以下、一実施形態の構成を図1ないし図7を参照して説明する。
図1ないし図7において、11は電気掃除機を示し、この電気掃除機11は、図3ないし図7に示すように全体を動かしながらスティッククリーナ(アップライトクリーナ)として使用する形態と、図1および図2に示すように一部を持ち運びながらハンディクリーナとして使用する形態とを任意に選択できるものである。
そして、図1ないし図7に示すように、この電気掃除機11は、本体部12と、この本体部12と接続された風路体13とを備え、この風路体13が、保持部14を介して本体部12に対して保持可能となっているとともに、本体部12に本体用ハンドル15が突設され、風路体13に風路体用ハンドル17が突設されている。なお、以下、上下方向は電気掃除機11を被掃除面上に載置した状態を基準とする。すなわち、図1に示す矢印U方向が本実施形態の上方向、矢印D方向が本実施形態の下方向となる。
本体部12は、前後方向に沿って長手方向を有する、すなわち前後方向の寸法が左右幅方向および上下方向のそれぞれの寸法よりも大きい本体ケース18と、この本体ケース18の下部に着脱可能な塵埃収容体としての略有底円筒状の集塵部である集塵カップ19とを備えている。
本体ケース18は、例えば合成樹脂などにより形成されており、前後方向に沿って長手状のケース本体21と、このケース本体21の長手方向の端部である前端部の上部に設けられた保持受部22と、このケース本体21の前端部の下部、すなわち保持受部22の下方に設けられケース本体21から下方に突出する風路体接続部23とを有し、重量物である電動送風機25、この電動送風機25の動作を制御する図示しない本体制御部、および、重量物である電源部としての電池である二次電池27がそれぞれ内部に収容されている。そして、本体ケース18(ケース本体21)の後部に本体用ハンドル15が一体的に設けられており、この本体用ハンドル15によって、本体部12が把持可能となっている。
保持受部22は、集塵カップ19の軸方向に対して一側方である前方に位置して、ケース本体21の前部上側を側方から見てL字状に切り欠いて形成されており、後部から前方に向けて前後方向に沿って軸方向を有する略円柱状に接続凸部としての挿入部52が突設されている。そして、この挿入部52の先端部である前端部の上部には、図示しない係合受部が凹設されている。この係合受部は、風路体13を本体部12に対して着脱可能に係止するためのものであり、挿入部52の前部および上部に亘って開口されている。
風路体接続部23は、前後方向および水平方向に沿って軸方向を有する円筒状に形成されており、保持受部22の下方(直下) で、かつ、集塵カップ19の軸方向に対して一側方である前方に位置している。すなわち、これら保持受部22と風路体接続部23とは、本体部12の同側方である前方にそれぞれ位置し、かつ、本体部12(本体ケース18)を前側から見て、上下に並んで位置している。また、この風路体接続部23は、集塵カップ19に対して気密に接続される部分であり、この風路体接続部23内には、風路体13および集塵カップ19と気密に接続するための円筒状の図示しないシール部が配置されている。
電動送風機25は、二次電池27からの給電により駆動することで負圧を発生させて集塵カップ19へと塵埃を吸い込む吸込風を形成するもので、ケース本体21(本体ケース18)の前後方向の略中央部で、かつ、集塵カップ19の軸方向の一端側である上方にこの集塵カップ19の軸方向である上下方向に沿って位置して収容されており、例えば吸込側を上側、排気側を下側としている。そして、この電動送風機25の吸込側は、図示しない風路部を介して集塵カップ19と連通している。なお、この風路部内には、別途のフィルタや集塵装置などを配置してもよい。
本体制御部は、例えばマイコンなどを備えており、電動送風機25を導通角制御して、この電動送風機25を所定の動作モードで動作させたり停止させたりすることが可能となっている。
二次電池27は、電動送風機25、本体制御部、および、風路体13側などへと給電するものであり、図示しない端子を介して外部の充電回路と接続可能で、この充電回路を介して必要に応じて充電可能となっている。そして、この二次電池27は、ケース本体21(本体ケース18)の後端部の位置、すなわち集塵カップ19の軸方向に対して他側方である後方の位置に、上下方向に沿って収容されている。換言すれば、保持受部22および風路体接続部23と二次電池27とは、集塵カップ19を介して本体部12の互いに反対側に位置している。
