JP2015062163A - 電池冷却装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ケース外部への効率的な排熱が図れる電池冷却装置を提供する。【解決手段】電池冷却装置1は、複数の壁面によって囲まれる内部空間を形成して複数の電池セル3を収容するケース2と、ケース2内に収容され複数の電池セル3を冷却する流体をケース2の内部に循環させる送風機4と、沿壁通路形成部材9とを備える。沿壁通路形成部材9は、ケース2を形成する複数の壁面のうち、側壁21、24、22との間に壁面に沿う沿壁通路611、612、622、621を形成する。沿壁通路形成部材9は、送風機4から流出して電池セル3に接触する前の流体が沿壁通路に流入する際に通る流入部と、流入部から流入して沿壁通路を流通する流体が沿壁通路から流出する際に通る流出部と、を有する。【選択図】図1

Description

本発明は、ケース内部に収容した電池を冷却する電池冷却装置に関する。
特許文献1の装置は、複数の単電池を収容するパックケースに吸気ダクトと排気ダクトを接続し、冷却ファンから供給する空気を吸気ダクトを通してケースの内部に取り入れ、単電池と熱交換した後の空気を排気ダクトから外部に排出するものである。つまり、一旦、外部に排出された熱交換後の空気は、すぐにケースの内部に戻ることはなく、ケースの内部には、電池冷却のために新たな空気が常に取り込まれることになる。
特開2013−86605号公報
特許文献1の装置においては、冷却ファンから供給される空気は、吸気ダクト内を通った後電池セル目指して流れる。そして、電池セルを通過した後の空気は、すぐに排気ダクト内を通って外部に排出される。すなわち、特許文献1では、空気の吸気、電池セル通過、排気の過程で、外部への放熱面として機能するケース壁に接触する空気量が少なく、外部への放熱が十分でない。
このように従来の装置は、電池の発熱をケース外部へ効果的に排出する点に関して、十分な効果が得られず、改善の余地がある。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、ケース外部への効率的な排熱が図れる電池冷却装置を提供することにある。
また、電池冷却装置には、放熱性とケースの剛性の両方を確保することが求められている。この要求は、特に、車両に搭載される電池冷却装置において必要とされる性能である。したがって、本発明のひとつは、この要求に鑑みてなされたものであり、ケース外部への効率的な排熱とケースの剛性向上との両立が図れる電池冷却装置を提供することを目的とする。
本発明は上記目的を達成するために、下記の技術的手段を採用する。すなわち、開示する電池冷却装置に係る発明のひとつは、電気的に接続される複数の電池(3)と、複数の壁面によって囲まれる内部空間を形成して、複数の電池を収容するケース(2;102;202;302)と、ケースに収容され、複数の電池を冷却する流体をケースの内部に循環させる流体駆動手段(4)と、ケースを形成する複数の壁面のうち、少なくともひとつの壁面との間に当該壁面に沿う沿壁通路(611、612、621、622)を形成する沿壁通路形成部材(9;109)と、を備え、
沿壁通路形成部材は、流体駆動手段から流出して電池に接触する前の流体が沿壁通路に流入する際に通る流入部(900、950)と、流入部から流入して沿壁通路を流通する流体が沿壁通路から流出する際に通る流出部(901、911、921、931、941)と、を有することを特徴とする。
この発明によれば、流体駆動手段から流出した電池接触前の流体を、沿壁通路形成部材によって、沿壁通路に流通させてケースの壁面に接触させる流れを形成するとともに、沿壁通路の流体を流出部から流出させて電池や他の壁面に向かわせることができる。このように、ケース内を循環する流体流れの過程で、ケースを形成する壁の広範囲に冷却用流体をゆき渡せることが可能である。これにより、流体駆動手段から送られる流体が電池に到達する前にケースの壁面を介した輻射放熱を促進でき、また、複数個の電池に対して広範囲に接触する流体流れを提供できる。したがって、この発明によれば、従来技術に比べて、ケース外部への効率的な排熱が図れる電池冷却装置を提供することができる。
なお、特許請求の範囲及び上記各手段に記載の括弧内の符号ないし説明は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を分かり易く示す一例であり、発明の内容を限定するものではない。
第1実施形態の電池冷却装置について、装置の構成と電池冷却のための流体の流れとを説明するための概要図である。 図1のII−II断面における矢視図である。 図1のIII矢印方向にケースの内部をみた場合の概要図である。 第2実施形態の沿壁通路形成部材を示した斜視図である。 第2実施形態の沿壁通路形成部材を示した断面図である。 第3実施形態の電池冷却装置について、装置の構成と電池冷却のための流体の流れとを説明するための概要図である。 図6のVII−VII断面における矢視図である。 図6のVIII矢印方向にケースの内部をみた場合の概要図である。 第4実施形態の電池冷却装置について、装置の構成と電池冷却のための流体の流れとを説明するための概要図である。 第4実施形態の沿壁通路形成部材と流体の流れを示した図である。 第4実施形態の沿壁通路形成部材の他の例と流体の流れを示した図である。 第5実施形態の沿壁通路形成部材と流体の流れを示した図である。 第5実施形態の沿壁通路形成部材の他の例と流体の流れを示した図である。 第6実施形態の電池冷却装置について、装置の構成と電池冷却のための流体の流れとを説明するための概要図である。 第6実施形態の沿壁通路形成部材と流体の流れを示した斜視図である。
以下に、図面を参照しながら本発明を実施するための複数の形態を説明する。各形態において先行する形態で説明した事項に対応する部分には同一の参照符号を付して重複する説明を省略する場合がある。各形態において構成の一部のみを説明している場合は、構成の他の部分については先行して説明した他の形態を適用することができる。各実施形態で具体的に組合せが可能であることを明示している部分同士の組合せばかりではなく、特に組合せに支障が生じなければ、明示していなくても実施形態同士を部分的に組合せることも可能である。
(第1実施形態)
本発明に係る第1実施形態の電池冷却装置1について図1〜図3を参照しながら説明する。図1〜図3は、電池冷却装置1における電池冷却のための流体流れを示すとともに、ケース2の内部の構成を示す概要図である。電池冷却装置1は、例えば内燃機関と電池に充電された電力によって駆動されるモータとを組み合わせて走行駆動源とするハイブリッド自動車、モータを走行駆動源とする電気自動車等に用いられる。電池冷却装置1に含まれる複数の電池は、例えばニッケル水素二次電池、リチウムイオン二次電池、有機ラジカル電池である。
電池冷却装置1は、複数の電池セル3と、密閉空間を形成するケース2と、ケース2内で流体を循環させる流体駆動と、沿壁通路形成部材9と、を備える。ケース2の内部には、複数の電池セル3と流体駆動手段の一例である送風機4とが収容されている。
複数の電池セル3は、複数個の電池積層体31、32を構成する。各電池積層体31、32は、間隔をあけて積層設置された所定個数の電池セル3を含み、隣接する電池セル3の上部に位置する電極端子30同士がバスバー300によって電気的に直列接続されることによりセル集合体を構成する。バスバー300は、導電性の金属板からなる放熱用部材である。電池積層体31と電池積層体32は、セルの積層方向が同じ方向であり、積層方向とは直交する方向、あるいは水平方向に所定の間隔をあけて横に並ぶようにケース2の内部に設けられている。このようにしてケース2は、少なくとも一つの電池積層体を収容する。
各電池セル3は、例えば、電気絶縁性を有する樹脂または金属の外装ケースによって密閉された内部空間を形成し、扁平状の直方体をなす外形を呈する単電池である。電池セル3の外装ケースは、例えば、絶縁性を有する様々な樹脂または金属で形成される。樹脂の場合は、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリスチレン、塩化ビニル、フッ素系樹脂、PBT、ポリアミド、ポリアミドイミド、ABS樹脂、ポリアセタール等の樹脂を用いることができる。また、ポリカーボネート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリフェニレンスルファイド、フェノール、エポキシ、アクリル等の樹脂も用いることができる。
各電池セル3には、正極端子及び負極端子からなる二つの電極端子30が外装ケースの一面から突出している。電極端子30の突出方向は、電池セル3の厚み方向や積層方向に対して直交する方向であり、例えば上方向である。電極端子30は、扁平状の直方体の主たる側面に直交する端面から突出する。この主たる側面は、隣り合う電池セルと対向する面であり、隣り合う電池セル3における主たる側面間には、冷却用の流体が流れる電池間通路が設けられている。電池積層体31には、隣り合う電池セル3間に電池間通路310が設けられている。電池積層体32には、隣り合う電池セル3間に電池間通路320が設けられている。
複数の電池セル3は、充電及び放電または温度調節に用いられる電子部品(図示せず)によって制御される。当該電子部品は、例えば、DC/DCコンバータ、流体駆動手段を駆動するモータ、インバータによって制御される電子部品、各種の電子式制御装置等であり、ケース2の内部に収容するようにしてもよい。また、当該電子部品は、ケース2の内部に設置されることにより、流体の循環によって電池セル3とともに冷却することができる。また、ケース2の内部に、電池セル3の少なくとも電圧と温度とを監視するセル監視ユニット、ジャンクションボックス、サービスプラグ等を内蔵するようにしてもよい。
ケース2の内部には、送風機4によって強制的に流れる流体の循環経路をなす循環流路が形成されている。循環流路は、ケース2によって囲まれた内部空間に形成される流体が循環する流路である。循環流路は、送風機4から送風された流体が電池セル3と熱交換した後、送風機4に吸い込まれる一連の流体の流通経路をなす。循環流路は、送風機4を起点として、第1の分岐流路610、第1の沿壁通路611及び第1の沿壁通路612と、第2の分岐流路620、第2の沿壁通路621及び第2の沿壁通路622と、各電池間通路310、320と、を連絡する一連の通路で構成される。
送風機4からの流体は、第1の分岐流路610と第2の分岐流路620に分かれ、分流した流体は、それぞれ第1の沿壁通路611、612、第2の沿壁通路621、622を流れ、電池間通路310、320で合流して、送風機4の吸込み部420に吸い込まれる。このように、電池冷却用の流体は、送風機4を起点として複数に分岐した経路を通って電池間通路310、320を流れた後、再び送風機4に集まるようにケース2の内部空間を流通する。
