JP2015044886A - 電着塗料組成物、電着塗料組成物用解離触媒 - Google Patents

電着塗料組成物、電着塗料組成物用解離触媒 Download PDF

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Abstract

【課題】有機錫フリーのカチオン電着塗料組成物を提供する。
【解決手段】一般式(1):

で表される4級アンモニウム塩およびカルボン酸誘導体含有4級アンモニウム塩から選ばれる1種の4級アンモニウム塩Aと、金属化合物Bが、有機酸金属塩類および金属アルコキシドからなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物である、電着塗料組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、有機錫化合物を含まず、現行と同等の焼き付け条件にて良好な塗膜の硬化性を確保することができる有機錫フリーの電着塗料組成物、及びこの組成物に含有される解離触媒に関する。
金属材料を腐蝕から保護しその美感を使用期間中維持するため、その表面には一般に塗装が施される。電着塗装は、自動車、電気器具等、袋部構造を有する部材に対し、エアースプレー塗装や静電スプレー塗装と比較して、付き回り性に優れ、また環境汚染性も少ないことから、プライマー塗装として広く実用化されるに至っている。特にカチオン電着塗装は、連続的に塗装することができるので、自動車車体等の大型で、高い耐食性が要求される被塗物の下塗り塗装方法として汎用されている。
カチオン電着塗装は、一般にカチオン性樹脂および硬化剤を含むバインダー成分を、有機酸等の中和剤を含む水性媒体中に分散させてなるカチオン電着塗料組成物中に被塗物を陰極として浸漬させ、電圧を印加することにより行われる。
塗装の過程において電極間に電圧を印加すると、電気化学的な反応により陰極(被塗物)表面で電着塗膜が析出する。このように形成された電着塗膜にはカチオン性樹脂とともに硬化剤が含まれるので、電着塗装終了後、当該塗膜を焼き付けることによって、塗膜が硬化し、所望の硬化塗膜が形成される。
カチオン電着塗料組成物に使用されるカチオン性樹脂としては、高い耐食性が要求されるためアミン変性エポキシ樹脂が使用され、硬化剤として、反応部位がブロック剤でブロックされたブロック架橋剤(例:ポリイソシアネートをアルコール等のブロック剤でブロックしたブロックポリイソシアネート)が使用されてきた。
一方、カチオン電着組成物に関しては、低温硬化性も要求されている。これは電着塗装時の浴温を低く設定することにより、電着塗装時にかかるエネルギーコストの低減を図るためである。
上述の要求を同時に実現するためにブロック架橋剤の解離触媒を添加することが行われ、代表的な解離触媒として、有機錫化合物が使用されてきた。
しかし、有機錫化合物は、塗装ラインの焼き付け炉の脱臭触媒被毒の原因となり得、また、昨今の有機錫化合物に対する環境規制動向から今後の使用が制限される可能性もあるため、有機錫化合物に代わる解離触媒を使用するカチオン性電着塗料組成物の開発が望まれてきた。
前記有機錫化合物の代替解離触媒として、ほう酸亜鉛、4級アンモニウム有機酸塩、亜鉛化合物、珪酸ビスマス、亜酸化銅などを用いたカチオン性電着塗料組成物が提案されている(特許文献1〜4)。
しかし、これらの化合物では、解離触媒としての効果が不十分であり、現行と同等の低い温度での焼き付け条件においては硬化性、被塗物との密着性、防食性は実用的に満足できるものではない。
このように、有機錫化合物を含まず、現行と同等の焼き付け条件にて良好な塗膜の硬化性を確保することができるカチオン電着塗料組成物はこれまでになかった。
特開平7−331130号公報 特開平11−152432号公報 特開2000−336287号公報 特開2000−290542号公報
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、有機錫化合物を含まず、現行と同等の低い温度での焼き付け条件にて良好な塗膜の硬化性、被塗物との密着性を確保することができ、有機錫フリーのカチオン電着塗料組成物を提供することを目的とする。
すなわち、本発明によれば、一般式(1):
[式(1)中、R〜Rは、それぞれ同一又は異なって、置換又は非置換の炭素数1〜8の炭化水素基又は芳香族炭化水素基を表す。或いは、R〜Rのうちいずれか2つが結合して環を形成していてもよい。Xは、有機酸基、水酸基、脂肪族スルホン酸基、芳香族スルホン酸基、ハライドを表す。]で表される4級アンモニウム塩(a−1)および
一般式(2):
[式中、R〜Rは、それぞれ同一又は異なって、置換又は非置換の炭素数1〜8の炭化水素基又は芳香族炭化水素基を表す。Rは、置換又は非置換の炭素数1〜8の炭化水素基を表す。]で表される4級アンモニウム塩(a−2)から選ばれる少なくとも1種の4級アンモニウム塩A、金属化合物B及び基体樹脂Cを含有する電着塗料組成物であって、
前記金属化合物Bが、有機酸金属塩類および金属アルコキシドからなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物である、電着塗料組成物が提供される。
