JP2015058465A - 溶接配管の製造方法、および溶接配管 - Google Patents

溶接配管の製造方法、および溶接配管 Download PDF

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Abstract

【課題】配管と配管の間の充填範囲にろう材等の溶加材が十分に充填されていることをコストを掛けずに簡便に保証することができる溶接配管の製造方法を提供すること。
【解決手段】第1配管10と、第1配管10に溶接することで接続される第2配管20とを備える溶接配管1の製造方法は、第1配管10において拡径するように形成された拡径接続部12の内側に、第2配管20の接続部21およびリングろう25を挿入し、拡径接続部12の内側に位置する接続部21の端面22と拡径接続部12との間にリングろう25を介在させるリングろう配置ステップS12と、リングろう25を溶融させ、拡径接続部12と接続部21との間にリングろう25を充填する充填ステップS13と、を備える。
【選択図】図2

Description

本発明は、一方の配管の拡径部の内側に他方の配管が挿入されて溶接された溶接配管の製造方法、および溶接配管に関する。
例えば、熱交換器などに用いられる金属配管同士を接続するにあたり、一方の配管に形成された拡径部の内側に他方の配管を挿入し、拡径部の内側でこれらの配管をろう付けする場合がある。
この場合、図6(a)に示すように、第1配管70の拡径部71の開口71A付近に配置したろう材B1をバーナー等で加熱して溶融させ、拡径部71と、拡径部71の内側に位置する第2配管80の接続部81との間の隙間Gに流入させる。
隙間Gに流入したろう材B1が凝固すると、配管70,80が接合される。
特許文献1では、図6(b)に示すように、第1配管70の拡径部71の開口71A付近にリング状のろう材B2を配置する。
この特許文献1では、第1配管70および第2配管80を起立した状態に支持し、拡径部71の上端71Bにリング状のろう材B2を保持する。そして、配管70,80の周囲に設置したコイルC1〜C3を用いる高周波加熱により、ろう材B2を溶融させ、隙間Gに流入させる。
特開2012−139709号公報
第1配管の拡径部と第2配管の接続部との間にろう材が十分に行き渡らず、空隙が残存すると、配管の強度および耐食性が低下してしまう。
配管強度および耐食性を確保するために、第1配管と第2配管との間に供給されたろう材が、充填範囲の奥にまで達していることを保証する必要がある。
ここで、特許文献1のように、リング状に成形されたろう材を配置する場合は、拡径部と第2配管の接続部との間の充填体積に応じてリング状ろう材のサイズを定め、その全体を溶融させることにより、ろう材充填量を管理し易い。
しかし、実際に充填範囲に十分にろう材が充填されているかどうかは、X線や超音波を用いる検査装置により調べないと保証できない。そのような検査装置を用いると、検査コストが高くつく。
本発明は、上述の課題に基づいて、配管と配管との間の充填範囲にろう材等の溶加材が十分に充填されていることをコストを掛けずに簡便に保証することができる溶接配管の製造方法、および溶接配管を提供することを目的とする。
本発明は、第1配管と、第1配管に溶接することで接続される第2配管とを備える溶接配管の製造方法であって、第1配管において拡径するように形成された第1接続部の内側に、第2配管の第2接続部および溶加材を挿入し、第1接続部の内側に位置する第2接続部の端面と第1接続部との間に溶加材を介在させる溶加材配置ステップと、溶加材を溶融させ、第1接続部と第2接続部との間に充填させる充填ステップと、を備えることを特徴とする。
本発明によれば、第2配管の第2接続部の端面と第1配管の第1接続部との間に溶加材を配置しておき、溶加材を溶融させることで、第1接続部の先端部(溶加材が配置される側とは反対側の端部)に向けて溶加材を流動させる。
そのため、第1接続部の先端部にまで溶加材が到達していることを第1接続部の先端部と第2配管の外周との間の隙間を介して確認することができれば、第1接続部と第2接続部との間の充填範囲に十分に溶加材が充填されている。
上記の確認は目視により行えるので、X線や超音波による検査装置を用いることなく、充填範囲に十分に溶加材が充填されていることを保証することができる。
本明細書において、第1接続部の基端部は、溶加材が配置される側の端部であり、第1接続部の先端部は、溶加材が配置される側とは反対側の端部であるものと定義する。
本発明では、第1接続部に隣接する部分に対して傾斜したテーパ部を第1接続部に形成しておき、溶加材配置ステップにおいて、テーパ部と第2接続部の端面との間に溶加材を保持させることが好ましい。