送風機4は、ケース2に収容された複数個の電池セルを冷却する流体を、ケース2に構成された循環流路に循環させる流体駆動手段の一例である。電池冷却のための流体としては、例えば、空気、各種のガス、水、冷媒を用いることができる。ここでは、送風機4は、循環流路に空気を強制的に循環させる流体駆動手段とする。
送風機4は、モータ41と、モータ41により回転されるシロッコファン40と、シロッコファン40を内蔵するケーシング42とを備える。また、ケーシング42は、循環流路の一部である吸込み部420、吹出し部421を備える。送風機4は、制御装置によって制御される。各電池セル3は、電流が取り出される出力時及び充電される入力時に自己発熱する。電池監視ユニットは電池セル3の温度を常時モニターし、送風機4の運転はモニターされる電池セル3の温度に応じて制御される。
吸込み部420は、ケーシング42の吸込み口を構成し、シロッコファン40の回転軸方向に延びる通路でもあり、シロッコファン40によって吸い込まれる空気が通る。シロッコファン40は、ケース2の内部空間の下部であってケース2の側壁20に近接するように設置されている。モータ41は、側壁20とシロッコファン40との間に設置されている。シロッコファン40の回転軸は、ケース2の底壁23や天壁25に平行となる姿勢で設置される。
吸込み部420が構成する通路は、電池積層体31の電池セル3側に位置する通路であり、各電池間通路310に通じる。さらに各電池間通路310は、電池積層体32の各電池間通路320に通じる。空気が各電池間通路310、320を流れる方向は、空気が吸込み部420に吸い込まれる方向と同じである。したがって、各電池間通路310、320を流れる空気は、通気抵抗が小さく、送風機4の吸引力によってスムーズに送風機4に吸い込まれる。
さらにケーシング42は、吹出し部421を形成する。吹出し部421は、シロッコファン40の回転軸に直交するファンの遠心方向に延びる通路を構成する。吹出し部421は、吸込み部420に直交する方向に延びる通路である。したがって、吹出し部421は、ケース2の内部空間において下方に延びる通路の一部である。吹出し部421は、ケース2の高さ方向の中央部よりも底壁23に近い部位で開口し、底壁23から突出する凸条部5の上方に位置するように設けられる。送風機4は、吹出し部421から、凸条部5に向けて空気を吹き出す。凸条部5は、底壁23からケース2の内方へ突出する突出部である。
また、電池冷却装置1は、ケース2の内部に複数流路形成手段を備える。複数流路形成手段は、送風機4から送られる空気を、少なくとも2つの壁面に接触させたのち電池セル3に接触させるように、複数の流路に分ける機能を果たす。凸条部5は、複数流路形成手段の一例であり、所定の突出高さと長さをする山形の突出部である。凸条部5は、互いに異なる方向に延びる少なくとも2つの傾斜面5aと傾斜面5bを有する切妻屋根状を呈する。
傾斜面5aと傾斜面5bは、鉛直方向または底壁23に対する傾斜角度が同等である。送風機4は、空気を凸条部5に向けて下方に送る。送風機4から凸条部5に向かって流れた空気は、凸条部5の頂部から下方に向かうにしたがい、傾斜面5a及び傾斜面5bのそれぞれに沿うように流れ、それぞれ底壁23の表面にならって流れる。
また、ケース2の内部において電池セル3と側壁20との間には、第1の分岐流路610及び第2の分岐流路620と、吸込み部420の上流空間とを仕切る仕切り壁を設けるようにしてもよい。この仕切り壁は、凸条部5によって第1の分岐流路610と第2の分岐流路620とに分けられた空気の流れを電池セル3側に流下させない役割を果たす。
沿壁通路形成部材9は、ケース2を形成する複数の壁面のうち、少なくともひとつの壁面との間にケース2の壁面に沿う沿壁通路を形成する。沿壁通路形成部材9は、第1の沿壁通路611、第1の沿壁通路612、第2の沿壁通路621、第2の沿壁通路622を形成する。これらの各沿壁通路は、以下に、単に沿壁通路と称することもある。電池冷却装置1において沿壁通路形成部材9は、内側壁90、内側壁91、内側壁92、内側壁93、内側壁94、内側壁95、内側壁96、内側壁97、内側壁98、内側壁99によって構成される。
第1の沿壁通路611は、それぞれ側壁21に平行な向きに、側壁21に沿うように並ぶ内側壁95、内側壁96、内側壁97、内側壁98と側壁22との間に形成される通路である。第1の沿壁通路612は、側壁24に平行な向きに沿うように設けられる内側壁99と側壁24との間に形成される通路である。内側壁95、内側壁96、内側壁97、内側壁98は、ケース2の一つの壁面をなす側壁21に対向するように、側壁21から間隔をあけて設けられる。内側壁99は、ケース2の一つの壁面をなす側壁24に対向するように、側壁24から間隔をあけて設けられる。
第2の沿壁通路621は、それぞれ側壁22に平行な向きに、側壁22に沿うように並ぶ内側壁90、内側壁91、内側壁92、内側壁93と側壁22との間に形成される通路である。第2の沿壁通路622は、側壁24に平行な向きに沿うように設けられる内側壁94と側壁24との間に形成される通路である。内側壁90、内側壁91、内側壁92、内側壁93は、ケース2の一つの壁面をなす側壁22に対向するように、側壁22から間隔をあけて設けられる。内側壁94は、ケース2の一つの壁面をなす側壁24に対向するように、側壁24から間隔をあけて設けられる。
沿壁通路形成部材9は、送風機4から流出して電池セル3に接触する前の流体が沿壁通路に流入する際に通る流入部と、流入部から流入して沿壁通路を流通する流体が沿壁通路から流出する際に通る流出部と、を有する。流入部及び流出部は、少なくともひとつ設けられている。
一例として図示するように、沿壁通路形成部材9は、2つの流入部と、複数の流出部とを有する。第1の沿壁通路611における流入部は、内側壁95の上流側端部950と側壁21との間に形成される入口通路であり、第1の分岐流路610と第1の沿壁通路611とを連絡する。第2の沿壁通路621における流入部は、内側壁90の上流側端部900と側壁22との間に形成される入口通路であり、第2の分岐流路620と第2の沿壁通路621とを連絡する。各流入部は、図2及び図3に図示するように、密閉空間の上下方向長さと同等の上下方向の開口長さを有する。また、各流入部は、上下方向に細長いスリット状の開口部である。
当該複数の流出部は、沿壁通路を流れる流体の流れ方向に間隔をあけて位置するように設けられる。当該複数の流出部から流出した流体は、電池セル3に向けて流れるようになっている。当該複数の流出部は、側壁に平行で沿うように並ぶ内側壁の間に形成された開口部である。
第1の沿壁通路611における流出部は、最も上流に位置するものが、内側壁95の下流側端部951と内側壁96の上流側端部960との間に形成される通路である。次に上流に位置するものが、内側壁96の下流側端部961と内側壁97の上流側端部970との間に形成される通路である。さらに次に上流に位置するものが、内側壁97の下流側端部971と内側壁98の上流側端部980との間に形成される通路である。最も下流に位置するものが、内側壁98の下流側端部981と内側壁99の上流側端部990との間に形成される通路である。
第2の沿壁通路621における流出部は、最も上流に位置するものが、内側壁90の下流側端部901と内側壁91の上流側端部910との間に形成される通路である。次に上流に位置するものが、内側壁91の下流側端部911と内側壁92の上流側端部920との間に形成される通路である。さらに次に上流に位置するものが、内側壁92の下流側端部921と内側壁93の上流側端部930との間に形成される通路である。最も下流に位置するものが、内側壁93の下流側端部931と内側壁94の上流側端部940との間に形成される通路である。さらに、内側壁99の下流側端部991と内側壁94の下流側端部941との間に形成される通路は、沿壁通路において最後尾の流出部である。以上の各流出部から流出した流体は、電池セル3に向かって流れる。各流出部は、図2及び図3に図示するように、密閉空間の上下方向長さと同等の上下方向の開口長さを有する。また、各流出部は、上下方向に細長いスリット状の開口部である。
また、沿壁通路形成部材9の流出部は、第1の沿壁通路611を流通する流体が第1の沿壁通路611を流出して、さらに隣接する側壁24に沿って流れるように、側壁24に直面する連絡用流出部を含む。この連絡用流出部は、内側壁98の下流側端部981と側壁21との間に形成される出口通路であり、第1の沿壁通路611と第1の沿壁通路612とを連絡する。また、沿壁通路形成部材9の流出部は、第2の沿壁通路621を流通する流体が第2の沿壁通路621を流出して、さらに隣接する側壁24に沿って流れるように、側壁24に直面する連絡用流出部を含む。この連絡用流出部は、内側壁93の下流側端部931と側壁22との間に形成される出口通路であり、第2の沿壁通路621と第2の沿壁通路622とを連絡する。各連絡用流出部は、図2及び図3に図示するように、密閉空間の上下方向長さと同等の上下方向の開口長さを有する。また、各連絡用流出部は、上下方向に細長いスリット状の開口部である。
また、第1の沿壁通路611と第2の沿壁通路621は、複数の電池セル3を間において対向するように設けられるケース2の壁面(側壁22、側壁22)のそれぞれに沿う通路である。さらに第1の沿壁通路612及び第2の沿壁通路622は、複数の電池セル3を間において対向するように設けられるケース2の壁面(側壁22、側壁22)の両方に隣接する他の壁面(側壁24)に沿う通路である。
ケース2は、例えば、メンテナンスのために少なくとも一面を取り外し可能に構成された直方体状の筐体であり、樹脂成型品または金属製の鋼板でできている。金属は、例えばアルミニウム合金、亜鉛合金等である。樹脂には、ケース2としての硬度、強度が確保でき、かつ放熱性が確保できる材料を用いることができる。例えば、ポリカーボネート、ナイロン、超高分子量ポリエチレン、架橋ポリオレフィン等の耐衝撃性プラスチック、ガラス繊維等を含む繊維強化プラスチック、炭素繊維樹脂等を採用できる。
ケース2は、例えば少なくとも6面を有する箱体で構成できる。直方体状のケースである場合には、ケース2は、対向する関係にある底壁23及び天壁25と、これらの壁と直交する関係にある側壁20、側壁21、側壁22及び側壁24とで形成される。側壁20と側壁24は対向する関係にあり、側壁21と側壁22は対向する関係にある。ケース2は、これら複数の壁によって囲まれる密閉空間を形成する。また、ケース2の複数の壁面のうち、所定の壁面には、放熱面積を大きくするために凸部または凹部が形成されている。
