JP2015063490A - 有機蛍光色素に好適な化合物及びそれを含む硬化性組成物 - Google Patents
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Abstract
Description
まず、上記一般式(1)で用いられている記号について説明する。
本発明で用いられる重合性単量体(B)は、一般工業界で使用される公知の重合性単量体が何ら制限無く用いられるが、一般には、ラジカル重合性単量体が好適に用いられる。重合性単量体(B)におけるラジカル重合性単量体の具体例としては、α−シアノアクリル酸、(メタ)アクリル酸、α−ハロゲン化アクリル酸、クロトン酸、桂皮酸、ソルビン酸、マレイン酸、イタコン酸などの有機酸のエステル類、(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリルアミド誘導体、ビニルエステル類、ビニルエーテル類、モノ−N−ビニル誘導体、スチレン誘導体などが挙げられる。硬化性組成物を歯科用途に用いる場合には、重合性単量体(B)は、(メタ)アクリロイル基を有する化合物、すなわち(メタ)アクリル化合物(特に、(メタ)アクリル酸エステル及び(メタ)アクリルアミド誘導体)であることが好ましい。なお、本発明において(メタ)アクリルの表記は、メタクリルとアクリルの両者を包含する意味で用いられる。
メチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、2−(N,N−ジメチルアミノ)エチル(メタ)アクリレート、2,3−ジブロモプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、6−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、10−ヒドロキシデシル(メタ)アクリレート、プロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、グリセリンモノ(メタ)アクリレート、エリトリトールモノ(メタ)アクリレート、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド、N−(ジヒドロキシエチル)(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリロイルオキシドデシルピリジニウムブロマイド、(メタ)アクリロイルオキシドデシルピリジニウムクロライド、(メタ)アクリロイルオキシヘキサデシルピリジニウムクロライド、(メタ)アクリロイルオキシデシルアンモニウムクロライド、オクタフルオロペンチル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,10−デカンジオールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジグリシジル(メタ)アクリレート(2,2−ビス[4−〔3−(メタ)アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ〕フェニル]プロパン、通称BisGMA)、2,2−ビス〔4−(メタ)アクリロイルオキシエトキシフェニル〕プロパン、2,2−ビス〔4−(メタ)アクリロイルオキシポリエトキシフェニル〕プロパン、1,2−ビス〔3−(メタ)アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ〕エタン、ペンタエリトリトールジ(メタ)アクリレート、[2,2,4−トリメチルヘキサメチレンビス(2−カルバモイルオキシエチル)]ジメタクリレート(通称UDMA)などが挙げられる。
トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、N,N’−(2,2,4−トリメチルヘキサメチレン)ビス〔2−(アミノカルボキシ)プロパン−1,3−ジオール〕テトラメタクリレート、1,7−ジアクリロイルオキシ−2,2,6,6−テトラアクリロイルオキシメチル−4−オキシヘプタンなどが挙げられる。
本発明に用いられる重合開始剤(C)は、一般工業界で使用されている重合開始剤から選択して使用できる。特に、光重合及び化学重合の重合開始剤が、単独で又は2種以上適宜組み合わせて使用される。
本発明の組成物は、重合促進剤(D)を含むことが好ましい。本発明に用いられる重合促進剤(D)としては、アミン類、スルフィン酸及びその塩、バルビツール酸誘導体、トリアジン化合物、銅化合物、スズ化合物、バナジウム化合物、ハロゲン化合物、アルデヒド類、チオール化合物、亜硫酸塩、亜硫酸水素塩、チオ尿素化合物などが挙げられる。
