JP2015051530A - 透明導電性フィルム用表面保護フィルム及び透明導電性フィルム - Google Patents

透明導電性フィルム用表面保護フィルム及び透明導電性フィルム Download PDF

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Abstract

【課題】透明導電性フィルムの材質及び製造ロットによる収縮量のバラツキがあっても、安定して反りを軽減できる透明導電性フィルム用表面保護フィルム及びそれを用いた透明導電性フィルムの提供。【解決手段】0.6%以上の収縮率Aを示すフィルム層A12及び0.6%未満の収縮率Bを示すフィルム層B14が粘着剤層13を介して重ね合わされたプラスチックフィルム15と、プラスチックフィルム15のフィルム層A12又はフィルム層B14の側に設けられる粘着剤層11とを有する透明導電性フィルム用表面保護フィルム及びそれを用いた透明導電性フィルム。【選択図】図1

Description

本発明は、透明導電性フィルム用表面保護フィルム及び透明導電性フィルムに関する。
一般的に、透明導電性フィルムは、ポリエステル等の基材フィルムの一方の面にインジウムと錫の酸化物(Indium Tin Oxide、ITO)薄膜等を含む透明導電性層を、他方の面にハードコート層、アンチグレア層等を形成した構成となっている。このような透明導電性フィルムには、製造工程内でのキズの発生、異物及び汚れの付着等を防止するために表面保護フィルムが用いられている。
透明導電性フィルムに対しては、例えばタッチパネルの製造に用いられる場合、ITOの特性を安定させるために行われる120℃〜150℃で30分〜90分間の結晶化処理工程、電極を形成するための銀ペースト印刷で行われる90℃〜150℃でトータル1時間〜1.5時間の乾燥工程等、複数の加熱工程が実施される。
透明導電性フィルムに対して加熱工程を実施した場合、表面保護フィルムの粘着力が上昇する場合がある。また、透明導電性フィルムと表面保護フィルムとの収縮率が異なると、反りの発生する場合がある。
表面保護フィルムの粘着力の上昇に対応するため、例えば特許文献1には150℃で1時間加熱したあとに10m/分の高速でも剥離することができる表面保護フィルムが提案されている。また、反りの改善を目的として、特許文献2には透明導電性フィルムとの線膨張係数の差を20ppm/℃以内に調整した表面保護フィルムが提案されている。さらに、特許文献3にはMD(Machine Direction)方向とTD(Transverse Direction)方向の150℃30分加熱後の熱収縮率を0.5%以下とした第1のフィルムと、透明導電性フィルムとの線膨張係数の差が40ppm/℃以下の第2のフィルムとを積層した表面保護フィルムが提案されている。
特許第4151821号明細書 特許第3310408号明細書 特開平11−268168号公報
表面保護フィルムの粘着力が著しく上昇した場合、表面保護フィルムを透明導電性フィルムから剥がせなくなる問題が生ずることがある。この問題に対応するため、特許文献1に記載の表面保護フィルムは、150℃で1時間処理しても問題なく剥離できる粘着力に調整されているものの、透明導電性フィルムと表面保護フィルムの収縮率の差が大きい場合に反りが発生しITO薄膜を損傷する問題が生じることがある。
透明導電性フィルムは、ポリエチレンテレフタレートフィルムの片面に透明導電性層を形成したものが一般的である。通常、透明導電性フィルムは回路加工を施して使用されるが、スマートフォン等の画面が高精細化してきたことにより、透明導電性フィルムの回路加工も高精細化が要求されている。
タッチパネルは透明導電性フィルムを2枚使ってセンサーとして機能させており、安定した動作にするためには回路加工の位置精度が重要となる。ポリエチレンテレフタレートフィルムは高温環境下に置かれると熱収縮が起こるため、位置精度が重要な用途に透明導電性フィルムが使用される場合は、意図的に透明導電性フィルムを熱収縮させるアニール処理を行って事前に熱収縮率を小さくする方法がとられている。
このように、透明導電性フィルムは要求特性によって熱収縮率が異なることがあるため、表面保護フィルムと透明導電性フィルムとの間の熱収縮率を合わせておかないと、収縮率が大きい方へ反りが発生してしまうことがある。
このような問題を解決するための表面保護フィルムとして、特許文献2は、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルイミド、ポリエーテルケトン等のガラス転移温度が120℃以上のプラスチックフィルムを透明導電性フィルムと表面保護フィルムの両方に使用することを提案している。ガラス転移温度が高いフィルムは150℃で熱収縮しにくいため、収縮率の差が生じにくく反りの発生が抑制される効果が得られやすい。しかし、ガラス転移温度が高いプラスチックフィルムは高価なためコストがかかり、市場競争力が低下するという問題があった。
特許文献3では、透明導電性フィルムと、該透明導電性フィルムと線膨張係数の近い第2のフィルムとの間に、熱収縮率の小さい第1のフィルムを介在させることを提案している。この発明には透明導電性フィルムとの線膨張係数の差が40ppm/℃以下である第2のフィルムが必要であり、透明導電性フィルムの材質及び製造条件の違いによって変動する線膨張係数に個別に調整しなければならず、生産効率の悪化によりコストが高くなる問題があった。
