JP2015063663A - 硬化性樹脂組成物、ドライフィルム、硬化物およびプリント配線板 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】(A)ポリオール化合物に炭素数9以上の酸無水物を付加して得られるカルボキシル基含有樹脂、および、(B)光重合開始剤、を含有することを特徴とする硬化性樹脂組成物である。前記ポリオール化合物が、感光性基を有することが好ましい。
【選択図】なし
Description
(A)ポリオール化合物に炭素数9以上の酸無水物を付加して得られるカルボキシル基含有樹脂(以下、単に「(A)カルボキシル基含有樹脂」とも称する)は、従来公知の各種ポリオール化合物に、従来公知の各種炭素数9以上の酸無水物を付加して得ることができる。炭素数9以上の酸無水物を付加させることによって、テトラヒドロ無水フタル酸等の炭素数8以下の酸無水物を付加させた場合と比べて、熱による劣化(分解、変色)の少ない硬化物を得ることができる硬化性樹脂組成物とすることができる。詳しいメカニズムは明らかではないが、炭素数9以上の酸無水物を付加することによって、構造中の炭素数が増加し、かつ、構造が嵩高くなることにより、耐熱性の向上に寄与するものと考えられる。そのような硬化物は光による劣化の低減にも優れる。また、カルボキシル基の存在により、樹脂組成物をアルカリ現像性とすることができる。
あるいはまた、一分子内にイソシアネートとエチレン性不飽和を有する化合物を用いてもよく、市販品としては昭和電工社製カレンズMOI、カレンズMOI−EG、カレンズAOI、カレンズBEIがある。またこのときひとつの水酸基を有する(メタ)アクリレートとジイソシアネートの片末端を反応させたものでもよい。
また、(A)カルボキシル基含有樹脂が、エポキシ樹脂から誘導されたものでない場合、絶縁信頼性が向上し、半導体パッケージ用ソルダーレジストとして好適に用いることができる。エポキシ樹脂から誘導されていないカルボキシル基含有樹脂としては、フェノール樹脂から誘導したカルボキシル基含有樹脂、カルボキシル基含有ウレタン樹脂、カルボキシル基含有共重合樹脂などが挙げられる。
上記光重合開始剤としては、オキシムエステル基を有するオキシムエステル系光重合開始剤、アルキルフェノン系光重合開始剤、α−アミノアセトフェノン系光重合開始剤、アシルホスフィンオキサイド系光重合開始剤、チタノセン系光重合開始剤からなる群から選択される1種以上の光重合開始剤を好適に使用することができる。上記オキシムエステル系開始剤は、添加量が少なくて済み、アウトガスが抑えられるため、PCT耐性やクラック耐性に効果があり好ましい。
(式中、Xは、水素原子、炭素数1〜17のアルキル基、炭素数1〜8のアルコキシ基、フェニル基、フェニル基(炭素数1〜17のアルキル基、炭素数1〜8のアルコキシ基、アミノ基、炭素数1〜8のアルキル基を持つアルキルアミノ基またはジアルキルアミノ基により置換されている)、ナフチル基(炭素数1〜17のアルキル基、炭素数1〜8のアルコキシ基、アミノ基、炭素数1〜8のアルキル基を持つアルキルアミノ基またはジアルキルアミノ基により置換されている)を表し、Y、Zはそれぞれ、水素原子、炭素数1〜17のアルキル基、炭素数1〜8のアルコキシ基、ハロゲン基、フェニル基、フェニル基(炭素数1〜17のアルキル基、炭素数1〜8のアルコキシ基、アミノ基、炭素数1〜8のアルキル基を持つアルキルアミノ基またはジアルキルアミノ基により置換されている)、ナフチル基(炭素数1〜17のアルキル基、炭素数1〜8のアルコキシ基、アミノ基、炭素数1〜8のアルキル基を持つアルキルアミノ基またはジアルキルアミノ基により置換されている)、アンスリル基、ピリジル基、ベンゾフリル基、ベンゾチエニル基を表し、Arは、結合か、炭素数1〜10のアルキレン、ビニレン、フェニレン、ビフェニレン、ピリジレン、ナフチレン、チオフェン、アントリレン、チエニレン、フリレン、2,5−ピロール−ジイル、4,4’−スチルベン−ジイル、4,2’−スチレン−ジイルを表し、nは0か1の整数である。)
(式中、R1は、炭素原子数1〜4のアルキル基、または、ニトロ基、ハロゲン原子もしくは炭素原子数1〜4のアルキル基で置換されていてもよいフェニル基を表す。
R2は、炭素原子数1〜4のアルキル基、炭素原子数1〜4のアルコキシ基、または、炭素原子数1〜4のアルキル基もしくはアルコキシ基で置換されていてもよいフェニル基を表す。
