JP2017119749A - 透明導電性フィルム用保護フィルム及び積層体 - Google Patents

透明導電性フィルム用保護フィルム及び積層体 Download PDF

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Abstract

【課題】高温の環境下でも表面抵抗率の上昇を抑制できる透明導電性フィルム用保護フィルム、及び、透明導電性フィルムを有する積層体の提供。【解決手段】第一面及び第二面を有する基材と、基材の第一面に設けられた帯電防止層と、基材の第二面に粘着剤組成物より形成された粘着剤層と、を備える透明導電性フィルム用保護フィルム。帯電防止層が、導電性ポリマー成分として、ポリアニリンスルホン酸、及び、ポリアニオン類によりドープされているポリチオフェン類、バインダとしてポリエステル樹脂を含有する帯電防止剤組成物から成り、ポリアニリンスルホン酸と、ポリアニオン類によりドープされているポリチオフェン類の配合割合(質量比)が、90:10〜10:90である透明導電性フィルム用保護フィルム。好ましくは帯電防止剤組成物が、架橋材として、メラミン系及び/又はイソシアネー系架橋剤を含む保護フィルム。【選択図】なし

Description

本発明は、基材、粘着剤層、及び、帯電防止層を有する透明導電性フィルム用保護フィルム、及び、前記透明導電性フィルム用保護フィルムと透明導電性フィルムを有する積層体、に関する。
近年、タッチパネル、液晶ディスプレイパネル、有機ELパネル、エレクトロクロミックパネル、電子ペーパー素子などにおいて、プラスチックフィルム上に透明電極を設けてなるフィルム基板を用いた素子の需要が増加しつつある。
前記透明電極の材料として、現在、ITO薄膜(In・Sn複合酸化物)、銀や銅などの金属薄膜、銀ナノワイヤー薄膜が用いられており、前記ITO薄膜・金属薄膜・銀ナノワイヤー薄膜を含む薄膜基材の厚さは、年々薄くなる傾向にある。
また、前記ITO薄膜を含む薄膜基材などに、機能層として、反射防止(AR)層を設けて、視認性の向上を図ったり、ハードコート(HC)層を設けて、傷の発生を防止したり、アンチブロッキング(AB)層を設けて、ブロッキングを防止したり、オリゴマー防止(OB)層を設けて、加熱時の白濁を防止したりすることも多い。
このような中で、ITO薄膜等の光学部材に対して、加工工程や搬送工程等において、キズや汚れ等を防止する目的で、表面保護フィルム等が貼り合わされて使用されている。たとえば、特許文献1には、光学部材に表面保護フィルムを貼付して使用されることが開示されている。
一般に、表面保護フィルムは、プラスチック材料により構成されているため、電気絶縁性が高く、摩擦や剥離により静電気を発生する。このため、加工工程や搬送工程において生じる摩擦帯電により表面保護フィルムが帯電し、塵埃を吸引したり、作業性を低下させたりする要因ともなり得る。かかる事情から、表面保護フィルムに帯電防止処理を施すことが行われており、例えば、表面保護フィルムの表面層(トップコート層、背面層)として、帯電防止層の形成や帯電防止コーティングを施すことにより、帯電防止機能を付与している(特許文献2参照)。
また、近年、表面保護フィルムの表面層に帯電防止機能を付与するため使用される導電性ポリマーとして、PEDOT(ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)/PSS(ポリスチレンスルホン酸)(ポリチオフェンタイプ)系の水分散タイプのものが使用されている。しかし前記導電性ポリマーを使用して帯電防止層を形成した表面保護フィルムを、ITO薄膜の形成やパターン化等の製造工程でさらされる高温(例えば140℃)の加熱環境下におくと、表面抵抗率の上昇が生じる問題がある。
特開2007−304317 特開2008−255332
そこで、本発明は、上記事情を鑑み、鋭意研究した結果、高温の環境下でも表面抵抗率の上昇を抑制できる透明導電性フィルム用保護フィルム、及び、透明導電性フィルムを有する積層体を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成すべく、鋭意検討したところ、下記の透明導電性フィルム用保護フィルムを用いることにより、上記目的が達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明の透明導電性フィルム用保護フィルムは、第一面および第二面を有する基材と、前記基材の前記第一面に設けられた帯電防止層と、前記基材の前記第二面に粘着剤組成物より形成された粘着剤層と、を備える透明導電性フィルム用保護フィルムであって、前記帯電防止層が、導電性ポリマー成分として、ポリアニリンスルホン酸、及び、ポリアニオン類によりドープされているポリチオフェン類、バインダとしてポリエステル樹脂を含有する帯電防止剤組成物から形成されたものであり、前記ポリアニリンスルホン酸と、前記ポリアニオン類によりドープされているポリチオフェン類の配合割合(質量比)が、90:10〜10:90であることを特徴とする。
本発明の透明導電性フィルム用保護フィルムは、前記帯電防止剤組成物が、架橋剤として、メラミン系架橋剤、及び/又は、イソシアネート系架橋剤を含むことが好ましい。
本発明の透明導電性フィルム用保護フィルムは、前記粘着剤組成物が、ベースポリマー及び架橋剤を含み、前記ベースポリマーが、(メタ)アクリル系ポリマーであり、前記架橋剤の含有量が、前記(メタ)アクリル系ポリマー100質量部に対して、5〜30質量部であることが好ましい。
本発明の積層体は、前記透明導電性フィルム用保護フィルムと、前記透明導電性フィルム用保護フィルムに積層された透明導電性フィルムを有する積層体であって、前記透明導電性フィルムの少なくとも片方の表面に、前記透明導電性フィルム用保護フィルムの粘着剤層の粘着面が貼り合わされていることが好ましい。
本発明の積層体は、前記透明導電性フィルムが、透明導電層及び支持体を有し、前記支持体の前記透明導電層と接触する面とは反対側の表面に、前記透明導電性フィルム用保護フィルムの粘着剤層の粘着面が貼り合わされていることが好ましい。
本発明の透明導電性フィルム用保護フィルムは、第一面および第二面を有する基材と前記基材の前記第一面(背面)に設けられた帯電防止層が、特定の導電性ポリマー成分を特定割合で含有する帯電防止剤組成物から形成されたものであることにより、高温の環境下でも表面抵抗率の上昇を抑制できる透明導電性フィルム用保護フィルム、及び、前記透明導電性フィルムを有する積層体を提供でき、有用である。
透明導電性フィルム用保護フィルムの粘着剤層面に、透明導電性フィルムを貼付した積層体の模式図でする。 透明導電性フィルム用保護フィルムの粘着剤層面に、機能層付き透明導電性フィルムを貼付した積層体の模式図でする。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
<透明導電性フィルム用保護フィルムの全体構造>
ここに開示される透明導電性フィルム用保護フィルム(単に、「保護フィルム」や「表面保護フィルム」という場合がある。)は、特にITO薄膜、金属薄膜、及び、銀ナノワイヤー薄膜を含む薄膜基材の加工時や搬送時に、薄膜基材の表面を保護する保護フィルムとして好適である。前記保護フィルムにおける粘着剤層は、典型的には連続的に形成されるが、かかる形態に限定されるものではなく、例えば点状、ストライプ状等の規則的あるいはランダムなパターンに形成された粘着剤層であってもよい。また、ここに開示される保護フィルムは、ロール状であってもよく、枚葉状であってもよい。
ここに開示される透明導電性フィルム用保護フィルムの典型的な構成例を図1に模式的に示す。この保護フィルム20は、基材(例えばポリエステルフィルム)4と、その第一面4上に設けられた帯電防止層5と、基材4の第二面(帯電防止層5とは反対側の表面)に設けられた粘着剤層3とを備える。保護フィルム20は、この粘着剤層3を被着体(保護対象、例えば、図1中の支持体1bの表面)に貼り付けて使用される。使用前(すなわち、被着体への貼付前)の保護フィルム20は、粘着剤層3の表面(被着体への貼付面)が、少なくとも粘着剤層3側が剥離面となっている剥離ライナーによって保護された形態であってもよい。あるいは、保護フィルム20がロール状に巻回されることにより、粘着剤層3が基材4の背面(帯電防止層5の表面)に当接してその表面が保護された形態であってもよい。
図1に示すように、基材4の第一面上に帯電防止層5が直接(他の層を介することなく)形成され、この帯電防止層5が保護フィルム20の背面に露出した態様(すなわち、帯電防止層5がトップコート層を兼ねる態様)は、トップコート層とは別に帯電防止層を設ける構成に比べて、基材4上に帯電防止層5が設けられた帯電防止層付きフィルム(ひいては該フィルムを用いてなる保護フィルム)は、保護フィルムを構成する層の数を少なくできるため、生産性向上等の観点からも有利である。
<基材>
本発明の透明導電性フィルム用保護フィルムは、第一面(背面)および第二面(第一面とは反対側の面)を有する基材を有することを特徴とする。ここに開示される技術において、基材を構成する樹脂材料は、特に制限なく使用することができるが、例えば、透明性、機械的強度、熱安定性、水分遮蔽性、等方性、可撓性、寸法安定性等の特性に優れたものを使用することが好ましい。特に、基材が可撓性を有することにより、ロールコーターなどによって粘着剤組成物を塗布することができ、ロール状に巻き取ることができ、有用である。
前記基材(支持体)として、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル系ポリマー;ジアセチルセルロース、トリアセチルセルロース等のセルロース系ポリマー;ポリカーボネート系ポリマー;ポリメチルメタクリレート等のアクリル系ポリマー;等を主たる樹脂成分(樹脂成分のなかの主成分、典型的には50質量%以上を占める成分)とする樹脂材料から構成されたプラスチックフィルムを、前記基材として好ましく用いることができる。前記樹脂材料の他の例としては、ポリスチレン、アクリロニトリル−スチレン共重合体等の、スチレン系ポリマー;ポリエチレン、ポリプロピレン、環状ないしノルボルネン構造を有するポリオレフィン、エチレン−プロピレン共重合体等の、オレフィン系ポリマー;塩化ビニル系ポリマー;ナイロン6、ナイロン6,6、芳香族ポリアミド等の、アミド系ポリマー;等を樹脂材料とするものが挙げられる。前記樹脂材料のさらに他の例として、イミド系ポリマー、スルホン系ポリマー、ポリエーテルスルホン系ポリマー、ポリエーテルエーテルケトン系ポリマー、ポリフェニレンスルフィド系ポリマー、ビニルアルコール系ポリマー、塩化ビニリデン系ポリマー、ビニルブチラール系ポリマー、アリレート系ポリマー、ポリオキシメチレン系ポリマー、エポキシ系ポリマー等が挙げられる。上述したポリマーの2種以上のブレンド物からなる基材であってもよい。
前記基材としては、透明な熱可塑性樹脂材料からなるプラスチックフィルムを好ましく採用することができる。前記プラスチックフィルムの中でも、ポリエステルフィルムを使用することが、より好ましい態様である。ここで、ポリエステルフィルムとは、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリブチレンテレフタレート等のエステル結合を基本とする主骨格を有するポリマー材料(ポリエステル樹脂)を主たる樹脂成分とするものをいう。かかるポリエステルフィルムは、光学特性や寸法安定性に優れる等、透明導電性フィルムの基材として、好ましい特性を有する一方、そのままでは帯電しやすい性質を有する。
前記基材を構成する樹脂材料には、必要に応じて、酸化防止剤、紫外線吸収剤、可塑剤、着色剤(顔料、染料等)、帯電防止剤、ブロッキング防止剤等の各種添加剤が配合されていてもよい。前記ポリエステルフィルムの第一面(帯電防止層が設けられる側の表面)には、例えば、コロナ放電処理、プラズマ処理、紫外線照射処理、酸処理、アルカリ処理、下塗り剤の塗布等の、公知または慣用の表面処理が施されていてもよい。このような表面処理は、例えば、基材と帯電防止層との密着性を高めるための処理であり得る。基材の表面にヒドロキシル基等の極性基が導入されるような表面処理を好ましく採用し得る。また、基材の第二面(粘着剤層が形成される側の表面)に前記と同様の表面処理が施されていてもよい。かかる表面処理は、フィルムと粘着剤層との密着性(粘着剤層の投錨性)を高めるための処理であり得る。
前記基材の厚みとしては、通常5〜200μm、好ましくは10〜150μm程度である。前記基材の厚みが、前記範囲内にあると、被着体への貼り合せ作業性と被着体からの剥離作業性に優れるため、好ましい。
<帯電防止層(トップコート層)>
本発明の透明導電性フィルム用保護フィルムは、第一面(背面)および第二面(第一面とは反対側の面)を有する基材と、前記基材の前記第一面(背面)に設けられた帯電防止層と、前記基材の前記第二面に粘着剤組成物より形成された粘着剤層と、を備える透明導電性フィルム用保護フィルムであって、前記帯電防止層が、導電性ポリマー成分として、ポリアニリンスルホン酸、及び、ポリアニオン類によりドープされているポリチオフェン類、バインダとしてポリエステル樹脂を含有する帯電防止剤組成物から形成されたものであり、前記ポリアニリンスルホン酸と、前記ポリアニオン類によりドープされているポリチオフェン類の配合割合(質量比)が、90:10〜10:90であることを特徴とする。
