JP2015059445A - 内燃機関の制御装置 - Google Patents

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高輔 神田
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Masayuki Saruwatari
匡行 猿渡
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  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)

Abstract

【課題】冷機アイドル状態で吹き返しガスの熱を利用して燃料噴霧の気化を促進しつつ減速減量補正を応答良く実施できる、内燃機関の制御装置を提供する。【解決手段】冷機アイドル状態で下死点後の吸気バルブの開弁期間中に燃料噴射弁による燃料噴射を実行することで、吹き返しガスの熱を利用して燃料噴霧の気化を促進させる。冷機アイドル状態から加速に移行したときには、加速に移行してからのサイクル数が設定値がなるまでは、下死点後の吸気バルブの開弁期間中に燃料噴射を行わせる早期噴射タイミング制御を継続させ、加速に移行してからのサイクル数が設定値に達すると、噴射タイミングを遅らせて排気行程中に燃料噴射を行わせる。【選択図】図5

Description

本発明は、吸気通路に燃料噴射弁を備える内燃機関の制御装置に関する。
特許文献1には、吸気バルブの開時期IVOから閉時期IVCに至る開弁期間を、ピストンの下死点BDC到達の前後に亘って設定したときに、開弁期間中にメイン燃料噴射を実行すると共に、ピストンの下死点BDC到達後における開弁期間中にサブ燃料噴射を実行する、内燃機関が開示されている。
特開2010−024969号公報
吸気バルブの閉時期IVCが吸気下死点BDC後に設定されるときに、吸気下死点BDC後から閉時期IVCまでの開弁期間中に燃料を噴射させれば、圧縮行程の吹き返しガスの熱を利用して燃料噴霧の気化を促進でき、特に冷機アイドル状態での排気性状(未燃HC排出量)を改善することができる。
しかし、吸気下死点BDC後から閉時期IVCまでの開弁期間中に噴射させた燃料が、次回の吸気行程においてシリンダ内に吸引されるまでの期間が長く、この期間に減速に移行しても噴射量を減量補正できず、噴射量の減量補正の実施が遅れて未燃HCの排出量が増えてしまう可能性があった。
本発明は上記問題点に鑑みなされたものであり、冷機アイドル状態で吹き返しガスの熱を利用して燃料噴霧の気化を促進しつつ減速減量補正を応答良く実施できる、内燃機関の制御装置を提供することを目的とする。
そのため、本願発明では、冷機アイドル状態で下死点後の吸気バルブの開弁期間中に燃料噴射弁による燃料噴射を実行し、冷機アイドル状態から加速に移行したときに燃料噴射のタイミングを遅角するようにした。
上記発明によると、冷機アイドル状態において吹き返しガスの熱を利用して燃料噴霧の気化を促進でき、また、冷機アイドル状態から加速に移行したときにはその後の減速に備えて燃料噴射タイミングを遅らせるから、減速減量補正を応答良く実施することが可能になり、排気性状を改善することができる。
本発明の実施形態における車両用の内燃機関の一例を示す図である。 本発明の実施形態における噴射タイミング制御の一例を示すフローチャートである。 本発明の実施形態における排気行程噴射タイミングにおける噴射パターンの一例を示す図である。 本発明の実施形態における早期噴射タイミングにおける噴射パターンの一例を示す図である。 本発明の実施形態における噴射タイミング制御の一例を示すフローチャートである。 本発明の実施形態における加速度合と早期噴射タイミングを継続させるサイクル数との相関を示す図である。 本発明の実施形態における噴射タイミング制御の一例を示すフローチャートである。 本発明の実施形態における冷機アイドルからの加速中に早期噴射タイミングでの噴射と排気行程噴射タイミングでの噴射とを行う場合の噴射パターンの一例を示す図である。 本発明の実施形態における加速度合と早期噴射タイミングでの噴射の分担比との相関を示す図である。 本発明の実施形態における加速度合に応じて早期噴射タイミングでの噴射の分担比を変更する場合での噴射パターンの一例を示す図である。 本発明の実施形態における加速への移行からのサイクル数に応じて分担比を変化させる場合での噴射パターンの一例を示す図である。 本発明の実施形態における加速度合と早期噴射タイミングでの噴射の分担比の減少率との相関を示す図である。
以下に本発明の実施の形態を説明する。
図1は、本発明に係る制御装置を適用する内燃機関の一例を示す図である。
図1に示す内燃機関1は、駆動源として車両に搭載される4サイクル多気筒エンジンである。
内燃機関1の各気筒の吸気通路(吸気ポート)2に燃料噴射弁3を設けてあり、燃料噴射弁3は、吸気バルブ4の上流側から吸気バルブ4の傘部に向けて燃料を噴射する。
燃料噴射弁3が噴射する燃料は、吸気行程において吸気バルブ4を介して燃焼室5内に吸引され、点火プラグ6による火花点火によって燃焼する。