したがって、電動送風機25および二次電池27などにより、本体部12の重心Gの位置は、電動送風機25と二次電池27との間の位置、すなわち電動送風機25(電動送風機25の中心軸)よりも後方で、かつ、二次電池27よりも前方の位置となっている。すなわち、本体部12の重心Gの位置は、本体用ハンドル15に対して前方で、かつ、集塵カップ19の中心軸よりも後方に位置している。換言すれば、本体部12の重心Gの位置は、風路体接続部23および本体部12の前後方向の中央部よりも後方、すなわち本体用ハンドル15寄りに位置している。つまり、この重心Gに対して、風路体接続部23は前方でかつ下方に位置している。
集塵カップ19は、電動送風機25の駆動により吸い込まれた塵埃を例えば遠心分離して捕集する部分であり、シール部を介して風路体接続部23の下流側に気密に接続される導入部67が前部に突設されている。また、この集塵カップ19は、本体ケース18に対して保持手段としてのクランプ70により着脱可能に係止保持されるようになっている。
一方、風路体13は、風路体接続部23に接続される湾曲体である接続管部81と、この接続管部81の上流側である前側に下流側である後側が連通接続された伸縮可能なホース体82と、このホース体82の上流側である前側が連通接続された吸込口体部83と、この吸込口体部83の上流側である前側に対して着脱可能に連通接続されるアタッチメント部84とを有している。そして、この風路体13は、掃除の形態に応じて、本体部12に対して保持部14により保持された状態と、本体部12から保持部14の位置で取り外された状態とで選択的に使用可能である。
接続管部81は、例えばホース体82よりも硬質の合成樹脂などの部材により軸方向が湾曲して形成されており、本体部12の本体ケース18の風路体接続部23に対して基端部が軸回り方向に回動可能に軸支され、シール部を介してこの風路体接続部23の上流側に気密に接続されている。したがって、この接続管部81は、風路体接続部23(本体部12(本体ケース18))に対して基端部を回動させることにより、先端部が基端部の中心軸を中心とする円弧に沿って回動し、この先端部が上下方向に向かうことが可能となっている。
ホース体82は、接続管部81によって下流端側である一端側すなわち後端側が保持されて本体部12(風路体接続部23(シール部))と気密に接続され、上流端側である他端側すなわち前端側が保持部14によって保持されて吸込口体部83(アタッチメント部84)と気密に接続されている。したがって、このホース体82は、下流端側が接続管部81を介して集塵カップ19と連通するとともに、この集塵カップ19をさらに介して電動送風機25の吸込側と連通しており、本体部12の重心Gよりも下方の位置にて下流側が接続管部81を介して風路体接続部23と接続されている。また、このホース体82は、例えばゴムなどの弾性および可撓性を有する合成樹脂などにより蛇腹状に形成されて伸縮自在となっており、収縮方向に向けて付勢されている。すなわち、このホース体82は、自然状態(無負荷状態)で最大に収縮した状態となっており、この最大に収縮した状態で、内面の凹凸が密着して平面状となるように形成されている。換言すれば、このホース体82は、外力を加えて両端方向に引っ張った状態(本体部12側に固定されている下流側に対して上流側を引っ張った状態)を維持しているときにのみ伸張するようになっている。なお、このホース体82は、最大に収縮した状態で例えば150mm程度の長さとなっており、最大に伸張した状態では200〜400mm程度の長さとなっている。すなわち、このホース体82の長さは、最大に伸張した状態であっても使用者が両手を開いて延ばした距離よりも短くなるように設定されている。
吸込口体部83は、ホース体82の上流端部である前端部に設けられている。この吸込口体部83は、ホース体82と連通する円筒状の吸込口体部本体86と、この吸込口体部本体86の上流端部である前端部に回動可能に配置された清掃部としてのブラシ部87と、この吸込口体部83に対してアタッチメント部84を着脱可能に係止保持する保持クランプ89とを備えている。
吸込口体部本体86は、ホース体82よりも硬質の部材である合成樹脂などにより直管状に形成されており、下流端部である後端部が保持部14と一体的に設けられている。
ブラシ部87は、前端部に清掃部材であるブラシ毛87aを複数備えた環状に形成されており、内縁の両側が吸込口体部本体86の上流端部である前端部の両側部に回動可能に軸支されて、この吸込口体部本体86の軸方向と交差する上下方向に回動可能となっている。
