JP7025871B2 - ソレノイド用コア組立部品とその製造方法 - Google Patents

ソレノイド用コア組立部品とその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、ソレノイド用コア組立部品とその製造方法に関する。
電磁弁等にリニアソレノイド(以下、「ソレノイド」という)等が用いられており、ソレノイド等にはソレノイド用コア部品が設けられ、2つ以上の部材を組み立てたソレノイド用コア組立部品で構成されたものがある。ソレノイド用コア組立部品を構成する部材(以下、「コア部材」ともいう。)はそれぞれ円筒状をなし、互いに同心円状に組み付けられる。
ソレノイド用コアに関して、たとえば特許文献1には、磁性材料からなる第1のコアと、非磁性体と、磁性材料からなる第2のコアとを相互に連結した構成が記載されている。
また、特許文献2には、複数部材からなる組立体に関して、磁性材料からなる金属部材と、非磁性材料からなる金属部材とを、ろう付けによって連結固定することが記載されている。
一方、特許文献3には、弁装置に関して、異種金属材からなる2つの円筒状体を嵌合し、嵌合面をろう付けして固定することが記載されている。
また、特許文献4には、嵌合部のろう付け方法に関して、略筒状を呈する一方の嵌合部分と、凹段部を備える他方の嵌合部分とを互いに嵌合し、且つろう付けによって接合することが記載されている。
特開2009-127692号公報 特開2006-281235号公報 特開昭62-4977号公報 特開平2-46972号公報
ソレノイド用コア組立部品を製造するにあたって、円筒状をなす複数のコア部材を互いに嵌合し、その嵌合部をろう付けによって接合する場合は、ろう付けに用いたろう材が嵌合部全体に行き渡っていることが好ましい。ただし、ろう付けの条件等によっては、嵌合部全体にろう材が行き渡らず、所望の接合強度を確保できない場合がある。このため、ろう付けによる接合をおこなった後に、嵌合部全体にろう材が行き渡っているかどうかを確認することが肝要となる。
しかしながら、従来においては、ろう付けによる接合後に、嵌合部全体にろう材が行き渡っているかどうかを確認するには、構造物の内部を透視観察できるX線検査や超音波検査などが必要となり、ソレノイド用コア組立部品の生産性の低下や、検査コストや製造コストの上昇が避けられないという難点があった。
本発明の主な目的は、ソレノイド用コア組立部品を構成する複数のコア部材を嵌合してろう付けする場合に、嵌合部全体にろう材が行き渡っているかどうかを簡易に確認することができる、ソレノイド用コア組立部品とその製造方法を提供することにある。
(第1の態様)
本発明の第1の態様は、
それぞれ円筒状をなす少なくとも2つのコア部材を用意する準備工程と、
前記少なくとも2つのコア部材を嵌合し、ろう材を所定の位置に配置する組立工程と、
前記嵌合部をろう付けすることにより、前記少なくとも2つのコア部材を接合する接合工程と、を含み、
前記準備工程では、前記組立工程で前記少なくとも2つのコア部材を嵌合したときに、前記嵌合部の外周側の端部から大径方向に外周側張り出し部が張り出すとともに、前記嵌合部の内周側の端部から小径方向に内周側張り出し部が張り出すように、前記少なくとも2つのコア部材を形成しておき、
前記組立工程では、前記少なくとも2つのコア部材を嵌合するとともに、前記外周側張り出し部および前記内周側張り出し部のうちいずれか一方の張り出し部にろう材を設置し、
前記接合工程では、前記ろう材を加熱により溶融させることにより、前記嵌合部に対して前記一方の張り出し部から前記ろう材を浸透させ、他方の張り出し部において前記嵌合部の端部の略全域に前記ろう材をはみ出させる、
ソレノイド用コア組立部品の製造方法である。
(第2の態様)
本発明の第2の態様は、
前記組立工程では、前記外周側張り出し部に前記ろう材を設置する、
上記第1の態様に記載のソレノイド用コア組立部品の製造方法である。
(第3の態様)
本発明の第3の態様は、
前記準備工程では、前記少なくとも2つのコア部材を互いに熱膨張率の異なる金属材料で形成し、
前記組立工程では、前記少なくとも2つのコア部材を圧入により嵌合し、
前記接合工程では、前記ろう材を加熱により溶融させるときの、前記金属材料の熱膨張率の違いを利用して、前記嵌合部に隙間を形成する、
上記第1又は第2の態様に記載のソレノイド用コア組立部品の製造方法である。
(第4の態様)
本発明の第4の態様は、
前記接合工程の後、前記ろう材による接合状態を検査する検査工程を有し、
前記検査工程では、前記一方の張り出し部および前記他方の張り出し部のうち少なくとも前記他方の張り出し部において前記嵌合部の端部の略全域に前記ろう材がはみ出しているかどうかを目視で確認する、
上記第1~第3の態様のいずれか1つに記載のソレノイド用コア組立部品の製造方法である。
(第5の態様)
本発明の第5の態様は、
前記ろう材に銅ろう又は銅合金ろうを用いる、
上記第1~第4の態様のいずれか1つに記載のソレノイド用コア組立部品の製造方法である。
(第6の態様)
本発明の第6の態様は、
それぞれ円筒状をなす少なくとも2つのコア部材を備え、
前記少なくとも2つのコア部材は、互いに嵌合状態で固定され、その嵌合部がろう材によって接合されているとともに、前記嵌合部の外周側の端部から大径方向に外周側張り出し部が張り出して配置され、前記嵌合部の内周側の端部から小径方向に内周側張り出し部が張り出して配置されており、且つ、前記外周側張り出し部において前記嵌合部の端部の略全域には前記ろう材の一部がはみ出し、前記内周側張り出し部において前記嵌合部の端部の略全域には前記ろう材の他部がはみ出している、ソレノイド用コア組立部品である。
(第7の態様)
本発明の第7の態様は、
前記ソレノイド用コア組立部品は、3つのコア部材を備え、
前記3つのコア部材のうち、第1コア部材と第2コア部材が、互いに嵌合状態で固定されるとともに、前記第2コア部材と第3コア部材が、互いに嵌合状態で固定されており、
前記第1コア部材と前記第2コア部材とが嵌合する第1の嵌合部の内周側の端部から小径方向に張り出す第1の内周側張り出し部と、前記第2コア部材と前記第3コア部材とが嵌合する第2の嵌合部の内周側の端部から小径方向に張り出す第2の内周側張り出し部とが、前記ソレノイド用コア組立部品の直径方向で互いに位置をずらして配置され、且つ前記ソレノイド用コア組立部品の中心軸方向で互いに同じ方向を向いて配置されている、
上記第6の態様に記載のソレノイド用コア組立部品である。
(第8の態様)
それぞれ円筒状をなす3つのコア部材を用意する準備工程と、
前記3つのコア部材のうち、第1コア部材と第2コア部材を嵌合して第1のろう材を所定の位置に配置するとともに、前記第2コア部材と第3コア部材を嵌合して第2のろう材を所定の位置に配置する組立工程と、
前記第1コア材と前記第2コア部材とが嵌合する第1の嵌合部をろう付けすることにより、前記第1コア部材と前記第2コア部材を接合するとともに、前記第2コア部材と前記第3コア部材とが嵌合する第2の嵌合部をろう付けすることにより、前記第2コア部材と前記第3コア部材を接合する接合工程と、を含み、
前記準備工程では、前記組立工程で前記第1コア部材と前記第2コア部材を嵌合したときに、前記第1の嵌合部の外周側の端部から大径方向に第1の外周側張り出し部が張り出すとともに、前記第1の嵌合部の内周側の端部から小径方向に第1の内周側張り出し部が張り出し、かつ、前記組立工程で前記第2コア部材と前記第3コア部材を嵌合したときに、前記第2の嵌合部の外周側の端部から大径方向に第2の外周側張り出し部が張り出すとともに、前記第2の嵌合部の内周側の端部から小径方向に第2の内周側張り出し部が張り出すように、前記3つのコア部材を形成しておき、
