JP2015058371A - 硬化塗膜の製造方法 - Google Patents

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潔 笠原
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Abstract

【課題】ライン生産に適した硬化塗膜の製造方法を提供する。
【解決手段】反応硬性化部位を有する含フッ素重合体(a)、硬化剤(b)、硬化触媒(c)及び溶媒(d)を含み、硬化触媒(c)として有機錫化合物を、含フッ素重合体(a)の総質量に対して50ppm〜10,000ppm含むコーティング剤(A)を用いて基材上に塗膜を形成し、基材の温度が230〜250℃となるように加熱する加熱処理によって該塗膜を硬化させることを含む硬化塗膜の製造方法である。
【選択図】なし

Description

本発明は加熱処理による硬化塗膜の製造方法に関する。
ビルディング等の建築物においては、そのサッシや外壁パネル等の腐食防止や美観保持の目的で、部材にコーティングを施工する場合がある。これらの部材には、ビルディング等の高層化に伴うメンテナンスの困難化等により、より耐久性が求められるようになり、部材の表層に施工されるコーティングも例外では無い。これら部材に施工されるコーティング剤としては、フルオロオレフィン重合体に基づくコーティング剤が、その優れた耐久性から広く用いられている。例えばフッ化ビニリデンとアクリル樹脂の混合物を高温でフローさせて、基材に焼き付けるいわゆる熱可塑型フッ素塗料がある。また近年においては、フルオロオレフィンとフッ素を含まないビニルモノマーとの共重合物でかつヒドロキシ基及び/又はカルボン酸基を含有する重合体と、硬化剤とを混合し、加熱によって該重合体と硬化剤との架橋反応によって塗膜を得るいわゆる熱硬化型フッ素塗料が開発されている(例えば、特許文献1及び2参照)。
特開平04−090872号公報 特開平04−149287号公報
熱硬化型フッ素塗料における重合体と硬化剤との架橋反応に必要な加熱条件においては、硬化剤がブロック型ポリイソシアネート化合物の場合、該ブロック型ポリイソシアネート化合物のブロック剤の解離温度と、解離後の重合体との反応時間とが支配的要素である。一般的に、加熱条件として、140〜160℃の温度条件で且つ30分〜1時間の加熱時間が求められている。
しかるに、上記加熱時間については、施工の現場における作業の効率化やコストダウンの観点から、とりわけライン生産において、加熱時間の短縮化が求められている。例えば、生産の効率面から決められたライン速度によって、加熱処理工程に割くことのできる時間は数十秒〜数分と言われている。
したがって、本発明の目的は、ライン生産に適した硬化塗膜の製造方法を提供することにある。
鋭意検討の結果、市販のポリイソシアネート化合物を硬化剤(b)として使用しつつも、硬化触媒(c)の選定と、その配合量の最適化と、最適な加熱処理との組み合わせによって、ライン生産に適した硬化塗膜の製造方法を見出すに至った。すなわち、本発明は以下の態様を包含する。
反応硬性化部位を有する含フッ素重合体(a)、硬化剤(b)、硬化触媒(c)及び溶媒(d)を含み、硬化触媒(c)として有機錫化合物を、含フッ素重合体(a)の総質量に対して50ppm〜10,000ppm含むコーティング剤(A)を用いて基材上に塗膜を形成し、基材の温度が230〜250℃の温度となるように加熱する加熱処理によって該塗膜を硬化させることを含む硬化塗膜の製造方法。
本発明によれば、ライン生産に適した硬化塗膜の製造方法を提供することができる。
本発明の硬化塗膜の製造方法は、反応硬性化部位を有する含フッ素重合体(a)、硬化剤(b)、硬化触媒(c)及び溶媒(d)を含むコーティング剤(A)を用いて基材上に塗膜を形成し、加熱処理によって該塗膜を硬化させることを含む。
本発明の硬化塗膜の製造方法は、加熱処理に要する時間を、従来よりも大幅に短縮することができ、ライン生産に適する。
なお、本明細書において、「〜」を用いて示された数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値をそれぞれ最小値及び最大値として含む範囲を示す。また組成物中の各成分の含有量は、組成物中に各成分に該当する物質が複数存在する場合、特に断らない限り、組成物中に存在する当該複数の物質の合計量を意味する。
