JP2015055864A - 現像装置、プロセスカートリッジ及び画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】二成分現像剤である現像剤Gを表面上に担持して表面が無端移動し、感光体1上の潜像に現像剤G中のトナーを供給する現像ローラ50を備え、現像ローラ50は、マグネットローラ55と、これを内包する円筒形状で、マグネットローラ55の磁力によって円筒形状の外周面に現像剤Gを担持し、回転することによって表面移動する現像スリーブ51と、を有する現像装置5で、現像スリーブ55の外周面に、円筒形状を形成するスリーブ素管51aの材料よりもトナーとの摩擦係数が小さい低摩擦膜51bを設け、現像スリーブに対して、AC現像バイアス等の交流成分を含む電圧を印加する現像スリーブ電源151を備える。
【選択図】図1
Description
特許文献1には、二成分方式の現像装置でベタ画像を形成した場合に、現像スリーブの最初の一周に対応する画像の箇所が濃くなってしまうゴースト画像(特許文献1では、「残像現象」)が生じてしまうことが記載されている。また、特許文献1には、ゴースト画像が、前画像の現像時に用いた現像剤が現像スリーブの外表面上に残留していることに起因して発生しているものと推測される、ことが記載されている。さらに、特許文献1には、現像スリーブの外表面全体に現像スリーブの基材よりもトナーとの摩擦係数の低い低摩擦表面層を設けることにより、現像スリーブの外表面上の現像剤の残留量を低減して、ゴースト画像が回避することが出来ることが記載されている。
すなわち、上述したように現像領域を通過した現像スリーブの表面には反発磁気力によってキャリアを現像スリーブから離間させる力が作用する。このとき、二成分現像剤に含まれるトナーの一部が現像スリーブから離間するキャリアと共には現像スリーブから離間せず、現像スリーブの表面に付着したままの状態となり、スリーブ汚れとなることがある。このスリーブ汚れについて、現像領域を通過するときに潜像担持体上の画像部と対向した部分よりも、非画像部と対向した部分の方が多くのトナーが付着する傾向にある。そして、前画像において画像部と対向した現像スリーブの表面部分よりも非画像部と対向した現像スリーブの表面部分に多くのトナーが付着することに起因して、次画像を現像するときにゴースト画像が発生する。
潜像担持体上の静電潜像は、潜像担持体の表面を一様帯電し、一様帯電後の潜像担持体の表面を作像する画像に応じて露光することにより、露光された箇所と露光されなかった箇所とで電位が異なる状態となることで形成される。静電潜像におけるトナーが供給される部分である画像部は、現像スリーブの電位よりも帯電したトナーを引き付ける電位となっている。一方、静電潜像におけるトナーが供給されない部分である非画像部は、現像スリーブの電位よりも帯電したトナーを遠ざける電位となっている。
キャリアが離間する位置を通過した現像スリーブの表面は、現像剤供給位置に到達するが、スリーブ汚れが生じていると、トナーが付着した現像スリーブの表面に新たな二成分現像剤が供給されることとなる。
現像スリーブに低摩擦表面層を設けることで、現像スリーブとトナーとの摩擦係数を小さくすることが出来る。現像スリーブとトナーとの摩擦係数を小さくすることで、反発磁気力によってキャリアが現像スリーブから離間するときに、トナーと現像スリーブとの付着力よりもトナーとキャリアとの付着力の方を大きくすることが可能となる。このため、非画像部と現像スリーブとの電位差によってトナーが現像スリーブ表面側に移動し、トナーが現像スリーブの表面に接触しても、現像スリーブの表面に付着したトナーがキャリアとともに現像スリーブから離間することを促すことできる。これにより、前画像において非画像部と対向した現像スリーブの表面に対して、トナーが付着したままの状態で新たな二成分現像剤が供給されることを抑制できる。
よって、前画像において画像部と対向した現像スリーブの表面部分よりも非画像部と対向した現像スリーブの表面部分に多くのトナーが付着することを抑制でき、トナーの付着量の差に起因する次画像を現像するときのゴースト画像の発生を抑制できたと考える。
図2は、複写機500の概略構成図である。複写機500は、画像形成装置の本体部としてのプリンタ部100の上方に、原稿読込部4及び原稿搬送部3を備え、プリンタ部100の下方に給紙部7を備える。原稿搬送部3は、原稿読込部4に原稿を搬送し、原稿読込部4は搬送されてきた原稿の画像情報を読み込む。給紙部7は、記録媒体である転写紙Pを収容する記録媒体収容部であり、転写紙Pが収容される給紙カセット26と、給紙カセット26内の転写紙Pをプリンタ部100に向けて送り出す給紙ローラ27とを備える。図2中の一点鎖線は、複写機500内での転写紙Pの搬送経路を示す。
図1に示すように、中間転写ユニット10の中間転写ベルト8に対向するように、各色(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)に対応した作像ユニット6(Y,M,C,K)が並設されている。
また、プリンタ部100内の排紙トレイ30の下方、且つ、中間転写ユニット10の上方には、各色のトナー容器11(Y,M,C,K)が配置されている。各色のトナー容器11(Y,M,C,K)は、各現像装置5(Y,M,C,K)に供給する各色(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)のトナーを収容する。
