本発明を実施するための形態について、以下に説明する。
〔第1の実施の形態〕
(プローブの構造)
第1の実施の形態におけるプローブについて説明する。本実施の形態におけるプローブは、電子部品や電気回路等の検査を行うために用いられるものであり、電子部品や電気回路等に形成された電極パッド又は電極端子等(電極パッド又は電極端子等を単に「電極端子」または「電極端子等」と称する場合もある)と電気的に接続するためのものである。具体的には、図1及び図2に示すように、本実施の形態におけるプローブは、一枚の金属板、例えば、銅又は銅を含む合金からなる金属板を打ち抜いたものを折曲げることにより形成したものである。従って、本実施の形態におけるプローブは、一体化されており、全体がつながった構造となっている。
本実施の形態におけるプローブは、先端部10、バネ部20、筐体部30、筐体接続部40により形成されている。
先端部10は、ウエハ等に形成された電気回路及び電子部品等の電極パット又は電極端子等と接触させ電気的に接続するためのものである。先端部10の端部は、L字状に曲げられており、端子接触部11を形成している。この端子接触部11は、検査の対象となる電気回路または電子部品等における電極パッドまたは電極端子と接触し電気的に接続される部分である。また、先端部10の両側の側部は先端部10の長手方向に沿ってL字状に曲げられており、先端補強部12を形成している。このように先端部10の両側の側部をL字状に曲げることにより、先端部10を電極パッド又は電極端子と接触させた際に、力が加わった場合においても、先端部10が変形することなく、確実に端子接触部11と電極パッド及び電極端子とを接触させることができる。尚、本実施の形態の説明では、先端部10の両側の側部をL字状に曲げることにより、コの字状の形状に形成したものについて説明するが、中央分を曲げることによりV字状の形状に形成したものや、曲面を形成することによりU字状又は半円状に形成したものであってもよい。
バネ部20は、平板状であって両側がU字状に曲がった蛇行する形状のものを略中心部分において、長手方向に沿ってコの字形状に折曲げた構造のものであり、折曲げられた一方の側21と、他方の側22とは略平行となるように折曲げられている。本実施の形態では、コの字状に折曲げた構造のものを示しているが、Uの字状等に折曲げた構造のものであってもよい。バネ部20では、両側がU字状に曲がった蛇行する形状とすることにより、弾性を有するものとなり、バネとしての機能を発揮させることができる。
筐体部30は、バネ部20の全体を囲むように筐体部30となる領域の金属板を折曲げることにより形成されている。具体的には、筐体部30となる領域の金属板を折曲げることにより側面部31と上面部32とを形成し、また、先端部10近傍においては、先端部10における先端補強部12の一部を囲むように、折曲げることにより側面部33及び上面部34を形成する。この際、側面部31及び側面部33を折曲げることにより底面部35も同時に形成されるため、バネ部20全体を略四角形状の筐体部30により囲むことができる。尚、筐体部30とバネ部20とは境界となる屈曲部36において、約180°折曲げられており、バネ部20の筐体部30内に納められた構造となっている。また、この屈曲部36は、プローバー等の測定機器と電気的に接続されるものであり、端子接触部11において電極パットまたは電極端子と接触して得られた電極信号は、屈曲部36を介し、測定機器に伝達される。
筐体接続部40は、筐体部30の側面部31の内側と接触しており、筐体接続部40と筐体部30とが電気的に接続されている。具体的には、筐体接続部40と筐体部30とが電気的に接続されることにより、電気信号は端子接触部11より先端部10、筐体接続部40、筐体部30を介し、屈曲部36に伝達される。筐体部30は電気信号が流れる領域における断面積が広いため、端子接触部11から屈曲部36までの電気抵抗を低くすることができる。よって、端子接触部11において検出した電気信号を屈曲部36まで低抵抗で伝達することができる。
(プローブの製造方法)
次に、図3に基づき本実施の形態におけるプローブの製造方法について説明する。
最初に、ステップ102(S102)において、本実施の形態におけるプローブを作製するため、所定の形状に金属板を形成する(金属板形成工程)。形成方法は、金属板をプレス加工等により打ち抜き形成する方法、または、金属板上に所定の形状のマスクを形成し、マスクの形成されていない領域をエッチングする方法により形成する。尚、この金属板は、銅又は銅を含む合金により形成されており、厚さは、30μm〜150μmである。尚、本実施の形態では、厚さ60μmの銅板を用いて、プレス加工により所定の形状の金属板を形成した。
図4に、所定の形状に形成された金属板を示す。この金属板は、プローブを形成するための本体部1と製造補助部2により形成されている。本体部1は、曲げられていない状態の先端部10、バネ部20、筐体部30、筐体接続部40が形成されている。尚、曲げられていない状態の先端部10、バネ部20、筐体部30、筐体接続部40を各々先端部10となる領域、バネ部20となる領域、筐体部30となる領域、筐体接続部40となる領域とも称する。製造補助部2は、本体部1の全体を囲むように形成されており、先端部10と接続されている補強先端部51、本体部1の長手方向に沿って両側に形成される側部52、筐体部30の端部と接続される補強主部53により形成されている。尚、図5には、プレス等により打ち抜かれた状態の本体部1を示す。本体部1は、一方の端部より、先端部10となる領域、筐体接続部40となる領域、バネ部20となる領域、筐体部30となる領域の順に接続されて形成されている。本体部1は本実施の形態におけるプローブを形成する領域であり、本実施の形態におけるプローブは、本体部1を折曲げることにより作製される。
次に、ステップ104(S104)において、本体部1にメッキ加工を施す(メッキ工程)。尚、製造補助部2は本体部1と接続されているため、本体部1にメッキ加工を施す際に、同時にメッキ加工が施される。このメッキ加工は、Ni、Pd、Au、もしくはNi、Auのメッキを順に行うことにより行われる。
次に、ステップ106(S106)において、バネ部20となる領域を折曲げる(第1の折曲げ工程)。具体的には、図5に示す破線A1−A2に沿って90°折曲げ、同じ方向に破線A3−A4に沿って90°折曲げる。これにより、バネ部20となる領域はコの字状に折曲げられる。
図6〜図8にステップ106において折曲げられた状態における本体部1を示す。尚、図6は側面図、図7は上面図、図8は正面図を示す。バネ部20となる領域がコの字状に折曲げられることにより、バネ部20の一方の側21が形成される面と他方の側22が形成される面とは略平行となる。この際、同時に先端部10における側部も両側が90°曲げられ、先端補強部12が形成され、筐体接続部40となる領域もバネ部20における一方の側21及び他方の側22に沿った構造となる。また、図5に示す破線A5−A6に沿って90°折曲げることにより、端子接触部11が形成される。尚、このステップにおいて、筐体部30となる領域の両側の側部をバネ部20において曲げられた方向と逆方向に90°折曲げることにより、上面部32及び上面部34となる領域を形成し、更に、後述するように、筐体接続部40と筐体部30の内側とが接触するように筐体接続部40を僅かに外側に曲げる。