前記保護フィルムが、特定の導電性ポリマー成分を特定割合で含有する帯電防止剤組成物から形成された帯電防止層(トップコート層)を有することにより、高温環境下でも表面抵抗率の上昇を抑制でき、好ましい態様となる。
特に、前記ポリアニリンスルホン酸と前記ポリオニオン類によりドープされているポリチオフェン類を前記範囲内で配合することにより、前記ポリアニリンスルホン酸単独、又は、前記ポリオニオン類によりドープされているポリチオフェン類を単独で配合する場合に比べて、高温環境下での帯電防止性の安定性が向上する理由は以下のことが推測される。
ポリアニオン類にドープされているポリチオフェン類は、ポリチオフェン類がポリアニオン類のアニオン基が配位して複合体を形成しており、その導電機構は、複合体内で起きるポリチオフェン類の分子内導電、ポリチオフェン類の分子間導電、および複合体構造間の導電が知られている。ここで複合体構造間の導電は、分子間距離が離れているため律速過程である。ポリチオフェン類よりも高分子であるポリアニリンスルホン酸を併用することで、ポリアニリンスルホン酸がポリチオフェン類とポリアニオン類からなる複合体間をつなぎ、それ自身も導電性を持つため、複合体間の導電性を高め、帯電防止性の向上、高温環境下での安定性が増したと推測され、透明導電性フィルム用保護フィルムとして、非常に有用なものとなる。また、導電性ポリマーとして、前記ポリアニリンスルホン酸を単独で使用した場合、初期の導電性が低いため、経時の剥離帯電圧や表面抵抗率などの上昇が生じやすくなる。また、前記ポリアニオン類によりドープされているポリチオフェン類を単独で使用した場合、初期の導電性は高いが、経時でポリアニオン類(ドーパントに相当)がポリチオフェン類より、脱離しやすくなるため、経時の剥離帯電圧や表面抵抗率などの上昇が生じやすく、好ましくない。
<導電性ポリマー>
前記帯電防止層は、導電性ポリマー成分として、ポリアニリンスルホン酸、及び、ポリオニオン類によりドープされているポリチオフェン類を含有する帯電防止剤組成物により形成されたものであることを特徴とする。前記導電性ポリマーの組み合わせにより、それぞれ単独で配合する場合に比べて、ポリチオフェン類/ポリアニオン類のコアシェル構造間の導電をポリアニリンスルホン酸が担うため、導電性が高まり、帯電防止層に基づく帯電防止性及び高温環境下での帯電防止性を安定させることができ、有用なものとなる。
前記導電性ポリマーの含有量は、帯電防止層(トップコート層)に含まれる全成分に対して、1〜90質量%が好ましく、より好ましくは、5〜80質量%であり、更に好ましくは、10〜70質量%であり、最も好ましくは、20〜50質量%である。前記導電性ポリマーの含有量が少なすぎると、帯電防止効果が小さくなる場合があり、導電性ポリマーの含有量が多すぎると、帯電防止層の基材への密着性が落ちたり、透明性が低下する恐れがあり好ましくない。
前記導電性ポリマー成分として使用されるポリアニリンスルホン酸は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定される標準ポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)が、5×10以下であることが好ましく、3×10以下がより好ましい。また、これら導電性ポリマーの重量平均分子量は、通常は1×10以上であることが好ましく、より好ましくは5×10以上である。
前記ポリアニリンスルホン酸の市販品としては、三菱レイヨン社製の商品名「aqua−PASS」などが例示される。
前記導電性ポリマー成分として使用されるポリチオフェン類としては、例えばポリチオフェン、ポリ(3−メチルチオフェン)、ポリ(3−エチルチオフェン)、ポリ(3−プロピルチオフェン)、ポリ(3−ブチルチオフェン)、ポリ(3−ヘキシルチオフェン)、ポリ(3−ヘプチルチオフェン)、ポリ(3−オクチルチオフェン)、ポリ(3−デシルチオフェン)、ポリ(3−ドデシルチオフェン)、ポリ(3−オクタデシルチオフェン)、ポリ(3−ブロモチオフェン)、ポリ(3−クロロチオフェン)、ポリ(3−ヨードチオフェン)、ポリ(3−シアノチオフェン)、ポリ(3−フェニルチオフェン)、ポリ(3,4−ジメチルチオフェン)、ポリ(3,4−ジブチルチオフェン)、ポリ(3−ヒドロキシチオフェン)、ポリ(3−メトキシチオフェン)、ポリ(3−エトキシチオフェン)、ポリ(3−ブトキシチオフェン)、ポリ(3−ヘキシルオキシチオフェン)、ポリ(3−ヘプチルオキシチオフェン)、ポリ(3−オクチルオキシチオフェン)、ポリ(3−デシルオキシチオフェン)、ポリ(3−ドデシルオキシチオフェン)、ポリ(3−オクタデシルオキシチオフェン)、ポリ(3,4−ジヒドロキシチオフェン)、ポリ(3,4−ジメトキシチオフェン)、ポリ(3,4−ジエトキシチオフェン)、ポリ(3,4−ジプロポキシチオフェン)、ポリ(3,4−ジブトキシチオフェン)、ポリ(3,4−ジヘキシルオキシチオフェン)、ポリ(3,4−ジヘプチルオキシチオフェン)、ポリ(3,4−ジオクチルオキシチオフェン)、ポリ(3,4−ジデシルオキシチオフェン)、ポリ(3,4−ジドデシルオキシチオフェン)、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)、ポリ(3,4−プロピレンジオキシチオフェン)、ポリ(3,4−ブテンジオキシチオフェン)、ポリ(3−メチル−4−メトキシチオフェン)、ポリ(3−メチル−4−エトキシチオフェン)、ポリ(3−カルボキシチオフェン、ポリ(3−メチル−4−カルボキシチオフェン)、ポリ(3−メチル−4−カルボキシエチルチオフェン)、ポリ(3−メチル−4−カルボキシブチルチオフェン)が挙げられる。中でも導電性の観点からポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)が好ましい。これらの単独であってもよく、2種以上を混合して使用してもよい。中でも、導電性の観点から、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)(PEDOT)が好ましい。
前記ポリチオフェン類としては、重合度が、好ましくは2〜1000であり、より好ましくは5〜100である。前記範囲内であると、導電性に優れるため、好ましい。
前記ポリアニオン類は、アニオン基を有する構成単位の重合体であり、ポリチオフェン類に対するドーパントとして働く。前記ポリアニオン類としては、例えばポリスチレンスルホン酸、ポリビニルスルホン酸、ポリアリルスルホン酸、ポリアクリルスルホン酸、ポリメタクリルスルホン酸、ポリ(2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸)、ポリイソプレンスルホン酸、ポリスルホエチルメタクリレート、ポリ(4−スルホブチルメタクリレート)、ポリメタリルオキシベンゼンスルホン酸、ポリビニルカルボン酸、ポリスチレンカルボン酸、ポリアリルカルボン酸、ポリアクリルカルボン酸、ポリメタクリルカルボン酸、ポリ(2−アクリルアミド−2−メチルプロパンカルボン酸)、ポリイソプレンカルボン酸、ポリアクリル酸、ポリスルホン化フェニルアセチレン等が挙げられる。これらの単独重合体であってもよく、2種以上の共重合体であってもよい。中でもポリスチレンスルホン酸が好ましい。
前記ポリアニオン類は、重量平均分子量(Mw)が好ましくは1000〜100万であり、より好ましくは2000〜50万である。前期範囲内であると、ポリチオフェン類へのドーピングと分散性に優れるため好ましい。
前記ポリアニオン類によりドープされたポリチオフェン類の市販品としては、例えば、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)/ポリスチレンスルホン酸(PEDOT/PSS)のBAYER社製の商品名「Bytron P」、信越ポリマー社製の商品名「セプルジーダ」、綜研化学社製の商品名「ベラゾール」などが例示される。
前記帯電防止剤組成物は、前記ポリアニリンスルホン酸と、前記ポリアニリン類によりドープされているポリチオフェン類の配合割合(質量比)(前記ポリアニリンスルホン酸:前記ポリアニオン類によりドープされているポリチオフェン類)が、90:10〜10:90であり、好ましくは、85:15〜15:85であり、より好ましくは、80:20〜20:80である。前記範囲内であれば、表面抵抗率を低く抑えることができ、特に高温環境下の表面抵抗率安定性に優れ、好ましい態様となる。なお、前記ポリアニリンスルホン酸含有量が少ない場合、もしくは前記ポリアニオン類によりドープされているポリチオフェン類の含有量が少ない場合、高温環境下での表面抵抗率が上昇しやすく、好ましくない。
<バインダ>
前記帯電防止層は、耐溶剤性、機械的強度、帯電特性、及び熱安定性を付与するため、必須成分として、ポリエステル樹脂をバインダとして含有する帯電防止剤組成物により形成されたものであることを特徴とする。前記ポリエステル樹脂は、ポリエステルを主成分(典型的には50質量%超え、好ましくは75質量%以上、例えば90質量%以上を占める成分)として含む樹脂材料であることが好ましい。前記ポリエステルは、典型的には、1分子中に2個以上のカルボキシル基を有する多価カルボン酸類(典型的にはジカルボン酸類)およびその誘導体(当該多価カルボン酸の無水物、エステル化物、ハロゲン化物等)から選択される1種または2種以上の化合物(多価カルボン酸成分)と、1分子中に2個以上のヒドロキシル基を有する多価アルコール類(典型的にはジオール類)から選択される1種または2種以上の化合物(多価アルコール成分)とが縮合した構造を有することが好ましい。
前記多価カルボン酸成分として採用し得る化合物の例としては、シュウ酸、マロン酸、ジフルオロマロン酸、アルキルマロン酸、コハク酸、テトラフルオロコハク酸、アルキルコハク酸、(±)−リンゴ酸、meso−酒石酸、イタコン酸、マレイン酸、メチルマレイン酸、フマル酸、メチルフマル酸、アセチレンジカルボン酸、グルタル酸、ヘキサフルオログルタル酸、メチルグルタル酸、グルタコン酸、アジピン酸、ジチオアジピン酸、メチルアジピン酸、ジメチルアジピン酸、テトラメチルアジピン酸、メチレンアジピン酸、ムコン酸、ガラクタル酸、ピメリン酸、スベリン酸、パーフルオロスベリン酸、3,3,6,6−テトラメチルスベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、パーフルオロセバシン酸、ブラシル酸、ドデシルジカルボン酸、トリデシルジカルボン酸、テトラデシルジカルボン酸などの脂肪族ジカルボン酸類;シクロアルキルジカルボン酸(例えば、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸)、1,4−(2−ノルボルネン)ジカルボン酸、5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸(ハイミック酸)、アダマンタンジカルボン酸、スピロヘプタンジカルボン酸などの脂環式ジカルボン酸類;フタル酸、イソフタル酸、ジチオイソフタル酸、メチルイソフタル酸、ジメチルイソフタル酸、クロロイソフタル酸、ジクロロイソフタル酸、テレフタル酸、メチルテレフタル酸、ジメチルテレフタル酸、クロロテレフタル酸、ブロモテレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、オキソフルオレンジカルボン酸、アントラセンジカルボン酸、ビフェニルジカルボン酸、ビフェニレンジカルボン酸、ジメチルビフェニレンジカルボン酸、4,4”−p−テレフェニレンジカルボン酸、4,4”−p−クワレルフェニルジカルボン酸、ビベンジルジカルボン酸、アゾベンゼンジカルボン酸、ホモフタル酸、フェニレン二酢酸、フェニレンジプロピオン酸、ナフタレンジカルボン酸、ナフタレンジプロピオン酸、ビフェニル二酢酸、ビフェニルジプロピオン酸、3,3'−[4,4’−(メチレンジ−p−ビフェニレン)ジプロピオン酸、4,4’−ビベンジル二酢酸、3,3’(4,4’−ビベンジル)ジプロピオン酸、オキシジ−p−フェニレン二酢酸などの芳香族ジカルボン酸類;上述したいずれかの多価カルボン酸の酸無水物;上述したいずれかの多価カルボン酸のエステル(例えばアルキルエステル。モノエステル、ジエステル等であり得る。);上述したいずれかの多価カルボン酸に対応する酸ハロゲン化物(例えばジカルボン酸クロリド);等が挙げられる。
前記多価カルボン酸成分として採用し得る化合物の好適例としては、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸類およびその酸無水物;アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、コハク酸、フマル酸、マレイン酸、ハイミック酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸等の脂肪族ジカルボン酸類およびその酸無水物;ならびに前記ジカルボン酸類の低級アルキルエステル(例えば、炭素原子数1〜3のモノアルコールとのエステル)等が挙げられる。
一方、前記多価アルコール成分として採用し得る化合物の例としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチルペンタンジオール、ジエチレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、キシリレングリコール、水添ビスフェノールA、ビスフェノールA等のジオール類が挙げられる。他の例として、これらの化合物のアルキレンオキサイド付加物(例えば、エチレンオキサイド付加物、プロピレンオキサイド付加物等)が挙げられる。
