JP2015063878A - 鋼管杭の施工方法および鋼管杭 - Google Patents

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良明 植木
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尚史 片貝
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尚史 片貝
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Tomo Ito
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Abstract

【課題】 資源化および低コスト化に資する、鋼管杭の杭頭部分を補強するための施工方法を提供する。【解決手段】 鋼管杭の施工方法は、地盤を掘削する掘削工程と、セメント系の注入材を地中に注入する注入工程と、掘削工程によって掘削された領域内に鋼管を配置する鋼管配置工程と、注入工程の後であって、注入された注入材が固化する前に、杭頭側の端部から杭先端に向けて、杭先端には至らない所定の距離だけ延びる鋼製の補強管を注入材が注入された領域に挿入する挿入工程とを備える。挿入工程では、補強管の内部に鋼管が挿入された位置関係となるように、中空かつ両端が開口した補強管が挿入される。【選択図】図1

Description

本発明は、鋼管杭の施工技術に関する。
杭とは、構造物の荷重をフーチングあるいは基礎スラブから、地盤中あるいは地盤の深部に伝達する役割をする柱状の構造材を意味し、主に軟弱な地盤における構造物の建設に際して用いられる。杭工法は、材料としては鋼管杭の他にコンクリート杭や鉄筋コンクリート杭など、施工法としては既製杭工法や場所打ち工法など、支持の性質としては支持杭と摩擦杭など、いくつかの方法で分類される多数の工法がある。
かかる杭は、地盤条件や構造物の設計条件などに応じて、どのような工法を採用するか決定されるが、地表付近の地盤に十分な強度がない場合には、地震や強風などによって建物が横に揺れるのを抑制するために、杭頭部分(地表に近い側の部分)の補強が行われることがある。例えば、先端翼を有する鋼管を地盤にねじ込んで施工するタイプの鋼管杭では、杭頭から杭先端(杭頭と反対側の端部)まで一定の径を有する鋼管について、通常よりも径が大きいもの、すなわち、厚みが大きいものを選定して使用するか、杭頭部分とその他の部分とで、径の異なる鋼管を選定し(杭先端側用として通常の径を有する鋼管を選定し、杭頭側溶として補強のために径を大きくした鋼管を選定する)、両者を円錐台状の鋼管で接続することによって、杭頭部分の補強が行われる。あるいは、掘削ロッドで掘削した杭孔にソイルセメントを注入した後、掘削ロッドを引き抜き、ソイルセメントが固化する前に、軸方向に沿って羽が複数形成された鋼管を、ソイルセメントによって形成されるコラムの内部に回転圧入する工法(例えば、下記の特許文献1)では、一定の径を有する、通常よりも厚みが大きい鋼管が選定される。
特開2012−127082号公報
しかしながら、上述した従来の補強方法は、省資源化および低コスト化の観点から改善の余地を残している。例えば、一定の径を有する、通常よりも厚みが大きい鋼管を使用する場合には、補強の必要がない部分についても、厚みが大きい鋼管が使用されることになるので、その分の資源およびコストが無駄であり、効率的ではない。また、円錐台状の鋼管を使用する場合であっても、鋼管杭の施工においては、予め長めの鋼管杭を打設し、鋼管杭が支持地盤に到達したことを確認した段階で杭頭側の余分な部分を切断することから、相対的に径が大きい部分を切断することになる。このため、鋼管の施工ロスが、径が大きくなった分だけ増加する。
このようなことから、省資源化、低コスト化に資する、鋼管杭の杭頭部分を補強するための施工方法が求められる。また、かかる施工方法は、高性能な鋼管杭にも適用できることが望ましい。さらに、かかる施工方法は、容易に施工できることが望ましい。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、例えば、以下の形態として実現することが可能である。
