JP2015067598A - モンテルカストナトリウムのアモルファスを製造する方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 1−(((1(R)−(3−(2(E)−(7−クロロ−2−キノリニル)エテニル)フェニル)−3−(2−(1−ヒドロキシ−1−メチルエチル)フェニル)プロピル)チオ)メチル)シクロプロパン酢酸ナトリウムを芳香族炭化水素類、酢酸エステル類からなる群より選ばれる少なくとも1種に溶解させた溶液を、−10℃以上10℃以下の炭素数5〜8の脂肪族炭化水素に滴下して固体化させる。
【選択図】 なし
Description
本発明のナトリウム塩化工程は、モンテルカスト遊離酸と水酸化ナトリウム等のナトリウム源とを、メタノールまたはエタノール溶媒中で反応させて、粗モンテルカストナトリウムを得る工程である。
当該モンテルカスト遊離酸は、特に制限されるものではなく、公知の方法によって製造される。具体的には、特許文献5に記載の方法、すなわち、下記式(3)
当該ナトリウム塩化工程では、前記モンテルカスト遊離酸をナトリウム塩化するのに、ナトリウム源として、水酸化ナトリウムやナトリウムメトキシド等のナトリウムを含む強塩基を用いることができ、水酸化ナトリウムを用いることが好ましい。当該水酸化ナトリウムは、市販の試薬や工業品を特に制限なく使用することができる。また、当該水酸化ナトリウムの使用量は、モンテルカスト遊離酸1モルに対して1.0当量以上1.5当量以下であることが好ましく、1.0当量以上1.1当量以下であることがより好ましい。
当該ナトリウム塩化工程では、反応溶媒としてメタノールまたはエタノールを使用することが好ましい。当該反応溶媒の使用量は、操作性や反応性を考慮すると、モンテルカスト遊離酸1gに対して、1ml以上100ml以下であればよく、2ml以上50ml以下であることが好ましく、3ml以上20ml以下であることがより好ましい。なお、本発明において、溶媒の体積は25℃におけるものとする。
当該ナトリウム塩化工程において、モンテルカスト遊離酸と水酸化ナトリウム等のナトリウム源とをメタノールまたはエタノール溶媒中で反応させる方法は特に限定されず、モンテルカスト、ナトリウム源、反応溶媒であるメタノールまたはエタノールを混合すればよく、その際の方法や順序も特に限定されない。具体的には、モンテルカスト遊離酸と反応溶媒とを混合した後でナトリウム源を加える方法や、ナトリウム源と反応溶媒とを混合した後でモンテルカスト遊離酸を加える方法等が挙げられ、モンテルカスト遊離酸及びナトリウム源の溶解度、並びに、生成する粗モンテルカストナトリウムの溶解度を考慮すると、モンテルカスト遊離酸と反応溶媒とを予め混合して溶解させ、得られた溶液にナトリウム源を反応溶媒に溶解させた溶液を加える方法が好ましい。当該ナトリウム塩化工程において、反応の温度は、モンテルカストナトリウムが溶解すればよく、特に制限されないが、モンテルカストナトリウムの安定性及び操作性を考慮すると、−10℃以上50℃以下であることが好ましく、0℃以上50℃以下であることがより好ましく、10℃以上40℃以下であることがさらに好ましい。当該温度範囲で反応を行なうことによって、効率的に反応性良く反応を行なうことができる。
本発明の溶液調製工程は、モンテルカストナトリウムが、芳香族炭化水素、酢酸エステル類からなる群より選ばれる少なくとも1種(良溶媒)に溶解した溶液を得る工程である。
本発明に使用されるモンテルカストナトリウムは、特に制限されず、公知の方法で製造されたものを使用することができ、具体的には、特許文献1及び3に記載された方法、すなわち、モンテルカスト遊離酸にナトリウム源を作用させる方法によって製造されたものを使用することができる。
本発明において、モンテルカストナトリウムの溶液をなす溶媒は、芳香族炭化水素類、酢酸エステル類からなる群より選ばれる少なくとも1種である。本発明で使用される芳香族炭化水素類及び酢酸エステル類は特に制限されず、市販の試薬や工業品を用いることができる。芳香族炭化水素類としては、ベンゼン、トルエン、キシレン等が挙げられ、トルエンを用いることが好ましい。酢酸エステル類としては、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸n−ブチル、酢酸s−ブチル、酢酸イソブチル、酢酸t−ブチル等が挙げられ、酢酸イソプロピルを用いることが好ましい。また、前記のように、共沸によって溶媒交換する場合は、ベンゼン、トルエン、キシレン、酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸n−ブチル、酢酸s−ブチル、酢酸イソブチル、酢酸t−ブチルを用いることが好ましい。これらの溶媒は一種類だけを用いてもよく、複数種類を適宜混合してもよい。
