JP2015057042A - 電気モータ - Google Patents

Abstract

【課題】従来の問題点を解決することができる改善された磁石ホルダーを有する固定子を提供すること。【解決手段】固定子は、磁気伝導性材料で作られたハウジング９０と、ハウジングに固定された複数の磁石２０と、磁石をハウジングに固定するためにハウジングの一端に取り付けられた磁石ホルダー１０とを備える。磁石ホルダーは、本体１２と、該本体から延びる複数のロック構造体１６、１８とを備える。磁石の各々は、２つの隣接するロック構造体の間でロックされる。複数の切り欠き９２が固定子ハウジングに形成され、複数の突起１４が磁石ホルダーの本体上に形成されて切り欠きと係合する。各ロック構造体は、それぞれの磁石に内向きに当接して磁石が内向きに動くのを阻止するようになったくさび状内端を含む。【選択図】図１

Description

本発明は電気モータに関し、詳細には、電気モータの永久磁石固定子に関する。

通常、電気モータは、固定子と、該固定子に対して回転可能な回転子とを備える。通常、固定子は、円形の固定子ハウジングと、該固定子ハウジングの内面に取り付けられた複数の弧状磁石とを備える。通常、磁石は、接着剤によって固定子ハウジングに対して付着されるが、これは、特にモータが多数の磁石を有する場合、複雑で時間がかかる。さらに、モータが長時間にわたって高温で作動する場合、接着剤が早期に劣化して磁石が固定子ハウジングから外れる可能性がある。

従って、前記の問題点を解決することができる、改善された磁石ホルダーを有する固定子に対する要望がある。

従って、１つの態様において、本発明は電気モータ用の固定子を提供し、該固定子は、磁気伝導性材料で作られたハウジングと、ハウジングに固定された複数の磁石と、磁石をハウジングに固定するためにハウジングの一端に取り付けられた磁石ホルダーと、を備え、磁石ホルダーは、複数のロック構造体を備え、磁石の各々は、２つの隣接するロック構造体の間でロックされる。

好ましくは、ロック構造体の各々は、反対側に形成された一対の凹形ロック面を有し、磁石の各々は、対応する磁石ホルダーのロック面に適合する一対の側面を有する。

好ましくは、磁石は、同じ極性のグループで配置され、固定子の磁極を形成するようになっている。

好ましくは、隣接する同じ極性の磁石の間に配置されたロック構造体の幅は、隣接する反対の極性の磁石の間に配置されたロック構造体の幅よりも小さい。

好ましくは、磁石は、細長い板状磁石である。

好ましくは、磁石の各々は、互いに平行な一対の反対側の主面を有し、該主面は、固定子の半径方向に対して直交する。

好ましくは、磁石ホルダーとハウジングとの間に、磁石ホルダーをハウジングに対して位置決めするための少なくとも１つの位置決め構造体が形成される。

好ましくは、少なくとも１つの位置決め構造体は、ハウジングに形成された切り欠きと、磁石ホルダー上に形成されて切り欠きに係合する突起とを備える。

好ましくは、磁石ホルダーは、本体をさらに備え、ロック構造体は本体から延びてハウジングに挿入される。

好ましくは、ロック構造体の各々は、対応する磁石に対して内向きに当接して、対応する磁石が内向きに動くのを阻止するようになったくさび状内端を備える。

好ましくは、磁束リングは、磁石とハウジングとの間に組み込まれる。

好ましくは、ハウジング内に配置された第２の磁石ホルダーをさらに備え、第２の磁石ホルダーは、複数のロック構造体を備え、磁石の各々の他方の端部は、それぞれ第２の磁石ホルダーの隣接するロック構造体の間でロックされる。

好ましくは、磁石は、保持リングとハウジング又は磁束リングとの間に挟み込まれる。

好ましくは、保持リングは、磁石の端部に当接するフランジを有する。

好ましくは、磁石ホルダーは複数のロック凹部を有し、保持リングは、対応する磁石ホルダーのロック凹部にクランプする複数のフィンガーを有する。

代替的に、磁石及び保持リングを磁束リングに固定するために、保持リングとハウジングとの間の空間にプラスチック材が注入される。

本発明の好ましい実施形態は、添付図面を参照して以下に例示的に説明する。各図において、２つ以上の図面に現れる同じ構造体、要素、部品には、これが現れる全ての図面において概して同じ参照番号が付与されている。図面に示される構成要素及び特徴部の寸法は、概して便宜的かつ提示を明確にするために選択され、必ずしも寸法通りではない。

