JP2015055053A - スパイラル杭基礎 - Google Patents

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常郎 後藤
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Abstract

【課題】 構造物構成部材を固定設置するスパイラル杭基礎の耐力を向上させる。【解決手段】 本発明のスパイラル杭基礎は、支柱又は根太を含む構造物の構成部材1と、該構造物構成部材1の側部に略鉛直に打設されるスパイラル杭2と、該スパイラル杭2の頭部と該構造物構成部材1とを連結する連結部材3と、を備え、連結部材2は、略水平面に対して傾斜してスパイラル杭2の頭部と構造物構成部材1とを連結し、該構造物構成部材1と略水平軸回りに回動可能に接続されている。【選択図】 図2

Description

本発明は、支柱や根太などの構造物構成部材をスパイラル杭により固定する杭基礎に関し、特に、農業用ハウスや観測塔などの簡易構造物を地面に固定設置するに適したスパイラル杭基礎に関する。
平鋼をねじったねじり平鋼などをスパイラル杭として用い、スパイラル杭を地面に略垂直に打設して建物等の構造物の基礎とすることが行われている。
本出願人は、例えば、特許文献1に示すように、ねじり平鋼の頭部にボルトを溶接したスパイラル杭を提案している。
図1には、簡易構造物の支柱や根太などといった構成部材1をスパイラル杭2に接続する方法の一例を示してある。
スパイラル杭2は、ねじり平鋼の杭本体2aと、ねじる平鋼の頭部に立設されたボルト2bと、ボルト2bに螺合するナット2cとを有している。他方、構成部材1にはブラケット1aが取付けられており、ブラケット1aには貫通孔1bが設けられている。
スパイラル杭2は、その軸線回りに回転させることにより、或いは、その頭部を打ち込むことにより、地面に打設される。
そして、スパイラル杭2の地面から突出しているボルト2bを貫通孔1bに通し、ボルト2bにナット2cを締結することで、ブラケット1aを介してスパイラル杭2の頭部を構成部材1に接続する。
なお、特許文献2には、ブラケット1aのようなL字金具を用いて、スパイラル杭の頭部を構成部材に接続する構造が記載されている。
特開2001−323460号公報 特許第4473714号公報
スパイラル杭を用いた基礎は、現場においてコンクリートで基礎工事をする必要なく、短い工期で、低コストに杭基礎を作ることができるため、特に簡易構造物を地面に固定する方法として有用である。
しかしながら、構造物の基礎全般についていえることであるが、強風などの外力に対する耐力の更なる向上が望まれていた。例えば、このような外力により、地面に打設したスパイラル杭が引き抜かれることがないように耐力を向上することが望まれていた。
特に、上記のようにコンクリート工事を必要としないことから、簡易構造物を干潟などといった軟弱な地盤に建てる場合の杭基礎に用いて好適である。
しかしながら、このような場所であると、杭基礎には、強風、更には波浪といった大きな外力が作用することになるため、より一層の耐力向上が望まれていた。
本発明は、上記従来の事情に鑑みなされたものであり、構造物構成部材を固定設置するスパイラル杭基礎の耐力を向上させることを目的としている。
本発明に係るスパイラル杭基礎は、支柱又は根太を含む構造物の構成部材と、該構造物構成部材の側部に略鉛直に打設されるスパイラル杭と、該スパイラル杭の頭部と該構造物構成部材とを連結する連結部材と、を備え、前記連結部材は、略水平面に対して傾斜して前記スパイラル杭の頭部と前記構造物構成部材とを連結し、該構造物構成部材と略水平軸回りに回動可能に接続されていることを特徴とする。