図2及び図3に示すように、作像ユニット6は、感光体1の周囲に現像装置5、感光体クリーニング装置2、潤滑剤塗布装置41、及び、帯電装置40を備える。本実施形態の作像ユニット6では、感光体クリーニング装置2は、クリーニングブレード2aによってクリーニングする構成であり、帯電装置40は帯電ローラ4aによって帯電する構成である。
まず、原稿搬送部3の原稿台に原稿がセットされた状態で、不図示のスタートボタンが押されると、原稿は、原稿搬送部3の搬送ローラによって原稿台から搬送されて、原稿読込部4のコンタクトガラス上に載置される。そして、原稿読込部4で、コンタクトガラス上に載置された原稿の画像情報が光学的に読み取られる。
露光装置において、四つの光源から画像信号に対応したレーザ光Lが各色に対応してそれぞれ射出される。各レーザ光Lは、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの色成分ごとに別の光路を通過して、各感光体1(Y,M,C,K)の表面に照射される(露光工程)。
感光体クリーニング装置2との対向部を通過した感光体1の表面は、不図示の除電手段と対向する位置である除電位置に達して、この位置で感光体1の表面上の残留電荷が除去される。
このようにして、感光体1の表面上で行われる一連の作像プロセスが終了し、次の作像動作に備える。
中間転写ベルト8は、図2中の矢印方向に表面移動して、各一次転写バイアスローラ9(Y,M,C,K)の一次転写ニップを順次通過する。こうして、感光体1(Y,M,C,K)上の各色のトナー像が、中間転写ベルト8上に重ねて一次転写される。
詳しくは、給紙カセット26には、被転写材である転写紙Pが複数枚重ねて収納されている。そして、給紙ローラ27が図2中の反時計方向に回転駆動されると、一番上の転写紙Pがレジストローラ対28のローラニップに向けて給送される。レジストローラ対28に搬送された転写紙Pは、回転駆動を停止したレジストローラ対28のローラニップの位置で一旦停止する。そして、中間転写ベルト8上のカラー画像にタイミングを合わせて、レジストローラ対28が回転駆動されて、転写紙Pが二次転写ニップに向けて搬送される。
定着装置20を通過した転写紙Pは、排紙ローラ対25のローラ間を経てプリンタ部100の外に排出される。排紙ローラ対25によって複写機500の装置本体外に排出された転写紙Pは、出力画像として、排紙トレイ30上に順次スタックされる。
このようにして、複写機500における画像形成装置としての一連の画像形成プロセスが完了する。
図1は、本実施形態の現像装置5の説明図であり、図1(a)は、現像装置5の断面説明図、図1(b)は、現像装置5が備える現像ローラ50の拡大説明図である。現像装置5は、現像剤を収容する現像ケーシングとしてケーシング58を備え、このケーシング58は、現像下ケース58aと、現像上ケース58bと、現像カバー58cとから構成される。
ドクタブレード52は、現像ローラ50の表面に対向するように配設されるとともに、現像ローラ50の表面に担持された現像剤Gの量を規制する。
不図示の高圧電源から現像スリーブ51に電圧が印加されることにより、現像領域では現像スリーブ51と感光体1との間に現像電界が形成される。この現像電界により、現像領域では現像スリーブ51の表面上の現像剤G中のトナーが感光体1の表面上の潜像に供給され、感光体1上の潜像が現像される。
図6に示すように、供給搬送路53aにおける供給スクリュ53の搬送方向下流側端部に到達した現像剤Gは、矢印dで示すように仕切り部材57に設けられた開口部のうちの剤持上げ口72を通って回収搬送路54aにおける搬送方向上流側端部に受け渡される。一方、回収搬送路54aにおける回収スクリュ54の搬送方向下流側端部に到達した現像剤Gは、矢印eで示すように仕切り部材57に設けられた開口部のうちの剤落下口71を通って供給搬送路53aにおける搬送方向上流側端部に受け渡される。
供給スクリュ53による搬送経路である供給搬送路53aの下流側と、回収スクリュ54による搬送経路である回収搬送路54aの上流側とは剤持上げ口72を介して連通している。そして、供給搬送路53aの下流側端部に達した現像剤Gは、その位置に留まり後から搬送されてくる現像剤Gによって押し上げられ、回収搬送路54aの上流側端部に到達する。
このように、供給スクリュ53及び回収スクリュ54の現像剤搬送能力は、現像スリーブ51上の現像剤Gの搬送量を上回るように設定する必要があり、必然的にスクリュは高回転に設定になってしまう。
次に、本発明の特徴部を備えた現像装置5の一つ目の実施形態(以下、「実施形態1」と呼ぶ)について説明する。
図1(b)に示すように、実施形態1の現像装置5が備える現像ローラ50を構成する現像スリーブ51は、円筒形状を形成する基材からなるスリーブ素管51aと低摩擦膜51bとから構成される。低摩擦膜51bは、アルミニウムからなるスリーブ素管51aの表面よりもトナーとの摩擦係数が小さい低摩擦表面層である。さらに、実施形態1の現像装置5は、図1(a)に示すように、現像スリーブ51のスリーブ素管51aに対して、直流成分に交流成分を重畳した電圧を印加する現像スリーブ電圧印加手段である現像スリーブ電源151を備えている。スリーブ素管51aにアルミニウムを用いることで、非磁性で導電性のある現像スリーブ51を実現できる。
