JP2015051609A - 印刷装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】インク吸収層を表層に有さない記録媒体への印刷に用いられるインクジェットプリンターにおいて、吐出状態の判定やキャリブレーションを精度良く行う。【解決手段】色材と、樹脂エマルジョンと、を含むインクを記録用紙Pに対して吐出可能な吐出部35と、記録用紙P及び記録用紙P上に吐出されたインクを加熱するプラテンヒーター81と、を備え、プラテンヒーター81から発せられる熱量は、吐出部35からインクが吐出されたか否かを確認するためのテストパターン画像を記録用紙P上に形成する場合より、テストパターン画像以外の画像を記録用紙P上に形成する場合の方が大きい、ことを特徴とするインクジェットプリンター1。【選択図】図3

Description

本発明は、印刷装置に関する。
近年、内部にインクを充填した吐出部からインクを吐出させて、記録媒体上に画像を形成するインクジェットプリンターが各種提案されている。インクジェットプリンターは、紙等の記録媒体への印刷の他に、紙等に比べて耐擦性または耐水性等に優れたポリ塩化ビニル等のプラスチックを表層に有する記録媒体への印刷に用いられることがある。しかし、インクジェットプリンターを、プラスチック等の記録媒体への印刷に用いる場合、プラスチック等の記録媒体には紙等の記録媒体とは異なり表面にインク吸収層(インク受容層)が形成されていないため、吐出されたインクをプラスチック等の記録媒体に安定的に定着させることが困難であり、インクが滲む等の問題が生じることがあった。
このような問題に対応するために、記録媒体上に吐出されたインクを加熱することで、インクをプラスチック等の記録媒体上においても安定的に定着させる技術が提案されている(例えば、特許文献1)。
特開2010−030313号公報
ところで、インクジェットプリンターにおいては、記録媒体上にテストパターンを印刷して、記録媒体上に吐出されたインクにより形成されたテストパターン画像とテストパターンとを比較することで、吐出部におけるインクの吐出状態の判定、例えば、吐出部からインクが吐出されたか否かについての判定、または、記録媒体や吐出部の位置合わせ等のキャリブレーション等を行うことがある。
しかし、プラスチック等の記録媒体は、インクを媒体に定着させるために記録媒体上のインクを加熱すると変形することがある。このため、吐出状態の判定等を目的とするテストパターンの印刷を行う場合に、例えば、吐出状態が正常であっても吐出異常と誤った判定がなされることがある。すなわち、記録媒体上に形成されたテストパターン画像がテストパターンとは異なる場合であっても、当該テストパターン画像とテストパターンとの相違が、吐出部の吐出異常または記録媒体若しくは吐出部の位置ずれ等に起因するものであるのか、あるいは、記録媒体の変形に起因するものであるのかの区別をすることができず、その結果として、吐出部の吐出状態の判定やキャリブレーション等を適切に行えないことがあった。
また、プラスチック等の記録媒体への印刷に用いられるインクジェットプリンターにおいては、印刷画質の向上のため、プラスチック等の記録媒体に対しても安定した印刷を行うことが可能なインクを採用することが不可欠であった。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、その目的の一つは、プラスチック等のインク吸収層を表層に有さない記録媒体への印刷に用いられるインクジェットプリンターにおいて、吐出状態の判定やキャリブレーションを精度良く行う技術を提供することである。
以上の課題を解決するために、本発明に係る印刷装置は、色材と、樹脂エマルジョンと、を含むインクを記録媒体に対して吐出可能な吐出部と、前記記録媒体と前記記録媒体上に吐出された前記インクとを加熱する加熱部と、を備え、前記加熱部から発せられる熱量は、前記吐出部からインクが吐出されたか否かを確認するためのテストパターン画像を前記記憶媒体上に形成する場合より、前記テストパターン画像以外の画像を前記記憶媒体上に形成する場合の方が大きい、ことを特徴とする。
この発明によれば、インクが色材と樹脂エマルジョンとを含み、当該インクを記録媒体上で加熱することで、分散剤として機能していた樹脂エマルジョンが状態変化を起こすため、記録媒体がインク吸収層を有さない媒体である場合においても、記録媒体におけるインクの定着性を確保することができ、インク非吸収性または低吸収性の記録媒体において高品位の印刷が可能となる。
また、この発明によれば、インクの吐出状態を確認するために記録媒体上にテストパターン画像を形成するテスト印刷においてインクに加えられる熱量が、記録媒体にテストパターン画像以外の画像である本番画像を形成する本番印刷においてインクに加えられる熱量よりも小さくなるため、テスト印刷における記録媒体の温度を、本番印刷における記録媒体の温度よりも低く抑えることができる。このため、例えば、記録媒体が、互いに異なる熱膨張率を有する2つの層からなる場合であっても、テスト印刷の際に、記録媒体において前記2つの層の熱膨張率の差異に起因するうねり(cockling)の発生を抑制することができる。これにより、テスト印刷において記録媒体のうねりの影響を排除することが可能となり、テスト印刷の結果に基づいてインクの吐出状態を正確に判定することが可能となる。
また、上述した印刷装置において、前記樹脂エマルジョンのガラス転移温度は、50℃以上150℃以下である、ことを特徴とすることが好ましい。
この態様によれば、樹脂エマルジョンのガラス転移温度が50℃以上150℃以下の範囲にあるため、当該範囲外にある場合と比較して、樹脂エマルジョン同士が会合することを抑制することができ記録安定性の向上、及び、記録物の耐擦性の向上を実現することができる。さらに、150℃以下で状態変化が起こる故、インク非吸収性または低吸収性の記録媒体に対する加熱を150℃以下に抑えることができ、加熱に発生するうねりを抑えることができる。
また、上述した印刷装置において、前記インクは、標準沸点280℃以上のアルキルポリオールを0質量%以上1.0質量%未満の量で含有する、ことを特徴とすることが好ましい。
この態様によれば、インク組成物を用いた記録物の耐擦性が、標準沸点280℃以上のアルキルポリオールにより低下することが抑制され、より耐擦性に優れた記録物を得ることができる。
また、本発明に係る印刷装置は、顔料と、樹脂分散剤と、熱可塑性エマルジョンと、水とを含有し、前記顔料と前記樹脂分散剤との重量比が20:1から5:2までの範囲であり、前記熱可塑性樹脂エマルジョンにおける熱可塑性樹脂成分の軟化/溶融温度が60℃以上100℃以下であるインクを記録媒体に対して吐出可能な吐出部と、前記記録媒体と前記記録媒体上に吐出された前記インクとを加熱する加熱部と、を備え、前記加熱部から発せられる熱量は、前記吐出部からインクが吐出されたか否かを確認するためのテストパターン画像を前記記憶媒体上に形成する場合より、前記テストパターン画像以外の画像を前記記憶媒体上に形成する場合の方が大きい、ことを特徴とする。
この発明によれば、インクに含まれる顔料と樹脂分散剤との重量比が20:1から5:2までの範囲にあるため、当該範囲外にある場合と比較して、インク組成物を放置した場合の顔料の分散安定性の経時劣化の程度を小さく抑えるとともに、インク組成物の乾燥時に必要となる再分散性を高めることができる。
また、この発明によれば、熱可塑性樹脂成分の軟化/溶融温度が60℃以上100℃以下の範囲であるため、当該範囲外の場合と比較して、インクの定着強度を高くすることができる。なお、ここで、「軟化/溶融温度」とは、熱可塑性樹脂のガラス転移点、融点、粘性率が1011ポアズ以上1012ポアズ以下になる温度、軟化点、または最低造膜温度(MFT)のうちの何れかの最も低い温度であればよい。
また、この発明によれば、テスト印刷における記録媒体の温度を、本番印刷における記録媒体の温度よりも低く抑えることができるため、記録媒体が、互いに異なる熱膨張率を有する2つの層からなる場合であっても、テスト印刷の際に、記録媒体において前記2つの層の熱膨張率の差異に起因するうねり(cockling)の発生を抑制することができる。これにより、テスト印刷において記録媒体のうねりの影響を排除することが可能となり、テスト印刷の結果に基づいてインクの吐出状態を正確に判定することが可能となる。
また、上述した印刷装置において、前記インクが含有する樹脂分散剤の重量平均分子量が1600以上25000以下であり、酸価が100以上250以下である、ことを特徴とすることが好ましい。
この態様によれば、酸価が100未満または250よりも大きい場合と比較して、インク組成物の放置安定性を高めることができ、インク組成物の長期放置によりインク組成物中に顔料の凝集物が発生することを抑止することができる。
また、上述した印刷装置において、前記インクは、糖を更に含む、ことを特徴とすることが好ましい。
この態様によれば、インク組成物を増粘し、インク組成物に保湿性を付与することができる。
また、上述した印刷装置において、前記インクは、ポリオキシエチレン基を有するノニオン系界面活性剤を更に含む、ことを特徴とすることが好ましい。
この態様によれば、インクが記録媒体に吐出されて形成される記録物に対して、優れた耐水性、耐擦性、耐マーカー性、及び耐水擦性を付与することができる。
