以下、本発明による固体撮像素子及び撮像装置について、図面を参照して説明する。
[第1の実施の形態]
図1は、本発明の第1の実施の形態による撮像装置としての電子カメラ1を模式的に示す概略ブロック図である。
本実施の形態による電子カメラ1は、例えば一眼レフのデジタルカメラとして構成されるが、本発明による撮像装置は、これに限らず、コンパクトカメラなどの他の電子カメラや、携帯電話に搭載された電子カメラなどの種々の撮像装置に適用することができる。
電子カメラ1には、撮影レンズ2が装着される。この撮影レンズ2は、レンズ制御部2aによってフォーカスや絞りが駆動される。この撮影レンズ2の像空間には、固体撮像素子3の撮像面が配置される。
固体撮像素子3は、撮像制御部4の指令によって駆動され、画像信号を出力する。電子ビューファインダーモード時や動画撮影時などでは、撮像制御部4は、例えばいわゆるローリング電子シャッタを行いつつ所定の読み出し動作を行うように固体撮像素子3を制御する。また、通常の本撮影時(静止画撮影時)などでは、撮像制御部4は、例えば、全画素を同時にリセットするいわゆるグローバルリセット後に、図示しないメカニカルシャッタで露光した後に、所定の読み出し動作を行うように固体撮像素子3を制御する。いずれの画像信号も、信号処理部5によって黒レベルクランプ処理等の信号処理が行われた後、A/D変換部6によりA/D変換され、メモリ7に一旦蓄積される。メモリ7は、バス8に接続されている。バス8には、レンズ制御部2a、撮像制御部4、CPU9、液晶表示パネル等の表示部10、記録部11、画像圧縮部12及び画像処理部13なども接続される。CPU9には、レリーズ釦などの操作部9aが接続される。また、操作部9aによって、ISO感度を設定することができるようになっている。記録部11には記録媒体11aが着脱自在に装着される。このとき、撮像制御部4は、後述するように、例えば所定の条件や設定等に応じて、後述する水平画素加算を行う読み出し動作又は水平画素加算を行わない読み出し動作を行うように、固体撮像素子3を制御する。いずれの画像信号も、信号処理部5によって黒レベルクランプ処理等の信号処理が行われた後、A/D変換部6によりA/D変換され、メモリ7に一旦蓄積される。メモリ7は、バス8に接続されている。バス8には、レンズ制御部2a、撮像制御部4、CPU9、液晶表示パネル等の表示部10、記録部11、画像圧縮部12及び画像処理部13なども接続される。CPU9には、レリーズ釦などの操作部9aが接続される。また、記録部11には記録媒体11aが着脱自在に装着される。
電子カメラ1内のCPU9は、操作部9aの操作により電子ビューファインダーモードや動画撮影などが指示されると、それに合わせて撮像制御部4を駆動する。撮像制御部4は、例えばローリング電子シャッタを行いつつ所定の読み出し動作を行うように固体撮像素子3を制御する。このとき、レンズ制御部2aによって、フォーカスや絞りが適宜調整される。固体撮像素子3から得られた画像信号は、メモリ7に蓄積される。CPU9は、電子ビューファインダーモード時にはその画像信号を表示部10に画像表示させ、動画撮影時にはその画像信号を記録媒体11aに記録する。通常の本撮影時(静止画撮影時)などの場合は、CPU9は、画像信号がメモリ7に蓄積された後に、操作部9aの指令に基づき、必要に応じて画像処理部13や画像圧縮部12にて所望の処理を行い、記録部11に処理後の信号を出力させ記録媒体11aに記録する。
図2は、図1中の固体撮像素子3の概略構成を示す回路図である。本実施の形態では、固体撮像素子3は、CMOS型の固体撮像素子として構成されているが、他のXYアドレス型固体撮像素子として構成してもよい。
固体撮像素子3は、図2に示すように、画素部21と、複数の水平制御信号線22と、垂直走査回路23と、複数の垂直信号線V1〜Vmと、画素部21の列方向(垂直方向、図2中上下方向)の両側にそれぞれ配置された上側信号出力回路24及び下側信号出力回路25と、を有している。
画素部21は、n行k列に2次元マトリクス状に配置され入射光に応じた画素信号を出力する有効画素PXからなる有効画素部21Aと、n行(m−k)列に2次元マトリクス状に配置され黒レベルの信号を生成するオプチカルブラック画素(OB画素)OBからなるOB画素部21Bとを有している。本実施の形態では、OB画素部21Bは、有効画素部21Aの領域の行方向(水平方向、図2中左右方向)の図2中右側に配置されている。もっとも、OB画素部21Bは、有効画素部21Aの図2中左側に配置してもよいし、有効画素部21Aの図2中左右両側に配置してもよい。
画素部21の各行には、垂直走査回路23に接続された水平制御信号線22がそれぞれ配置されている。各々の水平制御信号線22は、垂直走査回路23から出力される制御信号(後述する制御信号φSEL,φRES,φTX)を、画素PX,OBの各行にそれぞれ供給する。
複数の垂直信号線V1〜Vkは、有効画素PXの列毎に設けられ、対応する列の有効画素PXからの信号を受け取る。また、複数の垂直信号線Vk+1〜Vmは、OB画素OBの列毎に設けられ、対応する列のOB画素OBからの信号を受け取る。垂直信号線Vk+1〜Vmは、OB画素用垂直信号線である。垂直信号線V1〜Vmの上端(厳密に言うと、本実施の形態では、それらの垂直信号線のうちの偶数番目の列の垂直信号線の上端)が、上側信号出力回路24に接続されている。垂直信号線V1〜Vmの下端(厳密に言うと、本実施の形態では、それらの垂直信号線のうちの奇数番目の列の垂直信号線の下側)が、下側信号出力回路25に接続されている。ここでは、1列目の垂直信号線には符号V1を付し、m列目の垂直信号線には符号Vmを付し、他の垂直信号線についても同様である。各垂直信号線V1〜Vmには、定電流源26が接続されている(後述する図4及び図5を参照)。なお、定電流源26を各垂直信号線V1〜Vmの上端側及び下端側にそれぞれ接続して、各垂直信号線V1〜Vmに対して2つずつの定電流源26を接続してもよい。この場合は、定電流源1つ当たりの電流値を、垂直信号線1本当たりに必要な電流値の1/2倍とする。
なお、必要に応じて、いわゆる横スミアや黒太陽を防止するため、各垂直信号線V1〜Vmに対して、例えば特開2010−263443号公報の図4及び図5に開示されているようなクリップ回路を設けてもよい。
本実施の形態では、各々の画素PXの光入射側には、それぞれが異なる色成分の光を透過させる複数種類のカラーフィルタが、2行2列の繰り返し周期を持つ色配列で配置されている。画素PXは、カラーフィルタでの色分解によって各色に対応する電気信号を出力する。本実施の形態では、図2に示すように、前記色配列としてベイヤー配列が採用され、赤色(R)、緑色(Gr,Gb)、青色(B)のカラーフィルタがベイヤー配列に従って各画素PXに配置されている。すなわち、有効画素部21Aの奇数行にはR,Grのカラーフィルタが交互に並ぶとともに、有効画素部21Aの偶数行にはGb,Bのフィルタが交互に並んでいる。そして、有効画素部21A全体では緑色のフィルタが市松模様をなすように配置されている。これにより、有効画素部21Aは、撮像時にカラーの画像を取得することができる。本実施の形態では、OB画素部21Bにも有効画素部21Aと同様に、カラーフィルタが配置されている。もっとも、OB画素OBは黒レベルを出力するものであるので、OB画素部21Bには必ずしもカラーフィルタを配置する必要はない。なお、図2では、各々の画素PX,OBにカラーフィルタの色を併せて表記している。
図3は、図2中の画素PX,OBを示す回路図である。本実施の形態では、各画素PXは、一般的なCMOS型固体撮像素子の画素と同様に、光電変換部としてのフォトダイオードPDと、電荷を受け取って前記電荷を電圧に変換する電荷電圧変換部としてのフローティングディフュージョンFDと、フローティングディフュージョンFDの電位をリセットするリセットトランジスタRESと、フローティングディフュージョンFDの電位に応じた信号を垂直信号線V1〜Vmに供給する選択トランジスタSELと、フォトダイオードPDからフローティングディフュージョンFDに電荷を転送する電荷転送部としての転送トランジスタTXと、フローティングディフュージョンFDの電位に応じた前記信号を出力する増幅部としての増幅トランジスタAMPとを有し、図3に示すように、接続されている。図3において、VDDは電源電位である。なお、本実施の形態では、画素PX,OBのトランジスタAMP,TX,RES,SELは、全てnMOSトランジスタである。
本実施の形態では、OB画素OBは、フォトダイオードPDが遮光される点を除いて有効画素PXと同じ構造を有している。もっとも、OB画素OBは、例えば、有効画素PXからフォトダイオードPDを取り除いた構造を有していてもよい。
転送トランジスタTXのゲートは行毎に共通に接続され、そこには制御信号φTXが垂直走査回路23から供給される。リセットトランジスタRESのゲートは行毎に共通に接続され、そこには制御信号φRESが垂直走査回路23から供給される。選択トランジスタSELのゲートは行毎に共通に接続され、そこには制御信号φSELが垂直走査回路23から供給される。各制御信号φTXを行毎に区別する場合、j行目の制御信号φTXは符号φTX(j)で示す。この点は、制御信号φRES,φSELについても同様である。
各画素PXのフォトダイオードPDは、入射光の光量(被写体光)に応じて信号電荷を生成する。転送トランジスタTXは、制御信号φTXのハイレベル期間にオンし、フォトダイオードPDの電荷をフローティングディフュージョンFDに転送する。リセットトランジスタRESは、制御信号φRESのハイレベル期間(電源電位VDDの期間)にオンし、フローティングディフュージョンFDをリセットする。
増幅トランジスタAMPは、そのドレインが電源電位VDDに接続され、そのゲートがフローティングディフュージョンFDに接続され、そのソースが選択トランジスタSELのドレインに接続され、定電流源26(図3では図示せず、図4及び図5を参照)を負荷とするソースフォロア回路を構成している。増幅トランジスタAMPは、フローティングディフュージョンFDの電圧値に応じて、選択トランジスタSELを介して垂直信号線V1〜Vmに読み出し信号を出力する。選択トランジスタSELは、制御信号φSELのハイレベル期間にオンし、増幅トランジスタAMPのソースを垂直信号線V1〜Vmに接続する。
図2中の垂直走査回路23は、図1中の撮像制御部4からの制御信号を受けて、画素PX,OBの行毎に、制御信号φSEL,φRES,φTXをそれぞれ出力し、ローリング電子シャッタによる動作や、メカニカルシャッタを利用したグローバルリセットによる静止画読み出し動作などを実現する。それらの具体的な動作については公知であるため、ここではその説明は省略する。
