JP2015048960A - 空調システム - Google Patents

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Abstract

【課題】冷房運転時及び暖房運転時の両方において空調手段の空調負荷の低減を図ることが可能となる空調システムを提供すること。
【解決手段】空調システム1は、空調対象空間2の内部の気体を、所定の熱源により加熱された被加熱部を介して、空調対象空間2から取り入れる天井チャンバー7と、外気と、空調対象空間2又は天井チャンバー7から取り入れた気体と、を混合して生成した空調空気を空調対象空間2に対して供給する空調機19と、天井チャンバー7から空調機19に至る気体流入路の開閉を行う第一ダンパ16と、空調対象空間2から空調機19に至る気体流入路の開閉を行う第二ダンパ17と、を備え、第一ダンパ16を閉じると共に第二ダンパ17を開ける第一方式と、第二ダンパ17を閉じると共に第一ダンパ16を開ける第二方式と、を相互に切り換え可能とした。
【選択図】図1

Description

本発明は、空調システムに関する。
近年、室内の天井部に配置された照明器具の発熱量を熱回収して空調を行うことにより、暖房運転時における空調負荷の低減を図る空調システムが提案されている(例えば、特許文献1)。ここで、図4は従来の空調システムを設置した部屋の概要図である。図4に示すようにこのような空調システムは概略的に、空調機30と、空調が行われている室内31の空気を直接的に空調機30に取り入れるための還気ダクト32と、空調が行われている室内31の空気を排気するための排気ダクト33と、排気ダクト33の途中から分岐されたダクトであって、空調が行われている室内31の空気を照明器具36を介して間接的に空調機に取り入れるための分岐ダクト34と、分岐ダクト34に設けられたダンパ35と、を備えて構成される。
このように構成された空調システムは、暖房運転時において、照明器具36から受ける熱量の小さい空気(すなわち、室内31の冷たい空気)を還気ダクト32を介して空調機30に取り入れると共に、ダンパ35を開にすることにより照明器具36から受ける熱量の大きい空気を分岐ダクト34を介して空調機30に取り入れる。このようにして、照明器具36の発熱量の熱回収を行うことで、空調機の空調負荷の低減を図ることが可能となる。
ここで、冷房運転時には、照明器具36から受ける熱量の大きい空気を分岐ダクト34を介して空調機30に取り入れてしまうと、却って空調機の空調負荷を増大させてしまう。そのため、空調システムは、冷房運転時においてはダンパ35を閉にすることにより、照明器具36から受ける熱量の小さい空気のみを還気ダクト32を介して空調機30に取り入れる。このように、照明器具36から受ける熱量の大きい空気を取り入れる分岐ダクト34の他に、照明器具36から受ける熱量の小さい空気を取り入れる還気ダクト32を備えることによって、暖房運転時のみに限らず冷房運転時においても空調負荷の低減を図ることが可能となる。
特開平6−229586号公報
ここで、上記特許文献1に記載の従来の空調装置は、上述したように、冷房運転時における空調負荷の低減を図るために、還気ダクト32により室内31と空調機30とを接続する必要がある。しかし、この還気ダクト32によって室内と空調機30とが接続されていることにより、暖房運転時においても室内31の冷たい空気が還気ダクト32を介して空調機30に取り入れられてしまう。そのため、暖房運転時における空調機30の空調負荷の低減を図ることが出来ない可能性があった。したがって、このような冷房運転時と暖房運転時とで空調機に取り入れる空気を変更することが可能な空調システムにおいて、冷房運転時及び暖房運転時の両方において空調手段の空調負荷の低減を図ることが可能となる空調システムが要望されていた。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、冷房運転時と暖房運転時とで空調機に取り入れる空気を変更することが可能な空調システムにおいて、冷房運転時及び暖房運転時の両方において空調手段の空調負荷の低減を図ることが可能となる空調システムを提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、請求項1に記載の空調システムは、空調対象空間に対して空調空気を供給するための空調システムであって、前記空調対象空間の内部の気体を、前記空調対象空間の内部又は外部に位置する所定の熱源により加熱された被加熱部を介して、前記空調対象空間から取り入れるチャンバーと、外部空間から取り入れた外気と、前記空調対象空間又は前記チャンバーから取り入れた気体と、を混合して生成した空調空気を前記空調対象空間に対して供給する空調手段と、前記チャンバーから前記空調手段に至る気体流入路の開閉を行う第一ダンパと、前記空調対象空間から前記空調手段に至る気体流入路の開閉を行う第二ダンパと、を備え、前記第一ダンパを閉じると共に前記第二ダンパを開けることにより、前記空調対象空間の内部の気体を前記空調手段に取り入れる第一方式と、前記第二ダンパを閉じると共に前記第一ダンパを開けることにより、前記チャンバーの内部の気体を前記空調手段に取り入れる第二方式と、を相互に切り換え可能とした。
また、請求項2に記載の空調システムは、請求項1に記載の空調システムにおいて、前記被加熱部は、前記熱源である太陽により加熱される遮熱空間であって、前記空調対象空間に対して太陽熱を供給する太陽熱供給空間と前記空調対象空間に配置された遮熱手段との相互間に形成された遮熱空間である。
また、請求項3に記載の空調システムは、請求項1又は2に記載の空調システムにおいて、前記被加熱部は、前記熱源である照明器具により加熱される照明近傍空間であって、前記空調対象空間の周囲又は内部に配置された前記照明器具により加熱される照明近傍空間である。
また、請求項4に記載の空調システムは、請求項1から3のいずれか一項に記載の空調システムにおいて、前記空調対象空間において相互に重複しない複数の領域を設定し、前記空調対象空間と前記空調手段とを接続する気体流入路における前記空調対象空間側の端部が配置された領域と、前記被加熱部が配置された領域との距離が所定距離以上となるように、前記端部を配置した。
