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摩擦撹拌工具、摩擦撹拌接合装置及び摩擦撹拌接合方法
本発明は、摩擦撹拌接合に用いられる摩擦撹拌工具、摩擦撹拌接合装置及び摩擦撹拌接合方法に関するものである。
従来、金属板の接合部にその表面側及び裏面側から挿入される上下の回転ツールを用い、上下の回転ツールにより摩擦撹拌して金属板を接合する摩擦撹拌接合装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。この摩擦撹拌接合装置において、上下の回転ツールは、円筒形のツール本体と、ツール本体の先端部に取り付けられたプローブとを有している。そして、ツール本体の先端部におけるプローブの取り付け部の周辺にショルダ部が形成されている。摩擦撹拌接合装置は、上下の回転ツールのプローブの先端間に所定の隙間を与えた状態で摩擦撹拌接合を行っている。
また、金属板の接合部の表面側及び裏面側に相対向するように配置される第1及び第2の回転ツールを用い、第1及び第2の回転ツールにより摩擦撹拌して金属板を接合する摩擦撹拌接合装置が知られている(例えば、特許文献2参照)。この摩擦撹拌接合装置において、第1及び第2の回転ツールの一方は、ショルダ部を先端部分に形成したツール本体と、ツール本体から突出して形成されたプローブ(突起部)とを有し、他方は、ショルダ部を先端部分に形成したツール本体と、プローブの先端部を収納する凹み部とを有している。摩擦撹拌接合装置は、一方の回転ツールの突起部を、他方の回転ツールの凹み部に挿入した状態で摩擦撹拌接合を行っている。
特許第4838385号公報 特許第4838389号公報
しかしながら、特許文献1に記載の摩擦撹拌接合装置は、上下の回転ツールのプローブの先端間に所定の隙間が与えられる。このため、金属板の板厚が厚くなると、材料規格で許容される公差の絶対値が大きくなるため、隙間が大きくなってしまい、キッシングボンドと呼ばれる接合欠陥部(未接合部)が発生する可能性がある。特に、2000系や7000系のアルミ二ウム合金のような接合温度での流動特性が悪い材料では、許容できる隙間の量が小さく、このような欠陥が発生しやすい。さらに、接合後の金属板を塑性加工する場合には、接合欠陥部を起因とする亀裂等の破損が発生する可能性がある。
また、特許文献2に記載の摩擦撹拌接合装置は、プローブが金属板の厚さ方向に亘って設けられている。このため、金属板の板厚が厚くなると、プローブの長さを長くする必要がある。プローブの長さを長くすると、プローブに加わる曲げモーメントが大きくなるため、工具への負荷が大きくなってしまい、工具の破損につながる可能性も高い。また、工具に加わる負荷に耐え得る構成とすると、プローブの径を大きくする必要があるため、回転ツールを大きなものとしなければならず、これに伴って、工具を駆動する軸やモータ等の装置構成を大きくすることになってしまう。
そこで、本発明は、金属材の接合部における厚さが変化しても、工具に加わる負荷を抑制しつつ、接合部の摩擦撹拌接合を好適に行うことができる摩擦撹拌工具、摩擦撹拌接合装置及び摩擦撹拌接合方法を提供することを課題とする。
本発明の摩擦撹拌工具は、部材の被接合部に対し、前記被接合部を挟んで一方側に配置される第1回転ツールと、前記被接合部を挟んで他方側に配置され、前記第1回転ツールに対向して設けられる第2回転ツールと、を備え、前記第1回転ツールは、前記被接合部の一方側の面と接する第1ショルダ部を有する第1ツール本体と、前記第1ツール本体から前記第2回転ツールに向かって突出する第1プローブと、前記第1プローブから前記第2回転ツールに向かって突出する突起部と、を有し、前記第2回転ツールは、前記被接合部の他方側の面と接する第2ショルダ部を有する第2ツール本体と、前記第2ツール本体から前記第1回転ツールに向かって突出する第2プローブと、前記第2プローブに設けられ、前記第1回転ツールの前記突起部を収容可能な突起収容部と、を有することを特徴とする。
また、前記部材は、金属材であることが好ましい。
この構成によれば、第1回転ツールの突起部を、第2回転ツールの突起収容部に収容させ、第1回転ツール及び第2回転ツールを回転させて、金属材(部材)の被接合部の両側から入熱を行いながら、被接合部を摩擦撹拌接合することができる。このため、金属材の被接合部の厚みが厚くなっても、突起収容部に対する突起部の収容深さ(挿入深さ)を適宜変更することで、第1プローブ、第2プローブ及び突起部により、被接合部の厚みに亘って摩擦撹拌することができる。これにより、第1プローブと第2プローブとの間に所定の隙間が形成されることがないため、接合欠陥部の発生を抑制することができる。また、金属材の被接合部の厚みが厚くなっても、突起収容部に対する突起部の収容深さを変更すればよいため、第1プローブ及び第2プローブの突出方向における長さを変える必要がないことから、工具への負荷の増大を抑制することができる。以上から、金属材の被接合部における厚さが変化しても、工具に加わる負荷を抑制しつつ、被接合部の摩擦撹拌接合を好適に行うことができる。なお、第1回転ツール及び第2回転ツールは、その回転方向及び回転速度が任意となっている。
また、前記突起部の突出方向における長さは、前記第1プローブ及び前記突起部を合わせた突出方向における長さに比して、50%以下となっていることが好ましい。
この構成によれば、突起部の長さを、第1プローブの長さよりも短くすることができるため、突起部に加わる曲げモーメントを小さくできることから、突起部への負荷を抑制することができる。
また、前記突起部の回転直径は、前記第2プローブの前記第1回転ツール側の回転直径に対し、40%から80%までの間の直径となっていることが好ましい。
この構成によれば、第2プローブに突起収容部を設けることで、第2プローブの第1プローブ側に形成される突起収容部の周囲の壁体の厚さを、第2プローブの回転直径の10%から30%の厚さとすることができる。例えば、突起部の回転直径が第2プローブの第1回転ツール側の回転直径に対して80%である場合、突起部が収容される突起収容部の周囲の壁体の厚さを、第2プローブの回転直径の10%の厚さとすることができる。また、例えば、突起部の回転直径が第2プローブの第1回転ツール側の回転直径に対して40%である場合、突起部が収容される突起収容部の周囲の壁体の厚さを、第2プローブの回転直径の30%の厚さとすることができる。このため、第2プローブの第1プローブ側に形成される突起収容部の周囲の壁体の厚さを確保することができる。これにより、突起部が突起収容部の内面に接触した場合であっても、第2プローブの第1プローブ側に形成される突起収容部の周囲の壁体の剛性を、突起部と突起収容部の内面との接触に耐え得る剛性にすることができる。
また、前記突起部と、前記突起部が収容される前記突起収容部の内面との間には、非接触状態となる所定の隙間が設けられていることが好ましい。
この構成によれば、突起部と突起収容部の内面とを非接触状態とすることができるため、接触による第1回転ツール及び第2回転ツールへの負荷を低減することができる。
また、前記突起収容部は、前記第2回転ツールの回転軸に直交する面で切った断面が円形となっていることが好ましい。
この構成によれば、突起収容部の断面を円形にすることで、突起収容部を回転させた場合であっても、突起収容部の形状が変わらないことから、突起部の形状に対して柔軟に対応することができ、これにより、第1回転ツールと第2回転ツールの回転に差が生じた場合でも、突起部との接触を生じ難くすることができる。
また、前記突起部は、前記第1回転ツールの回転軸に直交する面で切った断面が多角形となっていることが好ましい。
この構成によれば、突起部の断面を多角形にすることで、摩擦により軟化する被接合部を、突起部により好適に撹拌することができる。
また、前記被接合部の厚さが、予め想定される最大厚さである場合、前記第1回転ツール及び前記第2回転ツールは、前記被接合部の溶接時において、前記突起収容部に前記突起部の少なくとも一部を収容した状態で回転させられることが好ましい。
この構成によれば、被接合部が想定される最大厚さであっても、突起収容部に突起部を収容した状態で、第1回転ツール及び第2回転ツールを回転させることができるため、2つの回転ツール間に隙間ができることがない。
また、前記被接合部の一方側の面に直交する方向と前記第1回転ツールの回転軸とがなす角度、及び前記被接合部の他方側の面に直交する方向と前記第2回転ツールの回転軸とがなす角度は、0°から3°の間の角度であることが好ましい。
この構成によれば、上記の角度が0°である場合には、被接合部の一方側の面に対し、第1回転ツールの回転軸を直交させることができ、同様に、被接合部の他方側の面に対し、第2回転ツールの回転軸を直交させることができる。このため、被接合部の両面に対して第1ショルダ部及び第2ショルダ部を平行に接触させることができることから、各ショルダ部による被接合部への入熱を効率良く行うことができる。また、上記の角度が0°よりも大きい場合には、接合部の両面に対して第1回転ツールの回転軸及び第2回転ツールの回転軸を傾けることができるため、各ショルダ部のショルダ面が被接合部の表面(接触面)に対して傾斜を持った形で当たることになり、被接合部を積極的に撹拌することができる。
また、前記突起部は、前記第1プローブに対し、着脱自在に固定されることが好ましい。
この構成によれば、突起部を交換することが可能となるため、突起部が損傷した場合には、新たな突起部に取り替えることができる。また、被接合部の厚みに応じて、適切な長さとなる突起部を選定して装着することが可能となる。
