JP2015062357A - 酵母 - Google Patents
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Abstract
【課題】キシロースイソメラーゼによるキシロースからキシルロースへの変換と組み合わせてキシロースからエタノールの製造に使用できる、キシルロースからエタノールへの生産能に優れた酵母を提供する。【解決手段】ピルビン酸デヒドロゲナーゼをコードする遺伝子の破壊、該遺伝子の発現の低下及び該遺伝子の翻訳効率の低下等によりピルビン酸デヒドロゲナーゼ活性を低下させた酵母。【選択図】図3
Description
本発明は、例えばキシルロースからエタノールを生産する酵母に関する。
近年、CO2排出削減の観点から、輸送用燃料へのバイオエタノールの利用が注目されている。中でも、バイオエタノール生産方法として、セルロース系バイオマスからの生産が検討されている。セルロース系バイオマスから得られる糖の約三分の一はキシロースが占めることから、バイオマス資源の有効利用のためには、キシロースからエタノールを効率よく生産する微生物の開発が必要である。
従来において、エタノールの生産には、サッカロマイセス・セレビシア(Saccharomyces cerevisiae)に代表される酵母が醸造用酵母として主に使用されている。サッカロマイセス・セレビシアは、グルコースやマンノース等の六炭糖からのエタノール生産能が高く、エタノールに対する高い耐性を有している。しかしながら、サッカロマイセス・セレビシアは、キシロース等の五炭糖を利用することができない。
一方、サッカロマイセス・セレビシアは、キシロースを利用することはできないものの、異性体であるキシルロースをわずかながら利用することができる(非特許文献1)。キシルロースはキシロースイソメラーゼによりキシロースを異性化することで容易に入手することができる。従って、キシロースイソメラーゼによるキシロースからキシルロースへの変換と、サッカロマイセス・セレビシアとを組み合わせることにより、キシロースからエタノールを製造することが可能となる。しかしながら、サッカロマイセス・セレビシアのキシルロースからのエタノール生産能は非常に低い。
従って、キシルロースからのエタノール生産能を向上させた酵母の開発が望まれている。
従って、キシルロースからのエタノール生産能を向上させた酵母の開発が望まれている。
S. Yu et al., Appl. Microbiol. Biotechnol., 1995年, Vol. 44, pp. 314-320
上述のように、エタノール製造におけるキシロースイソメラーゼによるキシロースのキシルロースへの変換と酵母のアルコール発酵との組み合わせにおいて、キシルロースからのエタノール生産能を向上させた酵母の開発が望まれている。
そこで、本発明は、酵母を改良し、キシルロースからエタノールへの生産能に優れた酵母を提供することを目的とする。
そこで、本発明は、酵母を改良し、キシルロースからエタノールへの生産能に優れた酵母を提供することを目的とする。
本発明者等は、上記課題を解決するため鋭意研究を重ねた結果、酵母染色体上のPDA1遺伝子(ピルビン酸デヒドロゲナーゼをコードする遺伝子)を破壊した酵母は、キシルロースからのエタノール生産性が高く、且つ得られた当該PDA1遺伝子破壊酵母株は、キシロースイソメラーゼによるキシロースからキシルロースへの変換と組み合わせることで、キシロースからエタノールを製造するのに使用できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下を包含する。
[1] ピルビン酸デヒドロゲナーゼ活性を低下させた酵母。
[2] ピルビン酸デヒドロゲナーゼをコードする遺伝子を破壊した酵母である、[1]記載の酵母。
[3] ピルビン酸デヒドロゲナーゼをコードする遺伝子の発現を低下させることで、ピルビン酸デヒドロゲナーゼ活性を低下させた、[1]記載の酵母。
[4] ピルビン酸デヒドロゲナーゼをコードする遺伝子の翻訳効率を低下させることで、ピルビン酸デヒドロゲナーゼ活性を低下させた、[1]記載の酵母。
[5] ピルビン酸デヒドロゲナーゼが以下の(a)〜(c)のいずれか1つのタンパク質である、[1]〜[4]のいずれか1記載の酵母。
(a) 配列番号2に示すアミノ酸配列から成るタンパク質;
(b) 配列番号2に示すアミノ酸配列において1〜数個のアミノ酸が欠失、置換、付加又は挿入されたアミノ酸配列から成り、且つピルビン酸デヒドロゲナーゼ活性を有するタンパク質;
(c) 配列番号2に示すアミノ酸配列と少なくとも90%の配列同一性を有するアミノ酸配列から成り、且つピルビン酸デヒドロゲナーゼ活性を有するタンパク質。