本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、透明導電性フィルムの材質及び製造ロットによる収縮量のバラツキがあっても、安定して反りを軽減できる透明導電性フィルム用表面保護フィルム及びそれを用いた透明導電性フィルムを提供することを目的とする。
前記課題を達成するための具体的手段は以下の通りである。
<1> 基体と前記基体の一方の面に設けられる導電性層とを有し、150℃で1時間加熱したときのMD方向の収縮率として収縮率Cを示す透明導電性フィルムの表面を保護する透明導電性フィルム用表面保護フィルムであり、
150℃で1時間加熱したときのMD方向の収縮率として0.6%以上の収縮率Aを示すフィルム層A及び150℃で1時間加熱したときのMD方向の収縮率として0.6%未満の収縮率Bを示すフィルム層Bが重ね合わされたプラスチックフィルムと、
前記収縮率Cと前記収縮率Aとの差の絶対値(差CA)及び前記収縮率Cと前記収縮率Bとの差の絶対値(差CB)を比較したときに、前記差CAが大きい場合には前記プラスチックフィルムにおける前記フィルム層Aの側に、前記差CBが大きい場合には前記プラスチックフィルムにおける前記フィルム層Bの側に設けられる第一の粘着剤層と、
を有し、
前記透明導電性フィルムの前記導電性層の設けられる側とは反対の面に前記第一の粘着剤層を介して貼付される透明導電性フィルム用表面保護フィルム。
<2> 前記フィルム層A及び前記フィルム層Bがポリエチレンテレフタレートフィルムであり、前記フィルム層Aと前記フィルム層Bとが、第二の粘着剤層を介して重ね合わされる<1>に記載の透明導電性フィルム用表面保護フィルム。
<3> 前記透明導電性フィルムに貼付した状態で、150℃で1時間加熱した後に、前記透明導電性フィルムから剥離する際、剥離角度180度、剥離速度0.3m/分で測定した粘着力と、剥離角度180度、剥離速度60m/分で測定した粘着力とが、共に0.40N/25mm以下である<1>又は<2>に記載の透明導電性フィルム用表面保護フィルム。
<4> 前記プラスチックフィルムにおける前記第一の粘着剤層の設けられた側の面に、前記第一の粘着剤層を介して二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムがセパレータとして貼付された<1>〜<3>のいずれか1項に記載の透明導電性フィルム用表面保護フィルム。
<5> 基体と前記基体の一方の面に設けられる導電性層とを有し、
前記基体の前記導電性層の設けられる側とは反対の面に、<1>〜<4>のいずれか1項に記載の透明導電性フィルム用表面保護フィルムが、前記第一の粘着剤層を介して貼付された透明導電性フィルム。
<6> 前記基体の前記導電性層の設けられる側とは反対の面に、ハードコート層、アンチグレア層又はアンチニュートンリング層が設けられ、前記ハードコート層、前記アンチグレア層又は前記アンチニュートンリング層の表面に前記透明導電性フィルム用表面保護フィルムが、前記第一の粘着剤層を介して貼付された<5>に記載の透明導電性フィルム。
本発明によれば、透明導電性フィルムの材質及び製造ロットによる収縮量のバラツキがあっても、安定して反りを軽減できる透明導電性フィルム用表面保護フィルム及びそれを用いた透明導電性フィルムを提供することができる。
本発明の保護フィルムの層構成を表す断面図であり、図1(a)は、フィルム層A側に第一の粘着剤層が設けられた態様を、図1(b)は、フィルム層B側に第一の粘着剤層が設けられた態様をそれぞれ示す。 本発明の保護フィルムの貼付された本発明の透明導電性フィルムの層構成を表す断面図であり、図2(a)は、フィルム層A側に設けられた第一の粘着剤層を介して本発明の保護フィルムが本発明の透明導電性フィルムに貼付された態様を、図2(b)は、フィルム層B側に設けられた第一の粘着剤層を介して本発明の保護フィルムが本発明の透明導電性フィルムに貼付された態様をそれぞれ示す。 試験片の反り量の測定方法を説明するための図である。
以下、本発明の透明導電性フィルム用表面保護フィルム及びそれを用いた透明導電性フィルムを説明する。
なお、本明細書において「〜」を用いて示された数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値をそれぞれ最小値及び最大値として含む範囲を示す。
<透明導電性フィルム用表面保護フィルム>
本発明の透明導電性フィルム用表面保護フィルム(以下、本発明の保護フィルムと称することがある)は、基体と前記基体の一方の面に設けられる導電性層とを有し、150℃で1時間加熱したときのMD(Machine Direction)方向の収縮率として収縮率Cを示す透明導電性フィルムの表面を保護する透明導電性フィルム用表面保護フィルムであり、150℃で1時間加熱したときのMD方向の収縮率として0.6%以上の収縮率Aを示すフィルム層A及び150℃で1時間加熱したときのMD方向の収縮率として0.6%未満の収縮率Bを示すフィルム層Bが重ね合わされたプラスチックフィルムと、前記収縮率Cと前記収縮率Aとの差の絶対値(差CA)及び前記収縮率Cと前記収縮率Bとの差の絶対値(差CB)を比較したときに、前記差CAが大きい場合には前記プラスチックフィルムにおける前記フィルム層Aの側に、前記差CBが大きい場合には前記プラスチックフィルムにおける前記フィルム層Bの側に設けられる第一の粘着剤層と、を有し、前記透明導電性フィルムの前記導電性層の設けられる側とは反対の面に前記第一の粘着剤層を介して貼付されるものである。
本発明の保護フィルムを用いることで、透明導電性フィルムの材質及び製造ロットによる収縮量のバラツキがあっても、安定して反りを軽減できる。その理由は明確ではないが、以下のように推察される。