ケース2は、凸条部5が設けられている底壁23の内面の裏側であって外部に露出する底壁23の外表面に第1の放熱促進部230を備える。第1の放熱促進部230は、外部への放熱を他の部位よりも促進する放熱促進手段であり、外部に露出する表面積を拡大するものである。第1の放熱促進部230は、第1の分岐流路610と第2の分岐流路620を流れる空気の熱を、底壁23を介して外部に効果的に放出する放熱手段である。第1の放熱促進部230は、その一例として、底壁23の外表面から突出する複数個の板状のフィンで構成することができる。
第1の分岐流路610と第2の分岐流路620を流れる空気の熱は、底壁23に熱伝達し、さらに底壁23から第1の放熱促進部230を熱伝導することで吸熱され、第1の放熱促進部230に接触する外部の空気に放熱される。送風機4から送風されたばかりの空気は、この熱経路によって、密閉空間(あるいは循環通路)を循環する途中で放熱促進される。
さらにケース2は、第1の放熱促進部230が設けられている外表面と隣接する側壁21、22の外表面のそれぞれに、外部に露出する表面積を拡大する第2の放熱促進部210、220を備える。第2の放熱促進部210、220は、第1の放熱促進部230と同様の機能を有する。第2の放熱促進部210は、第1の分岐流路610を経由し、さらに第1の沿壁通路611を流れる空気の熱を、側壁21を介して外部に効果的に放出する放熱手段である。第2の放熱促進部220は、第2の分岐流路620を経由し、さらに第2の沿壁通路621を流れる空気の熱を、側壁22を介して外部に効果的に放出する放熱手段である。第2の放熱促進部210、220は、その一例として、側壁21、22の外表面から突出する複数個の板状のフィンで構成することができる。
第1の沿壁通路611及び第2の沿壁通路621を流れる空気の熱は、それぞれ側壁21、側壁22に熱伝達し、さらに第2の放熱促進部210、220を熱伝導することで吸熱され、各放熱促進部210、220に接触する外部の空気に放熱される。送風機4から送風された空気は、第1の放熱促進部230に加え、第2の放熱促進部210、220による放熱経路によって、密閉空間(あるいは循環通路)を循環する途中で放熱促進される。
放熱促進部を構成する当該フィンは、底壁23、側壁21、側壁22の外表面の表面積を拡大させるための部材である。また、各フィンは、熱伝導性の高い材質で構成され、例えば、アルミニウム、銅、またはそれぞれの合金で形成される。
また、ケース2には、車両側にボルト締め等により固定するための取付部、及び機器収納ボックスを設けるようにしてもよい。当該機器ボックスには、各種センサからの電圧、温度等の検出結果が入力される電池監視ユニットと、当該ユニットと通信可能でDC/DCコンバータの電力授受や流体駆動手段の運転を制御する制御装置と、各機器を接続するワイヤハーネス等と、が収納される。電池監視ユニットは、各電池セル3の状態(温度、電圧等)を監視する電池の電子式制御ユニットであり、電池セル3と多数の配線によって接続されている。
ケース2内の循環通路は、第1の分岐流路610、第1の沿壁通路611、第1の沿壁通路612、第2の分岐流路620、第2の沿壁通路621、第2の沿壁通路622、及び各電池間通路310、320においてケース2の内壁面に露出する通路を構成する。すなわち、循環通路は、ほぼすべての部分においてケース2の内壁面に連通している。
送風機4を運転すると、送風機4の吹出し部421から凸条部5に向けて送風される。凸条部5に達した空気は、凸条部5によって、第1の分岐流路610と第2の分岐流路620に分かれる。第1の分岐流路610を流れる空気は、底壁23に接触しながら側壁21へ向かって流れ、内側壁95の上流側端部950と側壁21との間から第1の沿壁通路611に流入する。一方、第2の分岐流路620を流れる空気は、底壁23に接触しながら側壁22へ向かって流れ、内側壁90の上流側端部900と側壁22との間から第2の沿壁通路621に流入する。
第1の沿壁通路611を流れる空気は、側壁21に接触しながら側壁24に向かって流れる。空気の一部は、第1の沿壁通路611を流れる途中で、隣接する内側壁間に設けられた4箇所の流出部から密閉空間の中央部側へ、すなわち電池セル3に向かって流出する。流出部から流出した空気は、送風機4の吸引力に導かれて各電池間通路310、320に流入して各電池セル3に接触しながら流下する。
第1の沿壁通路611から連絡用流出部を経て側壁24に達した空気は、側壁24に接触しながら第1の沿壁通路612を流れる。内側壁99の下流側端部991に達した空気は、内側壁99と内側壁94との間に設けられた流出部から第1の沿壁通路612を流出し、密閉空間の中央部側へ、すなわち電池セル3に向かって流出する。さらに空気は、送風機4の吸引力に導かれて各電池間通路310、320に流入して各電池セル3に接触しながら流下する。
また、第2の沿壁通路621を流れる空気は、側壁22に接触しながら側壁24に向かって流れる。空気の一部は、第2の沿壁通路621を流れる途中で、隣接する内側壁間に設けられた4箇所の流出部から密閉空間の中央部側へ、すなわち電池セル3に向かって流出する。送風機4の吸引力によって、流出部から空気が流出し、さらに各電池間通路310、320に流入して各電池セル3に接触しながら流下する。
第2の沿壁通路621から連絡用流出部を経て側壁24に達した空気は、側壁24に接触しながら第2の沿壁通路622を流れる。内側壁94の下流側端部941に達した空気は、内側壁94と内側壁99との間に設けられた流出部から第2の沿壁通路622を流出し、密閉空間の中央部側へ、すなわち電池セル3に向かって流出する。さらに空気は、各電池間通路310、320に流入して各電池セル3に接触しながら流下する。
このように循環空気は、密閉空間において、送風機4の出口から二手に分かれ、それぞれ、底壁23及び3つの側壁に接触する流れの過程を経てから、電池セル3に向かい、電池セル3を経由して送風機4に入口に戻る。すなわち、循環する空気は、各電池間通路310、320を流れるときに、バスバー300及び電極端子30や各電池セル3の外表面から吸熱して各電池セルを冷却する。各電池セル3を冷却した空気は、それぞれ、送風機4の吸引力によって吸込み部420に集められ、再び吹出し部421から吹き出される。吹出し部421から吹き出された循環空気は、凸条部5に至り、再び第1の分岐流路610と第2の分岐流路620に分かれる。第1の分岐流路610を流れる空気は、沿壁通路形成部材9に案内されて第1の沿壁通路611、612を流通し、第2の分岐流路620を流れる空気は、沿壁通路形成部材9に案内されて第2の沿壁通路621、622を流通する。
このように密閉空間を循環する空気は、各電池セル3との熱交換時に吸熱した熱を、第1の分岐流路610と第2の分岐流路620を流れる際に、側壁20、底壁23、第1の放熱促進部230を介してケース2の外部に放熱する。側壁20、底壁23、第1の放熱促進部230を通して放出された熱は、自然対流によってケース2の外部に放熱される。
さらに、空気は、第1の分岐流路610を経由して第1の沿壁通路611を流れる際に、沿壁通路形成部材9に案内されて側壁21に沿うように流れるので、側壁21の広範囲に接触しながら流れる。これによって、側壁21における側壁24寄りの壁面に接触する範囲が拡がり、側壁21、第2の放熱促進部210を介してケース2の外部に放熱する。さらに第1の沿壁通路612を流れる際に、沿壁通路形成部材9に案内されて側壁24に沿うように流れるので、側壁24の広範囲に接触しながら流れる。これによって、側壁24における中央寄りの壁面に接触する範囲が拡がり、側壁24を介してケース2の外部に放熱する。
また空気は、第2の分岐流路620を経由して第2の沿壁通路621を流れる際に、沿壁通路形成部材9に案内されて側壁22に沿うように流れるので、側壁22の広範囲に接触しながら流れる。これによって、側壁22における側壁24寄りの壁面に接触する範囲が拡がり、側壁22、第2の放熱促進部220を介してケース2の外部に放熱する。さらに第2の沿壁通路622を流れる際に、沿壁通路形成部材9に案内されて側壁24に沿うように流れるので、側壁24の広範囲に接触しながら流れる。したがって、側壁24において中央寄りの壁面に接触する範囲が拡がり、側壁24を介してケース2の外部に放熱する。
したがって、底壁23、側壁21、側壁22及び側壁24の全体が、密閉空間を循環する空気に移動した電池セル3の熱を外部に放出する際の放熱面として機能することになる。また、底壁23は、ケース2を形成する複数の壁面のうち、最も大きい表面積を有する壁面であることが好ましい。底壁23がケース2の壁面において表面積の最も大きい壁面であることにより、送風機4から送風された空気が最初に接触する壁部から外部への放熱効果を大きくすることができ、電池の効果的な冷却を実施できる。特に、送風機4から吹き出されたばかりの空気は、通気抵抗の影響を受けにくいため風量があまり低下していない。したがって、電池冷却装置1によれば、ケース2の壁面を介した輻射放熱に関して、広範囲における輻射放熱が行われて大きな放熱効果が得られるのである。
次に、第1実施形態の電池冷却装置1がもたらす作用効果について説明する。電池冷却装置1は、複数の壁面によって囲まれる密閉空間を形成して密閉空間に複数の電池セル3を収容するケース2と、密閉空間に収容され複数の電池セル3を冷却する流体をケース2の内部に循環させる流体駆動手段と、沿壁通路形成部材9とを備える。沿壁通路形成部材9は、ケース2を形成する複数の壁面のうち、少なくともひとつの壁面との間にケース2の壁面に沿う沿壁通路611、612、621、622を形成する。沿壁通路形成部材9は、流体駆動手段から流出して電池セル3に接触する前の流体が沿壁通路に流入する際に通る流入部と、流入部から流入して沿壁通路を流通する流体が沿壁通路から流出する際に通る流出部と、を有する。
この構成によれば、流体駆動手段から流出して電池セル3に接触する前の流体を、沿壁通路形成部材9によって、当該沿壁通路に流通させてケース2の壁面に接触させる流れを形成することができる。さらに、当該沿壁通路を流下する流体を流出部から流出させて電池セル3や他の壁面に向かわせることができる。このように、密閉空間を循環する流体をその循環流れの過程で、ケース2における広範囲の壁面にゆき渡せることが可能である。これにより、流体駆動手段から送られる流体が電池セル3に到達する前にケース2の壁面を介した輻射放熱を促進でき、また、複数個の電池セル3に対して広範囲に接触する流体流れを提供できる。したがって、従来技術に比べて、ケース2の外部への効率的な排熱が図れる電池冷却装置1を提供することができる。