[6] サッカロマイセス属(Saccharomyces)に属する酵母である、[1]〜[5]のいずれか1記載の酵母。
[7] サッカロマイセス属に属する酵母が、サッカロマイセス・セレビシア(Saccharomyces cerevisiae)である、[6]記載の酵母。
[8] キシルロースからエタノールを生産する能力を有するものである、[1]〜[7]のいずれか1記載の酵母。
[9] キシルロース含有培地中において、[1]〜[8]のいずれか1記載の酵母を培養し、キシルロース資化によりエタノールを産生せしめるキシルロース発酵工程を含む、エタノールの製造方法。
[10] キシロースをキシロースイソメラーゼにより異性化してキシルロースを得る異性化工程を更に含み、該異性化工程により得られるキシルロースを前記キシルロース発酵工程に供する、[9]記載の方法。
[11] キシロース含有培地中でキシロースイソメラーゼの存在下に前記異性化工程を行い、且つ該培地中に生成するキシルロースを前記キシルロース発酵工程によりエタノールに転換する、異性化工程とキシルロース発酵工程とを同時に行う、[10]記載の方法。
[1] ピルビン酸デヒドロゲナーゼ活性を低下させた酵母。
[2] ピルビン酸デヒドロゲナーゼをコードする遺伝子を破壊した酵母である、[1]記載の酵母。
[3] ピルビン酸デヒドロゲナーゼをコードする遺伝子の発現を低下させることで、ピルビン酸デヒドロゲナーゼ活性を低下させた、[1]記載の酵母。
[4] ピルビン酸デヒドロゲナーゼをコードする遺伝子の翻訳効率を低下させることで、ピルビン酸デヒドロゲナーゼ活性を低下させた、[1]記載の酵母。
[5] ピルビン酸デヒドロゲナーゼが以下の(a)〜(c)のいずれか1つのタンパク質である、[1]〜[4]のいずれか1記載の酵母。
(a) 配列番号2に示すアミノ酸配列から成るタンパク質;
(b) 配列番号2に示すアミノ酸配列において1〜数個のアミノ酸が欠失、置換、付加又は挿入されたアミノ酸配列から成り、且つピルビン酸デヒドロゲナーゼ活性を有するタンパク質;
(c) 配列番号2に示すアミノ酸配列と少なくとも90%の配列同一性を有するアミノ酸配列から成り、且つピルビン酸デヒドロゲナーゼ活性を有するタンパク質。
[6] サッカロマイセス属(Saccharomyces)に属する酵母である、[1]〜[5]のいずれか1記載の酵母。
[7] サッカロマイセス属に属する酵母が、サッカロマイセス・セレビシア(Saccharomyces cerevisiae)である、[6]記載の酵母。
[8] キシルロースからエタノールを生産する能力を有するものである、[1]〜[7]のいずれか1記載の酵母。
[9] キシルロース含有培地中において、[1]〜[8]のいずれか1記載の酵母を培養し、キシルロース資化によりエタノールを産生せしめるキシルロース発酵工程を含む、エタノールの製造方法。
[10] キシロースをキシロースイソメラーゼにより異性化してキシルロースを得る異性化工程を更に含み、該異性化工程により得られるキシルロースを前記キシルロース発酵工程に供する、[9]記載の方法。
[11] キシロース含有培地中でキシロースイソメラーゼの存在下に前記異性化工程を行い、且つ該培地中に生成するキシルロースを前記キシルロース発酵工程によりエタノールに転換する、異性化工程とキシルロース発酵工程とを同時に行う、[10]記載の方法。
本発明により、キシルロースからエタノールを生産可能な酵母が提供される。
また、本発明に係る酵母は、キシルロースからのエタノールへの優れた生産能を有するため、キシロースイソメラーゼによるキシロースのキシルロースへの変換と組み合わせることで、キシロースからエタノールを効率よく製造することができる。
また、本発明に係る酵母は、キシルロースからのエタノールへの優れた生産能を有するため、キシロースイソメラーゼによるキシロースのキシルロースへの変換と組み合わせることで、キシロースからエタノールを効率よく製造することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。本発明の範囲はこれらの説明に限定されることはなく、以下の例示以外についても、本発明の趣旨を損なわない範囲で当業者であれば適宜変更し実施することができる。
また、本明細書において引用された全ての刊行物(例えば、先行技術文献、及び公開公報、特許公報その他の特許文献)は、参照として本明細書に組み込まれる。
1.本発明の概要
本発明は、対照株(例えば、ピルビン酸デヒドロゲナーゼ活性を低下させていない酵母株)と比較して、ピルビン酸デヒドロゲナーゼ活性を低下させた酵母が、優れたキシルロースからのエタノール生産能を有するという知見に基づくものである。