前記組立工程では、前記第1コア部材と前記第2コア部材を嵌合して、前記第1の外周側張り出し部および前記第1の内周側張り出し部のうちいずれか一方の張り出し部に前記第1のろう材を設置するとともに、前記第2コア部材と前記第3コア部材を嵌合して、前記第2の外周側張り出し部および前記第2の内周側張り出し部のうちいずれか一方の張り出し部に前記第2のろう材を設置し、
前記接合工程では、前記第1のろう材および前記第2のろう材を加熱により溶融させることにより、前記第1の嵌合部に対して前記第1の外周側張り出し部および前記第1の内周側張り出し部のうち一方の張り出し部から前記第1のろう材を浸透させ、他方の張り出し部において前記第1の嵌合部の端部の略全域に前記第1のろう材をはみ出させるとともに、前記第2の嵌合部に対して前記第2の外周側張り出し部および前記第2の内周側張り出し部のうち一方の張り出し部から前記第2のろう材を浸透させ、他方の張り出し部において前記第2の嵌合部の端部の略全域に前記第2のろう材をはみ出させる、
ソレノイド用コア組立部品の製造方法である。
(第9の態様)
それぞれ円筒状をなす3つのコア部材を備え、
前記3つのコア部材のうち、第1コア部材と第2コア部材が、互いに嵌合状態で固定されるとともに、前記第2コア部材と第3コア部材が、互いに嵌合状態で固定されており、
前記第1コア部材と前記第2コア部材とが嵌合する第1の嵌合部が第1のろう材によって接合されるとともに、前記第1の接合部の外周側の端部から大径方向に第1の外周側張り出し部が張り出して配置され、前記第1の接合部の内周側の端部から小径方向に第1の内周側張り出し部が張り出して配置されており、且つ、前記第1の外周側張り出し部において前記第1の嵌合部の端部の略全域には前記第1のろう材の一部がはみ出し、前記第1の内周側張り出し部において前記第1の嵌合部の端部の略全域には前記第1のろう材の他部がはみ出し、
前記第2コア部材と前記第3コア部材とが嵌合する第2の嵌合部が第2のろう材によって接合されるとともに、前記第2の接合部の外周側の端部から大径方向に第2の外周側張り出し部が張り出して配置され、前記第2の接合部の内周側の端部から小径方向に第2の内周側張り出し部が張り出して配置されており、且つ、前記第2の外周側張り出し部において前記第2の嵌合部の端部の略全域には前記第2のろう材の一部がはみ出し、前記第2の内周側張り出し部において前記第2の嵌合部の端部の略全域には前記第2のろう材の他部がはみ出している、ソレノイド用コア組立部品である。
本発明によれば、ソレノイド用コア組立部品を構成する複数のコア部材を嵌合してろう付けする場合に、嵌合部全体にろう材が行き渡っているかどうかを簡易に確認することができる。
本発明の第1実施形態に係るソレノイド用コア組立部品の構成を示すもので、(A)はその平面図、(B)はその半断面図である。 本発明の第1実施形態に係る第1コア部材の構成を示すもので、(A)はその平面図、(B)はその半断面図である。 本発明の第1実施形態に係る第2コア部材の構成を示すもので、(A)はその平面図、(B)はその半断面図である。 本発明の第1実施形態において第1コア部材と第2コア部材を嵌合した状態を示すもので、(A)はその平面図、(B)はその半断面図である。 本発明の第1実施形態において第1コア部材と第2コア部材を嵌合した後、ろう材を設置して加熱した状態を示すもので、(A)はその平面図、(B)はその半断面図である。 本発明の第2実施形態に係るソレノイド用コア組立部品の構成を示す断面図である。 本発明の第2実施形態において、ソレノイド用コア組立部品の構成部材の構成を示すもので、(A)は第1コア部材の構成を示す断面図、(B)は第2コア部材の構成を示す断面図、(C)は第3コア部材の構成を示す断面図である。 本発明の第2実施形態において3つのコア部材を嵌合した状態を示す断面図である。 本発明の第2実施形態に係るソレノイド用コア組立部品の他の構成を示す断面図である。
<第1実施形態>
図1は本発明の第1実施形態に係るソレノイド用コア組立部品の構成を示すもので、(A)はその平面図、(B)はその半断面図である。
図示したソレノイド用コア組立部品10は、第1コア部材11、第2コア部材12の2つを用いて構成されている。第1コア部材11は円筒状に形成され、第2コア部材12も円筒状に形成されている。第1コア部材11と第2コア部材12は、互いに嵌合状態で固定され、その嵌合部13がろう材14によって接合されている。
また、第2コア部材12は、(第1コア部材11と第2コア部材12の)嵌合部13の外周側の端部から(第1コア部材11の外周よりも)大径方向に張り出す(円環形状の)外周側張り出し部15と、嵌合部13の内周側の端部から(第1コア部材11の内周よりも)小径方向に張り出す(円環形状の)内周側張り出し部16とを形成している。そして、外周側張り出し部15の前記嵌合部13の外周側の端部の略全域(略全周)にろう材14の一部14aがはみ出し、内周側張り出し部16の前記嵌合部13の内周側の端部の略全域(略全周)にろう材14の他部14bがはみ出している。略全域(略全周)にろう材がはみ出している状態とは、原則として前記嵌合部13の外周側の端部(または内周側の端部)の全ての箇所(周囲)からろう材がはみ出している状態であるが、ろう材が嵌合部全周の10%以下はみ出していない状態(換言すると、ろう材が嵌合部全周の90%超はみ出している状態)を含む。大径方向とは、(円筒状であるコア部材の円の中心軸から)直径が大きくなる方向を意味し、小径方向とは、(円筒状であるコア部材の円の中心軸から)直径が小さくなる方向を意味する。
なお、本実施形態では、第1コア部材11と第2コア部材12の嵌合部13が断面階段状に形成されているが、嵌合部13の形状はこれ以外(たとえば、断面形状がL字形など)でもよい。また、本実施形態では、外周側張り出し部15と内周側張り出し部16が、いずれも第2コア部材12の一部で形成されているが、これに限らず、たとえば、第2コア部材12に代えて第1コア部材11の一部で形成されていてもよい。また、外周側張り出し部15が第1コア部材11の一部で形成され、内周側張り出し部16が第2コア部材12の一部で形成されていてもよい。あるいは、外周側張り出し部15が第2コア部材12の一部で形成され、内周側張り出し部16が第1コア部材11の一部で形成されていてもよい。
ここで、本発明の第1実施形態に係るソレノイド用コア組立部品の製造方法について、図2~図5を用いて説明する。ソレノイド用コア組立部品の製造方法は、準備工程と、組立工程と、接合工程と、を有する。なお、これらの工程で製造されたソレノイド用コア組立部品を、検査工程、加工工程で検査および加工を行なうことが好ましい。
(準備工程)
まず、第1コア部材11と第2コア部材12を準備する。第1コア部材11と第2コア部材12は、たとえば、鋳造、圧延、鍛造、切削などの加工方法により、図2および図3のように形成される。
図2は本発明の第1実施形態に係る第1コア部材の構成を示すもので、(A)はその平面図、(B)はその半断面図である。