本発明の第１の実施形態による磁石ホルダーの斜視図である。 図１の磁石ホルダー拡大部分図である。 他の向きから見た図１の磁石ホルダーの僅かな変更形態を示す。 磁石ホルダー、磁石、及び磁束リングの組立体の一部を示す。 本発明の第２の実施形態による磁束リング、磁石、及び磁石ホルダーの分解組立図である。 図５Ａの各部品の組立図である。 固定子ハウジング内に組み込まれた、図５Ｂの組み立てられた磁束リング、磁石、及び磁石ホルダーを示す。 発明の第３の実施形態による磁束リング、磁石、及び磁石ホルダーの分解組立図である。 図７Ａの各部品の組立図である。 別の角度から見た図７Ｂの組立体を示す。 固定子ハウジング内に組み込まれた図８の組立体を示す。 本発明の第４の実施形態による磁束リング、磁石、及び磁石ホルダーの分解組立図である。 図１０Ａの各部品の組立図である。 固定子ハウジング内に組み込まれた、図１０Ｂの組み立てられた磁束リング、磁石、及び磁石ホルダーを示す。 本発明の第５の実施形態による固定子を示す。

図１を参照すると、本発明の好ましい実施形態による磁石ホルダー１０は、環状本体１２、複数の位置決め突起１４、ロックブロック１６、及びロックリブ１８を備える。環状本体１２は、第１の端面（図１の上面）、該第１の端面の反対側の第２の端面（図１の下面）、及びそれぞれ第１の端面及び第２の端面の内縁及び外縁に結合する一対の円周面を備える。ロックブロック１６及びロックリブ１８は、本体１２の第１の端面上に配置される。本実施形態において、磁石ホルダー１０は、環状本体１２の円周方向に均等に配置された４つのロックブロック１６を備える。３つのロックリブ１８は、隣接するブロック１６の各対の間に均等に配置される。好ましくは、各ブロック１６及びリブ１８は、環状本体１２の第１の端面から垂直に延びる。

図２を参照すると、リブ１８は、本体１２の軸方向においてブロック１６と同じ高さであり、本体１２の円周方向においてブロック１６よりも幅が狭い。各ブロック１６／リブ１８は、本体１２の円周方向において反対側にある一対の凹形ロック側面１６２／１８２を有する。各ブロック１６／リブ１８は、くさび状内端１６４／１８４を有する。ブロック１６／リブ１８の幅は、放射状外端から放射状内端に向かって本体１２の半径方向において徐々に縮小するが、内端１６４／１８４の幅は、本体１２の中心に向かって徐々に拡大する。

磁石ホルダー１０は図３において他の側面から示されており、本体１２の第２の端面に形成された４つの位置決め突出部１３、及びそれぞれ４つの位置決め突出部のうちの３つから半径方向外向きに延びる３つの位置決め突起１４が明示されている。また、図３は、位置決め突出部１３の内面に形成され、ロックブロック１６に形成された随意的な溝部に接合する、随意的な位置決め凹部１５を示す。位置決め突起１４及び凹部１５は、協働してリング状磁石ホルダー１０を円形モータハウジング９０（図８、１０、及び１１に示す）に対して位置決めするための位置決め構造を形成する。理解できるように、本体１２が非円形である場合には、位置決め突起１４及び凹部１５を省略することができる。

好ましくは、磁石ホルダー１０は、一体構造を形成するためのモールドによる一体化プラスチック製である

図４は、磁石ホルダー１０、磁石２０、及び磁束リング３０の組立体の一部を示す。組み立て時、磁石ホルダー１０は、磁束リング３０の一方の開口端から、磁石ホルダー１０の本体１２の第１の端面が磁束リング３０の端面と接触するまで、磁束リング３０に圧入される。ブロック１６及びリブ１８は、磁束リング３０の開口端に挿入される。次に、磁石２０は、磁束リング３０の他方の開口端から、磁石２０が磁石ホルダー１０の本体１２の第１の端面と接触するまで、磁束リング３０に圧入される。磁石２０の各々は、ブロック１６／リブ１８の一対の隣接するロック面の間でロックされる。本実施形態において、磁石２０は細長い板状磁石である。磁石２０の各々は、一対の反対側の主面を備え、各主面は互いに平行であり、一対の側面はそれぞれ主面の各辺に接続している。磁石２０の各主面は、固定子の半径方向に対して直交している。磁石２０の側面は、リブ１８又はブロック１６の対応する側面に適合する。ブロック１６及びリブ１８のくさび状内端１６４及び１８４は磁石２０の内縁に当接し、結果的に磁石２０が内向きに動くのを阻止するようになっている。隣接するブロック１６の間には４つの磁石２０が配置され、隣接するブロック１６の間に配置された４つの磁石２０の磁性は同じであり、協働して磁極を形成する。隣接する磁極は反対の磁性を有する。本実施形態において、各磁極は、複数の細長い板状磁石で構成され、これにより磁石の渦電流損が低減する。

