JP2015067565A - 3−(15−ヒドロキシペンタデシル)−2,4,4−トリメチル−2−シクロヘキセン−1−オン又はその塩を含有する医薬組成物 - Google Patents

3−(15−ヒドロキシペンタデシル)−2,4,4−トリメチル−2−シクロヘキセン−1−オン又はその塩を含有する医薬組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は3−(15−ヒドロキシペンタデシル)−2,4,4−トリメチル−2−シクロヘキセン−1−オン又はその塩の吸収性を向上させること。【解決手段】3−(15−ヒドロキシペンタデシル)−2,4,4−トリメチル−2−シクロヘキセン−1−オン又はその塩及び炭素数14〜18の脂肪酸又はその塩とを含有する医薬組成物。炭素数14〜18の脂肪酸又はその塩を含む、3−(15−ヒドロキシペンタデシル)−2,4,4−トリメチル−2−シクロヘキセン−1−オン又はその塩の経口吸収促進剤。【選択図】なし

Description

本発明は、3−(15−ヒドロキシペンタデシル)−2,4,4−トリメチル−2−シクロヘキセン−1−オン又はその塩を含有する医薬組成物に関する。更には3−(15−ヒドロキシペンタデシル)−2,4,4−トリメチル−2−シクロヘキセン−1−オン又はその塩を患者に投与した際の吸収促進剤に関する。
3−(15−ヒドロキシペンタデシル)−2,4,4−トリメチル−2−シクロヘキセン−1−オンは、構造が下記式(1)で表される化合物である(これ以降、式(1)で表される化合物を単に化合物(1)と示すこともある)。
特許文献1において、式(1)で表される化合物を含むシクロヘキセノン長鎖アルコールが神経成長促進作用を示し、痴呆症等の脳疾患予防・治療用の医薬として有用であることが記載されている。また例えば特許文献2において、化合物(1)は前立腺肥大症に代表される排尿障害治療剤として有用であることも知られている。
しかしながら、化合物(1)は通常の製剤処方では、医薬品として吸収性、特に経口吸収性が不十分であり、満足できる治療効果を得ることは期待できなかった。
上記特許文献においては、化合物(1)の吸収性に関する具体的な記載はない。炭素数14〜18の脂肪酸が、3−(15−ヒドロキシペンタデシル)−2,4,4−トリメチル−2−シクロヘキセン−1−オン又はその塩の吸収性を向上させることは知られていない。
国際公開 WO1999/008987 号公報 国際公開 WO2002/066024 号公報
本発明は3−(15−ヒドロキシペンタデシル)−2,4,4−トリメチル−2−シクロヘキセン−1−オン又はその塩の吸収性、特に経口吸収性を向上させることを目的とする。また、医薬品として有用で、吸収性、特に経口吸収性に優れた医薬組成物を提供することを目的とする。
本発明者は、多種多様な添加剤について、化合物(1)の吸収性が改善されるか否か検討した。その結果、化合物(1)と特定の長鎖脂肪酸又はその塩を用いたときに、通常の処方に比べて著しく吸収性が向上することを見出した。特定の脂肪酸又はその塩が吸収性にもたらす効果を確認するため、後述するラットを用いた薬物動態試験(PK試験)を行った。その結果、公知の化合物(1)の通常の処方と比較して、化合物(1)と特定の脂肪酸又はその塩を含む組成物は約50から100倍Cmaxが向上し、約20倍から40倍AUC0−24hrが向上した。
なお、Cmaxは化合物(1)の投与後に得られる最高血漿中濃度、AUC0−24hrは0時間から24時間までの血漿中濃度−時間曲線下面積を表す。
本発明に用いることができる脂肪酸又はその塩の炭素数は非常に限られていた。化合物(1)と炭素数14〜18の直鎖飽和脂肪酸又はその塩を用いた場合のみ、化合物(1)は上記の吸収性の向上をもたらした。上記特定の炭素数の飽和脂肪酸又はその塩が吸収性の改善効果をもたらすことは全く予想できなかったことであった。
本発明は化合物(1)又はその塩と炭素数14〜18の脂肪酸又はその塩とを含む医薬組成物、炭素数14〜18の脂肪酸又はその塩を含む、化合物(1)又はその塩の吸収促進剤、更には、化合物(1)又はその塩の吸収性を促進させるための炭素数14〜18脂肪酸又はその塩の使用、化合物(1)又はその塩の吸収促進剤を製造するための炭素数14〜18脂肪酸又はその塩の使用、及び化合物(1)又はその塩の吸収性を促進させるための炭素数14〜18脂肪酸又はその塩を提供する。
