JP2015040246A - ポリエーテルの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】効率よくエポキシドを開環重合することができ、また低分子量から高分子量まで得られるポリエーテルの分子量を制御することができる、マンガン錯体を用いたポリエーテルの製造方法を提供すること。【解決手段】(A)置換基を有するマンガンフタロシアニン錯体と、(B)[R124N]+で表されるカチオン、[R124P]+で表されるカチオン、[R123P=N=PR123]+で表されるカチオン、及びイミダゾール誘導体からなる群から選択される少なくとも1種のリン及び/又は窒素を含むカチオンとF-、Cl-、Br-、I-、N3-、脂肪族カルボキシラート、芳香族カルボキシラート、アルコキシド、及びアリールオキシドからなる群から選択される少なくとも1種のアニオンとの塩からなる助触媒の存在下でエポキシドを開環重合させることを特徴とする、ポリエーテルの製造方法。【選択図】なし
Description
本発明は、エポキシドを開環重合させる、ポリエーテルの製造方法に関する。
エポキシド化合物の開環重合により得られるポリエーテルは、原料のエポキシド化合物の種類、重合度の選択により、様々な性質を発現することができるため、広範な分野で使用されている。例えば、分子量が数百から数千の低分子量体は界面活性剤や低揮発性溶媒等に、分子量が数千から数万の中分子量体はポリウレタンの原料やレオロジー調整剤に、分子量が数十万以上の高分子量体はゴムや各種プラスチックとのブレンド等に使用されている。
エポキシド化合物を開環重合させる触媒としては、フッ化ホウ素、塩化アルミニウム、塩化スズ等のルイス酸触媒、水酸化カリウム、カリウムブトキシド等の塩基触媒が知られており、これらの触媒を使用すると低分子量体が得られる。また、アルキル亜鉛−水系触媒やアルキルアルミニウム−水−アセチルアセトン系触媒等を使用すると高分子量体が得られる。しかしながら、これらの触媒は重合体の分子量の分布が広い、副反応による架橋構造ができてしまうという課題を有している(非特許文献1参照)。
近年、均一系触媒の発展により、重合を精密に制御できるようになり、望みの立体構造や分子量、狭い分子量分布の重合物が得られるようになった。エポキシドの単独重合においても、例えば特許文献1には、アルミニウムポルフィリン錯体を用いた例が、非特許文献2には、マンガンポルフィリン錯体を用いた例が記載されており、分子量が揃ったポリエーテルが得られている。また、特許文献2には、コバルトサレン錯体を用いたエポキシドの単独重合の例が記載されており、高度に立体が制御された、結晶性の高いポリエーテルが得られている。
遠藤剛、須藤篤、上田充、木村邦生、横澤勉、塩野毅、中山祐正、蔡正国著、「高分子の合成(下)」、講談社、p.461(2010)
M. Kuroki, T. Aida, and S. Inoue, Die Makromolekulare Chemie, 189, 1305(1988)
しかしながら、特許文献1に記載のポルフィリン錯体では活性が低く、低分子量体から中分子量体しか得られない、特許文献2に記載のコバルトサレン錯体では、結晶性の高いポリエーテルしか得られず、用途が限定されるという課題がある。
本発明の課題は、効率よくエポキシドを開環重合することができ、また低分子量から高分子量まで得られるポリエーテルの分子量を制御することができる、マンガン錯体を用いたポリエーテルの製造方法を提供することにある。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、特定の構造を有するマンガン錯体と特定の助触媒を組み合わせることにより、エポキシド化合物からポリエーテルを製造することができることを見出し、本発明を完成させた。
本発明は、
(A)式(I):
(A)式(I):
(式中、R1〜R11は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、置換もしくは非置換のアルキル基、置換もしくは非置換のアルケニル基、置換もしくは非置換のシクロアルキル基、置換もしくは非置換のアリール基、置換もしくは非置換のヘテロアリール基、又は置換もしくは非置換のアミノ基を表し、隣り合う炭素原子上のR1とR2、R4とR5、R7とR8、R10とR11は互いに結合して置換もしくは非置換の脂肪族環又は置換もしくは非置換の芳香族環を形成してもよく、Xは不在又はF-、Cl-、Br-、I-、N3 -、脂肪族カルボキシラート、芳香族カルボキシラート、アルコキシド、及びアリールオキシドからなる群から選択される少なくとも1種のアニオン性配位子を表す)
で表されるマンガン錯体と、
(B)[R12 4N]+(式中、R12は、それぞれ独立して、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数3〜20のシクロアルキル基、又は置換もしくは非置換の炭素数6〜20のアリール基を表す)で表されるカチオン、
[R12 4P]+(式中、R12は前記と同じ)で表されるカチオン、
[R12 3P=N=PR12 3]+(式中、R12は前記と同じ)で表されるカチオン、及び式(II):
で表されるマンガン錯体と、
(B)[R12 4N]+(式中、R12は、それぞれ独立して、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数3〜20のシクロアルキル基、又は置換もしくは非置換の炭素数6〜20のアリール基を表す)で表されるカチオン、
[R12 4P]+(式中、R12は前記と同じ)で表されるカチオン、
[R12 3P=N=PR12 3]+(式中、R12は前記と同じ)で表されるカチオン、及び式(II):