(A)コーティング剤
本発明に用いられるコーティング剤は、反応硬性化部位を有する含フッ素重合体(a)、硬化剤(b)、硬化触媒(c)及び溶媒(d)を少なくとも含む。コーティング剤は必要に応じてその他の成分を更に含んでいてもよい。
(a)反応硬化性部位を有する含フッ素重合体:
コーティング剤は、反応硬性化部位を有する含フッ素重合体の少なくとも1種を含有する。反応硬化性部位を有する含フッ素重合体(以下、フッ素樹脂ともいう。)は有機溶剤に可溶であり、反応硬化性部位を有し、かつ、フッ素含量が重合体全体に対して5質量%以上であるフルオロオレフィン系重合体であることが好ましい。本発明において、重合体とは、単独重合体及び/又は共重合体を意味する。該反応硬化性部位を有する含フッ素重合体は、重合原料のフッ素系モノマーとして少なくともフルオロオレフィンを使用して重合して得られる重合体である。かかるフルオロオレフィンとしてはテトラフルオロエチレン、トリフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、フッ化ビニリデン、フッ化ビニル等の炭素数2〜3のフルオロオレフィンが挙げられ、特にテトラフルオロエチレン、トリフルオロエチレンが好ましい。フルオロオレフィンとしては、1種を用いてもよく、2種以上を用いてもよい。
フルオロオレフィン系重合体はフッ素系モノマーとフッ素系以外の共重合モノマーとの共重合体であることが好ましく、その場合、共重合モノマーとしては、ビニル系モノマーが好ましい。該ビニル系モノマーとしては、例えば、ビニルエーテル、アリルエーテル、カルボン酸ビニルエステル、カルボン酸アリルエステル、オレフィン等が例示され、特に下記一般式(1)で表される化合物であるビニルエーテル又はカルボン酸ビニルエステルが好ましい。
Figure 2015058371
式中、nは0又は1を示す。Rは炭素数1〜18のアルキル基を示し、Rは水素原子又はメチル基を示す。
の炭素数は1〜10であることが好ましい。Rで示されるアルキル基は、直鎖状、分岐鎖状及び環状のいずれであってもよく、直鎖状又は分岐鎖状であることが好ましい。
ビニルエーテルとしてはシクロヘキシルビニルエーテル等のシクロアルキルビニルエーテル;ノニルビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテル、ヘキシルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、tert−ブチルビニルエーテル等のアルキルビニルエーテルが挙げられる。
特に有機溶剤に対する優れた溶解性を可能とするためには、炭素数1〜18のアルキル基を有する直鎖又は分枝鎖状のアルキルビニルエーテルが好ましく、炭素数4〜10のアルキル基を有する直鎖又は分枝鎖状のアルキルビニルエーテルがより好ましい。
カルボン酸ビニルエステルとしては酢酸、酪酸、ピバリン酸、クロトン酸、安息香酸、マレイン酸等のカルボン酸のビニルエステルが挙げられる。また、分枝鎖状のビニルエステルとしてはバーサチック酸ビニルなどが挙げられ、市販されているベオバ9、ベオバ10(いずれもシェル化学社製、商品名)等を使用してもよい。
カルボン酸ビニルエステルが一般式(1)で表される場合、Rは炭素数1〜10の直鎖又は分枝鎖状のアルキル基であることが好ましく、炭素数1〜5の直鎖又は分枝鎖状のアルキル基であることがより好ましい。
アリルエーテルとしてはエチルアリルエーテル、ヘキシルアリルエーテル等のアルキルアリルエーテルが挙げられる。
カルボン酸アリルエステルとしては酢酸、酪酸、ピバリン酸、クロトン酸、安息香酸、マレイン酸等のカルボン酸のアリルエステルが挙げられる。
オレフィン類としてはエチレン、イソブチレン等が挙げられる。
上記共重合モノマーは、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(a)における反応硬化性部位は、硬化剤と反応して架橋結合を形成するものであればよい。該反応硬化性部位は、硬化剤との組み合わせにより、適宜選択できるが、ヒドロキシ基、カルボキシ基、加水分解性シリル基、グリシジル基、エポキシ基、アミノ基等が挙げられる。反応硬化性部位としては、活性水素含有基であることが、硬化剤との反応性に優れることから好ましい。該活性水素含有基としては、ヒドロキシ基、カルボキシ基、アミノ基等が好ましい。