また、前記第1プローブは、前記突起部を固定する固定穴をさらに有し、前記突起部は、前記固定穴の外側に突出し、前記第1プローブに接触するフランジ部を有することが好ましい。
この構成によれば、固定穴に突起部を固定した状態において、摩擦により軟化した被接合部の金属が、固定穴と突起部との隙間へ侵入することを、フランジ部によって抑制することができる。これにより、固定穴と突起部とが金属により固着することを抑制することができる。
また、前記突起部は、前記第2プローブよりも硬度の低い材料を用いて構成されることが好ましい。
この構成によれば、第2プローブの突起収容部に突起部が接触した場合、交換可能な突起部によって、第2プローブへの接触による衝撃を吸収することができる。
また、前記突起部は、前記被接合部の厚さに応じて突出方向の長さが異なるものが複数種用意されていることが好ましい。
この構成によれば、被接合部の厚さに適した突出方向の長さとなる突起部を選定して、第1プローブの固定穴に取り付けることができる。このため、被接合部の厚さに適した突起部を用いることで、摩擦撹拌接合を好適に行うことができる。
また、前記第1回転ツールは、前記第1回転ツールの回転軸に沿って、前記第1プローブに貫通形成される第1挿通穴と、前記第1挿通穴の内部を移動可能な突起ピンと、を有し、前記突起部は、前記第1挿通穴から突出する前記突起ピンの一部であることが好ましい。
この構成によれば、突起ピンを第1挿通穴の内部で移動させて、突起収容部に突起ピンを収容させることができる。このため、接合部の厚さが変わった場合、第1挿通穴に対する突起ピンの突出量を変更するだけで、接合部の厚さに適した突起部の長さに簡単に変更することができる。なお、突起ピンの回転は、第1回転ツールまたは第2回転ツールの回転速度及び回転方向に従ってもよいし、独立していてもよく、特に限定されない。
また、前記突起収容部は、前記第2回転ツールの回転軸に沿って、前記第2プローブに貫通形成され、前記突起ピンの一部が挿入される第2挿通穴であることが好ましい。
この構成によれば、突起ピンを第2挿通穴に挿入することができるため、突起ピンの第2挿通穴に対する挿入深さを適切な深さにすることができる。この場合、突起ピンは、第1挿通穴と第2挿通穴とに挿入されることから、第1回転ツールの回転軸と第2回転ツールの回転軸とは同軸となるため、被接合部に対して第1回転ツール及び第2回転ツールを傾けずに摩擦撹拌接合が行われる。また、第2挿通穴に対する突起ピンの挿入深さが深ければ、第1回転ツールの回転軸と第2回転ツールの回転軸との芯合わせを精度良く行うことができる。一方で、第2挿通穴に対する突起ピンの挿入深さが浅ければ、突起ピンが僅かに傾いた場合であっても、第2挿通穴の内部で突起ピンの傾きを許容できるため、突起ピンへの負荷を抑制することができる。
また、前記第2回転ツールは、前記第2挿通穴の内部を移動可能な押出しピンを、さらに有することが好ましい。
この構成によれば、溶接後において、摩擦により軟化した被接合部の一部が第2挿通穴に侵入する場合であっても、押出しピンにより、第2挿通穴に侵入した被接合部の軟化した金属を接合完了とともに押し出して、第2挿通穴の外部に排出することができる。このため、第2挿通穴の内部において、侵入した被接合部が固着することを抑制することができる。
また、前記突起ピンと前記第1挿通穴とは、スプラインで結合されていることが好ましい。
この構成によれば、第1挿通穴に対する突起ピンの移動を許容する一方で、突起ピンの回転を第1回転ツールの回転と同期させることができる。
また、前記突起ピンは、前記第1挿通穴に対して回転自在に挿通されていることが好ましい。
この構成によれば、第1回転ツールに同期させることなく、突起ピンを独立して回転させることができる。このため、各ショルダ部の入熱と突起部による撹拌とを独立に制御することができるため、突起ピンの回転を金属材の被接合部のすべての領域において摩擦撹拌接合に適した回転にすることができる。
また、前記突起ピンと前記第1挿通穴との隙間は、前記突起ピンの前記第2回転ツール側となる先端側が狭く、前記突起ピンの後端側が広いことが好ましい。
この構成によれば、突起ピンの先端側において、第1挿通穴との隙間が狭くなっているため、突起ピンの先端側における位置決めを精度良く行うことが可能となる。一方で、突起ピンの後端側において、第1挿通穴との隙間が広くなっているため、突起ピンの変形を許容することができ、突起ピンへの負荷を抑制することができる。
また、前記被接合部は、一対の板状の前記部材を突き合わせることで形成される開先部であることが好ましい。
この構成によれば、突き合わせた一対の板状の部材を摩擦撹拌接合することができる。
本発明の摩擦撹拌接合装置は、上記の摩擦撹拌工具と、前記摩擦撹拌工具の前記第1回転ツールの前記第1ショルダ部を前記被接合部の一方側の面に押し当てた状態で、前記第1回転ツールを回転させる第1押圧回転機構と、前記摩擦撹拌工具の前記第2回転ツールの前記第2ショルダ部を前記被接合部の他方側の面に押し当てた状態で、前記第2回転ツールを回転させる第2押圧回転機構と、前記部材に対し、前記第1回転ツールを前記部材の前記被接合部に沿って移動させる第1移動機構と、前記部材に対し、前記第2回転ツールを前記部材の前記被接合部に沿って移動させる第2移動機構と、前記第1押圧回転機構、前記第2押圧回転機構、前記第1移動機構及び前記第2移動機構を制御する制御部と、を備える。
この構成によれば、上記の摩擦撹拌工具を用いることで、部材の被接合部における厚さが変化しても、工具に加わる負荷を抑制しつつ、被接合部の摩擦撹拌接合を好適に行うことができる。
また、前記第1移動機構及び前記第2移動機構は、前記部材の前記被接合部に沿って前記第1回転ツール及び前記第2回転ツールを同期して移動させることが好ましい。
この構成によれば、第1回転ツール及び第2回転ツールの移動を同期させることができるため、移動によって第1回転ツールと第2回転ツールとが位置ずれすることを抑制することができ、摩擦撹拌工具の突起部と突起収納部との接触を抑制することができる。
また、前記摩擦撹拌工具の負荷を検出する工具負荷検出器を、さらに備え、前記制御部は、前記工具負荷検出器の検出結果に基づいて、前記摩擦撹拌工具の負荷が小さくなるように、前記第1押圧回転機構、前記第2押圧回転機構、前記第1移動機構及び前記第2移動機構の少なくとも1つを制御することが好ましい。
この構成によれば、制御部は、摩擦撹拌工具に負荷が加わる場合、摩擦撹拌工具の負荷が小さくなるように、前記第1押圧回転機構、前記第2押圧回転機構、第1移動機構及び第2移動機構の少なくとも一方を制御することで、摩擦撹拌工具への負荷を抑制することができ、摩擦撹拌工具の突起部と突起収納部との接触を抑制することができる。
また、前記工具負荷検出器は、前記第1移動機構の動力源に加わる負荷を検出する第1動力負荷検出器と、前記第2移動機構の動力源に加わる負荷を検出する第2動力負荷検出器と、を有し、前記制御部は、前記第1動力負荷検出器により検出された負荷と、前記第2動力負荷検出器により検出された負荷との差分が小さくなるように、前記第1移動機構及び前記第2移動機構の少なくとも一方を制御することが好ましい。
この構成によれば、制御部は、第1移動機構及び第2移動機構の動力源に加わる負荷の差分が小さくなるように、第1移動機構及び第2移動機構の少なくとも一方を制御することで、摩擦撹拌工具への負荷を抑制することができ、摩擦撹拌工具の突起部と突起収納部との接触を抑制することができる。
また、前記工具負荷検出器は、前記第1回転ツール及び前記第2回転ツールの少なくとも一方の回転軸の歪みを検出する歪み検出器を有し、前記制御部は、前記歪み検出器により検出された歪みが小さくなるように、前記第1移動機構及び前記第2移動機構の少なくとも一方を制御することが好ましい。
この構成によれば、制御部は、第1回転ツール及び第2回転ツールの少なくとも一方の回転軸の歪みが小さくなるように、第1移動機構及び第2移動機構の少なくとも一方を制御することで、摩擦撹拌工具への負荷を抑制することができ、摩擦撹拌工具の突起部と突起収納部との接触を抑制することができる。
また、前記工具負荷検出器は、前記摩擦撹拌工具の作動音を検出する作動音検出器を有し、前記制御部は、前記作動音検出器により検出された作動音が小さくなるように、前記第1移動機構及び前記第2移動機構の少なくとも一方を制御することが好ましい。
この構成によれば、制御部は、摩擦撹拌工具の作動音が小さくなるように、第1移動機構及び第2移動機構の少なくとも一方を制御することで、摩擦撹拌工具への負荷を抑制することができ、摩擦撹拌工具の突起部と突起収納部との接触を抑制することができる。
また、前記工具負荷検出器は、前記第1回転ツール及び前記第2回転ツールの少なくとも一方の振動を検出する振動検出器を有し、前記制御部は、前記振動検出器により検出された振動モードが、前記第1回転ツール及び前記第2回転ツールの少なくとも一方に負荷が加わったときの負荷振動モードである場合、前記負荷振動モード以外の振動モードとなるように、前記第1移動機構及び前記第2移動機構の少なくとも一方を制御することが好ましい。
この構成によれば、制御部は、負荷振動モード以外の振動モードとなるように、第1移動機構及び第2移動機構の少なくとも一方を制御することで、摩擦撹拌工具への負荷を抑制することができ、摩擦撹拌工具の突起部と突起収納部との接触を抑制することができる。