本発明は、対照株(例えば、ピルビン酸デヒドロゲナーゼ活性を低下させていない酵母株)と比較して、ピルビン酸デヒドロゲナーゼ活性を低下させた酵母が、優れたキシルロースからのエタノール生産能を有するという知見に基づくものである。
図1は、酵母におけるエタノール生合成経路を模式的に示す。酵母は、ピルビン酸デヒドロゲナーゼをコードする遺伝子としてPDA1遺伝子を有する。本発明者等は、エタノール生産経路から外れる経路上の当該PDA1遺伝子を破壊することでピルビン酸デヒドロゲナーゼ活性を低下させた酵母は、キシロースからのエタノール生産性は向上しないが、エタノール生産において同じ代謝経路を利用するにも関わらずキシルロースからのエタノール生産性が向上することを見出した。
このように、本発明に係る酵母は、ピルビン酸デヒドロゲナーゼ活性が低下するように作製されることを特徴の一つとするものである。
酵母の中には、キシロース資化酵素群が実質的に機能していない、いわゆる休眠状態にあるために、キシロース等の五炭糖資化能を有さない酵母が存在する。例えば、サッカロマイセス属に属する酵母は、キシロース資化酵素群をコードする遺伝子群を有しているにもかかわらず、キシロースを利用してエタノールを生産することができない。しかしながら、サッカロマイセス属に属する酵母はキシロースの異性体であるキシルロースからはエタノールを生産することができる。
このようなキシロースからのエタノール生産能を有さないとされる酵母を、キシロースを異性化するキシロースイソメラーゼを含むキシロース含有培地中で培養することで、キシロースからエタノールを製造することができる。そして、ピルビン酸デヒドロゲナーゼ活性を低下させた酵母は、驚くべきことに対照株(例えば、ピルビン酸デヒドロゲナーゼ活性を低下させていない酵母株)と比較して、キシルロースからのエタノール生産能が向上する。
2.本発明に係る酵母
本発明に係る酵母は、ピルビン酸デヒドロゲナーゼ活性を低下させた酵母である。
本発明に係る酵母は、ピルビン酸デヒドロゲナーゼ活性を低下させた酵母である。
2−1.ピルビン酸デヒドロゲナーゼ活性を低下させる対象となる酵母
本発明において、ピルビン酸デヒドロゲナーゼ活性を低下させる対象となる酵母は、キシロース等の五炭糖の資化能を有していない酵母であることが好ましい。当該酵母はピルビン酸デヒドロゲナーゼ活性を低下させる前に五炭糖資化能を有していないものであればよく、グルコース等の六炭糖の資化能を有していてもよい。
本発明において、ピルビン酸デヒドロゲナーゼ活性を低下させる対象となる酵母は、キシロース等の五炭糖の資化能を有していない酵母であることが好ましい。当該酵母はピルビン酸デヒドロゲナーゼ活性を低下させる前に五炭糖資化能を有していないものであればよく、グルコース等の六炭糖の資化能を有していてもよい。
ここで、「五炭糖資化能」とは、キシロース等の五炭糖を炭素源として生育する能力をいう。五炭糖資化能を有する酵母は、炭素源として五炭糖のみを添加した培地中で生育可能であるため、五炭糖資化能は、炭素源として五炭糖のみを添加した培地中における酵母の生育程度を600 nm又は660 nm等の波長での濁度を測定することで確認することができる。
本発明において、五炭糖資化能を有していない酵母は、特に限定されるわけではないが、例えば、サッカロマイセス属に属する酵母等を挙げることができる。サッカロマイセス属に属する酵母としては、例えばCEN.PK2-1C株(Microbiology, 148, p.2783-2788, 2002)等のサッカロマイセス・セレビシアを挙げることができる。また、本発明において、ピルビン酸デヒドロゲナーゼ活性を低下させる対象となる酵母として、1倍体だけでなく2倍体の酵母を使用することができる。2倍体の酵母は実用酵母として優れており、例えば協会7号(DNA Research, 18, p.423-434, 2011)等の協会系酵母、ワイン酵母、Red star株(Biotechnol. And Bioeng., 100, p.1122-1131, 2008)、Taiken No.396株(J. Biosci. Bioeng., 114, 476-478, 2012)等を挙げることができる。
また、本発明において、ピルビン酸デヒドロゲナーゼ活性を低下させる対象となる酵母は、エタノールへの耐性を備えた醸造用酵母であることが好ましく、そのような酵母としては、特に限定されるわけではないが、上述のサッカロマイセス属に属する酵母(例えば、サッカロマイセス・セレビシア)等を挙げることができる。
従って、本発明においてピルビン酸デヒドロゲナーゼ活性を低下させる対象となる酵母は、好ましくはサッカロマイセス属に属する酵母、より好ましくはサッカロマイセス・セレビシアである。
