JP2015058546A - 液体収容容器および液体収容体 - Google Patents

液体収容容器および液体収容体 Download PDF

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Abstract

【課題】収容室部材と供給部材との接合が剥がれることを抑制可能な液体収容容器を提供する。
【解決手段】インクを収容可能なインク室を有するインク容器であって、インク室を構成するパック体と、パック体が接合されると共に、インクを当該インク室から外部へ流出させるための液体供給口81Kが設けられた第1供給部材81と、を備え、第1供給部材と当該第1供給部材に接合されたパック体とによる第1供給部材に形成される空間83は、インク室に連通しておらず大気に連通している。
【選択図】図19

Description

本発明は、液体を収容可能な液体収容室を有する液体収容容器、およびこの液体収容容器を備える液体収容体に関する。
従来から、インク(液体)を噴射して消費するインクジェット式のプリンター(液体消費装置)に供給するインクを収容可能なインク室(液体収容室)が設けられたインク容器(液体収容容器)を、ケース部材内に備えたインクカートリッジ(液体収容体)が知られている。そして、このような従来のインク容器は、インクが当該インク室から外部へ流出可能な液体供給口が設けられた供給部材(被取付部材)に対して、収容室部材(移動部材)を接合する(取り付ける)ことによってインク室を形成する構成とされている(例えば、特許文献1参照)。
特開2012−116202号公報
ところで、上記構成を有するインク容器では、通常、収容室部材を供給部材に対して溶着によって接合する。しかしながら、この溶着される領域部分において、溶着時に空気が閉じ込められることが起こり得る。その場合、この閉じ込められた空気がインク容器の温度上昇によって膨張し、収容室部材が剥がれてしまう虞がある。このため、収容室部材が剥がれた部分を通して、インクがインク室から外部に漏れ出てしまう課題がある。
なお、こうした実情は、インクジェット式のプリンターに供給するインクを収容可能なインク容器に限らず、液体収容室から外部へ流出可能な液体供給口が設けられた供給部材に対して収容室部材を接合することによって該液体収容室を形成する構成を有する液体収容容器においては、概ね共通したものとなっている。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、収容室部材と供給部材との接合が剥がれることを抑制可能な液体収容容器を提供することにある。
以下、上記課題を解決するための手段及びその作用効果について記載する。
上記課題を解決する液体供給容器は、液体を収容可能な液体収容室を有する液体収容容器であって、前記液体収容室を構成する収容室部材と、前記収容室部材が接合されると共に、前記液体を当該液体収容室から外部へ流出させるための液体供給口が設けられた供給部材と、を備え、前記供給部材と当該供給部材に接合された前記収容室部材とにより前記供給部材に形成される空間は、前記液体収容室に連通しておらず大気に連通している。
この構成によれば、収容室部材と供給部材とが接合されて形成される空間から空気を逃すので、温度変化に伴う空間内の空気の膨張によって収容室部材と供給部材との接合が剥がれることを抑制することができる。
上記液体収容容器において、前記供給部材に、前記空間を大気に連通させる連通口が設けられていることが好ましい。
この構成によれば、空間が供給部材に形成される場合、供給部材に設けた連通口によって空間を容易に大気と連通させることができる。
上記液体収容容器において、前記連通口の形状は多角形であることが好ましい。
この構成によれば、連通口が丸棒などによって容易に塞がれることを抑制するので、連通口によって温度変化に伴う連通空間内の空気の膨張を抑制して、収容室部材と供給部材との接着が剥がれることを抑制することができる。
上記液体収容容器において、前記供給部材には段差部が設けられており、前記段差部は前記連通口の縁の少なくとも一部を形成することが好ましい。
この構成によれば、連通口がシートなどによって塞がれることを抑制するので、収容室部材と供給部材との接合において連通空間に空気を逃すとともに、連通口によって温度変化に伴う連通空間内の空気の膨張を抑制して、収容室部材と供給部材との接合が剥がれることを抑制することができる。
上記液体収容容器において、前記液体収容容器は、前記液体を消費する液体消費装置に装着可能であり、前記液体収容容器が前記液体消費装置に装着された状態において、前記段差部は、前記連通口の重力方向側に位置することが好ましい。
この構成によれば、段差部に付着する異物等は連通口よりも重力方向側に位置するので連通口が塞がれることが抑制される。この結果、連通口によって温度変化に伴う連通空間内の空気の膨張を抑制して、収容室部材と供給部材との接合が剥がれることを抑制することができる。
上記液体収容容器において、前記段差部の鉛直方向に沿う幅は、前記連通口の鉛直方向に沿う幅よりも狭いことが好ましい。
この構成によれば、段差部による段差によって連通口が塞がれることを高い確率で抑制することができるので、連通口によって温度変化に伴う連通空間内の空気の膨張を抑制して、収容室部材と供給部材との接合が剥がれることを抑制することができる。
上記液体収容容器において、前記液体収容容器は、前記液体を消費する液体消費装置に装着可能であり、前記液体収容容器が前記消費装置に装着された状態において、前記連通口は、前記液体供給口よりも反重力方向側に位置することが好ましい。
この構成によれば、液体供給口から漏れ出た液体によって連通口が塞がれることを抑制するので、連通口によって温度変化に伴う連通空間内の空気の膨張を抑制して、収容室部材と供給部材との接合が剥がれることを抑制することができる。
上記液体収容容器において、前記液体収容容器は、前記液体を消費する液体消費装置に挿入されて装着可能であり、前記連通口は、前記供給部材において前記液体消費装置への挿入方向側に位置していることが好ましい。
この構成によれば、液体消費装置に装着された状態において連通口が隠蔽されるので、連通口が塞がれることを抑制する。この結果、連通口によって温度変化に伴う連通空間内の空気の膨張を抑制して、収容室部材と供給部材との接合が剥がれることを抑制することができる。
上記課題を解決する液体収容体は、上記構成の液体収容容器をケース部材内に備える。
この構成によれば、液体収容体は、収容室部材と供給部材との接合が剥がれることが抑制される液体収容容器を備えることができる。
上記課題を解決する液体供給容器は、液体を外部に流出させるための液体供給口が形成された供給部材と当該供給部材に接合されるフィルムとにより形成される液体収容室を備える液体収容容器であって、前記供給部材と当該供給部材に接合された前記フィルムとにより前記供給部材に形成される空間は、前記液体収容室に連通しておらず大気に連通している。
この構成によれば、フィルムと供給部材とが接合されて形成される空間から空気を逃すので、温度変化に伴う空気の膨張によってフィルムと供給部材との接合が剥がれることを抑制することができる。
液体消費装置の一例であるプリンターの一実施形態を示す概略斜視図。 プリンターに備えられたインクカートリッジの装着部を示す斜視図。 装着部に幅の広いインクカートリッジが装着される状態を示す斜視図。 インクカートリッジが挿抜可能に装着される装着部を示す斜視図。 装着部を図4とは別の方向から見た斜視図。 装着部を示す図で、(a)はその平面図、(b)は(a)におけるA−A線矢視断面図、(c)は(b)における矢印6cで示す部分の拡大図。 (a),(b)はインクカートリッジの形状を示す斜視図。 (a)〜(e)はインクカートリッジの各面を示す図。 (a),(b)は幅の広いインクカートリッジの形状を示す斜視図。 インクカートリッジが装着部に一部挿入された状態を示す図で、(a)はその部分平面図、(b)は(a)におけるB−B線矢視断面図。 (a)は可動係止部に係合するインクカートリッジの溝部を示す部分底面図、(b)は装着部に設けられた可動係止部として機能するレバー部材の構成を示す模式図。 インクカートリッジの構造を示す分解斜視図。 幅の広いインクカートリッジの構造を示す分解斜視図。 インクカートリッジ内に備えるインク容器を示す図で、(a)及び(b)は、インク容器を互いに裏返し状態で見た斜視図。 インク容器の構造を示す分解図で、(a)及び(b)は、図14における(a)及び(b)と、それぞれ同じ方向から見た斜視図。 (a)はインク容器内のフィルター室の構成を示す分解斜視図、(b)はインク容器内の減圧室の構成を示す分解斜視図。 フィルター室と減圧室の構造を示す図で、(a)はインク容器の側面図、(b)は(a)におけるC−C線矢視断面図、(c)は(a)におけるD−D線矢視断面図。 第1供給部材に設けられたインク流路を示す図で、(a)はインク容器の平面図、(b)は(a)におけるE−E線矢視断面図。 (a)は第1供給部材を示す斜視図、(b)は第1供給部材を連通口と交わる位置で切断した断面斜視図。 (a)はインク容器を示す側面図、(b)は(a)におけるF−F線矢視断面図。 インクカートリッジのケース部材に支持される第1供給部材を示す斜視図で、(a)はケース部材の貫通孔へ第1供給部材が挿入される前の状態図、(b)は貫通孔へ第1供給部材が挿入された状態図、(c)は第1供給部材が挿入後回転された状態図。 (a)〜(c)は、図21における(a)〜(c)と対応する状態図で、インクカートリッジのケース部材を一部切断した状態で示す図。 第1供給部材に設けられたL字型部の変形を示す説明図。 装着部へのインクカートリッジの挿入開始時の状態を示す側面図。 装着部へのインクカートリッジの挿入途中の状態を示す側面図。 装着部へのインクカートリッジの装着状態を示す側面図。 装着部のインクカートリッジを挿入方向から見た状態で示す部分拡大図。 装着部のレバー部材がインクカートリッジの溝部と係合開始する状態を示す図で、(a)は装着部の側面図、(b)は(a)におけるG−G線矢視断面図、(c)は(a)におけるH−H線矢視断面図。 インクカートリッジが装着部の符号55Bの位置にある状態を示す図で、(a)は装着部の側面図、(b)は(a)におけるI−I線矢視断面図、(c)は(a)におけるJ−J線矢視断面図。 インクカートリッジが装着部の装着位置にある状態を示す図で、(a)は装着部の側面図、(b)は(a)におけるK−K線矢視断面図、(c)は(a)におけるL−L線矢視断面図。 変形例で、フィルター室および減圧室を備えない第1供給部材を示す図で、(a)及び(b)は、第1供給部材を互いに反対側から見た斜視図。 変形例で、(a)は連通口と交わる溝が形成された第1供給部材を示す斜視図、(b)は第1供給部材を溝に沿って切断した斜視図。 (a),(b)は、装着部へのインクカートリッジの誤挿入を抑制する凸部の変形例を示す斜視図。
以下、液体消費装置の一例であるインクジェット式のプリンターの一実施形態について、図を参照しながら説明する。この実施形態のプリンターは、一方向に搬送されるターゲットの一例である用紙Pに液体の一例であるインクを噴射すなわち消費して画像等を形成することによって用紙Pに印刷を行う。
《プリンターの構成》
図1に示すように、本実施形態のプリンター11は、その一部を二点鎖線で示したように、略直方体形状の筐体11aを備える。筐体11aの上面である重力方向と反対の方向Z側には、プリンター11を駆動させるための電源ボタンなどの操作ボタン11bが設けられている。また、用紙Pが搬送される搬送方向Y側となる筐体11aの前面には開閉可能なカバー11cが設けられている。ユーザーはこのカバー11cを開放した状態で、筐体11aの内部にアクセスすることが可能である。
この筐体11aに覆われた内部空間に収納された略矩形箱状をなすフレーム12内の重力方向側となる下部には、用紙Pの搬送方向Yと交差する方向を長手方向とする支持台13が略水平方向に延設される。また、フレーム12の搬送方向Yと反対側となる後方側の下部には紙送りモーター14aが設けられている。すなわち、この紙送りモーター14aにより駆動される図示しない紙送り機構により、支持台13上にその後方側から前方側に向けて用紙Pが給送される。
また、フレーム12内における支持台13の上方には、該支持台13の長手方向に沿ってガイド軸15が架設されている。このガイド軸15にはその軸線方向において往復移動可能にキャリッジ16が支持されている。詳しくは、左右方向において貫通する支持孔16aがキャリッジ16に形成されるとともに、この支持孔16aにガイド軸15が挿通されている。
フレーム12の後壁内面において上記ガイド軸15の両端の近傍には、駆動プーリー17aと従動プーリー17bとがそれぞれ回転自在に支持されている。駆動プーリー17aにはキャリッジモーター14bの出力軸が連結される。また、駆動プーリー17aと従動プーリー17bとの間には一部がキャリッジ16に連結された無端状のタイミングベルト17が巻き掛けられている。そして、キャリッジモーター14bが駆動されることにより、キャリッジ16はタイミングベルト17を介してガイド軸15にガイドされつつ長手方向すなわち走査方向Xに沿って往復移動する。
キャリッジ16の下側には液体噴射部の一例である液体噴射ヘッド18が設けられる。この液体噴射ヘッド18に対して供給されるインクが当該液体噴射ヘッド18から噴射されて、用紙Pに画像が印刷される。液体噴射ヘッド18へのインクの供給は、筐体11a内に備えられた装着部20に挿抜可能に装着される液体収容体の一例であるインクカートリッジ70によって行われる。すなわち、筐体11aの搬送方向Y先から見て走査方向Xの左側においてインクカートリッジ70が装着される装着部20が配設される。また、インクを流動可能とするインク供給チューブTBが装着部20とキャリッジ16との間に連結されている。このインク供給チューブTBを介して、装着部20に装着されたインクカートリッジ70から液体噴射ヘッド18へのインクの供給が行われる。
本実施形態では、装着部20には、例えば互いに異なる色相のシアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの各色インクがそれぞれ収容された液体収容容器の一例であるインク容器80をそれぞれケース部材73内に有するインクカートリッジ70(図12参照)が4つ装着可能である。各インクカートリッジ70は、その一つを図1において二点鎖線で示すように、開放されたカバー11cを介して装着部20に対して挿抜可能である。
また、フレーム12の内部における支持台13よりも搬送方向Y先から見て走査方向X右側の領域、すなわち印刷時において使用されないホームポジション領域には、メンテナンス装置19が設けられている。このメンテナンス装置19は、上方が開口したキャップ19a及び不図示の吸引ポンプなどを有している。そして、プリンター11では、キャリッジ16がホームポジション領域に移動させられたのち、このメンテナンス装置19において、液体噴射ヘッド18から安定してインクが噴射するようにメンテナンス動作が行われる。
このようなプリンター11において行われる種々の動作は制御部によって制御される。本実施形態では、制御部はCPUやRAM,ROMなどの電気素子が実装された回路基板によって構成され、例えばフレーム12の後方に備えられた箱体12a内に配設される。
さらに、制御部は、インクカートリッジ70からインクが供給される場合に、インクカートリッジ70に備えられた記憶装置の一例である記憶素子36(図10(b)参照)との間で、所定の情報(例えばインクカートリッジ70の種類を識別するのに用いられるデータやインク容器80内のインクの残量を示すデータ)の交信を行う。この情報の交信は、具体的には、装着部20に備えられた電気接続部とインクカートリッジ70に備えられた電気接続部との間での電気的な接続によって行われる。なお、この装着部およびインクカートリッジのそれぞれの電気接続部については後述する。
