JP2015049128A - 非破壊放射能測定装置、およびその放射能測定方法 - Google Patents

非破壊放射能測定装置、およびその放射能測定方法 Download PDF

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Abstract

【課題】食品などの被測定物を細かくすることなく、その比放射能を簡単に測定することができる非破壊放射能測定装置を提供する。【解決手段】食品などの被測定物9の比放射能を測定する非破壊放射能測定装置100は、被測定物9を載置する載置面を備えた質量計測部4と、載置面4aに載置された被測定物9からのガンマ線のエネルギーに応じた信号を出力するガンマ線検出部1と、ガンマ線検出部1による信号に基づいて、所定のエネルギーで閾値以上のレベルを示す信号を計数して所定時間の計数値を出力する計数部512と、計数部512による計数値、質量計測部4で計測された被測定物9の質量、被測定物9の底面積、及び、質量および底面積の逆数に関する一次式で示される吸収補正係数に基づいて、被測定物9の比放射能[Bq/kg]を算出する算出部514と、を有する。被測定物9の質量は別途測定してもよい。【選択図】図2

Description

本発明は、非破壊放射能測定装置、およびその放射能測定方法に関する。
放射線を検出する放射線測定装置が知られている(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。
2011年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震などに起因する福島第一原子力発電所の事故などにより、原子力発電所などで生成される放射性セシウムなどの放射性物質が大気中や水中などに放出される場合がある。農畜産物、水産物などの食品、土などが放射性物質により汚染される場合がある。
一般的にガンマ線の測定では、被測定物内でのガンマ線の自己吸収が無視できず、何らかの方法で自己吸収を補正する必要がある。厳密には、シミュレーションを行うことで、自己吸収を補正する。
自己吸収は、被測定物の材質や形状に依存する。詳細には、ガンマ線発生点から検出部までの間に存在する物質によるガンマ線吸収による減衰と、その発生点が検出部を望む立体角との積にガンマ線計数は依存するので、被測定物の材質や形状に応じてガンマ線計数に補正処理を施す必要がある。
一般的な放射能測定装置では、被測定物をすり潰す、切る、刻む、ミンチ状にする、など細かくして、規定の形状のマリネリ容器に詰め込み、常に被測定物の形状を同じにして測定することを要する(例えば、非特許文献1参照)。この放射能測定装置を用いた測定では、測定装置メーカにより事前に用意された吸収補正係数を用いて補正を行っていた。この場合、マリネリ容器の形状が同じであるので、吸収補正係数は同じである。
また、被測定物の材質として、例えば、食品を想定した場合、概ね「比重1の水」で近似することができる。
上述した放射能測定装置(ベクレルモニター)では、吸収補正係数を被測定物の測定ごとに求めなくともいいように、マリネリ容器に被測定物を隙間なく詰め込むことを要求していた。
特開2008−281441号公報 特開2013−104726号公報
"緊急時における食品の放射能測定マニュアル"、[online]、平成14年3月、厚生労働省医薬局食品保健部監視安全課、インターネット〈URL:http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000001558e-img/2r98520000015cfn.pdf〉
しかしながら、上述したように、一般的な放射能測定装置(ベクレルモニター)では、マリネリ容器に被測定物を隙間なく詰め込むことを要求しており、マリネリ容器に食品などの被測定物を切り刻んで詰め込むという煩雑な作業に、手間が掛かっていた。
また、上述した放射能測定装置を用いた検査では、検査後の食品が細かい状態となり、全品検査を行うと、その食品を流通させることができないので、全品検査ではなく、サンプル測定を行っていた。
このため、食品などの被測定物をそのままの形状で、被測定物の比放射能を測定することができる放射能測定装置が望まれている。
しかし、食品などの被測定物をそのままの形状で、被測定物の比放射能を単純に測定しようとしても、その測定毎に食品などの形状が異なるので、吸収補正係数の導出が非常に難しく、短時間で、高精度に被測定物の比放射能を簡単に測定することは難しいと考えられていた。
本発明は、上述した問題に鑑みてなされたもので、食品などの被測定物を細かく破壊することなく、簡単に、その被測定物の比放射能を測定することができる非破壊放射能測定装置を提供すること、その放射能測定方法を提供すること、などを目的とする。
本発明の非破壊放射能測定装置は、食品などの被測定物を破壊することなく該被測定物の比放射能を測定する非破壊放射能測定装置であって、載置面に載置された前記被測定物からのガンマ線のエネルギーに応じた信号を出力するガンマ線検出部と、前記ガンマ線検出部による前記信号に基づいて、所定の範囲のエネルギーを示す信号を計数して所定時間の計数値を出力する計数部と、前記被測定物の質量を測定する質量計測部と、前記計数部による前記計数値、前記質量計測部で計測された前記被測定物の質量、及び、数式(1)に基づいて、前記被測定物の比放射能[Bq/kg]を算出する算出部と、を有することを特徴とする。
Figure 2015049128
但し、Aは比放射能[Bq/kg]、
Nは単位時間当りの計数値[counts/sec]、Mは質量[kg]、
0はガンマ線検出部の検出面の面積[m2]、S1は被測定物の底面積[m2]、
