JP2015043325A - ノンハロゲン樹脂組成物を用いた車両用電線及び車両用ケーブル - Google Patents
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Abstract
【課題】高難燃性を有し、低粘度であって押出時のトルク増大を防止でき、かつ、引張特性に優れたノンハロゲン樹脂組成物で被覆した、また、耐油性及び耐寒性に優れたノンハロゲン樹脂組成物で被覆した車両用電線、及び車両用ケーブルを提供する。【解決手段】導体1に絶縁体2を押出被覆した車両用電線10であって、絶縁体は、ベースポリマとしてのポリオレフィン系樹脂100質量部に対して、金属水酸化物を100〜250質量部含むノンハロゲン樹脂組成物からなり、ポリオレフィン系樹脂は、無水マレイン酸変性したエチレン−α−オレフィン系共重合体10〜40質量%及びメルトマスフローレート(MFR)2.0(g/10min)以下、密度0.900〜0.925g/cm3のポリエチレン60〜90質量%を含む。【選択図】図1
Description
本発明は、難燃性のノンハロゲン樹脂組成物が被覆された車両用電線、及び車両用ケーブルに関するものである。
従来、絶縁電線やケーブル等に使用される難燃性のノンハロゲン樹脂組成物として、ポリオレフィン系樹脂に、表面処理をした又は表面未処理の水酸化マグネシウム等の金属水酸化物を添加した樹脂組成物が用いられている(例えば、特許文献1〜3参照)。
これらの難燃性樹脂組成物は、ハロゲン化合物を含まないため、燃焼時に塩化水素等の有毒ガスやダイオキシン等の有害物質が発生しないので、火災時においても毒性ガスが発生せず、二次災害を防止することができ、かつ、廃棄時に焼却処分を行っても問題とならないと言われている。
一方、これらのノンハロゲン難燃性樹脂組成物の製造に際しては、難燃性を向上させるために、ポリオレフィンにノンハロゲン難燃剤である上記金属水酸化物を多量に混和させることが一般的に行なわれている。
しかし、難燃性を向上させるために上記金属水酸化物を高充填する場合、樹脂組成物のせん断粘度が上昇し、押出時のトルクが増大するため、線速を低下させる必要があり、生産性が低下する。また、金属水酸化物の充填量を増加させると、機械特性が低下してしまい、目的とする電線が得られない問題がある。
さらに、特に車両用電線・ケーブルの場合には、併せて耐油性、耐寒性が優れていることが求められており、これらの特性も満足させる必要がある。
そこで、本発明の目的は、高難燃性を有し、低粘度であって押出時のトルク増大を防止でき、かつ、引張特性に優れたノンハロゲン樹脂組成物が被覆された車両用電線、及び車両用ケーブルを提供することにある。また、耐油性及び耐寒性に優れたノンハロゲン樹脂組成物が被覆された車両用電線、及び車両用ケーブルを提供することにある。
本発明は、上記目的を達成するために、下記[1]及び[2]のノンハロゲン樹脂組成物を用いた車両用電線、及び車両用ケーブルを提供する。
[1]導体に絶縁体を押出被覆した車両用電線であって、前記絶縁体は、ベースポリマとしてのポリオレフィン系樹脂100質量部に対して、金属水酸化物を100〜250質量部含むノンハロゲン樹脂組成物からなり、前記ポリオレフィン系樹脂は、無水マレイン酸変性したエチレン−α−オレフィン系共重合体10〜40質量%及びメルトマスフローレート(MFR)2.0(g/10min)以下、密度0.900〜0.925g/cm3のポリエチレン60〜90質量%を含み、前記絶縁体は、EN60332-1-2に準拠した垂直燃焼試験において、消炎後、上部支持材の下端と炭化開始点の距離が50mm以上である難燃性を有し、前記絶縁体は、押出した際に270Pa・s未満の粘度を有するものである車両用電線。
[2]導体に絶縁体を被覆した電線と、前記電線を押出被覆するシースとを有する車両用ケーブルであって、前記シースは、ベースポリマとしてのポリオレフィン系樹脂100質量部に対して、金属水酸化物を100〜250質量部含むノンハロゲン樹脂組成物からなり、前記ポリオレフィン系樹脂は、無水マレイン酸変性したエチレン−α−オレフィン系共重合体10〜40質量%及びメルトマスフローレート(MFR)2.0(g/10min)以下、密度0.900〜0.925g/cm3のポリエチレン60〜90質量%を含み、前記シースは、EN60332-1-2に準拠した垂直燃焼試験において、消炎後、上部支持材の下端と炭化開始点の距離が50mm以上である難燃性を有し、前記シースは、押出した際に270Pa・s未満の粘度を有するものである車両用ケーブル。
