JP2015040682A - 熱源システム - Google Patents

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中下 一成
Kazunari Nakashita
一成 中下
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  • Central Air Conditioning (AREA)

Abstract

【課題】外部機器の設置域で熱交換効率の低下を招く屋外気不足が生じるのを効率的に回避して高い運転効率が得られる熱源システムを提供する。
【解決手段】施設1に装備された内部機器Aと、内部機器Aとの間で循環させる循環熱媒Rと屋外気OAとを熱交換させる外部機器Bを備える熱源システムであって、施設1内の空気RAを屋外へ排出する排気手段Cと、排気手段Cによる排出空気RAを外部機器Bの設置域Sに導く空気案内手段Dを設けてある。
【選択図】図1

Description

本発明は、ビルや工場等の各種の施設に用いられる熱源システムに関し、詳しくは、施設に装備した内部機器(例えば、空調用の室内機や冷凍機や温水発生機等)と、この内部機器との間で循環させる循環熱媒と屋外気とを熱交換させる外部機器(例えば、空調用の室外機や各種の冷却塔や加熱塔等)を備える熱源システムに関する。
この種の熱源システムを採用した施設では、屋上等に設置される外部機器をガラリ付きの壁で覆い隠すことで、意匠性を高めることが日常的に行われている。
しかしながら、このようにすると外部機器の設置域への屋外気の流入路が制限されるため、外部機器の設置域で熱交換用の屋外気が不足する虞がある。
外部機器の設置域で熱交換用の屋外気が不足すると、例えば、外部機器からの排気空気(外部機器で熱交換した後の空気)を外部機器の外気吸込口から再び取り込むショートサーキット現象などの熱交換効率(運転効率)が低下する種々の現象が生じる。
特許文献1には、外部機器の排気口に対して延長ダクトを接続して外部機器における外気吸込口と排気口との離間距離を延長することで、上記のショートサーキット現象の発生を抑止する技術が提案されている。
特開2009−103368号公報
ところが、上記従来の技術では、ショートサーキット現象の発生は回避できるものの、外部機器の設置域における屋外気不足は解消されないため、その屋外気不足に原因する熱交換効率の低下の抜本的な解決には至らない。また、外部機器の排気口に接続する延長ダクトの分だけ外部機器が大型化する別の問題を招くこととなる。
本発明は、上述の実状に鑑みて為されたものであって、その主たる課題は、外部機器の設置域で熱交換効率の低下を招く屋外気不足が生じるのを効率的に抑止して高い運転効率が得られる熱源システムを提供する点にある。
本発明の第1特徴構成は、施設に装備された内部機器と、前記内部機器との間で循環させる循環熱媒と屋外気とを熱交換させる外部機器を備える熱源システムであって、
施設内の空気を屋外へ排出する排気手段と、前記排気手段による排出空気を前記外部機器の設置域に導く空気案内手段を設けてある点にある。
つまり、この構成によれば、排気手段による施設からの排出空気を空気案内手段により外部機器の設置域に導くから、この設置域への導入空気を当該設置域における屋外気に対する補充空気とすることができる。
しかも、外部機器の設置域への導入空気として、排気手段で施設内から屋外へ排出する空気を用いるから、施設から空気排出する排気手段を有効に活用することができ、別途、外気補充用の送風手段を設けるのに比べ、システム構成の効率化を図ることができる。
したがって、外部換器の設置域において熱交換用の屋外気が不足するのを効率的に抑止することができて、高い運転効率を得ることができる。
本発明の第2特徴構成は、前記排気手段は、温度調整された室内空気を屋外へ排出する構成にしてある点にある。
つまり、温度調整された室内空気は、夏季では屋外気よりも低温のため、夏季に放熱作用させる場合の多い外部機器の設置域で屋外気よりも熱交換効率の面で有利であり、また、冬季では屋外気よりも高温になるため、冬季に採熱作用させる場合の多い外部機器の設置域で屋外気よりも熱交換効率の面で有利である。
