JP2015038391A - 冷蔵庫 - Google Patents

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毅 内田
志賀 彰
Akira Shiga
彰 志賀
坂本 克正
Katsumasa Sakamoto
克正 坂本
誠 岡部
Makoto Okabe
誠 岡部
舞子 柴田
Maiko Shibata
舞子 柴田
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Abstract

【課題】貯蔵室内の空気及び食品の恒温化を図ることにより、食品の保存品質を向上することが可能な冷蔵庫を提供する。
【解決手段】冷蔵庫1000のチルド室200は、冷却器1002で冷却された空気を当該チルド室200内に吹き出すためのチルド室吹出口203と、当該チルド室200内の上方で、且つ、チルド室吹出口203の下流側に配置され、ケースの内部に蓄冷剤が設けられた上部蓄冷手段1aと、を備えたものである。
【選択図】図2

Description

本発明は冷蔵庫に関し、特に食品の保存品質を向上するために蓄冷手段を具備する冷蔵庫に関するものである。
冷蔵庫内の食品の保存品質を向上させるには、当該食品が貯蔵された貯蔵室内を恒温化すること(つまり、貯蔵室内の温度の変動を極力抑えること)が好ましい。例えばチルド室の恒温化を図ることにより、過冷却状態を維持したまま未凍結の状態で食品(肉や魚等の生鮮食品等)を保存することが可能となり、ドリップを発生させることなく、酸化も抑制した高品質な状態で食品を保存することが可能となる。しかしながら、従来の冷蔵庫においては、チルド室内の温度はチルド室内に供給される(流入する)冷気のON・OFFに応じて変動し、これに伴って、チルド室内の食品の温度も変動してしまう。このため、チルド室内の食品の温度変動が大きい場合、チルド室内の食品は、過冷却が解除されてしまう。このとき、チルド室内の食品は最大氷結晶生成帯と呼ばれる−5℃〜−1℃の温度帯に存在する可能性が高いため、氷結晶が成長して食品の細胞を破壊し、食品からドリップが大量に発生する、また食品に部分的な凍結や酸化・変色が発生する等の品質低下が発生してしまう。
そこで、従来の冷蔵庫には、食品を冷凍保存し、これらを急速解凍することによって、食品の保存品質の向上を図ったものがある。冷凍保存された食品を急速解凍することにより、最大氷結晶生成帯(−5〜−1℃)の範囲内を通過する時間を短くできるので、解凍中に氷結晶が成長して食品の細胞を破壊し、ドリップが大量に発生して食品の鮮度が低下してしまうことや、食品に菌が増殖してしまうことを防止できるからである。
このような食品を急速解凍することによって食品の保存品質の向上を図った従来の冷蔵庫としては、例えば、解凍室の下面に配置されてプラス温度で融解する潜熱蓄冷剤と、解凍室及び潜熱蓄冷剤に冷気を供給する送風機を備えるものが提案されている(例えば特許文献1参照)。
また例えば、このような食品を急速解凍することによって食品の保存品質の向上を図った従来の冷蔵庫としては、食品を載置するトレイに蓄熱材を内部に密閉したケースを設置し、さらにケースの上面形状を載置される食品の形状に合わせて形成したものも提案されている(例えば特許文献2参照)。
特開2011−153720号公報(段落[0028]〜[0038]、図3) 特開2002−107080号公報(段落[0035]〜[0047]、図2〜図5)
特許文献1に記載の冷蔵庫は、潜熱蓄冷剤が食品の解凍時に融解して吸熱するので、食品の解凍速度が増加し、さらに送風機を併用することにより解凍時間を短縮できる。しかしながら、特許文献1に記載の冷蔵庫は、潜熱蓄冷剤の融点がプラス温度であるため、解凍初期(食品温度:−18℃付近)において蓄冷剤は固体状態であって相変化が起こらない。このため、特許文献1に記載の冷蔵庫は、解凍初期には潜熱蓄冷剤の吸熱効果が得られないという課題があった。また、特許文献1に記載の冷蔵庫は、食品が設置された解凍室内に冷気を吹き付けるため、食品が乾燥してしまうという課題もあった。また、特許文献1に記載の技術は、貯蔵室内の恒温化を図ることによって食品の保存品質を向上させるものではなく、貯蔵室内の恒温化を図ることによって食品の保存品質の向上を図る冷蔵庫には採用できないという課題があった。