本発明者らは、上記課題を解決すべく、多くの物質や組み合わせについてブロック架橋剤(ブロックポリイソシアネート等)の解離触媒としての性能を評価したところ、4級アンモニウム塩や金属化合物は何れも単体では触媒性能が低いが、特定の4級アンモニウム塩と、特定の金属化合物を併用することによって、単独使用の結果からは予測できないほど優れた結果が得られることを見出し、本発明の完成に到った。
特筆すべき点は、金属化合物Bとして、りん酸亜鉛やりん酸鉄のような無機酸金属塩類を用いた場合には、4級アンモニウム塩との併用による優れた効果が見られず、優れた効果を得るためには、金属化合物Bとして、有機酸金属塩類又は金属アルコキシドを用いることが必須であることである。
また、一般式(1)中のR〜Rが性能に与える影響は大きくなく、炭素数が1〜8の間では評価結果は大きくは変わらなかった。さらに、実験の手間を考慮してR〜Rが全て同一である場合について多くの評価を行ったが、R〜Rが互いに異なっている場合について評価を行ったところ、R〜Rが全て同一の場合と同等の結果が得られたため、R〜Rは必ずしも全て同一である必要がないことが分かった。また、R〜Rのうちいずれか2つが結合して環を形成している場合でも、環を形成していない場合と結果は大きくは変わらなかった。また、一般式(1)中のXが性能に与える影響も大きくなく、種々の有機酸やスルホン酸で同等の評価結果が得られた。一般式(2)の特徴的な部分は、Rであるので、Rが異なる2種の4級アンモニウム塩を用いて評価を行ったが、同等の評価結果が得られた。
本発明によれば、有機錫化合物を使用せずに、これを配合した場合と同等の低い温度での焼き付け条件にて塗膜の硬化性、密着性、防食性、仕上がり性に優れたカチオン性電着塗料組成物を提供することができる。
以下、本発明について詳細を説明する。
電着塗料組成物
本発明の電着塗料組成物は、
一般式(1):
[式(1)中、R〜Rは、それぞれ同一又は異なって、置換又は非置換の炭素数1〜8の炭化水素基又は芳香族炭化水素基を表す。或いは、R〜Rのうちいずれか2つが結合して環を形成していてもよい。Xは、有機酸基、水酸基、脂肪族スルホン酸基、芳香族スルホン酸基又はハライドを表す。]で表される4級アンモニウム塩(a−1)および
一般式(2):
[式中、R〜Rは、それぞれ同一又は異なって、置換又は非置換の炭素数1〜8の炭化水素基又は芳香族炭化水素基を表す。Rは、置換又は非置換の炭素数1〜8の炭化水素基を表す。]で表される4級アンモニウム塩(a−2)から選ばれる少なくとも1種の4級アンモニウム塩A、金属化合物B及び基体樹脂Cを含有する。
<4級アンモニウム塩A>
(4級アンモニウム塩a−1)
一般式(1)中、R〜Rは、それぞれ同一又は異なって、置換又は非置換の炭素数1〜8の炭化水素基又は芳香族炭化水素基を表す。或いは、R〜Rのうちいずれか2つが結合して環を形成していてもよい。
前記炭素数1〜8の炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基などの飽和炭化水素基、ビニル基、アリル基、プレニル基、クロチル基、シクロペンタジエニル基などの不飽和炭化水素基が挙げられる。
前記芳香族炭化水素基としては、フェニル基、トリル基、ベンジル基などが挙げられる。
前記置換されている炭素数1〜8の炭化水素基もしくは芳香族炭化水素基としては、メトキシメチル基、メトキシエチル基、エトキシメチル基、エトキシエチル基などのアルコキシアルキル基、ヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基、3−ヒドロキシプロピル基などのヒドロキシアルキル基、2−アセトキシエチル基などが挙げられる。
これらのうち、炭素数1〜8の炭化水素基が好ましく、メチル基、エチル基、ブチル基が特に好ましい。
一般式(1)中、Xは、有機酸基、水酸基、脂肪族スルホン酸基、芳香族スルホン酸基又はハライドを表す。
前記有機酸基の有機酸としては、例えば、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、2−エチル酪酸、2−エチルヘキサン酸、コハク酸、マレイン酸などの脂肪族カルボン酸、グリコ−ル酸、グリセリン酸、乳酸、ジメチロ−ルプロピオン酸、ジメチロ−ル酪酸、ジメチロ−ル吉草酸、酒石酸、リンゴ酸、ヒドロキシマロン酸、ジヒドロキシコハク酸、トリヒドロキシコハク酸、ヒドロキシメチルマロン酸などの脂肪族ヒドロキシカルボン酸、安息香酸などの芳香族カルボン酸、グリシン、N−アセチルグリシンなどのアミノ酸などが挙げられる。これらの有機酸のうち、ギ酸、酢酸、乳酸、ジメチロ−ルプロピオン酸及びジメチロ−ル酪酸が好ましく、ギ酸及び酢酸が特に好ましい。
前記脂肪族スルホン酸基としては、メタンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、アルキル(C14〜18)スルホン酸、オレフィン(C14〜16)スルホン酸などが挙げられる。
前記芳香族スルホン酸基としては、ベンゼンスルホン酸、パラトルエンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸などが挙げられる。
前記ハライドとしては、アイオダイド、ブロミド、クロリド、フルオライドなどが挙げられる。
