JP2015045037A - スパッタ装置および薄膜形成方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】スパッタ工法において定在波が薄膜形成に与える影響を低減する。【解決手段】スパッタ装置1では、減圧チャンバ14内にて透明のウェブ9が搬送される。ウェブ9上にはスパッタ部12により薄膜が連続的に形成される。ウェブ9とターゲット材料との間には直流電圧と高周波電圧とが重畳して印加される。測定部13は、薄膜形成直後のウェブ9の透過率を測定する。透過率は、ウェブ9の幅方向の複数の位置にて測定される。ガス供給制御部171は、複数の透過率のばらつきを低減するように添加ガス供給部152をフィードバック制御する。添加ガス供給部152は、例えば、酸素ガスおよび水素ガスの少なくとも一方の供給量を変更する。これにより、高周波電圧による定在波が薄膜形成に与える影響を低減することができる。【選択図】図1

Description

本発明は、スパッタ工法において、透明ウェブとターゲット材料との間に直流電圧と高周波電圧とを重畳して印加することにより、透明ウェブ上に薄膜を形成する技術に関連する。
近年、様々な分野において機能性シートの需要が増えている。また、機能性シートの性能の向上と共に、シート幅の拡大も求められている。機能性シートの代表的な例として、透明導電膜を有するシートを挙げることができる。このようなシートは、タッチパネルや太陽電池等に使用され、導電性および透明性が主に求められる。
特許文献1では、高周波グロー放電を用いて半導体基板に表面処理を行う際に、高周波電極を分割し、さらにその大きさを制限することにより、定在波の発生を抑止し、表面処理の均一性を向上する技術が開示されている。なお、特許文献2には、透明導電膜が形成された長尺の基板の特性評価を、ロール・ツー・ロール装置にて効率よく行う技術が開示されている。
特開2000−268994号公報 特開2012−237599号公報
ところで、スパッタ工法では、膜質を向上するために、直流電圧に高周波電圧を重畳する場合がある。膜質の向上により、膜厚を薄くすることも容易となる。長尺の基材にスパッタ工法にて薄膜を形成する場合、シート幅が大きくなると高周波電圧に起因する定在波の影響が薄膜に現れる。その結果、膜厚や膜質の均一性が低下し、シート幅をさらに大きくしたり、薄膜をさらに薄くすることが困難になる。また、高価な材料の使用量も削減することができない。
本発明は上記課題に鑑みなされたものであり、スパッタ工法において、定在波が薄膜形成に与える影響を低減することを目的としている。
請求項1に記載の発明は、スパッタ装置であって、不活性ガスが内部に存在する減圧チャンバと、前記減圧チャンバ内に添加ガスを供給する添加ガス供給部と、前記減圧チャンバ内にて透明ウェブを搬送するウェブ搬送部と、前記透明ウェブの搬送経路上に位置し、スパッタ工法により前記透明ウェブ上に材料を堆積させて薄膜を形成するスパッタ部と、スパッタ後の前記透明ウェブの透過率を測定する測定部と、前記測定部による測定結果に基づいて前記添加ガス供給部による添加ガスの単位時間当たりの供給量を制御するガス供給制御部とを備え、前記スパッタ部が、前記透明ウェブとターゲット材料との間に直流電圧と高周波電圧とを重畳して印加し、前記測定部が、搬送される前記透明ウェブの幅方向において異なる複数の測定位置にて前記透明ウェブの透過率を測定し、前記ガス供給制御部が、前記複数の位置における透過率のばらつきと、前記ばらつきを低減させる前記添加ガスの供給量との関係を示すガス制御情報を記憶する記憶部を含み、前記ガス制御情報および前記測定部により取得された透過率に基づいて前記添加ガス供給部を制御する。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のスパッタ装置であって、前記スパッタ部により、前記透明ウェブ上に透明導電膜が形成される。
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載のスパッタ装置であって、前記添加ガスが、酸素ガスまたは水素ガスである。