特許文献2に記載の冷蔵庫は、蓄熱材を密閉したケースと食品との接触面積が大きいため、ケース形状と合致した特定の食品に対する冷却及び解凍には効果的である。しかしながら、特許文献2に記載の冷蔵庫は、様々な形状の食品が複数保存された場合等に対応できない。このため、形状が合致しない食品がケース上に載置された場合には、かえって両者の接触面積が小さくなり、食品全体を均一に解凍できずに解凍ムラが発生し、食品の品質を低下させてしまうという課題があった。また、特許文献2に記載の技術も、特許文献1に記載の技術と同様、貯蔵室内の恒温化を図ることによって食品の保存品質を向上させるものではなく、貯蔵室内の恒温化を図ることによって食品の保存品質の向上を図る冷蔵庫には採用できないという課題があった。
本発明は、上述のような課題を解決するためになされたものであり、貯蔵室内の空気及び食品の恒温化を図ることにより、食品の保存品質を向上することが可能な冷蔵庫を提供することを目的とする。
本発明に係る冷蔵庫は、貯蔵室と、貯蔵室に供給する空気を冷却する冷却器と、冷却器で冷却された空気を貯蔵室に搬送する空気搬送手段と、を備え、貯蔵室は、冷却器で冷却された空気を当該貯蔵室内に吹き出すための空気吹出口と、当該貯蔵室内の上方で、且つ、空気吹出口の下流側に配置され、ケースの内部に蓄冷剤が設けられた上部蓄冷手段と、を備えたものである。
本発明は、内部に蓄冷剤が充填された上部蓄冷手段を当該貯蔵室内の上方で、且つ、空気吹出口の下流側に配置している。このため、上部蓄冷手段は、貯蔵室内温度が設定温度以上になった場合は吸熱し、設定温度以下になった場合は発熱するので、貯蔵室内の空気温度を恒温化、すなわち貯蔵室内の空気温度の変動を抑制できる。したがって、本発明は、貯蔵室内に保存された食品の恒温化も図ることができ、貯蔵室内に保存された食品の保存品質を向上することができる。例えば、貯蔵室がチルド室の場合、チルド室温度及び蓄冷手段の融点を例えば−3℃〜0℃の範囲内に設定すれば、本発明はチルド室内の温度変動が小さいため、肉や魚等の生鮮食品の未凍結保存が可能となり、ドリップや解凍における生鮮食品の品質劣化を防ぐことができる。
本発明の実施の形態1に係る冷蔵庫の概略構成図(側面断面図)である。 本発明の実施の形態1に係る冷蔵庫のチルド室を示す概略構成図(側面断面図)である。 本発明の実施の形態1に係る冷蔵庫におけるチルド室の恒温化効果を示す実測データの一例である。 本発明の実施の形態2に係る冷蔵庫のチルド室を示す概略構成図(側面断面図)である。 本発明の実施の形態3に係る冷蔵庫のチルド室を示す概略構成図(側面断面図)である。 本発明の実施の形態3に係る上部蓄冷手段及び下部蓄冷手段の有無によるチルド室内壁面及び空気の温度分布実測データの一例である。 本発明の実施の形態3に係る冷蔵庫のチルド室の別の一例を示す概略構成図(側面断面図)である。 本発明の実施の形態4に係る蓄冷手段の概略構成図(側面断面図)である。 本発明の実施の形態5に係る蓄冷手段の一例を示す概略構成図(斜視図)である。 本発明の実施の形態5における蓄冷手段をチルド室に設置した場合の概略設置図(側面断面図)である。 本発明の実施の形態5における蓄冷手段をチルド室に設置した場合の概略設置図(側面断面図)である。 本発明の実施の形態6に係る冷蔵庫のチルド室を示す概略構成図(側面断面図)である。 本発明の実施の形態6に係る冷蔵庫のチルド室の別の一例を示す概略構成図(側面断面図)である。
[実施の形態1]