R3は、酸素原子または硫黄原子で連結されていてもよく、フェニル基で置換されていてもよい炭素原子数1〜20のアルキル基、炭素原子数1〜4のアルコキシ基で置換されていてもよいベンジル基を表す。
R4は、ニトロ基、または、X−C(=O)−で表されるアシル基を表す。Xは、炭素原子数1〜4のアルキル基で置換されていてもよいアリール基、チエニル基、モルホリノ基、チオフェニル基、または、下記式で示される構造を表す。)
0.01〜5質量部とすることにより、光硬化性および解像性に優れ、密着性やPCT耐性も向上し、さらには無電解金めっき耐性などの耐薬品性にも優れる硬化膜を得ることができる。特に、5質量部以下であると、塗膜塗膜表面での光吸収が激しくなり、深部硬化性が低下することを抑えることができる。
0.1〜25質量部であることにより、光硬化性および解像性に優れ、密着性やPCT耐性も向上し、さらには無電解金めっき耐性などの耐薬品性にも優れる硬化膜を得ることができる。特に、25質量部以下であると、アウトガスの低減効果が得られ、さらに塗膜表面での光吸収が激しくなり、深部硬化性が低下することを抑えることができる。
これらの光重合開始剤を好適な配合量とすることにより、光硬化性および解像性に優れ、密着性やPCT耐性も向上し、さらには無電解金めっき耐性などの耐薬品性にも優れたソルダーレジストとすることができる。また、好適な配合量の場合、アウトガスの低減効果が得られ、さらに塗膜表面での光吸収が激しくなり、深部硬化性が低下することを抑えることができる。
このような光重合開始剤、光開始助剤および増感剤の総量は、上記カルボキシル基含有樹脂100質量部に対して35質量部以下であることが好ましい。35質量部以下であると、これらの光吸収により深部硬化性が低下することを抑制できる。
本発明の硬化性樹脂組成物には、(C)熱硬化性成分を配合することが好ましい。熱硬化性成分を加えることにより耐熱性が向上することが期待できる。(C)熱硬化性成分としては、公知のものをいずれも用いることができる。例えば、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、メラミン誘導体、ベンゾグアナミン誘導体等のアミノ樹脂、イソシアネート化合物、ブロックイソシアネート化合物、シクロカーボネート化合物、エポキシ化合物、オキセタン化合物、エピスルフィド樹脂、ビスマレイミド、カルボジイミド樹脂等の公知の熱硬化性成分を使用できる。特に好ましいのは、分子中に複数の環状エーテル基または環状チオエーテル基(以下、環状(チオ)エーテル基と略す)を有する熱硬化性成分である。
本発明の硬化性樹脂組成物には、アクリル基またはメタクリル基を含有する感光性化合物(以下、単に「感光性化合物」とも称する)を配合することが好ましい。感光性化合物としては公知のものをいずれも用いることができる。分子中にアクリル基またはメタクリル基を有する化合物は、活性エネルギー線照射により光硬化して、本発明の硬化性樹脂や上記カルボキシル基樹脂を、アルカリ水溶液に不溶化、または不溶化を助けるものである。このような化合物としては、慣用公知のポリエステル(メタ)アクリレート、ポリエーテル(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、カーボネート(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレートが使用でき、具体的には、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレートなどのヒドロキシアルキルアクリレート類;エチレングリコール、メトキシテトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコールなどのグリコールのジアクリレート類;N,N−ジメチルアクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミドなどのアクリルアミド類;N,N−ジメチルアミノエチルアクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリレートなどのアミノアルキルアクリレート類;ヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリス−ヒドロキシエチルイソシアヌレートなどの多価アルコールまたはこれらのエチレオキサイド付加物、プロピレンオキサイド付加物、もしくはε−カプロラクトン付加物などの多価アクリレート類;フェノキシアクリレート、ビスフェノールAジアクリレート、およびこれらのフェノール類のエチレンオキサイド付加物もしくはプロピレンオキサイド付加物などの多価アクリレート類;グリセリンジグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、トリグリシジルイソシアヌレートなどのグリシジルエーテルの多価アクリレート類;上記に限らず、ポリエーテルポリオール、ポリカーボネートジオール、水酸基末端ポリブタジエン、ポリエステルポリオールなどのポリオールを直接アクリレート化、もしくは、ジイソシアネートを介してウレタンアクリレート化したアクリレート類およびメラミンアクリレート、および/または上記アクリレートに対応する各メタクリレート類などが挙げられる。感光性化合物の中でも、汎用性の観点から、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリス−ヒドロキシエチルイソシアヌレートなどの多価アルコールまたはこれらのエチレオキサイド付加物、プロピレンオキサイド付加物、もしくはε−カプロラクトン付加物などの多価アクリレート類が好ましい。
本発明の硬化性樹脂組成物には、無機フィラーを配合することができる。無機フィラーは、硬化性樹脂組成物の硬化物の硬化収縮を抑制し、密着性、硬度などの特性を向上させるために使用される。無機フィラーとしては、例えば、硫酸バリウム、チタン酸バリウム、無定形シリカ、結晶性シリカ、ノイブルグ珪土、溶融シリカ、球状シリカ、タルク、クレー、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、窒化ケイ素、窒化アルミニウム等が挙げられる。
本発明の硬化性樹脂組成物は、着色剤を配合することができる。着色剤としては、赤、青、緑、黄、白、黒などの慣用公知の着色剤を使用することができ、顔料、染料、色素のいずれでもよい。具体的には、カラーインデックス(C.I.;ザ ソサイエティ オブダイヤーズ アンド カラリスツ(The Society of Dyers and Colourists)発行)番号が付されているものを挙げることができる。但し、環境負荷低減並びに人体への影響の観点からハロゲンを含有しない着色剤であることが好ましい。
本発明の硬化性樹脂組成物には、上記カルボキシル基含有樹脂の合成や組成物の調製のため、または基材やキャリアフィルムに塗布するための粘度調整のため、有機溶剤を使用することができる。有機溶剤としては、ケトン類、芳香族炭化水素類、グリコールエーテル類、グリコールエーテルアセテート類、エステル類、アルコール類、脂肪族炭化水素、石油系溶剤などが挙げることができる。より具体的には、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;トルエン、キシレン、テトラメチルベンゼン等の芳香族炭化水素類;セロソルブ、メチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、カルビトール、メチルカルビトール、ブチルカルビトール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールジエチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル等のグリコールエーテル類;酢酸エチル、酢酸ブチル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールブチルエーテルアセテートなどのエステル類;エタノール、プロパノール、エチレングリコール、プロピレングリコール等のアルコール類;オクタン、デカン等の脂肪族炭化水素;石油エーテル、石油ナフサ、水添石油ナフサ、ソルベントナフサ等の石油系溶剤などである。このような有機溶剤は、1種を単独または2種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明の硬化性樹脂組成物には、必要に応じてさらに、シアネート化合物、エラストマー、メルカプト化合物、熱硬化触媒、ウレタン化触媒、チキソ化剤、密着促進剤、ブロック共重合体、連鎖移動剤、重合禁止剤、銅害防止剤、酸化防止剤、防錆剤、紫外線吸収剤、微粉シリカ、有機ベントナイト、モンモリロナイト等の増粘剤、シリコーン系、フッ素系、高分子系等の消泡剤および/またはレベリング剤、イミダゾール系、チアゾール系、トリアゾール系等のシランカップリング剤、ホスフィン酸塩、燐酸エステル誘導体、フォスファゼン化合物等のリン化合物等の難燃剤などの成分を配合することができる。これらは、電子材料の分野において公知の物を使用することができる。
ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート600gにオルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂〔DIC社製EPICLON N−695、軟化点95℃、エポキシ当量214、平均官能基数7.6〕1070g(グリシジル基数(芳香環総数):5.0モル)、アクリル酸360g(5.0モル)、およびハイドロキノン1.5gを仕込み、100℃に加熱攪拌し、均一溶解した。次いで、トリフェニルホスフィン4.3gを仕込み、110℃に加熱して2時間反応後、120℃に昇温してさらに12時間反応を行った。得られた反応液に芳香族系炭化水素(ソルベッソ150)415g、メチル−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物534g(3.0モル)を仕込み、110℃で4時間反応を行い、冷却後、固形分酸価89mgKOH/g、固形分65%のカルボキシル基含有樹脂溶液を得た。これを樹脂溶液1とする。
メチル−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物534g(3.0モル)を、メチルテトラヒドロフタル酸無水物498g(3.0モル)に代えた以外は合成例1と同じ方法で、固形分酸価89mgKOH/g、固形分65%のカルボキシル基含有樹脂溶液を得た。これを樹脂溶液2とする。
温度計、窒素導入装置兼アルキレンオキシド導入装置および撹拌装置を備えたオートクレーブに、ノボラック型クレゾール樹脂(昭和電工社製ショーノールCRG951、OH当量:119.4)119.4g、水酸化カリウム1.19gおよびトルエン119.4gを仕込み、撹拌しつつ系内を窒素置換し、加熱昇温した。次に、プロピレンオキシド63.8gを徐々に滴下し、125〜132℃、0〜4.8kg/cm2で16時間反応させた。その後、室温まで冷却し、この反応溶液に89%リン酸1.56gを添加混合して水酸化カリウムを中和し、不揮発分62.1%、水酸基価が182.2g/eq.であるノボラック型クレゾール樹脂のプロピレンオキシド反応溶液を得た。これは、フェノール性水酸基1当量当りアルキレンオキシドが平均1.08モル付加しているものであった。得られたノボラック型クレゾール樹脂のアルキレンオキシド反応溶液293.0g、アクリル酸43.2g、メタンスルホン酸11.53g、メチルハイドロキノン0.18gおよびトルエン252.9gを、撹拌機、温度計および空気吹き込み管を備えた反応器に仕込み、空気を10ml/分の速度で吹き込み、撹拌しながら、110℃で12時間反応させた。反応により生成した水は、トルエンとの共沸混合物として、12.6gの水が留出した。その後、室温まで冷却し、得られた反応溶液を15%水酸化ナトリウム水溶液35.35gで中和し、次いで水洗した。その後、エバポレーターにてトルエンをジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート118.1gで置換しつつ留去し、ノボラック型アクリレート樹脂溶液を得た。次に、得られたノボラック型アクリレート樹脂溶液332.5gおよびトリフェニルホスフィン1.22gを、撹拌器、温度計および空気吹き込み管を備えた反応器に仕込み、空気を10ml/分の速度で吹き込み、撹拌しながら、メチル−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物71.2gを徐々に加え、95〜101℃で6時間反応させた。固形物の酸価88mgKOH/g、不揮発分71%のカルボキシル基含有樹脂溶液を得た。これを樹脂溶液3とする。
メチル−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物71.2gを、メチルテトラヒドロフタル酸無水物66.4gに代えた以外は合成例3と同じ方法で、固形物の酸価88mgKOH/g、不揮発分71%のカルボキシル基含有樹脂溶液を得た。これを樹脂溶液4とする。