N/Mは単位時間且つ単位質量当りの計数値[counts・sec-1・kg-1]、
aは係数(正数)、bは係数(正数)。
尚、係数a、係数bは、標準試料を用いた測定により求めてもよい。
また、非破壊放射能測定装置は、標準試料を用いた測定により求められた係数a、係数bを記憶する記憶部、または、予め規定された係数a、係数bを記憶する記憶部を有していてもよい。算出部は、記憶部に記憶された係数a、係数bを用いて、被測定物の比放射能を算出してもよい。
また、上記本発明の非破壊放射能測定装置の放射能測定方法は、前記質量計測部が前記被測定物の質量を計測する第1のステップと、前記ガンマ線検出部および前記計数部が前記被測定物からのガンマ線の所定時間の計数値を出力する第2のステップと、前記算出部が、前記計数部による前記計数値、前記質量計測部で計測された前記被測定物の質量、及び、数式(1)に基づいて、前記被測定物の比放射能[Bq/kg]を算出する第3のステップと、を有することを特徴とする。
本願発明者は、試行錯誤の結果、非常に簡便なガンマ線の吸収に対する補正式(数式(1)中の質量に関する1次式)を見出した。実測したところ、上記数式(1)の定量式で充分に実用的な測定が可能であることも確認している。尚、この数式(1)は、被測定物の底面積の逆数に関する1次式でもあることも、実測により確認している。
本発明によれば、食品などの被測定物を細かく破壊することなく、そのままの状態で丸ごと、その被測定物の比放射能を測定可能な非破壊放射能測定装置を提供することができる。
また、本発明によれば、非破壊放射能測定装置の放射能測定方法を提供することができる。
本発明の実施形態に係る非破壊放射能測定装置の一例を示す全体構成図。 本発明の実施形態に係る非破壊放射能測定装置の一例を示す図、(a)は非破壊放射能測定装置の電気的なブロック図、(b)は制御部の機能ブロック図。 被測定物におけるガンマ線の吸収補正の一例を説明するための図、(a)は被測定物の上端部の凸凹に対するガンマ線の吸収効果、(b)は被測定物内でのガンマ線の吸収をそれぞれ説明するための図。 ガンマ線のエネルギースペクトルの一例を示す図。 本発明の実施形態に係る非破壊放射能測定装置の動作の一例を示すフローチャート。 被測定物をそのままの形状で測定(丸ごと測定)した比放射能と、被測定物をミンチ状など細かい状態で測定した比放射能の関係の一例を示す図。 本発明の実施形態に係る非破壊放射能測定装置のガンマ線検出部の斜視図。 ガンマ線の単位時間及び単位質量当りの計数値(逆数)に関する被測定物の底面積S1とガンマ線検出部の検出面の面積S0の依存性の一例を示す図。 ガンマ線測定の一例を説明するための図、(a)はS0/S1=1.00の場合、(b)はS0/S1=1.66の場合、(c)はS0/S1=11.7の場合それぞれの測定を説明するための図。 0/S1=1.00の場合、単位時間当りの計数値(カウント数)[counts・sec-1]の質量依存性を示す図。 0/S1=1.00の場合、実測データを換算式で変換したグラフの一例を示す図。 0/S1=1.66の場合、単位時間当りの計数値(カウント数)の質量依存性を示す図。 0/S1=1.66の場合、実測データを換算式で変換したグラフの一例を示す図。 0/S1=11.7の場合、単位時間当りの計数値(カウント数)の質量依存性を示す図。 0/S1=11.7の場合、実測データを換算式で変換したグラフの一例を示す図。
本発明の実施形態に係る非破壊放射能測定装置を、図面を参照しながら説明する。
図1は本発明の実施形態に係る非破壊放射能測定装置100の一例を示す全体構成図である。図2は非破壊放射能測定装置100の一例を示すブロック図である。詳細には、図2(a)は非破壊放射能測定装置100の電気的なブロック図、図2(b)は制御部51の機能ブロック図である。図3は被測定物9におけるガンマ線の吸収補正の一例を説明するための図である。
本発明の実施形態に係る非破壊放射能測定装置100は、食品などの被測定物9を、それを細かく破壊することなく、そのままの形状で、丸ごと、被測定物9の比放射能[Bq/kg]を比較的高精度に測定する。
<本発明の概要>
(A) 食品などの被測定物9を細かくすることなく、その形のままの状態で(丸ごと)、ガンマ線検出部1を平面状に並べて配置した検出面1aの上に接して設置された載置面4aに載置する。例えば、同一種類の複数の食品を載置面4aに載置する場合、それらの間隙を最小とするように、載置面4aの全面積を満たすように載置することが好ましい。本実施形態では、検出面1aと載置面4aは略一致した構成となっている。
例えば、被測定物9の上端中央部からガンマ線検出部1の検出面1aを望んだ立体角Ωが略2π[sr]となっているとする。
もし、被測定物9内でガンマ線の吸収がないと仮定した場合、被測定物9から放射される全ガンマ線の略半分を上記ガンマ線検出部1で検出することになる。この場合、上記ガンマ線検出部1で検出されるガンマ線の計数は、被測定物9とガンマ線検出部1との相対位置に依存しない。また、この場合、上記ガンマ線検出部1で検出されるガンマ線の計数は、食品などの被測定物9の形状に依存しない。また、この場合、被測定物9の比放射能[Bq/kg]は、ガンマ線の計数に比例する。
詳細には、被測定物9の密度が一様(均一)であり、被測定物9内の放射性物質の分布が一様(均一)である場合、被測定物9におけるガンマ線の吸収補正に関し、凹凸形状などの被測定物9を、図3(a)に示したように、凹凸のない単純化した形状で同じ体積のもの(例えば、直方体や円柱形状など)として近似して取り扱ってよい。