次に、ステップ108(S108)において、本体部1を折曲げる(第2の折曲げ工程)。具体的には、図5に示す破線B1−B2に沿って、バネ部20の曲げられている側に180°折曲げる。破線B1−B2において折曲げられた部分は屈曲部36となり、本実施の形態におけるプローブが計測機器等と接続する際の接続端子となる。この際、製造補助部2も同時に折曲げられる。具体的には、図4に示すように、本体部1が破線B1−B2に沿って折曲げられる際に、同時に、製造補助部2が破線B3−B4、破線B5−B6に沿って折曲げられる。尚、破線B3−B4及び破線B5−B6は、破線B1−B2の延長線上に存在している。このように、本体部1と製造補助部2とを同時に折曲げることにより、本体部1を破線B1−B2において精度よく確実に折曲げることができ、また、本体部1が破線B1−B2に沿って折曲げられた形状を維持することができる。
次に、ステップ110(S110)において、筐体部30となる領域を折曲げる(第3の折曲げ工程)。具体的には、バネ部20の曲げられている方向と同じ方向に、図5に示す破線C1−C2に沿って90°折曲げ、破線C3−C4に沿って90°折曲げ、筐体部30の側面部31及び側面部33を形成する。この際、底面部35も同時に形成されるため、バネ部20の全体が筐体部30に囲まれた構造となる。更に、筐体部30の側面部31の内壁と、筐体接続部40とが接触し、電気的に接続される。
次に、ステップ112(S112)において、本体部1と製造補助部2とを切断する(製造補助部切断工程)。具体的には、図4に示す破線D1−D2、破線D3−D4及び破線D5−D6において本体部1と製造補助部2とを切断する。これにより、本実施の形態におけるプローブを製造することができる。
以上より、本実施の形態におけるプローブは、一枚の金属板を加工することにより製造することができる。従って、スプリング機能を有するプローブにおいて、複数の部品を組み立てる必要がなく、組立工程が不要である。また、製造工程が、金属板のプレス加工等の加工工程と、メッキ工程と、折曲げ工程と、切断工程のみにより製造されるものであるため、簡単な製造装置で製造することができ、また、製造工程も単純であるため、低コストで大量に短時間に製造することができる。従って、極めて低コストで、スプリング機能を有するプローブを製造することができる。
〔第2の実施の形態〕
次に、第2の実施の形態について説明する。本実施の形態は、第1の実施の形態と同様の方法で製造されるものであり、筐体部の断面が略正方形で形成されたものである。筐体部における断面の形状を略正方形で形成することにより、測定機器等のプローバーに、プローブを2次元的に配列させた場合に、等間隔で配列させることができるため、高密度にプローブを配列させることができる。
図9及び図10に基づき本実施の形態におけるプローブについて説明する。本実施の形態におけるプローブは、第1の実施の形態におけるプローブと同様に、一枚の金属板、例えば、銅又は銅を含む合金からなる金属板を打ち抜いたものを折曲げることにより形成したものである。従って、本実施の形態におけるプローブは、一体化されており、全体がつながった構造となっている。
本実施の形態におけるプローブは、先端部110、バネ部120、筐体部130、筐体接続部140により形成されている。
先端部110は、ウエハ等に形成された電気回路及び電子部品等の電極パット又は電極端子等と接触させ電気的に接続するためのものである。先端部110の端部は、L字状に曲げられており、端子接触部111を形成している。この端子接触部111は、検査の対象となる電気回路または電子部品等における電極パッドまたは電極端子と接触し電気的に接続される部分である。また、先端部110の両側の側部は先端部110の長手方向に沿ってL字状に曲げられており、先端補強部112を形成している。このように先端部110の両側の側部をL字状に曲げることにより、先端部110を電極パッド又は電極端子と接触させた際に、力が加わった場合においても、先端部110が変形することなく、端子接触部111と電極パッド及び電極端子とを確実に接触させることができる。尚、本実施の形態の説明では、先端部110の両側の側部をL字状に曲げることにより、コの字状の形状に形成したものについて説明するが、中央分を曲げることによりV字状の形状に形成したものや、曲面を形成することによりU字状又は半円状に形成したものであってもよい。
バネ部120は、平板状であって両側がU字状に曲がった蛇行する形状のものを略中心部分においてコの字形状に折曲げた構造のものであり、折曲げられた一方の側121と、他方の側122とは略平行となるように折曲げられている。本実施の形態では、コの字状に折曲げた構造のものを示しているが、Uの字状等に折曲げた構造のものであってもよい。バネ部120では、両側がU字状に曲がった蛇行する形状とすることにより、弾性を有するものとなり、バネとしての機能を発揮させることができる。
筐体部130は、バネ部120の全体を囲むように筐体部130となる領域の金属板を折曲げることにより形成されている。具体的には、筐体部130となる領域の金属板を折曲げることにより側面部131と上面部132とを形成し、また、先端部110側には、先端部の先端補強部112の一部を囲むように、折曲げることにより側面部133及び上面部134を形成する。この際、側面部131及び側面部133を折曲げることにより底面部135も同時に形成されるため、バネ部120全体を略正方形状の筐体部130により囲むことができる。尚、筐体部130とバネ部120とは境界となる屈曲部136において、約180°折曲げられており、バネ部120の筐体部130内に納められた構造となっている。また、この屈曲部136は、プローバー等の測定機器と電気的に接続されるものであり、端子接触部111において電極パットまたは電極端子と接触して得られた電極信号は、屈曲部136を介し、測定機器に伝達される。
筐体接続部140は、筐体部130の側面部131の内側と接触しており、筐体接続部140と筐体部130とが電気的に接続される。具体的には、筐体接続部140と筐体部130とが電気的に接続されることにより、電気信号は端子接触部111より先端部110、筐体接続部140、筐体部130を介し、屈曲部136に伝達される。筐体部130は電気信号が流れる領域における断面積が広いため、端子接触部111から屈曲部136までの電気抵抗を低くすることができる。よって、端子接触部111において検出した電気信号を屈曲部136まで低抵抗で伝達することができる。
本実施の形態におけるプローブは、筐体部130は断面形状が略正方形に形成されている。即ち、図9における筐体部130の幅Eと高さFとは略同じ長さとなるように形成されている。これにより、本実施の形態におけるプローブは2次元的に等間隔に配列させることができる。また、屈曲部136は、プローバー等の測定機器に電気的に接続される。尚、本実施の形態におけるプローブの製造方法は、第一の実施の形態と同様である。
〔第3の実施の形態〕
次に、第3の実施の形態について説明する。本実施の形態におけるプローブは、第1及び第2の実施の形態とは異なり、バネ部となる部分が折曲げられていないプローブである。
図11及び図12に基づき本実施の形態におけるプローブについて説明する。本実施の形態におけるプローブは、先端部210、バネ部220、筐体部230により形成されている。
先端部210は、ウエハ等に形成された電気回路及び電子部品等の電極パット又は電極端子等と接触し電気的に接続するためのものである。先端部210の端部が折曲げられており端子接触部211を形成している。