前記ポリエステル樹脂の分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定される標準ポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)として、例えば5×10〜1.5×10程度(好ましくは1×10〜6×10程度)であり得る。また、前記ポリエステル樹脂のガラス転移温度(Tg)は、例えば0〜120℃(好ましくは10〜80℃)であり得る。
前記ポリエステル樹脂の市販品としては、例えば東洋紡社製の商品名バイロナールMD−1100、MD−1200、MD−1245、MD−1335、MD−1480、MD−1500、MD−1930、MD−1985、MD−2000、互応化学工業社製の商品名プラスコートZ−221、Z−446、Z−561、Z−565、Z−880、Z−3310、RZ−105、RZ−570、Z−730、Z−760、Z−592、Z−687、Z−690、高松油脂社製のペスレジンA−110、A−120、A−124GP、A−125S、A−160P、A−520、A−613D、A−615GE、A−640、A−645GH、A−647GEX、A−680、A−684G、WAC−14、WAC−17XCなどが挙げられる。
前記帯電防止層(トップコート層)は、ここに開示される保護フィルムの性能(例えば、帯電防止性等の性能)を大きく損なわない限度で、バインダとして、ポリエステル樹脂以外の樹脂(例えば、アクリル樹脂、アクリル−ウレタン樹脂、アクリル−スチレン樹脂、アクリル−シリコーン樹脂、シリコーン樹脂、ポリシラザン樹脂、フッ素樹脂、スチレン樹脂、アルキド樹脂、ウレタン樹脂、アミド樹脂、ポリオレフィン樹脂等から選択される1種または2種以上の樹脂)を組み合わせて用いることも可能である。前記樹脂を組合せて用いる場合、バインダに占めるポリエステル樹脂の割合が51〜100質量%である帯電防止層が好ましい。帯電防止層全体に占めるバインダの割合は、例えば50〜95質量%とすることができ、通常は60〜90質量%とすることが適当である。
<滑剤>
ここに開示される技術における帯電防止層(トップコート層)を形成する際に用いられる帯電防止剤組成物は、滑剤として、脂肪酸アミド、脂肪酸エステル、シリコーン系滑剤、フッ素系滑剤、及び、ワックス系滑剤からなる群より選択される少なくとも1種を使用することが好ましい態様である。前記滑剤を使用することにより、帯電防止層の表面にさらなる剥離処理(例えば、シリコーン系剥離剤、長鎖アルキル系剥離剤等の公知の剥離処理剤を塗布して乾燥させる処理)を施さない態様においても、十分な滑り性と印字密着性を両立した帯電防止層(トップコート層)を得られるため、好ましい態様となりうる。このように帯電防止層の表面にさらなる剥離処理が施されていない態様は、剥離処理剤に起因する白化(例えば、加熱加湿条件下に保存されることによる白化)を未然に防止し得る等の点で好ましい。また、耐溶剤性の点からも有利である。
前記脂肪酸アミドの具体例としては、ラウリン酸アミド、パルチミン酸アミド、ステアリン酸アミド、ベヘン酸アミド、ヒドロキシステアリン酸アミド、オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、N−オレイルパルチミン酸アミド、N−ステアリルステアリン酸アミド、N−ステアリルオレイン酸アミド、N−オレイルステアリン酸アミド、N−ステアリルエルカ酸アミド、メチロールステアリン酸アミド、メチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスカプリン酸アミド、エチレンビスラウリン酸アミド、エチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスヒドロキシステアリン酸アミド、エチレンビスベヘン酸アミド、ヘキサメチレンビスステアリン酸アミド、ヘキサメチレンビスベヘン酸アミド、ヘキサメチレンヒドロキシステアリン酸アミド、N,N´−ジステアリルアジピン酸アミド、N,N´−ジステアリルセバシン酸アミド、エチレンビスオレイン酸アミド、エチレンビスエルカ酸アミド、ヘキサメチレンビスオレイン酸アミド、N,N´−ジオレイルアジピン酸アミド、N,N´−ジオレイルセバシン酸アミド、m−キシリレンビスステアリン酸アミド、m−キシリレンビスヒドロキシステアリン酸アミド、N,N´−ステアリルイソフタル酸アミドなどが挙げられる。これら滑剤は1種を単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
前記脂肪酸エステルの具体例としては、ポリオキシエチレンビスフェノールAラウリン酸エステル、ステアリン酸ブチル、パルミチン酸2−エチルヘキシル、ステアリン酸2−エチルヘキシル、ベヘニン酸モノグリセライド、2−エチルヘキサン酸セチル、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、イソステアリン酸コレステリル、メタクリル酸ラウリル、ヤシ脂肪酸メチル、ラウリン酸メチル、オレイン酸メチル、ステアリン酸メチル、ミリスチン酸ミリスチル、ミリスチン酸オクチルドデシル、ペンタエリスリトールモノオレエート、ペンタエリスリトールモノステアレート、ペンタエリスリトールテトラパルミテート、ステアリン酸ステアリル、ステアリン酸イソトリデシル、2−エチルヘキサン酸トリグリセライド、ラウリン酸ブチル、オレイン酸オクチルなどが挙げられる。これら滑剤は1種を単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
前記シリコーン系滑剤の具体例としては、ポリジメチルシロキサン、ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン、アミノ変性ポリジメチルシロキサン、エポキシ変性ポリジメチルシロキサン、カルビノール変性ポリジメチルシロキサン、メルカプト変性ポリジメチルシロキサン、カルボキシル変性ポリジメチルシロキサン、メチルハイドロジェンシリコーン、メタクリル変性ポリジメチルシロキサン、フェノール変性ポリジメチルシロキサン、シラノール変性ポリジメチルシロキサン、アラルキル変性ポリジメチルシロキサン、フロロアルキル変性ポリジメチルシロキサン、長鎖アルキル変性ポリジメチルシロキサン、高級脂肪酸変性エステル変性ポリジメチルシロキサン、高級脂肪酸アミド変性ポリジメチルシロキサン、フェニル変性ポリジメチルシロキサンなどが挙げられる。これら滑剤は1種を単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
前記フッ素系滑剤の具体例としては、パーフルオロアルカン、パーフルオロカルボン酸エステル、含フッ素ブロックコポリマー、フッ化アルキル基を有するポリエーテルポリマーなどが挙げられる。これら滑剤は1種を単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
前記ワックス系滑剤の具体例としては、石油系ワックス(パラフィンワックス等)、植物系ワックス(カルナバワックス等)、鉱物系ワックス(モンタンワックス等)、高級脂肪酸(セロチン酸等)、中性脂肪(パルミチン酸トリグリセリド等)のような各種ワックスが挙げられる。これら滑剤は1種を単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
前記帯電防止層全体に占める滑剤の割合は、1〜50質量%とすることができ、通常は5〜40質量%とすることが適当である。滑剤の含有割合が少なすぎると、滑り性が低下しやすくなる傾向にある。滑剤の含有割合が多すぎると、印字密着性や背面剥離力(粘着力)が低下することがあり得る。
<帯電防止層用の架橋剤>
前記帯電防止層は、架橋剤として、シランカップリング剤、エポキシ系架橋剤、メラミン系架橋剤、及び、イソシアネート系架橋剤からなる群より選択される少なくとも1種を含有することが好ましく、中でも特に、前記メラミン系架橋剤、及び/又は、イソシアネート系架橋剤を用いることにより好ましい態様である。帯電防止層を形成する際に必須成分である導電性ポリマー成分の、ポリアニリンスルホン酸、及び、ポリアニオン類によりドープされたポリチオフェン類をバインダ中に固定化でき、耐水性、耐溶剤性に優れ、更に、印字密着性の向上等の効果を実現することができる。特に、メラミン系架橋剤を使用することにより、耐水性や耐溶剤性が向上し、イソシアネート系架橋剤を使用することにより、耐水性や印字密着性が向上し、これら架橋剤を併用することにより、耐水性、耐溶剤性、印字密着性が向上し、有用となる。
前記メラミン系架橋剤として、メラミン、アルキル化メラミン、メチロールメラミン、アルコキシ化メチルメラミン等が使用できる。
また、前記イソシアネート系架橋剤として、水溶液中でも安定なブロック化イソシアネート系架橋剤を使用することが好ましい態様である。前記ブロック化イソシアネート系架橋剤の具体例としては、一般的な粘着剤層や帯電防止層(トップコート層)の調製の際に使用できるイソシアネート系架橋剤(例えば、後述する粘着剤層に使用されるイソシアネート化合物)をアルコール類、フェノール類、チオフェノール類、アミン類、イミド類、オキシム類、ラクタム類、活性メチレン化合物類、メルカプタン類、イミン類、尿素類、ジアリール化合物類、及び、重亜硫酸ソーダなどでブロックしたものが使用できる。
ここに開示される技術における帯電防止層は、必要に応じて、帯電防止剤、酸化防止剤、着色剤(顔料、染料等)、流動性調整剤(チクソトロピー剤、増粘剤等)、造膜助剤、界面活性剤(消泡剤等)、防腐剤等の添加剤を含有し得る。また、導電性向上剤としてグリシジル化合物、極性溶媒、多価脂肪族アルコール、ラクタム化合物などを含有させることも可能である。
<帯電防止層の形成>
前記帯電防止層(トップコート層)は、前記導電性ポリマー成分等の必須成分および必要に応じて使用される添加剤が適当な溶媒(水など)に溶解または分散した液状組成物(帯電防止層形成用のコーティング材、帯電防止剤組成物)を基材に付与することを含む手法によって好適に形成され得る。例えば、前記コーティング材を基材の第一面に塗布して乾燥させ、必要に応じて硬化処理(熱処理、紫外線処理など)を行う手法を好ましく採用し得る。前記コーティング材のNV(不揮発分)は、例えば5質量%以下(典型的には0.05〜5質量%)とすることができ、通常は1質量%以下(典型的には0.10〜1質量%)とすることが適当である。厚みの小さい帯電防止層を形成する場合には、前記コーティング材のNVを例えば0.05〜0.50質量%(例えば0.10〜0.40質量%)とすることが好ましい。このように低NVのコーティング材を用いることにより、より均一な帯電防止層が形成され得る。
前記帯電防止層形成用コーティング材を構成する溶媒としては、帯電防止層の形成成分を安定して、溶解または分散し得るものが好ましい。かかる溶媒は、有機溶剤、水、またはこれらの混合溶媒であり得る。前記有機溶剤としては、例えば、酢酸エチル等のエステル類;メチルエチルケトン、アセトン、シクロヘキサノン等のケトン類;テトラヒドロフラン(THF)、ジオキサン等の環状エーテル類;n−ヘキサン、シクロヘキサン等の脂肪族または脂環族炭化水素類;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、シクロヘキサノール等の脂肪族または脂環族アルコール類;アルキレングリコールモノアルキルエーテル(例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル)、ジアルキレングリコールモノアルキルエーテル等のグリコールエーテル類;等から選択される1種または2種以上を用いることができる。好ましい一態様では、前記コーティング材の溶媒が、水または水を主成分とする混合溶媒(例えば、水とエタノールとの混合溶媒)である。
また、溶媒への分散安定性を向上させるために、ポリアニオン類のアニオン基にイオン対として配位または結合することが可能な塩基性有機化合物を含むことが可能である。塩基性有機化合物としては、公知のアミン化合物、アミン化合物の塩酸塩、カチオン性乳化剤、塩基性樹脂などが挙げられる。
前記塩基性有機化合物として、具体的には、メチルオクチルアミン、メチルベンジルアミン、N−メチルアニリン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジエタノールアミン、N−メチルエタノールアミン、ジ− n−プロピルアミン、ジイソプロピルアミン、メチル−イソプロパノールアミン、ジブチルアミン、ジ−2−エチルヘキシルアミン、アミノエチルエタノールアミン、3−アミノ−1−プロパノール、イソプロピルアミン、モノエチルアミン、2−エチルヘキシルアミン、t−ブチルアミン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシランなどのアミン化合物、モノメチルアミン、モノエチルアミン、ステアリルアミン等の1 級アミンの塩酸塩、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジステアリルアミン等の2 級アミンの塩酸塩、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ステアリルジメチルアミン等の3 級アミンの塩酸塩、ステアリルトリメチルアンモニウムクロリド、ジステアリルジメチルアンモニウムクロリド、ステアリルジメチルベンジルアンモニウムクロリド等の4級アンモニウム塩、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のエタノールアミン類の塩酸塩、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン等のポリエチレンポリアミン類の塩酸塩等が挙げられる。