なお、画素PX,OBの構成は、前述した図3に示す構成に限らない。例えば、列方向に隣り合う複数の画素PX,OB毎に、当該複数の画素PXが1組のフローティングディフュージョンFD、増幅トランジスタAMP、リセットトランジスタRES及び選択トランジスタSELを共有してもよい。
図4は、図2中の上側信号出力回路24の一部分(有効画素部21Aの2列目、4列目及び6列目の垂直信号線V2,V4,V6にそれぞれ対応して設けられた、3つの入力容量形成部IC1〜IC3及び3つの増幅部CA1〜CA3)を示す回路図である。
図5は、図2中の上側信号出力回路24の他の部分(OB画素部21Bのk+2列目、k+4列目及びk+6列目の垂直信号線Vk+2,Vk+4,Vk+6にそれぞれ対応して設けられた、3つの入力容量形成部IC(k/2)+1,IC(k/2)+2,IC(k/2)+3及び3つの増幅部CA(k/2)+1,CA(k/2)+2,CA(k/2)+3)を示す回路図である。図5において、図4中の要素と同一又は対応する要素には同一符号を付している。
図6は、図2中の上側信号出力回路24の更に他の部分(有効画素部21Aの2列目からk列目までの偶数列目の垂直信号線にそれぞれ対応して設けられたk/2個の増幅部CA1〜CA(k/2)の出力信号、及び、OB画素部21Bのk+2列目からm列目までの偶数列目の垂直信号線にそれぞれ対応して設けられた(m−k)/2個の増幅部CA(k/2)+1〜CA(m/2)の出力信号を、それぞれサンプルホールドするサンプリング部CDS1〜CDS(m/2)、水平走査回路31など)を示す回路図である。
本実施の形態では、図4にその一部を示すように、上側信号出力回路24は、有効画素部21Aの偶数列目の垂直信号線V2,V4,…,Vkにそれぞれ対応して設けられた、k/2個の入力容量形成部IC1〜IC(k/2)及びk/2個の増幅部CA1〜CA(k/2)を有している。
各増幅部CA1〜CA(k/2)は、同一の構成を有し、入力部(本実施の形態では、演算増幅器OPの第1の入力端子としての反転入力端子)を有している。
本実施の形態では、各増幅部CA1〜CA(k/2)は、演算増幅器OPと、帰還容量Cfと、カラムアンプリセット信号φCARSTに応じてカラムアンプをリセットするカラムアンプリセットスイッチCARSTと、を有している。演算増幅器OPの反転入力端子(入力部としての第1の入力端子)と演算増幅器OPの出力端子との間に、帰還容量Cf及びカラムアンプリセットスイッチCARSTが並列に接続されている。演算増幅器OPの非反転入力端子(第2の入力端子)には、所定電位Vrefが印加されている。カラムアンプリセットスイッチCARSTは、MOSトランジスタで構成され、カラムアンプリセット信号φCARSTがハイレベルの場合にオンする一方、カラムアンプリセット信号φCARSTがローレベルの場合にオフする。各増幅部CA1〜CA(k/2)のカラムアンプリセットスイッチCARSTのゲートは共通に接続され、そこにはカラムアンプリセット信号φCARSTが撮像制御部4から供給される。
本実施の形態では、演算増幅器OPとして、作動制御信号φSTBYに応じて作動状態と前記作動状態に比べて低消費電力の作動停止状態とになり得る演算増幅器(以下、「スタンバイ機能付き演算増幅器」と呼ぶ。)ものが、用いられている。演算増幅器OPの作動状態と作動停止状態に応じて、演算増幅器OPを有する増幅部全体としても作動状態と作動停止状態となる。もっとも、演算増幅器OPとして、スタンバイ機能を有しておらずに常時作動状態となる通常の演算増幅器を用いてもよい。
図7は、スタンバイ機能付き演算増幅器とした演算増幅器OPの具体例を示す回路図である。この例では、演算増幅器OPは、pMOSトランジスタT1〜T4及びnMOSトランジスタT5〜T8で構成されている。本例では、演算増幅器の一般的な構成をなすトランジスタT1,T2,T5,T6,T8に対して、トランジスタT3,T4,T7が追加されることでスタンバイ機能が実現されている。図7において、VIN_P、VIN_N、VOUTは、演算増幅器OPの非反転入力端子、反転入力端子及び出力端子をそれぞれ示している。VBIASは、図示しないバイアス回路からの電流源用バイアス電圧が印加されるバイアス電圧入力端子である。
図7において、STBYは作動制御信号φSTBYが入力される端子(作動制御信号入力端子)、STBY_Nは作動制御信号φSTBYの反転信号が入力される端子である。作動制御信号φSTBYがハイレベルになると、トランジスタT3,T4,T7がオフし、演算増幅器OPを流れる電流が遮断されて演算増幅器OPが作動停止状態となり、出力端子VOUTはフローティングになる。図4等では、作動制御信号φSTBYに相当する作動制御信号φSTBY1〜φSTBY3のみが演算増幅器OPに供給されるものとして記載され、作動制御信号φSTBY_Nに相当する反転作動制御信号が演算増幅器OPに供給される制御線等の図示は省略している。以下の説明では、作動制御信号φSTBYのみについて言及し、反転作動制御信号への言及は省略する。なお、演算増幅器OPとして、スタンバイ機能を有していない通常の演算増幅器を用いる場合には、作動制御信号φSTBYは演算増幅器OPに入力されない。
増幅部CA1〜CA(k/2)を、行方向(水平方向)にr個(本実施の形態では、3個)の周期をなすr個(本実施の形態では、3個)のグループに分けたとき、すなわち、増幅部CA1,CA4,CA7,…の第1グループと、増幅部CA2,CA5,CA8,…の第2グループと、増幅部CA3,CA6,CA9,…の第3グループに分けたとき、各グループ毎に作動制御信号φSTBYが入力される。つまり、第1グループの増幅部CA1,CA4,CA7,…の作動停止信号入力端子が共通に接続され、そこには作動制御信号φSTBY1が撮像制御部4から供給される。第2グループの増幅部CA2,CA5,CA8,…の作動停止信号入力端子が共通に接続され、そこには作動制御信号φSTBY2が撮像制御部4から供給される。第3グループの増幅部CA3,CA6,CA9,…の作動停止信号入力端子が共通に接続され、そこには作動制御信号φSTBY3が撮像制御部4から供給される。
本実施の形態では、前記k/2個の入力容量形成部IC1〜IC(k/2)の各々は、制御信号(φ1,φ2,φSW、又は、φ3,φ4,φSW、又は、φ5,φ6,φSW)に応じて、対応する増幅部の前記入力部(本実施の形態では、演算増幅器OPの反転入力端子)と、当該対応する増幅部を含むq個(本実施の形態では、3個)の増幅部に対して共通するp本(本実施の形態では、3本)の垂直信号線との間に接続された状態の、p個(本実施の形態では、3個)の入力容量部Ca,Cb,Cc(後述する図9を参照)を形成する。このとき、p本の垂直信号線に対して共通するq個(本実施の形態では、3個)の増幅部のうちの少なくとも1つの増幅部に対応する入力容量形成部が形成するp個の入力容量部Ca,Cb,Ccの容量値の比率が、当該q個の増幅部のうちの他の少なくとも1つの増幅部に対応する入力容量形成部が形成するp個の入力容量部Ca,Cb,Ccの容量値の比率と異なるようになっている。p本の垂直信号線に対して共通するq個の増幅部のうちの前記少なくとも1つの増幅部に対応する入力容量形成部が形成するp個の入力容量部Ca,Cb,Ccの容量値の比率は、1:1:1でもよい。前記入力容量部Ca,Cb,Ccは、複数の容量で構成された合成容量でもよいし、単一の容量で構成されたものでもよい。
本実施の形態では、偶数列目の垂直信号線V2,V4,…,Vk、k/2個の入力容量形成部IC1〜IC(k/2)及びk/2個の増幅部CA1〜CA(k/2)は、1本置きの3本の垂直信号線、当該3本の垂直信号線にそれぞれ対応して設けられた3個の入力容量形成部及び当該3本の垂直信号線にそれぞれ対応して設けられた3個の増幅部からなるブロック毎に、分けられている。例えば、3本の垂直信号線V2,V4,V6、3個の入力容量形成部IC1,IC2,IC3及び3個の増幅部CA1,CA2,CA3からなるブロック(このブロックが図4に示されている。)、3本の垂直信号線V8,V10,V12、3個の入力容量形成部IC4,IC5,IC6及び3個の増幅部CA4,CA5,CA6からなるブロック、3本の垂直信号線V14,V16,V18、3個の入力容量形成部IC7,IC8,IC9及び3個の増幅部CA6,CA7,CA8からなるブロック、・・・に分けられている。
そして、これらのブロック毎に、当該ブロック内の3個の入力容量形成部の各々は、制御信号(φ1,φ2,φSW、又は、φ3,φ4,φSW、又は、φ5,φ6,φSW)に応じて、当該ブロック内の対応する増幅部の反転入力端子と、当該ブロック内の3個の増幅部に対して共通する3本の垂直信号線(当該ブロック内の3本の垂直信号線)との間に接続された状態の、3個の入力容量部Ca,Cb,Cc(後述する図9を参照)を形成する。このとき、各ブロックにおいて、3本の垂直信号線に対して共通する3個の増幅部のうちの少なくとも1つの増幅部に対応する入力容量形成部が形成する3個の入力容量部Ca,Cb,Ccの容量値の比率が、当該3個の増幅部のうちの他の少なくとも1つの増幅部に対応する入力容量形成部が形成する3個の入力容量部Ca,Cb,Ccの容量値の比率と異なるようになっている。
例えば、図4に示すブロックでは、当該ブロック内の入力容量形成部IC1は、制御信号φ1,φ2,φSWに応じて、当該ブロック内の対応する増幅部CA1の反転入力端子と、当該ブロック内の3個の増幅部CA1,CA2,CA3に対して共通する3本の垂直信号線V2,V4,V6(当該ブロック内の3本の垂直信号線V2,V4,V6)との間に、3個の入力容量部Ca,Cb,Cc(後述する図9を参照)を形成する。また、図4に示すブロックでは、当該ブロック内の入力容量形成部IC2は、制御信号φ3,φ4,φSWに応じて、当該ブロック内の対応する増幅部CA2の反転入力端子と、当該ブロック内の3個の増幅部CA1,CA2,CA3に対して共通する3本の垂直信号線V2,V4,V6(当該ブロック内の3本の垂直信号線V2,V4,V6)との間に、3個の入力容量部Ca,Cb,Cc(後述する図9を参照)を形成する。さらに、図4に示すブロックでは、当該ブロック内の入力容量形成部IC3は、制御信号φ5,φ6,φSWに応じて、当該ブロック内の対応する増幅部CA3の反転入力端子と、当該ブロック内の3個の増幅部CA1,CA2,CA3に対して共通する3本の垂直信号線V2,V4,V6(当該ブロック内の3本の垂直信号線V2,V4,V6)との間に、3個の入力容量部Ca,Cb,Cc(後述する図9を参照)を形成する。このとき、図4に示すブロックでは、3本の垂直信号線V2,V4,V6に対して共通する3個の増幅部CA1,CA2,CA3のうちの少なくとも1つの増幅部に対応する入力容量形成部が形成する3個の入力容量部Ca,Cb,Ccの容量値の比率が、当該3個の増幅部CA1,CA2,CA3のうちの他の少なくとも1つの増幅部に対応する入力容量形成部が形成する3個の入力容量部Ca,Cb,Ccの容量値の比率と異なるようになっている。この例では、IC1,IC2,IC3が図9中のICに相当し、V2が図9中のVaに相当し、V4が図9中のVbに相当し、V6が図9中のVcに相当する。