また、上述した印刷装置において、前記インクは、ポリオキシエチレン基を有するアニオン系界面活性剤を更に含む、ことを特徴とすることが好ましい。
この態様によれば、インクが記録媒体に吐出されて形成される記録物に対して、優れた耐水性、耐擦性、耐マーカー性、及び耐水擦性を付与することができる。
ことができる。
また、上述した印刷装置において、前記インクは、ポリオキシエチレン基を有するノニオン系界面活性剤と、ポリオキシエチレン基を有するアニオン系界面活性剤とを更に含む、ことを特徴とすることが好ましい。
また、上述した印刷装置において、前記インクの溶存空気量が14ppm以下である、ことを特徴とすることが好ましい。
この態様によれば、吐出部内部における気泡の発生を抑制することが可能となり、吐出部におけるインクの吐出異常の発生の可能性を低く抑えることができる。
なお、この態様において、前記インクは、糖を更に含むことを特徴としてもよい。
また、上述した印刷装置において、前記インクは、前記加熱部により加熱された記録媒体の有する温度における非蒸発成分を、23重量%以上の量で含有し、更に、分子中にアルコール性水酸基2個以上を有し、かつ1分子中のアルコール性水酸基数(N)と分子量(M)との比(N/M)が0.01以上であるヒドロキシ化合物2種以上を合計で、10重量%以上の量で含有する、ことを特徴とすることが好ましい。
この態様によれば、インクが記録媒体に吐出されて形成される記録物における乾燥不良を防止することができる。
また、上述した態様において、前記インクは、2種類の前記ヒドロキシ化合物として、水溶性高分子化合物と多価アルコールとを含有する、ことを特徴としてもよい。
また、この場合、前記インクは、前記水溶性高分子化合物として、サッカロース、マルチトール、マルトース、グルコン酸、ソルビトール、マンニトール、グルコース、ポリビニルアルコール、アルギン酸ナトリウム、及びポリエチレンオキサイドからなる群から選んだ化合物少なくとも1種を含有する、ことを特徴としてもよい。
また、この場合、前記インクは、前記多価アルコールとして、グリセリン、ジグリセリン、ポリグリセリン、エチレングリコール、ジエチエングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ヘキシレングリコール、及び1,2,6−へキサントリオールからなる群から選んだ化合物少なくとも1種を含有する、ことを特徴としてもよい。
また、この場合、前記インクは、前記顔料と前記熱可塑性樹脂エマルジョンの熱可塑性樹脂成分とを合計で、10重量%以上の量で含有する、ことを特徴としてもよい。
また、この場合、前記インクは、前記顔料と、前記熱可塑性樹脂エマルジョンの熱可塑性成分と、水溶性高分子化合物と、多価アルコールとを合計で,20〜50重量%以上の量で含有し、しかも前記熱可塑性樹脂エマルジョンの熱可塑性樹脂成分と、水溶性高分子化合物と、多価アルコールとの含有量の重量費が10:7.5:12の範囲である、ことを特徴としてもよい。
また、この場合、前記インクは、界面結成剤を0.1重量%以上1重量%以下の量で含有する、ことを特徴としてもよい。
また、上述した印刷装置において、前記インクは、1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オンを含有する、ことを特徴とすることが好ましい。
この態様において、前記インクは、1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オンを0.005重量%以上0.1重量%以下の量で含有する、ことを特徴としてもよい。
また、上述した印刷装置において、前記記録媒体は、インク非吸収性または低吸収性の記録媒体である、ことを特徴とすることが好ましい。
また、上述した印刷装置において、前記記録媒体は、プラスチックを含む、ことを特徴とすることが好ましい。
本発明の第1実施形態に係るインクジェットプリンター1の構成の概要を示す概略図である。 インクジェットプリンター1の構成の概要を示す概略図である。 インクジェットプリンター1の構成を示すブロック図である。 吐出部35の概略的な断面図である。 ヘッド部30が備えるノズルプレート240の概略的な平面図である。 吐出部35Aの概略的な断面図である。 駆動信号Vinの供給時における吐出部35の断面形状の変化を説明するための説明図である。 記録用紙Pにおいて生じるうねりを説明するための説明図である。 テスト印刷処理について説明するための説明図である。 記録用紙Pにおいて生じるうねりのテスト印刷処理に及ぼす影響ついて説明するための説明図である。
以下、本発明を実施するための形態について図面を参照して説明する。ただし、各図において、各部の寸法及び縮尺は、実際のものと適宜に異ならせてある。また、以下に述べる実施の形態は、本発明の好適な具体例であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの形態に限られるものではない。
<A.第1実施形態>
本実施形態では、印刷装置として、インク非吸収性の記録用紙Pにインクを吐出して、当該記録用紙P上に画像を形成するインクジェットプリンターを例示して説明する。
<1.インクジェットプリンターの構成>
以下、図1及び図2を参照しつつ、本実施形態に係るインクジェットプリンター1の構成について説明する。
図1は、インクジェットプリンター1の内部構成の概略を示す斜視図である。また、図2のうち図2(A)は、インクジェットプリンター1の概略を示す断面図であり、図2(B)は、インクジェットプリンター1の要部の概略を示す断面図である。
図1に示すように、インクジェットプリンター1は、往復動する移動体3を備える。移動体3は、M個の吐出部35(図2参照)を具備するヘッド部30と、4個のインクカートリッジ31と、ヘッド部30及び4個のインクカートリッジ31を搭載したキャリッジ32と、を備える(Mは、2以上の自然数)。各吐出部35は、インクカートリッジ31から供給されたインクを内部に充填し、充填したインクをノズルNから吐出することができる。4個のインクカートリッジ31は、イエロー、シアン、マゼンタ、及び、ブラックの4つの色と1対1に対応して設けられたものであり、各インクカートリッジ31には、当該インクカートリッジ31に対応する色のインクが充填されている。M個の吐出部35の各々は、4個のインクカートリッジ31のいずれか1つからインクの供給を受ける。これにより、M個の吐出部35から全体として4色のインクを吐出することが可能となり、フルカラー印刷が実現される。
なお、本実施形態に係るインクジェットプリンター1は、当該4色のインクに対応する4個のインクカートリッジ31を備えるが、本発明はこのような態様に限定されるものではなく、当該4色とは異なる色のインクを充填したインクカートリッジ31を更に備えるものであってもよいし、当該4色のうちの一部の色に対応するインクカートリッジ31のみを備えるものであってもよい。
また、各インクカートリッジ31は、キャリッジ32に搭載される代わりに、インクジェットプリンター1の別の場所に設けられるものであってもよい。
図1に示すように、インクジェットプリンター1は、移動体3を、図においてY軸方向である主走査方向に移動(往復動)させる移動機構4を備える。移動機構4は、移動体3を往復動させる駆動源となるキャリッジモーター41と、その両端が固定されたキャリッジガイド軸44と、キャリッジガイド軸44と平行に延在してキャリッジモーター41により駆動されるタイミングベルト42と、キャリッジモーター41を駆動するためのキャリッジモータードライバー43(図3参照)と、を有している。
移動体3のキャリッジ32は、移動機構4のキャリッジガイド軸44に往復動自在に支持されるとともに、タイミングベルト42の一部に固定されている。そのため、キャリッジモーター41によりタイミングベルト42を正逆走行させると、移動体3がキャリッジガイド軸44に案内されて往復動する。
また、移動機構4は、移動体3の主走査方向における位置を検出するためのリニアエンコーダ45を備える。リニアエンコーダ45は、主走査方向において所定の間隔でストライプ状の模様が印刷されたスケール45aを備える。また、図示は省略するが、キャリッジ32のリニアエンコーダ45側には、一対の発光素子及び受光素子からなるフォトインタラプタが配置されている。
また、図1及び図2に示すように、インクジェットプリンター1は、記録用紙Pを供給・排出するための給紙機構7を備える。給紙機構7は、その駆動源となる給紙モーター71と、給紙モーター71を駆動するための給紙モータードライバー73(図3参照)と、記録用紙Pを設置するトレイ77と、記録用紙Pを排出する排紙口78と、ヘッド部30の下側(−Z方向)に設けられるプラテン74と、給紙モーター71の作動により回転して記録用紙Pを1枚ずつプラテン74上に給紙するための給紙ローラ72及び75と、給紙モーター71の作動により回転してプラテン74上の記録用紙Pを排紙口78へと搬送する排紙ローラ76と、を備える。
図2に示すように、プラテン74は、プラテン74上に搬送された記録用紙Pを加熱するためのプラテンヒーター81(「加熱部」の一例)を備える。
なお、詳細は後述するが、本実施形態に係る記録用紙Pは、インク非吸収性の記録媒体である。より具体的には、記録用紙Pは、紙等の台紙P2上に、プラスチック等のインク非吸収層P1が設けられたものである。