エポキシ当量800、軟化点79℃のビスフェノールF型固型エポキシ樹脂400部をエピクロルヒドリン925部とジメチルスルホキシド462.5部を溶解させた後、攪拌下70℃で98.5%NaOH81.2部を100分かけて添加した。添加後さらに70℃で3時間反応を行なった。次いで過剰の未反応エピクロルヒドリンおよびジメチルスルホキシドの大半を減圧下に留去し、副生塩とジメチルスルホキシドを含む反応生成物をメチルイソブチルケトン750部に溶解させ、さらに30%NaOH10部を加え70℃で1時間反応させた。反応終了後、水200部で2回水洗を行った。油水分離後、油層よりメチルイソブチルケトンを蒸留回収して、エポキシ当量290、軟化点62℃のエポキシ樹脂(a−1)370部を得た。エポキシ樹脂(a−1)2900部(10当量)、アクリル酸720部(10当量)、メチルハイドロキノン2.8部、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート1950部を仕込み、90℃に加熱、攪拌し、反応混合物を溶解した。次いで、反応液を60℃に冷却し、トリフェニルフォスフィン16.7部を仕込み、100℃に加熱し、約32時間反応し、酸価が1.0mgKOH/gの反応物を得た。次に、これにメチルテトラヒドロフタル酸無水物1305部(7.86モル)、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート423部を仕込み、95℃に加熱し、約6時間反応を行い、固形分酸価100mgKOH/g、固形分65%の樹脂溶液を得た。これを樹脂溶液5とする。
メチル−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物534g(3.0モル)を、テトラヒドロフタル酸無水物456.0g(3.0モル)に代えた以外は合成例1と同じ方法で、固形分酸価89mgKOH/g、固形分65%のカルボキシル基含有樹脂溶液を得た。これを樹脂溶液6とする。
メチル−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物71.2gを、テトラヒドロフタル酸無水物60 .8gに代えた以外は合成例3と同じ方法で、固形物の酸価88m
gKOH/g、不揮発分71%のカルボキシル基含有樹脂溶液を得た。これを樹脂溶液7とする。
下記表1に示す種々の成分と共に表1に示す割合(質量部)にて配合し、攪拌機にて予備混合した後、3本ロールミルで混練し、硬化性樹脂組成物を調製した。尚、各樹脂溶液について、ポリオール化合物に付加した酸無水物の炭素数は、樹脂溶液1は10、樹脂溶液2は9、樹脂溶液3は10、樹脂溶液4は9、樹脂溶液5は9、樹脂溶液6は8、樹脂溶液7は8である。
*2:ノボラック型エポキシ樹脂(日本化薬社製RE−306)
*3:ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(日本化薬社製KAYARAD DPHA)
*4:硫酸バリウム(堺化学社製B−30)
*5:C.I.Pigment Blue 15:3
*6:C.I.Pigment Yellow 147
銅厚35μmの回路パターン基板をバフロール研磨後、水洗し、乾燥してから、上記実施例および比較例の硬化性樹脂組成物をスクリーン印刷法により全面に塗布し、80℃の熱風循環式乾燥炉で60分間乾燥させた。乾燥後、高圧水銀灯(ショートアークランプ)搭載の露光装置を用いてステップタブレット(Kodak No.2)を介して露光し、現像(30℃、0.2MPa、1wt%Na2CO3水溶液)を60秒で行った際に残存するステップタブレットのパターンが7段の時を最適露光量とした。
表1に示す実施例および比較例の組成物を、パターン形成された銅箔基板上にスクリーン印刷で乾燥膜厚約20μmになるように全面塗布し、80℃で30分乾燥し、室温まで放冷した。この基板に高圧水銀灯を搭載した露光装置を用いて最適露光量でソルダーレジストパターンを露光し、30℃の1%炭酸ナトリウム水溶液をスプレー圧0.2MPaの条件で90秒間現像を行い、レジストパターンを得た。この基板を、UVコンベア炉にて積算露光量1000mJ/cm2の条件で紫外線照射した後、150℃で60分加熱して硬化した。得られたプリント基板(評価基板)に対して以下のように特性を評価した。