また、請求項5に記載の空調システムは、請求項1から4のいずれか一項に記載の空調システムにおいて、前記チャンバーに取り入れられた気体と前記外気との全熱交換を行う全熱交換手段、又は前記チャンバーに取り入れられた気体を排気する余剰排気手段の少なくとも一方を備える。
請求項1に記載の空調システムによれば、第一方式においては第二ダンパを開けると共に第一ダンパを閉じるので、熱源から受ける熱量の小さい気体を空調手段に取り入れると共に、熱源から受ける熱量の大きい気体を空調手段に取り入れない事ができ、冷房運転時における空調手段の空調効率の低減を図ることが可能となる。また、第二方式においては第二ダンパを閉じると共に第一ダンパを開けるので、熱源から受ける熱量の大きい気体を空調手段に取り入れると共に、熱源から受ける熱量の小さい気体を空調手段に取り入れない事ができ、暖房運転時における空調手段の空調効率の低減を図ることが可能となる。よって、冷房運転と暖房運転との切り替えに応じて、第一方式と第二方式とを切り替えることにより、冷房運転時及び暖房運転時の両方において空調手段の空調負荷の低減を図ることが可能となる。
請求項2に記載の空調システムによれば、空調対象空間に対して太陽熱を供給する太陽熱供給空間と空調対象空間に配置された遮熱手段との相互間に形成された遮熱空間の気体をチャンバーに取り入れるので、第二方式において太陽から受ける熱量の大きい気体を空調手段に取り入れる事が可能であるため、暖房運転時において太陽の熱量を利用して空調を行うことが可能となる。
請求項3に記載の空調システムによれば、照明近傍空間の気体をチャンバーに取り入れるので、第二方式において照明器具から受ける熱量の大きい気体を空調手段に取り入れる事が可能であるため、暖房運転時において照明器具の熱量を利用して空調を行うことが可能となる。
請求項4に記載の空調システムによれば、空調対象空間と空調手段とを接続する気体流入路における空調対象空間側の端部が配置された領域と、被加熱部が配置された領域との距離が所定距離以上であるので、気体流入路における空調対象空間側の端部から取り入れられる気体のうち、熱源の熱負荷を含む気体の割合を低減することができ、冷房運転時における空調手段の空調負荷のさらなる低減を図ることが可能となる。
請求項5に記載の空調システムによれば、チャンバーに取り入れられた気体と外気との全熱交換を行う全熱交換手段、又はチャンバーに取り入れられた気体を排気する余剰排気手段の少なくとも一方を備えるので、チャンバーに取り入れられた気体を全熱交換手段又は余剰排気手段を介して排気することができ、冷房運転時における空調手段の空調負荷のさらなる低減を図ることが可能となる。特に、全熱交換手段の選択も可能であることは冷房運転時における最大空調負荷時(外気冷房が不可能な時)にも空調負荷の低減が可能である。
本発明の実施の形態に係る暖房運転時の空調システムを設置した部屋の概要図である。 冷房運転時の空調システムを設置した部屋の概要図である。 空調システムにおける各種の空間の概念を示す図である。 従来の空調システムを設置した部屋を示す概要図である。
以下に添付図面を参照して、この発明に係る空調システムの実施の形態を詳細に説明する。まず、〔I〕実施の形態の基本的概念を説明した後、〔II〕実施の形態の具体的内容について説明し、〔III〕最後に、実施の形態に対する変形例について説明する。ただし、実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
〔I〕実施の形態の基本的概念
まず、実施の形態の基本的概念について説明する。本実施の形態に係る空調システムは、空調対象空間に対して空調を行う空調システムである。ここで、「空調対象空間」とは、空調システムが空調を行う対象となる空間のことであり、空調システムにより気体の循環等が行われる空間のことである。なお、空調システムにより空調対象空間の各所に循環される気体は空気以外の気体であっても構わないが、本実施の形態では、気体は空気であるものとして説明する。
また、この空調対象空間の具体的な広さや形状等については任意であり、本実施の形態では、その一側面に窓が設けられた空間であって、この窓を介して外部空間と隣接している空間であるものとする。ここで、「外部空間」とは、空調対象空間の外部に設けられた空間であって、屋内又は屋外を問わないが、本実施の形態では屋外空間であるものとしてとして説明する。なお、以下では、空調対象空間における一部の特定の位置を基準として、より外部空間に近づく方向を「外側」と称し、より外部空間から遠ざかる方向を「内側」と称して説明する。
〔II〕実施の形態の具体的内容
次に、本発明に係る実施の形態の具体的内容について説明する。
(構成)
最初に、本実施の形態に係る空調システム1の構成について説明する。図1は、本実施の形態に係る暖房運転時の空調システム1を設置した部屋の概要図である。図2は、冷房運転時の空調システム1を設置した部屋の概要図である。このように、本実施の形態に係る空調システム1は、暖房運転と冷房運転とを相互に切り替えて行うことが可能である。ここで、以下では、空調システム1の構成について、図1を参照して説明し、図1におけるX方向を「奥行き方向」、Y方向(すなわちX方向とZ方向のいずれに対しても直交する方向)を「幅方向」、Z方向を「高さ方向」と必要に応じて称して説明する。
また、図3は、空調システム1における各種の空間の概念を示す図である。この図3を適宜参照しつつ、当該空調システム1を説明するに当たって必要な空間の概念について説明する。なお、図3は、空間の概念について説明する便宜上、空調対象空間2において相互に重複しない複数の領域を設定したものである。ここで、複数の領域の具体的な範囲等については任意であるが、本実施の形態では、7列13行の領域が設定されているものとして説明する。ここで、このように設定された各領域を区別するために、以下では、各領域を、行を特定するための大文字アルファベット(A〜G)と列を特定するための小文字アルファベット(a〜m)との組み合わせにより表して説明する。例えば、A行a列の領域は、「領域Aa」のように表し、C行m列の領域は、「領域Cm」のように表すものとする。