テーパ部の内側が第1接続部に向けて倒れるようにテーパ部が形成されると、第1接続部の基端部が隣接部分に対して垂直に立ち上がる場合と比べて、第2接続部の端面と第1接続部との間に形成される間隙を狭めることができる。その間隙が狭められた分、第1接続部と第2接続部との間に充填するのに必要な溶加材の使用量を抑えることができるので、コスト低減に寄与できる。
その上、第2接続部の端面およびテーパ部に溶加材が突き当てられて第1、第2配管と同心に位置決めされるので、溶加材が全周に亘り同等の温度条件で溶融される。
そのため、充填範囲の全周に亘り溶加材を均一に充填させることができる。
本発明における溶接ステップでは、第1接続部の先端部またはその付近を加熱することが好ましい。
このようにして第1接続部の先端部と基端部とに温度勾配を持たせると、溶加材の流動を確保することができる。
つまり、加熱位置から伝導した熱により溶融した溶加材が、より高温である第1接続部の先端部に向かうこととなるので、溶加材は液相を保ち、毛細管現象が存分に発揮される。そのため、充填範囲に溶加材を十分にかつ確実に充填することができる。
本発明は、第1接続部の先端部にまで溶加材が到達していることを、先端部と第2配管の外周との間の隙間を介して確認する検査ステップを備えることができる。
上述の確認は目視により行えるので、X線や超音波による検査装置を用いることなく、充填範囲に十分に溶加材が充填されていることを確認することができる。
したがって、コストを掛けずに溶接配管の検査を簡便に行うことができる。
また、本発明は、第1接続部の先端部またはその付近に、第1接続部の厚み方向に貫通して形成された確認開口の位置にまで溶加材が到達していることを確認する検査ステップを備えることもできる。
その場合も、上記確認を目視により行えるので、X線や超音波による検査装置を用いることなく、充填範囲に十分に溶加材が充填されていることを確認することができる。
確認開口を介して溶加材が目視されたならば、第1接続部の基端部から確認開口の直下までの充填範囲に十分に溶加材が充填されていることを確認できる。
本発明の溶接配管は、第1配管と、第1配管に溶接することで接続された第2配管と、を備える。
第1配管において、拡径するように形成された第1接続部が形成される。
第2配管において、第1接続部の内側に挿入される第2接続部が形成される。
第1接続部と第2接続部との間には、溶融された溶加材が充填される。
そして、本発明は、第1接続部の先端部またはその付近には、第2接続部の端面と第1接続部との間に溶融される前に配置された溶加材が第1接続部の先端部またはその付近にまで流動して到達していることを確認するための確認開口が、第1接続部の厚み方向に貫通して形成されることを特徴とする。
本発明における確認開口は、第2配管の第2接続部の端面と第1配管の第1接続部との間に溶加材を配置しておき、第1接続部の先端部に向けて溶加材を流動させた場合に、第1接続部の基端部から確認開口の直下までの充填範囲に十分に溶加材が充填されていることを確認するために用いられる。
確認開口を介して溶加材を目視することが可能となるので、X線や超音波による検査装置を用いることなく、充填範囲に十分に溶加材が充填されていることを保証することができる。したがって、コストを掛けずに溶接配管の検査を簡便に行うことができる。
本発明によれば、配管と配管の間の充填範囲に溶加材が十分に充填されていることをコストを掛けずに簡便に保証することができる。
本発明の実施形態に係る配管構造を示す断面図である。 (a)は、リングろうを示す平面図である。(b)は、(a)のリングろうを第1配管と第2配管との間に介在させた状態を示す図であり、(c)は、リングろうを加熱する様子を示す図である。 配管構造の製造ステップを示す図である。 本発明の変形例に係る配管構造を示す断面図である。 本発明の別の変形例に係る配管構造を示す断面図である。 従来の配管構造におけるろう材供給形態を示す図である。
以下、添付図面を参照し、本発明の実施形態について説明する。
図1に示す配管構造1は、給湯機、空気調和機、冷凍庫などの機器に備えられる。
配管構造1は、溶接されることで互いに接続される第1配管10および第2配管20を備える。
第1配管10および第2配管20のいずれも、銅または銅合金、アルミニウムまたはアルミニウム合金、ステンレスなどの金属材料から断面円形に形成される。
第1配管10は、第2配管20を内側に受け入れる拡径接続部12(第1接続部)を有する。
