本発明を実施するための形態について、以下に説明する。なお、説明の便宜上、先に説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を繰り返さない場合がある。
〔実施形態1〕
図1は、本発明の実施形態1に係るAD変換器100の構成を示す概略図である。AD変換器100は、カラムC1およびC2毎に設けられた画素信号線1、スイッチ2および3、AD変換回路4、キャパシタ(電荷保存素子)5、ならびにスイッチ6と、スイッチ7aと、スイッチ7bとを備えている。
具体的に、AD変換器100は、各カラムC1およびC2に関し、下記の構成を有している。すなわち、画素信号線1は、自身に接続された画素(図示しない)から信号電圧が供給される。スイッチ2の一端は画素信号線1に接続されており、スイッチ2の他端はスイッチ3の一端に接続されており、スイッチ3の他端はAD変換回路4に接続されている。キャパシタ5の一端はスイッチ2とスイッチ3との間に接続されており、キャパシタ5の他端はスイッチ6の一端に接続されており、スイッチ6の他端は端子VBASEに接続されている。端子VBASEの一例として、接地電位である接地端子が挙げられる。
さらに、AD変換器100は、下記の構成を有している。すなわち、スイッチ7aの一端はカラムC1のキャパシタ5の他端に接続されており、スイッチ7aの他端はカラムC2のキャパシタ5の一端とカラムC2のスイッチ3との間に接続されている。スイッチ7bの一端はカラムC2のキャパシタ5の他端に接続されており、スイッチ7bの他端は所定電位である端子P1に接続されている。カラムC2のスイッチ6の他端に接続された端子VBASEが基準電位である端子となり、当該端子VBASEの電位が基準電位となる。
図2の(a)〜(e)は、AD変換器100の動作の流れを示すタイミングチャートである。図2の(a)は、カラムC1の画素信号線1の電位VSIG1の一例(X)およびカラムC1のAD変換回路4内部にて当該電位VSIG1と比較されるランプ波形の一例(Y)を示している。図2の(b)は、各カラムC1およびC2のスイッチ2の開閉タイミングを示している。図2の(c)は、カラムC1のスイッチ3の開閉タイミングを示している。図2の(d)は、カラムC1のスイッチ6の開閉タイミングを示している。図2の(e)は、スイッチ7aの開閉タイミングを示している。なお、カラムC2のスイッチ6は常時閉じており、スイッチ7bは常時開いている。
カラムC1のスイッチ3は、リセットAD変換期間およびシグナルAD変換期間に閉じており、その他の期間に開いている。リセットAD変換期間とは、画素のリセット電位(画素がリセットされたときの画素信号線1の電位)に基づくAD変換を行う期間であり、シグナルAD変換期間とは、画素のシグナル電位(画素が受光したときの画素信号線1の電位)に基づくAD変換を行う期間である。
各カラムC1およびC2のスイッチ2は、リセットAD変換期間の開始に先んじて閉じており、リセットAD変換期間の終了と同時に開く。各カラムC1およびC2のスイッチ2が閉じている期間は、対応する画素に蓄えられた電荷のサンプリング期間に相当する。
カラムC1のスイッチ6は、リセットAD変換期間の開始に先んじて閉じており、リセットAD変換期間の終了後かつシグナルAD変換期間の開始前に開く。カラムC1のスイッチ6が閉じている期間は、カラムC1のキャパシタ5に蓄えられた電荷のサンプリング期間に相当する。また、カラムC1のスイッチ6が開いているタイミングにおいて、カラムC1のキャパシタ5はフローティング状態である。
スイッチ7aは、カラムC1のスイッチ6が開いた後かつシグナルAD変換期間の開始前に閉じる。また、スイッチ7aが閉じている期間に亘って、カラムC2のスイッチ3は開いている。以下では、スイッチ7aが開いている期間のAD変換器100の動作を通常動作と定義し、スイッチ7aが閉じている期間のAD変換器100の動作を水平加算動作と定義する。
AD変換器100によれば、カラムC1およびC2は、カラムC2のスイッチ6の他端に接続された端子VBASEの電位に対する、対応する画素信号線1の電位を保持する1個以上のキャパシタ5をカラムC1およびC2毎に備えている。