(式中、R13はそれぞれ独立して、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数3〜20のシクロアルキル基、又は置換もしくは非置換の炭素数6〜20のアリール基を表し、R14はイミダゾリウム環の炭素上の0から3個の置換基であって、それぞれ独立して、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数3〜20のシクロアルキル基、又は置換もしくは非置換の炭素数6〜20のアリール基を表す)
で表されるイミダゾール誘導体からなる群から選択される少なくとも1種のリン及び/又は窒素を含むカチオンと
F-、Cl-、Br-、I-、N3 -、脂肪族カルボキシラート、芳香族カルボキシラート、アルコキシド、及びアリールオキシドからなる群から選択される少なくとも1種のアニオンとの塩からなる助触媒
の存在下でエポキシドを開環重合させることを特徴とする、ポリエーテルの製造方法
に関する。
で表されるイミダゾール誘導体からなる群から選択される少なくとも1種のリン及び/又は窒素を含むカチオンと
F-、Cl-、Br-、I-、N3 -、脂肪族カルボキシラート、芳香族カルボキシラート、アルコキシド、及びアリールオキシドからなる群から選択される少なくとも1種のアニオンとの塩からなる助触媒
の存在下でエポキシドを開環重合させることを特徴とする、ポリエーテルの製造方法
に関する。
本発明によれば、マンガン原子を核として有する特定のマンガン錯体と特定の助触媒とを用いて、エポキシドを開環重合させることにより、効率よくエポキシドを開環重合することができ、また低分子量から高分子量まで、得られるポリエーテルの分子量を制御することができる。
本発明のポリエーテルの製造方法は、コロール骨格を有する四座配位子がマンガン原子に平面四座配位したマンガン錯体と、リン及び/又は窒素を含むカチオンと対アニオンとからなる塩の存在下でエポキシドを開環重合させることを特徴とする。本発明の方法は、同じ触媒を用い、反応条件を変えるだけで、幅広い分子量の制御が可能であるという観点から、非常に有用な方法である。
本発明で用いられるマンガン錯体は、式(I):
で表される。
式中、R1〜R11は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、置換もしくは非置換のアルキル基、置換もしくは非置換のアルケニル基、置換もしくは非置換のシクロアルキル基、置換もしくは非置換のアリール基、置換もしくは非置換のヘテロアリール基、又は置換もしくは非置換のアミノ基を表し、隣り合う炭素原子上のR1とR2、R4とR5、R7とR8、R10とR11は互いに結合して置換もしくは非置換の脂肪族環又は置換もしくは非置換の芳香族環を形成してもよい。
R1〜R11の置換又は非置換のアルキル基としては、炭素数1〜10の直鎖又は分岐状のアルキル基が好ましく、例えばメチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基等が挙げられる。アルキル基は、例えば、アルコキシ基、アミノ基、アシル基、アシルオキシ基、アルコキシカルボニル基、スルファニル基、シアノ基、ニトロ基、スルホ基、ホルミル基、ハロゲン基、シリル基、アリール基等から選択される1又は2以上の置換基で置換されていてもよい。
R1〜R11の置換又は非置換のアルケニル基としては、炭素数2〜10の直鎖又は分岐状のアルケニル基が好ましく、例えばビニル基、アリル基等が挙げられる。アルケニル基は、例えば、アルコキシ基、アミノ基、アシル基、アシルオキシ基、アルコキシカルボニル基、スルファニル基、シアノ基、ニトロ基、スルホ基、ホルミル基、ハロゲン基、シリル基、アリール基等から選択される1又は2以上の置換基で置換されていてもよい。
R1〜R11の置換又は非置換のシクロアルキル基としては、炭素数3〜10のシクロアルキル基が好ましく、例えばシクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等が挙げられる。シクロアルキル基は、例えば、アルコキシ基、アミノ基、アシル基、アシルオキシ基、アルコキシカルボニル基、スルファニル基、シアノ基、ニトロ基、スルホ基、ホルミル基、ハロゲン基、シリル基、アリール基等から選択される1又は2以上の置換基で置換されていてもよい。
R1〜R11の置換又は非置換のアリール基としては、炭素数6〜20のアリール基が好ましく、例えばフェニル基、ナフチル基、ビフェニル基等が挙げられる。アリール基は、例えば、アルキル基、アルコキシ基、アミノ基、アシル基、アシルオキシ基、アルコキシカルボニル基、スルファニル基、シアノ基、ニトロ基、スルホ基、ホルミル基、ハロゲン基、シリル基等から選択される1又は2以上の置換基で置換されていてもよい。
R1〜R11の置換又は非置換のヘテロアリール基としては、炭素数3〜20のヘテロアリール基が好ましく、例えば、フリル基、チエニル基、ピリジル基、オキサゾリル基、イミダゾリル基、キノリル基等が挙げられる。ヘテロアリール基は、例えば、アルキル基、アルコキシ基、アミノ基、アシル基、アシルオキシ基、アルコキシカルボニル基、スルファニル基、シアノ基、ニトロ基、スルホ基、ホルミル基、ハロゲン基、シリル基等から選択される1又は2以上の置換基で置換されていてもよい。
R1〜R11の置換又は非置換のアミノ基としては、非置換のアミノ基、又は炭素数1〜10のアルキル基、炭素数3〜10のシクロアルキル基、及び炭素数6〜20のアリール基からなる群から選択された、1個もしくは2個の置換基で置換されたアミノ基等が挙げられ、例えば、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、エチルアミノ基、ジエチルアミノ基、シクロヘキシルアミノ基、フェニルアミノ基、ジフェニルアミノ基等が挙げられる。置換アミノ基の窒素原子上の置換基は、アルキル基、アルコキシ基、アミノ基、アシル基、アシルオキシ基、アルコキシカルボニル基、スルファニル基、シアノ基、ニトロ基、スルホ基、ホルミル基、ハロゲン基、シリル基、アリール基等から選択される1又は2以上の置換基でさらに置換されていてもよい。