第1コア部材11は、円筒状の部材であって、第1金属材料によって構成されている。第1コア部材11の内周側には、貫通孔21と、小径凹部22と、大径凹部23が形成されている。貫通孔21は、平面視円形に形成されている。小径凹部22は、(図2(B)における)第1コア部材11の下端部から所定の深さ位置に平面視円形に形成されている。大径凹部23は、第1コア部材11の下端部から小径凹部22よりも浅い位置に平面視円形に形成されている。貫通孔21と小径凹部22と大径凹部23は、第1コア部材11の中心軸を中心に同心状に形成されている。貫通孔21と小径凹部22は、第1コア部材11の中心軸(に平行な)方向で隣接し、且つ空間的につながっている。また、小径凹部22と大径凹部23は、第1コア部材11の中心軸(に平行な)方向で隣接し、且つ空間的につながっている。
ここで、貫通孔21の直径をD1(mm)、小径凹部22の直径をD2(mm)、大径凹部23の直径をD3(mm)とすると、これらの関係は、D1<D2<D3となっている。また、第1コア部材11の直径(外径)をD4(mm)とすると、D3<D4となっている。
図3は本発明の第1実施形態に係る第2コア部材の構成を示すもので、(A)はその平面図、(B)はその半断面図である。
第2コア部材12は、円筒状の部材であって、上記第1金属材料とは熱膨張率の異なる第2金属材料によって構成されている。ここで、第1金属材料の熱膨張率をα1、第2金属材料の熱膨張率をα2とすると、これらの関係は、α1>α2となっている。これにより、後述する接合工程で熱を加えた場合は、第1コア部材11が第2コア部材12よりも大きく熱膨張することになる。第1金属材料には、たとえば、ステンレス鋼などの非磁性材料を用いることができ、第2金属材料には、たとえば、純鉄などの磁性材料を用いることができる。
第2コア部材12の内周側には貫通孔25が形成されている。貫通孔25は、平面視円形に形成されている。第2コア部材12の外周側には、小径凸部26と、大径凸部27と、フランジ部28とが形成されている。小径凸部26と大径凸部27とフランジ部28は、いずれも平面視円形に形成されている。また、小径凸部26は、大径凸部27よりも(図3(B)において)高い位置に形成されている。貫通孔25と小径凸部26と大径凸部27は、第1コア部材11の中心軸を中心に同心状に形成されている。小径凸部26と大径凸部27は、第2コア部材12の中心軸(に平行な)方向で隣接し、大径凸部27とフランジ部28も、第2コア部材12の中心軸(に平行な)方向で隣接している。
ここで、貫通孔25の直径をD5(mm)、小径凸部26の直径をD6(mm)、大径凸部27の直径をD7(mm)とすると、これらの関係は、D5<D6<D7となっている。また、フランジ部28の直径をD8(mm)とすると、D7<D8となっている。フランジ部28の直径D8は、第2コア部材12の最外径に相当する。
第1コア部材11と第2コア部材12を比較すると、第1コア部材11の直径D4は、フランジ部28の直径D8よりも小さく設定されている。また、貫通孔21の直径D1は、貫通孔25の直径D5よりも大きく設定されている。また、小径凹部22の深さ寸法d1は小径凸部26の高さ寸法h1と同一に設定され、大径凹部23の深さ寸法d2は大径凸部27の高さ寸法h2と同一に設定されている。
小径凹部22の直径D2は、小径凸部26の直径D6と同じか、それよりも僅かに小さく設定されるのが好ましく、大径凹部23の直径D3は、大径凸部27の直径D7と同じか、それよりも僅かに小さく設定されているのが好ましい。小径凹部22の直径D2を小径凸部26の直径D6未満とする場合は、両者の寸法差を数十μm程度(たとえば、10~40μmの範囲内)に設定することが好ましい。同様に、大径凹部23の直径D3を大径凸部27の直径D7未満とする場合は、両者の寸法差を数十μm程度(たとえば、10~40μmの範囲内)に設定することが好ましい。なお、小径凹部22の内周および小径凸部26の外周のうち、少なくとも一方の端部(エッジ部分)に、面取り等によるテーパーまたはアール(丸み)を付けて、組立工程において嵌合(圧入)しやすくしておくことが好ましい。
(組立工程)
組立工程では、まず、図4(A),(B)に示すように、第1コア部材11と第2コア部材12を嵌合する。これにより、小径凹部22に小径凸部26が嵌まり込むとともに、大径凹部23に大径凸部27が嵌まり込む。その際、第1コア部材11の直径D4とフランジ部28の直径D8の関係を上記のとおりD4<D8に設定すると、それらの寸法差に応じて(第2コア部材に)外周側張り出し部15が形成される。また、貫通孔21の直径D1と貫通孔25の直径D5の関係を上記のとおりD1>D5に設定すると、それらの寸法差に応じて(第2コア部材に)内周側張り出し部16が形成される。
また、小径凹部22の直径D2と小径凸部26の直径D6の関係を上記のとおりD2≦D6に設定すると、小径凹部22に小径凸部26が密着して嵌合する。同様に、大径凹部23の直径D3と大径凸部27の直径D7の関係を上記のとおりD3≦D7に設定すると、大径凹部23に大径凸部27が密着して嵌合する。そして、第1コア部材11と第2コア部材12が互いに密着する部分が嵌合部13となる。また、外周側張り出し部15は嵌合部13の外周側の端部から大径方向に張り出して配置(形成)され、内周側張り出し部16は嵌合部13の内周側の端部から小径方向に張り出して配置(形成)される。以降の説明では、このように第1コア部材11と第2コア部材12を嵌合してなる物体を「嵌合体」ともいう。
なお、第1コア部材11と第2コア部材12を嵌合するにあたって、小径凹部22の直径D2を小径凸部26の直径D6未満に設定した場合は、小径凹部22に小径凸部26が圧入される。同様に、大径凹部23の直径D3を大径凸部27の直径D7未満に設定した場合は、大径凹部23に大径凸部27が圧入される。これにより、第1コア部材11の中心軸と第2コア部材12の中心軸を精度良く一致させて両部材を嵌合させることができる。なお、圧入は、対象となるコア部材を、たとえばハンマーで叩いて行なうことができる。
次に、図5(A),(B)に示すように、外周側張り出し部15にろう材14を設置する。このとき、嵌合部13の外周側の端部にろう材14を近接させて配置する。ろう材14としては、たとえば、銅、銀、錫などの純金属、又は該純金属をベースにした合金が用いられ、板状、線(ワイヤ)状、ペースト状等のものを使用することをできる。ろう材14には、好ましくは、銅ろう又は銅合金ろうを用いるとよい。本実施形態では、一例として、直径0.2~2.0mmの銅線をリング状に丸めたものをろう材14として用いることとする。使用する銅線の直径は、嵌合部13全体にろう材14を行き渡らせるのに必要な量にあわせて適宜選択すればよい。リング状のろう材14は第1コア部材11の外周側に嵌め入れることで外周側張り出し部15に設置することができる。その場合、ろう材14の内径は、第1コア部材11の直径D4よりも僅かに(たとえば、0.2mmほど)大きく設定しておけばよい。
(接合工程)
次に、接合工程では、ろう材14を設置した嵌合体を加熱炉に投入して加熱する。加熱炉は、上記嵌合体を搬送する搬送装置を備え、この搬送装置によって嵌合体を加熱炉内で移動させることにより、所定の条件(温度、時間、雰囲気など)に従って嵌合体を加熱する。上記図5(A),(B)は加熱炉による加熱を開始した後で、且つ、ろう材14が溶融し始める前の状態を示している。図示した状態では、第1コア部材11と第2コア部材12との嵌合部13に隙間17が生じている。この隙間17は、ろう材14を溶融させるときの加熱により、第1コア部材11と第2コア部材12の熱膨張率の違いにより形成される。具体的には、第1金属材料の熱膨張率α1と第2金属材料の熱膨張率α2との関係をα1>α2として、第1コア部材11と第2コア部材12を加熱すると、第1コア部材11が第2コア部材12よりも大きく熱膨張する。その結果、第1コア部材11と第2コア部材12の嵌合部13に隙間17が形成される。隙間17の寸法は、好ましくは、0.001~0.9mm、より好ましくは、0.005~0.5mm、さらに好ましくは、0.005~0.1mmである。なお、嵌合部13の隙間17は、上記熱膨張率の違いによって、主に直径方向に生じる。ただし、中心軸方向においても、各部材の表面粗さ(凹凸)によって隙間が生じたり、部材同士を嵌合するときに若干の隙間が生じたりする。よって、加熱によりろう材14が溶融する時点では、直径方向と中心軸方向のいずれにも隙間17が存在することになる。