また、インクジェットプリンター1は、吐出部35において吐出異常が生じた場合に、当該吐出部35におけるインクの吐出状態を正常に回復さえるための回復機構84を備える(図3参照)。回復機構84は、図1に示すように、吐出部35のノズルNが形成されたノズルプレート240(図4乃至図6参照)に付着した紙粉等の異物を拭き取るためのワイパー841、ヘッド部30のノズルプレート240を封止するためのキャップ842、吐出部35からインクを予備的に吐出させるフラッシング処理においてインクが吐出されるインク受け部843、等を備える。
ここで、「吐出異常」とは、例えば、吐出部35内部のインクの増粘、吐出部35のノズルN近傍への紙粉の付着、または、吐出部35の内部への気泡の混入等の原因により、吐出部35からインクを吐出できない状態、または、吐出部35からインクを吐出することはできるものの予め定められた着弾位置にインクを着弾できないような状態になることである。
また、「吐出状態が正常」とは、吐出部35において吐出異常が生じていないこと、つまり、吐出部35が予め定められた着弾位置にインクを吐出できる状態であることを示す。
図3は、本実施形態に係るインクジェットプリンター1の構成を示す機能ブロック図である。
インクジェットプリンター1は、M個の吐出部35を具備するヘッド部30と、ヘッド部30を駆動するヘッドドライバー50と、吐出部35において吐出異常が生じた場合に当該吐出部35における吐出状態を正常に回復させるための回復機構84と、を備える。
また、インクジェットプリンター1は、キャリッジモーター41と、キャリッジモーター41を駆動するためのキャリッジモータードライバー43と、給紙モーター71と、給紙モーター71を駆動するための給紙モータードライバー73と、を備える。
また、図3に示すように、インクジェットプリンター1は、プラテン74及びプラテン74上に搬送された記録用紙Pを加熱するためのプラテンヒーター81と、後述するテスト印刷処理において印刷されたテストパターン画像を検出するための検出機構85と、を備える。
なお、検出機構85は、例えば、CCDイメージセンサ等からなる撮像機構を有しており、例えば、図2において排紙口78の上方(+Z方向)に設けられる(図2において図示省略)。そして、検出機構85は、テスト印刷処理において記録用紙Pに形成されたテストパターン画像を撮像し、検出画像データとして制御部6に出力する。
また、図3に示すように、インクジェットプリンター1は、インクジェットプリンター1の各部の動作を制御するための制御部6を備える。
制御部6は、パーソナルコンピューターやデジタルカメラ等のホストコンピューター9から入力された画像データImgに基づいて、移動機構4、給紙機構7、及び、ヘッドドライバー50等を制御することにより、記録用紙P上に画像データImgに応じた画像を形成する印刷処理を実行する。なお、以下では、印刷処理と、テスト印刷処理とを区別するため、前者を特に「本番印刷処理」と称することがある。また、インクジェットプリンター1が記録用紙P上に形成する画像のうち、後述するテスト印刷処理において形成される画像を「テストパターン画像」と称する。また、印刷処理において形成される画像等、インクジェットプリンター1が記録用紙P上に形成する画像のうちテストパターン画像以外の画像を「本番画像」と称する。
具体的には、制御部6は、記録用紙Pを一枚ずつ副走査方向(X軸方向)に間欠送りするようにキャリッジモータードライバー43を介してキャリッジモーター41を制御するとともに、移動体3を記録用紙Pの送り方向(X軸方向)と交差する主走査方向(Y軸方向)に往復動させるように給紙モータードライバー73を介して給紙モーター71を制御し、同時に、各吐出部35からのインクの吐出量及び吐出タイミングをヘッドドライバー50を介して制御する。これにより、制御部6は、記録用紙P上に吐出されたインクにより形成されるドットサイズ及びドット配置を調整し、画像データImgに対応する本番画像を記録用紙P上に形成する印刷処理を実行する。
なお、制御部6は、必要に応じてエラーメッセージや吐出異常等の情報をホストコンピューター9に転送する処理を実行するものであってもよい。
制御部6は、CPU61と、記憶部62とを備える。
記憶部62は、ホストコンピューター9から図示省略したインターフェース部を介して供給される画像データImgをデータ格納領域に格納する不揮発性半導体メモリーの一種であるEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)と、印刷処理等の各種処理を実行する際に必要なデータを一時的に格納し、あるいは印刷処理等の各種処理を実行するための制御プログラムを一時的に展開するRAM(Random Access Memory)と、インクジェットプリンター1の各部を制御する制御プログラム等を格納する不揮発性半導体メモリーの一種であるPROMと、を備える。
CPU61は、ホストコンピューター9から供給される画像データImgを、記憶部62に格納する。
また、CPU61は、画像データImg等の記憶部62に格納されている各種データに基づいて、ヘッドドライバー50の動作を制御して吐出部35を駆動させるための印刷制御信号CtrPと、プラテンヒーター81の動作(プラテンヒーター81の温度または単位時間あたりに出力する熱量)を制御するためのヒーター制御信号CtrHと、を生成し、これら生成した信号を出力する。
また、CPU61は、記憶部62に格納されている各種データに基づいて、キャリッジモータードライバー43の動作を制御するための制御信号、給紙モータードライバー73の動作を制御するための制御信号、回復機構84の動作を制御するための制御信号、及び、検出機構85の動作を制御するための制御信号を生成し、これら生成した各種制御信号を出力する。
ヘッドドライバー50は、制御部6が出力する印刷制御信号CtrPに基づいて、ヘッド部30が備える吐出部35を駆動するための駆動信号Vinを生成する。
プラテンヒーター81は、制御部6が出力するヒーター制御信号CtrHに基づいて、プラテンヒーター81が備える発熱体を加熱することで、プラテン74と、プラテン74上に位置する記録用紙Pを加熱する。
このように、制御部6(CPU61)は、印刷制御信号CtrP、ヒーター制御信号CtrH等の各種制御信号を生成してインクジェットプリンター1の各部に供給することで、インクジェットプリンター1の各部を制御する。
これにより、制御部6(CPU61)は、印刷処理、及び、テスト印刷処理、及び、回復処理等の各種処理を実行する。
ここで、テスト印刷処理とは、吐出部35におけるインクの吐出状態の確認と、移動機構4における移動体3の位置調整及び移動速度の調整、並びに、給紙機構7における記録用紙Pの位置調整及び搬送速度の調整等のキャリブレーションと、のうち少なくとも一方をを実行するために、予め定められたテストパターンを記録用紙Pに印刷し、記録用紙Pに印刷されたテストパターン画像が、前記テストパターンを忠実に再現したものか否かを確認する処理である。
また、回復処理とは、吐出部35におけるインクの吐出異常が生じた場合に、回復機構84を用いて、当該吐出部35のノズルプレート240に付着した紙粉等の異物をワイパー841により拭き取るワイピング処理、当該吐出部35内の増粘したインクや気泡等をチューブポンプ(図示省略)により吸引するポンピング処理、または、当該吐出部35からインクを予備的に吐出させるフラッシング処理等、当該吐出部35のインクの吐出状態を正常に戻すための処理の総称である。
<2.ヘッド部の構成>
次に、図4及び図5を参照しつつ、ヘッド部30、及び、ヘッド部30が備える吐出部35の構成について説明する。
図4は、ヘッド部30が備える各吐出部35の概略的な断面図である。図4に示す吐出部35は、圧電素子200の駆動によりキャビティ245内のインクがノズルNから吐出させるものである。この吐出部35は、ノズルNが形成されたノズルプレート240と、キャビティプレート242と、振動板243と、複数の圧電素子200を積層してなる積層圧電素子201とを備えている。
キャビティプレート242は、所定の形状(凹部が形成されるような形状)に成形され、これにより、キャビティ245およびリザーバ246が形成される。キャビティ245とリザーバ246とは、インク供給口247を介して連通している。また、リザーバ246は、インク供給チューブ311を介してインクカートリッジ31と連通している。
図4において積層圧電素子201の下端は、中間層244を介して振動板243と接合されている。積層圧電素子201には、複数の外部電極248および内部電極249が接合されている。すなわち、積層圧電素子201の外表面には、外部電極248が接合され、積層圧電素子201を構成する各圧電素子200同士の間(または各圧電素子の内部)には、内部電極249が設置されている。この場合、外部電極248と内部電極249の一部が、交互に、圧電素子200の厚さ方向に重なるように配置される。
そして、外部電極248と内部電極249との間に、ヘッドドライバー50より駆動信号Vinを供給することにより、積層圧電素子201が図4の矢印で示すように変形して(図4において上下方向に伸縮して)振動し、この振動により振動板243が振動する。この振動板243の振動によりキャビティ245の容積(キャビティ内の圧力)が変化し、キャビティ245内に充填されたインクがノズルNより吐出する。
