JP2015067301A - タンクの断熱施工方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】タンクの断熱施工方法において、1)雨水浸入による断熱性能の低下、2)雨水浸入によるタンク壁面の腐食、3)外装材固定用支持金具又は保温止めリングの溶接固定工程によるコストアップの問題点を解決する。【解決手段】タンク壁面に整列して接着される略矩形の断熱パネルであって、可撓性断熱材に板状外装材を貼付してなり、上縁、左縁、右縁のうち少なくとも1箇所において板状外装材より可撓性断熱材が露出した部分が形成され、下縁において板状外装材が可撓性断熱材よりせり出して、当該せり出し部分が可撓性断熱材側に向かってN字型に折れ曲がることではぜ掛け部が形成され、タンク壁面に並べて接着される際に、前記はぜ掛け部の先端がその下側に隣接する断熱パネルの可撓性断熱材と板状外装材との間隙に挿入可能であるように作製された断熱パネル。【選択図】図4
Description
本発明は、加温タンク、冷却タンク等の保温又は断熱が必要なタンクの断熱施工方法に関し、特に、パネル型の断熱部材をタンク壁面に現場施工する断熱施工方法、並びにこれに用いられる断熱部材に関するものである。
タンクは、液体、粉体、気体等の貯蔵物を保存、運搬、貯蔵、圧力維持するために使われる容器である。通常、大型で屋外設置されることが多く、日光や風雨に晒される。
貯蔵物によっては、タンク内を保温ないしは冷却した状態に保つ必要がある。例えば、重油・原油等の高粘性流体を貯蔵するタンクの場合、流体の粘性を下げて輸送しやすくするため加温することがしばしば行われている。
このような加温タンク(ないしは冷却タンク)にあっては、タンク壁面に断熱施工を行い、タンクを保温してエネルギーロスを防ぐことが一般的に行われている。
また、灯油などの揮発性のある貯蔵物の場合には、日光照射による温度上昇で蒸発量が多くなるのを防ぐため、タンクの断熱施工が必要となる。
このような加温タンク(ないしは冷却タンク)にあっては、タンク壁面に断熱施工を行い、タンクを保温してエネルギーロスを防ぐことが一般的に行われている。
また、灯油などの揮発性のある貯蔵物の場合には、日光照射による温度上昇で蒸発量が多くなるのを防ぐため、タンクの断熱施工が必要となる。
従来のタンク断熱工法は、まず鋼製タンク壁面に外装材固定用支持金具又は保温止めリングを溶接等で固定し、支持金具の上にロックウール等の断熱材を載せ、これを覆うように板状の外装材を配置し、タッピンねじ等によって外装材を外装材固定用支持金具に固定する方法が一般的であった。外装材は角波鋼板などが用いられる。
しかしながら、この従来型のタンク断熱工法においては、外装材固定用支持金具又は保温止めリングをタンク壁面に溶接固定する工程が必須であり、工費が余計にかかる上に、タンク本体に熱歪みを与える懸念もあった。また、タンク壁面、断熱材、外装材の間に隙間があるため雨水が浸入し、断熱材に水分が入り込み断熱性能が低下するだけでなく、外装材固定用支持金具又は保温止めリングの上に雨水が溜まり、タンク壁面に腐食が発生するという問題が指摘されていた。
これらの問題点を改善するために、過去様々な試みがなされてきた。
特許文献1に記載の断熱施工法においては、外装材としてカラー鉄板を用いたプレハブパネルを使用して保温止めリングを廃止しているが、そのかわりに鉄骨骨組みを使用するため、タンク本体との接触部であるグラスウール部に水が浸入した場合、本体腐食の危険性が拭い去れない。
特許文献1に記載の断熱施工法においては、外装材としてカラー鉄板を用いたプレハブパネルを使用して保温止めリングを廃止しているが、そのかわりに鉄骨骨組みを使用するため、タンク本体との接触部であるグラスウール部に水が浸入した場合、本体腐食の危険性が拭い去れない。
特許文献2に記載のタンク用パネルを用いた断熱施工法においては、保温材の内外面とも金属ケースで覆うことで保温材に雨水の浸入する危険性を軽減させているが、全体の重量が大きくなってタンク本体への負荷が増加するとともに、ステンレス板やアングルなどの金属部品が多いため、コスト上も不利である。また、タンク壁面との間に空気層を設ける構造となっているが、加温タンクにおいては内部液面が低下すればタンク壁面の上下に温度差が生じ、この空気層において対流による放熱が生じて断熱効率が下がってしまう。(このため、保温材はタンク本体に密着していることが望ましい。)
特許文献3に記載の断熱板を用いた断熱施工法は、冷却タンクを想定した技術であり、軟質保温材層と硬質保温材層を積層したプレハブ断熱板ユニットを作成し、タンク本体への密着度を高めたことを特徴としている。保温材の固定法はバンド掛けであり、経時変化によってバンドに伸びが発生して締め付けがゆるみ、保温材とタンク壁面の間に空隙が生じて浸入雨水の滞留を招くおそれがある。また外装鉄板については「巻回する」とだけ記され、その固定方法や施工方法については記載がない。