まずは、本実施の形態に係る空調システム1が配置される部屋の構成について説明する。この部屋は、天井スラブ5の所定距離下方の位置に天井ボード6が吊るされた二重天井構造にて形成されており、この天井スラブ5と天井ボード6との間に形成された空間を「天井チャンバー7」と称して以下では説明する。この天井チャンバー7には本実施の形態に係る空調システム1に関する各種の機器(ファン等)が配置されているものとする。なお、これら各種の機器についての詳細な説明については後述する。
また、天井ボード6には、照明器具8が設けられている。この照明器具8は、空調対象空間2の内部に位置する熱源であって、空調対象空間2の照明を行うために空調対象空間2の天井に設置された照明手段である。なお、この照明器具8の具体的な種類や数は任意であるが、本実施の形態では、公知のシステム照明として構成されており、図1に示すように空調対象空間2の概要図において3つの照明器具8が配置されているものとして説明する。
ここで、この照明器具8により加熱される空間を「照明近傍空間9」と称して説明する(図3に示す)。この照明近傍空間9は、照明器具8により加熱される被加熱部である。なお、厳密に言えば空調対象空間2の内部の空間は少なからず照明器具8により加熱されているが、ここで言う「照明器具8により加熱される空間」とは、照明器具8の近傍に形成される空間であって、照明器具8により特に加熱される空間を示す概念である。このような照明近傍空間9の具体的な範囲については任意であるが、本実施の形態では図3に示すように、空調対象空間2の内部において、照明器具8の位置を中心として所定の距離以内(例えば30cm以内)に形成された半球状の領域であるものとして説明する。すなわち、図3においては、各照明器具8が配置された領域である、領域Ac、領域Af、及び領域Aiに照明近傍空間9が位置する。
また、空調対象空間2の窓3の近傍にはブラインド10が設けられている。このブラインド10は、空調対象空間2に対して太陽熱を供給する外部空間4から空調対象空間2へと供給される太陽熱を遮断するための遮熱手段である。このブラインド10は、窓3から所定距離(例えば30cm)だけ内側の位置に設置されて、公知のエアバリアシステムを実現するためのブラインド10であり、例えばユーザの操作によって巻き取り及び巻き出しが可能な公知のロールスクリーンとして形成されている。そして、ブラインド10は、窓3と略同一の幅及び略同一の高さを有し、巻き出した状態において、窓枠における上枠から窓枠における下枠にかけて窓3を覆っている。上記は公知のロールスクリーンの例を記述したが、通常のスラット形式のブラインドであっても支障はない。
ここで、以下では外部空間4に位置する太陽により加熱される空間を「遮熱空間11」と称して説明する(図3に示す)。この遮熱空間11は、太陽により加熱される被加熱部である。なお、厳密に言えば空調対象空間2の内部の空間は少なからず太陽により加熱されているが、ここで言う「太陽により加熱される空間」とは、太陽により特に加熱される空間を示す概念である。このような遮熱空間11の具体的な範囲については任意であるが、本実施の形態では図3に示すように、窓3とブラインド10との相互間に形成された空間が「遮熱空間11」であるものとして説明する。
次に、本実施の形態に係る空調システム1の構成要素について説明する。図1に示すように、本実施の形態に係る空調システム1は、概略的に、余剰排気ファン12、24時間給気ファン13、外気冷房ファン14、全熱交換器15、第一ダンパ16、第二ダンパ17、リタンチャンバー18、空調機19、吸込口20、リタンスリット21、吹出口22、VAV23(Variable Air Volume)、ブラインドスリット24、及びエアバリアファン25、を備えて構成され、各構成要素はダクトL1からダクトL13によって図1のように接続されている。なお、各構成要素は特記する場合を除き公知の構成を採用することが可能であるため、その詳細な説明を省略する。
(構成−余剰排気ファン)
余剰排気ファン12は、天井チャンバー7に取り入れられた空気を外部空間4に排気する余剰排気手段であって、給気と排気との量を調整することで、空調対象空間2における圧力の均衡を図るためのファンである。
(構成−24時間給気ファン)
24時間給気ファン13は、外部空間4から外気を取り入れて空調機19に対して送風することにより、空調対象空間2を常時換気するための常時換気手段であって、建築基準法に定められる24時間換気を実現するために用いられるファンである。また、この24時間給気ファン13は各階に配置される便所、湯沸室(いずれも図示省略)等で排気される換気量を充当する意味でも用いられるものでもある。
(構成−外気冷房ファン)
外気冷房ファン14は、外部空間4から外気を取り入れて空調機19に対して給気するための給気手段である。この外気冷房ファン14は、季節的に外気が空調対象空間2の内部の空気より冷涼である等のように、外気の状態が、冷房として利用可能な状態である時に運転されるファンである。
(構成−全熱交換器)
全熱交換器15は、気体の全熱交換を行う全熱交換手段であり、天井チャンバー7に取り入れられた空気と外部空間4から取り入れられた外気との間で温度及び湿度を交換させる全熱交換手段である。ここで、天井チャンバー7に取り入れられた空気は全熱交換された後に外部空間4に排気され、また、外部空間4から取り入れられた外気は全熱交換された後に空調機19に対して取り入れられる。なお、この全熱交換器15の具体的な構成については公知の全熱交換器15の構成を用いることが可能であるため、その詳細な説明を省略する。
(構成−第一ダンパ)