前記カチオン性乳化剤としては、具体的には、アルキルアンモニウム塩、アルキルアミドベタイン、アルキルジメチルアミンオキシドなどが挙げられる。
前記塩基性樹脂の具体例としては、ポリエステル系、アクリル系、ウレタン系の高分子共重合物からなるものであり、重量平均分子量(Mw)が1000〜100万のものが挙げられる。塩基性樹脂の重量平均分子量が、1000未満では十分な立体障害が得られず、分散効果が低下する場合があり、重量平均分子量が100万より大きくても逆に凝集作用が生じる場合がある。
また、前記塩基性樹脂のアミン価は、5〜200mgKOH/gが好ましい。5mgKOH/g未満では、ポリチオフェン類にドープしたポリアニオン類 との相互作用が不十分になりやすく、十分な分散効果が得られない場合がある。一方、塩基性樹脂 のアミン価が200mgKOH/gを越えると、ポリチオフェン類にドープしたポリアニオン類への親和部に比べ、立体障害層が少なくなり、分散効果が不十分になる場合がある。
前記塩基性樹脂としては、例えば、Solsperse17000、Solsperse20000、Solsperse24000、Solsperse32000(ゼネカ株式会社製)、Disperbyk−160、Disperbyk−161、Disperbyk−162、Disperbyk−163、Disperbyk−170、Disperbyk−2000、Disperbyk−2001(ビックケミー社製)、アジスパーPB711、アジスパーPB821、アジスパーPB822、アジスパーPB824(味の素株式会社製)、エポミン006、エポミン012、エポミン018(日本触媒株式会社製)、EFKA4046、EFKA4300、EFKA4330、EFKA4510(EFKA社製)、ディスパロンDA−400N(楠本化成化学社製)、等が挙げられ、単独使用または併用することができる。特に、アジスパーPB821、アジスパーPB822、アジスパーPB824が、分散性や使用時の導電性の点で好ましい。
前記塩基性化合物の含有量に制限はないが、ポリチオフェン類とポリアニオン類との合計100質量部に対して、1質量部〜10万質量部が好ましく、より好ましくは10質量部〜1万質量部の範囲で添加することができる
<帯電防止層の性状>
ここに開示される技術における帯電防止層の厚さは、典型的には3〜500nmであり、好ましくは3〜100nm、より好ましくは3〜60nmである。帯電防止層の厚みが小さすぎると、帯電防止層を均一に形成することが困難となり(例えば、帯電防止層の厚みにおいて、場所による厚みのバラツキが大きくなり)、このため、保護フィルムの外観にムラが生じやすくなることがあり得る。一方、厚すぎると、基材の特性(光学特性、寸法安定性等)に影響を及ぼす場合がある。
ここに開示される保護フィルムの好ましい一態様では、帯電防止層の表面において測定される表面抵抗率(Ω/□)としては、初期状態(23℃×50%RH環境下で60分間静置後)や、加熱後(例えば、140℃で90分後)であっても、好ましくは、1.0×1012未満であり、より好ましくは、6.0×1011未満であり、更に好ましくは、5.0×1010未満であり、最も好ましくは、1.0×1010未満である。前記範囲内の表面抵抗率を示す保護フィルムは、加工工程や搬送工程において生じる摩擦帯電による保護フィルムの帯電を抑制し、塵埃を吸引したり、作業性を低下させたりすることを防ぐことが可能となり、好適に利用され得る。なお、前記表面抵抗率は、市販の絶縁抵抗測定装置を用いて、23℃、50%RHの雰囲気下で測定される表面抵抗率から算出することができる。
ここに開示される保護フィルムは、その背面(帯電防止層の表面)が、水性インキや油性インキにより(例えば、油性マーキングペンを用いて)容易に印字できる性質を有することが好ましい。かかる保護フィルムは、保護フィルムを貼り付けた状態で行われる被着体(例えば光学部材)の加工や搬送等の過程において、保護対象たる被着体の識別番号等を前記保護フィルムに記載して表示するのに適している。したがって、印字性に優れた保護フィルムであることが好ましい。例えば、溶剤がアルコール系であって顔料を含むタイプの油性インキに対して高い印字性を有することが好ましい。また、印字されたインキが擦れや転着により取れにくい(すなわち、印字密着性に優れる)ことが好ましい。ここに開示される保護フィルムは、また、印字を修正または消去する際に、印字をアルコール(例えばエチルアルコール)で拭き取っても外観に目立った変化を生じない程度の耐溶剤性を有することが好ましい。
ここに開示される保護フィルムは、基材、粘着剤層、及び、帯電防止層に加えて、さらに他の層を含む態様でも実施され得る。かかる「他の層」の配置としては基材の第二面(前面)と粘着剤層との間等が例示される。基材前面と粘着剤層との間に配置される層は、例えば、前記第二面に対する粘着剤層の投錨性を高める下塗り層(アンカー層)、帯電防止層等であり得る。基材前面に帯電防止層が配置され、帯電防止層の上にアンカー層が配置され、その上に粘着剤層が配置された構成の保護フィルムであってもよい。
<粘着剤組成物>
本発明の透明導電性フィルム用保護フィルムは、前記粘着剤層を有し、前記粘着剤層は粘着剤組成物から形成されたものであり、前記粘着剤組成物としては、粘着性を有するものであれば、特に制限なく使用できる。例えば、アクリル系粘着剤、ウレタン系粘着剤、シリコーン系粘着剤等を使用することもでき、中でも、透明性や耐熱性の観点から、ベースポリマーとして、(メタ)アクリル系ポリマーを使用するアクリル系粘着剤が好適に用いられる。
前記粘着剤層がアクリル系粘着剤を使用する場合、前記アクリル系粘着剤を構成する(メタ)アクリル系ポリマーは、これを構成する原料モノマーとして、炭素数1〜14のアルキル基を有する(メタ)アクリル系モノマーを主モノマーとして用いることができる。前記(メタ)アクリル系モノマーとしては、1種または2種以上を主成分として使用することができる。前記炭素数が1〜14であるアルキル基を有する(メタ)アクリル系モノマーを用いることにより、被着体(被保護体)に対する粘着力を低く制御することが容易となり、軽剥離性に優れた保護フィルムが得られる。なお、本発明における(メタ)アクリル系ポリマーとは、アクリル系ポリマーおよび/またはメタクリル系ポリマーをいい、また(メタ)アクリレートとは、アクリレートおよび/またはメタクリレートをいう。また、本発明における「主成分」とは、構成する成分全量中、最も多い成分を意味し、好ましくは、40質量%を超え、より好ましくは、50質量%を超え、更に好ましくは、60質量%を超えることをいう。
前記炭素数1〜14のアルキル基を有する(メタ)アクリル系モノマーの具体例としては、たとえば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、s−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、へキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、n−ノニル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、n−デシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、n−ドデシル(メタ)アクリレート、n−トリデシル(メタ)アクリレート、n−テトラデシル(メタ)アクリレートなどがあげられる。
なかでも、本発明の透明導電性フィルム用保護フィルムには、へキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、n−ノニル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、n−デシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、n−ドデシル(メタ)アクリレート、n−トリデシル(メタ)アクリレート、n−テトラデシル(メタ)アクリレートなどの炭素数6〜14のアルキル基を有する(メタ)アクリル系モノマーが好適なものとしてあげられる。特に、炭素数6〜14のアルキル基を有する(メタ)アクリル系モノマーを用いることにより、被着体への粘着力を低く制御することが容易となり、再剥離性に優れたものとなる。
特に、前記(メタ)アクリル系ポリマーを構成するモノマー成分全量100質量%に対して、炭素数1〜14であるアルキル基を有する(メタ)アクリル系モノマーを、50質量%以上含有することが好ましく、より好ましくは、60質量%以上、更に好ましくは、70質量%以上、最も好ましくは80〜98質量%である。50質量%未満になると、粘着剤組成物の適度な濡れ性や、粘着剤層の凝集力が劣ることになり、好ましくない。
また、前記(メタ)アクリル系ポリマーが、原料モノマーとして、ヒドロキシル基含有(メタ)アクリル系モノマーを含有することが好ましい。前記ヒドロキシル基含有(メタ)アクリル系モノマーとしては、1種または2種以上を使用することができる。
前記ヒドロキシル基含有(メタ)アクリル系モノマーを用いることにより、粘着剤組成物の架橋などを制御しやすくなり、ひいては流動による濡れ性の改善と剥離における粘着力の低減とのバランスを制御しやすくなる。さらに、一般に架橋部位として作用しうるカルボキシル基やスルホネート基などとは異なり、ヒドロキシル基は、ジッピングの発生を抑制する点から、好適に用いることができる。
前記ヒドロキシル基含有(メタ)アクリル系モノマーの具体例としては、たとえば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、6−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、8−ヒドロキシオクチル(メタ)アクリレート、10−ヒドロキシデシル(メタ)アクリレート、12−ヒドロキシラウリル(メタ)アクリレート、[4−(ヒドロキシメチル)シクロヘキシル]メチルアクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド、N−(2−ヒドロキシエチル)アクリルアミド、N−(2−ヒドロキシエチル)メタクリルアミド、N−(2−ヒドロキシプロピル)アクリルアミド、N−(2−ヒドロキシプロピル)メタクリルアミド、N−(1−ヒドロキシプロピル)アクリルアミド、N−(1−ヒドロキシプロピル)メタクリルアミド、N−(3−ヒドロキシプロピル)アクリルアミド、N−(3−ヒドロキシプロピル)メタクリルアミド、N−(2−ヒドロキシブチル)アクリルアミド、N−(2−ヒドロキシブチル)メタクリルアミド、N−(3−ヒドロキシブチル)アクリルアミド、N−(3−ヒドロキシブチル)メタクリルアミド、N−(4−ヒドロキシブチル)アクリルアミド、N−(4−ヒドロキシブチル)メタクリルアミド等のN−ヒドロキシアルキル(メタ)アクリルアミ度;等が挙げられる。
これらのヒドロキシル基含有(メタ)アクリル系モノマーのなかでも、その重合性や、架橋剤との反応性の点から2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートが好ましく、特に4−ヒドロキシブチルアクリレートが好ましい。これらヒドロキシル基含有(メタ)アクリル系モノマーは単独で用いてもよいし、組み合わせてもよい。特にアルキル基の炭素数が4以上のヒドロキシル基を有する(メタ)アクリル系モノマーを用いることで高速剥離時の軽剥離化が容易となり好ましい。
前記ヒドロキシル基含有(メタ)アクリル系モノマーの含有量は、モノマー成分中、2質量%以上含有することが好ましく、3〜35質量%であることがより好ましく、4〜25質量%であることがさらに好ましく、5〜20質量%であることが最も好ましい。前記ヒドロキシル基含有(メタ)アクリル系モノマーの含有割合を2質量%以上とすることは、ヒドロキシル基含有(メタ)アクリル系モノマーの含有割合を確保して、架橋剤との架橋形成により、耐熱性を有す粘着剤層を形成する点で好ましい。特に、粘着剤層に軽剥離が要求される場合は、11質量%以上であることが好ましい。ヒドロキシル基含有(メタ)アクリル系モノマーの含有量が2質量%未満の場合には、ポリマー中の架橋点が少なく耐熱性に劣るため、好ましくない。
また、その他の重合性モノマー成分として、粘着性能のバランスが取りやすい理由から、Tgが0℃以下(通常−100℃以上)になるようにして、(メタ)アクリル系ポリマーのガラス転移温度や剥離性を調整するための重合性モノマーなどを、本発明の効果を損なわない範囲で使用することができる。
前記(メタ)アクリル系ポリマーにおいて用いられる前記炭素数1〜14のアルキル基を有する(メタ)アクリル系モノマー、及び、前記ヒドロキシル基含有(メタ)アクリル系モノマー以外のその他の重合性モノマーとしては、カルボキシル基含有モノマーを用いることができる。