2−2.本発明に係る酵母
本発明に係る酵母は、前述の酵母を、ピルビン酸デヒドロゲナーゼ活性を低下させる方法に供することで得られた酵母である。
本発明に係る酵母は、前述の酵母を、ピルビン酸デヒドロゲナーゼ活性を低下させる方法に供することで得られた酵母である。
酵母のピルビン酸デヒドロゲナーゼをコードする遺伝子として、PDA1遺伝子が知られている。従って、本発明においてピルビン酸デヒドロゲナーゼをコードする遺伝子として、PDA1遺伝子を使用することができる。
PDA1遺伝子の塩基配列情報は、当業者であれば、Genbank等の公知のデータベースから入手することができる。例えば、サッカロマイセス・セレビシア由来のPDA1遺伝子の配列情報は、アクセッション番号:NM_001179068を参照することにより入手することができる。
本発明において、PDA1遺伝子は、ピルビン酸デヒドロゲナーゼをコードする塩基配列を含む遺伝子であり、例えばサッカロマイセス・セレビシア由来の配列番号1に示す塩基配列から成るDNA(配列番号1に示す塩基配列は、ゲノムDNA及びcDNAの双方に相当する)、又は配列番号2に示すアミノ酸配列から成るタンパク質をコードするDNAである。
本発明におけるPDA1遺伝子は、PDA1タンパク質の変異体をコードする遺伝子を含む。PDA1タンパク質の変異体をコードする遺伝子は、例えば、配列番号1に示す塩基配列からなるDNAに相補的な塩基配列から成るDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、且つピルビン酸デヒドロゲナーゼ活性を有するタンパク質をコードするDNAを含む。
PDA1タンパク質の変異体をコードするDNAは、配列番号1に示す塩基配列から成るDNA又はその断片をプローブとして、コロニーハイブリダイゼーション、プラークハイブリダイゼーション、サザンブロット等の公知のハイブリダイゼーション法により、ゲノムライブラリーから得ることができる。ライブラリーの作製方法については、「Molecular Cloning, A Laboratory Manual 4th ed.」(Cold Spring Harbor Press(2012))等を参照することができる。また、市販のゲノムライブラリーを用いてもよい。
ここで、「ストリンジェントな条件」としては、ハイブリダイゼーション後の洗浄条件として、例えば「2×SSC、0.1%SDS、42℃」、「1×SSC、0.1%SDS、37℃」、よりストリンジェントな条件として、例えば「1×SSC、0.1%SDS、65℃」、「0.5×SSC、0.1%SDS、50℃」等の条件を挙げることができる。
ハイブリダイゼーションは、公知の方法によって行うことができる。ハイブリダイゼーションの方法は、例えば、「Molecular Cloning, A Laboratory Manual 4th ed.」(Cold Spring Harbor Laboratory Press(2012))、「Current Protocols in Molecular Biology」(John Wiley & Sons(1987-1997))等を参照することができる。
また、本明細書において、ストリンジェントな条件下でハイブリダイズするDNAには、例えば、配列番号1に示す塩基配列と少なくとも50%以上、好ましくは70%以上、より好ましくは90%以上、さらに好ましくは99%以上、さらに一層好ましくは99.7%以上、特に好ましくは99.9%以上の同一性(相同性)を有する塩基配列を含むDNAが含まれる。同一性を示す値は、BLAST等の公知のプログラムを利用することにより算出することができる。
また、配列番号1に示す塩基配列に相補的な塩基配列から成るDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズするDNAは、例えば配列番号1に示す塩基配列において1個又は数個の核酸に欠失、置換、付加又は挿入等の変異の生じた塩基配列を含むDNAが挙げられる。このようなDNAとしては、例えば、(i)配列番号1に示す塩基配列中の1〜数個(例えば1〜10個、好ましくは1〜5個、より好ましくは1〜3個、さらに好ましくは1〜2個)の塩基が欠失したDNA、(ii)配列番号1に示す塩基配列中の1〜数個(例えば1〜10個、好ましくは1〜5個、より好ましくは1〜3個、さらに好ましくは1〜2個)の塩基が他の塩基に置換したDNA、(iii)配列番号1に示す塩基配列中に1〜数個(例えば1〜10個、好ましくは1〜5個、より好ましくは1〜3個、さらに好ましくは1〜2個)の塩基が付加したか又は挿入されたDNA及び(iv)それらの変異が組み合わされたDNAであって、且つピルビン酸デヒドロゲナーゼ活性を有するタンパク質をコードするDNA等が挙げられる。