反応硬化性部位を重合体に導入する方法としては、反応硬化性部位を有するモノマーを共重合する方法、重合後に反応硬化性部位を導入する方法がある。
前者における該反応硬化性部位を有するモノマーとしては、例えばヒドロキシエチルビニルエーテル、4−ヒドロキシブチルビニルエーテル、シクロヘキサンジオールモノビニルエーテル等のヒドロキシアルキルビニルエーテル;2−ヒドロキシエチルアリルエーテル等のヒドロキシアルキルアリルエーテル;ヒドロキシアルキルカルボン酸ビニル等のヒドロキシル基含有カルボン酸のビニルエステル又はアリルエステル等のヒドロキシル基を有するモノマー;クロトン酸等のカルボン酸基を有するモノマー;トリエトキシビニルシラン等の加水分解性シリル基を有するモノマー、グリシジルビニルエーテル、グリシジルアリルエーテル、β−メチルグリシジルエーテル等のエポキシ基を有するモノマー、アミノプロピルビニルエーテル、アミノプロピルビニルエーテル等のアミノ基を有するモノマー等が挙げられる。
後者の方法としては、例えばカルボン酸ビニルエステルを共重合した重合体をケン化することによりヒドロキシ基を導入する方法、ヒドロキシ基を有する重合体に多価カルボン酸又はその酸無水物を反応せしめてカルボキシ基を導入する方法、イソシアネートアルコキシシランを反応せしめて水分解性シリル基を導入する方法、多価シリルイソシアネート化合物を反応せしめてイソシアネート基を導入する方法等が挙げられる。
上記含フッ素重合体における反応硬化性部位の数は、樹脂固形分に対し、水酸化カリウムの化学的反応当量に換算して、1〜200mg/gであることが、有機溶剤に可溶であることから好ましく、10〜170mg/gが特に好ましい。10mg/gに満たない場合、当該反応硬化性部位と硬化剤との架橋反応による架橋点が十分でないため、得られたコーティング膜の耐溶剤性能が劣る場合がある。また、170mg/gを超えると、上記反応による架橋点が過剰となり、得られるコーティング膜の屈曲性などの加工性が低下する場合がある。
本発明に用いられる含フッ素重合体のフッ素含量は、含フッ素重合体の総質量に対して例えば5質量%以上であり、10〜70質量%が好ましく、20〜35質量%が特に好ましい。含フッ素重合体は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(a)としては、ルミフロンLF200、ルミフロンLF400、ルミフロンLF504、ルミフロンLF552、ルミフロンLF600X等(以上、旭硝子社製、商品名)、フルオネートK−700、フルオネートK−702、フルオネートK−704、フルオネートK−705、フルオネートK−707等(DIC社製、商品名)、ゼッフルGK510、ゼッフルGK550、ゼッフルGK570、ゼッフルGK580等(ダイキン工業社製、商品名)等の市販品も使用できる。
コーティング剤(A)においては、(a)以外に、他の樹脂を含んでいてもよい。他の樹脂としては、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、アクリルポリオール樹脂、ポリエステルポリオール樹脂、ウレタン樹脂又は(a)以外のフッ素樹脂が挙げられる。他の樹脂は、反応硬化性部位を有していてもよい。(a)以外のフッ素樹脂としては、例えばカイナー500、カイナーSL、カイナーADS(以上、アルケマ社製、商品名)、フローレン(日本合成ゴム社製、商品名)等が挙げられる。他の樹脂は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。他の樹脂の配合量は、本発明の効果を損なわない範囲で適宜選定でき、通常、(a)の100質量部に対して1〜200質量部が好ましい。
(b)硬化剤:
コーティング剤は、硬化剤の少なくとも1種を含有する。硬化剤は、有機溶剤に可溶又は分散可能な、分子中にイソシアネート基を平均して1.5以上含有するポリイソシアネート系硬化剤であることが好ましい。分子中に含まれるイソシアネート基の上限は特に限定されないが、平均して3以下が好ましい。