図５Ａ、５Ｂ、及び６は、本発明の第２の実施形態による固定子を示す。固定子１００は、磁束リング３０の反対側の開口端３２、３４に圧入された一対の磁石ホルダー１０、４０を備える。磁束リング３０の反対側の軸方向端面は、それぞれ磁石ホルダー１０、４０の第１の端面１２に接触し、ブロック１６及びリブ１８の外面は、磁束リング３０の内面にしっかりと接触する。磁石ホルダー４０は、磁石ホルダー１０と類似の構造であるが、磁石ホルダー４０には環状本体の円周外面に形成された位置決め突起がない。各磁石２０の反対側の軸方向端は、磁石ホルダー１０、４０の隣接するリブの間で又は隣接するブロック１６とリブ１８との間でロックされる。一体となった磁石ホルダー１０、４０、磁石２０、及び磁束リング３０は、固定子ハウジング９０に挿入される。固定子ハウジング９０は、反対側の軸方向端を備えた円筒形状である。固定子ハウジング９０の一端は、磁石ホルダー１０の位置決め突起１４を受け入れるための複数の切り欠き９２を備えており、磁石をハウジングに対して円周方向に位置決めして、磁石ホルダー１０が固定子の軸方向及び円周方向において固定子ハウジング９０に対して動くのを阻止するようになっている。エンドキャップ（図示せず）が固定子ハウジング９０の端部に取り付けられており、一体となった磁石ホルダー１０、４０、磁石２０、及び磁束リング３０が固定子ハウジング９０から離脱するのを阻止するようになっている。

図７Ａから９は、本発明の第３の実施形態による固定子２００を示す。固定子２００は、磁石ホルダー１０、複数の磁石２０、磁束リング３０、保持リング５０、及び固定子ハウジング９０を備える。磁石ホルダー１０は、磁束リング３０の一端に圧入されている。磁石２０は、磁束リング３０の他端から磁束リング３０に挿入されている。磁石２０の一方の軸方向端は、隣接するリブ１６の間に又は隣接するリブとブロック１８との間に位置決めされる。保持リング５０は、一端から外向きに延びるフランジ５２を有する。保持リング５０は、他端から、フランジ５２が磁束リング３０の他端と接触するまで磁束リング３０に挿入される。リング５０の円周外面は、外向きに磁石２０を押し付けるので、磁石２０を保持リング５０と磁束リング３０との間にしっかりと挟み込むようになっている。保持リング５０は、ステンレス鋼等の非磁気伝導性材料で作ることができる。好ましくは、保持リング５０は、磁石２０と同じ高さとすることができる。保持リング５０は、フランジ５２から離れている他方の端部に形成されたフィンガー５４を有する。保持リング５０を磁束リング３０に挿入した後、フィンガー５４は、外向きに押圧されて対応する磁石ホルダー１０の位置決め凹部１５にクリンプされることになり、保持リング５０を軸方向及び円周方向において磁石ホルダー１０に対して位置決めするようになっている。一体となった磁石ホルダー１０、４０、磁石２０、及び磁束リング３０は、図９に示すように固定子ハウジング９０に挿入され、固定子が完成する。エンドキャップ、ブラシギヤ、及び巻線形回転子でモータが完成する。

図１０Ａから１１は、本発明の第４の実施形態による固定子３００を示す。固定子３００は、磁石ホルダー１０、複数の磁石２０、磁束リング３０、保持リング６０、及び固定子ハウジング９０を備える。保持リング６０は保持リング５０と類似しているが、保持リング６０には端部に形成されたフランジが無い。一体となった磁石ホルダー１０、磁石２０、磁束リング３０、及び保持リング６０を固定子ハウジング９０の一端から固定子ハウジング９０に挿入した後、固定子ハウジング９０の他端から保持リング６０と磁束リング３０との間に形成された空間にプラスチック材３１０を注入する。従って、磁石２０、磁束リング３０、及び保持リング６０は、プラスチック材３１０によって固定子ハウジング９０の内面に固定される。