具体的には、被測定物9の線吸収係数μを用いると、被測定物9内の高さhでの垂直方向に発せられたガンマ線の吸収は、exp(-μh)であり、凹凸の位置での吸収は、exp(-μ(h+δh))≒exp(-μh)(1−μδh)となる。高さhを被測定物の平均の高さとするとΣδh=0であるから、吸収の効果の和はexp(-μh)となる。このため、図3(a)に示したように、直方体などに近似したものの吸収効果だけを考慮すればよい。
(B) 例えば、直方体などに近似した被測定物9内の放射性物質から放射されたガンマ線は、被測定物9内を通る距離に依存した吸収を受ける。図3(b)に示したように、各点からガンマ線検出部1に向かって発せられたガンマ線の数の和N0[counts/sec]をN0=n1+n2+n3+・・・とすると、吸収を考慮したガンマ線の数の和N[counts/sec]は、N=n1exp(-μ・X1)+n2exp(-μ・X2)+n3exp(-μ・X3)+・・・となる。Nはガンマ線の放出される方向すべての和となる。本願発明者は、NとN0との関係式として、数式(A1)で表される実験結果を得た。
Figure 2015049128
ここで、S0はガンマ線検出部1の検出面1aの面積を示し、S1は被測定物9の底面積を示す。M[kg]は被測定物9の質量で、被測定物9の体積(高さh×被測定物の底面積)に比例する。ここで、係数a、係数bはそれぞれ正数である。係数aは立体角に関係し、係数bは吸収係数に関係する。
被測定物9の底面積S1とは、被測定物9をガンマ線検出部1の検出面1aへ射影した領域の面積である。尚、被測定物9をザルなどの容器に収容して測定を行う場合、その容器の底面積を、上記被測定物9の底面積S1としてもよい。
被測定物9の比放射能A[Bq/kg]は、A=const×N0/Mであり、補正係数Yを数式(A2)とすると、比放射能Aは数式(1)で示すことができる。また、Net=N/Mとすると、数式(1)を数式(A3)と示すことができる。
Figure 2015049128
Figure 2015049128
Figure 2015049128
係数a、係数bは被測定物9の密度などに依存する。例えば、同一種類の複数の被測定物9をまとめて測定する場合、各被測定物9間の密着度が略同一のものに対しては密度を一定値としてよい。被測定物9の主成分が食品である場合、水分を含んだ状態での比重は0.9〜1.2であり、食品の比放射能測定には係数a、bは一定値としてよい。
尚、本発明の実施形態に係る非破壊放射能測定装置100による被測定物9としては、農畜産物、水産物などの食品などを挙げることができる。
被測定物9の比重が大きい場合、係数a、bを別途測定する。また、比放射能A[Bq/kg]は、数式(1)に示したように、被測定物9の底面積S1に対するガンマ線検出部1の検出面1aの面積S0の割合にも依存する。
上述した(A),(B)により、食品などの被測定物9を細かく、ミンチ状などにすることなく、被測定物9をそのままの形状で、被測定物9からの放射線(ガンマ線)を検出し、その被測定物9からの放射線(ガンマ線)の単位時間且つ単位質量当りの計数値(N/M)[count・sec-1・kg-1]と、被測定物9の質量に関する一次式の吸収補正係数Yとの積により、比放射能A[Bq/kg]を簡単に算出することができる。
以下、本発明の実施形態に係る非破壊放射能測定装置100の一例を詳細に説明する。
<非破壊放射能測定装置100の構成>
本発明の実施形態に係る非破壊放射能測定装置100は、図1、図2に示したように、ガンマ線検出部1と、増幅器2と、アナログデジタル変換部3(ADC)と、質量計測部4と、制御装置5と、などを有する。
質量計測部4は載置面4aを備え、被測定物9を載置する。載置面4aは質量計測部4の一部分であり、被測定物9の質量を自動的に測定し、コンピュータ(制御装置5)に出力する。ガンマ線検出部1は、載置面4aに載置された被測定物9からのガンマ線のエネルギーに応じた信号を出力する。載置面4aは支持部4bにより支持されている。
本実施形態では、ガンマ線検出部1は、中空の遮蔽体15内に収容されている。遮蔽体15は、鉛やコンクリートなどにより構成されている。遮蔽体15は、被測定物9以外の外部からの放射線を遮断することで、ガンマ線検出部1でのバックグラウンドを低減させる。
本実施形態では、遮蔽体15は、平面状の載置面4aを備えた質量計測部4、ガンマ線検出部1、および、質量計測部4の載置面4aに載置された被測定物9を覆うように構成されている。
本実施形態では、遮蔽体15は、上部に開口部が形成された有底四角柱または筒形状の本体部15aと、本体部15aの開口部に対して開閉自在に設けられた蓋部15bと、を有する。
ガンマ線検出部1は、シンチレータと、光電子増倍管と、を有する。シンチレータは、例えば、食品などの被測定物9中に含まれる放射性物質からの放射線(本実施形態ではガンマ線)を受けて蛍光する。シンチレータとしては、例えば、ヨウ素ナトリウム(NaI)に微量のタリウム(Tl)を添加したNaI(Tl)、ヨウ化セシウムCsIに微量のタリウム(Tl)を添加したCsI(Tl)、などを挙げることができる。
光電子増倍管は、光電効果により、シンチレータからの蛍光の光エネルギーを電気エネルギーに変換して検出信号を出力する。
尚、ガンマ線検出部1は、この形態に限られるものではなく、ガンマ線のエネルギーを測定できるものであれば、例えば、ゲルマニウム半導体検出器、シリコン半導体検出器などの半導体検出器であってもよい。
増幅器2は、ガンマ線検出部1から出力された信号のレベルを増幅して出力する。
アナログデジタル変換部3(ADC)は、増幅器2から出力された信号(アナログ信号)にアナログ/デジタル変換処理を施して、デジタル信号として、検出信号を制御装置5に出力する。