第一ダンパ16は、天井チャンバー7から空調機19に至る気体流入路であるダクトL7の開閉を行う第一気体流入路開閉手段である。この第一ダンパ16は公知のモーターダンパとして構成され、空調システム1の制御を行うための自動制御装置(図示省略)から送信される信号を受信して自動的に開閉を行うダンパとして構成される。そして、第一ダンパ16が開に設定されているときにはダクトL7の内部に空気が通風するため、天井チャンバー7の内部の空気がダクトL7を介してリタンチャンバー18へと取り入れられる。一方、第一ダンパ16が閉に設定されているときにはダクトL7の内部に空気が通風しないため、天井チャンバー7の内部の空気がダクトL7を介してリタンチャンバー18へと取り入れられない。なお、第一ダンパ16はコスト的に必要とあれば手動ダンパの形式とすることも可能である。
(構成−第二ダンパ)
第二ダンパ17は、空調対象空間2から空調機19に至る気体流入路であるダクトL8の開閉を行う第二気体流入路開閉手段である。なお、この第二ダンパ17は第一ダンパ16と同様に自動制御装置によって制御される公知のモーターダンパとして構成される。そして、第二ダンパ17が開に設定されているときにはダクトL8の内部に空気が通風するため、空調対象空間2の内部の空気がダクトL8を介してリタンチャンバー18へと取り入れられる。一方、第二ダンパ17が閉に設定されているときにはダクトL8の内部に空気が通風しないため、空調対象空間2の内部の空気がダクトL8を介してリタンチャンバー18へと取り入れられない。なお、第二ダンパ17はコスト的に必要とあれば手動ダンパの形式とすることも可能である。
(構成−リタンチャンバー)
リタンチャンバー18は、天井チャンバー7からダクトL7を介して取り入れた空気、又は空調対象空間2からダクトL8を介して取り入れた空気と、外気とを混合する気体混合手段である。すなわち、第一ダンパ16が開に設定され第二ダンパ17が閉に設定されている状態においては、リタンチャンバー18にはダクトL7を介して天井チャンバー7の空気が取り入れられ、リタンチャンバー18は、このようにして取り入れられた空気と外気とを混合する。また、第一ダンパ16が閉に設定され第二ダンパ17が開に設定されている状態においては、リタンチャンバー18にはダクトL8を介して空調対象空間2の内部の空気が取り入れられ、リタンチャンバー18は、このようにして取り入れられた空気と外気とを混合する。なお、リタンチャンバー18に取り入れられる外気は、外気冷房ファン14、24時間給気ファン13又は全熱交換器15のうち少なくとも二つの機器を介して屋外空間から取り入れた外気である。そして、このリタンチャンバー18によって混合された空気は、ダクトL9を介して空調機19に送風されて空調機19において空気調和される。なお、場合によりダクトL8の長さが短い時はダクトL8を省略してもよい。
(構成−空調機)
空調機19は、前記リタンチャンバー18にて混合された混合気体に対して空気調和を行って生成した空気を空調対象空間2に対して供給する空調手段である。この空調機19の種類等は任意であるが、たとえば水冷式や空冷式の公知の空調機19として構成することが可能である。また、以下では、この空調機19によって生成された空気を「空調空気」と必要に応じて称して説明する。なお、空調機19の設置位置は任意であり、例えば天井チャンバー7の内部に設置しても良いが、本実施の形態においては、空調対象空間や天井チャンバーとは異なる部屋である空調設備設置室(図示省略)に設置するものとして説明する。
(構成−吸込口)
吸込口20は、空調対象空間2の内部の空気を空調機19に対して取り入れるための空気取り入れ手段である。この吸込口20は、具体的には、空調対象空間2とリタンチャンバー18とを接続するダクトであるダクトL8における空調対象空間2側の端部に設けられたダクト口である。なお、空調対象空間2内における当該吸込口20を設ける位置は任意であり、例えば、空調対象空間2の内部の側壁や床面に設けても良いが、本実施の形態においては、空調対象空間2の天井における窓3から最も遠い位置近傍に配置するものとして説明する。ここで、この吸込口20の設置位置は、照明器具8による熱負荷を含む空気や、太陽による熱負荷を含む空気が当該吸込口20から出来る限り吸込まれないような位置とすることが望ましい。なお、この吸込口20の位置を決定する詳細な方法については後述する。
(構成−リタンスリット)
リタンスリット21は、天井ボード6における照明器具8が配置された位置の近傍に配置された通風手段である。このリタンスリット21の形状や大きさ等は任意であるが、本実施の形態では、空調対象空間2から天井チャンバー7にかけて挿通された孔であって、幅方向に沿った長手方向を有する孔であるものとして説明する。そして、空調対象空間2の内部の空気が、このリタンスリット21を介して天井チャンバー7に取り入れられる際に照明器具8の近傍を通ることによって、この空気が照明器具8の発熱によって加熱される。このようにして、天井チャンバー7には、照明器具8から受ける熱量の大きい空気が取り入れられる。
(構成−吹出口)
吹出口22は、空調機19により生成された空調空気を空調対象空間2に向けて吹出すための空調空気吹出手段である。具体的には、空調機19と空調対象空間2とを接続するダクトであるダクトL11及びダクトL12における空調対象空間2側の端部の位置に設けられたダクト口として形成されている。なお、この吹出口22の数は任意であるが、本実施の形態では、図1に示すようにダクトL11及びダクトL12はそれぞれ二手に分岐されており、各分岐先のダクトにおける空調対象空間2側の端部の位置に計4つ設けられているものとして説明する。
(構成−VAV)
VAV23は、吹出口22から吹出す空調空気の量を調整するための吹出し量調整手段である。このVAV23は、ダクトL11及びダクトL12の経路上に設けられており、公知の手段によりダクトL11及びダクトL12に接続された吹出口22から吹出す空調空気の量を調整する。なお、VAV23の具体的な構成については公知のVAVの構成を採用することが可能であるため詳細な説明を省略する。
(構成−ブラインドスリット)
