JP2015055166A - 電動送風機及びそれを用いた電気掃除機 - Google Patents

Abstract

【課題】接着剤が不要で、信頼性の高い電動送風機を提供する。【解決手段】回転軸（図示せず）にベアリング１６を圧入固定してなる電機子ユニット（図示せず）と、ベアリング１６を保持するハウジング部１９をそれぞれ有する負荷側ブラケット（図示せず）と反負荷側ブラケット（図示せず）と、回転軸に固定されたインペラ（図示せず）と、インペラとその外周に配置されたエアガイド（図示せず）を内包するケーシング（図示せず）を備え、ベアリング１６は外輪２３と、内輪２４と、複数個のボール２５とで構成されるとともに、ハウジング部１９と外輪２３を多角形にしたもので、ベアリング１６のクリープ（外輪回り）を防止するためにベアリング１６の外輪表面に塗布していた接着剤が不要となり、接着剤の飛散による整流子（図示せず）やカーボンブラシ（図示せず）への付着を防止し、電動送風機の信頼性を著しく向上させることができる。【選択図】図２

Description

本発明は、電気掃除機等に使用される電動送風機及びそれを用いた電気掃除機に関するものである。

従来のこの種の電動送風機として、たとえば特許文献１に記載されたような技術が提案されており、以下、図６、図７を用いて説明する。

図６は、上記特許文献１に記載された従来の電動送風機の縦半断面図、図７は、同電動送風機のベアリングの部分破断斜視図である。

図６において、従来の電動送風機１は、電動機２の回転軸３にインペラ４を固定しており、前記インペラ４の外周に対向してエアガイド５が配置されている。ケーシング６は、インペラ４とエアガイド５を内包し、かつ電動機２の外周に気密に取り付けられ中央部に吸気口７を有する。

前記電動機２は、負荷側ブラケット８と、排気口９を設けた反負荷側ブラケット１０とで外郭を構成し、その内部に界磁ユニット１１と、電機子ユニット１２とを内蔵している。前記界磁ユニット１１は、主に界磁コア１３と、界磁巻線１４とで構成され、前記電機子ユニット１２は、前記回転軸３に電機子コア１５と、ベアリング１６と、整流子１７とを圧入固定してなるもので、前記電機子コア１５には電機子巻線１８が施されている。

また、負荷側ブラケット８と反負荷側ブラケット１０のそれぞれに、ベアリング１６を保持するハウジング部１９を設けられている。反負荷側ブラケット１０には、カーボンブラシ２０が摺動可能に内蔵された異形管２１と、前記異形管２１を反負荷側ブラケット１０に固定保持するための保持器２２が設けられている。

前記ベアリング１６は、主に外輪２３と、内輪２４と、複数のボール２５と、シール板２６で構成されており、前記外輪２３の表面にはベアリング１６のクリープ（外輪周り）を防止するために一般的に嫌気性の接着剤２７でハウジング部１９に固定されている。

以上のように構成された従来の電動送風機の動作について説明すると、電動機２を運転すると、電機子ユニット１２が高速で回転し、前記電機子ユニット１２の回転軸３に固定されたインペラ４が高速で回転するので吸込まれる気流が発生し、この気流はインペラ４の外周から排出された後、エアガイド５を経由して電動機２内部に導かれ、前記電動機２内部の界磁巻線１４と電機子巻線１８を冷却した後、反負荷側ブラケット１０の排気口９より排出されるものであった。

特開平４−２３９号公報

しかしながら、前記特許文献１に記載された従来の電動送風機の構成では、ベアリング１６の外輪２３に嫌気性の接着剤２７を塗布してハウジング部１９に挿入する際に、接着剤２７の塗布量が必要以上に多いと外部に漏れ出して、接着剤２７が嫌気性であるため硬
化せずに流動性のある状態となっている場合があった。

その状態で電動送風機１を運転させると、インペラ４によって吸い込まれた気流が反負荷側ブラケット１０内を通過して排気口９より排出される際に、上記の硬化していない接着剤２７を飛散させることになる。

そして、上記飛散した接着剤２７は、電動機２内の整流子１７やカーボンブラシ２０等に付着して整流状態を悪化させたり、カーボンブラシ２０の摺動不良を引き起こしたりするという課題があった。