《インクカートリッジの装着部の構成》
次に、装着部20について、その構成を説明する。
図2、図3および図4に示すように、本実施形態の装着部20は、4つの略直方体状のインクカートリッジ70を、挿入方向Yrとは反対方向となる搬送方向Y側が開口する略箱状のカートリッジ保持体22内に、走査方向Xに沿って並ぶように保持可能な構成とされている。そして、装着部20は、4つのインクカートリッジ70のうち少なくとも一つについて、挿入方向と交差する走査方向Xの寸法の異なるインクカートリッジ70をカートリッジ保持体22内に保持可能な構成を有している。
具体的に、本実施形態の装着部20では、4つのインクカートリッジ70のうちカートリッジ保持体22内において搬送方向Y先から見て走査方向Xの最も左側に保持されるインクカートリッジ70について、そのインクカートリッジ70よりも幅の広いインクカートリッジ70Wも挿抜可能な構成とされている。
すなわち、略箱状のカートリッジ保持体22の内側における重力方向と反対の方向Zに位置する上部には、上部材27が取り付けられている。この上部材27には、インクカートリッジ70の挿入方向Yrに沿って下方に突出するように設けられた一対のガイドレールとしての上ガイドリブ27Aが設けられている。この上ガイドリブ27Aは、挿入されるそれぞれのインクカートリッジ70のカートリッジ保持体22内の挿入位置に応じて、走査方向Xに所定の間隔で設けられている。
この上ガイドリブ27Aは、インクカートリッジ70上面に形成された上側内壁70Aに対向する側面27Sを有している。この上側内壁70Aは、挿入方向Yrに沿う凹部70Sを形成する内側の一対の面である。この側面27Sはインクカートリッジ70の案内面として機能する。すなわち、装着部20に挿入されたインクカートリッジ70において、この側面27Sに対向する上側内壁70Aが当接することによって、上端側がカートリッジ保持体22の走査方向Xにおける位置が規制されつつ、挿入方向Yrへの移動が案内される。なお、図4に示すように、上ガイドリブ27Aの挿入方向Yrとは逆方向側の端部には、走査方向Xの外側に突出するリブ27Tが挿入方向Yrに所定の長さで形成されている。この上ガイドリブ27Aのリブ27Tの機能については後述する。
図4に示すように、カートリッジ保持体22の最も左側に保持されるインクカートリッジ70に対応する上ガイドリブ27Aは、他の3つのインクカートリッジ70に対応する上ガイドリブ27Aよりも、隣接する上ガイドリブ27Aとの間隔が広くなるように上部材27に設けられている。すなわち、本実施形態では、挿入方向Yrの手前から見て最も左側に保持されるインクカートリッジ70に対応する上ガイドリブ27Aとその隣の上ガイドリブ27Aとの間の隙間G1は、他の上ガイドリブ27Aとその隣の上ガイドリブ27Aとの間の隙間G2よりも大きく設定されている。従って、このように隙間G1が隙間G2よりも大きく設定されることによって、カートリッジ保持体22内の最も左側には、図3に示すように、幅の広いインクカートリッジ70Wが挿入可能となる。換言すれば、隙間G1は、幅の広いインクカートリッジ70Wが挿入可能な間隔を有するように設定されている。
また、図2及び図5に示すように、略箱状のカートリッジ保持体22の底部には、底部材28が取り付けられている。この底部材28には、走査方向Xに所定の間隔を有し、インクカートリッジ70の挿入方向Yrに沿って上方に突出する一対のガイドレールである下ガイドリブ28Aが設けられている。この下ガイドリブ28Aは、装着部20に挿入されるインクカートリッジ70に対応して設けられている。本実施形態では、下ガイドリブ28Aは上ガイドリブ27Aと略対向する位置に設けられる。
この一対の下ガイドリブ28Aは、インクカートリッジ70の挿入方向Yrとは逆方向側が、半円の円弧状リブ28Rによって連結された略U字形状を有している。そして、この略U字形状を有する下ガイドリブ28Aの側面28Sが、インクカートリッジ70の底面に設けられた下側内壁70B(図7(b)、図9(b)参照)に対向する案内面として機能する。この下側内壁70Bは、走査方向Xの両側に形成された一対の下側凸部70Dの内側の側面である。すなわち、インクカートリッジ70は、この下ガイドリブ28Aの側面28Sに下側凸部70Dの下側内壁70Bが当接することによって、カートリッジ保持体22の走査方向Xへの移動が規制されつつ、挿入方向Yrへの移動が案内される。
また、図5および図6(c)に示すように、円弧状リブ28Rの隣接位置には、挿入方向Yrに所定の長さで延び、走査方向Xの外側に突出する一対のリブ28Tが形成されている。また、下ガイドリブ28Aの走査方向Xの外側に隣接して、挿入方向Yrに沿うレール28Cが、底部材28の底面よりもZ方向に突出して形成されている。この下ガイドリブ28Aのリブ28Tおよびレール28Cの機能については後述する。
そして、図5及び図6(b)に示すように、カートリッジ保持体22の最も左側に保持されるインクカートリッジ70に対応する下ガイドリブ28Aは、他の3つのインクカートリッジ70に対応する下ガイドリブ28Aよりも、隣接する下ガイドリブ28Aとの間隔が広くなるように底部材28に設けられている。すなわち、本実施形態では、最も左側に保持されるインクカートリッジ70に対応する下ガイドリブ28Aと隣の下ガイドリブ28Aとの間の隙間H1は、他の3つの下ガイドリブ28Aにおける隣の下ガイドリブ28Aとの間の隙間H2よりも大きく設定されている。従って、このように隙間H1が隙間H2よりも大きく設定されることによって、図3に示すように、カートリッジ保持体22内の最も左側に保持されるインクカートリッジ70の挿入位置において、幅の広いインクカートリッジ70Wが挿入可能となる。換言すれば、隙間H1は、幅の広いインクカートリッジ70Wが挿入可能な間隔を有するように設定されている。
また、図3および図4に示すように、カートリッジ保持体22に対して最も左側の位置に幅の広いインクカートリッジ70Wが挿入され、その他の位置に3つのインクカートリッジ70が挿入される場合、それぞれのインクカートリッジ70と幅の広いインクカートリッジ70Wの双方が走査方向Xにおける移動が規制されながら挿入される。すなわち、インクカートリッジ70の挿入方向Yr側とは逆方向側となるカートリッジ保持体22の開口側の端部において、上部材27に下向きに突出した挿入案内部27Cによって、それぞれのインクカートリッジ70および幅の広いインクカートリッジ70Wは、その走査方向Xの移動が凡そ規制される。
一方、図2および図4に示すように、幅の広いインクカートリッジ70Wに替えてインクカートリッジ70がカートリッジ保持体22に挿入される際には、インクカートリッジ70の走査方向Xの幅がインクカートリッジ70Wよりも狭くなる。したがって、挿入案内部27Cによるインクカートリッジ70の走査方向Xへの移動の規制が困難となる。そこで、本実施形態では、インクカートリッジ70をカートリッジ保持体22内へ案内するための一対の案内突起としての案内部27Bが設けられている。案内部27Bは、インクカートリッジ70の挿入方向Yr側の上部と係合し、上ガイドリブ27Aが凹部70S内に位置するように形成されている。
すなわち、案内部27Bは、カートリッジ保持体22の開口側の端部において、上ガイドリブ27Aに対してインクカートリッジ70の挿入方向Yrと交差する交差方向の両側に、下方へ突出するリブとして上部材27に形成されている。この案内部27Bは、互いの走査方向Xの間隔が挿入方向Yrに向かって狭くなるように設けられている。そのため、図3に示すように、幅の広いインクカートリッジ70Wには、カートリッジ保持体22への挿入時に案内部27Bが挿入可能な溝70Hが、凹部70Sの両側に形成されている。
《インクカートリッジの構成》
次に、インクカートリッジ70とインクカートリッジ70Wの構成について詳しく説明する。ここでは、最初にインクカートリッジ70の構成を説明し、その後、幅の広いインクカートリッジ70Wについて説明する。なお、インクカートリッジ70Wについてはインクカートリッジ70との構成の違いのみを説明する。
図2および図7(a),(b)に示すように、インクカートリッジ70は、6つの面からなる略直方体形状を有している。すなわち、装着部20への挿入方向側となる第1面CS1と、当該第1面CS1と対向する第2面CS2とを有している。さらに、第1面CS1および第2面CS2と交差するとともに、装着部20に装着された状態で重力方向側となる第3面CS3と、当該第3面と対向する第4面CS4と、第1面、第2面、および第3面と交差する方向に延びる第5面CS5と、当該第5面CS5と対向する第6面CS6と、を有している。本実施形態では、第2面CS2側から見て走査方向Xの左側の面を第5面CS5とし、走査方向Xの右側の面を第6面CS6とする。
図7(a)および図8(b)に示すように、インクカートリッジ70の第4面CS4には、上側内壁70Aを一対の側面とする一対の上側凸部70Eが設けられている。この上側凸部70Eは、第5面CS5側と第6面CS6側に挿入方向Yrに沿って線状に設けられている。本実施形態では、上側凸部70Eの外側面は、それぞれ第5面CS5および第6面CS6の一部となっている。各上側凸部70Eには、上側内壁70Aにおいて互いに対向する位置に内側に突出する上凸壁部70ETが挿入方向Yrに所定の長さでそれぞれ形成されている。この上凸壁部70ETの機能については後述する。
そして、図8(b)において網掛け領域で示すように、この対向する2つの上凸壁部70ETに挟まれた領域の挿入方向Yrへの延長領域R4に、プリンター11(装着部20)との間で電気的な接続を行う電気接続部としての第1の端子35が設けられた回路基板30が取り付けられている。また、回路基板30は、挿入方向Yr下流側が上流側よりも第3面CS3に近い姿勢で取り付けられ、挿入方向Yrに対して傾斜した状態とされている。
図7(b)および図8(d)に示すように、装着部20への装着時において底面となる第3面CS3には、前述する一対の下側凸部70Dが、それぞれ第5面CS5側と第6面CS6側において挿入方向Yrに沿ってそれぞれ線状に設けられている。本実施形態では、下側凸部70Dの内側の面は、挿入方向Yrに沿う下側内壁70Bであり、下側凸部70Dの外側面は、それぞれ第5面CS5および第6面CS6の一部である。各下側内壁70Bには、互いに対向する位置においてそれぞれ内側に突出する下凸壁部70DTが挿入方向Yrに所定の長さで形成されている。この下凸壁部70DTの機能については後述する。
そして、図8(d)において網掛け領域で示すように、この対向する2つの下凸壁部70DTに挟まれた領域の挿入方向Yrへの延長領域R3に、プリンター11(装着部20)が備える可動係止部と係合可能な溝部70Gが形成されている。
また、図8(c),(d)に示すように、第3面CS3には、第5面CS5側および第6面CS6側に設けられた下側凸部70Dのそれぞれにおいて、その一部がさらに第3面CS3から重力方向側へ突出する突起部70Pが設けられる。本実施形態では、この突起部70Pは、挿入方向Yrに間隔を空けて2つ設けられることによって、合計4つの突起部70Pが底面に形成される。換言すれば、挿入方向Yrに沿う一対の線状凸部としての下側凸部70Dと、当該下側凸部70Dに設けられた突起部70Pと、によって凸部70Cが構成されている。そして、後述するように、この凸部70Cは、底部材28に設けられたレール28Cを摺動することによって装着部20に接する。
なお、本実施形態では、下側凸部70Dには複数の矩形形状溝70Mが形成されている。これは、インクカートリッジ70の成型後にインクカートリッジ70材料である合成樹脂が収縮して凹みが生じることを防止する目的で形成されている。突起部70Pは、矩形形状溝70Mが形成された下側凸部70Dにおいて幅方向の最も内側に位置する部分に設けられる。また、突起部70Pは、インクカートリッジ70が装着部20へ装着された状態において、第4面CS4に取り付けられた回路基板30に設けられた第1の端子35が、装着部20への挿入方向Yrから見て、第5面CS5側および第6面CS6側にそれぞれ設けられた突起部70P(凸部70C)の間に位置するように形成されている。また、突起部70P(凸部70C)は、第5面CS5から第6面CS6に向かう方向における第3面CS3の中心を通り、かつ、第5面CS5に平行な仮想面、よりも第5面CS5側および第6面CS6側に形成されている。
さらに、図7(b)および図8(d),(e)に示すように、本実施形態のインクカートリッジ70を装着部20への挿入方向Yrから見たとき、第3面CS3に設けられた凸部70C(第1の凸部)の間に位置する2つの下側凸部70D(第2の凸部)を連結する連結リブ70Rが設けられている。この連結リブ70Rは、第3面CS3のうち挿入方向Yrとは反対方向の第2面CS2側に設けられている。なお、本実施形態では、連結リブ70Rは、第3面CS3からの高さが下側凸部70Dと同じ高さで突出するように形成されているとともに、第2面CS2の一部を構成するように設けられている。
図7(a),(b)および図8(a),(b),(d)に示すように、インクカートリッジ70の第1面CS1には、インクカートリッジ70内に備える液体収容室の一例であるインク室IS(図12参照)から外部へインクが流出可能な液体供給口81Kが、延長領域R3と延長領域R4とに交差する領域R1内に設けられている。すなわち、図8(a)において網掛け領域で示すように、第1面CS1における領域R1は、延長領域R3と延長領域R4とを継なぐ領域である。液体供給口81Kは、この領域R1内であって、第4面CS4よりも第3面CS3に近い位置に設けられる。なお、本実施形態では、液体供給口81Kは、領域R1のうち、第3面CS3から第4面CS4に向かう方向の略中央であって、第5面CS5から第6面CS6に向かう方向の略中央に設けられる。
図2および図8(e)に示すように、装着部20への挿入方向Yr側とは反対側の第2面CS2には、インクカートリッジ70を識別するためのラベル74の貼り付け位置を示す位置マーク72a,72bが形成されている。位置マーク72a,72bは、第2面CS2の表面に対して凸形状または凹形状で形成され、ユーザーは、この位置マーク72a,72bを目印に第2面CS2の適切な位置に、容易にラベル74を貼り付けることができる。
また、図示を省略するが、第2面CS2に貼り付けられたラベル74には、例えば「押」の文字など、インクカートリッジ70を装着部20へ挿入する際のユーザーの押し込み位置を示すマークMKを記すことが可能である。なお、このマークMKは、第2面CS2に貼り付けられたラベル74において、図8(e)に円形の破線で示したように、第1面CS1に設けられた液体供給口81Kと対向する位置に記されることが好ましい。
次に、図3および図9(a),(b)に示すように、幅の広いインクカートリッジ70Wは、インクカートリッジ70に対して、液体供給口81K、溝部70G、回路基板30、およびラベル74は同じ形状であって、ケース部材73を幅方向(主走査方向X)に広げた形状とされている。従って、第5面CS5と第6面CS6はインクカートリッジ70と同形状であって、第1面CS1、第2面CS2、第3面CS3、および第4面CS4の形状が、インクカートリッジ70とは異なっている。
本実施形態では、液体供給口81Kが設けられた第1面CS1、およびラベル74が貼り付けられた第2面CS2は、ケース部材73を幅方向の両側に等しい長さで延ばした形状とされている。また、第3面CS3は、下側凸部70Dの幅を広げた形状とされている。この広げられた下側凸部70Dにおいて、突起部70Pは幅方向の最も内側に位置する部分に設けられ、インクカートリッジ70と同じ位置とされている。
