JP2015048383A - インクジェットインク - Google Patents

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Tatsuro Tsuchiya
達郎 土屋
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Abstract

【課題】特にサーマル方式のインクジェットプリンタに好適に使用できる上、ノズルの目詰まりやパドリングを生じたりせず、しかもプラスチックフィルム等の種々の被印刷体の表面に、にじみのない定着性に優れた画像や文字を印刷できる紫外線硬化型のインクジェットインクを提供する。
【解決手段】ラジカル重合性のオリゴマー、光ラジカル重合開始剤、および溶剤を含み、かつ溶剤として、
(1) 炭素数3以下のアルコールと、
(2) 含窒素複素環化合物、および含酸素複素環化合物からなる群より選ばれた少なくとも1種の複素環化合物
を併用したインクジェットインクである。
【選択図】なし

Description

本発明は、特にLED(発光ダイオード)からの紫外線の照射によって硬化される、紫外線硬化型のインクジェットインクに関するものである。
例えばプラスチックフィルム等の様々な被印刷体の表面に、インクジェット印刷法によって画像や文字を印刷するために、紫外線の照射によって硬化される紫外線硬化型のインクジェットインクが用いられる。また近時、当該紫外線硬化型のインクジェットインクを硬化させるために、従来のUVランプ等に代えて、紫外線の光源としてLEDを用いて、印刷システム全体での消費エネルギーを低減することが検討されている。
紫外線硬化型のインクジェットインクとしては、オリゴマー、重合開始剤、および溶剤を配合したものを用いるのが一般的である。
また紫外線硬化型のインクジェットインクを、特にサーマル方式のインクジェットプリンタに使用する場合、溶剤としては水、またはアルコールが必須である。
すなわちサーマル方式のインクジェットプリンタにおいては、インクジェットインクを加熱して気泡を発生させ、その体積増加分のインクジェットインクが、ノズルを通してインク滴として吐出される。この際に水やアルコールが、加熱による気泡の生成成分として、所定体積のインク滴を生成させるとともに、ノズルを通して吐出させるために機能する。
また水やアルコールは、インクジェットインクを低粘度化して、インク滴の流動性や吐出性を向上させるためにも機能する。
ただし水やアルコールは、カチオン重合反応の重合禁止剤として機能するため、オリゴマー、および光重合開始剤としては、ラジカル重合反応性のものを用いる必要がある。
なお水とアルコールではアルコールの方が、オリゴマー等の希釈性、溶解性に優れる上、インクジェットインクを3mPa・sレベルで低粘度化できるため、好適に使用される。特に、エタノールや2−プロパノール等の炭素数3以下のアルコールが好ましい。
ラジカル重合性のオリゴマーとしては、多官能のウレタンアクリレートオリゴマー等を用いるのが一般的であるが、近年、かかる従来のオリゴマーに代えて、多分岐状構造を有する多官能のハイパーブランチ型オリゴマーを使用することが提案されている(特許文献1、2等参照)。
またハイパーブランチ型オリゴマーとしては、特にハイパーブランチ型ポリエステル(メタ)アクリレートオリゴマーが好適に使用される。
従来、多用されているウレタンアクリレートオリゴマーは、分子中の−NH−CO−基同士が水素結合して、インク中で凝集しやすい。そして凝集を生じると、それによってインクジェットインクの粘度が上昇するだけでなく、特にノズルの出口付近で溶剤が一方的に揮発することで粘度がさらに上昇して、インク滴の吐出性が低下するおそれがある。
これに対し、ハイパーブランチ型ポリエステル(メタ)アクリレートオリゴマーはインク中で水素結合を生じず、凝集とそれに伴う粘度上昇も生じないことから、インク滴の吐出性をさらに向上できる。
しかもハイパーブランチ型ポリエステル(メタ)アクリレートオリゴマーは多官能で反応速度が速く、かつ反応性が良いため、インクジェットインクの硬化速度を向上できるという利点もある。
しかし特許文献1のインクジェットインクは無溶剤型で、水もアルコールも含まないため、先に説明したようにサーマル方式のインクジェットプリンタに使用するのは困難である。
すなわち、気泡の生成成分としての水やアルコールを含まないインクジェットインクをサーマル方式のインクジェットプリンタに使用しても、先に説明したメカニズムによって所定体積のインク滴を生成させて、ノズルを通して吐出させることはできず、吐出不良を生じてしまう。
一方、特許文献2のインクジェットインクは、溶剤としてエタノールを使用しているため、使用開始初期には、サーマル方式のインクジェットプリンタのノズルを通して、インク滴を良好に吐出させることができる。
しかし発明者の検討によると、特許文献2に記載のインクジェットインクは揮発性が高すぎるため、特に印刷と休止を間欠的に繰り返した際に、短期間でノズルの目詰まりを生じやすいという問題がある。
また、特許文献2に記載のインクジェットインクは濡れ性が良すぎるため、印刷を繰り返すうちに、短期間でパドリングを生じやすいという問題もある。
パドリングとは、ノズルを通してインク滴が吐出される際に、当該インク滴から分離してノズル側に残ったインクジェットインクが、ノズルプレートの、ノズルの出口の周囲に濡れ拡がってインク溜まり(パドル)を形成する現象である。
パドリングを生じると、ノズルを通してのインク滴の吐出が妨げられて、吐出されたインク滴の軌道が変化したり、所定体積のインク滴が吐出されなかったり、あるいはインク滴が全く吐出されなかったりする結果、良好な画像や文字を印刷できなくなるおそれがある。
また、特許文献2に記載のインクジェットインクは濡れ性が良すぎて、例えばプラスチックフィルム等の表面で濡れ拡がりやすいため、印刷した画像や文字ににじみを生じやすいという問題もある。
さらに、特許文献2に記載のインクジェットインクでは、例えばプラスチックフィルム等に対して、定着性に優れた画像や文字を印刷できないという問題もある。
特開2007−182535号公報 特開2007−254625号公報 特表2013−502480号公報
本発明の目的は、特にサーマル方式のインクジェットプリンタに好適に使用できる上、ノズルの目詰まりやパドリングを生じたりせず、しかもプラスチックフィルム等の種々の被印刷体の表面に、にじみのない定着性に優れた画像や文字を印刷、できる紫外線硬化型のインクジェットインクを提供することにある。