フィルムを150℃に加熱したときの反り応力は、隣接した2種類のフィルムの収縮率に差がある場合に発生する。収縮率の小さいフィルムから収縮率が大きいフィルムに向かって反り応力が働くため、単層プラスチックフィルムを使用した表面保護フィルムの場合は、透明導電性フィルムとの収縮率差がそのまま反り応力に関係してくる。従って、フィルムの材質及び製造ロットのバラツキにより収縮率差が大きくなると反り量も大きくなってしまうことがある。
本発明の場合、保護フィルムを構成するプラスチックフィルムが2層になっており、透明導電性フィルムに本発明の保護フィルムを貼付した状態では、フィルムが合計で3層になった状態となる。この場合の反り応力は、透明導電性フィルムと、保護フィルムを構成する2層のプラスチックフィルムのうちの透明導電性フィルムと相対する側のフィルム層と、の収縮率差による応力、及び、保護フィルムを構成する2層のプラスチックフィルムのうちの透明導電性フィルムと相対する側とは反対側のフィルム層と、透明導電性フィルムと相対する側のフィルム層と、の収縮率差(つまり、保護フィルムを構成する2層のプラスチックフィルムの収縮率差)による応力の和となる。
本発明においては、透明導電性フィルムを150℃で1時間加熱したときのMD方向の収縮率を収縮率Cとし、プラスチックフィルムを構成する2層のフィルム層のうちの150℃で1時間加熱したときのMD方向の収縮率が0.6%以上のフィルム層Aの収縮率を収縮率Aとし、150℃で1時間加熱したときのMD方向の収縮率が0.6%未満のフィルム層Bの収縮率を収縮率Bとする。そして、収縮率Cと収縮率Aとの差の絶対値(差CA)及び収縮率Cと収縮率Bとの差の絶対値(差CB)を比較したときに、(ケース1)差CAが大きい場合にはプラスチックフィルムにおけるフィルム層Aの側に、(ケース2)差CBが大きい場合にはプラスチックフィルムにおけるフィルム層Bの側に第一の粘着剤層を設ける。次いで、透明導電性フィルムの導電性層の設けられる側とは反対の面に第一の粘着剤層を介して本発明の保護フィルムを該透明導電性フィルムに貼付する。
上記ケース1について検討すると、各フィルムは、透明導電性フィルム、フィルム層A及びフィルム層Bの順となる。差CBに比較して差CAが大きい場合には、フィルム層Aの収縮率Aが最も大きい。そこで、収縮率の最も大きいフィルム層Aの両面に透明導電性フィルムとフィルム層Bとを配置することで、透明導電性フィルムとフィルム層Aとの間の応力の差及びフィルム層Aとフィルム層Bとの間の応力の差が緩和される。
上記ケース2について検討すると、各フィルムは、透明導電性フィルム、フィルム層B及びフィルム層Aの順となる。差CAに比較して差CBが大きい場合には、フィルム層Bの収縮率Bが最も小さい。そこで、収縮率の最も小さいフィルム層Bの両面に透明導電性フィルムとフィルム層Aとを配置することで、透明導電性フィルムとフィルム層Bとの間の応力の差及びフィルム層Aとフィルム層Bとの間の応力の差が緩和される。
なお、差CA及び差CBが同じ場合には、プラスチックフィルムにおけるフィルム層A及びフィルム層Bのどちら側に透明導電性フィルムを設けても、応力の差の緩和の程度は同程度であるため、プラスチックフィルムにおけるフィルム層A及びフィルム層Bのいずれか一方の側に第一の粘着剤層を介して透明導電性フィルムを設ければよい。
例えば、透明導電性フィルムの収縮率が0.4%、フィルム層Aの収縮率が0.6%及びフィルム層Bの収縮率が0.4%の場合、保護フィルムは収縮率差が大きいフィルム層Aの片面に粘着剤層を形成し、フィルム層Aのもう一方の面にフィルム層Bが重ね合わされることになる。この場合、透明導電性フィルムとフィルム層Aとの間にはフィルム層Aの側に収縮率差が0.2%分の反り応力が生ずる。また、フィルム層Aとフィルム層Bとの間には、フィルム層Aの側に収縮率差が0.2%分の反り応力が生ずる。これら二つの反り応力を合算すると、透明導電性フィルムとフィルム層Aとの間に生ずるフィルム層Aの側に向かう反り応力と、フィルム層Aとフィルム層Bとの間に生ずるフィルム層Aの側に向かう反り応力とは互いに打ち消しあうことになる。
仮に、収縮率差が小さいフィルム層Bの片面に粘着剤層を形成し、フィルム層Bのもう一方の面にフィルム層Aが重ね合わされた構成とした場合、フィルム層Aとフィルム層Bとの間には、フィルム層Aの側に収縮率差が0.2%分の反り応力が生じ、透明導電性フィルムとフィルム層Bとの間には反り応力が生じない。その結果として、透明導電性フィルムからフィルム層Aに向かって収縮率差が0.2%分の反り応力が生ずることとなるため、収縮率差が大きいフィルム層Aの片面に粘着剤層を介して透明導電性フィルムを設けた場合よりも反り量が大きくなる。
また、各々のフィルムの収縮率がバラツキにより変動しても、その変動量よりも隣接するフィルム間の収縮率差のほうが大きければバラツキによる影響はほとんど無く、安定した反り量にすることができる。
本発明において、150℃で1時間加熱したときのMD方向の収縮率を考慮するのは、MD方向の収縮率は加工条件によって大きく変化し易いという理由による。巻物状のフィルムを加工する場合、設備上を安定して搬送させるためにMD方向に張力をかけることが一般的であるが、張力の大きさによってMD方向の収縮率が変化してしまうことからMD方向の収縮率について考慮が必要になる。
