JPH1012431A - マグネットロールおよびそれを用いた現像方法 - Google Patents

マグネットロールおよびそれを用いた現像方法

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JPH1012431A
JPH1012431A JP7862897A JP7862897A JPH1012431A JP H1012431 A JPH1012431 A JP H1012431A JP 7862897 A JP7862897 A JP 7862897A JP 7862897 A JP7862897 A JP 7862897A JP H1012431 A JPH1012431 A JP H1012431A
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cylindrical permanent
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JP7862897A
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Keitaro Yamashita
恵太郎 山下
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Neomax Kiko Co Ltd
Proterial Ltd
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Hitachi Metals Ltd
Hitachi Metals Kiko Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電子写真の現像において現像ギャップにバイ
アス電圧が安定して印加できるスリーブレスマグネット
ロールを提供する。 【解決手段】 少なくとも外周面に物理蒸着法によって
導電性セラミックス層を形成した円筒状永久磁石を有す
るマグネットロールを用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は複写機やプリンタな
どの電子写真方式を採用する画像形成装置に使用するマ
グネットロールおよび現像方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、画像形成装置としては、複写
機やプリンター、或いはファクシミリ等が知られてい
る。これらの画像形成装置のうち、電子写真方式や静電
記録方式を採用する装置では、一般に、光像露光により
感光体(像担持体)表面に形成された静電潜像を、感光
体に近接して設けた現像剤搬送部材から磁性現像剤(一
成分系の磁性トナーあるいはトナーと磁性キャリアから
なる二成分系現像剤など)を供給し、現像剤中のトナー
を前記静電潜像に付着させて画像を形成する方法が採ら
れている。上記現像剤搬送部材の主要部は、非磁性材料
で形成された円筒状スリーブ、このスリーブに内包され
る磁性現像剤保持・搬送用の永久磁石、円筒状スリーブ
や永久磁石を支持・回転させるためのシャフト等の支持
部材及び永久磁石によりスリーブ表面に吸着・保持され
る磁性現像剤を一定層厚に規制する穂立ち高さ規制部材
(以下、ドクターブレードという)とから構成されてい
る。これらは現像剤貯留用容器内に設けられ、マグネッ
トロールは静電潜像の担持体である感光体と、一定の微
小間隔(現像ギャップ)で対向配置されている。
【0003】一方、近年の社会的要請に応じて、画像品
質の向上と、画像形成装置の低価格・小型化が強く推進
され、その主要機構部である現像装置に対する種々の提
案がなされている。このような要求を満たすための手段
として、例えば、スリーブを設けずに永久磁石を円筒状
として永久磁石の表面に直接磁性現像剤を吸着・保持し
永久磁石の回転により現像剤を搬送するマグネットロー
ル(以下、スリーブレスマグネットロールという)を使
用して静電潜像を現像することが提案されている。例え
ば、特公昭54−39139号には、電気的導体からな
る回転軸を有する長尺のスリーブレスマグネットロール