請求項4に記載の発明は、請求項1ないし3のいずれかに記載のスパッタ装置であって、前記複数の測定位置に含まれる2つの測定位置において、前記添加ガスの供給量を変化させた場合に前記透明ウェブの透過率の大小関係が反転する。
請求項5に記載の発明は、請求項1ないし4のいずれかに記載のスパッタ装置であって、前記高周波電圧の周波数が、40MHz以上である。
請求項6に記載の発明は、スパッタにより透明ウェブ上に薄膜を形成する薄膜形成方法であって、a)不活性ガスが内部に存在する減圧チャンバ内にて、透明ウェブを搬送する工程と、b)前記a)工程と並行して、前記透明ウェブの搬送経路上にてスパッタ工法により前記透明ウェブ上に材料を堆積させて薄膜を形成する工程と、c)前記a)工程と並行して、前記b)工程により薄膜が形成された後の前記透明ウェブの透過率を測定する工程と、d)前記透過率の測定結果に基づいて前記減圧チャンバ内に供給される添加ガスの単位時間当たりの供給量を制御する工程とを備え、前記b)工程において、前記透明ウェブとターゲット材料との間に直流電圧と高周波電圧とが重畳して印加され、前記c)工程において、搬送される前記透明ウェブの幅方向において異なる複数の位置にて前記透明ウェブの透過率が測定され、前記d)工程により、前記複数の位置における透過率のばらつきが低減される。
本発明によれば、定在波が薄膜形成に与える影響を低減することができる。
スパッタ装置の概略構成を示す縦断面図である。 スパッタ装置の概略構成を示す縦断面図である。 測定部を示す図である。 スパッタ装置の動作の流れを示す図である。 水素ガスの供給量を変更した場合のウェブ幅方向位置と透過率との関係を示す図である。 水素ガスの供給量を変更した場合のウェブ幅方向位置とシート抵抗との関係を示す図である。 透過率差とシート抵抗均一性との関係を示す図である。 酸素ガスの供給量を変更した場合のウェブ幅方向位置と透過率との関係を示す図である。 酸素ガスの供給量を変更した場合のウェブ幅方向位置とシート抵抗との関係を示す図である。 最適化時のウェブ幅方向位置とシート抵抗との関係を示す図である。
図1は、本発明の一の実施の形態に係るスパッタ装置1の概略構成を示す縦断面図である。スパッタ装置1は、長尺の樹脂製のシートである透明ウェブ9(以下、単に「ウェブ」という。)上に透明導電膜を連続的に形成する装置である。本実施の形態では、透明導電膜としてITO(酸化インジウムスズ)膜が形成される。スパッタ装置1では、透明導電膜の抵抗値を下げるために、スパッタ工法に利用される直流電圧に高周波電圧が重畳される。
スパッタ装置1は、ウェブ9を搬送するウェブ搬送部11と、スパッタ部12と、測定部13と、減圧チャンバ14とを備える。減圧チャンバ14には、不活性ガス供給部151と、添加ガス供給部152とがそれぞれ弁153,154を介して接続される。減圧チャンバ14には、主排気ポンプ161と、ドライポンプ162とがさらに接続される。スパッタ装置1は、制御部17をさらに備える。図1では、制御部17の機能のうち、ガス供給制御部171のみを示している。ガス供給制御部171の記憶部172には、後述するガス制御情報81が記憶される。
図2に示すように、ウェブ搬送部11は、供給部111と、一対の張力制御ローラ112と、主冷却ローラ113と、回収部114と、複数の補助ローラ115とを備える。供給部111では、ロール91からウェブ9が引き出される。引き出されたウェブ9は、補助ローラ115および一方の張力制御ローラ112を介して主冷却ローラ113へと導かれる。ウェブ9は、一対の張力制御ローラ112の間にて主冷却ローラ113に巻き付けられる。これにより、ウェブ9は主冷却ローラ113上に一定の張力にて保持される。
主冷却ローラ113からのウェブ9は、他方の張力制御ローラ112および補助ローラ115を介して回収部114へと導かれる。回収部114では、薄膜形成後のウェブ9が巻かれたロール92が支持される。ウェブ搬送部11の各ローラは、減圧チャンバ14内に配置され、ウェブ9は、減圧チャンバ14内にて搬送される。スパッタ装置1は、いわゆる、ロール・ツー・ロール方式にて基材であるウェブ9を搬送する。これにより、効率よく基材上に薄膜を形成することができる。