4級アンモニウム塩a−1としては、例えば、テトラメチルアンモニウムホルメート、テトラメチルアンモニウムアセテート、テトラメチルアンモニウムラクテート、テトラメチルアンモニウムp−トルエンスルホネート、テトラメチルアンモニウムブロミド、テトラメチルアンモニウムクロリド、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムアセテート、テトラエチルアンモニウムクロリド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラプロピルアンモニウムアセテート、テトラプロピルアンモニウムクロリド、テトラプロピルアンモニウムヒドロキシド、テトラブチルアンモニウムホルメート、テトラブチルアンモニウムアセテート、テトラブチルアンモニウムラクテート、テトラブチルアンモニウムブロミド、ジアリルジメチルアンモニウムクロリド、トリメチルベンジルアンモニウムアセテート、トリメチルベンジルアンモニウムブロミド、トリメチルベンジルアンモニウムヒドロキシド、ベンジルジメチルフェニルアンモニウムクロリド、ベンジルトリエチルアンモニウムアセテート、ベンジルトリエチルアンモニウムクロリド、ベンジルトリエチルアンモニウムヒドロキシド、トリメチルフェニルアンモニウムアセテート、トリメチルフェニルアンモニウムクロリド、トリメチルフェニルアンモニウムヒドロキシド、フェニルトリエチルアンモニウムクロリド、1-ブチル-1-メチルピロリジニウムクロリド、1-ブチル-1-メチルピロリジニウムブロミド、トリス(2-ヒドロキシエチル)メチルアンモニウムアセテート、トリス(2-ヒドロキシエチル)メチルアンモニウムヒドロキシド、酢酸コリン、酢酸アセチルコリン、アセチルコリンクロリドなどが挙げられ、特にテトラメチルアンモニウムホルメート、テトラメチルアンモニウムアセテート、テトラメチルアンモニウムラクテート、テトラメチルアンモニウムブロミド、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラメチルアンモニウムp−トルエンスルホネート、トリメチルベンジルアンモニウムアセテートが好ましい。
(4級アンモニウム塩a−2)
一般式(2)中、R〜Rは、それぞれ同一又は異なって、置換又は非置換の炭素数1〜8の炭化水素基又は芳香族炭化水素基を表す。
前記炭素数1〜8の炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基などの飽和炭化水素基、ビニル基、アリル基、プレニル基、クロチル基、シクロペンタジエニル基などの不飽和炭化水素基が挙げられる。
前記芳香族炭化水素基としては、フェニル基、トリル基、ベンジル基などが挙げられる。
前記置換されている炭素数1〜8の炭化水素基もしくは芳香族炭化水素基としては、メトキシメチル基、メトキシエチル基、エトキシメチル基、エトキシエチル基などのアルコキシアルキル基、ヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基、3−ヒドロキシプロピル基などのヒドロキシアルキル基などが挙げられる。
これらのうち、炭素数1〜8の炭化水素基が好ましく、メチル基、エチル基、ブチル基が特に好ましい。
一般式(2)中、Rは、置換又は非置換の炭素数1〜8の炭化水素基を表す。
前記置換されていない炭素数1〜8の炭化水素基としては、例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基などが挙げられる。
前記置換されている炭素数1〜8の炭化水素基としては、例えば、ヒドロキシエチレン基、2−ヒドロキシプロピレン基などが挙げられる。
4級アンモニウム塩a−2としては、例えば、無水ベタイン(トリメチルグリシン)、ベタイン塩酸塩、L−カルニチンなどが挙げられる。
(4級アンモニウム塩Aの製造方法)
本発明の4級アンモニウム塩Aは公知の方法により製造できる。
例えば、4級アンモニウム有機酸塩または、4級アンモニウム脂肪族または芳香族スルホン酸塩は、トリメチルアミン、トリエチルアミンのような3級アミン化合物とアルキルハライドとの求核反応によって4級アンモニウムハライドを得たのち、所望の有機酸アニオンまたは、脂肪族または芳香族スルホン酸アニオンに塩交換することによって製造できる。
また、市販の4級アンモニウムハライドを所望の有機酸アニオンまたは、脂肪族または芳香族スルホン酸アニオンに塩交換することによっても製造できる。さらに、市販の4級アンモニウムヒドロキシドを所望の有機酸または、脂肪族または芳香族スルホン酸にて中和することによっても製造できる。
また、4級アンモニウムヒドロキシドは、トリメチルアミン、トリエチルアミンのような3級アミン化合物とアルキルハライドとの求核反応によって4級アンモニウムハライドを得たのち、これを、強塩基性イオン交換樹脂を充填したカラムに通液し、ハライドをヒドロキシドに置換することにより得られる。あるいは4級アンモニウムハライドの電気透析、または電気分解によっても得られる。
本発明の電着塗料組成物中における4級アンモニウム塩Aの含有量は、特に制限されないが、通常、電着塗料組成物中の基体樹脂C100質量部に対して、0.1〜10質量部、好ましくは0.5〜7.0質量部である。添加量が上記0.1〜10質量部の範囲外であっても特に塗料性能に大きな問題は生じないが、上記0.1〜10質量部の範囲内であれば、硬化性、密着性、防食性、電着塗料の安定性等の実用的なバランスが良くなる。
<金属化合物B>
金属化合物Bは、有機酸金属塩類および金属アルコキシドからなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物であり、例えば、カリウム、チタン、鉄、銅、亜鉛、ビスマスなどの化合物である。