また、沿壁通路形成部材9の流出部は、沿壁通路611、621を流通する流体が、当該沿壁通路を流出して、さらに隣接する壁面に沿って流れるように、当該隣接する壁面に直面する連絡用流出部を含む。この構成によれば、側壁22、21に接触しながら流れる流体をさらに側壁24にも接触させた後、電池セル3に向かわせる流体流れを形成できる。したがって、ケース2の壁を介した外部への放熱量を増加し、電池冷却装置1の放熱効果をさらに向上することができる。
また、沿壁通路形成部材9は、沿壁通路611、612、621、622から流体が流出する流出部を複数有する。この複数の流出部は、当該沿壁通路を流れる流体の流れ方向に間隔をあけて位置するように設けられる。この複数の流出部から流出した流体は、電池セル3に向けて流れる。この構成によれば、電池セル3と熱交換する前に、ケース2の壁に接触して外部への放熱を促進する流体流れを構築できるとともに、この流体流れの途中で一部の流体を電池セル3に向かわせることで電池との直接の熱交換による冷却を実施することができる。これにより、ケース壁を介した放熱と電池の直接的冷却とのバランスが図れる電池冷却装置1を提供できる。
また、沿壁通路形成部材9は、密閉空間を形成するケース2の少なくともひとつの壁面に対向するように、当該壁面から間隔をあけて設けられる内側壁90、91、92、93によって構成される。この構成によれば、ケース壁から間隔を設けて設置した当該内側壁によって、側壁22に沿って延びる沿壁通路621を構築することができる。したがって、当該内側壁の縦長さ、横幅長さ、位置、個数を設定することにより、ケース壁を介した放熱効果を所望の性能に設定可能な電池冷却装置1を提供できる。
さらに流出部は、ケース2の壁面から間隔をあけて設けられる内側壁に形成された開口部である。これによれば、当該内側壁に形成する開口部の個数、大きさ、場所を設定することにより、ケース壁を介した放熱量を調整容易な電池冷却装置1を提供できる。
また、沿壁通路は、複数の電池セル3を間において対向するように設けられるケースの壁面(例えば、側壁22、側壁21)のそれぞれに沿う通路(例えば、沿壁通路611、沿壁通路621)を含む。これによれば、流体駆動手段から流出して電池セル3に接触する前の流体を、互いに離れた位置にある2つの壁に接触させる流体流れを形成できる。したがって、ケース2の壁を介した外部への放熱量を増加し、電池冷却装置1の放熱効果をさらに向上することができる。さらに、流体が対向する壁に至る前にも、他の壁に接触させることが可能となるため、ケース2の壁を介した放熱量のさらなる増加が図れる。
また、電池冷却装置1は、さらに、複数の電池セル3を間において対向するように設けられるケース2の壁面の両方に隣接する他の壁面(例えば側壁24)に沿う沿壁通路612、622を備える。これによれば、流体駆動手段から流出して電池セル3に接触する前の流体を、互いに離れた位置にある2つの壁に接触させ、さらに両方に隣接する他の壁にも接触させる一連の流体流れを形成できる。したがって、ケース2の壁を介した外部への放熱量をさらに増加でき、さらなる放熱効果の向上が図れる。
また、ケース2の内部空間は密閉空間である。流体駆動手段は、複数の電池セル3とともに密閉空間に収容され、密閉空間において循環する流体の流れを発生させる。この構成によれば、ケース2内の密閉空間において流体を循環し、かき混ぜ続けるため、循環の過程でケース2のあらゆる壁面に流体を接触させることが可能である。このように、ケース2の外部との間で流体の出入りがなく、ケース2の壁に接触する冷却用流体を多くすることができるため、外部への放熱面として機能するケース2の表面積を大きくすることができる。したがって、複数の電池セル3からの発熱を、ケース2の壁面全体を用いて積極的に外部へ輻射放熱させることができる。また、外部への騒音の低減、ケース2内への埃、湿気等の侵入を防止することができる。
また、ケース2の密閉空間に形成された循環通路は、ケース2を形成する複数の壁面に囲まれている。このように、循環通路を取り囲むケース2の複数の壁面を放熱媒質として活用することができるので、外部への放熱面積を大きくでき、ケース2の外部へ放熱を促進することができる。これにより、電池セル3の発熱を効果的にケース2の外部に排熱する熱経路を構築するこができる。すなわち、ケース2の壁面全体を放熱面積として活用する効果的な電池冷却を実現できる。
また、複数流路形成手段によって分けられる当該複数の流路は、流体が互いに逆向きに流れる2つの流路(第1の分岐流路610と第2の分岐流路620)を含む。ここでいう流体が互いに逆向きに流れるとは、互いの流れのベクトルが180度の角度をなす場合ばかりでなく、互いに対向する2つのケース壁に向けて流体が流れるような向きに分かれる場合を含むものである。この構成によれば、流体駆動手段から送られたばかりの流体をケース2の内部空間において広範囲に供給することができる。したがって、複数の電池セル3からの発熱を、ケース2の広範囲わたる壁を介して積極的に外部へ輻射放熱させることができる。
また、複数流路形成手段は、ケース2の壁面から突出するように設けられた凸条部5で構成される。流体駆動手段から送られた流体は、凸条部5に向かって流れ、凸条部5によって少なくとも二方向に分かれて複数の流路を形成する。
この構成によれば、流体駆動手段から送られる流体を異なる二方向に分岐させて複数の流路を形成することを、ケース2の壁面に設けた突起物によって実現できる。したがって、複雑な構成、機構を要することなく、ケース壁を介した輻射放熱を実施できる。また、凸条部5等の突起物を集熱部として機能させることも可能である。
また、凸条部5は、互いに異なる方向に延びる少なくとも2つの傾斜面5aと傾斜面5bを有する。流体駆動手段から凸条部5に向かって流れた流体は、傾斜面5a及び傾斜面5bのそれぞれに沿って流れて少なくとも二方向に分かれる。
この構成によれば、傾斜面5a及び傾斜面5bに沿った流体流れの分岐を行うことにより、流通抵抗を抑制することができるため、流速低下が抑制された流体をケース2の壁に接触させることができる。したがって、密閉空間において流路を分岐する際に円滑な流体流れを形成できるので、ケース2の壁面を介した効果的な輻射放熱を実施できる。
また、凸条部5は、ケース2の一部を構成する底壁23から突出するように設けられる。流体駆動手段は、流体を凸条部5に向けて下方に送る。この構成によれば、流体駆動手段から送られる流体を異なる二方向に分岐させて複数の流路を形成することを、ケース2の底壁23に設けた突起物によって実現できる。したがって、複雑な構成、機構を要することなく、側壁を介した輻射放熱を実施できる。さらに、流体駆動手段から下方に向けて流体を送ることにより、重力を利用して流体を供給できる。これにより、流体の流速をあまり低下させることなく、ケース2の壁面に送ることができるので、ケース壁を介した輻射放熱量を大きくでき、優れた放熱効率に貢献できる。
また、ケース2は、凸条部5が設けられている壁面の裏側であって外部に露出する外表面に、外部に露出する表面積を拡大する第1の放熱促進部230を備える。この構成によれば、循環流体が、当該複数の流路を構成する第1の分岐流路610、第2の分岐流路620を流れる際に、底壁23を通じてケース2の外部に放熱する放熱経路を構築できる。このように、流体駆動手段から流出したばかりの流量が低下していない流体の熱を、底壁23を通して第1の放熱促進部230から放出できる。このため、高い輻射放熱効率を備えた電池冷却装置1を提供できる。
また、ケース2は、第1の放熱促進部230が設けられている外表面と隣接する他の面をなす側壁21、22に、外部に露出する表面積を拡大する第2の放熱促進部210、220をさらに備える。この構成によれば、流体駆動手段から送られた流体が電池セル3に接触する前に、ケース壁を介して第2の放熱促進部210、220から放出できる。このため、さらに高い輻射放熱効率を備えた電池冷却装置1を提供できる。
また、密閉空間を循環する流体が上記の互いに逆向きに流れる2つの流路(第1の分岐流路610と第2の分岐流路620)を流れる際に接触する壁面(底壁23)は、ケース2の複数の壁面のうち、最も大きい表面積を有する壁面であることが好ましい。この構成によれば、流体駆動手段から送られる勢いのある流体が最初に接触する壁面がケース2の壁面において表面積の最も大きい壁面である。これによれば、外部への放熱効果を大きくでき、さらなる電池冷却効果が図れる。なお、このケース2は、最も大きい表面積である壁面が一つである場合に限られず、複数ある場合も含まれるものとする。
(第2実施形態)
第2実施形態では、上記の各実施形態の他の形態である沿壁通路形成部材109について図4及び図5を参照して説明する。図4及び図5において、第1実施形態と同様の構成であるものは同一の符号を付し、同様の作用、効果を奏するものである。第2実施形態で特に説明しない構成、作用、効果については、上記の実施形態と同様である。以下、上記の実施形態と異なる点についてのみ説明する。上記の実施形態に係る沿壁通路形成部材9は、以下に説明する沿壁通路形成部材109に置き換えることが可能である。
第2実施形態の沿壁通路形成部材109は、密閉空間を形成するケース102において、少なくともひとつの壁面に一体に形成される部材である。沿壁通路形成部材109は、両端部が開口する筒状部材によって構成される。沿壁通路形成部材109は、筒状部材で構成されることにより、筒状体の内部に沿壁通路を形成する。各壁面に沿う沿壁通路は、少なくとも一つの通路であればよい。ケース102の壁面に対向する筒状部材の側壁には、流体の流出部としての複数個の貫通穴が形成されている。
一つの例として、図4及び図5に示すように、側壁22に一体に形成される沿壁通路形成部材109を説明する。沿壁通路形成部材109は、複数の筒状部材を一体にすることで、少なくともひとつの壁面に沿う複数の通路を形成する。複数の筒状部材は、それぞれ、両端部が開口する。この両端部間に、筒状体の軸方向に延びる通路が形成される。したがって、側壁22の内面側には、側壁20から側壁24に向かって延びる各通路が設けられ、各通路が、または複数個の通路が集まって沿壁通路621を構成している。このように沿壁通路形成部材109は、それ自体が側壁と一体に設けられて側壁と熱的に接続される通路を形成することにより、ケース102を形成する複数の壁面のうち、少なくともひとつの壁面との間に当該壁面に沿う沿壁通路を形成する部材を構成する。
沿壁通路形成部材109において、ケース102の壁面に対向する側壁には、流体の流出部としての複数個の貫通穴1090が形成されている。また、貫通穴1090は、流体の流れ方向に、あるいは筒状部材の軸方向に複数個並んで設けられている。したがって、側壁20側に位置する開口端から沿壁通路621に流入した流体は、その一部が途中で貫通穴1090から流出して電池セル3に向かい、残部が側壁24側に位置する開口端から流出して側壁24に向かって流下する。