拡径接続部12は、拡径接続部12の基端部124に続く隣接部13に対して傾斜したテーパ部121と、テーパ部121の先端側に連続し、隣接部13と平行に形成されたストレート部122とを有する。
拡径接続部12の先端部123の内側は、開口120とされる。
テーパ部121は、フレア加工により、隣接部13の径に対して拡径される。フレア加工には、コーン状の工具を備える公知のフレア加工ツールなどを用いることができる。
ストレート部122は、テーパ部121に連続する側から、第1配管10の端面11まで一定の径に形成される。
ストレート部122の軸線方向の長さは、接続された配管10,20に求められる接合強度、および大気による腐食を考慮した耐久性に基づいて定めることができる。その長さは、例えば数十mmに設定することができる。
隣接部13から立ち上がるテーパ部121の始点と、ストレート部122に連続するテーパ部121の終点とを比べると、終点が始点よりも先端部123側で、かつ外周側に位置する。テーパ部121の傾斜角度は、本実施形態では約45度である。
ストレート部122と第2配管20との間には適切な間隙S1が設定される。間隙S1は例えば数十〜500μm程度である。
第2配管20は、拡径接続部12の内側に挿入される接続部21(第2接続部)を有する。第2配管20は、接続部21を含めて、隣接部13と同等の一定の径に形成される。
接続部21は、拡径接続部12のストレート部122と平行に延在する。
接続部21の軸線方向に直交する端面22は、テーパ部121に対向する。
第1配管10と第2配管20とは、拡径接続部12および接続部21の間に隙間なく充填されたろう材24により接合される。
ろう材24は、第1配管10および第2配管20の全周に亘り形成される。
ろう材24は、ストレート部122の内周面と接続部21の外周面との間の円筒状の間隙S1と、テーパ部121と第2配管20の端面22との間の横断面が略三角形状(または台形状)を呈する環状の間隙S2とに連続して設けられる。
ろう材24は、図2(a)に示すリングろう25が溶融され、拡径接続部12および接続部21の間に充填された後に凝固したものである。
リングろう25は、ろう材料を用いて円環状に成形されたものである。リングろう25は、棒状に成形されたろう材を環状に形成されたものであってもよい。
リングろう25は、接続部21の外径(本実施形態では隣接部13の外径に同じ)と同等の外径に形成される。
リングろう25は、第1配管10および第2配管20の材質に適合するものが選択される。
配管10,20が銅または銅合金である場合は、例えばJIS Z3264に基づいてろう材を選択することができる。
配管10,20がアルミニウム合金である場合は、例えばJIS Z3604に基づいてろう材を選択することができる。
リングろう25の濡れ性を高めるために、フラックスを用いることもできる。フラックスは、ろう付けを行う前に予め接続部21に塗布することができる。あるいは、フラックスをろう材料に添加し、リングろう25の内部にフラックスを混入させることもできる。
リングろう25は、図2(b)に示すように、第2配管20の端面22と第1配管10のテーパ部121との間に挟み込まれる。リングろう25は、間隙S2の内部にほぼ全体が収容されるとともに、間隙S1の直近に保持される。
このリングろう25を溶融して拡径接続部12と接続部21との間に充填し、その後凝固させることでろう材24が形成される。
図2(c)に矢印で示すように、溶融したリングろう25は、拡径接続部12と接続部21との間を毛細管現象により拡径接続部12の先端部123に向けて流動し、拡径接続部12および接続部21の間の全体に亘り(径方向および軸線方向において)十分に充填される。
本実施形態のリングろう25は、横断面が円形に形成されているが、リングろう25の横断面の形状は任意である。
リングろう25には、拡径接続部12および接続部21の間にろう材24を充填するのに必要な量のろう材が使用される。
充填するのに必要な量は、ろう材24が充填される範囲の体積に基づいて定まる。
ろう材24が充填される充填範囲Sは、本実施形態では、接続部21とストレート部122との間の間隙S1と、接続部21の端面22とテーパ部121との間の間隙S2とに亘って延在する。
間隙S1および間隙S2の寸法に基づいて、充填範囲Sの体積を求めることができる。
以下、図3も参照し、配管構造1を製造する方法について説明する。
以下に示す各ステップは、配管構造1を備える機器の組み立て、配管施工の現場で行うことを想定する。
まず、拡径接続部12を有しておらず、一定の径に形成された第1配管10の一端側にフレア加工を施すことによって拡径接続部12のテーパ部121を形成し、次いでストレート部122も形成する(拡径ステップS11)。