このようにタンク壁面と断熱部材との間の雨水浸入による腐食等の問題を解決するための提案は種々なされてきたが、実用上は何らかの欠点があり、結果として現在でもロックウールと角波鋼板を用いる従来型の断熱施工方法が主流となっている。
本発明はこのような実情に鑑みてなされたものであり、加温タンク、冷却タンク等の保温又は断熱が必要なタンクにおいて、従来型の断熱施工方法では常につきまとっていた以下の課題を解決することを主な目的としている。
1)雨水浸入による断熱性能の低下
2)雨水浸入によるタンク壁面の腐食
3)外装材固定用支持金具又は保温止めリングの溶接固定工程によるコストアップ
1)雨水浸入による断熱性能の低下
2)雨水浸入によるタンク壁面の腐食
3)外装材固定用支持金具又は保温止めリングの溶接固定工程によるコストアップ
上記の課題に鑑みて鋭意研究の結果、本発明者は、可撓性を有する非吸水性独立気泡体断熱材の表面部にあらかじめ外装鋼板を接着しておき、裏面部には粘着剤層を設け離型紙で保護した断熱パネルを製作し、その各部材の形態を工夫することにより、現場での施工能率を向上させるとともに、目地部の保護による雨水浸入対策施すことができることに着想し、本願発明をなすに至った。
具体的には、工場で製作した所定形態の断熱パネルを施工対象であるタンク壁面に粘着剤の粘着力で仮留めした後、目地部から接着剤を注入することにより、断熱パネルをタンク壁面に恒久的に密着固定する。断熱パネルにあらかじめ接着された外装鋼板は、断熱パネル辺縁において故意に目地部が露出する形状寸法としておき、この目地部にスライド式の鋼板を差込んで被覆する。スライド式鋼板がタンクの外径変化に追随しながらも目地部に注入された接着剤の劣化や雨水の浸入を防止する。かくして断熱材は完全にタンク壁面に密着し、目地は接着剤によって埋められ、全ての外表面は鋼板によって被覆された断熱構造が完成する。
以上の発見に基づきなされた本発明は、可撓性断熱材に板状外装材を貼付してなる略矩形の断熱パネルをタンク壁面に整列して接着するタンクの断熱工法であって、断熱パネルの上縁、左縁、右縁のうち少なくとも1箇所において板状外装材より可撓性断熱材が露出した部分を形成し、断熱パネルの下縁において板状外装材が可撓性断熱材よりせり出して、当該せり出し部分が可撓性断熱材側に向かってN字型に折れ曲がることではぜ掛け部を形成し、タンク壁面に断熱パネルを並べて接着する際に、前記断熱パネルのはぜ掛け部の先端がその下側に隣接する断熱パネルの可撓性断熱材と板状外装材との間隙に挿入されるようにして固定し、隣接する断熱パネル間の隙間に接着剤を注入し、前記断熱パネルの左縁、右縁の板状外装材より可撓性断熱材が露出した部分と、左右に隣接する断熱パネル間の隙間とから形成される目地部を目地用外装材で覆うことを特徴とするタンクの断熱工法を提供するものである。
本発明は、また、可撓性断熱材に板状外装材を貼付してなる略矩形の断熱パネルをタンク壁面に整列して接着するタンクの断熱工法であって、断熱パネルの上縁、左縁、右縁、下縁のうち少なくとも1箇所において板状外装材より可撓性断熱材が露出した部分を形成し、タンク壁面に断熱パネルを並べ、隣接する断熱パネル間の隙間に接着剤を注入し、前記断熱パネルの上縁、下縁の板状外装材より可撓性断熱材が露出した部分と、上下に隣接する断熱パネル間の隙間とから形成される目地部において、下端がN字型に折れ曲がったはぜ掛け部を有する片はぜ付き板状外装材を用い、当該片はぜ付き板状外装材の上端が上側の断熱パネルの可撓性断熱材と板状外装材との間隙に挿入され、当該片はぜ付き板状外装材のはぜ掛け部の先端が下側の断熱パネルの可撓性断熱材と板状外装材との間に挿入されるようにして固定し、前記断熱パネルの左縁、右縁の板状外装材より可撓性断熱材が露出した部分と、左右に隣接する断熱パネル間の隙間とから形成される目地部を目地用外装材で覆うことを特徴とするタンクの断熱工法を提供するものである。
本発明のタンクの断熱工法において、前記目地用外装材は、左右両端がそれぞれ同方向にN字型に折れ曲がったはぜ掛け部を有する両はぜ付き板状外装材であり、左右に隣接する断熱パネル間の隙間とから形成される目地部において、当該両はぜ付き板状外装材の左右各端のはぜ掛け部の先端が左右それぞれの断熱パネルの可撓性断熱材と板状外装材との間に挿入されるようにして固定することを特徴とする。
前記板状外装材、前記目地用外装材、前記片はぜ付き板状外装材、前記両はぜ付き板状外装材は、鋼板、非鉄金属板、一定以上の剛性を有する高分子材料(合成樹脂板など)のいずれかの材料を用いることができる。
前記板状外装材、前記目地用外装材、前記片はぜ付き板状外装材、前記両はぜ付き板状外装材は、鋼板、非鉄金属板、一定以上の剛性を有する高分子材料(合成樹脂板など)のいずれかの材料を用いることができる。
本発明のタンクの断熱工法は、前記断熱パネルの作製時に可撓性断熱材に板状外装材を貼付する際に、上縁、左縁、右縁、下縁のうち少なくとも1箇所において、可撓性断熱材と板状外装材とが貼り付けられていない領域を形成し、前記板状外装材、前記片はぜ付き板状外装材、前記両はぜ付き板状外装材のはぜ掛け部が当該間隙に挿入できるようにしたことを特徴とする。