なお、吸気バルブ4のバルブタイミングやバルブリフト量などの開弁特性を可変とする可変動弁機構を備えることができる。
燃焼室5内の燃焼ガスは、排気行程において排気バルブ7を介して排気通路8に排出される。
内燃機関1は、スロットルモータ9で動作する電子制御スロットル10を備え、この電子制御スロットル10の開度によって内燃機関1の吸入空気量が調整される。
また、内燃機関1は、燃料タンク11内の燃料を燃料噴射弁3に向けて圧送する燃料供給装置13を備えている。
燃料供給装置13は、燃料タンク11、燃料ポンプ12、燃料ギャラリー配管14、燃料供給配管15を備える。
燃料ポンプ12は、燃料タンク11内に配置される電動式ポンプであり、燃料タンク11内の燃料を吸引して吐出する。
燃料ポンプ12の吐出口には燃料供給配管15の一端が接続され、燃料供給配管15の他端は燃料ギャラリー配管14に接続され、燃料ギャラリー配管14に各気筒の燃料噴射弁3の燃料供給口が接続される。
ECM(エンジン・コントロール・モジュール)31は、燃料噴射弁3による燃料噴射、点火プラグ6による点火、電子制御スロットル10の開度など、内燃機関1の本体を制御する制御装置である。
また、FCM(フューエル・コントロール・モジュール)30は、燃料ポンプ12を制御する制御装置である。
ECM31及びFCM30は、CPU、ROM、RAM、入出力回路などを含むマイクロコンピュータをそれぞれ備え、相互に通信可能に構成される。
そして、ECM31からFCM30に向けては、燃料ポンプ12の駆動デューティ(印加電圧)の指示信号などが送信され、FCM30からECM31に向けては、FCM30での診断結果を示す信号などが送信される。
なお、ECM31とFCM30とを統合し、ECM31の機能とFCM30の機能とを兼ね備える制御装置を備えることができる。
ECM31は、内燃機関1の運転状態を検出する各種センサの出力信号を入力する。
前述の各種センサとしては、燃料ギャラリー配管16内の燃圧FUPRを検出する燃料圧力センサ33、図外のアクセルペダルの踏み込み量(換言すれば、アクセル開度)ACCを検出するアクセル開度センサ34、内燃機関1の吸入空気流量QAを検出するエアフローセンサ35、内燃機関1の回転速度NEを検出する回転センサ36、内燃機関1の冷却水温度TWを検出する水温センサ37、排気中の酸素濃度に基づき内燃機関1の混合気の空燃比を検出する空燃比センサ38などを設けてある。なお、冷却水温度TWは、内燃機関1の温度を代表する。
そして、ECM31は、吸入空気流量QAや機関回転速度NEなどの機関運転条件に基づいて燃料噴射弁3の開期間(噴射期間)、つまり、燃料噴射量を制御する噴射パルス幅TIを演算し、各気筒の噴射タイミングになると燃料噴射弁3に対して噴射パルス幅TIの噴射パルス信号を出力して、燃料噴射弁3による燃料噴射量及び噴射タイミングを制御する。
以下では、ECM31による燃料噴射制御を詳細に説明する。
図2のフローチャートは、ECM31による燃料噴射タイミング制御の一例を示す。
このフローチャートに示すルーチンは、ECM31によって所定時間毎に割り込み実行される。
ECM31は、ステップS101において内燃機関1の始動状態であるか否かを判定する。ECM31は、例えば、スタータモータがオン状態であるとき、また、内燃機関1の回転速度NEが所定速度を下回る状態であるときに、内燃機関1が始動状態であると判定することができる。
そして、ECM31は、内燃機関1の始動状態であると判定すると、ステップS102以降に進むことなく本ルーチンを終了させる。なお、内燃機関1の始動状態において、ECM31は、別の始動状態用制御ルーチンに基づき燃料噴射弁3による燃料噴射を制御するものとする。
一方、ECM31は、ステップS101において内燃機関1の始動状態ではない(換言すれば、始動後の状態である)と判定すると、ステップS102に進み、内燃機関1が冷機状態(暖機中)であるか否かを判定する。
ECM31は、例えば、水温センサ37により検出される冷却水温度TWが設定温度よりも低い場合に冷機状態(暖機中)であると判定することができる。なお、前記設定温度は、冷却水温度TWの適正温度(例えば80〜90℃)よりも低い温度に設定される。
また、ECM31は、冷却水温度TWに代えて、潤滑油の温度や、シリンダブロック又はシリンダヘッドなどの機関本体の温度が設定温度よりも低いか否かを判定することで、内燃機関1が冷機状態(暖機中)であるか否かを判定することができる。
内燃機関1が冷機状態でなく暖機完了後の状態である場合、ECM31は、ステップS105へ進み、燃料噴射弁3による燃料噴射を排気行程中に行わせる噴射タイミング(以下、排気行程噴射タイミングと称する)の設定を行う。
ここで、排気行程噴射タイミングは、吸気バルブ4の開弁前である排気行程中に噴射を開始し終了させる噴射タイミングの他、吸気バルブ4の開弁前の排気行程中に噴射を開始させ開弁後の吸気行程中に噴射を終了させる噴射タイミングが含まれ、少なくとも排気行程中の噴射期間を含む噴射タイミングとする。
また、排気行程噴射タイミングにおいて、噴射開始から噴射終了までの間で燃料噴射を複数回に分割して行わせることができる。