次に、拡径接続部12の内側に、リングろう25および第2配管20の接続部21を挿入し、図2(b)に示すように接続部21の端面22とテーパ部121との間にリングろう25を介在させる(リングろう配置ステップS12)。
このとき、端面22とテーパ部121との間にリングろう25が挟み込まれて保持される。
次いで、拡径接続部12および接続部21を介してリングろう25を加熱して溶融させ、拡径接続部12と接続部21との間にろう材を充填させる(充填ステップS13)。
加熱されたリングろう25は、内周から外周までの全体が溶融され、表面張力により間隙S2内に溜まる。このろう材溜まりは、間隙S1の直近に位置しており、間隙S1へとろう材を確実に供給する。
充填ステップS13では、リングろう25を加熱する加熱装置として、火炎281を出力するバーナー28(図2(c))を用いる。バーナー28は、燃料ボンベ、燃料と可燃性気体との混合機構などを有して構成される。
ここで、バーナー28により、充填範囲Sの全体を一定の温度に加熱することは難しい。溶融したリングろう25が拡径接続部12の先端部123に向けて充填範囲Sに充填される過程で温度低下により凝固すると、充填範囲Sに十分にろう材が行き渡らなくなる。
もし、リングろう25が位置するテーパ部121付近をバーナー28で加熱すると、テーパ部121側が高温、先端部123側が低温となる温度勾配が存在するので、先端部123に至るまでの間にろう材が冷えて凝固し易い。
そこで、図2(c)に示すように、拡径接続部12の先端部123をバーナー28で加熱する。あるいは、先端部123の付近に位置する第2配管20の外周面をバーナー28で加熱する。これにより、上記とは逆に、テーパ部121側が低温、先端部123側が高温となる温度勾配を出現させる。
そうすると、バーナー28により直接加熱される位置から伝導した熱により溶融したろう材が、より高温である先端部123側に向かうこととなるので、ろう材は液相を保ち、毛細管現象が存分に発揮される。そのため、充填範囲Sの全体に亘りろう材を確実に充填することができる。
充填ステップS13では、必要に応じてバーナー28を拡径接続部12の周方向に移動させることにより、リングろう25を全周に亘り溶融させる。
なお、内側に拡径接続部12を挿入可能な環状の加熱装置を用いて、リングろう25の全周を一挙に加熱することもできる。
加熱開始から所定時間が経過し、ろう材を充填範囲Sに行き渡らせることができたら、加熱を終了する。その後、放熱による冷却を経て、凝固したろう材24が形成される(凝固ステップS14)。
以上により、第1配管10と第2配管20とのろう付けを完了すると、配管構造1が得られる。
配管構造1の内側では、図1に示すように、第2配管20の内周面と第1配管10の隣接部13の内周面とが、ろう材24を介して連続する。
ろう材24は、凝固時の体積減少により第2配管20および隣接部13の各々の内周面から少し窪むので、配管構造1の内部を流れる冷媒に圧力損失を生じさせることなく、冷媒をスムーズに流すことができる。
本実施形態では、さらに、配管構造1に対して検査を実施し、充填範囲Sにろう材が十分に充填されていることを確認する(検査ステップS15)。
検査ステップS15では、拡径接続部12の先端部123と第2配管20の外周との間の隙間を介して、先端部123にまでろう材24が到達していることを目視する。
ここで、拡径接続部12の基端部124では、リングろう25を突き当てたテーパ部121および端面22にろう材が付着するので、ろう材は必ず存在する。
そのため、先端部123と第2配管20の外周との間の隙間を介して先端部123にまでろう材24が到達していることを確認することができれば、拡径接続部12の基端部124から先端部123に至るまで、充填範囲Sに十分にろう材が充填されている。
したがって、先端部123にまでろう材24が到達していることが確認されたならば、冷媒圧力に耐えることのできる所定の接合強度や、長期に亘り腐食しない耐久性が確保された合格品と認定する。
以上で説明したように、本実施形態では、第2配管20の端面22と第1配管10のテーパ部121との間にリングろう25を配置しておき、拡径接続部12の先端部123に向けてろう材を流動させる。
これにより、拡径接続部12の先端部123と第2配管20の外周との間の隙間を介してろう材を目視するだけで、X線や超音波による検査装置を用いることなく、充填範囲Sに十分にろう材が充填されていることを保証することができる。したがって、コストを掛けずに配管構造1の検査を簡便に行うことができる。