図1は、本発明の実施の形態1に係る冷蔵庫の概略構成図(側面断面図)である。
図1に示すように、冷蔵庫1000は、複数の貯蔵室(冷蔵室100、チルド室200、切替室300、冷凍室400、野菜室500、及び製氷室等)を備えている。
詳細に説明すると、冷蔵庫1000は、上から冷蔵室100、切替室300、冷凍室400、及び野菜室500を備えている。また、チルド室200は、冷蔵室100の内部をチルド室天板202によって仕切ることにより、冷蔵室100の下部に設けられている。このチルド室200の内部には、チルドケース201が設置されている。また、製氷室(図示せず)は、切替室300と並行に設けられている。
また、この冷蔵庫1000には、各貯蔵室へ供給する空気を冷却する冷凍サイクル回路と、この冷凍サイクル回路によって冷却された空気を各貯蔵室へ供給するための風路を備えている。
冷凍サイクル回路は、圧縮機1001、圧縮機1001から吐出された冷媒を凝縮させる凝縮器(図示せず)、凝縮器から流出した冷媒を膨張させる絞り装置(図示せず)、及び、絞り装置で膨張した冷媒によって各貯蔵室へ供給する空気を冷却する冷却器1002等によって構成されている。圧縮機1001は、例えば、冷蔵庫1000の背面側の下部に配置されている。冷却器1002は、後述する冷却風路1010に設けられている。また、冷却風路1010には、冷却器1002で冷却された空気を各貯蔵室へ送るための(換言すると、冷蔵庫1000内で空気を循環させるための)空気搬送装置1003も設けられている。
この冷凍サイクル回路によって冷却された空気を各貯蔵室へ供給するための風路は、冷却風路1010、戻り風路1020、冷蔵室戻り風路110、及び野菜室戻り風路510等から構成されている。冷却風路1010は、冷却器1002にて冷却された空気が、冷蔵室100、チルド室200、切替室300及び冷凍室400に搬送される通風路である。この冷却風路1010は、例えば冷蔵庫1000の背面部に形成されている。戻り風路1020は、各貯蔵室を冷却した空気が冷却器1002へ搬送される通風路である。冷蔵室戻り風路110は、冷蔵室100及びチルド室200を冷却した空気が野菜室500に搬送される通風路である。冷蔵室100及びチルド室200を冷却した空気は、野菜室戻り風路510において野菜室500を冷却した空気と混合され、冷却器1002に搬送される。
図2は、本発明の実施の形態1に係る冷蔵庫のチルド室を示す概略構成図(側面断面図)である。
図2において、チルド室200はチルド室天板202によって冷蔵室100と仕切られており、チルドケース201は、図示しないレール等の案内治具に沿って、冷蔵室扉101側へ引き出すことができる構成となっている。チルド室200には、冷却器1002によって冷却されたチルド室吹出空気Aが、空気吹出口であるチルド室吹出口203からチルド室200内に流入する(吹き出される)。チルド室200を冷却したチルド室吹出空気Aは、冷蔵室100を冷却した空気と合流して冷蔵室・チルド室戻り空気Bとなり、空気吸込口であるチルド室吸込口204から流出する。冷蔵室・チルド室戻り空気Bは、冷蔵室戻り風路110を経由して野菜室500に搬送される。
チルド室200の上部には、上部蓄冷手段1aが設けられている。この上部蓄冷手段1aは、蓄冷剤をアルミ蒸着フィルム等によって漏れなきよう封入し、樹脂や金属ケース内に設置したものである。上部蓄冷手段1aに封入(充填)する蓄冷剤は潜熱の大きい蓄冷剤であり、例えば水や無機塩類、食品添加物等を混合したものを用いている。また、この蓄冷剤は、水や無機塩類、食品添加物等の混合比を調整することにより、融点をチルド室200の設定温度範囲内としている。上部蓄冷手段1aは、チルド室天板202の下面において、チルド室吹出口203の前方(つまり、チルド室吹出口203の下流側)に設置されている。
なお、205はチルド室内に保存されるチルド室内保存食品である。チルド室内保存食品205は、例えば、生や解凍用の肉や魚の切り身等である。