カリウム化合物としては、例えば、ギ酸カリウム、酢酸カリウム、プロピオン酸カリウム、2−エチル酪酸カリウム、2−エチルヘキサン酸カリウム、乳酸カリウム、ジメチロールプロピオン酸カリウム、安息香酸カリウムなどが挙げられる。
チタン化合物としては、例えば、テトライソプロポキシチタン、テトラブトキシチタン、ジイソプロポキシチタンビス(2−エチルヘキサネート)、イソプロポキシチタントリス(2−エチルヘキサネート)などが挙げられる。
鉄化合物としては、例えば、塩基性酢酸鉄(III)、2−エチルヘキサン酸鉄(III)などが挙げられる。
銅化合物としては、例えば、ギ酸銅、酢酸銅、プロピオン酸銅、2−エチル酪酸銅、2−エチルヘキサン酸銅、乳酸銅、ジメチロールプロピオン酸銅、安息香酸銅などが挙げられる。
亜鉛化合物としては、例えば、ギ酸亜鉛、酢酸亜鉛、プロピオン酸亜鉛、2−エチル酪酸亜鉛、2−エチルヘキサン酸亜鉛、乳酸亜鉛、ジメチロールプロピオン酸亜鉛、安息香酸亜鉛、亜鉛アセチルアセトナートなどが挙げられる。
ビスマス化合物としては、例えば、酢酸ビスマス、2−エチルヘキサン酸ビスマスなどが挙げられる。
金属化合物Bの中でも、硬化性および原料の入手のし易さなどから、亜鉛化合物が特に好ましい。
これらは単独又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明の電着塗料組成物中における金属化合物Bの含有量は、特に制限されないが、通常、金属化合物B/4級ホスホニウム塩Aのモル比が0.2〜3であり、好ましくは0.5〜2モルである。前記範囲にある場合、低温での密着性と硬化性能がさらに向上される。
<基体樹脂C>
基体樹脂Cとしては、エポキシ系、アクリル系、ポリブタジエン系、アルキド系、ポリエステル系などのいずれの樹脂でも使用することができるが、なかでもアミン付加エポキシ樹脂等のポリアミン樹脂が好ましい。
上記アミン付加エポキシ樹脂としては、例えば、(i)ポリエポキシ化合物と1級モノアミン又はポリアミン、2級モノアミン又はポリアミン、又は1,2級混合ポリアミンとの付加物(例えば、米国特許第3,984,299号明細書参照);(ii)ポリエポキシド化合物とケチミン化された1級アミノ基を有する2級モノアミン又はポリアミンとの付加物(例えば、米国特許第4,017,438号明細書参照);(iii)ポリエポキシド化合物とケチミン化された1級アミノ基を有するヒドロキシ化合物とのエーテル化により得られる反応物(例えば、特開昭59−43013号公報参照)等を挙げることができる。
上記アミン付加エポキシ樹脂の製造に使用されるポリエポキシド化合物は、エポキシ基を1分子中に2個以上有する化合物であり、一般に少なくとも200、好ましくは400〜4000、更に好ましくは800〜2000の範囲内の数平均分子量を有するものが適しており、特にポリフェノ−ル化合物とエピクロルヒドリンとの反応によって得られるものが好ましい。
前記ポリエポキシド化合物の形成のために用い得るポリフェノール化合物としては、例えば、ビス(4−ヒドロキシフェニル)−2,2−プロパン、4,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,1−エタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,1−イソブタン、ビス(4−ヒドロキシ−tert−ブチル−フェニル)−2,2−プロパン、ビス(2−ヒドロキシナフチル)メタン、テトラ(4−ヒドロキシフェニル)−1,1,2,2−エタン、4,4−ジヒドロキシジフェニルスルホン、フェノールノボラック、クレゾールノボラック等を挙げることができる。
前記ポリエポキシド化合物としては、ポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリアミンアミド、ポリカルボン酸、ポリイソシアネート化合物などと一部反応させたものであってもよい。前記ポリエポキシド化合物としては、更に、ε−カプロラクトン、アクリルモノマーなどをグラフト重合させたものであってもよい。
基体樹脂Cは、外部架橋型及び内部(又は自己)架橋型のいずれのタイプのものであってもよい。架橋部(例:イソシアネート基)がブロック剤でブロックされたブロック架橋部(例:ブロックポリイソシアネート基)を基体樹脂Cが含有してもよく、ブロック架橋部を有するブロック架橋剤(例:ブロックポリイソシアネート化合物)からなる硬化剤Dを電着塗料組成物が含有してもよい。架橋反応は、架橋部と、これと反応する活性水素含有部(例:アミノ基)とが必要であるので、ブロック架橋部と活性水素含有部の両方が基体樹脂Bに含まれている場合には内部架橋型となり、これらのうちの一方のみが基体樹脂Cに含まれている場合には外部架橋型となる。
内部架橋型のタイプとしては、基体樹脂Cの分子中に、ブロックポリイソシアネート基等を導入したものが挙げられる。基体樹脂C中へのブロックポリイソシアネート基の導入方法は、既知の方法を用いることができ、例えば、部分ブロックしたポリイソシアネート化合物中の遊離のイソシアネート基と基体樹脂中の活性水素含有部とを反応させることによって導入することができる。
本発明における電着塗料組成物には、前記4級アンモニウム塩A、金属化合物B及び基体樹脂Cのほかに、必要に応じて、硬化剤D、中和剤E、その他の添加剤等を配合することができる。