電子写真方式の画像形成装置では、一般的に帯電手段により一様に帯電された感光体の表面上に向けて、画像情報に基いたレーザ光が照射され、感光体上に静電潜像を形成する。そして、現像装置が備える現像ローラが担持する現像剤に含まれるトナーを静電潜像に供給して、静電潜像を現像することにより感光体上にトナー像が形成される。このトナー像を転写手段で転写媒体に転写し、定着手段によってトナー像を転写媒体に定着することで、画像を形成する。
また、電子写真方式の画像形成装置に用いられる現像方式としては、トナーのみからなる現像剤を用いる一成分現像方式と、トナーとキャリアとからなる現像剤を用いる二成分現像方式とが有る。高速機の画像形成装置では主に耐久性の確保の観点から、二成分現像方式が採用されている。高速機の分野は、商業印刷にも対応できるように高画質化も要求されている。
潜像担持体上に付着するトナー量が変動する原因としては、トナー帯電量の変動などの要因もあるが、特許文献2に記載されるように、前画像の履歴を次画像が引き継ぐ不良画像(ゴースト画像)が知られている。
すなわち、前画像において感光体上の非画像部と対向した現像スリーブの表面と、前画像において感光体上の画像部と対向した現像スリーブの表面とでは、次画像において画像部と対向したときのトナー現像量が異なる。これにより、次画像においてゴースト画像が生じると考えられる。
図7では、感光体1と現像スリーブ51とが図中左側から右側に向けて表面移動する。図7に示すように、現像領域近傍の現像スリーブ51の表面上では、二成分現像剤中のキャリアCが磁気ブラシを形成しており、その磁気ブラシにトナーTが付着した状態である。図7において、トナーTの粒子中の「−」はトナーがマイナス極性に帯電していることを模式的に示し、図7中の「+」は、プラス極性の電荷があること示している。また、図7に示す構成では、現像スリーブ電源151がスリーブ素管51aに印加する現像バイアスは、直流成分の電圧のみである。
図7に示すように、感光体1の表面上の画像部はプラス極性に帯電しており、現像スリーブ51との電位差によって磁気ブラシに付着したトナーTの一部が感光体1の表面に付着する。このとき、マイナス極性に帯電したトナーTが磁気ブラシから離間するため、図7(a)及び(b)中の左側の磁気ブラシのように磁気ブラシにはカウンタージャージの分のプラス極性の電荷が残った状態となる。
しかし、カウンターチャージ分のプラス極性の電荷を、図7(a)中の矢印Fで示すように、スリーブ素管51aに移動させることが出来れば、さらに、現像を行うことが可能となる。
テトラヘデラルアモルファスカーボン等からなる低摩擦膜51bは、アルミニウム等の金属からなるスリーブ素管51aよりも電気抵抗が大きいため、その厚みが薄いほどカウンターチャージ分のプラス極性の電荷がスリーブ素管51aに移動し易くなる。
図7(a)に示すように、低摩擦膜51bが薄い場合、矢印Fで示すように、カウンターチャージ分のプラス電荷がスリーブ素管51aに移動することができる。このため、図7(a)中の左側の磁気ブラシに示すように、一時的に電荷量が平衡状態となっても、カウンターチャージ分のプラス電荷のうち、スリーブ素管51aに移動した分だけ、さらに現像することが可能となる。これにより、図7中の「H」のように所定量のトナーTが付着していない画像部をトナーTで埋めることができ、他の画像部よりも画像濃度が薄い部分が生じ難い。
ここで、「飽和現像」とは、潜像担持体(感光体1)上の静電潜像と対向電極(現像スリーブ51)との電位差が作る現像電界を、現像したトナー電界でキャンセルし、現像電界が「0」になる状態である。すなわち、感光体1上の静電潜像に対して、これ以上トナーが電界の力で付着しなくなるまでトナーが付着した状態である。
飽和下像し難いと、感光体1と現像スリーブ51との隙間(以下、「現像ギャップ」と呼ぶ)の振れによって静電潜像に対するトナーの付着量が変動し、濃度変動が生じ易いという問題がある。
ACバイアス現像を行うことで、飽和現像に近い現像を行うことが出来る理由は明確ではないが、本出願人による現像の可視化の実験等の結果より検討した結果、以下の理由によりものと考える。
このように、低摩擦膜51bが薄い箇所に比べて低摩擦膜51bの厚い箇所での画像濃度の低下を抑制できることで、低摩擦膜51bの膜厚のムラに応じた周期的な画像濃度ムラを抑制することが出来る。
特許文献3に記載の構成は、現像スリーブに交流電圧を印加する構成であるが、ゴースト画像を抑制する構成については記載されていない。
次に、本発明の構成を備えた実施形態1の具体例である実施例1と、本発明の構成要件の少なくとも一つを備えない比較例1〜3とでゴースト画像と画像濃度ムラとの評価を行った実験例1について説明する。
実験例1では、市販のデジタルフルカラー複写機(リコー社製 imagio MP C5000)を改造し、条件が異なる現像装置を組み付けて現像剤をセットして、画像形成を行って画像評価を行った。現像装置の条件としては、図1に示す現像装置5に対して、現像スリーブ51の低摩擦膜51bのコーティングの有無と、印加する電圧の組み合わせとを異ならせた。
図8は、実際のゴースト画像発生の概念図である。
