア攪拌型湿式分散装置(日本コークス製、SCミル100型)を用いて、この分散装置の排出口に、懸濁液を保持する容器を接続し、更にこの容器を分散装置の供給口に接続して、循環ポンプを設けることなく懸濁液を循環させて、顔料が所定の粒子径の顔料分散液となるまで、繰り返し分散させた。
この時の分散条件は、分散装置のローター回転数2400min-1、分散メディアである0.5mmφジルコニアビーズ充填率80%、上記高濃度マゼンタ顔料の懸濁液の時間当たりの供給量は250Lで、1.5時間循環分散とさせて、ミルベース(2)を作製した。
[イエロー顔料分散液(ミルベース)の調整例]
(ミルベース(3)の製造例)
Levascreen Yellow G−01 10部
ランクセス製 C.I.ピグメントイエロー150
Solsperse 33000 6部
日本ルーブリゾール製 高分子顔料分散剤
MIRAMER M−222 84部
MIWON製 ジプロピレングリコールジアクリレート(多官能モノマー)
を攪拌機で30分以上混合させて、高濃度イエロー顔料の懸濁液を得た。
得られたイエロー顔料の懸濁液を、連続式分散メディア攪拌型湿式分散装置(日本コークス製、SCミル 100型)を用いて、この分散装置の排出口に、懸濁液を保持する容器を接続し、更にこの容器を分散装置の供給口に接続して、循環ポンプを設けることなく懸濁液を循環させて、顔料が所定の粒子径の顔料分散液となるまで、繰り返し分散させた。
この時の分散条件は、分散装置のローター回転数2200min-1、分散メディアである0.8mmφ高比重ガラスビーズ充填率85%、上記イエロー顔料の懸濁液の時間当たりの供給量は220Lで、1.5時間循環分散とさせて、ミルベース(3)を作製した。
[白色顔料分散液(ミルベース)の調整例]
(ミルベース(3)の製造例)
JR−806 40部
テイカ製 酸化チタン
Solsperse 24000 2部
日本ルーブリゾール製 高分子顔料分散剤
ライトアクリレート PGA 5部
共栄社化学製 2−ヒドロキシ3−フェノキシプロピルアクリレート(単官能モノマー)
MIRAMER M−222 53部
MIWON製 ジプロピレングリコールジアクリレート(多官能モノマー)
を攪拌機で30分以上混合させて、白色顔料の懸濁液を得た。
得られた白色顔料の懸濁液を、連続式分散メディア攪拌型湿式分散装置(日本コークス製、SCミル 100型)を用いて、この分散装置の排出口に、懸濁液を保持する容器を接続し、更にこの容器を分散装置の供給口に接続して、循環ポンプを設けることなく懸濁液を循環させて、顔料が所定の粒子径の顔料分散液となるまで、繰り返し分散させた。
この時の分散条件は、分散装置のローター回転数2200min-1、分散メディアである0.8mmφ高比重ガラスビーズ充填率85%、上記白色顔料の懸濁液の時間当たりの供給量は220Lで、1.5時間循環分散とさせて、ミルベース(4)を作製した。
[インク調整例1] シアンインク(1)
MIRAMER M−222(MIWON製 ジプロピレングリコールジアクリレート)35部、MIRAMERE M−3130(MIWON製 EO変性トリメチロールプロパントリアクリレート)25部、ユニディックV−5500(DIC製エポキシアクリレート)5部、IOAA(大阪有機製イソオクチルアクリレート)15部、光重合開始剤として、イルガキュアー819(BASF製)4部、ルシリンTPO(BASF製)3部を加えて、60℃に加温して、十分攪拌、光重合開始剤を完全溶解した。この後、上記で作製した顔料分散液(ミルベース(1))を20部加えて、再度、十分攪拌した後、1.2μmのメンブランフィルターを用いて、ろ過することにより、活性エネルギー線硬化型インクジェット用シアン色インク(1)を得た。
[インク調整例2] マゼンタインク(2)
MIRAMER M−222(MIWON製 ジプロピレングリコールジアクリレート)34部、MIRAMERE M−3130(MIWON製 EO変性トリメチロールプロパントリアクリレート)10部、ユニディックV−5500(DIC製エポキシアクリレート)3部、IOAA(大阪有機製イソオクチルアクリレート)13部、光重合開始剤として、イルガキュアー819(BASF製)4部、ルシリンTPO(BASF製)3部を加えて、60℃に加温して、十分攪拌、光重合開始剤を完全溶解した。この後、上記で作製した顔料分散液(ミルベース(2))を40部加えて、再度、十分攪拌した後、1.2μmのメンブランフィルターを用いて、ろ過することにより、活性エネルギー線硬化型インクジェット用マゼンタ色インク(2)を得た。