本発明によれば、医薬品として有用で、吸収性、特に経口吸収性、安定性等に優れた化合物(1)又はその塩と特定の脂肪酸又はその塩を含む医薬組成物が提供される。また、特定の脂肪酸又はその塩を含む、化合物(1)又はその塩の吸収促進剤が提供される。本発明の医薬組成物及び吸収促進剤は特定の脂肪酸又はその塩を用いない場合に比べて化合物(1)のCmaxが50から100倍向上し、AUC0−24hrが20から40倍向上する。本発明医薬組成物及び吸収促進剤は医療経済的に貢献することができる。また、本発明医薬組成物は化合物(1)又はその塩と特定の脂肪酸を混合することにより得られ、その製造方法は簡便である。
本発明は、化合物(1)又はその塩と特定の脂肪酸又はその塩を含有する医薬組成物を提供するものである。また、特定の脂肪酸又はその塩を含む、化合物(1)又はその塩の吸収促進剤を提供するものである。加えて、本発明は、項1から項11を提供するものである。
[項1]
3−(15−ヒドロキシペンタデシル)−2,4,4−トリメチル−2−シクロヘキセン−1−オン又はその塩及び炭素数14〜18の脂肪酸又はその塩を含む医薬組成物。
[項2]
前記炭素数14〜18の脂肪酸又はその塩が直鎖飽和脂肪酸又はその塩である項1に記載の医薬組成物。
[項3]
3−(15−ヒドロキシペンタデシル)−2,4,4−トリメチル−2−シクロヘキセン−1−オンと前記炭素数14〜18の脂肪酸又はその塩とのモル比が1:0.3〜1:1である項1又は2に記載の医薬組成物。
[項4]
前記炭素数14〜18の脂肪酸又はその塩がミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸及びそれらの塩からなる群より選択される少なくとも一種である項1〜3のいずれか一項に記載の医薬組成物。
[項5]
前記脂肪酸またはその塩の炭素数が14〜16である項1〜4のいずれか一項に記載の医薬組成物。
[項6]
炭素数14〜18の脂肪酸又はその塩を含む、3−(15−ヒドロキシペンタデシル)−2,4,4−トリメチル−2−シクロヘキセン−1−オン又はその塩の吸収促進剤。
[項7]
前記吸収促進剤が経口剤である、項6の吸収促進剤。
[項8]
前記炭素数14〜18の脂肪酸又はその塩が直鎖飽和脂肪酸又はその塩である項6又は7に記載の吸収促進剤。
[項9]
3−(15−ヒドロキシペンタデシル)−2,4,4−トリメチル−2−シクロヘキセン−1−オン又はその塩と前記炭素数14〜18の脂肪酸又はその塩とのモル比が1:0.3〜1:1となるように投与される、項6〜8のいずれか一項に記載の吸収促進剤。
[項10]
前記炭素数14〜18の脂肪酸又はその塩がミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸及びそれらの塩からなる群より選択される少なくとも一種である項6〜9のいずれか一項に記載の吸収促進剤。
[項11]
前記脂肪酸またはその塩の炭素数が14〜16である項6〜10のいずれか一項に記載の吸収促進剤。
本発明において、化合物(1)又はその塩は、前述の特許文献1に記載された製造方法によって製造できる。
本発明の医薬組成物に配合する化合物(1)は塩の形態でもよく、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩、マグネシウム塩等が挙げられる。
化合物(1)は、特に明記しない限り、互変異性体とその混合物も化合物(1)に包含される。前記異性体は、自体公知の合成手法、分離手法(濃縮、溶媒抽出、カラムクロマトグラフィー、再結晶など)によりそれぞれを単一化合物として得ることができる。
本発明における化合物(1)又はその塩と脂肪酸又はその塩のモル比([化合物(1)又はその塩のモル数]:[脂肪酸又はその塩のモル数])は特に限定されないが、好ましい実施形態において、例えば、1:0.1〜1:2の範囲で構成される。1:0.3〜1:1のモル比が好ましく、より好ましくは1:0.5〜1:1である。
本発明における脂肪酸としては、直鎖脂肪酸及び分岐鎖脂肪酸のいずれもが含まれる。直鎖脂肪酸は炭素鎖に分岐した炭素鎖を有さない脂肪酸であり、分岐鎖脂肪酸は炭素鎖に分岐した炭素鎖を有する脂肪酸である。