課題を解決するため、発明者は、紫外線硬化型のインクジェットインクに使用する溶剤について検討した。その結果、溶剤として、炭素数3以下のアルコールと、含窒素複素環化合物、および含酸素複素環化合物からなる群より選ばれた少なくとも1種の複素環化合物とを併用すればよいことを見出した。
すなわち、かかる特定の複素環化合物は、炭素数3以下のアルコールに比べて揮発性が低いため、当該複素環化合物を併用することで、インクジェットインクの揮発性を抑えて、ノズルの目詰まりを生じにくくできる。
また複素環化合物は、炭素数3以下のアルコールに比べて濡れ性が低いため、当該複素環化合物を併用することで、インクジェットインクの濡れ性を抑えて、パドリングや、あるいは画像や文字のにじみを生じにくくすることもできる。
しかも複素環化合物は、炭素数3以下のアルコールに比べてプラスチックフィルム等に対する溶解性や浸透性に優れるため、当該プラスチックフィルム等に対する画像や文字の定着性を向上することもできる。
その上、炭素数3以下のアルコールを併用しているため低粘度化が容易であるとともに、特にサーマル方式のインクジェットプリンタのノズルを通して、先に説明したメカニズムによって、所定体積のインク滴を良好に吐出させることもできる。
したがって本発明は、ラジカル重合性のオリゴマー、光ラジカル重合開始剤、および溶剤を含む紫外線硬化型のインクジェットインクであって、前記溶剤は、
(1) 炭素数3以下のアルコールと、
(2) 含窒素複素環化合物、および含酸素複素環化合物からなる群より選ばれた少なくとも1種の複素環化合物
の混合溶剤であることを特徴とするものである。
なお特許文献3には、含酸素複素環化合物としてのγ−ブチロラクトンを、溶剤として単独で用いることが記載されている。
しかし炭素数3以下のアルコールを含まない特許文献3のインクジェットインクは低粘度化が難しい上、先に説明した無溶剤型のものと同様に、サーマル方式のインクジェットプリンタに使用すると、ノズルを通して良好に、すなわち所定体積のインク滴として吐出させることができず、吐出不良を生じてしまうという問題がある。
本発明のインクジェットインクにおいて、前記オリゴマーは、ハイパーブランチ型ポリエステル(メタ)アクリレートオリゴマーであるのが好ましい。
かかるハイパーブランチ型ポリエステル(メタ)アクリレートオリゴマーは、先に説明したように、インク中で凝集とそれに伴う粘度上昇を生じないため、インク滴の吐出性をさらに向上できる上、多官能で反応速度が速く、反応性が良いため、インクジェットインクの硬化速度を向上できるという利点もある。
また本発明のインクジェットインクにおいて、アルコールAと、複素環化合物Hとの質量比A/Hは0.5以上であるのが好ましく、3.5以下であるのが好ましい。
この範囲より炭素数3以下のアルコールが少ない場合(A/H<0.5)には、当該アルコールを配合することによる、インクジェットインクを低粘度化するとともに、特にサーマル方式のインクジェットプリンタのノズルを通して、インク滴を良好に吐出させる効果が十分に得られないおそれがある。
一方、この範囲より複素環化合物が少ない場合(A/H>3.5)には、当該複素環化合物を配合することによる、インクジェットインクの揮発性を抑えて、ノズルの目詰まりを生じにくくしたり、濡れ性を抑えて、パドリングや、あるいは画像や文字のにじみを生じにくくしたり、さらにはプラスチックフィルム等に対する画像や文字の定着性を向上したりする効果が十分に得られないおそれがある。
これに対し、質量比A/Hを先に記載の範囲とすることにより、両溶剤を併用することによる先に説明した効果を、より一層向上することができる。
本発明によれば、特にサーマル方式のインクジェットプリンタに好適に使用できる上、ノズルの目詰まりやパドリングを生じたりせず、しかもプラスチックフィルム等の種々の被印刷体の表面に、にじみのない定着性に優れた画像や文字を印刷できる紫外線硬化型のインクジェットインクを提供することができる。
本発明は、ラジカル重合性のオリゴマー、光ラジカル重合開始剤、および溶剤を含む紫外線硬化型のインクジェットインクであって、前記溶剤は、
(1) 炭素数3以下のアルコールと、
(2) 含窒素複素環化合物、および含酸素複素環化合物からなる群より選ばれた少なくとも1種の複素環化合物
の混合溶剤であることを特徴とするものである。
《ラジカル重合性のオリゴマー》
ラジカル重合性のオリゴマーとしては、多分岐状構造を有する多官能のハイパーブランチ型オリゴマー、特にハイパーブランチ型ポリエステル(メタ)アクリレートオリゴマーが好適に使用される。
ハイパーブランチ型ポリエステル(メタ)アクリレートオリゴマーとしては、ポリエステルの多分岐状構造、すなわちポリエステルの枝分子を放射状に組み立てた立体構造を有し、なおかつ分子末端に、官能基として、1分子あたり6〜18程度の(メタ)アクリロイル基を有する、数平均分子量Mnが1,000〜3,000程度の種々のオリゴマーが使用可能である。
かかるハイパーブランチ型ポリエステル(メタ)アクリレートオリゴマーの具体例としては、例えばサートマー(Sartomer)社製のCN2301〔ポリエステルアクリレートオリゴマー、官能基:アクリロイル基、平均官能基数:9、ガラス転移温度:80℃、粘度(25℃):3,500mPa・s、数平均分子量:1,377〕、CN2302〔ポリエステルアクリレートオリゴマー、官能基:アクリロイル基、平均官能基数:16、ガラス転移温度:82℃、粘度(25℃):300mPa・s、数平均分子量:1,952〕、CN2303〔ポリエステルアクリレートオリゴマー、平均官能基数:6、ガラス転移温度:104℃、粘度(25℃):350mPa・s〕、CN2304〔ポリエステルアクリレートオリゴマー、平均官能基数:18、粘度(25℃):750mPa・s〕等の1種または2種以上が挙げられる。
ハイパーブランチ型ポリエステル(メタ)アクリレートオリゴマー以外の他の、ラジカル重合性のオリゴマーとしては、例えば多分岐状でない通常レベルの分岐状構造、あるいは直鎖状構造を有する多官能の、ラジカル重合性のオリゴマーが挙げられる。
かかる他の、ラジカル重合性のオリゴマーとしては、ポリエステルアクリレートオリゴマー、ウレタンアクリレートオリゴマー、エポキシアクリレートオリゴマー等の1種または2種以上が挙げられる。