図3は、排気行程噴射タイミングを例示する。
この図3に示す例では、吸気バルブ4の開時期IVOが、上死点TDC後の20deg〜30degに設定され、吸気バルブ4の閉時期IVCが下死点BDC後40deg〜50deg程度に設定され、開時期IVOよりも前であってかつ上死点TDCよりも前である上死点TDC前50deg〜60degの付近で燃料噴射が終了するように、噴射パルス幅をクランク角に換算し、このクランク角だけ噴射終了タイミングよりも前の角度位置において燃料噴射弁3による燃料噴射を開始させる。
一方、ECM31は、内燃機関1が冷機状態であると判定すると、ステップS103へ進み、内燃機関1がアイドル運転状態(アイドリング状態)であるか否かを判定する。
ECM31は、例えば、電子制御スロットル10の開度が設定開度を下回る状態(無負荷状態)で、かつ、機関回転速度NEが設定速度を下回る状態を、内燃機関1のアイドル運転状態として検出することができる。
そして、ECM31は、内燃機関1がアイドル運転状態であるとき、ここでは、内燃機関1が冷機状態であってかつアイドル運転状態である冷機アイドル状態である場合、ステップS104へ進む。
ECM31は、ステップS104において、燃料噴射弁3による燃料噴射のタイミングを、下死点BDCから吸気バルブ4の閉時期IVCまでの吸気バルブ4の開弁期間中(圧縮行程中)に燃料噴射を行わせる噴射タイミング(以下、早期噴射タイミングと称する)に設定する。
なお、本実施形態の内燃機関1において、吸気バルブ4の開時期IVOは下死点BDC前に設定され、閉時期IVCは下死点BDC後に設定されるものとする。
また、内燃機関1が、吸気バルブ4のバルブタイミングを可変とする可変動弁機構(可変バルブタイミング機構)を備える場合、少なくとも冷機アイドル状態であるときに、吸気バルブ4の開時期IVOが下死点BDC前に、閉時期IVCが下死点BDC後に設定されるものとする。
また、早期噴射タイミングは、下死点BDCから吸気バルブ4の閉時期IVCまでの吸気バルブ4の開弁期間中に全噴射期間が含まれる噴射タイミングの他、下死点BDCから吸気バルブ4の閉時期IVCまでの吸気バルブ4の開弁期間中に燃料噴射を開始させ、吸気バルブ4の閉時期IVC後に燃料噴射を終了させる噴射タイミングが含まれ、少なくとも下死点BDCから吸気バルブ4の閉時期IVCまでの吸気バルブ4の開弁期間中に燃料噴射を行う噴射タイミングである。
また、早期噴射タイミングにおいて、噴射開始から噴射終了までの間で燃料噴射を複数回に分割して行わせることができる。
前述のように、ECM31は、内燃機関1が冷機アイドル状態であるときに燃料噴射弁3の噴射タイミングを早期噴射タイミングに設定することで燃料噴霧の気化を促進させ、以って、冷機アイドル状態での燃焼安定性を高めて未燃HCの排出量を低減する。
吸気バルブ4の閉時期IVCが吸気下死点BDC後である場合、ピストンの動きが下降から上昇に転じた後の圧縮行程においても吸気バルブ4が開いていることで、吸気行程でシリンダ内に吸い込まれた空気が吸気通路2に押し戻される吹き返しが発生する。
この吹き返しは、吸気行程において吸気通路2からシリンダに向けて流れていた空気が、圧縮行程移行後(ピストン上昇開始後)に、シリンダから吸気通路2に向けて流れるようになる現象であり、吸気下死点BDCを過ぎても慣性によってシリンダに向けた空気の流れが継続した後、吸気通路2における空気の流れが一旦停止し、その後、吸気通路2を空気が逆流する吹き返しが発生し、吸気下死点BDC後に吸気バルブ4が閉じることで吹き返しが停止する。
そして、早期噴射タイミングに基づき燃料噴射弁3による燃料噴射を行わせた場合、噴射期間が吹き返し期間に重なることで、吹き返しガスの熱によって燃料噴霧の気化を促進させることができる。
前述のように、吹き返しは吸気下死点BDCから遅れて発生するので、吸気下死点BDCから燃料噴射を開始させると、噴射開始当初は吹き返しガスの熱による気化促進効果が目減りする。そこで、早期噴射タイミングとして、例えば下死点BDC後の閉時期IVCに略同期する噴射終了タイミングを定め、噴射パルス幅に応じて噴射開始タイミングを可変とする構成とすることができる。
また、吸気下死点BDC後の実際に吹き返しガスが発生するタイミングを噴射開始タイミングとして定め、噴射パルス幅に応じて噴射終了タイミングが可変となる構成とすることができる。
図4は、下死点BDC後の閉時期IVCに略同期するタイミングを噴射終了タイミングとする早期噴射タイミングを例示する。
この図4に示す例では、吸気バルブ4の開時期IVOが、上死点TDC後の20deg〜30degに設定され、吸気バルブ4の閉時期IVCが下死点BDC後40deg〜50deg程度に設定され、この下死点BDC後の閉時期IVCにおいて燃料噴射が終了するように、噴射パルス幅をクランク角に換算し、このクランク角だけ閉時期IVCよりも前の角度位置において燃料噴射弁3による燃料噴射を開始させる。
