JP2015059604A - 自動変速装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】小型化、簡略化、コストダウンができる自動変速装置を提供する。【解決手段】実施形態に係る自動変速装置10は、第1シャフトに複数備えられた第1ギアと、第2シャフトに複数備えられたギアであって、第1ギアのいずれかと噛み合いギア比の異なるギア対を成す第2ギアと、ギア対のそれぞれに対して、当該ギア対を介して第1シャフトと第2シャフトとの間でトルクを伝達する伝達状態と、トルクを非伝達とする非伝達状態とを切り替える第1ドグクラッチ34、第2ドグクラッチ40、第4ドグクラッチ62を備える。そして、車両の停車時に第1ドグクラッチ34、第2ドグクラッチ40、第4ドグクラッチ62を制御してギア対のうち少なくとも2対を伝達状態に切り替えるECU92を備える。【選択図】図1

Description

本発明の実施形態は、自動変速装置に関する。
車両には、停車した際にその停車状態の維持を行うためのパーキング機構を備えるものがある。例えば自動変速機を有する車両では、当該自動変速機の出力シャフトを回転不可能なロック状態と、回転可能なアンロック状態とを切り替えるパーキング機構を備えたものが知られている。
特許第4400652号公報
自動変速機に備えられたパーキング機構は、車体側に設けられたパーキング用の可動爪部材の位置をアクチュエータ等により移動させて、自動変速機の出力シャフトに固定されたパーキングギアと噛み合うロック状態と、噛み合わないアンロック状態とを実現しているものが一般的である。車両においては、構成部品の小型化や簡略化、コストダウン等が要求されており、その要求を実現する一手段としてパーキング機構を見直すことが好ましい。
実施形態に係る自動変速装置は、第1シャフトに備えられた複数の第1ギアと、第2シャフトに複数備えられたギアであって、前記第1ギアのいずれかと噛み合いギア比の異なるギア対を成す複数の第2ギアと、前記ギア対のそれぞれに対して、当該ギア対を介して前記第1シャフトと前記第2シャフトとの間でトルクを伝達する伝達状態と、トルクを非伝達とする非伝達状態とを切り替える切替機構と、車両の停車時に前記切替機構を制御して前記ギア対のうち少なくとも2対を前記伝達状態に切り替えるギア制御部と、を備える。この態様によると、ギア比の異なる少なくとも2対のギア対をトルク伝達ができる伝達状態にすることにより、第1シャフトと第2シャフトとは、少なくとも2対のギア対のギア比の違いから相対回転ができないロック状態になる。つまり、第1シャフトと第2シャフトのいずれも回転できないパーキング状態を実現できる。その結果、パーキング専用の構成を省略しつつも、パーキング機能を有する自動変速装置が実現でき、結果的に自動変速装置の小型化、簡略化、コストダウンができる。
また、実施形態に係る自動変速装置の前記切替機構は、前記第1シャフトまたは前記第2シャフトの少なくとも一方の軸回りに回転自在に支持されるクラッチリングであって、前記第1ギアまたは前記第2ギアを回転自在に同心で固定するクラッチリングと、前記クラッチリングを支持する前記第1シャフトまたは前記第2シャフトに固定されたハブと、前記ハブが固定された前記第1シャフトまたは前記第2シャフトにおいてその軸方向に移動可能に前記ハブと嵌合するスリーブと、前記スリーブを前記軸方向に移動させる移動機構と、を備えてもよい。前記クラッチリングは、前記スリーブ側に突出して設けられ前記スリーブの前記軸方向の移動により当該スリーブに形成されたスプラインと噛み合い自在なドグ歯を有する。この態様によると、小型化、簡略化、コストダウン等が可能ないわゆるドグクラッチを利用して、パーキング機能の実現が可能となり、結果的に自動変速装置の小型化、簡略化、コストダウンができる。
また、実施形態に係る自動変速装置の前記スプラインは、複数の高歯と当該高歯より歯たけの低い複数の低歯で構成され、前記ドグ歯は、外径が前記高歯の内径より大きく前記低歯の内径より小さく形成された前記高歯と同数のクラッチ前歯と、前記スプラインの歯溝と噛み合い可能で前記クラッチ前歯より前記ハブから離れる方向に後退した位置に形成されたクラッチ後歯と、を備えてもよい。この態様によると、スリーブのスプラインの高歯がクラッチリングのクラッチ前歯と噛み合った後、スプラインの低歯とクラッチリングのクラッチ後歯が噛み合う。つまり、高歯とクラッチ前歯が噛み合った時点ではその噛み合いに遊びがあることになる。その結果、複数のギア対を伝達状態の切り替える際の噛み合いを容易に行うことができる。
また、実施形態に係る自動変速装置の前記ギア対を構成するギアのうち少なくとも一つは、車両の停車時に外部供給トルクによって回転可能であるとしてもよい。外部供給トルクは例えばモータを用いて供給してもよい。また、例えば、自動変速装置にクラッチを介して接続される内燃機関により外部供給トルクを提供するようにしてもよい。この態様によると、スリーブのスプラインとクラッチリングの歯の位相が合ってしまい噛み合うことができない場合でも、その位相の変更が可能となり、スプラインとクラッチリングの歯を噛み合わせることができる。
また、実施形態に係る自動変速装置の前記ギア制御部は、前記車両が所定の駐車条件を満たしていることを条件に、前記切替機構の前記移動機構を制御して所定の優先順位にしたがって前記スプラインと前記ドグ歯を噛み合わせるようにしてもよい。この態様によれば、スプラインとクラッチリングの歯の噛み合いを効率的に行うことができる。
また、実施形態に係る自動変速装置において、前記所定の駐車条件は、前記ギア対のうち低速側のギア対に対応する前記スプラインと前記ドグ歯が噛み合って停車していることを前提に残りの前記スプラインと前記ドグ歯を噛み合わせるようにしてもよい。この態様によれば、停車時に噛み合っている可能性の高い低速側のギア対に対応するスプラインとドグ歯の噛み合いを利用するので、パーキング状態の確立までの制御時間を短縮できる。
また、実施形態に係る自動変速装置の前記ギア制御部は、前記スプラインと前記ドグ歯の噛み合いが非成立の場合、前記所定の優先順位にしたがって前記伝達状態に切り替える前記ギア対を構成するギアのうち少なくとも一つを回転させて噛み合わせ状態の調整を行うようにしてもよい。この態様によれば、スリーブのスプラインとクラッチリングのドグ歯の位相が合ってしまい噛み合いできない場合でも、その位相の変更を優先順位にしたがって順番に変更することで効率的にスプラインとドグ歯を噛み合わせることができる。
実施形態に係る自動変速装置の構成を模式的に示した図である。 実施形態に係る自動変速装置を構成するドグクラッチの構成を示した図である。 実施形態に係る自動変速装置において、ギア制御部による制御を説明するフローチャートであり、主フローを示した部分フローチャートである。 実施形態に係る自動変速装置において、図3のフローチャートの続きを示した部分フローチャートである。 実施形態に係る自動変速装置において、図4のフローチャートの続きを示した部分フローチャートである。 実施形態に係る自動変速装置において、図5のフローチャートの続きを示した部分フローチャートである。 実施形態に係る自動変速装置において、図3のフローチャートの続きを示した部分フローチャートである。 実施形態に係る自動変速装置において、図3のフローチャートの続きを示した部分フローチャートである。