また、本実施の形態では、前記k/2個の入力容量形成部IC1〜IC(k/2)の各々は、制御信号(φ1,φ2,φSW、又は、φ3,φ4,φSW、又は、φ5,φ6,φSW)に応じて、対応する増幅部の前記入力部(本実施の形態では、演算増幅器OPの反転入力端子)と、当該対応する増幅部を含むq個(本実施の形態では、3個)の増幅部に対して共通するp本(本実施の形態では、3本)の垂直信号線との間に、p個(本実施の形態では、3個)の入力容量部Ca,Cb,Cc(後述する図9を参照)を形成する第1の入力容量形成状態と、対応する前記増幅部の前記入力部と前記p本の垂直信号線のうち当該増幅部毎に異なる1本のみの垂直信号線との間に、1個の入力容量部Ci(後述する図8を参照)を形成する第2の入力容量形成状態とに、切り替える。前記第2の入力容量形成状態では、例えば、前述したようにブロックに分けたときの図4に示すブロックにおいて、入力容量形成部IC1は、制御信号φ1,φ2,φSWに応じて、対応する増幅部CA1の反転入力端子と1本の垂直信号線V2のみとの間に接続された状態の、1個の入力容量部Ci(後述する図8を参照)を形成し、入力容量形成部IC2は、制御信号φ3,φ4,φSWに応じて、対応する増幅部CA2の反転入力端子と1本の垂直信号線V4のみとの間に接続された状態の、1個の入力容量部Ci(後述する図8を参照)を形成し、入力容量形成部IC3は、制御信号φ5,φ6,φSWに応じて、対応する増幅部CA3の反転入力端子と1本の垂直信号線V6のみとの間に接続された状態の、1個の入力容量部Ci(後述する図8を参照)を形成する。この例では、IC1が図8中のICに相当する場合にはV2が図8中のViに相当し、IC2が図8中のICに相当する場合にはV4が図8中のViに相当し、IC3が図8中のICに相当する場合にはV6が図8中のViに相当する。
具体的には、本実施の形態では、前記k/2個の入力容量形成部IC1〜IC(k/2)のうちの2個置きの入力容量形成部IC1,IC4,IC7,・・・の各々は、対応する増幅器の反転入力端子に一方の電極が接続された1組(p個(本実施の形態では3個))の容量C1,C2,C3と、容量C1,C2,C3の他方電極と当該入力容量形成部と同じブロックに属するp本(本実施の形態では3本)の垂直信号線との間をそれぞれオンオフする1組(p個(本実施の形態では、3個))の入力スイッチCS1,CS2,CS3と、容量C1,C2,C3の前記他方電極間が互いに電気的に接続された状態と互いに電気的に分離された状態とに切り替える切替手段としてのスイッチSW1,SW2(本実施の形態では、スイッチSW1は容量C1,C2の前記他方電極間をオンオフし、スイッチSW2は容量C2,C3の前記他方電極間をオンオフする。)と、を有している。例えば、図4に示すブロックにおいて、入力容量形成部IC1は、対応する増幅部CA1の演算増幅器OPの反転入力端子に一方の電極が接続された1組(3個)の容量C1,C2,C3と、容量C1,C2,C3の他方電極と3本の垂直信号線V2,V4,V6との間をそれぞれオンオフする1組(3個)の入力スイッチCS1,CS2,CS3と、容量C1,C2,C3の前記他方電極間を互いに電気的に接続された状態と互いに電気的に分離された状態とに切り替える切替手段としてのスイッチSW1,SW2と、を有している。
また、具体的には、本実施の形態では、前記k/2個の入力容量形成部IC1〜IC(k/2)のうちの2個置きの入力容量形成部IC2,IC5,IC8,・・・の各々は、対応する増幅部の演算増幅器OPの反転入力端子に一方の電極が接続された1組(p個(本実施の形態では3個))の容量C4,C5,C6と、容量C4,C5,C6の他方電極と当該入力容量形成部と同じブロックに属するp本(本実施の形態では3本)の垂直信号線との間をそれぞれオンオフする1組(p個(本実施の形態では、3個))の入力スイッチCS4,CS5,CS6と、容量C4,C5,C6の前記他方電極間が互いに電気的に接続された状態と互いに電気的に分離された状態とに切り替える切替手段としてのスイッチSW3,SW4(本実施の形態では、スイッチSW3は容量C4,C5の前記他方電極間をオンオフし、スイッチSW4は容量C5,C6の前記他方電極間をオンオフする。)と、を有している。例えば、図4に示すブロックにおいて、入力容量形成部IC2は、対応する増幅部CA2の演算増幅器OPの反転入力端子に一方の電極が接続された1組(3個)の容量C4,C5,C6と、容量C4,C5,C6の他方電極と3本の垂直信号線V2,V4,V6との間をそれぞれオンオフする1組(3個)の入力スイッチCS4,CS5,CS6と、容量C4,C5,C6の前記他方電極間が互いに電気的に接続された状態と互いに電気的に分離された状態とに切り替える切替手段としてのスイッチSW3,SW4と、を有している。
さらに、具体的には、本実施の形態では、前記k/2個の入力容量形成部IC1〜IC(k/2)のうちの2個置きの入力容量形成部IC3,IC6,IC9,・・・の各々は、対応する増幅部の演算増幅器OPの反転入力端子に一方の電極が接続された1組(p個(本実施の形態では3個))の容量C7,C8,C9と、容量C7,C8,C9の他方電極と当該入力容量形成部と同じブロックに属するp本(本実施の形態では3本)の垂直信号線との間をそれぞれオンオフする1組(p個(本実施の形態では、3個))の入力スイッチCS7,CS8,CS9と、容量C7,C8,C9の前記他方電極間が互いに電気的に接続された状態と互いに電気的に分離された状態とに切り替える切替手段としてのスイッチSW5,SW6(本実施の形態では、スイッチSW5は容量C7,C8の前記他方電極間をオンオフし、スイッチSW6は容量C8,C9の前記他方電極間をオンオフする。)と、を有している。例えば、図4に示すブロックにおいて、入力容量形成部IC3は、対応する増幅部CA3の演算増幅器OPの反転入力端子に一方の電極が接続された1組(3個)の容量C7,C8,C9と、容量C7,C8,C9の他方電極と3本の垂直信号線V2,V4,V6との間をそれぞれオンオフする1組(3個)の入力スイッチCS7,CS8,CS9と、容量C7,C8,C9の前記他方電極間が互いに電気的に接続された状態と互いに電気的に分離された状態とに切り替える切替手段としてのスイッチSW5,SW6と、を有している。
本実施の形態では、スイッチCS1〜CS9,SW1〜S6は、例えば、nMOSトランジスタで構成される。前記各ブロックの入力スイッチCS1のゲートが共通に接続され、そこには制御信号φ1が撮像制御部4から供給される。前記各ブロックの入力スイッチCS2,CS3のゲートが共通に接続され、そこには制御信号φ2が撮像制御部4から供給される。前記各ブロックの入力スイッチCS4,CS6のゲートが共通に接続され、そこには制御信号φ3が撮像制御部4から供給される。前記各ブロックの入力スイッチCS5のゲートが共通に接続され、そこには制御信号φ4が撮像制御部4から供給される。前記各ブロックの入力スイッチCS7,CS8のゲートが共通に接続され、そこには制御信号φ5が撮像制御部4から供給される。前記各ブロックの入力スイッチCS9のゲートが共通に接続され、そこには制御信号φ6が撮像制御部4から供給される。前記各ブロックのスイッチSW1〜SW6のゲートが共通に接続され、そこには制御信号φSWが撮像制御部4から供給される。各スイッチCS1〜CS9,SW1〜SW6は、そのゲートに供給される制御信号φ1〜φ6,φSWがハイレベル(H)の場合にオンする一方、そのゲートに供給される制御信号φ1〜φ6,φSWがローレベル(L)の場合にオフする。
図8は、前記増幅部CA1〜CA(k/2)及び前記入力容量形成部IC1〜IC(k/2)のうちの任意の1組の増幅部CA及び入力容量形成部ICの非加算時の状態(前記第2の入力容量形成状態)を示す回路図である。図9は、前記増幅部CA1〜CA(k/2)及び前記入力容量形成部IC1〜IC(k/2)のうちの任意の1組の増幅部CA及び入力容量形成部ICの加算時の状態(前記第1の入力容量形成状態)を示す回路図である。図8及び図9では、作動制御信号φSTBYを供給するラインは省略している。図8において、Viは、入力容量形成部ICに対して選択的に有効に接続される1本の垂直信号線を示し、Ciは、入力容量形成部ICが垂直信号線Viと増幅部CAの演算増幅器OPの反転入力端子との間に形成する1個の入力容量部を示す。図9において、Va,Vb,Vcは、入力容量形成部ICに対して有効に接続される1本置きの3本の垂直信号線を示し、Ca,Cb,Ccは、入力容量形成部ICが垂直信号線Va,Vb,Vcと増幅部CAの演算増幅器OPの反転入力端子との間に形成する3個の入力容量部を示す。
以下の説明において、垂直信号線Vi,Va,Vb,Vcの電圧もそれぞれ同じ符号Vi,Va,Vb,Vcで表記し、入力容量部Ca,Cb,Ccの容量値もそれぞれ同じ符号Ca,Cb,Ccで表記する。また、増幅部CAの帰還容量Cf及び入力容量形成部ICを構成する容量C1〜C9の容量値も、それぞれ同じ符号Cf,C1〜C9で表記する。
前記第2の入力容量形成状態では、制御信号φSWがハイレベルにされ、制御信号φCS1,φCS5,φCS9がハイレベルにされ、制御信号φCS2〜φCS4,φCS6〜φCS8がローレベルにされる。これにより、前記入力容量形成部IC1〜IC(k/2)の各々に関して、増幅部CAの演算増幅器OPの反転入力端子と垂直信号線Viとの間において、入力容量形成部ICの3個の容量(容量C1,C2,C3、又は、容量C4,C5,C6、又は、容量C7,C8,C9)が並列接続され、図8に示す状態となり、この並列接続された3個の容量が1個の入力容量部Ciを形成する。したがって、前記第2の入力容量形成状態では、入力容量形成部IC1,IC4,IC7,・・・においてCi=C1+C2+C3となり、入力容量形成部IC2,IC5,IC8,・・・においてCi=C4+C5+C6となり、入力容量形成部IC3,IC6,IC9,・・・においてCi=C7+C8+C9となる。本実施の形態では、C1+C2+C3=C4+C5+C6=C7+C8+C9=C0に設定され、いずれの入力容量形成部ICにおいてもCi=C0となっている。もっとも、必ずしも、C1+C2+C3=C4+C5+C6=C7+C8+C9に設定する必要はない。