ラジカル重合性のオリゴマーの配合割合は、インクジェットインクの総量の5質量%以上、特に6質量%以上であるのが好ましく、20質量%以下、特に15質量%以下であるのが好ましい。配合割合がこの範囲未満では、インクジェットインクを、紫外線の照射によって良好に硬化できないおそれがある。また、範囲を超える場合にはインクジェットインクの粘度が高くなりすぎる結果、インク滴が良好に吐出されない吐出不良を生じやすくなるおそれがある。
《光ラジカル重合開始剤》
光ラジカル重合開始剤としては、LEDからの紫外線によってラジカルを発生して、ラジカル重合性のオリゴマーをラジカル重合反応できる種々の化合物が使用可能である。
かかる光ラジカル重合開始剤としては、例えば下記化合物等の1種または2種以上が挙げられる。
ベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、2−クロロベンゾフェノン、4,4′−ジクロロベンゾフェノン、4,4′−ビスジエチルアミノベンゾフェノン、4,4′−ビスジメチルアミノベンゾフェノン(ミヒラーケトン)、4−メトキシ−4′−ジメチルアミノベンゾフェノン、特許文献1の一般式(1)で表されるベンゾフェノン化合物等のベンゾフェノン類またはその塩。
チオキサントン、2−クロロチオキサントン、2−メチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン(DETX)、4−イソプロピルチオキサントン、イソプロポキシクロロチオキサントン、特許文献1の一般式(2)で表されるチオキサントン化合物等のチオキサントン類またはその塩。
エチルアントラキノン、ベンズアントラキノン、アミノアントラキノン、クロロアントラキノン等のアントラキノン類。
アセトフェノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、4′−ジメチルアミノアセトフェノン等のアセトフェノン類。
2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール2量体、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジ(m−メトキシフェニル)イミダゾール2量体、2−(o−フルオロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール2量体、2−(o−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール2量体、2−(p−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール2量体、2−ジ(p−メトキシフェニル)−5−フェニルイミダゾール2量体、2−(2,4−ジメトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール2量体、2,4,5−トリアリールイミダゾール2量体等のイミダゾール類。
ベンジルジメチルケタール、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ‐1‐(4−モルホリノフェニルブタン)−1−オン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、9,10−フェナンスレンキノン、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾイン−n−プロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾイン−n−ブチルエーテル等のベンゾイン類。
9−フェニルアクリジン、1,7−ビス(9,9′−アクリジニル)ヘプタン等のアクリジン誘導体。
ビスアシルフォスフィンオキサイド、ビスフェニルフォスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド(TPO)、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルフォスフィンオキサイド等のフォスフィンオキサイド類。
2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、2−ヒドロキシ−1−{4−[4−(2−ヒドキシ−2−メチルプロピオニル)ベンジル]フェニル}2−メチルプロパン−1−オン、2−ジメチルアミノ−2−(4−メチルベンジル)−1−(4−モルフォリン−4−イル−フェニル)ブタン−1−オン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、メチルベンゾイルフォーメート、アゾビスイソブチロニトリル、ベンゾイルペルオキシド、ジ−tert−ブチルペルオキシド、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2,4,6−トリハロメチルトリアジン、ベンジル等。
中でも常温で粉末の光ラジカル重合開始剤(例えばTPO等)を使用するのが好ましい。また、印刷と休止を間欠的に繰り返した際に、短期間でノズルの目詰まりを生じにくくするために、かかる粉末の光ラジカル重合開始剤と、例えば2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン〔BASF社製のダロキュア(Darocur、登録商標)1173〕等の、常温で液状の光ラジカル重合開始剤とを併用してもよい。
すなわちオンデマンド型のインクジェットプリンタは、通常、印刷に使用する色数に応じた各色のインクジェットインクごとに、印刷するドットピッチに合わせた複数のノズルを設けたヘッドを備えている。
そして印刷する色調や色濃度等に合わせて特定のノズルからインク滴を吐出させることで、任意の画像や文字が印刷される。
ところが印刷する画像や文字の種類等によっては、印刷時に比較的長時間に亘ってインク滴が吐出されないノズルが発生する。
インクジェットプリンタの待機時や停止時には、通常、ヘッドはプリンタのホームポジションに戻されてノズル内のインクジェットインクがノズル外の空気に曝されないように保護(キャッピング)されるため、ノズルの目詰まりは生じにくい。
しかし印刷時に、インク滴が吐出されないノズル内のインクジェットインクは、インク滴が再吐出されるまでの間、保護されずにノズル外の空気に曝され続けることになり、この空気に曝され続ける時間が長いほど、インクジェットインクがノズル内で乾燥してノズルの目詰まりを生じやすくなる傾向がある。