その後、加熱炉内を移動中の嵌合体がろう材14の融点以上に加熱されると、ろう材14が溶融する。このとき、嵌合部13(隙間17)に対してろう材14を外周側張り出し部15から浸透させ、内周側張り出し部16にはみ出させる。溶融したろう材14は、第1コア部材11と第2コア部材12の嵌合部13に形成された隙間17に吸い込まれ、内周側張り出し部16に向かって徐々に浸透していく。ろう材14の吸い込みや浸透は、拡散および毛細管現象によってなされる。その際、外周側張り出し部15から内周側張り出し部16に向かって浸透するろう材14が嵌合部13全体に行き渡ると、上記図1に示すように、内周側張り出し部16の前記嵌合部13の内周側の端部の略全域(略全周)にろう材14がはみ出した状態になる。このとき、直径方向におけるろう材14のはみ出し寸法が0.3mm以上であれば、その存在を目視で確認することができる。また、嵌合部13の隙間17に吸い込まれたろう材14の一部は、外周側張り出し部15にはみ出した状態で残る。その結果、ろう材14の一部14aは外周側張り出し部15の前記嵌合部13の外周側の端部の略全域(略全周)にはみ出し、ろう材14の他部14bは内周側張り出し部16の前記嵌合部13の内周側の端部の略全域(略全周)にはみ出した状態になる。(なお、ろう材14の一部14aは、はみ出し部14aと読み替えることができ、ろう材14の他部14bは、はみ出し部14bと読み替えることができる。)
その後、加熱炉内を移動中の嵌合体の温度がろう材14の融点より低い温度まで下げられると、ろう材14が凝固する。これにより、第1コア部材11と第2コア部材12は、嵌合部13でろう付けにより接合されソレノイド用コア組立部品を製造することができる。
ろう材14に銅ろうを用いた場合の加熱炉によるろう付け条件は下記のとおりである。
加熱温度:1000~1150℃
加熱時間:1~30分
雰囲気:水素100%
本第1実施形態では、接合工程を終えた段階の中間製品を、本発明のソレノイド用コア組立部品の一態様としている。この段階のソレノイド用コア組立部品においては、図1に示すように、第1コア部材11と第2コア部材12が互いに嵌合状態で固定され、その嵌合部13がろう材14によって接合されているとともに、上記嵌合状態のもとで、嵌合部13の外周側の端部から外周側張り出し部15が大径方向に張り出して配置(形成)され、嵌合部13の内周側の端部から内周側張り出し部16が小径方向に張り出して配置(形成)されている。そして、外周側張り出し部15にはろう材14の一部14aがはみ出し、内周側張り出し部16にはろう材14の他部14bがはみ出した状態となる。
(検査工程)
次に、上記工程により製造したソレノイド用コア組立部品(中間製品)を対象に、ろう材14による接合状態を検査することができる。この検査では、第1コア部材11と第2コア部材12の嵌合部13全体にろう材14が行き渡っているかどうかを確認する。具体的には、第1コア部材11の上方から貫通孔21の中を覗き、その貫通孔21の内周面より内側に張り出している円環形状の内周側張り出し部16にろう材14が図1(A)に示すように(円環形状の)前記嵌合部13の内周側の端部の略全周(略全域)にはみ出しているかどうかを目視(または画像認識等)で確認する。そして、内周側張り出し部16にろう材14が例えば上記のように略全周にはみ出しているソレノイド用コア組立部品は良品と判断し、はみ出していないものは不良品と判断する。検査工程で不良品と判断されたソレノイド用コア組立部品は、接合工程で嵌合部全体にろう材が行き渡らず、所定の品質を保証できないものとなる。なお、外周側張り出し部15におけるろう材14のはみ出し具合については、必要に応じて目視で確認すればよい。その理由は、接合工程で外周側張り出し部15にろう材14を設置した場合、溶融したろう材14が外周側張り出し部15を起点に嵌合部13に浸透し、その一部14aが必然的に外周側張り出し部15にはみ出した状態となるからである。
(加工工程)
次に、検査工程で良品と判断されたソレノイド用コア組立部品を対象に、第1コア部材11および第2コア部材12の内周側を切削加工することが好ましい。この切削加工では、ソレノイド用コア組立部品の内部に、例えば中心軸方向の一端から他端にわたって一様な直径を有する貫通孔を形成する。この貫通孔の直径は、第1コア部材11の貫通孔21の直径D1より大きく、且つ、第2コア部材12の小径凸部26の直径D6より小さい寸法に設定される。このような加工条件で第1コア部材11および第2コア部材12の内周側を切削加工することにより、内周側張り出し部16が除去(切除)される。また、加工工程では、必要に応じて第1コア部材11の外周面を切削加工する。
<第1実施形態の効果>
本発明の第1実施形態に係るソレノイド用コア組立部品の製造方法によれば、組立工程で第1コア部材11と第2コア部材12を嵌合させた場合に、外周側張り出し部15は、嵌合部13の外周側の端部から大径方向に張り出して配置され、内周側張り出し部16は、嵌合部13の内周側の端部から小径方向に張り出して配置される。このため、内周側張り出し部16を外部から目視で確認することが可能となる。また、外周側張り出し部15に設置したろう材14を加熱により溶融させると、溶融したろう材14が嵌合部13に吸い込まれる。そして、嵌合部13全体にろう材14が浸透すると、ろう材14の一部14aは外周側張り出し部15にはみ出し、ろう材14の他部14bは内周側張り出し部16にはみ出す。このため、内周側張り出し部16を外部から目視で確認し、そこにろう材のはみ出し部14bが嵌合部13の内周側の端部の略全域(全周)に存在するかどうかによって、嵌合部13全体にろう材14が行き渡っているかどうかを確認することが可能となる。
また、上記製造方法において、組立工程でろう材14を設置する場合、ろう材14の設置場所は内周側張り出し部16でもよいが、特に、外周側張り出し部15にろう材14を設置したほうが、次の点で好ましい。まず、嵌合部13にろう材14を充填させるために必要なろう材14の量は、ろう材14の設置場所にかかわらず同じである。ただし、外周側張り出し部15と内周側張り出し部16では中心軸からの半径距離が異なる。このため、同じ量のろう材14を内周側張り出し部16に設置する場合は、外周側張り出し部15に設置する場合に比べて、ろう材14の太さを太くする必要がある。このため、外周側張り出し部15にろう材14を設置するほうが、ろう材14の太さを細くしてコンパクトに設置することができる。また、内周側張り出し部16にろう材14を設置する場合は、貫通孔21の開口縁から奥側に内周側張り出し部16が存在するため、ろう材14の設置作業がしづらくなるとともに、ろう材14が適正な位置に設置されているかどうか目視で確認しづらいという難点がある。これに対し、外周側張り出し部15にろう材14を設置する場合は、外周側張り出し部15の周囲の空間が開放されているため、ろう材14の設置作業を簡単に行えるとともに、ろう材14が適正な位置に設置されているかどうかを目視で簡単に確認することができる。また、内周側張り出し部16にろう材14を設置する場合は、ろう材14が不必要な部分に接触するなどして、嵌合部13に対するろう材14の供給量が不足してしまうおそれがあるが、外周側張り出し部15にろう材14を設置すれば、そのようなおそれがない。