ブラインドスリット24は、エアバリアシステムを実現するために遮熱空間11に対して空気を通風させるための通風手段である。このブラインドスリット24は、具体的には、窓枠における下枠と、ブラインド10の下端部との相互間に形成された隙間である。このような隙間が設けられていることにより、エアバリアファン25を稼動させることで、この隙間を介して空調対象空間2の内部の空気が遮熱空間11に取り入れられ、このようにして遮熱空間11に取り入れられた空気が太陽により加熱されて上昇し、ダクトL13を介して天井チャンバー7に取り入れられる。このようにして実現されるエアバリアシステムにより、空調対象空間2におけるユーザの快適性の向上及び省エネルギーを図ることが可能となる。
(構成−エアバリアファン)
エアバリアファン25は、ダクトL13上に設けられたファンであって、空調対象空間2から遮熱空間11を介して天井チャンバー7へと流れる気流を生成することによりエアバリアを生成するエアバリア生成手段である。
(処理)
続いて、このように構成された空調システム1により実行される空調処理について説明する。
(処理−暖房運転)
まずは、この空調システム1が暖房運転を行う際の処理について説明する。まず、例えばユーザのリモコン操作等を受け付けることにより空調システム1が暖房運転に設定されると、空調システム1の自動制御装置は、第一ダンパ16に対して開制御信号を送信し、第二ダンパ17に対して閉制御信号を送信する。そして、このようにして開制御信号を受信した第一ダンパ16は開に設定され、閉制御信号を受信した第二ダンパ17は閉に設定される。
そして、自動制御装置は、このように第一ダンパ16及び第二ダンパ17を設定した後に、空調機19や各種ファンを稼動させる。ここで、第二ダンパ17は閉に設定されているため空調対象空間2の内部の空気はダクトL8を介して空調機19に取り入れられる事はない。一方、第一ダンパ16が開に設定されているため天井チャンバー7の内部の空気はダクトL7を介して空調機19に取り入れられる。ここで、天井チャンバー7の内部の空気とは、空調対象空間2から照明近傍空間9を通過してリタンスリット21を介して天井チャンバー7に取り入れられた空気(すなわち、照明器具8から受ける熱量の大きい空気)、又は空調対象空間2からブラインドスリット24を介して遮熱空間11を通過して天井チャンバー7に取り入れられた空気(すなわち、太陽から受ける熱量の大きい空気)の両方を含む空気である。すなわち、このように暖房運転時において第二ダンパ17を閉、第一ダンパ16を開に設定することにより、照明器具8や太陽から受ける熱量の大きい空気のみを空調機19に取り入れることができ、暖房運転時における空調機19の空調負荷の低減を図ることが可能となる。
ここで、暖房運転時においては、空調機19に対して外気を取り入れるための手段として、24時間給気ファンと、必要に応じて全熱交換器15とが運転される。このうち、24時間給気ファンは、常時運転される。また、全熱交換器15は、外気が冷たすぎる場合に運転されることで、このような外気を直接空調機19に取り入れずに天井チャンバー7からの排気と熱交換した上で取り入れることができ、暖房運転時における空調機19の空調負荷を低減することが可能となる。
また、空調対象空間2から天井チャンバー7に取り入れられた空気のうち、ダクトL7を介して空調機19に取り入れられなかった空気は、全熱交換器15から排気される。
(処理−冷房運転)
次に、この空調システム1が冷房運転を行う際の処理について説明する。図2は、冷房運転時における空調システム1の概要図である。まず、例えばユーザのリモコン操作等を受け付けることにより空調システム1が冷房運転に設定されると、空調システム1の自動制御装置は、第一ダンパ16に対して閉制御信号を送信し、第二ダンパ17に対して開制御信号を送信する。そして、このようにして閉制御信号を受信した第一ダンパ16は閉に設定され、開制御信号を受信した第二ダンパ17は開に設定される。
そして、自動制御装置は、このように第一ダンパ16及び第二ダンパ17を設定した後に、空調機19や各種ファンを稼動させる。ここで、第一ダンパ16は閉に設定されているため天井チャンバー7の内部の空気はダクトL7を介して空調機19に取り入れられる事はない。一方、第二ダンパ17が開に設定されているため空調対象空間2の内部の空気はダクトL8を介して空調機19に取り入れられる。ここで、空調対象空間2の内部の空気とは、照明対象空間や遮熱空間11を通過していない空気であり、照明器具8や太陽から受ける熱量が小さい空気である。すなわち、このように第一ダンパ16を閉、第二ダンパ17を開に設定することにより、照明器具8や太陽から受ける熱量の小さい空気のみ空調機19に取り入れることが可能となるため、冷房運転時における空調機19の空調負荷の低減を図ることが可能となる。
ここで、冷房運転時においては、空調機19に対して外気を取り入れるための手段として、24時間給気ファンに加えて、外気冷房ファン14又は全熱交換器15の少なくとも一方が運転される。このうち、24時間給気ファンは、常時運転される。また、外気冷房ファン14は、季節的に外気が空調対象空間2の内部の空気より冷涼である場合等のように、外気の状態が、冷房として利用可能な状態である時に運転されることで、当該外気を空調機19に取り入れて空調機19の空調負荷を低減することが可能となる。また、全熱交換器15は、外気冷房ファン14とは逆に、外気の状態が熱すぎる場合に運転されることで、このような外気を直接取り入れずに天井チャンバー7からの排気と熱交換した上で取り入れて冷房運転時における空調機19の空調負荷を低減することが可能となる。
なお、これらの外気冷房ファン14、及び全熱交換器15は、上述したように空調システム1が冷房運転に設定された際に、外気の温度を計測するセンサー(図示省略)にて計測された外気の温度に基づいて、適した方が自動的に運転されても良い。
また、空調対象空間2から天井チャンバー7に取り入れられた空気は、余剰排気ファン12及び全熱交換器15によって排気することにより、照明器具8から受ける熱量及び太陽から受ける熱量を空調機19に取り入れず排気することが可能であり、空調機19の空調負荷を低減することが可能となる。