燃料噴射タイミングが早期噴射タイミングに設定される冷機アイドル状態から内燃機関1が加速に移行すると、ECM31は、ステップS103で内燃機関1がアイドル状態ではないと判定することでステップS105へ進み、燃料噴射弁3の噴射タイミングを早期噴射タイミングから排気行程噴射タイミングに切り替える噴射タイミングの遅角処理を実施する。
早期噴射タイミングによる燃料噴射では、前述のように、吹き返しガスの熱による気化促進効果が得られるものの、燃料を噴射させてからシリンダ内に燃料が吸引されるまで(次回の吸気行程まで)の期間が長く、その間に減速に移行しても既に燃料を噴射しているため減速運転状態で空燃比のリッチ化を抑制するための燃料の減量補正を行うことができず、減量補正の実施が次のサイクルに持ち越される減量補正の遅れが生じる。そして、係る燃料噴射量の補正の遅れによって空燃比のリッチ化が発生し、未燃HCの排出量が増えてしまう可能性がある。
このような早期噴射タイミングによる燃料噴射に対し、排気行程噴射タイミングによる燃料噴射は噴射タイミングが遅れ吸気行程により近いタイミングで燃料噴射が行われるから、燃料噴射量の決定タイミングを遅らせることができ、減速運転への移行に伴う減量補正をより応答良く実施することが可能である。
そこで、冷機アイドル状態から加速に移行した場合には、加速後の減速に備えて直ちに早期噴射タイミングから排気行程噴射タイミングに切り替え(噴射タイミングを遅角させ)、加速から減速に移行するときに減量補正を応答良く実施できるようにしておく。
これにより、減速運転状態での空燃比のリッチ化傾向が大きくなる冷機状態において、未燃HCの排出量が増大することを抑制でき、冷機アイドル状態での吹き返しガスの熱による気化促進効果と相俟って、冷機状態での排気性状(未燃HCの排出量)を改善することができる。
ところで、排気行程噴射タイミングでは減速減量を応答良く実施できるが、吹き返しガスの熱による気化促進効果は得られず、加速への移行に伴って直ちに早期噴射タイミングから排気行程噴射タイミングに切り替えると、加速中は吹き返しガスの熱による気化促進の作用効果は得られない。
そこで、冷機アイドル状態から加速に移行したときに早期噴射タイミングから排気行程噴射タイミングへの切り替えを遅らせることで、加速中において吹き返しガスの熱による気化促進効果が得られるようにすることができる。
図5のフローチャートは、ECM31による燃料噴射タイミングの制御であって、冷機アイドル状態から加速に移行したときに早期噴射タイミングから排気行程噴射タイミングへの切り替えを遅らせる制御の一例を示す。このフローチャートに示すルーチンは、ECM31によって所定時間毎に割り込み実行される。
ECM31は、ステップS201において、前記ステップS101と同様にして内燃機関1が始動状態であるか否かを判定し、始動状態でない場合にステップS202へ進む。
そして、ECM31は、ステップS202にて、内燃機関1が冷機状態であるか否かをステップS102と同様に判定し、冷機状態であればステップS203へ進み、ステップS103と同様に内燃機関1がアイドル状態であるか否かを判定する。
そして、内燃機関1が冷機アイドル状態であると、ECM31は、ステップS204へ進んで、アイドル状態の履歴を判定するためのフラグFを立ち上げた後(フラグF=1に設定した後)、ステップS205へ進んで、燃料噴射弁3の噴射タイミングを早期噴射タイミングに設定することで吹き返しガスの熱による気化促進効果が得られるようにする。
一方、早期噴射タイミングが設定される冷機アイドル状態から加速に移行すると、ECM31は、ステップS203にてアイドル状態ではないと判定してステップS206へ進む。
ステップS206で、ECM31は前記フラグFの判定を行い、フラグFが立ち上がっている場合(フラグF=1である場合)、ECM31はステップS207へ進んで燃料噴射弁3の噴射タイミングを早期噴射タイミングに設定する。
ここで、フラグFはアイドル状態で立ち上げられ、アイドル状態から加速(非アイドル状態)に移行した直後はフラグFが立ち上がった状態(フラグF=1の状態)であるから、アイドル状態から加速したときにフラグFが0にリセットされるまでの間、噴射タイミングが早期噴射タイミングに保持されるようにしてある。
ECM31は、ステップS207で噴射タイミングを早期噴射タイミングに設定した後、ステップS208へ進んで、アイドル状態から加速に移行してからの早期噴射タイミングで噴射を行ったサイクル数(積算噴射回数)が設定値に達しているか否かを判定する。
そして、早期噴射タイミングで噴射を行ったサイクル数が設定値に達していない場合、ECM31は、ステップS209を迂回して本ルーチンを終了させることで、フラグFを立ち上げた状態(フラグF=1の状態)に保持させる。これにより、本ルーチンを次回実行したときも冷機状態であってかつ非アイドル状態であれば、ECM31は、ステップS206でフラグFが立っていると判定して、噴射タイミングとして早期噴射タイミングを継続させることになる。
一方、ECM31は、ステップS208で、アイドル状態から加速に移行してからの早期噴射タイミングで噴射を行ったサイクル数が設定値に達していると判定すると、ステップS209に進んでフラグFを0にリセットする。