第4面CS4は、第3面CS3とは異なり、一対の上側凸部70Eのそれぞれが、内側凸部70Eaと外側凸部70Ebによって構成される。上凸壁部70ETは、外側凸部70Ebよりも幅方向の内側に位置する内側凸部70Eaに設けられる。また、内側凸部70Eaと外側凸部70Ebとの間の隙間は、挿入方向Yrに沿う凹部としての溝70Hとされている。この溝70Hは、カートリッジ保持体22への挿入時に案内突起としての案内部27Bが挿入可能な溝として設けられる。また、内側凸部70Eaは、上ガイドリブ27Aと案内部27Bとの間に挿入可能とされ、その上側内壁70Aが上ガイドリブ27Aに案内されるように構成される。このように、本実施形態では、インクカートリッジ70Wにおいて、上側凸部70Eと溝70Hとは一つの側面である第4面CS4に設けられている。
《装着部におけるインクカートリッジの装着に係る機構構成》
さて、本実施形態の装着部20には、装着部20へ挿入されたインクカートリッジ70(70W)に設けられた記憶素子36に電気的に接続して所定の情報を伝達する端子接続機構や、装着部20へ挿入されたインクカートリッジ70(70W)の液体供給口81Kからインクを流出させる流路接続機構が備えられる。また、挿入されたインクカートリッジ70(70W)をカートリッジ保持体22から抜け出ないように保持する保持機構が備えられる。次に、この端子接続機構、流路接続機構、および保持機構について、インクカートリッジ70が装着される場合を例にして、図を参照して説明する。もとより、インクカートリッジ70Wが装着される場合についても同様である。
まず、端子接続機構の構成について説明する。
図4および図10(a),(b)に示すように、略箱状のカートリッジ保持体22の開口側とは反対側の内部には、挿入方向Yrと直交する方向に延びる壁部材26がカートリッジ保持体22の奥の壁を構成する一部材として形成されている。この壁部材26に装着部20側の電気接続部としての第2の端子34が備えられている。この第2の端子34に対して、インクカートリッジ70に設けられた電気接続部としての第1の端子35が当接されて電気的に接続される。そして、この第1の端子35と第2の端子34との電気的な接続によって、フレキシブル基板などの配線基板33から第2の端子34を介して送られる情報が、インクカートリッジ70に備えられた記憶装置としての記憶素子36に第1の端子35を経由して伝達されて記憶される。
具体的に、図4に示すように、カートリッジ保持体22の壁部材26において、挿入方向Yrに沿ってスライド移動可能な可動部材31が設けられる。すなわち、壁部材26には、挿入方向Yrに沿って設けられた案内孔(不図示)を有する一対のスライドガイド部26Aが各インクカートリッジ70に対応して形成されている。可動部材31には、その案内孔内を摺動する摺動部(不図示)が一部に形成された一対のスライド部32が設けられている。従って、このスライド部32がスライドガイド部26A(案内孔)に沿って移動することによってスライド機構が構成され、可動部材31は挿入方向Yrに沿って移動する。なお、可動部材31はスライド部32の後端部がスライドガイド部26Aと当接することによって挿入方向Yr側への移動が規制されている。
また、本実施形態では、図4、図7(a)および図10(a),(b)に示すように、インクカートリッジ70において、挿入方向Yrに対して交差するように傾斜した傾斜面71Kが、第4面CS4におけるカートリッジ保持体22への挿入方向Yr側の端部に形成されている。この傾斜面71Kには第1の端子35が設けられている。また、可動部材31における前方側(挿入方向Yrと反対の方向)に、インクカートリッジ70がカートリッジ保持体22に挿入された際に第1の端子35と対向する対向部31Kが形成されている。さらに、この対向部31Kに第2の端子34が設けられている。そして、可動部材31は、壁部材26において挿入方向Yrに沿ってスライド移動したとき、第2の端子34が第1の端子35に対して当接可能な位置に設けられる。
なお、本実施形態では、電気接続部としての第1の端子35は、その基板面がインクカートリッジ70の傾斜面71Kに沿って配設された回路基板30であって、より詳しくは、その基板面に形成された金属パターンである。そしてこの回路基板30に備えられたICチップのメモリーが記憶素子36として機能する。また、第2の端子34は、可動部材31の対向部31Kにおいて片持ち状態で取り付けられた金属板であって、これらの金属板は第1の端子35と確実に当接するように、第1の端子35との接続部分(当接部分)が僅かに変位可能とされている。
また、挿入方向Yrに対して傾斜する傾斜面71Kに設けられた回路基板30は、その挿入方向Yrへの投影面積に比べて、傾斜面71Kに沿う基板面の面積が大きくなる。従って、回路基板30においてその基板面に複数の金属パターンを形成することが可能である。
本実施形態の可動部材31は、対向部31Kがインクカートリッジ70の第1の端子35に近づく方向(ここでは挿入方向Yrと反対の方向)に付勢される。すなわち、壁部材26には、可動部材31を挿入方向Yrと反対の前方向、つまり対向部31Kが第1の端子35に近づく方向に付勢する第2の付勢部材38が備えられている。なお、本実施形態では、第2の付勢部材38として圧縮コイルばねが用いられるとともに、可動部材31は前方向への移動が規制された状態において、第2の付勢部材38によって付勢された状態とされている。
なお、図5および図6(a),(b)に示すように、配線基板33は、カートリッジ保持体22の一側面に取り付けられた中継器39を経由して、プリンター11に備えられた制御部との間で、所定の情報の交信が行われる。端子接続機構は、このように構成されている。
次に、流路接続機構の構成について説明する。
図4に示すように、壁部材26に設けられた供給針29がインクカートリッジ70に設けられた液体供給口81Kに挿入されることによって、インクカートリッジ70内のインク室ISに収容されたインクがその供給針29の内部に流入する。供給針29の内部に流入したインクは、壁部材26内に形成された不図示の流路を介し、同じく不図示の液体供給機構によって液体噴射ヘッド18に供給される。
また、図4および図10(b)に示すように、この供給針29を囲むように配設されるとともに挿入方向Yrに沿って移動が可能な移動体41と、この移動体41を挿入方向Yrとは反対方向へ付勢する第1面付勢部材としての第1の付勢部材48とが、装着部20に備えられている。本実施形態では、第1の付勢部材48は、圧縮コイルばねが用いられ、そのコイル形状部の内側に供給針29が位置するように壁部材26に配設されている。
従って、挿入されるインクカートリッジ70に対して移動体41が当接することによって、第1の付勢部材48がインクカートリッジ70の第1面CS1を付勢する第1面付勢部材として機能する。そして、移動体41が当接する第1面CS1における液体供給口81Kを中心とした部分は、第1面被付勢部として機能する。なお、本実施形態では、液体供給口81Kは、第1面CS1において第4面CS4よりも第3面CS3に近い位置に備えられている。従って、この第1面被付勢部は、同様に、第1面CS1のうち、第4面CS4よりも第3面CS3に近い位置とされている。
なお、本実施形態では、移動体41には、挿入方向Yrに沿って設けられた3つの突部42が形成され、それぞれの突部42が壁部材26に設けられた3つの溝部26Bに沿って移動することによって、移動体41は挿入方向Yrに沿って移動する。また、移動体41は各突部42の後端部42Aが壁部材26と当接することによって挿入方向Yr側への移動が規制される。流路接続機構は、このように構成されている。
次に、保持機構の構成について説明する。
本実施形態の装着部20において、カートリッジ保持体22に挿入されたインクカートリッジ70が移動体41と当接した以降は、インクカートリッジ70の挿入方向Yrへの移動に伴って第1の付勢部材48が圧縮されるために挿入方向Yrと反対の方向に付勢力が発生する。発生した付勢力は、移動体41を介してインクカートリッジ70を押し戻す力として作用する。このため、インクカートリッジ70をカートリッジ保持体22に第1の付勢部材48の付勢力に抗して押し込んだ状態で保持することは困難である。そこで、本実施形態では、カートリッジ保持体22に押し込まれたインクカートリッジ70が抜け出ないように保持する保持機構が備えられる。
図10(b)および図11(a),(b)に示すように、保持機構は、インクカートリッジ70の第3面CS3(底面)に設けられた溝部70Gと、カートリッジ保持体22(底部材28)において回転自在に軸支された可動係止部としてのレバー部材52とによって構成される。すなわち、インクカートリッジ70の溝部70Gはカム形状とされ、レバー部材52に対して、このカム形状とされた溝部70Gが係合することによって、インクカートリッジ70は装着部20に係止されて保持される。
レバー部材52は、その基端側に形成されたカートリッジ保持体22の内底面と垂直な軸線を有する軸部52Jを中心に回転し、基端側と反対の先端側において上側に形成されたピン55が揺動する。そして、レバー部材52に形成された掛部53とカートリッジ保持体22に設けられた掛部23との間に架設されたばね54の張力F1によって、レバー部材52は、常に軸部52Jを中心として一方向D1(ここでは下方から見て反時計方向)へ揺動するように付勢される。この結果、レバー部材52に形成されたピン55は、一方向D1へ揺動するように常に付勢される。なお、レバー部材52の一方向D1への回転は、カートリッジ保持体22に設けられた規制部24によって規制される。
このように構成された保持機構において、ピン55は、図11(a)において破線の円で示すように、インクカートリッジ70がカートリッジ保持体22内へ挿入されるのに伴って、カム形状の溝部70Gを定まった経路順に移動する。換言すれば、インクカートリッジ70の溝部70Gはカムとして機能し、レバー部材52のピン55はカムフォロアーとして機能する。
すなわち、インクカートリッジ70が第1の付勢部材48の付勢力に抗してカートリッジ保持体22内に押し込まれると、インクカートリッジ70のピン55は、符号55Aで示す初期位置から図11(a)において実線矢印で示すように移動して符号55Bで示す位置へ移動した状態となる。そしてこの状態で押し込みが解除されるとインクカートリッジ70は第1の付勢部材48によって前方へ少し押し戻されるとともに、ピン55は一方向D1への揺動によって溝部70Gのカム形状に沿って移動し、符号55Cで示す位置に移動する。この位置は、ピン55の移動が溝部70Gにおいて規制された規制位置であり、ピン55がこの規制位置に移動することによって、インクカートリッジ70は、第1の付勢部材48の付勢力による挿入方向Yrと逆の抜取方向(ここでは搬送方向Y)への移動が規制された規制状態で保持される。すなわち、ピン55が規制位置に位置することによって、溝部70Gはレバー部材52のピン55によって係止され、インクカートリッジ70は、装着部20からの抜取方向への移動が規制された保持状態とされる。
本実施形態では、このインクカートリッジ70の保持状態はインクカートリッジ70の装着部20への装着状態とされ、この装着状態において、レバー部材52は、ピン55がインクカートリッジ70を溝部70Gにおいて押し上げる付勢力を発生させる。すなわち、レバー部材52は、溝部70Gのカム形状に沿って確実に移動することができるように、溝部70Gに対して押圧された状態で当接する構成とされる。従って、レバー部材52は、可動係止部として機能するとともに、第3面を付勢する第3面付勢部材としても機能する。そして、溝部70Gは、レバー部材52によって付勢される第3面被付勢部として機能する。
その後、装着状態にあるインクカートリッジ70が、第1の付勢部材48の付勢力に抗して再び挿入方向Yrとなるカートリッジ保持体22内に押し込まれると、溝部70G内のピン55はその移動に対する規制が解除され、規制位置から図6(a)において符号55Dで示す位置へ移動する。そしてこの符号55で示す位置への移動においてインクカートリッジ70の押し込みが解除されると、インクカートリッジ70は第1の付勢部材48によって抜取方向(挿入方向Yrと反対の方向)へ押し戻され、ピン55が符号55Dで示す位置から符号55Eで示す位置に移動する。さらにインクカートリッジ70が第1の付勢部材48の付勢力によって抜取方向へ移動されられるのに伴って、ピン55は、カム形状として形成された斜面部70Lに沿って下方へ押し下げられながらこの斜面部70Lを移動し、図6(a)において破線矢印で示すように、符号55Eで示す位置から符号55Aで示す初期位置へ戻る。このように、保持機構では、インクカートリッジ70の押し込み動作に伴って、ピン55が初期位置と規制位置との間を繰り返し移動する。保持機構は、このように構成されている。
《インクカートリッジの部材構成》
次に、インクカートリッジ70および幅の広いインクカートリッジ70Wの構成について説明する。
図12に示すように、インクカートリッジ70は、挿入方向Yr側の第1ケース部材71と挿入方向Yrとは逆方向側の第2ケース部材72との2つの部材が組み合わされたケース部材73内に、液体収容容器としてのインク容器80が収容されている。第1ケース部材71には、装着部20への装着時に重力方向と反対の方向であるZ側となる上面側に、挿入方向Yr側の端部において回路基板30が取り付け可能な傾斜面71Kが設けられ、その下面側には、溝部70Gが設けられている。また、液体供給口81Kが設けられた供給部材である第1供給部材81が、第1ケース部材71に組み付けられて支持されることによって、液体供給口81Kが第1ケース部材71に設けられた貫通孔形成部75の貫通孔75H(図21(a)、図22(a)参照)を介して、第1ケース部材71の挿入方向Yr側の面、つまり第1面CS1に備えられる。第2ケース部材72には、挿入方向Yrとは逆方向側の面、つまり第1面CS1と対向する第2面CS2に、ラベル74が貼り付けられる。この第2ケース部材72が、インク容器80が支持された第1ケース部材71に対して挿入方向Yrにスライド移動して組み合わされることによって、インクカートリッジ70が出来上がる。
インク容器80は、第1供給部材81に対して収容室部材の一例である袋状のパック体91の開口側が接合された所謂インクパックの状態で形成され、その内部はインクが収容可能な液体収容室の一例であるインク室ISとされている。本実施形態では、パック体91は可撓性部材の一例であるフィルムで形成され、走査方向Xと交差する方向に延在する2枚の矩形薄板状のパック部材92が、その外周四辺のうち三辺が溶着されてまず袋状に形成される。そして、形成された袋の開口側に第1供給部材81が挿入された状態で、第1供給部材81と一緒に開口側の一辺が溶着されることによって、パック体91が第1供給部材81に接合されてパック体91の内部がインク室ISとされる。従って、可撓性を有するパック体91は、インクの流出によるインク室ISの容積減少に伴って走査方向Xにおいて対向する2枚のパック部材92間の隙間が減少するように変形する。
図13に示すように、幅の広いインクカートリッジ70Wは、インクカートリッジ70と同様に、挿入方向Yr側の第1ケース部材71と、挿入方向Yrとは逆方向側の第2ケース部材72との2つの部材が組み合わされたケース部材73内に、液体収容容器としてのインク容器80が収容されている。インクカートリッジ70Wの第1ケース部材71と第2ケース部材72は、インクカートリッジ70の第1ケース部材71と第2ケース部材72に対してそれぞれ幅が異なる以外は同様な構成とされている。そして、大きくなった幅に対応してインク容器80の構成のうちパック体91の形状がインクカートリッジ70とは異なる構成とされている。