また、本発明において、フィルム層Aとフィルム層Bとの収縮率を0.6%以上であるか又は0.6%未満であるかで区別するのは、透明導電性フィルムの収縮率を大別すると、0.6%を境にして通常収縮率と低収縮率の二つに分けられるという理由による。
図1は、本発明の保護フィルムの層構成を表す断面図であり、図1(a)は、フィルム層A側に第一の粘着剤層が設けられた態様を、図1(b)は、フィルム層B側に第一の粘着剤層が設けられた態様をそれぞれ示す。
図1(a)に示す本発明の保護フィルム16はフィルム層A12とフィルム層B14とが、第二の粘着剤層13を介して貼付されてプラスチックフィルム15が構成され、プラスチックフィルム15のフィルム層A12側に第一の粘着剤層11が設けられている。
一方、図1(b)に示す本発明の保護フィルム16は、フィルム層A12とフィルム層B14とが、第二の粘着剤層13を介して貼付されてプラスチックフィルム15が構成され、プラスチックフィルム15のフィルム層B14側に第一の粘着剤層11が設けられている。
本発明におけるプラスチックフィルム(フィルム層A及びフィルム層B)の材質は特に限定されないが、150℃の加熱に耐えられるものとして、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリエチレンナフタレート等が用いられる。中でも、一番安価なポリエチレンテレフタレートが好ましく用いられる。
また、本発明におけるプラスチックフィルムは、150℃で1時間加熱したときのMD方向の収縮率が0.6%以上のフィルム層Aと収縮率が0.6%未満のフィルム層Bとを重ね合わせて用いられるが、最初から所望の収縮率であるフィルムを使用するか、又は収縮率の大きいフィルムをアニール処理等により所望の収縮率に調整して使用してもよい。
フィルム層Aとフィルム層Bとは、熱融着、接着剤、粘着剤等で貼り合せることで重ね合わせてプラスチックフィルムとすることができる。フィルムへのダメージを軽減するため、接着剤又は粘着剤で貼り合せる方法が好ましく、粘着剤を用いて第二の粘着剤層を介して重ね合わされることがより好ましく、フィルム層A及びフィルム層Bがポリエチレンテレフタレートフィルムであり、該フィルム層Aと該フィルム層Bとが、第二の粘着剤層を介して重ね合わされることが更に好ましい。
フィルム層Aとフィルム層Bとを貼り合わせる場合、フィルム層AのMD方向とフィルム層BのMD方向とが一致するようにすることが好ましい。
本発明におけるプラスチックフィルムの片面に第一の粘着剤層を形成する場合、フィルム層Aのフィルム層Bとは反対面に形成する場合と、フィルム層Bのフィルム層Aとは反対面に形成する場合がある。これは、透明導電性フィルムの収縮率によって使い分けられ、前記差CAが大きい場合にはプラスチックフィルムにおけるフィルム層Aの側に、前記差CBが大きい場合にはプラスチックフィルムにおけるフィルム層Bの側に第一の粘着剤層が形成される。
粘着剤層を上記とは逆側に形成してしまうと、透明導電性フィルムと収縮率の近いフィルム層が隣接してしまうことになり、反り応力が相殺方向ではなく、収縮率差が大きい方へ向いてしまうため大きい反りが発生することがある。
第一の粘着剤層及び第二の粘着剤層を構成する接着剤又は粘着剤は、150℃で1時間の加熱処理によっても剥がれが発生せず、透明で変色しない材料であれば、材質は特に限定しない。
本発明における第一の粘着剤層及び第二の粘着剤層には、150℃で1時間の高温に耐えられる材料であるアクリル粘着剤、ウレタン粘着剤又はシリコーン粘着剤を架橋したものを使用できる。特にコストの面から架橋型アクリル粘着剤が好ましい。
この架橋型アクリル粘着剤は、アクリル酸ブチル、アクリル酸エチル、2−エチルヘキシルアクリレート等の低Tg(ガラス転移温度)モノマーを主モノマーとし、アクリル酸、メタクリル酸、ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシエチルアクリレート、アクリルアミド、アクリロニトリル等の官能基モノマーと共重合することで得られたアクリル共重合体を架橋剤にて架橋することにより得ることができる。
このアクリル共重合体としては、重量平均分子量が10万〜100万の範囲内のものが好ましく、30万〜100万の範囲内のものがより好ましく、50万〜100万の範囲内のものが更に好ましい。
この架橋剤としては、イソシアネート系、メラミン系、エポキシ系等の公知の架橋剤を用いることができる。また、この架橋剤としては、粘着剤中に緩やかに広がった網目状構造を形成するために、3官能、4官能といった多官能架橋剤がより好ましく用いられる。また、第一の粘着剤層又は第二の粘着剤層中の架橋状態は、ゲル分率で評価した場合に70%以上が好ましい。
本発明において、ゲル分率は下記方法により測定された値をいう。
厚さ50μmのポリエチレンテレフタレートフィルムの上に、乾燥後の厚みが20μmになるよう粘着剤を塗布する。この粘着フィルムを100mm×100mmの大きさに切断し、重量W0を測定する。そのあとメチルエチルケトンの中に浸漬して常温(25℃)で24時間放置したあと、120℃で5分間乾燥してから重量W1を測定する。最後に、メチルエチルケトンに浸した綿布で粘着剤を擦り落としたあと120℃で5分乾燥し、残ったポリエチレンテレフタレートフィルムの重量W2を測定する。ゲル分率は以下の計算式にて求める。
ゲル分率=(W1-W2)/(W0−W2)×100〔%〕
本発明における表面保護フィルムの第一の粘着剤層の厚みは、通常1μm〜30μmとすることが適当であり、3μm〜25μmが好ましく、5μm〜25μmがより好ましい。