質量計測部4は、被測定物9の質量を測定し、測定結果の被測定物9の質量を示す信号を制御装置5に出力する。質量計測部4としては、ロードセル式、電子式などを採用することができる。
制御装置5(コンピュータ)は、非破壊放射能測定装置100の各構成要素を統括的に制御する。また、制御装置5は、ガンマ線検出部1で検出された、被測定物9内の放射性物質からのガンマ線のエネルギーに応じた信号と、質量計測部4による被測定物9の質量に基づいて、被測定物9の比放射能[Bq/kg]を算出する。
詳細には、制御装置5は、制御部51(CPU)と、RAM52と、ROM53と、操作入力部54と、インタフェース55(I/F)と、通信部56と、計時部57と、表示部58と、などを有する。制御部51(CPU)などの各構成要素は、バスなどの通信線59により電気的に接続されている。
制御部51(CPU)は、制御装置5の各構成要素を統括的に制御する。制御部51(CPU)は、RAM52やROM53などの記憶部に記憶されているプログラム(PRG)を実行することで、コンピュータとしての非破壊放射能測定装置100(制御装置5)に本発明に係る機能を実現させる。
RAM52は、プログラムを実行するための作業用エリアとして用いられる。
ROM53は、測定用(制御用)のプログラムなどを記憶し、制御部51によりプログラムが読み出されて実行される。
操作入力部54は、操作ボタン、スイッチ、マウスなどの操作入力装置などを有し、操作者の操作に応じた信号を制御部51に出力する。
インタフェース55(I/F)には、アナログデジタル変換部3、増幅器2を介してガンマ線検出部1が接続されている。また、インタフェース55には、質量計測部4が接続されている。
通信部56は、制御部51の制御により、有線式または無線式の通信路を介して他のコンピュータと通信可能に構成されている。
計時部57は、計時回路を備え、時刻などの時間を計時し、計時情報を制御部51に出力する。
表示部58は、制御部51の制御により、本発明に係る所定の表示処理、本実施形態では、被測定物9の比放射能[Bq/kg]などを表示する。
制御部51(CPU)は、RAM52やROM53などの記憶部に記憶されているプログラム(PRG)を実行することにより、本発明に係る機能をコンピュータとしての制御装置5に実現する。詳細には、制御部51(CPU)は、ガンマ線検出制御部511と、計数部512と、質量計測制御部513と、算出部514と、などを有する。
ガンマ線検出制御部511は、ガンマ線検出部1、増幅器2、アナログデジタル変換部3などに対して、比放射能計測に関する制御を行う。
計数部512は、ガンマ線検出部1による信号に基づいて、所定のエネルギーで閾値以上のレベルを示す信号を計数して所定時間(例えば単位時間(1秒))の計数値を出力する。
<ガンマ線のエネルギースペクトル>
図4はガンマ線のエネルギースペクトルの一例を示す図である。図4において、横軸にガンマ線のエネルギー[keV]を示し、縦軸に計数値Nを示す。
ガンマ線検出部1は、例えば、図4に示したように、被測定物9内の放射性核種が放射性崩壊して放射された放射線(ガンマ線)のエネルギースペクトルを得る。詳細には、放射性核種に応じたエネルギーピーク、例えば、137Csに対応したエネルギーピーク(662keV)、134Csに対応したエネルギーピーク(複数のエネルギーピーク)などが得られる。
計数部512は、放射性核種毎に弁別して計数を行うことができる。また、計数部512は、バックグラウンド計数を除いて、放射性核種毎に計数を行うことができる。
詳細には、計数部512は、放射性核種毎に、その核種が崩壊した時に放射されるガンマ線に対応したエネルギーピークを弁別して計数する。この際、バックグラウンドを差し引いた単位時間当たりの計数値[counts/sec]を算出する。
尚、計数部512は、数秒〜数分程度の時間のガンマ線検出部1によるガンマ線を計数した後、単位時間当たり(1秒間)の計数値[counts/sec]を算出して出力してもよい。
また、本実施形態では、計数部512は、137Csに対応したエネルギーピークについて計数値を出力するように構成されているが、他の核種に関する計数値を出力するように構成されていてもよい。
また、本実施形態では、制御部51がプログラムを実行することにより、計数部512の機能をコンピュータに実現したが、この形態に限られるものではなく、例えば、上記計数部512と同じ機能を有する専用の装置を制御装置5と別体で設けてもよい。
図2に示したように、質量計測制御部513は、質量計測部4による質量の計測に関する制御を行う。
算出部514は、計数部512による計数値、質量計測部4で計測された被測定物9の質量、及び、数式(1)に基づいて、被測定物9の比放射能を算出する。詳細には、算出部514は、計数部512による単位時間当たりの計数値N[counts/sec]、質量計測部4で計測された被測定物9の質量M[kg]、被測定物9の底面積S1、及び、上述した数式(1)に基づいて、被測定物9の比放射能A[Bq/kg]を算出する。
この数式(1)は、予め実測で求められた被測定物9の質量Mおよび底面積S1の逆数に関する一次式で示されるガンマ線の吸収補正係数である。
尚、セシウム濃度が既知である標準試料(比重1.2)を用いて、予めガンマ線計測を行い、上記単位質量当りの比放射能[Bq/kg]と、放射線(ガンマ線)の単位時間且つ単位質量当りの計数値[counts・sec-1・kg-1]の比の値が、被測定物9の質量Mおよび底面積S1の逆数についてそれぞれが直線の一次式で示される関係を得る。この計測結果に基づいて、上記数式(1)の係数a、係数bを算出し、その数式(1)、係数a、係数bをRAM52やROM53などの記憶部に記憶しておく。