この場合、信号φCARSTがハイレベルになると、カラムアンプリセットスイッチCARSTがオンして演算増幅器OPの反転入力端子と出力端子との間が短絡し、演算増幅器OPの出力端子が所定電位Vrefにリセットされる。その後、信号φCARSTがローレベルにされてカラムアンプリセットスイッチCARSTがオフした状態において、入力電圧Vi(垂直信号線Viの電圧)がΔViだけ変化すると、演算増幅器OPの出力端子の信号(出力電圧)Voutは、[Vref−(Ci/Cf)×ΔVi]となる。このように、カラムアンプリセットスイッチCARSTがオフすると、Vout=[Vref−(Ci/Cf)×ΔVi]=[Vref−{C0/Cf}×ΔVi]が得られる。
したがって、図8に示す状態では、入力容量形成部ICに対して選択的に有効に接続された垂直信号線の信号Viの変化分ΔViよる増幅出力、すなわち、1本の垂直信号線の非加算状態の信号が、出力信号Voutとして得られる。
なお、本実施の形態における増幅部CAを単一の容量を介して所定の垂直信号線に固定して接続するようにしたものが、いわゆるカラムアンプとして知られている。本実施の形態における信号φCARSTのタイミングは、その公知のカラムアンプと同様のタイミングで行えばよいので、その説明は省略する。この点は、図9の状態の場合も同じである。
前記第1の入力容量形成状態にして第1の重み(本実施の形態では、1:1:1)で重み付け加算する場合には、制御信号φSWがローレベルにされ、制御信号φCS1〜φCS3がハイレベルにされ、制御信号φCS4〜φCS9がローレベルにされる。これにより、前記入力容量形成部IC1〜IC(k/2)のうちのIC1,IC4,IC7,・・・に関して、3個の容量C1,C2,C3の前記他方の電極間が互いに電気的に分離された状態で、3個の容量C1,C2,C3の前記他方の電極が当該入力容量形成部と同じブロックに属する3本の垂直信号線にそれぞれ接続され、図9に示す状態となり、容量C1が入力容量部Caを形成し、容量C2が入力容量部Cbを形成し、容量C3が入力容量部Ccを形成する。本実施の形態では、C1,C2,C3は、前述したようにC1+C2+C3=C0となるとともに、C1:C2:C3=1:1:1となるように設定されている。すなわち、C1=C2=C3=C0/3に設定されている。したがって、前記入力容量形成部IC1〜IC(k/2)のうちのIC1,IC4,IC7,・・・に関して、図9に示す状態となり、Ca=Cb=Cc=C0/3となる。一方、残りの入力容量形成部IC2,IC3,IC5,IC6,IC8,IC9,・・・に関しては、容量C4〜C9の他方電極が、当該入力容量形成部と同じブロックに属する3本の垂直信号線から電気的に切り離され、図9に示す状態にはならない。なお、スイッチSW3〜SW6をスイッチSW1,SW2と独立してオンオフ制御し得るようにしてもよいが、その際において前記第1の入力容量形成状態にして前記第1の重みで重み付け加算する場合には、スイッチSW3〜SW6のオンオフ状態は任意でよい。
前記第1の入力容量形成状態にして第2の重み(本実施の形態では、1:2:1)で重み付け加算する場合には、制御信号φSWがローレベルにされ、制御信号φCS4〜φCS6がハイレベルにされ、制御信号φCS1〜φCS3,φCS7〜φCS9がローレベルにされる。これにより、前記入力容量形成部IC1〜IC(k/2)のうちのIC2,IC5,IC8,・・・に関して、3個の容量C4,C5,C6の前記他方の電極間が互いに電気的に分離された状態で、3個の容量C4,C5,C6の前記他方の電極が当該入力容量形成部と同じブロックに属する3本の垂直信号線にそれぞれ接続され、図9に示す状態となり、容量C4が入力容量部Caを形成し、容量C5が入力容量部Cbを形成し、容量C6が入力容量部Ccを形成する。本実施の形態では、C4,C5,C6は、前述したようにC4+C5+C6=C0となるとともに、C4:C5:C6=1:2:1となるように設定されている。すなわち、C4=C0/4、C5=C0/2、C6=C0/4に設定されている。したがって、前記入力容量形成部IC1〜IC(k/2)のうちのIC2,IC5,IC8,・・・に関して、図9に示す状態となり、Ca=C0/4、Cb=C0/2、Cc=C0/4となる。一方、残りの入力容量形成部IC1,IC3,IC4,IC6,IC7,IC9,・・・に関しては、容量C1〜C3,C7〜C9の他方電極が、当該入力容量形成部と同じブロックに属する3本の垂直信号線から電気的に切り離され、図9に示す状態にはならない。なお、スイッチSW1,SW2,SW5,SW6をスイッチSW3,SW4と独立してオンオフ制御し得るようにしてもよいが、その際において前記第1の入力容量形成状態にして前記第2の重みで重み付け加算する場合には、スイッチSW1,SW2,SW5,SW6のオンオフ状態は任意でよい。
前記第1の入力容量形成状態にして第3の重み(本実施の形態では、1:3:1)で重み付け加算する場合には、制御信号φSWがローレベルにされ、制御信号φCS7〜φCS9がハイレベルにされ、制御信号φCS1〜φCS6がローレベルにされる。これにより、前記入力容量形成部IC1〜IC(k/2)のうちのIC3,IC6,IC9,・・・に関して、3個の容量C7,C8,C9の前記他方の電極間が互いに電気的に分離された状態で、3個の容量C7,C8,C9の前記他方の電極が当該入力容量形成部と同じブロックに属する3本の垂直信号線にそれぞれ接続され、図9に示す状態となり、容量C7が入力容量部Caを形成し、容量C8が入力容量部Cbを形成し、容量C9が入力容量部Ccを形成する。本実施の形態では、C7,C8,C9は、前述したようにC7+C8+C9=C0となるとともに、C7:C8:C9=1:3:1となるように設定されている。すなわち、C7=C0/5、C8=3C0/5、C9=C0/5に設定されている。したがって、前記入力容量形成部IC1〜IC(k/2)のうちのIC3,IC6,IC9,・・・に関して、図9に示す状態となり、Ca=C0/5、Cb=3C0/5、Cc=C0/5となる。一方、残りの入力容量形成部IC1,IC2,IC4,IC5,IC7,IC8,・・・に関しては、容量C1〜C6の他方電極が、当該入力容量形成部と同じブロックに属する3本の垂直信号線から電気的に切り離され、図9に示す状態にはならない。なお、スイッチSW1〜SW4をスイッチSW5,SW6と独立してオンオフ制御し得るようにしてもよいが、その際において前記第1の入力容量形成状態にして前記第3の重みで重み付け加算する場合には、スイッチSW1〜SW4のオンオフ状態は任意でよい。
これらの図9に示す状態の場合、信号φCARSTがハイレベルになると、カラムアンプリセットスイッチCARSTがオンして演算増幅器OPの反転入力端子と出力端子との間が短絡し、演算増幅器OPの出力端子が所定電位Vrefにリセットされる。その後、信号φCARSTがローレベルにされてカラムアンプリセットスイッチCARSTがオフした状態において、入力電圧Va,Vb,Vc(垂直信号線Va,Vb,Vcの電圧)がそれぞれΔVa,ΔVb,ΔVcだけ変化すると、演算増幅器OPの出力端子の信号(出力電圧)Voutは、[Vref−[{(Ca/Cf)×ΔVa}+{(Cb/Cf)×ΔVb}+{(Cc/Cf)×ΔVc}]]となる。このように、カラムアンプリセットスイッチCARSTがオフすると、Vout=[Vref−[{(Ca/Cf)×ΔVa}+{(Cb/Cf)×ΔVb}+{(Cc/Cf)×ΔVc}]]が得られる。したがって、図9に示す状態では、ΔVaとΔVbとΔVcとがCa:Cb:Ccの重みで重み付け加算された信号が、出力信号Voutとして得られる。
したがって、前記第1の入力容量形成状態にして第1の重み(本実施の形態では、1:1:1)で重み付け加算する場合には、Ca=Cb=Cc=C0/3となることから、Vout=[Vref−[{(C0/3Cf)×ΔVa}+{(C0/3Cf)×ΔVb}+{(C0/3Cf)×ΔVc}]]となる。したがって、増幅部CA1,CA4,CA7,・・・の各出力信号Voutとして、当該増幅部と同じブロックに属する3本の垂直信号線の信号に関するΔVaとΔVbとΔVcとが1:1:1の重みで重み付け加算された信号が得られる。
また、前記第1の入力容量形成状態にして第2の重み(本実施の形態では、1:2:1)で重み付け加算する場合には、Ca=C0/4、Cb=C0/2、Cc=C0/4となることから、Vout=[Vref−[{(C0/4Cf)×ΔVa}+{(C0/2Cf)×ΔVb}+{(C0/4Cf)×ΔVc}]]となる。したがって、増幅部CA2,CA5,CA8,・・・の各出力信号Voutとして、当該増幅部と同じブロックに属する3本の垂直信号線の信号に関するΔVaとΔVbとΔVcとが1:2:1の重みで重み付け加算された信号が得られる。
さらに、前記第1の入力容量形成状態にして第3の重み(本実施の形態では、1:3:1)で重み付け加算する場合には、Ca=C0/5、Cb=3C0/5、Cc=C0/5となることから、Vout=[Vref−[{(C0/5Cf)×ΔVa}+{(3C0/5Cf)×ΔVb}+{(C0/5Cf)×ΔVc}]]となる。したがって、増幅部CA3,CA6,CA9,・・・の各出力信号Voutとして、当該増幅部と同じブロックに属する3本の垂直信号線の信号に関するΔVaとΔVbとΔVcとが1:3:1の重みで重み付け加算された信号が得られる。
なお、前記第1乃至第3の重みは、必ずしも1:1:1、1:2:1、1:3:1に限らない。C1〜C9の値を適宜設定することによって、前記第1乃至第3の重みを適宜設定することができる。このとき、Ca=CcかつCb≧Caとなるように(すなわち、入力容量部Ca,Cb,Ccの容量値Ca,Cb,Ccの対称性を担保しつつ、中央の入力容量部Cbの容量値Cbを周辺の入力容量部Ca,Ccの容量値Ca,Ccと同じかそれよりも大きくなるように)、C1〜C9の値を設定することが好ましい。
先の説明からわかるように、本実施の形態では、前記2の容量形成状態におけるCiも、いずれの重みとした前記第1の容量形成状態におけるCa+Cb+Ccも、C0となっている。したがって、前述した式から理解できるように、本実施の形態では、いずれの場合も、出力信号Voutのレベルが揃っており、それらの出力信号Voutのレベル合わせを行う必要がないので、好ましい。もっとも、本発明では、必ずしもこれに限らない。その場合には、必要に応じて、可変ゲインアンプ等を用いて、各状態の出力信号Voutをレベル合わせすればよい。