<硬化剤D>
前記基体樹脂Cが外部架橋型の樹脂の場合、併用される硬化剤Dとしては、ブロック架橋部を有するブロック架橋剤(例:ブロックポリイソシアネート化合物)や、活性水素含有部を有する化合物(例:アミノ樹脂)が挙げられる。より具体的には、基体樹脂Cに活性水素含有部が含まれている場合には、ブロック架橋剤を用いることが好ましく、基体樹脂Cにブロック架橋部が含まれている場合には、活性水素含有部を有する化合物を用いることが好ましい。
ブロックポリイソシアネート化合物は、各々理論量のポリイソシアネート化合物とイソシアネートブロック剤とを付加反応させて得ることができる。
ポリイソシアネート化合物としては、例えば、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、フェニレンジイソシアネート、ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、メチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネートなどの芳香族、又は脂肪族のポリイソシアネート化合物、及びこれらのイソシアネート化合物の過剰量にエチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチロールプロパン、ヘキサントリオール、ヒマシ油などの低分子活性水素含有化合物を反応させて得られる末端イソシアネート含有化合物を挙げることができる。
イソシアネートブロック剤としては、ポリイソシアネート化合物のイソシアネート基に付加してブロックするものであり、そして付加によって生成するブロックポリイソシアネート化合物は常温において安定で且つ約100〜200℃に加熱した際、ブロック剤を解離して遊離のイソシアネート基を再生しうるものであることが望ましい。
ブロック剤としては、例えば1−クロロ−2−プロパノール、エチレンクロルヒドリン等のハロゲン化炭化水素類、フルフリルアルコール、アルキル基置換フルフリルアルコール等の複素環式アルコール類、フェノール、m−クレゾール、p−ニトロフェノール、p−クロロフェノール、ノニルフェノール等のフェノール類、メチルエチルケトオキシム、メチルイソブチルケトンオキシム、アセトンオキシム、シクロヘキサノンオキシム等のオキシム類、アセチルアセトン、アセト酢酸エチル、マロン酸ジエチル等の活性メチレン化合物類、ε−カプロラクタム、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール等の脂肪族アルコール類、ベンジルアルコール等の芳香族アルコール類、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル等のグリコールエーテル類等を挙げることができる。
前記、基体樹脂C/硬化剤Dの固形分重量比は、好ましくは1〜9、より好ましくは1.5〜4である。
<中和剤E>
本発明の電着塗料組成物は、前記成分を水分散するための中和剤Eをさらに含むことができる。中和剤Eとしては、例えば、酢酸、ギ酸、プロピオン酸、乳酸などの脂肪族カルボン酸が挙げることができる。この中和剤Eの量は、上記基体樹脂C中のアミノ基の量によって異なるものであり、水分散できる量であればよく、電着塗料のpHを3.0〜9.0の範囲に保つ量であればよい。本発明では前記基体樹脂Cに含まれるアミノ基を中和するのに必要な中和剤Eの当量数は、0.25〜1.5、好ましくは0.5〜1.25である。前記範囲にある場合、組成物の仕上り性、つきまわり性、低温硬化性などの向上の効果が得られる。
<その他の添加剤>
本発明の電着塗料組成物には、さらに必要に応じて、着色顔料、体質顔料、有機溶剤、顔料分散剤、塗面調整剤、界面活性剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤などの慣用の塗料添加物を配合することができる。
電着塗料組成物の製造方法
本発明の電着塗料組成物は、例えば、上記成分を混合することにより調整することができる。
まず、基体樹脂Cと硬化剤Dとを混合し、中和剤Eを加える。ここに上記4級アンモニウム塩Aと金属化合物Bを加えた後、これを水単独かまたは水と親水性有機溶剤との混合物である水性媒体に分散させてもよいし、水分散後に上記4級アンモニウム塩Aと金属化合物Bを加えてもよい。これに必要に応じて、顔料分散ペーストを混合することにより、本発明の電着塗料組成物を得ることができる。上記顔料分散ペーストは、顔料分散剤および顔料を所定量混合した後、その混合物中の顔料の粒径が所定の均一な粒径となるまで、ボールミルやサンドグラインドミルなどの通常の分散装置を用いて分散させることにより得ることができる。なお、塗料添加剤は任意の段階で系に加えることができる。
電着塗料組成物の塗装方法
本発明の電着塗料組成物は、電着塗装によって所望の基材表面に塗装することができる。
電着塗装は、一般には、固形分濃度が約5〜40重量%となるように脱イオン水などで希釈し、さらにpHを3.0〜9.0の範囲内に調整した本発明の電着塗料組成物からなる電着浴を、通常、浴温15〜45℃に調整し、負荷電圧100〜400Vの条件で行うことができる。