の表面に導電体層を設け、導電体層と回転軸とを電気的
に接続しかつ記録体及び回転軸を接地もしくはバイアス
電源に接続して、導電性磁性トナー層を介して現像電流
を流すようにした現像装置が開示されている。また、特
開昭62−201463号には、表面が導電性でありか
つ表面に複数個の磁極を有するスリーブレスマグネット
ロールを回転自在に配置し、現像剤を画像担持体表面に
搬送し、前記画像担持体表面と前記ロールとの間にゼロ
バイアスを含む直流バイアス電圧を印加して静電潜像を
顕像化する現像方法が開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記構成のスリーブレ
スマグネットロールを使用して現像を行う場合、特に反
転現象において地カブリ等を防止し高画質な画像を得る
ために、現像剤にはバイアス電圧を印加することが必要
であり、そのためにスリーブレスマグネットロールの表
面にメッキで導電体層を形成することや永久磁石が強磁
性粉末と熱可塑性樹脂と用いて作製される樹脂磁石では
樹脂に導電性粉末を混合し磁石自体を導電性にすること
が提案されている。永久磁石が焼結磁石である場合、例
えば、フェライト焼結磁石は多孔質であるためボイドが
多く、電気メッキあるいは無電解ニッケルメッキ等のメ
ッキによる手法ではメッキ液が磁石内部まで侵入し完全
な除去が難しいため錆発生の危険があること、及び永久
磁石表面とメッキ層の付着力が不十分であるという問題
点がある。また、樹脂磁石の場合は樹脂に導電性粉を混
合するとその分強磁性粉末の割合が低下し磁力が低下す
るという問題点がある。
【0005】本発明は、上記の従来技術に存在する問題
点を解決し、バイアス電圧が安定して印加できるマグネ
ットロールを提供することを目的とする。また、このマ
グネットロールを用い高品質な画像が得られる現像方法
を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、第1の発明では、少なくとも外周面に物理蒸着法に
よって導電性セラミックス層を形成した円筒状永久磁石
を有するマグネットロールを用いるという技術的手段を
採用した。物理蒸着法はドライな製膜方法であることか
ら後に錆等の原因になる物質を磁石内部に残すことがな
く安定した導電性セラミックス層が得られる。この導電
性セラミックス層を電極として現像ギャップにバイアス
電圧を安定して且つ効率よく印加できる。第2の発明で
は、少なくとも外周面に物理蒸着法によって導電性セラ
ミックス層を形成し、且つ軸方向に伸び下記式を満足す
るN個の磁極を外周面に略等間隔に形成した円筒状永久
磁石を有するマグネットロールを、表面に静電荷像を保
持する像担持体との間に現像ギャップを形成するよう回
転自在に配置し、円筒状永久磁石表面に絶縁性トナーを
含む磁性現像剤を磁気保持し、像担持体表面に磁性現像
剤を供給して静電荷像を現像するという技術的手段を採
用した。 N≧(V1/V2)πD/6 但し、Nは磁極数(偶数)、V1は像担持体の移動速度
(mm/sec)、V2は円筒状永久磁石の周速(mm
/sec)、Dは円筒状永久磁石の外径(mm)であ
る。
【0007】本発明において、円筒状永久磁石はフェラ
イト焼結磁石、樹脂磁石、ゴム磁石のうちのいずれもが
使用可能である。しかし、より密着性の良い導電性セラ
ミックス層を得るには下地はより高い硬度であることが
望ましいこと、円筒状永久磁石を回転支持するシャフト
を有しないシャフトレスマグネットロールとして用いる
場合、撓みを防ぐため円筒状磁石自体に剛性が必要にな
る、などの理由からスリーブレスマグネットロール用の
円筒状永久磁石にはフェライト焼結磁石が好ましく、多
極着磁が可能であることから等方性フェライト焼結磁石
がより好ましい。本発明で用いる円筒状永久磁石は中実
でも中空でもよいが、中空とする場合はラジアル異方性
フェライト焼結磁石とすることができる。
【0008】本発明においては、特に反転現像において
地カブリ等を防止し高画質の画像を得るために現像剤に
バイアス電圧を印加できるようにする。図1は本発明の
マグネットロールを用いた現像装置の要部を示す縦断面
図である。図2から図4は本発明の現像方法の例の要部
