JP2015049158A - 吸収パッド - Google Patents

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【課題】イムノクロマト法による検査キットを用いた疾患の判定を迅速且つ正確に行うことが可能な吸収パッドの提供。【解決手段】イムノクロマト法による検査キット1の構成部材である吸収パッド5に、親水性を有する一体構造のスポンジ体を用いる。前記スポンジ体の平均気孔径は20μm以下であり、前記スポンジ体の保水力が70%以上であり、前記スポンジ体の吸水速度が2.0mg/min以上であり、前記スポンジ体の気孔率が40%以上95%以下であり、前記スポンジ体が分子鎖にビニルアルコールを持ち、前記スポンジ体がプレス加工されている。【選択図】図1

Description

本発明は、吸収パッドに関し、特にイムノクロマト法による検査キットに好適な吸収パッドに関する。
血液、血清、咽頭拭い液などの体液を検体として用い、簡易に各種疾患の検査を行う方法としてイムノクロマト法がある。同法を用いるイムノクロマトグラフィー用検査キットは、主としてクロマトグラフ媒体(メンブレン)、試料滴下部(サンプルパッド)、標識試薬保持部(コンジュゲートパッド)、及び吸収部(吸収パッド)などで構成されており、抗原抗体反応を利用し、各種疾患の検査を行うものである。
吸収パッドとしては、綿やガラス繊維の不織布、高吸水性繊維等の不織布、親水性繊維中に高吸水性ポリマー粒子を含有させた繊維を用いた不織布等が一般的に用いられている。
特開2009-63482号公報 特開2012-189346号公報
上記イムノクロマト法による検査では、疾患の判定を迅速且つ正確に行うことが従来から求められている。迅速且つ正確に判定を行うためには、分析時間の短縮や、クロマトグラフ媒体の判定部の滲みによる判定の曖昧さの解消などが必要である。
このような要求に対し、綿やガラス繊維の不織布からなる吸収パッドは、吸液後の液戻りがあるため、判定部の滲みによる判定の曖昧さを招き、上記要求を必ずしも満足するものではなかった。
また、高吸水性繊維を含む吸収パッドは、液体試料の吸収速度が遅く、規定された反応時間(10〜15分間程度)内に液体試料が十分に吸収パッドに吸収されない。このため、クロマトグラフ媒体上に残存した過剰な液体試料により判定部に現れる陽性シグナルが滲んだり、有色の標識物質が十分に回収されないためにバックグラウンドのシグナルが上昇するという問題を有していた。
また、液体試料の吸収速度を速めるため、高吸水性ポリマー粒子をセルロース繊維やパルプ繊維に噴霧した吸収パッドを用いることが検討されている。しかし、このような吸収パッドの場合、繊維密度の均一化や噴霧量の均一化が困難であり、製品間で吸水速度にバラツキが生じ易くなるため、安定した性能を得ることが難しい。
そこで、本発明は、イムノクロマト法による検査キットを用いた疾患の判定を迅速且つ正確に行うことが可能な吸収パッドの提供を目的とする。
本発明は、親水性を有する一体構造のスポンジ体を、イムノクロマト法による検査キットの構成部材である吸収パッドに用いることによって、イムノクロマト法の分析時間の短縮や、正確な疾患の判定を実現するものである。一体構造のスポンジ体は、均一で且つ微細な気孔径を有する連続気孔を内部に形成する単一の構造体であり、連続気孔内に液体を吸収する樹脂多孔質体である。
均一で且つ微細な気孔径を有する連続気孔が内部に形成されたスポンジ体を吸収パッドに用いるので、毛管現象によって液体試料の吸収速度が速くなり、また、液体試料がスポンジ体から逆戻りし難くなる。
スポンジ体の平均気孔径が小さいほど、毛細管現象による液体試料の吸水速度の高速化が促進され、且つ液体試料が逆戻りし難くなることから、スポンジ体の平均気孔径は、20μm以下が好適である。
従って、イムノクロマト法による検査キットを用いた疾患の判定を迅速且つ正確に行うことができる。
また、吸収パッドが繊維を有さない一体構造のスポンジ体であるので、繊維の脱落による製造環境の悪化が起こらず、検査キットの製造環境をクリーンに維持することができる。
スポンジ体の保水力は、70%以上が好適であり、スポンジ体の吸水速度は、2.0mg/min以上が好適である。