これを防止するためには、上記のように常温で液状の光ラジカル重合開始剤を併用するのが好ましい。
光ラジカル重合開始剤の配合割合は任意に設定できるものの、インクジェットインクに良好な紫外線硬化性を付与することを考慮すると、当該インクジェットインクの総量の0.1質量%以上、特に0.5質量%以上であるのが好ましく、15質量%以下、特に12質量%以下であるのが好ましい。
なお2種以上の光ラジカル重合開始剤を併用する場合は、その総量を上記の範囲に設定すればよい。
《溶剤》
溶剤としては、先に説明したように炭素数3以下のアルコールと、含窒素複素環化合物、および含酸素複素環化合物からなる群より選ばれた少なくとも1種の複素環化合物との混合溶剤を用いる。
〈アルコール〉
アルコールとしては、炭素数3以下のアルコール、すなわちメタノール、エタノール、1−プロパノール、および2−プロパノールからなる群より選ばれた少なくとも1種が挙げられる。
特にエタノールが好ましい。
エタノールは、メタノールに比べて揮発性が低いためノズルの目詰まりを生じにくいという利点がある。
また1−プロパノールや2−プロパノールは、ノズルプレートに対する濡れ性が低く接触角が大きいため、画像や文字が筋っぽくなる傾向がある。これは、ノズルプレートに対する接触角が大きいと吐出されるインク滴に空気が含まれて、あらかじめ設定された所定体積よりも、インク滴の体積が小さくなることが原因である。
これに対しエタノールは、ノズルプレートに対する濡れ性が良好で接触角が小さいため、インク滴に空気が含まれるのを防止して、ノズルから所定体積のインク滴を吐出させることができ、より滑らかな画像や文字を印刷できるという利点もある。
ただしノズルプレートの材質や表面の状態等によっては、エタノール以外の他の3種のアルコールの1種または2種以上を用いてもよいし、エタノールに、かかる3種のアルコールの1種または2種以上を配合してもよい。
アルコールの配合割合は、インクジェットインクの総量の12質量%以上、特に15質量%以上であるのが好ましく、56質量%以下、特に52質量%以下であるのが好ましい。
配合割合がこの範囲未満では、当該アルコールを配合することによる、インクジェットインクを低粘度化するとともに、特にサーマル方式のインクジェットプリンタのノズルを通して、インク滴を良好に吐出させる効果が十分に得られないおそれがある。
一方、範囲を超える場合には、相対的に複素環化合物の配合割合が少なくなって、当該複素環化合物を配合することによる、インクジェットインクの揮発性を抑えて、ノズルの目詰まりを生じにくくしたり、濡れ性を抑えて、パドリングや、あるいは画像や文字のにじみを生じにくくしたり、さらにはプラスチックフィルム等に対する画像や文字の定着性を向上したりする効果が十分に得られないおそれがある。
なお2種以上のアルコールを併用する場合は、その総量を上記の範囲に設定すればよい。
〈複素環化合物〉
複素環化合物のうち含窒素複素環化合物としては、分子中に含窒素複素環を有し、インクジェットインクの溶剤として機能しうる種々の化合物がいずれも使用可能である。
かかる含窒素複素環化合物としては、例えばε−カプロラクタム、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、N−エチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、N−(2−ヒドロキシエチル)−2−ピロリドン、N−シクロヘキシル−2−ピロリドン、N−オクチル−2−ピロリドン、N−ドデシル−2−ピロリドン等の1種または2種以上が挙げられる。
また含酸素複素環化合物としては、分子中に含酸素複素環を有し、インクジェットインクの溶剤として機能しうる種々の化合物がいずれも使用可能である。
かかる含酸素複素環化合物としては、例えばプロピレンカーボネート等の有機カーボネート類や、γ−ブチロラクトン、δ−バレロラクトン、β−プロピオラクトン等の1種または2種以上が挙げられる。
中でも複素環化合物としては、プラスチックフィルム等に対する浸透性や溶解性に優れるため、含窒素複素環化合物よりも含酸素複素環化合物の方が好適に使用される。
また複素環化合物としては、温度依存性が低く、温度変化による粘度変化が小さいことから、含酸素複素環化合物の中でもプロピレンカーボネート、および/またはγ−ブチロラクトンが好適に使用され、特にプラスチックフィルム等に対する浸透性や溶解性の点で、γ−ブチロラクトンがより好適に使用される。
また、γ−ブチロラクトンよりもプロピレンカーボネートの方が、表面張力が小さいことから、インクジェットインクの表面張力を調整するべく、γ−ブチロラクトン全量の2質量%以上、35質量%以下を、プロピレンカーボネートによって置換してもよい。
複素環化合物の配合割合は、インクジェットインクの総量の10質量%以上、特に13質量%以上であるのが好ましく、51質量%以下、特に45質量%以下であるのが好ましい。
複素環化合物の配合割合がこの範囲未満では、当該複素環化合物を配合することによる、インクジェットインクの揮発性を抑えて、ノズルの目詰まりを生じにくくしたり、濡れ性を抑えて、パドリングや、あるいは画像や文字のにじみを生じにくくしたり、さらにはプラスチックフィルム等に対する画像や文字の定着性を向上したりする効果が十分に得られないおそれがある。
一方、範囲を超える場合には、相対的に炭素数3以下のアルコールの配合割合が少なくなって、当該アルコールを配合することによる、インクジェットインクを低粘度化するとともに、特にサーマル方式のインクジェットプリンタのノズルを通して、インク滴を良好に吐出させる効果が十分に得られないおそれがある。
なお2種以上の複素環化合物を併用する場合は、その総量を上記の範囲に設定すればよい。
〈質量比A/H〉
アルコールAと、複素環化合物Hとの質量比A/Hは0.3以上、特に0.5以上であるのが好ましく、5.5以下、特に3.5以下であるのが好ましい。
この範囲より炭素数3以下のアルコールが少ない場合には、当該アルコールを配合することによる、インクジェットインクを低粘度化するとともに、特にサーマル方式のインクジェットプリンタのノズルを通して、インク滴を良好に吐出させる効果が十分に得られないおそれがある。
一方、この範囲より複素環化合物が少ない場合には、当該複素環化合物を配合することによる、インクジェットインクの揮発性を抑えて、ノズルの目詰まりを生じにくくしたり、濡れ性を抑えて、パドリングや、あるいは画像や文字のにじみを生じにくくしたり、さらにはプラスチックフィルム等に対する画像や文字の定着性を向上したりする効果が十分に得られないおそれがある。