前記カルボキシル基含有モノマーは、(メタ)アクリロイル基又はビニル基等の不飽和二重結合を有する官能基を有し、かつ、カルボキシル基を有するモノマーが挙げられる。カルボキシル基含有モノマーは、架橋反応をより効率的に行うことができ、粘着力安定性を向上させられる点から用いることができる。前記カルボキシル基含有モノマーの具体例としては、たとえば、(メタ)アクリル酸、カルボキシエチル(メタ)アクリレート、カルボキシペンチル(メタ)アクリレート、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、クロトン酸、イソクロトン酸などがあげられる。これらのカルボキシル基含有モノマーのなかでも、その重合性や、凝集性、価格、汎用性の点からアクリル酸が好ましい。
前記カルボキシル基含有モノマーの含有量は、モノマー成分中、0.001〜15質量%であり、0.002〜12質量%であることが好ましく、0.005〜10質量%であることがよりより好ましく、0.01〜5質量%であることがさらに好ましく、0.02〜1質量%であることが最も好ましい。前記カルボキシル基含有モノマーの含有割合を0.001質量%以上とすることは、得られる粘着剤層を被着体に貼りあわせて加熱した後に、一定以上の粘着力を有することになり、ハガレの問題を防ぐという点から好ましい。カルボキシル基含有モノマーの含有量が15質量%を超える場合にはポットライフが短くなるため好ましくない。
また、特に粘着力安定性(粘着力上昇防止性)の目的で、前記ヒドロキシル基含有(メタ)アクリル系モノマーと前記カルボキシル基含有モノマーを併用して用いることも可能である。前記ヒドロキシル基含有(メタ)アクリル系モノマーと前記カルボキシル基含有モノマーを併用する場合には、前記ヒドロキシル基含有(メタ)アクリル系モノマーの含有量は、モノマー成分中、35質量%以下含有することが好ましく、より好ましくは、1〜25質量%、更に好ましくは、3〜20質量%であり、更により好ましくは5〜15質量%であり、最も好ましくは11〜17質量%である。また、前記カルボキシル基含有モノマーの含有量は、モノマー成分中、0.2質量%未満であることが好ましく、0.1質量%以下であることがさらに好ましく、0.01〜0.05質量%が最も好ましい。カルボキシル基含有モノマーが0.2質量%未満になると、カルボキシル基の酸官能基による触媒効果で架橋が促進され、粘着力安定化が図れるため好ましい。
更に、前記(メタ)アクリル系ポリマーにおいて用いられる前記炭素数1〜14のアルキル基を有する(メタ)アクリル系モノマー、ヒドロキシル基含有(メタ)アクリル系モノマー、及び、カルボキシル基含有モノマー以外のその他の重合性モノマーとしては、本発明の特性を損なわない範囲内であれば、特に限定することなく用いることができる。たとえば、シアノ基含有モノマー、ビニルエステルモノマー、芳香族ビニルモノマーなどの凝集力・耐熱性向上成分や、アミド基含有モノマー、イミド基含有モノマー、アミノ基含有モノマー、エポキシ基含有モノマー、N−アクリロイルモルホリン、ビニルエーテルモノマーなどの粘着力向上や架橋化基点として働く官能基を有する成分を適宜用いることができる。中でも、シアノ基含有モノマー、アミド基含有モノマー、イミド基含有モノマー、アミノ基含有モノマー、及び、N−アクリロイルモルホリンなどの窒素含有モノマーを用いることが好ましい。窒素含有モノマーを用いることにより、浮きや剥がれなどが生じない適度な粘着力を確保でき、更にせん断力に優れた保護フィルムを得ることができるため、有用である。これら重合性モノマーは、単独で使用してもよく、また2種以上を混合して使用してもよい。
前記シアノ基含有モノマーとしては、たとえば、アクリロニトリル、メタクリロニトリルがあげられる。
前記ビニルエステルモノマーとしては、たとえば、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ラウリン酸ビニルなどがあげられる。
前記芳香族ビニルモノマーとしては、たとえば、スチレン、クロロスチレン、クロロメチルスチレン、α−メチルスチレン、その他の置換スチレンなどがあげられる。
前記アミド基含有モノマーとしては、たとえば、アクリルアミド、メタクリルアミド、ジエチルアクリルアミド、N−ビニルピロリドン、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジメチルメタクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミド、N,N−ジエチルメタクリルアミド、N,N’−メチレンビスアクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド、ジアセトンアクリルアミドなどがあげられる。
前記イミド基含有モノマーとしては、たとえば、シクロヘキシルマレイミド、イソプロピルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、イタコンイミドなどがあげられる。
前記アミノ基含有モノマーとしては、たとえば、アミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレートなどがあげられる。
前記エポキシ基含有モノマーとしては、たとえば、グリシジル(メタ)アクリレート、メチルグリシジル(メタ)アクリレート、アリルグリシジルエーテルなどがあげられる。
前記ビニルエーテルモノマーとしては、たとえば、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテルなどがあげられる。
本発明において、炭素数1〜14のアルキル基を有する(メタ)アクリル系モノマー、ヒドロキシル基含有(メタ)アクリル系モノマー、カルボキシル基含有モノマー以外のその他の重合性モノマーは、前記炭素数1〜14であるアルキル基を有する(メタ)アクリル系モノマー100質量部に対して、0〜40質量部であることが好ましく、0〜30質量部であることがより好ましい。前記その他の重合性モノマーを、前記範囲内で用いることにより、耐熱性および良好な再剥離性を適宜調節することができる。
前記(メタ)アクリル系ポリマーは、重量平均分子量(Mw)が10万〜500万が好ましく、より好ましくは20万〜200万、さらに好ましくは30万〜80万である。重量平均分子量が10万より小さい場合は、粘着剤層の凝集力が小さくなることにより糊残りを生じる傾向がある。一方、重量平均分子量が500万を超える場合は、ポリマーの流動性が低下し、被着体(例えば、偏光板)への濡れが不十分となり、被着体と保護フィルムの粘着剤層との間に発生するフクレの原因となる傾向がある。なお、重量平均分子量は、GPC(ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー)により測定して得られたものをいう。
また、前記(メタ)アクリル系ポリマーのガラス転移温度(Tg)は、0℃以下が好ましく、より好ましくは−10℃以下である(通常−100℃以上)。特に、保護フィルム剥離時のジッピングの発生を抑制したい場合には、前記(メタ)アクリル系ポリマーのガラス転移温度は、−55℃以下であるのが好ましく、さらには−60℃以下がより好ましく、さらには−65℃以下が好ましい。一方、ガラス転移温度が、低すぎる場合には、凝集力が得られず、粘着力が高くなり過ぎたり、糊残りが生じる場合があるため、ガラス転移温度は−100℃以上であるのが好ましい。
前記(メタ)アクリル系ポリマーの重合方法は、特に制限されるものではなく、溶液重合、乳化重合、塊状重合、懸濁重合などの公知の方法により重合できるが、特に作業性の観点や、被着体(被保護体)への低汚染性など特性面から、溶液重合がより好ましい態様である。また、得られるポリマーは、ランダム共重合体、ブロック共重合体、交互共重合体、グラフト共重合体などいずれでもよい。
前記粘着剤層にウレタン系粘着剤を使用する場合、任意の適切なウレタン系粘着剤を採用し得る。このようなウレタン系粘着剤としては、好ましくは、ポリオールとポリイソシアネート化合物を反応させて得られるウレタン樹脂(ウレタン系ポリマー)からなるものが挙げられる。ポリオールとしては、例えば、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリカプロラクトンポリオールなどが挙げられる。ポリイソシアネート化合物としては、例えば、ジフェニルメタンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネートなどが挙げられる。
前記粘着剤層にシリコーン系粘着剤を使用する場合、任意の適切なシリコーン系粘着剤を採用し得る。このようなシリコーン系粘着剤としては、好ましくは、シリコーン樹脂(シリコーン系ポリマー、シリコーン成分)をブレンドまたは凝集させることにより得られるものを採用し得る。
また、前記シリコーン系粘着剤としては、付加反応硬化型シリコーン系粘着剤や過酸化物硬化型シリコーン系粘着剤が挙げられる。これらのシリコーン系粘着剤の中でも、過酸化物(過酸化ベンゾイルなど)を使用せず、分解物が発生しないことから、付加反応硬化型シリコーン系粘着剤が好ましい。
前記付加反応硬化型シリコーン系粘着剤の硬化反応としては、例えば、ポリアルキルシリコーン系粘着剤を得る場合、一般的に、ポリアルキル水素シロキサン組成物を白金触媒により硬化させる方法が挙げられる。
<粘着剤層用の架橋剤>
本発明の透明導電性フィルム用保護フィルムは、前記粘着剤組成物が、架橋剤を含有することが好ましい。また、本発明においては、前記粘着剤組成物を用いて、粘着剤層とする。例えば、前記粘着剤組成物が、ベースポリマーとして、前記(メタ)アクリル系ポリマーを含有する場合、前記(メタ)アクリル系ポリマーの構成単位、構成比率、架橋剤の選択および添加比率等を適宜調節して架橋することにより、より耐熱性に優れた保護フィルム(粘着剤層)を得ることができる。
本発明に用いられる架橋剤としては、イソシアネート化合物、エポキシ化合物、メラミン系樹脂、アジリジン誘導体、および金属キレート化合物などを用いてもよく、特にイソシアネート化合物の使用は、好ましい態様となる。また、これらの化合物は単独で使用してもよく、2種以上を混合して使用してもよい。
前記イソシアネート化合物としては、たとえば、トリメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ブチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、ペンタメチレンジイソシアネート、1,2−プロピレンジイソシアネート、1,3−ブチレンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、ダイマー酸ジイソシアネートなどの脂肪族ポリイソシアネート類、シクロペンチレンジイソシアネート、シクロヘキシレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート(IPDI)などの脂環族イソシアネート類、2,4−トリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート(XDI)、フェニレンジイソシアネート、4,4’−トルイジンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルエーテルジイソシアネート、4,4’−ジフェニルジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネートなどの芳香族イソシアネート類、前記イソシアネート化合物をアロファネート結合、ビウレット結合、イソシアヌレート結合、ウレトジオン結合、ウレア結合、カルボジイミド結合、ウレトンイミン結合、オキサジアジントリオン結合などにより変性したポリイソシネート変性体が挙げられる。たとえば、市販品として、商品名タケネート300S、タケネート500、タケネート600、タケネートD165N、タケネートD178N(以上、武田薬品工業社製)、スミジュールT80、スミジュールL、デスモジュールN3400(以上、住化バイエルウレタン社製)、ミリオネートMR、ミリオネートMT、コロネートL、コロネートHL、コロネートHX(以上、日本ポリウレタン工業社製)などがあげられる。これらイソシアネート化合物は、単独で使用してもよく、2種以上混合して使用してもよく、2官能のイソシアネート化合物と3官能以上のイソシアネート化合物を併用して用いることも可能である。架橋剤を併用して用いることにより粘着性と耐反発性(曲面に対する接着性)を両立することが可能となり、より接着信頼性に優れた保護フィルムを得ることができる。
また、前記イソシアネート化合物として、2官能のイソシアネート化合物と3官能以上のイソシアネート化合物を併用して用いる場合には、両化合物の配合比(質量比)としては、[2官能のイソシアネート化合物]/[3官能以上のイソシアネート化合物](質量比)が、0.1/99.9〜50/50で配合することが好ましく、0.1/99.9〜20/80がより好ましく、0.1/99.9〜10/90がさらに好ましく、0.1/99.9〜5/95がより好ましく、0.1/99.9〜1/99が最も好ましい。前記範囲内に調整して配合することにより、粘着性と耐反発性に優れた粘着剤層となり、好ましい態様となる。
前記エポキシ化合物としては、たとえば、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−m−キシレンジアミン(商品名TETRAD−X、三菱瓦斯化学社製)や1,3−ビス(N,N−ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサン(商品名TETRAD−C、三菱瓦斯化学社製)などがあげられる。