隣り合う炭素原子上のR1とR2、R4とR5、R7とR8、R10とR11は、互いに結合して置換もしくは非置換の脂肪族環又は置換もしくは非置換の芳香族環を形成してもよく、この場合、炭素数4〜10の置換もしくは非置換の脂肪族環、又は炭素数6〜10の置換もしくは非置換の芳香族環を形成することが好ましい。このように形成された環は、四座配位子のピロール環部分と縮環構造を形成する。このように形成された環は、アルキル基、アルコキシ基、アミノ基、アシル基、アシルオキシ基、アルコキシカルボニル基、スルファニル基、シアノ基、ニトロ基、スルホ基、ホルミル基、ハロゲン基、シリル基等から選択される1又は2以上の置換基でさらに置換されていてもよい。
式(I)中、Xは、不在又はF-、Cl-、Br-、I-、N3 -、脂肪族カルボキシラート、芳香族カルボキシラート、アルコキシド、及びアリールオキシドからなる群から選択される少なくとも1種のアニオン性配位子を表す。
脂肪族カルボキシラートとしては、アセテート、トリフルオロアセテート、トリクロロアセテート、プロピオナート等が挙げられる。芳香族カルボキシラートとしては、ベンゾエート、p-メチルベンゾエート、3,5-ジクロロベンゾエート、4-ジメチルアミノベンゾエート、ペンタフルオロベンゾエート等が挙げられる。アルコキシドとしては、メトキシド、エトキシド、イソプロポキシド等が挙げられる。アリールオキシドとしては、フェノキシド、p-ニトロフェノキシド、2,4-ジクロロフェノキシド、ペンタフルオロフェノキシド、1-ナフトキシド等が挙げられる。これらのなかでは、反応性の高さの観点から、Xは不在又はCl-、Br-、I-、アセテートであることが好ましい。
式(I)で表されるマンガン錯体のなかでは、反応性の高さの観点から、式(Ia):
で表されるマンガン錯体、又は式(Ib):
で表されるClが配位したマンガン錯体が好ましく用いられる。
マンガン錯体は、アルデヒド化合物とピロール化合物とを酸存在下で反応させ、次いで酸化することで得られる配位子とマンガン塩とを溶媒中で反応させることで得ることが出来る。
本発明においては、助触媒として、特定のリン及び/又は窒素を含むカチオンと対アニオンとからなる塩を使用する。
リン及び/又は窒素を含むカチオンは、[R12 4N]+で表されるカチオン、[R12 4P]+で表されるカチオン、[R12 3P=N=PR12 3]+で表されるカチオン、及び式(II):
で表されるイミダゾール誘導体からなる群から選択される少なくとも1種である。
カチオンの式中、R12は、それぞれ独立して、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数3〜20のシクロアルキル基、又は置換もしくは非置換の炭素数6〜20のアリール基を表す。R12の具体例としては、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、アリル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等の直鎖又は分岐のアルキル基;シクロペンチル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基;フェニル基、o-トリル基等の置換又は非置換のアリール基等が挙げられる。
式(II)中、R13はそれぞれ独立して、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数3〜20のシクロアルキル基、又は置換もしくは非置換の炭素数6〜20のアリール基を表し、R14はイミダゾリウム環の炭素上の0から3個の置換基であって、それぞれ独立して、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数3〜20のシクロアルキル基、又は置換もしくは非置換の炭素数6〜20のアリール基を表す。R13及びR14の具体例としては、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、アリル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等の直鎖又は分岐のアルキル基;シクロペンチル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基;フェニル基、o-トリル基等の置換又は非置換のアリール基等が挙げられる。
四級アンモニウム([R12 4N]+)の具体例としては、テトラエチルアンモニウム、テトラブチルアンモニウム、テトラフェニルアンモニウム等が挙げられる。
四級ホスホニウム([R12 4P]+)の具体例としては、テトラエチルホスホニウム、テトラブチルホスホニウム、テトラフェニルホスホニウム等が挙げられる。
ビス(ホスホラニリデン)アンモニウム([R12 3P=N=PR12 3]+)の具体例としては、ビス(トリブチルホスホラニリデン)アンモニウム、ビス(ジブチルフェニルホスホラニリデン)アンモニウム、ビス(トリフェニルホスホラニリデン)アンモニウム等が挙げられる。
式(II)で表されるイミダゾール誘導体の具体例としては、1,3-ジメチルイミダゾリウム、1-エチル−3-メチルイミダゾリウム、1,3-ジエチルイミダゾリウム等が挙げられる。
上記カチオンの中では、反応性の高さの観点から、[R12 4N]+、[R12 3P=N=PR12 3]+、及び式(II)で表されるイミダゾール誘導体が好ましく、[R12 3P=N=PR12 3]+がより好ましい。
アニオンは、F-、Cl-、Br-、I-、N3 -、脂肪族カルボキシラート、芳香族カルボキシラート、アルコキシド、及びアリールオキシドからなる群から選択される少なくとも1種である。