硬化剤は、ブロック型ポリイソシアネート化合物及びノンブロック型ポリイソシアネート化合物からなる群から選択される少なくとも1種を含むことが好ましい。
硬化剤のうち、ノンブロック型ポリイソシアネート化合物としては、エチレンジイソシアート、ブチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、デカメチレンジイソシアネート、2,4−又は2,6−トリレンジイソシアネート、4,4−メチレン−ビス(フェニルイソシアネート)、4,4−ジイソシアネートジエチルキシレン、4,4−メチレン−ビス(シクロヘキシルイソシアネート)、トリフェニルメタントリイソシアネート等のポリイソシアネート化合物などが挙げられる。
また、ブロック型ポリイソシアネート化合物としては、これらノンブロック型ポリイソシアネート化合物を水又はエチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等のポリオールと反応して得られるブロック型ポリイソシアネート化合物、ビュレット構造を有するブロック型ポリイソシアネート化合物、アロファナート構造を有するブロック型ポリイソシアネート化合物、イソシアヌレート構造を有するブロック型ポリイソシアネート化合物等が挙げられる。また、ポリイソシアネートの希釈性を向上させるため、アルコール類、メルカプタン類と反応させ、炭化水素鎖を導入したものも挙げられる。
ブロック型ポリイソシアネート化合物としては、イソシアネート基をカプロラクタム、イソホロン、β−ジケトン、メチルエチルケトンオキシム、ジメチルピラゾール等でブロックしたものも挙げられる。
(b)は複数種類を組み合わせて使用してもよい。(b)のコーティング剤(A)における配合割合は、例えば(a)の100質量部に対して1〜100質量部であり、1〜50質量部が好ましい。該割合が1質量部以上であると、耐溶剤性、硬度が充分となり、100質量部以下であると、加工性、耐衝撃性に優れるため好ましい。
(a)がヒドロキシ基含有含フッ素重合体である場合、(b)の割合は、ヒドロキシ基含有含フッ素重合体のヒドロキシ基の1モルに対し、イソシアネート基が0.8モル以上であることが好ましい。イソシアネート基が0.8モル以上であると、コーティング剤の硬化が充分となり、耐溶剤性等に優れるため好ましい。イソシアネート基の含有量の上限は特に限定されないが、塗膜中に残存する未反応のイソシアネート基が、耐光性その他の性能に影響を与えることがないため、2.0モル以下であることが好ましい。さらに好ましいイソシアネート基の割合は1.0〜1.2モルである。
(c)硬化触媒:
コーティング剤(A)は、(a)の反応硬化性部位と(b)硬化剤との反応を促進させる硬化触媒(c)を含有する。コーティング剤(A)は、硬化触媒として少なくとも有機錫化合物を、含フッ素重合体(a)の総質量に対して50ppm〜10,000ppm含む。有機錫化合物の含有率は、含フッ素重合体(a)の総質量に対して700ppm〜2,000ppmであることが好ましく、800ppm〜1,500ppmであることがより好ましい。有機錫化合物としては、例えば、ジブチルチンジラウレート等のジアルキルチンジアシレートなどを挙げることができる。
コーティング剤(A)は、有機錫化合物以外のその他の硬化触媒を更に含んでいてもよい。その他の硬化触媒としては、一般に塗料の硬化触媒として用いられるものを使用することができ、アルミニウムキレート、ジルコニウムキレート等の金属錯体化合物、亜鉛系化合物等が挙げられる。その他の硬化触媒は、金属錯体化合物からなる群から選択される少なくとも1種を含むことが好ましい。
アルミニウムキレート化合物の市販品としては、アルミニウムキレートD(川研ファインケミカル社、商品名)、K−KAT 5218(キングインダストリー社製、商品名)また、ジルコニウム化合物の市販品としては、K−KAT4205(キングインダストリー社製、商品名)等が挙げられる。
(d)有機溶剤:
コーティング剤(A)は、溶媒を含有する。溶媒は有機溶剤を含むことが好ましい。有機溶剤としては、例えば、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類、酢酸エチル、酢酸n−ブチル等のエステル類、キシレン、トルエン等の芳香族系溶剤、脂肪族系溶剤、エーテル系溶剤、石油系溶剤等が挙げられる。これらの有機溶剤は、1種又は2種以上で使用できる。コーティング剤(A)における有機溶剤の含有割合は、(A)の総質量基準で30〜70質量%が好ましく、35〜60質量%が特に好ましい。