本発明は、上記従来の課題を解決するもので、接着剤の飛散がなく、信頼性の高い電動送風機及び電気掃除機を提供することを目的とする。

前記従来の課題を解決するために本発明の電動送風機は、界磁コアに界磁巻線を施してなる界磁ユニットと、回転軸に、電機子巻線を施した電機子コアと整流子とベアリングとを圧入固定してなる電機子ユニットと、前記ベアリングを保持するハウジング部をそれぞれ有する負荷側ブラケットと反負荷側ブラケットと、前記回転軸に固定されたインペラと、前記インペラとその外周に配置されたエアガイドを内包するケーシングとを備えた電動送風機において、前記ベアリングは外輪と、内輪と、複数個のボールとで構成されるとともに、前記ハウジング部と前記外輪を多角形にしたもので、ベアリングのクリープ（外輪回り）を防止するためにベアリングの外輪表面に塗布していた接着剤が不要となり、接着剤の飛散による整流子やカーボンブラシへの付着を防止できるので、電動送風機の信頼性を著しく向上させることができるものである。

また、本発明の電動送風機は、界磁コアに界磁巻線を施してなる界磁ユニットと、回転軸に、電機子巻線を施した電機子コアと整流子とベアリングとを圧入固定してなる電機子ユニットと、前記ベアリングを保持するハウジング部をそれぞれ有する負荷側ブラケットと反負荷側ブラケットと、前記回転軸に固定されたインペラと、前記インペラとその外周に配置されたエアガイドを内包するケーシングとを備えた電動送風機において、前記ベアリングは外輪と、内輪と、複数個のボールとで構成されるとともに、前記ベアリングと前記ハウジング部との間に保持部材を配し、前記保持部材の内周部と前記外輪を多角形とし、前記保持部材の外周部を円形としたもので、ハウジング部はプレス加工し易い円形とすることができるので、生産性の低下を防止できるものである。

また本発明の電気掃除機は、塵埃を捕集する集塵室と、前記集塵室に連通して接続される延長管、ホース、吸込み具と、請求項１〜４のいずれか１項に記載の電動送風機を有するもので、信頼性に優れた電気掃除機を提供することができる。

本発明の電動送風機は、ベアリングを固定する接着剤が不要となり、接着剤が飛散して整流子やカーボンブラシに付着して生じる整流不良や、カーボンブラシの摺動不良が無くなるので、信頼性を著しく向上させることができ、またその電動送風機を電気掃除機に搭載することで信頼性に優れた電気掃除機を提供することができる。

本発明の実施の形態１における電動送風機のベアリングの部分破断斜視図 同ベアリングの平断面図 本発明の実施の形態２における電動送風機のベアリングの平断面図 本発明の実施の形態３における電動送風機と保持部材のベアリングの平断面図 本発明の実施の形態４における電気掃除機の全体斜視図 従来の電動送風機の縦半断面図 同電動送風機のベアリングの部分破断斜視図

第１の発明は、界磁コアに界磁巻線を施してなる界磁ユニットと、回転軸に、電機子巻線を施した電機子コアと整流子とベアリングとを圧入固定してなる電機子ユニットと、前記ベアリングを保持するハウジング部をそれぞれ有する負荷側ブラケットと反負荷側ブラケットと、前記回転軸に固定されたインペラと、前記インペラとその外周に配置されたエアガイドを内包するケーシングとを備えた電動送風機において、前記ベアリングは外輪と、内輪と、複数個のボールとで構成されるとともに、前記ハウジング部と前記外輪を多角形にしたもので、ベアリングのクリープ（外輪回り）を防止するためにベアリングの外輪表面に塗布していた接着剤が不要となり、接着剤の飛散による整流子やカーボンブラシへの付着を防止できるので、電動送風機の信頼性を著しく向上させることができるものである。

第２の発明は、界磁コアに界磁巻線を施してなる界磁ユニットと、回転軸に、電機子巻線を施した電機子コアと整流子とベアリングとを圧入固定してなる電機子ユニットと、前記ベアリングを保持するハウジング部をそれぞれ有する負荷側ブラケットと反負荷側ブラケットと、前記回転軸に固定されたインペラと、前記インペラとその外周に配置されたエアガイドを内包するケーシングとを備えた電動送風機において、前記ベアリングは外輪と、内輪と、複数個のボールとで構成されるとともに、前記ベアリングと前記ハウジング部との間に保持部材を配し、前記保持部材の内周部と前記外輪を多角形とし、前記保持部材の外周部を円形としたもので、ハウジング部はプレス加工し易い円形とすることができるので、生産性の低下を防止できるものである。