図1は、実施形態に係る自動変速装置10を中心とする構成を模式的に示した図である。図1に示す構成例の場合、自動変速装置10の入力シャフト12には、例えば乾式のクラッチ14を介して内燃機関(例えばガソリンエンジン)16の動力と、モータジェネレータ18の動力が供給できるように構成されている。つまり、本実施形態の自動変速装置10はハイブリッド車に搭載されている。
本実施形態の自動変速装置10は、シンクロメッシュ機構を持たず、代わりに「ドグクラッチ」と呼ばれる噛み合わせ機構を有し、複数のギアが常時噛み合い状態にある変速機である。このようにドグクラッチを含む自動変速装置を「ドグミッション」と称する場合もある。図1はドグミッションの一例を示す。本実施形態の自動変速装置10は、1本の入力シャフト12と、2本の出力シャフト20a,20bを含む例を示している。なお、本実施形態の入力シャフト12は第1シャフトという場合もある。また、出力シャフト20a,20bは第2シャフトという場合もある。
出力シャフト20aは、第1速用従動ギア22、第5速用従動ギア24、第2速用従動ギア26、第4速用従動ギア28を回転自在にその軸上に支持している。出力シャフト20aは、第1速用従動ギア22を出力シャフト20aに固定してトルクを伝達できる伝達状態(トルク伝達状態)と、固定を解放してトルクを伝達できない非伝達状態(トルク非伝達状態)とを切り替える第1ドグ30を有する。同様に、出力シャフト20aは、第5速用従動ギア24を出力シャフト20aに固定するトルク伝達状態と、固定を解放するトルク非伝達状態とを切り替える第5ドグ32を有する。そして、出力シャフト20aは、第1ドグ30と第5ドグ32のいずれかをトルク伝達状態にするあるいはいずれもトルク非伝達状態にする切替動作を行う第1ドグクラッチ34を備える。同様に、出力シャフト20aは、第2速用従動ギア26を出力シャフト20aに固定するトルク伝達状態と、固定を解放するトルク非伝達状態とを切り替える第2ドグ36と、第4速用従動ギア28を出力シャフト20aに固定するトルク伝達状態と、固定を解放するトルク非伝達状態とを切り替える第4ドグ38を有する。そして、出力シャフト20aは、第2ドグ36と第4ドグ38のいずれかをトルク伝達状態にするあるいはいずれもトルク非伝達状態にする切替動作を行う第2ドグクラッチ40を備える。
出力シャフト20bは、第3速用従動ギア42、後進用従動ギア44を回転自在にその軸上に支持している。出力シャフト20bは、第3速用従動ギア42を出力シャフト20bに固定してトルク伝達状態と、固定を解放してトルク非伝達状態に切り替える第3ドグ46を有する。同様に、後進用従動ギア44を出力シャフト20bに固定するトルク伝達状態と、固定を解放するトルク非伝達状態に切り替える後進用ドグ48を有する。そして、出力シャフト20bは、第3ドグ46と後進用ドグ48のいずれかをトルク伝達状態にするまたはいずれもトルク非伝達状態にする切替動作を行う第3ドグクラッチ50を備える。
入力シャフト12は、第2速用駆動ギア52、第4速用駆動ギア54、第1速/後進用駆動ギア56、第3速/第5速用駆動ギア58を備える。本実施形態の構成の場合、第1速/後進用駆動ギア56及び第3速/第5速用駆動ギア58は入力シャフト12に固定されている。一方、第2速用駆動ギア52及び第4速用駆動ギア54は入力シャフト12に回転自在に支持されている。なお、本実施形態の構成では、第2速用駆動ギア52及び第4速用駆動ギア54は、モータジェネレータ18の動力伝達を第4速用駆動ギア54で受けて、両方が回転できるように一体化されており、入力シャフト12に対して一体的に回転できるように構成されている。その一方で、入力シャフト12は、第2速用駆動ギア52を当該入力シャフト12に固定してトルク伝達状態と固定を解放してトルク非伝達状態に切り替えるAドグ60を備え、その切替動作を行う第4ドグクラッチ62を備える。したがって、第4ドグクラッチ62によって、Aドグ60が第2速用駆動ギア52と噛み合った場合には、第2速用駆動ギア52及び第4速用駆動ギア54の両方が入力シャフト12に固定されることになる。なお、本実施形態では、入力シャフト12に備えられる駆動ギアを第1ギアと称し、出力シャフト20a,20bに備えられる従動ギアを第2ギアと称する場合もある。
図1の自動変速装置10の場合、第1速用従動ギア22と第1速/後進用駆動ギア56とで第1ギア対64を構成し、第2速用従動ギア26と第2速用駆動ギア52とで第2ギア対66を構成し、第3速用従動ギア42と第3速/第5速用駆動ギア58とで第3ギア対68を構成している。また、第4速用従動ギア28と第4速用駆動ギア54とで第4ギア対70を構成し、第5速用従動ギア24と第3速/第5速用駆動ギア58とで第5ギア対72を構成している。なお、後進用従動ギア44は、第1速用従動ギア22を介して第1速/後進用駆動ギア56と対を成し後進ギア対74を構成している。
このように、第1ドグクラッチ34、第2ドグクラッチ40、第3ドグクラッチ50、第4ドグクラッチ62は、第1ギア対64、第2ギア対66、第3ギア対68、第4ギア対70、第5ギア対72、後進ギア対74を介して第1シャフト(例えば入力シャフト12)と第2シャフト(例えば出力シャフト20aまたは出力シャフト20b)との間でギア対ごとに定められたギア比にしたがうトルク伝達状態と、トルク非伝達状態とを切り替える切替機構として機能する。例えば、第1ドグクラッチ34により第1ドグ30を第1速用従動ギア22に噛み合わせることにより回転自在であった第1速用従動ギア22が出力シャフト20aに固定される。第1速/後進用駆動ギア56は、入力シャフト12に固定されているので、第1ギア対64は、入力シャフト12と出力シャフト20aとの間で所定のギア比にしたがうトルク伝達状態になる。一方、第1ドグクラッチ34により第1ドグ30と第1速用従動ギア22の噛み合いが解除されると第1速用従動ギア22は出力シャフト20aに対して回転自在となる。したがって、入力シャフト12に固定された第1速/後進用駆動ギア56によって、第1速用従動ギア22が回転しても、出力シャフト20aの軸上で空転するのみで、第1ギア対64は、入力シャフト12と出力シャフト20aとの間でトルク非伝達状態になる。
自動変速装置10の出力シャフト20a,20bには、それぞれ出力ギア76a,76bが固定され、差動装置78のリングギア80と噛み合い、出力シャフト20a,20bのトルクをリングギア80に伝達している。
モータジェネレータ18の出力シャフト82に固定された出力ギア84は、アイドルギア86を介して第4速用駆動ギア54と噛み合っている。したがって、モータジェネレータ18は、第4速用駆動ギア54及び第2速用駆動ギア52を同時に回転させることができる。なお、図1において、アイドルギア86は回転センサ88を備え、モータジェネレータ18の実回転数の検出を行い、モータジェネレータ18の制御に利用している。また、入力シャフト12にはクラッチ14のクラッチカバーを押すコンセントリック・スレーブ・シリンダー(CSC)90が備えられている。