前記断熱パネルの板状外装材を貼付した面と反対側の面に粘着材を塗布し、タンク壁面に断熱パネルを並べて接着する際に、断熱パネルをタンク壁面に仮止めすることで施工効率が向上する。
タンク壁面の障害物付近においては、対応する形状に切り欠いた断熱パネルを接着し、L字型板状外装材を、当該断熱パネルの切り欠いた断面とそれに連続する面を覆うようにして取り付けるのが好ましい。さらに、前記L字型板状外装材がタンク壁面に接する部分を接着剤で被覆するのが好ましい。
前記断熱パネルの板状外装材を貼付した面と反対側の面に粘着材を塗布し、タンク壁面に断熱パネルを並べて接着する際に、断熱パネルをタンク壁面に仮止めすることで施工効率が向上する。
タンク壁面の障害物付近においては、対応する形状に切り欠いた断熱パネルを接着し、L字型板状外装材を、当該断熱パネルの切り欠いた断面とそれに連続する面を覆うようにして取り付けるのが好ましい。さらに、前記L字型板状外装材がタンク壁面に接する部分を接着剤で被覆するのが好ましい。
本発明は、また、タンク壁面に整列して接着される略矩形の断熱パネルであって、可撓性断熱材に板状外装材を貼付してなり、上縁、左縁、右縁のうち少なくとも1箇所において板状外装材より可撓性断熱材が露出した部分が形成され、下縁において板状外装材が可撓性断熱材よりせり出して、当該せり出し部分が可撓性断熱材側に向かってN字型に折れ曲がることではぜ掛け部が形成され、タンク壁面に並べて接着される際に、前記はぜ掛け部の先端がその下側に隣接する断熱パネルの可撓性断熱材と板状外装材との間隙に挿入可能であるように作製された断熱パネルを提供するものである。
本発明のタンクの断熱工法では、断熱パネル、板状外装材、目地用外装材、片はぜ付き板状外装材、両はぜ付き板状外装材というプレハブ方式の安価で作製容易な部材を用いた容易な施工作業によって断熱パネル間の目地部が完全に被覆され、上から流れ落ちる雨水が内部に浸入する経路や隙間も絶たれている。
したがって、
1)雨水浸入による断熱性能の低下
2)雨水浸入によるタンク壁面の腐食
3)外装材固定用支持金具又は保温止めリングの溶接固定工程によるコストアップ
という課題が全て解決されている。
本発明のタンクの断熱工法は、タンク側板への施工を主たる用途として開発されたが、ほとんど同一の方法で天場など施工場所を選ばず施工可能であり、また加温タンクから冷却タンクまで様々な貯槽に対して応用可能であるため、施工対象を問わずパネルの製造設備が一系統で済む。
また、本発明のタンクの断熱工法は、現場において溶接などの火気を一切使用しないため、重油・原油などの危険物を貯留したままのタンクに対しても施工可能である。
また、本発明で使用する断熱パネルは、合成樹脂発泡体等の可撓性断熱材の表面部に薄肉鋼板を接着した構造であるため、例えば平面寸法1m2×保温厚さ50mmのパネルでも重量7kg以下と極めて軽量であり、狭い足場上での作業や高所作業において作業員への負担が他の工法に比べ軽減され、結果として安全性も向上する。さらに、施工方法が簡便であるため、現場作業員の習熟も容易である。
したがって、
1)雨水浸入による断熱性能の低下
2)雨水浸入によるタンク壁面の腐食
3)外装材固定用支持金具又は保温止めリングの溶接固定工程によるコストアップ
という課題が全て解決されている。
本発明のタンクの断熱工法は、タンク側板への施工を主たる用途として開発されたが、ほとんど同一の方法で天場など施工場所を選ばず施工可能であり、また加温タンクから冷却タンクまで様々な貯槽に対して応用可能であるため、施工対象を問わずパネルの製造設備が一系統で済む。
また、本発明のタンクの断熱工法は、現場において溶接などの火気を一切使用しないため、重油・原油などの危険物を貯留したままのタンクに対しても施工可能である。
また、本発明で使用する断熱パネルは、合成樹脂発泡体等の可撓性断熱材の表面部に薄肉鋼板を接着した構造であるため、例えば平面寸法1m2×保温厚さ50mmのパネルでも重量7kg以下と極めて軽量であり、狭い足場上での作業や高所作業において作業員への負担が他の工法に比べ軽減され、結果として安全性も向上する。さらに、施工方法が簡便であるため、現場作業員の習熟も容易である。
以下、添付図面を参照しながら、本発明のタンクの断熱施工方法並びにこれに用いられる板状断熱部材(断熱パネル)を実施するための最良の形態を詳細に説明する。図1〜図8は、本発明の実施の形態を例示する図であり、これらの図において、同一の符号を付した部分は同一物を表わし、基本的な構成及び動作は同様であるものとする。
1.断熱パネルの製造
まず、本発明のタンクの断熱施工方法において用いる断熱パネルの製造方法について説明する。断熱パネルは施工に前もって、工場や作業場にて製作しておく。
可撓性を有する板状の独立気泡体断熱材の一方の壁面部に外装鋼板を接着し、他方の壁面部には粘着剤層を設け離型紙で保護した断熱パネルを製造する。ここで、断熱パネル(又は断熱材)の前記一方の壁面部、すなわち施工後外気と対向する面を「表面部」とし、断熱パネル(又は断熱材)の前記他方の壁面部、すなわち施工後タンク壁面と対向する面を「裏面部」とする。