評価基板について、市販品の無電解ニッケルめっき浴および無電解金めっき浴を用いて、ニッケル5μm、金0.05μmの条件で無電解金めっき処理を行った。無電解金めっきした評価基板を121℃、2気圧、湿度100%の高圧高温高湿槽に100時間入れ、ソルダーレジストの状態変化を観察し、密着性と耐変色性を以下の評価基準で評価した。
密着性
○:顕著な膨れなし。
△:僅かに剥がれ有り。
×:剥がれ有り。
耐変色性
〇:変色無し。
×:変色有り。
ライン/スペース=50/50μmのクシ型電極パターンを用い、上記の条件で評価基板を作製し、絶縁信頼性(電極腐食性)の評価を行った。
評価方法は、このクシ型電極を121℃、97%R.H.の加温加湿条件下でDC30Vのバイアス電圧を印加し、絶縁劣化に至るまでの時間を測定した。ここで、電気抵抗値が1×10−6Ωを下回った時点で絶縁劣化と判定した。評価基準は以下のとおりである。
◎:絶縁劣化に至るまでの時間が300時間以上
○:絶縁劣化に至るまでの時間が200時間以上300時間未満
△:絶縁劣化に至るまでの時間が100時間以上200時間未満
×:絶縁劣化に至るまでの時間が100時間未満
上記HAST試験において、バイアス電圧の印加から300時間経過後の試験基板の変色を確認した。評価基準は下記の通り。
〇:変色無し。
×:変色有り。
評価基板を最大温度260℃のリフロー炉に3回通し、硬化塗膜の色の変化観察し、評価した。
○:変色なし。
×:わずかに変色あり。
上記評価用基板から硬化塗膜を剥がし、硬化塗膜を熱機械分析(DSC)によりJIS C 6481:1996の「5.17.5 DSC法」に記載される方法に準じて測定した。
また、上記結果から、本発明の硬化性樹脂組成物は熱による硬化塗膜の劣化が少なく、ソルダーレジストや層間絶縁層の材料等のプリント配線板用部材として有用であることが分かる。また、変色が少ない為に、LED照明部材の保護膜としても長期間反射率を損なうことなく利用することが可能である。
Claims (8)
- (A)ポリオール化合物に炭素数9以上の酸無水物を付加して得られるカルボキシル基含有樹脂、および、
(B)光重合開始剤、
を含有することを特徴とする硬化性樹脂組成物。 - さらに、(C)熱硬化性成分を含有することを特徴とする請求項1に記載の硬化性樹脂組成物。
- 前記ポリオール化合物が、感光性基を有することを特徴とする請求項1または2に記載の硬化性樹脂組成物。
- 前記(A)カルボキシル基含有樹脂が、エポキシ樹脂から誘導されたものではないことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項記載の硬化性樹脂組成物。
- 前記炭素数9以上の酸無水物が、脂環式構造を有する二塩基酸無水物であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項記載の硬化性樹脂組成物。
- 請求項1〜5のいずれか一項記載の硬化性樹脂組成物を、フィルム上に塗布乾燥して得られることを特徴とするドライフィルム。
- 請求項1〜5のいずれか一項記載の硬化性樹脂組成物または請求項6に記載のドライフィルムを、活性エネルギー線照射により硬化して得られることを特徴とする硬化物。
- 請求項7記載の硬化物を備えることを特徴とするプリント配線板。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2017142475A (ja) * | 2016-02-10 | 2017-08-17 | Dic株式会社 | 着色硬化性樹脂組成物及びその硬化膜 |
JPWO2018061644A1 (ja) * | 2016-09-30 | 2019-09-05 | 富士フイルム株式会社 | 金属窒化物含有粒子、分散組成物、硬化性組成物、硬化膜、及びそれらの製造方法、並びにカラーフィルタ、固体撮像素子、固体撮像装置、赤外線センサ |
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2014
- 2014-08-14 JP JP2014165156A patent/JP5986157B2/ja active Active
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