このスパイラル杭基礎によると、構造物構成部材に略鉛直方向へ移動させようとする外力が作用した場合、連結部材が回動してスパイラル杭の頭部に略水平方向へ移動させようとする力を土中の地表近くと杭の先端側に及ぼす。これにより、地面に打設されているスパイラル杭は、地盤に食い付くように圧接される。また、スパイラル杭が変位することで外力の作用方向に対して変位した分スパイラル杭の軸方向に作用する力は水平方向に分力が生じるため小さくなる。したがって、スパイラル杭がより大きな耐力(抵抗力)を作用させて、構造物構成部材の略鉛直方向への移動を防止する。
例えば、構造物構成部材を浮き上がらせようとする外力が作用した場合でも、スパイラル杭の地盤への食い付きにより、スパイラル杭の抜けが阻止されて、構造物構成部材の浮き上がりが阻止される。
そして、スパイラル杭の地盤へ圧接力(食い付きによる耐力)は、スパイラル杭の頭部を略水平方向へ移動させようとする力(幅)が大きいほど大きい。
本発明では、連結部材が略水平面に対して傾斜しているため、連結部材が水平である場合に比べて、構造物構成部材を略鉛直方向へ移動させようとする外力によってスパイラル杭の頭部を略水平方向へ移動させようとする力(幅)が大きい。
したがって、より大きな耐力を得て、スパイラル杭の略鉛直方向への移動を阻止して、構造物構成部材の略鉛直方向への移動を阻止することができる。
なお、連結部材が略水平面に対して傾斜している方向は、スパイラル杭から構造物構成部材に向けて上方であっても、或いは、スパイラル杭から構造物構成部材に向けて下方であってもよく、いずれであっても、上記のように、スパイラル杭の頭部を略水平方向へ大きく移動させるように作用する。
また、本発明では、連結部材は、構造物構成部材に回動可能に直接接続する態様であってもよく、或いは、金具などのブラケットを介して構造物構成部材に回動可能に接続する態様であってもよい。
また、本発明は、種々な構造物の杭基礎として用いることができるが、工期が短い簡単な工事で基礎を構築することができるので、例えば、農作物を栽培する農業用ハウスや、干拓地や干潟に設置される観測塔、ソーラーパネル支持架台などといった簡易構造物の杭基礎に用いて好適である。
また、本発明において、スパイラル杭を接続する構造物の構成部材として、構造物を構成する支柱や根太が挙げられるが、これら支柱や根太は略鉛直方向に伸びる構成部材や略水平方向に伸びる構成部材をいったことを意味するものであり、「支柱」や「根太」といった呼び名によって特段の限定がなされるものではない。要は、本発明は構造物を構成する部材にスパイラル杭を接続する杭基礎として広く用いることができる。
例えば、「根太」は、床板を支持するための横木だけでなく、床材を支持せずに支柱を支持するためなどの横木をも包含するものである。例えば、農作物を栽培するビニールハウス等の床のない簡易構造物の基礎に本発明を適用する場合には、ハウスの支柱を支持するために地面に這わせる横木(根太)を設置固定する杭基礎に適用することができる。
ここで、本発明に係るスパイラル杭基礎では、前記連結部材が、前記スパイラル杭の頭部と略水平軸回りに回動可能に接続されるようにしてもよい。すなわち、連結部材は、構造物構成部材とスパイラル杭とのそれぞれに回動可能に接続されるようにしてもよい。
本発明において、連結部材をスパイラル杭の頭部に固定的に接続した場合には、この接続部が変形に抵抗する力が、構造物構成部材の略鉛直方向への移動を阻止する力として作用する。他方、本発明において、連結部材をスパイラル杭の頭部に回動可能に接続した場合でも、上記のように、スパイラル杭の頭部に略水平方向へ移動させようとする力を及ぼして、構造物構成部材の略鉛直方向への移動を防止する。
すなわち、連結部材をスパイラル杭の頭部に固定的に接続した方が、構造物構成部材の略鉛直方向への移動に対してより大きな抵抗力を発揮すると言うこともできるが、連結部材をスパイラル杭の頭部に回動可能に接続した場合には、この接続部に無理な力が作用しないため耐久性が高くなる利点があるとも言うことができる。
したがって、固定的に接続か、或いは、回動可能に接続するかは、用途や設計上の必要に応じて適宜選択すればよい。