まず、本発明のタンクの断熱施工方法において用いる断熱パネルの製造方法について説明する。断熱パネルは施工に前もって、工場や作業場にて製作しておく。
可撓性を有する板状の独立気泡体断熱材の一方の壁面部に外装鋼板を接着し、他方の壁面部には粘着剤層を設け離型紙で保護した断熱パネルを製造する。ここで、断熱パネル(又は断熱材)の前記一方の壁面部、すなわち施工後外気と対向する面を「表面部」とし、断熱パネル(又は断熱材)の前記他方の壁面部、すなわち施工後タンク壁面と対向する面を「裏面部」とする。
この断熱パネルの寸法は、断熱施工を行う作業員が足場上で運搬・施工できる範囲であれば特に制約はないが、余り小さすぎると作業が煩瑣にすぎて好ましくなく、また市販の鋼板の幅は915mmないしは1000mmのものが一般的であることから、ノズルなどの障害物のない面では、915mm×915mm又は1000mm×1000mmの正方形鋼板を使用するのが製造上、施工上ともに効率がよい。
断熱材の材質は、発泡ゴム系のものやウレタン樹脂系のものなど既知の材料が使用できるが、可撓性であることと吸水しない独立気泡体であることが必須要件である。また、施工対象の温度も材質選択の際には重要な条件となる。断熱材の厚さは放散熱量計算によって決定されるが、例えば、100℃までの加温タンクの場合は厚さ30mm〜50mmとするのが好ましい。
断熱材の表面側に接着する鋼板は厚さ0.27mm〜0.4mmのカラー鋼板を用いるのが好ましい。
図1及び図2は、この断熱パネルに用いる鋼板の寸法形状について説明するための図である。
図1に示す断熱パネル2bは、矩形の鋼板4bの4辺全てが断熱材8の各端面より5mm〜10mm控えた寸法となるようにして、断熱材8の表面側鋼板4bを接着する。あるいは両面粘着シートを用いて、片面の離型紙を剥離して貼り付けてもよい。
図2に示す断熱パネル2aは、矩形の鋼板4aの4辺のうち3辺が断熱材8の各端面より5mm〜10mm控えた寸法となり、1辺のみが断熱材8の端面より25mm程度はみ出すようにして、断熱材8の表面側に鋼板4aを接着する。ここで、鋼板4aのはみ出した1辺の端部は断熱材側に向かってN字状に2重ハゼ折りしてハゼかけ部7を形成するようになっている。
タンク側壁に突起物等がある箇所や天場などでは図1に示す断熱パネル2bを用い、それ以外の箇所では図2に示す断熱パネル2aを用いる。
図1及び図2は、この断熱パネルに用いる鋼板の寸法形状について説明するための図である。
図1に示す断熱パネル2bは、矩形の鋼板4bの4辺全てが断熱材8の各端面より5mm〜10mm控えた寸法となるようにして、断熱材8の表面側鋼板4bを接着する。あるいは両面粘着シートを用いて、片面の離型紙を剥離して貼り付けてもよい。
図2に示す断熱パネル2aは、矩形の鋼板4aの4辺のうち3辺が断熱材8の各端面より5mm〜10mm控えた寸法となり、1辺のみが断熱材8の端面より25mm程度はみ出すようにして、断熱材8の表面側に鋼板4aを接着する。ここで、鋼板4aのはみ出した1辺の端部は断熱材側に向かってN字状に2重ハゼ折りしてハゼかけ部7を形成するようになっている。
タンク側壁に突起物等がある箇所や天場などでは図1に示す断熱パネル2bを用い、それ以外の箇所では図2に示す断熱パネル2aを用いる。
断熱材8の表面側に鋼板4a,4bを接着するにあたっては、鋼板の全面に接着剤を塗布するのではなく、接着剤の塗布範囲を鋼板の面積よりも狭い領域とする。図1及び図2に示すように、ほぼ矩形の接着剤の塗布範囲5は、鋼板4a,4bの各端縁から控えた範囲とし、断熱材8の各辺からは20〜50mm控えた位置を限界とする。つまり、鋼板4a,4bの各端縁に断熱材8の表面と鋼板4a,4bとが接着されておらず間隙が形成された領域があり、この領域は後述する目地を覆うための鋼板のハゼかけ部分との嵌合のために利用される。
断熱材8の裏面側には粘着剤層6を設ける。ここで用いる粘着剤は、例えば、ブチルゴム系粘着剤又はアクリル系粘着剤などであり、断熱パネル2a,2bの工場出荷時には離型紙で保護しておく。粘着剤層6もまた、断熱材8の裏面全面に形成するのではなく、断熱材8の各辺からは10mmほど控えた矩形の領域を粘着剤層6として形成する。すなわち、断熱材8の裏面の4辺端縁にも、後述する接着剤注入のための糊代部分を形成しておく。
このようにして製造された断熱パネル2a,2bは、極めて軽量であり、暑熱時あるいは高所など厳しい作業条件下であっても施工作業員の負担を最小に抑えることができる。
例えば、断熱材としてかさ密度60kg/m3の樹脂エラストマーフォームを用いて、寸法約1000mm×1000mm×50mmとした場合、その重量は約7kgとなる。
例えば、断熱材としてかさ密度60kg/m3の樹脂エラストマーフォームを用いて、寸法約1000mm×1000mm×50mmとした場合、その重量は約7kgとなる。
断熱パネルの施工の概要