また、上記製造方法においては、熱膨張率の異なる金属材料で第1コア部材11と第2コア部材12を構成しておき、第1コア部材11と第2コア部材12を圧入により嵌合させる。これにより、第1コア部材11と第2コア部材12を互いに密着させて組み付けることができる。このため、第1コア部材11と第2コア部材12の組立精度(特に、芯出し精度)を高めることができる。また、第1コア部材11と第2コア部材12を嵌合させた後は、熱膨張率の違いを利用して嵌合部13に隙間17を形成する。このため、加熱により溶融させたろう材14を嵌合部13全体に浸透させることができる。
また、上記製造方法においては、接合工程の後の検査工程でろう材14による接合状態を検査する場合に、外周側張り出し部15および内周側張り出し部16のうち少なくとも内周側張り出し部16(の嵌合部13の内周側の端部の略全域)にろう材14がはみ出しているかどうかを目視で確認する。これにより、内周側張り出し部16にろう材14がはみ出している中間製品(ソレノイド用コア組立部品)、すなわち良品だけを対象に、その後の加工工程で切削加工を行なうことができる。
また、上記製造方法においては、ろう材14に銅ろう又は銅合金ろうを用いているため、接合工程で第1コア部材11と第2コア部材12をろう付けするときの温度を高温とすることができる。これにより、第1コア部材11および第2コア部材12の少なくとも一方を磁性材料で構成する場合に、磁性焼鈍とろう付けを同時に実施することが可能となる。
また、本発明の第1実施形態に係るソレノイド用コア組立部品によれば、第1コア部材11と第2コア部材12が嵌合状態で固定され、嵌合部13の外周側に外周側張り出し部15が張り出す一方、嵌合部13と内周側に内周側張り出し部16が張り出す構成になっている。このため、内周側張り出し部16を外部から目視で確認することが可能となる。また、嵌合部13を接合するろう材14の一部14aが外周側張り出し部15にはみ出し、他部14bが内周側張り出し部16にはみ出す構成になっている。このため、内周側張り出し部16を外部から目視で確認し、そこにはみ出し部14bが存在するかどうかによって、嵌合部13全体にろう材14が行き渡っているかどうかを確認することが可能となる。
<第2実施形態>
続いて、本発明の第2実施形態に係るソレノイド用コア組立部品とその製造方法について説明する。
図6は本発明の第2実施形態に係るソレノイド用コア組立部品の構成を示す断面図である。図中の点線は、後述する加工工程において、本発明のソレノイド用コア組立部品の内周側と外周側をそれぞれ切削加工するときの、加工後の仕上げ位置を示している。
図示したソレノイド用コア組立部品30は、第1コア部材31、第2コア部材32、第3コア部材33の3つのコア部材を有する。第1コア部材31は円筒状に形成され、第2コア部材32および第3コア部材33も、円筒状に形成されている。第1コア部材31と第2コア部材32は、互いに嵌合状態で固定され、その嵌合部(第1の嵌合部)51がろう材(第1のろう材)53によって接合されている。また、第2コア部材32は、嵌合部51の(第1コア部材31の)外周側の端部から大径方向に張り出す円環形状の外周側張り出し部(第1の外周側張り出し部)45と、嵌合部51の(第1コア部材31の)内周側の端部から小径方向に張り出す円環形状の内周側張り出し部(第1の内周側張り出し部)46とを形成している。そして、外周側張り出し部45の前記嵌合部51の外周側の端部の略全域(略全周)にろう材53の一部53aがはみ出し、内周側張り出し部46の前記嵌合部51の内周側の端部の略全域(略全周)にろう材53の他部53bがはみ出している。
一方、第2コア部材32と第3コア部材33は、互いに嵌合状態で固定され、その嵌合部(第2の嵌合部)52がろう材(第2のろう材)54によって接合されている。また、第3コア部材33は、嵌合部52の(第2コア部材32の)外周側の端部から大径方向に張り出す円環形状の外周側張り出し部(第2の外周側張り出し部)47と、嵌合部52の(第2コア部材32の)内周側の端部から小径方向に張り出す円環形状の内周側張り出し部(第2の内周側張り出し部)48とを形成している。そして、外周側張り出し部47の前記嵌合部52の外周側の端部の略全域(略全周)にろう材54の一部54aがはみ出し、内周側張り出し部48の前記嵌合部51の内周側の端部の略全域(略全周)にろう材54の他部54bがはみ出している。
ここで、本発明の第2実施形態に係るソレノイド用コア組立部品の製造方法について、図7および図8を用いて説明する。ソレノイド用コア組立部品の製造方法は、準備工程と、組立工程と、接合工程と、を有する。なお、これらの工程で製造されたソレノイド用コア組立部品を、検査工程、加工工程で検査および加工を行なうことが好ましい。
(準備工程)
準備工程では、図7(A)に示す第1コア部材31と、同図(B)に示す第2コア部材32と、同図(C)に示す第3コア部材33を準備する。
(第1コア部材31)
第1コア部材31は、図7(A)に示すように、円筒状の部材であって、たとえば純鉄などの磁性材料により形成されている。第1コア部材31には、直径D11の貫通孔35が形成されている。貫通孔35は、平面視円形に形成されている。第1コア部材31の直径(外径)はD12である。
(第2コア部材32)
第2コア部材32は、図7(B)に示すように、円筒状の部材であって、たとえば、ステンレス鋼などの非磁性材料により形成されている。第2コア部材32には、直径D14の貫通孔38が形成されている。貫通孔38は、平面視円形に形成されている。また、第2コア部材32の(図7(B)において)上端側には、凹部39が形成されている。凹部39は、平面視円形に形成されている。貫通孔38と凹部39は、第2コア部材32の中心軸を中心に同心円状に形成されている。貫通孔38と凹部39は、貫通孔21の中心軸方向で隣接し、且つ空間的につながっている。凹部39の直径D15は、貫通孔38の直径D14より大きく、且つ第2コア部材32の直径(外径)D16より小さい。
(第3コア部材33)
第3コア部材33は、図7(C)に示すように、円筒状の部材であって、たとえば純鉄などの磁性材料により形成されている。第3コア部材33には、直径D17の貫通孔41が形成されている。貫通孔41は、平面視円形に形成されている。また、第3コア部材33には、小径筒部42が形成されている。貫通孔41と小径筒部42は、第3コア部材33の中心軸を中心に同心円状に形成されている。小径筒部42は、第3コア部材33の(図7(C)において)上端側に形成されている。小径筒部42の直径D18は、貫通孔41の直径D17より大きく、且つ第3コア部材33の直径(最外径)D19より小さい。第3コア部材33の最外径部分は、小径筒部42よりも大径方向に突出したフランジ部43を形成している。
上記構成からなる第1コア部材31、第2コア部材32および第3コア部材33の各部の寸法関係は、次のように設定されている。