スパッタ部12は、ターゲット電極121と、直流電源122(以下、「DC電源」という。)と、高周波電源123(以下、「RF電源」という。)とを備える。DC電源122とターゲット電極121との間にはローパスフィルタ124が配置される。RF電源123とターゲット電極121との間にはマッチングボックス125が配置される。ターゲット電極121上にはターゲット材料95が保持される。
DC電源122およびRF電源123により、主冷却ローラ113とターゲット電極121の間、すなわち、ウェブ9とターゲット材料95との間に直流電圧と交流の高周波電圧とが重畳して印加される。これにより、主冷却ローラ113とターゲット電極121との間にアルゴンのプラズマが発生し、アルゴンイオンによるスパッタにより、ウェブ9上にターゲット材料から叩き出された材料が堆積し、薄膜が形成される。このように、スパッタ部12は、ウェブ9の搬送経路上に位置し、搬送途上のウェブ9上に薄膜を形成する。なお、主冷却ローラ113の外周において、スパッタを行う領域以外の領域は、防着版126により覆われる。
測定部13は、投光部131と、受光部132とを備える。投光部131からは波長550nm±20nmの範囲内の光が出射される。本実施の形態では、波長570nmの光が出射される。光はウェブ9を通過して受光部132にて受光される。図3は、測定部13を図2の右側から見た側面図である。測定部13は、投光部131と受光部132との2つの組合せを有する。これらはウェブ9の幅方向、すなわち、ウェブ9の搬送方向に垂直な方向に配列される。これにより、測定部13は、ウェブ9の幅方向において異なる2つの位置にてウェブ9の透過率を測定する。
なお、2つの測定位置は搬送方向に関して同一位置である必要はなく、搬送方向に関してずれていてもよい。この場合、ウェブ9の搬送方向においてウェブ9上の同一位置を測定するように、2組の投光部131および受光部132の測定タイミングがずらされる。また、投光部131および受光部132は、減圧チャンバ14内に位置する必要はなく、例えば、減圧チャンバ14の側壁から内部へと延びる一対の管が設けられ、大気圧である一方の管内に投光部131が配置され、大気圧である他方の管内に受光部132が配置されてもよい。
測定部13は、主冷却ローラ113と回収部114との間であれば任意の位置に配置されてよい。測定部13により、スパッタ直後のウェブ9の透過率が測定される。測定部13からの出力は、図1のガス供給制御部171に入力される。
主排気ポンプ161は、弁163を介して減圧チャンバ14内の減圧を行う。排気時には、ドライポンプ162と主排気ポンプ161との間に配置される弁164とドライポンプ162と減圧チャンバ14との間に配置される弁165とを利用して、主排気ポンプ161による排気からドライポンプ162による排気へと切り替えられ、減圧チャンバ14内が高真空の状態となる。
不活性ガス供給部151は、減圧チャンバ14内にアルゴンガスを供給する。これにより、減圧チャンバ14内は、不活性ガスが存在する減圧状態となる。なお、本実施の形態では、正確には、アルゴンガスは体積比率で水素ガスを3%含む。また、不活性ガスはアルゴンガスには限定されない。添加ガス供給部152は、減圧チャンバ14内に添加ガスとして、酸素ガスおよび水素ガスを供給する。添加ガスの流量、すなわち、単位時間当たりの供給量は、ガス供給制御部171により制御される。制御される添加ガスは、酸素ガスおよび水素ガスの一方のみであってもよい。添加ガスとして水蒸気も供給されてよい。また、供給される添加ガスは酸素ガスおよび水素ガスの一方のみでもよい。
次に、スパッタ装置1の動作について説明する。スパッタ装置1では、ウェブ9上に形成される透明導電膜のシート抵抗が均一となるように制御が行われる。