上記のようにして製作された外装鋼板、断熱材、粘着剤より成る断熱パネルを施工対象のタンク付近に搬入後、離型紙を除去してタンク本体に貼り付け、断熱パネルをタンクに仮止めする。粘着剤の保持力だけでは恒常的な固定は困難であるから、断熱パネル間の目地部にカートリッジ式接着剤の先端を挿入し、コーキングガン等によって接着剤を注入する。この際、断熱パネル裏面側において注入された接着剤が粘着剤の縁辺部(上記の糊代部分)に回り込むことにより、パネルを完全にタンク本体に接着することとなる。同時にこの接着剤は隣接する断熱パネル同士も接着することとなり、目地部からの雨水浸入を防ぐことが可能となる。ここで使用する接着剤としては、シリコーン系、ブチルゴム系などの市販の建築用シーリング材が入手しやすく好適である。
こうして断熱パネルを接着した後、断熱パネル間の目地部について所定形状に加工した帯状の鋼板(後述)を差し込み、施工完了となる。
上記のようにして製作された外装鋼板、断熱材、粘着剤より成る断熱パネルを施工対象のタンク付近に搬入後、離型紙を除去してタンク本体に貼り付け、断熱パネルをタンクに仮止めする。粘着剤の保持力だけでは恒常的な固定は困難であるから、断熱パネル間の目地部にカートリッジ式接着剤の先端を挿入し、コーキングガン等によって接着剤を注入する。この際、断熱パネル裏面側において注入された接着剤が粘着剤の縁辺部(上記の糊代部分)に回り込むことにより、パネルを完全にタンク本体に接着することとなる。同時にこの接着剤は隣接する断熱パネル同士も接着することとなり、目地部からの雨水浸入を防ぐことが可能となる。ここで使用する接着剤としては、シリコーン系、ブチルゴム系などの市販の建築用シーリング材が入手しやすく好適である。
こうして断熱パネルを接着した後、断熱パネル間の目地部について所定形状に加工した帯状の鋼板(後述)を差し込み、施工完了となる。
断熱パネルの施工の手順詳細
以下、添付図面を参照しながら、上記の断熱パネルを用いてタンク側壁の断熱施工を行う方法及び手順について例を挙げて詳細に説明する。
図3は、タンク側壁上の断熱パネルの施工イメージを示す模式図である。
図3に示すように、鋼製タンク1の外周壁に沿って矩形の断熱パネル2(図2の2a又は図1の2b)が賽の目状に配列される。ここで、断熱パネル2同士が水平方向に隣接し合う部分を縦目地部3b、断熱パネル2同士が垂直方向に隣接し合う部分を横目地部3aとする。
以下、添付図面を参照しながら、上記の断熱パネルを用いてタンク側壁の断熱施工を行う方法及び手順について例を挙げて詳細に説明する。
図3は、タンク側壁上の断熱パネルの施工イメージを示す模式図である。
図3に示すように、鋼製タンク1の外周壁に沿って矩形の断熱パネル2(図2の2a又は図1の2b)が賽の目状に配列される。ここで、断熱パネル2同士が水平方向に隣接し合う部分を縦目地部3b、断熱パネル2同士が垂直方向に隣接し合う部分を横目地部3aとする。
施工手順としては、まず、タンク壁面上水平方向一列に断熱パネルを配置する。通常は最下段より施工を開始するが、タンク最上部の構造が複雑で最後に施工するのが困難な場合は、最上段より施工を開始してもよく、また足場設置の都合などで中段より開始してもよい。
水平方向に隣接する断熱パネル同士は密着させず、後に建築用シーリング材9を注入できるよう5〜10mm程度の隙間を開けて配置する。
水平方向に隣接する断熱パネル同士は密着させず、後に建築用シーリング材9を注入できるよう5〜10mm程度の隙間を開けて配置する。
続いて、接着剤を断熱パネル間の目地部に注入して接着固定する。
図4は、断熱パネル同士が水平方向に隣接し合う部分を縦目地部3b付近の断面図である。図示するように、断熱パネル裏面の粘着剤層6によってタンク壁面1aに仮止めした断熱パネル間の縦目地部に建築用シーリング材9をコーキングガン等で充填する。建築用シーリング材9は、縦目地部から断熱パネル2裏面の粘着剤層の糊代部分にまで充填されるので、シーリング材の乾燥によって、断熱パネルがタンク壁面1aに強固に接着固定されることとなる。
図4は、断熱パネル同士が水平方向に隣接し合う部分を縦目地部3b付近の断面図である。図示するように、断熱パネル裏面の粘着剤層6によってタンク壁面1aに仮止めした断熱パネル間の縦目地部に建築用シーリング材9をコーキングガン等で充填する。建築用シーリング材9は、縦目地部から断熱パネル2裏面の粘着剤層の糊代部分にまで充填されるので、シーリング材の乾燥によって、断熱パネルがタンク壁面1aに強固に接着固定されることとなる。
尚、作業空間や作業時間に余裕がある場合は、断熱パネルをタンク壁面1aに貼りつける前に、目地部、特に裏面の糊代部にあらかじめ建築用シーリング材9を塗布しておき、貼り付け後に目地部の隙間に建築用シーリング材9を再充填すれば、より丹念な施工となる。
続いて、建築用シーリング材9の充填後、図4に示すように、略矩形の鋼板の水平方向両端をタンク壁面に向かってN字状に2重ハゼ折りした縦目地用鋼板11bを用いて縦目地部を被覆する。上記の通り、断熱材8とその表面に接着された鋼板の各端縁との間には接着剤を塗布せず間隙が形成された領域があるので、縦目地用鋼板11bのN字状に2重ハゼ折りした先端部をこの間隙に嵌合することができる。