これにより、本ルーチンを次回実行したときも冷機状態であってかつ非アイドル状態であれば、ECM31は、ステップS206でフラグFがリセットされている(フラグF=0である)と判定して、ステップS211に進み、噴射タイミングを早期噴射タイミングから排気行程噴射タイミングに切り替える。
つまり、冷機アイドル状態から加速に移行すると、所定サイクル数だけ(所定期間だけ)早期噴射タイミングによる噴射を継続させ、加速への移行から遅れて排気行程噴射タイミングに切り替える。
一方、ECM31は、ステップS202で内燃機関1が冷機状態ではないと判定すると、ステップS210に進んでフラグFを0に設定した後、ステップS211に進んで噴射タイミングを排気行程噴射タイミングに設定する。
上記噴射タイミングの制御において、前記所定サイクル数は加速状態が継続されると見込まれるサイクル数に応じて設定され、加速から減速に移行する前に排気行程噴射タイミングに切り替えられるようにしてある。
従って、加速から減速に移行したときには、排気行程噴射タイミングにより燃料噴射が行われていて、減速燃料補正を応答良く行わせることができ、また、減速に移行する前は、早期噴射タイミングによる燃料噴射によって吹き返しガスの熱による気化促進効果が得られる。つまり、冷機アイドル状態から加速に移行したときに直ちに早期噴射タイミングから排気行程噴射タイミングに切り替える場合に比べて、早期噴射タイミングで燃料噴射を行わせる期間が増え、より未燃HCの排出量を低減できる。
ところで、冷機アイドル状態から加速に移行した場合、加速から減速に移行する直前まで早期噴射タイミングによる燃料噴射を行えれば吹き返しガスの熱による気化促進効果をより多く得られるが、排気行程噴射タイミングに切り替えるタイミングが遅れると、減速減量補正の遅れが生じることになってしまう。
冷機アイドル状態から加速に移行した後に早期噴射タイミングを継続させる期間を定めるサイクル数(噴射タイミング継続サイクル数)は固定値とすることができる。
しかし、加速開始から加速終了(減速開始)までの加速期間は一定ではないため、噴射タイミング継続サイクル数を固定値とすると、加速期間が長い場合には加速期間が継続しているのに排気行程噴射タイミングに切り替えられてしまって吹き返しガスの熱による気化促進効果が十分に得られなくなり、逆に、加速期間が短い場合には減速への移行から遅れて排気行程噴射タイミングに切り替えられてしまい減速減量の遅れが生じる可能性がある。
従って、噴射タイミング継続サイクル数を固定値とする場合、減速減量を遅れなく実施できることを優先させると、噴射タイミング継続サイクル数としては短い加速期間に適合する値に設定されることになり、実際の加速期間が長くなると、無用に排気行程噴射タイミングへの切り替えが早い時点で行われることで、吹き返しガスの熱による気化促進効果が目減りする。
そこで、ECM31は、加速期間の長さを機関運転状態に応じて予測(推定)し、当該予測に基づいて噴射タイミング継続サイクル数を可変に設定する構成とすることができる。つまり、ECM31は、加速期間の予測値が長ければ噴射タイミング継続サイクル数をより大きくして早期噴射タイミングを継続させる期間(排気行程噴射タイミングへの切り替え遅延期間、噴射タイミングを遅角する処理の遅延期間)をより長くし、加速期間の予測値が短ければ噴射タイミング継続サイクル数をより小さくして早期噴射タイミングを継続させる期間をより短くする。
このように、加速期間の長さに応じて噴射タイミング継続サイクル数を可変に設定すれば、早期噴射タイミングを極力長く継続させて吹き返しガスの熱による気化促進を可及的に長く実施でき、かつ、排気行程噴射タイミングへの切り替えを加速期間の終了前に実施して減速減量の遅れを抑制することができる。
ECM31による加速期間の長さの予測は、例えば、加速度合(急加速であるか緩加速であるかを示すレベル)に応じて行うことができる。そして、ECM31は、加速度合が標準よりも高い急加速状態であれば、加速期間が標準よりも長くなるものと予測して前記噴射タイミング継続サイクル数を標準よりも大きな値に変更し、加速度合が標準よりも小さい緩加速状態であれば、加速期間が標準よりも短くなるものと予測して噴射タイミング継続サイクル数を標準よりも小さい値に変更する。
図6は、加速度合に基づく加速期間の予測(噴射タイミング継続サイクル数の設定)処理の一例を示す。
図6に示す例では、ECM31は、加速度合を示す状態量として内燃機関1の吸入空気量QAの増大速度ΔQA及び内燃機関1の回転速度NEの上昇速度ΔNEを用い、吸入空気量QAの増大速度ΔQAが速いほど、また、回転速度NEの上昇速度ΔNEが速いほど、加速期間が長くなると予測する。換言すれば、ECM31は、吸入空気量QAの増大速度ΔQAが速いほど、また、回転速度NEの上昇速度ΔNEが速いほど、内燃機関1が急加速状態であると判断して、噴射タイミング継続サイクル数をより大きな値に変更する。
なお、図6は、増大速度ΔQA及び上昇速度ΔNEに基づき噴射タイミング継続サイクル数が検索されるマップを例としたが、増大速度ΔQA及び上昇速度ΔNEに基づき加速予測期間が検索されるマップとすることができ、予測した加速期間を噴射タイミング継続サイクル数にテーブルを用いて変換することができる。