スポンジ体の気孔率が40%よりも低いと吸収可能な液体試料の量(保水率)が著しく低下し、95%を超えると実用的強度に乏しいため、スポンジ体の気孔率は、40%以上95%以下が好適である。
スポンジ体は、分子鎖にビニルアルコールを持つポリビニルアセタール系樹脂多孔質体であってもよい。
スポンジ体の親水性を高めるための親水化剤として、ノニオン系界面活性剤を用いてもよい。ノニオン系界面活性剤は、スポンジ体を生成する原料に添加してもよく、生成されたスポンジ体に吹き付け等によって付着させてもよい。また、生成されたスポンジ体をノニオン系界面活性剤の溶液(薬液)中に浸漬させることによって、スポンジ体にノニオン系界面活性剤を付着させてもよい。
スポンジ体を気孔生成剤抽出法によって生成してもよい。気孔生成剤抽出法を用いることによって、気孔径のバラツキを抑制することができる。
スポンジ体にプレス加工を施して、スポンジ体を減厚させてもよい。スポンジ体をプレスして減厚することによって、スポンジ体の膨張割合を増大させて、逆戻り防止効果を高めることができる。プレス率(プレスの前後における体積変化率)は、75%以下(プレス後の体積がプレス前の体積の75%以下)が好適である。
本発明によれば、イムノクロマト法による検査キットを用いた疾患の判定を迅速且つ正確に行うことができる。
本発明の一実施形態に係る検査キットを示す図であり、(a)は平面図、(b)は側面図である。 各吸収パッドの吸水性能、保水性能、気孔径及び気孔率の測定結果を示す対比表である。
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
図1に示すように、本実施形態に係る検査キット(イムノクロマトグラフィー用検査キット)1は、検出部材としてのクロマトグラフ媒体(メンブレン)2、採取部材としてのサンプルパッド(試料滴下部)3、標識試薬保持部材(コンジュゲートパッド)4、吸収部材としての吸収パッド5、及び支持部材としてのベース6を備える。検査キット1は、血液、血清、咽頭拭い液などの体液を検体とし、抗原抗体反応を利用して簡易に各種疾患の検査を行うイムノクロマト法に用いられる。
検査キット1は、全体として矩形薄板状であり、ベース6の上面にクロマトグラフ媒体2とサンプルパッド3と試薬保持部材4と吸収パッド5とが貼着されることによって構成される。ベース6は薄肉長板状であり、ベース6の長手方向の中央部分の上面にクロマトグラフ媒体2が重なる。ベース6は、ポリエチレンテレフタラート等の液不透過性の素材であれば特に制限はなく、用途に合わせて適宜選択可能である。
サンプルパッド3は、液体試料の展開方向(移動方向)における上流側(図1中の右側)でベース6の上面に重なる。サンプルパッド3は、ベース6の先端(図1中の右端)からはみ出さない構造であってもよく、はみ出す構造であってもよい。サンプルパッド3は、例えばパルプを含む不織布である。
検出キット1を用いた液体試料中の被検出物質の検出では、サンプルパッド3に液体試料を滴下したり、体液(例えば、涙液、血液等)をサンプルパッド3に直接接触させたりすることによって、液体試料の採取が行われる。サンプルパッド3に吸収された液体試料は、展開方向における下流側(図1中の左側)に毛細管現象により移動し、さらに毛細管現象により標識試薬保持部材4へと移動する。
標識試薬保持部材4は、クロマトグラフ媒体2とサンプルパッド3との間でベース6の上面に重なる。標識試薬保持部材4の下流側端部はクロマトグラフ媒体2の上流側端部の上面に重なり、標識試薬保持部材4の上面にはサンプルパッド3の下流側端部が重なる。
標識試薬保持部材4には、例えば、被検出物質に特異的に結合する抗体を金コロイドで標識した標識試薬が保持されている。標識試薬は、毛細管現象によりサンプルパッド3から移動してきた液体試料中に溶出され、液体試料がさらに下流側に移動する過程で、液体試料中の被検出物質と結合し、結合体を形成する。
標識試薬は、被検出物質と特異的に結合するものであれば特に制限はないが、被検出物質の有無を判定するために特別な装置等を必要とせず、赤い着色を目視により容易に確認できることから、金コロイドで標識されたものであることが好ましい。