コーティング剤(A)には、着色顔料又は染料、塗膜の付着性向上のためのシランカップリング剤等を配合してもよい。
着色顔料としては、耐候性のよいカーボンブラック、酸化チタン等の無機顔料、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、キナクリドンレッド、インダンスレンオレンジ、イソインドリノン系イエロー等の有機顔料等が挙げられる。
コーティング剤(A)には、さらに必要に応じて光安定剤、紫外線吸収剤、つや消し剤等を適宜添加してもよい。光安定剤としては、ヒンダードアミン系光安定剤等が挙げられ、例えばMARX LA62、MARX LA67(以上、アデカ社製、商品名)、チヌビン292、チヌビン144、チヌビン123、チヌビン440(以上、BASFジャパン社製、商品名)等が挙げられる。
紫外線吸収剤としては、ベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、トリアジン系化合物、シアノアクリレート系化合物等が挙げられる。該化合物としては、Viosorb130、Viosorb582、Viosorb583(以上、共同薬品社製、商品名)、チヌビン320、チヌビン982、チヌビン1130、チヌビン400(以上、BASFジャパン社製、商品名)等が挙げられる。
つや消し剤としては、超微粉合成シリカ等が挙げられる。つや消し剤を使用した場合、優雅な半光沢、つや消し仕上げの塗膜を形成できる。
本発明の熱硬化型コーティング剤の製造は、上記必須成分、必要に応じて添加される各種添加剤を混合することにより行うことができる。その混合順序、添加順序は、特に限定されない。
コーティング剤(A)は、塗膜を形成する工程において、コーティング剤(A)を基材の表面に塗布した後、基材の温度が230〜250℃となるように加熱処理することにより、硬化塗膜を形成せしめる熱硬化型コーティング剤である。
加熱処理とは、上記コーティング剤において、反応硬化性部位を有する含フッ素重合体(a)と、硬化剤(b)との架橋反応を開始させ、かつ十分な硬化塗膜を得ることであり、加熱処理における温度と時間は、具体的には、コーティング剤(A)が塗布された基材の温度が230〜250℃で、50秒〜90秒加熱することが好ましい。
コーティング剤(A)を使用してコーティングする方法は、スプレーコート、はけ塗り、浸漬法、ロールコーター、フローコーター、ダイコート等任意の方法を適用できる。
コーティングされる物品材質としては特に限定されず、コンクリート、自然石、ガラス等の無機物、鉄、ステンレス、アルミニウム、銅、真鍮、チタン等の金属、プラスチック、ゴム、接着材、木材等の有機物が挙げられる。また有機無機複合材であるFRP、樹脂強化コンクリート、繊維強化コンクリート等も挙げられる。
上記コーティング剤は、特に、すでに形成された塗膜の表面へのコーティングにも適している。
また、コーティングされる物品には自動車、電車、航空機等の輸送用機器、橋梁部材、鉄塔等の土木部材、防水材シート、タンク、パイプ等の産業機材、ビル外装、ドア、窓門部材、モニュメント、ポール等の建築部材、道路の中央分離帯、ガードレール、防音壁、ポリカーボネート、アクリル等の透光板等の道路部材、通信機材、電気及び電子部品等が挙げられる。
本発明を実施例に基づいてさらに詳細に説明するが、本発明はこれらによって制限されない。なお、特に断りのない限り、「%」は質量基準である。
[コーティング剤(A)の調製例]
調製例A−1:
反応硬化性部位を有する含フッ素重合体として、ルミフロンLF200(水酸基価52mgKOH/g−ポリマー、固形分60%のキシレン溶液、旭硝子社製)の100質量部、硬化剤としてデスモジュールBL3175(NCO含量11.4%、固形分75.3%のソルベントナフサ溶液、バイエル社製)の20.5質量部、硬化触媒としてジブチルチンジラウレートの0.054質量部、有機溶剤としてキシレンの68質量部をふた付き容器に入れ、攪拌分散機(ロッキングミル)を用いて30分間攪拌し、ムラなく混合、分散させ、コーティング剤A−1を得た。