本発明の摩擦撹拌接合方法は、上記の摩擦撹拌工具を用いて、前記部材の前記被接合部を溶接する摩擦撹拌接合方法であって、接合開始点に予め貫通形成された貫通穴に対し、前記貫通穴の一方側から前記第1回転ツールを挿入し、前記貫通穴の他方側から前記第2回転ツールを挿入すると共に、前記第1回転ツールの前記突起部を、前記第2回転ツールの前記突起収容部に収容させ、前記第1回転ツールと前記第2回転ツールとを回転させる回転工程と、前記第1回転ツールと前記第2回転ツールとの差し込み位置を相対的に調整する位置調整工程と、前記第1回転ツール及び前記第2回転ツールを前記部材の前記被接合部に沿って前記接合開始点から接合終了点まで移動させる移動工程と、前記接合終了点において、前記第1回転ツール及び前記第2回転ツールを回転させた状態で、前記第1回転ツール及び前記第2回転ツールを前記被接合部から引き抜く引抜工程と、を備えることを特徴とする。
この構成によれば、上記の摩擦撹拌工具を用いることで、部材の被接合部における厚さが変化しても、工具に加わる負荷を抑制しつつ、接合開始点から接合終了点まで被接合部の摩擦撹拌接合を好適に行うことができる。
また、前記移動工程では、前記第1回転ツールと前記第2回転ツールとの位置を相対的に調整していることが好ましい。
この構成によれば、位置調整工程だけでなく、移動工程でも、第1回転ツールと第2回転ツールとの相対的な位置を調整することができるため、第1回転ツールと第2回転ツールとの接触を抑制することができ、摩擦撹拌工具に加わる負荷を抑制することができる。
また、前記貫通穴は、一方側の前記第1回転ツールと前記貫通穴との隙間と、他方側の前記第2回転ツールと前記貫通穴との隙間とが異なるような内径となっていることが好ましい。
この構成によれば、隙間の広い側の回転ツールを先に挿入して回転ツールのショルダ部のショルダ面で穴をふさいだ後、反対側の回転ツールで穴の側壁を削り、それを反対側の回転ツールと貫通穴との隙間に充てんすることで、接合開始部の貫通穴の隙間を減らすことができ、貫通穴への金属材の充填率を高めることができるため、接合開始部の欠陥やへこみの発生を抑制できる。
また、前記接合開始点及び前記接合終了点の少なくとも一方は、前記部材に取り付けられたタブ板上となっていることが好ましい。
この構成によれば、接合開始点に形成される貫通穴、及び接合終了点において第1回転ツール及び第2回転ツールを引き抜くことにより形成される穴が、部材上に形成されることなく、タブ板上に形成することができる。
図1は、実施例1に係る摩擦撹拌接合装置を模式的に表した概略構成図である。 図2は、実施例1に係る摩擦撹拌工具に関する説明図である。 図3は、第1ショルダ部の形状の一例を示す平面図である。 図4は、第1ショルダ部の形状の一例を示す平面図である。 図5は、第1ショルダ部の形状の一例を示す平面図である。 図6は、突起部及び突起収容部の形状の一例を示す平面図である。 図7は、摩擦撹拌接合前の金属板の一例を示す説明図である。 図8は、実施例1に係る摩擦撹拌接合方法のフローチャートである。 図9は、実施例1の変形例に係る摩擦撹拌接合装置の一部を模式的に表した概略構成図である。 図10は、実施例2に係る摩擦撹拌接合装置の一部を模式的に表した概略構成図である。 図11は、実施例2に係る摩擦撹拌工具を部分的に拡大した説明図である。 図12は、実施例3に係る摩擦撹拌接合装置の一部を模式的に表した概略構成図である。 図13は、実施例3の変形例に係る摩擦撹拌接合装置の一部を模式的に表した概略構成図である。
以下に、本発明に係る実施例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施例によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施例における構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、あるいは実質的に同一のものが含まれる。
図1は、実施例1に係る摩擦撹拌接合装置を模式的に表した概略構成図である。図2は、実施例1に係る摩擦撹拌工具に関する説明図である。図3から図5は、第1ショルダ部の形状の一例を示す平面図である。図6は、突起部及び突起収容部の形状の一例を示す平面図である。図7は、摩擦撹拌接合前の金属板の一例を示す説明図である。図8は、実施例1に係る摩擦撹拌接合方法のフローチャートである。
実施例1の摩擦撹拌接合装置1は、一対の金属板5を突き合わせることで形成される開先部6を、開先部6の表裏に配置される一対の回転ツール21,22を用いて摩擦撹拌することにより、一対の金属板5を接合する、いわゆる摩擦撹拌接合(FSW:Friction Stir Welding)を行う装置である。先ず、図1及び図7を参照し、接合対象となる一対の金属板5について説明する。なお、実施例1では、接合対象となる部材として一対の金属板5を例示したが、部材は、金属材以外を用いたものであってもよく、特に限定されない。
金属板5は、例えば、アルミニウム合金を用いて構成されており、一辺が2m以上となる大型の長方形状の板材となっている。また、金属板5は、その厚みが15mm以上となっている。図1に示すように、一対の金属板5は、端面を突き合わせることで、I形の開先部6が形成される。このため、開先部6は、図7に示すように、所定の方向に直線状に延びて形成される。また、この一対の金属板5には、直線状に延びる開先部6の両側に、タブ板7がそれぞれ取り付けられている。開先部6の両側の一対のタブ板7は、一対の金属板5に仮溶接等により取り付けられることで、一対の金属板5の相互の位置を固定する。このとき、摩擦撹拌接合における接合開始点は、一方のタブ板7上となっており、接合終了点は、他方のタブ板7上となっている。このため、摩擦撹拌接合は、一方のタブ板7から開先部6を通って他方のタブ板7へ向かって行われる。なお、詳細は後述するが、一方のタブ板7上の接合開始点には、あらかじめ一対の回転ツール21,22が挿入される貫通穴8が貫通形成されている。
なお、実施例1の摩擦撹拌接合装置1は、一対の金属板5を突き合わせた開先部6に対して、摩擦撹拌接合を行うが、この構成に限定されず、例えば、重ね合わせた複数の金属板5に対して、摩擦撹拌接合を行ってもよい。
ここで、摩擦撹拌接合により接合された一対の金属板5は、大型の金属板として取り扱われ、後工程において、塑性加工が行われる。このため、摩擦撹拌接合により接合された一対の金属板5の被接合部(開先部6)に、接合欠陥部(キッシングボンド)が形成されると、接合欠陥部を起因とする亀裂、割れ等の破損が生じる可能性があることから、実施例1の摩擦撹拌装置1では、接合欠陥部の形成を抑制すべく、下記する構成となっている。
図1を参照して、摩擦撹拌接合装置1について説明する。図1に示す摩擦撹拌接合装置1は、開先部6の厚み方向の両側から摩擦撹拌接合を行っている。摩擦撹拌接合装置1は、摩擦撹拌工具10と、第1押圧回転機構11と、第2押圧回転機構12と、第1移動機構13と、第2移動機構14と、支持治具15と、工具負荷検出器16と、制御部20とを備えている。この摩擦撹拌接合装置1は、一対の金属板5の位置を固定した状態で、摩擦撹拌工具10を開先部6に沿って移動させながら、摩擦撹拌接合を行っている。
摩擦撹拌工具10は、第1回転ツール21と第2回転ツール22とを有している。第1回転ツール21は、開先部6を挟んで、厚さ方向の一方側(表面側:図1の上側)に配置されている。第1回転ツール21は、第1回転軸I1を中心に回転すると共に、開先部6の表面に押圧される。第2回転ツール22は、開先部6を挟んで、厚さ方向の他方側(裏面側:図1の下側)に配置されている。第2回転ツール22は、第2回転軸I2を中心に回転すると共に、開先部6の裏面に押圧される。そして、第1回転ツール21と第2回転ツール22とは、厚さ方向において対向するように配置され、第1回転ツール21及び第2回転ツール22の回転方向は、相互に逆方向となっている。また、第1回転ツール21の第1回転軸I1と第2回転ツール22の第2回転軸I2とは、同軸となっている。このため、第1回転軸I1及び第2回転軸I2は、開先部6の表面及び裏面に対して、直交している。
なお、実施例1では、第1回転ツール21及び第2回転ツール22の回転方向が、相互に逆方向となるようにしたが、この構成に限定されない。第1回転ツール21及び第2回転ツール22は、摩擦撹拌接合に適していれば、いずれの回転方向であってもよく、また、いずれの回転速度であってもよい。
第1回転ツール21は、第1ツール本体31と、第1プローブ32と、突起部33と、を有している。第1ツール本体31は、第2回転ツール22側となる先端側に、第1ショルダ部35が形成されている。第1ショルダ部35は、その先端側の面が、開先部6の一方側(表面側:図1の上側)の表面と接する円形の第1ショルダ面35aとなっている。第1回転ツール21は、第1ショルダ部35の第1ショルダ面35aを開先部6の表面に接触させた状態で回転することで、開先部6に対して摩擦による熱を与え、熱を与えることで軟化した開先部6の金属を撹拌する。第1プローブ32の長さは、一般的には開先部6の最小板厚の半分よりもわずかに短い。
ここで、第1ショルダ部35は、図3から図5に示す形状となっており、実施例1では、いずれの形状であってもよい。第1ショルダ部35は、第1ショルダ面35aから第1ツール本体31側に溝形状の凹部36が形成されている。この凹部36は、第1ショルダ部35と金属板5とを擦ることで軟化した金属が、第1ショルダ部35の中心側へ向かうような形状となっている。
具体的に、図3に示す凹部36は、1本で構成されており、1本の凹部36は、第1ショルダ面35aにおいて、外側から内側に向かう渦巻状(スクロール形状)に配置されている。図4に示す凹部36は、2本で構成されており、2本の凹部36は、第1ショルダ面35aにおいて、180°位相が異なる位置に設けられ、外側から内側に向かう渦巻状に配置されている。図5に示す凹部36は、複数本で構成されており、複数本の凹部36は、第1ショルダ面35aの周方向に所定の間隔を空けて設けられると共に、外側から内側に向かって直線状に配置されている。