インクの吐出によりキャビティ245内のインクが減少した場合、リザーバ246からインクが供給される。また、リザーバ246へは、インクカートリッジ31からインク供給チューブ311を介してインクが供給される。
なお、図4に示すノズルプレート240に形成されたノズルNの配列パターンは、例えば、図5に示すノズル配置パターンのように、段をずらして配置される。また、このノズルN間のピッチは、印刷解像度(dpi:dot per inch)に応じて適宜設定され得るものである。なお、図5では、4色のインク(インクカートリッジ)を適用した場合におけるノズルNの配置パターンを示している。
次に、吐出部の他の例について説明する。本実施形態に係るインクジェットプリンター1は、吐出部35の代わりに、図6に示す吐出部35Aを含んで構成されるものであってもよい。
図6に示す吐出部35Aは、圧電素子200Aの駆動により振動板262が振動し、キャビティ258内のインクがノズルNから吐出するものである。ノズルNが形成されたステンレス鋼製のノズルプレート252には、ステンレス鋼製の金属プレート254が接着フィルム255を介して接合されており、さらにその上に同様のステンレス鋼製の金属プレート254が接着フィルム255を介して接合されている。そして、その上には、連通口形成プレート256およびキャビティプレート257が順次接合されている。
ノズルプレート252、金属プレート254、接着フィルム255、連通口形成プレート256、及び、キャビティプレート257は、それぞれ所定の形状(凹部が形成されるような形状)に成形され、これらを重ねることにより、キャビティ258およびリザーバ259が形成される。キャビティ258とリザーバ259とは、インク供給口260を介して連通している。また、リザーバ259は、インク取り入れ口261に連通している。
キャビティプレート257の上面開口部には、振動板262が設置され、この振動板262には、下部電極263を介して圧電素子200Aが接合されている。また、圧電素子200Aの下部電極263と反対側には、上部電極264が接合されている。ヘッドドライバー50は、上部電極264と下部電極263との間に駆動信号Vinを供給することにより、圧電素子200Aを振動させ、圧電素子200Aに接合された振動板262を振動させる。この振動板262の振動によりキャビティ258の容積(キャビティ内の圧力)が変化し、キャビティ258内に充填されたインクがノズルNより吐出される。
インクが吐出されてキャビティ258内のインク量が減少した場合、リザーバ259からインクが供給される。また、リザーバ259へは、インク取り入れ口261からインクが供給される。
次に、吐出部35(吐出部35A)におけるインクの吐出について、図7を参照しながら説明する。
ヘッドドライバー50から図4(図6)に示す圧電素子200(200A)に駆動信号Vinが供給されると、電極間にクーロン力が発生し、振動板243(262)は、図7(a)に示す初期状態に対して、図4(図6)中の上方向へ撓み、図7(b)に示すようにキャビティ245(258)の容積が拡大する。この状態において、ヘッドドライバー50の制御により、駆動信号Vinの示す電圧を変化させると、振動板243(262)は、その弾性復元力によって復元し、初期状態における振動板243(262)の位置を越えて下方向に移動し、図7(c)に示すようにキャビティ245(258)の容積が急激に収縮する。このときキャビティ245(258)内に発生する圧縮圧力により、キャビティ245(258)を満たすインクの一部が、このキャビティ245(258)に連通しているノズルNからインク滴として吐出される。
<3.記録用紙について>
以下、本実施形態で用いられる記録用紙Pについて説明する。
本実施形態に係る記録用紙Pは、インク非吸収性の記録媒体である。より具体的には、記録用紙Pは、、図8に示すとおり、紙等の基材である台紙P2上に、プラスチックからなるインク非吸収層P1がコーティングされ、または、プラスチックからなるインク非吸収層P1であるプラスチックフィルムが接着された記録媒体である。
ここでいうプラスチックとしては、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリウレタン、ポリエチレン、ポリプロピレン等が挙げられる。
なお、本実施形態に係る記録用紙Pは、プラスチックからなるインク非吸収層P1と紙等の台紙P2とを含んで構成されるが、これは一例に過ぎず、記録用紙Pとしては、例えば、インクジェット記録用に表面処理していない、すなわち、インク吸収層(インク受容層)を形成していないプラスチックフィルム等、インク非吸収層P1のみからなる記録媒体であってもよい。
また、本実施形態に係る記録用紙Pは、インク非吸収性の記録媒体であるが、これは一例に過ぎず、記録用紙Pとしては、インク低吸収性の記録媒体、例えば、アート紙、コート紙、マット紙等の印刷本紙等であってもよい。
ここで、インク非吸収性および低吸収性の記録媒体としては、記録面が、ブリストー(Bristow)法において接触開始から30msecまでの水吸収量が10mL/m以下である記録媒体を示す。このブリストー法は、短時間での液体吸収量の測定方法として最も普及している方法であり、日本紙パルプ技術協会(JAPAN TAPPI)でも採用されている。試験方法の詳細は「JAPAN TAPPI紙パルプ試験方法2000年版」の規格No.51「紙及び板紙−液体吸収性試験方法−ブリストー法」に述べられている。
<4.インクについて>
上述のとおり、本実施形態では、記録用紙Pとしてインク非吸収性(または低吸収性)の記録媒体を用いる。そのため、インクとして、当該記録用紙P上で安定して画像を形成することのできるインクを使用する必要がある。
以下、本実施形態で用いられるインクの組成(インク組成物)について説明する。
本実施形態で用いられるインク組成物は、一例として、色材と、樹脂エマルジョンとを含む。ここで、色材は、顔料であることが好ましい。また、インク組成物として、ワックス粒子をさらに含んでいることが好ましい。
以下、上述したインク組成物に含まれる樹脂エマルジョン及びワックス粒子と、その他、当該インク組成物に含まれることが好適とされる各種成分と、について詳述する。
<4.1.樹脂エマルジョン>
上述のとおり、本実施形態のインク組成物は、樹脂エマルジョンを含む。
樹脂エマルジョンは、樹脂被膜を形成することで、インク組成物を記録用紙Pのインク非吸収層P1上に十分定着させて画像の耐擦性を良好にする効果を発揮する。この効果により樹脂エマルジョンを含有するインク組成物を用いて記録された記録物は、インク非吸収性または低吸収性の記録媒体上で密着性、耐擦性に特に優れたものとなる。
樹脂エマルジョンのガラス転移点(ガラス転移温度)は、50℃以上150℃以下であり、60℃以上120℃以下であることが好ましく、70℃以上100℃以下であることがより好ましい。ガラス転移点が上記範囲内であることにより、樹脂エマルジョン同士が会合することが抑制され記録安定性により優れ、記録物の耐擦性にもより優れる。なお、ガラス転移点は融点と同様に、示差走査熱量計(DSC)により測定することができる。
樹脂エマルジョンとしては、特に限定されないが、例えば、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステル、アクリロニトリル、シアノアクリレート、アクリルアミド、オレフィン、スチレン、酢酸ビニル、塩化ビニル、ビニルアルコール、ビニルエーテル、ビニルピロリドン、ビニルピリジン、ビニルカルバゾール、ビニルイミダゾール、及び、塩化ビニリデンの単独重合体又は共重合体、フッ素樹脂、及び天然樹脂等が挙げられる。中でも、(メタ)アクリル系樹脂及びスチレン−(メタ)アクリル酸共重合体系樹脂のうち少なくともいずれかが好ましく、アクリル系樹脂及びスチレン−アクリル酸共重合体系樹脂のうち少なくともいずれかがより好ましく、スチレン−アクリル酸共重合体系樹脂がさらに好ましい。
なお、上記の共重合体は、ランダム共重合体、ブロック共重合体、交互共重合体、及びグラフト共重合体のうちいずれの形態であってもよい。
樹脂エマルジョンは、市販品を用いてもよく、以下のように乳化重合法等を利用して作製してもよい。インク組成物中の樹脂をエマルジョンの状態で得る方法としては、重合触媒及び乳化剤を存在させた水中で、上述した水溶性樹脂の単量体を乳化重合させることが挙げられる。乳化重合の際に使用される重合開始剤、乳化剤、及び分子量調整剤は従来公知の方法に準じて使用できる。
樹脂エマルジョンの平均粒子径は、インクの保存安定性及び記録安定性を一層良好にするため、好ましくは5nm以上400nm以下の範囲であり、より好ましくは20nm以上300nm以下の範囲である。
樹脂エマルジョンは、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。樹脂の中でも樹脂エマルジョンの樹脂固形分含有量は、インク組成物の総質量(100質量%)に対して、0.1質量%以上15質量%以下であることが好ましく、0.5質量%以上10質量%以下であることがより好ましい。含有量が上記範囲内であることにより、記録物の耐擦性と記録安定性を一層良好にすることができる。
<4.2.ワックス粒子>
本実施形態のインク組成物は、50℃以上170℃以下の融点を有するワックス粒子を含むことが好ましい。ワックス粒子は、表面の滑り性が良好な皮膜を形成する。そのため、本実施形態のインク組成物がワックス粒子を含む場合、当該インク組成物を用いて形成された記録物は耐擦性に優れる。
ワックス粒子の融点は、50℃以上170℃以下であり、90℃以上140℃以下であることがより好ましい。融点が上記範囲であることにより、耐擦性により優れる記録物を得ることができる。なお、融点は、示差走査熱量計(DSC)により測定することができる。また、ワックス粒子の融点は、例えば、そのワックス粒子を構成する複数の構成単位の比率を調整することで制御することができる。
ワックス粒子の種類は、特に限定されないが、ポリエチレンワックス粒子及びポリプロピレンワックス粒子のうち少なくとも一方を含であると良い。
ワックス粒子のインク組成物中への添加量としては、インク組成物の全質量を基準として、ワックス固形分として0.1質量%以上2.0質量%以下が好ましく、0.2質量%以上1.0質量%以下がより好ましい。添加量が上記範囲内であることにより、耐擦性により優れる。
ワックス粒子の平均粒子径は、0.02μm以上0.5μm以下が好ましく、0.04μm以上0.3μm以下がより好ましい。平均粒子径が上記範囲であることにより、耐擦性により優れる。なお、本願発明における平均粒子径は特に断りが無い限りレーザー回折・散乱法により測定された体積基準の平均粒子径である。
ワックス粒子の固形分総量と、樹脂エマルジョンの固形分総量との質量比は、1:5から5:2までの範囲であることが好ましく、2:5から2:1までの範囲であることがより好ましく、1:2から3:2までの範囲であることがさらに好ましい。上記範囲であることにより、耐擦性に一層優れる記録物を与え、高温記録時においても耐擦性の劣化が更に抑制され、かつ記録安定性にもより優れる。
<4.3.標準沸点280℃以上のアルキルポリオール>
本実施形態に係るインク組成物は、標準沸点280℃以上のアルキルポリオールを実質的に含まない。ここで、「実質的に含まない」とは、「所定の成分を添加する意義を十分に達成する量を超えて添加しない程度」の意味である。インク組成物における標準沸点280℃以上のアルキルポリオールの含有量は、インク組成物の全質量に対して、0質量%以上1.0質量%未満が好ましく、0質量%以上0.5質量%未満がより好ましく、0質量%以上0.1質量%未満がさらに好ましく、0質量%以上0.05質量%未満がよりさらに好ましく、0質量%以上0.01質量%未満がさらにより好ましく、0質量%以上0.001質量%未満が最も好ましい。含有量が上記範囲であることにより、インク組成物を用いた記録物の耐擦性や乾燥性が、標準沸点280℃以上のアルキルポリオールにより低下することが抑制され、より耐擦性及び乾燥性に優れた記録物を得ることができる。
<4.4.非プロトン性極性溶媒>
本実施形態に係るインク組成物は、非プロトン性極性溶媒をさらに含むことが好ましい。非プロトン性極性溶媒を含むことにより、顔料等の固着を抑制することができ、耐目詰まり性に優れるものとなる。また、塩化ビニル等の記録媒体に対しての定着性を向上させる効果がある。
非プロトン性極性溶媒としては、特に限定されないが、例えば、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ジメチルホルムアミド(DMF)、ヘキサメチルホスホラスアミド(HMPA)、ピロリドン系溶媒、ラクトン、ジオキサン等が挙げられる。非プロトン性極性溶媒は、1種単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
このなかでもピロリドン系溶媒を用いることにより、インク組成物の定着性をより向上させることができる。ピロリドン系溶媒としては、特に限定されないが、具体的には、N−メチル−2−ピロリドン、N−エチル−2−ピロリドン、N−ビニル−2−ピロリドン、2−ピロリドン、N−ブチル−2−ピロリドン、5−メチル−2−ピロリドンが挙げられる。これらは、1種単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
非プロトン性極性溶媒のインク中への添加量としては、1.0質量%以上30質量%以下が好ましく、2質量%以上25質量%以下がより好ましく、一層好ましくは12質量%以上25質量%以下である。添加量が上記範囲内であることにより、インク中のワックスおよび樹脂成分の分散安定および相溶性により優れる。
<4.5.その他の成分>
本実施形態に係るインク組成物は、水溶性樹脂、水、有機溶剤、界面活性剤、消泡剤、樹脂分散剤、グリコールエーテル類、pH調整剤、防腐剤・防かび剤、防錆剤、キレート化剤等を含有することができる。本実施形態で用いるインク組成物は、これらの成分を含有していると、その特性がさらに向上する場合がある。
本実施形態のインク組成物は、水溶性樹脂をさらに含むことが好ましい。水溶性樹脂としては、特に限定されないが、例えば、アクリル樹脂、スチレンアクリル樹脂、ロジン変性樹脂、フェノール樹脂、テルペン系樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、塩化ビニル酢酸ビニル共重合体樹脂、セルロースアセテートブチレート等の繊維系樹脂、ビニルトルエン−α−メチルスチレン共重合体樹脂が挙げられる。これらの水溶性樹脂は、1種単独で用いても、2種以上を併用してもよい。水溶性樹脂を含むことにより、記録用紙P上に形成された画像の光沢性が向上する。
本実施形態のインク組成物は、水を含むことが好ましい。水は、インク組成物の主となる媒体であり、乾燥により蒸発飛散する成分である。水は、イオン交換水、限外濾過水、逆浸透水、蒸留水等の純水又は超純水のようなイオン性不純物を極力除去したものであることが好ましい。また、紫外線照射又は過酸化水素添加等により滅菌した水を用いると、顔料分散液及びこれを用いたインク組成物を長期保存する場合にカビやバクテリアの発生を防止することができるので好適である。水を含む場合、環境性及び画像乾燥性の観点から、水の含有量は50質量%以上である事が好ましい。
本実施形態のインク組成物は、沸点150℃以上250℃以下の有機溶剤をさらに含んでもよい。沸点150℃〜250℃の有機溶剤は、インク非吸収性又は低吸収性の記録媒体上で加熱により蒸発して、記録媒体にインクを定着させることができる。
沸点150℃〜250℃の有機溶剤としては、特に限定されないが、例えば、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,2−ペンタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,6−ヘキサンジオールが挙げられる。
例えば、本実施形態のインク組成物は、以下の表1に示されるように、顔料固形分としてC.I.ピグメントブルー15:3を4.0重量%と、分散剤樹脂としてスチレン−アクリル酸系水溶性樹脂を1.0重量%と、バインダ固形分としてガラス転移点が80℃のスチレン−アクリル酸系樹脂エマルジョンを1.0重量%と、ワックス固形分として融点135℃のポリエチレンワックスを0.1重量%及び融点103℃のポリエチレンワックスを0.5重量%と、溶剤として1,2−ヘキサンジオールを6.0重量%及び2−ピロリドンを15.0重量%と、界面活性剤としてシリコン系界面活性剤を0.5重量%と、水とを含むものであってもよい。
Figure 2015051609
<5.テスト印刷処理>
次に、本実施形態に係る印刷処理について説明したうえで、テスト印刷処理について説明する。
上述のとおり、本実施形態における記録用紙Pは、表面にインク吸収層が形成されていないインク非吸収性(またはインク低吸収性)の記録媒体である。そのため、本実施形態に係る印刷処理は、プラテンヒーター81により記録用紙Pを所定の範囲内の温度となるように加熱したうえで、当該加熱された記録用紙P上にインクを吐出させることで、記録用紙P上におけるインクの定着性を高める。より具体的には、本実施形態に係る印刷処理では、インクが吐出されるときの記録用紙Pの温度を、30℃以上60℃以下の範囲内、好ましくは45℃以上60℃以下の範囲内、より好ましくは45℃以上55℃以下の範囲内に加熱する。印刷処理における記録用紙Pの温度が上記範囲内であることにより、ワックス粒子、樹脂エマルジョンの凝集による固着が抑制され、記録安定性を優れたものとすることができる。
なお、本実施形態の印刷処理は、吐出部35が記録用紙Pに対してインクを吐出するときの記録用紙Pの温度が上記範囲となるように記録用紙Pを加熱するが、インクが記録用紙Pに付着した後に、インクが付着した記録用紙Pを更に加熱するものであってもよい。
インクが付着した後に記録用紙Pを加熱する場合、記録用紙Pの温度を80℃以上120℃以下に加熱することが好ましく、80℃以上110℃以下に加熱することがより好ましく、85℃以上110℃以下に加熱することがさらに好ましい。このように、インクが記録用紙Pに付着した後に、記録用紙Pを更に加熱することで、記録物の耐擦性の劣化を抑制することができる。
インクが付着した後に記録用紙Pを加熱する場合、インクジェットプリンター1は、図2において、ヘッド部30の下側(−Z方向)に設けられるプラテンヒーター81に加え、プラテンヒーター81よりも+X側に設けられるヒータ(アフターヒーター)を更に備えるものであることが好ましい。