を示す横断面図である。図1から図4では同様の部材に
は同じ参照符号を付す。ここで、円筒状永久磁石1およ
び導電性のシャフト2の一部(全面でもよい)が導電性
セラミックス層3で被覆される。もしくは円筒状永久磁
石1の表面の導電性セラミックス層3とシャフト2の導
電性セラミックス層とを別々に形成し両方の導電性セラ
ミックス層を導通状態にしてもよい。マグネットロール
10は一対の側板6に軸受5を介して回転自在に支持固
定される。電源11の一方の端子は接触電極20、導電
性のシャフト2を介して導電性セラミックス層3に接続
され、別の端子は感光体に接続されると共に接地され
る。このようにして図2と図4で示される現像ギャップ
Gpにバイアス電圧が印加される。別の印加方法は接触
電極20を導電性セラミックス層3と直接接触するよう
に設け(図示せず)導電性セラミックス層を電極として
現像ギャップにバイアス電圧を印加する。後者の場合は
特に耐摩耗性の高い導電性材料で導電性セラミックス層
を表面を形成することが必要となる。このような構造と
することで円筒状永久磁石1に焼結フェライト磁石のよ
うな高電気抵抗材料ないしは電気絶縁材料の磁石を用い
ても最小限の電圧降下でバイアス電圧を印加できる。ま
た、別の印加手段を図3に示す。図3は本発明のマグネ
ットロールを用いた現像装置の要部断面図である。この
様にマグネットロールの表面に磁気保持された磁性現像
剤と接触する部材、例えばドクターブレード7を導電性
金属材料で形成して電極とし現像ギャップにバイアス電
圧を印加することもできる。
【0009】バイアス電圧は直流電圧または交流電圧若
しくは両者を重畳したものでもよい。直流バイアスは正
規現像では絶対値で80〜250V程度が好ましく、反
転現像では感光体帯電電圧の0.6〜0.9倍の直流バ
イアスを印加し通常は絶対値で400〜600V程度が
好ましい。交流バイアスはpeak-to-peak電圧で800〜
2500VP-P、周波数800〜2500Hzが好まし
い。
【0010】上記の円筒状磁石材料の表面に、図5に示
す製造工程(但し、主要工程のみ記載)に従って、導電
性のセラミックス層を物理蒸着法、特にイオンプレーテ
ィング法の手法で形成する。本発明で用いるイオンプレ
ーティング法は特には限定されず公知の方法を採用しう
る。例えばよく洗浄した円筒状永久磁石部材を真空容器
内に陰極として据え付け、蒸発源を陽極として据え付け
る。真空容器内を排気後Ar、Heなどの不活性ガスや
2、O2、CH4などの反応性ガスを媒体として導入す
る。蒸発粒子と媒体ガスは高周波電界などの外部から印
加されるエネルギーにより励起されイオン化される。蒸
発粒子のイオンは電界により円筒状永久磁石部材に向か
って加速され、その表面に積層し薄くて高密着性の導電
性セラミックス層を形成する。尚、図5の加熱・脱ガス
工程は抵抗加熱ヒータ等により永久磁石部材を加熱しガ
スを蒸発させる。クリーニング工程は永久磁石部材を蒸
発源として永久磁石部材表面の粒子を蒸発させて新鮮な
面にする工程である。導電性セラミックス層の厚さは厚
くなりすぎると剥離しやすいので5μm以下が望まし
く、1〜3μmが更に望ましい。導電性セラミックス層
が薄すぎると磁石表面が部分的に露出し易くなるが、像
担持体とマグネットロールの対向部で現像が行われる領
域(以下、現像領域という)にある現像剤に電界を作用
させることが目的であるから、露出の程度が僅かであれ
ば不都合はない。本発明の導電性セラミックス層を形成
する導電性セラミックスは400〜3500Hv(Vick
ers hardness)の硬度を有するものが使用でき、例えば
TiC、WC、TiN、TiCN、CrN、ZrN、HfN、
Ti+TiN、Cr+CrN等がある。導電性セラミックス
の硬度は500〜3000Hvが好ましく、600〜2
500Hvが更に好ましい。本発明でいう導電性とは比
電気抵抗で1×103Ω・cm以下、好ましくは1×10
2Ω・cm以下、更に好ましくは1×101Ω・cm以下で
ある。また、導電性セラミックス層は非磁性であること
が好ましいが、ごく薄い層であるため磁性であっても不
都合はない。表1に本発明で使用できる主な導電性セラ