再び、図1を参照して、第1プローブ32は、第1ツール本体31の第1ショルダ面35aから先端側に突出して設けられている。第1プローブ32は、軟化した開先部6の内部に没する配置となり、第1ツール本体31と一体となって回転するように、第1ツール本体31に固定されている。この第1プローブ32は、後端側の直径が太く、また、先端側に向かうにつれて直径が細くなるテーパ形状に形成されている。第1プローブ32は、その先端側の面が、円形の先端面32aとなっている。また、第1プローブ32の外周面には、軟化した開先部6の金属を撹拌するための溝が形成されている。
突起部33は、第1プローブ32の先端面32aから先端側に突出して設けられている。突出部33は、第1プローブ32と同様に、軟化した開先部6の内部に没する配置となり、第1ツール本体31及び第1プローブ32と一体となって回転するように、第1プローブ32と一体となっている。ここで、突起部33は、第1回転軸I1に直交する面で切った断面が多角形となっている。突起部33は、例えば、図6に示すように、断面が正六角形となっている。なお、実施例1では、突起部33の断面を正六角形としたが、正三角形または正方形であってもよい。
また、図2に示すように、突起部33は、突出方向における長さ、つまり、第1回転軸I1の軸方向における長さlが、第1プローブ32及び突起部33を合わせた軸方向における長さLに比して、50%以下となっている。つまり、突起部33の軸方向における長さlは、第1プローブ32の軸方向における長さ以下となっている。
再び、図1を参照して、第2回転ツール22は、第2ツール本体41と、第2プローブ42と、突起収容部43と、を有している。第2ツール本体41は、第1回転ツール21側となる先端側に、第2ショルダ部45が形成されている。第2ショルダ部45は、第1ショルダ部35と同様に構成されており、その先端側の面が、開先部6の他方側(裏面側:図1の下側)の裏面と接する円形の第2ショルダ面45aとなっている。第2回転ツール22は、第2ショルダ部45の第2ショルダ面45aを開先部6の裏面に接触させた状態で回転することで、開先部6に対して摩擦による熱を与え、熱を与えることで軟化した開先部6の金属を撹拌する。第2プローブ42の長さは、一般的には開先部6の最小板厚の半分よりもわずかに短い。
ここで、第2ショルダ部45は、第1ショルダ部35と同様の凹部36が設けられている。なお、凹部36については、第1ショルダ部35と同様であるため、説明を省略する。
第2プローブ42は、第2ツール本体41の第2ショルダ面45aから先端側に突出して設けられている。第2プローブ42は、第1プローブ32と同様に、軟化した開先部6の内部に没する配置となり、第2ツール本体41と一体となって回転するように、第2ツール本体41に固定されている。この第2プローブ42も、後端側の直径が太く、また、先端側に向かうにつれて直径が細くなるテーパ形状に形成されている。第2プローブ42は、その先端側の面が、円環状の先端面42aとなっている(図6参照)。また、第2プローブ42の外周面には、軟化した開先部6の金属を撹拌するための溝が形成されている。
突起収容部43は、第2プローブ42の先端面42aから後端側に没入して設けられている。突起収容部43は、例えば、図6に示すように、第2回転軸I2に直交する面で切った断面が円形となっており、第2回転軸I2を中心軸とする中空円柱形状に形成されている。突起収容部43は、第1回転ツール21の突起部33が、第2回転軸I2の軸方向に挿入されることで、突起部33の一部を収容可能となっている。つまり、突起収容部43の内径は、突起部33の回転直径よりも大きな径となっている。
ここで、図2に示すように、突起部33の回転直径rは、第2プローブ42の円環状の先端面42aの外側の直径(回転直径)Rに対し、40%から80%までの間の回転直径となっている。これにより、円環状の先端面42aにおける内側の直径から外側の直径までの径方向の長さは、直径Rの10%から30%の長さとすることができる。つまり、例えば、突起部33の回転直径rが第2プローブ42の回転直径Rに対し、80%の回転直径である場合、環状の先端面42aにおける内側の直径から外側の直径までの径方向の長さは、回転直径Rの10%の長さとなる。また、例えば、突起部33の回転直径rが第2プローブ42の回転直径Rに対し、40%の回転直径である場合、環状の先端面42aにおける内側の直径から外側の直径までの径方向の長さは、回転直径Rの30%の長さとなる。よって、第2プローブ42の外周面と突起収容部43の内周面との間の厚さを、突起部33の接触による負荷に耐え得る厚さとして確保することができる。
また、図6に示すように、突起部33及び突起収容部43は、突起部33と、突起部33が収容される突起収容部43の内周面との間に所定の隙間が設けられるように形成されており、所定の隙間を設けることで、突起部33と突起収容部43とを非接触状態としている。
ところで、突起部33及び突起収容部43は、予め想定される開先部6の最大厚さに応じて設計される。つまり、開先部6の厚さが最大厚さである場合、第1回転ツール21及び第2回転ツール22は、開先部6の溶接時において、突起収容部43に突起部33の少なくとも先端部を収容した状態となるように設計される。
再び、図1を参照して、第1押圧回転機構11及び第2押圧回転機構12について説明する。第1押圧回転機構11は、第1回転ツール21に連結されており、制御部20によって制御されている。第1押圧回転機構11は、第1回転ツール21を開先部6へ向けて移動させると共に、第1回転ツール21を回転させる。このため、第1押圧回転機構11は、第1回転ツール21の第1ショルダ部35の第1ショルダ面35aを、開先部6の表面に押し当てた状態で、第1回転ツール21を回転させる。
第2押圧回転機構12は、第1押圧回転機構11と同様に構成され、第2回転ツール22に連結されており、制御部20によって制御されている。第2押圧回転機構12は、第2回転ツール22を開先部6へ向けて移動させると共に、第2回転ツール22を回転させる。このため、第2押圧回転機構12は、第2回転ツール22の第2ショルダ部45の第2ショルダ面45aを、開先部6の裏面に押し当てた状態で、第2回転ツール22を回転させる。
第1移動機構13は、第1回転ツール21に連結されており、制御部20によって制御されている。第1移動機構13は、図示しない第1モータを動力源として、第1回転ツール21を、所定の方向に直線状に延びる開先部6に沿って移動させている。なお、この第1モータは、後述する工具負荷検出器16に接続されている。
第2移動機構14は、第1移動機構13と同様に構成され、第2回転ツール22に連結されており、制御部20によって制御されている。第2移動機構14は、図示しない第2モータを動力源として、第2回転ツール22を、所定の方向に直線状に延びる開先部6に沿って移動させている。なお、この第2モータも、後述する工具負荷検出器16に接続されている。
この第1移動機構13及び第2移動機構14は、第1回転ツール21及び第2回転ツール22を同期させながら移動させている。
支持治具15は、一対の金属板5をそれぞれ支持する一対の治具であり、開先部6を挟んで、一対の金属板5の裏面にそれぞれ設けられている。一対の支持治具15は、その上部に一対の金属板5が載置されることで、一対の金属板5をそれぞれ支持する。
工具負荷検出器16は、第1移動機構13の第1モータに加わる負荷を検出する第1モータ負荷検出器51と、第2移動機構14の第2モータに加わる負荷を検出する第2モータ負荷検出器52と、を有している。第1モータ負荷検出器51は、制御部20に接続され、制御部20へ向けて、第1モータに加わる負荷を出力する。第2モータ負荷検出器52は、制御部20に接続され、制御部20へ向けて、第2モータに加わる負荷を出力する。
制御部20は、第1押圧回転機構11、第2押圧回転機構12、第1移動機構13及び第2移動機構14が接続され、各機構11,12,13,14をそれぞれ制御する。また、制御部20は、第1モータ負荷検出器51及び第2モータ負荷検出器52が接続され、各検出器51,52の検出結果に基づいて、各機構11,12,13,14をそれぞれ制御する。
具体的に、制御部20は、第1押圧回転機構11及び第2押圧回転機構12を制御して、第1回転ツール21と第2回転ツール22との間に挟まれる開先部6に対する荷重が所定の荷重となるように、第1回転ツール21及び第2回転ツール22を開先部6へ向けて移動させる。また、制御部20は、第1押圧回転機構11及び第2押圧回転機構12を制御して、第1回転ツール21及び第2回転ツール22の回転方向が相互に逆方向となるように、また、所定の回転速度となるように、第1回転ツール21及び第2回転ツール22を回転させる。