ゴースト画像については、画像面積が5[%]のチャートを20[k枚]出力後に、ゴースト確認用画像を印刷し、現像スリーブ51の一周分の画像(a)と一周後以降の画像(b)との画像濃度の差を確認することで評価した。詳しくは、一周分の画像(a)と一周後以降の画像(b)との画像濃度について、X−Rite939(X−Rite社製)を用いて三箇所の平均濃度差(b1−a1,b2−a2,b3−a3)をΔIDとし、以下ランク分けした。
「◎」:0.01≦ΔID
「○」:0.01<ΔID≦0.03
「△」:0.03<ΔID≦0.06
「×」:0.06<ΔID
上述したゴースト画像の評価方法に基づいて、ゴースト画像の評価を行なった。
A3のサイズで、網点面積率75[%]の画像(シアン単色)を印刷し、画像面内の明度偏差(最大明度−最小明度)を測定した。明度の測定には、X−Rite939(X−Rite社製)を用いた。濃度ムラの評価基準としては、画像面内の明度偏差が2.0未満を「○」(問題ない)とし、2.0以上は「×」(濃度ムラ有り)とした。
アルミニウム製の現像スリーブ51に印加する電圧として直流電圧を印加した。比較例1で用いた画像形成装置は、使用する現像装置が、現像スリーブ51に低摩擦膜51bのコーティングが無く、印加する電圧が直流電圧のみとなっている。
以下、比較例1の設定条件を示す。
画像形成装置:imagio MP C5000改造機
現像剤:シアン現像剤
現像スリーブ:アルミニウム製スリーブ
現像バイアス:直流電圧
アルミニウム製の現像スリーブ51に低摩擦膜51bとして窒化チタンコーティング(以下、「TiNコート」という)を施し、現像スリーブ51に印加する電圧として直流電圧を印加した。比較例2で用いた画像形成装置は、使用する現像装置が、現像スリーブ51に低摩擦膜51bのコーティングが有り、印加する電圧が直流電圧のみとなっている。
以下、比較例2の設定条件を示す。
画像形成装置:imagio MP C5000改造機
現像剤:シアン現像剤
現像スリーブ:アルミニウム製スリーブにTiNコート
現像バイアス:直流電圧
アルミニウム製の現像スリーブ51に低摩擦膜51bとしてテトラヘデラルアモルファスカーボンコーティング(以下、「ta−Cコート」という)を施し、現像スリーブ51に印加する電圧として直流電圧を印加した。比較例3で用いた画像形成装置は、使用する現像装置が、現像スリーブ51に低摩擦膜51bのコーティングが有り、印加する電圧が直流電圧のみとなっている。
以下、比較例3の設定条件を示す。
画像形成装置:imagio MP C5000改造機
現像剤:シアン現像剤
現像スリーブ:アルミニウム製スリーブの表面にta−Cコート(0.6[μm]中心で偏差0.3[μm])
現像バイアス:直流電圧
アルミニウム製のスリーブ素管51aに低摩擦膜51bとしてテトラヘデラルアモルファスカーボンコーティング(以下、「ta−Cコート」という)を施して現像スリーブ51を作成した。さらに、現像スリーブ51に印加する電圧として直流成分に交流成分を重畳した電圧を印加した。実施例1で用いた画像形成装置は、使用する現像装置が、現像スリーブ51に低摩擦膜51bのコーティングが有り、印加する電圧が直流成分に交流成分を重畳した電圧となっている。
以下、実施例1の設定条件を示す。
画像形成装置:imagio MP C5000改造機
現像剤:シアン現像剤
現像スリーブ:アルミニウム製スリーブの表面にta−Cコート(0.6[μm]中心で偏差0.3[μm])
現像バイアス:直流成分に交流成分を重畳した電圧
交流成分の周波数:5[kHz]
交流成分の振幅(ピークトゥピークの値):1000[V]
交流成分のデューティ比:50[%]
直流成分の電圧(オフセット):−230[V]
デューティ比は、周期的に変動する交流成分を含む現像バイアスの1サイクル中のプラス側の成分比である。言い換えると、現像バイアスが直流成分の電圧である−230[V]よりもプラス側の電位となる時間が現像バイアスの変動の一周期分の時間に占める時間比である。
次に、上記比較例2と上記実施例1との設定条件について、現像スリーブ51の表面の低摩擦膜51bの変動と画像濃度の変動との関係を確認した実験例2について説明する。
図9は、実験例2の実験結果を示すグラフであり、現像スリーブ51の表面移動方向における一周分の低摩擦膜51bの膜厚の変動と、当該現像スリーブ51を用いて作像した画像の通紙方向の明度の変動とを示すグラフである。図9(a)は、上記比較例2の設定条件の画像形成装置を用いた場合のグラフであり、図9(b)は、上記実施例1の設定条件の画像形成装置を用いた場合のグラフである。また、図9中の破線のグラフが低摩擦膜51bの膜厚を示しており、図9中の実線のグラフが破線で示した膜厚の位置で現像された画像の明度を示している。明度の変動を測定した画像としては、網点画像面積率75[%]の画像を作像した。
すなわち、直流成分のみの現像バイアス(DC現像バイアス)では、ta−Cコーティング層の厚みの差によりカウンターチャージが逃げやすい箇所(低摩擦膜51bの膜厚が薄い部分)と、逃げにくい箇所(低摩擦膜51bの膜厚が厚い部分)がある。このために、低摩擦膜51bの厚みムラが濃度ムラとなったと考える。
一方、AC現像バイアスを印加することで交流成分によりキャリアに発生したカウンターチャージが逃げ易くなり、DC現像バイアスを印加する構成よりも飽和現像に近い現像となることで、低摩擦膜51bの厚みムラが濃度ムラになり難いと考えられる。