クロマトグラフ媒体2は、多孔性のクロマトグラフィー用部材(例えば、ニトロセルロース膜や、酢酸セルロース膜)によって構成される。クロマトグラフ媒体2には、被検出物質に特異的に結合する検出試薬(例えば、上記標識試薬が有する抗体と同一の抗体)が固定されている。検出試薬は、クロマトグラフ媒体2上の検出試薬固定部7において、検出キット1の長手方向に対して垂直な線状に固定されており、上記結合体を捕捉することにより、検出試薬固定部7に赤いラインが現れることとなる。このラインを目視確認することにより、液体試料中に被検出物質が存在することを判定できる。
クロマトグラフ媒体2にはさらに、上記標識試薬に特異的に結合する対照試薬(例えば、上記標識試薬が有する抗体を認識する抗体)が固定されている。対照試薬は、対照試薬固定部8において、検出キット1の長手方向に対して垂直な線状に固定されている。対照試薬固定部8は、クロマトグラフ媒体2上における検出試薬固定部7よりも下流側に位置する。
上記対照試薬が上記標識試薬を捕捉すれば、対照試薬固定部8に赤いラインが現れることになる。このラインを目視確認することにより、対照試薬固定部8まで液体試料が移動したことがわかり、液体試料が検出試薬固定部7を通過したことを判定できる。
吸収パッド5は、親水性を有する一体構造のスポンジ体によって構成される。一体構造のスポンジ体は、均一で且つ微細な気孔径を有する連続気孔を内部に形成する単一の構造体であり、連続気孔内に液体を吸収して膨張する樹脂多孔質体である。
このように、均一で且つ微細な気孔径を有する連続気孔が内部に形成されたスポンジ体を吸収パッド5に用いるので、毛管現象によって液体試料の吸収速度が速くなる。また、液体試料を吸収するとスポンジ体が膨張するので、液体試料が吸収パッド5からクロマトグラフ媒体2に逆戻りし難く、戻り液による判定部(検出試薬固定部7及び対照試薬固定部8)の滲みが抑制され、正確な判定が可能となる。
従って、検査キット1を用いた疾患の判定を迅速且つ正確に行うことができる。
また、吸収パッド5が繊維を有さない一体構造のスポンジ体であるので、繊維の脱落による製造環境の悪化が起こらず、検査キット1の製造環境をクリーンに維持することができる。
本実施形態のスポンジ体は、分子鎖にビニルアルコールを持ち、吸水性及び保水性に優れるポリビニルアセタール系樹脂多孔質素材(PVAt系樹脂多孔質素材)から成る。
PVAt系樹脂多孔質素材は、例えば平均重合度500〜3000でケン化度80%以上のポリビニルアルコール(原料)を一種又はそれ以上混合して水溶液とし、この水溶液に架橋剤としてアルデヒド類、触媒として鉱酸類、及び気孔生成剤として澱粉等を加え、これらの混合液を、所定の型内に注入し、40〜80℃で反応させて型から取り出した後、水洗により気孔生成剤等を除去することによって得られる。このように、PVAt系樹脂多孔質素材を、気孔生成剤の抽出によって連続気孔を形成する気孔生成剤抽出法を用いて生成しているので、気孔径のバラツキを抑制することができる。
また、吸収パッド5は、乾燥状態のPVAt系樹脂多孔質素材のブロック体を所定の厚さにスライスし、得られた薄板形状のPVAt系樹脂多孔質素材を型抜き加工等により所定の寸法形状に加工することによって製造される。
PVAt系樹脂多孔質素材の親水性を高める親水化剤として、ノニオン系界面活性剤を用いてもよい。ノニオン系界面活性剤は、PVAt系樹脂多孔質素材を生成する原料に添加(原料となるポリビニルアルコールに予め含有させる等)してもよく、生成されたPVAt系樹脂多孔質素材に吹き付け等によって付着させてもよい。また、生成されたPVAt系樹脂多孔質素材をノニオン系界面活性剤の溶液(薬液)中に浸漬させることによって、PVAt系樹脂多孔質素材にノニオン系界面活性剤を付着させてもよい。
また、PVAt系樹脂多孔質素材としては、その内部組織の気孔率が40%以上95%以下、平均気孔径が20μm以下のものが好適である。
気孔率が40%より小さいと、吸収可能液体試料の量(保水率)が著しく低下し、気孔率が95%を超えると、実用的強度に乏しく、何れも本用途には適さないためである。また、平均気孔径が20μmを超えると、毛細管現象による液体試料の吸水速度の高速化が鈍化し、且つ液体試料が逆戻りし易くなるためである。
上記気孔率とは、乾燥機で十分に乾燥された乾燥状態の直方体のPVAt系樹脂多孔質素材の真体積を乾式自動密度計にて測定し、直方体の見掛け体積と真体積とから、次式(1)にて算出される値である。