本発明の電着塗料組成物を用いて形成しうる電着塗膜の膜厚は、特に制限されるものではないが、一般的には、硬化塗膜に基づいて5〜40μm、特に10〜30μmの範囲内が好ましい。また、塗膜の焼き付け温度は、被塗物表面で一般に100〜200℃の範囲、好ましくは140〜180℃温度が適しており、焼き付け時間は5〜60分間、好ましくは10〜30分程度、被塗物表面が保持されることが好ましい。
以下、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明する。本発明はこれによって限定されるものではない。尚、「部」及び「%」は「質量部」及び「質量%」を示す。
製造例1(基体樹脂Cの製造)
「jER1001」(ジャパンエポキシレジン社製、エポキシ当量約950のビスフェノールA型エポキシ樹脂 )1900部を、ブチルセロソルブ1012部に溶解し、ジエチルアミン124部を80〜100℃で滴下後、120℃で2時間保持してアミン価47をもつエポキシ樹脂−アミン付加物を得た。
次に、アミン価100を持つダイマー酸タイプポリアミド樹脂(商品名「バーサミド460」、ヘンケル白水(株)製品)1000部を、メチルイソブチルケトン429部に溶解し、130〜150℃に加熱還流し、生成水を留去して該アミド樹脂の末端アミノ基をケチミンに変えた。このものを150℃で約3時間保持し、水の留去が停止してから60℃に冷却した。次いで、このものを前記エポキシ樹脂−アミン付加物に加えて100℃に加熱し、1時間保持後室温に冷却してアミン価65のエポキシ樹脂−アミノ−ポリアミド付加樹脂のワニスC−1 4433部(固形分:70%)を得た。
製造例2 (硬化剤Dの製造)
窒素を流し反応容器内の水分を十分に除去した後、2,4−/2,6−トリレンジイソシアネート 675部とMIBK 769部を仕込み、混合した。窒素雰囲気下で2−エチルヘキサノール 1119部を70〜90 ℃で滴下し、ついで遊離のイソシアネートが仕込んだイソシアネートの0.5%以下となるまで90℃を保持した後、室温まで放冷し、ブロックポリイソシアネートD−1 2563部(固形分:70%)を得た。
製造例3(テトラメチルアンモニウムアセテートの製造)
フラスコに、25%濃度のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液 200部(東京化成工業(株)試薬、テトラメチルアンモニウムヒドロキシドとして0.55モル)、及び酢酸 33部(0.55モル)、脱イオン水80部を仕込み、70〜80℃に加熱した。1時間撹拌し反応させた後、水を濃縮し、淡黄色固体としてテトラメチルアンモニウムアセテート 73部を得た。
製造例4(テトラメチルアンモニウムp−トルエンスルホネートの製造)
フラスコに、25%濃度のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液 200部(東京化成工業(株)試薬、テトラメチルアンモニウムヒドロキシドとして0.55モル)、及びp−トルエンスルホン酸・1水和物 104.6部(0.55モル)、脱イオン水80部を仕込み、70〜80℃に加熱した。1時間撹拌し反応させた後、水を濃縮し、淡黄色固体としてテトラメチルアンモニウムp−トルエンスルホネート 135部を得た。
製造例5(トリメチルベンジルアンモニウムアセテートの製造)
フラスコに、25%濃度のトリメチルベンジルアンモニウムヒドロキシド水溶液 200部(東京化成工業(株)試薬、トリメチルベンジルアンモニウムヒドロキシドとして0.3モル)、及び酢酸 18部(0.3モル)、脱イオン水80部を仕込み、70〜80℃に加熱した。1時間撹拌し反応させた後、水を濃縮し、淡黄色固体としてトリメチルベンジルアンモニウムアセテート 62部を得た。
製造例6(テトラヘキシルアンモニウムアセテートの製造)
フラスコに、トリヘキシルアミン(東京化成工業(株)試薬) 30部を120部のトルエンに溶解し、窒素置換した。5℃下ヘキシルクロライド(東京化成工業(株)試薬) 13.4部を1時間で滴下した。5℃にて1時間攪拌し、除々に昇温、70〜80℃にて10時間攪拌し、反応を終了した。反応液を冷却後濾別し、得られた固体を150部のトルエン、150部のアセトンにて洗浄した。減圧乾燥し白色固体としてテトラヘキシルアンモニウムクロライド 42.1部を得た。
テトラヘキシルアンモニウムクロライド 20部をメタノール 250部に溶解し、強塩基性イオン交換樹脂 300ml(IRA402BL−CL;オルガノ社製をあらかじめ10%NaOH処理したもの)を充填したカラムに通液し、続いてメタノール 40部を通水し、5%濃度のテトラヘキシルアンモニウムヒドロキシドメタノール溶液 300部(テトラヘキシルアンモニウムヒドロキシドとして0.05モル)を得た。得られたテトラヘキシルアンモニウムヒドロキシドメタノール溶液 300部に酢酸 3部(0.05モル)を仕込み、70〜80℃に加熱した。1時間撹拌し反応させた後、メタノールを濃縮し、白色固体としてテトラヘキシルアンモニウムアセテート 19.5部を得た。
製造例7(テトラオクチルアンモニウムアセテートの製造)
フラスコに、トリオクチルアミン(東京化成工業(株)試薬) 30部を120部のトルエンに溶解し、窒素置換した。5℃下オクチルクロライド(東京化成工業(株)試薬) 12.6部を1時間で滴下した。5℃にて1時間攪拌し、除々に昇温、70〜80℃にて10時間攪拌し、反応を終了した。反応液を冷却後濾別し、得られた固体を150部のトルエン、150部のアセトンにて洗浄した。減圧乾燥し白色固体としてテトラオクチルアンモニウムクロライド 41.3部を得た。