保持クランプ89は、吸込口体部本体86の上部に一部が露出して操作可能となっている。
アタッチメント部84は、掃除の形態に応じて吸込口体部83に対して適宜着脱されるものであり、例えば直管長尺状の延長管91と、この延長管91の上流端である前端に着脱可能な吸込口体としての床ブラシ92とを備えている。
延長管91は、下流端部である後端部に接続口部96を備え、上流端部である前端部に吸込口部97を備えている。接続口部96は、アタッチメント部84(延長管91)を吸込口体部83に接続する際に吸込口体部83の前端部に挿入される部分である。また、吸込口部97は、吸込口体部83と略等しい形状に構成されている。すなわち、この吸込口部97は、円筒状の吸込口部本体101と、この吸込口部本体101の上流端部である前端部に回動可能に配置された清掃体部としてのブラシ毛部102と、この吸込口部97に対して床ブラシ92を着脱可能に係止保持するクランプ部104とを備えている。
ブラシ毛部102は、前端部に延長管用清掃部材であるブラシ毛102aを複数備えた環状に形成されており、内縁の両側が吸込口部本体101の上流端部である前端部の両側部に回動可能に軸支されて、この吸込口部本体101の軸方向と交差する上下方向に回動可能となっている。
クランプ部104は、吸込口部本体101の上部に一部が露出して操作可能となっている。
床ブラシ92は、左右幅方向に沿って長手状、すなわち横長のケース体106と、このケース体106の後部に回転可能に接続された回転管107とを備えている。
ケース体106には、被掃除面に対向する下面に図示しない吸込口が開口されている。なお、この吸込口には、回転清掃体としての回転ブラシを配置してもよい。
回転管107は、ケース体106に対して少なくとも軸回り方向に回動可能に軸支されており、吸込口と連通している。なお、この回転管107の後端側(下流端側)は、延長管91の下流端側と略等しい径寸法を有しており、吸込口部97と同様に吸込口体部83に対しても着脱可能となっている。
保持部14は、風路体13の下流端側である接続管部81と異なる位置、本実施形態ではホース体82の上流側の吸込口体部83を本体部12(保持受部22)に対して着脱可能とするものであり、吸込口体部83の吸込口体部本体86の後端部に一体的に設けられた円筒状の保持部本体115と、この保持部本体115と一体的に設けられてホース体82に対して並列に分岐して突出する風路体用ハンドル17と、この風路体用ハンドル17の後端部に位置する連結部117と、風路体用ハンドル17に設けられた係止手段としてのクランプ体118とにより構成されている。すなわち、風路体用ハンドル17は、保持部14の一部を構成している。換言すれば、保持部14は、風路体用ハンドル17を兼ねており、風路体13の下流側であるホース体82および接続管部81と異なる位置、本実施形態では、これらホース体82および接続管部81よりも上流側の吸込口体部83と前端側が一体的に設けられている。そして、この保持部14により、風路体13が本体部12に対して、ホース体82(ホース体82の下流側である接続管部81)よりも上方の位置で着脱可能となっている。
保持部本体115は、ホース体82の上流端側である前端側を回転可能に保持することで保持部14により風路体13を本体部12に装着した状態でのホース体82の捩れを解消する部分であり、このホース体82よりも硬質の合成樹脂などの部材により直管状に形成されている。
風路体用ハンドル17は、本体部12から保持部14の位置で取り外した風路体13を把持するためのもので、ホース体82よりも硬質の合成樹脂などの部材により形成され、保持部本体115の軸方向の側方である上方に分岐するとともに、この保持部本体115よりも後方へと突出して前後方向に沿って長手状に延びている。すなわち、この風路体用ハンドル17は、風路体13に対してL字状に屈曲して突設されている。したがって、吸込口体部83(アタッチメント部84)とホース体82とは、互いに略一直線状に接続されている。
連結部117は、風路体用ハンドル17の後端部に連続し(保持部14の一端側である後端側に位置し)本体部12の保持受部22に嵌合する部分であり、円筒状の接続凹部122を内方に備えている。この接続凹部122は、保持部14によって風路体13を本体部12に装着する際に挿入部52が内部に挿入されて嵌合される部分であり、後部が開口されている。
クランプ体118は、風路体用ハンドル17の前側の上部に一部が露出して操作可能となっており、接続凹部122の内部に、係合受部に挿入係止される図示しない爪部が露出している。