第３の発明は、特に、第２の発明の保持部材を摩擦係数が大きく弾性力のある材質で形成したもので、ベアリングの振動がハウジング部に伝達することを防止すると共に、保持部材のクリープ防止が図れるものである。

第４の発明は、特に、第２又は第３の発明の保持部材のベアリングと接する内周部を寸法精度の高い硬質の材質で、前記保持部材のハウジング部と接する外周部を摩擦係数の大きい材質でそれぞれ形成したもので、ベアリングの外輪と保持部材の嵌合精度を向上させるとともに、保持部材のクリープ防止が図れるものである。

第５の発明にかかる電気掃除機は、塵埃を捕集する集塵室と、前記集塵室に連通して接続される延長管、ホース、吸込み具と、請求項１〜４のいずれか１項に記載の電動送風機を有するもので、信頼性に優れた電気掃除機を提供することができる。

以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態により本発明が限定されるものではない。

（実施の形態１）
図１は、本発明の実施の形態１における電動送風機のベアリングの部分破断斜視図、図２は、同ベアリングの平断面図である。なお、上記従来の電動送風機と同一構成の部品については、同一符号を付してその説明を省略する。

図１、２において、本実施の形態における電動送風機は、電動機２を構成する電機子ユニット１２の回転軸３に圧入固定されるベアリング１６を構成する外輪２３の外周を多角
形にするとともに、負荷側ブラケット８及び反負荷側ブラケット１０それぞれのハウジング部１９も多角形として、ハウジング部１９とベアリング１６とが嵌合できるようにしたものである。

以上のように構成された本実施の形態における電動送風機の動作について説明すると、電動機２が運転して電機子ユニット１２が高速で回転しても、ベアリング１６の外輪２３とハウジング部１９が多角形となって嵌合しているのでクリープ（外輪周り）することは無く、従来、ベアリング１６のクリープ防止用で使用していた嫌気性の接着剤２７が不要となる。

従って、吸込み気流による接着剤２７の飛散が無くなるので、整流子１７やカーボンブラシ２０に接着剤２７が付着することが無く、整流の悪化やカーボンブラシ２０の摺動不良を防止して電動送風機１の信頼性を著しく向上させることができる。

（実施の形態２）
図３は、本発明の実施の形態２における電動送風機のベアリングの平断面図である。なお、上記実施の形態１における電動送風機および従来の電動送風機と同一構成の部品については同一符号を付し、その説明を省略する。

図３において、本実施の形態における電動送風機は、ベアリング１６とハウジング部１９の間に、内周部２８を多角形、外周部２９を円形とした保持部材３０を配したものである。

上記実施の形態１に記載された電動送風機では、ハウジング部１９をプレス加工で多角形にすることは非常に困難であり、生産性が低下するという問題があった。

そこで、本実施の形態における電動送風機のように、ベアリング１６とハウジング部１９の間に配した保持部材３０で、その内周部２８をベアリング１６の外輪２３と嵌合可能なように多角形にすることで、ベアリング１６のクリープ（外輪回り）を防止するとともに、保持部材３０の外周部２９を円形としているので、ハウジング部１９もプレス加工が容易な円形とすることができ生産性の低下を防止することができる。

従来、ベアリング１６の外輪２３と、ハウジング部１９のはめあいは、外輪２３が変形しないように「すきまばめ」にするのが一般的であったためクリープ（外輪周り）が生じ易かったが、保持部材３０を介することで、保持部材３０の外周部２９とハウジング部１９のはめあいを「しまりばめ」にすることができ、保持部材３０自体がクリープすることは無い。

また、保持部材３０をゴムのような弾性体の材質で形成すると、ベアリング１６の振動がハウジング部１９に伝達し難くなり、電動送風機１の低振動化も図れることは言うまでもない。

（実施の形態３）
図４は、本発明の実施の形態３における電動送風機のベアリングと保持部材の平断面図である。なお、上記実施の形態における電動送風機および従来の電動送風機と同一構成の部品については同一符号を付し、その説明を省略する。

本実施の形態における電動送風機は、図４に示すように、保持部材３０の内周部２８を寸法精度の高い成形が可能な材質とし、外周部２９を摩擦係数の大きい材質としたものである。

上記実施の形態２に記載された電動送風機のように、保持部材３０とハウジング部１９のはめあいを「しまりばめ」にすると、嵌合が硬くなり挿入性が悪くなるという欠点があった。又、保持部材３０をゴムのような弾性体で形成すると、ベアリング１６の中心の位置ずれが発生し、電機子ユニット１２がスムーズに回転できなくなり、異常振動が発生するという問題があった。