本発明の第1の形態は、鋼管杭の施工方法として提供される。この施工方法は、地盤を掘削する掘削工程と、セメント系の注入材を地中に注入する注入工程と、掘削工程によって掘削された領域内に鋼管を配置する鋼管配置工程と、注入工程の後であって、注入された注入材が固化する前に、杭頭側の端部から杭先端に向けて、杭先端には至らない所定の距離だけ延びる鋼製の補強管を注入材が注入された領域に挿入する挿入工程とを備える。挿入工程では、補強管の内部に鋼管が挿入された位置関係となるように、中空かつ両端が開口した補強管が挿入される。
かかる鋼管杭の施工方法によれば、二重構造の鋼管を備えた鋼管杭を施工でき、相対的に外側に配置される補強管によって、補強が必要となる杭頭部分のみを補強可能となる。また、補強管は、支持層まで打設するわけではないので、長めに打設して杭頭を切断する必要がない。したがって、杭頭部分の効率的な補強が可能となり、省資源化および低コスト化に資する。
本発明の第2の形態として、第1の形態において、掘削工程は、1つの方向に延びる中空のケーシングの先端部に配置される掘削翼であって、1つの方向と直交する面方向においてケーシングよりも大きな外形を有し、回転によって地盤を掘削可能な掘削翼によって掘削しながら、ケーシングを地中に配置するケーシング配置工程を含んでいてもよい。鋼管配置工程では、注入工程の前に、鋼管が、掘削翼に当接するようにケーシング内に配置されてもよい。注入工程は、ケーシング内に注入材を注入する工程を含んでいてもよい。施工方法は、さらに、ケーシング内に注入材を注入した後に、掘削翼を地中に残した状態でケーシングを引き抜く引抜工程を備えていてもよい。かかる形態によれば、掘削翼が鋼管に当接するように地盤中に残されるので、先端支持力を好適に確保できる。さらに、鋼管の周囲にセメント系のコラムが形成されるので、鋼管のみの杭と比べて、高い摩擦力を得ることができる。その結果、軟弱地盤に適用する場合においても、支持層までの長い杭長を確保する必要がなく、コストを低減できる。また、ほぼ無排土で杭体を施工できるので、その点においてもコストを低減できる。しかも、ケーシングの内部において、鋼管の周囲にセメント系の注入材を注入するため、注入材への土の混入を避けることができる。その結果、セメント系の注入材によって形成されるコラムの強度低下が生じず、種々の質の地盤に対して、広く適用することができる。つまり、第2の形態によれば、上記の高性能な鋼管杭についても、杭頭部分の効率的な補強が可能となる。
本発明の第3の形態として、第2の形態において、鋼管の杭先端側の端部が掘削翼に予め接合されていることによって、ケーシング配置工程と鋼管配置工程とが同時に行われてもよい。かかる形態によれば、施工された鋼管杭において、鋼管と掘削翼との間での力の伝達性が向上し、それにより、極めて高い支持力を得ることができる。
本発明の第4の形態として、第1ないし第3のいずれかの形態において、補強管は、杭頭側の端部において径方向内側に突出したストッパを備えていてもよい。挿入工程では、補強管を挿入した際に、ストッパが鋼管の杭頭側の端部と当接する位置に補強管が位置決めされ、補強管の挿入後、注入材が固化するまでの間、補強管は、ストッパを介して鋼管に支持されてもよい。かかる形態によれば、杭頭側の端部から杭先端までは至らない距離だけ延びる補強管を、注入材が固化する前においても、特別な支持構造を設けることなく、鋼管によって好適に支持できる。したがって、施工が容易である。
本発明の第5の形態として、第1ないし第3のいずれかの形態において、挿入工程では、補強管は、補強管の上端が鋼管の上端よりも低い位置に配置されうるように位置決めされ、注入材が固化するまでの間、補強管は、上方から吊り下げられて支持されてもよい。かかる形態によれば、注入材が固化した後に杭頭側の端部周辺が根切りされた後に、鋼管の余分な部分を切断することができる。つまり、根切りによって、切断すべき箇所の周囲に切断のための大きな作業スペースが生まれるので、切断作業を行いやすい。
本発明の第6の形態として、第1ないし第5のいずれかの形態において、補強管は、補強管の内部に設けられたスペーサであって、スペーサの設置箇所における補強管の内径を、鋼管の外径と略等しくなるように調節するためのスペーサを備えていてもよい。挿入工程では、スペーサによって補強管の挿入位置が案内されてもよい。かかる形態によれば、支持層に到達して位置が固定された鋼管を基準として、補強管を適切な位置に容易に挿入できる。したがって、施工が容易である。