自動変速装置10は、当該自動変速装置10の制御を行う電子制御ユニット(ECU)92を備えている。ECU92は第1ドグクラッチ34、第2ドグクラッチ40、第3ドグクラッチ50、第4ドグクラッチ62の制御を行うギア制御部として機能し、トルク伝達状態とトルク非伝達状態の切り替えを行う。なお、ECU92は、クラッチ14、モータジェネレータ18、内燃機関16等の制御を総合的に行う統合ECUとして構成してもよい。逆に、変形例では、クラッチ14を制御するクラッチECU、モータジェネレータ18の制御を行うモータECU、内燃機関16の制御を行うエンジンECU等を個別に設けて、ECU同士で相互制御を行ってもよい。また、エンジンECUとモータECUとを統合したHVECUを設けてもよい。
図2は、ドグクラッチの構成を説明する斜視図である。
前述したようにドグクラッチは、制御対象となっているギア対に対して、当該ギア対を介して第1シャフト(例えば入力シャフト12)と第2シャフト(例えば出力シャフト20a)との間でトルク伝達状態とトルク非伝達状態とを切り替える切替機構として機能する。ドグクラッチは、クラッチリングと、ハブと、スリーブ及びスリーブを移動させる移動機構とを含む。クラッチリングは、第1シャフトまたは第2シャフトの少なくとも一方の軸回りに回転自在に支持されるとともに、第1ギアまたは第2ギアを回転自在に同心で固定する。ハブは、クラッチリングを支持する第1シャフトまたは第2シャフトに固定される。スリーブは、ハブが固定された第1シャフトまたは第2シャフトにおいて、その軸方向に移動可能にハブと嵌合する。移動機構106は、スリーブを第1シャフトまたは第2シャフトの軸方向に移動させる。そして、クラッチリングは、スリーブ側に突出して設けられてスリーブの軸方向の移動により当該スリーブに形成されたスプラインと噛み合うドグ歯を有する。
図2を用いて、ドグクラッチの詳細な構造を説明する。なお、図1に示す第1ドグクラッチ34、第2ドグクラッチ40、第3ドグクラッチ50、第4ドグクラッチ62の基本構造は同じであるため、図2では、第4ドグクラッチ62を代表して説明する。
第4ドグクラッチ62は、図1におけるAドグ60のトルク伝達状態とトルク非伝達状態の切り替えを行う。第4ドグクラッチ62を構成するクラッチリング100は、入力シャフト12の軸周りに回転自在に支持され、ハブ102は入力シャフト12の軸周りに固定されている。また、スリーブ104は、移動機構106の一部を構成する可動部材(例えばフォーク部材106a)によって、ハブ102の外周面を入力シャフト12の軸線12aの方向に移動できるようにハブ102の外周面に嵌合している。なお、スリーブ104の外周面には、周方向に溝104aが形成され、フォーク部材106aを受け入れ可能になっている。つまり、スリーブ104が入力シャフト12を中心に回転している場合でもハブ102の外周面に沿って軸線12a方向にスリーブ104を移動させることができる。フォーク部材106aは、アクチュエータ106bによって駆動する。
本実施形態の場合、クラッチリング100の外周面に第2速用駆動ギア52のギア52aが形成されている。また、クラッチリング100のハブ102側の側面には、スリーブ104に形成されているスプライン108と噛み合うドグ歯110が形成されている。ドグ歯110は、クラッチリング100の側面にリング状に突出した突部100aの外周面に形成されたクラッチ前歯110aとクラッチ後歯110bで構成されている。クラッチ前歯110aは、突部100aの外周面において、例えば180°隔てて2枚設けられている。一方、クラッチ後歯110bは、2枚のクラッチ前歯110aの間に等間隔で例えば5枚設けられている。つまり、突部100aの外周面には、クラッチ前歯110a及びクラッチ後歯110bがドグ歯110として合計で12枚等間隔で形成されている。前述したように、リング形状のスリーブ104の内周面には、ドグ歯110と噛み合うスプライン108が形成されている。したがって、スプライン108は、12本の歯溝で構成されることになる。スプライン108は、高歯108aと低歯108bとで構成されている。高歯108aは、スリーブ104の内周面において、例えば180°隔てて2枚設けられている。一方、低歯108bは、2枚の高歯108aの間に等間隔で例えば5枚設けられている。つまり、高歯108aと低歯108bの合計12枚が等間隔に配列されることにより等間隔に形成されたドグ歯110と噛み合うスプライン108を形成している。なお、スリーブ104はハブ102の外周面を軸線12a方向に移動可能に嵌合する。したがって、ハブ102の外周面には、スリーブ104の高歯108aを受け入れ可能に180°隔たった位置に高歯108aと対応する形状の深溝102aが2本形成され、この2本の深溝102aの間に等間隔で低歯108bと対応する形状の浅溝102bが形成されている。
ここで、クラッチ前歯110a、クラッチ後歯110b、高歯108a及び低歯108bの関係を示す。クラッチ前歯110aは、外径が高歯108aの内径より大きく低歯108bの内径より小さく形成されている。一方、クラッチ後歯110bは、スプライン108の歯溝と噛み合い可能でクラッチ前歯110aよりハブ102から離れる方向に後退した位置に形成されている。このような高さ関係で各歯を形成することにより、クラッチリング100とスリーブ104との間で回転速度差が存在する場合でも容易に両者の完全噛み合いを実現することができる。前述したように、クラッチ後歯110bは、クラッチ前歯110aより後退した位置に形成されているので、スリーブ104がハブ102の外周面上をクラッチリング100に向かって移動した場合、まず、スリーブ104の高歯108aがクラッチリング100のクラッチ前歯110aと接触する。この場合、クラッチ前歯110aは180°間隔で形成されているので、クラッチリング100とスリーブ104との間に大きな回転速度差があった場合でも、それぞれの歯の間には十分な遊びが存在するため、クラッチ前歯110aと高歯108aの噛み合いは容易である。そして、クラッチ前歯110aと高歯108aとの噛み合いにより、クラッチリング100とスリーブ104の回転は同期することになる。スリーブ104がさらにハブ102上をクラッチリング100に向かって移動すると、互いに等間隔形成されたクラッチ後歯110bと低歯108bが噛み合う。つまり、クラッチリング100とスリーブ104が完全噛み合いすることになる。スリーブ104とハブ102とはスプライン108の噛み合いにより相互回転が規制され一体化されており、ハブ102は入力シャフト12に固定されているので、クラッチリング100とスリーブ104の完全噛み合いによりクラッチリング100が入力シャフト12と一体化することになる。つまり、クラッチリング100と一体化されている第2速用駆動ギア52が入力シャフト12に固定され、入力シャフト12のトルクを第2速用駆動ギア52に伝達できるトルク伝達状態に、トルク非伝達状態から切り替えられることになる。
なお、図2に示す第4ドグクラッチ62はAドグ60のみ、つまり1つのドグの切替動作を行う構成であるが、第1ドグクラッチ34、第2ドグクラッチ40、第3ドグクラッチ50は、それぞれ2つのドグに対し、トルク伝達状態とトルク非伝達状態の切替動作を行う。この場合、クラッチリング100がハブ102の両側に配置される。そして、スリーブ104は、ハブ102の左側のクラッチリング100に向かって移動する状態と、ハブ102の右側のクラッチリング100に向かって移動する状態と、いずれのクラッチリング100にも接触せずにハブ102上に位置するニュートラルの状態との3状態に切り替え制御される。第1ドグクラッチ34の場合、例えば、ハブ102の左側に第1速用従動ギア22と一体化されたクラッチリング100が配置され、ハブ102の右側に第5速用従動ギア24と一体化されたクラッチリング100が配置される。したがって、フォーク部材106aによってスリーブ104が第1速用従動ギア22側に移動した場合、出力シャフト20aに第1速用従動ギア22が固定され、スリーブ104が第5速用従動ギア24側に移動した場合、出力シャフト20aに第5速用従動ギア24が固定される。また、フォーク部材106aによってスリーブ104がニュートラルの状態に移動させられた場合、第1速用従動ギア22及び第5速用従動ギア24のいずれも出力シャフト20aに固定されない状態となる。第2ドグクラッチ40、第3ドグクラッチ50についても同様である。