テトラオクチルアンモニウムクロライド 20部をメタノール 250部に溶解し、強塩基性イオン交換樹脂 300ml(IRA402BL−CL;オルガノ社製をあらかじめ10%NaOH処理したもの)を充填したカラムに通液し、続いてメタノール 40部を通水し、5%濃度のテトラオクチルアンモニウムヒドロキシドメタノール溶液 300部(テトラオクチルアンモニウムヒドロキシドとして0.04モル)を得た。得られたテトラオクチルアンモニウムヒドロキシドメタノール溶液 300部に酢酸 2.4部(0.04モル)を仕込み、70〜80℃に加熱した。1時間撹拌し反応させた後、メタノールを濃縮し、白色固体としてテトラオクチルアンモニウムアセテート 19.9部を得た。
製造例8(トリオクチル(メトキシエチル)アンモニウムアセテートの製造)
フラスコに、トリオクチルアミン(東京化成工業(株)試薬) 30部を120部のトルエンに溶解し、窒素置換した。5℃下クロロエチルメチルエーテル(東京化成工業(株)試薬) 8部を1時間で滴下した。5℃にて1時間攪拌し、除々に昇温、70〜80℃にて10時間攪拌し、反応を終了した。反応液を冷却後濾別し、得られた固体を150部のトルエン、150部のアセトンにて洗浄した。減圧乾燥し白色固体としてトリオクチル(メトキシエチル)アンモニウムクロライド 36.9部を得た。
トリオクチル(メトキシエチル)アンモニウムクロライド 20部をメタノール 250部に溶解し、強塩基性イオン交換樹脂 300ml(IRA402BL−CL;オルガノ社製をあらかじめ10%NaOH処理したもの)を充填したカラムに通液し、続いてメタノール 40部を通水し、5%濃度のトリオクチル(メトキシエチル)アンモニウムヒドロキシドメタノール溶液 300部(トリオクチル(メトキシエチル)アンモニウムヒドロキシドとして0.04モル)を得た。得られたトリオクチル(メトキシエチル)アンモニウムヒドロキシドメタノール溶液 300部に酢酸 2.4部(0.04モル)を仕込み、70〜80℃に加熱した。1時間撹拌し反応させた後、メタノールを濃縮し、白色固体としてトリオクチル(メトキシエチル)アンモニウムアセテート 20部を得た。
製造例9(2−エチル酪酸亜鉛の製造)
ディーンスターク脱水管を装着したフラスコに、2−エチル酪酸 39.2部(0.34モル)、n−ヘプタン 50部を仕込み、次いで酸化亜鉛 13.8部(0.17モル)を添加した。n−ヘプタンの還流温度まで加熱し、生成する水の還流脱水を1時間行い反応させた後、n−ヘプタンを濃縮し、乳白色固体として2−エチル酪酸亜鉛 50部を得た。
製造例10(ジメチロールプロピオン酸亜鉛の製造)
フラスコに、ジメチロールプロピオン酸 40部(0.3モル)、水 50部を仕込み、次いで酸化亜鉛 12部(0.15モル)を添加し、80〜90℃に加熱した。1時間撹拌し反応させた後、水を濃縮し、乳白色固体としてジメチロールプロピオン酸亜鉛 50部を得た。
製造例11(イソプロピルチタントリス(2−エチルヘキサネート)の製造)
フラスコに、テトライソプロポキシチタン 25.5部(0.09モル)、2−エチルヘキサン酸 39部(0.27モル)を仕込み、80〜90℃に加熱した。生成するイソプロパノールを減圧留去し、黄色透明液体としてイソプロピルチタントリス(2−エチルヘキサネート) 50部を得た。
実施例1〜92及び比較例1〜20(電着塗料組成物の製造)
表1〜表7に示す成分を、表1〜表7に示す割合(質量部)で配合し、混合分散することにより電着塗料組成物を製造した。
テトラメチルアンモニウムブロミド:特級試薬
テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液(25%):東京化成工業(株)製
1−ブチル−1−メチルピロリジニウムブロミド:東京化成工業(株)製
無水ベタイン:特級試薬
L−カルニチン:特級試薬
酢酸亜鉛:特級試薬
商品名「ネオスタンU−600」:2−エチルヘキサン酸ビスマス
塩基性酢酸鉄(III):特級試薬
酢酸銅:特級試薬
酢酸カリウム:特級試薬
りん酸亜鉛:特級試薬
りん酸鉄(III):特級試薬
試験例1(硬化性確認試験)
実施例1〜92及び比較例1〜20で得られた電着塗料組成物中に、パルボンド#3020(商品名、日本パーカライジング社製、リン酸亜鉛処理剤)で化成処理した0.8×150×70mmの冷延ダル鋼板を浸漬し、これをカソードとして電着塗装を行った。電着条件は電圧250Vで、膜厚(乾燥膜厚に基づいて)約20μmの電着塗膜を形成した。
該塗膜を水洗後、焼き付けを行った。焼き付けは、電気熱風乾燥機を用いて、焼き付け温度150℃/20分及び160℃/20分及び170℃/20分で行った。
得られた各電着塗板を、40℃のアセトン中に24時間浸漬し、その前後の塗膜重量残存率を以下の基準で評価することにより、塗膜の硬化性を確認した。結果を表1〜表7に示す。
A:95%以上
B:85%以上〜95%未満
C:75%以上〜85%未満
D:75%未満
試験例2(防食性試験)
前記焼き付けで得られた各電着塗板に、素地に達するように電着塗膜にナイフでクロスカット傷を入れ、これをJISZ−2371に準じて840時間耐塩水噴霧試験を行い、ナイフ傷からの錆、フクレ幅によって以下の基準で評価した。結果を表1〜表7に示す。
A:錆、フクレの最大幅がカット部より2mm未満(片側)
