JP2015047920A - 車両用シート - Google Patents

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晃 金子
Akira Kaneko
晃 金子
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Toyota Motor Corp
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Abstract

【課題】本発明は、車両の後突時に、乗員が車両前後方向後方側へ移動する際の移動ストロークをより効果的に確保することができる車両用シートを得る。
【解決手段】車両用シート10は、シートバックシェル18において、乗員Pの腰部と対向する部位に開口部22Aが設けられている。これにより、図中二点鎖線で示されるように、車両の後突時に、慣性力により乗員Pがシートバックシェル18内において車両前後方向後方側へ移動する際、乗員Pの腰部が開口部22A内へ入り込むことによって、乗員Pの車両前後方向後方側(矢印A方向)への移動ストロークを確保することができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、車両用シートに関する。
下記特許文献1には、車両用シートにおいて、シェル構造のシートフレーム(シートバックボード)を有する技術が開示されている。一般的に、車両の後面衝突(以下、単に「後突」という)時において、慣性力により乗員がシート内へ沈み込む挙動を成す。シェル構造のシートフレームでは、乗員の車両前後方向後方側に骨格部材があるため、乗員が車両前後方向後方側へ移動する際の移動ストロークを上手く確保できない可能性がある。
実開平06−61149号公報
本発明は、上記の事実を考慮し、車両の後突時に、乗員が車両前後方向後方側へ移動する際の移動ストロークをより効果的に確保することを目的とする。
請求項1に記載の車両用シートは、シート本体に着座した乗員の背部を支持し、当該乗員の腰部と対向する部位に開口部が設けられたシートバックボードと、前記シートバックボードに設けられ、当該シートバックボードにおける車両前後方向後方側から前記開口部を覆うシートバックポケットと、を有している。
請求項1に記載の車両用シートでは、シート本体に着座した乗員の背部を支持するシートバックボードにおいて、当該乗員の腰部と対向する部位に開口部が設けられている。これにより、車両の後突時に、慣性力により乗員がシートバックボード内において車両前後方向後方側へ移動する際、移動ストロークを確保することができる。
また、シートバックボードには、当該シートバックボードにおける車両前後方向後方側から開口部を覆うシートバックポケットが設けられている。このため、当該開口部は外部に露出しないので、シートバックボードに開口部を設けても意匠性は損なわれない。
以上説明したように、請求項1に記載の発明は、車両の後突時に、乗員が車両前後方向後方側へ移動する際の移動ストロークをより効果的に確保する、という優れた効果を有する。
本実施の形態に係る車両用シートの要部を示す縦断面図である。 本実施の形態に係る車両用シートの要部を示すシートバックシェルを車両後方側かつ車両幅方向外側から見た斜視図である。
本発明における車両用シートの実施の形態を図面に基づき説明する。なお、図中の矢印UPは車両の上方向、矢印FRは車両の前方向、矢印Wは車両の幅方向をそれぞれ示す。
(車両用シートの構成)
まず、本実施の形態に係る車両用シートの構成について説明する。図1に示されるように、本実施形態に係るシート本体としての車両用シート10は、乗員Pの臀部及び大腿部を支持するシートクッション12と、乗員Pの背部を支持するシートバック14と、シートバック14の上端部に上下調節可能に設けられて乗員Pの頭部を支持するヘッドレスト16と、を含んで構成されている。
シートバック14は、高強度樹脂等で板状に形成されたシェル型構造を成すシートバックシェル18によって構成されている。シートバックシェル18の車両前後方向前面側には、例えば、パッド裏面材20が設けられており、当該パッド裏面材20の車両前後方向前面側は、発泡ウレタンによって形成された弾性変形可能なパッド(図示省略)によって覆われている。
また、図1及び図2に示されるように、シートバックシェル18は、車両用シート10に着座した乗員Pの肩部から腰部に亘って覆うようにして車両上下方向を長手とする略長方形状を成すバックシェル部22と、バックシェル部22の車両幅方向両側に設けられた一対のサイドシェル部24と、を含んで構成されている。
バックシェル部22における車両前後方向後方側の面は意匠面を構成している。一方、サイドシェル部24はバックシェル部22の車両幅方向の両端部から車両前後方向前方側へ向かって延出しており、サイドシェル部24の高さは、車両上下方向下方側へ向かうにつれて徐々に高くなっている。
ここで、バックシェル部22における乗員Pの腰部と対向する部位には、矩形状の開口部22Aが形成されている。パッド裏面材20には、シートバックシェル18の背面側から見て、開口部22Aの内側に内蔵物26が配設されている。内蔵物26としては、例えば、シートバック14用のブロアなどの空調装置や、サイドシェル部24に設けられる図示しないサイドサポートを車両幅方向に沿って移動させるためのサイドサポートアジャスタ用のECU等が含まれる。