前述したように、自動変速装置10は、駆動源として内燃機関16とモータジェネレータ18を利用したハイブリッド車に適用される。そして、ECU92による内燃機関16、モータジェネレータ18の駆動制御及び各ドグの切替制御により走行状態に適した変速状態を実現する。例えば、第1ドグクラッチ34、第2ドグクラッチ40のいずれかにより第1速用従動ギア22、第5速用従動ギア24、第2速用従動ギア26、第4速用従動ギア28のいずれかを出力シャフト20aに固定するか、第3ドグクラッチ50により第3速用従動ギア42、後進用従動ギア44のいずれかを出力シャフト20bに固定する。その結果、内燃機関16とモータジェネレータ18の少なくとも一方の駆動力を用いた制御を実現する。
本実施形態における自動変速装置10は、車両を走行させる場合、内燃機関16のみを駆動源とする駆動形態と、モータジェネレータ18のみを駆動源とする駆動形態の他、内燃機関16とモータジェネレータ18の両方を駆動源として用いる協調制御形態を選択できる。以下、協調制御時のギア接続の一例を説明する。
例えば、内燃機関16の駆動力を第1ギア対64を用いて伝達し、モータジェネレータ18の駆動力を第2ギア対66を用いて伝達する場合、つまり、モータジェネレータ18によるアシストを伴い、内燃機関16により第1速走行を行う場合の動力伝達例を説明する。
この場合、内燃機関16及びモータジェネレータ18を駆動状態とし、クラッチ14を接続状態にする。ドグについては、第1ドグクラッチ34によって第1ドグ30をトルク伝達状態に切り替え、第2ドグクラッチ40によって第2ドグ36をトルク伝達状態に切り替える。その結果、内燃機関16のトルクは、クラッチ14を介して入力シャフト12に伝達され、当該入力シャフト12に固定された第1速/後進用駆動ギア56を回転させる。そして、第1速/後進用駆動ギア56は、第1ドグ30によって出力シャフト20aに固定された第1速用従動ギア22を回転させて内燃機関16のトルクを第1ギア対64で定められるギア比にしたがって出力シャフト20aに伝達する。一方、Aドグ60をトルク非伝達状態にすることで、モータジェネレータ18のトルクは、自由回転する第4速用駆動ギア54に所定のギア比にしたがって伝達され、さらに一体化された第2速用駆動ギア52を回転させる。そして、第2速用駆動ギア52は、第2速用従動ギア26を回転させる。第2速用従動ギア26は、第2ドグ36によって出力シャフト20aに固定されているので、モータジェネレータ18のトルクは、第2ギア対66など経由するギアのギア比にしたがって出力シャフト20aに伝達される。したがって、出力シャフト20aには、内燃機関16のトルクとモータジェネレータ18のトルクの両方が伝達され、出力ギア76aを回転させる。出力ギア76aに伝達されたトルクは、リングギア80を介して差動装置78側、すなわち駆動輪側に伝達され車両の走行を可能にする。他のギア対を用いて車両を走行させる場合のトルク伝達についても同様である。
なお、ドグクラッチの制御により停車時に内燃機関16の駆動力を用いて発電を行い、モータジェネレータ18等を駆動するバッテリを充電することができる。例えば、第1ドグクラッチ34、第2ドグクラッチ40、第3ドグクラッチ50をニュートラルの状態にして、第4ドグクラッチ62により第2速用駆動ギア52及び第4速用駆動ギア54を入力シャフト12に固定する。そして、クラッチ14を接続状態にする。その結果、内燃機関16のトルクにより入力シャフト12が回転し、それに伴い第4速用駆動ギア54が回転する。第4速用駆動ギア54には、アイドルギア86を介してモータジェネレータ18の出力シャフト82が噛み合っているので、内燃機関16によりモータジェネレータ18の出力シャフト82が回転させられて発電機として機能する。つまり停車時に発電を行う状態となる。
また、ドグクラッチの制御により停止中の内燃機関16をモータジェネレータ18で始動することができる。例えば、内燃機関16の停止時に、第4ドグクラッチ62により第2速用駆動ギア52及び第4速用駆動ギア54を入力シャフト12に固定する。一方、第1ドグクラッチ34、第2ドグクラッチ40、第3ドグクラッチ50は、ニュートラルの状態にすると共にクラッチ14を接続状態にする。この状態で、モータジェネレータ18を駆動すれば、停止状態の第4速用駆動ギア54を回転させることができる。つまり、停止状態の入力シャフト12を回転させて、クラッチ14を介して内燃機関16のクランクシャフトを回転させて、内燃機関16を始動することことができる。その結果、内燃機関16のためのスタータ装置を省略することができて、構成の簡略及びコストダウンに寄与することができる。
なお、協調制御により後進走行させる場合は、例えば、内燃機関16のトルクが入力シャフト12、第1速/後進用駆動ギア56と第1速用従動ギア22からなる第1ギア対64を介し、さらに第1速用従動ギア22と後進用従動ギア44からなる後進ギア対74に伝達されるようにする。その結果、後進用ドグ48によって出力ギア76bに固定された後進用従動ギア44は、入力シャフト12の回転方向とは逆方向に回転し、車両を後進させる。このとき、Aドグ60をトルク伝達状態に切り替えることにより、内燃機関16のトルクが第4速用駆動ギア54に伝達され、モータジェネレータ18の出力シャフト82を回転させる。つまり、後進制御中に発電またはアシストすることができる。
このように構成される自動変速装置10において、パーキング状態、つまり出力シャフトをロックさせて、車両の停止状態を維持する構成について説明する。
上述したように、本実施形態の自動変速装置10は、ギア比の異なるギア対を複数有し、そのギア対ごとにトルクを伝達できるトルク伝達状態とトルクを伝達しないトルク非伝達状態とをドグクラッチによって切り替える。例えば、入力シャフトと出力シャフトとの間で異なるギア比のギア対について、いずれもトルクが伝達できるトルク伝達状態にすれば入力シャフトと出力シャフトとは相対回転が不能になる。つまり、出力シャフトがロックされたパーキング状態になる。
図1において、例えば、入力シャフト12と出力シャフト20aとの間において、第1ギア対64と第2ギア対66または第4ギア対70をトルク伝達状態にすることで、入力シャフト12に対して出力シャフト20aをロックする例を説明する。なお、図2で説明したように、ドグクラッチのドグ歯110とスプライン108を形成する高歯108aまたは低歯108bの位相が一致してしまった場合、噛み合うことができない。そして、入力シャフト12と出力シャフト20aとの間で1つのギア対をトルク伝達状態に切り替えると他方のギア対の位相が決まってしまう場合がある。そのため、他方のギア対をトルク伝達状態に切り替えるためにドグクラッチを噛み合わせようとした場合に、そのドグクラッチのドグ歯とスリーブの高歯または低歯との位相が一致してしまい、パーキング状態に移行させることができなくなってしまう場合がある。