本発明における第一の粘着剤層及び第二の粘着剤層の形成方法としては、有機溶剤に溶解し粘度を調整した粘着剤の溶液をフィルム表面に塗布する方法、粘着剤を水に分散しフィルム表面に塗布する方法等の公知の方法を用いることができる。架橋型アクリル粘着剤を用いた第一の粘着剤層又は第二の粘着剤層の形成方法としては、有機溶剤に溶解し粘度を調整した粘着剤の溶液を塗布する方法が一般的である。
更に、本発明の保護フィルムは、必要に応じてプラスチックフィルムと第一の粘着剤層との密着力を向上するために、プラスチックフィルム表面にコロナ処理、プラズマ処理等の表面処理、下塗り剤(プライマ)の塗布などを行ってもよい。
また、本発明の保護フィルムの巻出し時及び光学シートからの剥離時の静電気の発生を防止する目的で、プラスチックフィルムの第一の粘着剤層の設けられた側とは反対側の面、プラスチックフィルムと第一の粘着剤層の間等に帯電防止剤を塗布してもよい。
ここでの帯電防止剤としては、透明性が良好な、第4級アンモニウム塩、ピリジウム塩、第1級〜第3級アミノ基等のカチオン性基を有する各種カチオン帯電防止剤、スルホン酸塩基、硫酸エステル塩基、リン酸エステル塩基等のアニオン性基を有するアニオン帯電防止剤、アミノ酸系、アミノ酸硫酸エステル系等の両性帯電防止剤、アミノアルコール系、グリセリン系、ポリエチレングリコール系等のノニオン帯電防止剤などの各種帯電防止剤、更にはこれら帯電防止剤を高分子量化した高分子型帯電防止剤が挙げられる。
本発明の保護フィルムは、透明導電性フィルムに貼付した状態で、150℃で1時間加熱した後に、透明導電性フィルムから剥離する際、剥離角度180度、剥離速度0.3m/分で測定した粘着力と、剥離角度180度、剥離速度60m/分で測定した粘着力が、共に0.40N/25mm以下であることが望ましく、0.30N/25mm以下であることがより望ましく、0.20N/25mm以下であることが更に望ましい。粘着力が0.40N/25mm以下であれば、本発明の保護フィルムを透明導電性フィルムから剥離する際に、透明導電性フィルムが折れ曲がる問題が発生しにくい。
また、表面保護フィルムを剥離する作業時間は1秒程度であることが一般的だが、そのときの透明導電性フィルムの大きさは、スマートフォンの大きさ(大凡50mm×100mm)から500mm×500mm程度の大きさまでユーザーによって異なる。これを剥離速度に換算すると、0.3m/分〜60m/分程度となるため、この範囲で0.40N/m以下であることが望ましい。
剥離角度180度、剥離速度0.3m/分で測定した粘着力と、剥離角度180度、剥離速度60m/分で測定した粘着力とが、共に0.40N/25mm以下とするには、粘着剤の組成や架橋剤量の最適化により、粘着剤層のTgを高めにする(粘着剤のTgを高くする、架橋剤量を増やして架橋する等)ことが有効である。上記粘着力となるように粘着剤を設計することになる。
本発明の保護フィルムは、第一の粘着剤層の表面の平滑性を得るために、第一の粘着剤層面にセパレータを貼付されたものであることが好ましい。このセパレータとしては、プラスチックフィルムセパレータ、紙セパレータ等が挙げられるが、その中でもフィルム表面の平滑性が優れ、比較的安価である等の特長を有する二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムが好ましく使用できる。このセパレータには、保護フィルムからの剥離性を調整する目的で、表面に剥離剤を塗布してもよい。この剥離剤としては、一般に使用されるシリコーン樹脂、フッ素樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、アルキル基を有する樹脂等の単体、これらの変性体、及びこれらの混合物などが挙げられる。
<透明導電性フィルム>
本発明の透明導電性フィルムは、基体と前記基体の一方の面に設けられる導電性層とを有し、基体の導電性層の設けられる側とは反対の面に、本発明の表面保護フィルムが、第一の粘着剤層を介して貼付されたものである。
本発明の透明導電性フィルムに用いられる基体としては、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリカーボネートフィルム、シクロオレフィンポリマーフィルム等が挙げられるが、ポリエチレンテレフタレートフィルムが一般的である。
本発明において導電性層を構成する材料としては、ITO、銀繊維、導電性ポリマー等が挙げられる。
本発明において、導電性層は、基体の一方の面の全面に設けられていてもよいし、基体の一方の面の一部に設けられていてもよい。
本発明の透明導電性フィルムにおいて、基体の導電性層の設けられる側とは反対の面に、ハードコート層、アンチグレア層又はアンチニュートンリング層が設けられていてもよい。この場合、前記ハードコート層、前記アンチグレア層又は前記アンチニュートンリング層の表面に本発明の保護フィルムが、第一の粘着剤層を介して貼付される。
図2は、本発明の保護フィルムの貼付された本発明の透明導電性フィルムの層構成を表す断面図であり、図2(a)は、フィルム層A側に設けられた第一の粘着剤層を介して本発明の保護フィルムが透明導電性フィルムに貼付された態様を、図2(b)は、フィルム層B側に設けられた第一の粘着剤層を介して本発明の保護フィルムが透明導電性フィルムに貼付された態様をそれぞれ示す。
図2(a)において、透明導電性フィルム24は、プラスチックフィルムで構成される基体22の一方の面に導電性層である透明導電性層21が設けられ、基体22の透明導電性層21の設けられた面とは反対の面にハードコート層23が設けられている。そして、透明導電性フィルム24のハードコート層23の設けられた側には、図1(a)に係る本発明の保護フィルム16が貼付されている。図2(a)に係る態様は、上記ケース1(差CA及び差CBを比較したときに、差CAが大きい場合)に該当する。