また、制御部20は、第1移動機構13及び第2移動機構14を制御して、第1回転ツール21及び第2回転ツール22が開先部6に沿って同期して移動するように制御する。ここで、第1回転ツール21及び第2回転ツール22を同期させながら移動させる場合、開先部6が延びる所定の方向において、第1回転ツール21及び第2回転ツール22の相対位置がずれることで、第1回転ツール21及び第2回転ツール22が接触するなど、大きな負荷が加わる可能性がある。このとき、制御部20は、第1モータ負荷検出器51及び第2モータ負荷検出器52の検出結果に基づいて、第1移動機構13及び第2移動機構14を制御することで、第1回転ツール21及び第2回転ツール22の相対位置を調整する。具体的に、制御部20は、第1モータ負荷検出器51により検出された第1モータの負荷と、第2モータ負荷検出器52により検出された第2モータの負荷との差分を導出する。制御部20は、導出した差分から、第1移動機構13の負荷が第2移動機構14の負荷よりも大きいと判断すれば、突起部33と突起収容部43とが接触しつつ、第1回転ツール21が第2回転ツール22を引っ張っていると判断する。そして、制御部20は、第1移動機構13及び第2移動機構14の少なくとも一方を制御して、第1回転ツール21を第2回転ツール22よりも所定時間だけ移動速度を相対的に遅くして、突起部33と突起収容部43とを非接触状態とする。一方で、制御部20は、導出した差分から、第2移動機構14の負荷が第1移動機構13の負荷よりも大きいと判断すれば、突起部33と突起収容部43とが接触しつつ、第2回転ツール22が第1回転ツール21を引っ張っていると判断する。そして、制御部20は、第1移動機構13及び第2移動機構14の少なくとも一方を制御して、第2回転ツール22を第1回転ツール21よりも所定時間だけ移動速度を相対的に遅くして、突起部33と突起収容部43とを非接触状態とする。
次に、図8を参照して、上記の摩擦撹拌接合装置1を用いた摩擦撹拌接合方法について説明する。なお、摩擦撹拌接合される一対の金属板5は、予め図7に示す状態となっている。つまり、一対の金属板5は、端面を突き合わせて開先部6を形成した状態で、一対のタブ板7により仮接合(仮付け)された状態となっている。このとき、一方のタブ板7上の接合開始点には、貫通穴8が形成されている。この貫通穴8は、一方側(開先部6の表面側)の第1回転ツール21(の第1プローブ32)と貫通穴8との隙間と、他方側(開先部6の裏面側)の第2回転ツール22(の第2プローブ42)と貫通穴8との隙間とが異なるような内径となっている。つまり、各プローブ32,42の形状が同じ場合、貫通穴8の一方側の内径は、貫通穴8の他方側の内径に比して小さな内径となっていたり、貫通穴8の他方側の内径は、貫通穴8の一方側の内径に比して小さな内径となっていたりする。
摩擦撹拌接合を行う場合、先ず、制御部20は、第1押圧回転機構11及び第2押圧回転機構12を制御して、接合開始点に予め貫通形成された貫通穴8に対し、貫通穴8の表面側から第1回転ツール21を挿入し、貫通穴8の裏面側から第2回転ツール22を挿入する。このとき、制御部20は、第1回転ツール21の突起部33を、第2回転ツール22の突起収容部43に収容させる。この時点において、摩擦撹拌工具10と金属板5(二形成される貫通穴8)との間には、隙間が存在する。そして、制御部20は、第1押圧回転機構11及び第2押圧回転機構12を制御して、第1回転ツール21と第2回転ツール22とを回転させる(ステップS1:回転工程)。
続いて、制御部20は、第1押圧回転機構11及び第2押圧回転機構12を制御して、第1回転ツール21と第2回転ツール22との差し込み位置を相対的に調整する(ステップS2:位置調整工程)。具体的に、制御部20は、第1回転ツール21及び第2回転ツール22の位置を制御しながら、開先部6に対して与えられる荷重が所定の荷重となるように、第1押圧回転機構11及び第2押圧回転機構12を制御する。
この後、制御部20は、第1移動機構13及び第2移動機構14を制御して、第1回転ツール21及び第2回転ツール22を、一方のタブ板7上の接合開始点から、開先部6を通って、他方のタブ板7上の接合終了点まで移動させる(ステップS3:移動工程)。これにより、一対の金属板5の開先部6は、第1回転ツール21及び第2回転ツール22によって摩擦撹拌接合される。なお、この移動工程S3では、上記したように、制御部20が、第1移動機構13及び第2移動機構14を制御して、第1回転ツール21及び第2回転ツール22の移動速度を調整することにより、第1回転ツール21と第2回転ツール22とが非接触状態となるように相対位置を調整している。
そして、制御部20は、第1回転ツール21及び第2回転ツール22が接合終了点に達すると、第1押圧回転機構11及び第2押圧回転機構12を制御して、第1回転ツール21及び第2回転ツール22を回転させながら、第1回転ツール21及び第2回転ツール22を、他方のタブ板7から引き抜く(ステップS4:引抜工程)。
以上のように、実施例1の構成によれば、第1回転ツール21の突起部33を、第2回転ツール22の突起収容部43に収容させ、第1回転ツール21及び第2回転ツール22を回転させて、一対の金属板5の開先部6の表裏両面に入熱を行いながら、開先部6を摩擦撹拌接合することができる。このため、開先部6の厚みが厚くなっても、突起収容部43に対する突起部33の収容深さ(挿入深さ)を適宜変更することで、開先部6の厚みに亘って、第1プローブ32、第2プローブ42及び突起部33を配置し、摩擦撹拌することができる。これにより、実施例1では、第1プローブ32と第2プローブ42との間に所定の隙間が形成されることがないため、開先部6における接合欠陥部の発生を抑制することができる。また、開先部6の厚みが厚くなっても、突起収容部43に対する突起部33の収容深さを変更すればよいため、第1プローブ32及び第2プローブ42の軸方向(突出方向)における長さを変える必要がないことから、摩擦撹拌工具10への負荷の増大を抑制することができる。また、第1プローブ32及び第2プローブ42の軸方向(突出方向)における長さは、特許文献2に記載されているプローブの約半分の長さにすることが可能であり、各プローブ32,42に加わる負荷を大幅に減らすことが可能である。以上から、開先部6における厚さが変化しても、摩擦撹拌工具10に加わる負荷を抑制しつつ、開先部6の摩擦撹拌接合を好適に行うことができる。
また、実施例1の構成によれば、突起部33の長さを、第1プローブ32の長さよりも短くすることができるため、突起部33に加わる曲げモーメントを小さくできることから、突起部33への負荷を抑制することができる。
また、実施例1の構成によれば、第2プローブ42の円環状の先端面42aにおける内側の直径から外側の直径までの径方向の長さを、直径Rの10%から30%の長さとすることができる。よって、第2プローブ42の外周面と突起収容部43の内周面との間の厚さを、突起部33の接触による負荷に耐え得る剛性にすることができる。
また、実施例1の構成によれば、突起部33と突起収容部43の内周面とを非接触状態とすることができるため、接触による第1回転ツール21及び第2回転ツール22への負荷を低減することができる。
また、実施例1の構成によれば、突起収容部43の断面を円形にすることができるため、突起収容部43を回転させた場合であっても、突起収容部43の形状が変わらないことから、突起部33の形状に対して柔軟に対応することができ、これにより、第1回転ツール21と第2回転ツール22の回転に差が生じた場合でも、突起部33との接触を生じ難くすることができる。
また、実施例1の構成によれば、突起部33の断面を多角形にすることができるため、摩擦により軟化する開先部6の金属を、突起部33により好適に撹拌することができる。
また、実施例1の構成によれば、開先部6が予め想定される最大厚さであっても、突起収容部43に突起部33を収容した状態で、第1回転ツール21及び第2回転ツール22を回転させることができる。
また、実施例1の構成によれば、開先部6の表面に対し第1回転軸I1を直交させることができ、また、開先部6の裏面に対し第2回転軸I2を直交させることができる。このため、開先部6の表裏両面に対して、第1ショルダ部35の第1ショルダ面35a及び第2ショルダ部45の第2ショルダ面45aを面接触させることができる。よって、開先部6に対し、第1ショルダ部35及び第2ショルダ部45からの入熱を効率良く行うことができる。特に、第1ショルダ部35及び第2ショルダ部45に凹部36を設けることで、開先部6に材料を供給して欠陥の発生しにくい接合を行うことができる。
また、実施例1の構成によれば、第1回転ツール21及び第2回転ツール22の移動を同期させることができるため、移動によって第1回転ツール21と第2回転ツール22とが位置ずれすることを抑制することができる。
また、実施例1の構成によれば、制御部20は、摩擦撹拌工具10に負荷が加わる場合、第1モータ負荷検出器51及び第2モータ負荷検出器52に基づいて、第1移動機構13の第1モータ及び第2移動機構14の第2モータに加わる負荷の差分が小さくなるように、第1移動機構13及び第2移動機構14の少なくとも一方を制御することで、摩擦撹拌工具10への負荷を抑制することができる。
また、実施例1の構成によれば、位置調整工程S2だけでなく、移動工程S3でも、第1回転ツール21と第2回転ツール22との相対的な位置を調整することができるため、第1回転ツール21と第2回転ツール22との接触を抑制することができ、摩擦回転工具10に加わる負荷を抑制することができる。
また、実施例1の構成によれば、貫通穴8の一方側の内径または他方側の内径を小さくすることができるため、貫通穴8への金属材の充填率を高めることができるため、摩擦によって軟化する貫通穴8周りの金属のへこみを抑制することができる。
また、実施例1の構成によれば、接合開始点に形成される貫通穴8、及び接合終了点において第1回転ツール21及び第2回転ツール22を引き抜くことにより形成される穴が、一対の金属板5上に形成されることなく、タブ板7上に形成することができる。
なお、実施例1では、第1ショルダ部35に凹部36を設けたが、省いた構成であってもよい。