ここで、図5を参照する。本実施の形態では、図5にその一部を示すように、上側信号出力回路24は、OB画素部21Bの偶数列目の垂直信号線Vk+2,Vk+4,…,Vmにそれぞれ対応して設けられた、{(m/2)−(k/2)}個の入力容量形成部IC(k/2)+1〜IC(m/2)及び{(m/2)−(k/2)}個の増幅部CA(k/2)+1〜CA(m/2)を有している。これらは、OB画素用であり、図4に関連して説明した有効画素部21Aの偶数列目の垂直信号線V2,V4,…,Vkにそれぞれ対応して設けられた、k/2個の入力容量形成部IC1〜IC(k/2)及びk/2個の増幅部CA1〜CA(k/2)と、それぞれ同様に構成されている。
ただし、本実施の形態では、有効画素PXについては水平画素加算と水平画素非加算とを切り替えるのに対し、OB画素については常に、水平画素非加算として、OB画素の全列の信号を個別に読み出すように構成されている。
すなわち、OB画素用入力容量形成部IC(k/2)+1〜IC(m/2)では、スイッチSW1〜SW6,CS1,CS5,CS9のゲートに固定的にハイレベルが印加されて常時スイッチSW1〜SW6,CS1,CS5,CS9がオンするとともに、スイッチCS2〜CS4,CS6〜CS8のゲートに固定的にローレベルが印加されて常時スイッチCS2〜CS4,CS6〜CS8がオフする。これにより、OB画素用入力容量形成部IC(k/2)+1〜IC(m/2)は、図8に示す非加算状態に固定されている。なお、これと同じ電気的接続状態を実現するべく、OB画素用入力容量形成部IC(k/2)+1〜IC(m/2)のスイッチSW1〜SW6,CS1〜CS9を取り除いて、オン状態のスイッチSW1〜SW6,CS1,CS5,CS9で接続される箇所を配線で接続してもよい。しかし、この場合には、回路の均一性が低下し、信号にオフセット等が生じ易いので、本実施の形態のようにOB画素用入力容量形成部IC(k/2)+1〜IC(m/2)のスイッチSW1〜SW6,CS1,CS5,CS9を設けることが好ましい。
また、OB画素用増幅部CA(k/2)+1〜CA(m/2)の演算増幅器OPには、作動制御信号φSTBY1〜φSTBY3とは独立した作動制御信号φSTBY−OBが供給されており、OB画素用増幅部CA(k/2)+1〜CA(m/2)を、前述した増幅部CA1〜CA(k/2)から独立して、常時作動状態にし得るようになっている。
図6に示すように、上側信号出力回路24は、前述した増幅部CA1〜CA(m/2)にそれぞれ対応して設けられたサンプリング部CDS1〜CDS(m/2)と、水平走査回路31と、水平信号線32N,32Sと、水平線リセットトランジスタRTHS,RTHNと、出力アンプAPS,APNとを有している。
水平走査回路31は、撮像制御部4の制御下で、サンプリング部CDS1〜CDS(m/2)の各々毎にあるいはそのうちの選択されたもの毎に、水平走査信号φHを出力し、水平走査の制御を行う。φHに付した(m/2)はm列目の信号であることを示している。
サンプリング部CDS1〜CDS(m/2)には、対応する増幅部CA1〜CA(m/2)の演算増幅器OPの出力端子が接続されている。各サンプリング部CDS1〜CDS(m/2)は、第1の容量CSと、第2の容量CNとを有している。本実施の形態では、第1の容量CSは、光信号等を蓄積する容量である。第2の容量CNは、前記光信号等から差し引くべきノイズ成分を含む差分用信号を蓄積する容量である。また、各サンプリング部CDS1〜CDS(m/2)は、第1及び第2の入力スイッチTVS,TVNと、第1及び第2の出力スイッチTHS,THNとを有している。各サンプリング部CDS1〜CDS(m/2)は、対応する増幅部CA1〜CA(m/2)の出力信号Voutを制御信号φTVN,φTVSに従ってサンプリングして保持するとともに、当該保持された信号を水平走査回路31からの水平走査信号φHに従って水平信号線32N,32Sへ供給する。水平信号線32N,32Sに出力された光信号等及び差分用信号はそれぞれ出力アンプAPS,APNを介して増幅され、図1中の信号処理部5へ出力される。信号処理部5は、出力アンプAPS,APNの出力間の差分を、差動アンプ等によって得る。これにより相関2重サンプリングが実現される。なお、そのような差動アンプ等は、固体撮像素子3に搭載してもよい。このサンプリング部CDS1〜CDS(m/2)は、増幅部CA1〜CA(m/2)のオフセットを取り除くために設けられている。なお、水平線リセットトランジスタRTHS,RTHNは水平信号線32S,32Nをそれぞれ水平線リセット制御信号φRTHに従って所定タイミングで所定電位Vref0にリセットする。
このようなサンプリング部CDS1〜CDS(m/2)自体については、公知であるので、その詳細な説明は省略する。
図面には示していないが、図2中の下側信号出力回路25は、上側信号出力回路24を上下反転させた回路と同様である。ただし、下側信号出力回路25では、水平画素加算時に信号の加算対象となる各3本の垂直信号線が、V5,V7,V9の3本、V11,V13,V15の3本、・・・となるように、前述したブロックが定められている。このとき、下側信号出力回路25において、入力容量形成部IC1,IC2は、垂直信号線V1,V3に共通に接続され、入力容量形成部IC1,IC2、増幅部CA1,CA2及び垂直信号線V1,V2は、不完全なブロックを構成している。これらの点は、後述する図12も参照されたい。具体的には、下側信号出力回路25では、入力容量形成部IC1,IC4,IC7,・・・は容量C4〜C6及びスイッチCS4〜CS6,SW3,SW4で構成され、入力容量形成部IC2,IC5,IC8,・・・は容量C7〜C9及びスイッチCS7〜CS9,SW5,SW6で構成され、入力容量形成部IC3,IC6,IC9,・・・は容量C1〜C3及びスイッチCS1〜CS3,SW1,SW2で構成され、垂直信号線V1が入力容量形成部IC1,IC2のスイッチCS5,CS8に接続され、垂直信号線V3が入力容量形成部IC1,IC2のスイッチCS6,CS9に接続され、垂直信号線V5が入力容量形成部IC3,IC4,IC5のスイッチCS1,CS4,CS7に接続され、垂直信号線V7が入力容量形成部IC3,IC4,IC5のスイッチCS2,CS5,CS8に接続され、垂直信号線V9が入力容量形成部IC3,IC4,IC5のスイッチCS3,CS6,CS9に接続され、垂直信号線V11が入力容量形成部IC6,IC7,IC9のスイッチCS1,CS4,CS7に接続され、垂直信号線V13が入力容量形成部IC6,IC7,IC8のスイッチCS2,CS5,CS8に接続され、垂直信号線V14が入力容量形成部IC6,IC7,IC8のスイッチCS3,CS6,CS9に接続され、垂直信号線V15,V17,V19,・・・についても同様である。
本実施の形態では、このように、信号出力回路が上側信号出力回路24と下側信号出力回路25とに分けられているので、スペースを有効に活用することができるとともに、両者の処理を並行して行うことで処理の高速化を図ることができる。もっとも、本発明では、信号出力回路を上側又は下側のいずれか一方側にのみ配置してもよい。
次に、図2に示す固体撮像素子3の動作例について説明する。
本実施の形態では、通常の本撮影時(静止画撮影時)などにおいて、全画素PXの信号を水平画素非加算で読み出す動作モード(以下、「水平画素非加算読み出しモード」と呼ぶ。)が行われる。
図10は、図2に示す固体撮像素子3の水平画素非加算読み出しモードの特徴的な動作を模式的に示す動作説明図である。図11は、図2に示す固体撮像素子3の水平画素非加算読み出しモードでの制御信号の状態を示すタイミングチャートである。
水平画素非加算読み出しモードでは、図11に示すように、上側及び下側の(上側信号出力回路24及び下側信号出力回路25の)制御信号φSW,φCS1,φCS5,φCS9がハイレベルに維持される一方、上側及び下側の制御信号φCS2〜φCS4,φCS6〜φCS8がローレベルに維持される。したがって、上側及び下側の有効画素用入力容量形成部IC1〜IC(k/2)はいずれも、図8に示す非加算状態に維持される。上側及び下側のOB画素用入力容量形成部IC(k/2)+1〜IC(m/2)は、そもそも図8に示す非加算状態に固定されている。
水平画素非加算読み出しモードでは、図10からも理解できるように、偶数列目の垂直信号線V2,V4,…,Vmが、図8に示す前記第2の入力容量形成状態(非加算時の状態)の入力容量形成部IC1〜IC(m/2)の入力容量部Ciを介して、上側の増幅部CA1〜CA(m/2)の入力部(演算増幅器OPの反転入力端子)にそれぞれ接続される。また、水平画素非加算読み出しモードでは、図10からも理解できるように、奇数列目の垂直信号線V1,V3,…,Vm−1が、図8に示す前記第2の入力容量形成状態(非加算時の状態)の入力容量形成部IC1〜IC(m/2)の入力容量部Ciを介して、下側の増幅部CA1〜CA(m/2)の入力部(演算増幅器OPの反転入力端子)にそれぞれ接続される。
また、水平画素非加算読み出しモードでは、図11に示すように、上側及び下側の作動制御信号φSTBY1〜φSTBY3,φSTBY−OBがローレベルに維持され、上側及び下側の全ての増幅部CA1〜CA(m/2)は作動状態に維持される。
そして、水平画素非加算読み出しモードでは、撮像制御部4による制御下で垂直走査回路23によって、1行目からn行目まで順次1行ずつ読み出し対象として選択され、読み出し対象の行の各画素PX,OBの信号が、対応する列の垂直信号線V1〜Vmに出力される。
図10に示すように、奇数行目が読み出し対象となっている場合には、偶数列目の垂直信号線V2,V4,…,Vmには、対応する列のGr画素(Grカラーフィルタが設けられた有効画素PX及びOB画素OB)の信号が出力され、奇数列目の垂直信号線V1,V3,…,Vm−1には、対応する列のR画素の信号が出力される。偶数列目の垂直信号線V2,V4,…,Vmに出力されたGr画素の信号は、図8に示す非加算状態の上側の入力容量形成部IC1〜IC(m/2)を介して上側の増幅部CA1〜CA(m/2)によって増幅された後に、上側のサンプリング部CDS1〜CDS(m/2)によりサンプリングされた後に、このサンプリングされた全てのGr画素の信号が上側の水平走査回路31によって順次出力アンプAPS,APNから出力される。奇数列目の垂直信号線V1,V3,…,Vm−1に出力されたR画素の信号は、図8に示す非加算状態の下側の入力容量形成部IC1〜IC(m/2)を介して下側の増幅部CA1〜CA(m/2)によって増幅された後に、下側のサンプリング部CDS1〜CDS(m/2)によりサンプリングされた後に、このサンプリングされた全てのR画素の信号が下側の水平走査回路31によって順次出力アンプAPS,APNから出力される。