ミックスの一般的な比電気抵抗と硬度を示す。
【0011】
【表1】
【0012】前述のように電子写真装置においては、装
置の低価格化および小型化が強く望まれ、この要求に応
えるためにマグネットロールをスリーブレスマグネット
ロールとするとともに、シャフトレスマグネットロール
とすることが更に有利である。本発明はシャフトの有無
に係わらずスリーブレスマグネットロールに適用可能で
ある。本発明をスリーブレスマグネットロールに用いる
場合、マグネットロール径は10〜50mmが好まし
く、10〜40mmがより好ましく、15〜30mmが
更に好ましい。10mm未満ではシャフトを除く磁石部
分の体積が小さくなり過ぎて表面磁束密度が低下し易
く、50mmを超えると現像装置の小型化が不十分とな
るからである。スリーブレスかつシャフトレスマグネッ
トロールに用いる場合、ロール径は10〜30mmが好
適であり、10〜20mmが更に好ましい。10mm未
満では磁石自身の剛性が低い場合マグネットロールに撓
みが生じ現像ギャップがばらつくことがある。シャフト
レスマグネットロールではシャフトがないぶん磁石部分
の体積が大きくなるので30mm程度で表面磁束密度は
十分であり磁石自身の剛性も十分である、それを超える
と現像装置の小型化の面で不利になりメリットはないか
らである。
【0013】スリーブを用いずに円筒状永久磁石外周面
に直接に磁性現像剤を磁気保持し、像担持体表面の静電
潜像に磁性現像剤を搬送・供給して現像する現像方法に
おいては、画像に磁極による濃度ムラが発生し易い。こ
の濃度ムラを抑えるには移動方向単位長さ当たりの像担
持体が現像領域に入ってから出るまでの間に対向する磁
極の数を多くすることが必要になる。具体的には、磁極
ピッチを小さくすること、現像領域において像担持体の
速度に対しマグネットロールの速度を大きくすること、
または現像領域における像担持体の移動方向とマグネッ
トロールの移動方向とを逆方向にすることが効果的であ
る。このことから円筒状永久磁石外周面に設ける磁極の
数は前述の式を満たすものとする。
【0014】更に、円筒状永久磁石表面に円周方向に略
等間隔で配置される異極性の磁極のピッチは、0.5〜
10mmが好適である。0.5mm未満では磁極の形成
が困難であり、かつ表面磁束密度が小さくなりマグネッ
トロール表面への磁性現像剤の吸着保持量が少なくな
る。その結果、カブリが発生するとともに現像性が低下
するため好ましくない。10mmを超えるとマグネット
ロールをかなりの高速で回転させなければならずマグネ
ットロールや軸受けにより高い精度が必要になる。ま
た、永久磁石表面の磁極上と磁極間とで吸着保持される
磁性現像剤層の厚さが異なるとともに、その差が大きく
なり画像に濃度ムラが発生し易くなる。磁極間ピッチの
より好ましい範囲は1.5〜4mmである。
【0015】マグネットロールの表面磁束密度は前記の
磁極間ピッチで100〜800Gに形成する。100G
未満であると磁性現像剤のマグネットロール表面への吸
着保持力が不足して飛散するため好ましくない。800
Gを超えると磁性トナーの場合、吸着保持力が強すぎる
ためトナーが像担持体の表面に形成された静電荷像に付
着しにくくなり画質を低下させる。更に、マグネットロ
ールに吸着された磁性現像剤層の厚さが過剰になりマグ
ネットロールの駆動トルクが増大するとともに、広い現
像ギャップが必要となり強い現像電界が得にくくなる。
マグネットロールの表面磁束密度の好ましい範囲は20
0〜600Gである。
【0016】本発明で使用するマグネットロールは次の
ようにして得られる。まず、フェライト粉末(MO・n
Fe23(M:Ba,Sr,Pbのうちの一種以上、n=
5〜6))を含む原料を使用して、例えばラバープレス
法または押し出し成形法等の手法により、無磁場中また
は磁場中で円筒状成形体を作製する。得られた成形体は
800〜1300℃で1〜5時間焼結した後、使用する
用紙サイズに合わせた長さに加工する。加工後、円筒状
永久磁石素材の内径部に、鋼(SUM)、オーステナイ
ト系ステンレス鋼(SUS303、SUS304)等の
金属材料で形成された導電性シャフトを接着あるいは機
械的に固着する。次いでこのシャフトを基準に素材外周