なお、本明細書において、加熱温度とは、インク組成物と接触する記録用紙Pの表面の温度を意味する。これらの温度は、市販のサーモグラフィ装置を用いて測定可能である。すなわち、インクジェットプリンター1は、サーモグラフィ装置を備えるものであってもよい。サーモグラフィ装置の具体例として、赤外線サーモグラフィ装置H2640/H2630〔商品名〕(NEC Avio赤外線テクノロジー社(NEC Avio Infrared Technologies Co., Ltd.)製)が挙げられる。
また、本実施形態において、プラテンヒーター81等による記録用紙Pの加熱は、記録用紙Pのうちインクが付着する付着面とは反対側から記録用紙Pを加熱するが、付着面側から加熱してもよいし、両側から加熱してもよい。
記録用紙Pは、上述のとおり、互いに熱膨張率の異なる2つの層(インク非吸収層P1及び台紙P2)を含んで構成される。よって、記録用紙Pを加熱する場合、記録用紙Pのうちインク非吸収層P1において生じる熱膨張における膨張率と、台紙P2において生じる熱膨張における膨張率との相違により、図8に示すような用紙変形、即ちうねり(cockling)が生じる場合がある。
以下、テスト印刷処理について説明したうえで、記録用紙Pにおいてうねりが生じた場合の、当該うねりのテスト印刷処理への影響を説明する。
図9は、テスト印刷処理について説明するための説明図である。なお、この図においては、記録用紙Pにうねりが生じない場合を想定している。
本実施形態では、テスト印刷処理として、ヘッド部30(移動体3)を一の方向(+Y方向または+Y方向)に移動させつつ記録用紙P上にテストパターンを印刷して行うテスト(以下、「テストA」と称する)と、ヘッド部30を往復動(+Y方向及び+Y方向)に移動させつつ記録用紙P上にテストパターンを印刷して行うテスト(以下、「テストB」と称する)と、を例示して説明する。
これら、テストA及びテストBを含むテスト印刷処理では、記録用紙P上にテストパターンが印刷された後に、記録用紙P上に吐出されたインクにより形成された複数のドットDtで表されるテストパターン画像を検出機構85により読み取り、読み取られたテストパターン画像とテストパターンとを比較し、比較結果に基づいて、吐出部35におけるインクの吐出状態の確認や移動体3若しくは記録用紙Pの位置若しくは速度等の調整を行う。
図9の(A−1)及び(A−2)は、テスト印刷処理のうちテストAを表す説明図である。このうち(A−1)は、テストAにおける1個の吐出部35の動きと記録用紙Pとを断面視方向(X軸が延在する方向)から表した概念図である。この図では、+Y方向に移動する各吐出部35が、記録用紙P上の位置Ypがy1、y2、y3、及び、y4となる位置のそれぞれにドットDtを形成するために、インクを4回吐出する場合を表している。また、(A−2)は、テストAにおいて記録用紙P上に形成されたドットDt(テストパターン画像)を、平面視方向(Z軸が延在する方向)から表している。
なお、図9の(A−1)では、図示の都合上、1個の吐出部35のみの動きを図示してるが、図9に示す例は、ヘッド部30がX軸方向に一列に配列された11個の吐出部35を備える場合を想定する。つまり、この例では、図9の(A−2)に示すように、11個の吐出部35の各々から4回ずつインクが吐出され、44個のドットDtが形成される場合を例示する。また、この例におけるテストパターンは、記録用紙P上の位置Ypがy1、y2、y3、及び、y4であって、X軸に平行な4つの直線である場合を想定する。
図9の(A−1)及び(A−2)に示すテストAでは、テストパターンにより指定される着弾位置(Yp=y1、y2、y3、y4)に、正確にドットDtが形成された場合を例示している。この場合、CPU61は、吐出部35における吐出状態が正常であると判断し、また、記録用紙P及び移動体3の位置及び速度の設定が適切であると判断する。
なお、テストAで、テストパターンの指定する着弾位置とは異なる位置にドットDtが形成された場合、CPU61は、吐出部35において吐出異常が生じていると判断して回復処理を実行し、または、記録用紙Pまたは移動体3の位置または速度の設定が不適切であると判断してこれらを再調整することで、テスト印刷処理の後に実行される印刷処理における印刷の精度を向上させる。
図9の(B−1)及び(B−2)は、テスト印刷処理のうちテストBを表す説明図である。このうち(B−1)は、テストBにおける1個の吐出部35の動きと記録用紙Pとを断面視方向から表した概念図である。この図では、往復動する1個の吐出部35が、記録用紙P上の位置Ypがy0となる位置にドットDtを形成するために、往路及び復路において1回ずつインクを吐出する場合を表している。また、(B−2)は、テストBにおいて記録用紙P上に形成されたドットDt(テストパターン画像)を表している。
また、テストBでも、テストAと同様に、ヘッド部30がX軸方向に一列に配列された11個の吐出部35を備える場合を想定する。
図9の(B−1)及び(B−2)に示すテストBでは、テストパターンとして指定される着弾位置(Yp=y0)に、正確にドットDtが形成された場合を例示している。この場合、CPU61は、吐出部35における吐出状態が正常であると判断し、また、記録用紙P及び移動体3の位置及び速度の設定が適切であると判断する。
なお、テストBで、テストパターンの指定する着弾位置とは異なる位置にドットDtが形成された場合、CPU61は、移動体3の位置または移動速度の設定が不適切であると判断してこれらを再調整することで、テスト印刷処理の後に実行される印刷処理における印刷の精度を向上させる。
図10は、テスト印刷処理が実行されるときに、記録用紙Pにおいてうねりが生じている場合を例示している。このうち、図10の(A−1a)及び(A−2a)は、図9の(A−1)及び(A−2)に示すテストAにおいて記録用紙Pにうねりが生じている場合を例示しており、図10の(B−1a)及び(B−2a)は、図9の(B−1)及び(B−2)に示すテストBにおいて記録用紙Pにうねりが生じている場合を例示している。
例えば、図10の(A−1a)及び(A−2a)に例示するように、テストAにおいて記録用紙Pにうねりが生じている場合、テストパターンの指定する着弾位置Yp=Y2、Y3とは異なる位置Yp=Y2e、Y3eにインクが着弾する。
同様に、図10の(B−1a)及び(B−2a)に例示するように、テストBにおいて記録用紙Pにうねりが生じている場合、テストパターンの指定する着弾位置Yp=Y0とは異なる位置Yp=Y0a、Y0bにインクが着弾する。
このため、記録用紙Pにうねりが生じている場合にテスト印刷処理が実行されると、仮に吐出部35における吐出状態が正常であっても回復処理を実行し、また、仮に記録用紙P及び移動体3の位置及び速度の設定が適切であってもこれらの設定を変更してしまう。その結果、テスト印刷処理を実行することにより、印刷処理における印刷の精度(画質等)が低下する等の弊害が生じる可能性が高い。
そこで、本実施形態では、CPU61は、テスト印刷処理において記録用紙Pのうねりの発生を防止するために、テスト印刷処理における記録用紙P(または、記録用紙P上のインク)の温度が、印刷処理における記録用紙P(または、記録用紙P上のインク)の温度よりも低くなるように、プラテンヒーター81の動作を制御する。
換言すれば、プラテンヒーター81は、テスト印刷処理において記録用紙P(または、記録用紙P上のインク)に加える熱量が、印刷処理において記録用紙P(または、記録用紙P上のインク)に加える熱量よりも小さくなるように、記録用紙Pを加熱する。
より具体的には、プラテンヒーター81は、テスト印刷処理における記録用紙Pの温度を、20℃以上45℃以下、より好ましくは、25℃以上30℃以下となるように加熱する。
これにより、テスト印刷処理を実行する場合に、記録用紙Pにうねりが生じることを防止することができ、その結果として、吐出部35の吐出状態の判定や、移動体3及び記録用紙Pの位置または速度のキャリブレーション等を、精度良く実行することができる。
以上において説明したように、本実施形態では、色材と、樹脂エマルジョンとを含むインクを、記録用紙P上で加熱するため、当該インク以外のインクを使用する場合または記録用紙Pを加熱しない場合と比較して、インク非吸収層P1におけるインクの定着性を高め、インク吸収層を有さない記録用紙Pにおける高品位の印刷を可能とする。
また、本実施形態では、テスト印刷処理において、印刷処理よりも低い温度となるように記録用紙Pを加熱するため、テスト印刷処理において行われる、吐出部35の吐出状態の判定や、移動体3の位置等に係るキャリブレーションを精度良く実行することが可能とし、結果として高品位の印刷が可能となる。
<B.第2実施形態>
上述した第1実施形態に係るインクジェットプリンター1は、色材と、樹脂エマルジョンとを含むインクを使用するのであった。
これに対して第2実施形態に係るインクジェットプリンターは、顔料と、樹脂分散剤と、熱可塑性樹脂エマルジョンと、水とを含むインクを使用する。
なお、第2実施形態に係るインクジェットプリンターは、第1実施形態に係るインクとは異なるインクを使用する点を除き、第1実施形態に係るインクジェットプリンター1と同様に構成される。