また、本実施形態では、バーナー28で拡径接続部12の先端部123を加熱し、拡径接続部12の先端部123と基端部124とに温度勾配を持たせることにより、ろう材の流動を確保する。
このため、充填範囲Sの全体を一定の温度に加熱することが難しいバーナー28を用いながら、ろう材を充填範囲Sの全体に亘ってより確実に充填させることができる。
さらに、本実施形態によれば、拡径接続部12にテーパ部121が形成されることにより、図5に示すようにテーパ部121が形成されない場合と比べて次のような効果が得られる。
テーパ部121の内側が接続部21に向けて倒れているので、図5に示すように拡径接続部14の基端部124が隣接部13に対して垂直に立ち上がる場合と比べて、接続部21の端面22と拡径接続部12の基端部124との間に形成される間隙S2を狭めることができる。その間隙S2が狭められた分、拡径接続部12と接続部21との間に充填するのに必要なろう材の使用量を抑えることができるので、コスト低減に寄与できる。
また、テーパ部121および端面22にリングろう25が突き当てられて配管10,20と同心に位置決めされるので、バーナー28で加熱されるリングろう25が全周に亘り同等の温度条件で溶融される。
そのため、充填範囲Sの全周に亘りろう材を均一に充填させることができる。
さらに、テーパ部121が形成されるために横断面が台形状を呈する間隙S2と、図5に示すように横断面が矩形状を呈する間隙S2とが同じ体積であってろう材の使用料が同等であったとしても、横断面が台形状の間隙S2によれば、配管内部へのろう材の流出を抑制できる効果が得られる。
これは、台形状の間隙S2(図1)の下辺(内周側の辺)の長さが矩形状の間隙S2(図5)の下辺(内周側の辺)の長さよりも長いことにより、台形状の間隙S2に溜まる溶融ろう材に表面張力がより十分に働くためである。
つまり、本実施形態によれば、台形状の間隙S2から配管の内側へとろう材が溢れ出るのが抑制されるので、ろう付けの必要部位(第1配管10と第2配管20の間の隙間)にろう材を十分に供給することができる。また、ろう材が、配管内部の冷媒の流れに影響を与えることも避けられる。
ところで、拡径接続部12と接続部21との間にろう材が十分に充填されていることを確認するために、図4に示すような確認孔15を用いることもできる。
確認孔15は、拡径接続部12のストレート部122を厚み方向に貫通する。確認孔15は、先端部123付近の所定位置に、例えば1mm程度の孔径で形成される。確認孔15は、拡径接続部12の内側に第2配管20を挿入する前に予め形成される(確認孔形成ステップ)。
その後、リングろう配置ステップS12、充填ステップS13、および凝固ステップS14を経て製造された配管構造に対して検査を実施する(検査ステップ)。
検査ステップにおいて、確認孔15を介してろう材が目視されたならば、拡径接続部12の基端部124から確認孔15の直下までの充填範囲S´に十分にろう材が充填されていることを確認できる。
確認孔15は、周方向に等間隔をおいて2つ以上形成しておき、これらの確認孔15の全てにおいてろう材が目視されたときに合格品と判定することが好ましい。
溶接配管に求められる所定の接合強度を確保するためには、配管同士が接合される長さ(有効接合長)が重要である。
確認孔15は、リングろう25を挟んで第2配管20の端面22が突き当てられる拡径接続部12の基端部124から一定の距離に位置するので、この確認孔15を用いることにより、確認孔15の位置にまで有効接合長が確保されていることを正しく判断できる。
確認孔15に代えて、拡径接続部12の先端部123に形成された切欠や、先端部123から軸線方向に沿って形成されたスリットを用いることもできる。
上記では、第1配管10と第2配管20とをろう付けにより接合する例を示したが、本発明は、ろう付けの範疇に留まらず、溶加材を溶融させ、母材は極力溶融させないで、母材と母材の間の隙間に毛細管現象により溶加材を流し込むものは全て対象とすることができる。
上記以外にも、本発明の主旨を逸脱しない限り、上記実施形態で挙げた構成を取捨選択したり、他の構成に適宜変更することが可能である。
上記実施形態では、第1配管10を現場で加工して拡径接続部12を形成するが、拡径接続部12を有する形態に第1配管10を工場で製作することもできる。
また、拡径接続部は、必ずしもテーパ部を備えている必要はない。
図5に示すように、隣接部13から垂直に立ち上がる起立部141を拡径接続部14が備えていてもよい。
このようにしても、接続部21の端面22と起立部141との間にリングろう25が挟み込まれるので、リングろう25が脱落することなく配管10,20に確実に保持される。