すなわち、インクカートリッジ70Wのインク容器80を形成するパック体91は、パック部材92が、挿入方向Yrと交差する上下方向において折り込まれたマチ部分92aを有する挿入方向Yrに貫通する筒状とされる。そして筒状のパック部材92が、その挿入方向Yr側とは反対側が溶着されて袋状に形成されたのち、残る挿入方向Yr側の開口側が第1供給部材81に対して溶着により接合される。従って、インクカートリッジ70Wのパック体91は、インク室ISにインクが収容された状態ではマチ部分92aが伸びて比較的大きな容積のインク室ISが形成される。また、インクの流出によるインク室ISの容積減少に伴ってマチ部分92aが折り込まれた状態に戻ることによって縮むので、走査方向Xにおいて対向するパック体91のパック部材92間の隙間が減少するように変形する。
《インク容器の部材構成》
次に、インク容器80の部材構成について説明する。なお、本実施形態では、インクカートリッジ70とインクカートリッジ70Wとは、パック体91のみが異なり、その他の部材構成は同じである。
図14(a),(b)に示すように、インク容器80は、液体供給口81Kが形成された第1供給部材81と、この第1供給部材81に接合されたパック体91によって形成されるインクの収容空間であるインク室IS内にフィルター室60Fと減圧室60Dとを備える。本実施形態では、フィルター室60Fと減圧室60Dは、第1供給部材81に接続可能に構成された第2供給部材61に形成され、装着部20への装着時における走査方向Xとなる方向から見て重なる位置、つまり互いに表裏関係となる位置に配設されている。
第2供給部材61には、インク室ISにインクを注入する際の注入口62と、この注入口62を囲む環状リブ62aが設けられている。インク注入後は、パック体91(パック部材92)が環状リブ62aに接合(溶着)されることによって注入口62はインク室ISとの連通が遮断されるように封止される。
次に、第1供給部材81と第2供給部材61とについて図を参照して説明する。なお、参照する図面は、パック体91が省略されて図示されている。
図15(a),(b)に示すように、第1供給部材81は、断面が楕円の柱形状を有する接続部82aを有し、第2供給部材61は、断面が楕円形状の穴である被接続部63を有する。被接続部63に対して、弁体93(逆止弁)が挿入された後、接続部82aが挿入されることによって、第1供給部材81と第2供給部材61とが接続される。なお、本実施形態では、第1供給部材81と第2供給部材61は、接続部82aと被接続部63との間で着脱可能に接続される。
第1供給部材81の接続部82aが形成された部分は、挿入方向Yrから見て長手方向の両端に舟先形状が形成された一方向に長い舟形形状である。この舟形形状の側面はパック体91が溶着等によって接合される接合面82Sである。従って、舟形形状の部分は、パック体91との接合部82とされている。なお、接合部82の長手方向は、装着部20への装着時において鉛直方向に沿う方向とされている。
また、第1供給部材81は、この接合部82の装着部20への挿入方向Yr側に、挿入方向Yrが板厚方向とされるとともに、接合部82の長手方向と同方向に長手方向を有する略矩形板状の本体81Aが形成されている。本実施形態では、本体81Aは挿入方向Yrから見て非対称に形成されている。具体的には、長手方向の一端は矩形であるのに対して、他端は略L字形状のL字型部81Fが形成されている。
第1供給部材81の本体81Aには、その先端に液体供給口81Kが形成された筒状流路部85が設けられている。この筒状流路部85は、L字型部81Fが形成された他端側寄りの位置において、本体81Aの板厚方向となる挿入方向Yr側に向かって突出するように設けられている。この筒状流路部85には、第1ケース部材71に固定される際に、第1ケース部材71と係合可能であって、係合したときに挿入方向Yrとは逆方向の移動が規制される被係合部86が設けられている。被係合部86は、筒状流路部85において、本体81Aの長手方向に沿う方向の両側に形成されている。この被係合部86は本体81Aと略平行な板面を有して突出した第1被係合部86Aと、この第1被係合部86Aの先端から、挿入方向Yr側に向かって第1被係合部86Aに対して略直角になるように設けられた第2被係合部86Bとによって構成されている。なお、第1被係合部86Aには本体81A側の本体上面に円柱側面を形成するように僅かに突出した円柱86Pが設けられている。
また、筒状流路部85には、先端に形成された液体供給口81K側から順に、供給口ばね87、供給口ばね座88、供給口シールゴム89が挿入され、最後に、供給口フィルム94が筒状流路部85の先端に溶着などによって接合される。この供給口フィルム94の接合によって液体供給口81Kがシールされた状態となる。そして、ここでは図示を省略するが、この筒状流路部85の先端に形成された液体供給口81Kに対して供給針29が挿入されることによって、供給口フィルム94のシールが破られるとともに、供給口シールゴム89と当接してインクの流路を遮断していた供給口ばね座88が供給口シールゴム89から離れるように押し込まれる。この結果、液体供給口81Kにおいてインクの流動が可能な隙間が形成され、形成された隙間から供給針29に対してインクが流入する。
一方、第1供給部材81の接合部82に対して接続される第2供給部材61は、その外形が挿入方向Yrに長い略直方体形状を有している。第1供給部材81との接続側の形状が、接合部82の舟形形状の長手方向と同じ方向を長手方向とするとともに、その長手方向の両端が半円若しくは半楕円の長円形状とされている。そして、この第2供給部材61の接続側の長円形状は、挿入方向Yrから見て接合部82の舟形形状内に収まる形状とされている。
図16(a),(b)に示すように、第2供給部材61には、直方体形状における走査方向Xの両側に対向して位置する面積が最大の2つの平面のうち、一方の第1平面FS側にフィルター室60Fが形成され、他方の第2平面DS側に減圧室60Dが形成されている。そして、本実施形態では、第2供給部材61は、少なくともその一部が、フィルター室60Fと減圧室60Dとを形成する共通部材となっている。
フィルター室60Fは、図16(a)に示すように構成される。すなわち、第2供給部材61には、その第1平面FS側において、挿入方向Yrが長く、挿入方向Yrと交差する方向が短い略平行四辺形状の第1開口部65を有する第1凹部領域64が設けられる。そして、この第1凹部領域64の底面には、接続部82aが接続される被接続部63側に向かって傾斜する傾斜面64aが設けられる。この傾斜面64aは、被接続部63の底面が第1開口部65側の底面よりもX方向側に位置するように傾斜している。さらに、インクが透過可能であって、異物の透過を抑制するフィルター66は挿入方向Yrを長辺とする略平行四辺形の外形形状を有している。このフィルター66が第1凹部領域64の第1開口部65を塞ぐように第2供給部材61に貼り付けられることによって、フィルター室60Fが形成される。すなわち、第1凹部領域64は、第1開口部65がフィルター66を通過してインクの流入可能な液体流入領域として機能することによって、第2供給部材61の第1平面FS側においてフィルター室60Fを構成する。
本実施形態では、フィルター室60Fとなる第1凹部領域64内には、挿入方向Yrに沿うリブ64bが設けられている。このリブ64bは、フィルター66がフィルター室60F内側に向かって変形した場合にフィルター66に当接する当接部として機能し、フィルター66の変形を抑制することができるようになっている。
また、本実施形態ではフィルター66は繊維素材が織られたシートを切断して形成され、その織られた繊維素材が解れないように、外形形状を平行四辺形とすることによって繊維素材の織り方向に対して切断面が斜めになるように工夫されている。
減圧室60Dは、図16(b)に示すように構成される。すなわち、第2供給部材61の第2平面DS側において、挿入方向Yrが長く、挿入方向Yrと交差する方向が短い略矩形の第2開口部68を有する第2凹部領域67が設けられる。この第2凹部領域67には、第1凹部領域64の傾斜面64aと走査方向Xから見てほぼ重なる位置に、傾斜面67aが設けられている。この傾斜面67aは、挿入方向Yrと反対方向側の底面が被接続部63側の底面よりも第2開口部68から離れるように傾斜している。
また、本実施形態では、第2凹部領域67は走査方向Xを投影方向とする投影面積が最大となるように形成されている。この投影方向つまり走査方向Xから見て、フィルター室60Fとして機能する第1凹部領域64は、第2凹部領域67内に位置するように形成されている。
そして、フィルム69が、減圧雰囲気中において第2開口部68を塞ぐように第2供給部材61に貼り付けられることによって、第2凹部領域67は大気圧よりも低い圧力を有する減圧空間で且つ密閉空間とされる。このフィルム69はインク中に溶存する気体やインク中に発生した気泡が通過可能な性質を有するフィルムである。これにより、第2凹部領域67は第2供給部材61の内部であって第2供給部材61の第2平面DS側に減圧室60Dを構成する。なお、第2凹部領域67は大気圧よりも低い圧力を有する減圧空間であればよく、必ずしも密閉空間とする必要はない。
加えて、図16(a),(b)に示すように、第2供給部材61には複数の凸部61A,61B,61Cが設けられる。本実施形態では、凸部61A,61Bは、挿入方向Yrと交差する第2供給部材61の短手方向(鉛直方向Z)の両端部においてフィルター66を挟むように形成される。その形状は、第2供給部材61の短手方向に沿って延びる凸部である。この凸部を挿入方向Yrから見ると半円又は半楕円の形状となっている。すなわち、凸部61A,61Bは、第2供給部材61において、第1供給部材81との接続側の長円形状における半円若しくは半楕円と略同じ形状の部分が、挿入方向Yrに沿って複数並んで延在するように形成される。そして、凸部61A,61B,61Cのそれぞれにおける凸部間には隙間が形成されるとともに、凸部61A,61Bについては、それぞれの凸部間の隙間が、減圧室60Dのフィルム69からフィルター室60Fのフィルター66に至る溝61Mとして設けられている。
従って、走査方向Xにおいて対向するパック体91のパック部材92間の隙間が減少するように変形して、パック部材92が凸部61A,61B,61Cに接触した場合、例えば凸部61A,61Bのそれぞれにおいて凸部間に設けられた溝61Mは、インクが通過可能な隙間として形成される。従って、インク室IS内のインクは、この溝61Mを通してフィルター66に流入可能とされる。
また、図17(b),(c)及び図18(b)に示すように、第2供給部材61の両側の第1平面FS側と第2平面DS側にそれぞれフィルター室60Fと減圧室60Dが形成される構成とすることによって、フィルター室60Fは減圧室60Dに囲まれるように配設される。すなわち、フィルター室60Fは、走査方向Xにおいて減圧室60Dと重なるとともに、鉛直方向の両側において減圧室60Dに挟まれる位置に設けられている。このように、第2供給部材61は、フィルター室60F内のインクに溶存する気体の割合を低下可能な位置に減圧室60Dを形成することが可能な構成とされている。
また、図16(a)及び図17(a),(b),(c)に示すように、フィルター室60Fには、被接続部63の底面が第1開口部65側の底面よりもX方向側に位置するように傾斜している傾斜面64aが形成される。そして、第1凹部領域64の第1供給部材81側には、インクが流出するインク流出口64Hが設けられる。従って、フィルター室60F内には、第1供給部材81側に流動するインクの流路が形成される。また、第1供給部材81に近い下流側の第1の位置における流路断面積は、この第1の位置よりも第1供給部材81から遠い上流側の第2の位置における流路断面積よりも大きくなる。このような流路により、フィルター室60F内に流入したインクは圧力損失が高くなることが抑制された状態、すなわち流速が速くなることが抑制された状態で液体供給口81Kから流出可能とされている。
このように第2供給部材61に構成されたフィルター室60Fおよび減圧室60Dを備えるインク室ISに収容されたインクは、フィルター室60Fのインク流出口64Hを介して、液体供給口81Kへ流動する。そして液体供給口81Kへ流動したインクは、供給針29側へ流出し、その後、液体噴射ヘッド18に供給される。
すなわち、図17(b)及び図18(b)において実線矢印で示すように、インク室ISからフィルター室60Fに流入したインクは、インク流出口64Hに流入した後、弁体93を通過して接合部82に形成された中継流路82Fを流れ、中継流路82Fと連通する筒状流路部85内に流入する。こうしてインク室IS内のインクは、フィルター66を介して液体供給口81Kまで導かれる。なお、弁体93は、インク室IS側から液体供給口81K側へのインクの流れを許容し、液体供給口81K側からインク室IS側へインクの逆流を規制する逆止弁として機能する。
図15(a),(b)および図19(a),(b)に示すように、パック体91が溶着などによって接合される接合部82には、接合面82Sである舟形形状の側面において、長手方向に沿って複数の溝が形成されている。接合面82Sにパック体91が接合(溶着)された状態で、この複数の溝による空間83が設けられる。この空間83は、インク室IS以外のインクを収容していない(インク室ISと連通していない)非収容空間の一例である大気と連通する構成とされている。
すなわち、図19(a),(b)に示すように、本実施形態では、第1供給部材81には、本体81Aにおける接合部82とは反対側の板状の本体上面81Sに大気と連通する連通口84が形成された円筒状の空間84Sが設けられ、この円筒状の空間84Sが空間83と連通する。従って、空間83は、円筒状の空間84Sを介して連通口84が大気と連通する空間として形成される。
また、本実施形態では、円筒状の空間84Sにおいて、その円筒側面の連通口84側であって本体81Aの長手方向に沿う両側に、所定の幅と深さを有する側壁溝84Mが形成されている。このため連通口84の形状は、円形状から、対向する一部の円弧が外側へ膨らんで変形した多角形の形状とされている。さらに、第1供給部材81の本体上面81Sには、連通口84の縁の少なくとも一部を形成する段差部81Dが設けられている。本実施形態では、段差部81Dは、本体上面81Sから接合部82とは反対側である外方に突出し、本体81Aの短手部分に沿う方向に形成されている。
また、インクカートリッジ70(70W)がプリンター11の装着部20に装着された状態、つまりインク容器80が装着された状態において、段差部81Dは、連通口84の重力方向側に位置するとともに、走査方向Xに沿う方向に形成されている。そして、段差部81Dの鉛直方向に沿う幅、すなわち凸部の幅W1は、連通口84の鉛直方向に沿う幅W2よりも狭い幅で形成されている。
同じく、インクカートリッジ70(70W)がプリンター11の装着部20に装着された状態、つまりインク容器80が装着された状態において、連通口84は、液体供給口81Kよりも重力方向と反対の方向であるZ側に位置する。また、本体81Aにおける接合部82とは反対側に形成された連通口84は、第1供給部材81において装着部20への挿入方向Yr側に位置している。
次に、本実施形態の構成による作用について、インク容器80における作用、インクカートリッジ70,70Wの組立における作用、インクカートリッジ70,70Wの装着部20への装着における作用の順で説明する。
《インク容器における作用》