本発明の第7の形態は、鋼管杭として提供される。この鋼管杭は、鋼管と、鋼管の周囲にセメント系材料で形成されたコラムと、鋼管の地表側の先端から鋼管の地中側の先端に向けて、地中側の先端には至らない所定の距離だけ延びる鋼製の補強管とを備える。補強管は、鋼管の周囲で補強管の内部に鋼管が挿入された位置関係となるように配置される。かかる鋼管杭によれば、第1の形態と同様の効果を奏する。
本発明の一実施例としての鋼管杭の施工方法の手順を示す工程図である。 各工程における施工状態を模式的に示す説明図である。 各工程における施工状態を模式的に示す説明図である。
A.実施例:
図1は、本発明の一実施例としての鋼管杭の施工方法の手順を示す。図2,3は、図1に示す各工程における施工状態を模式的に示す。本実施例の施工方法では、まず、図2(a)に示すように、掘削翼30を有する鋼管40をケーシング20とともに地盤90の所定の深さ(掘削翼30が支持層に到達した深さ)まで埋設する(ステップS110)。ケーシング20、掘削翼30および鋼管40の構成について、以下に説明する。
ケーシング20は、中空の円筒形状を有している。掘削翼30は、平板状のベースと、ベースの一方の面(地表と反対側の面)から突出した掘削ビットとを備えている。ベースは、本実施例では、略正六角形形状に形成されているが、任意の形状とすることができる。かかる掘削翼30は、本実施例では、鋼管40の杭先端側の端部に接合されている。具体的には、ベースの他方の面は、溶接によって、ケーシング20の内部に配置された鋼管40に予め接合されている。
掘削翼30のベースとケーシング20とは、フック構造(図示省略)によって係合している。つまり、ケーシング20を長手方向の軸線を中心に一方の側に回転させると、ケーシング20と掘削翼30とが係合し、他方の側に回転させると、係合が解除される。かかる係合構造によって、掘削翼30は、ケーシング20の先端部に配置されている。
ステップS110では、ケーシング20は、ケーシング20と掘削翼30とを係合させた状態で、オーガによって、ケーシングを係合方向に回転させながら地盤90内に圧入される。これによって、ケーシング20および掘削翼30とともに、掘削翼30に接合された鋼管40は、図2(a)に示すように地盤90内に配置される。なお、掘削翼30と鋼管40とは、必ずしも、接合されている必要はなく、掘削翼30は、フック構造などで鋼管40と係合する構成であってもよい。この場合、鋼管40は、ケーシング20が地盤90内の所定の位置に配置された後、ケーシング20の内部に挿入されて、掘削翼30と係合されてもよい。いずれの場合においても、最終的には、鋼管40は、掘削翼30によって掘削された領域内に、より具体的には、ケーシング20内に掘削翼30に当接するよう配置される。
本実施例では、鋼管40(ケーシング20)が延びる方向に直交する方向における掘削翼30のベースの断面積は、ケーシング20の断面積よりも大きく形成されている。かかる構成によれば、掘削翼30がケーシング20の断面積よりも広い範囲を掘削するので、ケーシング20を圧入しやすくできる。なお、ステップS110において、ケーシング20および鋼管40の少なくとも一方は、継ぎ足しによって長さが延長されてもよい。
ケーシング20、掘削翼30および鋼管40を埋設すると、次に、図2(b)に示すように、ケーシング20の内部にセメント系の注入材50を打設する(ステップS120)。かかる注入材50としては、例えば、コンクリート、モルタル、セメントミルクなどを使用できる。ステップS120では、注入材50の注入量は、以下に説明するステップS130の作業を行うために、注入された注入材50の上面のレベルが、最終的に必要な杭長の上端よりも低い位置になるように設定されている。本実施例では、注入材50は、後述する基礎フーチング83の下端レベルまで注入される。
注入材50を注入すると、次に、図2(c)に示すように、鋼管40を所定の長さで、つまり、杭長が必要な長さとなるように切断する(ステップS130)。切断には、例えば、プラズマ切断を使用することができる。
鋼管40を切断すると、次に、図2(d)に示すように、杭頭部を補強するための鋼製の補強管60を挿入し、注入材50を補強管60の天端レベルまで補充する(ステップS140)。補強管60は、中空かつ両端が開口した円筒形状を有しており、補強管60の内部に鋼管40が挿入された位置関係となるように、注入材50が注入された領域に挿入される。また、補強管60の挿入は、ステップS120で注入した注入材50が固化する前に行われる。かかる手順によれば、補強管60が注入材50によって大きな抵抗を受けることなく、補強管60を容易に挿入可能となる。