次に、図1及び図2を用いて動作の一例について説明する。
図1において、冷蔵庫1000の内部では、一般的に冷却器1002で冷却された庫内空気が空気搬送装置1003によって冷却風路1010を経由して各貯蔵室へ搬送される。そして、各貯蔵室を冷却した後の戻り空気が戻り風路1020を経由して再度冷却器1002に戻る周回風路となっている。このとき、冷却器1002で冷却された空気(例えば−30℃〜−25℃)を分配して各貯蔵室を冷却し、図示しないダンパの開閉によって冷却空気の流入量を調節することにより、各貯蔵室毎に個別の温度設定を行っている。例えば、最も低温設定となる冷凍室400(例えば−22℃〜−16℃)の流入ダンパはほぼ全開とし、最も高温設定となる野菜室500(例えば3〜9℃)の流入ダンパはほぼ全閉としている。そして、野菜室500より温度設定の低い冷蔵室100(例えば0℃〜6℃)及びチルド室200(例えば−3℃〜3℃)を冷却した戻り空気で野菜室500を間接冷却する等している。
チルド室200においては、冷却器1002によって冷却されたチルド室吹出空気Aがチルド室吹出口203から供給され、チルド室200内を循環して冷却した後、冷蔵室100を冷却した空気と共に、冷蔵室・チルド室戻り空気Bとしてチルド室吸込口204から流出する。このとき、チルド室吹出空気A(例えば−20℃〜−10℃)の流入量は、チルド室200の温度設定に応じて、図示しないダンパの開閉によって制御されている。このため、チルド室200内の空気温度は、チルド室吹出空気Aの流入時は低下し、停止時は上昇するという変動を繰り返すことになる。また、チルド室200に保存されたチルド室内保存食品205は、チルド室200内の空気に吸熱されて冷却されるので、チルド室200内の空気と同様に食品温度も変動する。
ここで、チルド温度帯(例えば−3℃〜3℃)においては、チルド室内保存食品205は凍結点以下であっても過冷却状態であれば凍結せずに保存される。しかしながら、チルド室内保存食品205の温度変動が大きい場合、チルド室内保存食品205は過冷却が解除されてしまう。このとき、チルド室内保存食品205の温度は最大氷結晶生成帯(−5〜−1℃)の範囲内に存在する可能性が高い。このような場合、氷結晶が成長してチルド室内保存食品205の細胞を破壊してドリップが大量に発生する、又はチルド室内保存食品205において部分的な凍結や酸化・変色が発生する等、チルド室内保存食品205の品質低下の原因となる。
そこで、本実施の形態1では、図2に示すように、チルド室天板202の下面、且つチルド室吹出口203の下流側に、上部蓄冷手段1aを設置している。チルド室200の設定温度範囲内の融点を有する上部蓄冷手段1aをこのような位置に設置することにより、チルド室200内の空気温度が融点より高い場合には、上部蓄冷手段1aが融解して空気から吸熱し、逆に空気温度が融点より低い場合には、上部蓄冷手段1aが凝固して空気に発熱する。これにより、チルド室200内の空気温度は、上部蓄冷手段1aの融点を中心に平均化され、温度変動が抑制される。そして、チルド室200内の空気によって冷却されるチルド室内保存食品205の温度変動も抑制され、チルド室内保存食品205の保存品質の向上を図ることができる。
特に、チルド室200の設定温度及び上部蓄冷手段1aの融点を−3℃〜0℃の範囲(例えば−2℃)に設定することにより、チルド室200の空気温度及びチルド室内保存食品205の温度が−2℃を中心に平均化されるので(例えば−2±1℃以内)、過冷却状態を維持したまま未凍結でチルド室内保存食品205の保存が可能となる。このため、ドリップを発生させることなく、酸化も抑制した高品質な状態でチルド室内保存食品205の保存が可能となる。変色に関する実際のデータとして、−3℃で凍結状態又は未凍結状態で2週間保存した牛肉の、保存前後の色差(△L*** )を比較した結果がある。凍結状態で2週間保存した牛肉の色差が3.7であったのに対し、未凍結状態で2週間保存した牛肉の色差は1.6であった。つまり、未凍結状態で2週間保存した牛肉の色差は、凍結状態で2週間保存した牛肉に対して、変色が50%以上抑制されたという結果が得られている。