本発明において、塩基配列の確認は、慣用の方法により配列決定することにより行うことができ、例えばジデオキシヌクレオチドチェーンターミネーション法(Sanger et al.(1977)Proc. Natl. Acad. Sci. USA 74: 5463)等により行うことができる。また、適当なDNAシークエンサーを利用して配列を解析することも可能である。
本発明において、PDA1遺伝子は、例えばサッカロマイセス・セレビシア由来の配列番号2に示すアミノ酸配列から成るタンパク質をコードするものも含まれる。本発明では、サッカロマイセス・セレビシア由来のPDA1タンパク質又はその変異体をコード遺伝子も、PDA1遺伝子に含まれる。
PDA1タンパク質の変異体は、(i)配列番号2に示すアミノ酸配列中の1〜数個(例えば1〜10個、好ましくは1〜5個、より好ましくは1〜3個、さらに好ましくは1〜2個)のアミノ酸が欠失したタンパク質、(ii)配列番号2に示すアミノ酸配列中の1〜数個(例えば1〜10個、好ましくは1〜5個、より好ましくは1〜3個、さらに好ましくは1〜2個)のアミノ酸が他のアミノ酸に置換したタンパク質、(iii)配列番号2に示すアミノ酸配列中に1〜数個(例えば1〜10個、好ましくは1〜5個、より好ましくは1〜3個、さらに好ましくは1〜2個)のアミノ酸が付加したか又は挿入されたタンパク質及び(iv)それらの変異が組み合わされたタンパク質であって、且つピルビン酸デヒドロゲナーゼ活性を有するタンパク質等が挙げられる。
また、PDA1タンパク質の変異体としては、配列番号2に示すアミノ酸配列と少なくとも80%、好ましくは少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、さらに好ましくは少なくとも95%、特に好ましくは少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%の配列同一性(相同性)を有するアミノ酸配列から成り、且つピルビン酸デヒドロゲナーゼ活性を有するタンパク質が挙げられる。
ここで、「ピルビン酸デヒドロゲナーゼ活性」は、ピルビン酸をアセチルCoAに変換する活性を意味する。本発明において、PDA1タンパク質の変異体は、ピルビン酸デヒドロゲナーゼ活性を有する限り、その活性の程度に特に限定されないが、例えば配列番号2に示すアミノ酸配列から成るタンパク質の約10%以上の活性を有していればよい。タンパク質の有するピルビン酸デヒドロゲナーゼ活性は、公知の方法で測定することができる。
本発明においては、酵母を、以上に説明したPDA1遺伝子によりコードされるピルビン酸デヒドロゲナーゼの活性を低下させる方法に供することで、本発明に係る酵母を得ることができる。
ここで、ピルビン酸デヒドロゲナーゼ活性を低下させる方法としては、例えば
(1) PDA1遺伝子を破壊する;
(2) PDA1遺伝子の転写を抑制し、該遺伝子の発現を低下させる;
(3) PDA1遺伝子の翻訳を抑制し、該遺伝子の翻訳効率を低下させる;
方法が挙げられる。
(1) PDA1遺伝子を破壊する;
(2) PDA1遺伝子の転写を抑制し、該遺伝子の発現を低下させる;
(3) PDA1遺伝子の翻訳を抑制し、該遺伝子の翻訳効率を低下させる;
方法が挙げられる。
(1) PDA1遺伝子を破壊する方法
本発明において、PDA1遺伝子破壊酵母株とは、本来的には対立遺伝子、アイソマー等の複数のPDA1遺伝子を有するが、これらのうち少なくとも1つ又は複数のPDA1遺伝子を破壊した酵母株を意味する。従って、例えば、PDA1遺伝子破壊酵母株としては、対立遺伝子のうち一方又は双方のPDA1遺伝子を破壊した酵母を挙げることができる。
PDA1遺伝子破壊酵母株としては、既存の酵母株を用いても良いし、野生型の酵母株に対して変異を導入して作出したものを用いても良い。
本発明において、PDA1遺伝子破壊酵母株とは、本来的には対立遺伝子、アイソマー等の複数のPDA1遺伝子を有するが、これらのうち少なくとも1つ又は複数のPDA1遺伝子を破壊した酵母株を意味する。従って、例えば、PDA1遺伝子破壊酵母株としては、対立遺伝子のうち一方又は双方のPDA1遺伝子を破壊した酵母を挙げることができる。
PDA1遺伝子破壊酵母株としては、既存の酵母株を用いても良いし、野生型の酵母株に対して変異を導入して作出したものを用いても良い。
(2) PDA1遺伝子の転写を抑制し、該遺伝子の発現を低下させる方法
PDA1遺伝子の転写を抑制する方法としては、対象となる酵母におけるPDA1遺伝子の転写プロモーター領域を転写抑制型プロモーターで置換してなる変異型酵母を調製し、当該変異型酵母を転写抑制条件下で培養する方法が挙げられる。