[インク調整例3] イエローインク(3)
MIRAMER M−222(MIWON製 ジプロピレングリコールジアクリレート)32部、MIRAMERE M−3130(MIWON製 EO変性トリメチロールプロパントリアクリレート)23部、ユニディックV−5500(DIC製エポキシアクリレート)3部、IOAA(大阪有機製イソオクチルアクリレート)12部、光重合開始剤として、イルガキュアー819(BASF製)4部、ルシリンTPO(BASF製)3部を加えて、60℃に加温して、十分攪拌、光重合開始剤を完全溶解した。この後、上記で作製した顔料分散液(ミルベース(3))を30部加えて、再度、十分攪拌した後、1.2μmのメンブランフィルターを用いて、ろ過することにより、活性エネルギー線硬化型インクジェット用イエロー色インク(3)を得た。
[インク調整例4] 白インク(4)
MIRAMER M−222(MIWON製 ジプロピレングリコールジアクリレート)25部、MIRAMERE M−3130(MIWON製 EO変性トリメチロールプロパントリアクリレート)10部、ユニディックV−5500(DIC製エポキシアクリレート)3部、IOAA(大阪有機製イソオクチルアクリレート)12部、光重合開始剤として、イルガキュアー819(BASF製)4部、ルシリンTPO(BASF製)3部を加えて、60℃に加温して、十分攪拌、光重合開始剤を完全溶解した。この後、上記で作製した顔料分散液(ミルベース(4))を50部加えて、再度、十分攪拌した後、1.2μmのメンブランフィルターを用いて、ろ過することにより、活性エネルギー線硬化型インクジェット用白色インク(4)を得た。
[実施例1] 白色顔料2.5重量%含有シアンインク
インク調整例4で得られた白色インク(4)13.4部とインク調整例1で得られたシアンインク(1)86.6部を攪拌混合することで、白色顔料2.5重量%を含有したシアンインクを得た。
[実施例2] 白色顔料5重量%含有シアンインク
インク調整例4で得られた白色インク(4)26.7部とインク調整例1で得られたシアンインク(1)73.3部を攪拌混合することで、白色顔料5重量%を含有したシアンインクを得た。
[実施例3] 白色顔料10重量%含有シアンインク
インク調整例4で得られた白色インク(4)53.5部とインク調整例1で得られたシアンインク(1)46.5部を攪拌混合することで、白色顔料10重量%を含有したシアンインクを得た。
[実施例4] 白色顔料15重量%含有シアンインク
インク調整例4で得られた白色インク(4)80.2部とインク調整例1で得られたシアンインク(1)19.8部を攪拌混合することで、白色顔料15重量%を含有したシアンインクを得た。
[実施例5] 白色顔料2.5重量%含有マゼンタインク
インク調整例4で得られた白色インク(4)13.4部とインク調整例2で得られたマゼンタインク(2)86.6部を攪拌混合することで、白色顔料2.5重量%を含有したマゼンタインクを得た。
[実施例6] 白色顔料5重量%含有マゼンタインク
インク調整例4で得られた白色インク(4)26.7部とインク調整例2で得られたマゼンタインク(2)73.3部を攪拌混合することで、白色顔料5重量%を含有したマゼンタインクを得た。
[実施例7] 白色顔料10重量%含有マゼンタインク
インク調整例4で得られた白色インク(4)53.5部とインク調整例2で得られたマゼンタインク(2)46.5部を攪拌混合することで、白色顔料10重量%を含有したマゼンタインクを得た。
[実施例8] 白色顔料2.5重量%含有イエローインク
インク調整例4で得られた白色インク(4)13.4部とインク調整例3で得られたイエローインク(3)86.6部を攪拌混合することで、白色顔料2.5重量%を含有したイエローインクを得た。
[実施例9] 白色顔料5重量%含有イエローインク
インク調整例4で得られた白色インク(4)26.7部とインク調整例3で得られたイエローインク(3)73.3部を攪拌混合することで、白色顔料5重量%を含有したイエローインクを得た。
[実施例10] 白色顔料10重量%含有イエローインク
インク調整例4で得られた白色インク(4)53.5部とインク調整例3で得られたイエローインク(3)46.5部を攪拌混合することで、白色顔料10重量%を含有したイエローインクを得た。
[比較例1〜3]
インク調整例1〜3で得られたシアンインク(1)、マゼンタインク(2)、イエローインク(3)を夫々、白色顔料を含まないインクの比較例1〜3とした。