バネ部220は、蛇行する形状のものであり、弾性を有しておりバネとしての機能を有し、先端部210の伸びる方向に伸縮する。
筐体部230は、バネ部220の側面を覆うように形成されており、2つの側面部231と上面部232及び底面部233により形成されている。尚、2つの側面部231と上面部232及び底面部233は一枚の金属板を折曲げることにより形成される。
〔第4の実施の形態〕
次に、第4の実施の形態について説明する。本実施の形態におけるプローブは、端子接触部の形状が第1から第3の実施の形態と異なる形状のものである。具体的には、第1の実施の形態から第3の実施の形態においては、端子接触部11、111、211は金属板を曲げることにより形成しているが、本実施の形態においては、端子接触部は金属板を曲げることなく形成したものである。
図13に本実施の形態におけるプローブの先端部310を示す。本実施の形態におけるプローブの先端部310の端子接触部311は、端子接触部311の先端に山形状の山形状部311aを形成したものである。山形状部311aは図示するように複数の山を有していてもよい。このような山形状部311aは、第1の実施の形態における金属板形成工程において、例えば、プレス加工により金属板を形成する際に同時に形成される。本実施の形態においては、端子接触部を形成するために金属板を折曲げる必要がないため、より工程数が少なく、短時間でプローブを製造することができる。よって、より低コストでスプリング機能を有するプローブを製造することができる。
尚、端子接触部311以外の構造については、第1の実施の形態から第3の実施の形態に記載されたものと同じである。
〔第5の実施の形態〕
(プローブの構造)
次に、第5の実施の形態におけるプローブについて説明する。本実施の形態におけるプローブは、第1の実施の形態におけるプローブと同様に、電子部品や電気回路等の検査を行うために用いられるものであり、電子部品や電気回路等に形成された電極パッド又は電極端子等と電気的に接続するためのものである。
具体的には、図14及び図15に示すように、本実施の形態におけるプローブは、一枚の金属板、例えば、銅又は銅を含む合金からなる金属板を打ち抜いたものを折曲げることにより形成したものである。従って、本実施の形態におけるプローブは、一体化されており、全体がつながった構造となっている。
本実施の形態におけるプローブは、一方の端子部410、バネ部420及び423、筐体部430、他方の端子部440により形成されている。
一方の端子部410は、ウエハ等に形成された電気回路及び電子部品等の電極パット又は電極端子等と接触させ電気的に接続するためのものである。具体的には、一方の端子部410の先端部411において、検査の対象となる電気回路または電子部品等における電極パッドまたは電極端子と接触し電気的に接続される。また、一方の端子部410の両側の側部は一方の端子部410の長手方向に沿ってL字状に曲げられており、先端補強部412を形成している。このように一方の端子部410の両側の側部をL字状に曲げることにより、一方の端子部410の先端部411が電極パッド又は電極端子と接触した際に、力が加わった場合においても、一方の端子部410が変形することなく、確実に一方の端子部410の先端部411と電極パッド及び電極端子とを接触させることができる。
バネ部420及び423は、平板状であって両側がU字状に曲がった蛇行する形状のものを略中心部分において、長手方向に沿ってコの字形状に折曲げた構造のものであり、折曲げられた一方の側421及び424と、他方の側422及び425とは略平行となるように折曲げられている。本実施の形態では、コの字状に折曲げた構造のものを示しているが、Uの字状等に折曲げた構造のものであってもよい。バネ部420及び423では、両側がU字状に曲がった蛇行する形状とすることにより、弾性を有するものとなり、バネとしての機能を発揮させることができる。
筐体部430は、バネ部420及び423の全体を囲むように筐体部430となる領域の金属板を折曲げることにより形成されている。具体的には、筐体部430となる領域の金属板を折曲げることにより側面部431と上面部432とを形成する。この際、側面部431を折曲げることにより底面部435も同時に形成されるため、バネ部420及び423全体を略四角形状の筐体部430により囲むことができる。尚、筐体部430とバネ部420及び423とは境界となる中央部436において、約180°折曲げられており、バネ部420及び423の筐体部430内に納められた構造となっている。
他方の端子部440は、プローバー等の測定機器と電気的に接続するためのものであり、一方の端子部410において電極パットまたは電極端子と接触して得られた電極信号は、他方の端子部440を介し、測定機器に伝達される。具体的には、他方の端子部440の先端部441において、プローバー等の測定機器と電気的に接続するための電極端子等と接触し電気的に接続される。また、他方の端子部440の両側の側部は他方の端子部440の長手方向に沿ってL字状に曲げられており、先端補強部442を形成している。このように他方の端子部440の両側の側部をL字状に曲げることにより、他方の端子部440の先端部441が電極パッド又は電極端子と接触した際に、力が加わった場合においても、他方の端子部440が変形することなく、確実に他方の端子部440の先端部441と電極端子等とを接触させることができる。尚、本実施の形態の説明では、一方の端子部410及び他方の端子部440における両側の側部をL字状に曲げることにより、コの字状の形状に形成したものについて説明するが、中央分を曲げることによりV字状の形状に形成したものや、曲面を形成することによりU字状又は半円状に形成したものであってもよい。
また、一方の端子部410の近傍に設けられた筐体接続部413は、筐体部430の側面部431の内側と接触しており、筐体接続部413と筐体部430とが電気的に接続されている。また、他方の端子部440の近傍に設けられた筐体接続部443は、筐体部430の側面部431の内側と接触しており、筐体接続部443と筐体部430とが電気的に接続されている。このように、筐体接続部413と筐体部430とが電気的に接続され、筐体接続部443と筐体部430とが電気的に接続されることにより、電気信号は一方の端子部410の先端部411より、筐体接続部413、筐体部430、筐体接続部443を介し、他方の端子部440の先端部441に伝達される。筐体部430は電気信号が流れる領域における断面積が広いため、一方の端子部410から他方の端子部440までの電気抵抗を低くすることができる。よって、一方の端子部410において検出した電気信号を低抵抗で他方の端子部440まで伝達することができる。
本実施の形態におけるプローブは、一方の端子部410と接続されるバネ部420と、他方の端子部440と接続されるバネ部423とを有しており、一方の端子部410及び他方の端子部440の双方において伸縮可能である。尚、本実施の形態におけるプローブは、中央部436において筐体部430にバネ部420及び423が物理的に接続され固定されている。
よって、一方の端子部410の先端と電極パッド及び電極端子との接触、及び他方の端子部440の先端と電極端子等の接触を確実に行うことができる。
(プローブの製造方法)
次に、図16に基づき本実施の形態におけるプローブの製造方法について説明する。