図10に示すように、偶数行目が読み出し対象となっている場合には、偶数列目の垂直信号線V2,V4,…,Vmには、対応する列のB画素の信号が出力され、奇数列目の垂直信号線V1,V3,…,Vm−1には、対応する列のGb画素の信号が出力される。偶数列目の垂直信号線V2,V4,…,Vmに出力されたB画素の信号は、図8に示す非加算状態の上側の入力容量形成部IC1〜IC(m/2)を介して上側の増幅部CA1〜CA(m/2)によって増幅された後に、上側のサンプリング部CDS1〜CDS(m/2)によりサンプリングされた後に、このサンプリングされた全てのB画素の信号が上側の水平走査回路31によって順次出力アンプAPS,APNから出力される。奇数列目の垂直信号線V1,V3,…,Vm−1に出力されたGb画素の信号は、図8に示す非加算状態の下側の入力容量形成部IC1〜IC(m/2)を介して下側の増幅部CA1〜CA(m/2)によって増幅された後に、下側のサンプリング部CDS1〜CDS(m/2)によりサンプリングされた後に、このサンプリングされた全てのGb画素の信号が下側の水平走査回路31によって順次出力アンプAPS,APNから出力される。
このようにして、水平画素非加算読み出しモードでは、全ての画素PX,OBの信号を水平加算することなく読み出すことができる。
本実施の形態では、電子ビューファインダーモード時や動画撮影時などにおいて、有効画素PXの信号を水平画素加算して読み出す動作モード(以下、「水平画素加算モード」と呼ぶ。)が行われる。このとき、操作部9aによる設定又は所定の条件等に応じて、前記第1の重み(1:1:1)、前記第2の重み(1:2:1)及び前記第3の重み(1:3:1)のいずれかで重み付け加算される。
図12は、図2に示す固体撮像素子3の水平画素加算読み出しモードの特徴的な動作を模式的に示す動作説明図である。図13は、図2に示す固体撮像素子の1:1:1の重み付けによる水平画素加算読み出しモードでの制御信号の状態を示すタイミングチャートである。
1:1:1の重み付けによる水平画素加算読み出しモードでは、図13に示すように、上側及び下側の制御信号φSW,φCS4〜φCS9がローレベルに維持される一方、上側及び下側の制御信号φCS1〜φCS3がハイレベルに維持される。したがって、上側の有効画素用増幅部CA1,CA4,CA7,・・・、及び、下側の有効画素用増幅部CA3,CA6,CA9,・・・は、図9に示す加算状態(ただし、Ca:Cb:Cc=C1:C2:C3=1:1:1)に維持される。このため、上側の有効画素用増幅部CA1,CA4,CA7,・・・の各々から、当該増幅部と同じブロックに属する3本の垂直信号線の信号を1:1:1の重みで重み付け加算した信号が出力され、下側の有効画素用増幅部CA3,CA6,CA9,・・・の各々から、当該増幅部と同じブロックに属する3本の垂直信号線の信号を1:1:1の重みで重み付け加算した信号が出力される。例えば、上側の有効画素用増幅部CA1から、当該増幅部CA1と同じブロックに属する3本の垂直信号線V2,V4,V6の信号を1:1:1の重みで重み付け加算した信号が出力され、下側の有効画素用増幅部CA3から、当該増幅部CA3と同じブロックに属する3本の垂直信号線V5,V7,V9の信号を1:1:1の重みで重み付け加算した信号が出力される。一方、上側及び下側のOB画素用増幅部CA(k/2)+1〜CA(m/2)は、そもそも図8に示す非加算状態に固定されている。
1:1:1の重み付けによる水平画素加算読み出しモードでは、図13に示すように、上側の制御信号φSTBY1,φSTBY−OBがローレベルに維持され、上側のφSTBY2,φSTBY3がハイレベルに維持される。したがって、上側信号出力回路24では、有効画素部21Aに関しては、有効画素用増幅部CA1,CA4,CA7,…のみが作動状態に維持され、残りの有効画素用増幅部CA2,CA3,CA5,CA6,CA8,CA9,…は作動停止状態に維持される。上側のOB画素用増幅部CA(k/2)+1〜CA(m/2)は、作動状態に維持される。
1:1:1の重み付けによる水平画素加算読み出しモードでは、図13に示すように、下側の制御信号φSTBY3,φSTBY−OBがローレベルに維持され、上側のφSTBY1,φSTBY2がハイレベルに維持される。したがって、下側信号出力回路25では、有効画素部21Aに関しては、有効画素用増幅部CA3,CA6,CA9,…のみが作動状態に維持され、残りの有効画素用増幅部CA1,CA2,CA4,CA5,CA7,CA8,…は作動停止状態に維持される。下側のOB画素用増幅部CA(k/2)+1〜CA(m/2)は、作動状態に維持される。
そして、1:1:1の重み付けによる水平画素加算読み出しモードでは、撮像制御部4による制御下で垂直走査回路23によって、1行目からn行目まで順次1行ずつ読み出し対象として選択され、読み出し対象の行の各画素PX,OBの信号が、対応する列の垂直信号線V1〜Vmに出力される。
図12に示すように、奇数行目が読み出し対象となっている場合には、偶数列目の垂直信号線V2,V4,…,Vmには、対応する列のGr画素(Grカラーフィルタが設けられた有効画素PX及びOB画素OB)の信号が出力され、奇数列目の垂直信号線V1,V3,…,Vm−1には、対応する列のR画素の信号が出力される。
偶数列目の垂直信号線V2,V4,…,Vkに出力されたGr画素の信号は、図9に示す加算状態となっていてかつ作動状態にある上側の有効画素用増幅部CA1,CA4,CA7,…によって、互いに重複しない3つのGr画素の信号ずつ1:1:1の重みで加算される。偶数列目の垂直信号線Vk+2,…,Vmに出力されたGr画素の信号は、図8に示す非加算状態となっていてかつ作動状態である上側のOB画素用増幅部CA(k/2)+1〜CA(m/2)によって増幅される。これらの有意の信号を含む上側の増幅部CA1〜CA(m/2)の出力信号は、上側のサンプリング部CDS1〜CDS(m/2)によりサンプリングされた後に、このサンプリングされた信号が上側の水平走査回路31によって順次出力アンプAPS,APNから出力される。このとき、上側の水平走査回路31は、このサンプリングされた全ての信号を出力させる(全列読み出しする)ようにしてもよいし、上側の有効画素用増幅部CA1,CA4,CA7,…の出力信号(Gr画素の加算信号)と上側OB画素用増幅部CA(k/2)+1〜CA(m/2)の出力信号(Gr画素の非加算信号)のみを選択的に出力させる(列選択読み出しする)ようにしてもよい。前者の場合は、後段の回路で不要信号は使用しなければよい。
奇数列目の垂直信号線V5,V7,…,Vk−1に出力されたR画素の信号は、図9に示す加算状態となっていてかつ作動状態である下側の有効画素用増幅部CA3,CA6,CA9,…によって、互いに重複しない3つのR画素の信号ずつ1:1:1の重みで加算される。奇数列目の垂直信号線Vk+1,…,Vm−1に出力されたR画素の信号は、図8に示す非加算状態となっていてかつ作動状態である下側のOB画素用増幅部CA(k/2)+1〜CA(m/2)によって増幅される。これらの有意の信号を含む下側の増幅部CA1〜CA(m/2)の出力信号は、下側のサンプリング部CDS1〜CDS(m/2)によりサンプリングされた後に、このサンプリングされた信号が下側の水平走査回路31によって順次出力アンプAPS,APNから出力される。このとき、下側の水平走査回路31は、このサンプリングされた全ての信号を出力させる(全列読み出しする)ようにしてもよいし、下側の有効画素用増幅部CA3,CA6,CA9,…の出力信号(R画素の加算信号)と下側のOB画素用増幅部CA(k/2)+1〜CA(m/2)の出力信号(R画素の非加算信号)のみを選択的に出力させる(列選択読み出しする)ようにしてもよい。前者の場合は、後段の回路で不要信号は使用しなければよい。
図12に示すように、偶数行目が読み出し対象となっている場合には、偶数列目の垂直信号線V2,V4,…,Vmには、対応する列のB画素の信号が出力され、奇数列目の垂直信号線V1,V3,…,Vm−1には、対応する列のGb画素の信号が出力される。
偶数列目の垂直信号線V2,V4,…,Vkに出力されたB画素の信号は、図9に示す加算状態となっていてかつ作動状態にある上側の有効画素用増幅部CA1,CA4,CA7,…によって、互いに重複しない3つのB画素の信号ずつ1:1:1の重みで加算される。偶数列目の垂直信号線Vk+2,…,Vmに出力されたB画素の信号は、図8に示す非加算状態となっていてかつ作動状態である上側のOB画素用増幅部CA(k/2)+1〜CA(m/2)によって増幅される。これらの有意の信号を含む上側の増幅部CA1〜CA(m/2)の出力信号は、上側のサンプリング部CDS1〜CDS(m/2)によりサンプリングされた後に、このサンプリングされた信号が上側の水平走査回路31によって順次出力アンプAPS,APNから出力される。このとき、上側の水平走査回路31は、このサンプリングされた全ての信号を出力させる(全列読み出しする)ようにしてもよいし、上側の有効画素用増幅部CA1,CA4,CA7,…の出力信号(Gr画素の加算信号)と上側OB画素用増幅部CA(k/2)+1〜CA(m/2)の出力信号(B画素の非加算信号)のみを選択的に出力させる(列選択読み出しする)ようにしてもよい。前者の場合は、後段の回路で不要信号は使用しなければよい。
奇数列目の垂直信号線V5,V7,…,Vk−1に出力されたGb画素の信号は、図9に示す加算状態となっていてかつ作動状態である下側の有効画素用増幅部CA3,CA6,CA9,…によって、互いに重複しない3つのGb画素の信号ずつ加算される。奇数列目の垂直信号線Vk+1,…,Vm−1に出力されたGb画素の信号は、図8に示す非加算状態となっていてかつ作動状態である下側のOB画素用増幅部CA(k/2)+1〜CA(m/2)によって増幅される。これらの有意の信号を含む下側の増幅部CA1〜CA(m/2)の出力信号は、下側のサンプリング部CDS1〜CDS(m/2)によりサンプリングされた後に、このサンプリングされた信号が下側の水平走査回路31によって順次出力アンプAPS,APNから出力される。このとき、下側の水平走査回路31は、このサンプリングされた全ての信号を出力させる(全列読み出しする)ようにしてもよいし、下側の有効画素用増幅部CA3,CA6,CA9,…の出力信号(Gb画素の加算信号)と下側のOB画素用増幅部CA(k/2)+1〜CA(m/2)の出力信号(Gb画素の加算信号)のみを選択的に出力させる(列選択読み出しする)ようにしてもよい。前者の場合は、後段の回路で不要信号は使用しなければよい。