[2]導体に絶縁体を被覆した電線と、前記電線を押出被覆するシースとを有する車両用ケーブルであって、前記シースは、ベースポリマとしてのポリオレフィン系樹脂100質量部に対して、金属水酸化物を100〜250質量部含むノンハロゲン樹脂組成物からなり、前記ポリオレフィン系樹脂は、無水マレイン酸変性したエチレン−α−オレフィン系共重合体10〜40質量%及びメルトマスフローレート(MFR)2.0(g/10min)以下、密度0.900〜0.925g/cm3のポリエチレン60〜90質量%を含み、前記シースは、EN60332-1-2に準拠した垂直燃焼試験において、消炎後、上部支持材の下端と炭化開始点の距離が50mm以上である難燃性を有し、前記シースは、押出した際に270Pa・s未満の粘度を有するものである車両用ケーブル。
本発明によれば、高難燃性を有し、低粘度であって押出時のトルク増大を防止でき、かつ、引張特性に優れたノンハロゲン樹脂組成物が被覆された車両用電線、及び車両用ケーブルを提供することができる。また、耐油性及び耐寒性に優れたノンハロゲン樹脂組成物が被覆された車両用電線、及び車両用ケーブルを提供することができる。
(ノンハロゲン樹脂組成物)
本発明の実施形態に使用するノンハロゲン樹脂組成物は、ベースポリマとしてのポリオレフィン系樹脂100質量部に対して、金属水酸化物を100〜250質量部、非晶質シリカを3〜50質量部含み、前記非晶質シリカが2.1〜2.3g/cm3の比重と15〜50m2/gの比表面積を有するのがよい。
本発明の実施形態に使用するノンハロゲン樹脂組成物は、ベースポリマとしてのポリオレフィン系樹脂100質量部に対して、金属水酸化物を100〜250質量部、非晶質シリカを3〜50質量部含み、前記非晶質シリカが2.1〜2.3g/cm3の比重と15〜50m2/gの比表面積を有するのがよい。
本実施形態におけるポリオレフィン系樹脂としては、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、直鎖状超低密度ポリエチレン、マレイン酸グラフト直鎖状低密度ポリエチレン、エチレン−メチルメタクリレート共重合体、エチレン−メチルアクリレート共重合体、エチレン−エチルアクリレート共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−スチレン共重合体、無水マレイン酸変性したエチレン−α−オレフィン系共重合体、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−ブテン共重合体、エチレン−オクテン共重合体、及びこれらとビニルシランとのグラフトポリマからなる群より選ばれる少なくとも1種以上を用いることが好ましい。これらの中でも耐油性と耐寒性の観点から、無水マレイン酸変性したエチレン−α−オレフィン系共重合体及びメルトマスフローレート(MFR)2.0(g/10min)以下、密度0.900〜0.925g/cm3のポリエチレン(ポリエチレンとは、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、直鎖状超低密度ポリエチレン、又はマレイン酸グラフト直鎖状低密度ポリエチレンを指す。以下、同じ。)からなる群より選ばれる少なくとも1種以上を用いることがより好ましい。無水マレイン酸変性したエチレン−α−オレフィン系共重合体及びMFR2.0(g/10min)以下、密度0.900〜0.925g/cm3のポリエチレンを併用することが特に好ましい。
ポリエチレンのMFRが2.0g/10minより多いと分子量が小さく、耐油性が低下する。また、ポリエチレンの密度が0.900g/cm3未満では結晶の量が十分でなく、耐油性が低下し、0.925g/cm3を超えると結晶の量が多くなり、伸びが低下する。
無水マレイン酸変性したエチレン−α−オレフィン系共重合体は、ベースポリマであるポリオレフィン系樹脂全量に対して、10〜40質量%含むように添加することが好ましい。10質量%未満ではポリマと金属水酸化物及び非晶質シリカとの密着が十分でなく、耐寒性が低下し、40質量%を超えると密着が強くなり、伸びが低下する。