脂肪族カルボキシラートとしては、アセテート、トリフルオロアセテート、トリクロロアセテート、プロピオナート等が挙げられる。芳香族カルボキシラートとしては、ベンゾエート、p-メチルベンゾエート、3,5-ジクロロベンゾエート、4-ジメチルアミノベンゾエート、ペンタフルオロベンゾエート等が挙げられる。アルコキシドとしては、メトキシド、エトキシド、イソプロポキシド等が挙げられる。アリールオキシドとしては、フェノキシド、p-ニトロフェノキシド、2,4-ジクロロフェノキシド、ペンタフルオロフェノキシド、1-ナフトキシド等が挙げられる。これらのなかでは、反応性の高さの観点から、F-、Cl-、Br-、I-、アセテート、トリフルオロアセテート、トリクロロアセテート、ベンゾエート及びペンタフルオロベンゾエートが好ましく、Cl-及びアセテートがより好ましい。
従って、上記のカチオンとアニオンとからなる塩(助触媒)としては、[R12 3P=N=PR12 3]+とCl-又はアセテートからなる塩が好ましい。
上記カチオン及びアニオンからなる塩として、例えばテトラ-n-ブチルアンモニウムクロライド(nBu4NCl)、テトラ-n-ブチルアンモニウムブロマイド(nBu4NBr)、テトラ−n-ブチルアンモニウムアイオダイド(nBu4NI)、テトラ-n-ブチルアンモニウムアセテート(nBu4NOAc)、テトラ-n-ブチルアンモニウムナイトレート(nBu4NO3)、テトラブチルホスホニウムクロライド(nBu4PCl)、テトラフェニルホスホニウムクロライド(Ph4PCl)、ビス(トリフェニルホスフォラニリデン)アンモニウムクロリド(PPNCl)、ビス(トリフェニルホスフォラニリデン)アンモニウムフルオリド(PPNF)、ビス(トリフェニルホスフォラニリデン)アンモニウムアセテート(PPNOAc)、ビス(トリフェニルホスフォラニリデン)アンモニウムペンタフルオロベンゾエート(PPNOBzF5)、ビス(トリフェニルホスフォラニリデン)アンモニウムアジド(PPNN3)、1,3-ジメチルイミダゾリウムクロライド、1-エチル−3-メチルイミダゾリウムクロライド等が挙げられ、PPNCl、PPNF、PPNOAc、PPNOBzF5及びnBu4NClが好ましく、PPNCl及びPPNOAcがより好ましい。
上記のマンガン錯体と助触媒の組み合わせとしては、式(Ia)で表されるマンガン錯体とPPNClもしくはPPNOAc、又は式(Ib)で表されるマンガン錯体とPPNClもしくはPPNOAcの組み合わせが好ましい。
本発明において、ポリエーテルの合成に使用するエポキシドとしては、式(III):
(式中、R15〜R18は、それぞれ独立して、水素原子、置換もしくは非置換のアルキル基、置換もしくは非置換のアリール基であるか、又はR15とR16、R17とR18は互いに結合して置換もしくは非置換の環を形成してもよい)
で表されるエポキシドが好ましい。
で表されるエポキシドが好ましい。
R15〜R18のアルキル基としては、炭素数1〜10の直鎖又は分岐の置換又は非置換のアルキル基が好ましく、例えば、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、n-ペンチル基、n-ヘキシル基、n-ヘプチル基、n-オクチル基、n-ノニル基、n-デシル基等が挙げられる。アルキル基は、例えば、アルコキシ基、アリルオキシ基、アミノ基、カルボキシル基、エステル基、シリル基、スルファニル基、シアノ基、ニトロ基、スルホ基、ホルミル基、アリール基、アリールオキシ基、ハロゲン原子等から選択される1又は複数の置換基で置換されていてもよい。
R15〜R18の置換又は非置換のアリール基としては、置換又は非置換の、炭素数6〜20、好ましくは炭素数6〜14のアリール基が好ましく、例えば、フェニル基、インデニル基、ナフチル基、テトラヒドロナフチル基等が挙げられる。アリール基は、例えば、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基等のアルキル基、フェニル基、ナフチル基等の別のアリール基、アルコキシ基、アミノ基、カルボキシル基、エステル基、シリル基、スルファニル基、シアノ基、ニトロ基、スルホ基、ホルミル基、ハロゲン原子等から選択される1又は複数の置換基で置換されていてもよい。
R15とR16、R17とR18は、互いに結合して置換又は非置換の環を形成してもよく、好ましくは炭素数4〜10の、置換又は非置換の脂肪族環を形成してもよい。例えば、R15とR17が−(CH2)4−を介して互いに結合した場合、シクロヘキサン環を形成する。このように形成された環は、例えば、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基等のアルキル基、フェニル基、ナフチル基等のアリール基、ビニル基、アルコキシ基、アミノ基、カルボキシル基、エステル基、シリル基、スルファニル基、シアノ基、ニトロ基、スルホ基、ホルミル基、ハロゲン原子等から選択される1又は複数の置換基で置換されていてもよい。
式(III)で表されるエポキシドとしては、例えば、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、1,2-エポキシブタン、1,2-エポキシヘキサン、1,2-エポキシオクタン、1,2-エポキシデカン、スチレンオキシド、グリシジルメチルエーテル、グリシジルフェニルエーテル、アリルグリシジルエーテル、シクロペンテンオキシド、シクロヘキセンオキシド、リモネンオキシド、4-ビニルシクロヘキセンオキシド、3-フェニルプロピレンオキシド、3,3,3-トリフルオロプロピレンオキシド、エピクロロヒドリン等が挙げられ、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、シクロヘキセンオキシド、又はそれらの組み合わせが好ましい。