<非破壊放射能測定装置100の動作>
次に、非破壊放射能測定装置100の動作の一例を説明する。
図5は、本発明の実施形態に係る非破壊放射能測定装置100の動作の一例を示すフローチャートである。
<標準試料(標準線源)を用いた放射能計測による係数a、係数bの決定>
先ず、標準試料(標準線源)を用いて、非破壊放射能測定装置100によりガンマ線の測定を行い、非破壊放射能測定装置100で用いられる係数a、係数bを決定する。詳細には、規定の比放射能の標準試料を用意する。この際、異なる質量および底面積の標準試料を複数個用意する。
本発明の実施形態に係る非破壊放射能測定装置100は、この複数の標準線源それぞれについて、質量計測部4で質量を計測するとともに、ガンマ線検出部1などで標準線源からのガンマ線を計数し、得られた計数値および質量に基づいて係数a、係数bを決定する。尚、標準試料の質量が予め規定されている場合、その質量を用いてもよい。
<実測>
図1、図2に示したように、先ず、底面積S1の被測定物9をガンマ線検出部1の検出面1aまたは載置面4aに載置する。この際、被測定物9を規定の底面積の容器(例えば軽いザルなど)に収容し、その容器の底面積を、被測定物9の底面積S1としてもよい。この場合、異なる底面積の容器を複数個用意しておき、被測定物9に適合する容器、詳細には、被測定物9の幅と略同じ内径または僅かに小さい内径の容器にその被測定物9を収容することで、容器の底面積をその被測定物9の底面積S1として代用してもよい。こうすることで、被測定物9の底面積S1を容易に規定することができる。また、同一種類の複数個の被測定物9(例えば、複数の桃など)を測定する場合、ザルなどの容器(底面積が既知の容器)に収容することで、この被測定物9の底面積S1を容易に規定可能である。
尚、同一種類の複数の被測定物9をまとめて測定する場合、被測定物9間の隙間を最小にして載置面4a(検出面1a)上に載置することが好ましい。
図5に示したように、ステップST1において、制御部51は、質量計測部4により被測定物9の質量[kg]を測定する処理を行う。
ステップST3において、制御部51は、ガンマ線検出部1によりガンマ線を検出する処理を行う。ガンマ線検出部1による信号は、増幅器2にて増幅され、アナログデジタル変換部3にてアナログ/デジタル変換された後、制御装置5(コンピュータ)に出力される。
ステップST5において、制御部51の計数部512は、ガンマ線検出部1による信号に基づいて、エネルギースペクトルを測定し、ROI(region of interest:関心領域)を取ることにより、被測定物9の放射性物質からのガンマ線を計数して所定時間の計数値を出力する。
ステップST7において、制御部51の算出部514は、計数部512による計数値、質量計測部4で計測された被測定物9の質量、被測定物9の底面積S1、及び数式(1)などに基づいて、被測定物9の比放射能を算出する。詳細には、算出部514は、計数部512による単位時間当たりの計数値N[counts/sec]、質量計測部4で計測された被測定物9の質量M[kg]、被測定物9の底面積S1、及び、数式(1)または数式(A3)に基づいて、被測定物9の比放射能A[Bq/kg]を算出する。
ステップST9において、制御部51は、算出部514により算出した被測定物9の比放射能A[Bq/kg]を表示部58に表示する処理を行う。
また、制御部51は、算出部514により算出した被測定物9の比放射能A[Bq/kg]を通信部56を介して、他のコンピュータに送信する処理を行ってもよい。
<実験>
本願発明者は、本発明の実施形態に係る非破壊放射能測定装置100による効果を確認するために、被測定物9をそのままの状態(本発明)、被測定物9を細かくミンチ状にした状態(比較例)それぞれで、比放射能[Bq/kg]を測定した。
図6は、被測定物9をそのままの形状で測定(丸ごと測定)した比放射能[Bq/kg](本発明)と、被測定物9をミンチ状など細かい状態で測定した比放射能[Bq/kg](比較例)の関係の一例を示す図である。図6において、横軸に被測定物9をミンチ状など細かい状態で測定した比放射能[Bq/kg](比較例)を示し、縦軸に、被測定物9をそのままの形状で測定(丸ごと測定)した比放射能[Bq/kg](本発明)を示す。
被測定物9をそのままの形状で測定(丸ごと測定)した比放射能[Bq/kg](本発明)と、被測定物9をミンチ状など細かい状態で測定した比放射能[Bq/kg](比較例)は、図6に示したように略一致していることが分かった。
つまり、本発明の実施形態に係る非破壊放射能測定装置100は、比較例と比較して、被測定物9をそのままの形状で(丸ごと)、短時間で、簡単に、精度よく、被測定物9の比放射能[Bq/kg]を得ることができる。
<被測定物9の底面積S1とガンマ線検出部1の検出面1aの面積S0の関係>
次に、本願発明者は、本発明の実施形態に係る非破壊放射能測定装置100において、被測定物9の底面積S1とガンマ線検出部1の検出面1aの面積S0を変化させた場合、高精度にガンマ線を測定可能な範囲を調べた。
図7は本発明の実施形態に係る非破壊放射能測定装置100のガンマ線検出部1の斜視図である。
上述したように、本発明の実施形態に係る非破壊放射能測定装置100で用いられる数式(1)により、数式(A4)を導くことができる。
Figure 2015049128
Nはガンマ線の単位時間当りの計数値[counts/sec]、Mは被測定物9の質量[kg]、Aは比放射能[Bq/kg]、S1は被測定物9の底面積、S0はガンマ線検出部1の検出面1aの面積であり、a,bは係数である。