MFR2.0(g/10min)以下、密度0.900〜0.925g/cm3のポリエチレンは、ベースポリマであるポリオレフィン系樹脂全量に対して、60〜90質量%含むように添加することが好ましい。60質量%未満では結晶の量が十分でなく、耐油性が低下し、90質量%を超えると、結晶の量が多くなり、伸びが低下する。
本実施形態において好適に使用できる金属水酸化物としては、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム、及びニッケルが固溶したこれらの金属水酸化物が挙げられる。これらは、単独使用又は2種以上を併用しても良い。また、これらの金属水酸化物は、シランカップリング剤、チタネート系カップリング剤、ステアリン酸塩やステアリン酸カルシウム等の脂肪酸、脂肪酸金属塩等によって表面処理されているものを用いても差し支えない。また、これら以外の金属水酸化物を適量加えても良い。
金属水酸化物は、難燃剤として、ベースポリマとしてのポリオレフィン系樹脂100質量部に対して、100〜250質量部、添加する。添加量が100質量部より少ないと十分な難燃性が得られず、250質量部より多いと機械特性が低下する。金属水酸化物の添加量は、130〜220質量部であることが好ましく、150〜200質量部であることがより好ましい。
本実施形態において使用できる非晶質シリカは、2.1〜2.3g/cm3の比重と15〜50m2/gの比表面積を有するものが好ましい。当該非晶質シリカを使用することにより、本発明の効果を奏することが可能となる。非晶質シリカの比重は、2.15〜2.25g/cm3であることが好ましく、比表面積は、30〜50m2/gであることが好ましい。
非晶質シリカは、難燃助剤として、ベースポリマとしてのポリオレフィン系樹脂100質量部に対して、3〜50質量部、添加するのが好ましい。添加量が3質量部より少ないと十分な難燃性が得られず、50質量部より多いと機械特性が著しく低下する。非晶質シリカの添加量は、3〜30質量部であることが好ましく、5〜20質量部であることがより好ましい。
上記の難燃剤や難燃助剤以外に、本発明の特性を損なわない範囲で、必要に応じて、酸化防止剤、滑剤、軟化剤、可塑剤、無機充填剤、相溶化剤、安定剤、カーボンブラック、着色剤等の添加剤を加えることが可能である。また、さらに性能を向上させるために、本発明の特性を損なわない範囲で、上記の難燃剤や難燃助剤以外の難燃剤や難燃助剤を添加してもよい。
本発明の実施形態に係るノンハロゲン樹脂組成物は、架橋されていることが好ましい。架橋を施すことにより、得られる樹脂組成物の機械特性が向上する。架橋方法には、成型後に電子線を照射する電子線架橋法、もしくは予め樹脂組成物に架橋剤を配合しておき、成型後加熱して架橋させる化学架橋が採用される。
本発明の好ましい実施形態に係るノンハロゲン樹脂組成物は、押出時の粘度が低く作業性に優れ、難燃性、機械特性、耐油性及び耐寒性に優れるため、自動車部品、チューブ、接着剤及び建材などに幅広く利用できる。
(電線及びケーブル)
図1は、本発明の実施の形態に係るノンハロゲン樹脂組成物が被覆された電線の断面図である。また、図2は、本発明の実施の形態に係る図1の電線を有するケーブルの断面図である。
図1は、本発明の実施の形態に係るノンハロゲン樹脂組成物が被覆された電線の断面図である。また、図2は、本発明の実施の形態に係る図1の電線を有するケーブルの断面図である。
図1に示される電線10は、銅からなる導体1に、本発明の実施の形態に係るノンハロゲン樹脂組成物からなる絶縁体2を被覆した電線である。絶縁体2の厚みは0.1〜1.5mmが好ましく、0.3〜1.2mmがより好ましい。
本発明の実施の形態に係る電線10は、絶縁体層が1層に限定されるものではなく、本発明の効果を奏する限りにおいて、多層設けてもよく、その他の中間層を備えるものであってもよい。
一方、図2に示されるケーブル20は、図1の電線10を2本並べた2線心の外周に樹脂テープ(PETテープなど)などのテープ層3を施し、この外側に必要により金属編組などからなる金属層4及びテープ層3を施した後、最外周に本発明の実施の形態に係るノンハロゲン樹脂組成物からなるシース5を被覆したケーブルである。