第2実施形態の沿壁通路形成部材109によれば、筒状部材を側壁22に一体にして、その内部に沿壁通路621を構成するため、ケースの壁を補強できるとともに、ケース壁を介した放熱の表面積を増加することができる。さらに、筒状部材を構成する側壁によって、冷却流体が接触する面積を拡大することができるため、沿壁通路形成部材109に伝熱用のフィンとしての機能をもたせることができる。
(第3実施形態)
第3実施形態では、上記の実施形態の他の形態である電池冷却装置101について図6〜図8を参照して説明する。図6〜図8の各図において、第1実施形態と同様の構成であるものは同一の符号を付し、同様の作用、効果を奏するものである。第3実施形態で特に説明しない構成、作用、効果については、上記の実施形態と同様である。以下、上記の実施形態と異なる点についてのみ説明する。上記の第2実施形態に係る沿壁通路形成部材109は、第3実施形態の沿壁通路形成部材9に置き換えることが可能である。
第3実施形態の電池冷却装置101は、第1実施形態の電池冷却装置1に対して、密閉空間を形成するケース102の壁面に設けられ、流体駆動手段から流出された流体を電池セル3から遠ざかる方向に誘導する流体流れ誘導手段7、8をさらに備える。
流体流れ誘導手段7、8は、密閉空間を形成するケース102の壁面に設けられ、流体駆動手段から流出された流体を電池セル3から遠ざかる方向に誘導する機能を有する。流体流れ誘導手段7は、側壁22から突出し、側壁22と対面する位置関係にある複数の電池セル3から遠ざかる方向に延びる形状の3個の凸条部70、71、72によって構成される。流体流れ誘導手段8は、側壁21から突出し、側壁21と対面する位置関係にある複数の電池セル3から遠ざかる方向に延びる形状の3個の凸条部80、81、82によって構成される。電池冷却装置1は、複数の電池セル3を間において対向して設けられるケース102の壁面(側壁21、側壁22)のそれぞれから突出する複数の凸条部を備える。各凸条部は、側壁21、22に固着される別体の部品であってもよいし、一体成形等により、はじめから側壁21、22と一体に形成される同一の部品の一部であってもよい。
凸条部70、71、72、80、81、82は、それぞれ、複数に分割される形状であってもよい。例えば、各凸条部は、側壁20側から側壁24側に向けて斜め上方に連続して延びる一つの庇状の突出部であってもよいし、間隔をあけて設けられる複数の庇状の突出部であってもよい。このような複数の庇状の突出部は、並んで配置されることによって全体として流体を電池セル3から遠ざかる方向に誘導することができる。
各凸条部は、流体駆動手段の流体の流出部をなす送風機4の吹出し部421よりも上方に位置する。すなわち、各凸条部は、吹出し部421よりも高い位置に設けられている。凸条部70は、下端部701から、下端部701よりも吹出し部421からの距離が長い位置に設けられた上端部702まで連続して延びる帯状の突出部である。凸条部71は、下端部711から、下端部711よりも吹出し部421からの距離が長い位置に設けられた上端部712まで連続して延びる帯状の突出部である。凸条部72は、下端部721から、下端部721よりも吹出し部421からの距離が長い位置に設けられた上端部722まで連続して延びる帯状の突出部である。
各凸条部70、71、72は、各上端部702、712、722が電池セル3の外装ケースの上端に対して、上方に位置するように設けられている。また、各凸条部70、71、72は、各上端部702、712、722が電池セル3の外装ケースの上端と同じ高さに位置するように設けられる形態であってもよい。したがって、第2の沿壁通路621を流れる流体は、各凸条部70、71、72に案内されて、電池セル3の外装ケースの上端より高い位置にまで流れるようになる。
凸条部70、71、72は、ケース102の同一の壁面をなす側壁22に設けられている。図7に示すように複数個の凸条部70、71、72は、水平方向に並ぶように設けられている。凸条部70、71、72のそれぞれは、側壁22において、斜め上方に延びる軒状部分である。凸条部70、71、72は、互いに沿うように同一方向またはほぼ同一方向に延設されている。
凸条部70は、凸条部の中で、水平方向について吹出し部421から最も近い位置に設けられている。凸条部72は、凸条部の中で、水平方向について吹出し部421から最も遠い位置に設けられている。凸条部71は、凸条部70と凸条部72の間に設けられている。凸条部72は、複数個の凸条部の中で、下端部から上端部まで延びる長さが最も長い。
流体流れ誘導手段8を構成する凸条部80、81、82のそれぞれは、凸条部70、凸条部71、凸条部72に対応する関係にある。したがって、凸条部80は、上記した凸条部70と同様の特徴を有し、同様の作用効果を奏する。下端部801は下端部701に対し、上端部802は上端部702に対応する。また、凸条部81は、上記した凸条部71と同様の特徴を有し、同様の作用効果を奏する。下端部811は下端部711に対し、上端部812は上端部712に対応する。凸条部82は、上記した凸条部72と同様の特徴を有し、同様の作用効果を奏する。下端部821は下端部721に対し、上端部822は上端部722に対応する。
送風機4が運転されると、送風機4の吹出し部421から凸条部5に向けて送風される。凸条部5に達した空気は、凸条部5の機能によって、第1の分岐流路610と第2の分岐流路620に分かれる。第1の分岐流路610を流れる空気は、底壁23に接触しながら側壁21に到達し、第1の沿壁通路611に流入する。第1の沿壁通路611を流れる空気は、側壁21に接触しながら、複数の凸条部80、81、82によって誘導されて電池セル3から遠ざかる方向に流れる。一方、第2の分岐流路620を流れる空気は、底壁23に接触しながら側壁22に到達し、第2の沿壁通路621に流入する。第2の沿壁通路621を流れる空気は、側壁22に接触しながら、複数の凸条部70、71、72によって誘導されて電池セル3から遠ざかる方向に流れる。
第1の沿壁通路611を流れる空気は、流体流れ誘導手段8によって側壁20寄りの下部から側壁24寄りの上部に向けて側壁21に接触しながら斜めに上昇し、側壁24に向かって流れる。空気の一部は、第1の沿壁通路611を流れる途中で、隣接する内側壁間に設けられた4箇所の流出部であって、電池セル3の上端面よりも上方から送風機4の吸引力に導かれて内部空間の中央に向けて流れる。この流出部から流出した空気は、各電池間通路310、320に流入して各電池セル3に接触しながら流下する。
第1の沿壁通路611、連絡用流出部を経て側壁24に達した空気は、側壁24に接触しながら第1の沿壁通路612を流れる。内側壁99の下流側端部991に達した空気は、内側壁99と内側壁94との間に設けられた流出部から第1の沿壁通路612を出て、密閉空間の中央部側へ、すなわち電池セル3に向かって流出する。空気は、送風機4の吸引力によって各電池間通路310、320に流入して各電池セル3に接触しながら流下する。
第2の沿壁通路621を流れる空気は、流体流れ誘導手段7によって側壁20寄りの下部から側壁24寄りの上部に向けて側壁22に接触しながら斜めに上昇し、側壁24に向かって流れる。空気の一部は、第2の沿壁通路621を流れる途中で、隣接する内側壁間に設けられた4箇所の流出部であって、電池セル3の上端面よりも上方から送風機4の吸引力に導かれて内部空間の中央に向けて流れる。さらに空気は、流出部から流出し、各電池間通路310、320に流入して各電池セル3に接触しながら流下する。
第2の沿壁通路621、連絡用流出部を経て側壁24に達した空気は、側壁24に接触しながら第2の沿壁通路622を流れる。内側壁94の下流側端部941に達した空気は、内側壁94と内側壁99との間に設けられた流出部から第2の沿壁通路622を出て、密閉空間の中央部側へ、すなわち電池セル3に向かって流出する。そして、空気は、送風機4の吸引力に導かれて各電池間通路310、320に流入して各電池セル3に接触しながら流下する。
このようにケース102内の密閉空間を循環する空気は、各電池セル3との熱交換時に吸熱した熱を、第1の分岐流路610と第2の分岐流路620を流れる際に、底壁23、第1の放熱促進部230を介してケース102の外部に放熱する。底壁23、第1の放熱促進部230を通して放出された熱は、自然対流によってケース2の外部に放熱される。
さらに、空気は、第1の分岐流路610を経由して第1の沿壁通路611を流れる際に、流体流れ誘導手段8に案内されて電池セル3から遠ざかるように上方へ流れるので、側壁21の広範囲に沿って流れる。これによって、側壁21における側壁24寄りの壁面に接触する範囲が拡がり、側壁21、第2の放熱促進部210を介してケース102の外部に放熱する。また空気は、第2の分岐流路620を経由して第2の沿壁通路621を流れる際に、流体流れ誘導手段7に案内されて電池セル3から遠ざかるように上方へ流れるので、側壁22の広範囲に沿って流れる。これによって、側壁22における側壁24寄りの壁面に接触する範囲が拡がり、側壁22、第2の放熱促進部220を介してケース102の外部に放熱する。
次に、第3実施形態の電池冷却装置101がもたらす作用効果について説明する。電池冷却装置101は、ケース102内に流体流れ誘導手段7、8を備える。流体流れ誘導手段7、8は、密閉空間を形成するケース102の壁面に設けられ、流体駆動手段から流出された流体を電池セル3から遠ざかる方向に誘導する。
この構成によれば、流体流れ誘導手段7、8によって、ケース102の壁面に接触しながら電池セル3から離れるように誘導される流体流れを形成することができる。これにより、流体駆動手段から流出して電池セル3に接触する前のあまり流速が低下していない状態の流体を、ケース102において広範囲の壁にゆき渡せることができる。このため、流体駆動手段から送られる流体が電池セル3に到達する前にケース2の壁面を介した輻射放熱を促進できる。
また、流体流れ誘導手段7、8は、ケース2の壁面から突出するとともに電池セル3から遠ざかる方向に延びる形状の突出部によって構成される。この構成によれば、特別な構成を必要とせずとも流体流れ誘導手段7、8を実現できる。また、ケース102の壁面に突起物を設けることにより、流体流れ誘導手段7、8を実現できるため、別部品を管理する必要もなく、製造上有用である。また、上記形状の突出部は、流体が持つ熱を集熱する集熱板としても機能させることも可能であり、壁面を介した放熱に貢献することができる。