を円筒研削加工する。このとき用いる研削砥石の粗さな
どの研削条件により外周面に所望の表面粗さを与えるこ
とができる。または、シャフトを固着する前に円筒状永
久磁石素材の外周面をセンタレス研削加工してもよい。
続いて上記の円筒状永久磁石素材の表面に導電性のセラ
ミックス層を物理蒸着法の手法で形成する。更に所定の
磁極間ピッチおよび表面磁束密度で着磁する。着磁は導
電性のセラミックス層を形成する前に行ってもよい。
尚、シャフトレスマグネットロールでもシャフトの接着
固定がないことを除いて同様の工程である。また、セン
タレス加工により円筒状磁石部材の端部をシャフト部と
し、磁石部材とシャフトとが一体同一材料のマグネット
ロールとすることもできる。
【0017】次にマグネットロールの使用条件について
述べる。現像領域においてマグネットロール表面(磁性
現像剤)と像担持体の双方の移動方向が同じになるよう
に回転させる現像(ウイズ現像)方式の場合、1≦V2
/V1≦5とすることが好適である。V2/V1が5を超
えるとマグネットロールの駆動トルクが増大し、騒音の
発生があるとともに、磁性現像剤が飛散したり、磁性キ
ャリアの摩耗がおきやすい。V2/V1が1未満であると
現像領域において像担持体上の静電荷像に、マグネット
ロール上の磁極と磁極間とが均等に遭遇せず、または、
像担持体へのトナー供給能力が不足して画像に濃度ムラ
が発生し易くなるため不都合である。
【0018】ウイズ現像では、マグネットロールとドク
ター部材との間隙Gdは0.2〜0.4mmとすること
ができ、現像ギャップGpもGdとほぼ同様とすることが
できる。
【0019】現像領域において、双方の移動方向が逆方
向になるように回転させる現像(カウンター現像)方式
の場合、同様の理由で1≦V2/V1≦5とすることが好
適である。Gdは0.2〜0.4mmとすることがで
き、Gpは(Gd+0.1mm)程度が適切である。
【0020】次に本発明において使用する磁性現像剤と
しては、磁性トナーのみからなるものは勿論、磁性トナ
ーと磁性キャリアとの混合粉体(トナー濃度10〜90
重量%)および非磁性トナーと磁性キャリアとの混合粉
体(トナー濃度5〜70重量%)を使用できる。このよ
うに広いトナー濃度範囲で使用可能である理由は、マグ
ネットロールに吸着支持された磁性現像剤がマグネット
ロールに対して相対運動をせずそのままの状態で像担持
体に供給されるため、トナー飛散力が極端に小さいため
と考えられる。このことからトナー濃度制御は一般には
不要である。
【0021】トナーは転写性を向上させるために体積固
有抵抗が1014Ω・cm以上の絶縁性のものが好まし
く、キャリアまたはドクターブレードとの摩擦により帯
電し易いもの(摩擦帯電量が絶対値で10μc/g以上
のものが好ましく、15〜60μc/gのものがより好
ましい)が好ましい。体積平均粒径は高精細画像を得る
ために、5〜10μmが好ましい。キャリアは体積固有
抵抗が103〜1013Ω・cmのものが好ましい。103
Ω・cm未満であると像担持体への付着が発生しやす
く、1013Ω・cmを超えると画像濃度が低くなるため
不都合である。飽和磁化σsは20meu/gを超える
ものがよい。それ以下であるとキャリア付着を生じやす
く好ましくない。キャリアの重量平均粒径は10〜50
μmが好ましい。
【0022】上記磁化の値の測定は、振動試料型磁力計
(東英工業製VSM−3型)を使用し、平均粒径(体
積)は、粒度分析計(コールターエレクトロニクス社製
コールターカウンターモデルTA−II)を使用して測
定した。また体積固有抵抗の値は、試料を適当量(10
数mg)秤取し、内径3.05mmテフロン(商品名)
製シリンダー中に充填し、0.1kgの荷重下、磁性キ
ャリアの場合はD.C100V/cmの電場を、そして
トナーの場合はD.C4000V/cmの電場を印加し
て測定し、抵抗値を算出した。抵抗の測定には横川ヒュ
ーレットパッカード製4329型絶縁抵抗計を使用し
た。また、摩擦帯電量は、トナー濃度5重量%に調整し
た磁性現像剤をよく混合し、ブロー圧1.0kgf/c
2でトナーをブローし、これをブローオフ粉体帯電量