また、実施例1では、突起部33の断面を多角形としたが、円形としてもよい。この場合、突起部33と突起収容部43との間の隙間を、より短いものとすることができる。
また、実施例1では、工具負荷検出器16として、第1モータ負荷検出器51及び第2モータ負荷検出器52を用いて、摩擦撹拌工具10の負荷を検出したが、この構成に限定されない。工具負荷検出器16として、第1回転ツール21の第1回転軸I1及び第2回転ツール22の第2回転軸I2の少なくとも一方の歪みを検出する歪みゲージ(歪み検出器)を用いて、摩擦撹拌工具10の負荷を検出してもよい。この構成によれば、制御部20は、歪みゲージの検出結果に基づいて、第1回転軸I2及び第2回転軸I2の少なくとも一方の歪みが小さくなるように、第1移動機構13及び第2移動機構14の少なくとも一方を制御することで、突起部33と突起収容部43の内周面とを非接触状態にすることができ、摩擦撹拌工具10への負荷を抑制することができる。
同様に、工具負荷検出器16として、摩擦撹拌工具10の作動音を検出する作動音検出器を用いて、摩擦撹拌工具10の負荷を検出してもよい。この構成によれば、制御部20は、作動音検出器の検出結果に基づいて、摩擦撹拌工具10の作動音が小さくなるように、第1移動機構13及び第2移動機構14の少なくとも一方を制御することで、突起部33と突起収容部43の内周面とを非接触状態にすることができ、摩擦撹拌工具10への負荷を抑制することができる。
同様に、工具負荷検出器16として、第1回転ツール21及び第2回転ツール22の少なくとも一方の振動を検出する振動検出器を用いて、摩擦撹拌工具10の負荷を検出してもよい。この構成によれば、制御部20は、振動検出器により検出された振動モードが、第1回転ツール21及び第2回転ツール22の少なくとも一方に負荷が加わったときの負荷振動モードであるか否かを判定し、負荷振動モードである場合、負荷振動モード以外の振動モードとなるように、第1移動機構13及び第2移動機構14の少なくとも一方を制御することで、突起部33と突起収容部43の内周面とを非接触状態にすることができ、摩擦撹拌工具10への負荷を抑制することができる。
また、実施例1では、第1回転軸I1と第2回転軸I2とを同軸上としたが、図9に示す変形例としてもよい。図9は、実施例1の変形例に係る摩擦撹拌接合装置の一部を模式的に表した概略構成図である。図9に示すように、変形例の第1回転ツール21及び第2回転ツール22は、開先部6の表面及び裏面に対し傾けて配置されている。具体的に、第1回転ツール21の第1回転軸I1は、開先部6の表面に対し直交する第1直交軸J1に対して、所定の角度θ1だけ傾けて配置されている。同様に、第2回転ツール22の第2回転軸I2は、開先部6の裏面に対し直交する第2直交軸J2に対して、所定の角度θ2だけ傾けて配置されている。ここで、角度θ1及び角度θ2は、0°より大きく3°以下となっている。なお、角度θ1及び角度θ2が0°の場合は、実施例1で説明したように、第1回転軸I1及び第2回転軸I2が同軸となる場合である。
以上のように、変形例の構成によれば、開先部6の表裏両面に対して、第1回転ツール21の第1回転軸I1及び第2回転ツール22の第2回転軸I2を傾けることができるため、各ショルダ部35,45の各ショルダ面35a,45aが開先部6の表裏両面に対して、傾斜を持った形で当たることから、開先部6を積極的に撹拌することができる。
次に、図10及び図11を参照して、実施例2に係る摩擦撹拌接合装置100について説明する。図10は、実施例2に係る摩擦撹拌接合装置の一部を模式的に表した概略構成図であり、図11は、実施例2に係る摩擦撹拌工具を部分的に拡大した説明図である。なお、実施例2では、重複した記載を避けるべく、実施例1と異なる部分について説明すると共に、実施例1と同様の構成である部分については、同じ符号を付す。実施例2に係る摩擦撹拌接合装置100は、実施例1の摩擦撹拌接合装置1の突起部33が着脱可能な構成となっている。以下、実施例2に係る摩擦撹拌接合装置100について説明する。
図10に示すように、実施例2に係る摩擦撹拌接合装置100において、摩擦撹拌工具10は、第1回転ツール21と第2回転ツール22との位置が、実施例1の配置と逆となっている。第1回転ツール21は、第1ツール本体31と、第1プローブ102と、突起部103とを有している。第1ツール本体31は、実施例1と同様であるため、説明を省略する。
第1プローブ102は、第1ツール本体31の第1ショルダ面35aから先端側に突出して設けられており、先端側へ向かって細径となるテーパ形状に形成されている。第1プローブ102は、その先端面102aから後端側に没入する固定穴105が設けられている。このため、第1プローブ102は、その先端面102aが、円環状の面となっている。
図10及び図11に示すように、固定穴105は、突起部103を固定するための穴となっている。固定穴105は、第1回転軸I1に直交する面で切った断面が円形となっており、第1回転軸I1を中心軸とする中空円柱形状に形成されている。また、固定穴105は、その内周面に雌ねじのねじ溝が形成されるねじ穴となっている。このため、固定穴には、後述する雄ねじのねじ溝が形成される突起部103が締結される。固定穴105の先端側の縁部には、固定穴105よりも大きな径となるフランジ収容部106が形成されている。フランジ収容部106は、中空円板形状に形成され、突起部103に設けられるフランジ部113を収容する。
突起部103は、先端側の突起本体111と、後端側のねじ部112と、突起本体111とねじ部112との間に設けられるフランジ部113とを有している。突起本体111は、固定穴105から突出(露出)する部位であり、実施例1と同様に、第1回転軸I1に直交する面で切った断面が多角形となっている。ねじ部112は、固定穴105の内部に収容される部位であり、第1回転軸I1に直交する面で切った断面が円形となり、その外周面に雄ねじのねじ溝が形成されている。フランジ部113は、突起本体111及びねじ部112よりも大きな径となっており、ねじ部112の径方向外側に突出し、周方向に沿って円環状に形成されている。
上記の突起部103を固定穴105に締結すると、ねじ部112は、固定穴105に収容され、フランジ部113は、フランジ収容部106に収容される。このとき、フランジ部113は、第1回転軸I1の軸方向において、フランジ収容部106の底面に接触する。このため、フランジ部113は、軟化した開先部6の金属が、固定穴105とねじ部112との間に形成される隙間に侵入することを抑制することができる。
また、突起部103は、第2プローブ42よりも硬度の低い材料を用いて構成されている。このため、突起収容部43が形成される第2プローブ42の先端部の剛性は、突起収容部43に収容される突起部103の剛性よりも高くなることから、突起収容部43と突起部103とが接触した場合であっても、突起収容部43への負荷が軽減される。
このように構成された突起部103は、開先部6の厚さに応じて、第1回転軸I1の軸方向における長さの異なる突起本体111が複数種用意されている。つまり、開先部6の厚さが厚いときは、突起本体111の長さが長い突起部103が用いられ、開先部6の厚さが薄いときは、突起本体111の長さが短い突起部103が用いられる。
以上のように、実施例2の構成によれば、突起部103を、第1プローブ102に対し、着脱自在に固定することができるため、突起部103を交換することができる。このため、突起部103が損傷した場合には、新たな突起部103に取り替えることができる。また、開先部6の厚みに応じて、適切な長さとなる突起部103を選定して、第1プローブ32に装着することが可能となる。
また、実施例2の構成によれば、突起部103にフランジ部113を設けることができるため、固定穴105に突起部103を固定した状態において、摩擦により軟化した開先部6の金属が、固定穴105とねじ部112との隙間へ侵入することを、フランジ部113によって抑制することができる。これにより、固定穴105と突起部103とが固着することを抑制することができる。
また、実施例2の構成によれば、突起部103を、第2プローブ42よりも硬度の低い材料を用いて構成することができるため、第2プローブ42の突起収容部43に突起部103が接触した場合であっても、交換可能な突起部103によって、第2プローブ42への接触による衝撃を吸収することができる。
また、実施例2の構成によれば、開先部6の厚さに適した突起部103を選定して、第1プローブ102の固定穴105に取り付けることができる。このため、開先部6の厚さに適した突起部103を用いることで、摩擦撹拌接合を好適に行うことができる。
次に、図12を参照して、実施例3に係る摩擦撹拌接合装置120について説明する。図12は、実施例3に係る摩擦撹拌接合装置の一部を模式的に表した概略構成図である。なお、実施例3でも、重複した記載を避けるべく、実施例1及び2と異なる部分について説明すると共に、実施例1及び2と同様の構成である部分については、同じ符号を付す。実施例3に係る摩擦撹拌接合装置120は、第1回転ツール21の内部を移動可能な突起ピンが設けられる構成となっている。以下、実施例3に係る摩擦撹拌接合装置120について説明する。
図12に示すように、実施例3に係る摩擦撹拌接合装置120において、摩擦撹拌工具10は、第1回転ツール21と第2回転ツール22との位置が、実施例1の配置と逆となっている。第1回転ツール21は、第1ツール本体31と、第1プローブ132と、突起ピン133とを有している。第1ツール本体31は、実施例1と同様であるため、説明を省略する。