本発明の硬化性組成物に、実施態様によっては、さらにフィラー(E)を配合することが好ましい。このようなフィラーは、通常、有機フィラー、無機フィラー及び有機−無機複合フィラーに大別される。有機フィラーの素材としては、例えばポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸エチル、メタクリル酸メチル−メタクリル酸エチル共重合体、架橋型ポリメタクリル酸メチル、架橋型ポリメタクリル酸エチル、ポリアミド、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、クロロプレンゴム、ニトリルゴム、エチレン−酢酸ビニル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、アクリロニトリル−スチレン共重合体、アクリロニトリル−スチレン−ブタジエン共重合体等が挙げられ、これらは単独で又は2種以上の混合物として用いることができる。有機フィラーの形状は特に限定されず、フィラーの粒子径を適宜選択して使用することができる。得られる組成物のハンドリング性及び機械強度などの観点から、前記有機フィラーの平均粒子径は、0.001〜50μmであることが好ましく、0.001〜10μmであることがより好ましい。
充填用コンポジットレジンは、通常、ペースト状の材料であって、う蝕発生部位を切削し窩洞を形成した後、前記窩洞に充填し、硬化させることによって歯冠形態を復元する歯科用材料である。
歯冠材料は、通常、ペースト状の材料であって、歯冠部分が大幅に欠損した症例において、積層と硬化を繰り返すことによって、口腔外で歯冠形態を再現し、支台歯、又はインプラントの上部構造として用いられる歯科用材料である。
歯科用ミルブランクは、通常、ブロック状の材料であって、歯科用CAD/CAMを用いて切削することによって、歯冠形態を再現し、歯冠材料と同様に用いられる歯科用材料である。
歯科用セメントは、通常、インレーやクラウンと呼ばれる金属やセラミックス製の歯冠用修復材料を歯牙に固定する際の合着材として用いられる歯科用材料である。セメントとしては、レジンセメント及びグラスアイオノマーセメントがある。
歯科用接着材料は、歯科用修復材料等と歯質とを接着させる際などに使用される歯科材料である。歯科用接着材料は、歯質の表面に酸性モノマーと親水性モノマーと水とを含有するセルフエッチングプライマーを塗布した後、水洗することなく、架橋性モノマーと重合開始剤とを含有するボンディング材を塗布する2ステップの接着システム、及びセルフエッチングプライマーとボンディング材の機能を併せ持つ1液型の歯科用接着材料を用いた1ステップの接着システムがある。
蛍光色素A−1:
クマリン6:3−(2−ベンゾチアゾリル)−7−(ジエチルアミノ)クマリン
クマリン7:3−(2−ベンズイミダゾリル)−7−(ジエチルアミノ)クマリン
LBL:2,5−ジヒドロキシテレフタル酸ジエチル
BisGMA:2,2−ビス〔4−(3−メタクリロイルオキシ)−2−ヒドロキシプロポキシフェニル〕プロパン
UDMA:[2,2,4−トリメチルヘキサメチレンビス(2−カルバモイルオキシエチル)]ジメタクリレート
TEGDMA:トリエチレングリコールジメタクリレート
HEMA:2−ヒドロキシエチルメタクリレート
MDP:10−メタクリロイルオキシデシルジハイドロジェンホスフェート
GEDMA:1,2−ビス(3−メタクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)エタン
8FMA:オクタフルオロペンチルメタクリレート
NPG:ネオペンチルグリコールジメタクリレート
CQN:カンファーキノン
BPO:ベンゾイルパーオキサイド
TMDPO:2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド
BAPO:ビス−(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド
PDE:4−N,N−ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル
OBA:p−n−オクチルオキシベンズアルデヒド
DEPT:N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−p−トルイジン
E−1:シリカジルコニア凝集粒子表面処理品
E−2:シリカジルコニア球状粒子表面処理品
E−3:アルミナ微粒子表面処理品
E−4:バリウムガラス粉表面処理品
E−5:エボニック社製「アエロジルR972」
TN326:2−(5−クロロ−2−ベンゾトリアゾリル)−6−tert−ブチル−p−クレゾール
窒素置換した3つ口フラスコに、サリチルアルデヒド10.0g(81.9mmol)、シアノ酢酸エチル9.26g(81.9mmol)、2−アミノ−4−tert−ブチルフェノール13.53g(81.9mmol)、安息香酸3.40g(27.8mmol)及び1−ペンタノール150mlを添加し、130℃で12時間撹拌した。反応終了後、反応溶液を室温まで放冷し、生じた沈殿物を吸引ろ過した。ろ過したウェットケーキをヘキサン及びエタノールで洗浄後、乾燥させ、淡黄色粉末7.8gを取得した(HPLC純度95.0%、24.5mmol、収率30%)。以下に、得られた蛍光色素A−1の1H−NMRデータを示す。
1H−NMR(400MHz、CDCl3、TMS)δ: 1.399(s,9H)、7.358−7.561(m,4H)、7.636−7.679(m,2H)、7.895(d,J=2.0Hz,1H)、8.771(s,1H).
