JP2015060637A - 鉄系超伝導線材の製造方法 - Google Patents

鉄系超伝導線材の製造方法 Download PDF

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熊倉 浩明
Hiroaki Kumakura
浩明 熊倉
松本 明善
Akiyoshi Matsumoto
明善 松本
召順 高
Zhaoshun Gao
召順 高
戸叶 一正
Kazumasa Togano
一正 戸叶
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Abstract

【課題】 組成が(Ba,K)Fe2As2および(Sr,K)Fe2As2で代表される、いわゆる122系超伝導体に関し、クラックの発生が少なく、優れたJC特性を実現する製造方法を提供すること。【解決手段】 122系鉄系超伝導体の粉末を銀管の中に充填した後に線材化を行う鉄系超伝導線材の製造方法であり、平ロール圧延とその後の熱処理を行う工程を含むとともに、少くとも最終の該工程での平ロール圧延は、次式(1)(2)h1<4?10−3R (1)h1/h2=0.6〜0.9 (2)(式中のh1は圧延後のテープ厚、h2は圧延前のテープ厚、Rは圧延ロールの半径を示す。)を満足する条件下において行う。【選択図】 図1

Description

本発明は、鉄系超伝導線材の製造方法に関する。
2008年に発見された鉄系超伝導体は、臨界温度(T)が高く、しかも臨界磁界(HC2)も高いため、高磁場発生用の超伝導線材としての応用が期待されるものであり、PIT(Powder-in-tube)法などによる線材化が試みられている。この線材化においては、超伝導状態で流し得る最大の電流密度である臨界電流密度(J)の向上が課題の一つになっている。
PIT法では、通常、原料粉末を銀などの金属管に詰めた後、線材加工(機械加工)や熱処理を繰り返し行うのが一般的である。鉄系の超伝導線材については、本発明の発明者らは、下記非特許文献1に、銀管を用いたPIT法による(Ba,K)FeAs+Ag線材の作製を報告している。
そして、たとえばテープ材では平ロール圧延と熱処理を何回か繰り返すことにより超伝導体の充填率を向上させて高いJ特性を得るようにしている。
しかしながら、平ロール圧延を繰り返すと、テープの厚さ方向の不均一変形による剪断応力によって長手方向に直角な微細なクラックが入りやすく、発生するクラックは、線材の長手方向に電流が流れるのを阻害する。このため、現状、鉄系超伝導体については、超伝導状態で流し得る臨界電流密度(J)が十分に高くなく、Jの向上が、鉄系超伝導体の実用化に急務とされている。
松本明善他,“Microstructure and superconducting properties of Ag-sheathed (Ba,K)Fe2As2+Ag superconducting wires fabricated by an ex situ powder-in-tube process”,Supercond. Sci. & Technol., 25(2012)125010
本発明は、以上のとおりの事情に鑑みてなされたものであり、鉄系超伝導体の内、T〜38Kであり、組成が(Ba,K)FeAsおよび(Sr,K)FeAsで代表される、いわゆる122系超伝導体に関し、高い充填率とクラック等の欠陥の少ない材料組織を有し、これによって優れたJ特性を実現する製造方法を提供することを課題としている。
上記の課題を解決するために、本発明者らは、122系超伝導線材の製造方法について検討を進めた結果、平ロール圧延により順次にテープ厚を薄くしてくと、一旦発生したクラックが消滅し、Jが大幅に上昇する場合があるとの事実を見出した。この事実について解析、検討を深めることで、本発明者は、圧延を進めてテープ厚が薄くなると、圧延ロールとテープ厚との関係で、相対的に圧延ロール径が大きくなることに相当し、所要の条件下では、ロール圧延による不均一変形が軽減されて一旦発生したクラックの消滅が促されるとの知見を得た。
本発明は以上の知見を踏まえたものであって、
組成が(Ba1−X)FeAs(0<x<1)
または(Sr1−X)FeAs(0<x<1)で
示される122系鉄系超伝導体の粉末を銀管の中に充填した後に線材化を行う鉄系超伝導線材の製造方法であり、平ロール圧延とその後の熱処理を行う工程を含むとともに、少くとも最終の該工程での平ロール圧延は、次式(1)(2)
<4×10−3R (1)
/h=0.6〜0.9 (2)
(式中のhは圧延後のテープ厚、hは圧延前のテープ厚、Rは圧延ロールの半径を示す。)
を満足する条件下において行うことを特徴とする。
上記方法においては、ロールとテープが接触している部分の長さは圧延後のテープ厚(h)の5.3倍以上であることが好ましい。
また、熱処理は700℃〜900℃の温度範囲で行うことが好ましい。
本発明の鉄系超伝導線材の製造方法によれば、高い充填率とクラック等の欠陥の少ない材料組織を有し、これによって優れたJ特性を実現することが可能となる。
本発明での平ロール圧延時の概要断面図である。 実施例としての線材テープのPIT法での作製工程を示した概要図である。 実施例での厚み0.4mmの線材テープの光学顕微鏡組織図である。 実施例での厚み0.27mmの線材テープの光学顕微鏡組織図である。
本発明の122系鉄系超伝導線材の製造方法では、前記のとおり、その組成において122系の鉄系超伝導体の線材が製造の目的対象となる。この製造方法では、
<A>平ロール圧延とその後の熱処理を行う工程を含むこと
<B>少くとも最終の平ロール圧延とその後の熱処理の工程での平ロール圧延は特有の条件下に行うこと、すなわち、前記式(1)(2)を満足する条件下とすること