また、増大速度ΔQA及び上昇速度ΔNEに基づき加速期間又は噴射タイミング継続サイクル数を演算で求めることができる。
また、ECM31は、内燃機関1の加速度合を、増大速度ΔQAと上昇速度ΔNEとのいずれか一方に基づいて判定することができ、また、アクセル開度(スロットル開度)の増大速度や吸気負圧の変化速度などに基づいて加速度合を判定することができる。
また、冷機アイドル状態から加速に移行してから早期噴射タイミングを継続させる期間は、サイクル数として設定できる他、継続時間とすることができる。
更に、図5に示した制御例では、冷機アイドル状態から加速に移行すると、加速に移行した後も早期噴射タイミングを所定期間だけ継続させてから排気行程噴射タイミングに切り替えるが、加速に移行してから排気行程噴射タイミングに切り替えるまでの間で、早期噴射タイミングでの噴射と排気行程噴射タイミングでの噴射との2回に分けた分割燃料噴射を行わせることができる。
つまり、図7のフローチャートに示したように、ECM31は、冷機アイドル状態から加速に移行してからの所定サイクル数内であれば、ステップS207Aに進んで、早期噴射タイミングでの噴射と排気行程噴射タイミングでの噴射との2回に分けた分割燃料噴射を実施する。
図7のフローチャートにおけるステップS207A以外のステップでは、図5のフローチャートの各ステップと同様な処理を行うので、ここでは詳細な説明を省略する。
なお、早期噴射タイミングでの噴射と排気行程噴射タイミングでの噴射との2回に分けた分割燃料噴射を行わせる期間(サイクル数)は固定することができ、また、前述のように加速度合(加速期間の予測)に応じて可変とすることもできる。
図8は、早期噴射タイミングでの噴射と排気行程噴射タイミングでの噴射との2回に分けた分割燃料噴射における噴射タイミング及び各噴射パルス幅の一例を示す。
この図8に示した例では、吸気バルブ4の閉時期IVCが下死点BDC後40deg〜50deg程度に設定され、この下死点BDC後の閉時期IVCにおいて燃料噴射が終了するように、早期噴射タイミングでの燃料噴射を行わせる。
更に、図8に示した例では、吸気バルブ4の開時期IVOよりも前であってかつ上死点TDCよりも前である上死点TDC前50deg〜60degの付近で燃料噴射が終了するように、排気行程噴射タイミングでの燃料噴射を行わせる。
ここで、早期噴射タイミングでの燃料噴射量と排気行程噴射タイミングでの燃料噴射量とは略同量に設定され(換言すれば、1サイクル当たりの噴射量の半分が早期噴射タイミングで噴射され、残りの半分が排気行程噴射タイミングで噴射され)、早期噴射タイミングで噴射された燃料とその後の排気行程噴射タイミングで噴射された燃料とが、排気行程噴射タイミング直後の吸気行程でシリンダ内に吸引される。
上記のように、過渡的に早期噴射タイミングでの燃料噴射と排気行程噴射タイミングでの燃料噴射との双方を行わせるようにすれば、早期噴射タイミングでの燃料噴射により吹き返しガスの熱による気化促進効果を得られると共に、より遅い排気行程噴射タイミングでの燃料噴射については減速減量の早期実施が可能であるから、より長い期間早期噴射タイミングでの燃料噴射を継続させつつ、減量補正の遅れによる未燃HC量の増大を抑制できる。
なお、早期噴射タイミングでの燃料噴射と排気行程噴射タイミングでの燃料噴射との双方を実施する分割燃料噴射において、各噴射量を等量とする構成に限定するものではなく、早期噴射タイミングでの噴射量或いは排気行程噴射タイミングでの噴射量を他方よりも多くすることができる。
ここで、早期噴射タイミングでの噴射量を排気行程噴射タイミングでの噴射量よりも多くすれば、減少補正の遅れの抑制効果が目減りする代わりに吹き返しガスの熱による気化促進の効果をより多く得られることになり、逆に、排気行程噴射タイミングでの噴射量を早期噴射タイミングでの噴射量よりも多くすれば、吹き返しガスの熱による気化促進の効果が抑制される代わりに減少補正の遅れの抑制効果をより多く得られることになる。
また、早期噴射タイミングで噴射させる燃料量と排気行程噴射タイミングで噴射させる燃料量との比率(分担比)を、加速度合(加速期間の長さ)に応じて可変とすることができる。
図9は、前記分担比を加速度合(加速期間の長さの予測)に応じて可変とする場合における加速度度合(ΔNE、ΔQA)に対する分担比の変化特性の一例を示す。
図9に示す例では、吸入空気量QAの増大速度ΔQAが速いほど、また、回転速度NEの上昇速度ΔNEが速いほど、早期噴射タイミングで噴射させる燃料量の分担比を多くする。つまり、加速度合が大きく加速期間が長いと予測される場合には、加速度合が小さく加速期間が短いと予測される場合に比べて早期噴射タイミングで噴射させる燃料量をより多くし、相対的に排気行程噴射タイミングで噴射させる燃料量を減らすようにしてある。
上記の分担比特性によると、加速度合が大きい急加速状態であって加速期間が長いと予測される場合には、吹き返しガスの熱による気化促進を可及的に大きくできる。