以下、図3〜図8のフローチャートを用いて、車両の停車時に自動変速装置10の走行用のギア対を用いてパーキング状態を実現する例を説明する。本実施形態では、一例としてAドグ60、第1ドグ30、及び第2ドグ36または第4ドグ38を制御して2対のギア対をトルク伝達状態に切り替える例を示す。
図3のフローチャートは、車両の停止直前(シフトレバーをパーキングレンジに移動させる直前)の車両のシフトレバーの位置による処理の場合分けを説明する。なお、本実施形態のシフトレバーポジションは、例えば、「P:パーキング」、「R:リバース」、「N:ニュートラル」、「D:ドライブ」に分かれ「D」は、さらにマニュアル操作でシフトアップする「+」とシフトダウンする「−」を選択する場合の中立ポジションがあるものとする。
ECU92は、車両のイグニッションスイッチ(IG−SW)がONの場合、一定の制御周期でイグニッションスイッチがOFFになったか否か確認する(S100のN)。イグニッションスイッチがOFFになった場合(S100のY)、つまり、車両を走行させる意志が運転者にない場合、自動変速装置10の走行ギアを用いたパーキング状態を確立するための場合分けを行う。まず、ECU92は、シフトレバーポジションが「P」に移行したか検出する。もし、シフトレバーポジションが「P」に移行していない場合、運転者に駐車(パーキング)の意志がないものとみなし、このフローを一旦終了する(S102のN)。ECU92は、シフトレバーポジションが「P」に移行したことを検出した場合で(S102のY)、「P」移行直前(前回)のシフトレバーポジションが「N」の場合(S104のY)、後述する図4のフローチャートの処理Aに移行する。一方、S104において、「P」移行直前のシフトレバーポジションが「N」でない場合で(S104のN)、「D」の場合(S106のY)、後述する図7のフローチャートの処理Bに移行する。S106において、「P」移行直前のシフトレバーポジションが「D」でない場合で(S106のN)、「R」の場合(S108のY)、後述する図8のフローチャートの処理Cに移行する。なお、シフトレバーポジションが「R」でもない場合(S108のN)は、システムエラーと見なしこのフローを一旦終了する。
図4は、図3のフローチャートのS104で「P」移行直前(前回)のシフトレバーポジションが「N」の場合の処理Aを説明するフローチャートである。この場合、自動変速装置10の各ドグクラッチは全てトルク非伝達状態(ニュートラル)の状態になっている。
ECU92は、まずモータジェネレータ18に微回転指示を提供する(S120)。例えば、10rpm回転させるように指示を提供する。例えば、停車前にAドグ60がトルク伝達状態からトルク非伝達状態に切り替わった場合、クラッチ前歯110aと高歯108aは隣接して噛み合った状態から噛み合いが解除されることになる。つまり、クラッチ前歯110aと高歯108aと位相差が小さく、次にクラッチ前歯110aと高歯108aとを噛み合わせようとした場合に位相が一致して噛み合わせ不能になる可能性がある。前述したように、クラッチ前歯110aと高歯108aとはそれぞれ180°離れた位置に配置されているので、遊びが約180°存在する。そこで、モータジェネレータ18により、回転自在な状態の第4速用駆動ギア54及び第2速用駆動ギア52を微回転させて、クラッチ前歯110aと高歯108aとの位相差をあらかじめ与え、位相の一致により噛み合わせが不能となる可能性を低減している。
続いて、ECU92は、Aドグ60をトルク伝達状態に切り替えるために、Aドグ入り指示を第4ドグクラッチ62のフォーク部材106aを駆動するアクチュエータ106bに提供しドグ入り制御を行う(S122)。
第4ドグクラッチ62が完全に噛み合ったか否かは、クラッチ後歯110bと低歯108bの噛み合いが完了する位置まで移動機構106のフォーク部材106aが移動したか否か、つまり移動量に基づいて検出できる。モータジェネレータ18の微回転は継続して行われるのでAドグ60がトルク伝達状態(Aドグ入り完了)になるまでフォーク部材106aを移動させるドグ入り制御は継続する(S124のN)。一方、Aドグ60がトルク伝達状態になったら(S124のY)、ECU92はモータジェネレータ18の微回転指示を解除する(S126)。
続いて、ECU92は、第1ドグ30をトルク伝達状態にする指示(第1ドグ入り指示)を第1ドグクラッチ34のフォーク部材106aを制御するアクチュエータ106bに提供する(S128)。そして、ECU92は、第1ドグクラッチ34のフォーク部材106aの移動量に基づいて第1ドグ30がトルク伝達状態(第1ドグ入り完了状態)になった、すなわち、第1ドグクラッチ34の第1ドグ30側のクラッチ後歯110bとスリーブ104の低歯108bの噛み合いが完了したと見なせる場合(S130のY)、図5のフローチャートで示す処理Dに移行する。この時点で、ギア対の1つが入力シャフト12と出力シャフト20aとの間でトルク伝達状態になったことになる。
一方、S130で第1ドグ入りが完了していない場合(S130のN)、ECU92は第1ドグ30のドグ入り失敗が所定時間、例えば1000ms以上継続した場合(S132のY)、モータジェネレータ18に微回転指示を提供する(S134)。この場合、既にAドグ60がトルク伝達状態に切り替わっているので、入力シャフト12に第2速用駆動ギア52及び第4速用駆動ギア54が固定されている。したがって、モータジェネレータ18の回転により、入力シャフト12及び当該入力シャフト12に固定された第1速/後進用駆動ギア56を介して第1速用従動ギア22が微回転する。すなわち、第1ドグ30のドグ歯110とスリーブ104の高歯108aまたは低歯108bとの位相をずらすことができる。その後、S126に移行して、モータジェネレータ18の微回転指示を解除して、新たな位相条件の中で第1ドグ30のドグ入り制御を継続する。S132において、第1ドグ30のドグ入り失敗が所定時間、例えば1000ms未満の場合(S132のN)、S130に移行し、第1ドグ30のドグ入り制御を継続して行う。
図5は、図4のS130で第1ドグ30のドグ入り制御が完了した場合に、それに続く処理Dのフローチャートである。