図3は、本発明の実施の形態1に係る冷蔵庫におけるチルド室の恒温化効果を示す実測データの一例である。この図3は、蓄冷手段を設けていない状態でチルド室200の庫内温度を強制的に変動させる条件において、本実施の形態1に係る上部蓄冷手段1aがチルド室200の恒温化にどの程度寄与するかを示したものである。具体的には、図3(a)は、蓄冷手段を設けていない状態でチルド室200内の空気温度を強制的に−2±5℃で変動させる条件において、蓄冷手段を設置していない場合におけるチルド室200内の空気温度の履歴を示している。図3(b)は、蓄冷手段を設けていない状態でチルド室200内の空気温度を強制的に−2±5℃で変動させる条件において、融点が−2℃の蓄冷手段(上部蓄冷手段1a、又は、チルド室200の下部に設置された蓄熱手段)を設置した場合におけるチルド室200内の空気温度の履歴を示している。また、図3(c)は、蓄冷手段を設けていない状態でチルド室200内の空気温度を強制的に5±5℃で変動させる条件において、融点が−2℃の蓄冷手段(上部蓄冷手段1a、又は、チルド室200の下部に設置された蓄熱手段)を設置した場合におけるチルド室200内の空気温度の履歴を示している。なお、チルド室200内の空気温度の変動周期としては、図3(a)〜図3(c)の全ての場合において、30分で10℃上昇、30分間高温維持、30分で10℃低下、30分間低温維持を繰り返している。また、図3に示す11は、チルド室200の中心部近傍の空気温度履歴である。より詳しくは、11aは、蓄冷手段設置なし時の空気温度履歴である。11bは、上部蓄冷手段1a設置時の空気温度履歴である。11cは、上部蓄冷手段1aと同じ蓄熱手段をチルド室200の下部に設置した際の空気温度履歴である。また、12は蓄冷手段(上部蓄冷手段1a、及び、チルド室200の下部に設置された蓄熱手段)の温度履歴である。
図3(a)に示すように、チルド室200内に蓄冷手段を設置していない場合、チルド室200内の空気温度履歴11aは、強制的に与えた−2±5℃の温度変動の通りに変化している。これに対し、図3(b)に示すように、チルド室200内の上部に上部蓄冷手段1aを設置した場合、チルド室200内の空気温度履歴11bは、空気温度が上昇した場合には上部蓄冷手段1aが空気から吸熱し、低下した場合には上部蓄冷手段1aが空気へ発熱することにより、強制的な変動を抑制していることがわかる。また、チルド室200内の下部に上部蓄冷手段1aと同仕様の蓄熱手段を設置した場合も、チルド室200内の上部に上部蓄冷手段1aを設置した場合と同様に、チルド室200内の空気温度履歴11cは、空気温度が上昇した場合には上部蓄冷手段1aが空気から吸熱し、低下した場合には上部蓄冷手段1aが空気へ発熱することにより、強制的な変動を抑制していることがわかる。
このとき、蓄冷手段の設置位置によって、チルド室200の恒温化効果(温度変動の抑制効果)に差異があることがわかる。具体的には、チルド室200内の上部に上部蓄冷手段1aを設置した時の空気温度履歴11bでは、チルド室200内に蓄冷手段を設置していない場合(11a)と比べ、チルド室200の庫内温度の変動が約50%抑制されている。これに対し、チルド室200内の下部に上部蓄冷手段1aと同仕様の蓄熱手段を設置した際の空気温度履歴11cでは、チルド室200内に蓄冷手段を設置していない場合(11a)と比べ、チルド室200の庫内温度の変動は約25%に留まっている。すなわち図3(b)には、図2のようにチルド室200内の上部に上部蓄冷手段1aを設置した方が、チルド室200内の下部に上部蓄冷手段1aと同仕様の蓄熱手段を設置した場合よりも、チルド室200の庫内温度の変動の抑制効果が大きいことが示されている。この効果の差は、下記の理由等によるものである。