そして、AD変換器100の通常動作時においては、各カラムC1およびC2のキャパシタ5に保持された電位を個別にAD変換する。このとき、カラムC1においては、カラムC1のAD変換回路4にて、カラムC1の画素信号線1の電位VSIG1に基づくAD変換が行われ、カラムC2においては、カラムC2のAD変換回路4にて、カラムC2の画素信号線1の電位VSIG2に基づくAD変換が行われる。
一方、AD変換器100の水平加算動作時においては、各カラムC1およびC2のキャパシタ5の出力端子とカラムC2のスイッチ6の他端に接続された端子VBASEとを直列接続させることで、各カラムC1およびC2のキャパシタ5に保持された電位を加算してAD変換する。このとき、カラムC1においては、カラムC1のAD変換回路4にて、カラムC1の画素信号線1の電位VSIG1とカラムC2の画素信号線1の電位VSIG2との和(VSIG1+VSIG2)に基づくAD変換が行われ、カラムC2においては、AD変換を行わない。
これにより、水平加算動作時において、各画素信号線1の電位の変化量に対する、カラムC1のAD変換回路4の出力信号の変化量を大きくすることができる。すなわち、AD変換器100によれば、各画素信号線1の電位の変化量に対する感度を高くすることができる。
図3の(a)および(b)のそれぞれは、各カラムC1およびC2の配置例を示す概略図である。画素群8に複数(図3の(a)および(b)のそれぞれにおいては6本)の画素信号線1が接続されており、これらの画素信号線1がそれぞれ異なるカラムn〜(n+5)に属する。
図3の(a)によれば、カラムC1の画素信号線1がカラムnに属し、カラムC2の画素信号線1がカラム(n+1)に属してもよい。換言すれば、カラムC1およびC2は、互いに隣接していてもよい。
また、図3の(b)によれば、カラムC1の画素信号線1がカラムnに属し、カラムC2の画素信号線1がカラム(n+2)に属してもよい。換言すれば、カラムC1およびC2は、互いに、カラムC1およびC2のいずれにも属しないカラム(n+1)を挟んで配置されていてもよい。
なお、AD変換器100は、2つのカラムC1およびC2を、1つのスイッチ7aによって接続することで、2つのカラムC1およびC2の画素信号線1の電位の和に基づくAD変換を行う構成である。但し、本実施形態に係るAD変換器は、m(mは3以上の自然数)個のカラムを、(m−1)個のスイッチ7aによって接続することで、m個のカラムの画素信号線1の電位の和に基づくAD変換を行う構成とすることも可能である。この場合、当該m個のカラムは、互いに隣接していてもよいし、互いに当該m個のカラムのいずれにも属しないカラムを挟んで配置されていてもよい。
〔実施形態2〕
図4は、本発明の実施形態2に係るAD変換器200の構成を示す概略図である。AD変換器200は、AD変換器100に対して、カラムC1およびC2毎に設けられたスイッチ9および10、キャパシタ(第2電荷保存素子)11、ならびにスイッチ12と、スイッチ13aと、スイッチ13bとが追加された構成である。
具体的に、AD変換器200は、各カラムC1およびC2に関し、AD変換器100の構成に加え、下記の構成を有している。すなわち、スイッチ9の一端は画素信号線1(スイッチ2の一端)に接続されており、スイッチ9の他端はスイッチ10の一端に接続されており、スイッチ10の他端はAD変換回路4に接続されている。キャパシタ11の一端はスイッチ9とスイッチ10との間に接続されており、キャパシタ11の他端はスイッチ12の一端に接続されており、スイッチ12の他端は端子VBASEに接続されている。
さらに、AD変換器200は、AD変換器100の構成に加え、下記の構成を有している。すなわち、スイッチ13aの一端はカラムC1のキャパシタ11の他端に接続されており、スイッチ13aの他端はカラムC2のキャパシタ11の一端とカラムC2のスイッチ10との間に接続されている。スイッチ13bの一端はカラムC2のキャパシタ11の他端に接続されており、スイッチ13bの他端は所定電位である端子P2に接続されている。カラムC2のスイッチ12の他端に接続された端子VBASEが基準電位である端子となり、当該端子VBASEの電位が基準電位となる。