なお、シース5を本発明の実施の形態に係るノンハロゲン樹脂組成物により作製したケーブル20において、本発明の実施の形態に係るノンハロゲン樹脂組成物を用いていない絶縁体2を被覆した電線を使用することもできる。
本発明の好ましい実施形態に係る電線及びケーブルは、燃焼時に有毒なガスを発生せず、高い難燃性、優れた機械特性、耐油性及び耐寒性を有するものである。
本発明を以下の実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例にのみ制限されるものではない。
実施例及び比較例の電線は、以下のように作製した。
表1及び表2に示す配合にしたがって、各成分を配合し、25リットル加圧ニーダーによって開始温度40℃、終了温度200℃で混練後、ペレットにした。65mm押出機を用いて、設定温度200℃で絶縁体被覆厚さ0.7mmにて外径1.1mmの導体上に、作製したペレットを押出成型した。押出被覆した後、7Mradで照射架橋し、電線を作製した。
電線の評価は、以下に示す方法により行なった。評価結果を表1及び表2に示す。
表1及び表2に示す配合にしたがって、各成分を配合し、25リットル加圧ニーダーによって開始温度40℃、終了温度200℃で混練後、ペレットにした。65mm押出機を用いて、設定温度200℃で絶縁体被覆厚さ0.7mmにて外径1.1mmの導体上に、作製したペレットを押出成型した。押出被覆した後、7Mradで照射架橋し、電線を作製した。
電線の評価は、以下に示す方法により行なった。評価結果を表1及び表2に示す。
(1)引張試験
作製した電線について、EN60811-1-1に準拠して引張試験を行った。引張強さは10MPa以上、伸びは150%以上を合格(○)とした。
作製した電線について、EN60811-1-1に準拠して引張試験を行った。引張強さは10MPa以上、伸びは150%以上を合格(○)とした。
(2)難燃性試験
作製した電線について、EN60332-1-2に準拠して垂直燃焼試験を行った。判定は、消炎後、上部支持材の下端と炭化開始点の距離が50mm未満のものを不合格(×)とし、50mm以上のものを合格(○)とした。
作製した電線について、EN60332-1-2に準拠して垂直燃焼試験を行った。判定は、消炎後、上部支持材の下端と炭化開始点の距離が50mm未満のものを不合格(×)とし、50mm以上のものを合格(○)とした。
(3)粘度試験
混練物のペレットについて、東洋精機製作所製キャピログラフ1Bを用いて粘度の測定を行った。測定温度200℃で、長さ5.0mm、外径1.0mmのキャピラリーをせん断速度6.1×103sec−1でペレットを押出した際の粘度を測定した。粘度が270Pa・s未満のものを合格(○)とし、270Pa・s以上のものを不合格(×)とした。
混練物のペレットについて、東洋精機製作所製キャピログラフ1Bを用いて粘度の測定を行った。測定温度200℃で、長さ5.0mm、外径1.0mmのキャピラリーをせん断速度6.1×103sec−1でペレットを押出した際の粘度を測定した。粘度が270Pa・s未満のものを合格(○)とし、270Pa・s以上のものを不合格(×)とした。
(4)耐油試験
作製した電線を、EN60811-1-3に準拠し、耐油試験用油IRM902に浸漬し、100℃の恒温槽で72時間加熱し、室温で16時間程度放置し、引張試験を実施し、初期の値に対する油浸漬加熱後の値(残率)で評価した。引張強さ残率は70%以上を合格(○)とし、伸び残率は60%以上を合格(○)とした。
作製した電線を、EN60811-1-3に準拠し、耐油試験用油IRM902に浸漬し、100℃の恒温槽で72時間加熱し、室温で16時間程度放置し、引張試験を実施し、初期の値に対する油浸漬加熱後の値(残率)で評価した。引張強さ残率は70%以上を合格(○)とし、伸び残率は60%以上を合格(○)とした。
(5)耐寒試験
作製した電線について、EN60811-1-4 8.1に準拠して−40℃にて低温曲げ試験を行った。曲げ時にクラックが発生したものを不合格(×)とし、クラックが発生しなかったものを合格(○)とした。
作製した電線について、EN60811-1-4 8.1に準拠して−40℃にて低温曲げ試験を行った。曲げ時にクラックが発生したものを不合格(×)とし、クラックが発生しなかったものを合格(○)とした。
(6)総合判定