前記の直鎖脂肪酸としては、特に限定されず、直鎖飽和脂肪酸及び直鎖不飽和脂肪酸のいずれもが含まれる。直鎖飽和脂肪酸は炭素鎖に不飽和結合を有さない脂肪酸である。直鎖不飽和脂肪酸は炭素鎖に二重結合や三重結合の不飽和結合を有し、一般的には不飽和結合数が1〜4個有するものが挙げられる。分岐鎖脂肪酸も同様に分岐鎖飽和脂肪酸と分岐鎖不飽和脂肪酸のいずれもが含まれる。本発明において好ましくは直鎖脂肪酸である。更に好ましくは、直鎖飽和脂肪酸である。
前記の直鎖飽和脂肪酸としては、例えば、カプリル酸(炭素数8)、カプリン酸(炭素数10)、ラウリン酸(炭素数12)、ミリスチン酸(炭素数14)、ペンタデシル酸(炭素数15)、パルミチン酸(炭素数16)、マルガリン酸(炭素数17)、ステアリン酸(炭素数18)、アラキジン酸(炭素数20)、及びベヘン酸(炭素数22)などが挙げられる。好ましくは炭素数14〜18の直鎖飽和脂肪酸であり、更に好ましくは炭素数14〜16の直鎖飽和脂肪酸であり、特に好ましくは炭素数16の直鎖飽和脂肪酸(パルチミン酸)である。また、これらの脂肪酸は塩であってもよく、ナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩、カルシウム塩などが挙げられる。塩として好ましくはカリウム塩である。
本発明の医薬組成物を用いるにあたっては、薬学的担体と配合し、予防又は治療目的に応じて各種の投与形態を採用可能である。形態としては、例えば、経口剤、坐剤、軟膏剤、貼付剤等のいずれでもよく、好ましくは、経口剤である。これらの投与形態は、各々当業者に公知慣用の製剤方法により製造できる。
薬学的担体としては、製剤素材として慣用の各種有機あるいは無機担体物質が用いられる。固形製剤における賦形剤、滑沢剤、結合剤、崩壊剤、液状製剤における溶剤、溶解補助剤、懸濁化剤、等張化剤、緩衝剤、無痛化剤等を配合することができる。また、必要に応じて防腐剤、抗酸化剤、着色剤、甘味剤などの製剤添加物を用いることもできる。これらを2種類以上、混合して用いることもできる。
経口用固形製剤を調製する場合は、本発明の組み合わせに賦形剤、必要に応じて結合剤、崩壊剤、滑沢剤、着色剤、矯味・矯臭剤等を加えた後、常法により錠剤、被覆錠剤、顆粒剤、散剤、カプセル剤等を製造することができる。そのような添加剤としては、当該分野で一般的に使用されるものでよい。例えば、賦形剤としては、乳糖、白糖、塩化ナトリウム、ブドウ糖、デンプン、炭酸カルシウム、カオリン、微結晶セルロース、珪酸等を用いることができる。結合剤としては、水、エタノール、プロパノール、単シロップ、ブドウ糖液、デンプン液、ゼラチン液、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、ヒドロキシプロピルスターチ、メチルセルロース、エチルセルロース、シェラック、リン酸カルシウム、ポリビニルピロリドン等が用いることができる。崩壊剤としては、乾燥デンプン、アルギン酸ナトリウム、カンテン末、炭酸水素ナトリウム、炭酸カルシウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ステアリン酸モノグリセリド、乳糖等を、滑沢剤としては、精製タルク、ステアリン酸塩、ホウ砂、ポリエチレングリコール等を用いることができる。着色剤としては、酸化チタン、酸化鉄等を用いることができる。矯味・矯臭剤としては白糖、橙皮、クエン酸、酒石酸等を用いることができる。
経口用液体製剤を調製する場合は、本発明の医薬組成物又は組み合わせに矯味剤、緩衝剤、安定化剤、矯臭剤等を加えて常法により内服液剤、シロップ剤、エリキシル剤等を製造することができる。この場合矯味・矯臭剤としては、上記に挙げられたものでよく、緩衝剤としては、クエン酸ナトリウム等が、安定剤としては、トラガント、アラビアゴム、ゼラチン等が挙げられる。
坐剤を調製する場合は、本発明の医薬組成物又は組み合わせに、当業界において公知の製剤用担体、例えば、ポリエチレングリコール、ラノリン、カカオ脂、脂肪酸トリグリセリド等を用いることができる。さらに必要に応じてツイーン(登録商標)のような界面活性剤等を加えた後、常法により製造することができる。
軟膏剤を調製する場合は、本発明の医薬組成物又は組み合わせに、通常使用される基剤、安定剤、湿潤剤、保存剤等が必要に応じて配合され、常法により混合、製剤化される。基剤としては、流動パラフィン、白色ワセリン、サラシミツロウ、オクチルドデシルアルコール、パラフィン等を使用することができる。保存剤としては、パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸エチル、パラオキシ安息香酸プロピル等を使用することができる。