図5の(a)〜(i)は、AD変換器200の動作の流れを示すタイミングチャートである。図5の(a)は、カラムC1の画素信号線1の電位VSIG1の一例(X)およびカラムC1のAD変換回路4内部にて当該電位VSIG1と比較されるランプ波形の一例(Y)を示している。図5の(b)は、各カラムC1およびC2のスイッチ2の開閉タイミングを示している。図5の(c)は、カラムC1のスイッチ6の開閉タイミングを示している。図5の(d)は、スイッチ7aの開閉タイミングを示している。図5の(e)は、カラムC1のスイッチ3の開閉タイミングを示している。図5の(f)は、各カラムC1およびC2のスイッチ9の開閉タイミングを示している。図5の(g)は、カラムC1のスイッチ12の開閉タイミングを示している。図5の(h)は、スイッチ13aの開閉タイミングを示している。図5の(i)は、カラムC1のスイッチ10の開閉タイミングを示している。なお、カラムC2のスイッチ6および12は常時閉じており、スイッチ7bおよび13bは常時開いている。
各カラムC1およびC2のスイッチ2が閉じ、その後開く。カラムC1のスイッチ6は、各カラムC1およびC2のスイッチ2が閉じることに先んじて閉じており、各カラムC1およびC2のスイッチ2が閉じて開いた後に開く。スイッチ7aは、カラムC1のスイッチ6が開いた後に閉じる(第1水平加算動作)。スイッチ7aが閉じている間、各カラムC1およびC2のキャパシタ(第1電荷保存素子)5の出力端子とカラムC2のスイッチ6の他端に接続された端子VBASEとを直列接続させることで、各カラムC1およびC2のキャパシタ5に保持された電位を加算してAD変換する。スイッチ7aが閉じている期間に亘って、カラムC2のスイッチ3および10は開いている。カラムC1のスイッチ3は、スイッチ7aが閉じた後に閉じ、その後開く。カラムC1のスイッチ3が閉じている期間が、リセットAD変換期間に相当する。
カラムC1のスイッチ3が開いた後、各カラムC1およびC2のスイッチ9が閉じ、その後開く。カラムC1のスイッチ12は、各カラムC1およびC2のスイッチ9が閉じることに先んじて閉じており、各カラムC1およびC2のスイッチ9が閉じて開いた後に開く。スイッチ13aは、カラムC1のスイッチ12が開いた後に閉じる(第2水平加算動作)。スイッチ13aが閉じている間、各カラムC1およびC2のキャパシタ11の出力端子とカラムC2のスイッチ12の他端に接続された端子VBASEとを直列接続させることで、各カラムC1およびC2のキャパシタ11に保持された電位を加算してAD変換する。スイッチ13aが閉じている期間に亘って、カラムC2のスイッチ3および10は開いている。カラムC1のスイッチ10は、スイッチ13aが閉じた後に閉じ、その後開く。カラムC1のスイッチ10が閉じている期間が、シグナルAD変換期間に相当する。
AD変換器200によれば、リセットAD変換期間において画素のリセット電位を、シグナルAD変換期間において画素のシグナル電位を、それぞれAD変換することができる。
〔実施形態3〕
図6は、本発明の実施形態3に係るAD変換器300の構成を示す概略図である。AD変換器300は、AD変換器200に対して、AD変換回路4の替わりに、スイッチ14、キャパシタ15および16、ならびにコンパレータ17を備えている。
スイッチ14の一端はキャパシタ15の一端に接続されており、スイッチ14の他端は所定電位である端子Q1に接続されている。キャパシタ16の一端は、所定電位である端子Q2に接続されている。キャパシタ15の他端およびキャパシタ16の他端は、それぞれ、コンパレータ17の一方の入力端および他方の入力端に接続されている。
また、AD変換器300は、AD変換器200に対して、カラムC1およびC2毎に設けられたスイッチ18および19、キャパシタ20、ならびにスイッチ21と、スイッチ22aと、スイッチ22bとが追加された構成である。
具体的に、AD変換器300は、各カラムC1およびC2に関し、AD変換器200の構成に加え、下記の構成を有している。すなわち、スイッチ18の一端は画素信号線1(スイッチ2の一端)に接続されており、スイッチ18の他端はスイッチ19の一端に接続されており、スイッチ19の他端はスイッチ3とキャパシタ15の一端との間に接続されている。キャパシタ20の一端はスイッチ18とスイッチ19との間に接続されており、キャパシタ20の他端はスイッチ21の一端に接続されており、スイッチ21の他端は端子VBASEに接続されている。