B:錆、フクレの最大幅がカット部より2mm以上、3mm未満(片側)でかつ平面部にブリスタ−がかなり目立つ
C:錆、フクレの最大幅がカット部より3mm以上でかつ塗面全面にブリスタ−の発生がみられる
試験例3(密着性試験)
前記焼き付けで得られた各電着塗板に、2mmマス100個のクロスカットをJIS K5400の7.2(e)に規定されるカッターで行ない、JIS Z1522に規定されるセロハン粘着テープを密着させ、テープと塗面が約30°を保持するように一気に剥離し、剥離の状態を評価した。結果を表1〜表7に示す。
A:剥離面積0〜2%
B:剥離面積2%以上5%未満
C:剥離面積5%以上30%未満
D:剥離面積30%以上
試験例4(塗料の安定性試験)
以下の保管条件で1ヶ月間保管した電着塗料の状態を目視にて確認した。結果を表1〜表7に示す。
保管温度:15〜35℃、保管湿度:30〜70%、保管容器:ブリキ缶
○:経時で1ケ月経過しても分離などの状態異常がみられない
×:経時で1ケ月経過に分離などの状態異常がみられる
考察
実施例1〜5を参照すると、金属化合物B/4級アンモニウム塩Aのモル比が0.2又は3である実施例4又は5では硬化性及び密着性が若干劣っていたが、モル比(B/A)が0.5〜2である実施例1〜3では硬化性及び密着性が非常に優れていることが分かった。
実施例1,13,21,29,37,45,53,61,69,77,85を参照すると、一般式(1)中のR1〜R4が性能に与える影響は大きくなく、炭素数が1〜8の間では評価結果は大きくは変わらないことが分かった。
実施例61〜68を参照すると、R〜Rのうちいずれか2つが結合して環を形成している場合でも、優れた触媒性能が発揮されることも分かった。
実施例69〜76を参照すると、R〜Rは必ずしも全て同一でなくても、優れた触媒性能が発揮されることが分かった。また、R〜Rの中にアルコキシで置換されているものがあっても、優れた触媒性能が発揮されることも分かった。
実施例77〜92を参照すると、一般式(2)のRが変わっても触媒性能は大きくは影響を受けないことが分かった。
比較例1〜18を参照すると、4級アンモニウム塩と金属化合物のうちの何れか一方では、触媒性能は非常に低くなることが分かった。
比較例19〜20を参照すると、金属化合物がりん酸亜鉛やりん酸鉄のような無機酸金属塩類である場合には触媒性能は非常に低くなることが分かった。

Claims (6)

  1. 一般式(1):
    [式(1)中、R〜Rは、それぞれ同一又は異なって、置換又は非置換の炭素数1〜8の炭化水素基又は芳香族炭化水素基を表す。或いは、R〜Rのうちいずれか2つが結合して環を形成していてもよい。Xは、有機酸基、水酸基、脂肪族スルホン酸基、芳香族スルホン酸基、ハライドを表す。]で表される4級アンモニウム塩(a−1)および
    一般式(2):
    [式中、R〜Rは、それぞれ同一又は異なって、置換又は非置換の炭素数1〜8の炭化水素基又は芳香族炭化水素基を表す。Rは、置換又は非置換の炭素数1〜8の炭化水素基を表す。]で表される4級アンモニウム塩(a−2)から選ばれる少なくとも1種の4級アンモニウム塩A、金属化合物B及び基体樹脂Cを含有する電着塗料組成物であって、
    前記金属化合物Bが、有機酸金属塩類および金属アルコキシドからなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物である、電着塗料組成物。
  2. 前記一般式(1)のR〜Rで表される置換基、または一般式(2)のR〜Rで表される置換基が、それぞれ同一又は異なって、炭素数1〜8の炭化水素基、芳香族炭化水素基、アルコキシアルキル基からなる群から選ばれる少なくとも1種である請求項1に記載の電着塗料組成物。
  3. 前記金属化合物Bが、カリウム、チタン、鉄、銅、亜鉛、ビスマスからなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物である請求項1又は2に記載の電着塗料組成物。
  4. 前記金属化合物Bが、亜鉛化合物である請求項1〜3の何れか1つに記載の電着塗料組成物。
  5. 前記金属化合物B/前記4級アンモニウム塩Aのモル比が0.5〜2である、請求項1〜4の何れか1つに記載の電着塗料組成物。
  6. 一般式(1):
    [式(1)中、R〜Rは、それぞれ同一又は異なって、置換又は非置換の炭素数1〜8の炭化水素基又は芳香族炭化水素基を表す。或いは、R〜Rのうちいずれか2つが結合して環を形成していてもよい。Xは、有機酸基、水酸基、脂肪族スルホン酸基、芳香族スルホン酸基、ハライドを表す。]で表される4級アンモニウム塩(a−1)および
    一般式(2):
    [式中、R〜Rは、それぞれ同一又は異なって、置換又は非置換の炭素数1〜8の炭化水素基又は芳香族炭化水素基を表す。Rは、置換又は非置換の炭素数1〜8の炭化水素基を表す。]で表される4級アンモニウム塩(a−2)から選ばれる少なくとも1種の4級アンモニウム塩A、及び金属化合物Bを含有し、前記金属化合物Bが、有機酸金属塩類および金属アルコキシドからなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物である電着塗料組成物用解離触媒。
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