JP2015045403A - トロイダル型無段変速機 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】入力側ディスク2を軸方向へ押圧する油圧式の押圧装置70が、第1油圧室75および第2油圧室76と、第1油圧室75に面する第1ピストン73および第2油圧室76に面する第2ピストン74とを有し、入力軸1に第1油圧室75に油を供給するための油穴38が形成され、第2ピストン74に、第2油圧室76に油を供給するための油路77が形成されている。したがって、入力軸(軸)1には、第2油圧室76に油を供給するための別の油穴が形成されていないので、入力軸1の製作コストや手間を軽減できるとともに、入力軸1には、2つの油穴が軸方向に離間して存在することがないため、入力軸1の軸長増加を抑えることができる。
【選択図】図1
Description
また、第1シリンダ部59の内周面と、第1環状体(第1ピストン)60と、入力側ディスク2の背面2bと、入力軸1の外周面の一部とによって囲まれた空間は、第1油圧室34を構成している。また、第2シリンダ部41の内面と、第2環状体(第2ピストン)61と、入力軸1の外周面の一部とによって囲まれた空間は、第2油圧室36を構成している。
第1シリンダ部59の内周側において、第1環状体60と第2環状体61との間に位置する空間32は空気室となっている。また、第1シリンダ部59は、空気室32を外部と連通させる連通溝79を有している。なお、第2油圧室36内には、第2環状体61を入力側ディスク2に向かう方向に付勢する皿バネ65が設けられている。
また、油路37から各油圧室34,36に油を供給するための供給口(油穴)42a,44aが軸方向に離間して2つ存在することになるため、必然的に入力軸1の内孔1bが長くなってしまい、結果として、入力軸1の軸長が増加するという問題もあった。
また、入力軸1に2つの供給口(油穴)42a,44aが設けられているので、当該油穴42a,44aでの過大応力発生も懸念されている。
前記押圧装置は第1油圧室および第2油圧室と、前記第1油圧室に面する第1ピストンおよび前記第2油圧室に面する第2ピストンとを有し、
前記軸に、前記第1油圧室に油を供給するための油穴が形成され、
前記第2ピストンに、前記第2油圧室に油を供給するための油路が形成されていることを特徴とする。
前記軸部および前記円板部の中央部に前記軸が挿通される軸孔が形成され、
この軸孔の内周面に前記油路が軸方向に沿って形成されていてもよい。
前記押圧装置は、第1油圧室および第2油圧室と、前記第1油圧室に面する第1ピストンおよび前記第2油圧室に面する第2ピストンとを有し、
前記第1ピストンはその中央部に円筒状の第1筒部を有し、
前記第2シリンダ部はその中央部に前記第1筒部の内側に同軸に配置される円筒状の第2筒部を有し、
前記第2筒部の外周部に外周スプライン部が設けられ、
前記軸に、前記第1油圧室に油を供給するための油穴が形成され、
前記第1筒部の内周面と前記外周スプライン部との間が前記第2油圧室に油を供給するための油路とされていることを特徴とする。
なお、本発明の特徴は、油圧式押圧装置の油圧室に油を供給するための供給形態にあり、その他の構成および作用は前述した従来の構成および作用と同様であるため、以下においては、本発明の特徴部分についてのみ言及し、それ以外の部分については、図3〜図5と同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
図1は、本発明の第1の実施形態に係るトロイダル型無段変速機の要部(押圧装置周辺部)の半断面図を示している。本実施形態に係るトロイダル型無段変速機は、いわゆるダブルキャビティ式の高トルク用トロイダル型無段変速機であり、2つの入力側ディスク2と2つの出力側ディスク(図3参照)とが、入力軸(軸)1の外周に取り付けられて成る(図1には、エンジン(原動機)から動力が入力される入力側の入力側ディスク(第1ディスク)2のみが示されている)。入力側ディスク2と前記出力側ディスク(第2ディスク)との間には、入力側ディスク2の回転力を所定の変速比で前記出力側ディスクに伝達するパワーローラが挟持されている。また、入力軸1の中間部の外周には、図3に示された従来の構成と同様に、出力歯車が回転自在に支持されている。前記出力歯車の中心部に設けられた円筒状のフランジ部には、前記出力側ディスクがスプライン係合によって連結されている。なお、動力出力側の構成は、図3の構成と同様であるため、その説明を省略する。
また、入力軸1とエンジン側の駆動軸(図示略)との間には、結合部としての動力伝達部(図示略)が設けられており、この動力伝達部を介して、エンジン側の駆動軸から入力軸1に回転力が入力されるようになっている。