貫通孔35の直径D11は、貫通孔38の直径D14よりも大きく設定され、第1コア部材31の直径D12は、第2コア部材32の直径D16よりも小さく設定されている。また、貫通孔38の直径D14は、貫通孔41の直径D17よりも大きく設定され、第2コア部材32の直径D16は、フランジ部43の直径D19よりも小さく設定されている。
凹部39の直径D15は、第1コア部材31の直径D12と同じか、それよりも僅かに小さく設定されている。また、貫通孔38の直径D14は、小径筒部42の直径D18と同じか、それよりも僅かに小さく設定されている。凹部39の直径D15を第1コア部材31の直径D12未満とする場合は、両者の寸法差を数十μm程度(たとえば、10~40μmの範囲内)に設定することが好ましい。同様に、貫通孔38の直径D14を小径筒部42の直径D18未満とする場合は、両者の寸法差を数十μm程度(たとえば、10~40μmの範囲内)に設定することが好ましい。なお、凹部39の内周および第1コア部材31の外周のうち、少なくとも一方の端部(エッジ部分)に、面取り等によるテーパーまたはアール(丸み)を付けて、組立工程において嵌合(圧入)しやすくしておくことが好ましい。同様に、貫通孔38の内周および小径筒部42の外周のうち、少なくとも一方の端部にも、テーパーまたはアールを付けて、組立工程において嵌合(圧入)しやすくしておくことが好ましい。
(組立工程)
組立工程では、まず、図8に示すように、第1コア部材31と第2コア部材32を嵌合するとともに、第2コア部材32と第3コア部材33を嵌合する。嵌合の順序はどちらが先でもかまわない。これにより、図8に示すように、凹部39に第1コア部材31の下端部が嵌まり込むとともに、貫通孔38に小径筒部42が嵌まり込む。その際、第1コア部材31の直径D12と第2コア部材32の直径D16の関係を上記のとおりD12<D16に設定すると、それらの寸法差に応じて外周側張り出し部45が形成される。また、貫通孔35の直径D11と貫通孔38の直径D14との関係を上記のとおりD11>D14に設定すると、それらの寸法差に応じて内周側張り出し部46が形成される。
また、第2コア部材32の直径D16とフランジ部43の直径D19の関係を上記のとおりD16<D19に設定すると、それらの寸法差に応じて外周側張り出し部47が形成される。また、貫通孔38の直径D14と貫通孔41の直径D17の関係を上記のとおりD14>D17に設定すると、それらの寸法差に応じて内周側張り出し部48が形成される。
第1コア部材31の直径D12と凹部39の直径D15の関係を上記のとおりD12≧D15に設定すると、凹部39に第1コア31が密着して嵌合する。そして、第1コア部材31と第2コア部材32が互いに密着する部分が嵌合部51となる。この嵌合部51に対し、外周側張り出し部45は嵌合部51の外周側の端部から大径方向に張り出して配置され、内周側張り出し部46は嵌合部51の(第1コア部材31の)内周側の端部から小径方向に張り出して配置される。
また、貫通孔38の直径D14と小径筒部42の直径D18の関係を上記のとおりD14≦D18に設定すると、貫通孔38に小径筒部42が密着して嵌合する。そして、第2コア部材32と第3コア部材33が互いに密着する部分が嵌合部52となる。この嵌合部52に対し、外周側張り出し部47は嵌合部52の(第2コア部材32の)外周側の端部から大径方向に張り出して配置され、内周側張り出し部48は嵌合部52の(第2コア部材32の)内周側の端部から小径方向に張り出して配置される。以降の説明では、第1コア部材31と第2コア部材32と第3コア部材33を嵌合してなる物体を「嵌合体」ともいう。この嵌合体の内部において、内周側張り出し部46と内周側張り出し部48は、ソレノイド用コア組立部品30の直径方向で互いに位置をずらして配置されている。具体的には、内周側張り出し部48が内周側張り出し部46よりも小径方向に位置をずらして配置されている。また、内周側張り出し部46と内周側張り出し部48は、ソレノイド用コア組立部品30の中心軸方向で互いに同じ方向(図8の上方)を向いて配置されている。
なお、第1コア部材11と第2コア部材12を嵌合するにあたって、凹部39の直径D15を第1コア部材31の直径D12未満に設定した場合は、凹部39に第1コア部材31が圧入される。これにより、第1コア部材31の中心軸と第2コア部材32の中心軸を精度良く一致させて両部材を嵌合させることができる。同様に、貫通孔38の直径D14を小径筒部42の直径D18未満に設定した場合は、貫通孔38に小径筒部42が圧入される。これにより、第2コア部材32の中心軸と第3コア部材33の中心軸を精度良く一致させて両部材を嵌合させることができる。なお、圧入は、対象となるコア部材を、たとえばハンマーで叩いて行なうことができる。
次に、上記図8に示すように、外周側張り出し部45にろう材53を設置するとともに、外周側張り出し部47にろう材54を設置する。ろう材53,54の具体的な材料については上記第1実施形態と同様である。ろう材53,54は、それぞれリング状に形成されている。ろう材53の太さは、嵌合部51にろう材53を充填させるために必要な量に応じて設定され、ろう材54の太さは、嵌合部52にろう材54を充填させるために必要な量に応じて設定されている。ろう材53は、第1コア部材31と第2コア部材32を嵌合させる前に、第1コア部材31の外周部に嵌め入れておき、その状態で第1コア部材31と第2コア部材32を嵌合させることで、外周側張り出し部45に設置することができる。ろう材54は、第2コア部材32と第3コア部材33を嵌合した後に、第2コア部材32の外周部に嵌め入れることで、外周側張り出し部47に設置することができる。
(接合工程)
次に、ろう材53,54を設置した嵌合体を加熱炉に投入して加熱することにより、ろう材53,54を溶融させる。このとき、第1コア部材31と第2コア部材32の嵌合部51には、それぞれの構成材料の熱膨張率の違いにより隙間(不図示)が形成され、第2コア部材32と第3コア部材33の嵌合部52にも、それぞれの構成材料の熱膨張率の違いにより隙間(不図示)が形成される。そうすると、嵌合部51の隙間にろう材53が吸い込まれるとともに、嵌合部52の隙間にろう材54が吸い込まれる。嵌合部51の隙間に吸い込まれたろう材53は内周側張り出し部46に向かって徐々に浸透する。そして、ろう材53が嵌合部51全体に行き渡ると、外周側張り出し部45にろう材53の一部53aがはみ出し、内周側張り出し部46にろう材53の他部53bがはみ出した状態になる。また、嵌合部52の隙間に吸い込まれたろう材54は内周側張り出し部48に向かって徐々に浸透する。そして、ろう材54が嵌合部52全体に行き渡ると、外周側張り出し部47にろう材54の一部54aがはみ出し、内周側張り出し部48にろう材54の他部54bがはみ出した状態になる。
本第2実施形態では、接合工程を終えた段階の中間製品を、本発明のソレノイド用コア組立部品の一態様としている。この段階のソレノイド用コア組立部品においては、図6に示すように、第1コア部材31と第2コア部材32が互いに嵌合状態で固定され、その嵌合部51がろう材53によって接合されているとともに、嵌合部51の外周側の端部から外周側張り出し部45が大径方向に張り出して配置され、嵌合部51の内周側の端部から内周側張り出し部46が小径方向に張り出して配置されている。そして、外周側張り出し部45にはろう材53の一部53aがはみ出し、内周側張り出し部46にはろう材53の他部53bがはみ出した状態となる。また、第2コア部材32と第3コア部材33は互いに嵌合状態で固定され、その嵌合部52がろう材54によって接合されているとともに嵌合部52の外周側の端部から外周側張り出し部47が大径方向に張り出して配置され、嵌合部52の内周側の端部から内周側張り出し部48が小径方向に張り出して配置されている。そして、外周側張り出し部47にはろう材54の一部54aがはみ出し、内周側張り出し部48にはろう材54の他部54bがはみ出した状態となる。