ECU92は、第1ギア対64がトルク伝達状態に切り替わった後、2つ目のギア対に対してトルク伝達状態へ切り替える制御を行う。まず、ECU92は、第2ドグクラッチ40のフォーク部材106aを移動させるアクチュエータ106bに第2ドグ36のドグ入り指示を提供する(S140)。そして、ECU92は第2ドグクラッチ40のフォーク部材106aの移動ストロークが所定範囲内であるか検出する(S142)。この場合、第2ドグクラッチ40のニュートラル位置を基準にしてフォーク部材106aのストロークを第2ドグActストロークとして、第2速用従動ギア26のクラッチリング100のクラッチ前歯110aとスリーブ104の高歯108aが噛み合う点(ギアの噛み合いが始まる点)を閾値aとし、クラッチ後歯110bと低歯108bが噛み合う点を閾値bとした場合、b≧第2ドグActストローク≧aとなるか否かを検出する。b≧第2ドグActストローク≧aである場合(S142のY)、少なくともクラッチ前歯110aと高歯108aの位相はずれており、クラッチ前歯110aと高歯108aとの遊びが約180°存在する。したがって、もし、クラッチ後歯110bと低歯108bの位相が一致してしまっている場合でも、第2速用従動ギア26側でクラッチ前歯110aと高歯108aの遊び範囲内で位相をずらすことが可能で、容易にクラッチ後歯110bと低歯108bの噛み合いを実現できる。つまり、第2ドグ36のドグ入り処理を完了させることができる。なお、第2ドグ36のドグ入り処理が完了したときに、もしモータジェネレータ18に対してトルク指示が出ていた場合、ECU92はそのトルク指示を解除して(S144)、このフローを終了する。この時点で、入力シャフト12と出力シャフト20aとの間で、ギア比の異なる2対のギア対がトルク伝達状態に切り替わり、入力シャフト12と出力シャフト20aとの相対回転を不能とする。つまり、自動変速装置10の走行用ギアを用いて、パーキング状態を実現することになる。この結果、従来必要とされていたパーキング用のギアやそれとの噛み合いを行わせるための機構やアクチュエータ等が省略可能となり、自動変速装置の構成の簡略化、小型化、コスト低減等を行うことができる。
S142において、b≧第2ドグActストローク≧aでない場合(S142のN)、一旦第2ドグ36を用いた制御を中止して、第2ドグクラッチ40においてもう一方の第4ドグ38を用いた制御を試みる。つまり、ECU92は、第2ドグクラッチ40のフォーク部材106aを駆動するアクチュエータ106bに第4ドグ入り指示を出して、フォーク部材106aを第4速用従動ギア28側に移動させる(S146)。ECU92は、第2ドグクラッチ40のフォーク部材106aの移動ストロークが所定範囲内であるか検出する(S148)。この場合、b≧第4ドグActストローク≧aとなるか否かを検出する。b≧第4ドグActストローク≧aである場合(S148のY)、少なくとも第4ドグ38のクラッチ前歯110aと高歯108aの位相はずれており、クラッチ前歯110aと高歯108aとの遊びが約180°存在する。したがって、もし、クラッチ後歯110bと低歯108bの位相が一致してしまっている場合でも、第4速用従動ギア28側でクラッチ前歯110aと高歯108aの遊び範囲内で位相をずらすことが可能で、容易にクラッチ後歯110bと低歯108bの噛み合いを実現できる。つまり、第4ドグ38のドグ入り処理を完了させることができる。なお、第4ドグ38のドグ入り処理が完了したときに、もしモータジェネレータ18に対してトルク指示が出ていた場合、ECU92はそのトルク指示を解除して(S144)、このフローを終了する。
一方、S148で、b≧第4ドグActストローク≧aでない場合で(S148のN)、第2ドグ・第4ドグ入り制御を開始してからの失敗時間が2000ms以上継続していない場合(S150のN)、モータジェネレータ18に微少トルクを出力する指示を提供する(S152)。この場合、出力トルクは正トルクあるいは負トルクを発生するようにする。既にAドグ60と第1ドグ30がトルク伝達状態に切り替わっているので、モータジェネレータ18がトルクを発生すると、入力シャフト12、第1ギア対64を介して出力シャフト20aが回転し、第2ドグクラッチ40のハブ102が回転する。すなわち、スリーブ104が回転し、当該スリーブ104の高歯108aの位相と、第2速用従動ギア26側のドグ歯110の位相及び第4速用従動ギア28側のドグ歯110の位相とがずれる。そして、S140に移行し、第2ドグ入り制御から再試行を試みる。
S150において、第2ドグ・第4ドグ入り制御を開始してからの失敗時間が2000ms以上継続した場合(S150のY)、もしモータジェネレータ18に対してトルク指示が出ていた場合、ECU92はそのトルク指示を解除して(S154)、図6のフローチャートに示す別対応の処理Eに移行する。
図6は、図5のフローで第2ドグ・第4ドグ入り制御に2000ms以上失敗した場合の処理Eを説明するフローチャートである。
ECU92は、第2ドグ・第4ドグ入り制御の失敗が2000ms以上6000ms未満の場合(S160のN)、既に出力シャフト20aに固定状態となっている第1速用従動ギア22について、第1ドグ30の完全噛み合いを一時的に解除して、噛み合いに遊びを作る。つまり、ドグ歯110のクラッチ前歯110aとスリーブ104の高歯108aのみが噛み合う状態にするために、第1ドグActストロークを閾値a(mm)にする指示をフォーク部材106aを駆動するアクチュエータ106bに提供する(S162)。そして、第1ドグクラッチ34のフォーク部材106aの第1ドグActストロークが閾値aになるのを待ち(S164のN)、閾値aになった場合(S164のY)、図5のS140に移行し、処理Dから再試行する。この場合、第1ドグ30の部分で、出力シャフト20aに対する第1速用従動ギア22の遊びは、約180°存在することになる。したがって、モータジェネレータ18からトルクを供給して、第4速用駆動ギア54及び第2速用駆動ギア52を介して、第4速用従動ギア28及び第2速用従動ギア26を回転させることができる。つまり、処理Dを実行することにより、第2ドグクラッチ40のスリーブ104に対して、第2速用従動ギア26に対応するドグ歯110の位相、及び第4速用従動ギア28に対応するドグ歯110の位相をずらすことができる。その結果、処理Dで第2ドグ入り制御または第4ドグ入り制御を成功させる可能性を高めることができる。
S160において、第2ドグ・第4ドグ入り制御の失敗が6000ms以上継続した場合(S160のY)、例えば、第1ドグ30の完全噛み合いを一時的に解除する制御を行い処理Dを複数回行ってもドグ入り制御が成功しなかった場合である。この場合、第2ドグ・第4ドグ入り制御の失敗が6000ms以上10000ms未満の場合(S168のN)、既に入力シャフト12に固定状態となっている第2速用駆動ギア52及び第4速用駆動ギア54について、Aドグ60の完全噛み合いを一時的に解除して、噛み合いに遊びを作る。つまり、クラッチ前歯110aと高歯108aのみが噛み合う状態にするために、AドグActストロークを閾値a(mm)にする指示をフォーク部材106aを駆動するアクチュエータ106bに提供する(S170)。そして、第4ドグクラッチ62のフォーク部材106aのAドグActストロークが閾値aになるのを待ち(S172のN)、閾値aになった場合(S172のY)、図5のS140に移行して処理Dから再試行する。この場合、Aドグ60の部分で、入力シャフト12に対する第2速用駆動ギア52及び第4速用駆動ギア54の遊びは、約180°存在することになる。したがって、モータジェネレータ18からトルクを供給して、第2速用駆動ギア52及び第4速用駆動ギア54を介して、第2速用従動ギア26及び第4速用従動ギア28を回転させることができる。つまり、処理Dを再試行することにより、第2ドグクラッチ40のスリーブ104に対して、第2速用従動ギア26に対応するドグ歯110の位相、及び第4速用従動ギア28に対応するドグ歯110の位相をずらすことができる。その結果、処理Dで第2ドグ入り制御または第4ドグ入り制御を成功させる可能性を高めることができる。