(吸込口の位置として最適な位置について)
続いて、吸込口20の位置として最適な位置を決定する方法について図3を参照しつつ説明する。
初めに、吸込口20の位置として最適な位置を決定するための基本的観念について説明する。まず、吸込口20から空気を吸込むのは上述したように冷房運転時であるため、空調機19に対して熱負荷の大きい空気を取り入れてしまうと、空調機19の空調負荷を増大させてしまう。すなわち、吸込口20を照明近傍空間9の近傍に設けると、照明器具8により加熱された空気が空調機19に対して多く取り入れられてしまい、空調機19の空調負荷を増大させてしまうため好ましくない。また、吸込口20を遮熱空間11の近傍に設けると、太陽により加熱された空気が空調機19に対して多く取り入れられてしまい、同様に空調機19の空調負荷を増大させてしまうため好ましくない。
したがって、吸込口20を照明近傍空間9または遮熱空間11の少なくとも一方から所定距離以上離れた位置に設けることにより、照明器具8による熱負荷及び太陽による熱負荷の小さい空気を空調機19に対して取り入れることができ、空調機19の空調負荷の低減を図ることが可能となる。このような基本的観念において、以下に吸込口20の位置として最適な位置を決定するための具体的な手段について説明する。
まずは、図3に示すように、空調対象空間2において相互に重複しない複数の領域を設定する。そして、照明近傍空間9が位置する領域、又は遮熱空間11が位置する領域から所定距離以上離れた他の領域に吸込口20の位置を決定する。ここで、「所定距離」とは、照明器具8による熱量や太陽による熱量による空気の温度の上昇値が所定の基準以下となるような距離(例えば1m)であって、このような距離の具体的な値については任意に決定して良い。また、この所定距離は予め定められた値であっても構わないし、また、照明器具8の発熱量や大きさ等に応じて異なる値としても良い。なお、本実施の形態においては、少なくとも、当該吸込口20が位置する領域と、照明近傍空間9が位置する領域、又は遮熱空間11が位置する領域と、が異なる領域である場合には、これらの領域の相互間の距離は所定距離以上離れているものとして説明する。
具体的には、図3において、照明近傍空間9は、領域Ac、領域Af、及び領域Aiに位置しており、遮熱空間11は、領域Amから領域Gmに位置している。したがって、これらの領域以外の領域に、吸込口20を設けることにより、「吸込口20が位置する領域と、照明近傍空間9が位置する領域又は遮熱空間11が位置する領域とは所定距離以上離れている」という基準を満たす事となる。例えば、本実施の形態では領域Aaに吸込口20を設置することにより、このような基準を満たしている。
なお、本実施の形態においては、吸込口20が位置する領域を、照明近傍空間9が位置する領域の列(c列、f列、i列)とは異なる列であるa列に位置させることにより、上記基準を満たすものとした。しかし、吸込口20が位置する領域を、照明近傍空間9が位置する領域の行(A行)とは異なる行であるB行からG行に位置させることにより、上記基準を満たすものとしても良い。例えば、領域Bc、領域Bf、又は領域Biに吸込口20を位置させることにより、上記基準を満たしても良い。
また、吸込口20の位置から照明近傍空間9が位置する領域又は遮熱空間11が位置する領域までの距離は大きい位置である程好ましい。具体的には、吸込口20の位置は、行の観点及び列の観点の両観点において、照明近傍空間9が位置する領域又は遮熱空間11が位置する領域からの距離が大きい位置(例えば領域Ga)であることが好ましい。
また、本実施の形態においては、説明の便宜上において、図3のように空調対象空間2の横断面図において空調対象空間2における行と列からなる二次元の領域を設定したが、行と列に加えて図3における幅方向の観点を加えた三次元の領域を設定する方がより好ましい。すなわち、実際には、照明器具8は幅方向に沿って複数配置されており、遮熱空間11も幅方向に沿って形成されている。したがって、吸込口20の位置は、幅方向の観点からも照明近傍空間9や遮熱空間11から遠い位置である方がより好ましい。
(実施の形態の効果)
このように、本実施の形態に係る空調システム1によれば、第一方式においては第二ダンパ17を開けると共に第一ダンパ16を閉じるので、熱源から受ける熱量の小さい空気を空調機19に取り入れると共に、熱源から受ける熱量の大きい空気を空調機19に取り入れない事ができ、冷房運転時における空調機19の空調効率の低減を図ることが可能となる。また、第二方式においては第二ダンパ17を閉じると共に第一ダンパ16を開けるので、熱源から受ける熱量の大きい空気を空調機19に取り入れると共に、熱源から受ける熱量の小さい空気を空調機19に取り入れない事ができ、暖房運転時における空調機19の空調効率の低減を図ることが可能となる。よって、冷房運転と暖房運転との切り替えに応じて、第一方式と第二方式とを切り替えることにより、冷房運転時及び暖房運転時の両方において空調機19の空調負荷の低減を図ることが可能となる。
また、空調対象空間2に対して太陽熱を供給する太陽熱供給空間と空調対象空間2に配置されたブラインド10との相互間に形成された遮熱空間11の空気を天井チャンバー7に取り入れるので、第二方式において太陽から受ける熱量の大きい空気を空調機19に取り入れる事が可能であるため、暖房運転時において太陽の熱量を利用して空調を行うことが可能となる。
また、照明近傍空間9の空気を天井チャンバー7に取り入れるので、第二方式において照明器具8から受ける熱量の大きい空気を空調機19に取り入れる事が可能であるため、暖房運転時において照明器具8の熱量を利用して空調を行うことが可能となる。
また、吸込口20が配置された領域と、照明近傍空間9又は遮熱空間11が配置された領域との距離が所定距離以上であるので、吸込口20から取り入れられる空気のうち、熱源の熱負荷を含む空気の割合を低減することができ、冷房運転時における空調機19の空調負荷のさらなる低減を図ることが可能となる。