また、流体駆動手段における流体の流出部は、流体流れ誘導手段7、8をなす突出部よりも下方に位置する。当該突出部は、その下端部701、711、721から、当該下端部よりも流出部からの距離が長い位置に設けられた上端部702、712、722まで連続して延びる凸条部70、71、72である。この構成によれば、流体駆動手段から流出した流体が電池セル3に接触する前に、密閉空間において流体駆動手段の流出部から上方に向かう流れを形成することができる。そして、側壁21、22に接触しながら各下端部から各上端部へ延びる方向の流体流れを形成することができる。
また、凸条部70、71、72の上端部702、712、722は、電池セル3の外装ケースの上端に対して同じ高さまたは上方に位置する。この構成によれば、第2の沿壁通路621を流れる流体は、各凸条部70、71、72に案内されるため、電池セル3の外装ケースの上端より高い位置にまで流れるようになる。そして、外装ケースの上端よりも高く流れた流体は、送風機4の吸引力によって、密閉空間の上部から流れ落ちるように電池間通路310、電池間通路320へ流入する。このように、密閉空間において、上下方向に広範囲にわたる流体流れを形成することができる。さらに、上下方向に広範囲にわたって側壁21や側壁22に接触する流体流れを形成することができるため、側壁を介した放熱面積を大きくでき、放熱媒質として十分に活用することができる。
また、凸条部は、ケース102の同一の壁面に複数個設けられる。複数個をなす凸条部70、71、72は、水平方向に並ぶように設けられる。この構成によれば、ケース102の壁面に沿う流体流れを、凸条部を間においた層状に形成することができる。したがって、複数の層状流れが形成されることにより、側壁21、22に接触しながら電池セル3に対して遠ざかる方向に誘導する流体流れを促進することができる。
また、複数個の凸条部70、71、72のうち、水平方向について、流出部からの距離が最も長い位置にある凸条部72は、下端部721から上端部722まで延びる長さが複数個の凸条部70、71、72の中で最も長い。この構成によれば、流体駆動手段から最も離れている凸条部72によって、電池セル3に接触する前の流体を密閉空間において流体駆動手段から離れた場所まで誘導することができる。したがって、側壁21、22に接触しながら流れる流体を側壁24の近くにまでゆき渡らせることができるため、側壁を介した放熱面積を大きくでき、放熱媒質として十分に活用することができる。
また、凸条部は、電池セル3を間において対向して設けられるケース102の壁面(側壁21、側壁22)のそれぞれから突出する。この構成によれば、対向する2つの側壁21、22に接触しながら流れる流体を形成することができるため、側壁を介した放熱面積を十分に確保することができる。
(第4実施形態)
第4実施形態では、上記の実施形態の他の形態である電池冷却装置201について図9〜図11を参照して説明する。図9〜図11の各図において、第1実施形態と同様の構成であるものは同一の符号を付し、同様の作用、効果を奏するものである。第4実施形態で特に説明しない構成、作用、効果については、上記の実施形態と同様である。以下、上記の実施形態と異なる点についてのみ説明する。
電池冷却装置201は、複数の電池セル3からなる組電池と、組電池を収容するケース202と、ケース202内で流体を循環させる送風機4A、4Bと、を備える。電池冷却装置201は、電池パックとも呼ばれる。ケース202の内部には、2つの送風機4A、4Bが並んで搭載されている。2つの送風機4A、4Bは、流体駆動手段の一例である。
ケース202の内部には、送風機4A、4Bによって強制的に流れる流体の循環経路をなす循環通路500が形成されている。循環通路500は、ケース202の内部に形成され、流体が循環する通路である。循環通路500は、送風機4A、4Bにより送風された流体(例えば空気)が各電池セル3と熱交換した後、送風機4A、4Bに吸い込まれる一連の流体の主流経路をなす。すなわち、ケース202の内部において、流体が各送風機4A、4Bから流出する箇所は一箇所ずつであり、流体が各送風機4A、4Bに流入する箇所も一箇所ずつである。したがって、ケース202の内部の流体は、必ず送風機4A、4Bを経由して循環通路500を循環することになる。
循環通路500は、吸入通路54、吹出し通路55、天壁側通路50、電池通路56及び集合通路53を結ぶ一連の流通経路によって構成される。吹出し通路55は、送風機4A、4Bによって吐出される流体が通る流体吐出通路を構成する。吸入通路54、集合通路53は、吹出し通路55は、吹出し通路55から吐出された流体が複数の電池セル3と熱交換して冷却した後に流通する流体吸入通路を構成する。ケース202は、内部の空間を包囲する複数の壁からなる箱形を呈し、アルミニウム板または鉄板の成型品で形成される。ケース202は、例えば、6面(例えば、側壁22、21、20、24、天壁25、底壁23)を有するケースである。
複数の電池セル3は、ケース202の内部空間において複数のセル積層体を構成する。複数のセル積層体を構成する複数の電池セル3は、それぞれ所定の間隔をあけて設置され、隣り合う電池セル3間には、流体が流通可能な隙間である電池通路56が形成される。電池通路56は、セル間に設けられたスペーサ部材によって形成される。このスペーサ部材は、セル間に挟まれて支持されることにより、セル間に流体が上下方向に流れる通路を形成する。すなわち、各電池通路56は、セル間において、側壁22側及び側壁21側が閉じられて天壁25側が天壁側通路50に向けて開放し、底壁23側が集合ダクト63に接続されて、集合通路53に通じる。これにより、各電池通路56は、天壁25側で流体の入口部を備え、底壁23側で集合通路53に集まる流体の出口部を備える。
集合ダクト63は、各電池セル3の下流側端部(下端部)と、吸入用ダクト62内の吸入通路54とを繋ぐダクトである。集合ダクト63は、各電池通路56を流出した流体が底壁23に熱的に接続しうる集合通路53を形成する。換言すれば、集合通路53を流通する流体の熱は、底壁23へ移動しうる。
集合通路53は、各電池通路56の出口部から、吸入通路54までにわたって底壁23に平行に延びる通路であり、吸入用ダクト62及びダクト接続部材60を介して、送風機4A及び送風機4Bのそれぞれの吸込み部43に連通している。
天壁側通路50は、天壁25と複数の電池セル3との間に形成される天壁25に平行に延びる通路である。側壁側通路51は、天壁25及び底壁23の両方に直交する側壁22に平行に延び、複数の電池セル3と側壁22との間に形成される通路である。側壁側通路52は、天壁25及び底壁23の両方に直交し、側壁22に対向する側壁21に平行に延び、複数の電池セル3と側壁21との間に形成される通路である。
循環通路500に循環させる流体としては、例えば、空気、各種のガス、水、冷媒を用いることができる。ケーシング42は、内部にシロッコファン40の吸込み口に通じる吸込み部43を形成する。吸込み部43と吸入用ダクト62内の吸入通路54とは、ダクト接続部材60によって接続されて連通する。ダクト接続部材60は、ケーシング42と吸入用ダクト62とを連結するアタッチメントである。ダクト接続部材60は、直方体状のチャンバを内部に有しているため、循環流体の流通抵抗を低減することにも寄与している。
各送風機4A、4Bは、ファンの回転軸を天壁25や底壁23に沿う方向に配して、回転軸に沿う方向に流体を吸入し、遠心方向に吹き出すように設置されている。各送風機4A、4Bは、ケース202の側壁20にモータ41側、すなわち、吸込み部43とは反対側である背面側(モータ41側)を向けて設置されている。
ケーシング42の吹出し部には、循環通路500の一通路である吹出し通路55を形成する吹出し用ダクト61が接続されている。送風機4Aの吹出し通路55は、ファンの遠心方向であって、底壁23及び側壁22寄りでこの両方の壁に沿うように延びている。吹出し通路55は、沿壁通路形成部材209が形成する第2の沿壁通路に連絡する。したがって、送風機4Aによって吹出し通路55を通じて吹き出される流体は、側壁22に沿うように、第2の沿壁通路である側壁側通路51を側壁35に向けて進み、さらに側壁側通路51から天壁側通路50を中央部に向けて流れる。そして、流体は、送風機4Aの流体吸引力によって、各電池通路56に流入して下方に流れ、各電池通路56の下端部から集合通路53に流入するようになり、さらに流体は吸入通路54、吸込み部43を経て、各送風機4Aに必ず戻ってくる。
送風機4Bの吹出し通路55は、ファンの遠心方向であって、底壁23及び側壁21寄りでこの両方の壁に沿うように延びている。送風機4Bの吹出し通路55は、沿壁通路形成部材209が形成する第1の沿壁通路に連絡する。したがって、送風機4Bによって吹出し通路55を通じて吹き出される流体は、側壁21に沿うように、第1の沿壁通路である側壁側通路52を側壁35に向けて進み、さらに側壁側通路52から天壁側通路50を中央部に向けて流れる。そして、流体は、送風機4Bの流体吸引力によって、各電池通路56に流入して下方に流れ、各電池通路56の下端部から集合通路53に流入するようになり、さらに流体は吸入通路54、吸込み部43を経て、送風機4Bに必ず戻ってくる。
また、循環通路500を流れる流体は、各電池通路56を流れるときに、各電池セル3から吸熱したり、各電池セル3を加熱したりする。各電池セル3を冷却したり加熱したりした流体は、それぞれ、集合通路53に集められ、吸入通路54、吸込み部43を通して送風機4A、4Bのそれぞれに吸入される。また、流体は、ケース202内を循環する際に、正極端子、負極端子からなる電池セル3の電極端子や、異極端子間を電気的に接続するバスバーにも接触するため、電極端子やバスバーも伝熱手段の一つを構成しうる。
電池監視ユニットは、送風機4A、4Bの各モータ41に、最大電圧に対して0%〜100%に含まれる任意の値のデューティ比に制御した電圧を印加して、各ファンの回転数を可変させる。電池冷却装置201では、このデューティ制御によってファンの回転数を変化させることにより、各送風機4A、4Bによる風量を、多段階または無段階的に調節することができる。
沿壁通路形成部材209は、ケース202を形成する複数の壁面のうち、少なくともひとつの壁面との間にケース202の壁面に沿う沿壁通路を形成する。沿壁通路形成部材209は、第1の沿壁通路である側壁側通路52、第2の沿壁通路である側壁側通路51を形成する。沿壁通路形成部材209は、ケース202において、側壁21、22に一体に形成される部材である。沿壁通路形成部材209は、6面体からなる筒状部材によって構成される。沿壁通路形成部材209は、天壁25側から平面視して台形状である天井壁部130を備える。さらに沿壁通路形成部材209は、天井壁部130に対向する底壁部と、天井壁部130及び底壁部に直交する3面である壁部100、110、120を備える。