この縦目地用鋼板11bは、縦目地部の建築用シーリング材を紫外線劣化や機械的衝撃から保護するとともに輻射熱を遮断する目的で取り付けるものである。また、タンクの外径が内容物の増減や温度によって変動しても、断熱パネル表面に接着された鋼板の端部と、縦目地用鋼板11bのN字状に2重ハゼ折りした先端部とが、縦目地用鋼板11b先端のハゼ折り代の範囲内でスライドすることで、変わらず目地部を保護することができる。
こうして、断熱パネルの縦目地部については、完全に被覆されタンク壁面が保護されることとなる。
こうして、断熱パネルの縦目地部については、完全に被覆されタンク壁面が保護されることとなる。
次に、タンク壁面上水平方向一列に配置済みの断熱パネルの上に並べて断熱パネル2を配置する。
図5、図6、断熱パネル2同士が垂直方向に隣接し合う部分を横目地部3a付近の断面図である。
施工箇所に障害物がない場合には、断熱パネル(図2の2a)を使用する。図5に示すように、断熱材8の一辺から鋼板がはみ出してN字状に2重ハゼ折りしてなるハゼかけ部7が下側となるようにして配置してする。ハゼかけ部7は、下側断熱パネルの断熱材と鋼板と間に形成された間隙に嵌合することができる。
図5、図6、断熱パネル2同士が垂直方向に隣接し合う部分を横目地部3a付近の断面図である。
施工箇所に障害物がない場合には、断熱パネル(図2の2a)を使用する。図5に示すように、断熱材8の一辺から鋼板がはみ出してN字状に2重ハゼ折りしてなるハゼかけ部7が下側となるようにして配置してする。ハゼかけ部7は、下側断熱パネルの断熱材と鋼板と間に形成された間隙に嵌合することができる。
この状態で、断熱パネル裏面の粘着剤層6によってタンク壁面1aに仮止めした後、断熱パネル間の横目地部に建築用シーリング材9をコーキングガン等で充填する。建築用シーリング材9は、縦目地部から断熱パネル2裏面の粘着剤層の糊代部分にまで充填されるので、シーリング材の乾燥によって、断熱パネルがタンク壁面1aに強固に接着固定されることとなる。
上記同様、予め断熱パネルの各端面に接着剤として建築用シーリング材9を塗布しておいてから仮止めを行ってもよい。
尚、図5において説明の便宜上、鋼板が断熱材8と離隔して表されているが、実際には両者は密着している。
上記同様、予め断熱パネルの各端面に接着剤として建築用シーリング材9を塗布しておいてから仮止めを行ってもよい。
尚、図5において説明の便宜上、鋼板が断熱材8と離隔して表されているが、実際には両者は密着している。
このようにして、上側断熱パネルの鋼板8下端縁のハゼかけ部7が、下側断熱パネルの鋼板8の外側を覆う構造となるため、上部から流れ落ちる雨水が横目地部から内部に浸入するのを防ぐことができる。
また、上記の縦目地部の場合と同様に、横目地部の建築用シーリング材を紫外線劣化や機械的衝撃から保護するとともに輻射熱を遮断する効果があり、さらには、上側断熱パネルの鋼板8下端縁のハゼかけ部7と下側断熱パネルの鋼板8の上端縁との間に適度の隙間を設けておけば、内容物の増減や温度変化によるタンクの外径の寸法変化に起因した上下に隣接する断熱パネルの位置変動に対応することができる。
また、上記の縦目地部の場合と同様に、横目地部の建築用シーリング材を紫外線劣化や機械的衝撃から保護するとともに輻射熱を遮断する効果があり、さらには、上側断熱パネルの鋼板8下端縁のハゼかけ部7と下側断熱パネルの鋼板8の上端縁との間に適度の隙間を設けておけば、内容物の増減や温度変化によるタンクの外径の寸法変化に起因した上下に隣接する断熱パネルの位置変動に対応することができる。
但し、断熱パネル(図2の2a)を使用するには、下側から上側に向かって断熱パネルを施工することが前提となっており、上側から下側に向かって断熱パネルを施工する場合や、タンク壁面上の突起物などの障害物付近で断熱パネルを施工する場合には、施工が困難となる場合がある。
この場合は、断熱パネル(図1の2b)を用いることとなる。
この場合は、断熱パネル(図1の2b)を用いることとなる。
図6に示すように、1端縁がN字状に2重ハゼ折りしてハゼかけ部を形成した矩形の横目地用鋼板11aを用い、そのハゼかけ部を下側断熱パネルの断熱材と鋼板と間に形成された間隙に嵌合させ、かつ、上側端縁を上側断熱パネルの断熱材と鋼板と間に形成された間隙に嵌合させることにより、横目地部を覆うことができる。
横目地用鋼板11aは、断熱パネル2の鋼板とともにタッピンねじ10を用いて断熱材に固定することで、強風による落下や位置ずれを防止する。この場合、通常は図6に示すように上側の断熱パネルに固定するが、障害物の状況によっては下側の断熱パネルに固定しても差し支えない。タッピンねじを使用した場合、ごく僅かな隙間や鋼板の塗装剥離が発生しているおそれがあるため、その頭部周囲には建築用シーリング材を塗布しておくことが望ましい。
横目地用鋼板11aは、断熱パネル2の鋼板とともにタッピンねじ10を用いて断熱材に固定することで、強風による落下や位置ずれを防止する。この場合、通常は図6に示すように上側の断熱パネルに固定するが、障害物の状況によっては下側の断熱パネルに固定しても差し支えない。タッピンねじを使用した場合、ごく僅かな隙間や鋼板の塗装剥離が発生しているおそれがあるため、その頭部周囲には建築用シーリング材を塗布しておくことが望ましい。