BisGMA50重量部、TEGDMA50重量部、TMDPO0.5重量部、及び表1に記載の蛍光色素0.05重量部を混合し、硬化性組成物を調製した。得られた硬化性組成物について、以下の試験例1に従って、色調を調べた。結果を表1に示す。
実施例2及び比較例1、2の硬化性組成物、及び蛍光色素を含まずそれ以外の成分を含む参照用の硬化性組成物をLED照射器(モリタ社製、ペンキュア2000)で光硬化させ、硬化物の試験片(10mmφ×1mm)を作製した。試験片の色(白背景のL*,a*,b*)を測定し、下式から、蛍光色素の有無による色差ΔE*を求めた。
ΔE*={(L*有−L*無)2+(a*有−a*無)2+(b*有−b*無)2}1/2
なお、色は、分光色差計(日本電色工業社製、SE6000、光源D65/2)を用いて、測定した。ΔE*は小さいほど良く、5以下が好ましく、3以下がより好ましい。
特許公開公報(特開2009−286782号公報)に記載されているシリカ系微粒子と、当該シリカ系微粒子の表面を被覆する、ジルコニウム原子、珪素原子及び酸原子を含有する酸化物とを含む非晶質の充填材100重量部に対して、25重量部のγ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランで表面処理し、シリカジルコニア凝集粒子表面処理品E−1を得た。
市販シリカジルコニア球状粒子(Sukgyung社製、SG−SZ200、平均一次粒子径200nm)100重量部に対して、8重量部のγ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランで表面処理し、シリカジルコニア球状粒子表面処理品E−2を得た。
市販アルミナ微粒子(日本アエロジル社製、AEROXIDE Alu C、平均一次粒子径13nm)100重量部に対して、30重量部のγ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランで表面処理し、アルミナ微粒子表面処理品E−3を得た。
市販バリウムガラス粉(SCHOTT社製、GM27884NF180、平均一次粒子径180nm)100重量部に対して、11重量部のγ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランで表面処理し、バリウムガラス粉表面処理品E−4を得た。
下記の各成分を常温下で混合して、重合性組成物(B’−1)を調製した。
重合性組成物(B’−1):
BisGMA 50重量部
UDMA 20重量部
TEGDMA 30重量部
CQN 0.2重量部
PDE 0.3重量部
下記の各成分を常温下で混合して、重合性組成物(B’−2)を調製した。
重合性組成物(B’−2):
BisGMA 20重量部
UDMA 60重量部
TEGDMA 20重量部
BPO 1.0重量部
CQN 0.2重量部
OBA 0.3重量部
表2に記載された配合比で、前記製造例で製造した重合性組成物(B’−1)又は重合性組成物(B’−2)に、蛍光色素を溶解又は分散させた。そこへ前記製造例で製造したフィラー(E)を添加して混合練和して均一にしたものを真空脱泡し、実施例3〜9及び比較例3〜5の歯科用修復材組成物を得た。なお、上記フィラー(E)の平均粒子径は、以下の試験例2により求めた値である。
透過型電子顕微鏡(日立製作所製、H−800NA型)を用いてフィラー(E)の写真を撮り、その写真の単位視野内に観察される粒子(200個以上)の平均粒子径を、画像解析式粒度分布測定ソフトウェア〔Macview(株式会社マウンテック)〕を用いて求めた。このとき、粒子の粒子径は、粒子の最長の長さと最短の長さの算術平均値として求められ、粒子の数とその粒子径より、平均粒子径(一次平均粒子径)を算出した。