ジブチルチンジラウレートの含フッ素重合体に対する含有率は、900ppmであった。
調製例A−2:
反応硬化性部位を有する含フッ素重合体として、ルミフロンLF600X(水酸基価57mgKOH/g−ポリマー、固形分50%のキシレン溶液、旭硝子社製)の100質量部、硬化剤としてデスモジュールBL3175(NCO含量11.4%、固形分75.3%のソルベントナフサ溶液、バイエル社製)の18.8質量部、硬化触媒としてジブチルチンジラウレートの0.05質量部、有機溶剤としてキシレンの42質量部をふた付き容器に入れ、A−1同様に攪拌し、コーティング剤A−2を得た。
ジブチルチンジラウレートの含フッ素重合体に対する含有率は、1,000ppmであった。
調製例A−3:
反応硬化性部位を有する含フッ素重合体として、ゼッフルGK570(水酸基価60mgKOH/g−ポリマー、固形分65%の酢酸ブチル溶液、ダイキン工業社製)の100質量部、硬化剤としてデスモジュールBL3175(NCO含量11.4%、固形分75.3%のソルベントナフサ溶液、バイエル社製)の25.6質量部、硬化触媒としてジブチルチンジラウレートの0.078質量部、有機溶剤として酢酸ブチルの85質量部をふた付き容器に入れ、A−1同様に攪拌し、コーティング剤A−3を得た。
ジブチルチンジラウレートの含フッ素重合体に対する含有率は、1,200ppmであった。
調製例A−4:
反応硬化性部位を有する含フッ素重合体として、フルオネートK−705(水酸基価70mgKOH/g−ポリマー、固形分60%のキシレン溶液、DIC社製)の100質量部、硬化剤としてデスモジュールBL3175(NCO含量11.4%、固形分75.3%のソルベントナフサ溶液、バイエル社製)の27.6質量部、硬化触媒としてジブチルチンジラウレートの0.07質量部、有機溶剤としてキシレンの74質量部をふた付き容器に入れ、A−1同様に攪拌し、コーティング剤A−4を得た。
ジブチルチンジラウレートの含フッ素重合体に対する含有率は、1,167ppmであった。
調製例A−5:
反応硬化性部位を有する含フッ素重合体として、ルミフロンLF600X(旭硝子社製)の100質量部、硬化剤としてデスモジュールBL3175(バイエル社製)の18.8質量部、硬化触媒としてジブチルチンジラウレートの1.0質量部、有機溶剤としてキシレンの42質量部をふた付き容器に入れ、A−1同様に攪拌し、コーティング剤A−5を得た。
ジブチルチンジラウレートの含フッ素重合体に対する含有率は、20,000ppmであった。
調製例A−6:
反応硬化性部位を有する含フッ素重合体として、ゼッフルGK570(ダイキン工業社製)の100質量部、硬化剤としてデスモジュールBL3175(バイエル社製)の25.6質量部、硬化触媒としてジブチルチンジラウレートの0.001質量部、有機溶剤として酢酸ブチルの85質量部をふた付き容器に入れ、A−1同様に攪拌し、コーティング剤A−6を得た。
ジブチルチンジラウレートの含フッ素重合体に対する含有率は、15ppmであった。
調製例A−7:
反応硬化性部位を有する含フッ素重合体として、フルオネートK−705(DIC社製)の100質量部、硬化剤としてデスモジュールBL3175(バイエル社製)の27.6質量部、硬化触媒としてジブチルチンジラウレートの0.0006質量部、有機溶剤としてキシレンの質量部をふた付き容器に入れ、A−1同様に攪拌し、コーティング剤A−7を得た。
ジブチルチンジラウレートの含フッ素重合体に対する含有率は、10ppmであった。
[コーティング剤Aを塗布する基材]
上記で得られたコーティング剤Aの調製例A−1〜A−7を塗布する基材として、以下のS−1、S−2を準備した。
基材S−1:
アロジン処理アルミニウム板(厚さ0.8mm)。
基材S−2:
熱可塑型ふっ素塗装鋼板(クロメート処理したアルミニウム板、厚さ0.6mmに、下塗りとして着色顔料を含むエポキシ樹脂塗膜、平均膜厚30μm、の層が形成され、その上に着色顔料を含む熱可塑型フッ素樹脂塗膜=PVdF樹脂:アクリル樹脂の質量比の7:3が、平均膜厚30μmの層が形成されたもの)
[コーティング剤Aの塗布]
コーティング剤Aの調製例A−1〜A−7を、塗膜の乾燥後の膜厚が20〜30μmとなるように、コーティング治具(アプリケータ)を用いて、基材S−1、S−2に各々塗布した。
