JP2015053132A - 電池用包装材料のシーラント層用の樹脂組成物 - Google Patents
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Abstract
Description
項1. アイソタクチック分率(mm)が99%以下であるポリオレフィン系樹脂を含む、電池用包装材料のシーラント層用の樹脂組成物。
項2. 前記ポリオレフィン系樹脂は、エチレン単位の含有量が0.1〜10mol%である、項1に記載の樹脂組成物。
項3. 前記ポリオレフィン系樹脂は、80℃においてn−デカンに可溶な成分量が0.1〜15質量%である、項1または2に記載の樹脂組成物。
項4. 前記ポリオレフィン系樹脂が、構成モノマーとして少なくともプロピレンを含む、項1〜3のいずれかに記載の樹脂組成物。
項5. 少なくとも、基材層、金属層、及びシーラント層をこの順に有する積層体からなる電池用包装材料であって、
前記シーラント層が、項1〜4のいずれかに記載の樹脂組成物により形成された層を含む、電池用包装材料。
項6. 樹脂組成物により形成された層の厚みが、1〜20μmである、項5に記載の電池用包装材料。
項7. 前記シーラント層の厚みが、40μm以下である、項5または6に記載の電池用包装材料。
項8. 少なくとも正極、負極、及び電解質を備えた電池素子が、項5〜7のいずれかに記載の電池用包装材料に封止されてなる、電池。
本発明の樹脂組成物は、例えば後述するような電池用包装材料のシーラント層に用いられる樹脂組成物であって、アイソタクチック分率(mm)が99%以下であるポリオレフィン系樹脂を含む。なお、ポリオレフィン系樹脂のアイソタクチック分率(mm)は、13C核磁気共鳴スペクトルの測定により得られた値である。
本発明の電池用包装材料は、少なくとも、基材層1、金属層3、及びシーラント層4をこの順に有する積層体からなる。図1に示すように、本発明の電池用包装材料は、基材層1と金属層3との間に接着層2を有していてもよい。本発明の電池用包装材料が電池に使用される際には、基材層1が最外層になり、シーラント層4が最内層(電池素子側)になる。電池の組み立て時に、電池素子の周縁に位置するシーラント層4同士を接面させて熱溶着することにより電池素子が密封され、電池素子が封止される。また、本発明の電池用包装材料は、図2に示すように、金属層3とシーラント層4との間に接着層5を有していてもよい。
[基材層1]
本発明の電池用包装材料において、基材層1は最外層を形成する層である。基材層1を形成する素材については、絶縁性を備えるものであることを限度として特に制限されるものではない。基材層1を形成する素材としては、例えば、ポリエステル、ポリアミド、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、フッ素樹脂、ポリウレタン、珪素樹脂、フェノール樹脂、ポリエーテルイミド、ポリイミド、及びこれらの混合物や共重合物等が挙げられる。
本発明の電池用包装材料において、接着層2は、基材層1と金属層3とを接着させるために、必要に応じて設けられる層である。
本発明の電池用包装材料において、金属層3は、包装材料の強度向上の他、電池内部に水蒸気、酸素、光等が侵入するのを防止するためのバリア層として機能する層である。金属層3を形成する金属としては、具体的には、アルミニウム、ステンレス、チタン等の金属箔が挙げられる。これらの中でも、アルミニウムが好適に使用される。包装材料の製造時にしわやピンホールを防止するために、本発明において金属層3として、軟質アルミニウム、例えば、焼きなまし処理済みのアルミニウム(JIS A8021P−O)又は(JIS A8079P−O)等を用いることが好ましい。
本発明の電池用包装材料において、シーラント層4は、最内層に該当し、電池の組み立て時にシーラント層4同士が熱溶着して電池素子を密封する層である。シーラント層4は、本発明の樹脂組成物により形成された1層により構成されていてもよいし、当該樹脂組成物により形成された複数の層により構成されていてもよい。また、シーラント層4は、本発明の樹脂組成物により形成された層に加えて、さらに本発明の樹脂組成物により形成されていない他の層を1層以上有していてもよい。例えば、本発明電池用包装材料において、シーラント層4は、金属層3側に位置する第1シーラント層と、シーラント層4の中でも最内層に位置する第2シーラント層により形成されており、第2シーラント層が本発明の樹脂組成物により形成された層に該当し、第1シーラント層が本発明の樹脂組成物により形成されていない他の層に該当する層構成を有していてもよいし、その逆の層構成などを有していてもよい。
シーラント層4の総厚みとしては、電池用包装材料の高い絶縁性を維持しつつ、シーラント層4をできるだけ薄く形成する観点からは、好ましくは40μm以下、より好ましくは20〜40μmが挙げられる。