それ故に、上記構成によれば、温度調整された室内空気を排気手段で屋外へ排出し、この排出室内空気を外部機器の設置域に導くから、外部機器での熱交換効率の面で有利な室内空気を外部機器の設置域に補充することができ、その分、外部機器での熱交換効率を一層高めることが可能になる。
すなわち、この構成によれば、温度調整された室内空気の熱も有効に活用することができて、運転効率を一層高めることができる。
本発明の第3特徴構成は、前記内部機器は、前記室内空気の温度を調整する構成にしてある点にある。
つまり、この構成によれば、内部機器と外部機器は、熱媒を循環させながら屋外気を放熱源又は採熱源として室内空気の温度を調整する空調システムを構成するが、この空調システムの運転中の発生冷熱又は発生温熱(内部機器により温度調整された室内空気の保有冷温熱)を運転中で活用(外部機器による再利用)する効率的な空調運転を実現することができ、運転効率を更に一層高めることができる。
本発明の第4特徴構成は、施設の屋上床部の上方に間隔を空けて第2床部を形成し、この第2床部に前記外部機器を設置するとともに、
前記空気案内手段として、前記屋上床部と前記第2床部との間の空間に空気案内路を形成してある点にある。
つまり、この構成によれば、施設の屋上床部の上方に間隔を空けて第2床部を形成するから、この第2床部の床下に各種用途に利用できる空間(床下空間)を創出することができる。そして、この空間(つまり、床下空間)に空気案内手段としての空気案内路を形成するから、空気案内路形成用の専用空間を別途に形成するのに比べ、空気案内手段を効率的に構成することができる。
本発明の第5特徴構成は、前記空気案内路を前記屋上床部と前記第2床部とで区画形成し、前記第2床部を多数の開口を並設した通気性床構造に構成するとともに、
前記第2床部は、前記外部機器の設置域に位置する部位の開口率を他の部位の開口率よりも大に設定してある点にある。
上記構成によれば、屋上床部と第2床部とで空気案内路を区画形成するから、屋上床部と第2床部との間の空間に配管材等を敷設して空気案内路を形成するのに比べ、簡単且つ低コストに空気案内路を形成することができる。
さらに、前記第2床部を多数の開口を並設した通気性床構造に構成するから、グレーチング等の素材を用いることで建築基準法上の取り扱いが有利な床構造(つまり、床面積に算入されない床構造)を構成することが可能になる。
それでいて、第2床部は、屋外機の設置域に位置する部位の開口率を他の部位の開口率よりも大に設定してあるから、他の部位よりも開口率が大に設定された屋外機設置域に位置する床部分を通して屋外機の設置域に集中的且つ効率的に施設からの屋外排気を導入することができる。
熱源システムの構成図 施設の屋上の要部平面図
図1は、本発明に係る熱源システムの構成図を示し、この熱源システムは、施設1に装備された内部機器Aと、前記内部機器Aとの間で循環させる循環熱媒Rと屋外気OAとを熱交換させる外部機器Bと、施設1内の空気RAを屋外へ排出する排気手段Cと、前記排気手段Cによる排出空気RAを前記外部機器Bの設置域Sに導く空気案内手段Dとから構成してある。
前記内部機器Aとしては、室内空間2(空調対象域の一例)の温度を調整する空調用の室内機3と、種々の用途に用いられる冷凍機4とを施設1に備え付けてある。
また、前記外部機器Bとしては、室内機3との間で循環させる循環冷媒r1(循環熱媒Rの一例)と屋外気OAとを熱交換させる空調用の室外機5と、前記冷凍機4との間で循環させる冷却水r2(循環熱媒Rの一例)と屋外気OAとを熱交換させる冷却塔6を施設1の屋上(外部の一例)に設置してある。
なお、図示は省略するが、本例では、これらの外部機器Bは、横側面側から屋外気OAを取り込んで上面側から排気する構成にしてある。つまり、外部機器Bは、屋外気OAの空気取込部が空気排出部よりも下方に配置してある。
この施設1の屋上の周壁部1Aには、室外機5の設置域S1(外部機器Bの設置域Sの一例)、及び、冷却塔6の設置域S2(外部機器Bの設置域Sの一例)に屋外気OAを自然供給するためのガラリ7(給気口)を形成してある。
前記室内機3と前記室外機5は、ファン3a、5aと伝熱コイル3b、5b(熱交換部の一例)を夫々備えるとともに、圧縮機8や膨張弁9等を介装した冷媒循環用の循環配管10を亘らせてなる冷凍回路11を備えており、屋外気OAを放熱源(又は採熱源)として室内空気RAを冷却(又は加熱)する冷房運転(又は暖房運転)が可能な空調システムとして構成してある。