最初に、ステップ202(S202)において、本実施の形態におけるプローブを作製するため、所定の形状に金属板を形成する(金属板形成工程)。形成方法は、金属板をプレス加工等により打ち抜き形成する方法、または、金属板上に所定の形状のマスクを形成し、マスクの形成されていない領域をエッチングする方法により形成する。尚、この金属板は、銅又は銅を含む合金により形成されており、厚さは、30μm〜150μmである。尚、本実施の形態では、厚さ60μmの銅板を用いて、プレス加工により所定の形状の金属板を形成した。
図17に、所定の形状に形成された金属板を示す。この金属板は、プローブを形成するための本体部となるものであり、曲げられていない状態の一方の端子部410、バネ部420及び423、筐体部430、他方の端子部440が形成されている。尚、曲げられていない状態の一方の端子部410、バネ部420及び423、筐体部430、他方の端子部440を各々一方の端子部410となる領域、バネ部420及び423となる領域、筐体部430となる領域、他方の端子部440となる領域とも称する。この本体部は、一方の端部より、一方の端子部410となる領域、バネ部420及び423となる領域、他方の端子部440となる領域の順に接続されて形成されており、筐体部430となる領域は、バネ部420及び423となる領域の長手方向に沿って形成されており中央部436において接続されている。尚、本実施の形態におけるプローブは、この本体部を折曲げることにより作製される。
次に、ステップ204(S204)において、本体部にメッキ加工を施す(メッキ工程)。このメッキ加工は、Ni、Pd、Au、もしくはNi、Auのメッキを順に行うことにより行われる。
次に、ステップ206(S206)において、バネ部420及び423となる領域を折曲げる(第1の折曲げ工程)。具体的には、図17に示す破線G1−G2に沿って90°折曲げ、同じ方向に破線G3−G4に沿って90°折曲げる。これにより、バネ部420及び423となる領域はコの字状に折曲げられる。
バネ部420及び423となる領域がコの字状に折曲げられることにより、バネ部420の一方の側421が形成される面と他方の側422が形成される面とは略平行となり、また、バネ部423の一方の側424が形成される面と他方の側425が形成される面とは略平行となる。この際、同時に一方の端子部410における側部も両側が90°曲げられ、先端補強部412が形成され、筐体接続部413となる領域もバネ部423における一方の側424及び他方の側425に沿った構造となる。同様に他方の端子部440における側部も両側が90°曲げられ、先端補強部442が形成され、筐体接続部443となる領域もバネ部420における一方の側421及び他方の側422に沿った構造となる。
次に、ステップ208(S208)において、本体部を折曲げる(第2の折曲げ工程)。具体的には、図17に示す中央部436における破線H1−H2に沿って、バネ部420及び423の曲げられている側に180°折曲げる。これにより、バネ部420及び423の背面側に筐体部430が配置される。尚、このステップにおいて、筐体部430となる領域の両側の側部を破線I1−I2、破線I3−I4に沿って、バネ部420及び423において曲げられた方向に90°折曲げることにより、上面部432となる領域を形成し、更に、後述するように、筐体接続部413及び443と筐体部430の内側とが接触するように筐体接続部413及び443を僅かに外側に曲げる。
図18〜図21にステップ208において折曲げられた状態における本体部を示す。尚、図18は側面図、図19は上面図、図20は正面図、図21及び図22は斜視図である。
次に、ステップ210(S210)において、筐体部430となる領域を折曲げる(第3の折曲げ工程)。具体的には、バネ部420及び423の曲げられている方向と同じ方向に、図17に示す破線J1−J2に沿って90°折曲げ、破線J3−J4に沿って90°折曲げ、筐体部430の側面部431を形成する。この際、底面部435も同時に形成されるため、バネ部420の全体が筐体部430に囲まれた構造となる。更に、筐体部430の側面部431の内壁と、筐体接続部413とが接触し、電気的に接続されるとともに、筐体部430の側面部431の内壁と、筐体接続部443とが接触し、電気的に接続される。図23は、ステップ210において折曲げられた状態における本体部の透過斜視図を示す。図24は、図23に示す透過斜視図における中央部436近傍の要部拡大図である。
次に、ステップ212(S212)において、中央部436を折曲げる(中央部処理)する。具体的には、図23及び図24に示す中央部436を筐体部430の側面に沿うように折曲げる。これにより、筐体部430と、バネ部420及び423とが、中央部436において接続されている図15に示す本実施の形態におけるプローブを製造することができる。尚、本実施の形態におけるプローブは、筐体接続部413において、筐体部430と一方の端子部410とが接触しており、筐体接続部413において、筐体部430と他方の端子部440とが接触している。
尚、ステップ212において、図25に示すように、図23及び図24に示す中央部436を切断することにより、筐体部430と、バネ部420及び423とが、物理的には接続されていないものの、筐体部430と筐体接続部413及び443において接触している状態のプローブを製造することができる。
以上より、本実施の形態におけるプローブは、一枚の金属板を加工することにより製造することができる。従って、スプリング機能を有するプローブにおいて、複数の部品を組み立てる必要がなく、組立工程が不要である。また、製造工程が、金属板のプレス加工等の加工工程と、メッキ工程と、折曲げ工程と、必要に応じて行われる切断工程のみにより製造されるものであるため、簡単な製造装置で製造することができ、また、製造工程も単純であるため、低コストで大量に短時間に製造することができる。従って、極めて低コストで、両端にスプリング機能を有するプローブを製造することができる。
〔第6の実施の形態〕
(プローブの構造)
第6の実施の形態におけるプローブについて説明する。本実施の形態におけるプローブは、電子部品や電気回路等の検査を行うために用いられるものであり、電子部品や電気回路等に形成された電極パッド又は電極端子等と電気的に接続するためのものである。具体的には、図26及び図27に示すように、本実施の形態におけるプローブは、一枚の金属板、例えば、銅又は銅を含む合金からなる金属板を打ち抜いたものを折曲げることにより形成したものである。従って、本実施の形態におけるプローブは、一体化されており、全体がつながった構造となっている。
本実施の形態におけるプローブは、先端部510、バネ部520、筐体部530、筐体接続部540により形成されている。
先端部510は、ウエハ等に形成された電気回路及び電子部品等の電極パット又は電極端子等と接触させ電気的に接続するためのものである。先端部510の端部は、端子接触部511を形成している。この端子接触部511は、検査の対象となる電気回路または電子部品等における電極パッドまたは電極端子と接触し電気的に接続される部分である。また、先端部510の両側の側部は先端部510の長手方向に沿ってL字状に曲げられており、先端補強部512を形成している。このように先端部510の両側の側部をL字状に曲げることにより、先端部510を電極パッド又は電極端子と接触させた際に、力が加わった場合においても、先端部510が変形することなく、確実に端子接触部511と電極パッド及び電極端子とを接触させることができる。尚、本実施の形態の説明では、先端部510の両側の側部をL字状に曲げることにより、コの字状の形状に形成したものについて説明するが、中央分を曲げることによりV字状の形状に形成したものや、曲面を形成することによりU字状又は半円状に形成したものであってもよい。