かかる補強管60は、補強管60の天端レベルが鋼管40の天端レベルとほぼ一致する位置に挿入される。また、補強管60の長さは、補強したい杭頭領域に応じて設定され、鋼管40の長さよりも短い。換言すれば、補強管60は、杭頭から杭先端に向けて、杭先端には至らない所定の距離だけ延びて配置される。図2(d)では、補強管60により補強する杭頭部分の範囲を、最終的に施工される杭径の5倍の高さを有する領域としているが、当該範囲は、地盤条件等に応じて適宜設定すればよい。
本実施例では、補強管60は、その内部にスペーサ72,73を備えている。スペーサ72は、杭頭側の端部付近に設けられており、スペーサ73は、杭先端の付近に設けられている。スペーサ72,73は、補強管60の内面に溶接された円筒状の部材であり、補強管60の内径を部分的に縮小させる。具体的には、スペーサ72,73によって、それらの設置箇所における補強管60の内径は、鋼管40の外径と略等しくなるように調節される。ステップS140での補強管60の挿入工程において、スペーサ72,73は、補強管60の挿入位置、すなわち、挿入される補強管60の鋼管40に対する相対位置を案内する。かかる構成によれば、支持層に到達して位置が固定された鋼管40を基準として、補強管60を適切な位置に容易に挿入でき、施工が容易となる。なお、スペーサの数は、適宜設定でき、1つであってもよいし、3つ以上であってもよい。
また、本実施例においては、補強管60は、杭頭側の端部において径方向内側に突出したストッパ71を備えている。ストッパ71は、本実施例では、中央に円形の貫通穴が形成された円盤形状を有しており、その内径は、鋼管40の内径よりも小さい。すなわち、補強管60を鋼管40と略同心に挿入すると、ストッパ71が鋼管40の上端に当接し、補強管60は、それ以上は下方に挿入できなくなり、鉛直方向に位置決めされる。かかる構成によれば、注入した注入材50が固化するまでの間、補強管60は、ストッパ71を介して鋼管40に支持されるので、補強管60が所定の位置から沈み込むことがない。つまり、特別な支持構造を設けることなく、補強管60が好適に支持されるので、施工が容易である。ストッパ71の形状は、上述の例に限定されるものではなく、適宜設定可能である。例えば、ストッパ71は、穴を有さない円盤形状であってもよい。あるいは、鋼管40と係合する形状を有していてもよい。この場合、水平方向においても、補強管60の位置決めを容易に行える。
補強管60を挿入して、注入材50を補充すると、次に、図3(e)に示すように、ケーシング20を引き抜き、注入材50を補強管60の天端レベルまで補充する(ステップS150)。ケーシング20は、上述したように、係合解除の方向に回転させることによって、オーガによって引き抜くことができる。ケーシング20を引き抜くにしたがって、打設した注入材50のレベルが低下するので、注入材50は、その低下分だけ追加的に打設される。
ケーシング20を引き抜き、注入材50を補充すると、次に、任意の設備によって鋼管40の中心位置を調節し、鋼管40を保持した状態で、図3(f)に示すように、GLまで埋め戻し養生する(ステップS160)。かかる手順によれば、注入材50が固化することによって、杭先端に掘削翼30を有し、鋼管40の周囲に、注入材50からなるコラムが形成され、かつ、所望の杭頭部分のみが補強管60によって補強された鋼管杭が施工される。
こうして、鋼管杭が施工された後は、図3(g)に示すように、基礎フーチング83を打設する。具体的には、補強管60の上端よりも下方まで根切りを行った後、基礎フーチング83の下端レベルに合わせて補強管60の外側のコラムをはつり、砕石81および捨てコンクリート82を布設した後、基礎フーチング83を施工する。