図1(b)に示すように、実施例1の現像装置5が備える現像ローラ50を構成する現像スリーブ51には、その最表面を低摩擦膜51bによってコーティングしている。
現像スリーブ51の最表面の低摩擦化は以下の方法で行った。
FVCA方式によるta−C膜の成膜の概略を説明すると、ほぼ真空状態のチャンバ内にターゲットとして純度の高い炭素(黒鉛)を配置し、当該ターゲットに対しアーク放電を行う。そして、このアーク放電により発生したプラズマを電磁誘導により蒸着対象である現像スリーブ51のスリーブ素管51aに導く。その誘導過程において、電磁気的空間フィルターにより蒸着に不要なマクロ粒子や中性原子・分子などを除去して、イオン化した炭素のみを抽出する。そして、スリーブ素管51aの表面に到達したイオン化した炭素は基材表面に凝集してta−C膜を形成する。
このような、ta−C膜からなる低摩擦膜51bは、メッキや塗布などで形成された膜に比べて均一な厚みに形成できるとともに、比較的低温での成膜処理が可能であるので、現像スリーブ51の温度による歪みなどが発生しにくい。そのため、現像スリーブ51の形状精度を高めることができる。
なお、FVCA方式による蒸着技術については、例えば、米国特許第6,031,239号等に開示されており、既に広く実用化されているため、詳細説明は省略する。
物理蒸着法(PVD)の一つであるイオンプレーティング方式によれば、密着性に優れた膜が比較的容易に得られ、このイオンプレーティング方式の中でも、特にHCD方式を用いることで、均質で且つ膜厚が均一で母材の表面粗さに沿った被膜が得られる。
なお、HCD方式による蒸着技術については、例えば、特開平10−012431号公報や特開平08‐286516号公報等に開示されており、既に広く実用化されているため、詳細説明は省略する。
もちろんスリーブ素管51aよりもトナーとの摩擦係数の低い材料であれば、本発明の目的に反しない限り、例えば、炭化チタン(TiC)、炭窒化チタン(TiCN)、モリブデン酸など、ta−CやTiN以外の材料を用いても良い。
なお、各材料における摩擦係数は、アルミニウム合金が0.5(以上)、TiNが0.3〜0.4、ta−Cが0.1(以下)程度である。
低摩擦膜51bをコーティングした現像スリーブ51や低摩擦膜51bを備えていない現像スリーブ51の表面の摩擦係数の測定には、オイラーベルト方式を用いた。図10は、摩擦係数測定装置の概略構成図である。図10に示す摩擦係数測定装置は、オイラーベルト方式に基づくものである。ベルトとして中厚の上質紙を紙すきが長手方向になるようにして現像スリーブ51の円周1/4に張架し、ベルトの一方に例えば0.98[N](100[g])の荷重を掛け、他方にフォースゲージ(デジタルプッシュプルゲージ)を設置した。そして、上記加重によってフォースゲージを引っ張り、ベルトが移動した時点での荷重を読み取って、摩擦係数μs=2/π×1n(F/0.98)(但し、μ:静止摩擦係数、F:測定値)に代入して算出した。
ここで、マイナス極性側の最小値とは、現像スリーブ51の表面電位がマイナス極性側のみで変動する場合は、0[V]に最も近づく値であり、上記表面電位がプラス極性側にも変動する場合は、プラス極性側の最大値である。
現像スリーブ51に印加する電圧が直流成分のみの場合(DCバイアスの場合)は、現像スリーブ51に印加する電圧が一定のため、現像スリーブ51の表面電位も一定となる。このため、現像スリーブ51から静電潜像の露光部にトナーを移動させるような電位差の電界のみが形成される。
このように、感光体1から現像スリーブ51側にトナーを引き戻すような電界が形成されていても、トナーを静電潜像に現像できるのは、ACバイアスの平均の電位と露光部の電位とが、トナーを感光体1側に移動する電位差となっているからである。しかし、感光体1側から現像スリーブ51側にトナーを引き戻す電位差が大きいと、現像された感光体1上のトナー像には、引き戻された跡が残って、静電潜像の露光部を完全にトナーで埋めきることが出来なくなる。こようにトナーで埋めることが出来なかった部分によって、所々白く抜けたような画像になり、それがボソツキ画像となってしまう。
次に、本発明の特徴部を備えた現像装置5の二つ目の実施形態(以下、「実施形態2」と呼ぶ)について説明する。
実施形態2の現像装置5では、交流成分を含む現像バイアスを印加され、電位が周期的に変化する現像スリーブ51の表面電位が最もプラス極性側となるときの電位が、感光体1の画像部の電位よりもマイナス極性側となるように設定する。他の点は、実施形態1の現像装置5と共通するため、説明は省略する。
ここで、感光体1から現像スリーブ51側へトナーを引き戻すような電位差が生じる構成と、生じない構成とで感光体1上に形成したベタ画像におけるボソツキ画像の発生状態を観察して比較した実験例3について説明する。
実験例3では、交流成分によって変動する現像バイアスのピークトゥピーク(以降、Vppとする)のマイナス側に高い電位を「マイナス側最大電位Vpp1」とし、低い側電位を「マイナス側最小電位Vpp2」とする。さらに、ベタ画像の静電潜像の表面電位(露光部の表面電位)を「露光部電位VL」とする。そして、マイナス側最小電位Vpp2が露光部電位VLに対して、トナーが現像スリーブ51側に引き戻す電位差となるように設定した場合を比較例4とする。また、マイナス側最小電位Vpp2が露光部電位VLに対して、トナーが現像スリーブ51側に引き戻さない電位差となるように設定した場合を実施例2(実施形態2の具体例)とする。
