JP2015044271A - ボルトテンショナ - Google Patents

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Abstract

【課題】ネジ山の断面輪郭が三角波状である全ネジ型のスタッドボルトをプラーバソケットで把持する。【解決手段】プラーバソケット(2a,2b,2c,2d)の内側に空気を送り込み、その空気圧または流量の変化を計測器(8)で監視することにより、プラーバソケット(2a,2b,2c,2d)のネジ山とスタッドボルト(B)のネジ山の嵌合状態を検出し、エアシリンダ(3a,3b,3c,3d)の押圧力とモータ(4)の回転を制御し、プラーバソケット(2a,2b,2c,2d)のネジ山とスタッドボルト(B)のネジ山を完全に嵌合させる。【効果】全ネジ型のスタッドボルトBを短時間に高精度で把持することが出来る。【選択図】図6

Description

本発明は、ボルトテンショナに関し、さらに詳しくは、全ネジ型のスタッドボルトを短時間に高精度で把持することが出来るボルトテンショナに関する。
従来、ネジ山の断面輪郭が三角波状である全ネジ型のスタッドボルトにプラーバを螺合する構造のボルトテンショナが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
他方、ネジ山の断面輪郭がのこぎり歯状であるスタッドボルトを周囲からプラーバソケットで把持する構造のボルトの把持・離脱装置が知られている(例えば、特許文献2参照。)。
特開平8−257932号公報 特開平10−180571号公報
上記従来のボルトテンショナは、全ネジ型のスタッドボルトに使用できたが、プラーバをスタッドボルトに螺合するのに長時間を要する問題点があった。例えば、スタッドボルトの直径が300mm、ネジ山の高さが3mm、ネジ山のピッチが6mm、プラーバと螺合すべき長さを200mmとするとき、螺合するのに数十秒間の時間を要していた。
他方、上記従来のボルトの把持・離脱装置は、ネジ山の断面輪郭がのこぎり歯状であるスタッドボルトに対しては満足できる把持精度が得られたが、全ネジ型のスタッドボルトに対しては把持精度が低くて使用できない問題点があった。すなわち、のこぎり歯状のネジ山の場合、ネジ山の高さは例えば10mmと大きく、そのネジ山の片側面はプラーバソケットのネジ山が接近してくる方向に対して平行であり、ネジ山とネジ山の間にプラーバソケットのネジ山よりも大きな台形状の隙間を生じるため、その台形状の隙間にプラーバソケットのネジ山を入れることが容易である。一方、全ネジ型のスタッドボルトの場合、ネジ山の高さは例えば3mmと小さく、ネジ山とネジ山の間はプラーバソケットのネジ山と同形状の三角形であるため、その三角形の隙間にプラーバソケットのネジ山を入れることが難しい。
そこで、本発明の目的は、全ネジ型のスタッドボルトを短時間に高精度で把持することが出来るボルトテンショナを提供することにある。
なお、ネジ山の断面輪郭が三角波状である全ネジ型のスタッドボルトは、ネジ山の断面輪郭がのこぎり歯状であるスタッドボルトよりも製造が容易であり且つ安価である。
第1の観点では、本発明は、回転動作可能なヘッド(1)と、全ネジ型のスタッドボルト(B)を周囲から把持するべく開閉動作可能で且つ前記スタッドボルトに嵌合しうるネジ山を内面に有し且つ前記ヘッド(1)に保持されたプラーバソケット(2a,2b,2c,2d)と、前記プラーバソケット(2a,2b,2c,2d)を開閉動作させるためのアクチュエータ(3a,3b,3c,3d)と、前記プラーバソケットの間に形成されるギャップを通って外部に流出するように空気を送り込む空気源(7)と、前記ギャップを通って外部に流出する空気の圧力または流量を計測する計測手段(8)とを具備したことを特徴とするボルトテンショナ(100)を提供する。
上記第1の観点によるボルトテンショナ(100)では、プラーバをスタッドボルトに螺合するのではなく、周囲からプラーバソケットで把持するので、長時間を要さない。また、プラーバソケットの間に形成されるギャップを通って外部に流出するように空気の圧力または流量を計測しうるので、スタッドボルトのネジ山とプラーバソケットのネジ山が不完全に嵌合している状態(=ギャップが大きいため、圧力が低いか又は流量が多い。)とスタッドボルトのネジ山とプラーバソケットのネジ山が完全に嵌合している状態(=ギャップが小さくなるため、圧力が高くなるか又は流量が少なくなる。)とを見分けることができ、全ネジ型のスタッドボルトでも高精度に把持できるようになる。