《その他の成分》
本発明のインクジェットインクには、上記の各成分に加えて、さらに必要に応じてラジカル重合性のモノマー、増感剤、ラジカル重合禁止剤、着色剤、他の溶剤、各種添加剤等の、その他の成分を配合してもよい。
〈ラジカル重合性のモノマー〉
上記のうちラジカル重合性のモノマーは、インクジェットインクの硬化速度をさらに向上するために機能する。
ラジカル重合性のモノマーとしてはアミン変性モノマー、特にアミン変性アクリレートが好ましい。
かかるアミン変性アクリレートの具体例としては、例えばサートマー社製のCN371〔官能基:アクリロイル基×2、アミノ基×2、アミン価:136mgKOH/g〕、CN373〔官能基:アクリロイル基×2、アミノ基×1、アミン価:235mgKOH/g〕、CN383〔官能基:アクリロイル基×1、アミノ基×1、アミン価:150mgKOH/g〕、CN384〔官能基:アクリロイル基×1、アミノ基×2、アミン価:112mgKOH/g〕、CN386〔官能基:アクリロイル基×1、アミノ基×2、アミン価:200mgKOH/g〕、サイテック(CYTEC)社製のエベクリル(登録商標)EB7100〔官能基:アクリロイル基×2、アミノ基×2、アミン価:140mgKOH/g〕、EB81〔官能基:アクリロイル基×1、アミノ基×2.5〕等の1種または2種以上が挙げられる。
また、他のラジカル重合性のモノマーとしては、例えば1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、プロポキシ化ネオペンチルグリコールジアクリレート、イソボロニルアクリレート、N−ビニルカプロラクタム等の1種または2種以上が挙げられる。
ラジカル重合性のモノマーの配合割合は、インクジェットインクの総量の10質量部以上、特に12質量部以上であるのが好ましく、35質量部以下、特に30質量部以下であるのが好ましい。
なお2種以上のモノマーを併用する場合は、その総量を上記の範囲に設定すればよい。
〈増感剤〉
増感剤は、紫外線の照射によって励起状態となって光ラジカル重合開始剤と相互作用して、当該光ラジカル重合開始剤におけるラジカルの発生を助けるために機能する。
特にLEDからの紫外線は波長域が狭いことから、感度を有する波長域を広げて感度を向上する、すなわち増感するために、増感剤を配合するのが好ましい。
増感剤としては、先に説明した光ラジカル重合開始剤のうちチオキサントン類またはその塩が好適に使用される。
またその他の増感剤としては、例えばナフタレンベンゾオキサゾリル誘導体、チオフェンベンゾオキサゾリル誘導体、スチルベンベンゾオキサゾリル誘導体、クマリン誘導体、スチレンビフェニル誘導体、ピラゾロン誘導体、スチルベン誘導体、ベンゼン及びビフェニルのスチリル誘導体、ビス(ベンザゾールー2−イル)誘導体、カルボスチリル、ナフタルイミド、ジベンゾチオフェン−5,5’−ジオキシドの誘導体、ピレン誘導体、ピリドトリアゾール、p−ジメチルアミノ安息香酸エチル、p−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等が挙げられる。
増感剤としては、以上で説明した各種の増感剤中から、LEDからの紫外線の波長域、および光ラジカル重合開始剤の吸収波長域に応じて、増感に適した吸収波長域を有するものを、それぞれ1種単独で使用できる他、2種以上を併用してもよい。
増感剤の配合割合は任意に設定できるものの、良好な増感効果を得ることを考慮すると、インクジェットインクの総量の0.01質量%以上、特に0.5質量%以上であるのが好ましく、5質量%以下、特に4質量%以下であるのが好ましい。
〈ラジカル重合禁止剤〉
ラジカル重合禁止剤は、インクジェットインクを貯蔵中、あるいはパッケージに封入して保管中に、オリゴマーやモノマーがラジカル重合反応してゲル化するのを防止するために配合される。
ラジカル重合禁止剤としては、かかる機能を有する種々の化合物が、いずれも使用可能である。
ラジカル重合禁止剤としては、例えばハイドロキノン類、カテコール類、ヒンダードアミン化合物、フェノール類、フェノチアジン類、縮合芳香族環のキノン類等の1種または2種以上が挙げられる。
このうちハイドロキノン類としては、例えばハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、1−o−2,3,5−トリメチロールハイドロキノン、2−tert−ブチルハイドロキノン等の1種または2種以上が挙げられる。
またカテコール類としては、例えばカテコール、4−メチルカテコール、4−tert−ブチルカテコール等の1種または2種以上が挙げられる。
ヒンダードアミン化合物としては、重合禁止効果を有する任意のヒンダードアミン化合物が挙げられ、中でも分子中にテトラメチルピペリジニル基を有するヒンダードアミン化合物の1種または2種以上が好ましい。
フェノール類としては、例えばフェノール、ブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、ピロガロール、没食子酸アルキルエステル、ヒンダードフェノール化合物等の1種または2種以上が挙げられる。
フェノチアジン類としては、例えばフェノチアジン等が挙げられる。
さらに縮合芳香族環のキノン類としては、例えばナフトキノン等が挙げられる。
中でもラジカル重合禁止剤としては、重合禁止効果の効率に優れ、モノマーのラジカル重合反応を効率よく禁止してゲル化を防止できるヒンダードアミン化合物、およびヒンダードフェノール化合物からなる群より選ばれた少なくとも1種、特にヒンダードアミン化合物が好ましい。
また、ヒンダードアミン化合物の中でも分子中にテトラメチルピペリジニル基を有するヒンダードアミン化合物、特に4,4′−[(1,10−ジオキソ-1,10−デカンジイル)ビス(オキシ)]ビス[2,2,6,6−テトラメチル]−1−ピペリジジニルオキシ〔BASF社製のイルガスタブ(IRGASTAB、登録商標)UV10〕等が、重合禁止効果の効率に特に優れるため、ラジカル重合禁止剤としてより一層好適に使用される。
ラジカル重合禁止剤の配合割合は、インクジェットインクの総量の0.05質量%以上、特に0.1質量%以上であるのが好ましく、2質量%以下、特に1.5質量%以下であるのが好ましい。
〈着色剤〉
着色剤としては、種々の顔料、染料等が挙げられる。着色剤としては、インクジェットインクの色味に応じた各色の着色剤がいずれも使用可能である。特に印刷の耐光性、耐候性等を向上することを考慮すると、種々の無機顔料、および/または有機顔料が好ましい。