この押圧装置70は、入力側ディスク2と一体の第1シリンダ部71と、入力軸1の入力端部と一体の第2シリンダ部72と、第1ピストン73と、第2ピストン74とを備えている。
また、第2ピストン74の円板部74aの外周面は前記第1ピストン73の筒部73bの内周面に入力軸1の軸方向に摺動自在に摺接している。さらに、第2ピストン74の軸部74bは、第1ピストン73の円板部73aに中央部に形成された孔に入力軸1の軸方向に摺動自在に挿通されている。
そして、第2シリンダ部72の円板部72aと、入力軸1の外周面と、第2ピストン74の円板部74aとで囲まれた空間が第2油圧室76を構成し、この第2油圧室76に第2ピストン74の円板部74aが面している。
一方、前記入力軸1には、その長手方向に沿って延びる油路37と、油路37と直交するように径方向に延びる油穴38とが形成されている。油穴38は2つあり、それぞれ油路37から径方向に向けて一直線上に延びている。この油穴38の供給口38aは入力軸1の外周面に開口している。
また、前記第2ピストン74の軸部74bには、油穴78,78が前記油路77,77と直交するように径方向に延びて形成され、これら油穴78,78と油路77,77とは油路77,77の端部において連通している。
また、油穴78は入力軸1に形成された油穴38と同軸かつ同径に設けられて、これら油穴78,38は連通している。したがって、油路77は油穴78を介して油穴38と連通している。
そして、油路37を流通する油は、油穴38から油穴78を通って第1油圧室75に供給される一方、油穴78、油路77を通って第2油圧室76に供給されるようになっている。
一方、第2油圧室76に油が供給されると、この油は、第2ピストン74と第2シリンダ部72とが離れる方向に第2シリンダ部72を移動させる。これにより、第2シリンダ部72と一体を成す入力軸1がエンジン側(図1おいて右側)へと移動し、ローディングナット9(図3参照)を介して、エンジンから遠くに位置する反対側の入力側ディスク2が出力側ディスクに向かって押圧される。こうして、それぞれのパワーローラのトラクション部が入出力側ディスク2,3の双方に転接し、入力側ディスク2の回転駆動力を所望の減速比で出力側ディスク3に伝達する。
さらに、第2ピストン74が、第2油圧室76に面する円板部74aと、この円板部74aの中央部に当該円板部74aと同軸に設けられた軸部74bとを有し、軸部74bおよび円板部74aの中央部に入力軸1が挿通される軸孔74cが形成され、この軸孔74cの内周面に油路77が軸方向に沿って形成されているので、第2ピストン74に容易に油路77を形成できるともに、この油路77に入力軸1に形成された油穴38を容易に連通できる。
加えて、入力軸1に形成された油穴38に、第2ピストン74の軸部74bに形成された油穴78が連通しており、さらにこの油穴78が第1油圧室75に連通しているので、油路37を流通する油を油穴48および油穴78を通して第1油圧室75に確実に供給できる。
図3は、本発明の第2の実施形態に係るトロイダル型無段変速機の要部(押圧装置周辺部)の半断面図、図4は図3におけるA−A線断面図である。本実施形態に係るトロイダル型無段変速機は、第1の実施の形態と同様に、ダブルキャビティ式の高トルク用トロイダル型無段変速機である。本実施の形態が第1の実施の形態と異なる点は押圧装置80の構成であるので、以下ではこの点ついて説明し、第1の実施の形態と共通構成部分には同一符号を付してその説明を省略ないし簡略化する。
この押圧装置80は、入力側ディスク(第1ディスク)2と一体の第1シリンダ部81と、入力軸1の入力端部と一体の第2シリンダ部82と、第1ピストン83と、第2ピストン84とを備えている。
第2筒部82cと円板部82aとは傾斜壁部82eによって一体的に結合されており、当該第2筒部82cは傾斜壁部82eの端部から入力側ディスク2(第2ディスク)側に向けて延出している。
また、円板部82dの外周部に第2筒部82cの延出端部が一体的に結合されている。円板部82dの入力側ディスク2側を向く面と、入力側ディスク2の背面2bとの間には油路86が設けられており、この油路86は入力軸1に設けられた油穴87に連通している。
油穴87は、入力軸1の軸芯部に軸方向に延びて設けられた油路37の端部から入力軸1の軸線方向と直交する方向に延びて、前記油路86と連通している。
したがって、油路37に供給される油は、油穴87および油路86を通って第1油圧室85に供給されるようになっている。
第1ピストン83の第1筒部83bの内周面には後述する外周スプライン部91が入力軸1の軸方向に摺動自在に摺接している。