バネ部520は、平板状であって両側がU字状に曲がった蛇行する形状のものを略中心部分において、長手方向に沿ってコの字形状に折曲げた構造のものであり、折曲げられた一方の側521と、他方の側522とは略平行となるように折曲げられている。本実施の形態では、コの字状に折曲げた構造のものを示しているが、Uの字状等に折曲げた構造のものであってもよい。バネ部520では、両側がU字状に曲がった蛇行する形状とすることにより、弾性を有するものとなり、バネとしての機能を発揮させることができる。
筐体部530は、バネ部520の全体を囲むように筐体部530となる領域の金属板を折曲げることにより形成されている。具体的には、筐体部530となる領域の金属板を折曲げることにより側面部531と上面部532とを形成する。また、先端部510近傍においては、両側がU字状に曲がった蛇行する形状の筐体バネ部537を有している。この筐体バネ部537は、平板状であって両側がU字状に曲がった蛇行する形状のものを筐体部530の側面部531を形成する際に曲げられる折曲線の延長線上の折曲線において、コの字形状に折曲げた構造のものであり、折曲げられた一方の側538と、他方の側539とは略平行となるように折曲げられている。筐体バネ部537では、両側がU字状に曲がった蛇行する形状とすることにより、弾性を有するものとなり、バネとしての機能を発揮させることができる。
筐体部530は、筐体部530となる領域の側部を折曲げることにより上面部532を形成し、更に、側面部531を折曲げることにより底面部535も同時に形成されるため、バネ部520全体を略四角形状の筐体部530により囲むことができる。このように形成された筐体部530における先端部510が設けられている側の端部は筐体前部533であり、屈曲部536が設けられている側の端部が筐体後部534である。尚、筐体部530とバネ部520とは境界となる屈曲部536において、約180°折曲げられており、バネ部520は筐体部530内に納められた構造となっている。また、この屈曲部536は、プローバー等の測定機器と電気的に接続されるものであり、端子接触部511において電極パットまたは電極端子と接触して得られた電極信号は、屈曲部536を介し、測定機器に伝達される。
筐体接続部540は、筐体部530の側面部531の内側と接触しており、筐体接続部540と筐体部530とが電気的に接続されている。具体的には、筐体接続部540と筐体部530とが電気的に接続されることにより、電気信号は端子接触部511より先端部510、筐体接続部540、筐体部530を介し、屈曲部536に伝達される。筐体部530は電気信号が流れる領域における断面積が広いため、端子接触部511から屈曲部536までの電気抵抗を低くすることができる。よって、端子接触部511において検出した電気信号を屈曲部536まで低抵抗で伝達することができる。即ち、本実施の形態におけるプローブでは、プローブ内において、電気的に接触する部分は、筐体部530と筐体接続部540の1ヶ所のみであり、接触抵抗を少なくすることができる。
次に、本実施の形態におけるプローブの使用方法について説明する。本実施の形態におけるプローブは、絶縁体外枠560及び570に、2次元的に略等間隔で配列されている。具体的には、本実施の形態におけるプローブでは、図26及び図27に示すように、先端部510に接続されているバネ部520と、筐体部530に接続されている筐体バネ部537との2つのバネ部を有している。従って、図28に示すように、本実施の形態における複数のプローブを2次元的に絶縁体外枠560及び570に収納する際に、本実施の形態におけるプローブの筐体前部533と絶縁体外枠560における押え部561が接触し、筐体後部534と絶縁体外枠570における押え部571が接触し、絶縁体外枠560と絶縁体外枠570を接合させることにより、押え部561及び押え部571を介し、筐体前部533と筐体後部534とが圧縮される方向、即ち、プローブの筐体部530が縮む方向に力が加わる。筐体バネ部537はバネ性を有しているため、この力により、本実施の形態におけるプローブは、絶縁体外枠560及び570に固定される。この状態において、バネ部520はプローブの固定には寄与していない。よって、プローブの先端部510における端子接触部511が、電極パッドまたは電極端子と接触した際には、バネ性をもって接触することが可能である。尚、屈曲部536は、絶縁体外枠570に設けられた開口部572より外部に突き出した状態となっており、屈曲部536と電極端子とを電気的に接続することが可能である。
本実施の形態におけるプローブでは、屈曲部536側に基板を固定した場合、筐体バネ部537におけるバネにより、基板に対して接触力を発生させることができる。これにより、端子接触部511側が変位することにより発生する屈曲部536側の接触力とは関係なく、筐体バネ部537により基板との接触力を発生させることができる。
上述したプローブは、筐体バネ部537を先端部510が設けられている側、即ち、筐体前部533近傍に設けた構成のものであるが、図29及び図30に示すように筐体バネ部537を屈曲部536が設けられている側、即ち、筐体後部534近傍に設けた構成のものであってもよい。尚、図29及び図30における符号は、図26及図27に示す符号における部材と同じ機能を有する部材を示す。
(プローブの製造方法)
次に、図31に基づき本実施の形態におけるプローブの製造方法について説明する。
最初に、ステップ302(S302)において、本実施の形態におけるプローブを作製するため、所定の形状に金属板を形成する(金属板形成工程)。形成方法は、金属板をプレス加工等により打ち抜き形成する方法、または、金属板上に所定の形状のマスクを形成し、マスクの形成されていない領域をエッチングする方法により形成する。尚、この金属板は、銅又は銅を含む合金により形成されており、厚さは、30μm〜150μmである。尚、本実施の形態では、厚さ60μmの銅板を用いて、プレス加工により所定の形状の金属板を形成した。
図32に、所定の形状に形成された金属板を示す。この金属板は、本体部を構成するものであり、本体部は、曲げられていない状態の先端部510、バネ部520、筐体部530、筐体接続部540が形成されている。尚、曲げられていない状態の先端部510、バネ部520、筐体部530、筐体接続部540を各々先端部510となる領域、バネ部520となる領域、筐体部530となる領域、筐体接続部540となる領域とも称する。尚、図32には、プレス等により打ち抜かれた状態の本体部を示す。本体部は、一方の端部より、先端部510となる領域、筐体接続部540となる領域、バネ部520となる領域、筐体部530となる領域の順に接続されて形成されている。本体部は本実施の形態におけるプローブを形成する領域であり、本実施の形態におけるプローブは、本体部を折曲げることにより作製される。
次に、ステップ304(S304)において、本体部にメッキ加工を施す(メッキ工程)。尚、このメッキ加工は、Ni、Pd、Au、もしくはNi、Auのメッキを順に行うことにより行われる。