理由a.空気は冷たい程密度が大きい。このため、チルド室吹出口203からチルド室200内に吹き出された空気は、チルド室200の庫内温度よりも冷たいので、チルド室200の上方から下方へ流れることとなる。したがって、チルド室吹出口203からチルド室200内に吹き出された空気のこの流れの途中にある上部蓄冷手段1aの方が、チルド室200内の下部に配置された蓄熱手段よりも、チルド室200の庫内温度の変動に与える影響が大きい。
理由b.チルド室200よりも庫内温度の高い冷蔵室100のある上面を熱的に遮断したほうが、断熱効果も得られる。
また、図3(c)に示すように、チルド室200の庫内温度の変動範囲が蓄冷手段の融点よりも高い場合、±5℃の強制温度変動に対し、チルド室200内の上部に上部蓄冷手段1aを設置した時の空気温度履歴11bでは20%、チルド室200内の下部に上部蓄冷手段1aと同仕様の蓄熱手段を設置した時の空気温度履歴11cでは15%程度抑制されていることがわかる。しかしながら、蓄冷手段の相変化が起こっている図3(b)と比較すると、蓄冷手段の温度履歴12の変動も大きく、常に液相状態に存在しているため、チルド室200の庫内温度の変動の抑制効果は小さい。したがって、蓄冷手段(上部蓄冷手段1a、及び、チルド室200の下部に設置された蓄熱手段)の熱容量が大きいため、蓄冷手段が相変化を発生しない温度範囲においても、チルド室200の庫内温度の変動を抑制する効果はあるが、蓄冷手段の性能を活かすためには、対象とする空気温度範囲(本実施の形態1の場合はチルド室200の設定温度範囲)に蓄冷手段の融点を一致させることが好ましいことがわかる。
また図2のように、上部蓄冷手段1aをチルド室天板202の下面であってチルド室吹出口203の前方に設置に設置することにより、つまり、上部蓄冷手段1aをチルド室吹出空気Aが通過する位置に設置することにより、上部蓄冷手段1aとチルド室吹出空気Aとの熱交換が促進される。これにより、チルド室200内の空気の温度変動幅をさらに小さくすることができる。さらに、このような位置に上部蓄冷手段1aを配置することにより、より早い温度変動に対しても抑制効果を得ることができるという効果も得られる。このとき、上部蓄冷手段1aの融点をチルド室吹出空気Aの温度と同等か若干高く(例えばチルド室吹出空気A:−20℃〜−10℃に対して、融点を−10℃〜−5℃程度)設定しておけば、チルド室吹出空気Aの温度変動を抑制することができるので、結果的にチルド室200の温度変動を抑制し、食品の保存品質を向上させることか可能となる。つまり、上記図3の結果も考慮すると、上部蓄冷手段1aの融点は、チルド室200の設定温度の上限温度以下でチルド室吹出空気Aの温度以上であることが好ましい。
以上、本実施の形態1のように構成された冷蔵庫1000においては、チルド室天板202の下面、且つチルド室吹出口203の下流側に上部蓄冷手段1aを設置しているので、チルド室200内を恒温化できる(チルド室200内の温度変動を抑制できる)。このため、チルド室200内の空気によって冷却されるチルド室内保存食品205の温度変動も抑制でき、チルド室内保存食品205の保存品質の向上を図ることができる。
なお、本実施の形態1では、チルド室200内に上部蓄冷手段1aを設置した場合を例に説明したが、上部蓄冷手段1aを設置する貯蔵室は任意である。チルド室200以外の貯蔵室内に上部蓄冷手段1aを設置しても、貯蔵室内の恒温化を図ることができ、当該貯蔵室内に保管された食品の保存品質を向上させることができる。例えば、切替室300(例えば−18℃〜−5℃)においても、融点が例えば設定温度範囲内である上部蓄冷手段1aを設置することにより、空気温度及び食品温度の変動が抑制されるという効果が得られる。