もし、S168で第2ドグ・第4ドグ入り制御の失敗が10000ms以上継続した場合(S168のY)、例えば、Aドグ60の完全噛み合いを一時的に解除して位相をずらす制御を行い処理Dを複数回行ってもドグ入り制御が成功しない場合、ECU92は、自動変速装置10の走行用ギアを用いたパーキング状態の確立が困難であると見なし、この処理を終了する。この場合、自動変速装置10の走行用ギアを用いたパーキング状態の確立ができない旨を警報として運転者に提供し、車輪側に設けられたパーキングブレーキ装置を確実に動作させるように促すことが望ましい。このように、各ドグクラッチに対してドグ入り制御の優先順位や既にトルク伝達状態が確立しているクラッチ後歯110bと低歯108bのかみ合わせを一時的に解除してクラッチ前歯110aと高歯108aのみの噛み合わせにする優先順位を付けておき、順番にドグ入り制御を実行することで短時間で効率的にドグ入り制御を完了させることができる。
図7は、図3のS106で、シフトレバーポジションが「P」に移行する直前に「D」であった場合の処理Bを説明するフローチャートである。本実施形態の自動変速装置10を搭載する車両は、シフトレバーポジションが「D]の状態で停車すると、そのときの自動変速装置10のギアの状態が維持される。つまり、内燃機関16の駆動力を出力シャフト20aに伝達可能とするように、第1ギア対64がトルク伝達状態に切り替えられた状態が維持される。同様に、モータジェネレータ18の駆動力を出力シャフト20aに伝達可能とするように、第2ギア対66がトルク伝達状態に切り替えられた状態は維持される。つまり、第1ドグ30と第2ドグ36がトルク伝達状態に切り替わったままになっている。したがって、出力シャフト20aに第1速用従動ギア22と第2速用従動ギア26が完全固定された状態になっている。処理Bは、第1ドグ30と第2ドグ36がトルク伝達状態にあるという前提のもと、トルク非伝達状態のAドグをトルク伝達状態に切り替える処理から始まる。
ECU92は、第4ドグクラッチ62のフォーク部材106aを駆動するアクチュエータ106bに対してAドグ入り処理の指示を提供する(S180)。そして、ECU92はフォーク部材106aの移動ストロークが所定範囲内であるか検出する(S182)。この場合、第4ドグクラッチ62のニュートラル位置(トルク非伝達状態の位置)を基準にしてフォーク部材106aのストロークをAドグActストロークとし、第2速用駆動ギア52のクラッチリング100のクラッチ前歯110aとスリーブ104の高歯108aが噛み合う点(ギアの噛み合いが始まる点)を閾値aとし、クラッチ後歯110bと低歯108bが噛み合う点を閾値bとした場合、b≧AドグActストローク≧aとなるか否かを検出する。b≧AドグActストローク≧aである場合(S182のY)、少なくともクラッチ前歯110aと高歯108aの位相はずれており、クラッチ前歯110aと高歯108aとの遊びが約180°存在する。したがって、もし、クラッチ後歯110bと低歯108bの位相が一致してしまっている場合でも、第2速用駆動ギア52側でクラッチ前歯110aと高歯108aの遊び範囲内で位相をずらすことが可能で、容易にクラッチ後歯110bと低歯108bの噛み合いを実現できる。つまり、Aドグ60のドグ入り処理を完了させることができる。なお、Aドグ60のドグ入り処理が完了したときに、もしモータジェネレータ18に対してトルク指示が出ていた場合、ECU92はそのトルク指示を解除して(S184)、このフローを終了する。この時点で、入力シャフト12と出力シャフト20aとの間で、ギア比の異なる2対のギア対がトルク伝達状態に切り替わり、入力シャフト12と出力シャフト20aとの相対回転を不能とする。つまり、自動変速装置10の走行用ギアを用いて、パーキング状態を実現する。
b≧AドグActストローク≧aでない場合で(S182のN)、Aドグ60のドグ入り制御の失敗が1000ms以上継続していない場合(S186のN)、ECU92はモータジェネレータ18に微少トルクを発生するように指示を提供し(S188)、S182に移行する。トルクを発生させる方向は正方向でも負方向でもよい。また、正負を交互に出力してもよい。この場合、既に入力シャフト12と出力シャフト20aが第1ギア対64でトルク伝達状態にあり、出力シャフト20aと第2速用従動ギア26が固定されているが、それぞれの噛み合いには僅かに遊びが存在する。したがって、モータジェネレータ18が微少トルクを発生すると第2速用駆動ギア52及び第4速用駆動ギア54も微少回転できる可能性がある。その結果、Aドグ60の高歯108aと第2速用駆動ギア52側のドグ歯110のクラッチ前歯110aとの位相がずれてAドグ60のドグ入り制御が成功する可能性が高まる。
一方、Aドグ60のドグ入り制御の失敗が例えば1000ms以上継続した場合(S186のY)、ECU92は第2ドグクラッチ40に対して第2ドグ36を抜いてニュートラル状態にするN抜き指示を提供する(S190)。つまり、既に出力シャフト20aに固定されている第2速用従動ギア26を一旦回転自在な状態にして、第4速用駆動ギア54を介してモータジェネレータ18により第2速用駆動ギア52を回転させる。その結果、Aドグ60の高歯108aと第2速用駆動ギア52側のドグ歯110のクラッチ前歯110aとの位相がずれ、噛み合い状態を形成できやすくなる。ECU92は、第2ドグクラッチ40がニュートラル状態になるのを待ち(S192のN)、第2ドグクラッチ40がニュートラル状態になったら(S192のY)、モータジェネレータ18に微回転指示を提供する(S194)。これにより、Aドグ60が噛み合いやすい状態になる。その後、ECU92は、第4ドグクラッチ62を駆動するフォーク部材106aのアクチュエータ106bにAドグ60のドグ入り制御を実行する指示を提供する(S196)。そして、ECU92は、Aドグ60のドグ入り制御が完了するのを待ち(S198のN)、Aドグ60のドグ入り制御が完了したら(S198のY)、図5に示す処理Dに移行し、第2ドグ36のドグ入り制御を再試行する。このように車両が停車する際に低速側のギア対がトルク伝達状態になっていることを利用して制御を行うことで、迅速にパーキング状態を確立することができる。
図8は、図3のS108でシフトレバーポジションが「P」に移行する直前に「R」であった場合の処理Cを説明するフローチャートである。なお、本実施形態の場合、後進時のギアは、車両の停止時にAドグ60と後進用ドグ48がトルク伝達状態に切り替わっているとする。
ECU92は、まず、第3ドグクラッチ50のフォーク部材106aを駆動するアクチュエータ106bに後進用ドグ48を抜いてニュートラル状態にする後進用ドグN抜き制御を行うように指示を提供する(S200)。そして、ECU92は後進用ドグ48がニュートラル状態になるのを待ち(S202のN)、ニュートラル状態になったら(S202のY)、モータジェネレータ18に微回転指示を提供し(S204)、第1ドグクラッチ34や第2ドグクラッチ40のドグ入り制御で噛み合わせるギアの位相がずれる可能性を高める。その後、図4で符号Fで示すように、S126に移行して第1ドグ30、第2ドグ36または第4ドグ38のドグ入り制御を実行する。