(検査工程)
次に、上記工程により製造したソレノイド用コア組立部品(中間製品)を対象に、ろう材53、54による接合状態を検査することができる。この検査では、第1コア部材31と第2コア部材32の嵌合部51全体にろう材53が行き渡っているかどうかを確認するとともに、第2コア部材32と第3コア部材33の嵌合部52全体にろう材54が行き渡っているかどうかを確認する。具体的には、第1コア部材31の上方から貫通孔35の中を覗く。そして、貫通孔35の内周面よりも内側に張り出している円環形状の内周側張り出し部46の前記嵌合部51の内周側の端部の略全域(略全周)にろう材53がはみ出しているかどうかを目視で確認するとともに、貫通孔38の内周面よりも内側に張り出している円環形状の内周側張り出し部48の前記嵌合部52の内周側の端部の略全域(略全周)にろう材54がはみ出しているかどうかを目視で確認する。そして、内周側張り出し部46にろう材53が例えば上記のように略全周にはみ出し、且つ、内周側張り出し部48にろう材54が例えば上記のように略全周にはみ出しているソレノイド用コア組立部品は良品と判断し、それ以外のソレノイド用コア組立部品は不良品と判断する。なお、外周側張り出し部45におけるろう材53のはみ出し具合や、外周側張り出し部47におけるろう材54のはみ出し具合については、上記第1実施形態と同様の理由により、必要に応じて目視で確認すればよい。
(加工工程)
次に、検査工程で良品と判断されたソレノイド用コア組立部品を対象に、第1コア部材31、第2コア部材32および第3コア部材33の内周側を切削加工する。この切削加工では、図6の点線で示す仕上げ位置にあわせてソレノイド用コア組立部品の内周側を切削加工することにより、ソレノイド用コア組立部品の内部に、中心軸方向の一端から他端にわたって一様な直径を有する貫通孔を形成する。この貫通孔の直径は、第1コア部材31の貫通孔35の直径D11より大きく、且つ、第1コア部材31の直径D12より小さい寸法に設定される。このような加工条件でソレノイド用コア組立部品の内周側を切削加工することにより、内周側張り出し部46,48が除去(切除)される。また、加工工程では、第1コア部材31と第2コア部材32の外周面を切削加工する。これにより、第1コア部材31と第2コア部材32は、図中点線で示すように同一の外径に仕上げられる。
<第2実施形態の効果>
本発明の第2実施形態に係るソレノイド用コア組立部品の製造方法によれば、組立工程で第1コア部材31と第2コア部材32を嵌合させた場合に、外周側張り出し部45は、嵌合部51の外周側の端部から大径方向に張り出して配置され、内周側張り出し部46は、嵌合部51の内周側の端部から小径方向に張り出して配置される。このため、内周側張り出し部46を外部から目視で確認することが可能となる。また、外周側張り出し部45に設置したろう材53を加熱により溶融させると、溶融したろう材53が嵌合部51に吸い込まれる。そして、嵌合部51全体にろう材53が浸透すると、ろう材53の一部53aが外周側張り出し部45にはみ出し、ろう材53の他部53bが内周側張り出し部46にはみ出す。このため、内周側張り出し部46を外部から目視で確認し、そこにろう材53がはみ出しているかどうかによって、嵌合部51全体にろう材53が行き渡っているかどうかを確認することが可能となる。この点は、第2コア部材32と第3コア部材33の関係についても同様である。
また、上記製造方法において、組立工程でろう材53を設置する場合、ろう材53の設置場所は内周側張り出し部46でもよいが、上記第1実施形態と同様の理由により、外周側張り出し部45にろう材53を設置したほうが好ましい。この点は、ろう材54の設置場所についても同様である。
また、上記製造方法においては、熱膨張率の異なる金属材料で第1コア部材31と第2コア部材32を構成しておき、第1コア部材31と第2コア部材32を圧入により嵌合させる。これにより、第1コア部材31と第2コア部材32を互いに密着させて組み付けることができる。このため、第1コア部材31と第2コア部材32の組立精度(特に、芯出し精度)を高めることができる。また、第1コア部材31と第2コア部材32を嵌合させた後は、熱膨張率の違いを利用して嵌合部51に隙間を形成する。このため、加熱による溶融させたろう材53を嵌合部51全体に浸透させることができる。この点は、第2コア部材32と第3コア部材33の関係についても同様である。
また、上記製造方法において、ろう材53に銅ろう又は銅合金ろうを用いた場合は、接合工程で第1コア部材31と第2コア部材32をろう付けするときの温度を高温とすることができる。これにより、第1コア部材31と第2コア部材32の少なくとも一方(本形態では第1コア部材31)を磁性材料で構成する場合に、磁性焼鈍とろう付けを同時に実施することが可能となる。この点は、ろう材54についても同様である。
また、本発明の第2実施形態に係るソレノイド用コア組立部品によれば、第1コア部材31と第2コア部材32が嵌合状態で固定され、嵌合部51の外周側に外周側張り出し部45が張り出す一方、嵌合部51の内周側に内周側張り出し部46が張り出す構成になっている。このため、内周側張り出し部46を外部から目視で確認することが可能となる。また、嵌合部51を接合するろう材53の一部53aが外周側張り出し部45にはみ出し、他部53bが内周側張り出し部46にはみ出す構成になっている。このため、内周側張り出し部46を外部から目視で確認し、そこにろう材53がはみ出しているかどうかによって、嵌合部51全体にろう材53が行き渡っているかどうかを確認することが可能となる。この点は、第2コア部材32と第3コア部材33の関係についても同様である。
また、上記ソレノイド用コア組立部品においては、内周側張り出し部46と内周側張り出し部48がソレノイド用コア組立部品の直径方向で互いに位置をずらして配置されている。また、内周側張り出し部46と内周側張り出し部48は、ソレノイド用コア組立部品の中心軸方向で互いに同じ方向を向いて配置されている。このため、ソレノイド用コア組立部品の中心軸方向の一方(図6の上方)からコア内部を覗いたときに、内周側張り出し部46と内周側張り出し部48を両方同時に外部から目視で確認することができる。このため、検査工程を効率良く行なうことができる。
<変形例等>
本発明の技術的範囲は上述した実施形態に限定されるものではなく、発明の構成要件やその組み合わせによって得られる特定の効果を導き出せる範囲において、種々の変更や改良を加えた形態も含む。
たとえば、上記第1実施形態においては、熱膨張率の異なる金属材料で第1コア部材11と第2コア部材12を構成し、その熱膨張率の違いを利用して第1コア部材11と第2コア部材12の嵌合部13に隙間17を形成するとしたが、これに限らず、第1コア部材11と第2コア部材12の寸法の違いを利用して隙間を形成してもよい。具体的には、小径凹部22の直径D2を小径凸部26の直径D6より大とし、且つ、大径凹部23の直径D3を大径凸部27の直径D7より大とすることにより、嵌合部13に隙間17が形成されるようにしてもよい。この点は、第2実施形態における、第1コア部材31と第2コア部材32の関係、および、第2コア部材32と第3コア部材33の関係についても同様である。