さらに、AD変換器300は、AD変換器200の構成に加え、下記の構成を有している。すなわち、スイッチ22aの一端はカラムC1のキャパシタ20の他端に接続されており、スイッチ22aの他端はカラムC2のキャパシタ20の一端とカラムC2のスイッチ19との間に接続されている。スイッチ22bの一端はカラムC2のキャパシタ20の他端に接続されており、スイッチ22bの他端は所定電位である端子P3に接続されている。カラムC2のスイッチ21の他端に接続された端子VBASEが基準電位である端子となり、当該端子VBASEの電位が基準電位となる。
さらに、AD変換器300は、AD変換器200に対して、カラムC1およびC2毎に設けられたスイッチ23および24、キャパシタ25、ならびにスイッチ26と、スイッチ27aと、スイッチ27bとが追加された構成である。
具体的に、AD変換器300は、各カラムC1およびC2に関し、AD変換器200の構成に加え、下記の構成を有している。すなわち、スイッチ23の一端は画素信号線1(スイッチ2の一端)に接続されており、スイッチ23の他端はスイッチ24の一端に接続されており、スイッチ24の他端はスイッチ3とキャパシタ15の一端との間に接続されている。キャパシタ25の一端はスイッチ23とスイッチ24との間に接続されており、キャパシタ25の他端はスイッチ26の一端に接続されており、スイッチ26の他端は端子VBASEに接続されている。
さらに、AD変換器300は、AD変換器200の構成に加え、下記の構成を有している。すなわち、スイッチ27aの一端はカラムC1のキャパシタ25の他端に接続されており、スイッチ27aの他端はカラムC2のキャパシタ25の一端とカラムC2のスイッチ24との間に接続されている。スイッチ27bの一端はカラムC2のキャパシタ25の他端に接続されており、スイッチ27bの他端は所定電位である端子P4に接続されている。カラムC2のスイッチ26の他端に接続された端子VBASEが基準電位である端子となり、当該端子VBASEの電位が基準電位となる。
図7の(a)〜(q)は、AD変換器300の動作の流れを示すタイミングチャートである。図7の(a)は、カラムC1の画素信号線1の電位VSIG1の一例(X)およびカラムC1のコンパレータ17内部にて当該電位VSIG1と比較されるランプ波形の一例(Y)を示している。図7の(b)は、各カラムC1およびC2のスイッチ2の開閉タイミングを示している。図7の(c)は、カラムC1のスイッチ6の開閉タイミングを示している。図7の(d)は、スイッチ7aの開閉タイミングを示している。図7の(e)は、カラムC1のスイッチ3の開閉タイミングを示している。図7の(f)は、各カラムC1およびC2のスイッチ9の開閉タイミングを示している。図7の(g)は、カラムC1のスイッチ12の開閉タイミングを示している。図7の(h)は、スイッチ13aの開閉タイミングを示している。図7の(i)は、カラムC1のスイッチ10の開閉タイミングを示している。図7の(j)は、各カラムC1およびC2のスイッチ18の開閉タイミングを示している。図7の(k)は、カラムC1のスイッチ21の開閉タイミングを示している。図7の(l)は、スイッチ22aの開閉タイミングを示している。図7の(m)は、カラムC1のスイッチ19の開閉タイミングを示している。図7の(n)は、各カラムC1およびC2のスイッチ23の開閉タイミングを示している。図7の(o)は、カラムC1のスイッチ26の開閉タイミングを示している。図7の(p)は、スイッチ27aの開閉タイミングを示している。図7の(q)は、カラムC1のスイッチ24の開閉タイミングを示している。なお、カラムC2のスイッチ6、12、21、および26は常時閉じており、スイッチ7b、13b、22b、および27bは常時開いている。
各カラムC1およびC2のスイッチ2が閉じ、その後開く。カラムC1のスイッチ6は、各カラムC1およびC2のスイッチ2が閉じることに先んじて閉じており、各カラムC1およびC2のスイッチ2が閉じて開いた後に開く。スイッチ7aは、カラムC1のスイッチ6が開いた後に閉じる(水平加算動作)。スイッチ7aが閉じている間、各カラムC1およびC2のキャパシタ5の出力端子とカラムC2のスイッチ6の他端に接続された端子VBASEとを直列接続させることで、各カラムC1およびC2のキャパシタ5に保持された電位を加算してAD変換する。スイッチ7aが閉じている期間に亘って、カラムC2のスイッチ3、10、19、および24は開いている。カラムC1のスイッチ3は、スイッチ7aが閉じた後に閉じ、その後開く。