このうち無機顔料としては、例えば酸化チタン、酸化鉄等の金属化合物や、あるいはコンタクト法、ファーネス法、サーマル法等の公知の方法によって製造された中性、酸性、塩基性等の種々のカーボンブラックの1種または2種以上が挙げられる。
また有機顔料としては、例えばアゾ顔料(アゾレーキ、不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、またはキレートアゾ顔料等を含む)、多環式顔料(例えばフタロシアニン顔料、ペリレン顔料、ペリノン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサジン顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、またはキノフタロン顔料等)、染料キレート(例えば塩基性染料型キレート、酸性染料型キレート等)、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニリンブラック等の1種または2種以上が挙げられる。
無機または有機の顔料は、インクジェットインクの色目に応じて1種または2種以上を用いることができる。例えばカーボンブラックで黒色を表現する場合、より青黒く見せるために、シアン顔料を添加してもよい。
また顔料は、インクジェットインク中での分散安定性を向上するために、表面を処理してもよい。
また顔料は、インクジェットインクを構成する溶剤との相溶性に優れ、しかも顔料を良好に分散させることができる任意の溶剤、もしくは低粘度のラジカル重合性のモノマー(反応性希釈剤)中に分散させた顔料分散液の状態で、インクジェットインクの製造に用いるのが好ましい。
ラジカル重合性のモノマーとしては、例えばイソボルニルアクリレート(IBXA)等が挙げられる。また顔料分散液には、顔料を良好に分散させるために分散剤等を添加してもよい。
顔料の具体例としては、下記の各種顔料が挙げられる。
(イエロー顔料)
C.I.ピグメントイエロー1、2、3、12、13、14、14C、16、17、20、24、73、74、75、83、86、93、94、95、97、98、109、110、114、117、120、125、128、129、130、137、138、139、147、148、150、151、154、155、166、168、180、185、213、214
(マゼンタ顔料)
C.I.ピグメントレッド5、7、9、12、48(Ca)、48(Mn)、49、52、53、57(Ca)、57:1、97、112、122、123、149、168、177、178、179、184、202、206、207、209、242、254、255
(シアン顔料)
C.I.ピグメントブルー1、2、3、15、15:1、15:3、15:4、15:6、15:34、16、22、60
(ブラック顔料)
C.I.ピグメントブラック7
(オレンジ顔料)
C.I.ピグメントオレンジ36、43、51、55、59、61、71、74
(グリーン顔料)
C.I.ピグメントグリーン7、36
(バイオレット顔料)
C.I.ピグメントバイオレット19、23、29、30、37、40、50
また着色剤としては、可視光領域(波長400〜700nm)において実質的に不可視で、波長400nm未満の紫外線で励起されて可視光を発する蛍光色素を用いることもできる。
(蛍光色素)
蛍光色素としては、発光の検出に安価なシリコンフォトダイオード等を用いることができる、赤色(好ましくは波長615±20nm)の発光をするものが好適に使用される。
蛍光色素としては、かかる波長域に発光中心波長を有するユウロピウムを含み、これにテノイルトリフルオロアセトン、ナフトイルトリフルオロアセトン、ベンゾイルトリフルオロアセトン、メチルベンゾイルトリフルオロアセトン、フロイルトリフルオロアセトン、ピバロイルトリフルオロアセトン、ヘキサフルオロアセチルアセトン、トリフルオロアセチルアセトン、フルオロアセチルアセトン、ヘプタフルオロブタノイルピバロイルメタン等を配位子とした金属錯体の1種または2種以上が挙げられる。
中でも、発光強度の大きなテノイルトリフルオロアセトン、ナフトイルトリフルオロアセトンまたはメチルベンゾイルトリフルオロアセトンを配位子としたユウロピウム化合物が好ましい。
また印刷の発光強度やインク保存安定性の向上を目的として、ユウロピウム化合物の配位子の一部分にリン系有機化合物を用いることもできる。
リン系有機化合物としては、例えばトリエチルホスフィンオキサイド、トリ−n−プロピルホスフィンオキサイド、トリ−n−ブチルホスフィンオキサイド、トリ−n−ヘキシルホスフィンオキサイド、トリ−n−オクチルホスフィンオキサイド、トリフェニルホスフィンオキサイド、トリス(3−ヒドロキシメチル)ホスフィンオキサイド、トリス(3−ヒドロキシプロピル)ホスフィンオキサイドなどのホスフィンオキサイド化合物、トリ−n−ブチルホスフィンサルファイドなどのホスフィンサルファイド化合物、トリエチルホスフィン、トリ−n−プロピルホスフィン、トリ−n−ブチルホスフィン、トリ−n−ヘキシルホスフィン、トリ−n−オクチルホスフィン、トリフェニルホスフィン、トリス(3−ヒドロキシプロピル)ホスフィン等のホスフィン化合物の1種または2種以上が挙げられる。
また用途に応じて、可視光領域おいて実施的に不可視で、かつ紫外線により励起されて青色や緑色、黄緑色、黄色等、赤色以外の可視光を発光する有機蛍光色素を用いることもできる。
かかる有機蛍光色素としては、例えばクマリン系、スチルベン系、トリアジン系、イミダゾール系、チアゾール系、オキサゾール系、ピラゾロン系、ベンゾオキサジン系等の各種蛍光増白剤、テレビウム、ツリウム等の希土類元素を発光中心とし、これにπ電子を多数有する配位子を対イオンとした金属錯体の1種または2種以上が挙げられる。
(配合割合)
着色剤の配合割合は、インクジェットインクの総量の0.1質量%以上、特に0.4質量%以上であるのが好ましく、10質量%以下、特に9質量%以下であるのが好ましい。
顔料分散液を使用する場合、顔料の配合割合は、顔料分散液中に含まれる有効成分としての顔料自体の含有割合である。また2種以上の顔料を併用する場合は、その総量を上記の範囲に設定すればよい。
〈他の溶剤〉