また、酵母におけるPDA1遺伝子の転写に関わる領域に転写抑制活性のある塩基配列を挿入して作出したものを用いても良い。
PDA1遺伝子の転写を抑制する方法としては、対象となる酵母におけるPDA1遺伝子の転写プロモーター領域を転写抑制型プロモーターで置換してなる変異型酵母を調製し、当該変異型酵母を転写抑制条件下で培養する方法が挙げられる。
また、酵母におけるPDA1遺伝子の転写に関わる領域に転写抑制活性のある塩基配列を挿入して作出したものを用いても良い。
(3) PDA1遺伝子の翻訳を抑制し、該遺伝子の翻訳効率を低下させる方法
PDA1遺伝子の翻訳を抑制する方法としては、いわゆるアンチセンスRNAを用いる方法が挙げられる。すなわち、PDA1遺伝子のmRNAに対するアンチセンスRNAを転写する遺伝子を、酵母ゲノムに組み込み、当該アンチセンスRNAを過剰発現させることで、PDA1遺伝子のmRNAの翻訳が抑制される。
PDA1遺伝子の翻訳を抑制する方法としては、いわゆるアンチセンスRNAを用いる方法が挙げられる。すなわち、PDA1遺伝子のmRNAに対するアンチセンスRNAを転写する遺伝子を、酵母ゲノムに組み込み、当該アンチセンスRNAを過剰発現させることで、PDA1遺伝子のmRNAの翻訳が抑制される。
3.エタノールの製造方法
本発明に係る酵母は、キシルロースからのエタノール生産能が高い。また、本発明に係る酵母は、キシロースイソメラーゼによるキシロースからのキシルロースへの変換と組み合わせることでキシロースからエタノールを製造することが可能である。
本発明に係る酵母は、キシルロースからのエタノール生産能が高い。また、本発明に係る酵母は、キシロースイソメラーゼによるキシロースからのキシルロースへの変換と組み合わせることでキシロースからエタノールを製造することが可能である。
従って、本発明に係るエタノール製造方法は、キシルロース含有培地において、本発明に係る酵母を培養し、キシルロース資化によりエタノールを産生せしめるキシルロース発酵工程を含むものである。
本発明に係る酵母は、酵母の培養に用いられる通常の方法に準じて培養することができる。当業者であれば、SD培地、SCX培地、YPD培地、YPX培地等の公知の培地から適切な培地を選択し、好ましい培養条件の下で酵母を培養することができる。液体培地で酵母を培養する場合は、振盪培養が好ましい。
培地中のキシルロースは、キシロースをキシロースイソメラーゼによる異性化反応(異性化工程)に供することで得られたキシルロースであってよい。ここで、キシロースイソメラーゼは、キシロースからキシルロースへの異性化反応を触媒する酵素を意味する。キシロースイソメラーゼは、市販のものであってよく、例えばXylose isomerase A(株式会社耐熱性酵素研究所)が挙げられる。また、キシロースに対するキシロースイソメラーゼの酵素量としては、例えばキシロース100 mMに対して、0.05〜10.0 mg、好ましくは0.5〜1.0 mgが挙げられる。
当該異性化反応により得られたキシルロースを培地に添加して、本発明に係る酵母を培養してもよいが、キシロースとキシロースイソメラーゼを培地に添加し、当該培地中で本発明に係る酵母を培養し、異性化反応によるキシルロース生成と、生成したキシルロースを用いた本発明に係る酵母によるキシルロース発酵とを同時に行うことが好ましい。
このように、本発明に係る酵母を培養し、得られる培養物からエタノールを採取することにより、エタノールを製造することができる。
キシロースイソメラーゼ存在下で、エタノールを製造する場合、10〜150 g/L、好ましくは70 g/Lのキシロース存在下に本発明に係る酵母を培養する。本培養の前に、本発明に係る酵母を前培養しても良い。前培養は、例えば、本発明に係る酵母を少量の培地に接種し、12〜24時間培養すればよい。本培養の培養量の0.1〜10%、好ましくは1%の前培養液を本培養の培地に加え、本培養を開始する。本培養は、キシロース含有培地で、0.5〜200時間(好ましくは10〜150時間、より好ましくは24〜137時間)の期間、20〜40℃(好ましくは30℃)の温度下で振盪培養により行われる。
また、本発明において、培地に添加するキシロースは、バイオマス糖化液又はバイオマス糖化液から分離されたキシロースであってよい。バイオマスを高温高圧水、酸又はアルカリで処理し、前処理バイオマスを得る。当該前処理バイオマスを酸又は酵素により糖化し、バイオマス糖化液を得る。得られたバイオマス糖化液は主にグルコースから成るヘキソースと、主にキシロースから成るペントースとが約2:1の割合で含まれている。