各カラムC1およびC2のスイッチ2が閉じて開いた後に、各カラムC1およびC2のスイッチ9が閉じ、その後開く。カラムC1のスイッチ12は、各カラムC1およびC2のスイッチ9が閉じることに先んじて閉じており、各カラムC1およびC2のスイッチ9が閉じて開いた後に開く。スイッチ13aは、カラムC1のスイッチ12が開いた後に閉じる(水平加算動作)。スイッチ13aが閉じている間、各カラムC1およびC2のキャパシタ11の出力端子とカラムC2のスイッチ12の他端に接続された端子VBASEとを直列接続させることで、各カラムC1およびC2のキャパシタ11に保持された電位を加算してAD変換する。スイッチ13aが閉じている期間に亘って、カラムC2のスイッチ3、10、19、および24は開いている。カラムC1のスイッチ10は、スイッチ13aが閉じた後に閉じ、その後開く。
各カラムC1およびC2のスイッチ9が閉じて開いた後に、各カラムC1およびC2のスイッチ18が閉じ、その後開く。カラムC1のスイッチ21は、各カラムC1およびC2のスイッチ18が閉じることに先んじて閉じており、各カラムC1およびC2のスイッチ18が閉じて開いた後に開く。スイッチ22aは、カラムC1のスイッチ21が開いた後に閉じる(水平加算動作)。スイッチ22aが閉じている間、各カラムC1およびC2のキャパシタ20の出力端子とカラムC2のスイッチ21の他端に接続された端子VBASEとを直列接続させることで、各カラムC1およびC2のキャパシタ20に保持された電位を加算してAD変換する。スイッチ22aが閉じている期間に亘って、カラムC2のスイッチ3、10、19、および24は開いている。カラムC1のスイッチ19は、スイッチ22aが開いている期間に閉じ、その後開く。
各カラムC1およびC2のスイッチ18が閉じて開いた後に、各カラムC1およびC2のスイッチ23が閉じ、その後開く。カラムC1のスイッチ26は、各カラムC1およびC2のスイッチ23が閉じることに先んじて閉じており、各カラムC1およびC2のスイッチ23が閉じて開いた後に開く。スイッチ27aは、カラムC1のスイッチ26が開いた後に閉じる(水平加算動作)。スイッチ27aが閉じている間、各カラムC1およびC2のキャパシタ25の出力端子とカラムC2のスイッチ26の他端に接続された端子VBASEとを直列接続させることで、各カラムC1およびC2のキャパシタ25に保持された電位を加算してAD変換する。スイッチ27aが閉じている期間に亘って、カラムC2のスイッチ3、10、19、および24は開いている。カラムC1のスイッチ24は、スイッチ27aが開いている期間に閉じ、その後開く。
AD変換器300は、対応する画素信号線1の電位の読み出しと、AD変換とを並行して処理する、いわゆるパイプライン型であるため、処理能力が非常に高いものである。
〔実施形態4〕
図8は、本発明の実施形態4に係るAD変換器400の構成を示す概略図である。AD変換器400は、カラムC301およびC302毎に設けられた画素信号線301、基準電圧信号線302、スイッチ303および304、AD変換回路305、スイッチ306〜308、キャパシタ309および310、スイッチ311〜316、キャパシタ317および318、ならびにスイッチ319と、スイッチ320aと、スイッチ320bと、スイッチ321aと、スイッチ321bと、スイッチ322および323とを備えている。
具体的に、AD変換器400は、各カラムC301およびC302に関し、下記の構成を有している。すなわち、画素信号線301は、自身に接続された画素(図示しない)から信号電圧が供給され、基準電圧信号線302は、当該信号電圧の電位Vinと比較するための基準電圧(電位:VCDS_REF)が供給される。なお、図8においては、カラムC301における当該信号電圧の電位Vin[n]とし、カラムC302における当該信号電圧の電位Vin[n+1]としている。スイッチ303の一端は基準電圧信号線302に接続されており、スイッチ303の他端はスイッチ304の一端に接続されており、スイッチ304の他端はAD変換回路305に接続されている。スイッチ306の一端およびスイッチ307の一端は画素信号線301に接続されており、スイッチ306の他端はスイッチ308の一端に接続されており、スイッチ307の他端はスイッチ308の他端に接続されている。キャパシタ309の一端はスイッチ303とスイッチ304との間に接続されており、キャパシタ309の他端はスイッチ306とスイッチ308との間に接続されている。