なお、以下に例示する各形態において作用や機能が第1実施形態と同等である要素については、以上の説明で参照した符号を流用して各々の詳細な説明を適宜に省略する(以下で説明する変形例についても同様)。
以下、第2実施形態に係るインクの組成(インク組成物)について、説明する。
第2実施形態に係るインク組成物においては、顔料として、有機顔料または無機顔料を用いることができる。無機顔料としては、酸化チタン及び酸化鉄や、コンタクト法、ファーネスト法、またはサーマル法などの公知の方法によって製造されたカーボンブラックを利用することができる。有機顔料としては、アゾ顔料、多環式顔料、染料キレート、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、またはアニリンブラックなどを利用することができる。これらの顔料の内、水と親和性のよい顔料を用いるのが好ましい。
第2実施形態に係るインク組成物において、顔料の含有量は、インク組成物全体に対して、好ましくは0.1重量%以上10重量%以下、より好ましくは0.5重量%以上5重量%以下である。含有量を0.1重量%以上にすることにより、充分な印字濃度を確保することができ、含有量を10重量%以下にすることにより、インクの粘度特性に構造粘性を生じさせずに、一層充分な吐出安定性を確保することができる。また、0.5〜5重量%とすることにより、特に吐出安定性の耐久性を向上させることができる。
第2実施形態に係るインク組成物は、前記顔料をインク組成物内で微粒子状で分散安定化させることのできる樹脂分散剤を含む。使用することのできる樹脂分散剤としては、例えば、親水性部分と疎水性部分とを分子中に有する共重合体樹脂であり、重量平均分子量(以下、単に分子量と称す)が1600以上25000以下で、酸価が100以上250以下の共重合体樹脂、特にスチレンアクリル酸共重合体樹脂を用いるのが好ましい。分子量が1600〜25000で、しかも酸価の値が100〜250の範囲以外の共重合体樹脂を使用すると、インク組成物の長期放置により、インク組成物中に顔料の凝集物が発生することがある等、インク組成物の放置安定性を確保することができないという問題が起こる場合がある。
第2実施形態に係るインク組成物において、顔料と樹脂分散剤との重量比(顔料:樹脂分散剤)は20:1から5:2までの範囲内である。樹脂分散剤の含有量がこの比率より低くなると、インク組成物を放置した場合の顔料の分散安定性が経時的に劣化し、凝集が発生したり、粘度特性が劣化したりする。樹脂分散剤の含有量が前記の比率より高くなると、インク組成物の乾燥時に必要となる再分散性を得ることができない。
第2実施形態に係るインク組成物に含まれる熱可塑性樹脂エマルジョンは、水媒質中に熱可塑性樹脂を分散したものである。当該熱可塑性樹脂エマルジョンにおける熱可塑性樹脂成分としては、インクジェットプリンターにおいて従来から使用されている熱可塑性樹脂エマルジョンと同様の熱可塑性樹脂成分を使用することができる。熱可塑性樹脂としては、具体的には、アクリル系重合体や、ポリオレフィン系重合体、酢酸ビニル系重合体、または酢酸ビニル系含有共重合体、ポリ塩化ビニル若しくはその共重合体、ポリ塩化ビニリデン、フッ素樹脂、ポリクロロプレン、または天然高分子樹脂等を用いることができる。
また、第2実施形態に係るインク組成物に含まれる熱可塑性樹脂エマルジョンにおける熱可塑性樹脂成分は、「軟化/溶融温度」が好ましくは50℃以上150℃以下、より好ましくは60℃以上100℃以下のものである。なお、本明細書において「軟化/溶融温度」とは、熱可塑性樹脂のガラス転移点、融点、粘性率が1011ポアズ以上1012ポアズ以下になる温度、軟化点、または最低造膜温度(MFT)のうちの何れかの最も低い温度を意味するものとする。
このような熱可塑性樹脂エマルジョンを含有するインク組成物を用いる場合、それ以外のインク組成物を用いる場合と比較して、記録用紙Pに対するインクの定着強度を高くすることができる。
なお、第2実施形態に係るインク組成物を使用する場合、インクの記録用紙Pへの定着は、熱可塑性樹脂エマルジョンの樹脂成分の「軟化/溶融温度」を越える温度で行われる。そのため、第2実施形態では、印刷処理において、プラテンヒーター81は、記録用紙Pを、インクの定着が十分となる温度、すなわち、熱可塑性樹脂エマルジョンの樹脂成分の最低造膜温度(MFT)以上であり、インク組成物溶媒を乾燥するのに十分な温度とする。この場合、熱エネルギーが付与されて記録用紙P上に定着したインク組成物は十分な耐水性、及び耐擦過性等の印字堅牢性を有する。
また、第2実施形態に係るインク組成物における熱可塑性樹脂成分の含有量は、インク組成物全体に対して、好ましくは0.2重量%以上20重量%以下、より好ましくは7重量%以上20重量%以下である。含有量を0.2重量%以上にすることによって、一層良好な印字品質を確保することができ、含有量を20重量%以下にすることによって、インク組成物の粘度を適切に抑えることができる。
また、第2実施形態に係るインク組成物は、主溶媒として水を含む。従来から、インク組成物用溶媒としては、低粘度であること、安全性に優れること、取扱が容易であること、コストが安いこと、あるいは臭気が無いこと等の理由から、主に水が用いられる。
また、第2実施形態に係るインク組成物は、糖類を更に含むものであってもよい。糖類を含むことにより、インク組成物を増粘し、インク組成物に保湿性を付与することができる。
また、第2実施形態に係るインク組成物は、ポリオキシエチレン基をその分子骨格中に有するノニオン系界面活性剤を含むものであってもよい。ノニオン系界面活性剤を含むことにより、印字後に、優れた耐水性、耐擦性、耐マーカー性、及び耐水擦性を付与することができる。このノニオン系界面活性剤の含有量は、インク組成物全体に対して、好ましくは12重量%以下、より好ましくは0.05重量%以上10重量%以下である。12重量%よりも多いと泡立ちが激しくなることがあり、0.05重量%未満となると被記録媒体上でのインクの広がり不足が起きることがある。
また、第2実施形態に係るインク組成物は、ポリオキシエチレン基をその分子骨格中に有するアニオン系界面活性剤を含むものであってもよい。ノニオン系界面活性剤を含むことにより、優れた吐出安定性と、印字物の耐擦性、または耐水性を付与することができる。このノニオン系界面活性剤の含有量は、インク組成物全体に対して、好ましくは12重量%以下、より好ましくは0.05重量%以上10重量%以下である。12重量%よりも多いと泡立ちが激しくなることがあり、0.05重量%未満となると被記録媒体上でのインクの広がり不足が起きることがある。
また、第2実施形態に係るインク組成物は、ポリオキシエチレン基をその分子骨格中に有するノニオン系界面活性剤と、ポリオキシエチレン基をその分子骨格中に有するアニオン系界面活性剤とを同時に含有するものであってもよい。
また、第2実施形態に係るインク組成物は、親水性高沸点低揮発性溶媒(水溶性有機溶媒)を含むことができる。親水性高沸点低揮発性溶媒を含有することにより、ノズルの耐目詰まり性、保湿性、分散安定性を向上させることができる。
また、第2実施形態に係るインク組成物は、インク組成物中の溶存空気量、すなわち、溶存酸素と溶存窒素との和を14ppm以下に調整したものであることが好ましい。これにより、吐出部35におけるインクの温度が例えば、80℃以上に上昇するであっても、吐出部35のキャビティ245において気泡の発生を抑制することが可能となる。
インク組成物の溶存空気量を14ppm以下に抑える方法は、特に限定されるものではないが、例えば、通常の方法で調製したインク組成物を、密閉容器内で希薄空気と接触させることによって溶存空気量を制御することができる。
また、第2実施形態に係るインク組成物は、以下の(a)及び(b)を充足するものであることが好ましい。
(a)加熱された記録媒体の加熱温度における非蒸発成分を、インク組成物全重量に対して23重量%以上の量で含有し、更に、
(b)分子中にアルコール性水酸基2個以上を有し、かつ1分子中のアルコール性水酸基数(N)と分子量(M)との比(N/M)が0.01以上であるヒドロキシ化合物2種類以上を合計で、インク組成物全重量に対して10重量%以上の量で含有する。
インク組成物が、上記(a)及び(b)を充足する場合、吐出部35における吐出異常を生ずることなく、印画直後の乾燥不良を防止することができ、更に周囲環境に影響されることなく高品質画像を得ることができる。以下、上記(a)及び(b)を充足するインク組成物を、ヒドロキシ化合物含有インク組成物と称することがある。
ヒドロキシ化合物含有インク組成物においては、加熱された記録用紙Pの加熱温度における非蒸発成分を、インク組成物全重量に対して好ましくは23重量%以上、より好ましくは25重量%以上35重量%以下とすることにより、加熱された記録用紙P上にインク組成物が付着した際に、加熱による急速な増粘現象を得ることができ、その結果として、高品質画像を得ることができる。
更に、前記の非蒸発成分の内の非水溶性成分として、水中に分散された顔料と熱可塑性樹脂エマルジョンの樹脂成分とを合計で、非蒸発成分量に対して、好ましくは10重量%以上、より好ましくは20重量%以上50重量%以下とすることにより、より早くインクを増粘させることができる。なお、前記の非蒸発成分には、顔料及び熱可塑性樹脂エマルジョンの樹脂成分以外に、例えば、顔料の分散剤等が含まれる。