気孔率(%)=(見掛け体積−真体積)/見掛け体積×100…(1)
また、上記平均気孔径は、PVAt系樹脂多孔質素材の内部組織に存在する複数の気孔の径の平均値である。本実施形態では、水銀ポロシメーター(ユアサ・アイオニクス(株)製、オートスキャン−33)により測定した気孔径分布曲線において、分布の最頻値に対応する気孔径を平均気孔径と定義している。
PVAt系樹脂多孔質素材としては、吸水速度が2.0mg/min以上であって、保水力が70%以上のものが好適である。吸水速度が2.0mg/min未満の場合や、保水力が70%未満の場合には、疾患の判定を迅速且つ正確に行うことが困難なためである。なお、吸水速度及び保水力の測定方法については後述する。
また、PVAt系樹脂多孔質素材にプレス加工を施して、厚さ方向からのプレスによってスポンジ体を減厚させてもよい。PVAt系樹脂多孔質素材をプレスして減厚することによって、PVAt系樹脂多孔質素材の膨張割合を増大させて、逆戻り防止効果を高めることができる。プレス率(プレスの前後における体積変化率)は、75%以下(プレス後の体積がプレス前の体積の75%以下)が好適である。
また、スポンジ体として、PVAt系樹脂多孔質素材以外の樹脂を用いてもよい。
以下、実施例を挙げて本発明についてより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(吸水性能)
図2の対比表に示すように、吸収パッドとして、本発明に係る実施例1,2と、比較例1〜5とを用意し、吸収パッド以外の部材(クロマトグラフ媒体、サンプルパッド、標識試薬保持部材、ベース)を共通の部材とし、吸収パッドのみを相違させて、図1に示すような試験用キットを作成した。試験用キットの幅Dは5mm、試験用キットの全長(ベース6の全長)L1は70mm、クロマトグラフ媒体2の全長L2は35mm、サンプルパッド3の全長L3は20mm、標識試薬保持部材4の全長L4は10mm、吸収パッド5の全長L5は25mm、標識試薬保持部材4とクロマトグラフ媒体2との重複範囲の長さL6は5mm、吸収パッド5とクロマトグラフ媒体2との重複範囲の長さL7は5mmである。
実施例1,2は、ともに平均気孔径が20μm以下のPVAt系樹脂多孔質素材である。実施例1は、実施例2にプレス加工を施したもの(実施例2は、実施例1のプレス加工を省略したもの)であり、実施例1と実施例2とは、プレスの有無を除いて同じである。実施例1の平均気孔径が7.48μmであり、実施例2の平均気孔径が13.38μmであることから、実施例1の平均気孔径は、プレス加工によって実施例2の平均気孔径よりも小さくなっている(実施例2の0.56倍である)ことが判る。
比較例1は、平均気孔径が20μmを超えるPVAt系樹脂多孔質素材である。比較例1の平均気孔径は63.67μmであり、実施例1の約8.5倍、実施例2の約4.8倍である。
比較例2は、セルロース系繊維素材のろ紙、比較例3は、比較例2と同質のセルロース系繊維素材、比較例4及び比較例5は、ともにガラス繊維素材である。
吸水速度とは、サンプルキットのサンプルパッドに所定量(100μL)滴下された献体抽出液の単位時間(1分)当たりの吸収パッドへの到達重量である。吸収パッド以外の部材が同じであっても、吸収パッドの性能によって吸水速度が相違するため、吸水速度によって吸収パッドの吸水性能(判定時間の長短)を評価することができ、吸水速度が速い(単位時間当たりの到達重量が大きい)ほど迅速な判定が可能となる。
吸水速度の測定では、サンプルキットのそれぞれについて、サンプルパッドに試験用の検体抽出液を100μL(マイクロリットル)滴下し、滴下から10分間が経過した時に、吸収パッドをベースから取り外して重量(乾燥前重量)A1を測定し、吸収パッドを温度60℃の乾燥機内にて12時間乾燥した後、重量(乾燥後重量)A2を測定した。
乾燥前重量A1と乾燥後重量A2と展開時間(10分間)とから、次式(2)にて吸収速度(mg/min)を算出した。
吸収速度=(乾燥前重量A1−乾燥後重量A2)/展開時間…(2)