キャパシタ310の一端はスイッチ307とスイッチ308との間に接続されており、キャパシタ310の他端はスイッチ311の一端に接続されており、スイッチ311の他端は端子VBASEに接続されている。スイッチ312の一端は基準電圧信号線302(スイッチ303の一端)に接続されており、スイッチ312の他端はスイッチ313の一端に接続されており、スイッチ313の他端はAD変換回路305に接続されている。スイッチ314の一端およびスイッチ315の一端は画素信号線301(スイッチ306の一端およびスイッチ307の一端)に接続されており、スイッチ314の他端はスイッチ316の一端に接続されており、スイッチ315の他端はスイッチ316の他端に接続されている。キャパシタ317の一端はスイッチ312とスイッチ313との間に接続されており、キャパシタ317の他端はスイッチ314とスイッチ316との間に接続されている。キャパシタ318の一端はスイッチ315とスイッチ316との間に接続されており、キャパシタ318の他端はスイッチ319の一端に接続されており、スイッチ319の他端は端子VBASEに接続されている。
さらに、AD変換器400は、下記の構成を有している。すなわち、スイッチ320aの一端はカラムC301のキャパシタ310の他端に接続されており、スイッチ320aの他端はカラムC302のキャパシタ309の一端とカラムC302のスイッチ304との間に接続されている。スイッチ320bの一端はカラムC302のキャパシタ310の他端に接続されており、スイッチ320bの他端は端子VBASEに接続されている。カラムC302のスイッチ311の他端に接続された端子VBASEが基準電位である端子となり、当該端子VBASEの電位が基準電位となる。スイッチ321aの一端はカラムC301のキャパシタ318の他端に接続されており、スイッチ321aの他端はカラムC302のキャパシタ317の一端とカラムC302のスイッチ313との間に接続されている。スイッチ321bの一端はカラムC302のキャパシタ318の他端に接続されており、スイッチ321bの他端は端子VBASEに接続されている。カラムC302のスイッチ319の他端に接続された端子VBASEが基準電位である端子となり、当該端子VBASEの電位が基準電位となる。スイッチ322の一端はカラムC301のスイッチ303とカラムC301のスイッチ304との間に接続されており、スイッチ322の他端は端子VBASEに接続されている。スイッチ323の一端はカラムC301のスイッチ312とカラムC301のスイッチ313との間に接続されており、スイッチ323の他端は端子VBASEに接続されている。
図9の(a)〜(o)は、AD変換器400の動作の流れを示すタイミングチャートである。図9の(a)は、カラムC301の画素信号線301の電位Vin[n]の一例(X)およびカラムC301のAD変換回路305内部にて当該電位Vin[n]と比較されるランプ波形の一例(Y)を示している。図9の(b)は、各カラムC301およびC302のスイッチ303の開閉タイミングを示している。図9の(c)は、各カラムC301およびC302のスイッチ306の開閉タイミングを示している。図9の(d)は、各カラムC301およびC302のスイッチ307の開閉タイミングを示している。図9の(e)は、各カラムC301およびC302のスイッチ308の開閉タイミングを示している。図9の(f)は、カラムC301のスイッチ311の開閉タイミングを示している。図9の(g)は、スイッチ320aの開閉タイミングを示している。図9の(h)は、カラムC301のスイッチ304の開閉タイミングを示している。図9の(i)は、各カラムC301およびC302のスイッチ312の開閉タイミングを示している。図9の(j)は、各カラムC301およびC302のスイッチ314の開閉タイミングを示している。図9の(k)は、各カラムC301およびC302のスイッチ315の開閉タイミングを示している。図9の(l)は、各カラムC301およびC302のスイッチ316の開閉タイミングを示している。図9の(m)は、カラムC301のスイッチ319の開閉タイミングを示している。図9の(n)は、スイッチ321aの開閉タイミングを示している。図9の(o)は、カラムC301のスイッチ313の開閉タイミングを示している。なお、カラムC302のスイッチ311および319は常時閉じており、スイッチ320bおよび321bは常時開いている。また、スイッチ322および323は、常時開いている。