以上説明した鋼管杭の施工方法によれば、二重構造である鋼管40と補強管60とを備えた鋼管杭を施工でき、相対的に外側に配置される補強管60によって、補強が必要となる所望の範囲の杭頭部分のみを補強可能となる。また、補強管60は、支持層まで打設するわけではないので、長めに打設して杭頭を切断する必要がない。したがって、杭頭部分の効率的な補強が可能となり、省資源化および低コスト化に資する。具体的には、本実施例の鋼管杭は、補強が必要とされない杭先端側では、通常の厚みの鋼管40のみが使用されるので、その分だけ、一定の径を有する、通常よりも厚みが大きい1つの鋼管を使用する杭と比べて、鋼管材料を節減できる。また、本実施例の鋼管杭は、上記ステップS130(図2(c)参照)での切断工程において、通常の厚みの鋼管40のみを切断するので、通常の径を有する鋼管と、補強のために径を大きくした鋼管とが円錐台状の鋼管で接続された杭の施工時において杭頭側に位置する径が大きい方の鋼管を切断する場合と比べて、鋼管の施工ロスを低減できる。
また、上述した施工方法によれば、材料の輸送、取扱が行いやすく、また、杭長の調節が行いやすい鋼管杭工法を提供できる。特に、ケーシング20の回転および圧入によって、杭長を調節できるため、杭長の管理が容易である。また、掘削翼30が鋼管40に当接するように地盤90中に残されるので、先端支持力を好適に確保できる。特に、掘削翼30のベースの外形は、ケーシング20の外形よりも大きく形成されているので、安定的な支持力を得ることができる。しかも、掘削翼30と鋼管40の先端とは、溶接によって接合されているため、掘削翼30と鋼管40との間の力の伝達性が非常に高くなり、極めて高い支持力を得ることができる。
また、上述した施工方法によれば、鋼管40の周囲に注入材50によるコラムが形成され、高い摩擦力を得ることができる。このことは、本実施例の鋼管杭は、鋼管40よりも大きい径を有する鋼管杭と同等の耐力を得ることができる。その結果、コストを低減できる。また、ほぼ無排土で杭体を施工できるので、その点においてもコストを低減できる。
また、上述したケーシング20の内部において、鋼管40の周囲にセメント系の注入材50を打設するため、つまり、ケーシング20によって、周囲の注入材50と隔離された状態で注入材50を打設するため、注入材50への土の混入を避けることができる。その結果、セメント系の注入材50によって形成されるコラムの強度低下が生じず、本施工方法を種々の質の地盤に対して広く適用して、所望の性能を得ることができる。
B.変形例:
上述した施工方法は、上述した構成の鋼管杭に限らず、鋼管の周囲にセメント系の注入材からなるコラムが形成される種々の杭工法に適用可能である。例えば、掘削ロッドで掘削した杭孔にソイルセメントを注入した後、掘削ロッドを引き抜き、ソイルセメントが固化する前に、軸方向に沿って羽が複数形成された鋼管を、ソイルセメントによって形成されるコラムの内部に回転圧入する従来工法にも適用可能である。この場合、鋼管をソイルセメント内に配置した後に、鋼管の外周に補強管を挿入することによって、二重構造の鋼管杭を施工できる。
このことからも明らかなように、上述した各工程は、適宜、順序を入れ替えることができる。例えば、上述した実施例においては、掘削工程と鋼管配置工程とは同時に実施されたが(ステップS110)、掘削翼30と鋼管40とが予め接合されていない場合には、上述の従来工法と同様に、掘削工程の後に鋼管配置工程が実施されてもよい。あるいは、上述した実施例においては、鋼管配置工程(ステップS110)の後に、注入材50の注入工程(ステップS120)が実施されたが、工法によっては、上述の従来工法と同様に、注入工程の後に鋼管配置工程が実施されてもよい。
あるいは、鋼管40の切断(ステップS130)は、上述の例に限らず、鋼管40の埋設後の任意のタイミングで実施可能である。例えば、鋼管40の切断は、上記ステップS160の後に実施されてもよい。具体的には、根切りを行った後に、鋼管40の上端側を切断してもよい。こうすれば、鋼管40の切断すべき箇所の周囲の土が根切りによって取り除かれるので、切断のための大きな作業スペースを確保でき、施工を行いやすい。かかる場合、上記ステップS140では、補強管60を所望の位置まで挿入したときに、補強管60の上端は、鋼管40の上端よりも下方に位置することになる。したがって、例えば、補強管60の位置決めを行った後、補強管60を鋼管40の上端から所定の吊下具を使用して吊り下げることによって、補強管60を所望の位置に支持してもよい。この場合、補強管60は、鋼管40に代えて、GL上に設けられた支持用設備から吊り下げられてもよい。