引張試験、難燃性試験、粘度試験、耐油試験、及び耐寒試験のいずれも合格のものを優良(◎)とし、引張試験、難燃性試験、及び粘度試験のいずれも合格であるが、耐油試験、耐寒試験のいずれかが不合格の場合を良(○)とし、引張試験、難燃性試験、及び粘度試験のいずれかが不合格の場合を不良(×)とした。
引張試験、難燃性試験、粘度試験、耐油試験、及び耐寒試験のいずれも合格のものを優良(◎)とし、引張試験、難燃性試験、及び粘度試験のいずれも合格であるが、耐油試験、耐寒試験のいずれかが不合格の場合を良(○)とし、引張試験、難燃性試験、及び粘度試験のいずれかが不合格の場合を不良(×)とした。
〔使用材料〕
(ベースポリマ)
・ポリマーA(直鎖状低密度ポリエチレン):(商品名)エボリューSP1510、(株)プライムポリマー製、密度:0.915g/cm3、MFR:1.0g/10min
・ポリマーB(直鎖状低密度ポリエチレン):(商品名)エボリューSP2030、(株)プライムポリマー製、密度:0.922g/cm3、MFR:2.5g/10min
・ポリマーC(無水マレイン酸変性したエチレン−α−オレフィン系共重合体):(商品名)タフマーMH5040、三井化学(株)製
・ポリマーD(エチレン−酢酸ビニル共重合体):(商品名)エバフレックス45X、三井・デュポンポリケミカル(株)製
・ポリマーE(エチレン−エチルアクリレート共重合体):(商品名)レクスパールA1150、日本ポリエチレン(株)製
(エボリュー、タフマー、エバフレックス、レクスパールはそれぞれ登録商標)
(ベースポリマ)
・ポリマーA(直鎖状低密度ポリエチレン):(商品名)エボリューSP1510、(株)プライムポリマー製、密度:0.915g/cm3、MFR:1.0g/10min
・ポリマーB(直鎖状低密度ポリエチレン):(商品名)エボリューSP2030、(株)プライムポリマー製、密度:0.922g/cm3、MFR:2.5g/10min
・ポリマーC(無水マレイン酸変性したエチレン−α−オレフィン系共重合体):(商品名)タフマーMH5040、三井化学(株)製
・ポリマーD(エチレン−酢酸ビニル共重合体):(商品名)エバフレックス45X、三井・デュポンポリケミカル(株)製
・ポリマーE(エチレン−エチルアクリレート共重合体):(商品名)レクスパールA1150、日本ポリエチレン(株)製
(エボリュー、タフマー、エバフレックス、レクスパールはそれぞれ登録商標)
(難燃剤)
・水酸化マグネシウム:(商品名)マグシーズS4、神島化学(株)製、(マグシーズは登録商標)
(難燃助剤)
・非晶質シリカA:(商品名)SIDISTAR T120U、エルケム・ジャパン(株)製、比重2.2g/cm3、比表面積40m2/g
・結晶質シリカ:(商品名)エーロジルR972、日本アエロジル(株)製
・非晶質シリカB:(商品名)Vulkasil A-1、Bayer(株)製、比重2.0g/cm3、比表面積65m2/g
・非晶質シリカC:(商品名)Durosil、Degussa(株)製、比重2.1g/cm3、比表面積60m2/g
・水酸化マグネシウム:(商品名)マグシーズS4、神島化学(株)製、(マグシーズは登録商標)
(難燃助剤)
・非晶質シリカA:(商品名)SIDISTAR T120U、エルケム・ジャパン(株)製、比重2.2g/cm3、比表面積40m2/g
・結晶質シリカ:(商品名)エーロジルR972、日本アエロジル(株)製
・非晶質シリカB:(商品名)Vulkasil A-1、Bayer(株)製、比重2.0g/cm3、比表面積65m2/g
・非晶質シリカC:(商品名)Durosil、Degussa(株)製、比重2.1g/cm3、比表面積60m2/g
(架橋助剤)
・トリメチロールプロパントリメタクリレート:(商品名)TMPT、新中村化学工業(株)製
(酸化防止剤)
・酸化防止剤A:(商品名)アデカスタブAO-18、(株)ADEKA製、(アデカスタブは登録商標)
・酸化防止剤B:(商品名)Irganox1010、BASF製、(IRGANOXは登録商標)
(滑剤)
・ステアリン酸亜鉛:(商品名)EZ101、勝田化工(株)製
(着色剤)
・カーボンブラック:(商品名)アサヒサーマルFT、旭カーボン(株)製、(アサヒサーマルは登録商標)
・トリメチロールプロパントリメタクリレート:(商品名)TMPT、新中村化学工業(株)製
(酸化防止剤)
・酸化防止剤A:(商品名)アデカスタブAO-18、(株)ADEKA製、(アデカスタブは登録商標)