各実施例及び比較例の乾燥前重量A1及び乾燥後重量A2の測定結果と吸水速度の算出結果とを図2の対比表に示す。図2から明らかなように、実施例1の吸水速度は、比較例の中で吸水速度が最も速い比較例4よりも速く、何れの比較例よりも実施例1の吸水性能が優れていることが判る。また、実施例2の吸水速度は、吸水速度が比較的速い比較例2,3と同等であり、実施例2も優れた吸水性能を有することが判る。また、比較例1,5の吸水速度は、実施例2よりも顕著に遅く、実施例2よりも吸水性能が悪いことが判る。また、実施例1の吸水速度が2.210mg/minであり、実施例2の吸水速度が1.170mg/minであることから、実施例1の吸水速度は、実施例2の約2倍に速まっていることが判る。すなわち、プレス加工により平均気孔径が約半減すると、吸水速度が約2倍に速まることが判る。
(保水性能)
保水力とは、内部に含んだ液体のうち所定時間放置した後も外部へ流出せずに内部に残存する液体の重量%であり、保水力によって吸収パッドの保水性能(液戻りのし難さ)を評価することができ、保水力(%)が高いほど液戻りし難く、正確な判定が可能となる。
保水力の測定では、上記実施例1,2及び比較例1〜5のそれぞれについて、所定形状(縦20mm×横20mm×所定厚)のサンプルを作成し、作成したサンプルの重量(乾燥重量)W1を測定し、温度20℃の水中にサンプルを沈め、10分間真空引きを行って内部まで水を浸透させた後、サンプルを水中から引き上げて重量(静置前重量)W2を測定した。次に、温度20℃の水中にサンプルを再び沈め、10分間真空引きを行って内部まで水を浸透させた後、サンプルを水中から引き上げ、ろ紙(定量分析用No.5B、アドバンテック社製)上に所定時間(5分間)静置した後に重量(静置後重量)W3を測定した。
乾燥重量W1と静置前重量W2とから、次式(3)にて初期吸水量B1を算出し、乾燥重量W1と静置後重量W3とから、次式(4)にて静置後吸水量B2を算出し、初期吸水量B1と静置後吸水量B2とから、次式(5)にて保水力を算出した。
初期吸水量B1=静置前重量W2−乾燥重量W1…(3)
静置後吸水量B2=静置後重量W3−乾燥重量W1…(4)
保水力(%)=静置後吸水量B2/静置前吸水量B1×100…(5)
各実施例及び比較例の静置前吸水量B1及び静置後吸水量B2、並びに保水力の算出結果を図2の対比表に示す。図2から明らかなように、実施例1,2の保水力は、比較例1〜5に比べて著しく高く、保水性能が極めて優れていることが判る。また、実施例1と実施例2とを比較すると、プレス加工によって保水力が高まることが判る。
なお、本発明は、一例として説明した上述の実施形態、及びその実施例に限定されることはなく、上述の実施形態等以外であっても、本発明に係る技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。
1…検出キット、2…クロマトグラフ媒体(検出部材、メンブレン)、3…サンプルパッド(採取部材、試料滴下部)、4…標識試薬保持部材(コンジュゲートパッド)、5…吸収パッド(吸収部材)、6…ベース(支持部材)

Claims (6)

  1. イムノクロマト法による検査キットの構成部材として用いられる吸収パッドであって、
    親水性を有する一体構造のスポンジ体であり、
    前記スポンジ体の平均気孔径が20μm以下である
    ことを特徴とする吸収パッド。
  2. 請求項1に記載の吸収パッドであって、
    前記スポンジ体の保水力が70%以上である
    ことを特徴とする吸収パッド。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の吸収パッドであって、
    前記スポンジ体の吸水速度が2.0mg/min以上である
    ことを特徴とする吸収パッド。
  4. 請求項1〜請求項3の何れか1項に記載の吸収パッドであって、
    前記スポンジ体の気孔率が40%以上95%以下である
    ことを特徴とする吸収パッド。
  5. 請求項1〜請求項4の何れか1項に記載の吸収パッドであって、
    前記スポンジ体が分子鎖にビニルアルコールを持つ
    ことを特徴とする吸収パッド。
  6. 請求項1〜請求項5の何れか1項に記載の吸収パッドであって、
    前記スポンジ体がプレス加工されている
    ことを特徴とする吸収パッド。
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