測定器(東芝ケミカル製 TB200型)により測定し
た。
【0023】
【発明の実施の形態】図1は本発明のマグネットロール
を用いた現像装置の要部を示す縦断面図である。図2か
ら図4は本発明の現像方法の例の要部を示す横断面図で
ある。図1から図4では同様の部材には同じ参照符号を
付す。ここで、円筒状永久磁石1および導電性のシャフ
ト2の一部(全面でもよい)が導電性セラミックス層3
で被覆される。マグネットロール10は一対の側板6に
軸受5を介して回転自在に支持固定される。電源11の
一方の端子は接触電極20、導電性のシャフト2を介し
て導電性セラミックス層3に接続され、別の端子は感光
体に接続されると共に接地される。このようにして図2
と図4で示される現像ギャップGpにバイアス電圧が印
加される。このような構造とすることで円筒状永久磁石
1に焼結フェライト磁石のような高抵抗の磁石を用いて
も最小限の電圧降下でバイアス電圧を印加できる。
【0024】(実施例1)外径10mmのSUM−22
製シャフト(Niメッキ)にエポキシ系接着剤で固着さ
れた外径21mm、内径10.5mm、長さ220mm
の円筒状フェライト磁石(日立金属製YBM−3:平均
粒径1μmのBaフェライト粒子とPVA等の結合剤を
乾式混合した原材料を静水圧プレスにより中空円筒状に
成形後焼結したもの)の表面を外周研削後(外径20m
m)、厚さ約2μmのCrN層をイオンプレーティング法
で形成したのち、32極対称着磁、表面磁束密度300
Gの多極ロールを作製した。このCrN層の表面抵抗は
0.51Ω、硬度は980Hv(20℃)と良好な値を
示した。このマグネットロールを用いて、次の条件で作
像した。現像剤として、平均粒径30μmの偏平鉄粉キ
ャリア(飽和磁化200emu/g、表面をシリコーン
樹脂で被覆してD.C200V/cmの電場における体積抵
抗値を109Ω・cmに調整)と体積平均粒径8μm、摩
擦帯電量−18μC/g、体積固有抵抗3.5×1014
Ω・cmの磁性トナーとを混合したもの(トナー濃度50
重量%)を使用した。この磁性トナーは、スチレン−n
−ブチルメタクリレート共重合体(Mw約21万、Mn
約1万6千)55重量部、マグネタイト(戸田工業社製
EPT−500)40重量部、ポリプロピレン(三洋化
成社製TP−32)3重量部、荷電制御剤(オリエント
化学社製ボントロンS34)2重量部を乾式混合し、加
熱混練後冷却固化し、粉砕後分級し次いで表面に疎水性
シリカ(日本アエロジル社製アエロジルR972)を
0.5重量部添加して作成した。
【0025】OPC感光体(周速V1=25mm/sec)の
表面に静電潜像(非露光部の電位−600V)を形成
し、マグネットロールと感光体との間の現像ギャップを
0.4mm、ドクターギャップを0.35mmに設定
し、マグネットロールのシャフトに−550Vの直流電
圧を印加し、マグネットロールを62.5mm/secの周
速V2で回転させて反転現象を行った。マグネットロー
ルと感光体の回転方向は図2の矢印A、Bで示すように
同方向でありウイズ現像である。現像トナー像を普通紙
にコロナ転写後、熱ロール定着(線圧1kg/cm、定着温
度180℃)を行って画像(A4サイズ)を得た。ここ
で表面抵抗は次のようにして測定した。マグネットロー
ルの外周表面に2つのリング状の測定電極を軸方向に1
cmの間隔で設ける。測定電極は導電性テープでマグネ
ットロールに密着固定する。この状態で直流電圧を印加
して電流値を測定し表面抵抗を算出した。
【0026】得られた画像は、画像濃度が1.39、カ
ブリ濃度が0.09で、チリや細線幅ムラのない良質の
ものであった。また、10万枚連続コピー後の画像濃度
も殆ど変化がなく良質の画像であり、かつCrN層に異
常のないことを確認した。
【0027】(比較例1)CrN層を形成しないことを
除き実施例1と同様のマグネットロールを用い、現像剤
と現像条件は実施例と同様にして画像を得た。得られた
画像は、画像濃度が1.20、カブリ濃度が0.10で
明らかに現像性が低下した。
【0028】(実施例2)18極対称着磁、表面磁束密
度500Gの多極ロールとすること以外は実施例1と同
様にして画像を得た。得られた画像は、画像濃度が1.