インクジェットインクには、その特性(例えば表面張力や粘度等)をインクジェット印刷に適した範囲に調整したり、あるいは泡消しをしたりするために、例えば2−プロパノール等の1価のアルコールや、1,2−ヘキサンジオール、プロピレングリコール等の他の溶剤を配合してもよい。
他の溶剤の配合割合は、インクジェットインクの総量の0.1質量%以上、特に0.4質量%以上であるのが好ましく、3質量%以下、特に2質量%以下であるのが好ましい。
〈添加剤〉
インクジェットインクには、先に説明したパドリングを防止する効果を向上したり、流動性を向上したりするために、各種の添加剤を配合してもよい。
かかる添加剤としては、例えば界面活性剤や、それ自体が紫外線硬化性を有する湿潤および流動化剤等の少なくとも1種が挙げられる。
界面活性剤の配合割合は、インクジェットインクの総量の0.1質量%以上、特に0.2質量%以上であるのが好ましく、1質量%以下、特に0.5質量%以下であるのが好ましい。
また湿潤および流動化剤の配合割合は、インクジェットインクの総量の0.05質量%以上であるのが好ましく、0.5質量%以下、特に0.2質量%以下であるのが好ましい。
これらの添加剤は、それぞれ機能が異なるため、併用するのが好ましい。
以上で説明した各成分を含む本発明のインクジェットインクによれば、低粘度で、特にサーマル方式のインクジェットプリンタに好適に使用できる上、ノズルの目詰まりやパドリングを生じたりせず、しかもプラスチックフィルム等の種々の被印刷体の表面に、にじみのない定着性に優れた画像や文字を印刷できるという特有の効果を奏する。
〈実施例1〉
ラジカル重合性のオリゴマーとしては、ハイパーブランチ型ポリエステルアクリレートオリゴマー〔前出のサートマー(Sartomer)社製のCN2302官能基:アクリロイル基、平均官能基数:16、ガラス転移温度:82℃、粘度(25℃):300mPa・s、数平均分子量:1,952〕を用いた。
また光ラジカル重合開始剤としては、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド(TPO)を用い、炭素数3以下のアルコールとしては、エタノール88.0±2.0質量%、2−プロパノール4.0±0.5質量%、および1−プロパノール8.0±0.5質量%の混合溶剤〔大伸化学(株)製のネオエタノールPIP〕を用いた。
さらに複素環化合物としては、含酸素複素環化合物であるγ−ブチロラクトンを用いた。
そしてラジカル重合性のオリゴマー8.0質量部、光ラジカル重合開始剤3.0質量部、アルコール36.0質量部含、および酸素複素環化合物30.0質量部に、下記の各成分を配合して混合したのち、5μmのメンブランフィルタを用いてろ過して紫外線硬化型のインクジェットインクを調製した。
アルコールAと、複素環化合物Hとの質量比A/Hは1.2であった。
Figure 2015048383
表1中の各成分は下記のとおり。また表1中の質量部は、先のラジカル重合性のオリゴマー8.0質量部に対する配合量である。
モノマー:サートマー社製のCN371〔官能基:アクリロイル基×2、アミノ基×2、アミン価:136mgKOH/g〕
ラジカル重合禁止剤:4,4′−[(1,10−ジオキソ-1,10−デカンジイル)ビス(オキシ)]ビス[2,2,6,6−テトラメチル]−1−ピペリジジニルオキシ〔BASF社製のイルガスタブ(IRGASTAB、登録商標)UV10〕
増感剤:2,4−ジエチルチオキサントン(DETX)
顔料分散液:カーボンブラック〔LFF、三菱化学(株)製のMA8〕5.0質量部、高分子分散剤〔Lubrizol(ルブリゾール)社製のSOLSPERSE(ソルスパース、登録商標)32000〕2.0質量部、およびラジカル重合性のモノマーとしてのイソボルニルアクリレート(IBXA)10.8質量部の混合物。
〈実施例2〉
アルコールの配合量を51.3質量部、複素環化合物の配合量を14.7質量部としたこと以外は実施例1と同様にしてインクジェットインクを調製した。
アルコールAと、複素環化合物Hとの質量比A/Hは3.5であった。
〈実施例3〉
アルコールの配合量を22質量部、複素環化合物の配合量を44質量部としたこと以外は実施例1と同様にしてインクジェットインクを調製した。
アルコールAと、複素環化合物Hとの質量比A/Hは0.5であった。
〈実施例4〉
アルコールの配合量を55質量部、複素環化合物の配合量を11質量部としたこと以外は実施例1と同様にしてインクジェットインクを調製した。
アルコールAと、複素環化合物Hとの質量比A/Hは5であった。
〈実施例5〉
アルコールの配合量を15.2質量部、複素環化合物の配合量を50.8質量部としたこと以外は実施例1と同様にしてインクジェットインクを調製した。
アルコールAと、複素環化合物Hとの質量比A/Hは0.3であった。
〈実施例6〉
複素環化合物として、27質量部のγ−ブチロラクトンと、3質量部のプロピレンカーボネートとを併用したこと以外は実施例1と同様にしてインクジェットインクを調製した。
アルコールAと、複素環化合物Hとの質量比A/Hは1.2であった。
〈実施例7〉
ハイパーブランチ型ポリエステルアクリレートオリゴマーに代えて、8質量部のウレタンアクリレートオリゴマー〔サートマー社製のCN9013、官能基数:9〕を用いたこと以外は実施例1と同様にしてインクジェットインクを調製した。
アルコールAと、複素環化合物Hとの質量比A/Hは1.2であった。
〈比較例1〉
溶剤として、66質量部の複素環化合物のみを用いたこと以外は実施例1と同様にしてインクジェットインクを調製した。
〈比較例2〉
溶剤として、66質量部のアルコールのみを用いたこと以外は実施例1と同様にしてインクジェットインクを調製した。
〈吐出性〉
各実施例、比較例のインクジェットインクを、サーマル方式のインクジェットプリンタに使用して、被印刷体としての硬質ポリ塩化ビニルフィルムの表面に文字を印刷した。そして紫外線LEDを用いた硬化装置〔Phoseon Technology社製のFireJet〕を使用して、トータル照射光量が300mJ/cmとなるように紫外線を照射して印刷した文字を硬化させたのち、下記の基準で、インクジェットインクの吐出性を評価した。
○:文字にかすれ等はなく、明確に判読することはできた。良好。
△:文字にややかすれが見られたが、判読することはできた。通常レベル。
×:文字がひどくかすれて、判読することができなかった。不良。
〈目詰まり〉
各実施例、比較例のインクジェットインクを、サーマル方式のインクジェットプリンタに使用して、被印刷体としての硬質ポリ塩化ビニルフィルムの表面に文字を印刷した。