前記メラミン系樹脂としてはヘキサメチロールメラミンなどがあげられる。アジリジン誘導体としては、たとえば、市販品としての商品名HDU、TAZM、TAZO(以上、相互薬工社製)などがあげられる。
前記金属キレート化合物としては、金属成分としてアルミニウム、鉄、スズ、チタン、ニッケルなど、キレート成分としてアセチレン、アセト酢酸メチル、乳酸エチルなどがあげられる。
本発明に用いられる架橋剤の含有量は、例えば、前記(メタ)アクリル系ポリマー100質量部に対して、5〜30質量部が好ましく、5〜25質量部がより好ましく、6〜22質量部が更に好ましく、10〜20質量部が最も好ましい。前記含有量が5質量部よりも少ない場合、架橋剤による架橋形成が不十分となり、得られる粘着剤層の凝集力が小さくなって、十分な耐熱性が得られない場合もあり、また糊残りの原因となる傾向がある。一方、含有量が30質量部を超える場合、ポリマーの凝集力が大きく、流動性が低下し、被着体(例えば、偏光板)への濡れが不十分となって、被着体と粘着剤層(粘着剤組成物層)との間に発生するフクレの原因となる傾向がある。本発明では特に高い耐熱性が求められる場合には、架橋剤の含有量としては、10質量部以上含有することが好ましい。また、これらの架橋剤は単独で使用してもよく、また2種以上を混合して使用してもよい。
<架橋触媒>
前記粘着剤組成物には、さらに、上述したいずれかの架橋反応をより効果的に進行させるための架橋触媒を含有させることができる。かかる架橋触媒として、例えばオクタン酸錫、オクチル酸錫、ブタン酸錫、ナフテン酸錫、カプリル酸錫、オレイン酸錫等の2価の有機錫化合物;ジブチル錫ジオクトエート、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジマレエート、ジブチル錫ジステアレート、ジブチル錫ジオレエート、ジオクチル錫ジラウレート、ジオクチル錫ジバーサテート、ジフェニル錫ジアセテート、ジブチル錫ジメトキシド、ジブチル錫オキサイド、ジブチル錫ビス(トリエトキシシリケート)、ジブチル錫オキサイドとフタル酸エステルとの反応物等の4価の有機錫化合物;ジブチル錫ビス(アセチルアセトナート)、錫系キレート化合物などのスズ系触媒、トリス(アセチルアセトナト)鉄、トリス(ヘキサン−2,4−ジオナト)鉄、トリス(ヘプタン−2,4−ジオナト)鉄、トリス(ヘプタン−3,5−ジオナト)鉄、トリス(5−メチルヘキサン−2,4−ジオナト)鉄、トリス(オクタン−2,4−ジオナト)鉄、トリス(6−メチルヘプタン−2,4−ジオナト)鉄、トリス(2,6−ジメチルヘプタン−3,5−ジオナト)鉄、トリス(ノナン−2,4−ジオナト)鉄、トリス(ノナン−4,6−ジオナト)鉄、トリス(2,2,6,6−テトラメチルヘプタン−3,5−ジオナト)鉄、トリス(トリデカン−6,8−ジオナト)鉄、トリス(1−フェニルブタン−1,3−ジオナト)鉄、トリス(ヘキサフルオロアセチルアセトナト)鉄、トリス(アセト酢酸エチル)鉄、トリス(アセト酢酸−n−プロピル)鉄、トリス(アセト酢酸イソプロピル)鉄、トリス(アセト酢酸−n−ブチル)鉄、トリス(アセト酢酸−sec−ブチル)鉄、トリス(アセト酢酸−tert−ブチル)鉄、トリス(プロピオニル酢酸メチル)鉄、トリス(プロピオニル酢酸エチル)鉄、トリス(プロピオニル酢酸−n−プロピル)鉄、トリス(プロピオニル酢酸イソプロピル)鉄、トリス(プロピオニル酢酸−n−ブチル)鉄、トリス(プロピオニル酢酸−sec−ブチル)鉄、トリス(プロピオニル酢酸−tert−ブチル)鉄、トリス(アセト酢酸ベンジル)鉄、トリス(マロン酸ジメチル)鉄、トリス(マロン酸ジエチル)鉄、トリメトキシ鉄、トリエトキシ鉄、トリイソプロポキシ鉄、塩化第二鉄などの鉄系触媒を用いることができる。これら架橋触媒は、1種でもよく、2種以上を併用してもよい。
前記架橋触媒の含有量は、特に制限されないが、例えば、前記(メタ)アクリル系ポリマー100質量部に対して、およそ0.0001〜1質量部とすることが好ましく、0.001〜0.5質量部がより好ましい。前記範囲内にあると、粘着剤層を形成した際に架橋反応の速度が速く、粘着剤組成物のポットライフも長くなり、好ましい態様となる。
<ケト−エノール互変異性を起こす化合物>
更に、前記粘着剤組成物には、架橋遅延剤として、ケト−エノール互変異性を起こす化合物(以下、単に「ケト−エノール互変異性化合物」という場合がある。)を含有させることができる。例えば、架橋剤を含む粘着剤組成物または架橋剤を配合して使用され得る粘着剤組成物において、前記ケト−エノール互変異性を起こす化合物を含む態様を好ましく採用することができる。これにより、架橋剤配合後における粘着剤組成物の過剰な粘度上昇やゲル化を抑制し、粘着剤組成物のポットライフを延長する効果が実現され得る。前記架橋剤として少なくともイソシアネート化合物を使用する場合には、ケト−エノール互変異性を起こす化合物を含有させることが特に有意義である。この技術は、例えば、前記粘着剤組成物が有機溶剤溶液または無溶剤の形態である場合に好ましく適用され得る。
ケト−エノール互変異性化合物とは、ケト(ケトン、アルデヒド)とエノールの間の互変異性(化1参照)を起こす化合物のことである。
Figure 2017119749
(R,R,Rは水素、アルキル基、アルケニル基、アリール基等の置換基であって、分子内にヘテロ原子やハロゲン原子を含んでいてもよい。)
ケト−エノール互変異性化合物としては、たとえばアセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、アセト酢酸−n−プロピル、アセト酢酸イソプロピル、アセト酢酸−n−ブチル、アセト酢酸−sec−ブチル、アセト酢酸−t−ブチル、プロピオニル酢酸メチル、プロピオニル酢酸エチル、プロピオニル酢酸−n−プロピル、プロピオニル酢酸イソプロピル、プロピオニル酢酸−n−ブチル、プロピオニル酢酸−sec−ブチル、プロピオニル酢酸−tert−ブチル、アセト酢酸ベンジル、マロン酸ジメチル、マロン酸ジエチル等のβ−ケトエステル類;
アセチルアセトン、ヘキサン−2,4−ジオン、ヘプタン−2,4−ジオン、ヘプタン−3,5−ジオン、5−メチル−ヘキサン−2,4−ジオン、オクタン−2,4−ジオン、6−メチルヘプタン−2,4−ジオン、2,6−ジメチルヘプタンー3,5−ジオン、ノナン−2,4−ジオン、ノナン−4,6−ジオン、2,2,6,6−テトラメチルヘプタン−3,5−ジオン、トリデカン−6,8−ジオン、1−フェニル−ブタン−1,3−ジオン、ヘキサフルオロアセチルアセトン、アスコルビン酸等のβ−ジケトン類;
無水酢酸等の酸無水物;
アセトン、メチルエチルケトン、メチル−n−ブチルケトン、メチルイソブチルケトン、メチル−tert−ブチルケトン、メチルフェニルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;等をあげることが出来る。これらの化合物の中でも、粘着剤組成物の過剰な粘度上昇やゲル化を抑制する効果が高いβ−ジケトン類を用いることが好ましく、その中でもアセチルアセトンがより好ましい。
ケト−エノール互変異性化合物の含有量は、前記触媒に対するケト−エノール互変異性化合物の質量比が3〜70となるよう含有し、10〜70となるよう含有することが好ましく、20〜60となるよう含有することがより好ましく、40〜55となるよう含有することが更に好ましい。ケト−エノール互変異性化合物と前記触媒の質量比が70を超えると、前記触媒に対して過剰にケト−エノール互変異性化合物が含まれた状態となり、ケト−エノール互変異性化合物が配合液中のイソシアネート系架橋剤と副反応を起こすため、硬化時にヒドロキシル基と反応できるイソシアネート基が減少し、十分な硬化性を得ることができなくなる。一方、ケト−エノール互変異性化合物の質量比が3未満であると、前記触媒に対して過小にケト−エノール互変異性化合物が含まれた状態となり、粘着剤組成物の過剰な粘度上昇やゲル化を抑制する効果が不十分となる。
また、前記粘着剤組成物には、前記(メタ)アクリル系ポリマーの他に、放射線反応性不飽和結合を2個以上有する多官能モノマーを配合することができる。多官能モノマーは(メタ)アクリル系ポリマーを調製する際に、モノマー成分として用いることができる。かかる場合には、放射線などを照射することにより(メタ)アクリル系ポリマーを架橋させる。一分子中に放射線反応性不飽和結合を2個以上有する多官能モノマーとしては、たとえば、ビニル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、ビニルベンジル基などの放射線の照射で架橋処理(硬化)することができる1種または2種以上の放射線反応性を2個以上有する多官能モノマーがあげられる。また、前記多官能モノマーとしては、一般的には放射線反応性不飽和結合が10個以下のものが好適に用いられる。これらの化合物は単独で使用してもよく、また2種以上を混合して使用してもよい。
前記多官能モノマーの具体例としては、たとえば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,6へキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジビニルベンゼン、N,N’−メチレンビスアクリルアミドなどあげられる。
前記多官能モノマーの含有量は、(メタ)アクリル系ポリマー100質量部に対して、30質量部以下が好ましく、1〜30質量部であることがより好ましく、2〜25質量部であることが更に好ましい。
放射線としては、例えば、紫外線、レーザー線、α線、β線、γ線、X線、電子線などがあげられるが、制御性及び取り扱い性の良さ、コストの点から紫外線が好適に用いられる。より好ましくは、波長200〜400nmの紫外線が用いられる。紫外線は、高圧水銀灯、マイクロ波励起型ランプ、ケミカルランプなどの適宜光源を用いて照射することができる。なお、放射線として紫外線を用いる場合には粘着剤組成物に光重合開始剤を配合する。
光重合開始剤としては、放射線反応性成分の種類に応じ、その重合反応の引金となり得る適当な波長の紫外線を照射することによりラジカルもしくはカチオンを生成する物質であればよい。
光ラジカル重合開始剤として、たとえば、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、o−ベンゾイル安息香酸メチル−p−ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、α−メチルベンゾイン等のベンゾイン類、ベンジルジメチルケタール、トリクロルアセトフェノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロへキシルフェニルケトン等のアセトフェノン類、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン、2−ヒドロキシ−4’−イソプロピル−2−メチルプロピオフェノン等のプロピオフェノン類、ベンゾフェノン、メチルベンゾフェノン、p−クロルベンゾフェノン、p−ジメチルアミノベンゾフェノン等のベンゾフェノン類、2−クロルチオキサントン、2−エチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン等のチオキサントン類、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−(エトキシ)−フェニルホスフィンオキサイド等のアシルホスフィンオキサイド類、ベンジル、ジベンゾスベロン、α−アシルオキシムエステルなどがあげられる。これらの化合物は単独で使用してもよく、また2種以上を混合して使用してもよい。
光カチオン重合開始剤として、たとえば、芳香族ジアゾニウム塩、芳香族ヨードニウム塩、芳香族スルホニウム塩等のオニウム塩や、鉄−アレン錯体、チタノセン錯体、アリールシラノール−アルミニウム錯体などの有機金属錯体類、ニトロベンジルエステル、スルホン酸誘導体、リン酸エステル、リン酸エステル、フェノールスルホン酸エステル、ジアゾナフトキノン、N−ヒドロキシイミドスルホナートなどがあげられる。これらの化合物は単独で使用してもよく、また2種以上を混合して使用してもよい。光重合開始剤は、(メタ)アクリル系ポリマー100質量部に対し、通常0.1〜10質量部配合し、0.2〜7質量部の範囲で配合するのが好ましい。
さらに、アミン類などの光重合開始助剤を併用することも可能である。前記光重合開始助剤としては、たとえば、2−ジメチルアミノエチルベンゾエート、ジメチルアミノアセトフェノン、p−ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル、p−ジメチルアミノ安息香酸イソアミルエステルなどがあげられる。これらの化合物は単独で使用してもよく、また2種以上を混合して使用してもよい。重合開始助剤は、(メタ)アクリル系ポリマー100質量部に対し、0.05〜10質量部配合するのが好ましく、0.1〜7質量部の範囲で配合するのがより好ましい。
さらに、本発明に用いられる粘着剤組成物には、その他の公知の添加剤を含有していてもよく、たとえば、着色剤、顔料などの粉体、界面活性剤、可塑剤、粘着性付与剤、低分子量ポリマー、表面潤滑剤、レベリング剤、帯電防止剤、酸化防止剤、腐食防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、重合禁止剤、シランカップリング剤、無機または有機の充填剤、金属粉、粒子状、箔状物などを使用する用途に応じて適宜配合することができる。