数式(A4)に示したように、実測されたガンマ線の単位時間及び単位質量当りの計数値(N/M)の逆数と各パラメータ(係数)に関し、各パラメータに対する換算式(数式(A4))の適用範囲を調べる。
詳細には、数式(A4)は、S0/S1の一次の関数である。標準試料の比放射能A、質量Mをそれぞれ規定の値とし、複数の異なる底面積S1の条件で、このS0/S1に関する数式(A4)の適用範囲を調べた。
図8はガンマ線の単位時間及び単位質量当りの計数値(逆数)に関する、被測定物9の底面積S1とガンマ線検出部1の検出面1aの面積S0の依存性の一例を示す図である。
図8において、縦軸に、実測されたガンマ線の単位時間及び単位質量当りの計数値(N/M)の逆数を示し、横軸にS0/S1を示す。S1は被測定物9の底面積、S0はガンマ線検出部1の検出面1aの面積を示す。
図8に示したように、数式(A4)に関し、S0/S1が約0.8以上でその線形性が成り立ち、0.8未満では線形性が成り立たないことが分かった。
すなわち、本発明の実施形態に係る非破壊放射能測定装置100において、「S0/S1が約0.8以上」という条件を満たす場合に、高精度に換算式(数式(A4))を適用することができる。
<ガンマ線検出部と被測定物の幾何学的条件の適用範囲>
次に、本願発明者は、本発明の実施形態に係る非破壊放射能測定装置100において、ガンマ線検出部1と被測定物9の幾何学的条件の適用範囲について調べた。
詳細には、数式(A4)は、被測定物9の質量Mに関する一次の関数である。密度が1[g/cm3]=103[kg/m3]の標準試料の比放射能A、底面積S1をそれぞれ規定値(固定値)として、複数の異なる質量の条件で数式(A4)の適用範囲を調べた。尚、標準試料の質量は、標準試料の密度(固定値)、標準試料の底面積(固定値)、高さ(パラメータ)の積により規定される。
図9はガンマ線測定の一例を説明するための図である。詳細には、図9(a)はS0/S1=1.00の場合、図9(b)はS0/S1=1.66の場合、図9(c)はS0/S1=11.7の場合それぞれの測定を説明するための図である。
ガンマ線検出部1として、複数の異なる直径Rの検出面1aを有するものを用意した。被測定物9である円柱形状の標準試料としては、一定値(20cm2)の底面積S1のものを採用し、図9に示したように、円柱形状の標準試料をガンマ線検出部1の検出面1a上に積み上げて測定を行った。
また、hは、追加した標準試料ブロックの重心と、ガンマ線検出部1の検出面1aの間の距離(高さ)である。本実施形態では、円柱形状の標準試料を積み上げて、高さhの最大値hmax=43.5cm程度まで測定を行った。
この場合、被測定物9としての標準試料を、有底の円柱形状または多角形の筒形状のザルなどに収容することで、簡単にガンマ線を測定することができる。
<S0/S1=1.00>
図10はS0/S1=1.00の場合、単位時間当りの計数値(カウント数)[counts・sec-1]の質量依存性を示す図である。図10において、縦軸にガンマ線の計数値(カウント数)を示し、横軸にh/Rを示す。
図10に示したように、h/Rが約3以上(M=約0.3kg以上)の場合、計数値(カウント数)が略一定値を示した(飽和状態)。すなわち、高さhが16.25cm以上で計数値(カウント数)が飽和することが分かった。
被測定物9としての標準試料の高さhが大きくなるほど、標準試料の上部からガンマ線検出部1へ放射される放射線の光路の距離が大きくなり、標準試料の上部からガンマ線検出部を望む立体角が非常に小さくなるとともに、被測定物9の自己吸収が増大して、カウント数への寄与が非常に小さくなる。
このため、質量Mを増大させて、所定の質量以上(所定の高さh以上)となった場合、カウント数は一定値となる(飽和する)。
また、この飽和現象は数式(1)からも予想される。詳細には、数式(1)において、質量Mが非常に大きい場合、単位時間当りの計数値N[counts/sec]は、数式(A5)となり、一定値に近づく。
Figure 2015049128
カウント数(計数値)の飽和効果は、正確には、被測定物9内の各位置からガンマ線検出部1の検出面1aを望む立体角と、被測定物9内の各位置からガンマ線検出部1までの間の自己吸収効果を組み入れた複雑な3次元の数値計算によって評価することができる。
本発明に係る非破壊放射能測定装置100では、このような複雑な数値計算を行うことなく、質量Mの一次関数である数式(A4)、数式(1)により、簡単に比放射能を算出することができる。この数式(A4)が、上述した飽和領域でも高精度に成り立てば、数式(1)の有用性を示すことができる。
図11はS0/S1=1.00の場合、図10に示した実測データを換算式(数式(A4))で変換したグラフの一例を示す図である。図11において、縦軸に、ガンマ線の単位時間及び単位質量当りの計数値(逆数)を示し、横軸に被測定物9(標準試料)の質量M[kg]を示す。
図11では、数式(A4)は、質量Mが0kgより大きく、上述した飽和領域での質量であっても成り立つことを示している。
このことは、被測定物9の密度が略一様(均一)で、放射性物質の分布が略一様(均一)である場合、被測定物9の質量Mを測定することで、質量Mが0kgより大きい範囲で、数式(1)、数式(A4)により比放射能を高精度に測定することができることを示している。つまり、数式(A3)に基づいた比放射能の測定方法の質量に対する制限はないことを示している。
すなわち、本実施形態に係る非破壊放射能測定装置100では、被測定物9の質量が小さい場合であっても、大きい場合であっても、被測定物9の質量Mおよびガンマ線の計数を測定することで、数式(1)、数式(A4)により比放射能を高精度に測定することができる。
<S0/S1=1.66>