当該溶液調製工程は、モンテルカストナトリウムが前記良溶媒に溶解した溶液が得られればよく、その方法は特に制限されない。具体的には、粗モンテルカストナトリウムと良溶媒とを混合する方法が挙げられ、この際、モンテルカストナトリウムと良溶媒を混合する順序は特に制限されるものではない。
本発明の固体化工程は、前記溶媒調製工程で得られたモンテルカストナトリウムの溶液を炭素数5〜8の脂肪族炭化水素に滴下し、モンテルカストナトリウムのアモルファスを析出させる工程である。
本発明に使用される炭素数5〜8の脂肪族炭化水素は特に制限されず、市販の試薬や工業品を用いることができ、具体的には、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン等が挙げられ、ヘキサン、ヘプタンを用いることが好ましい。これらの溶媒は一種類だけを用いてもよく、複数種類を適宜混合してもよい。また、当該貧溶媒の使用量は、前記良溶媒の体積に対して2倍以上30倍以下であればよく、3倍以上25倍以下であることが好ましく、特に4倍以上20倍以下であることが好ましい。
本発明では、当該固体化工程において、前記溶液調整工程で得られた溶液を貧溶媒に滴下する際、当該貧溶媒の温度を−10℃以上10℃以下とする。当該貧溶媒の温度が10℃を超えると、得られるモンテルカストナトリウムのアモルファスの乾燥効率が低下し、残留溶媒量が多くなるおそれがあって、本発明の効果を得ることができない。また、−10℃より低くしても、それ以上の乾燥効率の改善が見られず、合理的ではない。
本発明の乾燥工程は、前記固体化工程で得られたモンテルカストナトリウムのアモルファスを40℃以上90℃以下の温度で乾燥させる工程である。当該乾燥工程において、モンテルカストアモルファスを乾燥させる際の温度は40℃以上90℃以下であればよく、50℃以上85℃以下であることが好ましく、60℃以上80℃以下であることがより好ましい。当該温度範囲で乾燥させることによって、モンテルカストナトリウムの分解が抑制され、且つ、効率的に溶媒を除去することができることから、モンテルカストナトリウムのアモルファスを高純度で、効率的に取得することができる。また、乾燥する方法は特に制限されず、公知の方法、すなわち、自然乾燥、送風乾燥、減圧乾燥等の方法を採用することができるが、乾燥の効率性等を考慮すると、減圧乾燥で乾燥させることが好ましい。
また、本発明において、モンテルカストナトリウムの残留溶媒量は下記に従って測定した。
試料に含まれる各溶媒の残留溶媒量は、下記の条件にて、ガスクロマトグラフィー(GC)による測定をして求められた各溶媒のピーク面積値から、検量線法により算出した。ここで、各溶媒の残留溶媒量は、試料の質量に対する各溶媒の質量の割合を百分率で示したものである。
装置:ガスクロマトクラフ装置
検出器:水素炎イオン化型検出器
カラム:DB−1(長さ30m、内径0.530mm、膜厚3.00μm)(Agirent Technologies, Inc.製)
カラム温度:40℃付近の一定温度で注入後、5分間維持し、次いで毎分10℃で230℃まで昇温し、230℃で5分間維持した。
検出器温度:250℃(一定)
注入口温度:150℃(一定)
キャリヤーガス:ヘリウム
カラム圧力:3.0psi
上記測定条件において、酢酸エチルは約6.7分、ヘキサンは約6.8分、酢酸イソプロピルは約8.4分、ヘプタンは約10.1分、トルエンは約12.1分にピークが検出される。
窒素雰囲気下で、下記式(4)
窒素雰囲気下で、モンテルカスト遊離酸5.0gにメタノール25mlを加えて撹拌混合し、得られた液に水酸化ナトリウム0.35gをメタノール10mlに溶解させた溶液を加えた。固体が全て溶解したことを確認した後、減圧下で溶媒を留去し、油状物として粗モンテルカストナトリウムを得た。