・酸化防止剤B:(商品名)Irganox1010、BASF製、(IRGANOXは登録商標)
(滑剤)
・ステアリン酸亜鉛:(商品名)EZ101、勝田化工(株)製
(着色剤)
・カーボンブラック:(商品名)アサヒサーマルFT、旭カーボン(株)製、(アサヒサーマルは登録商標)
実施例1〜9では、引張試験(引張強さ及び伸び)、難燃性試験(垂直燃焼試験)、粘度試験、耐油試験、耐寒試験の全てに合格し、良好な特性を示している。また、参考例1〜3では耐油試験又は耐寒試験に不合格だったものの、引張試験(引張強さ及び伸び)、難燃性試験(垂直燃焼試験)、粘度試験で良好な特性を示した。
一方、比較例1では水酸化マグネシウムの添加量が95質量部であり、本発明の範囲である100〜250質量部よりも少なく、難燃性が不十分であった。逆に、比較例2では、水酸化マグネシウムの添加量が255質量部であり、本発明の範囲である100〜250質量部よりも多く、伸びが不十分であった。
比較例3では非晶質シリカの添加量が2質量部であり、本発明の範囲である3〜50質量部よりも少なく、難燃性が不十分であった。逆に、比較例4では、非晶質シリカの添加量が55質量部であり、本発明の範囲である3〜50質量部よりも多く、伸びが不十分であった。
比較例5では結晶性シリカを用いており、粘度が高く、かつ炭化層の形成が少なく、難燃性が不十分であった。比較例6では比重が2.0の非晶質シリカを用いており、本発明の範囲である2.1〜2.3g/cm3よりも少なく、炭化層の形成が少なく、難燃性が不十分であった。比較例7では比表面積が60m2/gの非晶質シリカを用いており、本発明の範囲である15〜50m2/gよりも多く、粘度が高くなり不十分であった。
比較例3では非晶質シリカの添加量が2質量部であり、本発明の範囲である3〜50質量部よりも少なく、難燃性が不十分であった。逆に、比較例4では、非晶質シリカの添加量が55質量部であり、本発明の範囲である3〜50質量部よりも多く、伸びが不十分であった。
比較例5では結晶性シリカを用いており、粘度が高く、かつ炭化層の形成が少なく、難燃性が不十分であった。比較例6では比重が2.0の非晶質シリカを用いており、本発明の範囲である2.1〜2.3g/cm3よりも少なく、炭化層の形成が少なく、難燃性が不十分であった。比較例7では比表面積が60m2/gの非晶質シリカを用いており、本発明の範囲である15〜50m2/gよりも多く、粘度が高くなり不十分であった。
10:電線、1:導体、2:絶縁体
20:ケーブル、3:テープ層、4:金属層、5:シース
20:ケーブル、3:テープ層、4:金属層、5:シース
[1]導体に絶縁体を押出被覆した車両用電線であって、前記絶縁体は、ベースポリマとしてのポリオレフィン系樹脂100質量部に対して、金属水酸化物を100〜250質量部含むノンハロゲン樹脂組成物からなり、前記ポリオレフィン系樹脂は、無水マレイン酸変性したエチレン−α−オレフィン系共重合体10〜40質量%及びメルトマスフローレート(MFR)2.0(g/10min)以下、密度0.900〜0.925g/cm3のポリエチレン60〜90質量%を含み、前記絶縁体は、EN60332-1-2に準拠した垂直燃焼試験において、消炎後、上部支持材の下端と炭化開始点の距離が50mm以上である難燃性を有し、前記絶縁体は、EN60811-1-1に準拠した引張試験において、150%以上の伸び特性を有し、前記絶縁体は、押出した際に270Pa・s未満の粘度を有するものである車両用電線。
[2]導体に絶縁体を被覆した電線と、前記電線を押出被覆するシースとを有する車両用ケーブルであって、前記シースは、ベースポリマとしてのポリオレフィン系樹脂100質量部に対して、金属水酸化物を100〜250質量部含むノンハロゲン樹脂組成物からなり、前記ポリオレフィン系樹脂は、無水マレイン酸変性したエチレン−α−オレフィン系共重合体10〜40質量%及びメルトマスフローレート(MFR)2.0(g/10min)以下、密度0.900〜0.925g/cm3のポリエチレン60〜90質量%を含み、前記シースは、EN60332-1-2に準拠した垂直燃焼試験において、消炎後、上部支持材の下端と炭化開始点の距離が50mm以上である難燃性を有し、前記シースは、EN60811-1-1に準拠した引張試験において、150%以上の伸び特性を有し、前記シースは、押出した際に270Pa・s未満の粘度を有するものである車両用ケーブル。