尚、図6において説明の便宜上、鋼板が断熱材8と離隔して表されているが、実際には両者は密着している。
こうして、断熱パネルの横目地部についても、完全に被覆されタンク壁面が保護されることとなる。
こうして、断熱パネルの横目地部についても、完全に被覆されタンク壁面が保護されることとなる。
次に、図7を参照しながら、タンク壁面上に障害物が存在する箇所における断熱パネルの施工について説明する。一般的に、鋼製タンクの壁面には、しばしば配管サポートや廻り階段等の突起物が取り付けられている。これらの突起物はほとんどが溶接によって取り付けられており、溶接部目視検査のためにその周辺部も保温せず露出させておくことが必要となる。したがって、突起物周辺部に断熱パネルを取り付ける場合は、断熱パネルを突起物に相当する形状にあらかじめ切り欠いた上で、突起物の周辺部タンク壁面が露出した状態としてタンク壁面に取り付けることとなる。
図7において、断熱材8は中央部の突起物1b周辺に当たる部分を切り欠いた(くり抜いた)形状となっている。断熱パネル2の切り欠いた側端面のタンク壁面1aと接する部分に建築用シーリング材9を塗布してタンク壁面1aへの接着を行い、断熱パネル裏面への水分の浸入を防止する。さらにその部分を覆うようにして、L字型に加工した鋼板12を取り付けて、タッピンねじ10により鋼板12を断熱材8に固定する。このとき、鋼板12の断熱パネル表面側の端縁を断熱パネルの断熱材8と鋼板4との間に形成された間隙に嵌合し、鋼板4とともに断熱材8に固定するのが好ましい。
その後、L字型に加工した鋼板12のタンク壁面1aと接する部分に建築用シーリング材9を塗布してタンク壁面1aへの接着を行い、鋼板12裏面への水分の浸入を防止する。
また、タッピンねじ頭部周囲にも建築用シーリング材9を塗布するのが好ましい。
その後、L字型に加工した鋼板12のタンク壁面1aと接する部分に建築用シーリング材9を塗布してタンク壁面1aへの接着を行い、鋼板12裏面への水分の浸入を防止する。
また、タッピンねじ頭部周囲にも建築用シーリング材9を塗布するのが好ましい。
図7は、水平断面における好ましい施工態様である。
垂直断面の場合の施工態様を図8に示す。図中、左側が上方向である。このように、上側においては、鋼板12の断熱パネル表面側の端縁を断熱パネルの断熱材8と鋼板4との間に形成された間隙に嵌合し、下側においては、鋼板4の端縁を断熱パネルの断熱材8と鋼板12の断熱パネル表面側の端縁との間に形成された間隙に嵌合して、鋼板12、鋼板4ともに断熱材8に固定することで、上部から流れ落ちる雨水が横目地部から内部に浸入するのを防ぐことができる。
垂直断面の場合の施工態様を図8に示す。図中、左側が上方向である。このように、上側においては、鋼板12の断熱パネル表面側の端縁を断熱パネルの断熱材8と鋼板4との間に形成された間隙に嵌合し、下側においては、鋼板4の端縁を断熱パネルの断熱材8と鋼板12の断熱パネル表面側の端縁との間に形成された間隙に嵌合して、鋼板12、鋼板4ともに断熱材8に固定することで、上部から流れ落ちる雨水が横目地部から内部に浸入するのを防ぐことができる。
以上、本発明のタンクの断熱施工方法、並びにこれに用いられる断熱部材について、具体的な実施の形態を示して説明したが、本発明はこれらに限定されるものではない。当業者であれば、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、上記実施形態における断熱パネルの構造及び材料、目地部材の形状、材料及び嵌合方式、実際の施工対象物に合わせた施工方式などについて様々な変更を加えることに当然想到し得る。
例えば、浮き屋根式タンク天場に施工する場合は、常時水没する状況を想定し、目地部は鋼板を差し込んだ上にさらに建築用シーリング材を塗布するか、あるいはシリコーンゴムシートを接着して防水性を向上させると共に、屋根板の伸縮に対応することも考えられる。また冷却タンクにおいては、断熱材と鋼板の間にアルミ箔を接着しておき、防湿効果を上げておくことも有効である。
例えば、浮き屋根式タンク天場に施工する場合は、常時水没する状況を想定し、目地部は鋼板を差し込んだ上にさらに建築用シーリング材を塗布するか、あるいはシリコーンゴムシートを接着して防水性を向上させると共に、屋根板の伸縮に対応することも考えられる。また冷却タンクにおいては、断熱材と鋼板の間にアルミ箔を接着しておき、防湿効果を上げておくことも有効である。
本発明のタンクの断熱施工方法は、予め施工しやすい形態に加工した断熱部材を用いて、タンク壁面に現場施工する方法であり、断熱部材の各部材の加工形態によって、施工効率が高くなり、目地部の保護性が高まるなどの効果があるため、産業上利用可能なものである。
Claims (10)
- 可撓性断熱材に板状外装材を貼付してなる略矩形の断熱パネルをタンク壁面に整列して接着するタンクの断熱工法であって、