第2の観点では、本発明は、前記第1の観点によるボルトテンショナ(100)において、前記ヘッド(1)に、スタッドボルト(B)に螺合しうるネジ山を設けたことを特徴とするボルトテンショナ(100)を提供する。
上記第2の観点によるボルトテンショナ(100)では、プラーバソケットでスタッドボルトを把持する前にスタッドボルトにヘッドを螺合することによって、プラーバソケットのネジ山とスタッドボルトのネジ山のおよその位置合わせを行うことが出来る。なお、ヘッドとスタッドボルトの螺合長さは短い(例えば50mm)ので、螺合時間は短くて済む。
本発明のボルトテンショナによれば、全ネジ型のスタッドボルトを短時間に高精度で把持することが出来る。
実施例1に係るボルトテンショナの要部を示す構成説明図である。 図1に示すボルトテンショナの底面図である。 図1に示すボルトテンショナのボルト把持処理を示すフロー図である。 図1に示すボルトテンショナのヘッドをスタッドボルトに螺合した状態を示す断面図である。 図4のA−A’断面図である。 図1に示すボルトテンショナのプラーバソケットでスタッドボルトを把持した状態を示す断面図である。 図6のA−A’断面図である。 図1に示すボルトテンショナのプラーバソケットでスタッドボルトを高精度に把持した状態を示す断面図である。 図8のA−A’断面図である。
以下、図に示す実施の形態により本発明をさらに詳細に説明する。なお、これにより本発明が限定されるものではない。
−実施例1−
図1は、実施例1に係るボルトテンショナ100の要部を示す構成説明図である。図2は、同底面図である。
このボルトテンショナ100は、回転動作可能なヘッド1と、ヘッド1に穿設された空気孔1aと、全ネジ型のスタッドボルトを周囲から把持するべく開閉動作可能に4分割され且つスタッドボルトに嵌合しうるネジ山を内面に有し且つヘッド1に保持されたプラーバソケット2a,2b,2c,2dと、プラーバソケット2a,2b,2c,2dを開閉動作させるためのエアシリンダ3a,3b,3c,3dと、ヘッド1を回転させるためのモータ4と、エアシリンダ3a,3b,3c,3dに空気を送り込むためのエアコンプレッサ5と、エアシリンダ3a,3b,3c,3dに送り込む空気の空気圧および流量を計測しうる空気圧・流量計測器6と、空気孔1aに空気を送り込むためのエアコンプレッサ7と、空気孔1aに送り込む空気の空気圧および流量を計測しうる空気圧・流量計測器8と、操作者の指示に応じてエアシリンダ3a,3b,3c,3dとモータ4とエアコンプレッサ5,7を制御する制御部9とを具備している。
なお、本発明に係るスタッドボルトの把持に関する構成以外の構成(=ボルトテンショナ100の移動機構、ヘッド1の昇降機構、ナットを回す機構など。)は、公知構成と同じであるため、省略している。
図3は、制御部9が実行するボルト把持処理を示すフロー図である。このボルト把持処理は、スタッドボルトの上方にボルトテンショナ100を位置させた後、ボルト把持処理開始の指示を操作者が入力することによって実行される。
ステップS1では、図2に示すように、エアシリンダ3a,3b,3c,3dを駆動してプラーバソケット2a,2b,2c,2dを開く。
ステップS2では、ヘッド1を下降させてスタッドボルトの頂部に載せ、ヘッド1を一旦ネジ抜き方向にモータ4で回転させて、ヘッド1が1ネジ山分落ちることを検知したら、今度はヘッド1をネジ締め方向にモータ4で回転させる。これにより、ヘッド1に設けたネジ山がスタッドボルトのネジ山に螺合してゆくので、ヘッド1とスタッドボルトBを仮止めしうる程度の第1トルクでモータ4が回転しなくなれば、モータ4を止める。
図4,図5に、ステップS2の後の状態を示す。
ヘッド1とスタッドボルトBは緩く螺合しており、ヘッド1に設けたネジ山とスタッドボルトBのネジ山とはおよその位置合わせがされているが、緊密には嵌合していない。
スタッドボルトBは、原子炉の圧力容器に設置されている。
Nは、ナットである。
ステップS3では、所定流量で空気が外部に流出するように空気孔1aからプラーバソケット2a,2b,2c,2dの内側に空気を送り込む。空気は、プラーバソケット2a,2b,2c,2dとスタッドボルトBの間の隙間およびプラーバソケット2a,2b,2c,2dの間のギャップg1,g2,g3,g4から外部へ流出する。
なお、図5におけるギャップg1の幅は、例えば10mmである。