第1プローブ132は、第1ツール本体31の第1ショルダ面35aから先端側に突出して設けられており、先端側へ向かって細径となるテーパ形状に形成されている。第1プローブ132は、その先端面132aから後端側に貫通形成される第1挿通穴141が設けられている。このため、第1プローブ132は、その先端面132aが、円環状の面となっている。
第1挿通穴141は、突起ピン133を挿通するための穴となっている。第1挿通穴141は、第1プローブ132から第1ツール本体31に亘って貫通形成されている。第1挿通穴141は、第1回転軸I1に直交する面で切った断面が円形となっており、第1回転軸I1を中心軸とする中空円柱形状に形成されている。
突起ピン133は、第1回転ツール21の第1挿通穴141に回転自在に挿通され、第1回転軸I1の軸方向に移動自在となっている。突起ピン133は、断面が円形となる円柱形状に形成されている。突起ピン133は、先端側の部位が第1挿通穴141から突出することで、突起部として機能する。なお、突起ピン133は、円柱形状に形成したが、例えば、先端部の断面を多角形とし、後端部の断面を円形としてもよく、先端部の形状と後端部の形状とが異なる形状であってもよい。また、この突起ピン133は、第1ツール本体31及び第1プローブ132とは、独立して回転可能となっている。
ここで、突起ピン133と第1挿通穴141との間の隙間は、突起ピン133の先端側が狭く、突起ピン133の後端側が広くなっている。このため、第1回転軸I1に直交する面内において、突起ピン133の先端側は、第1挿通穴141に対し精度良く位置決めされる。一方で、第1回転軸I1に直交する面内において、突起ピン133の後端側は、移動が許容される。
この突起ピン133には、第1挿通穴141内を軸方向に移動させると共に、突起ピン133を回転させる軸移動回転機構145が接続されている。軸移動回転機構145は、制御部20に接続され、制御部20によって軸移動回転機構145が制御されることで、突起ピン133の軸方向への移動と回転とが制御される。
第2回転ツール22は、第2ツール本体41と、第2プローブ42と、突起収容部としての第2挿通穴142と、を有している。第2ツール本体41及び第2プローブ42は、実施例1と同様であるため、説明を省略する。
第2挿通穴142は、第2プローブ42の先端面42aから後端側に貫通形成されている。第2挿通穴142は、突起ピン133の先端部を収容するための穴となっている。第2挿通穴142は、第2プローブ42から第2ツール本体41に亘って貫通形成されている。第2挿通穴142は、第2回転軸I2に直交する面で切った断面が円形となっており、第2回転軸I2を中心軸とする中空円柱形状に形成されている。このとき、突起ピン133は、第1挿通穴141と第2挿通穴142とに挿入されることから、第1回転軸I1と第2回転軸I2とが同軸となる。このため、実施例3では、開先部6の表裏両面に対して第1回転軸I1及び第2回転軸I2を傾けることなく、摩擦撹拌接合が行われる。
上記のように構成された摩擦撹拌接合装置120を用いて摩擦撹拌接合を行う場合、回転工程S1では、貫通穴8の表裏面側から第1回転ツール21及び第2回転ツール22を挿入した後、第1挿通穴141に収容された突起ピン133を、軸移動回転機構145により先端側に移動させ、第2挿通穴141に挿入する。この時点において、摩擦撹拌工具10と金属板5(二形成される貫通穴8)との間には、隙間が存在する。この後、第1回転ツール21、第2回転ツール22及び突起ピン133を回転させる。このとき、突起ピン133の回転は、第1プローブ132の先端と第2プローブ42の先端との隙間に応じて、適宜変化させてもよい。つまり、隙間が広ければ、突起ピン133の回転数を増大させる一方で、隙間が狭ければ、突起ピン133の回転数を減少させてもよい。
以上のように、実施例3の構成によれば、突起ピン133を第1挿通穴141の内部で移動させて、第2挿通穴142に突起ピン133の先端部を収容させることができる。このため、開先部6の厚さが変わった場合、第1挿通穴141に対する突起ピン133の突出量を変更するだけで、開先部6の厚さに適した長さに簡単に変更することができる。
また、実施例3の構成によれば、突起ピン133を第2挿通穴142に挿入することができるため、突起ピン133の第2挿通穴142に対する挿入深さを適切な深さにすることができる。例えば、第2挿通穴142に対する突起ピン133の挿入深さを深くすることで、第1回転ツール21の第1回転軸I1と第2回転ツール22の第2回転軸I2との芯合わせを精度良く行うことができる。一方で、第2挿通穴142に対する突起ピン133の挿入深さを浅くすることで、突起ピン133が僅かに傾いた場合であっても、第2挿通穴142の内部で突起ピン133の傾きを許容できるため、突起ピン133への負荷を抑制することができる。
また、実施例3の構成によれば、突起ピン133の先端側において、第1挿通穴141との隙間が狭くなっているため、突起ピン133の先端側における位置決めを精度良く行うことが可能となる。一方で、突起ピン133の後端側において、第1挿通穴141との隙間が広くなっているため、突起ピン133の偏芯等による変形を許容することができ、突起ピン133への負荷を抑制することができる。
なお、実施例3では、第1挿通穴141に挿通された突起ピン133は、第1挿通穴141に対し回転自在となっていたが、この構成に限定されない。突起ピン133と第1挿通穴141とをスプラインで結合し、突起ピン133の軸方向への移動を許容する一方で、突起ピン133の回転方向への移動を不能としてもよい。この構成によれば、突起ピン133の回転を、第1回転ツール21の回転と同期させることができる。
また、実施例3の構成に、突起ピン133に加わる負荷を検出するピン負荷検出器をさらに設け、突起ピン133を第2貫通穴142に出し入れする際の負荷が小さくなるように、制御部20が軸移動回転機構145を制御してもよい。つまり、制御部20は、ピン負荷検出器により検出した負荷が大きい場合、第1移動機構13または第2移動機構14の少なくとも一方を制御して、突起ピン133への負荷が小さくなるように、上下の回転ツール21,22の相対位置を移動させる。
また、実施例3の摩擦撹拌接合装置120を、図13に示す変形例としてもよい。図13は、実施例3の変形例に係る摩擦撹拌接合装置の一部を模式的に表した概略構成図である。図13に示すように、第2回転ツール22は、第2挿通穴142の内部を移動可能な押出しピン146をさらに有している。この押出しピン146は、摩擦撹拌溶接後において、第2挿通穴142内に侵入する軟化した開先部6の金属を押し出すために使用される。
押出しピン146は、第2挿通穴142内において、第2回転軸I2の軸方向に移動可能となっている。押出しピン146は、断面が円形となる円柱形状に形成されている。押出しピン146は、先端側の部位が第2挿通穴142から突出する。この押出しピン146には、第2挿通穴142内を軸方向に移動させる軸移動機構147が接続されている。軸移動機構147は、制御部20に接続され、制御部20によって軸移動機構147が制御されることで、押出しピン146の軸方向への移動が制御される。
以上のように、変形例の構成によれば、摩擦撹拌接合後において、摩擦により軟化した開先部6の金属が第2挿通穴142に侵入する場合であっても、接合終了時に押出しピン146により軟化した金属を押し出して、第2挿通穴142の外部に排出することができる。このため、第2挿通穴142の内部において、接合完了後、摩擦撹拌工具10の温度が低下した際に軟化した金属が固着することを抑制することができる。
また、実施例2及び3の摩擦撹拌接合装置100,120において、接合前もしくは接合中に開先部6の厚みを計測する厚さ計測器をさらに備えてもよい。制御部20は、厚さ計測器により検出した計測結果に基づいて、突起部103の長さ、または突起ピン133の突出量を選定してもよい。この構成によれば、開先部6の厚さに適した突起部103を用いたり、開先部6の厚さに適した突起ピン133の突出量にしたりすることができる。特に、実施例3においては、接合中に開先部6の厚みの計測できる機能を有することで、突起ピン133の突出量を制御して、突出量を好適にして摩擦撹拌工具10の負荷を低減することができる。
1 摩擦撹拌接合装置
5 金属板
6 開先部
7 タブ板
8 貫通穴
10 摩擦撹拌工具
11 第1押圧回転機構
12 第2押圧回転機構
13 第1移動機構
14 第2移動機構
15 支持治具
16 工具負荷検出器
20 制御部
21 第1回転ツール
22 第2回転ツール
31 第1ツール本体
32 第1プローブ
33 突起部
35 第1ショルダ部
41 第2ツール本体
42 第2プローブ
43 突起収容部
45 第2ショルダ部
51 第1モータ負荷検出器
52 第2モータ負荷検出器
100 摩擦撹拌接合装置(実施例2)
102 第1プローブ(実施例2)
103 突起部(実施例2)
105 固定穴
106 フランジ収容部
111 突起本体
112 ねじ部
113 フランジ部
120 摩擦撹拌接合装置(実施例3)
132 第1プローブ(実施例3)
133 突起ピン
141 第1挿通穴
142 第2挿通穴
145 軸移動回転機構
146 押出しピン
147 軸移動機構
I1 第1回転軸
I2 第2回転軸

Claims (31)

  1. 部材の被接合部に対し、前記被接合部を挟んで一方側に配置される第1回転ツールと、
    前記被接合部を挟んで他方側に配置され、前記第1回転ツールに対向して設けられる第2回転ツールと、を備え、
    前記第1回転ツールは、
    前記被接合部の一方側の面と接する第1ショルダ部を有する第1ツール本体と、