電池用包装材料においては、金属層3とシーラント層4を強固に接着させることなどを目的として、金属層3とシーラント層4との間に接着層5をさらに設けてもよい。
本発明の電池用包装材料の製造方法については、所定の組成の各層を積層させた積層体が得られる限り、特に制限されないが、例えば、以下の方法が例示される。
本発明の電池用包装材料は、正極、負極、電解質などの電池素子を密封して収容するための包装材料として使用される。
[電池用包装材料の製造]
二軸延伸ナイロンフィルム(厚さ25μm)からなる基材層の上に、両面に化成処理を施したアルミニウム箔(厚さ40μm)からなる金属層をドライラミネーション法により積層させた。具体的には、アルミニウム箔の一方面に、2液型ウレタン接着剤(ポリエステル系の主剤とイソシアネート系の硬化剤)を塗布し、金属層上に接着層(厚さ4μm)を形成した。次いで、金属層上の接着層と基材層を加圧加熱貼合した後、60℃で24時間のエージング処理を実施することにより、基材層/接着層/金属層の積層体を調製した。なお、金属層として使用したアルミニウム箔の化成処理は、フェノール樹脂、フッ化クロム化合物、及びリン酸からなる処理液をクロムの塗布量が10mg/m2(乾燥重量)となるように、ロールコート法によりアルミニウム箔の両面に塗布し、皮膜温度が180℃以上となる条件で20秒間焼付けすることにより行った。
電池用包装材料を60mm(MD方向)×60mm(TD方向)のシート片に裁断した。次に、これらのシート片をMD方向に2つ折りし、対向する2辺を7mm巾でヒートシールして1辺が開口を有するパウチタイプの外装体を作製した。次に、得られた外装体を、開口する1辺から金属端子が外部に延出するようにセルを含むリチウムイオン電池本体を封入し、電解液を入れ金属端子を挟持しながら、開口部を3mm巾で密封シールして、リチウムイオン電池を作製した。このとき、ヒートシールは、面圧2.0MPa、シール温度170℃、シール時間5.0秒の条件で行なった。次に、得られたリチウムイオン電池のヒートシールした部分を内側に屈曲し、元に戻した。次に、インパルス印加方式(株式会社日本テクナート製、リチウムイオン電池絶縁試験器)を用いて、クラックに対する絶縁性評価試験を実施した。まず、上記リチウムイオン電池を、それぞれ20個用意して、各リチウムイオン電池の負極端子とアルミニウム箔との間に印加電圧100Vのインパルス電圧を印加し、99msec後の電圧降下が20V以内のものを合格とした。合格品の割合を表1に示す。
PPa(1):酸変性ランダムポリプロピレン、融点160℃
PPa(2):酸変性ランダムポリプロピレン、融点140℃
PP(1):ランダムポリプロピレン、融点150℃
PP(2):ランダムポリプロピレン、融点155℃
PP(3):ランダムポリプロピレン、融点140℃
PP(4):ランダムポリプロピレン、融点145℃
PP(5):ランダムポリプロピレン、融点150℃
PP(6):ランダムポリプロピレン、融点155℃
PP(7):ランダムポリプロピレン、融点130℃
PP(8):ランダムポリプロピレン、融点135℃
PP(9):ランダムポリプロピレン、融点156℃
PP(10):ランダムポリプロピレン、融点141℃
PP(11):ランダムポリプロピレン、融点157℃
PP(12):ランダムポリプロピレン、融点138℃
2 接着層
3 金属層
4 シーラント層
5 接着層
Claims (8)
- アイソタクチック分率(mm)が99%以下であるポリオレフィン系樹脂を含む、電池用包装材料のシーラント層用の樹脂組成物。
- 前記ポリオレフィン系樹脂は、エチレン単位の含有量が0.1〜10mol%である、請求項1に記載の樹脂組成物。
- 前記ポリオレフィン系樹脂は、80℃においてn−デカンに可溶な成分量が0.1〜15質量%である、請求項1または2に記載の樹脂組成物。
- 前記ポリオレフィン系樹脂が、構成モノマーとして少なくともプロピレンを含む、請求項1〜3のいずれかに記載の樹脂組成物。
- 少なくとも、基材層、金属層、及びシーラント層をこの順に有する積層体からなる電池用包装材料であって、
前記シーラント層が、請求項1〜4のいずれかに記載の樹脂組成物により形成された層を含む、電池用包装材料。 - 樹脂組成物により形成された層の厚みが、1〜20μmである、請求項5に記載の電池用包装材料。
- 前記シーラント層の厚みが、40μm以下である、請求項5または6に記載の電池用包装材料。
- 少なくとも正極、負極、及び電解質を備えた電池素子が、請求項5〜7のいずれかに記載の電池用包装材料に封止されてなる、電池。
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