一方、加速度合が小さい緩加速状態であって加速期間が短いと予測される場合には、早期噴射タイミングで噴射される燃料の総量が少なく、早期噴射タイミングで燃料を噴射させることによって得られる気化促進効果が未燃HC排出量の低減に大きな影響を与えないため、排気行程噴射タイミングで噴射させる燃料量を予め多くしておくことで、減速に移行したときの減速減量を速やかに実施できるようにする。
図10は、図9の分担比特性に従って噴射量の分担比を決定した場合における噴射パルス信号の出力パターンの一例を示す。
加速度合が大きい急加速状態であって加速期間が長いと予測される場合には、図9の特性に従って、早期噴射タイミングで噴射させる燃料量の割合がより多く設定される結果、図10(A)に示すように、排気行程噴射タイミングで噴射させる燃料量よりも早期噴射タイミングで噴射させる燃料量を多くし、長い加速期間で吹き返しガスの熱による気化促進が十分に得られるようにする。
一方、加速度合が小さい緩加速状態であって加速期間が短いと予測される場合には、図9の特性に従って、排気行程噴射タイミングで噴射させる燃料量の割合がより多く設定される結果、図10(B)に示すように、早期噴射タイミングで噴射させる燃料量よりも排気行程噴射タイミングで噴射させる燃料量を多くし、短い加速期間のために吹き返しガスの熱による気化促進効果が十分に得られない状態において、減速減量の早期実施を優先し、減速減量の遅れによる未燃HC量の増大を低減する。
また、加速期間中からの排気行程噴射タイミングへの移行は、減速への移行に伴う減速減量補正の実施を応答良く行わせるための処理であり、早すぎる排気行程噴射タイミングへの移行は、吹き返しガスの熱による気化促進効果を目減りさせることになる。
そこで、冷機アイドル状態から加速に移行した後のサイクル数が多くなるほど、排気行程噴射タイミングでの噴射の分担比を増大させる構成とすることができる。つまり、減速への移行が先であれば、早期噴射タイミングで噴射させる燃料量の割合を多くして吹き返しガスの熱による気化促進効果が十分に得られるようにし、減速への移行が近づくに従って排気行程噴射タイミングで噴射させる燃料量の割合を多くして、減速への移行に伴う減速減量を応答良く行える状態に準備しておく。
図11は、冷機アイドル状態から加速に移行した後のサイクル数が増加するに従って、早期噴射タイミングで噴射させる燃料量の割合を減らし、相対的に排気行程噴射タイミングで噴射させる燃料の割合を増やす場合における噴射パルス信号の出力パターンの一例を示す。
ここで、冷機アイドル状態から加速に移行した後のサイクル数に応じて分担比を変化させると共に、図12に示すように、吸入空気量QAの増大速度ΔQAが速いほど、また、回転速度NEの上昇速度ΔNEが速いほど、早期噴射タイミングで噴射させる燃料量の分担比の1サイクル当たりの減少率を小さくする。
つまり、加速度合が大きく加速期間が長いと予測される場合には減速に移行するまでのサイクル数が多くなるから、分担比の1サイクル当たりの減少率を加速期間が長い状態に適合させると、加速期間が短く減速に移行するまでのサイクル数が少ない場合には、実際に減速に移行するときに排気行程噴射タイミングで噴射される燃料割合が少なく、減速減量を十分に実施できなくなる可能性がある。
逆に、加速期間が短く減速に移行するまでのサイクル数が少ない状態に適合する分担比の減少率を設定すると、加速期間が長く減速に移行するまでのサイクル数が多い場合に、早期噴射タイミングで噴射させる燃料量の割合が過剰に早く低下し、吹き返しガスの熱による気化促進効果が減ることになる。
そこで、加速度合が大きく加速期間が長いと予測される場合には、加速度合が小さく加速期間が短いと予測される場合に比べて、早期噴射タイミングで噴射させる燃料量の分担比の1サイクル当たりの減少率を小さくし、実際に減速に移行するときの排気行程噴射タイミングでの噴射割合が加速期間によって大きく違わないようにしてある。
図11(A)は、加速度合が大きく加速期間が長いと予測されるために、早期噴射タイミングで噴射させる燃料量の分担比の1サイクル当たりの減少率が、加速期間が短い場合よりも小さく設定される場合の噴射パルス信号の出力パターンを示す。一方、図11(B)は、加速度合が小さく加速期間が短いと予測されるために、早期噴射タイミングで噴射させる燃料量の分担比の1サイクル当たりの減少率が、加速期間が長い場合よりも大きく設定される場合の噴射パルス信号の出力パターンを示す。
この図11(A)及び図11(B)に示すように、冷機アイドル状態から加速に移行した後のサイクル数が増大する毎に、早期噴射タイミングで噴射させる燃料量の分担比を減少させるが、同じサイクル数で比べたときに、加速度合が小さく加速期間が短いと予測される場合の方の分担比がより小さく設定され、短い加速期間で速やかに排気行程噴射タイミングでの噴射割合を増やすようにしてある。
上記のように、早期噴射タイミングで噴射させる燃料量の分担比の1サイクル当たりの減少率(換言すれば、排気行程噴射タイミングで噴射させる燃料の分担比の1サイクル当たりの増加率)を、加速度合(加速期間の予測)に応じて可変に設定すれば、加速期間が長い場合に吹き返しガスの熱による気化促進効果を十分に得られ、かつ、加速期間が短い場合に減速に移行したときの減量補正の遅れが生じることを抑制できる。