また、本発明に係るスパイラル杭基礎では、前記スパイラル杭は、前記構造物構成部材に対して左右一対で設けられ、前記連結部材は、これらスパイラル杭に対してそれぞれ設けられて、該スパイラル杭の頭部と該構造物構成部材とを連結するようにしてもよい。
このようにすると、構造物構成部材に略鉛直方向へ移動させようとする外力が作用した場合、一対のスパイラル杭には地盤内において互いに離間或いは接近するように力がかかり、大きな抵抗力を発揮する。
また、上記本発明に係るスパイラル杭基礎では、前記連結部材は、前記スパイラル杭から前記構造物構成部材に向けて上方に傾斜して、該スパイラル杭の頭部と該構造物構成部材とを連結するようにしてもよい。
したがって、特に、構造物構成部材の上方への移動(スパイラル杭の抜け)が問題となる場合、構造物構成部材に上方へ移動させようとする外力が作用すると、一対のスパイラル杭には地盤内において互いに接近するように力がかかり、両者間の地盤を挟み込むようにして大きな抵抗力を発揮する。
また、本発明に係るスパイラル杭基礎では、前記構造物構成部材を略鉛直方向へ移動させようとする力が前記連結部材を介して作用することにより、前記スパイラル杭は弾性変形可能としてもよい。
本発明では、スパイラル杭を特段に弾性変形可能とせずとも上記の作用効果を得ることができるが、スパイラル杭の材料や構造等を設計して弾性変形可能として、スパイラル杭の頭部を略水平方向へ移動させようとする力が作用したときに、スパイラル杭が変形してより一層深く地盤に食い付くようにしてもよい。
本発明によると、構造物の構成部材を固定設置するスパイラル杭基礎の耐力を向上させることができる。
スパイラル杭基礎を説明する構造図である。 本発明に係るスパイラル杭基礎の実施例を説明する概略構成図である。 本発明の作用効果を説明する概念図である。 本発明の一実施例に係る構造物構成部材と連結部材との接合部を示す図であり、(a)は正面図、(b)は平面図である。 本発明の一実施例に係るスパイラル杭と連結部材との接合部を示す図である。 本発明の他の一実施例に係るスパイラル杭と連結部材との接合部を示す図であり、(a)は一部破断した正面図、(b)は平面図である。 本発明の作用効果を説明する図であり、(a)は本発明の一実施例を説明する概念図、(b)は本発明の他の一実施例を説明する概念図、(c)は比較例を説明する概念図である。 本発明を適用する観測塔を示す斜視図である。 本発明を適用する観測塔の基礎部分を示す平面図である。
本発明に係るスパイラル杭基礎を、図に示す実施例に基づいて具体的に説明する。
なお、以下の実施例では、スパイラル杭等の構成は図1に例示したものと同様であるので、同様な部分には同一符号を付して重複する説明は省略する。
図2には、本発明を実施する種々な態様例の概要を示してある。
これらいずれの態様例においても、スパイラル杭2が構造物構成部材1の側部の地面Gに略鉛直に打設され、連結部材3が略水平面に対して傾斜してスパイラル杭2の頭部と構造物構成部材1とを連結している。
図2(a)に示す態様例は、構造物の構成部材1の一側部にスパイラル杭2を打設し、スパイラル杭2から構造物構成部材1に向けて上方に傾斜して延在する連結部材3により、スパイラル杭2の頭部と構造物構成部材1とを連結している。
連結部材3の一端は回動接続部4により構造物構成部材1と略水平軸回りに回動可能に接続され、連結部材3の他端は固定接続部5によりスパイラル杭2の頭部に固定的に接続されている。
なお、回動接続部4と固定接続部5の詳細は後述する。
この態様例によると、構造物構成部材1に略鉛直方向(図中の上下方向)へ移動させようとする外力が作用した場合、回動接続部4により、連結部材3が回動してスパイラル杭2の頭部に略水平方向(図中の左右方向)へ移動させようとする力を及ぼす。しかも、連結部材3が略水平面に対して傾斜しているため、連結部材3が水平である場合に比べて、スパイラル杭2の頭部を略水平方向へ移動させようとする力(幅)が大きい。