本体用ハンドル15は、本体ケース18(ケース本体21)の上部から後方へと略面一に突出する突出部131と、この突出部131から下方に向けて屈曲した被把持部132と、この被把持部132の下端部を本体ケース18(ケース本体21)の後部と接続する接続部133とを一体的に備え、本体部12の後部との間で本体部12の長手方向と交差(直交)する左右方向に開口するように上下方向にループ状に形成され、集塵カップ19の軸方向に対して他側方である後方に位置している。すなわち、この本体用ハンドル15は上下方向に沿って形成されている。そして、突出部131の上部には、被把持部132を把持した手で使用者が電動送風機25の動作などを設定するための設定ボタン135が互いに前後方向に沿って離間されて複数配置されている。
被把持部132は、上下方向に沿って位置しており、設定ボタン135を操作する使用者は被把持部132の上端部近傍を把持することとなる。したがって、被把持部132の上端部近傍に、使用者により把持される被把持領域137が設定される。この被把持領域137は、少なくとも上部側、本実施形態では全体が本体部12の重心Gに対して後方でかつ上方に位置している。すなわち、本体用ハンドル15の被把持領域137とホース体82の本体部12への接続位置である風路体接続部23とは、重心Gを介して前後方向および上下方向に互いに反対側の位置(重心Gを挟んで対角の位置)に配置されている。
次に、上記一実施形態の動作を説明する。
電気掃除機11は、例えば、室内の床面などの被掃除面の比較的広い面積を掃除する場合には、図3および図4に示すように、保持部14により風路体13を本体部12に対して保持受部22の位置で装着し、本体用ハンドル15(被把持部132の被把持領域137)を把持して全体を動かしながら掃除をする。
このとき、集塵カップ19はクランプ70によって予め本体ケース18に取り付けておく。
また、風路体13は、吸込口体部83の上流端部である前端部に延長管91の接続口部96を挿入接続するとともに、延長管91の吸込口部97の上流端部である前端部に対して床ブラシ92の回転管107を挿入接続する。このとき、保持クランプ89の作用により延長管91が吸込口体部83に気密に接続された状態で係止保持されるとともに、クランプ部104の作用により床ブラシ92が延長管91に気密に接続された状態で係止保持される。
さらに、保持部14においては、図1に示す風路体用ハンドル17の後端部の連結部117を本体部12の保持受部22に対して位置合わせしつつ前方から挿入嵌合することで、挿入部52が接続凹部122に相対的に挿入され、クランプ体118の爪部が係合受部に対して挿入係止されることで、保持部14の位置で風路体13が本体部12に保持される。この状態で、図3および図4に示すように、保持部14の一部をなす風路体用ハンドル17が前後方向に沿って位置し、この風路体用ハンドル17と一体的に設けられた吸込口体部83が前後方向に沿って直管状に位置することにより、風路体13は、床ブラシ92、延長管91(アタッチメント部84)、吸込口体部83および保持部本体115、すなわちホース体82の上流端側が略一直線上に位置する。したがって、保持部14よりも下方の風路体接続部23にて本体部12に対して接続されたホース体82の下流端側である接続管部81は上流端部である前端部が上方を向いた状態となる。この結果、保持部14により、ホース体82が上流側から下流側へと、上側から下側に緩やかに屈曲した状態に保形され、風路体13が集塵カップ19へと、上下左右に急峻に屈曲することなく基本的に前後方向に沿って略直線状に連通する。このため、風路体13内での圧力損失が少なく、空気および塵埃が内部を通りやすくなる。すなわち、風路体13は、保持部14の位置と、ホース体82の下流端側である接続管部81の位置とで、換言すれば上下に並んだ位置でそれぞれ本体部12に対して機械的に接続され、ホース体82の下流側である接続管部81の位置で風路として本体部12側と連通している。
そして、使用者は、本体用ハンドル15を把持しつつ設定ボタン135を操作することで、本体制御部を介して所望の動作モードで電動送風機25を駆動させる。この電動送風機25の駆動により生じた負圧は、集塵カップ19、風路体接続部23(シール部)、接続管部81、ホース体82、吸込口体部83およびアタッチメント部84を介して床ブラシ92の吸込口に作用するので、使用者は、被掃除面上に載置した床ブラシ92を電気掃除機11全体とともに被掃除面上で前後に交互に走行させながら被掃除面の電動送風機25の負圧の作用によって吸込口から空気とともに塵埃を吸い込む。また、使用者は、必要に応じて、床ブラシ92の回転ブラシを回転駆動させることで、被掃除面の塵埃を掻き取ったり、被掃除面を磨いたりするなどの掃除補助を行う。