図19(a)に示すように、第1供給部材81の接合部82には、インク室IS以外のインクを収容していない空間の一例である大気と連通する空間83が設けられることによって、パック体91を溶着する際に溶着面に空気が閉じ込められないようにこの空間83に空気を逃がすことが可能である。
また、連通口84の形状が円形ではなく多角形の形状とされていることによって、例えば丸棒などによって容易に連通口84が塞がれることを抑制する。また、連通口84が形成された本体81Aの本体上面81Sにおいて設けられた幅の狭い段差部81Dによって、連通口84には、少なくとも一つ段差が形成される。従って、例えば連通口84がシート部材に覆われた場合でも、形成される段差によって連通口84が閉塞されることを抑制する。さらに、連通口84が液体供給口81Kよりも重力方向と反対の方向であるZ側に位置するので、液体供給口81Kから漏れ出たインクが連通口84に流入する確率が低くなる。また、連通口84は第1供給部材81において装着部20への挿入方向Yr側に位置しているので、インク容器80(インクカートリッジ70(70W))がプリンター11に装着された状態で、プリンター11の外部から進入する異物によって連通口84が塞がれる確率は低くなる。
また、図20(a),(b)に示すように、インク容器80は、インクカートリッジ70(70W)が装着部20に装着された状態において、第2供給部材61の第1平面FS(第2平面DS)の垂線方向は鉛直方向と交差する方向(走査方向X)となる。そして、インク室ISにおいて、フィルター66が貼られた略平行四辺形状のフィルター室60Fの開口形状は、図20(a)において細い破線で示すように、挿入方向Yrに長く、挿入方向Yrと交差する方向となる鉛直方向が短い状態で配置される。なお、図20(a),(b)では、説明を容易にするため、パック体91(パック部材92)については、その外形線のみを図示している。
従って、インク室IS内のインクが液体供給口81Kから流出するのに伴ってその液量が減少すると、パック体91は、図20(b)において二点鎖線で示すように、パック部材92間が狭くなることによって、インクがインク室IS内の重力方向側に多く残留する状態で変形する。すなわち、図20(a)において一点鎖線で示すように、パック部材92が互いに接触する接触位置CPが徐々に重力方向と反対の方向であるZ側から重力方向側へ移動する。
フィルター室60Fへのインクの流入領域となる第1開口部65は、鉛直方向よりも、鉛直方向と交差する挿入方向Yr側に長い。したがって、第1開口部65が鉛直方向に長い場合に比べて、液量の減少に伴い変形する(接触位置CPが重力方向へ移動する)パック体91(パック部材92)が第1開口部65を覆うまでに流出するインクの量を多くすることができる。また、この接触位置CPにおいてパック部材92が複数の凸部61Aに接触した場合、インク室IS内のインクは、凸部61A間に設けられている隙間を介して減圧室60D側からフィルター室60F側へ流入可能である。
また、本実施形態において、第2供給部材61は第1開口部65の形状に応じて鉛直方向と交差する方向に長く形成されるので、ここでの図示による説明は省略するが、インク室ISにおいて第2供給部材61を重量方向側に寄せて配置させることが可能である。この結果、インク室ISからのインクの流出とともに変形するパック体91(パック部材92)が第1開口部65を覆うまでに流出するインクの液量を多くすることも可能である。
また、インクがさらに流出し、図20(b)において破線で示すようにパック部材92間がさら狭くなるように変形したパック体91は、第2供給部材61の第1平面FSに接触する。この接触状態において、パック部材92が複数の凸部61Aに加えて、凸部61B,61Cに接触した場合、この凸部61B,61C間に設けられている隙間を介して、インク室IS内の重力方向側に位置するインクはフィルター室60Fへの流入が可能である。
また、図20(a)において、太い破線と細い破線とで示すように、走査方向Xから見てフィルター室60Fの第1開口部65は、減圧室60Dの第2開口部68内に重なるように配置されている。このため、フィルター室60Fに流入したインクに気体が溶存している場合、この溶存する気体を、フィルター室60Fと減圧室60Dとの間に存在する第2供給部材61の部材部分、すなわちフィルター室60Fと減圧室60Dとを形成する共通部材部分を介して減圧室60Dへ移動させることが容易である。もとより、この場合、第2供給部材61は、少なくともその共通部材部分が、気体の透過性の高い樹脂材料で形成される。
《インクカートリッジの組立における作用》
図21(a),(b),(c)および図22(a),(b),(c)に示すように、インクカートリッジ70(70W)は、第1ケース部材71と第2ケース部材72とが組み合わされて組み立てられる前に、インク容器80が第1ケース部材71に対して取り付けられて支持される。
まず図21(a)および図22(a)に示すように、第1ケース部材71には、第1供給部材81に設けられた筒状流路部85が被係合部86とともに挿入可能な貫通孔75Hが形成された貫通孔形成部75が設けられている。貫通孔形成部75は、第1面CS1から凹んだ凹部形状を有し、貫通孔75Hは、この凹部形状において第1面CS1に沿う方向に形成された底壁に形成されている。そして、この形成された貫通孔75Hの周りには、側壁76が設けられるとともに、この側壁76において、第1供給部材81(筒状流路部85)が挿入される側である第1面CS1側とは反対側には、挿入された第1供給部材81の本体81Aに当接する当接部76Aが設けられている。
次に図21(b)および図22(b)に示すように、第1ケース部材71の貫通孔形成部75に対して、第1供給部材81に設けられた筒状流路部85が被係合部86とともに貫通孔75Hを通過して挿入される。すなわち、貫通孔75Hは、筒状流路部85と被係合部86とが通過可能な形状で開口している。この挿入に際して、インク容器80の挿入姿勢は、第1ケース部材71の長手方向に対して交差する方向が接合部82の長手方向とされている。ちなみに、本実施形態では、第1ケース部材71の長手方向に対して90度とされている。そして、このとき、ユーザーは、非対称な形状とされた本体81Aによって、その挿入姿勢を容易に識別することが可能である。
また、第1供給部材81を第1ケース部材71の当接部76Aに本体81Aが当接するまで挿入した状態では、被係合部86の第1被係合部86Aと貫通孔形成部75の側壁76とは、挿入方向と交差(ここでは直交)する方向から見て重ならない位置に設けられる。
次に図21(c)および図22(c)に示すように、第1ケース部材71(貫通孔形成部75)の貫通孔75Hに対して筒状流路部85が挿入された第1供給部材81を、当接部76Aに当接した状態で、筒状流路部85を中心に挿入方向を軸線方向として回転させる。本実施形態では、第1供給部材81を筒状流路部85の挿入方向手前側から見て時計方向に90度回転させる。この回転により、パック体91はそのパック部材92の延在方向が第1ケース部材71の長手方向に沿う方向となるとともに、第1被係合部86Aが側壁76と挿入方向から見て重なる係合位置に移動する。この結果、第1被係合部86Aと側壁76との係合により、インク容器80の筒状流路部85の貫通孔形成部75における挿入方向およびその逆方向への移動が規制される。これにより、インク容器80の挿入方向に沿う移動が規制され、第1ケース部材71に取り付けられて支持される。なお、本実施形態では、このインク容器80が第1ケース部材71に取り付けられた状態において、筒状流路部85の第1被係合部86Aは、本体81A側に突出した円柱86Pによって、挿入方向における隙間がない状態で貫通孔形成部75の側壁76に係合する。この点で、側壁76は、第1供給部材81に対して当該第1供給部材81が挿入方向と逆方向へ移動するのを規制するように係合する係合部として機能する。
さらに、図21(c)に示すように、インク容器80が第1ケース部材71に取り付けられた状態において、筒状流路部85の回転を規制する係止部が設けられる。この係止部は、第1供給部材81に係止することによって、筒状流路部85の第1被係合部86Aが側壁76と係合した状態での回転を規制する。具体的に、第1ケース部材71には、時計方向に回転する第1供給部材81に設けられたL字型部81Fの回転軌跡内に、取り付けられる第1供給部材81側へ突出する第1突起部71Aおよび第2突起部71Bが係止部として設けられている。
第1突起部71Aは、インク容器80が第1ケース部材71に取り付けられる際の回転方向に移動するL字型部81Fの回転方向側と当接することにより、第1供給部材81を回転方向側において係止する係止部として機能する。一方、第2突起部71Bは、インク容器80が第1ケース部材71に取り付けられる際の回転方向と逆の方向においてL字型部81Fと当接することにより、第1供給部材81の回転方向と逆の方向側において係止する係止部として機能する。また、L字型部81Fは被係止部として機能する。
このため、図23に示すように、L字型部81Fは、インク容器80(第1供給部材81)を時計方向に回転させて第1ケース部材71に取り付ける際には、その回転途中において、図23において二点鎖線で示すように変形するように形成されている。すなわち、L字型部81Fは、ロック機構81Faがその回転途中において第2突起部71Bと係合するとともに、そのロック機構81Faが回転に伴って一旦変形したのち、第2突起部71Bとの係合が解除された時点でその変形が元に戻って第2突起部71Bに係止されるように形成されている。従って、ユーザーがインク容器80を時計方向に回転させて第1ケース部材71に取り付ける際には、ロック機構81Faの変形が元に戻る際に生ずる回転力の変化によって、取り付け位置に回転した状態を容易に認識することができる。もとより、ロック機構81Faの変形は弾性変形であることが好ましい。
従って、本実施形態では、インク容器80を第1ケース部材71から取り外すことが可能とされている。すなわち、第2突起部71Bと係止状態にあるロック機構81Faを、図23において二点鎖線で示すように変形させて第2突起部71Bとの係止状態を解除し、インク容器80(第1供給部材81)を反時計方向に回転させることによって、インク容器80を第1ケース部材71から取り外すことができる。
《インクカートリッジの装着部への装着における作用》
次に、装着部20のカートリッジ保持体22内に挿入される4つのインクカートリッジ70のうち、カートリッジ保持体22における走査方向Xの最も左側の位置に幅の広いインクカートリッジ70Wが挿入される場合について説明する。もとより、他の位置に挿入される3つのインクカートリッジ70についても、また、カートリッジ保持体22における走査方向Xの最も左側の位置に挿入されるインクカートリッジ70についても、装着部20における作用は同様である。
図24に示すように、インクカートリッジ70Wは、カートリッジ保持体22の開口側から、カートリッジ保持体22の上部材27から突出して設けられた挿入案内部27Cの間に挿入されることによって、第3面CS3(底面)における挿入方向Yr側が底部材28の下ガイドリブ28A(円弧状リブ28R)上に載置された状態となる。従って、この挿入開始時の状態では、インクカートリッジ70Wは、その第5面CS5及び第6面CS6がカートリッジ保持体22の挿入案内部27Cによって案内される案内壁部として設けられ、その走査方向Xの位置が凡そ定められる。なお、挿入案内部27Cは、インクカートリッジ70W(70W)が挿入され易いように、挿入されるインクカートリッジ70Wの第5面CS5または第6面CS6との間に隙間を有するように設けられている。
また、この挿入開始時の状態では、インクカートリッジ70Wの上側凸部70Eおよび下側凸部70Dは、カートリッジ保持体22の上ガイドリブ27Aおよび下ガイドリブ28Aと、それぞれ走査方向Xにおいてまだ対向しない位置にある。また、第3面に設けられた4つの突起部70Pは、カートリッジ保持体22に未挿入の状態である。従って、インクカートリッジ70Wは、装着部20においてまだ適切な位置決め動作は行われず、位置が不安定な状態にある。なお、インクカートリッジ70Wは、インク容器80に収容されたインクの重量などによって挿入方向Yrとは逆方向側が重力方向に下がった斜めの状態になる可能性がある。図24ではこのような斜めの状態になるものとして図示されている。
次に、図25に示すように、インクカートリッジ70Wは、図25において二点鎖線で示す状態(装着部20に対してインクカートリッジ70Wの挿入が開始された状態)から挿入方向Yrにさらに押し込まれた状態(装着部20に対してインクカートリッジ70Wの挿入がされている途中の状態)において、下ガイドリブ28Aの円弧状リブ28Rによって案内されてX方向の移動が規制される(位置が決められる)。すなわち、インクカートリッジ70Wの挿入方向Yrへの更なる押し込みに伴って、下ガイドリブ28Aの円弧状リブ28Rが第3面CS3(底面)に形成された下側凸部70D間に入り込む。この円弧状リブ28Rの入り込みによって、インクカートリッジ70Wの底面の第3面CS3側は、その挿入方向Yr側が底部材28の下ガイドリブ28Aと走査方向Xにおいて対向する状態になる。また、上側凸部70E(内側凸部70Ea)も上ガイドリブ27Aと対向する位置となり、インクカートリッジ70Wは、走査方向Xにおいて、底面の第3面CS3側および上面の第4面CS4側の双方において走査方向Xの位置が規制される。この結果、インクカートリッジ70Wは、装着部20における走査方向Xにおいて凡そ位置決めされた状態となる。
なお、この装着部20に対してインクカートリッジ70Wの挿入がされている途中の状態において、インクカートリッジ70Wに設けられた溝70Hに、カートリッジ保持体22の案内部27Bが挿入されることによって、インクカートリッジ70Wの装着部20への装着が妨げられないように回避する(図28(c)参照)。また、インクカートリッジ70Wの第3面CS3において第2面CS2側に設けられた連結リブ70Rは、カートリッジ保持体22の下ガイドリブ28Aの円弧状リブ28Rとは当接することなく挿入方向Yrにおいて離れているので、インクカートリッジ70Wの装着部20への装着が妨げられることはない(図28(b)、図29(b)参照)。
次いで、図26に示すように、インクカートリッジ70Wは、図26において二点鎖線で示す装着部20に対してインクカートリッジ70Wの挿入がされている途中の状態からさらに挿入方向Yrに押し込まれることによって、移動体41が挿入方向Yrに移動して供給針29が液体供給口81K(図9(a)参照)に挿入される。また、装着部20側の第2の端子34とインクカートリッジ70側の第1の端子35(図9(a)参照)とが当接して電気的に接続され、インクカートリッジ70Wは装着部20に装着された状態となる。
図27に示すように、インクカートリッジ70Wが装着部20に装着された状態に至る際に挿入方向Yrへ移動するインクカートリッジ70Wは、走査方向Xにおいて、互いに対向する下側凸部70Dと下ガイドリブ28A、および上側凸部70Eと上ガイドリブ27Aにより、装着部20における走査方向Xにおいて位置決めされた状態を維持しつつ移動する。また、この移動に際して(装着部20に対してインクカートリッジ70Wの挿入がされている途中の状態)、インクカートリッジ70Wの第3面CS3に設けられた4つの突起部70Pのうち、挿入方向Yr側に位置する2つの突起部70Pが、レール28Cと接して摺動する状態となる。さらに、インクカートリッジ70Wが装着部20に装着された状態および装着部20に対してインクカートリッジ70Wの挿入がされている途中の状態までの移動においても、インクカートリッジ70Wの第3面CS3に設けられた4つの突起部70Pのうち、挿入方向Yr側と反対側に位置する2つの突起部70Pが、図27に示すようにレール28Cと接する状態、または接して摺動する状態となる。