これにより、地面Gに打設されているスパイラル杭2が地盤に食い付くように圧接され、スパイラル杭2自体及び構造物構成部材1の略鉛直方向への移動を阻止する。
例えば、構造物構成部材1を浮き上がらせようとする外力が作用した場合、連結部材3により、スパイラル杭2の頭部に図中の左方向へ移動させようとする力がかかり、これにより、スパイラル杭2が地盤に食い付くように圧接されて、スパイラル杭2自体及び構造物構成部材1の略鉛直方向への移動が阻止される。
図2(b)に示す態様例は、スパイラル杭2を構造物構成部材1に対して左右一対で設け、連結部材3をこれらスパイラル杭2に対してそれぞれ設けている。
これら連結部材3は、それぞれ、その一端が回動接続部4により構造物構成部材1と略水平軸回りに回動可能に接続され、その他端が固定接続部5によりスパイラル杭2の頭部に固定的に接続されている。
この態様例によっても、図2(a)の態様例と同様に、構造物構成部材1に略鉛直方向へ移動させようとする外力が作用した場合、回動接続部4により、略水平面に対して傾斜した連結部材3が回動してスパイラル杭2の頭部に略水平方向(図中の左右方向)へ移動させようとする大きな力を及ぼす。これにより、地面Gに打設されているスパイラル杭2が地盤に食い付くように強力に圧接され、スパイラル杭2自体及び構造物構成部材1の略鉛直方向への移動を阻止する。
例えば、構造物構成部材1を浮き上がらせようとする外力が作用した場合、連結部材3が上方に傾斜していることにより、一対のスパイラル杭2の頭部に互いに接近する方向へ移動させようとする力がかかり、これにより、これらスパイラル杭2が地盤を挟み込んで食い付くように作用して、スパイラル杭2自体及び構造物構成部材1の略鉛直方向への移動を強力に阻止する。
図2(c)に示す態様例は、同図(a)の態様例とほぼ同様であるが、回動接続部6により、連結部材3の他端をスパイラル杭2の頭部に略水平軸回りに回動可能に接続している点が異なる。
なお、回動接続部6の詳細は後述する。
この態様例によっても、図2(a)の態様例と同様に、構造物構成部材1に略鉛直方向へ移動させようとする外力が作用した場合、回動接続部4により、略水平面に対して傾斜した連結部材3が回動してスパイラル杭2の頭部に略水平方向へ移動させようとする大きな力を及ぼし、これにより、地面Gに打設されているスパイラル杭2を地盤に食い付くように強力に圧接して、スパイラル杭2自体及び構造物構成部材1の略鉛直方向への移動を阻止する。
そして、回動接続部6により、連結部材3がスパイラル杭1の頭部に回動可能に接続されていることから、連結部材3が回動しても、連結部材3とスパイラル杭1との接続部に無理な力が作用せず、当該接続部の耐久性が高められる。
図2(d)に示す態様例は、同図(b)の態様例とほぼ同様であるが、回動接続部6により、各連結部材3の他端をそれぞれスパイラル杭2の頭部に略水平軸回りに回動可能に接続している点が異なる。
この態様例によっても、図2(b)の態様例と同様に、構造物構成部材1に略鉛直方向へ移動させようとする外力が作用した場合、回動接続部4により、連結部材3が回動してスパイラル杭2の頭部に略水平方向(図中の左右方向)へ移動させようとする大きな力を及ぼし、これにより、スパイラル杭2自体及び構造物構成部材1の略鉛直方向への移動を阻止する。特に、図3に示すように、構造物構成部材1を浮き上がらせようとする外力が作用した場合には、一対のスパイラル杭2の頭部に互いに接近する方向へ移動させようとする力がかかり、これにより、これらスパイラル杭2を地盤を挟み込んで食い付くように作用させる。
そして、回動接続部6により、連結部材3が回動しても、連結部材3とスパイラル杭1との接続部に無理な力が作用せず、当該接続部の耐久性が高められる。
図2(e)に示す態様例は、同図(a)の態様例とほぼ同様であるが、連結部材3がスパイラル杭2から構造物構成部材1に向けて下方に傾斜して延在して、スパイラル杭2の頭部と構造物構成部材1とを連結している。