したがって、配管10,20が種々の姿勢をとりうる現場での配管接続作業であっても、ろう付けを容易にかつ確実に行うことができる。
接続部21の端面22は、接続部21の軸線方向に対して必ずしも直交していなくてもよく、軸線方向に対して傾斜していてもよい。
第1配管10、第2配管20の各々の径、肉厚は、拡径接続部12の内側に第2配管20を挿入して接続できる限り、任意に定めることができる。
第2配管20の径および肉厚は、第1配管10の隣接部13の径および肉厚と相違していてもよい。
拡径接続部12と接続部21とを溶接するろう材は、接続部21の端面22と拡径接続部12の基端部124(テーパ部121、起立部141)との間に配置することができる限り、任意の径、断面サイズ等に定めることができる。
また、端面22と拡径接続部12の基端部124との間に配置するろう材として、円弧状に成形されたろう材を複数並べることもできる。端面22と拡径接続部12の基端部124との間の間隙S2に環状に配置できる限り、ろう材の形態は問わない。
ろう材(溶加材)を加熱する加熱装置の種類は問わず、トーチ、加熱炉なども用いることができる。
本発明の溶接配管の製造は、現場、工場など、溶接作業場所を問わずに実施することができる。
本発明において、第1配管、第2配管、および溶加材の材質は、任意に定めることができる。
1 配管構造(溶接配管)
10 第1配管
11 端面
12,14 拡径接続部(第1接続部)
13 隣接部
15 確認孔(確認開口)
20 第2配管
21 接続部(第2接続部)
22 端面
24 ろう材(溶加材)
25 リングろう(溶加材)
28 バーナー(加熱装置)
70 第1配管
71 拡径部
71A 開口
71B 上端
80 第2配管
81 接続部
120 開口
121 テーパ部
122 ストレート部
123 先端部
124 基端部
141 起立部
281 火炎
B1 ろう材
B2 ろう材
C1〜C3 コイル
G 隙間
S 充填範囲
S1,S2 間隙
S11 拡径ステップ
S12 リングろう配置ステップ(溶加材配置ステップ)
S13 充填ステップ
S14 凝固ステップ
S15 検査ステップ

Claims (6)

  1. 第1配管と、前記第1配管に溶接することで接続される第2配管とを備える溶接配管の製造方法であって、
    前記第1配管において拡径するように形成された第1接続部の内側に、前記第2配管の第2接続部および溶加材を挿入し、前記第1接続部の内側に位置する前記第2接続部の端面と前記第1接続部との間に前記溶加材を介在させる溶加材配置ステップと、
    前記溶加材を溶融させ、前記第1接続部と前記第2接続部との間に充填させる充填ステップと、を備える、
    ことを特徴とする溶接配管の製造方法。
  2. 前記第1接続部に隣接する部分に対して傾斜したテーパ部を前記第1接続部に形成しておき、
    前記溶加材配置ステップにおいて、前記テーパ部と前記第2接続部の端面との間に前記溶加材を保持させる、
    請求項1に記載の溶接配管の製造方法。
  3. 前記充填ステップでは、
    前記第1接続部の先端部またはその付近を加熱する、
    請求項1または2に記載の溶接配管の製造方法。
  4. 前記第1接続部の先端部にまで前記溶加材が到達していることを、前記先端部と前記第2配管の外周との間の隙間を介して確認する検査ステップを備える、
    請求項1から3のいずれか一項に記載の溶接配管の製造方法。
  5. 前記第1接続部の先端部またはその付近に、前記第1接続部の厚み方向に貫通して形成された確認開口の位置にまで前記溶加材が到達していることを確認する検査ステップを備える、
    請求項1から3のいずれか一項に記載の溶接配管の製造方法。
  6. 第1配管と、
    前記第1配管に溶接することで接続された第2配管と、を備え、
    前記第1配管において、拡径するように形成された第1接続部が形成され、
    前記第2配管において、前記第1接続部の内側に挿入される第2接続部が形成され、
    前記第1接続部と前記第2接続部との間には、溶融された溶加材が充填され、
    前記第1接続部の先端部またはその付近には、
    前記第2接続部の端面と前記第1接続部との間に溶融される前に配置された前記溶加材が前記第1接続部の先端部またはその付近にまで流動して到達していることを確認するための確認開口が、第1接続部の厚み方向に貫通して形成される、
    ことを特徴とする溶接配管。
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