図１２は、本発明の第４の実施形態による固定子４００を示す。本実施形態において、固定子４００は固定子１００と類似しているが、固定子４００は、固定子ハウジング９０に取り付けられた円筒形放熱デバイスを備える。放熱デバイス９５は、放熱デバイス９５の放熱表面積を増やすための複数のフィン９７を備える。

本出願の詳細な説明及び請求項において、動詞「備える」、「含む」、「含有する」、「有する」、及びこれらの変形形態は、包括的な意味で使用され、記載した要素又は特徴の存在を明示するが、追加の要素又は特徴の存在を排除するものではない。

本発明は、１つ又はそれ以上の好ましい実施形態を参照して記載されるが、当業者であれば種々の変更が可能なことを理解できるはずである。例えば、各磁極は１つの磁石で作ることができ、ロックリブ１６を省略することができる。磁束リング３０は、固定子ハウジング９０が十分な厚さを有する場合には省略することができる。従って、本発明の範囲は請求項を参照して特定される。

１０ 磁石ホルダー
１２ 環状本体
１４ 位置決め突起
１６ ロックブロック
１８ ロックリブ

Claims (15)

1. 磁気伝導性材料で作られたハウジングと、
   前記ハウジングに固定された複数の磁石と、
   前記磁石を前記ハウジングに固定するために前記ハウジングの一端に取り付けられた磁石ホルダーと、
   を備える電気モータの固定子であって、
   前記磁石ホルダーは、複数のロック構造体を備え、前記磁石の各々は、２つの隣接するロック構造体の間でロックされることを特徴とする固定子。
2. 前記ロック構造体の各々は、反対側に形成された一対の凹形ロック面を有し、前記磁石の各々は、対応する磁石ホルダーのロック面に適合する一対の側面を有する、請求項１に記載の固定子。
3. 前記磁石は、同じ極性のグループで配置され、前記固定子の磁極を形成するようになっている、請求項１又は２に記載の固定子。
4. 隣接する同じ極性の磁石の間に配置された前記ロック構造体の幅は、隣接する反対の極性の磁石の間に配置された前記ロック構造体の幅よりも小さい、請求項３に記載の固定子。
5. 前記磁石は、細長い板状磁石であり、前記磁石の各々は、互いに平行な一対の反対側の主面を有し、該主面は、前記固定子の半径方向に対して直交する、請求項１から４のいずれかに記載の固定子。
6. 前記磁石ホルダーと前記ハウジングとの間に、磁石ホルダーをハウジングに対して位置決めするための少なくとも１つの位置決め構造体が形成される、請求項１から５のいずれかに記載の固定子。
7. 前記少なくとも１つの位置決め構造体は、前記ハウジングに形成された切り欠きと、前記磁石ホルダー上に形成されて前記切り欠きに係合する突起とを備える、請求項６に記載の固定子。
8. 前記磁石ホルダーは本体をさらに備え、前記ロック構造体は該本体から延びる、請求項７に記載の固定子。
9. 前記ロック構造体の各々は、対応する磁石に対して内向きに当接して、対応する磁石が内向きに動くのを阻止するようになったくさび状内端を備える、請求項１から８のいずれかに記載の固定子。
10. 前記ハウジング内に配置された第２の磁石ホルダーをさらに備え、前記第２の磁石ホルダーは、複数のロック構造体を備え、前記磁石の各々の他方の端部は、それぞれ前記第２の磁石ホルダーの隣接するロック構造体の間でロックされる、請求項１から９のいずれかに記載の固定子。
11. 前記磁石と前記ハウジングとの間に組み込まれた磁束リングをさらに備える、請求項１から１０のいずれかに記載の固定子。
12. 保持リングをさらに備え、前記磁石は、前記保持リングと前記磁束リングとの間に挟み込まれる、請求項１１に記載の固定子。
13. 前記保持リングは、前記磁石の端部に当接するフランジを有する、請求項１２に記載の固定子。
14. 前記磁石ホルダーは複数のロック凹部を有し、前記保持リングは、対応する前記磁石ホルダーのロック凹部にクランプする複数のフィンガーを有する、請求項１２又は１３に記載の固定子。
15. 前記磁石及び前記保持リングを前記磁束リングに固定するために、前記保持リングと前記ハウジングとの間の空間にプラスチック材が注入される、請求項１２に記載の固定子。