また、上記第2実施形態においては、内周側張り出し部46と内周側張り出し部48をソレノイド用コア組立部品の中心軸方向で互いに同じ方向を向くように配置したが、これに限らず、たとえば図9に示すように内周側張り出し部46と内周側張り出し部48をソレノイド用コア組立部品の中心軸方向で互いに反対方向を向くように配置してもよい。ただし、その場合は、内周側張り出し部46と内周側張り出し部48を同じ方向から同時に目視確認できなくなる。このため、上記第2実施形態の構成(図6)を採用するほうが好ましい。
10…ソレノイド用コア組立部品
11…第1コア部材
12…第2コア部材
13…嵌合部
14…ろう材
15…外周側張り出し部
16…内周側張り出し部
17…隙間
30…ソレノイド用コア組立部品
31…第1コア部材
32…第2コア部材
33…第3コア部材
45…外周側張り出し部(第1の外周側張り出し部)
46…内周側張り出し部(第1の内周側張り出し部)
47…外周側張り出し部(第2の外周側張り出し部)
48…内周側張り出し部(第2の内周側張り出し部)
51…嵌合部(第1の嵌合部)
52…嵌合部(第2の嵌合部)
53…ろう材(第1のろう材)
54…ろう材(第2のろう材)

Claims (7)

  1. それぞれ円筒状をなす少なくとも2つのコア部材を用意する準備工程と、
    前記少なくとも2つのコア部材を嵌合し、ろう材を所定の位置に配置する組立工程と、
    前記少なくとも2つのコア部材が嵌合する嵌合部をろう付けすることにより、前記少なくとも2つのコア部材を接合する接合工程と、を含み、
    前記準備工程では、前記組立工程で前記少なくとも2つのコア部材を嵌合したときに、前記嵌合部の外周側の端部から大径方向に外周側張り出し部が張り出すとともに、前記嵌合部の内周側の端部から小径方向に内周側張り出し部が張り出すように、前記少なくとも2つのコア部材を形成しておき、
    前記組立工程では、前記少なくとも2つのコア部材を嵌合するとともに、前記外周側張り出し部および前記内周側張り出し部のうちいずれか一方の張り出し部にろう材を設置し、
    前記接合工程では、前記ろう材を加熱により溶融させることにより、前記嵌合部に対して前記一方の張り出し部から前記ろう材を浸透させ、他方の張り出し部において前記嵌合部の端部の略全域に前記ろう材をはみ出させる、
    ソレノイド用コア組立部品の製造方法。
  2. 前記組立工程では、前記外周側張り出し部に前記ろう材を設置する、
    請求項1に記載のソレノイド用コア組立部品の製造方法。
  3. 前記準備工程では、前記少なくとも2つのコア部材を互いに熱膨張率の異なる金属材料で形成し、
    前記組立工程では、前記少なくとも2つのコア部材を圧入により嵌合し、
    前記接合工程では、前記ろう材を加熱により溶融させるときの、前記金属材料の熱膨張率の違いを利用して、前記嵌合部に隙間を形成する、
    請求項1又は2に記載のソレノイド用コア組立部品の製造方法。
  4. 前記接合工程の後、前記ろう材による接合状態を検査する検査工程を有し、
    前記検査工程では、前記一方の張り出し部および前記他方の張り出し部のうち少なくとも前記他方の張り出し部において前記嵌合部の端部の略全域に前記ろう材がはみ出しているかどうかを目視で確認する、
    請求項1~3のいずれか1項に記載のソレノイド用コア組立部品の製造方法。
  5. 前記ろう材に銅ろう又は銅合金ろうを用いる、
    請求項1~4のいずれか1項に記載のソレノイド用コア組立部品の製造方法。
  6. それぞれ貫通孔を有する円筒状をなす少なくとも2つのコア部材を備え、
    前記少なくとも2つのコア部材は、互いに嵌合状態で固定され、その嵌合部がろう材によって接合されているとともに、前記嵌合部の外周側の端部から大径方向に外周側張り出し部が張り出して配置され、前記嵌合部の内周側の端部から小径方向に内周側張り出し部が張り出して配置されており、且つ、前記外周側張り出し部において前記嵌合部の端部の略全域には前記ろう材の一部がはみ出し、前記内周側張り出し部において前記嵌合部の端部の略全域には前記ろう材の他部がはみ出し、
    前記ソレノイド用コア組立部品は、3つのコア部材を備え、
    前記3つのコア部材のうち、第1コア部材と第2コア部材が、互いに嵌合状態で固定されるとともに、前記第2コア部材と第3コア部材が、互いに嵌合状態で固定されており、
    前記第1コア部材と前記第2コア部材とが嵌合する第1の嵌合部の内周側の端部から小径方向に張り出す第1の内周側張り出し部と、前記第2コア部材と前記第3コア部材とが嵌合する第2の嵌合部の内周側の端部から小径方向に張り出す第2の内周側張り出し部とが、前記ソレノイド用コア組立部品の直径方向で互いに位置をずらして配置され、且つ前記ソレノイド用コア組立部品の中心軸方向で互いに同じ方向を向いて配置されている、
    レノイド用コア組立部品。
  7. それぞれ円筒状をなす3つのコア部材を用意する準備工程と、
    前記3つのコア部材のうち、第1コア部材と第2コア部材を嵌合して第1のろう材を所定の位置に配置するとともに、前記第2コア部材と第3コア部材を嵌合して第2のろう材を所定の位置に配置する組立工程と、
    前記第1コア部材と前記第2コア部材とが嵌合する第1の嵌合部をろう付けすることにより、前記第1コア部材と前記第2コア部材を接合するとともに、前記第2コア部材と前記第3コア部材とが嵌合する第2の嵌合部をろう付けすることにより、前記第2コア部材と前記第3コア部材を接合する接合工程と、を含み、
    前記準備工程では、前記組立工程で前記第1コア部材と前記第2コア部材を嵌合したときに、前記第1の嵌合部の外周側の端部から大径方向に第1の外周側張り出し部が張り出すとともに、前記第1の嵌合部の内周側の端部から小径方向に第1の内周側張り出し部が張り出し、かつ、前記組立工程で前記第2コア部材と前記第3コア部材を嵌合したときに、前記第2の嵌合部の外周側の端部から大径方向に第2の外周側張り出し部が張り出すとともに、前記第2の嵌合部の内周側の端部から小径方向に第2の内周側張り出し部が張り出すように、前記3つのコア部材を形成しておき、
    前記組立工程では、前記第1コア部材と前記第2コア部材を嵌合して、前記第1の外周側張り出し部および前記第1の内周側張り出し部のうちいずれか一方の張り出し部に前記第1のろう材を設置するとともに、前記第2コア部材と前記第3コア部材を嵌合して、前記第2の外周側張り出し部および前記第2の内周側張り出し部のうちいずれか一方の張り出し部に前記第2のろう材を設置し、
    前記接合工程では、前記第1のろう材および前記第2のろう材を加熱により溶融させることにより、前記第1の嵌合部に対して前記第1の外周側張り出し部および前記第1の内周側張り出し部のうち一方の張り出し部から前記第1のろう材を浸透させ、他方の張り出し部において前記第1の嵌合部の端部の略全域に前記第1のろう材をはみ出させるとともに、前記第2の嵌合部に対して前記第2の外周側張り出し部および前記第2の内周側張り出し部のうち一方の張り出し部から前記第2のろう材を浸透させ、他方の張り出し部において前記第2の嵌合部の端部の略全域に前記第2のろう材をはみ出させる、
    ソレノイド用コア組立部品の製造方法。
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