断熱パネルの上縁、左縁、右縁のうち少なくとも1箇所において板状外装材より可撓性断熱材が露出した部分を形成し、
断熱パネルの下縁において板状外装材が可撓性断熱材よりせり出して、当該せり出し部分が可撓性断熱材側に向かってN字型に折れ曲がることではぜ掛け部を形成し、
タンク壁面に断熱パネルを並べて接着する際に、前記断熱パネルのはぜ掛け部の先端がその下側に隣接する断熱パネルの可撓性断熱材と板状外装材との間隙に挿入されるようにして固定し、
隣接する断熱パネル間の隙間に接着剤を注入し、
前記断熱パネルの左縁、右縁の板状外装材より可撓性断熱材が露出した部分と、左右に隣接する断熱パネル間の隙間とから形成される目地部を目地用外装材で覆うことを特徴とするタンクの断熱工法。 - 可撓性断熱材に板状外装材を貼付してなる略矩形の断熱パネルをタンク壁面に整列して接着するタンクの断熱工法であって、
断熱パネルの上縁、左縁、右縁、下縁のうち少なくとも1箇所において板状外装材より可撓性断熱材が露出した部分を形成し、
タンク壁面に断熱パネルを並べ、隣接する断熱パネル間の隙間に接着剤を注入し、
前記断熱パネルの上縁、下縁の板状外装材より可撓性断熱材が露出した部分と、上下に隣接する断熱パネル間の隙間とから形成される目地部において、下端がN字型に折れ曲がったはぜ掛け部を有する片はぜ付き板状外装材を用い、当該片はぜ付き板状外装材の上端が上側の断熱パネルの可撓性断熱材と板状外装材との間隙に挿入され、当該片はぜ付き板状外装材のはぜ掛け部の先端が下側の断熱パネルの可撓性断熱材と板状外装材との間に挿入されるようにして固定し、
前記断熱パネルの左縁、右縁の板状外装材より可撓性断熱材が露出した部分と、左右に隣接する断熱パネル間の隙間とから形成される目地部を目地用外装材で覆うことを特徴とするタンクの断熱工法。 - 前記目地用外装材は、左右両端がそれぞれ同方向にN字型に折れ曲がったはぜ掛け部を有する両はぜ付き板状外装材であり、
左右に隣接する断熱パネル間の隙間とから形成される目地部において、当該両はぜ付き板状外装材の左右各端のはぜ掛け部の先端が左右それぞれの断熱パネルの可撓性断熱材と板状外装材との間に挿入されるようにして固定することを特徴とする請求項1又は2に記載のタンクの断熱工法。 - 前記板状外装材、前記目地用外装材、前記片はぜ付き板状外装材、前記両はぜ付き板状外装材は、鋼板、非鉄金属板、一定以上の剛性を有する高分子材料のいずれかの材料からなることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のタンクの断熱工法。
- 前記断熱パネルの作製時に可撓性断熱材に板状外装材を貼付する際に、上縁、左縁、右縁、下縁のうち少なくとも1箇所において、可撓性断熱材と板状外装材とが貼り付けられていない領域を形成し、前記板状外装材、前記片はぜ付き板状外装材、前記両はぜ付き板状外装材のはぜ賭け部が当該間隙に挿入できるようにしたことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載のタンクの断熱工法。
- 前記断熱パネルの板状外装材を貼付した面と反対側の面に粘着材を塗布し、タンク壁面に断熱パネルを並べて接着する際に、断熱パネルをタンク壁面に仮止めすることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載のタンクの断熱工法。
- タンク壁面の障害物付近においては、対応する形状に切り欠いた断熱パネルを接着し、L字型板状外装材を、当該断熱パネルの切り欠いた断面とそれに連続する面を覆うようにして取り付けることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載のタンクの断熱工法。
- 前記L字型板状外装材がタンク壁面に接する部分を接着剤で被覆することを特徴とする請求項7に記載のタンクの断熱工法。
- タンク壁面に整列して接着される略矩形の断熱パネルであって、
可撓性断熱材に板状外装材を貼付してなり、
上縁、左縁、右縁のうち少なくとも1箇所において板状外装材より可撓性断熱材が露出した部分が形成され、
下縁において板状外装材が可撓性断熱材よりせり出して、当該せり出し部分が可撓性断熱材側に向かってN字型に折れ曲がることではぜ掛け部が形成され、
タンク壁面に並べて接着される際に、前記はぜ掛け部の先端がその下側に隣接する断熱パネルの可撓性断熱材と板状外装材との間隙に挿入可能であるように作製された断熱パネル。 - 前記板状外装材は、鋼板、非鉄金属板、一定以上の剛性を有する高分子材料のいずれかの材料からなることを特徴とする請求項9に記載のタンクの断熱工法。
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2013
- 2013-09-30 JP JP2013202861A patent/JP2015067301A/ja active Pending
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