一方、図2(b)においては、透明導電性フィルム24のハードコート層23の設けられた側に、図1(b)に係る本発明の保護フィルム16が貼付されている。図2(b)に係る態様は、上記ケース2(差CA及び差CBを比較したときに、差CBが大きい場合)に該当する。
前述した通り、本発明に係る透明導電性フィルム用表面保護フィルムは、収縮率の異なる表面保護フィルムを透明導電性フィルムの収縮率に合わせて適宜重ね合わせることにより、150℃で1時間というような加熱処理を行っても反りがほとんど発生しない。また、透明導電性フィルムの材料の違いや製造ロットのバラツキによって多少収縮率の変動があっても反り量には影響が少ないため、表面保護フィルムを収縮率によって使い分ける必要が少なくなり経済的である。
本発明の透明導電性フィルム用表面保護フィルムは、スマートフォン、タブレット等に使用されているタッチパネル、液晶ディスプレイ、太陽電池などに用いられている透明導電性フィルムの表面保護に使用される表面保護フィルムに好適に使用される。
以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説明するが、本発明は下記実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
主モノマーとして2−エチルヘキシルアクリレートとアクリル酸エチルを用い、官能基モノマーとしてヒドロキシエチルメタクリレートとアクリル酸を用いたアクリル共重合体を溶液重合法にて合成した。この合成したアクリル共重合体の重量平均分子量(Mw)は30万、分子量分散度(Mw/Mn)は3.7(Mn:数平均分子量)、ガラス転移温度は−35℃、水酸基価は55mgKOH/g、酸価は9mgKOH/gであった。
この合成したアクリル共重合体の重量平均分子量及び数平均分子量は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)を用いて測定される分子量分布から標準ポリスチレンの検量線を使用して換算して求められた。検量線は、標準ポリスチレンの5サンプルセット(PStQuick MP−H、PStQuick B[東ソー(株)、商品名])を用いて3次式で近似した。GPCの条件は、以下に示す。
装置:(ポンプ:L−2130型[(株)日立ハイテクノロジーズ])、
(検出器:L−2490型RI[(株)日立ハイテクノロジーズ])、
(カラムオーブン:L−2350[(株)日立ハイテクノロジーズ])
カラム:Gelpack GL−R440 + Gelpack GL−R450 + Gelpack GL−R400M(計3本)(日立化成(株)、商品名)
カラムサイズ:10.7mmI.D.×300mm
溶離液:テトラヒドロフラン
試料濃度:10mg/2mL
注入量:200μL
流量:2.05mL/分
測定温度:25℃
この合成したアクリル共重合体のガラス転移温度は、示差走査熱量分析装置を用いて測定されるDSC(Differential scanning calorimetry)曲線の変異点を調べることで求めた。
この合成したアクリル共重合体の水酸基価は、下記方法により求めた。
<方法>
水酸基価の測定は、JIS K 0070:1992に準拠して行った。
(a)試薬
・アセチル化試薬(無水酢酸−ピリジン)
・N/2水酸化カリウム−エタノール溶液
(b)操作
試料をアセチル化試薬でアセチル化した後、過剰の酢酸をN/2水酸化カリウム−エタノール溶液で滴定する。
(c)計算
次式によって水酸基価を求める。
水酸基価=((VB−V)×F×28.05)/S
V :本試験のN/2水酸化カリウム−エタノール溶液の滴定量(mL)
VB:空試験のN/2水酸化カリウム−エタノール溶液の滴定量(mL)
F :N/2水酸化カリウム−エタノール溶液のファクター
S :試料採取量(g)
この合成したアクリル共重合体の酸価は、下記方法により求めた。
すなわち、まず、酸価を測定すべき樹脂の溶液約1gを精秤した後、この樹脂溶液にアセトンを30g添加し、これを溶解する。次いで、指示薬であるフェノールフタレインをその溶液に適量添加して、0.1N(モル/リットル)のKOH水溶液を用いて滴定を行う。そして、次式により酸価を算出する。
A=10×Vf×56.1/(Wp×I)
式中、Aは酸価(mgKOH/g)を示し、Vfは0.1NのKOH水溶液の滴定量(mL)を示し、Wpは測定した樹脂溶液の質量(g)を示し、Iは測定した樹脂溶液中の不揮発分の割合(質量%)を示す。
樹脂溶液中の不揮発分の割合(質量%)は、下記方法により測定される。
アルミカップの中に樹脂溶液を約2g入れて、その投入質量W0を小数点以下第三位まで測定する。その後、樹脂溶液を100℃の恒温槽で1時間乾燥し、不揮発分の質量Wを小数点以下第三位まで測定する。不揮発分の割合は、次式により算出する。
不揮発分の割合(%)=W/W0×100
このアクリル共重合体100質量部及び溶剤(トルエン)400質量部に対し、多官能イソシアネート架橋剤(日本ポリウレタン工業(株)、コロネートL)を10質量部配合した粘着溶液を調製した。
二軸延伸ポリエステルフィルム(ユニチカ(株)、S−50、MD方向の収縮率:1.09%)を150℃10分のアニール処理を行って収縮率を調整した。MD方向の収縮率を測定したところ0.18%であった。