また、第2実施形態に係るインク組成物は、ヒドロキシ化合物含有インク組成物に用いることのできる2種の前記ヒドロキシ化合物として、水溶性高分子化合物と多価アルコールとを含むことが好ましい。水溶性高分子化合物としては、サッカロース、マルチトール、マルトース、グルコン酸、ソルビトール、マンニトール、グルコース、ポリビニルアルコール、アルギン酸ナトリウム、及びポリエチレンオキサイドからなる群から選んだ化合物少なくとも1種を用いることができる。多価アルコールとしては、グリセリン、ジグリセリン、ポリグリセリン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ヘキシレングリコール、及び1,2,6−ヘキサントリオールからなる群から選んだ化合物少なくとも1種を用いることができる。
また、第2実施形態に係るインク組成物のうち、ヒドロキシ化合物含有インク組成物は、界面活性剤を含むものであってもよい。当該界面活性剤としては、例えば、アニオン界面活性剤、ノニオン界面活性剤等であってもよい。界面活性剤1種またはそれ以上を用いることにより、印画直後の乾燥性をさらに均一化することができ、乾燥ムラ防止に効果的である。界面活性剤の含有量としては、0.1重量%以上1重量%以下が好ましい。含有量が1重量%を越えると、起泡性が大きくなり、吐出安定性を損なわせる危険性が生じるからである。
また、第2実施形態に係るインク組成物は、1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オンを含むものであってもよい。これにより、インク組成物の分散系が不安定にすることなく、カビや微生物等の異物の発生を抑制することができ、異物によりインク組成物の吐出特性の低下等の弊害の発生を防止することができる。インクにおける1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オンの含有量は、インク組成物全重量に対して、好ましくは0.0001重量%以上0.5重量%以下、より好ましくは0.005重量%以上0.1重量%以下である。含有量が0.0001重量%未満になると所望の効果を得ることができず、0.5重量%を越えると、有害性が発生してしまうことがある。
<C.変形例>
以上の各形態は多様に変形され得る。具体的な変形の態様を以下に例示する。以下の例示から任意に選択された2以上の態様は、相互に矛盾しない範囲内で適宜に併合され得る。
<変形例1>
上述した実施形態では、ヘッド部30の主走査方向と記録用紙Pが搬送される副走査方向が異なるシリアルプリンターを一例として説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、ヘッド部30の幅が記録用紙Pの幅以上の幅となるラインプリンターであってもよい。
この場合、記録用紙Pは、長尺状のロール紙であってもよい。例えば、長尺状の台紙と、台紙上に配置された複数のラベルを備えるものであってもよい。
<変形例2>
上述した実施形態及び変形例において、プラテンヒーター81は、テスト印刷処理における記録用紙Pの温度が、印刷処理における記録用紙Pの温度よりも低くなるように、印刷処理及びテスト印刷処理の双方において記録用紙Pを加熱するが、本発明はこのような態様に限定されるものではなく、プラテンヒーター81は、印刷処理においてのみ記録用紙Pを加熱し、テスト印刷処理においては記録用紙Pを加熱しない(つまり、テスト印刷処理が実行されるときはプラテンヒーター81をオフする)ものであってもよい。
<変形例3>
上述した実施形態及び変形例において、プラテンヒーター81は、テスト印刷処理における記録用紙Pの温度が、印刷処理における記録用紙Pの温度よりも低くなるように、記録用紙Pを加熱することで、テスト印刷処理を実行するときに記録用紙Pにおいてうねりが生じることを防止するものであるが、本発明はこのような態様に限定されるものではなく、テスト印刷処理における記録用紙Pの温度を、印刷処理における記録用紙Pの温度よりも高くなるように加熱することで、テスト印刷処理が実行されるときに記録用紙Pを伸ばし切った状態(うねりが生じていない状態)として、テスト印刷処理を実行するものであってもよい。
<変形例4>
上述した実施形態及び変形例において、インクジェットプリンター1は、プラテン74に設けられたプラテンヒーター81を備えるが、本発明はこのような態様に限定されるものではなく、記録用紙Pがプラテン74に搬送される前に記録用紙Pを加熱するプリヒーター(プラテンヒーター81よりも−X側に設けられるヒーター)、及び、記録用紙Pがプラテン74から排紙口78に搬送される間に記録用紙Pを加熱するアフターヒーター(プラテンヒーター81よりも+X側に設けられるヒーター)のうち、少なくとも一方を更に備えるものであってもよい。
1……インクジェットプリンター、3……移動体、4……移動機構、6……制御部、7……給紙機構、9……ホストコンピューター、30……ヘッド部、31……インクカートリッジ、32……キャリッジ、35……吐出部、41……キャリッジモーター、43……キャリッジモータードライバー、50……ヘッドドライバー、61……CPU、62……記憶部、71……給紙モーター、73……給紙モータードライバー、74……プラテン、81……プラテンヒーター、84……回復機構、85……検出機構、N……ノズル、P……記録用紙。

Claims (14)

  1. 色材と、樹脂エマルジョンと、を含むインクを記録媒体に対して吐出可能な吐出部と、
    前記記録媒体と前記記録媒体上に吐出された前記インクとを加熱する加熱部と、
    を備え、
    前記加熱部から発せられる熱量は、
    前記吐出部からインクが吐出されたか否かを確認するためのテストパターン画像を前記記憶媒体上に形成する場合より、前記テストパターン画像以外の画像を前記記憶媒体上に形成する場合の方が大きい、
    ことを特徴とする印刷装置。
  2. 前記樹脂エマルジョンのガラス転移温度は、
    50℃以上150℃以下である、
    ことを特徴とする請求項1に記載の印刷装置。
  3. 前記インクは、標準沸点280℃以上のアルキルポリオールを0質量%以上1.0質量%未満の量で含有する、
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の印刷装置。
  4. 顔料と、樹脂分散剤と、熱可塑性エマルジョンと、水とを含有し、前記顔料と前記樹脂分散剤との重量比が20:1から5:2までの範囲であり、前記熱可塑性樹脂エマルジョンにおける熱可塑性樹脂成分の軟化/溶融温度が60℃以上100℃以下であるインクを記録媒体に対して吐出可能な吐出部と、
    前記記録媒体と前記記録媒体上に吐出された前記インクとを加熱する加熱部と、
    を備え、
    前記加熱部から発せられる熱量は、
    前記吐出部からインクが吐出されたか否かを確認するためのテストパターン画像を前記記憶媒体上に形成する場合より、前記テストパターン画像以外の画像を前記記憶媒体上に形成する場合の方が大きい、
    ことを特徴とする印刷装置。
  5. 前記インクが含有する樹脂分散剤の重量平均分子量が1600以上25000以下であり、酸価が100以上250以下である、
    ことを特徴とする請求項4に記載の印刷装置。
  6. 前記インクは、糖を更に含む、
    ことを特徴とする請求項4または5に記載の印刷装置。
  7. 前記インクは、ポリオキシエチレン基を有するノニオン系界面活性剤を更に含む、
    ことを特徴とする請求項4または5に記載の印刷装置。
  8. 前記インクは、ポリオキシエチレン基を有するアニオン系界面活性剤を更に含む、
    ことを特徴とする請求項4または5に記載の印刷装置。
  9. 前記インクは、
    ポリオキシエチレン基を有するノニオン系界面活性剤と、
    ポリオキシエチレン基を有するアニオン系界面活性剤とを更に含む、
    ことを特徴とする請求項4または5に記載の印刷装置。
  10. 前記インクの溶存空気量が14ppm以下である、
    ことを特徴とする請求項4または5に記載の印刷装置。
  11. 前記インクは、
    前記加熱部により加熱された記録媒体の有する温度における非蒸発成分を、23重量%以上の量で含有し、
    更に、分子中にアルコール性水酸基2個以上を有し、かつ1分子中のアルコール性水酸基数(N)と分子量(M)との比(N/M)が0.01以上であるヒドロキシ化合物2種以上を合計で、10重量%以上の量で含有する、
    ことを特徴とする請求項4または5に記載の印刷装置。
  12. 前記インクは、
    1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オンを含有する、
    ことを特徴とする請求項4または5に記載の印刷装置。
  13. 前記記録媒体は、インク非吸収性または低吸収性の記録媒体である、
    ことを特徴とする請求項1乃至12のうち何れか1項に記載の記録装置。
  14. 前記記録媒体は、プラスチックを含む、
    ことを特徴とする請求項1乃至13のうち何れか1項に記載の記録装置。
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