[コーティング剤の加熱処理]
加熱処理は熱風循環式の加熱乾燥器を用いて行った。上記でコーティング剤(A)の調製例A−1〜A−7が塗布された各基材を1〜10分程度、常温でセッティングした後、加熱乾燥器にて、下記加熱温度条件で1分間加熱処理した。加熱温度条件H−1〜H−3の温度は以下のとおりである。
(加熱温度条件)
H−1:210℃、
H−2:240℃、
H−3:280℃。
上記加熱温度は、基材の表面温度を表す。
[コーティング膜の評価]
上記に示した内容にて形成せしめたコーティング膜(硬化塗膜)の評価を以下の手段によって行った。
評価1:ラビングテスト
加熱処理して形成されたコーティング膜の表面に、キシレンを含ませたフエルトを接触させて、反復ラビングを行い、コーティング膜の耐溶剤溶解性を検証した。この評価手段によって、反応硬化性部位を有するフッ素重合体(a)と、硬化剤(b)との架橋反応が十分であるかが確認できる。
評価点は、ラビングテスト後の膜状態観察において、膜の溶解が見られず、硬化が十分であれば○、やや劣る場合は△、塗膜の溶解が確認された場合は×とした。
評価2:耐ブロッキング性試験
加熱処理直後のコーティング膜の上に、ふた折にしたガーゼを載せ、更にガーゼの上に500gの鉄製の錘を載せ、24時間放置した後、錘とガーゼを除けて、錘によって加重の掛かっていたコーティング膜の表面を観察し、ガーゼ痕の有無を確認した。
評価点は、目視による判定において、ガーゼ痕が確認できなければ○、ガーゼ痕がやや確認できるようであれば△、ガーゼを除ける際にガーゼがコーティング膜に張り付いてしまう場合は×とした。
評価3:コーティング膜の着色
加熱処理後のコーティング膜の着色度を目視により判定した。
評価点は無色透明と判断されれば○、やや黄色味があれば△、明らかに黄色又は黄褐色であれば×とした。
[結果]
[結果]
上記の調製例及び評価結果を以下の表1〜表3にまとめ、実施例と比較例を明確に示す。表中、コーティング剤(A)の調製例、基材、加熱条件は、その組み合わせをxで表わし、評価は上記に記載の評価点○、△、×で表わしている。
Figure 2015058371
Figure 2015058371
Figure 2015058371
以上から、反応硬化性部位を有する含フッ素重合体(a)と、硬化剤(b)の架橋反応によってコーティング膜を得る際に、コーティング剤に含まれる硬化触媒(c)の選定と、その配合量の最適化と、最適な加熱処理との組み合わせによって、ライン生産に適した硬化塗膜の製造方法を見出すに至った。

Claims (6)

  1. 反応硬性化部位を有する含フッ素重合体(a)、硬化剤(b)、硬化触媒(c)及び溶媒(d)を含み、硬化触媒(c)として有機錫化合物を、含フッ素重合体(a)の総質量に対して50ppm〜10,000ppm含むコーティング剤(A)を用いて基材上に塗膜を形成し、
    基材の温度が230〜250℃となるように加熱する加熱処理によって該塗膜を硬化させることを含む硬化塗膜の製造方法。
  2. 前記反応硬化性部位を有する含フッ素重合体(a)が、フルオロオレフィンに基づく構造単位と、下記一般式(1)で表わされる化合物に基づく構造単位とを含む共重合体である請求項1に記載の硬化塗膜の製造方法。
    Figure 2015058371

    (式中、nは0又は1を示す。Rは炭素数1〜18のアルキル基を示し、Rは水素原子又はメチル基を示す。)
  3. 前記硬化剤(b)が、ブロック型ポリイソシアネート化合物及びノンブロック型ポリイソシアネート化合物からなる群から選択される少なくとも1種を含む請求項1又は2に記載の硬化塗膜の製造方法。
  4. 前記溶媒(d)が、有機溶剤を含む請求項1〜3のいずれか1項に記載の硬化塗膜の製造方法。
  5. 前記加熱処理の処理時間が、50〜90秒である請求項1〜4のいずれか1項に記載の硬化塗膜の製造方法。
  6. 前記硬化触媒(c)が、ジブチルチンジラウレートであり、含有率が含フッ素重合体(a)の総質量に対して700ppm〜2,000ppmである請求項1〜5のいずれか1項に記載の硬化塗膜の製造方法。
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