図4は、スパッタ装置1の動作の流れを示す図である。まず、ウェブ搬送部11によるウェブ9の搬送が開始され(ステップS11)、スパッタ部12によるスパッタも開始される(ステップS12)。これにより、ウェブ9の搬送と並行して、ウェブ9の搬送経路上にてスパッタによりウェブ9上に材料が堆積し、薄膜が連続的に形成される。測定部13は、連続的に行われるウェブ9の搬送およびスパッタに並行して、透明導電膜が形成されたウェブ9の透過率を繰り返し測定する(ステップS13,S16)。このとき、測定部13による測定結果に基づいて添加ガス供給部152による添加ガスの流量が制御される。具体的には、2つの受光部132から得られる2つの透過率のばらつき、すなわち、相違が許容範囲内であるか否かが確認され(ステップS14)、許容範囲内でない場合は、添加ガスの供給量が変更される(ステップS15)。
ガス供給制御部171の記憶部172に記憶されるガス制御情報81は、複数の透過率のばらつきと、当該ばらつきを低減させる添加ガスの供給量との関係を示すものであり、ガス供給制御部171は、ガス制御情報81および複数の透過率に基づいて添加ガスの供給量を決定する。例えば、ガス制御情報81として、2つの透過率の差と添加ガスの供給量の増減量との関係、あるいは、2つの透過率の差から添加ガスの供給量の増減量を求めるための演算式が準備される。本実施の形態にて制御される添加ガスは酸素であるが、既述のように、水素の供給量が制御されてもよく、酸素および水素の供給量が制御されてもよい。さらには、水蒸気の供給量が制御されてもよい。
透過率のばらつきが低減されるように添加ガスの流量がフィードバック制御されることにより、透明導電膜の均一性が維持されつつ、透明導電膜が連続的に形成される。供給部111におけるウェブ9の残量が予め定められた量以下になると(ステップS16)、スパッタ部12が停止され(ステップS17)、ウェブ9の搬送も停止される(ステップS18)。
次に、上記のスパッタ装置1の動作により、透明導電膜のシート抵抗の均一性が得られる原理について説明する。
図5は、透明導電膜を形成する際に、不活性ガス供給部151により、減圧チャンバ14内を、体積比率で水素ガスを3%含有するアルゴンガス雰囲気とし、添加ガス供給部152から供給される水素ガスの流量を変更した場合のウェブ9の透過率の測定結果を示す図である。DC電源122による直流電圧にはRF電源123による60MHzの高周波電圧が重畳される。横軸はウェブ9の幅方向の位置、縦軸は波長570nmにおける透過率を示す。水素ガスの流量は、0、10、20、30sccmの4通りに設定した。なお、sccmは20℃1気圧における1分間のガス流量である。
図5から、ウェブ9の端から80mmおよび380mmの位置(以下、それぞれ「位置80mm」「位置380mm」と呼ぶ。)で、水素ガスの供給量に依存して透過率が大きく変化することが判る。これは、ウェブ9の幅が大きいため、高周波電源123による定在波の影響が薄膜形成に現れることが原因である。位置80mmおよび位置380mmでは、膜厚が厚くなったり、膜質が低下していると考えられる。
図6は、図5の測定対象となったウェブ9の透明導電膜のシート抵抗の測定結果を示す図である。図6から、ウェブ9の端から80mmおよび380mmの位置で、水素ガスの供給量に依存してシート抵抗が大きく変化することが判る。
図7は、図5および図6から、水素ガスの流量を変更した場合の、位置80mmおよび位置280mmにおける透過率の差の割合およびシート抵抗の差の割合を示す図である。位置280mmは、水素ガスの供給量による透過率やシート抵抗の変動が比較的少ない位置である。図7から、透過率の差とシート抵抗の差とがおよそ比例関係であることが判る。したがって、透過率の差を低減することにより、シート抵抗の差が減少するといえる。また、図6から、ピーク位置とピーク間の位置におけるシート抵抗の差を低減することにより、幅方向の全域においてシート抵抗の不均一性が低減されることが判る。
図8は、酸素ガスの流量を変更した場合の透過率を示す図である。図8より、酸素ガスの流量が、0sccmの場合、位置80mmにおける透過率は位置280mmにおける透過率よりも低い。一方、酸素ガスの流量が、0.4sccmの場合、位置80mmにおける透過率は位置280mmにおける透過率よりも高い。
図9は、酸素ガスの流量を変更した場合のシート抵抗を示す図である。図9より、酸素ガスの流量が、0sccmの場合、位置80mmにおけるシート抵抗は位置280mmにおけるシート抵抗よりも大きい。一方、酸素ガスの流量が、0.4sccmの場合、位置80mmにおけるシート抵抗は位置280mmにおけるシート抵抗よりも小さい。