次に、ステップ306(S306)において、バネ部520となる領域を折曲げる(第1の折曲げ工程)。具体的には、図32に示す破線K1−K2に沿って90°折曲げ、同じ方向に破線K3−K4に沿って90°折曲げる。これにより、バネ部520となる領域はコの字状に折曲げられる。
バネ部520となる領域がコの字状に折曲げられることにより、バネ部520の一方の側521が形成される面と他方の側522が形成される面とは略平行となる。この際、同時に先端部510における側部も両側が90°曲げられ、先端補強部512が形成され、筐体接続部540となる領域もバネ部520における一方の側521及び他方の側522に沿った構造となる。尚、このステップにおいて、筐体部530となる領域の両側の側部を破線L1−L2、破線L3−L4に沿って、バネ部520において曲げられた方向と逆方向に90°折曲げることにより、上面部532となる領域を形成し、更に、後述するように、筐体接続部540と筐体部530の内側とが接触するように筐体接続部540を僅かに外側に曲げる。
次に、ステップ308(S308)において、本体部を折曲げる(第2の折曲げ工程)。具体的には、図32に示す破線M1−M2に沿って、バネ部520の曲げられている側に180°折曲げる。破線M1−M2において折曲げられた部分は屈曲部536となり、本実施の形態におけるプローブが計測機器等と接続する際の接続端子としての機能を有する。
次に、ステップ310(S310)において、筐体部530となる領域を折曲げる(第3の折曲げ工程)。具体的には、バネ部520の曲げられている方向と同じ方向に、図32に示す破線N1−N2に沿って90°折曲げ、破線N3−N4に沿って90°折曲げ、筐体部530の側面部531を形成する。この際、底面部535も同時に形成されるため、バネ部520の全体が筐体部530に囲まれた構造となる。また、筐体バネ部537となるようにコの字状に折曲げられる。これにより、筐体バネ部537の一方の側538が形成される面と、他方の側539が形成される面とは略平行となる。更に、筐体部530の側面部531の内壁と、筐体接続部540とが接触し、電気的に接続される。
以上より、本実施の形態におけるプローブは、一枚の金属板を加工することにより製造することができる。従って、スプリング機能を有するプローブにおいて、複数の部品を組み立てる必要がなく、組立工程が不要である。また、製造工程が、金属板のプレス加工等の加工工程と、メッキ工程と、折曲げ工程のみにより製造されるものであるため、簡単な製造装置で製造することができ、また、製造工程も単純であるため、低コストで大量に短時間に製造することができる。従って、極めて低コストで、両端にスプリング機能を有し、プローブ内における接触抵抗の低いプローブを製造することができる。
尚、図29及び図30に示すプローブについては、図33に示す金属板を折曲げることにより同様に製造することができる。即ち、上述したプローブの製造方法において、ステップ302において図33に示す金属板を形成し、ステップ306からステップ310の折曲げ工程を行うことにより、図29及び図30に示すプローブを製造することができる。尚、図33においては、ステップ306からステップ310において対応して折曲げる折曲線を記載している。
〔第7の実施の形態〕
第7の実施の形態におけるプローブについて説明する。本実施の形態におけるプローブは、電子部品や電気回路等の検査を行うために用いられるものであり、電子部品や電気回路等に形成された電極パッド又は電極端子等と電気的に接続するためのものである。具体的には、図34から図42に示すように、本実施の形態におけるプローブは、一枚の金属板、具体的には、時効硬化型合金であるベリリウム銅を含む金属板を打ち抜いたものを折曲げることにより形成したものである。従って、本実施の形態におけるプローブは、一体化されており、全体がつながった構造となっている。
本実施の形態におけるプローブは、先端部610、バネ部620、筐体部630、筐体接続部640、屈曲部650により形成されている。尚、図34は本実施の形態におけるプローブの斜視図であり、図35は上面図であり、図36は左側面図であり、図37は底面図であり、図38は右側面図であり、図39は正面図である。また、図40は、図34における破線で囲まれた領域34Aの拡大図であり、図41は、図35における破線で囲まれた領域35Aの拡大図であり、図42は、図36における破線で囲まれた領域36Aの拡大図である。
先端部610は、ウエハ等に形成された電気回路及び電子部品等の電極パット又は電極端子等と接触させ電気的に接続するためのものである。先端部610の端部は、端子接触部611を形成している。この端子接触部611は、検査の対象となる電気回路または電子部品等における電極パッドまたは電極端子と接触し電気的に接続される部分である。
バネ部620は、平板状であって両側がU字状に曲がった蛇行する形状のものを略中心部分において、長手方向に沿ってコの字形状に折曲げた構造のものであり、折曲げられた一方の側と、他方の側とは略平行となるように折曲げられている。本実施の形態では、コの字状に折曲げた構造のものを示しているが、Uの字状等に折曲げた構造のものであってもよい。バネ部620では、両側がU字状に曲がった蛇行する形状とすることにより、弾性を有するものとなり、バネとしての機能を発揮させることができる。
筐体部630は、バネ部620の全体を囲むように筐体部630となる領域の金属板を折曲げることにより形成されている。具体的には、筐体部630となる領域の金属板を折曲げることにより側面部631と上面部632とを形成する。
筐体部630は、筐体部630となる領域の側部を折曲げることにより上面部632を形成し、更に、側面部631を折曲げることにより底面部635も同時に形成されるため、バネ部620全体を略四角形状の筐体部630により囲むことができる。
また、筐体部630には、開口部636が設けられており、本実施の形態におけるプローブに力が加えられていない状態では、後述する接触部641が、開口部636に位置するように形成されている。
尚、筐体部630とバネ部620とは境界となる屈曲部650において、約180°折曲げられており、バネ部620は筐体部630内に納められた構造となっている。また、この屈曲部650は、プローバー等の測定機器と電気的に接続されるものであり、端子接触部611において電極パットまたは電極端子と接触して得られた電極信号は、屈曲部650を介し、測定機器に伝達される。このため、屈曲部650は折曲げられる折曲げ部651と電極端子と接触する電極接触部652とが設けられており、電極信号は、電極接触部652を介し、測定機器に伝達される。
筐体接続部640は、図43に示すような絶縁体外枠660及び670に設置された状態において、筐体接続部640と筐体部630の側面部631の内側とが接触する接触部641を有している。即ち、図40に示すように、接触部641は、筐体部630側に尖った形状となるように、への字状に曲げられて形成されておりバネ性を有している。よって、絶縁体外枠660及び670に設置されることにより、接触部641を介し筐体接続部640と筐体部630とが電気的に接続される。