この態様例によっても、図2(a)の態様例と同様に、構造物構成部材1に略鉛直方向へ移動させようとする外力が作用した場合、回動接続部4により、連結部材3が回動してスパイラル杭2の頭部に略水平方向へ移動させようとする力を及ぼす。しかも、連結部材3が略水平面に対して傾斜しているため、連結部材3が水平である場合に比べて、スパイラル杭2の頭部を略水平方向へ移動させようとする力が大きい。
これにより、地面Gに打設されているスパイラル杭2が地盤に食い付くように圧接され、スパイラル杭2自体及び構造物構成部材1の略鉛直方向への移動を阻止する。
なお、この態様例では、連結部材3が下方に傾斜しているため、例えば、構造物構成部材1を浮き上がらせようとする外力が作用した場合、連結部材3により、スパイラル杭2の頭部に図中の右方向へ移動させようとする力がかかる。
図2(f)に示す態様例は、同図(c)の態様例とほぼ同様であるが、連結部材3がスパイラル杭2から構造物構成部材1に向けて下方に傾斜して延在して、スパイラル杭2の頭部と構造物構成部材1とを連結している。
この態様例によっても、図2(c)の態様例と同様に、構造物構成部材1に略鉛直方向へ移動させようとする外力が作用した場合、回動接続部4により、略水平面に対して傾斜した連結部材3が回動してスパイラル杭2の頭部に略水平方向へ移動させようとする大きな力を及ぼす。しかも、連結部材3が略水平面に対して傾斜しているため、連結部材3が水平である場合に比べて、スパイラル杭2の頭部を略水平方向へ移動させようとする力が大きい。そして、回動接続部6により、連結部材3が回動しても、連結部材3とスパイラル杭2との接続部に無理な力が作用せず、当該接続部の耐久性が高められる。
なお、この態様例では、連結部材3が下方に傾斜しているため、例えば、構造物構成部材1を浮き上がらせようとする外力が作用した場合、連結部材3により、スパイラル杭2の頭部に図中の右方向へ移動させようとする力がかかる。
なお、上記以外の態様例として、図2(e)や図2(f)において、スパイラル杭2を構造物構成部材1に対して左右一対で設け、連結部材3をこれらスパイラル杭2に対してそれぞれ設けてもよい。
これらの態様例においても、上記の態様例と同様に、構造物構成部材1に略鉛直方向へ移動させようとする外力が作用した場合、回動接続部4により、略水平面に対して傾斜した連結部材3が回動してスパイラル杭2の頭部に略水平方向へ移動させようとする大きな力を及ぼし、これにより、地面Gに打設されているスパイラル杭2が地盤に食い付くように強力に圧接され、スパイラル杭2自体及び構造物構成部材1の略鉛直方向への移動を阻止する。
図4には、構造物構成部材1と連結部材3とを回動可能に接続する回動接続部4の一例を示してある。図4(a)は回動接続部4の正面図、図3(b)は回動接続部4の平面図である。
なお、ここでは、図2(b)や(d)に示したように一対の連結部材3を備えた態様を例にとって説明するが、図2の他の態様のように1本の連結部材3を備えたものでも同様である。
本例の回動接続部4は、連結部材3の端部を二股状に形成する一方、構造物構成部材1にブラケット7を設け、連結部材3の二股状端部でブラケット7を挟んで、これら連結部材3の二股状端部とブラケット7とに略水平方向に延在する軸8を貫通させ、これによって、連結部材3を構造物構成部材1に略水平軸(軸8)回りに回動可能に接続している。
すなわち、軸8は、連結部材3の二股状端部とブラケット7に形成された貫通孔3a,7aを軸回り回転自在に貫通して、連結部材3と構造物構成部材1とを軸回りに回動可能に接続している。また、軸8の一端には大径部8aが設けられている一方、軸の他端にはナット8bが螺着されて、抜け止めされている。
したがって、この回動接続部4によると、構造物構成部材1に略鉛直方向へ移動させようとする外力が作用した場合、連結部材3の回動により、スパイラル杭2の頭部に略水平方向へ移動させようとする力を及ぼすことができる。