35、カブリ濃度が0.08で、チリや細線幅ムラのな
い良質のものであった。また、10万枚連続コピー後の
画像濃度も殆ど変化がなく良質の画像であり、かつCr
N層に異常のないことを確認した。
【0029】(比較例2)6極対称着磁、表面磁束密度
750Gの多極ロールとすること以外は実施例1と同様
にして画像を得た。磁極ピッチが10mmを超えている
ため得られた画像は画像濃度が1.15、カブリ濃度が
0.10であり十分なものではなかった。また、10万
枚連続コピー後の画像濃度も殆ど変化がなく、CrN層
に異常のないことを確認した。
【0030】(比較例3)4極対称着磁、表面磁束密度
800Gの多極ロールとすること以外は実施例1と同様
にして画像を得た。磁極数が(V1/V2)πD/6=
4.2より小さいため得られた画像は、画像濃度が0.
9、カブリ濃度が0.25と不良であった。
【0031】(実施例3)外径10mmのSUM−22
製シャフト(Niメッキ)にエポキシ系接着剤で固着さ
れた外径21mm、内径10.5mm、長さ220mm
の円筒状フェライト磁石(日立金属製YBM−3)の表
面を外周研削後(外径20mm)、厚さ約2μmのTi
N層をイオンプレーティング法で形成したのち、32極
対称着磁、表面磁束密度300Gの多極ロールを作製し
た。このTiN層の表面抵抗は0.25Ω、硬度は15
00Hv(20℃)と良好な値を示した。このマグネッ
トロールを用いて、OPC感光体の周速V1を56.2
5mm/sec及びマグネットロールの周速V2を62.5mm
/secとすること以外は実施例1と同様の条件で作像し
た。
【0032】得られた画像は、画像濃度が1.40、カ
ブリ濃度が0.08で、チリや細線幅ムラのない良質の
ものであった。また、10万枚連続コピー後の画像濃度
も殆ど変化がなく良質の画像であり、かつTiN層に異
常のないことを確認した。
【0033】(実施例4)18極対称着磁、表面磁束密
度500Gの多極ロールとすること以外は実施例4と同
様にして画像を得た。得られた画像は、画像濃度が1.
35、カブリ濃度が0.09で、チリや細線幅ムラのな
い良質のものであった。また、10万枚連続コピー後の
画像濃度も殆ど変化がなく良質の画像であり、かつTi
N層に異常のないことを確認した。
【0034】(実施例5)10極対称着磁、表面磁束密
度600Gの多極ロールとすること以外は実施例4と同
様にして画像を得た。得られた画像は、画像濃度が1.
35、カブリ濃度が0.10で、チリや細線幅ムラのな
い良質のものであった。また、10万枚連続コピー後の
画像濃度も殆ど変化がなく、TiN層に異常のないこと
を確認した。
【0035】(比較例4)8極対称着磁、表面磁束密度
700Gの多極ロールとすること以外は実施例4と同様
にして画像を得た。磁極数が(V1/V2)πD/6=
9.4より小さいため得られた画像は、画像濃度が0.
8、カブリ濃度が0.25と不良であった。
【0036】(実施例6)外径10mmのSUM−22
製シャフト(Niメッキ)にエポキシ系接着剤で固着さ
れた外径21mm、内径10.5mm、長さ220mm
の円筒状フェライト磁石(日立金属製YBM−3)の表
面を外周研削後(外径20mm)、厚さ約2μmのTi
CN層をイオンプレーティング法で形成したのち、32
極対称着磁、表面磁束密度300Gの多極ロールを作製
した。このTiCN層の表面抵抗は0.11Ω、硬度は
2400Hv(20℃)と良好な値を示した。このマグ
ネットロールを用いて、OPC感光体の周速V1を25m
m/sec及びマグネットロールの周速V2を112.6mm
/secとすること、および図4に示すようにドクターブ
レード7を下側に設置し感光体8、マグネットロール1
0の回転方向をそれぞれ矢印B、Cとしたことを除き実
施例1と同様の条件で作像した。
【0037】得られた画像は、画像濃度が1.38、カ
ブリ濃度が0.07で、チリや細線幅ムラのない良質の
ものであった。また、10万枚連続コピー後の画像濃度
も殆ど変化がなく良質の画像であり、かつTiCN層に
異常のないことを確認した。
【0038】(実施例7)18極対称着磁、表面磁束密
度500Gの多極ロールとすること以外は実施例7と同
様にして画像を得た。得られた画像は、画像濃度が1.