エポキシドの開環重合は、酸素等の影響を排除するために不活性雰囲気下で実施することが好ましい。
開環重合の反応温度は、反応時間を短縮する観点から、0〜100℃が好ましく、10〜90℃がより好ましく、20〜60℃がさらに好ましい。反応時間は、反応条件により異なるが、通常、0.5〜30時間程度が好ましい。
マンガン錯体の使用量は、エポキシド1モルに対して、0.01モル以下が好ましく、0.001モル以下がより好ましい。また、反応時間が長くなることから、0.000001モル以上が好ましく、0.00001モル以上がより好ましい。
助触媒の使用量は、マンガン錯体1モルに対して、0.1〜5モルが好ましく、0.3〜2モルがより好ましく、0.4〜1.0モルがさらに好ましい。
開環重合は無溶媒で行ってもよく、必要に応じて溶媒を使用して行ってもよい。用いられる溶媒としては、使用されるエポキシド、触媒及び助触媒と反応しないものであれば特に制限はなく、例えば、炭化水素類、エーテル類、エステル類、ケトン類、ハロゲン化炭化水素類等が挙げられる。具体的には、ヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン、シクロヘキサン、1,2-ジメトキシエタン、ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4-ジオキサン、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジエチルケトン、塩化メチレン、クロロホルム、ジクロロエタン、トリクロロエタン、クロロベンゼン等が挙げられる。中でも、溶解性が高いことからエーテル類及び炭化水素類が好ましく、1,2-ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン及びトルエンがより好ましい。これら溶媒は単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
溶媒を使用する場合の使用量としては、エポキシド100質量部に対して、10〜10000質量部が好ましく、10〜5000質量部がより好ましい。
かくして得られるポリエーテルは、前記反応終了後、常法により濃縮、乾燥して単離することができる。また、カラムクロマトグラフィー等の周知の手段を用いて、前記ポリエーテルをさらに精製してもよい。
前記重合により得られるポリエーテルの分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC;ポリスチレン換算)によって測定した数平均分子量(Mn)で、好ましくは1000〜2,000,000、より好ましくは1,500〜1,000,000、さらに好ましくは1,500〜500,000である。
また、前記重合により得られるポリエーテルは、比較的狭い分子量分布を有し得る。数平均分子量(Mn)と重量平均分子量(Mw)の比で表される分子量分布(Mw/Mn)は、好ましくは5以下であり、より好ましくは2以下である。
以下に、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれら実施例によってなんら限定されるものではない。
なお、得られた化合物の1H-NMRスペクトルの測定は、JEOL社製のJNM-ECP500を、UV-VISスペクトルの測定は、島津製作所製のShimadzuUV-3100を用いて行った。
また、ポリエーテルの数平均分子量(Mn)及び重量平均分子量(Mw)は、GLサイエンス社製の高速液体クロマトグラフィーシステム(DG660B・PU713・UV702・RI704・CO631A)とSHODEX社製のKF-804Lカラム2本を用いて、テトラヒドロフランを溶出液として(40℃,1.0mL/分)、ポリスチレン標準を基準に換算して測定し、解析ソフトウェア(Scientific Software社製のEZChrom Elite)で処理して決定した。
マンガン錯体の製造例1〔式(Ia)で表されるマンガン錯体〕
アルミホイルで遮光した10mL容試験管にペンタフルオロベンズアルデヒド(0.17mL,1.40mmol)とピロール(0.15mL,2.10mmol)を入れ、激しく攪拌しているところに、トリフルオロ酢酸(1.27μL,17μmol)を加え、常温で10分間攪拌した。生じた粘性溶液に、塩化メチレン(2mL)を加えて溶解させた。2,3-ジクロロ-5,6-ジシアノベンゾキノン(DDQ,354mg,1.56mmol)を加え、さらに30分間攪拌した。反応溶液をシリカゲルでろ過し、ろ液を濃縮後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出液:ヘキサン/塩化メチレン=2/1)で精製した後、熱ヘキサンから再結晶して化合物1(18mg,収率5%)を得た。
アルミホイルで遮光した10mL容試験管にペンタフルオロベンズアルデヒド(0.17mL,1.40mmol)とピロール(0.15mL,2.10mmol)を入れ、激しく攪拌しているところに、トリフルオロ酢酸(1.27μL,17μmol)を加え、常温で10分間攪拌した。生じた粘性溶液に、塩化メチレン(2mL)を加えて溶解させた。2,3-ジクロロ-5,6-ジシアノベンゾキノン(DDQ,354mg,1.56mmol)を加え、さらに30分間攪拌した。反応溶液をシリカゲルでろ過し、ろ液を濃縮後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出液:ヘキサン/塩化メチレン=2/1)で精製した後、熱ヘキサンから再結晶して化合物1(18mg,収率5%)を得た。
1H-NMR(CDCl3):δ=9.10(d,2H,J=4.4Hz),8.75(d,2H,J=4.4Hz),8.57(d,4H,J=4.4Hz),-2.25(s,3H)ppm.