以下、比較例4の設定条件を示す。
画像形成装置:imagio MP C5000改造機
現像剤:イエロー現像剤
現像スリーブ:アルミニウム製スリーブの表面にta−Cコート(0.6[μm]中心で偏差0.3[μm])
現像バイアス:直流成分に交流成分を重畳した電圧
交流成分の周波数:5[kHz]
交流成分の振幅(ピークトゥピークの値):800[V]
交流成分のデューティ比:50[%]
直流成分の電圧(オフセット):−400[V]
以下、実施例2の設定条件を示す。
画像形成装置:imagio MP C5000改造機
現像剤:イエロー現像剤
現像スリーブ:アルミニウム製スリーブの表面にta−Cコート(0.6[μm]中心で偏差0.3[μm])
現像バイアス:直流成分に交流成分を重畳した電圧
交流成分の周波数:5[kHz]
交流成分の振幅(ピークトゥピークの値):400[V]
交流成分のデューティ比:50[%]
直流成分の電圧(オフセット):−400[V]
実験例3の実験条件と実験結果とを表2に示す。
|Vpp1|>|Vpp2|>|VL| ・・・(1)
「VppA」>「VppB」>「VL」 ・・・・(2)
次に、本発明の特徴部を備えた現像装置5の三つ目の実施形態(以下、「実施形態3」と呼ぶ)について説明する。
実施形態3の現像装置5では、現像スリーブ51に印加される現像バイアスの交流成分について、トナーの正規帯電極性であるマイナス極性の成分が印加される時間よりも、プラス極性の成分が印加される時間が短くなるように設定する。他の点は、実施形態1の現像装置5と共通するため、説明は省略する。
図13は、実施形態3に係る現像装置5において、経時で周期的に変動する現像スリーブ51の表面電位と、露光部電位VLとの関係の一例を示すグラフである。
D1=T1/(T1+T2)×100 ・・・・(3)
また、トナーの正規帯電極性とは逆極性となるプラス極性側の電圧が印加される期間のデューティ比(D2[%])は以下の(4)式で求まる。
D2=T2/(T1+T2)×100 ・・・・(4)
この場合、以下の(5)式を満たすようにT1及びT2を設定することでプラス極性側の電圧が印加される期間のデューティ比(D2)を20[%]以下とすることができる。
T2/(T1+T2)×100 ≦20・・・・(5)
図14は、交流成分としてプラス極性側の電圧が印加される期間のデューティ比(D2)を10[%]〜30[%]で振ったときの現像電位差と画像濃度との関係を示すグラフである。図14に示す結果より、プラス極性側のデューティ比(D2)は20[%]以下が望ましい。現像電位差が600[V]を超えるとキャリアが感光体1に付着することによる画像欠陥による不具合が発生し始める。よって、トナー濃度が低下した場合や温度、湿度が変化した場合に現像電位差が600[V]にならないようにするためには、中心条件で現像電位差が400[V]以下とする必要がある。
さらに、このような現像装置5を備えるプロセスカートリッジである作像ユニット6は、複写機500本体から着脱可能であるため、画像濃度が安定する現像装置5の交換性を向上できる。
実施形態3のように、現像バイアスの交流成分のプラス極性側のデューティ比(D2)がマイナス極性側のデューティ比(D1)よりも小さくなるように設定することで、感光体1上のトナー像から現像スリーブ51側にトナーを引き戻す作用を抑制できる。これにより、交流成分を含む現像バイアスを印加することによるボソツキ画像の発生を抑制できる。
次に、本発明の特徴部を備えた現像装置5の四つ目の実施形態(以下、「実施形態4」と呼ぶ)について説明する。
実施形態4の現像装置5では、現像スリーブ51に印加される現像バイアスの交流成分のデューティ比を、現像する画像の画像面積率に応じて制御する電圧デューティ比制御手段としての不図示の制御部を備える。すなわち、他の点は、実施形態1の現像装置5と共通するため、説明は省略する。
ここで、現像スリーブ51に印加する現像バイアスの交流成分のプラス極性側のデューティ比(D2)の値を振ったときの濃度ムラとボソツキとの発生状態を確認した実験例4について説明する。
図15は、実験例4の実験結果を示すグラフである。
図15では、現像バイアスの交流成分のプラス極性側のデューティ比(D2)を、1[%]〜30[%]まで任意に振ったときの濃度ムラランクとボソツキランクとを評価した結果を示す。ここで、濃度ムラの評価するための画像は画像面積率75[%]とし、ボソツキランクを評価するための画像を画像面積率30[%]とした。
画像形成装置:imagio MP C5000改造機
現像剤:シアン現像剤
現像スリーブ:アルミニウム製スリーブの表面にta−Cコート(0.6[μm]中心で偏差0.3[μm])
現像バイアス:直流成分に交流成分を重畳した電圧
交流成分の周波数:1[kHz]
交流成分の振幅(ピークトゥピークの値):800[V]
交流成分のプラス極性側のデューティ比:1[%]〜30[%]
直流成分の電圧は、画像濃度が1.5になるように調整した。
「5」:無し
「4」:問題なし
「3」:許容レベル
「2」:NGレベル
「1」:NGレベル(「2」よりも悪い)
画像形成装置の不図示の演算手段が、画像形成装置に入力された(S1)印刷ジョブの画像面積率を算出し(S2)、画像面積率が30[%]以下であるかを判定する(S3)。