このようにして、1:1:1の重み付けによる水平画素加算読み出しモードでは、有効画素PXの信号を1:1:1の重み付けで水平加算して読み出すことができる一方で、全てのOB画素OBの信号を水平画素加算することなく読み出すことができる。
このようにして読み出した信号から最終的な動画像等を得るには、例えば、図1中の信号処理部5あるいは画像処理部13で、垂直方向の3画素加算処理を行ってもよい。あるいは、前述した例では、垂直走査回路23によって1行ずつ読み出されているが、3行おきに読み出し、垂直方向は間引き読み出ししてもよい。あるいは、固体撮像素子3を垂直方向の画素加算し得るように構成しておき、垂直方向も画素加算読み出ししてもよい。これらの点は、後述する1:2:1又は1:3:1の重み付けによる水平画素加算読み出しモードについても同様である。
図14は、図2に示す固体撮像素子の1:2:1の重み付けによる水平画素加算読み出しモードでの制御信号の状態を示すタイミングチャートである。
1:2:1の重み付けによる水平画素加算読み出しモードでは、図14に示すように、上側及び下側の制御信号φSW,φCS1〜φCS3,φCS7〜φCS9がローレベルに維持される一方、上側及び下側の制御信号φCS4〜φCS6がハイレベルに維持される。したがって、上側の有効画素用増幅部CA2,CA5,CA8,・・・、及び、下側の有効画素用増幅部CA4,CA7,CA10,・・・は、図9に示す加算状態(ただし、Ca:Cb:Cc=C4:C5:C6=1:2:1)に維持される。このため、上側の有効画素用増幅部CA2,CA5,CA8,・・・の各々から、当該増幅部と同じブロックに属する3本の垂直信号線の信号を1:2:1の重みで重み付け加算した信号が出力され、下側の有効画素用増幅部CA4,CA7,CA10,・・・の各々から、当該増幅部と同じブロックに属する3本の垂直信号線の信号を1:2:1の重みで重み付け加算した信号が出力される。例えば、上側の有効画素用増幅部CA2から、当該増幅部CA2と同じブロックに属する3本の垂直信号線V2,V4,V6の信号を1:2:1の重みで重み付け加算した信号が出力され、下側の有効画素用増幅部CA4から、当該増幅部CA4と同じブロックに属する3本の垂直信号線V5,V7,V9の信号を1:2:1の重みで重み付け加算した信号が出力される。一方、上側及び下側のOB画素用増幅部CA(k/2)+1〜CA(m/2)は、そもそも図8に示す非加算状態に固定されている。
1:2:1の重み付けによる水平画素加算読み出しモードでは、図14に示すように、上側の制御信号φSTBY2,φSTBY−OBがローレベルに維持され、上側のφSTBY1,φSTBY3がハイレベルに維持される。したがって、上側信号出力回路24では、有効画素部21Aに関しては、有効画素用増幅部CA2,CA5,CA8,…のみが作動状態に維持され、残りの有効画素用増幅部CA1,CA3,CA4,CA6,CA7,CA9,…は作動停止状態に維持される。上側のOB画素用増幅部CA(k/2)+1〜CA(m/2)は、作動状態に維持される。
1:2:1の重み付けによる水平画素加算読み出しモードでは、図14に示すように、下側の制御信号φSTBY1,φSTBY−OBがローレベルに維持され、上側のφSTBY2,φSTBY3がハイレベルに維持される。したがって、下側信号出力回路25では、有効画素部21Aに関しては、有効画素用増幅部CA1,CA4,CA7,CA10,…のみが作動状態に維持され、残りの有効画素用増幅部CA2,CA3,CA5,CA6,CA8,CA9,…は作動停止状態に維持される。下側のOB画素用増幅部CA(k/2)+1〜CA(m/2)は、作動状態に維持される。
そして、1:2:1の重み付けによる水平画素加算読み出しモードでは、撮像制御部4による制御下で垂直走査回路23によって、1行目からn行目まで順次1行ずつ読み出し対象として選択され、読み出し対象の行の各画素PX,OBの信号が、対応する列の垂直信号線V1〜Vmに出力される。
図12に示すように、奇数行目が読み出し対象となっている場合には、偶数列目の垂直信号線V2,V4,…,Vmには、対応する列のGr画素(Grカラーフィルタが設けられた有効画素PX及びOB画素OB)の信号が出力され、奇数列目の垂直信号線V1,V3,…,Vm−1には、対応する列のR画素の信号が出力される。
偶数列目の垂直信号線V2,V4,…,Vkに出力されたGr画素の信号は、図9に示す加算状態となっていてかつ作動状態にある上側の有効画素用増幅部CA2,CA5,CA8,…によって、互いに重複しない3つのGr画素の信号ずつ1:2:1の重みで加算される。偶数列目の垂直信号線Vk+2,…,Vmに出力されたGr画素の信号は、図8に示す非加算状態となっていてかつ作動状態である上側のOB画素用増幅部CA(k/2)+1〜CA(m/2)によって増幅される。これらの有意の信号を含む上側の増幅部CA1〜CA(m/2)の出力信号は、上側のサンプリング部CDS1〜CDS(m/2)によりサンプリングされた後に、このサンプリングされた信号が上側の水平走査回路31によって順次出力アンプAPS,APNから出力される。このとき、上側の水平走査回路31は、このサンプリングされた全ての信号を出力させる(全列読み出しする)ようにしてもよいし、上側の有効画素用増幅部CA2,CA5,CA8,…の出力信号(Gr画素の加算信号)と上側OB画素用増幅部CA(k/2)+1〜CA(m/2)の出力信号(Gr画素の非加算信号)のみを選択的に出力させる(列選択読み出しする)ようにしてもよい。前者の場合は、後段の回路で不要信号は使用しなければよい。
奇数列目の垂直信号線V5,V7,…,Vk−1に出力されたR画素の信号は、図9に示す加算状態となっていてかつ作動状態である下側の有効画素用増幅部CA4,CA7,CA10,…によって、互いに重複しない3つのR画素の信号ずつ1:2:1の重みで加算される。奇数列目の垂直信号線Vk+1,…,Vm−1に出力されたR画素の信号は、図8に示す非加算状態となっていてかつ作動状態である下側のOB画素用増幅部CA(k/2)+1〜CA(m/2)によって増幅される。これらの有意の信号を含む下側の増幅部CA1〜CA(m/2)の出力信号は、下側のサンプリング部CDS1〜CDS(m/2)によりサンプリングされた後に、このサンプリングされた信号が下側の水平走査回路31によって順次出力アンプAPS,APNから出力される。このとき、下側の水平走査回路31は、このサンプリングされた全ての信号を出力させる(全列読み出しする)ようにしてもよいし、下側の有効画素用増幅部CA4,CA7,CA10,…の出力信号(R画素の加算信号)と下側のOB画素用増幅部CA(k/2)+1〜CA(m/2)の出力信号(R画素の非加算信号)のみを選択的に出力させる(列選択読み出しする)ようにしてもよい。前者の場合は、後段の回路で不要信号は使用しなければよい。
図12に示すように、偶数行目が読み出し対象となっている場合には、偶数列目の垂直信号線V2,V4,…,Vmには、対応する列のB画素の信号が出力され、奇数列目の垂直信号線V1,V3,…,Vm−1には、対応する列のGb画素の信号が出力される。
偶数列目の垂直信号線V2,V4,…,Vkに出力されたB画素の信号は、図9に示す加算状態となっていてかつ作動状態にある上側の有効画素用増幅部CA2,CA5,CA8,…によって、互いに重複しない3つのB画素の信号ずつ1:2:1の重みで加算される。偶数列目の垂直信号線Vk+2,…,Vmに出力されたB画素の信号は、図8に示す非加算状態となっていてかつ作動状態である上側のOB画素用増幅部CA(k/2)+1〜CA(m/2)によって増幅される。これらの有意の信号を含む上側の増幅部CA1〜CA(m/2)の出力信号は、上側のサンプリング部CDS1〜CDS(m/2)によりサンプリングされた後に、このサンプリングされた信号が上側の水平走査回路31によって順次出力アンプAPS,APNから出力される。このとき、上側の水平走査回路31は、このサンプリングされた全ての信号を出力させる(全列読み出しする)ようにしてもよいし、上側の有効画素用増幅部CA2,CA5,CA8,…の出力信号(Gr画素の加算信号)と上側OB画素用増幅部CA(k/2)+1〜CA(m/2)の出力信号(B画素の非加算信号)のみを選択的に出力させる(列選択読み出しする)ようにしてもよい。前者の場合は、後段の回路で不要信号は使用しなければよい。
奇数列目の垂直信号線V5,V7,…,Vk−1に出力されたGb画素の信号は、図9に示す加算状態となっていてかつ作動状態である下側の有効画素用増幅部CA4,CA7,CA10,…によって、互いに重複しない3つのGb画素の信号ずつ加算される。奇数列目の垂直信号線Vk+1,…,Vm−1に出力されたGb画素の信号は、図8に示す非加算状態となっていてかつ作動状態である下側のOB画素用増幅部CA(k/2)+1〜CA(m/2)によって増幅される。これらの有意の信号を含む下側の増幅部CA1〜CA(m/2)の出力信号は、下側のサンプリング部CDS1〜CDS(m/2)によりサンプリングされた後に、このサンプリングされた信号が下側の水平走査回路31によって順次出力アンプAPS,APNから出力される。このとき、下側の水平走査回路31は、このサンプリングされた全ての信号を出力させる(全列読み出しする)ようにしてもよいし、下側の有効画素用増幅部CA4,CA7,CA10,…の出力信号(Gb画素の加算信号)と下側のOB画素用増幅部CA(k/2)+1〜CA(m/2)の出力信号(Gb画素の加算信号)のみを選択的に出力させる(列選択読み出しする)ようにしてもよい。前者の場合は、後段の回路で不要信号は使用しなければよい。
このようにして、1:2:1の重み付けによる水平画素加算読み出しモードでは、有効画素PXの信号を1:2:1の重み付けで水平加算して読み出すことができる一方で、全てのOB画素OBの信号を水平画素加算することなく読み出すことができる。
図15は、図2に示す固体撮像素子の1:3:1の重み付けによる水平画素加算読み出しモードでの制御信号の状態を示すタイミングチャートである。