前記冷凍機4は、循環配管12を通じて冷却塔6との間で冷却水r2を循環させることで、屋外気OAを放熱源として循環配管13を通じて循環させる冷水Wを冷却する構成にしてある。なお、冷凍機4で発生した冷水Wは、ファンコイルや外調機や蓄熱槽等に供給してもよい。14、15は、循環配管12、13の夫々に介装したポンプである。
前記排気手段Cは、施設1の換気設備を構成する排気設備から構成してあり、具体的には、室の天井に配設された排気口16と、この排気口16と屋上(屋外の一例)とを連通させる排気ダクト17と、排気ファン18とから構成してある。つまり、この排気手段Cは、室内機3により温度が調整された室内空気RAを屋外に排出する構成にしてある。
なお、室の壁には、施設1の換気設備を構成する給気設備として、給気口19と給気ファン20を設けてある。
施設1の屋上床部21の上方には、間隔を空けて第2床部22を設けてあり、この第2床部22に前記外部機器Bを載置状態で設置してある。
当該第2床部22は、図示しないが、多数の孔23aを有するグレーチングパネル23で上面部を形成した多数の架台を並設することで、通気性を有する通気性床構造として構成してある。
前記空気案内手段Dは、前記屋上床部21と前記第2床部22とで区画形成された空気案内路24から構成してある。つまり、前記屋上床部21と前記第2床部22との間の空間を空気案内用の風路にしてある。
そして、図1、図2に示すように、第2床部22のうち、前記外部機器Bの設置域Sに位置する部位では、他の部位を形成するグレーチングパネル23Aよりも開口率の大きなグレーチングパネル23Bを用いることで、前記外部機器Bの設置域Sに位置する部位の開口率を他の部位の開口率よりも大に設定してある。
そのため、排気ファン18によって屋上床部21と第2床部22との間の空気案内路23に排出(導入)された室内空気RAを、他の部位よりも開口率が大に設定された屋外機設置域Sに位置する床部分を通して外部機器Bの設置域Sの側に導出させる形態で、当該設置域Sに集中的且つ効率的に導くことができる。
また、外部機器Bが、横側面側から屋外気OAを取り込んで上面側から排出する構成を採ることに対して、外部機器Bにおける空気取込部に近い外部機器Bの設置域Sの下方から室内空気RAを導入することで、外部機器Bの内部に取り込み易くすることができるとともに、室内空気RAを外部機器Bの排気方向に沿う上向きに通風させることで、外部機器Bの上面側からの排気が外部機器Bの横側面側に回り込むことも抑止することができる。
次に、上述の如く構成された熱源システムの稼働状態(運転状態)を説明する。
例えば、屋外気OAが高温になる夏季において、室内機3で室内空気RAを冷却する冷房運転を実施する場合、室内機3と室外機5は、室内機3の伝熱コイル3bを冷凍回路の蒸発器として室内空気RAに吸熱作用させる状態で液化冷媒r1を蒸発させ、且つ、室外機5の伝熱コイル5bを冷凍回路の凝縮器として室外機5の設置域S1の屋外気OAに放熱作用させる状態で気化冷媒r1を凝縮させる運転状態となる。
このとき、室外機5の設置域S1には、排気手段Cと空気案内手段Dとにより、室内機3で冷却された室内空気RA(つまり、屋外気OAよりも低温の空気)が導入されるから、この導入空気RAにより室外機5で放熱作用させる設置域S1周りの屋外気OAを低温化させる状態(つまり、放熱作用に有利な状態)で導入空気RAの分だけ屋外気OAを補充した状態にすることができる。
したがって、室外機5の設置域S1での屋外気不足を未然に防止することができるとともに、室外機5による屋外気OAへの放熱効率(つまり、室外機5での熱交換効率)も高めることができる。
また、屋外気OAが高温になる夏季において、冷凍機4で冷水Wを冷却する冷却運転を実施する場合、冷凍機4と冷却塔6は、冷却塔6で屋外気OAに放熱作用させる状態で冷却水r2を冷却することで、屋外気OAを放熱源として冷凍機4で冷水Wを冷却する運転状態となる。
このとき、冷却塔6の設置域S2にも、排気手段Cと空気案内手段Dとにより、室内機3で冷却された室内空気RA(つまり、屋外気OAよりも低温の空気)が導入されるから、この導入空気RAにより冷却塔6で放熱作用させる設置域S1周りの屋外気OAを低温化させる状態(つまり、放熱作用に有利な状態)で導入空気RAの分だけ屋外気OAを補充した状態にすることができる。