このように、接触部641を介し筐体接続部640と筐体部630とが電気的に接続されることにより、電気信号は端子接触部611より先端部610、筐体接続部640、筐体部630を介し、屈曲部650に伝達される。筐体部630は電気信号が流れる領域における断面積が広いため、端子接触部611から屈曲部650までの電気抵抗を低くすることができる。よって、端子接触部611において検出した電気信号を屈曲部650まで低抵抗で伝達することができる。即ち、本実施の形態におけるプローブでは、プローブ内において、電気的に接触する部分は、筐体部630と筐体接続部640の接触部641との1ヶ所のみであり、接触抵抗を少なくすることができる。
次に、本実施の形態におけるプローブの使用方法について説明する。本実施の形態におけるプローブは、絶縁体外枠660及び670に設置されるものであり、2次元的に略等間隔で配列されている。具体的には、本実施の形態におけるプローブには、先端部610が設けられている側には、先端部610とバネ部620との間に、接続前部633が設けられており、筐体部630において屈曲部650が設けられている側の端部には接続後部634が設けられている。
従って、図43に示すように、本実施の形態における複数のプローブを2次元的に絶縁体外枠660及び670に設置する際に、本実施の形態におけるプローブの接続前部633と絶縁体外枠660における押え部661が接触し、接続後部634と絶縁体外枠670における押え部671が接触し、絶縁体外枠660と絶縁体外枠670を接合させる。これにより、押え部661及び押え部671を介し、接続前部633と接続後部634とが圧縮される方向、即ち、プローブのバネ部620が縮む方向に力が加わる。バネ部620はバネ性を有しているため、この力により、本実施の形態におけるプローブは、絶縁体外枠660及び670に固定される。尚、この状態では、プローブの先端部610における端子接触部611が、電極パッドまたは電極端子と接触した際には、バネ部620におけるバネ性をもって接触させることが可能である。また、屈曲部650は、絶縁体外枠670に設けられた開口部672より外部に突き出した状態となっており、屈曲部650における電極接触部652と電極端子とを電気的に接続することが可能である。
本実施の形態におけるプローブは、絶縁体外枠660及び670に設置されていない状態、即ち、接続前部633に力が加わっていない状態では、筐体接続部640の接触部641は、筐体部630における開口部636に位置しており、筐体部630と筐体接続部640の接触部641とは接触していない。これは、後述するように、本実施の形態におけるプローブの製造方法を考量したものである。この状態では、への字状の接触部641は開口部636側に突き出した状態となっている。
また、前述したように、本実施の形態におけるプローブが絶縁体外枠660及び670に設置された状態では、筐体部630と筐体接続部640の接触部641とが接触する。即ち、本実施の形態におけるプローブは、絶縁体外枠660及び670に設置された状態では、図42に示すように、絶縁体外枠660の押え部661により、接続前部633は矢印Aに示す向きに押される。これにより、バネ部620は縮み、接続前部633は、筐体部630側に押されるため、筐体接続部640は開口部636より筐体部630の奥に入るよう移動し、筐体接続部640の接触部641は筐体部630と接触する。
(プローブの製造方法)
次に、図44に基づき本実施の形態におけるプローブの製造方法について説明する。
最初に、ステップ402(S402)において、本実施の形態におけるプローブを作製するため、所定の形状に金属板を形成する(金属板形成工程)。形成方法は、金属板をプレス加工等により打ち抜き形成する方法等により形成する。尚、この金属板は、ベリリウム銅又はベリリウム銅を含む材料により形成されており、厚さは、30μm〜150μmである。尚、本実施の形態では、厚さ60μmのベリリウム銅からなる金属板を用いて、プレス加工により所定の形状の金属板を形成する。
図45に、所定の形状に形成された金属板680を示す。この金属板680は、プレス加工された状態のものであり、曲げられていない状態の先端部610、バネ部620、筐体部630、筐体接続部640、屈曲部650が形成されている。本実施の形態におけるプローブは、このようにプレス加工された金属板680を折曲げることにより作製される。
次に、ステップ404(S404)において、金属板680の折曲げ加工を行う。具体的には、第1の実施の形態等に記載されている方法と同様の方法により、金属板680の折曲げ加工を行う。このように折曲げ加工を行うことにより、金属板680は図34から図42に示す形状となる。
次に、ステップ406(S406)において、熱処理を行う(熱処理工程)。具体的には、270℃の温度で約2時間の熱処理を行う。本実施の形態におけるプローブは、時効硬化型合金であるベリリウム銅により形成されている。時効硬化型合金であるベリリウム銅は、熱処理を行うことにより硬化させることができ、これにより強度の高いプローブを得ることができる。尚、本実施の形態では、折曲げ加工後に熱処理を行う。これは、熱処理前であれば、ベリリウム銅からなる金属板は軟らかく加工しやすいのに対し、熱処理後は、ベリリウム銅からなる金属板は硬くなり加工することが困難となるからである。また、熱処理温度及び熱処理時間は、時効硬化型合金の種類や組成により最適な温度及び時間で行われるが、熱処理温度は、好ましくは250℃から400℃であり、より好ましくは250℃から315℃である。また、熱処理時間は、好ましくは、1時間から5時間であり、より好ましくは1時間から3時間である。
次に、ステップ408(S408)において、メッキ加工を施す(メッキ工程)。このメッキ加工は、Ni、Pd、Au、もしくはNi、Auのメッキを順に行うことにより行われる。
尚、ステップ404において折曲げ加工されたものは、筐体接続部640の接触部641は、筐体部630における開口部636に位置している状態で形成される。
ベリリウム銅からなる金属板680は、熱処理を行うことにより、形状が固定されてしまう性質を有している。即ち、ベリリウム銅は熱処理を行うことにより、バネ性は維持されるものの、熱処理が行われた状態で形状が固定されてしまう性質を有している。このため、筐体部630と筐体接続部640の接触部641とが接触している状態で熱処理を行うと、その状態で形状が固定されてしまい、筐体接続部640がバネ性をもって筐体部630と接触部641において接触させることができなくなってしまう。また、筐体接続部640の接触部641と筐体部630とが接触している状態でメッキ加工行うと、メッキにより接触部641と筐体部630とが固着してしまい、筐体部630に対し先端部610が相対的に動かなくなってしまう。
このため、本実施の形態におけるプローブは、外部より力が加わらない状態においては、接触部641は開口部636に位置していることが好ましく、また、折曲げ加工の後に、熱処理及びメッキ加工が行われることが好ましい。
以上より、本実施の形態におけるプローブは、一枚のベリリウム銅からなる金属板を加工することにより製造することができる。従って、スプリング機能を有するプローブにおいて、複数の部品を組み立てる必要がなく、組立工程が不要である。また、製造工程が、金属板のプレス加工等の加工工程と、メッキ工程と、折曲げ工程と、熱処理工程のみにより製造されるものであるため、簡単な製造装置で製造することができ、また、製造工程も単純であるため、低コストで大量に短時間に製造することができる。従って、極めて低コストで、両端にスプリング機能を有し、プローブ内における接触抵抗の低いプローブを製造することができる。
〔第8の実施の形態〕