    前記第1ツール本体から前記第2回転ツールに向かって突出する第1プローブと、
    前記第1プローブから前記第2回転ツールに向かって突出する突起部と、を有し、
    前記第2回転ツールは、
    前記被接合部の他方側の面と接する第2ショルダ部を有する第2ツール本体と、
    前記第2ツール本体から前記第1回転ツールに向かって突出する第2プローブと、
    前記第2プローブに設けられ、前記第1回転ツールの前記突起部を収容可能な突起収容部と、を有することを特徴とする摩擦撹拌工具。
  2. 前記部材は、金属材であることを特徴とする請求項1に記載の摩擦撹拌工具。
  3. 前記突起部の突出方向における長さは、前記第1プローブ及び前記突起部を合わせた突出方向における長さに比して、50%以下となっていることを特徴とする請求項1または2に記載の摩擦撹拌工具。
  4. 前記突起部の回転直径は、前記第2プローブの前記第1回転ツール側の回転直径に対し、40%から80%までの間の直径となっていることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の摩擦撹拌工具。
  5. 前記突起部と、前記突起部が収容される前記突起収容部の内面との間には、非接触状態となる所定の隙間が設けられていることを特徴とする請求項1からのいずれか1項に記載の摩擦撹拌工具。
  6. 前記突起収容部は、前記第2回転ツールの回転軸に直交する面で切った断面が円形となっていることを特徴とする請求項1からのいずれか1項に記載の摩擦撹拌工具。
  7. 前記突起部は、前記第1回転ツールの回転軸に直交する面で切った断面が多角形となっていることを特徴とする請求項1からのいずれか1項に記載の摩擦撹拌工具。
  8. 前記被接合部の厚さが、予め想定される最大厚さである場合、
    前記第1回転ツール及び前記第2回転ツールは、前記被接合部の溶接時において、前記突起収容部に前記突起部の少なくとも一部を収容した状態で回転させられることを特徴とする請求項1からのいずれか1項に記載の摩擦撹拌工具。
  9. 前記被接合部の一方側の面に直交する方向と前記第1回転ツールの回転軸とがなす角度、及び前記被接合部の他方側の面に直交する方向と前記第2回転ツールの回転軸とがなす角度は、0°から3°の間の角度であることを特徴とする請求項1からのいずれか1項に記載の摩擦撹拌工具。
  10. 前記突起部は、前記第1プローブに対し、着脱自在に固定されることを特徴とする請求項1からのいずれか1項に記載の摩擦撹拌工具。
  11. 前記第1プローブは、前記突起部を固定する固定穴をさらに有し、
    前記突起部は、前記固定穴の外側に突出し、前記第1プローブに接触するフランジ部を有することを特徴とする請求項10に記載の摩擦撹拌工具。
  12. 前記突起部は、前記第2プローブよりも硬度の低い材料を用いて構成されることを特徴とする請求項10または11に記載の摩擦撹拌工具。
  13. 前記突起部は、前記被接合部の厚さに応じて突出方向の長さが異なるものが複数種用意されていることを特徴とする請求項10から12のいずれか1項に記載の摩擦撹拌工具。
  14. 前記第1回転ツールは、
    前記第1回転ツールの回転軸に沿って、前記第1プローブに貫通形成される第1挿通穴と、
    前記第1挿通穴の内部を移動可能な突起ピンと、を有し、
    前記突起部は、前記第1挿通穴から突出する前記突起ピンの一部であることを特徴とする請求項1からのいずれか1項に記載の摩擦撹拌工具。
  15. 前記突起収容部は、前記第2回転ツールの回転軸に沿って、前記第2プローブに貫通形成され、前記突起ピンの一部が挿入される第2挿通穴であることを特徴とする請求項14に記載の摩擦撹拌工具。
  16. 前記第2回転ツールは、
    前記第2挿通穴の内部を移動可能な押出しピンを、さらに有することを特徴とする請求項15に記載の摩擦撹拌工具。
  17. 前記突起ピンと前記第1挿通穴とは、スプラインで結合されていることを特徴とする請求項14から16のいずれか1項に記載の摩擦撹拌工具。
  18. 前記突起ピンは、前記第1挿通穴に対して回転自在に挿通されていることを特徴とする請求項14から16のいずれか1項に記載の摩擦撹拌工具。
  19. 前記突起ピンと前記第1挿通穴との隙間は、前記突起ピンの前記第2回転ツール側となる先端側が狭く、前記突起ピンの後端側が広いことを特徴とする請求項14から18のいずれか1項に記載の摩擦撹拌工具。
  20. 前記被接合部は、一対の板状の前記部材を突き合わせることで形成される開先部であることを特徴とする請求項から19のいずれか1項に記載の摩擦撹拌工具。
  21. 請求項1から20のいずれか1項に記載の摩擦撹拌工具と、
    前記摩擦撹拌工具の前記第1回転ツールの前記第1ショルダ部を前記被接合部の一方側の面に押し当てた状態で、前記第1回転ツールを回転させる第1押圧回転機構と、
    前記摩擦撹拌工具の前記第2回転ツールの前記第2ショルダ部を前記被接合部の他方側の面に押し当てた状態で、前記第2回転ツールを回転させる第2押圧回転機構と、
    前記部材に対し、前記第1回転ツールを前記部材の前記被接合部に沿って移動させる第1移動機構と、
    前記部材に対し、前記第2回転ツールを前記部材の前記被接合部に沿って移動させる第2移動機構と、
    前記第1押圧回転機構、前記第2押圧回転機構、前記第1移動機構及び前記第2移動機構を制御する制御部と、を備えることを特徴とする摩擦撹拌接合装置。
  22. 前記第1移動機構及び前記第2移動機構は、前記部材の前記被接合部に沿って前記第1回転ツール及び前記第2回転ツールを同期して移動させることを特徴とする請求項21に記載の摩擦撹拌接合装置。
  23. 前記摩擦撹拌工具の負荷を検出する工具負荷検出器を、さらに備え、
    前記制御部は、前記工具負荷検出器の検出結果に基づいて、前記摩擦撹拌工具の負荷が小さくなるように、前記第1押圧回転機構、前記第2押圧回転機構、前記第1移動機構及び前記第2移動機構の少なくとも1つを制御することを特徴とする請求項21または22に記載の摩擦撹拌接合装置。
  24. 前記工具負荷検出器は、前記第1移動機構の動力源に加わる負荷を検出する第1動力負荷検出器と、前記第2移動機構の動力源に加わる負荷を検出する第2動力負荷検出器と、を有し、
    前記制御部は、前記第1動力負荷検出器により検出された負荷と、前記第2動力負荷検出器により検出された負荷との差分が小さくなるように、前記第1移動機構及び前記第2移動機構の少なくとも一方を制御することを特徴とする請求項23に記載の摩擦撹拌接合装置。
  25. 前記工具負荷検出器は、前記第1回転ツール及び前記第2回転ツールの少なくとも一方の回転軸の歪みを検出する歪み検出器を有し、
    前記制御部は、前記歪み検出器により検出された歪みが小さくなるように、前記第1移動機構及び前記第2移動機構の少なくとも一方を制御することを特徴とする請求項23に記載の摩擦撹拌接合装置。
  26. 前記工具負荷検出器は、前記摩擦撹拌工具の作動音を検出する作動音検出器を有し、
    前記制御部は、前記作動音検出器により検出された作動音が小さくなるように、前記第1移動機構及び前記第2移動機構の少なくとも一方を制御することを特徴とする請求項23に記載の摩擦撹拌接合装置。
  27. 前記工具負荷検出器は、前記第1回転ツール及び前記第2回転ツールの少なくとも一方の振動を検出する振動検出器を有し、
    前記制御部は、前記振動検出器により検出された振動モードが、前記第1回転ツール及び前記第2回転ツールの少なくとも一方に負荷が加わったときの負荷振動モードである場合、前記負荷振動モード以外の振動モードとなるように、前記第1移動機構及び前記第2移動機構の少なくとも一方を制御することを特徴とする請求項23に記載の摩擦撹拌接合装置。
  28. 請求項1から20のいずれか1項に記載の摩擦撹拌工具を用いて、前記部材の前記被接合部を溶接する摩擦撹拌接合方法であって、
    接合開始点に予め貫通形成された貫通穴に対し、前記貫通穴の一方側から前記第1回転ツールを挿入し、前記貫通穴の他方側から前記第2回転ツールを挿入すると共に、前記第1回転ツールの前記突起部を、前記第2回転ツールの前記突起収容部に収容させ、前記第1回転ツールと前記第2回転ツールとを回転させる回転工程と、
    前記第1回転ツールと前記第2回転ツールとの差し込み位置を相対的に調整する位置調整工程と、
    前記第1回転ツール及び前記第2回転ツールを前記部材の前記被接合部に沿って前記接合開始点から接合終了点まで移動させる移動工程と、
    前記接合終了点において、前記第1回転ツール及び前記第2回転ツールを回転させた状態で、前記第1回転ツール及び前記第2回転ツールを前記被接合部から引き抜く引抜工程と、を備えることを特徴とする摩擦撹拌接合方法。
  29. 前記移動工程では、前記第1回転ツールと前記第2回転ツールとの位置を相対的に調整していることを特徴とする請求項28に記載の摩擦撹拌接合方法。
  30. 前記貫通穴は、一方側の前記第1回転ツールと前記貫通穴との隙間と、他方側の前記第2回転ツールと前記貫通穴との隙間とが異なるような内径となっていることを特徴とする請求項28または29に記載の摩擦撹拌接合方法。
  31. 前記接合開始点及び前記接合終了点の少なくとも一方は、前記部材に取り付けられたタブ板上となっていることを特徴とする請求項28から30のいずれか1項に記載の摩擦撹拌接合方法。
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