現像バイアスの交流成分のプラス極性側のデューティ比が6[%]以上であれば濃度ムラは問題ないが、ボソツキ画像としては、できるだけ小さいデューティ比が望ましい。
実施形態4では、画像面積率に応じて、画像濃度ムラに有利な交流成分のデューティ比やボソツキに有利な交流成分のデューティ比を現像スリーブ51に印加することができ、画像面積に応じた最適画像を得ることができる。
(態様A)
トナーと磁性キャリアとからなる現像剤G等の現像剤を表面上に担持して表面が無端移動し、感光体1等の潜像担持体と対向する現像領域で潜像担持体の表面の潜像に現像剤中のトナーを供給して現像する現像ローラ50等の現像剤担持体を備え、現像剤担持体は、複数の磁極を有するマグネットローラ55等の磁界発生手段と、磁界発生手段を内包する円筒形状で、磁界発生手段の磁力によって円筒形状の外周面に現像剤を担持し、装置本体に対して回転することによって表面移動する現像スリーブ51等の現像スリーブと、を有する現像装置5等の現像装置において、現像スリーブの外周面に、円筒形状を形成するスリーブ素管51a等のスリーブ素管の材料よりもトナーとの摩擦係数が小さい低摩擦膜51b等の低摩擦表面層を設け、現像スリーブに対して、AC現像バイアス等の交流成分を含む電圧を印加する現像スリーブ電源151等の現像スリーブ電圧印加手段を備える。
これによれば、上記実施形態1について説明したように、低摩擦表面層を設けることでトナーの現像スリーブへの付着を抑制し、スリーブ汚れに起因するゴースト画像の発生を抑制することが出来る。また、本発明者らは、交流成分を含む電圧を印加することで、直流成分のみからなる電圧を印加する構成に比べて、低摩擦表面層の層厚のムラに起因する現像能力の変動を抑制することが可能であることを見出した。これにより、低摩擦表面層の層厚のムラに応じた周期的な画像濃度ムラの発生を抑制できる。このように、態様Aでは、ゴースト画像の発生を抑制しつつ、周期的な画像濃度ムラの発生も抑制出来る。
(態様B)
態様Aにおいて、現像スリーブ51等の現像スリーブは直流成分に交流成分を重畳した電圧を印加されることでその表面電位が周期的に変化し、現像スリーブの表面電位のトナーの正規帯電極性(マイナス極性等)側の電位についての最小値が、感光体1等の潜像担持体の表面上におけるトナーを供給する部分の電位よりもトナーの正規帯電極性側の電位となる。
これによれば、上記実施形態2について説明したように、潜像担持体上に供給されたトナーを現像スリーブ側に引き戻す電位差が形成されないのでボソツキ画像の発生を抑制し、安定した現像を行うことが出来る。
(態様C)
態様AまたはBにおいて、現像スリーブ51等の現像スリーブに印加される電圧の交流成分についてのトナーの正規帯電極性とは逆極性の成分のデューティ比が20[%]以下である。
これによれば、上記実施形態3について説明したように、現像スリーブ51に印加する電圧について、トナーの正規帯電極性側のデューティ比を大きくすることができ、現像能力を確保することが出来る。さらに、キャリアが感光体1等の潜像担持体に付着しない現像電位差で使用することができ、画像欠陥の発生しない安定した画像を提供できる。
(態様D)
態様A乃至Cの何れかの態様において、現像スリーブ電源151等の現像スリーブ電圧印加手段が現像スリーブ51等の現像スリーブに印加する電圧の交流成分のデューティ比を、現像する画像の画像面積率に応じて制御する不図示の制御部等の電圧デューティ比制御手段を備える。
これによれば、上記実施形態4について説明したように、画像面積率に応じた最適な画像を得ることができる。
(態様E)
態様Dにおいて、現像する画像の画像面積率が30[%]以下の場合、不図示の制御部等の電圧デューティ比制御手段は、現像スリーブ51等の現像スリーブに印加する電圧の交流成分におけるトナーの正規帯電極性とは逆極性(プラス極性等)の成分のデューティ比を3[%]以下に制御する。
これによれば、上記実施形態4について説明したように、ボソツキ画像が目立ち易い画像面積率の画像を出力するときには、現像スリーブに印加する電圧をボソツキの改善効果のある条件に設定し、最適な画像をユーザーに提供できる。また、
(態様F)
態様A乃至Eの何れかの態様において、現像スリーブ51等の現像スリーブのスリーブ素管51a等のスリーブ素管を形成する材料は、アルミニウムである。
これによれば、上記実施形態1について説明したように、非磁性で導電性のある現像スリーブ51を実現できる。
(態様G)
態様A乃至Fの何れかの態様において、低摩擦膜51b等の低摩擦表面層は、テトラヘデラルアモルファスカーボンで構成されている。
これによれば、上記実施形態1について説明したように、スリーブ素管よりもトナーとの摩擦係数が低い低摩擦膜を実現することが出来る。
(態様H)
少なくとも感光体1等の潜像担持体と、潜像担持体表面を帯電させるための帯電装置40等の帯電手段と、潜像担持体上に静電潜像を形成するための不図示の露光装置等の潜像形成手段と、静電潜像を現像してトナー像化するための現像手段とを有する複写機500等の画像形成装置において、現像手段として、態様A乃至Gの何れかの態様の現像装置5等の現像装置を用いる。
これによれば、上記実施形態について説明したように、ゴースト画像を抑制しつつ、周期的な画像濃度ムラも抑制できるため、画像濃度の安定した良好な画像形成を行うことが出来る。