アニール未処理の二軸延伸ポリエステルフィルム及びアニール処理した二軸延伸ポリエステルフィルムの各々の片面に、それぞれ前記粘着溶液を乾燥時の厚さが10μmになるように塗工及び乾燥し、表面保護フィルムA及び表面保護フィルムBを作製した。更に厚さ25μmのシリコーン離型剤を塗布した二軸延伸ポリエステルフィルムセパレータを、シリコーン離型剤を塗布した面が表面保護フィルムA及び表面保護フィルムBの粘着剤面に接するようにラミネートし、室温(25℃)で1週間放置しエージングを行った。
収縮率の大きい透明導電性フィルムの代替として二軸延伸ポリエステルフィルム(ユニチカ(株)、S−50、MD方向の収縮率:1.09%)を使用し、その片面に前記表面保護フィルムBを貼り付け、その上に前記表面保護フィルムAを貼り付け、100mm×100mmの大きさに切断して試験片とした。
(実施例2)
二軸延伸ポリエステルフィルム(ユニチカ(株)、S−50、MD方向の収縮率:1.09%)に150℃6分のアニール処理を行って、MD方向の収縮率を0.29%に調整した。この二軸延伸ポリエステルフィルムを使用して表面保護フィルムBを作製した以外は、実施例1と同様にして試験片を作製した。
(実施例3)
二軸延伸ポリエステルフィルム(ユニチカ(株)、S−50、MD方向の収縮率:1.09%)に180℃2分30秒のアニール処理を行って、MD方向の収縮率を0.58%に調整した。この二軸延伸ポリエステルフィルムを使用して表面保護フィルムBを作製した以外は、実施例1と同様にして試験片を作製した。
(実施例4)
二軸延伸ポリエステルフィルム(帝人デュポンフィルム(株)、SL−50、MD方向の収縮率:0.31%)を使用して表面保護フィルムBを作製した。
収縮率の小さい透明導電性フィルムの代替として二軸延伸ポリエステルフィルム(帝人デュポンフィルム(株)、SL−50、MD方向の収縮率:0.31%)を使用し、その片面に前記表面保護フィルムAを貼り付け、その上に前記表面保護フィルムBを貼り付けた以外は、実施例1と同様に試験片を作製した。
(実施例5)
収縮率の小さい透明導電性フィルムの代替として二軸延伸ポリエステルフィルム(帝人デュポンフィルム(株)、SLA−50、MD方向の収縮率:0.10%)を使用した以外は、実施例4と同様に試験片を作製した。
(比較例1)
表面保護フィルムAを貼らなかった以外は、実施例1と同様に試験片を作製した。
(比較例2)
表面保護フィルムAを貼らなかった以外は、実施例3と同様に試験片を作製した。
(比較例3)
表面保護フィルムBを貼らなかった以外は、実施例1と同様に試験片を作製した。
(比較例4)
収縮率の大きい透明導電性フィルムの代替として二軸延伸ポリエステルフィルム(ユニチカ(株)、S−50、MD方向の収縮率:1.09%)を使用し、その片面に前記表面保護フィルムAを貼り付け、その上に前記表面保護フィルムBを貼り付けた以外は、実施例1と同様に試験片を作製した。
(比較例5)
二軸延伸ポリエステルフィルム(ユニチカ(株)、S−50、MD方向の収縮率:1.09%)を150℃6分のアニール処理を行って、MD方向の収縮率を0.29%に調整した。この二軸延伸ポリエステルフィルム使用して表面保護フィルムBを作製し、収縮率の小さい透明導電性フィルムの代替として使用した二軸延伸ポリエステルフィルム(帝人デュポンフィルム(株)、SL−50、MD方向の収縮率:0.31%)の片面に前記表面保護フィルムBを貼り付けた。これを100mm×100mmの大きさに切断して試験片とした。
(比較例6)
収縮率の小さい透明導電性フィルムの代替として二軸延伸ポリエステルフィルム(帝人デュポンフィルム(株)、SL−50、MD方向の収縮率:0.31%)を使用し、その片面に前記表面保護フィルムBを貼り付け、その上に前記表面保護フィルムAを貼り付けた以外は、実施例4と同様に試験片を作製した。
上記の各実施例及び比較例の特性値を下記の方法で測定した。それぞれの結果を表1にまとめた。
(1) 収縮率
JIS C 2151:2006に準拠し、100mm×100mmの試験片の長さ及び幅を0.1mmの精度で測定した。その後、試験片を150℃の熱風循環式の恒温槽内に1時間、無荷重の状態で放置した。処理後に室温(25℃)まで冷却した後、初めに測定したときと同じ部分について長さ及び幅を測定した。
尚、収縮率は次の式で計算した。

S :収縮率(%)
:試験前の寸法(mm)
L :試験後の寸法(mm)
(2) 表面保護フィルムの貼り付け
作製した表面保護フィルムA及び表面保護フィルムBをTD方向に150mm幅に切断し、2kg/200mmのゴムロールを1往復して透明導電性フィルムの代替フィルムに貼り付けた。
(3) 粘着力
表面保護フィルムを貼り付けた試験片を前記(1)収縮率と同様に150℃で1時間の加熱を行った後、室内まで冷却し、引張り試験機((株)オリエンテック製、TRC−1210型)を用いて180度剥離、剥離速度0.3m/分の粘着力を測定した。また、高速剥離試験機(テスター産業(株)、TE−701型)を用いて180度剥離、剥離速度60m/分の粘着力を測定した。
(4) 反り量
100mm×100mmの試験片を(1)収縮率と同様に150℃で1時間の加熱を行い、室温まで冷却した後、図3に示すように平らな台の上に試験片を置いて四隅(D1からD4)の高さを反り量として測定した。尚、D1−D2の方向がMD方向、D2−D3の方向がTD方向となるように揃えた。このとき、表面保護フィルムを上にして置いたときの高さをマイナス側の反りとし、反対に表面保護フィルムを下にして置いたときの高さをプラス側の反りとし、以下のように判定した。