以上、いくつかの実施例に基づいて本発明の実施の形態について説明してきたが、上記した発明の実施の形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定するものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得るとともに、本発明にはその等価物が含まれることはもちろんである。また、上述した課題の少なくとも一部を解決できる範囲、または、効果の少なくとも一部を奏する範囲において、特許請求の範囲および明細書に記載された各形態要素の任意の組み合わせ、または、省略が可能である。
20…ケーシング
30…掘削翼
40…鋼管
50…注入材
60…補強管
71…ストッパ
72,73…スペーサ
81…採石
82…捨てコンクリート
83…基礎フーチング
90…地盤

Claims (7)

  1. 鋼管杭の施工方法であって、
    地盤を掘削する掘削工程と、
    セメント系の注入材を地中に注入する注入工程と、
    前記掘削工程によって掘削された領域内に鋼管を配置する鋼管配置工程と、
    前記注入工程の後であって、注入された前記注入材が固化する前に、杭頭側の端部から杭先端に向けて、該杭先端には至らない所定の距離だけ延びる鋼製の補強管を前記注入材が注入された領域に挿入する挿入工程と
    を備え、
    前記挿入工程では、前記補強管の内部に前記鋼管が挿入された位置関係となるように、中空かつ両端が開口した前記補強管が挿入される
    杭の施工方法。
  2. 請求項1に記載の鋼管杭の施工方法であって、
    前記掘削工程は、1つの方向に延びる中空のケーシングの先端部に配置される掘削翼であって、前記1つの方向と直交する面方向において前記ケーシングよりも大きな外形を有し、回転によって地盤を掘削可能な掘削翼によって掘削しながら、前記ケーシングを地中に配置するケーシング配置工程を含み、
    前記鋼管配置工程では、前記注入工程の前に、前記鋼管が、前記掘削翼に当接するように前記ケーシング内に配置され、
    前記注入工程は、前記ケーシング内に前記注入材を注入する工程を含み、
    前記施工方法は、さらに、前記ケーシング内に前記注入材を注入した後に、前記掘削翼を地中に残した状態で前記ケーシングを引き抜く引抜工程を備えた
    鋼管杭の施工方法。
  3. 請求項2に記載の鋼管杭の施工方法であって、
    前記鋼管の前記杭先端側の端部が前記掘削翼に予め接合されていることによって、前記ケーシング配置工程と前記鋼管配置工程とが同時に行われる
    鋼管杭の施工方法。
  4. 請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載の鋼管杭の施工方法であって、
    前記補強管は、前記杭頭側の端部において径方向内側に突出したストッパを備え、
    前記挿入工程では、前記補強管を挿入した際に、前記ストッパが前記鋼管の前記杭頭側の端部と当接する位置に前記補強管が位置決めされ、前記補強管の挿入後、前記注入材が固化するまでの間、前記補強管は、前記ストッパを介して前記鋼管に支持される
    鋼管杭の施工方法。
  5. 請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載の鋼管杭の施工方法であって、
    前記挿入工程では、前記補強管は、該補強管の上端が前記鋼管の上端よりも低い位置に配置されうるように位置決めされ、前記注入材が固化するまでの間、前記補強管は、上方から吊り下げられて支持される
    鋼管杭の施工方法。
  6. 請求項1ないし請求項5のいずれか一項に記載の鋼管杭の施工方法であって、
    前記補強管は、該補強管の内部に設けられたスペーサであって、該スペーサの設置箇所における前記補強管の内径を、前記鋼管の外径と略等しくなるように調節するためのスペーサを備え、
    前記挿入工程では、前記スペーサによって前記補強管の挿入位置が案内される
    鋼管杭の施工方法。
  7. 鋼管杭であって、
    鋼管と、
    前記鋼管の周囲にセメント系材料で形成されたコラムと、
    前記鋼管の地表側の先端から前記鋼管の地中側の先端に向けて、該地中側の先端には至らない所定の距離だけ延びる鋼製の補強管と
    を備え、
    前記補強管は、前記鋼管の周囲で前記補強管の内部に前記鋼管が挿入された位置関係となるように配置された
    鋼管杭。
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