得られた粗モンテルカストナトリウムに酢酸イソプロピル25mlを加えて撹拌混合し、得られた溶液を0℃に冷却したヘプタン150mlに滴下し、同温で30分間保持した。析出した固体を加圧濾過によって濾取し、ヘプタン5mlで2回洗浄し、得られた湿体を80℃、減圧で24時間乾燥し、モンテルカストナトリウムのアモルファス4.9g(純度99.8%、酢酸イソプロピル残留量401ppm、ヘプタン残留量991ppm)を得た(収率94%)。得られたモンテルカストナトリウムのアモルファスは白色であった。
実施例1において、ヘプタンの使用量を150mlから300mlに変更した以外は同様の操作を行い、モンテルカストナトリウムのアモルファス4.9g(酢酸イソプロピル残留量329ppm、ヘプタン残留量824ppm)を得た(収率94%)。
実施例1において、ヘプタンの使用量を150mlから450mlに変更した以外は同様の操作を行い、モンテルカストナトリウムのアモルファス5.0g(酢酸イソプロピル残留量263ppm、ヘプタン残留量784ppm)を得た(収率96%)。
実施例1において、ヘプタンの温度を0℃から−10℃に変更した以外は同様の操作を行い、モンテルカストナトリウムのアモルファス5.0g(酢酸イソプロピル残留量245ppm、ヘプタン残留量793ppm)を得た(収率96%)。
実施例1において、ヘプタンの代わりにヘキサンを使用した以外は同様の操作を行い、モンテルカストナトリウムのアモルファス4.8g(酢酸イソプロピル残留量261ppm、ヘキサン613pm)を得た(収率93%)。
実施例1において、酢酸イソプロピルの代わりに酢酸エチルを使用した以外は同様の操作を行い、モンテルカストナトリウムのアモルファス4.9g(酢酸エチル残留量191ppm、ヘプタン778ppm)を得た(収率94%)。
実施例1において、酢酸イソプロピル25mlの代わりにトルエン50mlを使用した以外は同様の操作を行い、モンテルカストナトリウムのアモルファス4.8g(トルエン残留量173ppm、ヘプタン851ppm)を得た(収率93%)。
モンテルカストナトリウムのアモルファス(純度99.8%、酢酸イソプロピル残留量5620ppm、ヘプタン残留量9831ppm)5.0gを酢酸イソプロピル25mlに加えて撹拌混合し、得られた溶液を0℃に冷却したヘプタン150mlに滴下し、同温で30分間保持した。析出した固体を加圧濾過によって濾取し、ヘプタン5mlで2回洗浄し、得られた湿体を80℃、減圧で24時間乾燥し、モンテルカストナトリウムのアモルファス4.7g(純度99.8%、酢酸イソプロピル残留量364ppm、ヘプタン残留量858ppm)を得た(収率94%)。
実施例1において、乾燥時の温度を80℃から95℃に変更した以外は同様の操作を行い、モンテルカストナトリウムのアモルファス4.8g(酢酸イソプロピル残留量230ppm、ヘプタン残留量508ppm)を得た(収率93%)。得られたモンテルカストナトリウムのアモルファスは淡黄色に着色していた。
実施例1において、ヘプタンの温度を0℃から25℃に変更した以外は同様の操作を行い、モンテルカストナトリウムのアモルファス4.4g(酢酸イソプロピル残留量2749ppm、ヘプタン残留量5517ppm)を得た(収率85%)。
比較例1において、ヘプタンの使用量を150mlから450mlに変更した以外は同様の操作を行い、モンテルカストナトリウムのアモルファス4.6g(酢酸イソプロピル残留量2398ppm、ヘプタン残留量5899ppm)を得た(収率89%)。
実施例7において、ヘプタンの温度を0℃から25℃に変更した以外は同様の操作を行い、モンテルカストナトリウムのアモルファス4.4g(トルエン残留量1531ppm、ヘプタン残留量3636ppm)を得た(収率85%)。
比較例1において、乾燥時間を24時間から72時間に延長した以外は同様の操作を行い、モンテルカストナトリウムのアモルファス4.6g(酢酸イソプロピル残留量2613ppm、ヘプタン残留量5833ppm)を得た(収率89%)。
Claims (4)
- 芳香族炭化水素類および酢酸エステル類の含有量の合計が2000ppm以下であるモンテルカストナトリウムのアモルファス。
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