得られた歯科用修復材組成物をLED照射器(モリタ社製、ペンキュア2000)で光硬化させ、硬化物の試験片(10mmφ×1mm)を作製した。また、人抜去歯を研磨し、厚さ1mmの人歯試験片を作製した。約20cmの距離から、ブラックライト(波長365nm)を照射した状態で、硬化物試験片及び人歯試験片を写真撮影した。得られた写真に映し出されている硬化物試験片像の色(白背景のL*硬,a*硬,b*硬)を測定し、同様に測定した人歯試験片の色(白背景のL*歯,a*歯,b*歯)との色差ΔE*を下式より求めた。
ΔE*={(L*硬−L*歯)2+(a*硬−a*歯)2+(b*硬−b*歯)2}1/2
なお、色は、分光色差計(日本電色工業社製、SE6000、光源D65/2)を用いて、測定した。ΔE*は小さいほど良く、5以下が好ましく、3以下がより好ましい。
試験例1と同様にして得られた硬化物の試験片(10mmφ×1mm)を作製した。試験片の色(白背景のL*,a*,b*)を測定し、下式から、蛍光色素の有無による色差ΔE*を求めた。
ΔE*={(L*有−L*無)2+(a*有−a*無)2+(b*有−b*無)2}1/2
なお、色は、分光色差計(日本電色工業社製、SE6000、光源D65/2)を用いて、測定した。ΔE*は小さいほど良く、3以下が好ましく、2以下がより好ましい。
試験例1と同様にして得られた硬化物の試験片(10mmφ×1mm)を作製した。試験片を37℃水中に4週間浸漬し、浸漬前後の色(白背景のL*,a*,b*)を測定し、下式から色差ΔE*を求めた。
ΔE*={(L*前−L*後)2+(a*前−a*後)2+(b*前−b*後)2}1/2
なお、色は、分光色差計(日本電色工業社製、SE6000、光源D65/2)を用いて、測定した。ΔE*は小さいほど良く、5以下が好ましく、3以下がより好ましい。
得られた歯科用修復材料組成物をステンレス製の金型(厚さ1mm、直径15mm)に充填した。上下面をスライドガラスで圧接し、両面から各2分間LED照射器(モリタ社製、ペンキュア2000)で光照射して硬化させた。硬化物を金型から取り出した後、800番の耐水研磨紙で研磨し、この研磨面を、技工用ポリッシングボックス(KAVO社製、EWL80)を用いて、3000回転/分でバフ研磨を20秒行った。研磨材はポーセニーハイドン(東京歯材社製)を用いた。この面の光沢を光沢度計(日本電色工業製VG−107)で測定し、鏡の光沢を100としたときの割合(光沢度)を算出した。なお、測定の角度は、60度とした。光沢度は、高いほど良く、80以上が好ましく、85以上がより好ましい。
下記の各成分を常温下で混合して、重合性組成物1を作製した。
MDP 15重量部
BisGMA 40重量部
HEMA 35重量部
GEDMA 5重量部
8FMA 5重量部
エタノール 20重量部
水 20重量部
フィラー E−5 10重量部
DEPT 2重量部
PDE 1.5重量部
CQN 2重量部
BAPO 1.5重量部
製造例7の重合性組成物1から、表3に示す実施例10〜12及び比較例6,7の1ステップ型歯科用接着材組成物を調製し、以下の試験例7〜10に従って評価を行った。なお、比較例7では、歯科用接着材組成物の環境光安定性を向上させるために使用されている紫外線吸収剤TN326を配合した。
下記の各成分を常温下で混合して、重合性組成物2を作製した。
MDP 5重量部
BisGMA 40重量部
HEMA 35重量部
NPG 20重量部
フィラー E−5 10重量部
DEPT 0.5重量部
PDE 2.0重量部
CQN 0.8重量部
BAPO 1.0重量部