なお、回動接続部4は、本例のものに限らず、公知技術に基づく種々な態様のものを採用することができ、要は、連結部材3を構造物構成部材1に略水平軸回りに回動可能に接続できればよい。
図5には、スパイラル杭2の頭部と連結部材3とを固定的に接続する固定接続部5の一例を示してある。
本例の固定接続部5は、連結部材3の端部に貫通孔3bを形成し、スパイラル杭2の頭部に立設されたボルト2bを貫通孔3bに通し、ボルト2bにナット2cを締結して、連結部材3をスパイラル杭2に固定的に接続している。
したがって、この固定接続部5によると、連結部材3の回動により、スパイラル杭2の頭部に略水平方向へ移動させようとする力を及ぼすことができる。
なお、固定接続部5は、本例のものに限らず、公知技術に基づく種々な態様のものを採用することができ、要は、連結部材3をスパイラル杭2の頭部に固定的に接続できればよい。
図6には、スパイラル杭2の頭部と連結部材3とを回動可能に接続する回動接続部6の一例を示してある。図6(a)は回動接続部6の正面図、図6(b)は回動接続部6の平面図である。
本例の回動接続部6は、一端部が二股状に形成されたブラケット9を用い、ブラケット9の他端部に形成された貫通孔9aにスパイラル杭2のボルト2bを通し、ボルト2bにナット2cを締結して、ブラケット9をスパイラル杭2に固定的に接続している。更に、ブラケット9の二股状部で連結部材3の端部を挟んで、これら二股状部と連結部材3とに略水平方向に延在する軸10を貫通させ、これによって、連結部材3をブラケット9(すなわち、ブラケット9を介してスパイラル杭2の頭部)に略水平軸(軸10)回りに回動可能に接続している。
すなわち、軸10は、ブラケット9の二股状端部と連結部材3に形成された貫通孔9b、3cを軸回り回転自在に貫通して、連結部材3とブラケット9とを軸回りに回動可能に接続している。また、軸10の一端には大径部10aが設けられている一方、軸10の他端にはナット10bが螺着されて、抜け止めされている。
したがって、この回動接続部6によると、上記のように連結部材3が回動しても、連結部材3とスパイラル杭2との接続部に無理な力が作用せず、当該接続部の耐久性が高められる。
なお、回動接続部6は、本例のものに限らず、公知技術に基づく種々な態様のものを採用することができ、要は、連結部材3をスパイラル杭2の頭部に略水平軸回りに回動可能に接続できればよい。
次に、略水平面に対して傾斜した連結部材3でスパイラル杭2と構造物構成部材1とを連結したことによる作用効果を説明する。
図7にはスパイラル杭基礎を模式化して示してあり、(a)は回動接続部4と固定接続部5を用いた例(図2(a),(b)に相当)、(b)は回動接続部4と回動接続部6を用いた例(図2(c),(d)に相当)、(c)は(a)に対する比較例である。
まず、図7(c)に実線で示すように、略水平な連結部材3でスパイラル杭2と構造物構成部材1とを連結した場合において、同図に破線で示すように、構造物構成部材1が略鉛直方向(ここでは、上方)へ移動して回動接続部4の位置が上方へ移動すると、回動接続部4により、連結部材3が回動してスパイラル杭2の頭部が略水平方向(ここでは、右方向)へ幅L’をもって移動する。
他方、図7(a)に実線で示すように、傾斜した連結部材3でスパイラル杭2と構造物構成部材1とを連結した場合において同様に、同図に破線で示すように、構造物構成部材1が上方へ移動して回動接続部4の位置が上方へ移動すると、回動接続部4により、連結部材3が回動してスパイラル杭2の頭部が右方向へ幅Lをもって移動する。
回動接続部4を中心として連結部材3が描く円弧の軌跡の変化から明らかなように、幅Lは幅L’より大きい。すなわち、連結部材3が略水平面に対して傾斜した態様の方が、連結部材3が略水平である態様に比べて、構造物構成部材1に略鉛直方向へ移動させようとする外力が作用した場合、スパイラル杭2の頭部を略水平方向へ移動させようとする力(幅)が大きい。
したがって、連結部材3が傾斜していることにより、スパイラル杭2が地盤により強く食い付くように圧接され、スパイラル杭2自体及び構造物構成部材1の略鉛直方向への移動を強力に阻止する。