そこで本実施の形態では、保持部材３０の内周部２８を寸法精度が高く比較的硬質な材質とし、保持部材３０の外周部２９をハウジング部１９に対してクリープしないよう摩擦係数の大きな材質にすることにより、ベアリング１６の中心の位置ずれを防止し、かつ保持部材３０の挿入性も改善することができるようになり、生産性の向上が図れるようになる。

（実施の形態４）
図５は、本発明の実施の形態４における電気掃除機の全体斜視図である。なお、上記実施の形態における電動送風機および従来の電動送風機と同一構成の部品については同一符号を付し、その説明を省略する。

本実施の形態における電気掃除機は、上記実施の形態１〜３のいずれかに記載された電動送風機１を内蔵した掃除機本体３１と、集塵室（図示せず）と連通した延長管３２と、ホース３３と、吸込み具３４とで構成されている。

本実施の形態における電気掃除機の動作を説明すると、電動送風機１で発生した気流により、吸込み具３４から空気と共に塵埃を吸込み、延長管３２、ホース３３を経由して、集塵室内に内蔵したフィルター（図示せず）で塵埃を捕集することができる。このとき、上記実施の形態における電動送風機１を内蔵しているので、信頼性の高い電気掃除機を提供することができる。

以上のように、本発明にかかる電動送風機は、ベアリングを固定する接着剤が不要となり接着剤の飛散が無くなるため、著しく信頼性の向上が図れるもので、この種の電動送風機を用いる家庭用電化機器、産業機器等の用途にも幅広く適用できる。

１ 電動送風機
２ 電動機
３ 回転軸
４ インペラ
５ エアガイド
６ ケーシング
７ 吸気口
８ 負荷側ブラケット
９ 排気口
１０ 反負荷側ブラケット
１１ 界磁ユニット
１２ 電機子ユニット
１３ 界磁コア
１４ 界磁巻線
１５ 電機子コア
１６ ベアリング
１７ 整流子
１８ 電機子巻線
１９ ハウジング部
２０ カーボンブラシ
２１ 異形管
２２ 保持器
２３ 外輪
２４ 内輪
２５ ボール
２６ シール板
２７ 接着剤
２８ 内周部
２９ 外周部
３０ 保持部材
３１ 掃除機本体
３２ 延長管
３３ ホース
３４ 吸込み具

Claims (5)

1. 界磁コアに界磁巻線を施してなる界磁ユニットと、回転軸に、電機子巻線を施した電機子コアと整流子とベアリングとを圧入固定してなる電機子ユニットと、前記ベアリングを保持するハウジング部をそれぞれ有する負荷側ブラケットと反負荷側ブラケットと、前記回転軸に固定されたインペラと、前記インペラとその外周に配置されたエアガイドを内包するケーシングとを備えた電動送風機において、前記ベアリングは外輪と、内輪と、複数個のボールとで構成されるとともに、前記ハウジング部と前記外輪を多角形にしたことを特徴とした電動送風機。
2. 界磁コアに界磁巻線を施してなる界磁ユニットと、回転軸に、電機子巻線を施した電機子コアと整流子とベアリングとを圧入固定してなる電機子ユニットと、前記ベアリングを保持するハウジング部をそれぞれ有する負荷側ブラケットと反負荷側ブラケットと、前記回転軸に固定されたインペラと、前記インペラとその外周に配置されたエアガイドを内包するケーシングとを備えた電動送風機において、前記ベアリングは外輪と、内輪と、複数個のボールとで構成されるとともに、前記ベアリングと前記ハウジング部との間に保持部材を配し、前記保持部材の内周部と前記外輪を多角形とし、前記保持部材の外周部を円形とした電動送風機。
3. 保持部材を摩擦係数が大きく弾性力のある材質で形成した請求項２に記載の電動送風機。
4. 保持部材のベアリングと接する内周部を寸法精度の高い硬質の材質で、前記保持部材のハウジング部と接する外周部を摩擦係数の大きい材質でそれぞれ形成した請求項２または３に記載の電動送風機。
5. 塵埃を捕集する集塵室と、前記集塵室に連通して接続される延長管、ホース、吸込み具と、請求項１〜４のいずれか１項に記載の電動送風機を有する電気掃除機。

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