次に、第8の実施の形態について説明する。本実施の形態におけるプローブは、電子部品や電気回路等の検査を行なうために用いられるものであり、電子部品や電気回路等に形成された電極パッド又は電極端子等と電気的に接続するためのものである。具体的には、図46から図53に示すように、本実施の形態におけるプローブは、一枚の金属板を折曲げることにより形成したものである。従って、本実施の形態におけるプローブは、一体化されており、全体がつながった構造となっている。
本実施の形態におけるプローブは、先端部710、バネ部720、筐体部730、屈曲部750を有している。尚、図46は本実施の形態のおけるプローブの斜視図であり、図47は上面図であり、図48は左側面図であり、図49は底面図であり、図50は右側面図であり、図51は正面図である。また、図52は、筐体部730を折曲げる前の状態のプローブを示すものであり、図53は、図52における破線で囲まれた領域52Aの拡大図である。
先端部710は、ウエハ等に形成された電気回路及び電子部品等の電極パット又は電極端子等と接触させ電気的に接続するためのものである。先端部710の端部は、端子接触部711を形成している。この端子接触部711は、検査の対象となる電気回路または電子部品等における電極パッドまたは電極端子と接触し電気的に接続される部分である。
バネ部720は、平板状であって両側がU字状に曲がった蛇行する形状のものを略中心部分において、長手方向に沿ってコの字形状に折曲げた構造のものであり、折曲げられた一方の側と、他方の側とは略平行となるように折曲げられている。本実施の形態では、コの字状に折曲げた構造のものを示しているが、Uの字状等に折曲げた構造のものであってもよい。バネ部720では、両側がU字状に曲がった蛇行する形状とすることにより、弾性を有するものとなり、バネとしての機能を発揮させることができる。
筐体部730は、バネ部720の全体を囲むように筐体部730となる領域の金属板を折曲げることにより形成されている。具体的には、筐体部730となる領域の金属板を折曲げることにより側面部731と上面部732とを形成する。
筐体部730は、筐体部730となる領域の側部を折曲げることにより上面部732を形成し、更に、側面部731を折曲げることにより底面部735も同時に形成されるため、バネ部720全体を略四角形状の筐体部730により囲むことができる。
尚、筐体部730とバネ部720とは境界となる屈曲部750において、約180°折曲げられており、バネ部720は筐体部730内に納められた構造となっている。また、この屈曲部750は、プローバー等の測定機器と電気的に接続されるものであり、端子接触部711において電極パットまたは電極端子と接触して得られた電極信号は、屈曲部750を介し、測定機器に伝達される。このため、屈曲部750は折曲げられる折曲げ部751と電極端子と接触する電極接触部752とが設けられており、電極信号は、電極接触部752を介し、測定機器に伝達される。
本実施の形態では、バネ部720における先端部710側には、筐体部730の側に向かって出っ張った形状の凸部740が設けられている。凸部740は、バネ部720の所定の位置において内側から外側に向けて力を加えることにより形成されている。凸部740は、図52に示すような状態から図46の示す状態に筐体部730を折曲げた際、筐体部730の側面部731の内側と、凸部740とが接触するように形成されている。これにより、筐体部730の内側と凸部740とが接触するため電気的に接続される。
このように、筐体部730の内側と凸部740とが電気的に接続されることにより、電気信号は先端部710の端子接触部711より、バネ部720の側面に設けられた凸部740、筐体部730を介し、屈曲部750に伝達される。筐体部730では、電気信号が流れる領域の断面積が広いため、端子接触部711から屈曲部750までの電気抵抗を低くすることができる。よって、端子接触部711において検出された電気信号を屈曲部750まで低抵抗で伝達することが可能となる。即ち、本実施の形態におけるプローブでは、プローブ内において電気的に接続される部分は、筐体部730の側面部731の内側と、バネ部720に設けられた凸部740の1ヶ所のみであるため、接触抵抗も少なく低抵抗なプローブとなる。
尚、凸部740は、バネ部720の先端部710側に設けることが好ましい。筐体部730は、電気信号が流れる領域の断面積が広く、低抵抗で電流を流すことができるため、端子接触部711において検出された電気信号は、できるだけ筐体部730を伝達させた方が、低抵抗で伝達させることができるからである。また、凸部740は、折曲げられたバネ部720の両側に設けることが好ましい。具体的には、折曲げられた状態のバネ部720の一方の側と他方の側に各々凸部740を設け、バネ部720の一方の側に設けられた凸部740と、筐体部730の側面部731の一方の側の内側と接触させ、バネ部720の他方の側に設けられた凸部740と、筐体部730の側面部731の他方の側の内側と接触させる。このように凸部740を両側に設けることにより、筐体部730との接触をより確実なものとすることができるからである。この際、図53に示すように、凸部740は、バネ部720において対称となる位置に設けられていることが好ましい。このような位置に設けることにより、凸部740と筐体部730の側面部731の内側との接触を更に確実なものとすることができる。
また、本実施の形態におけるプローブでは、バネ部720が折曲げられる前の状態は板状であることから、バネ部720を形成する際、折曲げられた方向に対してもバネ性を有している。よって、バネ部720を形成する際に所定の形状で折曲げることにより、凸部740において筐体部730の側面部731の内側に力が加えられた状態で確実に接触させることができる。このため、先端部710における端子接触部711が基板等に設けられた端子と接触した場合においても、凸部740と筐体部730の側面部731の内側との接触が保たれた状態のままバネ部720が伸縮させることができる。
本実施の形態におけるプローブは、凸部740において筐体部730の側面部731の内側と接触する構造のものであるため、より一層小型化することが可能である。
次に、本実施の形態におけるプローブの使用方法について図54に基づき説明する。本実施の形態におけるプローブは、絶縁体外枠760及び770に設置されて用いられる。具体的には、本実施の形態におけるプローブの筐体部730には接続後部734が設けられており、先端部710とバネ部720との間には、接続前部733が設けられている。本実施の形態におけるプローブを絶縁体外枠760及び770に設置する際には、絶縁体外枠770における内部の面と接続後部734と接触させ、絶縁体外枠760における内部の面と接続前部733を接触させ、絶縁体外枠770と絶縁体外枠760とを接続等することにより、本実施の形態におけるプローブは、絶縁体外枠760及び770に設置される。
また、第1から第8の実施の形態では、筐体部の断面形状が略四角形である場合について説明したが、曲面的に折曲げることにより、断面形状を略円形、略長円形、略三角形等の多角形等にすることも可能である。
また、本実施の形態におけるプローブは、メモリテスタ、液晶パネルの検査、基板検査用プローブ等において用いることができ、ポゴピンとも称されるプローブピンの代替として用いることができる。
以上、本発明の実施に係る形態について説明したが、上記内容は、発明の内容を限定するものではない。