なお、図7(b)に示すように回動接続部6を用いた例においても、図7(a)の例と同様である。
また、図7(a),(b)には、連結部材3をスパイラル杭2から構造物構成部材1に向けて上方に傾斜して設けた例を示したが、連結部材3をスパイラル杭2から構造物構成部材1に向けて下方に傾斜して設けた態様にあっても同様に、連結部材3が略水平である態様に比べて、スパイラル杭2の頭部を略水平方向へ移動させようとする力(幅)が大きいことは明らかである。
ここで、図7に示す例では、スパイラル杭2を弾性変形可能なものとして、上記のように、構造物構成部材1を略鉛直方向へ移動させようとする力が連結部材3を介して作用すると、スパイラル杭2が弾性変形して地盤により一層深く食い付くようにしている。
このような弾性変形は、回動接続部6を用いるより、固定接続部5を用いた方が大きくなるため、スパイラル杭2の食い付き度合いを高めて耐力を一層大きくしようとする場合には、スパイラル杭2と連結部材3とを固定接続部5で接続するのが好ましい。
本発明を適用する構造物の一例として、干潟に設置される観測塔が挙げられる。
図8は観測塔の一例を示す斜視図、図9は観測塔の基礎部分を示す平面図である。
この観測塔20は、干潟に設置される枠形の架台21と、架台21の上に構築される観測塔本体22とを有している。
架台21は横木(根太)を組んで構成されており、根太はその側部に打設された多数のスパイラル杭2と連結されて干潟の地面に設置されている。
この架台21の設置に本発明に係るスパイラル杭基礎を適用して、上記のように傾斜した連結部材により各スパイラル杭2と根太とを連結する。
これにより、波浪や風により、観測塔20に浮き上がりや沈み込みさせる外力が作用しても、スパイラル杭2が当該外力に対して強力な抵抗となり、スパイラル杭2自体及び観測塔20の浮き上がりや沈み込みが防止される。
本発明は、農業用ハウスや、干潟などに設置される観測塔、ソーラーパネル支持架台などといった簡易構造物の他、スパイラル杭によって設置固定する構造物の基礎として広く利用することができる。
1:構造物の構成部材
2:スパイラル杭
3:連結部材
4:回動接続部
5:固定接続部
6:回動接続部
20:観測塔
G:地面

Claims (5)

  1. 支柱又は根太を含む構造物の構成部材と、該構造物構成部材の側部に略鉛直に打設されるスパイラル杭と、該スパイラル杭の頭部と該構造物構成部材とを連結する連結部材と、を備え、
    前記連結部材は、略水平面に対して傾斜して前記スパイラル杭の頭部と前記構造物構成部材とを連結し、該構造物構成部材と略水平軸回りに回動可能に接続されていることを特徴とするスパイラル杭基礎。
  2. 請求項1に記載のスパイラル杭基礎において、
    前記連結部材は、前記スパイラル杭の頭部と略水平軸回りに回動可能に接続されていることを特徴とするスパイラル杭基礎。
  3. 請求項1又は2に記載のスパイラル杭基礎において、
    前記スパイラル杭は、前記構造物構成部材に対して左右一対で設けられ、
    前記連結部材は、これらスパイラル杭に対してそれぞれ設けられて、該スパイラル杭の頭部と該構造物構成部材とを連結することを特徴とするスパイラル杭基礎。
  4. 請求項3に記載のスパイラル杭基礎において、
    前記連結部材は、前記スパイラル杭から前記構造物構成部材に向けて上方に傾斜して、該スパイラル杭の頭部と該構造物構成部材とを連結することを特徴とするスパイラル杭基礎。
  5. 請求項1乃至4のいずれか1項に記載のスパイラル杭基礎において、
    前記構造物構成部材を略鉛直方向へ移動させようとする力が前記連結部材を介して作用することにより、前記スパイラル杭は弾性変形可能であることを特徴とするスパイラル杭基礎。
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