また、天井チャンバー7に取り入れられた空気と外気との全熱交換を行う全熱交換器15、又は天井チャンバー7に取り入れられた空気を排気する余剰排気ファン12の少なくとも一方を備えるので、天井チャンバー7に取り入れられた空気を全熱交換器15又は余剰排気ファン12を介して排気することができ、冷房運転時における空調機19の空調負荷のさらなる低減を図ることが可能となる。特に、全熱交換器15の選択も可能であることは冷房運転時における最大空調負荷時(外気冷房が不可能な時)にも空調負荷の低減が可能である。
〔III〕各実施の形態に対する変形例
以上、本発明に係る各実施の形態について説明したが、本発明の具体的な構成及び手段は、特許請求の範囲に記載した各発明の技術的思想の範囲内において、任意に改変及び改良することができる。以下、このような変形例について説明する。
(解決しようとする課題や発明の効果について)
まず、発明が解決しようとする課題や発明の効果は、前記した内容に限定されるものではなく、本発明によって、前記に記載されていない課題を解決したり、前記に記載されていない効果を奏することもでき、また、記載されている課題の一部のみを解決したり、記載されている効果の一部のみを奏することがある。例えば、少なくとも空調効率の低減率が従来と同程度に留まる場合であっても、従来と異なるシステムによって空調効率の低減を達成できている場合には、本発明の課題は解決されている。
(寸法や材料について)
発明の詳細な説明や図面で説明した空調システム1の各部の寸法、形状、比率等は、あくまで例示であり、その他の任意の寸法、形状、比率等とすることができる。
(チャンバーについて)
本実施の形態では、チャンバーは空調対象空間2の天井裏に設けられた天井チャンバー7であるものとして説明したが、これに限らず、例えば空調対象空間2の床下に設けられた床下チャンバー等であっても良い。
本実施の形態では、空調対象空間2には照明器具8による熱負荷を含む空気と、ブラインド10による熱負荷を含む空気との両方を天井チャンバー7に取り入れるものとして説明したが、これらのいずれか一方のみを天井チャンバー7に取り入れる構成としても良い。また、これら以外の熱源(例えば、空調対象空間2に設けられたOA機器)による熱負荷を含む空気を天井チャンバー7に取り入れるものとしても良い。
(第一方式と第二方式との切り替えについて)
本実施の形態では、冷房運転と暖房運転との切り替えに応じて第一方式と第二方式とを切り替えることにより、冷房運転及び暖房運転の両方において最適な温度の空気を空調器30に取り入れることが可能なものとして説明したが、これに限定されない。すなわち、冷房運転と暖房運転との切り替えに応じて第一方式と第二方式とを切り替えなくても良く、特に近年の建物の空調負荷特性を考慮すると、冷房負荷が暖房負荷より顕著に大きくなる傾向にあるため、冷房運転に適した第一方式を、冷房運転時から暖房運転時に架けて一貫して採用しても良い。このような構成とすることによって、暖房運転時において太陽の熱量や照明器具8の熱量を利用した空調を行うことが出来ないため暖房運転時における熱回収量は低減するが、年間を通しては空調負荷の低減を図ることが可能となる。同様に、暖房運転に適した第二方式を、冷房運転から暖房運転に架けて一貫して採用しても良い。要するに、当該空調システム1が設けられる環境の年間の暖房負荷量及び冷房負荷量を比較して第一方式又は第二方式のいずれが当該環境において最適な方式であるかを判断し、当該空調システム1の初期設定時にのみ、環境に応じて第一方式又は第二方式の最適な方式に切り替えを行い、その後には方式の切り替えを行わないものとしても良い。
また、本実施の形態では、ユーザのリモコン操作等を受け付けることにより空調システム1が暖房運転又は冷房運転に設定された際に、第一方式と第二方式との切り替えを行ったが、これに限定されない。例えば、空調対象空間2の温度に応じて自動的に第一方式と第二方式との切り替えが行われても良い。具体的には、空調システム1の自動制御装置は、空調対象空間2の温度を計測する温度計測手段(図示省略)を参照して、空調対象空間2の温度が閾値(例えば26℃)以上である場合には、冷房運転に適した第一方式に切り替えるように第一ダンパ16及び第二ダンパ17に制御信号を送信し、空調対象空間2の温度が閾値(例えば26℃)未満である場合には、暖房運転に適した第二方式に切り替えるように第一ダンパ16及び第二ダンパ17に制御信号を送信しても良い。
(付記)
付記1に記載の空調システムは、空調対象空間に対して空調空気を供給するための空調システムであって、前記空調対象空間の内部の気体を、前記空調対象空間の内部又は外部に位置する所定の熱源により加熱された被加熱部を介して、前記空調対象空間から取り入れるチャンバーと、外部空間から取り入れた外気と、前記空調対象空間又は前記チャンバーから取り入れた気体と、を混合して生成した空調空気を前記空調対象空間に対して供給する空調手段と、前記チャンバーから前記空調手段に至る気体流入路の開閉を行う第一ダンパと、前記空調対象空間から前記空調手段に至る気体流入路の開閉を行う第二ダンパと、を備え、前記第一ダンパを閉じると共に前記第二ダンパを開けることにより、前記空調対象空間の内部の気体を前記空調手段に取り入れる第一方式と、前記第二ダンパを閉じると共に前記第一ダンパを開けることにより、前記チャンバーの内部の気体を前記空調手段に取り入れる第二方式と、を相互に切り換え可能とした。
また、付記2に記載の空調システムは、付記1に記載の空調システムにおいて、前記被加熱部は、前記熱源である太陽により加熱される遮熱空間であって、前記空調対象空間に対して太陽熱を供給する太陽熱供給空間と前記空調対象空間に配置された遮熱手段との相互間に形成された遮熱空間である。
また、付記3に記載の空調システムは、付記1又は2に記載の空調システムにおいて、前記被加熱部は、前記熱源である照明器具により加熱される照明近傍空間であって、前記空調対象空間の周囲又は内部に配置された前記照明器具により加熱される照明近傍空間である。