このとき、塵埃とともに吸い込まれた空気、すなわち含塵空気は、床ブラシ92、延長管91、吸込口体部83、ホース体82(保持部本体115)と直進し、このホース体82の内面に沿って緩やかに屈曲しながら、ホース体82の下流端(接続管部81)から風路体接続部23(シール部)および導入部67を介して集塵カップ19へと吸い込まれる。
また、例えば家具と壁部との間など、床ブラシ92を挿入することができない狭い隙間を掃除するなどの必要に応じて、床ブラシ92を延長管91から取り外して用いることも可能である(図5)。この場合には、保持クランプ89を操作することで床ブラシ92の係止を解除して延長管91から取り外す。そして、使用者は、延長管91の前端部の吸込口部97のブラシ毛部102などを用いながら、この吸込口部97から同様に空気とともに塵埃を吸い込んで被掃除面を掃除する。
一方、例えば、テーブルの上や被掃除面の比較的狭い面積などを掃除する場合には、図3ないし図5に示す状態から、図6に示すように風路体13においてアタッチメント部84(延長管91および床ブラシ92)を取り外して、本体用ハンドル15(被把持部132の上部寄りの位置)を把持して全体を動かしながら掃除をする。
このとき、アタッチメント部84(延長管91)は、保持クランプ89を操作することで吸込口体部83から取り外される。そして、使用者は、本体用ハンドル15を把持して電気掃除機11全体を持ち運びながら、吸込口体部83のブラシ部87などを用いて、この吸込口体部83から空気とともに塵埃を吸い込んで掃除をする。
また、このとき、被掃除面の種類などの必要に応じて、床ブラシ92のみを吸込口体部83に取り付けて用いることも可能である(図7)。この場合には、床ブラシ92の回転管107を吸込口体部83に上流側から挿入することで、保持クランプ89の作用によって床ブラシ92が吸込口体部83に対して気密に接続された状態で保持される。そして、使用者は、被掃除面上に載置した床ブラシ92を電気掃除機11全体とともに被掃除面上で前後に交互に走行させながら被掃除面の電動送風機25の負圧の作用によって吸込口から空気とともに塵埃を吸い込む。また、使用者は、必要に応じて、床ブラシ92の回転ブラシを回転駆動させることで、被掃除面の塵埃を掻き取ったり、被掃除面を磨いたりするなどの掃除補助を行う。
さらに、例えば、天井などの相対的に高い位置を掃除する場合には、図5に示す状態から、図1に示すように、保持部14により風路体13を本体部12から取り外し、風路体用ハンドル17を把持して、本体部12を持ち運びつつこの本体部12に対して風路体13のホース体82を伸張(伸縮)させながら、延長管91の前端部の吸込口部97により掃除をする。
また、例えば、テレビなどの設置物の裏、車両のシート、あるいは階段など、使用者の手元に近い位置を掃除する場合には、図2に示すように、図1に示す状態からさらに延長管91を取り外し、風路体用ハンドル17を把持して、本体部12を持ち運びつつこの本体部12に対して風路体13のホース体82を伸張(伸縮)させながら、吸込口体部83により掃除をする。
これらの図1または図2に示す掃除形態の場合には、クランプ体118を操作することで、このクランプ体118の爪部を保持受部22の係合受部から抜き取った状態で風路体13を本体部12に対して前方へと移動させることにより、保持部14において、風路体用ハンドル17の後端部の連結部117が本体部12の保持受部22から離間され、挿入部52が接続凹部122から抜き取られる。
そして、一方の手で本体用ハンドル15の被把持部132の上端部近傍の被把持領域137を把持して本体部12を持ち上げつつ、他方の手で風路体用ハンドル17を把持して、基本的にはホース体82を伸縮させて風路体13のみを動かしながら、吸込口部97のブラシ毛部102、あるいは吸込口体部83のブラシ部87などを用いて、空気とともに塵埃を吸い込んで掃除をする。