図12はS0/S1=1.66の場合、単位時間当りの計数値(カウント数)[counts・sec-1]の質量依存性を示す図である。図13はS0/S1=1.66の場合、図12に示した実測データを換算式(数式(A4))で変換したグラフの一例を示す図である。
図11に示したように、h/Rが約3以上(M=約0.3kg以上)の場合、計数値(カウント数)が略一定値を示した(飽和状態)。すなわち、高さhが19.5cm以上で計数値(カウント数)が飽和することが分かった。飽和領域は、上述したS0/S1=1.00の場合と同様に、h/Rが約3以上である。
これは、被測定物9の上部からガンマ線検出部1の端部付近へ、自己吸収されることなく到達するガンマ線の経路が存在するからである。
このように、ガンマ線検出部1の検出面1aの面積S0が被測定物9の標準試料よりも僅かに大きい場合についても、数式(A3)が成り立つことが分かった。
<S0/S1=11.7>
図14はS0/S1=11.7の場合、単位時間当りの計数値(カウント数)[counts・sec-1]の質量依存性を示す図である。図15はS0/S1=11.7の場合、図14に示した実測データを換算式(数式(A4))で変換したグラフの一例を示す図である。
図14では、高さhが43.5cmでも飽和しないことを示している。これは、後述する理由によるものである。
本条件の測定では、ガンマ線検出部1の検出面1aの直径Rが、被測定物9の底面の直径よりも十分に大きい。
図9(c)に示したように、被測定物9の上部から放射される放射線(ガンマ線)のうち、被測定物9内を通って略真下方向に沿って放射されるものは、被測定物9の自己吸収によりガンマ線検出部1に到達する量が非常に小さくなる。
図9(c)に示したように、被測定物9の上部から放射される放射線(ガンマ線)のうち、所定の角度以上の斜め方向に放射されるものは、被測定物9内を僅かに通る、又は被測定物9内を全く通らずに、自己吸収されることなく、ガンマ線検出部1に到達する(斜出効果)。
この斜出効果により、高さhが43.5cmでも、計数値(カウント数)は飽和していない。しかも、斜出効果による検出量が増えた場合でも、数式(A4)が成り立つことが示された。
すなわち、換算式(数式(A4))の有用性が示された。
以上の実験結果より、換算式(A3)がS0/S1や被測定物9の質量に依存せずに有用であることが示された。
以上、説明したように、本発明の実施形態に係る非破壊放射能測定装置100は、食品などの被測定物9を破壊することなく、その形状を保った状態で、その被測定物9の比放射能を測定する。
詳細には、本実施形態では、非破壊放射能測定装置100は、被測定物9が載置され、ガンマ線検出部1の検出面1aと同じ幅の平面状の載置面4aを備え、載置面4aに間隙を最小に全面積を満たすように載置された被測定物9からのガンマ線のエネルギーに応じた信号を出力するガンマ線検出部1と、ガンマ線検出部1による信号に基づいて、所定のエネルギーに対応した信号を計数して所定時間の計数値を出力する計数部512と、被測定物9の質量を測定する質量計測部4と、計数部512による単位時間当りの計数値[counts/sec]、質量計測部4で計測された被測定物9の質量[kg]、被測定物9の底面積S1、及び、数式(1)に基づいて、被測定物9の比放射能[Bq/kg]を算出する算出部514と、を有する。
このように、食品などの被測定物9を破壊することなく丸ごと、その被測定物9の比放射能を、簡単に、測定可能な非破壊放射能測定装置100を提供することができる。
また、この非破壊放射能測定装置100では、被測定物9を細かくすることなく、そのままの状態で、比放射能を測定することができ、測定した被測定物9をそのままの状態で、流通させることができる。
また、本発明の実施形態に係る非破壊放射能測定装置100は、算出部514により算出された被測定物9の比放射能[Bq/kg]を表示する表示部58を有する。このため、操作者により、遮蔽体15の本体部15a内の載置面4aに被測定物9が載置され、蓋部15bで本体部15aの開口部を覆うことで、被測定物9を遮蔽体15で遮蔽し、計測スタートボタンなどが操作された場合、計測を開始し、計測終了後、表示部58に被測定物9の比放射能[Bq/kg]を表示することで、操作者に被測定物9の比放射能[Bq/kg]を容易に報知することができる。
被測定物9は、農畜産物、海産物などの食品であることが好ましい。この場合、被測定物9は、比重が略1(0.9〜1.2)であるので、載置面4aに被測定物9を間隙を最小に全面積を満たすように載置した場合、被測定物9の質量M[kg]に関して同一の1次式を用いることができる。被測定物9の底面積が検出面1aより大きい場合または小さい場合には、その底面積に応じた1次の補正式を求めて、定量する。
また、被測定物9は、放射性物質が略均一の分布となっていることが好ましく、吸収補正係数が数式(1)で示したように、1次式で示すことができる。
また、本発明の実施形態に係る非破壊放射能測定装置100は、ガンマ線検出部1、及び、質量計測部4の載置面4aに載置された被測定物9を覆う鉛製の遮蔽体15を有する。
このため、ガンマ線検出部1への外部からの不要なバックグラウンドを遮断することができ、高精度に比放射能を測定可能な非破壊放射能測定装置100を提供することができる。
福島第一原子力発電所事故によって放射能汚染された農畜産物や水産物などは、放射性セシウムなどの放射性物質を含んでいる場合があり、その流通には、比放射能の規制が行われている。このような食品の汚染の問題は、消費者の安全だけでなく、生産者の就労意欲及び生計にも関わっている。本発明の実施形態に係る非破壊放射能測定装置100は、食品などの被測定物9を丸ごと検査可能であり、消費者に対して安心、生産者に対して意欲を与えるもので、被災者の農水産業の復興に貢献するものと期待することができる。