を必須としている。
ここで式(1)(2)の条件について図1に沿って説明すると、まず、式(1)のように、圧延後のテープ厚hは、ロール半径Rとの関係において、
<4×10−3
を満たすことである。そして、圧延前のテープ厚hとの関係においては、圧延後のテープ厚hは、式(2)のように、
/h=0.6〜0.9
の範囲内にあるようにすることである。
この式(1)(2)は、数多くの実験的検証の結果から導かれたものである。
通常の平ロール圧延では、テープ長手方向に直角の方向のクラックが発生しやすい。このクラックは、J性能の向上を難しくする。しかしながら、図1において圧延ロールの半径Rを一定として圧延時のテープとの接触面積Sに注目すると、この接触面積Sのコントロールにより変形は均一化されてクラックの発生が抑制され、しかも圧縮応力が働いて一旦発生していたクラックも消滅する。
接触面積Sは、テープ幅wとの関係において、
S=w(R(h−h))1/2
と近似することができ、テープの圧延前後の厚さh、hとの関係となる。そして、圧延ロールとテープが接触している部分のテープ長さ方向の長さS/wと、テープ厚との関係も考慮されることになる。ここから、数多くの実験的検証により、少くとも最終の平ロール圧延では、前記式(1)(2)が重要な操作指針として得られる。
たとえば、実験検証の一部について説明すると、平ロール半径R=75mmで、h/h=0.9の場合、圧延後のテープ厚hが0.3mm以下であればクラックが消滅してJが大きく向上する。
ここから、式(1)のh<4×10−3Rが導かれる。また、実際条件としてh/h=0.6〜0.9が望ましいことがわかる。
また、h=0.3mmの時
ロールとテープが接触している部分のテープ長手方向の長さS/wはh/h=0.9を考慮すると、
S/w=(Rh/9)1/2
となり、
S/w=1.58mmとなる。
すると
この接触している部分の長さS/wとテープ厚さの比S/w÷h=1/3(R/h1/2=1.58/0.3=5.3すなわち、クラックが消滅する場合のテープ厚においては、ロールとテープが接触している部分の長さはテープ厚の5.3倍以上ということになる。
本発明においては、複数回の平ロール圧延とその後の熱処理の工程を行うことができ、また、平ロール圧延以外の溝ロール、スウェージ加工や、プレス加工の工程を適宜に組合わせてもよい。
最終の平ロール圧延の工程以外では、テープ材の減面率は30〜90%程度とすることができる。これら工程でも、その後には熱処理を行うことが望ましい。
本発明においては、熱処理は700℃〜900℃の温度範囲において1〜15時間程度を考慮することができる。
以下、実施例を示し、さらに詳しく説明する。もちろん、本発明は以下の例によって限定されることはない。
図2に本発明におけるテープ作製法を示す。(Ba,K)FeAs超伝導体を、構成元素の混合体をボールミルならびに熱処理することによって合成した。次にこれを粉末状にし、銀管(外径6mm、内径4mm)に詰めて、溝ロール法およびスウェージ加工法によって約2mm径の線材に加工し850℃、10時間の熱処理を施して超伝導線材を作製した。この線材について、四端子抵抗法により液体ヘリウム温度(4.2K)において磁場中で臨界電流(I)の測定を行った。磁場は線材の軸に垂直に印加した。次に図2に示すように、この線材を平ロール圧延機によって厚さ0.6−0.7mmのテープ状に加工したのち、再び850℃で2時間の熱処理を施した。次にこのテープを再び平ロール圧延機によって0.40−0.20mmの最終のテープ厚さにまで加工し850℃、4時間の熱処理を行った後に、4.2KにおいてIの測定を行った。磁場はテープ面に平行、テープ長手方向に垂直に印加した。平ロール圧延は、図2のように一回のロール圧延について、圧延前の厚さをh、圧延後の厚さをhとしてh/h≒0.9となるようにロール間隔を設定した。各圧延段階におけるテープの超伝導部分の断面積を求め、Iをこの断面積で除して臨界電流密度Jを得た。
最終テープ厚さが0.40mm、0.27mmの時の4.2K、10T(テスラ)の磁界でのJを表1に示す。またI測定の後、これらのテープ試料を研磨して光学顕微鏡によって微細組織を観察した結果を図3、図4に示す。Jが最も高い0.27mm厚のテープではほとんど微細なクラックが認められなかったのに対し、テープ厚0.40mmのテープではテープ長手方向と直角に微細なクラックがかなり存在するのが確認され、このクラックが超伝導電流の流れを阻害するために0.27mm厚のテープに比べてJが大幅に低くなっていると考えられる。

Claims (3)

  1. 組成が(Ba1−X)FeAs(0<x<1)
    または(Sr1−X)FeAs(0<x<1)で
    示される122系鉄系超伝導体の粉末を銀管の中に充填した後に線材化を行う鉄系超伝導線材の製造方法であって、平ロール圧延とその後の熱処理を行う工程を含むとともに、少くとも最終の該工程での平ロール圧延は、次式(1)(2)
    <4×10−3R (1)
    /h=0.6〜0.9 (2)
    (式中のhは圧延後のテープ厚、hは圧延前のテープ厚、Rは圧延ロールの半径を示す。)
    を満足する条件下において行うことを特徴とする鉄系超伝導線材の製造方法。
  2. ロールとテープが接触している部分の長さは圧延後のテープ厚(h)の5.3倍以上であることを特徴とする請求項1に記載の鉄系超伝導線材の製造方法。
  3. 熱処理は700℃〜900℃の温度範囲で行うことを特徴とする請求項1または2に記載の鉄系超伝導線材の製造方法。
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