貼付剤を調製する場合は、通常の支持体に前記軟膏、クリーム、ゲル、ペースト等を常法により塗布すればよい。支持体としては、綿、スフ、化学繊維からなる織布、不織布や軟質塩化ビニル、ポリエチレン、ポリウレタン等のフィルムあるいは発泡体シートが適当である。
上記の各投与単位形態中に配合されるべき化合物(1)又はその塩と特定の脂肪酸又はその塩の量は、これを適用すべき患者の症状により、あるいはその剤形等により異なる。一般に投与単位形態あたり、化合物(1)の量として経口剤では約0.01〜1000mgとするのが望ましい。また、上記投与形態を有する薬剤の1日あたりの投与量は、患者の症状、体重、年齢、性別等によって異なり一概には決定できないが、通常成人1日あたり約0.01〜2000mg、好ましくは0.01〜1000mgとすればよく、これを1日1〜4回に分けて投与するのが好ましい。
本発明の医薬組成物又は組み合わせを含有する薬剤を投与することにより治療できる疾病としては、排尿障害、例えば、無抑制性神経因性膀胱、反射性神経因性膀胱、1型糖尿病性神経因性膀胱、2型糖尿病性神経因性膀胱、糖尿病性神経因性膀胱、自律性神経因性膀胱、弛緩性神経因性膀胱、低緊張性膀胱、その他の神経因性膀胱、術後膀胱機能低下、過活動膀胱、非神経因性過活動膀胱、排尿筋尿道括約筋協調不全、膀胱収縮不全、尿道弛緩不全、膀胱機能障害、尿道機能障害、腹圧性尿失禁、溢流性尿失禁、切迫性尿失禁、反射性尿失禁等,及び神経障害、例えば、脊髄損傷、脊柱管狭窄症、神経因性疼痛、神経因性感覚障害、糖尿病性疼痛,糖尿病性感覚障害、自律神経障害、重症筋無力症等が挙げられる。
本発明は、前述した炭素数14〜18の脂肪酸又はその塩を含む、化合物(1)又はその塩の吸収性を高めるための吸収促進剤を提供する。
本発明において、化合物(1)又はその塩の吸収とは、患者に化合物(1)又はその塩を投与した際に患者の体内に吸収されることを意味し、典型的には、消化管吸収性を意味し、例えば、経口投与した際の吸収性、すなわち経口吸収性等が挙げられる。吸収性とは化合物(1)又はその塩が患者の体内に吸収される程度を意味し、吸収促進とは、その吸収性を高めることを意味し、促進は、向上、増強、改善等と言い換えることができる。
本発明において、炭素数14〜18の脂肪酸又はその塩自体を吸収促進剤として用いてもよく、炭素数14〜18の脂肪酸又はその塩に前述した薬学的担体を配合したものを用いてもよい。前述した薬学的担体を用いる場合、例えば、本発明の吸収促進剤における炭素数14〜18の脂肪酸又はその塩の含有量が重量で60%以上、40%以上、15%以上、5%以上となるように設計することができる。
以下、本発明を実施例に基づきより詳細に説明するが、本発明は実施例に記載の方法に限定されるものではない。
実施例1 薬物動態試験(ラット)
化合物(1)と脂肪酸又はその塩のモル比が薬物動態に与える影響を調べた。ラット4匹を1グループとし、各グループに対して化合物(1)が30mg/kgとなるように0.5%HPMCにて薬剤懸濁液(化合物(1)の換算濃度として3mg/mL)を調製した。グループ1では化合物(1)のみで薬剤懸濁液を調製し、経口投与した。」グループ2、3では化合物(1)と化合物(1)に対してカプリル酸ナトリウム、ミリスチン酸カリウムのモル比が1となるよう混合して薬剤懸濁液を調製し、経口投与した。グループ4から7では、化合物(1)と化合物(1)に対してパルミチン酸カリウムのモル比がそれぞれ0.1、0.3、0.5、1となるように混合して薬剤懸濁液を調製し、経口投与した。グループ8では化合物(1)と化合物(1)に対してステアリン酸カリウムをモル比が1となるように混合して薬剤懸濁液を調製し、経口投与した。なお、ラットは日本チャールズリバー(株)の雄性、7週齢である。経口投与にはゾンデを用い、投与回数は1回である。各採血ポイントは化合物(1)投与後0.5、1、2、4、6、8、24時間であった。採血はヘパリンナトリウム処理したシリンジを用いて、頚静脈から行った。採取した血液を遠心後、血漿中の化合物(1)の濃度をLC/MS/MS(API4000)にて測定した。その結果を表1に示す。なお、表中のグループ1〜8の試料名(モル比)をそれぞれ「化合物(1)のみ」、「化合物(1) + カプリル酸ナトリウム (1:1)」、「化合物(1) + ミリスチン酸カリウム (1:1)」、「化合物(1) + パルミチン酸カリウム (1:0.1)」、「化合物(1) + パルミチン酸カリウム (1:0.3)」、「化合物(1) + パルミチン酸カリウム (1:0.5)」、「化合物(1) + パルミチン酸カリウム (1:1)」、「化合物(1) + ステアリン酸カリウム (1:1)」と記載した。また、使用した脂肪酸の炭素数を併記した。