19F-NMR(CDCl3):δ=-137.0,-152.0,-161.0 ppm.
19F-NMR(CDCl3):δ=-137.0,-152.0,-161.0 ppm.
次に乾燥した80mLシュレンク管に,酢酸マンガン4水和物(154mg,0.63mmol)とN,N-ジメチルホルムアミド(DMF,5mL)を加え、150℃で10分間加熱し溶解させた。そこへ、化合物1(50mg,0.063mmol)をDMF(5mL)に溶解させた溶液をゆっくり加え、さらに150℃で1時間加熱した。減圧下で溶媒を除去した後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出液:ヘキサン/酢酸エチル=10/1)で精製し、マンガン錯体2(50mg,収率94%)を得た。
UV/Vis(CH2Cl2):λ[nm](logε)=296(2.2), 317(2.2), 404(5), 421(5), 484(2.5), 597(1.2).
1H-NMR(CDCl3):δ=20.6(Br s,2H), -17.13(Br s, 2H), -42.00(Br s, 2H), -125.0 (Br s, 2H) ppm.
19F-NMR(CDCl3):δ=-115.3, -126.0, -151.2, -153.4, -156.8, -158.0ppm.
1H-NMR(CDCl3):δ=20.6(Br s,2H), -17.13(Br s, 2H), -42.00(Br s, 2H), -125.0 (Br s, 2H) ppm.
19F-NMR(CDCl3):δ=-115.3, -126.0, -151.2, -153.4, -156.8, -158.0ppm.
マンガン錯体の製造例2〔式(Ib)で表されるマンガン錯体〕
マンガン錯体2(23mg,27μmol)をヘキサン(2mL)に溶解させ、そこにトリス(4−ブロモフェニル)アミニウムヘキサクロロアンチモネート(22mg,27μmol)をジクロロメタン(2mL)に溶解させた溶液を加え、室温で1時間攪拌した。生じた沈殿をろ過により回収し、ジクロロメタンとヘキサンを用いて再結晶を行った。得られ固体をカラムクロマトグラフィー(溶出液:ヘキサン/酢酸エチル=8/2)で精製し、マンガン錯体3(15mg,収率:63%)を得た。
マンガン錯体2(23mg,27μmol)をヘキサン(2mL)に溶解させ、そこにトリス(4−ブロモフェニル)アミニウムヘキサクロロアンチモネート(22mg,27μmol)をジクロロメタン(2mL)に溶解させた溶液を加え、室温で1時間攪拌した。生じた沈殿をろ過により回収し、ジクロロメタンとヘキサンを用いて再結晶を行った。得られ固体をカラムクロマトグラフィー(溶出液:ヘキサン/酢酸エチル=8/2)で精製し、マンガン錯体3(15mg,収率:63%)を得た。
UV/Vis(CH2Cl2):λ[nm](logε)=368(0.6),421(0.7),598(0.1).