壁部100は、沿壁通路形成部材209の上流側端部に、側壁21や側壁22に対して交差するように設けられる壁部である。壁部120は、沿壁通路形成部材209の下流側端部に、側壁21や側壁22に対して交差するように設けられる壁部である。壁部110は、壁部100と壁部120とを連結し、側壁21や側壁22に対して平行に設けられる壁部である。
壁部100には、送風機4Aや送風機4Bから流出して電池セル3に接触する前の流体が沿壁通路に流入する際に通る複数の流入開口10が設けられている。複数の流入開口10は、底壁23から天壁25に向かう方向に並んでいる。各流入開口10は、天壁25や底壁23に平行な方向に細長いスリット状の開口部である。壁部110には、流入開口10から流入して沿壁通路を流通する流体が沿壁通路から流出する際に通る複数の流出開口11が設けられている。複数の流出開口11は、長手方向、すなわち電池セル3の積層方向に所定の間隔で並ぶように位置している。各流出開口11は、側壁21や側壁22に平行な方向に細長いスリット状の開口部である。
沿壁通路から、複数の流出開口11を通過して流出した流体は、ケース202内を中央部に向かって流れ、各電池通路56に流入する。このように沿壁通路形成部材209は、側壁20から側壁24に向かう方向に長手状であり、流入部及び流出部を備える筒状部材で構成されることにより、筒状体の内部に沿壁通路を形成する。
図11に図示する沿壁通路形成部材309は、沿壁通路形成部材209の他の形態である。沿壁通路形成部材309は、長手方向の両端の壁部に開口を有する筒状部材によって構成される。壁部120には、壁部100に形成された流入開口10と同様の形状と並び方向である複数の流出開口12が設けられている。流出開口12は、流入部から流入して沿壁通路を流通する流体が沿壁通路から流出する際に通る流出部を構成する。沿壁通路から、複数の流出開口11や複数の流出開口12を通過して流出した流体は、ケース202内を中央部に向かって流れ、各電池通路56に流入する。
電池冷却装置201は、送風機4A、4Bの吸引力によって吸い込まれるケース202の外部の流体を内部に導入する流体導入通路を備える。電池冷却装置201は、ケース202を形成する壁を貫通する通路であって、送風機4A、4Bから吐出された流体の一部がケース202の内部から外部へ排出される流体排出通路を備える。
送風機4A、4Bに吸い込まれる流体が通る流体通路は、流体吸入通路(吸入通路54、集合通路53)と流体導入通路(導入通路58)である。導入通路58は、ケース202の外部と各送風機とを連通させる通路である。例えば、導入通路58は、吸入通路54や集合通路53よりも通路横断面積が小さい通路である。導入通路58は、ダクト接続部材60に接続される給気用ダクト64の内部通路である。
給気用ダクト64の給気導入口は、ケース202の外部で開口している。給気用ダクト64は、ケース202の天壁25を貫通してダクト接続部材60の上部とケース202の外部とを接続する。送風機4A、4Bの吸引力によって、給気用ダクト64内に吸い込まれた流体は、導入通路58を通して送風機4A、4Bの各吸込み部43に導入され、吹出し通路55から吹き出されることで循環通路500を流れてケース202の内部に取り込まれる。
電池冷却装置201は、ケース202内で循環する流体の一部が外部に漏れ出る排出通路57を有する。排出通路57は、ケース202の内部と外部とを連通する通路である。流体排出通路(排出通路57)は、流体吐出通路(吹出し通路55)から吐出された流体が流体吸入通路(吸入通路54、集合通路53)に至る前に接触するケース202の壁に設けられる通路である。循環流体は、電池通路56を流通するときに圧力損失によって、流体の圧力が減圧されることになる。このため、高い圧力を有する吐出された流体が電池セル3と熱交換することによって減圧されてしまう前に、ケース202の壁を貫通する排出通路57から高圧の流体を排出する。
第4実施形態の電池冷却装置201は、側壁24を貫通する通路である排出通路57を備える。また、後述の第6実施形態で説明する図14に図示するように、排出通路57は、側壁24において、電池セル3の外装ケースよりも高い位置、すなわち、天壁25に近い高さの位置に設けられている。
図9に示すように、排出通路57は、送風機4A、4Bが並ぶ方向について各送風機4A、4Bの吹出し通路55の中間に位置するように側壁24に設けることが好ましい。この構成によれば、2つの送風機4A、4Bからの吐出流体を一方に偏ることなく、排出通路57からバランスのとれた流量で排出させることができるからである。このように、排出通路57は、ケース202を形成する壁のうち、吹出し通路55との間に複数の電池セル3が位置するように設けられた壁(側壁24)を貫通する通路である。
電池冷却装置201は、ケース202の内部の熱を外部に効率的に放出するために、ケース202内における循環流体の形成と、外部流体のケース202内への導入量の確保とを実現する。外部流体の導入量は、排出通路57と導入通路58との圧力差を高めることによって、向上することができる。このため、電池冷却装置201では、導入通路58を通じた外部流体の導入量を確保するために、排出通路57は、吸入通路54や集合通路53よりも流体圧力が高圧となる部位に設けられている。
吸入通路54や集合通路53よりも流体圧力が高い部位とは、吐出通路(吹出し通路55)から吐出された流体が、電池通路56に流入する前に接触するケース202の壁に排出通路57を設けることを意味する。この流体圧力が高い部位は、吹出し通路55から吐出された流体が電池セル3と熱交換する前に接触するケース202の天壁25、側壁22、側壁21、側壁24における任意の部位に相当する。
電池冷却装置201は、導入通路58が車両の車室内に通じるように設置されている。給気用ダクト64は、その流体流入部が車室内に位置するように延びている。例えば、給気用ダクト64は、車室内の内装部材を貫通して車室内に通じるように設けられたり、車室内の側部に這わすように設けられたりする。したがって、導入通路58を通して送風機4A、4Bが吸い込む流体は、車室内の空気である。
車両には、車室内を空調する空調装置が搭載されている。したがって、導入通路58は、ケース202の周囲温度よりも低温である、外気または車室内の空気(内気)をケース202内に導入する通路である。この電池冷却装置201によれば、空調された車室内空気を流体導入通路を通してケース202内に導入することができるため、流体排出通路から排出される空気との温度差を大きくすることができる。したがって、このように温度差が大きくなることによって外部への放熱量を増加できるため、電池冷却装置201の冷却性能をさらに向上させることができる。
また、循環通路500を循環する過程で流体は、側壁22、側壁21、天壁25、底壁23等に接触する。循環流体は、側壁側通路51、52を流れる際に、電池セル3との熱交換の前に、側壁22、側壁21を通してケース202の外部に放熱する。また、循環流体は、天壁側通路50を流れる際に、電池セル3との熱交換の直前に、天壁25を通してケース202の外部に放熱する。側壁22、側壁21、天壁25等を通して放出された熱は、自然対流によってケース202の外部に放熱される。したがって、天壁25の全体、側壁22、21の全体が、ケース202内の電池セル3の熱を外部に放出する際の放熱面として機能することになる。
次に、第4実施形態の電池冷却装置201がもたらす作用効果について説明する。沿壁通路形成部材209は、複数の電池セル3の側方を覆うように、ケース202を形成する壁面の一つである側壁21、22と一体に設けられる。
沿壁通路形成部材209によれば、中空構造の筒状部材を側壁21や側壁22に一体にして、その内部に沿壁通路を構成するため、ケース202の壁を補強できるとともに、ケース202の壁を介した放熱の表面積を増加することができる。沿壁通路形成部材209は、側壁21や側壁22の長辺方向に広く連続して設けられているため、ケース202自体の剛性を大きく向上させることができる。この剛性向上の効果によれば、例えば、電池冷却装置201を車両に搭載した場合に、車両の衝突から、組電池を保護する能力を高めることができる。
また、沿壁通路形成部材209によれば、冷却流体を側壁側通路51や側壁側通路52に確実に沿わせる流れを形成することができる。このため、冷却流体が接触する面積を拡大することができるため、沿壁通路形成部材209に伝熱用のフィンとしての機能をもたせることができる。
(第5実施形態)
第5実施形態では、第4実施形態の他の形態である沿壁通路形成部材409、509について図12及び図13を参照して説明する。図12及び図13の各図において、第1実施形態と同様の構成であるものは同一の符号を付し、同様の作用、効果を奏するものである。第5実施形態で特に説明しない構成、作用、効果については、上記の実施形態と同様である。以下、上記の実施形態と異なる点についてのみ説明する。
沿壁通路形成部材409は、図12に図示するように、側壁20から側壁24に向かう方向に複数個並べたユニット部材4090から構成される。各ユニット部材4090は、第4実施形態の長手状の沿壁通路形成部材309の長手方長さを短くしたような形状である。したがって、各ユニット部材4090は、側壁側通路52の一部や側壁側通路51の一部を構成し、沿壁通路形成部材409を構成する複数個のユニット部材4090は、側壁側通路51や側壁側通路52のほぼ全体を占める。
ユニット部材4090は、沿壁通路形成部材209と同様の6面体からなる壁部を有する筒状部材によって構成される。天井壁部130には、流入開口10から流入して、沿壁通路であるユニット部材4090の内部を流通する流体が流出する際に通る複数の流出開口13が設けられている。複数の流出開口11は、電池セル3の積層方向に所定の間隔で並ぶように位置している。
吹出し通路55から流出した流体は、複数の流入開口10からユニット部材4090の内部に流入して沿壁通路を流れ、その一部が複数の流出開口13から上方へ流出する。複数の流出開口13を通過して流出した流体は、ケース202内を中央部に向かって流れ、各電池通路56に流入する。また、ユニット部材4090内の沿壁通路を流れる流体の残部は、複数の流出開口12から流出して、隣接するユニット部材4090の複数の流入開口10からユニット部材4090の内部に流入する。さらに、この隣接するユニット部材4090では、同様に流体の一部が複数の流出開口13から上方へ流出し、残部が複数の流出開口12から流出して、隣接するユニット部材4090の複数の流入開口10からユニット部材4090の内部に流入する。これを繰り返して、流体は、沿壁通路を側壁24に向かって流通し続ける流れと、途中で、ケース202内を中央部に向かって流れる流れを形成する。