[白色顔料の含有による彩度への影響]
実施例、及び比較例で得られたインクを黒色PET基材上にスピンコーターを用いて6μmの厚さに塗布し、次いでメタルハライドランプにて800mJ/cmの光量で照射し、硬化塗膜を得た。
得られた硬化塗膜をL表色系で測定した。測定には、X−rite社製の測色計528を用い、光源50/2でL値を測定した。また、色の鮮やかさの指標となる彩度Cは、a値より式(1)から算出した。
式(1): C=√((a+(b
Figure 2015067743
この結果から明らかな通り、本発明で得た実施例の活性エネルギー線硬化型インクジェットインクの硬化塗膜は、鮮やかさの指標となる彩度値が比較例に対し明らかに高い数値を示した。また目視による観察においても比較例のインク塗膜がほぼ基材の黒色を呈しているのに対し、実施例の塗膜は、鮮やかに色発現されていることが分かる。
[白色顔料の含有による厚膜化色目への影響]
実施例3と比較例1のインクを白色PET基材上にスピンコーターを用いて6μmの厚さに塗布し、次いでメタルハライドランプにて800mJ/cmの光量で照射し、硬化塗膜を得た。この操作を2回繰り返し2層−12μm厚の塗膜を、3回繰り返し3層−18μm厚の塗膜を得た。得られた硬化塗膜をL表色系で測定した。測定には、X−rite社製の測色計528を用い、光源50/2でL値を測定した。また、色の鮮やかさの指標となる彩度:Cは、a値より式(1)から算出した。
式(1): C=√(a+(b

Figure 2015067743
この結果、実施例3と比較例1のインクを夫々、白色基材上に6μm、12μm、18μmに厚膜化塗装を行なった結果、実施例3のインクのL値は、約20%の低下であったが、比較例1のインク塗膜のL値は、約35%低下した。また彩度値Cは、実施例3のインク塗膜は、大きな変化はなかったが、比較例1のインク塗膜は、低下傾向にあった。
以上の結果より、インク中に白色顔料を含むことで基材の色の影響を受けずに色発現し、また、厚膜印刷した際の彩度の低下が抑えられることがわかる。

Claims (10)

  1. 重合性化合物及び光重合開始剤を含有し活性エネルギー線を照射することにより硬化し、白色顔料及び白色顔料以外の着色剤を含むことを特徴とする活性エネルギー線硬化型インクジェットインク。
  2. 前記白色顔料以外の着色剤が、マゼンタ色、シアン色又はイエロー色を呈する請求項1に記載の活性エネルギー線硬化型インクジェットインク。
  3. 前記白色顔料を、インクの全固形分に対し1〜20質量%含有する請求項1または2に記載の活性エネルギー線硬化型インクジェットインク。
  4. 前記白色顔料が酸化チタンである請求項1〜3のいずれかに記載の活性エネルギー線硬化型インクジェットインク。
  5. 重合性化合物及び光重合開始剤を含有し活性エネルギー線を照射することにより硬化する、少なくともマゼンタインク、シアンインク及びイエローインクを含む活性エネルギー線硬化型インクジェットインクセットであって、該インクジェットインクセットを構成するインクのいずれかあるいは全てに白色顔料を含有することを特徴とする活性エネルギー線硬化型インクジェットインクセット。
  6. ブラックインク、白色インク又はクリアインクを含む、請求項5に記載の活性エネルギー線硬化型インクジェットインクセット。
  7. 活性エネルギー線硬化型インクジェットインクをインクジェット方式により所望のパターンで吐出して該インク層を形成する工程1と、活性エネルギー線を照射することにより前記インク層を硬化させる工程2とを含み、前記活性エネルギー線硬化型インクジェットインクが請求項1〜5のいずれかに記載のインクであることを特徴とする像形成方法。
  8. 前記工程2の後、前記工程1および前記工程2を含む工程を繰り返して立体像を得る工程3とを含む請求項7に記載の像形成方法。
  9. 活性エネルギー線硬化型インクジェットインクセットをインクジェット方式により所望のパターンで吐出して画像を形成する工程と、活性エネルギー線を照射することにより前記インクを硬化させる工程とを含み、前記活性エネルギー線硬化型インクジェットインクセットが請求項5または6に記載のインクセットであることを特徴とする像形成方法。
  10. 前記工程2の後、前記工程1および前記工程2を含む工程を繰り返して立体像を得る工程3とを含む請求項9に記載の像形成方法。
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