このように、入力シャフト12と出力シャフト20aとの間でギア比の異なる少なくとも2対のギア対をトルク伝達状態にすることにより、走行用のギアを用いて車輪側が動かないようするパーキング状態を確立することができる。その結果、ギア比の異なる少なくとも2対のギア対をトルク伝達ができる伝達状態にすることにより、入力シャフト12と出力シャフト20aとは、少なくとも2対のギア対のギア比の違いから相対回転ができないロック状態になる。つまり、入力シャフト12と出力シャフト20aのいずれも回転できないパーキング状態を実現できる。そのため、パーキング専用の構成を省略しつつも、パーキング機能を有する自動変速装置が実現でき、結果的に自動変速装置の小型化、簡略化、コストダウンができる。また、各フローチャートで説明したように、ギア比の異なる複数のギア対をトルク伝達状態に切り替える際に、所定の優先順にしたがってドグクラッチの噛み合わせを行うことで、効率的にギア比の異なる複数のギア対をトルク伝達状態に切り替えることができる。
上述した実施形態において、図1に示す構成は一例であり、入力シャフト12に対して出力シャフト20a,20bが存在する構造を示したが、出力シャフトは1本で構成してもよく、上述した実施形態と同様の効果を得ることができる。また、本実施形態では、自動変速装置10を前進5速、後進1速で構成する例を示したが、変速段の構成は適宜選択可能であり、ギア比の異なる少なくとも2以上のギア対を含む構成であれば本実施形態と同様の効果を得ることができる。また、本実施形態では、ギア比の異なるギア対として、第1ギア対64、第2ギア対66または第4ギア対70を用いる例を示したが、ギア比が異なれば他のギア対を用いても本実施形態と同様の効果を得ることができる。また、各ギア対のトルク伝達状態とトルク非伝達状態との切り替えができれば、ドグクラッチの配置は適宜変更可能である。例えば、第1ドグクラッチ34を第1速/後進用駆動ギア56と第3速/第5速用駆動ギア58との切り替えに用いてもよい。
なお、上述した実施形態では、ドグクラッチのドグ歯と高歯または低歯の位相が一致してしまった場合に、モータジェネレータ18を駆動して位相をずらす構成を説明した。別変形例では、位相をずらす手段として、内燃機関16の回転を用いて外部供給トルクを提供してもよい。また、図2の例では、クラッチリング100の外周面に第2速用駆動ギア52のギア52aを形成する例を示したが、入力シャフト12に対して回転自在な第2速用駆動ギア52の側面に同軸となるようにクラッチリングを一体的に固定するようにしてもよい。
また、図6に示すフローチャートでは、第1ドグ30やAドグ60について、その噛み合わせ状態を閾値aの位置まで戻して、クラッチ前歯110aと高歯108aのみが噛み合うようにして遊びを形成して他のドグクラッチが噛み合うようにする例を説明した。この場合、他のドグクラッチが噛み合った後に第1ドグ30やAドグ60について、再度クラッチ後歯110bと低歯108bが噛み合うように噛み合い状態を戻してもよい。また、各フローチャートは制御の流れの一例を示すもので、入力シャフト12と出力シャフト20aとの間でギア比の異なる少なくとも2対のギア対をトルク伝達状態にできれば、処理順序は適宜変更してもよく、同様の効果を得ることができる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
10…自動変速装置、12…入力シャフト(第1シャフト)、14…クラッチ、16…内燃機関、18…モータジェネレータ、20a,20b…出力シャフト(第2シャフト)、22…第1速用従動ギア(第2ギア)、24…第5速用従動ギア(第2ギア)、26…第2速用従動ギア(第2ギア)、28…第4速用従動ギア(第2ギア)、30…第1ドグ、32…第5ドグ、34…第1ドグクラッチ(切替機構)、36…第2ドグ、38…第4ドグ、40…第2ドグクラッチ(切替機構)、42…第3速用従動ギア(第2ギア)、44…後進用従動ギア(第2ギア)、46…第3ドグ、48…後進用ドグ、50…第3ドグクラッチ(切替機構)、52…第2速用駆動ギア(第1ギア)、52a…ギア、54…第4速用駆動ギア(第1ギア)、56…第1速/後進用駆動ギア(第1ギア)、58…第3速/第5速用駆動ギア(第1ギア)、60…Aドグ、62…第4ドグクラッチ(切替機構)、64…第1ギア対、66…第2ギア対、68…第3ギア対、70…第4ギア対、72…第5ギア対、74…後進ギア対、76a,76b…出力ギア、92…ECU(ギア制御部)、100…クラッチリング、102,102…ハブ、104…スリーブ、106a…フォーク部材、108…スプライン、108a…高歯、108b…低歯、110…ドグ歯、110a…クラッチ前歯、110b…クラッチ後歯。

Claims (7)

  1. 第1シャフトに備えられた複数の第1ギアと、
    第2シャフトに備えられたギアであって、前記第1ギアのいずれかと噛み合うギア比の異なるギア対を成す複数の第2ギアと、
    前記ギア対のそれぞれに対して、当該ギア対を介して前記第1シャフトと前記第2シャフトとの間でトルクを伝達する伝達状態と、トルクを非伝達とする非伝達状態とを切り替える切替機構と、
    車両の停車時に前記切替機構を制御して前記ギア対のうち少なくとも2対を前記伝達状態に切り替えるギア制御部と、
    を備える自動変速装置。
  2. 前記切替機構は、
    前記第1シャフトまたは前記第2シャフトの少なくとも一方の軸回りに回転自在に支持されるクラッチリングであって、前記第1ギアまたは前記第2ギアを回転自在に同心で固定するクラッチリングと、
    前記クラッチリングを支持する前記第1シャフトまたは前記第2シャフトに固定されたハブと、
    前記ハブが固定された前記第1シャフトまたは前記第2シャフトにおいてその軸方向に移動可能に前記ハブと嵌合するスリーブと、
    前記スリーブを前記軸方向に移動させる移動機構と、
    を備え、
    前記クラッチリングは、前記スリーブ側に突出して設けられ前記スリーブの前記軸方向の移動により当該スリーブに形成されたスプラインと噛み合い自在なドグ歯を有する請求項1に記載の自動変速装置。
  3. 前記スプラインは、複数の高歯と当該高歯より歯たけの低い複数の低歯で構成され、
    前記ドグ歯は、外径が前記高歯の内径より大きく前記低歯の内径より小さく形成された前記高歯と同数のクラッチ前歯と、前記スプラインの歯溝と噛み合い可能で前記クラッチ前歯より前記ハブから離れる方向に後退した位置に形成されたクラッチ後歯と、
    を備える請求項2記載の自動変速装置。
  4. 前記ギア対を構成するギアのうち少なくとも一つは、車両の停車時に外部供給トルクによって回転可能である請求項2または請求項3に記載の自動変速装置。
  5. 前記ギア制御部は、
    前記車両が所定の駐車条件を満たしていることを条件に、前記切替機構の前記移動機構を制御して所定の優先順位にしたがって前記スプラインと前記ドグ歯を噛み合わせる請求項3または請求項4に記載の自動変速装置。
  6. 前記所定の駐車条件は、前記ギア対のうち低速側のギア対に対応する前記スプラインと前記ドグ歯が噛み合って停車していることを前提に残りの前記スプラインと前記ドグ歯を噛み合わせる請求項5に記載の自動変速装置。
  7. 前記ギア制御部は、前記スプラインと前記ドグ歯の噛み合いが非成立の場合、前記所定の優先順位にしたがって前記伝達状態に切り替える前記ギア対を構成するギアのうち少なくとも一つを回転させて噛み合わせ状態の調整を行う請求項5または請求項6に記載の自動変速装置。
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