この結果、インクカートリッジ70は、少なくとも2つの突起部70Pがレール28Cと接しながら摺動することによって、挿入方向Yrを軸線とする回転に加え、走査方向Xを軸線とする回転が抑制された安定した状態で移動する。また、装着状態においても、走査方向Xにおいて互いに離れた2つの突起部70Pとレール28Cとの接触によって、挿入方向Yrを軸線とする回転が抑制された安定した状態となる。
また、図26に示すように、インクカートリッジ70Wが装着状態となる際に、第3面CS3に設けられた溝部70Gが、レバー部材52と係合することによって、挿入方向Yrにおいて位置決めされる。この位置決めに際して、レバー部材52から重力方向と反対の方向Z側、つまり上側への付勢力を受ける。このため、インクカートリッジ70の挿入方向Yr側はこのレバー部材52の付勢力によって上方に持ち上がった状態となる場合がある。
このような場合において、挿入方向Yr側に位置する2つの突起部70Pがレール28Cから離れる状態となっても、図27に示すように、挿入方向Yrとは逆の方向側においてレール28Cと接する2つの突起部70Pによって、インクカートリッジ70は、走査方向Xを軸線とする回転が抑制された安定した状態を維持する。これにより、第1面CS1に設けられた液体供給口81Kは、供給針29に対する位置ずれが抑制されるので、液体供給口81Kに対して安定して供給針29が挿入される。
さらに、本実施形態では、溝部70Gとレバー部材52との係合によって、インクカートリッジ70Wが装着部20に係止される際に、インクカートリッジ70Wは、走査方向Xへの移動が拘束された状態で位置決めされる。
すなわち、図28(a),(b),(c)に示すように、まずインクカートリッジ70Wが、溝部70Gに対してレバー部材52のピン55が係合を開始する位置に押し込まれた状態では、下ガイドリブ28Aのリブ28Tがインクカートリッジ70Wの下側内壁70B形成された下凸壁部70DTとの係合を開始する。また、上ガイドリブ27Aのリブ27Tがインクカートリッジ70Wの上側内壁70A形成された上凸壁部70ETとの係合を開始する。換言すれば、下ガイドリブ28Aのリブ28T、下凸壁部70DT、それぞれこのような係合を開始する状態となる位置に形成される。
このように係合が開始されることによって、インクカートリッジ70Wは、走査方向Xにおいて、下ガイドリブ28Aのリブ28Tと下凸壁部70DTとの間の下側隙間、および上ガイドリブ27Aのリブ27Tと上凸壁部70ETとの間の上側隙間が、いずれも隙間の無い状態とされる。あるいは、下側隙間および上側隙間が、下ガイドリブ28Aと下側内壁70Bとの間の隙間、および上ガイドリブ27Aと上側内壁70Aとの間の隙間よりも、それぞれ小さい隙間とされてもよい。また、隙間が無い状態において、下ガイドリブ28Aのリブ28Tと下凸壁部70DTとの間、あるいは上ガイドリブ27Aのリブ27Tと上凸壁部70ETとの間において、互いに押力が生ずる状態で係合していても差し支えない。
このように、装着部20へ挿入されるインクカートリッジ70Wが走査方向Xにおける隙間が無い又は小さい状態とされることで、可動係止部となるレバー部材52に対して、溝部70Gが位置ずれなく係合する。従って、レバー部材52は溝部70Gに形成されたカム形状に沿って円滑に移動する。なお、図28(a),(b),(c)に示す状態では、供給針29の液体供給口への挿入、および第1の端子35と第2の端子34との電気的な接続はまだ行われてない。
次に、図29(a),(b),(c)に示すように、挿入されるインクカートリッジ70Wは、装着部20に対して挿入方向Yrの最も奥となる符号55Bの位置まで押し込まれる。つまり、溝部70Gに対してレバー部材52のピン55の位置が図11(a)における符号55Bの位置まで押し込まれる。このように押し込まれた状態において、本実施形態では、挿入方向Yrへ移動した下凸壁部70DTは、下ガイドリブ28Aのリブ28Tに対して係合状態が維持される。すなわち、下凸壁部70DTはリブ28Tとの係合が維持される範囲で挿入方向Yrへ相対的に移動する。また、上ガイドリブ27Aのリブ27Tも、インクカートリッジ70Wの上側内壁70A形成された上凸壁部70ETとの係合が維持される。換言すれば、下ガイドリブ28Aのリブ28T、下凸壁部70DT、上ガイドリブ27Aのリブ27T、上凸壁部70ETは、それぞれこのような係合が維持される所定の長さで形成される。
このように係合が維持されることによって、インクカートリッジ70Wは、走査方向Xにおいて隙間の無い又は小さい状態が維持されて挿入方向Yrへ移動するため、レバー部材52は、挿入に伴う走査方向Xへの位置ずれが抑制された溝部70Gと係合する。そして、このとき、供給針29は液体供給口81Kに位置ずれが抑制されて挿入されるとともに、第1の端子35は第2の端子34に対して位置ずれが抑制されて接続される。
また、供給針29が液体供給口81Kに挿入される際に、インクカートリッジ70Wの移動に伴って移動体41が挿入方向Yrへ押し込まれることによって、第1の付勢部材48(図10(b)参照)が圧縮され、インクカートリッジ70に対して第1の付勢部材48の付勢力が発生する。従って、ユーザーは、インクカートリッジ70Wの第2面CS2を、第2面CS2のラベル74に表示された押し位置を示すマークMK(図8(e)参照)押すことによって、第1の付勢部材48の付勢力に抗しながら底面側を支点にする回転が生じないように抑制しつつ、インクカートリッジ70Wを安定して挿入方向Yrへ押し込むことが可能である。
次に、図30(a),(b),(c)に示すように、符号55Bの位置へ移動したインクカートリッジ70Wに対する挿入方向Yrへの押し込みが解除されることにより、インクカートリッジ70Wは第1の付勢部材48の付勢力によって抜取方向へ押し戻される。これによって、インクカートリッジ70Wは、レバー部材52のピン55が溝部70Gにおいて規制位置(図11(a)、符号55C参照)へ移動することによって、カートリッジ保持体22から抜け出ないようにレバー部材52によって係止された装着位置になる。従って、第1の付勢部材48は、下ガイドリブ28Aのリブ28Tと下凸壁部70DTとの間の押力、あるいは上ガイドリブ27Aのリブ27Tと上凸壁部70ETとの間の押力が生じても、これらの押力に抗してインクカートリッジ70Wを移動させるように付勢力が設定されている。
このインクカートリッジ70Wの符号55Bの位置から装着位置への移動において、抜取方向へ移動する下凸壁部70DTは、下ガイドリブ28Aのリブ28Tに対して係合状態が維持される。また、上ガイドリブ27Aのリブ27Tも、インクカートリッジ70Wの上側内壁70A形成された上凸壁部70ETとの係合が維持される。もとより、第1の端子35と第2の端子34との当接状態が維持される。また、インクカートリッジ70Wの装着位置において、液体供給口81Kに対して供給針29が挿入された状態が維持される。
このように、インクカートリッジ70Wの上凸壁部70ETおよび下凸壁部70DTは、溝部70Gがレバー部材52と係合することによって係止される際に、装着部20において、それぞれ上ガイドリブ27Aのリブ27Tおよび下ガイドリブ28Aのリブ28Tによって位置決めされる位置決め部として機能する。そして、本実施形態では、この位置決め部として機能する上凸壁部70ETおよび下凸壁部70DTは、インクカートリッジ70Wが装着部20に装着されるとき、それぞれ上ガイドリブ27Aおよび下ガイドリブ28Aを挟んで両側に位置するように配設され、インクカートリッジ70Wを挿入方向Yrと交差する方向において位置決めする。
なお、この装着位置にあるインクカートリッジ70Wを、再び第1の付勢部材48の付勢力に抗して挿入方向Yr側へ押し込むことによって、インクカートリッジ70Wは、図29(a),(b),(c)に示した位置に再び移動する。この位置への移動によって、ピン55は図11において符号55Dで示す位置に移動する。この符号55Dの位置へのピン55の移動により、インクカートリッジ70Wは、今度は溝部70Gとレバー部材52のピン55との係合状態が解除され、第1の付勢部材48による付勢力によって、移動体41を介して、ユーザーが抜取り可能な位置に押し戻される。
上記説明した実施形態によれば、以下の効果を得ることができる。
(1)インク室IS内にフィルター室60Fと減圧室60Dの双方を備えるので、インク室ISから液体供給口81Kを介して気泡(気体)や気泡以外の異物(汚れやゴミなど)を含むインクが流出することを抑制することが可能となる。
(2)フィルター室60Fの投影面積が最大になる方向において減圧室60Dを重ねることによって、フィルター室60F内の気泡(気体)を減圧室60Dへ容易かつ効果的に流動させることができる。
(3)第1開口部65をインク室IS内において鉛直方向の重力方向側に位置させることが可能となる。従って、液体供給口81Kから流出して減少するインク容器80内のインクは、物理的に重力方向側に残留するため、重力方向側に位置する第1開口部65を介してフィルター室60Fに容易に流入可能である。
(4)フィルター室60Fと減圧室60Dの少なくとも一部を共通部材で形成するので、フィルター室60Fと減圧室60Dとを隣接位置に形成することができる。従って、フィルター室60Fへ流入するインクから隣接する減圧室60Dによって気体を脱気させることができうる。また、フィルター室60Fと減圧室60Dとを共通部材で形成することによって全体の容積を小さく形成することができるのでインク室ISに収容可能なインクの液量の減少を抑制することが可能である。
(5)フィルター室60Fと減圧室60Dを構成する部材の交換が可能である。従って、例えばインク容器80の製造時において必要な場合はこれらの交換が可能である。また、例えば、フィルター室60Fのフィルター66の変更も可能である。
(6)インクをインク室IS内に残留させないように、凸部61A,61B,61Cによって形成される隙間を流動させてフィルター室60Fへ導くことができる。
(7)フィルター室60Fにおいてフィルター66の変形をリブ64bによって規制するので、フィルター室60Fの減少を抑制するとともに、変形によるフィルター66の損傷を抑制することができる。
(8)フィルター室60Fにおいて、第1供給部材81側へ流出するインクの流速を遅くするので、液体供給口81Kへのインクの流動を容易にすることができる。
(9)第2供給部材61によって構成される減圧室60Dによってフィルター室60F内のインクから気体を脱気するので、インク室ISから汚れや気泡(気体)を含むインクが流出することを抑制することが可能となる。
(10)パック体91と第1供給部材81とが接合されて形成される空間83から空気を逃すので、温度変化に伴う空間83内の空気の膨張によって、パック体91と第1供給部材81との接合が剥がれることを抑制することができる。
(11)本実施形態のように、空間83が第1供給部材81に形成される場合、この第1供給部材81に設けた連通口84によって空間83を容易に大気と連通させることができる。
(12)連通口84が丸棒などによって容易に塞がれることを抑制するので、連通口84によって温度変化に伴う空間83内の空気の膨張を抑制して、パック体91と第1供給部材81(接合部82)との接合(溶着)が剥がれることを抑制することができる。
(13)連通口84がシートなどによって塞がれることを抑制するので、パック体91と第1供給部材81との接合において空間83に空気を逃すとともに、連通口84によって温度変化に伴う空間83内の空気の膨張を抑制して、パック体91と第1供給部材81との接合が剥がれることを抑制することができる。
(14)段差部81Dに付着する異物等は連通口84よりも重力方向側に位置するので連通口84が塞がれることが抑制される。この結果、連通口84によって温度変化に伴う空間83内の空気の膨張を抑制して、パック体91と第1供給部材81との接合が剥がれることを抑制することができる。
(15)段差部81Dによる段差によって連通口84が塞がれることを高い確率で抑制することができるので、連通口84によって温度変化に伴う空間83内の空気の膨張を抑制して、パック体91と第1供給部材81との接合が剥がれることを抑制することができる。
(16)液体供給口81Kの重力方向と反対の方向Z側に位置する連通口84は、液体供給口81Kから漏れ出たインクによって塞がれることが抑制されるので、連通口84によって温度変化に伴う空間83内の空気の膨張を抑制して、パック体91と第1供給部材81との接合が剥がれることを抑制することができる。
(17)プリンター11に装着された状態において連通口84が隠蔽されるので、連通口84が塞がれることを抑制する。この結果、連通口84によって温度変化に伴う空間83内の空気の膨張を抑制して、パック体91と第1供給部材81との接合が剥がれることを抑制することができる。
(18)インクカートリッジ70(70W)は、パック体91と第1供給部材81との接合が剥がれることが抑制されるインク容器80を備えることができる。
(19)インク容器80は、第1供給部材81の筒状流路部85を、第1ケース部材71の貫通孔75Hに挿入した状態で挿入方向Yrを軸線として回転することにより第1ケース部材71に係合して位置決めされる。従って、簡単な構造で(且つ、少ない工程で)インク容器80の第1供給部材81を第1ケース部材71に対して位置決め状態で支持させることができる。この結果、落下等による衝撃が加わってもインク容器80の移動が抑制されたインクカートリッジ70(70W)が得られる。
(20)第1供給部材81は筒状流路部85が貫通孔形成部75と挿入方向と逆方向への移動を規制されるように係合した状態で回転を規制する第1突起部71Aおよび第2突起部71Bにより係止されるため、第1供給部材81が第1ケース部材71に対して位置決め状態に支持された状態を維持することができる。
(21)ロック機構81Faの変形により第1供給部材81のL字型部81Fが第1ケース部材71の第1突起部71Aおよび第2突起部71Bに係止された状態が認識可能であるので、確実に、第1供給部材81が第1ケース部材71に支持された状態とすることができる。
(22)第1供給部材81を第1ケース部材71に取り付ける際に、回転角度が90度であることにより、目安とし易く、組み立てが容易である。
(23)第1供給部材81は、第1ケース部材71に支持された状態で挿入方向と逆方向への抜けが貫通孔形成部75の側壁76に対する筒状流路部85の被係合部86の係合状態によって抑制されるので、第1ケース部材71に堅固に位置決め支持された状態とすることができる。
(24)筒状流路部85の挿入方向Yrへの移動を拘束した状態で第1供給部材81を回転することにより、第1供給部材81を第1ケース部材71に容易に且つ確実に支持させることができる。
(25)第1供給部材81を第1ケース部材71に支持させる際に、筒状流路部85を貫通孔75Hに挿入するときの第1供給部材81の挿入姿勢の間違いを抑制することができる。
(26)装着部20に装着された状態で、挿入方向Yrと交差する方向において対向するそれぞれの面側に設けた凸部70Cによってインクカートリッジ70(70W)を複数箇所で位置決めするので、インクカートリッジ70(70W)を安定した状態で装着部20に装着させることが可能である。
(27)鉛直方向において上方へ付勢されるインクカートリッジ70(70W)を、装着部20において傾きを抑制しつつ位置決めすることが可能である。
(28)装着部20への装着時において挿入方向Yrを軸線とするインクカートリッジ70(70W)の回転が抑制されるので、インクカートリッジ70(70W)は液体供給口81Kの位置ずれが抑制された安定した状態で装着される。