本発明において用いられる粘着剤層は、以上のような粘着剤組成物から形成されたものである。また、本発明の(機能層付き)透明導電性フィルム用保護フィルムは、かかる粘着剤層を基材(「支持体」、又は「基材層」ともいう。)上に形成してなるものである。その際、例えば、アクリル系粘着剤を使用する場合、ベースポリマーとして使用される前記(メタ)アクリル系ポリマーの架橋は、粘着剤組成物の塗布後に行うのが一般的であるが、架橋後の粘着剤組成物からなる粘着剤層を基材等に転写することも可能である。
基材上に、粘着剤層を形成する方法は、特に問わないが、たとえば、前記粘着剤組成物を基材に塗布(たとえば、固形分としては、20質量%以上が好ましく、30質量%以上がより好ましい。)し、重合溶剤等を乾燥除去して粘着剤層を基材上に形成することにより作製される。その後、粘着剤層の成分移行の調整や架橋反応の調整などを目的として養生をおこなってもよい。また、粘着剤組成物を基材上に塗布して、透明導電性フィルム用保護フィルムを作製する際には、基材上に均一に塗布できるよう、粘着剤組成物中に重合溶剤以外の一種以上の溶剤を新たに加えてもよい。
また、前記粘着剤組成物の塗布方法としては、粘着テープ等の製造に用いられる公知の方法が用いられる。具体的には、たとえば、ロールコート、グラビアコート、リバースコート、ロールブラッシュ、スプレーコート、エアーナイフコート法などがあげられる。
基材に塗布した粘着剤組成物を乾燥する際の乾燥条件は、粘着剤組成物の組成、濃度、組成物中の溶媒の種類等によって適宜決定できるものであり、特に限定されるものではないが、例えば、80〜200℃で10秒〜30分程度で乾燥することができる。
また、上述のように任意成分とする光重合開始剤を配合した場合には、基材の片面に塗工した後、光照射することにより粘着剤層を得ることができる。通常は、波長300〜400nmにおける照度が1〜200mW/cmである紫外線を、光量400〜4000mJ/cm程度照射して光重合させることにより粘着剤層が得られる。
本発明の透明導電性フィルム用保護フィルムの粘着剤層の厚みは、5〜50μmが好ましく、より好ましくは10〜30μmである。前記範囲内であると、密着性と再剥離性のバランスに優れ、好ましい態様となる。本発明に用いられる基材の片面に、上記粘着剤層を塗布等して形成し、フィルム状やシート状、テープ状などの形態としたものである。
本発明の(機能層付き)透明導電性フィルム用保護フィルムは、必要に応じて粘着面を保護する目的で粘着剤(層)表面にシリコーン系、フッ素系、長鎖アルキル系または脂肪酸アミド系などの離型剤処理されたセパレーターを貼り合わせることが可能である。セパレーターを構成する基材としては、紙やプラスチックフィルムがあるが、表面平滑性に優れる点からプラスチックフィルムが好適に用いられる。そのフィルムとしては、前記粘着剤層を保護し得るフィルムであれば特に限定されず、たとえば、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリブテンフィルム、ポリブタジエンフィルム、ポリメチルペンテンフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、塩化ビニル共重合体フィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリブチレンテレフタレートフィルム、ポリウレタンフィルム、エチレン−酢酸ビニル共重合体フィルムなどがあげられる。
また、前記セパレーター用の基材には、必要に応じて、アルカリ処理、プライマー処理、コロナ処理、プラズマ処理、紫外線処理などの易接着処理、塗布型、練り込み型、蒸着型などの静電防止処理をすることもできる。特に、静電防止処理を行う場合には、基材と離型剤の間に静電防止処理層を設けることが好ましい。
<(機能層付き)透明導電性フィルム>
図1に示すように、透明導電性フィルム(薄層基材)1は、透明導電層1aと支持体1bを有するフィルムを挙げることができる。
支持体1bとしては、樹脂フィルムや、ガラスなどからなる基材(例えば、シート状やフィルム状、板状の基材(部材)など)などが挙げられ、特に、樹脂フィルムをあげることができる。支持体1bの厚さは、特に限定されないが、10〜200μm程度が好ましく、15〜150μm程度がより好ましい。
前記樹脂フィルムの材料としては、特に制限されないが、透明性を有する各種のプラスチック材料があげられる。例えば、その材料として、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル系樹脂、アセテート系樹脂、ポリエーテルスルホン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ塩化ビニリデン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリアリレート系樹脂、ポリフェニレンサルファイド系樹脂等が挙げられる。これらの中で特に好ましいのは、ポリエステル系樹脂、ポリイミド系樹脂、環状オレフィン系樹脂及びポリエーテルスルホン系樹脂である。
また、前記支持体1bには、表面に予めスパッタリング、コロナ放電、火炎、紫外線照射、電子線照射、化成、酸化などのエッチング処理や下塗り処理を施して、この上に設けられる透明導電層1a等の前記支持体1bに対する密着性を向上させるようにしてもよい。また、透明導電層1aを設ける前に、必要に応じて溶剤洗浄や超音波洗浄などにより除塵、清浄化してもよい。
前記透明導電層1aの構成材料としては特に限定されず、インジウム、スズ、亜鉛、ガリウム、アンチモン、チタン、珪素、ジルコニウム、マグネシウム、アルミニウム、金、銀、銅、パラジウム、タングステンからなる群より選択される少なくとも1種の金属の金属酸化物や、金属ナノワイヤー(例えば、銀ナノワイヤー)、金属メッシュ等が用いられる。前記金属酸化物には、必要に応じて、さらに上記群に示された金属原子を含んでいてもよい。例えば酸化スズを含有する酸化インジウム(ITO)、アンチモンを含有する酸化スズなどが好ましく用いられ、ITOが特に好ましく用いられる。ITOとしては、酸化インジウム80〜99質量%及び酸化スズ1〜20質量%を含有することが好ましい。
前記透明導電層1aの厚みは特に制限されないが、10〜300nmであることが好ましく、15〜100nmであることがより好ましい。
前記透明導電層1aの形成方法としては特に限定されず、従来公知の方法を採用することができる。具体的には、例えば真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法を例示できる。また、必要とする膜厚に応じて適宜の方法を採用することもできる。
また、透明導電層1aと支持体1bとの間に、必要に応じて、アンダーコート層、オリゴマー防止層等を設けることができる。
また、前記透明導電層1aを有する透明導電性フィルム1は、光学デバイス用基材(光学部材)として用いることができる。光学デバイス用基材としては、光学的特性を有する基材であれば、特に限定されないが、例えば、表示装置(液晶表示装置、有機EL(エレクトロルミネッセンス)表示装置、PDP(プラズマディスプレイパネル)、電子ペーパーなど)、入力装置(タッチパネル等)等の機器を構成する基材(部材)又はこれらの機器に用いられる基材(部材)が挙げられる。これらの光学デバイス用基材は近年の薄膜化の傾向に伴い、コシがなくなり、加工工程や搬送工程等において、撓みや形状の変形を生じ易かった。本発明の透明導電性フィルム用保護フィルムを貼付して使用することにより、形状を保持することができ、不具合の発生を抑制でき、好ましい態様となる。
<機能層>
図2に示すように、透明導電性フィルム1の透明導電層1aを設けていない側の面には、機能層2を設けることができる。
前記機能層としては、例えば、視認性の向上を目的とした防眩処理(AG)層や反射防止(AR)層を設けることができる。防眩処理層の構成材料としては特に限定されず、例えば電離放射線硬化型樹脂、熱硬化型樹脂、熱可塑性樹脂等を用いることができる。防眩処理層の厚みは0.1〜30μmが好ましい。反射防止層としては、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化ケイ素、フッ化マグネシウム等が用いられる。反射防止層は複数層を設けることができる。
また、前記機能層としては、ハードコート(HC)層を設けることができる。ハードコート層の形成材料としては、例えば、メラミン系樹脂、ウレタン系樹脂、アルキド系樹脂、アクリル系樹脂、シリコーン系樹脂などの硬化型樹脂からなる硬化被膜が好ましく用いられる。ハードコート層の厚さとしては、0.1〜30μmが好ましい。厚さを0.1μm以上とすることが、硬度を付与するうえで好ましい。また、前記ハードコート層上に、前記防眩処理層や反射防止層やアンチブロッキング層を設けることができる。また、防眩機能、反射防止機能、アンチブロッキング機能、オリゴマー防止機能を有するハードコート層を用いることができる。
前記機能層付き透明導電性フィルム(機能層を含む)の厚みとしては、210μm以下が好ましく、150μm以下がより好ましい。前記範囲内の透明導電性フィルム(被着体)に対して、本発明の(機能層付き)透明導電性フィルム用保護フィルムを使用することにより、透明導電性フィルムが非常に薄い場合でもその形状を保持することができ、シワやキズ等の不具合の発生を抑制でき、好ましい態様となる。
本発明において使用される前記粘着剤層の機能層に対する粘着力(常温:25℃、図1中のA面に対する粘着力)としては、エージングにおける環境(例えば、温度や湿度環境)が変化した場合、透明導電性フィルムに貼りあわせて加熱した後、さらには、高速剥離と低速剥離いずれにおいても、0.05〜3.5N/50mmであることが好ましく、0.1〜2.5N/50mmであることがより好ましく、0.2〜1.5N/50mmであることが更に好ましく、0.2〜1.0N/50mmであることが最も好ましい。前記範囲内であると、透明導電性フィルム用保護フィルムを透明導電性フィルムから剥離する際に、前記透明導電性フィルムの形状が、変形等を生じず、好ましい態様となる。また、特に、粘着力が3.5N/50mmを超えると、透明導電性フィルム用保護フィルムを透明導電性フィルムから剥離する際に、前記透明導電性フィルムの形状が変形等を生じてしまう傾向があり、好ましくない。
<積層体>
また、本発明の積層体は、前記透明導電性フィルム用保護フィルムと、前記透明導電性フィルム用保護フィルムに積層された透明導電性フィルムを有する積層体であって、前記透明導電性フィルムは透明導電層及び支持体を有し、前記支持体の前記透明導電層と接触する面とは反対側の表面に、前記透明導電性フィルム用保護フィルムの粘着剤層の粘着面が貼り合わされていることを特徴とする。
さらに、本発明は、透明導電性フィルム用保護フィルムと、前記透明導電性フィルム用保護フィルムに積層された透明導電性フィルムを有する積層体であって、前記透明導電性フィルムが、透明導電層、及び、支持体を有し、さらに前記支持体の前記透明導電層と接触する面とは反対側の表面に機能層を有しており、前記機能層の表面に、前記透明導電性フィルム用保護フィルムの粘着剤層の粘着面が貼り合わされているものも好適に用いられる。
本発明の積層体に用いられる透明導電性フィルム用保護フィルム、透明導電性フィルムについては、上述のものを挙げることができる。
以下、本発明に関連するいくつかの実施例を説明するが、本発明をかかる具体例に示すものに限定することを意図したものではない。また、以下の説明中の「部」および「%」は、特に断りがない限り質量基準である。なお、表中の配合量(添加量)は、固形分又は固形分比を示した。また、実施例等における評価項目は下記のようにして測定を行った。配合内容については、表1及び表2に示し、評価結果については、表3に示した。
<帯電防止層1用液の調製>
バインダとして、ポリエステル樹脂バイロナールMD−1480(25%水溶液、東洋紡社製)、導電性ポリマーとして、ポリアニリンスルホン酸(aqua−PASS、重量平均分子量4万、三菱レイヨン社製)、及び、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)(PEDOT)/ポリスチレンスルホン酸(PSS)(Baytron P、H,C,Starck社製)、架橋剤としてジイソプロピルアミンでブロックしたヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート体、滑剤として、脂肪酸アミドであるオレイン酸アミドを水/エタノール(1/1)の混合溶媒に、バインダを固形分量で100質量部、ポリアニリンスルホン酸を固形分量で80質量部、PEDOT/PSSを固形分量で20質量部、架橋剤を固形分量で10質量部、滑剤を固形分量で10質量部とを加え、約20分間撹拌して十分に混合した。このようにして、NV約0.4%の帯電防止層1用液を調製した(表1参照)。
<帯電防止層2用液の調製>