製造例8の重合性組成物2から、表4に示す実施例13〜15及び比較例8,9の2ステップ型歯科用接着材組成物のボンディング材組成物を調製し、以下の試験例7〜10に従って評価を行った。なお、比較例9では、歯科用接着材組成物の環境光安定性を向上させるために使用されている紫外線吸収剤TN326を配合した。
暗室内において、色温度変換フィルム及び紫外線フィルタが挿入されたキセノンランプの下で、照度が8000ルクスとなるような高さに混和皿(クラレノリタケデンタル社製、品番「#912(TB)」)を置き、歯科用接着材組成物を1滴滴下した。なお、1ステップ型歯科用接着材組成物については、表面をエアブローすることで、組成物の流動性が無くなるまで乾燥した。一定時間の間、試料を光に曝した後、試料の滴下された混和皿を照射域から取り出して、直ちに試料が物理的に均一であるか検査し、均一性を保持した時間を操作余裕時間とした。
歯科用接着材組成物をステンレス製の金型(寸法4mmφ×4mm)に充填後、上下をスライドガラスで圧接し、歯科用高出力型LED照射器「ペンキュア2000」(株式会社モリタ製)で片面20秒間、光照射して硬化させた。なお、1ステップ型歯科用接着材組成物については、表面をエアブローすることで、組成物の流動性が無くなるまで乾燥した。硬化物を金型から取り出した後、ビッカース硬度試験機(島津社製)を用いて、荷重HV0.2の条件下、光照射表面のビッカース硬度を測定した。ビッカース硬度の値が、大きい方が好ましい。
歯科用接着材組成物0.015gを、ガラス製のプレパラート上に接着させた4mm孔のワッシャー内に滴下した。なお、1ステップ型歯科用接着材組成物については、表面をエアブローすることで、組成物の流動性が無くなるまで乾燥した。ワッシャー内の歯科用接着材組成物に、レコーダー(横河電気製作所社製、商品コード「Type3066」)に接続した熱電対(岡崎製作所社製、商品コード「SKC/C」)を浸し、プレパラートの下方から歯科用高出力型LED照射器(モリタ社製、商品名「ペンキュア2000」)を用いて光照射した。光照射開始から硬化により発熱ピークトップが生じるまでの時間を光硬化時間(秒)とした。光硬化時間は、10秒以内であることが好ましい。
ウシ下顎前歯の唇面を流水下にて#80シリコン・カーバイド紙(日本研紙社製)で研磨して、象牙質の平坦面を露出させたサンプルを得た。得られたサンプルを流水下にて#1000のシリコン・カーバイド紙(日本研紙社製)でさらに研磨した。研磨終了後、表面の水をエアブローすることで乾燥した。乾燥後の平滑面に、直径3mmの丸穴を有する厚さ約150μmの粘着テープを貼着し、接着面積を規制した。
Claims (12)
- R1が、炭素数2〜10のアルキル基である請求項1に記載の化合物(A)。
- R1が、ブチル基である請求項1に記載の化合物(A)。
- 請求項1〜4のいずれかに記載の化合物(A)、重合性単量体(B)、及び重合開始剤(C)を含む硬化性組成物。
- フィラー(E)をさらに含む請求項5に記載の硬化性組成物。
- 前記フィラー(E)が、ジルコニア含有粒子及び/又はアルミナ粒子を含む請求項6に記載の硬化性組成物。
- 前記重合性単量体(B)が、(メタ)アクリル化合物である請求項5〜7のいずれかに記載の硬化性組成物。
- 重合促進剤(D)をさらに含む請求項5〜8のいずれかに記載の硬化性組成物。
- 歯科用である請求項5〜9のいずれかに記載の硬化性組成物。
- 請求項10に記載の硬化性組成物を含む歯科用修復材料。
- 請求項10に記載の硬化性組成物を含む歯科用接着材料。
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