(29)装着部20への装着時において回路基板30の第1の端子35の傾きが抑制されるので、装着部20に対する第1の端子35の位置ずれが抑制される。従って、プリンター11側から送られるインクに関する情報を安定して記憶可能である。
(30)第1の端子35に対して電気的な接続を行うために付勢力が付与された場合、装着部20への装着時において抜取方向への付勢力を傾斜によって生じさせるので、装着部20からインクカートリッジ70(70W)を安定して抜き取ることが可能である。
(31)装着部20への装着時において抜取方向への付勢力によるインクカートリッジ70(70W)の底面(第3面CS3)側を支点とする回転が抑制されるので、装着部20においてインクカートリッジ70(70W)を安定した状態で装着させることが可能である。
(32)凸部70Cは、インクカートリッジ70(70W)が装着部20に挿入される際に、その下側凸部70Dがインクカートリッジ70(70W)を凡そ位置決めするとともに、装着部20に装着されたインクカートリッジ70(70W)をその突起部70Pによって精度よく位置決めする。従って、装着部20に対してインクカートリッジ70(70W)を安定した状態で装着させることが可能である。
(33)連結リブ70Rは、第2面CS2側を挿入側にしてインクカートリッジ70(70W)を装着部20に逆挿入した場合、第1面CS1側を挿入側にしてインクカートリッジ70(70W)を装着部20に正しく挿入した場合に比べて、装着部20に対して奥に入り込むことになる。従って、装着部20においてインクカートリッジ70(70W)が逆挿入された場合に連結リブ70Rと係合する係合部としての円弧状リブ28Rを設けることによって、インクカートリッジ70(70W)が装着部20に誤挿入されることを抑制することが可能である。
(34)インクカートリッジ70(70W)は、溝部70Gが装着部20においてレバー部材52に係止されて装着されるときに位置決めされるため、インクカートリッジ70(70W)の装着部20への装着動作が円滑に行われ、装着完了時にインクカートリッジ70(70W)が装着部20において確実に係止される。
(35)インクカートリッジ70(70W)を装着部20に挿入して装着する際に、インクカートリッジ70(70W)が挿入方向Yrと交差する方向に回転することが規制されるため、インクカートリッジ70(70W)が装着された時に溝部70Gはレバー部材52に対して確実に係合する。
(36)インクカートリッジ70(70W)は下側凸部70Dの下側内壁70Bが下ガイドリブ28Aの側面28Sと対向することにより案内され、下側凸部70Dに設けられた下凸壁部70DTにより、溝部70Gがレバー部材52と確実に係合するとともにレバー部材52によって確実に係止される。
(37)インクカートリッジ70(70W)の上凸壁部70ETおよび下凸壁部70DTは、上ガイドリブ27Aおよび下ガイドリブ28Aの両側にそれぞれ位置するため、より確実にインクカートリッジ70(70W)を装着部20において位置決めできる。
(38)溝部70Gとレバー部材52との位置ずれが抑制されるので、溝部70Gとレバー部材52との係止をより確実に行うことができる。
(39)インクカートリッジ70(70W)の電気接続部は、一対の上凸壁部70ETに挟まれた面の延長領域R4に設けられているので、上凸壁部70ETに位置決めされることによって、プリンター11側の電気接続部との電気的な接続が確実に行われる。
(40)液体供給口81Kも上凸壁部70ETおよび下凸壁部70DTによって位置ずれが抑制された状態で位置決めされるので、確実にプリンター11の装着部20の供給針29に接続される。
(41)インクカートリッジ70(70W)を装着部20に挿入する際に、挿入案内部27Cに案内されるように挿入できるので、インクカートリッジ70(70W)を装着部20に対して適切な位置に装着することができる。
(42)上側凸部70Eおよび下側凸部70Dが上ガイドリブ27Aおよび下ガイドリブ28Aにそれぞれ案内され、案内部27Bが溝70Hに挿入するため、幅の広いインクカートリッジ70Wを装着部20に挿入するときに容易に適切な位置に装着することができる。
(43)幅の広いインクカートリッジ70Wを挿入するとき、上側凸部70Eと溝70Hが設けられた一つの側面(第4面CS4)とは別の側面を上ガイドリブ27Aや案内部27B側にして挿入することは難しくなるためインクカートリッジ70Wの装着部20への誤挿入が抑制される。
なお、上記実施形態は以下のような別の実施形態に変更してもよい。
・上記実施形態のインク容器80において、フィルター室60Fには、必ずしも、インク流出口64Hに近い第1の位置における流路断面積が、第1の位置よりもインク流出口64Hから遠い第2の位置における流路断面積よりも大きい傾斜面64aが設けられなくてもよい。例えば、フィルター室60Fから流出するインクの流れを遅くする必要が無い場合は、フィルター室60Fは傾斜面の無い略直方体形状であってもよい。
・上記実施形態のインク容器80において、フィルター室60Fには必ずしも変形するフィルター66との当接部となるリブ64bが設けられなくてもよい。例えば、フィルター66の変形が少ない場や、変形してもフィルター66が第2供給部材61から剥がれて第1開口部65を開放することなくフィルター室60Fの機能が維持される場合は、リブ64bは不要である。
・上記実施形態のインク容器80において、第2供給部材61には、少なくとも凸部61A,61B,61Cのうちの一つの凸部が備えられてもよい。また、備えられた一つの凸部は複数でなく一つの突起が形成された凸部であってもよい。あるいは、例えば、インク室IS内のインク量が減少してもパック体91が変形しない場合や、変形が小さい場合は、パック部材92は、第2供給部材61に当接する確率が低くなるので、凸部61A,61B,61Cは必ずしも備えられなくてもよい。
・上記実施形態のインク容器80において、例えば、第2供給部材61が交換不要な場合は、第2供給部材61を第1供給部材81(接合部82)と一体で形成するなどによって、フィルター室60Fと減圧室60Dとが第1供給部材81に対して必ずしも着脱可能に接続される構成としなくてもよい。
・上記実施形態のインク容器80において、フィルター66を介してインクがフィルター室60Fに流入可能な第1開口部65は、必ずしも、鉛直方向の長さが、鉛直方向と交差する方向の長さよりも短くなくてもよい。例えば、第1開口部65をパック体91の形状に応じて、正方形としてもよいし、鉛直方向が長い矩形としてもよい。
・上記実施形態のインク容器80において、減圧室60Dは、フィルター室60Fの投影面積が最大になる投影方向において、少なくとも一部がフィルター室60Fと重なる状態で形成されていてもよい。
・上記実施形態のインク容器80において、フィルター室60Fと減圧室60Dとは、必ずしも、共通部材で形成されていなくてもよい。例えば、第2供給部材61を走査方向Xとなる厚さ方向において分割した2つの部材とし、分割した2つの第2供給部材61の一方の部材にフィルター室60Fを、他方の部材に減圧室60Dを形成するようにしてもよい。
・上記実施形態のインク容器80において、減圧室60Dを形成する第2供給部材61は必ずしも、フィルター室60F内のインクに溶存する気体の割合を低下可能な位置に形成されなくてもよい。例えば、インク室IS内においてフィルター室60Fに流入したインクに気体が溶存する確率が低い場合は、このようにしても差し支えない。
・上記実施形態のインク容器80において、例えば、インク室IS内に収容するインクが、汚れや溶け込んだ気体が少ないインクである場合は、必ずしも、フィルター室60Fと減圧室60Dを備えなくてもよい。この変形例の一つを、図を参照して説明する。
図31(a),(b)に示すように、本変形例のインク容器80は、液体供給口81Kが形成された第1供給部材81と、この第1供給部材81に接合されたパック体91によってインクの収容空間であるインク室ISが形成される。そして、接合部82のインク室IS側には、インク室ISにインクを注入する際の注入口62が設けられるとともに、逆止弁となる弁体93を内部に備える第2供給部材61Hが接続される。従って、第2供給部材61Hは、凡そ、実施形態の第2供給部材61からフィルター室60Fと減圧室60Dの形成部材部分を切断した形状とされている。このような形状とすることによって、第1供給部材81の形状を変更する必要がなく、フィルター室60Fと減圧室60Dとを備えないインク容器80を容易に形成することができる。換言すれば、収容するインクの種類に応じ、同じ形状を有し、フィルター室60Fと減圧室60Dとを備えるインク容器80と、備えないインク容器80と、を容易に製造することができる。
・上記実施形態のインク容器80において、連通口84は、大気開放されるとともにシートなどによって覆われる確率が低い場所であれば、必ずしも、第1供給部材81においてプリンター11の装着部20への挿入方向Yr側に位置していなくてもよい。例えば、本体81Aの側面に開口していてもよい。
・上記実施形態のインク容器80においては、装着部20に装着された状態において、連通口84は、必ずしも液体供給口81Kよりも鉛直方向の重力方向と反対の方向Z側に位置しなくてもよい。例えば、液体供給口81Kからインクが漏れ出した場合であっても、本体81Aにインクが流れない構造などの場合は、連通口84は本体81Aの本体上面81Sのどの位置に設けられていてもよい。
・上記実施形態のインク容器80において、段差部81Dの鉛直方向に沿う幅W1は、連通口84の鉛直方向に沿う幅W2と同じでもよいし、幅W2よりも広くてもよい。例えば、段差部81Dの重力方向と反対の方向Z側の段差部が、連通口84の幅W2内に位置するように段差部81D形成することによって、連通口84に少なくとも2箇所の段差を形成することができるので、連通口84が塞がれることを抑制することができる。
・上記実施形態のインク容器80においては、装着部20に装着された状態において、段差部81Dは、必ずしも連通口84の鉛直方向の重力方向側に位置しなくてもよい。例えば段差部81Dに異物等が付着する確率が低い場合は、段差部81Dを連通口84の重力方向と反対の方向Z側に位置してもよい。
・上記実施形態のインク容器80において、第1供給部材81には、連通口84が形成された本体上面81Sにおいて、本体上面81Sの垂線方向の段差を連通口84の少なくとも一部に形成する段差部81Dが設けられなくてもよい。例えば、連通口84が塞がれる確率が低い場合は、このように段差部81Dを設けなくてもよい。
・上記実施形態のインク容器80において、第1供給部材81の段差部81Dは、本体上面81Sに設けられた溝であってもよい。
例えば、図32(a),(b)に示すように、本変形例では、第1供給部材81には、本体81Aの本体上面81Sに、大気と連通する連通口84を横切るように凹溝が段差部81Daとして形成されている。従って、段差部81Daは、円筒状の空間84Sと連通する。また、本変形例では、段差部81Daの凹溝は、本体81Aの短手方向の両端部まで延設され、連通口84が設けられた本体上面81Sが覆われても、本体81Aの側端が開口することによって、連通口84の大気開放を維持することが可能とされている。
・上記実施形態のインク容器80において、連通口84の形状は必ずしも多角形に限らない。例えば、円形であっても良いし、楕円形であってもよい。あるいは、接合部82と同様な舟形形状であってもよい。連通口84が塞がれる可能性を低減することが可能な形状であれば、いかなる形状でも採用可能である。
・上記実施形態のインク容器80において、空間83は必ずしも第1供給部材81に形成した連通口84によって大気と連通しなくてもよい。例えば、パック体91のパック部材92において、第1供給部材81の接合面82Sに接合された部分に空間83と連通する孔を空けることによって、空間83を大気と連通させてもよい。
・上記実施形態のインクカートリッジ70(70W)において、インク容器80の第1供給部材81は、必ずしも、第1ケース部材71への挿入方向から見て非対称に形成されていなくてもよい。例えば、筒状流路部85が本体81Aの中心に形成される場合は、筒状流路部85を貫通孔75Hに挿入するときの第1供給部材81の挿入姿勢を識別する必要がないので本体81Aは対称に形成されていても差し支えないことになる。また、例えば、成形時のゲートや着色部など、筒状流路部85を貫通孔75Hに挿入するときの第1供給部材81の挿入姿勢を識別可能な形状や表示が、第1供給部材81あるいは本体81Aに設けられている場合は、本体81Aは対称であってもよい。
・上記実施形態のインクカートリッジ70(70W)において、貫通孔形成部75には、必ずしも筒状流路部85の挿入方向において本体81Aと当接可能な当接部76Aが設けられなくてもよい。例えば、筒状流路部85にその挿入量を示す目印を設け、この目印まで筒状流路部85を挿入した状態で第1供給部材81を回転することにより、第1供給部材81を第1ケース部材71に支持させることが可能である。
・上記実施形態のインクカートリッジ70(70W)において、筒状流路部85には、必ずしも貫通孔75Hへの挿入方向とは逆方向への第1供給部材81の移動が規制される被係合部86が設けられなくてもよい。例えば、筒状流路部85が貫通孔75Hに挿入後回転された状態で、筒状流路部85以外の第1供給部材81の部分によって、第1ケース部材71に対して挿入方向と逆方向への第1供給部材81の移動が抑制されて支持される場合は、筒状流路部85に被係合部86を設ける必要が無い。なお、この場合は、貫通孔形成部75に設けられる被係合部86と係合する係合部も、第1ケース部材71において側壁76以外の部分に形成することが好ましい。
・上記実施形態のインクカートリッジ70(70W)において、係止部としての第1突起部71Aおよび第2突起部71Bは、必ずしも、筒状流路部85が貫通孔75Hに挿入された位置から90度回転させた位置が、第1供給部材81が係止部に係止される位置とならなくてもよい。例えば、第1供給部材81を第1ケース部材71に取り付ける際の目安となる角度であれば、例えば、30度や45度でも、あるいは60度でもよい。
・上記実施形態のインクカートリッジ70(70W)において、第1供給部材81は、第1突起部71Aおよび第2突起部71Bに係止される際に、変形可能なロック機構81Faが形成されたL字型部81Fを必ずしも備えなくてもよい。例えば、L字型部81Fは変形せず、第2突起部71BがL字型部81Fの回転軌跡内から逃げるように変形(弾性変形)するようにしてもよい。
・上記実施形態のインクカートリッジ70(70W)において、第1ケース部材71には、第1供給部材81を係止することによって、筒状流路部85が係合した状態で当該筒状流路部85の回転を規制する第1突起部71Aおよび第2突起部71Bが設けられなくてもよい。例えば、筒状流路部85の回転を、被係合部86における第2被係合部86Bと貫通孔形成部75との係合によって規制するように構成することによって、第1供給部材81が第1ケース部材71に支持された状態を維持することが可能である。
・上記実施形態のインクカートリッジ70(70W)において、第3面CS3に設けられた第2の凸部としての連結リブ70Rは、必ずしも第2面CS2の一部を構成するように設けられなくてもよい。この変形例について図を参照して説明する。
図33(a)に示すように、第2の凸部として、インクカートリッジ70W(70)の第3面CS3において、第2面CS2側の位置で一対の下側凸部70Dを連結する連結リブ70Raを形成してもよい。この構成によれば、第2面CS2側から見たインクカートリッジ70W(70)には第2面CS2の底面側に矩形の切欠き部が形成される。従って、ユーザーはこの切欠き部によって容易に底面と上面とを認識できるので、装着部20にインクカートリッジ70W(70)を誤挿入することが抑制される。