ステップS4では、プラーバソケット2a,2b,2c,2dの内側に送り込む空気圧の変化を監視しながら、エアシリンダ3a,3b,3c,3dによりプラーバソケット2a,2b,2c,2dを閉じてゆく。ステップS2において、ヘッド1に設けたネジ山とスタッドボルトBのネジ山とはおよその位置合わせがされているので、プラーバソケット2a,2b,2c,2dのネジ山とスタッドボルトBのネジ山も自然におよその位置合わせがなされており、プラーバソケット2a,2b,2c,2dのネジ山とスタッドボルトBのネジ山も緩く嵌合する。
図6,図7に、ステップS4の後の状態を示す。
なお、図7におけるギャップg1の幅は、例えば6mmである。
空気孔1aからプラーバソケット2a,2b,2c,2dの内側に送り込まれた空気は、プラーバソケット2a,2b,2c,2dとスタッドボルトBの間の隙間およびプラーバソケット2a,2b,2c,2dの間のギャップg1,g2,g3,g4から外部へ流出するが、プラーバソケット2a,2b,2c,2dとスタッドボルトBの間の隙間もプラーバソケット2a,2b,2c,2dの間のギャップg1,g2,g3,g4も狭くなっているので、空気圧が上昇する。
ステップS5では、プラーバソケット2a,2b,2c,2dのネジ山とスタッドボルトBのネジ山が緩く嵌合した時の空気圧である第1レベルまで空気圧が上昇したら、エアシリンダ3a,3b,3c,3dの押圧力を弱める。
ステップS6では、プラーバソケット2a,2b,2c,2dの内側に送り込む空気圧の変化を監視しながら、ヘッド1をネジ抜き方向にモータ4で回す。プラーバソケット2a,2b,2c,2dのネジ山がスタッドボルトBのネジ山に接触した状態で回るが、エアシリンダ3a,3b,3c,3dの押圧力を弱めているため、スタッドボルトBのネジ山が損傷することはない。ネジ抜き方向にヘッド1を回すのは、ヘッド1がスタッドボルトBの頂部に当接している場合、ネジ締め方向には回せないからである。
ヘッド1をネジ抜き方向にモータ4で少し回すと、プラーバソケット2a,2b,2c,2dのネジ山がスタッドボルトBのネジ山に完全に嵌合する状態になる。
図8,図9に、ステップS6の後の状態を示す。
なお、図9におけるギャップg1の幅は、例えば5mmである。
図9の状態では、プラーバソケット2a,2b,2c,2dとスタッドボルトBの間の隙間はなくなり、空気孔1aからプラーバソケット2a,2b,2c,2dの内側に送り込まれた空気は、プラーバソケット2a,2dの間のギャップg1からのみ外部へ流出するので、空気圧が上昇する。
ステップS7では、プラーバソケット2a,2b,2c,2dのネジ山とスタッドボルトBのネジ山が完全に嵌合した時の空気圧である第2レベルまで空気圧が上昇したら、ヘッド1の回転を止める。
ステップS8では、プラーバソケット2a,2b,2c,2dの内側に送り込む空気を止める。そして、処理を終了する。
実施例1に係るボルトテンショナ100によれば、全ネジ型のスタッドボルトBを短時間に高精度で把持することが出来る。
なお、上記実施例1では、プラーバソケット2a,2b,2c,2dのネジ山とスタッドボルトBのネジ山の嵌合状態を空気圧の変化により検知したが、流量の変化により検知してもよい。
本発明のボルトテンショナは、例えば原子炉の圧力容器のスタッドボルトにナットを螺合するのに利用できる。
1 ヘッド
2a,2b,2c,2d プラーバソケット
3a,3b,3c,3d エアシリンダ
4 モータ
5,7 エアコンプレッサ
6,8 空気圧・流量測定器
100 ボルトテンショナ
B スタッドボルト
N ナット

Claims (2)

  1. 回転動作可能なヘッド(1)と、全ネジ型のスタッドボルト(B)を周囲から把持するべく開閉動作可能で且つ前記スタッドボルトに嵌合しうるネジ山を内面に有し且つ前記ヘッド(1)に保持されたプラーバソケット(2a,2b,2c,2d)と、前記プラーバソケット(2a,2b,2c,2d)を開閉動作させるためのアクチュエータ(3a,3b,3c,3d)と、前記プラーバソケットの間に形成されるギャップを通って外部に流出するように空気を送り込む空気源(7)と、前記ギャップを通って外部に流出する空気の圧力または流量を計測する計測手段(8)とを具備したことを特徴とするボルトテンショナ(100)。
  2. 請求項1に記載のボルトテンショナ(100)において、前記ヘッド(1)に、スタッドボルト(B)に螺合しうるネジ山を設けたことを特徴とするボルトテンショナ(100)。
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