酵母は、グルコース等のヘキソースからアルコール発酵によりエタノールを製造することができる。従って、キシロースとしてバイオマス糖化液を添加した培地中で、キシロースイソメラーゼ存在下で本発明に係る酵母を培養することで、キシルロース資化によりエタノールを製造できると同時に、グルコース等のヘキソース資化によりエタノールを製造することができる。
製造されたエタノールは、上記のように本発明に係る酵母を培養して得られる培養物から採取することができる。培養物とは、培養液(培養上清)、培養酵母又は培養酵母の破砕物等を意味する。エタノールは公知の精製方法により培養物から精製し、採取することができる。本発明において、エタノールは本発明に係る酵母から主に培養上清中に分泌されるため、培養上清から採取することが好ましい。
エタノールの製造量は、培地に含まれるエタノールを液体クロマトグラフィー、ガスクロマトグラフィー、市販のエタノール測定キットで分析することで測定できる。
4.配列情報
配列番号1:サッカロマイセス・セレビシア由来のPDA1遺伝子(ゲノムDNA又はcDNA)の塩基配列。
配列番号2:サッカロマイセス・セレビシア由来のPDA1タンパク質のアミノ酸配列。
配列番号1:サッカロマイセス・セレビシア由来のPDA1遺伝子(ゲノムDNA又はcDNA)の塩基配列。
配列番号2:サッカロマイセス・セレビシア由来のPDA1タンパク質のアミノ酸配列。
以下、実施例を用いて本発明をより詳細に説明するが、本発明の技術的範囲はこれら実施例に限定されるものではない。
〔実施例1〕
1.キシルロースの作製
市販のキシロースイソメラーゼ(カタログ番号:XYI-75-01(株式会社耐熱性酵素研究所製))を用いて、キシロースをキシルロースに変換した。100mMキシロース、50mM Tris-HCL緩衝液(pH7.0)及び1mM塩化コバルト(II)を含む溶液に、0.1、0.5又は1.0mgの酵素を加え、85℃で10、30又は60分反応させた。生成したキシルロースを、Shodex SUGAR SC1011カラムを用いたHPLCにより定量した。
結果を下記の表1に示す。キシロースは、酵素量0.5mg、反応時間60分で完全にキシルロースに変換された。
1.キシルロースの作製
市販のキシロースイソメラーゼ(カタログ番号:XYI-75-01(株式会社耐熱性酵素研究所製))を用いて、キシロースをキシルロースに変換した。100mMキシロース、50mM Tris-HCL緩衝液(pH7.0)及び1mM塩化コバルト(II)を含む溶液に、0.1、0.5又は1.0mgの酵素を加え、85℃で10、30又は60分反応させた。生成したキシルロースを、Shodex SUGAR SC1011カラムを用いたHPLCにより定量した。
結果を下記の表1に示す。キシロースは、酵素量0.5mg、反応時間60分で完全にキシルロースに変換された。
2.PDA1遺伝子破壊酵母株の作製
キシロース資化能付与醸造用酵母(サッカロマイセス・セレビシア協会7号株(DNA Research, 18, p.423-434, 2011))の染色体上のPDA1遺伝子(ゲノムDNA塩基配列又はcDNA塩基配列:配列番号1、及び対応するアミノ酸配列:配列番号2)の内部に他の遺伝子を導入することにより破壊し、PDA1遺伝子破壊酵母株を作製した。
また、PDA1遺伝子を破壊していない同一の酵母株を、以下の実験で対照株として用いた。
キシロース資化能付与醸造用酵母(サッカロマイセス・セレビシア協会7号株(DNA Research, 18, p.423-434, 2011))の染色体上のPDA1遺伝子(ゲノムDNA塩基配列又はcDNA塩基配列:配列番号1、及び対応するアミノ酸配列:配列番号2)の内部に他の遺伝子を導入することにより破壊し、PDA1遺伝子破壊酵母株を作製した。
また、PDA1遺伝子を破壊していない同一の酵母株を、以下の実験で対照株として用いた。
3.発酵性評価
上記第2節で作製したPDA1遺伝子破壊酵母株又は対照株を、YPD(グルコース2%含有)で前培養した後、5%キシロース又は上記第1節で作製した2%キシルロースを含む改変CBS培地(H. B. Klinke et al., Biotechnol. Bioeng., 2003年, Vol. 81, pp. 738-747:pH 5.0)15 mlを含む50 ml容三角フラスコで、初期植菌量OD600= 20、30℃及び140 rpm下で旋回培養し、経時的にサンプリングを行い、発酵性を評価した。発酵代謝物を、Shodex SUGAR SP0810カラムを用いてHPLCにより定量した。菌体濃度は、分光光度計(λ=600nm)で測定した。