あるいは、図33(b)に示すように、第2の凸部として、連結リブではなく、インクカートリッジ70(70W)の第3面CS3において、第2面CS2側の位置に円柱形状で突出した円形ボス70Rbを形成してもよい。この構成によれば、第2面CS2側から見たインクカートリッジ70(70W)には第2面CS2の底面側に矩形の切欠き部が形成される。従って、ユーザーはこの切欠き部によって容易に底面と上面とを認識できるので、装着部20にインクカートリッジ70(70W)を誤挿入することが抑制される。
・上記実施形態のインクカートリッジ70(70W)において、凸部70Cは、必ずしも、挿入方向Yrへ延設された一対の下側凸部70Dと、当該下側凸部70Dに設けられた突起部70Pとによって構成されなくてもよい。例えば、下側凸部70Dを挿入方向Yrの長さを短くして形成することによって凸部70Cとして機能させるようにしてもよい。
・上記実施形態のインクカートリッジ70(70W)において、第1面被付勢部は、第1面CS1のうち、第4面CS4よりも第3面CS3に近い位置になくてもよい。逆に第4面CS4に近い位置であってもよいし、第3面CS3および第4面CS4から当距離の位置であってもよい。
・上記実施形態のインクカートリッジ70(70W)において、回路基板30は装着部20への挿入方向Yrに対して、必ずしも傾斜していなくてもよい。例えば、挿入方向Yrに対して直交する方向とされてもよい。
・上記実施形態のインクカートリッジ70(70W)において、回路基板30に設けられた電気接続部である第1の端子35は、必ずしも、装着部20への挿入方向Yr視において凸部70Cの間に位置しなくてもよい。第1の端子35は、装着部20における第2の端子34の位置に応じて配置されることが好ましい。
・上記実施形態のインクカートリッジ70(70W)において、液体供給口81Kは、装着部20への挿入方向Yr視において必ずしも凸部70Cの間に位置しなくてもよい。装着部20における供給針29の位置に応じて配置されることが好ましい。
・上記実施形態のインクカートリッジ70(70W)において、第3面CS3に設けられた凸部70Cは、必ずしも第3面被付勢部である溝部70Gよりも第2面CS2側に位置しなくてもよい。例えば溝部70Gの位置が第3面CS3のうちの第2面CS2側に設けられている場合は、凸部70Cは第1面CS1側に設けられることが好ましい。
・上記実施形態のインクカートリッジ70(70W)において、凸部70Cは必ずしも第3面CS3に設けられなくてもよい。例えば、凸部70Cは第4面CS4に設けられてもよいし、第3面CS3と第4面CS4の双方において設けられてもよい。要は、装着部20においてインクカートリッジ70(70W)が付勢される方向に応じて、凸部70Cを設けるようにすればよい。
・上記実施形態のインクカートリッジ70(70W)においては、各下側凸部70Dには、必ずしも挿入方向Yrにおいて間隔を空けて2つの突起部70Pが設けられなくてもよい。例えば、1つの突起部70Pが設けられてもよいし、挿入方向Yrにおいて間隔を空けて3つ以上の突起部70Pが設けられてもよい。なお、1つの突起部70Pが設けられる場合は、突起部70Pは下側凸部70Dにおける挿入方向Yrと反対側の第2面CS2寄りに設けられることが好ましい。
・上記実施形態のインクカートリッジ70Wにおいて、内側凸部70Eaと溝70Hとは、必ずしも一つの側面である第4面CS4に設けられなくてもよい。例えば、内側凸部70Eaを第4面CS4に設け、溝70Hを第3面側に設ける構成であってもよい。この場合、案内部27Bは、装着部20において底部材28に設けられることになる。
・上記実施形態のインクカートリッジ70(70W)において、必ずしも装着部20に備えられた案内部27Bが挿入可能な溝70Hを備えなくてもよい。例えば、装着部20においてインクカートリッジ70Wの位置にインクカートリッジ70が挿入されない構成であれば、案内部27Bが不要である。この場合、溝70Hは不要である。
・上記実施形態のインクカートリッジ70(70W)において、第5面CS5あるいは第6面CS6は、必ずしも装着部20に設けられた挿入案内部27Cに案内される案内壁部として設けられなくてもよい。例えば、装着部20へのインクカートリッジ70(70W)の挿入に際して挿入案内部27Cが不要である場合は、このように第5面CS5あるいは第6面CS6を挿入案内部27Cに案内される案内壁部として用いる必要はない。
・上記実施形態のインクカートリッジ70(70W)において、液体供給口81Kは、第3面CS3における延長領域R3と、第4面CS4における延長領域R4と、に交差する領域R1に配設されなくてもよい。液体供給口81Kは、装着部20における供給針29の位置に応じて配置されることが好ましい。
・上記実施形態のインクカートリッジ70(70W)において、位置決め部としての上凸壁部70ETに挟まれた領域の挿入方向Yrへの延長領域R4に、必ずしも第1の端子35が設けられなくてもよい。第1の端子35は、プリンター11の装着部20に設けられた電気接続部となる第2の端子34の位置に応じて配置されることが好ましい。
・上記実施形態のインクカートリッジ70(70W)において、位置決め部としての下凸壁部70DTに挟まれた領域の挿入方向Yrへの延長領域R3に、必ずしも溝部70Gが設けられなくてもよい。溝部70Gは、プリンター11の装着部20に設けられた可動係止部としてのレバー部材52の位置に応じて配置されることが好ましい。
・上記実施形態のインクカートリッジ70(70W)において、上凸壁部70ETあるいは下凸壁部70DTは、インクカートリッジ70(70W)が装着部20に装着されるとき、必ずしも上ガイドリブ27Aあるいは下ガイドリブ28Aを挟んで両側に位置しなくてもよい。例えば、位置決めが可能であれば、上凸壁部70ETあるいは下凸壁部70DTは、それぞれ上ガイドリブ27Aの片側あるいは下ガイドリブ28Aの片側に位置してもよい。
・上記実施形態のインクカートリッジ70(70W)において、上凸壁部70ETあるいは下凸壁部70DTは、必ずしも、上側凸部70E(内側凸部70Ea)あるいは下側凸部70Dに設けられなくてもよい。例えば、上凸壁部70ETあるいは下凸壁部70DTは、上側凸部70E(内側凸部70Ea)あるいは下側凸部70Dとは異なる部分として、第4面CS4あるいは第3面CS3に設けられてもよい。
・上記実施形態のインクカートリッジ70(70W)において、上凸壁部70ETあるいは下凸壁部70DTは、必ずしも、インクカートリッジ70(70W)を挿入方向Yrと交差する方向において位置決めしなくてもよい。例えば、上凸壁部70ETあるいは下凸壁部70DTは、インクカートリッジ70(70W)を挿入方向Yrにおいて位置決めするようにしてもよい。こうすれば、例えば、可動係止部(レバー部材52)によって係止されるインクカートリッジ70(70W)の挿入方向Yrの位置がばらついても、インクカートリッジ70(70W)は、上凸壁部70ETあるいは下凸壁部70DTによって、装着部20に対して挿入方向Yrにおいて安定して位置決めされる。
・上記実施形態のインクカートリッジ70(70W)においては、装着部20における位置決め部として、少なくとも上凸壁部70ETおよび下凸壁部70DTのいずれか一方が設けられる構成であっても差し支えない。
・上記実施形態においては、上ガイドリブ27Aあるいは下ガイドリブ28Aに、必ずしもリブ27Tあるいはリブ28Tが設けられなくてもよい。また、装着部20の底部材28にはレール28Cが設けられなくてもよい。
・上記実施形態においては、インクカートリッジ70W(70)が装着部20の符号55Bの位置まで押し込まれた状態において、下凸壁部70DTは、下ガイドリブ28Aのリブ28Tに対して係合状態とされなくてもよい。あるいは、上ガイドリブ27Aのリブ27Tは、上凸壁部70ETに対して係合状態とされなくてもよい。少なくとも装着状態において、これら係合状態が維持されるように構成されてもよい。
・上記実施形態において、インクカートリッジ70には、必ずしもカートリッジ保持体22への挿入方向Yrと交差する方向へ傾斜した傾斜面71Kに第1の端子35が設けられなくてもよい。例えば、第1の端子35は挿入方向Yrがその垂線方向となる(すなわち、挿入方向Yrと垂直な方向に沿う)側面に設けられてもよい。
・上記実施形態において、第1の付勢部材48は、必ずしも供給針29の周囲に配設されなくともよく、例えば供給針29よりも重力方向と反対の方向Z側(上側)や重力方向側(下側)に配設されてもよい。
・上記実施形態において、移動体41を付勢する第1の付勢部材48、あるいは可動部材31を付勢する第2の付勢部材38は、例えばU字型の板ばねなどコイルばね以外の部材であってもよい。
・上記実施形態において、カートリッジ保持体22内に保持されるインクカートリッジ70の個数は、必ずしも4つに限定されない。また、幅の広いインクカートリッジ70Wが保持される位置は、カートリッジ保持体22において必ずしも最も左側の位置に限定されない。
・上記実施形態において、装着部20は、プリンター11の筐体11aの外側に備えられる構成であってもよい。筐体11aの外部に設けられた装着部20から筐体11aの内部の液体噴射ヘッド18にインクを供給する場合には、インクを供給するためのインク供給チューブTBを筐体11aの外部から内部へ引き回す必要がある。よって、この場合には、筐体11aにインク供給チューブTBを挿通可能な孔や切り欠きを設けることが好ましい。あるいは筐体11aに設けられた隙間を通してインク供給チューブTBを筐体11aの外部から内部へ引き回しても良い。このようにすれば、インク供給チューブTBのインク流路を用いた液体噴射ヘッド18に対するインクの供給を容易に行うことができる。
・液体噴射ヘッド18は、用紙Pの搬送方向と交差する方向にキャリッジ16と共に往復移動してインクを噴射する所謂シリアルヘッドタイプのものに限らない。すなわち、長さサイズが用紙Pの幅サイズに対応した全体形状をなし、その長手方向が用紙Pの搬送方向Yと交差する幅方向に沿うように固定配置された状態で、その長手方向の略全体に亘るように設けられた多数のノズルから媒体に向けて液体を噴射する所謂ラインヘッドタイプのものであってもよい。
・上記実施形態において、プリンター11は、インク以外の他の液体を噴射したり吐出したりする液体消費装置であってもよい。なお、液体消費装置から微小量の液滴となって吐出される液体の状態としては、粒状、涙状、糸状に尾を引くものも含むものとする。また、ここでいう液体は、液体消費装置から噴射させることができるような材料であればよい。例えば、物質が液相であるときの状態のものであればよく、粘性の高い又は低い液状体、ゾル、ゲル水、その他の無機溶剤、有機溶剤、溶液、液状樹脂、液状金属(金属融液)のような流状体を含むものとする。また、物質の一状態としての液体のみならず、顔料や金属粒子などの固形物からなる機能材料の粒子が溶媒に溶解、分散又は混合されたものなども含むものとする。液体の代表的な例としては上記実施形態で説明したようなインクや液晶等が挙げられる。ここで、インクとは一般的な水性インク及び油性インク並びにジェルインク、ホットメルトインク等の各種液体組成物を包含するものとする。液体消費装置の具体例としては、例えば、液晶ディスプレイ、EL(エレクトロルミネッセンス)ディスプレイ、面発光ディスプレイ、カラーフィルターの製造等に用いられる電極材や色材等の材料を分散又は溶解のかたちで含む液体を噴射する液体消費装置がある。また、バイオチップ製造に用いられる生体有機物を噴射する液体消費装置、精密ピペットとして用いられ試料となる液体を噴射する液体消費装置、捺染装置やマイクロディスペンサー等であってもよい。さらに、時計やカメラ等の精密機械にピンポイントで潤滑油を噴射する液体消費装置、光通信素子等に用いられる微小半球レンズ(光学レンズ)などを形成するために紫外線硬化樹脂等の透明樹脂液を基板上に噴射する液体消費装置であってもよい。また、基板などをエッチングするために酸又はアルカリ等のエッチング液を噴射する液体消費装置であってもよい。
11…プリンター(液体消費装置の一例)、20…装着部、30…回路基板、52…レバー部材(可動係止部の一例)、60D…減圧室、60F…フィルター室、61,61H…第2供給部材、61A,61B,61C…凸部、66…フィルター、70,70W…インクカートリッジ(液体収容体の一例)、70C…凸部、70P…突起部、70G…溝部、73…ケース部材、75…貫通孔形成部、75H…貫通孔、76…鍔部(係合部)、76A…当接部、80…インク容器(液体収容容器の一例)、81…第1供給部材(供給部材)、81D,81Da…段差部、81Fa…ロック機構、81K…液体供給口、81S…部材面、83…空間、84…連通口、84S…空間、85…筒状流路部、86…被係合部、91…パック体(収容室部材の一例)、CS1…第1面、CS2…第2面、CS3…第3面、CS4…第4面、CS5…第5面、CS6…第6面、G1,G2,H1,H2…隙間、W1,W2…幅、R1…領域、R3,R4…延長領域、Yr…挿入方向、Z…重力方向と反対の方向。

Claims (10)

  1. 液体を収容可能な液体収容室を有する液体収容容器であって、
    前記液体収容室を構成する収容室部材と、
    前記収容室部材が接合されると共に、前記液体を当該液体収容室から外部へ流出させるための液体供給口が設けられた供給部材と、
    を備え、
    前記供給部材と当該供給部材に接合された前記収容室部材とにより前記供給部材に形成される空間は、前記液体収容室に連通しておらず大気に連通している液体収容容器。
  2. 前記供給部材に、前記空間を大気に連通させる連通口が設けられている請求項1に記載の液体収容容器。
  3. 前記連通口の形状は多角形である請求項2に記載の液体収容容器。
  4. 前記供給部材には段差部が設けられており、
    前記段差部は前記連通口の縁の少なくとも一部を形成する請求項2または3に記載の液体収容容器。
  5. 前記液体収容容器は、前記液体を消費する液体消費装置に装着可能であり、
    前記液体収容容器が前記液体消費装置に装着された状態において、
    前記段差部は、前記連通口の重力方向側に位置する請求項4に記載の液体収容容器。
  6. 前記段差部の鉛直方向に沿う幅は、前記連通口の鉛直方向に沿う幅よりも狭い請求項5に記載の液体収容容器。
  7. 前記液体収容容器は、前記液体を消費する液体消費装置に装着可能であり、
    前記液体収容容器が前記消費装置に装着された状態において、
    前記連通口は、前記液体供給口よりも反重力方向側に位置する請求項2乃至6のいずれか一項に記載の液体収容容器。
  8. 前記液体収容容器は、前記液体を消費する液体消費装置に挿入されて装着可能であり、
    前記連通口は、前記供給部材において前記液体消費装置への挿入方向側に位置している請求項2乃至7のいずれか一項に記載の液体収容容器。
  9. 請求項1乃至8のいずれか一項に記載の液体収容容器をケース部材内に備える液体収容体。
  10. 液体を外部に流出させるための液体供給口が形成された供給部材と当該供給部材に接合されるフィルムとにより形成される液体収容室を備える液体収容容器であって、
    前記供給部材と当該供給部材に接合された前記フィルムとにより前記供給部材に形成される空間は、前記液体収容室に連通しておらず大気に連通している液体収容容器。
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