○:反り量 ±10mm以内
×:反り量 ±10mmより大きい
実施例1〜3及び比較例1〜4は、収縮率の大きい透明導電性フィルムに対する表面保護フィルムの特性を、実施例4〜5及び比較例5〜6は、収縮率の小さい透明導電性フィルムに対する表面保護フィルムの特性を評価した結果である。
評価結果から明らかなように、実施例1〜5は収縮率差による反り応力が打ち消しあうように重ね合わされているため反り量が小さく安定している。また、実施例4及び実施例5は同じ表面保護フィルムであるのに対し、透明導電性フィルム代替フィルムの収縮率が実施例5では実施例4の1/3に減少しているにもかかわらず反り量はほとんど変化していないことから、収縮率のバラツキに対して有効であることがわかる。
これに対し、収縮率がほぼ同じである表面保護フィルムを重ね合わせた比較例3と比較例5の場合、場所によって反り量が大きくなっており、試験片の面内における収縮率のバラツキを吸収できていないことがわかる。その他の比較例の場合、筒状になってしまい反り量を測定できなかった。
前述した通り、本発明に係る透明導電性フィルム用表面保護フィルムは、収縮率の異なる表面保護フィルムを透明導電性フィルムの収縮率に合わせて適宜重ね合わせることにより、150℃1時間というような加熱処理を行っても反りがほとんど発生しない。また、透明導電性フィルムの材料の違いや製造ロットのバラツキによって多少収縮率の変動があっても反り量には影響が少ないため、表面保護フィルムを収縮率によって使い分ける必要が少なくなり経済的である。
本発明の透明導電性フィルム用表面保護フィルムは、スマートフォン、タブレット等に使用されているタッチパネル、液晶ディスプレイ、太陽電池などに用いられている透明導電性フィルムの表面保護に使用される表面保護フィルムに好適に使用される。
11 第一の粘着剤層
12 フィルム層A
13 第二の粘着剤層
14 フィルム層B
15 プラスチックフィルム
16 透明導電性フィルム用表面保護フィルム
21 透明導電性層
22 基体
23 ハードコート層
24 透明導電性フィルム
D1、D2、D3、D4 反り量

Claims (6)

  1. 基体と前記基体の一方の面に設けられる導電性層とを有し、150℃で1時間加熱したときのMD(Machine Direction)方向の収縮率として収縮率Cを示す透明導電性フィルムの表面を保護する透明導電性フィルム用表面保護フィルムであり、
    150℃で1時間加熱したときのMD方向の収縮率として0.6%以上の収縮率Aを示すフィルム層A及び150℃で1時間加熱したときのMD方向の収縮率として0.6%未満の収縮率Bを示すフィルム層Bが重ね合わされたプラスチックフィルムと、
    前記収縮率Cと前記収縮率Aとの差の絶対値(差CA)及び前記収縮率Cと前記収縮率Bとの差の絶対値(差CB)を比較したときに、前記差CAが大きい場合には前記プラスチックフィルムにおける前記フィルム層Aの側に、前記差CBが大きい場合には前記プラスチックフィルムにおける前記フィルム層Bの側に設けられる第一の粘着剤層と、
    を有し、
    前記透明導電性フィルムの前記導電性層の設けられる側とは反対の面に前記第一の粘着剤層を介して貼付される透明導電性フィルム用表面保護フィルム。
  2. 前記フィルム層A及び前記フィルム層Bがポリエチレンテレフタレートフィルムであり、前記フィルム層Aと前記フィルム層Bとが、第二の粘着剤層を介して重ね合わされる請求項1に記載の透明導電性フィルム用表面保護フィルム。
  3. 前記透明導電性フィルムに貼付した状態で、150℃で1時間加熱した後に、前記透明導電性フィルムから剥離する際、剥離角度180度、剥離速度0.3m/分で測定した粘着力と、剥離角度180度、剥離速度60m/分で測定した粘着力とが、共に0.40N/25mm以下である請求項1又は請求項2に記載の透明導電性フィルム用表面保護フィルム。
  4. 前記プラスチックフィルムにおける前記第一の粘着剤層の設けられた側の面に、前記第一の粘着剤層を介して二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムがセパレータとして貼付された請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の透明導電性フィルム用表面保護フィルム。
  5. 基体と前記基体の一方の面に設けられる導電性層とを有し、
    前記基体の前記導電性層の設けられる側とは反対の面に、請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の透明導電性フィルム用表面保護フィルムが、前記第一の粘着剤層を介して貼付された透明導電性フィルム。
  6. 前記基体の前記導電性層の設けられる側とは反対の面に、ハードコート層、アンチグレア層又はアンチニュートンリング層が設けられ、前記ハードコート層、前記アンチグレア層又は前記アンチニュートンリング層の表面に前記透明導電性フィルム用表面保護フィルムが、前記第一の粘着剤層を介して貼付された請求項5に記載の透明導電性フィルム。
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WO2018181453A1 (ja) * 2017-03-29 2018-10-04 三井化学東セロ株式会社 粘着性積層フィルムおよび構造体

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