1:3:1の重み付けによる水平画素加算読み出しモードでは、図15に示すように、上側及び下側の制御信号φSW,φCS1〜φCS6がローレベルに維持される一方、上側及び下側の制御信号φCS7〜φCS9がハイレベルに維持される。したがって、上側の有効画素用増幅部CA3,CA4,CA9,・・・、及び、下側の有効画素用増幅部CA5,CA8,CA11,・・・は、図9に示す加算状態(ただし、Ca:Cb:Cc=C7:C8:C9=1:3:1)に維持される。このため、上側の有効画素用増幅部CA2,CA5,CA8,・・・の各々から、当該増幅部と同じブロックに属する3本の垂直信号線の信号を1:3:1の重みで重み付け加算した信号が出力され、下側の有効画素用増幅部CA5,CA8,CA11,・・・の各々から、当該増幅部と同じブロックに属する3本の垂直信号線の信号を1:3:1の重みで重み付け加算した信号が出力される。例えば、上側の有効画素用増幅部CA3から、当該増幅部CA3と同じブロックに属する3本の垂直信号線V2,V4,V6の信号を1:3:1の重みで重み付け加算した信号が出力され、下側の有効画素用増幅部CA5から、当該増幅部CA5と同じブロックに属する3本の垂直信号線V5,V7,V9の信号を1:3:1の重みで重み付け加算した信号が出力される。一方、上側及び下側のOB画素用増幅部CA(k/2)+1〜CA(m/2)は、そもそも図8に示す非加算状態に固定されている。
1:3:1の重み付けによる水平画素加算読み出しモードでは、図15に示すように、上側の制御信号φSTBY3,φSTBY−OBがローレベルに維持され、上側のφSTBY1,φSTBY2がハイレベルに維持される。したがって、上側信号出力回路24では、有効画素部21Aに関しては、有効画素用増幅部CA3,CA6,CA9,…のみが作動状態に維持され、残りの有効画素用増幅部CA1,CA2,CA4,CA5,CA7,CA8,…は作動停止状態に維持される。上側のOB画素用増幅部CA(k/2)+1〜CA(m/2)は、作動状態に維持される。
1:3:1の重み付けによる水平画素加算読み出しモードでは、図15に示すように、下側の制御信号φSTBY3,φSTBY−OBがローレベルに維持され、上側のφSTBY1,φSTBY2がハイレベルに維持される。したがって、下側信号出力回路25では、有効画素部21Aに関しては、有効画素用増幅部CA2,CA5,CA8,CA11,…のみが作動状態に維持され、残りの有効画素用増幅部CA1,CA3,CA4,CA6,CA7,CA9,…は作動停止状態に維持される。下側のOB画素用増幅部CA(k/2)+1〜CA(m/2)は、作動状態に維持される。
1:3:1の重み付けによる水平画素加算読み出しモードでは、1:1:1又は1:2:1の重み付けによる水平画素加算読み出しモードの動作に準じた動作によって、有効画素PXの信号を1:3:1の重み付けで水平加算して読み出すことができる一方で、全てのOB画素OBの信号を水平画素加算することなく読み出すことができる。
本実施の形態によれば、前述したように、固体撮像素子3の内部で水平方向の信号を重み付け加算することができるとともに、その重みを1:1:1、1:2:1,1:3:1の3種類に変えることができる。また、本実施の形態によれば、前述したように、水平画素加算読み出しモードも行うことができる。
そして、本実施の形態では、1つの入力容量形成部ICの入力容量部Ca,Cb,Ccの比率が1:1:1、1:2:1、1:3:1の3種類に切り替えられるように構成されるのではなく、1つの入力容量形成部ICの入力容量部Ca,Cb,Ccの比率は1:1:1の1種類となるように、他の1つの入力容量形成部ICの入力容量部Ca,Cb,Ccの比率は1:2:1の1種類となるように、更に他の1つの入力容量形成部ICの入力容量部Ca,Cb,Ccの比率は1:3:1の1種類となるように、構成され、1つの入力容量形成部ICが1つの容量比率のみを受け持っている。したがって、本実施の形態によれば、各入力容量形成部ICの入力容量部Ca,Cb,Ccの比率が1:1:1、1:2:1、1:3:1の3種類に切り替えられるように構成される場合に比べて、各入力容量形成部ICの容量の数や占有面積を少なくすることができる。
また、本実施の形態によれば、水平画素加算読み出しモードにおいて、必要な信号の処理に関与しない増幅部は、消費電力の少ない作動停止状態に維持されるので、低消費電力化を図ることができる。
[第2の実施の形態]
図16は、本発明の第2の実施の形態による電子カメラで用いられる固体撮像素子の上側信号出力回路24の一部分を示す回路図であり、図4に対応している。図16において、図4中の要素と同一又は対応する要素には同一符号を付し、その重複する説明は省略する。本実施の形態が前記第1の実施の形態と異なる所は、以下に説明する点である。
本実施の形態は、前記第1の実施の形態において、上側の有効画素用増幅部CA3,CA6,CA9,・・・、及び、下側の上側の有効画素用増幅部CA2,CA5,CA8,・・・において、スイッチSW5,SW6,CS7,CS9を取り除いて、オン状態のスイッチSW5,SW6で接続される箇所を配線で接続したものである。容量C7〜C9は、それらの合成容量に相当する1つの容量にしてもよい。この場合には、1:3:1の重み付けによる水平画素加算読み出しモードは行うことができないものの、水平画素非加算読み出しモード、1:1:1の重み付けによる水平画素加算読み出しモード、及び、1:2:1の重み付けによる水平画素加算読み出しモードは行うことができる。
前記第1の実施の形態は、前述した第1の態様による固体撮像素子においてq=p=3とした例であるのに対し、本実施の形態は、前述した第1の態様による固体撮像素子においてq=2、p=3とした例である。本実施の形態では、前述した第1の態様におけるq個(=2個)の増幅部は、例えば、図16中の2個の増幅部CA1,CA3に相当している。
[第2の実施の形態]
図17は、本発明の第3の実施の形態による電子カメラで用いられる固体撮像素子の上側信号出力回路24の一部分を示す回路図であり、図4に対応している。図17において、図4中の要素と同一又は対応する要素には同一符号を付し、その重複する説明は省略する。本実施の形態が前記第1の実施の形態と異なる所は、以下に説明する点である。
本実施の形態では、上側信号出力回路24の入力容量形成部IC3,IC6,IC9,・・・の各々において、対応する増幅部CA3の演算増幅器OPの反転入力端子に一方の電極が接続されたp個(本実施の形態では3個)の容量C10,C11,C12と、容量C10,C11,C12の他方電極と当該入力容量形成部と同じブロックに属するp本(本実施の形態では3本)の垂直信号線との間をそれぞれオンオフするp個(本実施の形態では、3個)の入力スイッチCS10,CS11,CS12とが、追加されている。例えば、図4に示すブロックにおいて、入力容量形成部IC3において、対応する増幅部CA3の演算増幅器OPの反転入力端子に一方の電極が接続された3個の容量C10,C11,C12と、容量C12,C13,C14の他方電極と3本の垂直信号線V2,V4,V6との間をそれぞれオンオフする3個の入力スイッチCS10,CS11,CS12とが、追加されている。本実施の形態では、入力スイッチCS10,CS11,CS12は、C10+C11+C12=C0、及び、C10:C11:C12=1:4:1を満たすように設定されている。入力スイッチCS10,CS11,CS12は、例えばnMOSトランジスタで構成され、入力スイッチCS10,CS11,CS12のゲートが共通に接続され、そこには制御信号φ7が撮像制御部4から供給される。入力スイッチCS10〜CS12は、そのゲートに供給される制御信号φ7がハイレベル(H)の場合にオンする一方、そのゲートに供給される制御信号φ7がローレベル(L)の場合にオフする。
本実施の形態では、同様に、下側信号出力回路25の入力容量形成部IC2,IC5,IC8,・・・の各々において、容量C10,C11,C12と、入力スイッチCS10,CS11,CS12とが、追加されている。
本実施の形態によれば、水平画素非加算読み出しモード、1:1:1の重み付けによる水平画素加算読み出しモード、1:2:1の重み付けによる水平画素加算読み出しモード、及び、1:3:1の重み付けによる水平画素加算読み出しモードに加えて、1:4:1の重み付けによる水平画素加算読み出しモードを行うことができる。これらのモードのうち1:4:1の重み付けによる水平画素加算読み出しモード以外のモードでは、上側及び下側の制御信号φ7がローレベルに維持される点を除き、前記第1の実施の形態の各モードと同様の動作が行われる。
図18は、本実施の形態における1:4:1の重み付けによる水平画素加算読み出しモードでの制御信号の状態を示すタイミングチャートである。図18が、前記第1の実施の形態における1:3:1の重み付けによる水平画素加算読み出しモードを示す図15と異なる所は、上側及び下側の制御信号φ5,φ6がローレベルに維持され、上側及び下側の制御信号φ7がハイレベルに維持される点のみである。
本実施の形態によっても、前記第1の実施の形態と同様の利点が得られる。
なお、例えば、本実施の形態において、上側信号出力回路24の入力容量形成部IC3,IC6,IC9,・・・及び下側信号出力回路25の入力容量形成部IC2,IC5,IC8,・・・の各々において、容量C10〜C12に相当する3個の容量(それらの容量比は適宜定めればよい。)及びCS10〜CS12に相当する3個の入力スイッチを、更に追加してもよい。また、例えば、本実施の形態において、上側信号出力回路24の入力容量形成部IC2,IC5,IC8,・・・及び下側信号出力回路25の入力容量形成部IC1,IC4,IC7,・・・の各々において、容量C10〜C12に相当する3個の容量(それらの容量比は適宜定めればよい。)及びCS10〜CS12に相当する3個の入力スイッチを、追加してもよい。この場合には、より他種類の重みで重み付け加算を実現することができる。
以上、本発明の各実施の形態について説明したが、本発明はこれらの実施の形態に限定されるものではない。
例えば、前述したpは2以上の任意の個数にしてもよく、例えば、水平3画素加算に限らず、水平2画素加算、水平4画素加算、水平5画素加算・・・でもよい。もっとも、pは奇数であることが好ましい。
また、例えば、前記各実施の形態の固体撮像素子は、カラーフィルタの色配列がベイヤー配列である例であった。しかし、本発明では、カラーフィルタの色配列は、ベイヤー配列に限らない。本発明は、2行2列の繰り返し周期を持つ他の色配列のカラーフィルタ(例えば、マゼンタ、グリーン、シアン及びイエローを用いる補色系カラーフィルタなど)などを有する固体撮像素子や、カラーフィルタを有しないいわゆる白黒の固体撮像素子にも適用することができる。
また、前記各実施形態では、固体撮像素子は水平走査回路でAPS,APNをアナログ信号のまま出力する構成を説明した。しかし、本発明の撮像素子は、増幅部CAそれぞれにAD変換器を配置したカラムADC方式として、デジタル出力としてもよい。
さらに、本発明による固体撮像素子は、単一の半導体チップで構成してもよいし、複数の半導体チップで構成してもよい。後者の場合、例えば、画素部21と上側信号出力回路24と下側信号出力回路25とを、それぞれ別の半導体チップに搭載してもよい。