また、第2シリンダ部82の第2筒部82cの外周面には外周スプライン部91が設けられている。この外周スプライン部91は、入力軸1の軸方向に延在するスプライン突部91aとスプライン溝部91bとが周方向に交互に設けられた構成となっている。
また、第2筒部82cの内周面には内周スプライン部90が設けられており、この内周スプライン部90はインプットシャフト93の端部にスプライン係合している。
また、第1ピストン83の第1筒部83bの先端部には傾斜面83dが周方向に沿って形成されており、この傾斜面83dと傾斜壁部82eの内面との間には所定の隙間92aが設けられ、この隙間92aを介して油路92と第2油圧室88とが連通している。
そして、油路37に供給される油は、油穴87、油路86、第1油圧室85、油路92および隙間92aを通って第2油圧室88に供給されるようになっている。
一方、油路37、油穴87、油路86、第1油圧室85、油路92および隙間92aを通って第2油圧室88に油が供給されると、この油は、第2ピストン84と第2シリンダ部82とが離れる方向に第2シリンダ部82を移動させる。これにより、第2シリンダ部82と一体を成す入力軸1がエンジン側(図3おいて右側)へと移動し、ローディングナット9(図5参照)を介して、エンジンから遠くに位置する反対側の入力側ディスク2が出力側ディスクに向かって押圧される。こうして、それぞれのパワーローラのトラクション部が入出力側ディスク2,3の双方に転接し、入力側ディスク2の回転駆動力を所望の減速比で出力側ディスク3に伝達する。
また、前記2つの実施の形態ではダブルキャビティ式ハーフトロイダル型無段変速機に適用する場合を例にとって説明したが、これに限ることなく、本発明はシングルキャビティ式ハーフトロイダル型無段変速機や、フルトロイダル型無段変速機にも適用することができる。
2 入力側ディスク(第1ディスク)
3 出力側ディスク(第2ディスク)
11 パワーローラ
70,80 押圧装置
37 油路
38,87 油穴
71,81 第1シリンダ部
72,82 第2シリンダ部
82c 第2筒部
73,83 第1ピストン
83b 第1筒部
74,84 第2ピストン
74a 円板部
74b 軸部
74c 軸孔
75,85 第1油圧室
76,88 第2油圧室
77,92 油路
91 外周スプライン部
Claims (4)
- 軸と、この軸に結合されて当該軸と一体で回転する第1ディスクと、この第1ディスクに対向して設けられた第2ディスクと、前記第1ディスクと前記第2ディスクとの間に挟持されるパワーローラと、前記第1ディスクの背面に配置され、かつ前記第1ディスクを軸方向へ押圧する油圧式の押圧装置とを備えたトロイダル型無段変速機において、
前記押圧装置は、第1油圧室および第2油圧室と、前記第1油圧室に面する第1ピストンおよび前記第2油圧室に面する第2ピストンとを有し、
前記軸に、前記第1油圧室に油を供給するための油穴が形成され、
前記第2ピストンに、前記第2油圧室に油を供給するための油路が形成されていることを特徴とするトロイダル型無段変速機。 - 前記油路は前記油穴と連通していることを特徴とする請求項1に記載のトロイダル型無段変速機。
- 前記第2ピストンが、前記第2油圧室に面する円板部と、この円板部の中央部に当該円板部と同軸に設けられた軸部とを有し、
前記軸部および前記円板部の中央部に前記軸が挿通される軸孔が形成され、
この軸孔の内周面に前記油路が軸方向に沿って形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載のトロイダル型無段変速機。 - 軸と、この軸に結合されて当該軸と一体で回転する第1ディスクと、この第1ディスクに対向して設けられた第2ディスクと、前記第1ディスクと前記第2ディスクとの間に挟持されるパワーローラと、前記第1ディスクの背面に配置され、かつ前記第1ディスクを軸方向へ押圧する油圧式の押圧装置とを備えたトロイダル型無段変速機において、
前記押圧装置は、第1油圧室および第2油圧室と、前記第1油圧室に面する第1ピストンおよび前記第2油圧室に面する第2ピストンとを有し、
前記第1ピストンはその中央部に円筒状の第1筒部を有し、
前記第2シリンダ部はその中央部に前記第1筒部の内側に同軸に配置される円筒状の第2筒部を有し、
前記第2筒部の外周部に外周スプライン部が設けられ、
前記軸に、前記第1油圧室に油を供給するための油穴が形成され、
前記第1筒部の内周面と前記外周スプライン部との間が前記第2油圧室に油を供給するための油路とされていることを特徴とするトロイダル型無段変速機。
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