ここで、これらの場合、使用者は、重心Gの後方上側の位置である本体用ハンドル15の被把持部132の上端部近傍の被把持領域137の位置で本体部12を支持するとともに、ホース体82の収縮力により重心Gの前方下側の位置(接続管部81(風路体接続部23))の位置で本体部12を支持する。すなわち、使用者は、重心Gよりも後方の本体用ハンドル15の把持により相対的に下方に下がりやすい本体部12の重心Gよりも前方の位置を、風路体用ハンドル17によって風路体13を把持することで、ホース体82の収縮によって、このホース体82の下流側が接続された位置である接続管部81(風路体接続部23)の位置、すなわち重心Gよりも前側下方の位置から上方に持ち上げ、本体部12の自重による前方下側への回動を抑制して、本体部12を水平状に容易に保つことができる。
なお、ホース体82の伸張のみで充分に届く範囲を掃除する場合には、本体部12は本体用ハンドル15を把持して持ち上げることなく、被掃除面上に載置した状態などとしてもよい。
そして、集塵カップ19に吸い込まれた含塵空気は、この集塵カップ19において、例えば遠心分離などによって塵埃が分離されて捕集される。
塵埃が分離された空気は、集塵カップ19を通過した後、電動送風機25へと吸い込まれる。そして、この電動送風機25に吸い込まれた空気は、この電動送風機25を冷却しつつ通過して排気風となり、図示しない排気孔から本体部12の外部へと排出される。
掃除が終了すると、使用者は設定ボタン135を操作して電動送風機25を停止させる。
また、塵埃を廃棄する際には、クランプ70を操作して集塵カップ19を本体ケース18から取り外し、ごみ箱などの上で集塵カップ19を上下逆さにして内部の塵埃を排出する。
以上説明した一実施形態によれば、保持部14にて風路体13を本体部12から取り外した状態において本体用ハンドル15で本体部12を把持した際に、図1および図2の想像線に示すように本体部12のホース体82側が自重により下がる方向に回動しようとすることを、風路体用ハンドル17によって把持した風路体13のホース体82の収縮方向への付勢を介して回動に抗して引っ張ることができる。すなわち、本体部12を本体用ハンドル15の被把持領域137とホース体82の下流端側(接続管部81(風路体接続部23))の位置とで重心Gを前後および上下に挟んだ位置で支持できるので、本体部12が自重によって傾斜しにくく、本体用ハンドル15を把持するほうの手に負荷が集中しにくい。換言すれば、風路体13を保持部14にて本体部12から取り外して掃除するときに使用者が風路体用ハンドル17を把持することを有効に利用し、収縮方向に付勢された伸縮自在のホース体82を用いるとともに、本体部12の重心Gを挟んで本体用ハンドル15とホース体82の本体部12に対する接続位置(風路体接続部23)とを互いに対角に位置させることで、ホース体82の収縮力によって風路体用ハンドル17を把持したほうの手にも本体部12の荷重を分散できる。この結果、保持部14により風路体13を本体部12から取り外した状態での電気掃除機11の持ち易さが向上する。
また、ホース体82は伸縮自在であるため、ホース体82を伸張しても本体部12(本体用ハンドル15)の位置が大きく上下に移動しにくく、本体部12の持ち易さがより向上する。
さらに、本体用ハンドル15の被把持部132の被把持領域137の少なくとも上部を本体部12の重心Gより上方に配置し、ホース体82の下流端側を、本体部12の重心Gより下方に接続することで、収縮方向に付勢されたホース体82によって、風路体13(風路体用ハンドル17)により重心Gよりも下方から本体部12を持ち上げる方向に確実に支持できるので、本体用ハンドル15を把持するほうの手への負荷をより確実に分散でき、保持部14により風路体13を本体部12から取り外した状態での電気掃除機11の持ち易さがより向上する。
しかも、保持部14により風路体13を本体部12から取り外した状態で本体部12が傾きにくいので、集塵カップ19も傾きにくく、この集塵カップ19内において上下方向に沿って軸方向を有する旋回流を確実に形成でき、遠心分離性能の低下を防止できる。
なお、上記一実施形態において、本体用ハンドル15は、本体部12の後端部だけでなく、重心Gよりも後方の本体部12の任意の位置に設けることができる。
また、保持部14による風路体13と本体部12との装着構造は、任意に設定できる。
本発明の一実施形態を説明したが、この実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。この新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。この実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。