グループ2では各採血ポイントで化合物(1)が検出限界(2ng/mL)以下であった。そのため、tmaxは算出することができず、表1にはNA(not analyzed)と記載し、Cmax、AUC0−24hrは定量限界以下だったので、表1には0と記載した。 グループ4ではグループ1に比べてCmaxが約20倍、AUC0−24hrが約10倍向上した。それに対して、グループ5から7ではグループ1に比べてCmaxが約60倍から80倍、AUC0−24hrが約30倍向上した。
また、グループ3ではグループ1に比べてCmaxが約100倍、AUC0−24hrが約40倍向上した。グループ8ではグループ1に比べてCmaxが約50倍、AUC0−24hrが約20倍向上した。
これらから明らかなように、化合物(1)は炭素数8のカプリル酸ナトリウムと混合して経口投与したときには吸収の向上が見られなかったが、炭素数14のミリスチン酸カリウム、炭素数16のパルミチン酸カリウム又は炭素数18のミリスチン酸カリウムと混合して投与したときに、大幅な経口吸収の向上を示した。また、化合物(1)と炭素数16のパルミチン酸カリウムのモル比が1:0.3から1:1のときに、大幅な経口吸収の向上を示した。
なお、ここではtmaxは化合物(1)を投与してから最高血漿中濃度に達するまでの時間、Cmaxは化合物(1)の投与後に得られる最高血漿中濃度、AUC0−24hrは0時間から24時間までの血漿中濃度−時間曲線下面積を表す。単位はそれぞれ、hr、ng/mL、ng・hr/mLである。

Claims (11)

  1. 3−(15−ヒドロキシペンタデシル)−2,4,4−トリメチル−2−シクロヘキセン−1−オン又はその塩及び炭素数14〜18の脂肪酸又はその塩を含む医薬組成物。
  2. 前記炭素数14〜18の脂肪酸又はその塩が直鎖飽和脂肪酸又はその塩である請求項1に記載の医薬組成物。
  3. 3−(15−ヒドロキシペンタデシル)−2,4,4−トリメチル−2−シクロヘキセン−1−オンと前記炭素数14〜18の脂肪酸又はその塩とのモル比が1:0.3〜1:1である請求項1又は2に記載の医薬組成物。
  4. 前記炭素数14〜18の脂肪酸又はその塩がミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸及びそれらの塩からなる群より選択される少なくとも一種である請求項1〜3のいずれか一項に記載の医薬組成物。
  5. 前記脂肪酸またはその塩の炭素数が14〜16である請求項1〜4のいずれか一項に記載の医薬組成物。
  6. 炭素数14〜18の脂肪酸又はその塩を含む、3−(15−ヒドロキシペンタデシル)−2,4,4−トリメチル−2−シクロヘキセン−1−オン又はその塩の吸収促進剤。
  7. 前記吸収促進剤が経口剤である、請求項6の吸収促進剤。
  8. 前記炭素数14〜18の脂肪酸又はその塩が直鎖飽和脂肪酸又はその塩である請求項6又は7に記載の吸収促進剤。
  9. 3−(15−ヒドロキシペンタデシル)−2,4,4−トリメチル−2−シクロヘキセン−1−オン又はその塩と前記炭素数14〜18の脂肪酸又はその塩とのモル比が1:0.3〜1:1となるように投与される、請求項6〜8のいずれか一項に記載の吸収促進剤。
  10. 前記炭素数14〜18の脂肪酸又はその塩がミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸及びそれらの塩からなる群より選択される少なくとも一種である請求項6〜9のいずれか一項に記載の吸収促進剤。
  11. 前記脂肪酸またはその塩の炭素数が14〜16である請求項6〜10のいずれか一項に記載の吸収促進剤。
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