次いで、ヘッドをホームポジションに戻さず、したがってノズルをキャッピングすることなしに2分間、ノズル外の空気に曝したのち、再度、硬質ポリ塩化ビニルフィルムの表面に文字を印刷した。そして紫外線LEDを用いた硬化装置〔Phoseon Technology社製のFireJet〕を使用して、トータル照射光量が300mJ/cmとなるように紫外線を照射して印刷した文字を硬化させたのち、下記の基準で、インクジェットインクの目詰まりの有無を評価した。
○:直ちに、かすれのない文字を印刷できた。良好。
△:直後には、目詰まりにより文字にかすれが見られたが、インクジェットプリンタに備え付けの、ノズルをクリーニングするワイピング操作を1回実施すると目詰まりが解消され、かすれのない文字を印刷できた。通常レベル。
×:ワイピング操作を1回実施しても目詰まりは解消されず、文字にかすれが見られた。不良。
〈パドリング〉
各実施例、比較例のインクジェットインクを、サーマル方式のインクジェットプリンタに使用して、キャッピングすることなしに1分間の連続印刷をしたのち、下記の基準で、インクジェットインクのドリングの有無を評価した。
○:ノズルプレートの、ノズルの出口の周囲にはインク溜まり(パドル)は見られなかった。また印刷に影響は見られなかった。良好。
△:インク溜まりが見られたが、印刷には影響は見られなかった。通常レベル。
×:インク溜まりが見られ、印刷にも影響が見られた。不良。
〈にじみ〉
各実施例、比較例のインクジェットインクを、サーマル方式のインクジェットプリンタに使用して、被印刷体としてのコート紙の表面に、幅1.0ポイントの罫線を印刷した。そして紫外線LEDを用いた硬化装置〔Phoseon Technology社製のFireJet〕を使用して、トータル照射光量が300mJ/cmとなるように紫外線を照射して印刷した罫線を硬化させたのち、下記の基準で、インクジェットインクのにじみを評価した。
○:罫線の幅の拡がりは10%未満であった。良好。
△:幅の拡がりは、10%以上、20%未満であった。通常レベル。
×:幅の拡がりは20%以上であった。不良。
〈硬化性〉
各実施例、比較例のインクジェットインクを、サーマル方式のインクジェットプリンタに使用して、被印刷体としての硬質ポリ塩化ビニルフィルムの表面にベタ印刷をした。そして紫外線LEDを用いた硬化装置〔Phoseon Technology社製のFireJet〕を使用して、トータル照射光量が300mJ/cmとなるように紫外線を照射してベタ印刷を硬化させたのち、下記の基準で、インクジェットインクの硬化性を評価した。
○:指でこすってもベタ印刷に傷はつかず、インクが指に付着することもなかった。良好。
△:ベタ印刷に傷がついたが、インクは指に付着しなかった。通常レベル。
×:ベタ印刷に傷がつき、指にインクが付着した。不良。
〈定着性〉
各実施例、比較例のインクジェットインクを、サーマル方式のインクジェットプリンタに使用して、被印刷体としての硬質ポリ塩化ビニルフィルムの表面にベタ印刷をした。そして紫外線LEDを用いた硬化装置〔Phoseon Technology社製のFireJet〕を使用して、トータル照射光量が300mJ/cmとなるように紫外線を照射してベタ印刷を硬化させたのち、下記の基準で、インクジェットインクの定着性を評価した。
○:ベタ印刷上にセロハンテープを貼り付けたのち剥離しても、ベタ印刷に剥がれは見られなかった。良好。
△:ベタ印刷に、部分的な剥がれが見られた。通常レベル。
×:ベタ印刷が、セロハンテープを貼り付けた領域のほぼ全面で剥がれてしまった。不良。
以上の結果を表2、3に示す。
Figure 2015048383
Figure 2015048383
表3の結果より、溶剤としてアルコールを含まず、複素環化合物のみを用いた比較例1のインクジェットインクは、サーマル方式のインクジェットプリンタに使用した場合、先に説明したメカニズムによって所定体積のインク滴を生成させて、ノズルを通して吐出させることができず、吐出不良を生じることが判った。そのため、その他の評価は実施しなかった。
一方、溶剤として複素環化合物を含まず、アルコールのみを用いた比較例2のインクジェットインクは、サーマル方式のインクジェットプリンタに使用した初期の段階では、所定体積のインク滴を、ノズルを通して吐出させることができた。
しかし比較例2のインクジェットインクは、揮発性が高すぎるため目詰まりを生じやすい上、濡れ性が高すぎるため、パドリングやにじみを生じやすいこと、プラスチックフィルム等に対する浸透性や溶解性が不十分で、定着性が低いことが判った。
これに対し、表2、表3の結果より、溶剤として、炭素数3以下のアルコールと、複素環化合物とを併用した実施例1〜7のインクジェットインクによれば、低粘度で、特にサーマル方式のインクジェットプリンタに好適に使用できる上、ノズルの目詰まりやパドリングを生じたりせず、しかもプラスチックフィルム等の種々の被印刷体の表面に、にじみのない定着性に優れた画像や文字を印刷できることが判った。
また実施例1、7の結果より、かかる効果をより一層向上することを考慮すると、ラジカル重合性のオリゴマーとしては、ハイパーブランチ型ポリエステル(メタ)アクリレートオリゴマーが好ましいことが判った。
また実施例1〜5の結果より、上記の効果をより一層向上することを考慮すると、アルコールAと、複素環化合物Hとの質量比A/Hは0.5以上、3.5以下であるのが好ましいことが判った。
さらに実施例1、6の結果より、インクジェットインクの表面張力を調整するために、複素環化合物として、γ−ブチロラクトンとプロピレンカーボネートを併用しても、上記の効果を損なうおそれがないことが判った。

Claims (3)

  1. ラジカル重合性のオリゴマー、光ラジカル重合開始剤、および溶剤を含む紫外線硬化型のインクジェットインクであって、前記溶剤は、
    (1) 炭素数3以下のアルコールと、
    (2) 含窒素複素環化合物、および含酸素複素環化合物からなる群より選ばれた少なくとも1種の複素環化合物
    の混合溶剤であることを特徴とするインクジェットインク。
  2. 前記オリゴマーは、ハイパーブランチ型ポリエステル(メタ)アクリレートオリゴマーである請求項1に記載のインクジェットインク。
  3. 前記アルコールAと、複素環化合物Hとの質量比A/Hは0.5以上、3.5以下である請求項1または2に記載のインクジェットインク。
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