実施例1
アルゴン雰囲気下、20mLガラスチューブに、マンガン錯体2(6.0mg,7.1×10-3mmol)とビス(トリフェニルホスホラニリデン)アンモニウムクロリド(PPNCl)(2.0mg,3.5×10-3mmol)を入れた後、プロピレンオキシド(0.82g,14.3mmol)を加え、30℃で1時間撹拌した。重合生成物をガラス製バイアルに移し、50℃に熱したアセトンに溶解させ、室温まで冷やした。生じた沈殿をろ過し、0℃に冷やしたアセトンで洗浄し、ポリエーテル(0.738g,収率:90%)を得た。
アルゴン雰囲気下、20mLガラスチューブに、マンガン錯体2(6.0mg,7.1×10-3mmol)とビス(トリフェニルホスホラニリデン)アンモニウムクロリド(PPNCl)(2.0mg,3.5×10-3mmol)を入れた後、プロピレンオキシド(0.82g,14.3mmol)を加え、30℃で1時間撹拌した。重合生成物をガラス製バイアルに移し、50℃に熱したアセトンに溶解させ、室温まで冷やした。生じた沈殿をろ過し、0℃に冷やしたアセトンで洗浄し、ポリエーテル(0.738g,収率:90%)を得た。
実施例2
プロピレンオキシドの量を2倍(1.64g,28.6mmol)にし、重合時間を3時間にした以外は実施例1と同様に重合を行い、ポリエーテル(1.64g,収率:100%)を得た。
プロピレンオキシドの量を2倍(1.64g,28.6mmol)にし、重合時間を3時間にした以外は実施例1と同様に重合を行い、ポリエーテル(1.64g,収率:100%)を得た。
実施例3
PPNClの代わりにPPNOAc(2.1mg,3.6×10-3mmol)を用いた以外は、実施例1と同様に重合を行い、ポリエーテル(0.746g,収率:91%)を得た。
PPNClの代わりにPPNOAc(2.1mg,3.6×10-3mmol)を用いた以外は、実施例1と同様に重合を行い、ポリエーテル(0.746g,収率:91%)を得た。
実施例4
PPNClの代わりにPPNOAc(2.1mg,3.6×10-3mmol)を用い、プロプレンオキシドの量を2倍(1.64g,28.6mmol)にした以外は、実施例1と同様に重合を行い、ポリエーテル(1.64g,収率:100%)を得た。
PPNClの代わりにPPNOAc(2.1mg,3.6×10-3mmol)を用い、プロプレンオキシドの量を2倍(1.64g,28.6mmol)にした以外は、実施例1と同様に重合を行い、ポリエーテル(1.64g,収率:100%)を得た。
実施例5
PPNOAcの量を2倍(4.2mg,7.2×10-3mmol)にした以外は、実施例3と同様に重合を行い、ポリエーテル(0.426g,収率:51%)を得た。
PPNOAcの量を2倍(4.2mg,7.2×10-3mmol)にした以外は、実施例3と同様に重合を行い、ポリエーテル(0.426g,収率:51%)を得た。
実施例6
PPNClの代わりにPPNOBzF5(2.7mg,3.6×10-3mmol)を用い、重合時間を24時間にした以外は、実施例1と同様に重合を行い、ポリエーテル(0.303g,収率:37%)を得た。
PPNClの代わりにPPNOBzF5(2.7mg,3.6×10-3mmol)を用い、重合時間を24時間にした以外は、実施例1と同様に重合を行い、ポリエーテル(0.303g,収率:37%)を得た。
実施例7
PPNClの代わりにPPNN3(2.1mg,3.6×10-3mmol)を用い、重合時間を24時間にした以外は、実施例1と同様に重合を行い、ポリエーテル(0.164g,収率:20%)を得た。
PPNClの代わりにPPNN3(2.1mg,3.6×10-3mmol)を用い、重合時間を24時間にした以外は、実施例1と同様に重合を行い、ポリエーテル(0.164g,収率:20%)を得た。
実施例8
マンガン錯体2の代わりに、マンガン錯体3(6.2mg,7.2×10-3mmol)を用い、重合時間を1.5時間にした以外は、実施例1と同様に重合を行い、ポリエーテル(0.82g,収率:100%)を得た。
マンガン錯体2の代わりに、マンガン錯体3(6.2mg,7.2×10-3mmol)を用い、重合時間を1.5時間にした以外は、実施例1と同様に重合を行い、ポリエーテル(0.82g,収率:100%)を得た。
実施例9
アルゴン雰囲気下、20mLガラスチューブに、マンガン錯体2(6.0mg,7.1×10-3mmol)とPPNOAc(2.1mg,3.5×10-3mmol)を入れた後、グリシジルフェニルエーテル(2.13g,14.3mmol)とトルエン(1mL)を加え、60℃で3時間撹拌した。重合生成物をガラス製バイアルに移し、50℃に熱したアセトンに溶解させ、室温まで冷やした。生じた沈殿をろ過し、0℃に冷やしたアセトンで洗浄し、ポリエーテル(1.64g,収率:77%)を得た。
アルゴン雰囲気下、20mLガラスチューブに、マンガン錯体2(6.0mg,7.1×10-3mmol)とPPNOAc(2.1mg,3.5×10-3mmol)を入れた後、グリシジルフェニルエーテル(2.13g,14.3mmol)とトルエン(1mL)を加え、60℃で3時間撹拌した。重合生成物をガラス製バイアルに移し、50℃に熱したアセトンに溶解させ、室温まで冷やした。生じた沈殿をろ過し、0℃に冷やしたアセトンで洗浄し、ポリエーテル(1.64g,収率:77%)を得た。
実施例10
グリシジルフェニルエーテルの代わりに、アリルグリシジルエーテル(1.62g,14.3mmol)を使用し、重合時間を28時間にした以外は、実施例9と同様に重合を行い、ポリエーテル(1.18g,収率:73%)を得た。