また、シートバックシェル18には、当該シートバックシェル18における車両前後方向後方側から開口部22Aを覆うようにして、正面視で矩形状を成すシートバックポケット28が設けられている。このシートバックポケット28は、例えば、シートバックシェル18の開口部22Aの周辺部において略U字状に溶着固定されており、シートバックポケット28の車両幅方向外側は、ゴム部材等により伸縮可能とされている。
このため、シートバックポケット28を車両前後方向後方側へ引っ張ることで、シートバックポケット28とシートバックシェル18との間には隙間が設けられ、シートバックポケット28内には、地図等の収容物が収容可能とされる。
(車両用シートの作用・効果)
次に、本実施の形態に係る車両用シートの作用・効果について説明する。図1に示されるように、シートバックシェル18において、乗員Pの腰部と対向する部位に開口部22Aが設けられている。これにより、図1の二点鎖線で示されるように、車両の後突時に、慣性力により乗員Pがシートバックシェル18内において車両前後方向後方側へ移動する際、乗員Pの腰部が開口部22A内へ入り込むことによって、乗員Pの車両前後方向後方側(矢印A方向)への移動ストロークを確保することができる。
すなわち、車両の後突時において、乗員Pの背中、腰部の底付きによる傷害値の悪化を抑制することができる。また、シートバックシェル18に対して乗員Pの車両前後方向後方側への移動ストロークが確保されることで、乗員Pの頭部とヘッドレスト16との間の隙間が狭くなる。
その結果、乗員Pの頭部と背部との相対移動差を小さくすることができ、乗員Pの頭部をヘッドレスト16によって早期に支持することができる。したがって、いわゆるコンタクトタイムを短縮することができ、コンタクトタイム悪化による、首傷害値の悪化を抑制することができる。
また、シートバックシェル18には、開口部22Aを覆うシートバックポケット28が設けられている。このため、当該開口部22Aは外部に露出しないので、意匠性は損なわれない。
また、このシートバックポケット28の車両幅方向外側は、ゴム部材等により伸縮可能とされている。このため、シートバックポケット28を車両前後方向後方側へ引っ張ることで、シートバックポケット28とシートバックシェル18との間には隙間が設けられるようになっている。
したがって、車両の後突時に、乗員Pの腰部が開口部22A内へ入り込んだ際、当該シートバックポケット28は、乗員Pの腰部によって押圧され矢印B方向へ移動するため、シートバックポケット28によって、乗員Pの腰部の移動が阻害されないようになっている。
さらに、パッド裏面材20には、シートバックシェル18の背面側から見て、開口部22Aの内側に内蔵物26が配設されている。車両の後突時に、乗員Pがシートバックシェル18内において車両前後方向後方側へ移動し、パッド裏面材20介して内蔵物26が車両前後方向後方側へ移動した際、当該内蔵物26は開口部22A内を通過する(矢印C方向)ため、内蔵物26の破損が抑制される。なお、このとき、シートバックポケット28は、矢印B方向へ移動するため、当該シートバックポケット28によって、内蔵物26が破損しないようになっている。
(その他の実施形態)
本実施形態では、図1に示されるように、シートバックシェル18の車両前後方向前面側にパッド裏面材20が設けられているが、当該パッド裏面材20に限るものではない。例えば、図示はしないが、バックスプリングやランバーサポートが設けられても良いし、これらのうちの複数部材が、シートバックシェル18の車両前後方向前面側に設けられても良い。
また、本実施形態では、シートバックシェル18に形成された開口部22Aを覆うシートバックポケット28が設けられているが、当該シートバックポケット28とは別に、開口部22A自体を塞ぐカバー(図示省略)が設けられていても良い。但し、この場合、カバーは剛性が低く、変形し易い部材又は破断し易い部材とされる。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明はこうした実施形態に限定されるものでなく、一実施形態及び各種の変形例を適宜組み合わせて用いても良いし、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施し得ることは勿論である。
10 車両用シート(シート本体)
14 シートバック
18 シートバックシェル(シートバックボード)
22 バックシェル部(シートバックボード)
22A 開口部
28 シートバックポケット
P 乗員

Claims (1)

  1. シート本体に着座した乗員の背部を支持し、当該乗員の腰部と対向する部位に開口部が設けられたシートバックボードと、
    前記シートバックボードに設けられ、当該シートバックボードにおける車両前後方向後方側から前記開口部を覆うシートバックポケットと、
    を有する車両用シート。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN111137191A (zh) * 2018-11-02 2020-05-12 丰田自动车株式会社 车辆用座椅

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN111137191A (zh) * 2018-11-02 2020-05-12 丰田自动车株式会社 车辆用座椅
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