35、カブリ濃度が0.09で、チリや細線幅ムラのな
い良質のものであった。また、10万枚連続コピー後の
画像濃度も殆ど変化がなく良質の画像であり、かつTi
CN層に異常のないことを確認した。
【0039】(比較例5)4極対称着磁、表面磁束密度
800Gの多極ロールとすること以外は実施例7と同様
にして画像を得た。磁極ピッチが10mmを超えている
ため得られた画像は、画像濃度が1.15、カブリ濃度
が0.10であり十分なものではなかった。また、10
万枚連続コピー後の画像濃度も殆ど変化がなく、TiC
N層に異常のないことを確認した。
【0040】
【発明の効果】本発明は、以上記述のような構成および
作用により、下記の効果を得ることができる。 (1)イオンプレーティング法により永久磁石の表面に
密着性の良い導電性セラミックス層が得られる。 (2)(1)項の効果により永久磁石表面にバイアス電
圧が常に安定して印加できるためスリーブを使用しなく
とも良質の画像が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係るマグネットロールの軸
方向断面図である。
【図2】本発明の一実施例に係るマグネットロールを用
いた現像装置の要部断面図である。
【図3】本発明の一実施例に係るマグネットロールを用
いた別の現像装置の要部断面図である。
【図4】本発明の一実施例に係るマグネットロールを用
いた別の現像装置の要部断面図である。
【図5】イオンプレーティング法の主な工程を示す図で
ある。
【符号の説明】
1…円筒状永久磁石、2…シャフト、3…導電性セラミ
ックス層、4…磁極 5…軸受、6…側板、7…ドクターブレード、8…感光
体、9…磁性現像剤 10…マグネットロール、11…バイアス電源、20…
接触電極

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも外周面に物理蒸着法によって
    導電性セラミックス層を形成した円筒状永久磁石を有す
    ることを特徴とするマグネットロール。
  2. 【請求項2】 少なくとも外周面に物理蒸着法によって
    導電性セラミックス層を形成し、且つ軸方向に伸び下記
    式を満足するN個の磁極を外周面に略等間隔に形成した
    円筒状永久磁石を有するマグネットロールを、表面に静
    電荷像を保持する像担持体との間に現像ギャップを形成
    するよう回転自在に配置し、円筒状永久磁石表面に絶縁
    性トナーを含む磁性現像剤を磁気保持し、像担持体表面
    に磁性現像剤を供給して静電荷像を現像することを特徴
    とする現像方法。 N≧(V1/V2)πD/6 (但し、Nは磁極数(偶数)、V1は像担持体の移動速
    度(mm/sec)、V2は円筒状永久磁石の周速(m
    m/sec)、Dは円筒状永久磁石の外径(mm))
  3. 【請求項3】 導電性セラミックス層を電極として現像
    ギャップにバイアス電圧を印加することを特徴とする請
    求項2記載の現像方法。
  4. 【請求項4】 マグネットロールの表面に磁気保持され
    た磁性現像剤と接触する部材を電極として現像ギャップ
    にバイアス電圧を印加することを特徴とする請求項2記
    載の現像方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009025586A (ja) * 2007-07-20 2009-02-05 Ricoh Co Ltd 静電潜像現像方法
CN101846922A (zh) * 2009-03-27 2010-09-29 富士施乐株式会社 定影装置和图像形成装置
EP2905659A2 (en) 2014-02-10 2015-08-12 Ricoh Company, Ltd. Developing device and image forming apparatus and process cartridge incorporating same
US9176431B2 (en) 2013-09-13 2015-11-03 Ricoh Company, Ltd. Developing device and image forming apparatus and process cartridge incorporating same
EP2947516A1 (en) 2014-05-22 2015-11-25 Ricoh Company, Ltd. Developing device, and image forming apparatus and process cartridge incorporating same

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