各カラムC301およびC302のスイッチ306は、各カラムC301およびC302のスイッチ303が閉じている期間に閉じ、その後開く(リセット電位のサンプリング)。引き続き、各カラムC301およびC302のスイッチ307は、各カラムC301およびC302のスイッチ303が閉じている期間に閉じ、その後開く(シグナル電位のサンプリング)。その後、各カラムC301およびC302のスイッチ308は、各カラムC301およびC302のスイッチ303が開いている期間に閉じる(アナログCDSスイッチオン)。カラムC301のスイッチ311が開いた後、スイッチ320aが閉じる(水平加算動作)。スイッチ320aが閉じている間、各カラムC301およびC302のキャパシタ309および310の出力端子とカラムC302のスイッチ311の他端に接続された端子VBASEとを直列接続させることで、各カラムC301およびC302のキャパシタ309および310に保持された電位を加算してAD変換する。スイッチ320aが閉じている期間に亘って、カラムC302のスイッチ304および313は開いている。カラムC301のスイッチ304が閉じている期間は、それぞれリセットAD変換期間およびシグナルAD変換期間に相当する。
各カラムC301およびC302のスイッチ314は、各カラムC301およびC302のスイッチ312が閉じている期間に閉じ、その後開く(リセット電位のサンプリング)。引き続き、各カラムC301およびC302のスイッチ315は、各カラムC301およびC302のスイッチ312が閉じている期間に閉じ、その後開く(シグナル電位のサンプリング)。その後、各カラムC301およびC302のスイッチ316は、各カラムC301およびC302のスイッチ312が開いている期間に閉じる(アナログCDSスイッチオン)。カラムC301のスイッチ319が開いた後、スイッチ321aが閉じる(水平加算動作)。スイッチ321aが閉じている間、各カラムC301およびC302のキャパシタ317および318の出力端子とカラムC302のスイッチ319の他端に接続された端子VBASEとを直列接続させることで、各カラムC301およびC302のキャパシタ317および318に保持された電位を加算してAD変換する。スイッチ321aが閉じている期間に亘って、カラムC302のスイッチ304および313は開いている。カラムC301のスイッチ313が閉じている期間は、それぞれリセットAD変換期間およびシグナルAD変換期間に相当する。
AD変換器400は、ハイブリッド型の回路を含んでいると解釈することができる。ハイブリッド型の回路とは、基準電圧信号線302の電位VCDS_REFと、画素信号線301の電位Vinとを比較する回路である。
〔付記事項〕
各AD変換器100、200、300、および400は、シングルスロープ型のAD変換を行ってもよい。シングルスロープ型のAD変換においては、アナログ入力信号とランプ信号とをコンパレータで比較して、それらの大小関係が反転するまでに要するクロック信号のパルスカウント数をデジタル出力することでAD変換を行う。
各AD変換器100、200、300、および400は、アナログ信号を加算する回路を有しており、水平加算動作時に、加算対象の電位をアナログ的に加算するものである。一方、本発明に係るAD変換器は、デジタル信号を加算する回路を有しており、水平加算動作時に、加算対象の電位をデジタル的に加算するものであってもよい。
但し、加算対象の電位をデジタル的に加算する構成においては、加算対象の電位をアナログ的に加算する構成に対して、AD変換器を備えた装置(例:固体撮像素子)が処理すべきデータ量が増大したり、フレームレートが長くなったりするというデメリットがある。
つまり、加算対象の電位をアナログ的に加算する各AD変換器100、200、300、および400は、データ量の削減、および短フレームレート化の観点においても有効である。
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。さらに、各実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を組み合わせることにより、新しい技術的特徴を形成することができる。