したがって、冷却塔6の設置域S2での屋外気不足を未然に防止することができるとともに、冷却塔6による屋外気OAへの放熱効率(つまり、冷却塔6での熱交換効率)も高めることができる。
更に、例えば、屋外気OAが低温になる冬季において、室内機3で室内空気RAを加熱する暖房運転を実施する場合、室内機3と室外機5は、室内機3の伝熱コイル3bを冷凍回路の凝縮器として室内空気RAに加熱作用させる状態で気化冷媒r1を凝縮させ、且つ、室外機5の伝熱コイル5bを冷凍回路の蒸発器として室外機5の設置域S1の屋外気OAに採熱作用させる状態で液化冷媒r1を蒸発させる運転状態となる。
このとき、室外機5の設置域S1には、排気手段Cと空気案内手段Dとにより、室内機3で加熱された室内空気RA(つまり、屋外気OAよりも高温の空気)が導入されるから、この導入空気RAにより室外機5で採熱作用させる設置域S2周りの屋外気OAを高温化させる状態(つまり、採熱作用に有利な状態)で導入空気RAの分だけ屋外気OAを補充した状態にすることができる。
したがって、室外機5の設置域S1での屋外気不足を未然に防止することができるとともに、室外機5による屋外気OAへの採熱効率(つまり、室外機5での熱交換効率)を高めることができる。
以上、要するに、この熱源システムは、前記内部機器Aで温度調整された室内空気RAを前記排気手段Cと空気案内手段Dとで前記外部機器Bの設置域Sに導くことで、施設1からの屋外排気RAを量的且つ熱的に有効に活用して運転効率を高めることができる。
〔別実施形態〕
(1)前述の実施形態では、外部機器Bの設置域Sに位置する部位のグレーチングパネル23Bを他の部位を形成するグレーチングパネル23Aよりも開口率を大にする場合を例に示したが、例えば、外部機器Bの設置域Sに位置する部位を通気性床構造にすることに対して他の部位を非通気性の床構造にするようにしてもよい。
(2)前述の実施形態では、空気案内手段Dとして、区画された風路を例に示したが、例えば、排出空気RAの通風向きを外部機器Bの設置域Sに向けて変更する案内板等であってもよい。
(3)前述の実施形態では、施設1からの排出空気RAを外部機器Bの設置域Sに下方から導入する場合を例に示したが、外部機器Bの空気取込部に向けて導入するようにしてもよい。
(4)前述の実施形態では、空気案内路24を屋上床部21と第2床部22とで区画形成する場合を例に示したが、配管ダクト等から構成してもよい。
(5)内部機器Aや外部機器Bは、前述の実施形態で示した空調用の室内機3と室外機5の組み合わせや冷凍機4と冷却塔6の組み合わせに限らず、温水発生機と加熱塔の組み合わせ等の種々のものを採用することができる。
(6)前述の実施形態では、施設1内から屋外へ排出する排気手段Cとして、室内の換気設備を構成する排気設備を例に示したが、排煙設備等であってもよい。
A 内部機器
B 外部機器
C 排気手段
D 空気案内手段
S 設置域
R 熱媒
OA 屋外気
RA 室内空気
1 施設
21 屋上床部
22 第2床部
24 空気案内路

Claims (5)

  1. 施設に装備された内部機器と、前記内部機器との間で循環させる循環熱媒と屋外気とを熱交換させる外部機器を備える熱源システムであって、
    施設内の空気を屋外へ排出する排気手段と、前記排気手段による排出空気を前記外部機器の設置域に導く空気案内手段を設けてある熱源システム。
  2. 前記排気手段は、温度調整された室内空気を屋外へ排出する構成にしてある請求項1記載の熱源システム。
  3. 前記内部機器は、前記室内空気の温度を調整する構成にしてある請求項2記載の熱源システム。
  4. 施設の屋上床部の上方に間隔を空けて第2床部を形成し、この第2床部に前記外部機器を設置するとともに、
    前記空気案内手段として、前記屋上床部と前記第2床部との間の空間に空気案内路を形成してある請求項1〜3のいずれか1項に記載の熱源システム。
  5. 前記空気案内路を前記屋上床部と前記第2床部とで区画形成し、前記第2床部を多数の開口を並設した通気性床構造に構成するとともに、
    前記第2床部は、前記外部機器の設置域に位置する部位の開口率を他の部位の開口率よりも大に設定してある請求項4記載の熱源システム。
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