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこれらの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても本発明に含まれる。
また、上述の各図で示した実施形態は、その目的及び構成等に特に矛盾や問題がない限り、互いの記載内容を組み合わせることが可能である。
また、各図の記載内容はそれぞれ独立した実施形態になり得るものであり、本発明の実施形態は各図を組み合わせた一つの実施形態に限定されるものではない。
尚、上記実施形態では、ガンマ線検出部は、シンチレータと、光電子増倍管とを有していたが、この形態に限られるものではない。ガンマ線検出部としては、ゲルマニウム半導体検出装置、シリコン半導体検出装置などの半導体検出装置を採用してもよい。
尚、質量計測部4は、載置面4aに載置された被測定物9の質量を計測するように構成されていてもよい。こうすることで、被測定物9が載置面4aに載置された場合、質量計測部4で質量を計測するとともに、ガンマ線検出部1と計数部512によるガンマ線の強度を計測することができる。
質量計測部4は、遮蔽体15よりも外部に設けられていてもよい。
本発明の実施形態に係る非破壊放射能測定装置100は、放射線検出部としてガンマ線検出部を備えていたが、この形態に限られるものではなく、ガンマ線以外の放射線を検出するような構成であってもよい。
また、上記実施形態では、比放射能[Bq/kg]を算出したが、単位はこの形態に限られるものではなく、所望の単位に変換してもよい。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明の実施形態の一部または全部は、以下の付記のように記載される。
[付記1]
食品などの被測定物を破壊することなく該被測定物の比放射能を測定する非破壊放射能測定装置であって、
載置面に載置された前記被測定物からのガンマ線のエネルギーに応じた信号を出力するガンマ線検出部と、
前記ガンマ線検出部による前記信号に基づいて、所定の範囲のエネルギーを示す信号を計数して所定時間の計数値を出力する計数部と、
前記被測定物の質量を測定する質量計測部と、
前記計数部による前記計数値、前記質量計測部で計測された前記被測定物の質量、被測定物の底面積、及び、数式(1)に基づいて、前記被測定物の比放射能[Bq/kg]を算出する算出部と、を有することを特徴とする
非破壊放射能測定装置。
[付記2]
0/S1が0.8以上であることを特徴とする付記1に記載の非破壊放射能測定装置。
[付記3]
付記1に記載の非破壊放射能測定装置の放射能測定方法であって、
前記質量計測部が前記被測定物の質量を計測する第1のステップと、
前記ガンマ線検出部および前記計数部が前記被測定物からのガンマ線の所定時間の計数値を出力する第2のステップと、
前記算出部が、前記計数部による前記計数値、前記質量計測部で計測された前記被測定物の質量、被測定物の底面積、及び、数式(1)に基づいて、前記被測定物の比放射能[Bq/kg]を算出する第3のステップと、を有することを特徴とする
非破壊放射能測定装置の放射能測定方法。
1 ガンマ線検出部
1a 検出面
2 増幅器
3 アナログデジタル変換部(ADC)
4 質量計測部
4a 載置面
5 制御装置
9 被測定物(農畜産物や水産物等の食品、土など)
15 遮蔽体(鉛遮蔽体など)
51 制御部(CPU)
52 RAM
53 ROM
54 操作入力部
55 インタフェース(I/F)
56 通信部
57 計時部
58 表示部
59 通信線(バス)
511 ガンマ線検出制御部
512 計数部
513 質量計測制御部
514 算出部

Claims (2)

  1. 食品などの被測定物を破壊することなく該被測定物の比放射能を測定する非破壊放射能測定装置であって、
    載置面に載置された前記被測定物からのガンマ線のエネルギーに応じた信号を出力するガンマ線検出部と、
    前記ガンマ線検出部による前記信号に基づいて、所定の範囲のエネルギーを示す信号を計数して所定時間の計数値を出力する計数部と、
    前記被測定物の質量を測定する質量計測部と、
    前記計数部による前記計数値、前記質量計測部で計測された前記被測定物の質量、及び、数式(1)に基づいて、前記被測定物の比放射能[Bq/kg]を算出する算出部と、を有することを特徴とする
    非破壊放射能測定装置。
    Figure 2015049128
    但し、Aは比放射能[Bq/kg]、
    Nは単位時間当たりの計数値[counts/sec]、Mは質量[kg]、
    N/Mは単位時間且つ単位質量当りの計数値[counts・sec-1・kg-1]、
    0はガンマ線検出部の検出面の面積[m2]、S1は被測定物の底面積[m2]、
    aは係数(正数)、bは係数(正数)。
  2. 請求項1に記載の非破壊放射能測定装置の放射能測定方法であって、
    前記質量計測部が前記被測定物の質量を計測する第1のステップと、
    前記ガンマ線検出部および前記計数部が前記被測定物からのガンマ線の所定時間の計数値を出力する第2のステップと、
    前記算出部が、前記計数部による前記計数値、前記質量計測部で計測された前記被測定物の質量、及び、数式(1)に基づいて、前記被測定物の比放射能[Bq/kg]を算出する第3のステップと、を有することを特徴とする
    非破壊放射能測定装置の放射能測定方法。
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