(態様I)
潜像を担持する感光体1等の潜像担持体と、潜像担持体上の潜像を現像する現像手段とを備える複写機500等の画像形成装置における少なくとも潜像担持体と現像手段とを1つのユニットとして共通の保持体に保持させて画像形成装置本体に対して一体的に着脱可能に構成した作像ユニット6等のプロセスカートリッジにおいて、現像手段として、態様A乃至Gの何れかの態様の現像装置5等の現像装置を用いる。
これによれば、上記実施形態について説明したように、画像濃度が安定する現像装置の交換性を向上できる。
1Y イエロー用感光体
1C シアン用感光体
1K ブラック用感光体
1M マゼンタ用感光体
2 感光体クリーニング装置
2a クリーニングブレード
3 原稿搬送部
4 原稿読込部
4a 帯電ローラ
5 現像装置
6 作像ユニット
7 給紙部
8 中間転写ベルト
9 一次転写バイアスローラ
10 中間転写ユニット
11 トナー容器
12 二次転写バックアップローラ
19 二次転写バイアスローラ
20 定着装置
25 排紙ローラ対
26 給紙カセット
27 給紙ローラ
28 レジストローラ対
30 排紙トレイ
40 帯電装置
41 潤滑剤塗布装置
50 現像ローラ
51 現像スリーブ
51a スリーブ素管
51b 低摩擦膜
52 ドクタブレード
53 供給スクリュ
53a 供給搬送路
54 回収スクリュ
54a 回収搬送路
55 マグネットローラ
57 仕切り部材
58 ケーシング
58a 現像下ケース
58b 現像上ケース
58c 現像カバー
58e 現像開口部
59 トナー補給口
71 剤落下口
72 剤持上げ口
100 プリンタ部
151 現像スリーブ電源
500 複写機
P 転写紙
P1 第一磁極
P2 第二磁極
P3 第三磁極
P4 第四磁極
P5 第五磁極
Vave 現像バイアス平均電位
VL 露光部電位
Vpp ピーク・ツー・ピーク電圧
Vpp1 マイナス側最大電位
Vpp2 マイナス側最小電位
VppA トナー極性側最大電位
VppB トナー極性側最小電位
α 回収スクリュ下流端領域
β 供給スクリュ下流端領域
Claims (9)
- トナーと磁性キャリアとからなる現像剤を表面上に担持して表面が無端移動し、潜像担持体と対向する現像領域で該潜像担持体の表面の潜像に現像剤中のトナーを供給して現像する現像剤担持体を備え、
該現像剤担持体は、複数の磁極を有する磁界発生手段と、該磁界発生手段を内包する円筒形状で、該磁界発生手段の磁力によって円筒形状の外周面に現像剤を担持し、装置本体に対して回転することによって表面移動する現像スリーブと、を有する現像装置において、
上記現像スリーブの外周面に、円筒形状を形成するスリーブ素管の材料よりもトナーとの摩擦係数が小さい低摩擦表面層を設け、
該現像スリーブに対して、交流成分を含む電圧を印加する現像スリーブ電圧印加手段を備えることを特徴とする現像装置。 - 請求項1に記載の現像装置において、
上記現像スリーブは直流成分に交流成分を重畳した電圧を印加されることでその表面電位が周期的に変化し、該現像スリーブの表面電位のトナーの正規帯電極性側の電位についての最小値が、上記潜像担持体の表面上におけるトナーを供給する部分の電位よりもトナーの正規帯電極性側の電位となることを特徴とする現像装置。 - 請求項1または2に記載の現像装置において、
上記現像スリーブに印加される電圧の交流成分についてのトナーの正規帯電極性とは逆極性の成分のデューティ比が20[%]以下であることを特徴とする現像装置。 - 請求項1乃至3の何れかに記載の現像装置において、
現像スリーブ電圧印加手段が上記現像スリーブに印加する電圧の交流成分のデューティ比を、現像する画像の画像面積率に応じて制御する電圧デューティ比制御手段を備えることを特徴とする現像装置。 - 請求項4に記載の現像装置において、
現像する画像の画像面積率が30[%]以下の場合、上記電圧デューティ比制御手段は、上記現像スリーブに印加する電圧の交流成分におけるトナーの正規帯電極性とは逆極性の成分のデューティ比を3[%]以下に制御することを特徴とする現像装置。 - 請求項1乃至5の何れかに記載の現像装置において、
上記現像スリーブの上記スリーブ素管を形成する材料は、アルミニウムであることを特徴とする現像装置。 - 請求項1乃至6の何れかに記載の現像装置において、
上記低摩擦表面層は、テトラヘデラルアモルファスカーボンで構成されていることを特徴とする現像装置。 - 少なくとも潜像担持体と、
該潜像担持体表面を帯電させるための帯電手段と、
該潜像担持体上に静電潜像を形成するための潜像形成手段と、
該静電潜像を現像してトナー像化するための現像手段とを有する画像形成装置において、
該現像手段として、請求項1乃至7の何れかに記載の現像装置を用いることを特徴とする画像形成装置。 - 潜像を担持する潜像担持体と、該潜像担持体上の潜像を現像する現像手段とを備える画像形成装置における少なくとも該潜像担持体と該現像手段とを1つのユニットとして共通の保持体に保持させて画像形成装置本体に対して一体的に着脱可能に構成したプロセスカートリッジにおいて、
上記現像手段として、請求項1乃至7の何れかに記載の現像装置を用いたことを特徴とするプロセスカートリッジ。
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