図13に図示する沿壁通路形成部材509は、沿壁通路形成部材409の他の形態である。各ユニット部材5090は、壁部110にも流出開口11を有する。したがって、各ユニット部材5090において、流体の流出部は、複数の流出開口13と流出開口11とが相当する。
(第6実施形態)
第6実施形態では、上記の実施形態の他の形態である電池冷却装置301について図14及び図15を参照して説明する。図14及び図15の各図において、第4実施形態と同様の構成であるものは同一の符号を付し、同様の作用、効果を奏するものである。第6実施形態で特に説明しない構成、作用、効果については、上記の実施形態と同様である。以下、上記の実施形態と異なる点についてのみ説明する。
電池冷却装置301は、天壁側通路50を第2の沿壁通路とする沿壁通路形成部材609を備える。沿壁通路形成部材609は、ケース302において、天壁25に一体に形成される部材である。沿壁通路形成部材609は、扁平状の直方体からなる筒状部材によって構成される。沿壁通路形成部材609は、天壁25と平行に設けられる壁部140を備える。沿壁通路形成部材609は、天壁25において、組電池の上方全体を覆うように設けられている。さらに沿壁通路形成部材209は、壁部140及び天壁25の両方に直交してこれらを連結する側壁を備え、壁部140と天壁25との間に扁平直方体状の第2の沿壁通路150を形成する。
壁部140には、送風機4Aや送風機4Bから流出して電池セル3に接触する前の流体が第2の沿壁通路150に流入する際に通る複数の流入開口14Aが設けられている。複数の流入開口14Aは、側壁22側と側壁22側のそれぞれにおいて、側壁20から側壁24に向かう方向に並ぶように設けられている。
さらに、壁部140には、各流入開口14Aから流入して第2の沿壁通路150を流通する流体が流出する際に通る複数の流出開口14Bが設けられている。複数の流出開口14Bは、側壁22側と側壁22側のそれぞれにおいて、複数の流入開口14Aよりも内側に側壁20から側壁24に向かう方向に並ぶように2列設けられている。
第2の沿壁通路150から、複数の流出開口14Bを通過して流出した流体は、ケース202内を下方に向かって流れ、各電池通路56に流入する。このように沿壁通路形成部材609は、天壁25において組電池を覆うように設けられた、流入部及び流出部を備える筒状部材で構成されることにより、筒状体の内部に沿壁通路を形成する。
第6実施形態の沿壁通路形成部材609によれば、中空構造の筒状部材を天壁25に一体にして、その内部に沿壁通路を構成するため、ケース302の壁を補強できるとともに、天壁25を介した放熱の表面積を増加することができる。沿壁通路形成部材609は、天壁25の長辺方向に広く連続して設けられているため、ケース302自体の剛性を大きく向上させることができる。この剛性向上の効果によれば、例えば、電池冷却装置301を車両に搭載した場合に、車両の衝突から、組電池を保護する能力を高めることができる。
また、沿壁通路形成部材609によれば、冷却流体を天壁側通路50に確実に沿わせる流れを形成することができる。このため、冷却流体が接触する面積を拡大することができるため、沿壁通路形成部材609に伝熱用のフィンとしての機能をもたせることができる。
(他の実施形態)
上記の実施形態では、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は上記した実施形態に何ら制限されることなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲において種々変形して実施することが可能である。上記実施形態の構造は、あくまで例示であって、本発明の範囲はこれらの記載の範囲に限定されるものではない。本発明の範囲は、特許請求の範囲の記載によって示され、さらに特許請求の範囲の記載と均等の意味および範囲内での全ての変更を含むものである。
上記実施形態では、沿壁通路形成部材9、109の流出部は、沿壁通路を流れる流体が電池セル3やケース2、102の壁面に向かって流れ出る出口部として説明している。これらの流出部は、流体が沿壁通路から流出するだけに限定されない。例えば当該流出部は、その位置、流体の循環流量によっては、流体が流入する部分となることもある。
上記実施形態における流体駆動手段のファンには、シロッコファンの他、軸流ファン、ターボファン、クロスフローファン等を用いることができる。
上記実施形態のケースにおいて、最も表面積の大きいケースの壁は、ケースの底壁、天壁に相当するが、当該壁面は、この壁に限定されず、側壁面やその他の面であってもよい。
上記実施形態における、第1の放熱促進部230、第2の放熱促進部210、220は、図示するフィンの形態に限定されるものではない。各放熱促進部230、210、220は、壁の内面を通過する流体から伝わる熱を、壁の外表面からの外部放熱よりも大量に放出可能な構成であれば、種々の形態を適用できる。各放熱促進部は、フィンでなくてもよく、例えば、内部空気よりも低温の流体を壁の外表面に間接的または直接的に接触させることによる熱交換方式であってもよい。
上記実施形態におけるバスバー300には、電池セル3の放熱手段として、放熱面積を拡大するフィンを設けるようにしてもよい。このフィンは、バスバー300を構成する銅部材等を鍛造したり切り起こしたりして形成することができる。また、バスバー300に別体のフィンを接合、例えば溶接するようにしてもよい。
上記実施形態において、流体流れ誘導手段7、8をなす各凸条部は、ケース102の側壁から突出する突出部である。本発明の流体流れ誘導手段をなす各凸条部は、ケース102の天壁や底壁から突出する突出部を含むものである。つまり、各凸条部は、下方または上方に突出する突出部も含まれる。
本発明の含まれる電池冷却装置の他の形態として、第4実施形態の沿壁通路形成部材または第5実施形態の沿壁通路形成部材と、第6実施形態の沿壁通路形成部材との両方を有する装置を適用することもできる。
また、本発明に含まれる電池冷却装置の他の形態として、上記の第4実施形態〜第6実施形態の沿壁通路形成部材と、第1実施形態の流体駆動手段とを組み合わせた装置を適用することもできる。
1、101、201、301…電池冷却装置、 2、102、202、302…ケース、
3…電池セル(電池)、 4…送風機(流体駆動手段)、
9、109…沿壁通路形成部材、
20、21、22、24…側壁(壁面、ケースの壁面)、
23…天壁(壁面)、 25…底壁(壁面)、
611、612…第1の沿壁通路、 621、622…第2の沿壁通路、
900、950…上流側端部(流入部)、
901、911、921、931、941…下流側端部(流出部)

Claims (11)

  1. 電気的に接続される複数の電池(3)と、
    複数の壁面(20、21、22、23、24、25)によって囲まれる内部空間を形成して前記複数の電池を収容するケース(2;102;202;302)と、
    前記ケースに収容され、前記複数の電池を冷却する流体を前記ケースの内部に循環させる流体駆動手段(4)と、
    前記ケースを形成する前記複数の壁面のうち、少なくともひとつの壁面との間に当該壁面に沿う沿壁通路(611、612、621、622)を形成する沿壁通路形成部材(9;109)と、
    を備え、
    前記沿壁通路形成部材は、前記流体駆動手段から流出して前記電池に接触する前の前記流体が前記沿壁通路に流入する際に通る流入部(900、950)と、前記流入部から流入して前記沿壁通路を流通する前記流体が前記沿壁通路から流出する際に通る流出部(901、911、921、931、941)と、を有することを特徴とする電池冷却装置。
  2. 前記流出部は、前記沿壁通路(621)を流通する前記流体が、前記沿壁通路(621)を流出して、さらに隣接する他の前記壁面(24)に沿って流れるように、前記隣接する他の前記壁面に直面する連絡用流出部(931)を含むことを特徴とする請求項1に記載の電池冷却装置。
  3. 前記沿壁通路形成部材は、前記流出部を複数有し、
    前記複数の流出部は、前記沿壁通路を流れる前記流体の流れ方向に間隔をあけて位置するように設けられ、
    前記複数の流出部から流出した前記流体は、前記電池に向けて流れることを特徴とする請求項1または2に記載の電池冷却装置。
  4. 前記沿壁通路形成部材は、前記ケースの少なくともひとつの壁面に対向するように、前記壁面から間隔をあけて設けられる内側壁(90、91、92、93)によって構成されることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の電池冷却装置。
  5. 前記流出部は、前記内側壁に形成された開口部であることを特徴とする請求項4に記載の電池冷却装置。
  6. 前記沿壁通路形成部材は、前記ケースの少なくともひとつの壁面に一体に形成され、前記流入部及び前記流出部をそれぞれ構成する開口(1090;10、11;10、11、12;10、12、13;14A、14B)を有する筒状部材(109;209;309;409;509;609)によって構成されることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の電池冷却装置。
  7. 前記筒状部材は、前記複数の電池(3)の上方を覆うように、前記ケース(302)を形成する壁面の一つである天壁(25)と一体に設けられることを特徴とする請求項6に記載の電池冷却装置。
  8. 前記筒状部材は、前記複数の電池(3)の側方を覆うように、前記ケース(202)を形成する壁面の一つである側壁(21、22)と一体に設けられることを特徴とする請求項6に記載の電池冷却装置。
  9. 前記沿壁通路は、前記複数の電池を間において対向するように設けられる前記ケースの壁面(21、22)のそれぞれに沿う通路(611、621)を含むことを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の電池冷却装置。
  10. 前記複数の電池を間において前記対向するように設けられる前記ケースの壁面(21、22)の両方に隣接する他の前記壁面(24)に沿う前記沿壁通路(612、622)をさらに備えることを特徴とする請求項9に記載の電池冷却装置。
  11. 前記沿壁通路(611、621)に設けられ、前記流体駆動手段から流出して前記電池に接触する前の前記流体を前記電池から遠ざかる方向に誘導する流体流れ誘導手段(7、8)を備え、
    前記流体流れ誘導手段は、前記ケースの壁面(22、21)から突出するとともに前記電池から遠ざかる方向に延びる形状の突出部(70、71、72;80、81、82)によって構成されることを特徴とする請求項1から10のいずれか一項に記載の電池冷却装置。
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