また、付記4に記載の空調システムは、付記1から3のいずれか一項に記載の空調システムにおいて、前記空調対象空間において相互に重複しない複数の領域を設定し、前記空調対象空間と前記空調手段とを接続する気体流入路における前記空調対象空間側の端部が配置された領域と、前記被加熱部が配置された領域との距離が所定距離以上となるように、前記端部を配置した。
また、付記5に記載の空調システムは、付記1から4のいずれか一項に記載の空調システムにおいて、前記チャンバーに取り入れられた気体と前記外気との全熱交換を行う全熱交換手段、又は前記チャンバーに取り入れられた気体を排気する余剰排気手段の少なくとも一方を備える。
(付記の効果)
付記1に記載の空調システムによれば、第一方式においては第二ダンパを開けると共に第一ダンパを閉じるので、熱源から受ける熱量の小さい気体を空調手段に取り入れると共に、熱源から受ける熱量の大きい気体を空調手段に取り入れない事ができ、冷房運転時における空調手段の空調効率の低減を図ることが可能となる。また、第二方式においては第二ダンパを閉じると共に第一ダンパを開けるので、熱源から受ける熱量の大きい気体を空調手段に取り入れると共に、熱源から受ける熱量の小さい気体を空調手段に取り入れない事ができ、暖房運転時における空調手段の空調効率の低減を図ることが可能となる。よって、冷房運転と暖房運転との切り替えに応じて、第一方式と第二方式とを切り替えることにより、冷房運転時及び暖房運転時の両方において空調手段の空調負荷の低減を図ることが可能となる。
付記2に記載の空調システムによれば、空調対象空間に対して太陽熱を供給する太陽熱供給空間と空調対象空間に配置された遮熱手段との相互間に形成された遮熱空間の気体をチャンバーに取り入れるので、第二方式において太陽から受ける熱量の大きい気体を空調手段に取り入れる事が可能であるため、暖房運転時において太陽の熱量を利用して空調を行うことが可能となる。
付記3に記載の空調システムによれば、照明近傍空間の気体をチャンバーに取り入れるので、第二方式において照明器具から受ける熱量の大きい気体を空調手段に取り入れる事が可能であるため、暖房運転時において照明器具の熱量を利用して空調を行うことが可能となる。
付記4に記載の空調システムによれば、空調対象空間と空調手段とを接続する気体流入路における空調対象空間側の端部が配置された領域と、被加熱部が配置された領域との距離が所定距離以上であるので、気体流入路における空調対象空間側の端部から取り入れられる気体のうち、熱源の熱負荷を含む気体の割合を低減することができ、冷房運転時における空調手段の空調負荷のさらなる低減を図ることが可能となる。
付記5に記載の空調システムによれば、チャンバーに取り入れられた気体と外気との全熱交換を行う全熱交換手段、又はチャンバーに取り入れられた気体を排気する余剰排気手段の少なくとも一方を備えるので、チャンバーに取り入れられた気体を全熱交換手段又は余剰排気手段を介して排気することができ、冷房運転時における空調手段の空調負荷のさらなる低減を図ることが可能となる。特に、全熱交換手段の選択も可能であることは冷房運転時における最大空調負荷時(外気冷房が不可能な時)にも空調負荷の低減が可能である。
1 空調システム
2 空調対象空間
3 窓
4 外部空間
5 天井スラブ
6 天井ボード
7 天井チャンバー
8 照明器具
9 照明近傍空間
10 ブラインド
11 遮熱空間
12 余剰排気ファン
13 24時間給気ファン
14 外気冷房ファン
15 全熱交換器
16 第一ダンパ
17 第二ダンパ
18 リタンチャンバー
19 空調機
20 吸込口
21 リタンスリット
22 吹出口
23 VAV
24 ブラインドスリット
25 エアバリアファン
30 空調機
31 室内
32 還気ダクト
33 排気ダクト
34 分岐ダクト
35 ダンパ
36 照明器具

Claims (5)

  1. 空調対象空間に対して空調空気を供給するための空調システムであって、
    前記空調対象空間の内部の気体を、前記空調対象空間の内部又は外部に位置する所定の熱源により加熱された被加熱部を介して、前記空調対象空間から取り入れるチャンバーと、
    外部空間から取り入れた外気と、前記空調対象空間又は前記チャンバーから取り入れた気体と、を混合して生成した空調空気を前記空調対象空間に対して供給する空調手段と、
    前記チャンバーから前記空調手段に至る気体流入路の開閉を行う第一ダンパと、
    前記空調対象空間から前記空調手段に至る気体流入路の開閉を行う第二ダンパと、を備え、
    前記第一ダンパを閉じると共に前記第二ダンパを開けることにより、前記空調対象空間の内部の気体を前記空調手段に取り入れる第一方式と、
    前記第二ダンパを閉じると共に前記第一ダンパを開けることにより、前記チャンバーの内部の気体を前記空調手段に取り入れる第二方式と、を相互に切り換え可能とした、
    空調システム。
  2. 前記被加熱部は、
    前記熱源である太陽により加熱される遮熱空間であって、前記空調対象空間に対して太陽熱を供給する太陽熱供給空間と前記空調対象空間に配置された遮熱手段との相互間に形成された遮熱空間である、
    請求項1に記載の空調システム。
  3. 前記被加熱部は、
    前記熱源である照明器具により加熱される照明近傍空間であって、前記空調対象空間の周囲又は内部に配置された前記照明器具により加熱される照明近傍空間である、
    請求項1又は2に記載の空調システム。
  4. 前記空調対象空間において相互に重複しない複数の領域を設定し、前記空調対象空間と前記空調手段とを接続する気体流入路における前記空調対象空間側の端部が配置された領域と、前記被加熱部が配置された領域との距離が所定距離以上となるように、前記端部を配置した、
    請求項1から3のいずれか一項に記載の空調システム。
  5. 前記チャンバーに取り入れられた気体と前記外気との全熱交換を行う全熱交換手段、又は前記チャンバーに取り入れられた気体を排気する余剰排気手段の少なくとも一方を備える、
    請求項1から4のいずれか一項に記載の空調システム。
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