以上のことから、0sccmと0.4sccmとの間の酸素ガスの流量において、位置80mmおよび位置280mmにおける透過率の差を解消することができると予想される。そして、この条件で、透明導電膜のシート抵抗ばらつきも最小に抑えることができるといえる。換言すれば、2つの測定位置が、添加ガスの供給量を変化させた場合にウェブ9の透過率の大小関係が反転する位置として設定されることにより、透過率およびシート抵抗を均一にする制御が容易に実現される。
なお、位置80mmと位置280mmとは、水素ガスの流量を変更することにより、定在波の影響の相違が大きくなる位置であるが、プラズマ中の定在波が薄膜形成に与える影響は、還元作用であっても酸化作用であっても位置としては同じであるため、水素ガスの流量を変更した場合も酸素ガスの流量を変更した場合においても同じ位置に現れる。したがって、上記実験では、定在波による影響の相違が大きく現れた水素ガスの流量変更の結果を利用して位置80mmおよび位置280mmを決定した。
図10は、位置80mmおよび位置280mmにおける透過率の差を低減することにより得られるシート抵抗の分布を示す図である。図10では、シート抵抗の均一性は約±6.4%まで低減され、ウェブ9の全幅においておよそ均一なシート抵抗が得られることが判る。
スパッタ装置1では、上記実験により予め得られた2つの位置に測定部13の受光部132を配置し、透過率の差が小さくなるように添加ガスの供給量が制御される。これにより、ウェブ9の幅が大きい場合であっても、ウェブ9の幅方向においてシート抵抗が均一な薄膜をウェブ9上に形成することができる。シート抵抗が均一であることは膜厚および膜質が均一であることを意味し、必要な性能を維持しつつ薄膜の厚さを薄くすることも可能となる。なお、シート抵抗の均一性を目的とせず、透過率の均一性自体が目的とされてもよい。これにより、透明ウェブ9の視覚的品質の向上が実現される。さらに、透過率の均一性向上による他の特性の向上が目的であってもよい。スパッタ装置1では、様々な薄膜形成において、定在波が薄膜形成に与える影響を低減することができる。
上記スパッタ装置1の構成および動作は様々に変形が可能である。
測定部13の投光部131または受光部132には、波長を制限するための光学フィルタが設けられてもよい。投光部131の光源はランプにフィルタを設けたものでもよく、発光ダイオードやレーザ等であってもよい。測定に用いられる波長は、形成される膜の種類や用途に合わせて適宜変更されてよい。
上記実施の形態では、透過率の測定位置は、図6においてシート抵抗が最も高い位置と最も低い位置とに設定される。シート抵抗が低い位置は、2つのピーク位置の間であれば適宜設定されてよい。シート抵抗が2番目に高い位置が明瞭には現れない場合は、シート抵抗が低い位置は、シート抵抗が最も高い位置と、ウェブ9の両端部のうちシート抵抗が最も高い位置から離れている方の端部との間に適宜設定される。
測定位置の数は3以上でもよい。ガス供給制御部171は、複数の透過率のばらつきを低減するように添加ガスの供給量を制御する。ここで、「ばらつき」とは、分散等の統計学的な値には限定されず、およそばらつきを示すものであれば様々な値が採用可能である。例えば、最大値と最小値との差でもよい。
測定位置の数が3以上の場合、複数の測定位置に含まれる2つの測定位置において、添加ガスの供給量を変化させた場合に透過率の大小関係が反転することが好ましい。透過率の大小関係は反転しなくてもよく、添加ガスの供給により2つの透過率の差が小さくなるのみでもよい。すなわち、添加ガスの供給により複数の透過率のばらつきが小さくなるのであれば、測定位置は様々な手法にて設定されてよい。
添加ガスによる定在波の影響の低減は、定在波の波長が短くなる40MHz以上の場合に適している。また、ウェブ9の幅が20cm以上の場合にも適している。