なお、分担比を加速に移行した後のサイクル数に応じて変化させる場合に、例えば、最初の所定サイクル数においては分担比を一定に保持し、その後、サイクル毎に変化させる構成とすることができ、また、加速に移行した直後から分担比を一定に保持する期間を、加速度合(加速期間の予測)に応じて可変とすることができる。
また、分担比を加速に移行した後のサイクル数に応じて変化させる場合に、最終的に排気行程噴射タイミングの分担比を100%にまで変化させることができ、また、排気行程噴射タイミングの分担比の増大を、100%を下回る上限値で制限することもできる。
また、1サイクル当たりの分担比の変化率又は変化量は一定とすることができる他、加速移行後のサイクル数が増大するに従って変化率又は変化量を増大させることができる。
上記実施形態で説明した各技術的思想は、矛盾が生じない限りにおいて適宜組み合わせて使用することができる。
また、好ましい実施形態を参照して本発明の内容を具体的に説明したが、本発明の基本的技術思想及び教示に基づいて、当業者であれば種々の変形態様を採り得ることは自明である。
例えば、冷機アイドル状態からの加速中に早期噴射タイミング及び排気行程噴射タイミングで燃料噴射を行わせる場合に、内燃機関1の温度(冷却水温度TW)に応じて分担比を決定することができる。例えば、内燃機関1の温度が低いほど、吹き返しガスの熱による気化促進を優先すべく早期噴射タイミングでの分担比をより大きくすることができる。
ここで、上記実施形態から把握し得る請求項以外の技術的思想について、以下に効果と共に記載する。
(イ)
前記内燃機関の加速度合に応じて、下死点後の前記吸気バルブの開弁期間中で噴射させる燃料と排気行程中で噴射させる燃料との割合を変更する、請求項3記載の内燃機関の制御装置。
上記構成によると、加速度合が高い急加速時には加速期間が長くなり、下死点後の吸気バルブの開弁期間中に燃料を噴射させることによる気化促進効果が高くなるので、加速度合(加速期間)に応じて噴射割合(分担比)を変更して、気化促進効果を十分に得られるようにしつつ、減速減量補正の遅れを抑制できるようにする。
(ロ)
前記内燃機関が冷機アイドル状態から加速に移行してからの経過期間に応じて、下死点後の前記吸気バルブの開弁期間中で噴射させる燃料と排気行程中で噴射させる燃料との割合を変更する、請求項3記載の内燃機関の制御装置。
上記構成によると、加速に移行してから経過するほど減速への移行が近づくことになり、減速への移行に備えて排気行程中で噴射させる燃料を増やせば、減速減量補正の遅れを抑制でき、また、加速に移行した直後は減速に移行するまでの期間が長く、その間、開弁期間中で噴射させる燃料量を増やすことで、気化促進効果を増大させることができる。
(ハ)
前記経過期間に応じた前記割合の変化率を、前記内燃機関の加速度合に応じて変更する、請求項(ロ)記載の内燃機関の制御装置。
上記構成によると、加速度合によって加速期間が異なり、加速期間が長い場合には吹き返しガスの熱による気化促進を図れる期間が長くなり、逆に、加速期間が短い場合には吹き返しガスの熱による気化促進を図れる期間が短く、早期に減速減量に備えた噴射タイミングとすることが望ましいので、加速度合に応じて前記割合の変化率を変更する。
(ニ)
前記加速度合を、前記内燃機関の吸入空気量の変化と前記内燃機関の回転速度の変化との少なくとも一方に基づいて検出する、請求項2記載の内燃機関の制御装置。
上記構成によると、加速度合を内燃機関の吸入空気量の変化と前記内燃機関の回転速度の変化との少なくとも一方に基づいて検出し、加速度合による加速期間の違いに応じて噴射割合や噴射割合の変化率を変更する。
1…内燃機関、2…吸気通路、3…燃料噴射弁、4…吸気バルブ、31…ECM

Claims (3)

  1. 吸気通路に燃料噴射弁を備える内燃機関において、
    冷機アイドル状態で下死点後の前記吸気バルブの開弁期間中に前記燃料噴射弁による燃料噴射を実行し、
    冷機アイドル状態から加速に移行したときに前記燃料噴射のタイミングを遅角する、内燃機関の制御装置。
  2. 冷機アイドル状態からの加速度合が大きいほど前記燃料噴射のタイミングの遅角を遅延させる、請求項1記載の内燃機関の制御装置。
  3. 冷機アイドル状態から加速に移行したときに、下死点後の前記吸気バルブの開弁期間中での燃料噴射と排気行程中での燃料噴射とを行う、請求項2記載の内燃機関の制御装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPS60150459A (ja) * 1984-01-18 1985-08-08 Mazda Motor Corp 燃料噴射装置を有するエンジン
JP2003083126A (ja) * 2001-09-07 2003-03-19 Hitachi Unisia Automotive Ltd 内燃機関の燃料噴射制御装置

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