上記第2節で作製したPDA1遺伝子破壊酵母株又は対照株を、YPD(グルコース2%含有)で前培養した後、5%キシロース又は上記第1節で作製した2%キシルロースを含む改変CBS培地(H. B. Klinke et al., Biotechnol. Bioeng., 2003年, Vol. 81, pp. 738-747:pH 5.0)15 mlを含む50 ml容三角フラスコで、初期植菌量OD600= 20、30℃及び140 rpm下で旋回培養し、経時的にサンプリングを行い、発酵性を評価した。発酵代謝物を、Shodex SUGAR SP0810カラムを用いてHPLCにより定量した。菌体濃度は、分光光度計(λ=600nm)で測定した。
4.発酵性評価結果
結果を図2及び3に示す。図2に示すように、キシロース消費速度及びキシロースからのエタノール生産については、PDA1遺伝子破壊酵母株は対照株と変わらなかった。なお、本実施例で使用した酵母は、キシロース資化能が付与されているため、キシロースからエタノールを生産することができる。
一方、図3に示すように、キシルロース消費速度及びキシルロースからのエタノール生産については、PDA1遺伝子破壊酵母株は、対照株に比べキシルロース消費速度が増加し、エタノール生産量に向上が認められた。
結果を図2及び3に示す。図2に示すように、キシロース消費速度及びキシロースからのエタノール生産については、PDA1遺伝子破壊酵母株は対照株と変わらなかった。なお、本実施例で使用した酵母は、キシロース資化能が付与されているため、キシロースからエタノールを生産することができる。
一方、図3に示すように、キシルロース消費速度及びキシルロースからのエタノール生産については、PDA1遺伝子破壊酵母株は、対照株に比べキシルロース消費速度が増加し、エタノール生産量に向上が認められた。
Claims (11)
- ピルビン酸デヒドロゲナーゼ活性を低下させた酵母。
- ピルビン酸デヒドロゲナーゼをコードする遺伝子を破壊した酵母である、請求項1記載の酵母。
- ピルビン酸デヒドロゲナーゼをコードする遺伝子の発現を低下させることで、ピルビン酸デヒドロゲナーゼ活性を低下させた、請求項1記載の酵母。
- ピルビン酸デヒドロゲナーゼをコードする遺伝子の翻訳効率を低下させることで、ピルビン酸デヒドロゲナーゼ活性を低下させた、請求項1記載の酵母。
- ピルビン酸デヒドロゲナーゼが以下の(a)〜(c)のいずれか1つのタンパク質である、請求項1〜4のいずれか1項記載の酵母。
(a) 配列番号2に示すアミノ酸配列から成るタンパク質;
(b) 配列番号2に示すアミノ酸配列において1〜数個のアミノ酸が欠失、置換、付加又は挿入されたアミノ酸配列から成り、且つピルビン酸デヒドロゲナーゼ活性を有するタンパク質;
(c) 配列番号2に示すアミノ酸配列と少なくとも90%の配列同一性を有するアミノ酸配列から成り、且つピルビン酸デヒドロゲナーゼ活性を有するタンパク質。 - サッカロマイセス属(Saccharomyces)に属する酵母である、請求項1〜5のいずれか1項記載の酵母。
- サッカロマイセス属に属する酵母が、サッカロマイセス・セレビシア(Saccharomyces cerevisiae)である、請求項6記載の酵母。
- キシルロースからエタノールを生産する能力を有するものである、請求項1〜7のいずれか1項記載の酵母。
- キシルロース含有培地中において、請求項1〜8のいずれか1項記載の酵母を培養し、キシルロース資化によりエタノールを産生せしめるキシルロース発酵工程を含む、エタノールの製造方法。
- キシロースをキシロースイソメラーゼにより異性化してキシルロースを得る異性化工程を更に含み、該異性化工程により得られるキシルロースを前記キシルロース発酵工程に供する、請求項9記載の方法。
- キシロース含有培地中でキシロースイソメラーゼの存在下に前記異性化工程を行い、且つ該培地中に生成するキシルロースを前記キシルロース発酵工程によりエタノールに転換する、異性化工程とキシルロース発酵工程とを同時に行う、請求項10記載の方法。
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JP2020115827A (ja) * | 2019-01-28 | 2020-08-06 | Jxtgエネルギー株式会社 | キシリトールの蓄積を抑制した酵母 |
-
2013
- 2013-09-24 JP JP2013197370A patent/JP2015062357A/ja active Pending
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JP7365770B2 (ja) | 2019-01-28 | 2023-10-20 | Eneos株式会社 | キシリトールの蓄積を抑制した酵母 |
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