グリシジルフェニルエーテルの代わりに、アリルグリシジルエーテル(1.62g,14.3mmol)を使用し、重合時間を28時間にした以外は、実施例9と同様に重合を行い、ポリエーテル(1.18g,収率:73%)を得た。
実施例11
グリシジルフェニルエーテルの代わりに、スチレンオキシド(1.72g,14.3mmol)を使用し、重合時間を9時間にした以外は、実施例9と同様に重合を行い、ポリエーテル(1.05g,収率:61%)を得た。
グリシジルフェニルエーテルの代わりに、スチレンオキシド(1.72g,14.3mmol)を使用し、重合時間を9時間にした以外は、実施例9と同様に重合を行い、ポリエーテル(1.05g,収率:61%)を得た。
実施例12
グリシジルフェニルエーテルの代わりに、エピクロロヒドリン(1.32g,14.3mmol)を使用し、重合時間を3.5時間にした以外は、実施例9と同様に重合を行い、ポリエーテル(1.00g,収率:76%)を得た。
グリシジルフェニルエーテルの代わりに、エピクロロヒドリン(1.32g,14.3mmol)を使用し、重合時間を3.5時間にした以外は、実施例9と同様に重合を行い、ポリエーテル(1.00g,収率:76%)を得た。
比較例1
マンガン錯体2とPPNClの代わりに、アルミニウムポルフィリン錯体(特開昭57−8223号公報、参考例1を参考に合成した)(4.8mg,7.1×10-3mmol)のみを用いた以外は、実施例1と同様に重合を行い、ポリエーテル(0.03g,収率:3.6%)を得た。
マンガン錯体2とPPNClの代わりに、アルミニウムポルフィリン錯体(特開昭57−8223号公報、参考例1を参考に合成した)(4.8mg,7.1×10-3mmol)のみを用いた以外は、実施例1と同様に重合を行い、ポリエーテル(0.03g,収率:3.6%)を得た。
比較例2
マンガン錯体2とPPNClの代わりに、マンガンポルフィリン錯体(Aldrich社から購入した)(5.0mg,7.1×10-3mmol)のみを用いた以外は、実施例1と同様に重合を行い、ポリエーテル(0.009g,収率:1.1%)を得た。
マンガン錯体2とPPNClの代わりに、マンガンポルフィリン錯体(Aldrich社から購入した)(5.0mg,7.1×10-3mmol)のみを用いた以外は、実施例1と同様に重合を行い、ポリエーテル(0.009g,収率:1.1%)を得た。
実施例における触媒の触媒活性(TOF)、ポリエーテルの数平均分子量(Mn)、重量平均分子量(Mw)、及び分子量分布(Mn/Mw)を表1に示す。
触媒活性(TOF)は、金属1mol当たり、1時間当たりのエポキシドのポリエーテルへの転化量(mol)によって評価した。
実施例1〜8の結果より、本発明のマンガン錯体を用いることによって、短時間で低分子量から高分子量までのポリエーテルが高収率で得られることが分かる。また、実施例9〜12の結果より、様々な構造を有するエポキシドから効率よくポリエーテルが得られることが分かる。
また、比較例1、2との対比より、実施例で使用したマンガン錯体と助触媒を用いることによって、従来の構造の類似した触媒よりも高活性であり、短時間で高分子量体が得られることが分かる。
また、比較例1、2との対比より、実施例で使用したマンガン錯体と助触媒を用いることによって、従来の構造の類似した触媒よりも高活性であり、短時間で高分子量体が得られることが分かる。
本発明の方法により得られるポリエーテルは、界面活性剤やポリウレタンの原料、ゴムやプラスチックへの添加剤等に使用することができる。
Claims (4)
- (A)式(I):
で表されるマンガン錯体と、
(B)[R12 4N]+(式中、R12は、それぞれ独立して、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数3〜20のシクロアルキル基、又は置換もしくは非置換の炭素数6〜20のアリール基を表す)で表されるカチオン、
[R12 4P]+(式中、R12は前記と同じ)で表されるカチオン、
[R12 3P=N=PR12 3]+(式中、R12は前記と同じ)で表されるカチオン、及び式(II):
で表されるイミダゾール誘導体からなる群から選択される少なくとも1種のリン及び/又は窒素を含むカチオンと
F-、Cl-、Br-、I-、N3 -、脂肪族カルボキシラート、芳香族カルボキシラート、アルコキシド、及びアリールオキシドからなる群から選択される少なくとも1種のアニオンとの塩からなる助触媒
の存在下でエポキシドを開環重合させることを特徴とする、ポリエーテルの製造方法。 - 助触媒が[R12 3P=N=PR12 3]+(式中、R12は前記と同じ)と、Cl-又はアセテートとからなる塩である請求項1又は2記載のポリエーテルの製造方法。
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WO2017170965A1 (ja) * | 2016-03-30 | 2017-10-05 | 出光興産株式会社 | ポリエーテル化合物、及びその製造方法 |
WO2018168889A1 (ja) * | 2017-03-15 | 2018-09-20 | 出光興産株式会社 | ポリエーテル化合物の製造方法 |
-
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