酸素ガスおよび水素ガスの少なくとも一方の供給量を制御する手法は、成膜時に酸化反応を発生させる様々な場合に利用することができる。成膜される透明導電膜としては、酸化亜鉛や酸化亜鉛系導電膜、酸化チタン系導電膜、酸化スズ系導電膜等、様々なものが採用可能である。スパッタ装置1は、酸化ケイ素や酸化アルミニウム等の薄膜形成にも利用することができる。さらには、制御される添加ガスとして窒素ガスを使用することにより、定在波の影響を抑えた窒化膜の形成にも利用することができる。
フィードバック制御に利用される透過率は、実質的に透過率を表すものであれば、様々なものが利用されてよい。例えば、受光部132の受光素子からの出力値がそのまま透過率を実質的に表す値として利用されてもよい。フィードバック制御のアルゴリズムとしては、周知の様々な手法が採用可能である。
上記実施の形態および各変形例における構成は、相互に矛盾しない限り適宜組み合わされてよい。
1 スパッタ装置
9 ウェブ
11 ウェブ搬送部
12 スパッタ部
13 測定部
14 減圧チャンバ
81 ガス制御情報
152 添加ガス供給部
171 ガス供給制御部
172 記憶部
S11〜S18 ステップ

Claims (6)

  1. スパッタ装置であって、
    不活性ガスが内部に存在する減圧チャンバと、
    前記減圧チャンバ内に添加ガスを供給する添加ガス供給部と、
    前記減圧チャンバ内にて透明ウェブを搬送するウェブ搬送部と、
    前記透明ウェブの搬送経路上に位置し、スパッタ工法により前記透明ウェブ上に材料を堆積させて薄膜を形成するスパッタ部と、
    スパッタ後の前記透明ウェブの透過率を測定する測定部と、
    前記測定部による測定結果に基づいて前記添加ガス供給部による添加ガスの単位時間当たりの供給量を制御するガス供給制御部と、
    を備え、
    前記スパッタ部が、前記透明ウェブとターゲット材料との間に直流電圧と高周波電圧とを重畳して印加し、
    前記測定部が、搬送される前記透明ウェブの幅方向において異なる複数の測定位置にて前記透明ウェブの透過率を測定し、
    前記ガス供給制御部が、前記複数の位置における透過率のばらつきと、前記ばらつきを低減させる前記添加ガスの供給量との関係を示すガス制御情報を記憶する記憶部を含み、前記ガス制御情報および前記測定部により取得された透過率に基づいて前記添加ガス供給部を制御することを特徴とするスパッタ装置。
  2. 請求項1に記載のスパッタ装置であって、
    前記スパッタ部により、前記透明ウェブ上に透明導電膜が形成されることを特徴とするスパッタ装置。
  3. 請求項1または2に記載のスパッタ装置であって、
    前記添加ガスが、酸素ガスまたは水素ガスであることを特徴とするスパッタ装置。
  4. 請求項1ないし3のいずれかに記載のスパッタ装置であって、
    前記複数の測定位置に含まれる2つの測定位置において、前記添加ガスの供給量を変化させた場合に前記透明ウェブの透過率の大小関係が反転することを特徴とするスパッタ装置。
  5. 請求項1ないし4のいずれかに記載のスパッタ装置であって、
    前記高周波電圧の周波数が、40MHz以上であることを特徴とするスパッタ装置。
  6. スパッタにより透明ウェブ上に薄膜を形成する薄膜形成方法であって、
    a)不活性ガスが内部に存在する減圧チャンバ内にて、透明ウェブを搬送する工程と、
    b)前記a)工程と並行して、前記透明ウェブの搬送経路上にてスパッタ工法により前記透明ウェブ上に材料を堆積させて薄膜を形成する工程と、
    c)前記a)工程と並行して、前記b)工程により薄膜が形成された後の前記透明ウェブの透過率を測定する工程と、
    d)前記透過率の測定結果に基づいて前記減圧チャンバ内に供給される添加ガスの単位時間当たりの供給量を制御する工程と、
    を備え、
    前記b)工程において、前記透明ウェブとターゲット材料との間に直流電圧と高周波電圧とが重畳して印加され、
    前記c)工程において、搬送される前記透明ウェブの幅方向において異なる複数の位置にて前記透明ウェブの透過率が測定され、
    前記d)工程により、前記複数の位置における透過率のばらつきが低減されることを特徴とする薄膜形成方法。
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