バインダとして、ポリエステル樹脂バイロナールMD−1480(25%水溶液、東洋紡社製)、導電性ポリマーとして、ポリアニリンスルホン酸(aqua−PASS、重量平均分子量4万、三菱レイヨン社製)、及び、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)(PEDOT)/ポリスチレンスルホン酸(PSS)(Baytron P、H,C,Starck社製)、架橋剤としてメトキシ化メチロールメラミン、滑剤として、シリコーン系滑剤であるカルビノール変性ポリジメチルシロキサン(BY16−201、東レ・ダウコーニング社製)を水/エタノール(1/1)の混合溶媒に、バインダを固形分量で100質量部、ポリアニリンスルホン酸を固形分量で60質量部、PEDOT/PSSを固形分量で40質量部、架橋剤を固形分量で10質量部、滑剤を固形分量で10質量部とを加え、約20分間撹拌して十分に混合した。このようにして、NV約0.4%の帯電防止層2用液を調製した(表1参照)。
<帯電防止層3用液の調製>
バインダとして、ポリエステル樹脂バイロナールMD−1480(25%水溶液、東洋紡社製)、導電性ポリマーとして、ポリアニリンスルホン酸(aqua−PASS、重量平均分子量4万、三菱レイヨン社製)、及び、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)(PEDOT)/ポリスチレンスルホン酸(PSS)(Baytron P、H,C,Starck社製)、架橋剤としてジイソプロピルアミンでブロックしたヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート体、及び、メトキシ化メチロールメラミン、滑剤として、フッ素系滑剤である含フッ素ブロックコポリマー(モディパーF200、日油社製)を水/エタノール(1/1)の混合溶媒に、バインダを固形分量で100質量部、ポリアニリンスルホン酸を固形分量で50質量部、PEDOT/PSSを固形分量で50質量部、各架橋剤を固形分量で10質量部ずつ、滑剤を固形分量で10質量部とを加え、約20分間撹拌して十分に混合した。このようにして、NV約0.4%の帯電防止層3用液を調製した(表1参照)。
<帯電防止層4用液の調製>
バインダとして、ポリエステル樹脂バイロナールMD−1480(25%水溶液、東洋紡社製)、導電性ポリマーとして、ポリアニリンスルホン酸(aqua−PASS、重量平均分子量4万、三菱レイヨン社製)、及び、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)(PEDOT)/ポリスチレンスルホン酸(PSS)(Baytron P、H,C,Starck社製)、架橋剤としてメトキシ化メチロールメラミン、滑剤として、ワックス系滑剤であるカルナバワックスを水/エタノール(1/1)の混合溶媒に、バインダを固形分量で100質量部、ポリアニリンスルホン酸を固形分量で20質量部、PEDOT/PSSを固形分量で80質量部、架橋剤を固形分量で10質量部、滑剤を固形分量で10質量部とを加え、約20分間撹拌して十分に混合した。このようにして、NV約0.4%の帯電防止層4用液を調製した(表1参照)。
<帯電防止層5〜7用液の調製>
また、表1の配合内容に基づき、前記帯電防止層1〜4用液の調製方法と同様にして、帯電防止層5〜7用液を得た。
<帯電防止層付きの基材の調製>
厚さ125μm、幅30cm、長さ40cmの透明なポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(ポリエステルフィルム)に、前記帯電防止層1〜7用液のいずれかを、乾燥後の帯電防止層の厚みが20、30、45nmのいずれかになるように塗布した。この塗布物を130℃に1分間加熱して乾燥させることにより、基材であるPETフィルムの第一面に帯電防止層を有する帯電防止層付き基材を作製した。
<(メタ)アクリル系ポリマーの調整>
攪拌羽根、温度計、窒素ガス導入管、冷却器を備えた四つ口フラスコに2−エチルヘキシルアクリレート(2EHA)95質量部、4−ヒドロキシエチルアクリレート(HEA)5質量部、重合開始剤として2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.2質量部、酢酸エチル150質量部を仕込み、緩やかに攪拌しながら窒素ガスを導入し、フラスコ内の液温を65℃付近に保って6時間重合反応を行い、(メタ)アクリル系ポリマー溶液(40質量%)を調製した。前記(メタ)アクリル系ポリマーの重量平均分子量(Mw)は56万、ガラス転移温度(Tg)は、−68℃であった(表2参照)。
<粘着剤組成物1の調整>
上記(メタ)アクリル系ポリマー(A)溶液(約40質量%)を酢酸エチルで20質量%に希釈し、この溶液の(メタ)アクリル系ポリマー100質量部(固形分)に対して、ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート体(日本ポリウレタン工業社製,商品名「コロネートHX」)6質量部、鉄触媒としてトリス(アセチルアセトナト)鉄(鉄(III)アセチルアセトナート)[東京化成工業社製]0.01質量部、ケト−エノール互変異性化合物としてアセチルアセトン0.69質量部を加えて、25℃付近に保って約1分間混合撹拌を行い、粘着剤組成物1(溶液)を調製した(表2参照)。
<透明導電性フィルム用保護フィルムの作製>
上記粘着剤組成物1(溶液)を、上記帯電防止層付き基材の片面に塗布し、130℃で90秒間加熱して、厚さ15μmの粘着剤層を形成した。次いで、前記粘着剤層の表面に、片面にシリコーン処理を施したPET剥離ライナー(厚さ25μm)のシリコーン処理面を貼り合せて、透明導電性フィルム用保護フィルムを作製した。なお、使用時には、50℃で24時間加熱エージング(保存)後、前記剥離ライナーは除去して使用した。
[実施例2〜7、比較例1〜2]
表2に示すように、(メタ)アクリル系ポリマーを構成するモノマー成分や、粘着剤組成物を構成する架橋剤、触媒の種類または含有量を変更した以外は、実施例1と同様の方法にて粘着剤組成物を調製し、さらに、表3に示す構成の透明導電性フィルム用保護フィルムを作製した。
また、以下の説明中の各特性は、それぞれ次のようにして、測定又は評価した。
<重量平均分子量(Mw)の測定>
作製したポリマーの重量平均分子量は、GPC(ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー)により測定した。
装置:東ソー社製、HLC−8220GPC
カラム:
サンプルカラム;東ソー社製、TSKguardcolumn Super HZ−H
(1本)+TSKgel Super HZM−H(2本)
リファレンスカラム;東ソー社製、TSKgel Super H−RC(1本)
流量:0.6ml/min
注入量:10μl
カラム温度:40℃
溶離液:THF
注入試料濃度:0.2質量%
検出器:示差屈折計
なお、重量平均分子量はポリスチレン換算により算出した。また、数平均分子量(Mn)の測定が必要な場合は、重量平均分子量と同様に、測定した。
<(メタ)アクリル系ポリマーのガラス転移温度(Tg)の測定>
ガラス転移温度(Tg)(℃)は、各モノマーによるホモポリマーのガラス転移温度Tgn(℃)として下記の文献値を用い、下記の式により求めた。
式:1/(Tg+273)=Σ[Wn/(Tgn+273)]
上記式中、Tg(℃)は共重合体のガラス転移温度、Wn(−)は各モノマーの質量分率、Tgn(℃)は各モノマーによるホモポリマーのガラス転移温度、nは各モノマーの種類を表す。
文献値:
2−エチルヘキシルアクリレート(2EHA):−70℃
ブチルアクリレート(BA):−55℃
4−ヒドロキシブチルアクリレート(HBA):−32℃
2−ヒドロキシエチルアクリレート(HEA):−15℃
アクリル酸(AA):106℃
なお、文献値として「アクリル樹脂の合成・設計と新用途開発」(中央経営開発センター出版部発行)を参照した。
実施例および比較例で得られた透明導電性フィルム用保護フィルムについて下記評価を行った。
<表面抵抗率の測定>
(1)初期の表面抵抗率
透明導電性フィルム用保護フィルムを、23℃×50%RH環境下で60分間静置し、評価サンプルを作製し、温度23℃、湿度50%RHの雰囲気下で、抵抗率計(三菱化学アナリティック製、ハイレスタUP MCP−HT450型)を用いて、JIS−K−6911に準じて、透明導電性フィルム用保護フィルムの帯電防止層面の表面抵抗率(Ω/□)を測定した。
(2)加熱後(140℃×90分)の表面抵抗率
透明導電性フィルム用保護フィルムを140℃環境下で90分間加熱した後、23℃×50%RH環境下で60分間静置し、評価サンプルを作製し、温度23℃、湿度50%RHの雰囲気下で、抵抗率計(三菱化学アナリティック製、ハイレスタUP MCP−HT450型)を用いて、JIS−K−6911に準じて、透明導電性フィルム用保護フィルムの帯電防止層面の表面抵抗率(Ω/□)を測定した。
<粘着力測定>
被着体として、SUS板(SUS430BA)に固定された幅50mm、長さ100mmの透明導電性フィルム(日東電工(株)製、エレクリスタ V150M‐OFAD2、PETフィルムの片面に透明導電層を有し、他の片面に機能層を有するフィルム)の「機能層面」に、透明導電性フィルム用保護フィルムの粘着剤層の「粘着面」を貼り合せて積層体を作製した(貼り合わせ機にて圧着:0.25MPa、圧着速度2.0m/min)。
前記積層体について、次いで、140℃で90分間加熱し、その後60分以上、常温(25℃)で放置した後、同環境下で、万能引張試験機を用いて、剥離速度0.3m/min(低速剥離)、及び、10m/min(高速剥離)、剥離角度180°の条件で透明導電性フィルムから透明導電性フィルム用保護フィルムを剥離し、このときの粘着力(N/50mm)を測定した。
なお、表2中の略称を、以下に説明する。その他の表中の略称は、実施例に基づく。
[モノマー成分]
2EHA:2−エチルヘキシルアクリレート
BA:ブチルアクリレート
HBA:4−ヒドロキシブチルアクリレート
HEA:2−ヒドロキシエチルアクリレート
AA:アクリル酸
[架橋剤]
C/HX:イソシアネート系架橋剤(ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート体、日本ポリウレタン工業社製、商品名「コロネートHX」)
C/L:イソシアネート系架橋剤(トリメチロールプロパン/トリレンジイソシアネート3量体付加物、日本ポリウレタン工業社製、商品名「コロネートL」)
T/C:エポキシ系架橋剤(三菱ガス化学社製、TETRAD−C)
[架橋触媒]
Fe触媒:トリス(アセチルアセトナト)鉄(鉄(III)アセチルアセトナート)(東京化成工業社製)
Sn触媒:ジラウリン酸ジブチルスズ(ジブチルスズジラウレート)(東京化成工業社製)
Figure 2017119749
Figure 2017119749
Figure 2017119749
表3の評価結果より、全ての実施例において、高温環境下に曝した後(140℃×90分)であっても、表面抵抗率の上昇が認められず、高速及び低速剥離時においても、適当な粘着力が得られることが確認できた。
一方、比較例においては、導電性ポリマーの配合割合を所望の範囲から逸脱したため、高温環境下に曝した後(140℃×90分)の表面抵抗率が上昇し、実施例よりも劣ることが確認された。
1a 透明導電層
1b 支持体(基材)
1 透明導電性フィルム
2 機能層
3 粘着剤層
4 基材(支持体)
5 帯電防止層
10 機能層付き透明導電性フィルム
20 透明導電性フィルム用保護フィルム
20’ 機能層付き透明導電性フィルム用保護フィルム
A 基材と接触する面と反対側の粘着面

Claims (5)

  1. 第一面および第二面を有する基材と、前記基材の前記第一面に設けられた帯電防止層と、前記基材の前記第二面に粘着剤組成物より形成された粘着剤層と、を備える透明導電性フィルム用保護フィルムであって、
    前記帯電防止層が、導電性ポリマー成分として、ポリアニリンスルホン酸、及び、ポリアニオン類によりドープされているポリチオフェン類、バインダとしてポリエステル樹脂を含有する帯電防止剤組成物から形成されたものであり、
    前記ポリアニリンスルホン酸と、前記ポリアニオン類によりドープされているポリチオフェン類の配合割合(質量比)が、90:10〜10:90であることを特徴とする透明導電性フィルム用保護フィルム。
  2. 前記帯電防止剤組成物が、架橋剤として、メラミン系架橋剤、及び/又は、イソシアネート系架橋剤を含むことを特徴とする請求項1に記載の透明導電性フィルム用保護フィルム。
  3. 前記粘着剤組成物が、ベースポリマー及び架橋剤を含み、
    前記ベースポリマーが、(メタ)アクリル系ポリマーであり、
    前記架橋剤の含有量が、前記(メタ)アクリル系ポリマー100質量部に対して、5〜30質量部であることを特徴とする請求項1又は2に記載の透明導電性フィルム用保護フィルム。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の透明導電性フィルム用保護フィルムと、前記透明導電性フィルム用保護フィルムに積層された透明導電性フィルムを有する積層体であって、
    前記透明導電性フィルムの少なくとも片方の表面に、前記透明導電性フィルム用保護フィルムの粘着剤層の粘着面が貼り合わされていることを特徴とする積層体。
  5. 前記透明導電性フィルムが、透明導電層及び支持体を有し、
    前記基材の前記透明導電層と接触する面とは反対側の表面に、前記透明導電性フィルム用保護フィルムの粘着剤層の粘着面が貼り合わされていることを特徴とする請求項4に記載の積層体。
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