[2]導体に絶縁体を被覆した電線と、前記電線を押出被覆するシースとを有する車両用ケーブルであって、前記シースは、ベースポリマとしてのポリオレフィン系樹脂100質量部に対して、金属水酸化物を100〜250質量部含むノンハロゲン樹脂組成物からなり、前記ポリオレフィン系樹脂は、無水マレイン酸変性したエチレン−α−オレフィン系共重合体10〜40質量%及びメルトマスフローレート(MFR)2.0(g/10min)以下、密度0.900〜0.925g/cm3のポリエチレン60〜90質量%を含み、前記シースは、EN60332-1-2に準拠した垂直燃焼試験において、消炎後、上部支持材の下端と炭化開始点の距離が50mm以上である難燃性を有し、前記シースは、EN60811-1-1に準拠した引張試験において、150%以上の伸び特性を有し、前記シースは、押出した際に270Pa・s未満の粘度を有するものである車両用ケーブル。
Claims (2)
- 導体に絶縁体を押出被覆した車両用電線であって、
前記絶縁体は、ベースポリマとしてのポリオレフィン系樹脂100質量部に対して、金属水酸化物を100〜250質量部含むノンハロゲン樹脂組成物からなり、
前記ポリオレフィン系樹脂は、無水マレイン酸変性したエチレン−α−オレフィン系共重合体10〜40質量%及びメルトマスフローレート(MFR)2.0(g/10min)以下、密度0.900〜0.925g/cm3のポリエチレン60〜90質量%を含み、
前記絶縁体は、EN60332-1-2に準拠した垂直燃焼試験において、消炎後、上部支持材の下端と炭化開始点の距離が50mm以上である難燃性を有し、
前記絶縁体は、押出した際に270Pa・s未満の粘度を有するものであることを特徴とする車両用電線。 - 導体に絶縁体を被覆した電線と、
前記電線を押出被覆するシースとを有する車両用ケーブルであって、
前記シースは、ベースポリマとしてのポリオレフィン系樹脂100質量部に対して、金属水酸化物を100〜250質量部含むノンハロゲン樹脂組成物からなり、
前記ポリオレフィン系樹脂は、無水マレイン酸変性したエチレン−α−オレフィン系共重合体10〜40質量%及びメルトマスフローレート(MFR)2.0(g/10min)以下、密度0.900〜0.925g/cm3のポリエチレン60〜90質量%を含み、
前記シースは、EN60332-1-2に準拠した垂直燃焼試験において、消炎後、上部支持材の下端と炭化開始点の距離が50mm以上である難燃性を有し、
前記シースは、押出した際に270Pa・s未満の粘度を有するものであることを特徴とする車両用ケーブル。
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KR20190037996A (ko) * | 2017-09-29 | 2019-04-08 | 엘에스전선 주식회사 | 내인열성, 내마모성 및 난연성이 우수한 차수용 시스 조성물 및 이로부터 형성된 시스층을 포함하는 차수 케이블 |
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JPH04359941A (ja) * | 1991-06-06 | 1992-12-14 | Nippon Petrochem Co Ltd | 成形性良好な難燃性樹脂組成物 |
JP2005529207A (ja) * | 2002-06-07 | 2005-09-29 | エルケム エイエスエイ | 弾性樹脂組成物 |
-
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- 2014-09-12 JP JP2014185761A patent/JP2015043325A/ja active Pending
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KR102493573B1 (ko) | 2017-09-29 | 2023-01-31 | 엘에스전선 주식회사 | 내인열성, 내마모성 및 난연성이 우수한 차수용 시스 조성물 및 이로부터 형성된 시스층을 포함하는 차수 케이블 |
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