切替室300においては、温度変動抑制による保存品質への効果として、酸化や露付き、乾燥の抑制等の効果が得られる。露付きに関する効果としては、切替室300の設定温度を−7℃として牛肉を2週間保存した場合、切替室300の庫内温度の変動幅を±3℃から±1℃としたことにより100g当たりの露付き量が60%以上(4.9g→1.7g)低減し、着霜も抑制できたというデータが得られている。同様に、切替室300の設定温度を−18℃として牛肉を1ヶ月保存した場合、切替室300の庫内温度の変動幅を±5℃から±2℃としたことにより、100g当たりの露付き量が半減(0.30g→0.14g)し、着霜も抑制できたというデータが得られている。なお、切替室300は設定温度範囲が広いが、図3(c)で示したように、上部蓄冷手段1aの融点が設定温度範囲から外れていても温度変動抑制効果は得られるので、冷凍温度帯(例えば−18℃〜−12℃)、あるいはソフト冷凍温度帯(例えば−12℃〜−5℃)のどちらの範囲でより効果を得たいかによって、上部蓄冷手段1aの融点を選定すればよい。
[実施の形態2]
貯蔵室内は、食品の出し入れ等により、その内部に温度分布ムラが発生する場合がある。このような場合、例えば次のように貯蔵室を構成してもよい。なお、本実施の形態2で特に記述しない項目については実施の形態1と同様とし、同一の機能や構成については同一の符号を用いて述べることとする。
図4は、本発明の実施の形態2に係る冷蔵庫のチルド室を示す概略構成図(側面断面図)である。
図4に示すように、本実施形態2に係る冷蔵庫1000のチルド室200には、チルド室吹出口203から流入したチルド室吹出空気Aをチルド室200の前方(冷蔵室扉101側)へ導く吹出空気ガイド2が設けられている。そして、上部蓄冷手段1aは、吹出空気ガイド2の下面に設置されている。
次に、図4を用いて動作の一例について説明する。動作についても、実施の形態1と同一の箇所については説明を割愛する。
実施の形態1と同様に、冷却器1002によって冷却され、チルド室吹出口203から供給されたチルド室吹出空気Aは、チルド室天板202と吹出空気ガイド2によって形成される風路を通って、チルド室200の前方に導かれる。ここで、冷蔵庫1000は冷却風路1010が背面側に設置されているので、チルド室200に限らず各貯蔵室への吹出口も背面側に配置されている。また、各貯蔵室への食品の出し入れは、前部に設けられた扉を開閉して行われる。このため、各貯蔵室における空気温度分布は、前方の扉側ほど高い分布となる。
そこで、本実施の形態2に係る冷蔵庫1000では、チルド室吹出口203から流入したチルド室吹出空気Aをチルド室200の前方(冷蔵室扉101側)へ導く吹出空気ガイド2を設けている。これにより、チルド室天板202と吹出空気ガイド2によって形成される風路を介してチルド室吹出空気Aを前方に導くことができ、温度の高い扉側から冷却することにより、チルド室200内の温度分布ムラが改善されるという効果が得られる。また、チルド室吹出空気Aは、チルド室200の上面を通過することとなるので、チルド室内保存食品205に直接当たらなくなる。このため、チルド室内保存食品205はチルド室吹出空気Aの温度変動の影響を受けにくくなり、風による乾燥も防ぐことができるという効果が得られる。
このとき、チルド室吹出空気Aは、吹出空気ガイド2を介して、吹出空気ガイド2の下面に設置された上部蓄冷手段1aの上表面と確実に接触する。また、吹出空気ガイド2の上部蓄冷手段1aとの対向面に開口部が形成されている場合、チルド室吹出空気Aが上部蓄冷手段1aの上表面と直接接触することもできる。また、チルド室吹出空気Aは吹出空気ガイド2によって絞られた風路を通るために風速が増加するので、上部蓄冷手段1aとチルド室吹出空気Aとの熱交換が促進される。このため、本実施の形態2のようにチルド室200を構成することにより、実施の形態1で示した効果に加え、チルド室200内の空気の温度変動幅をさらに小さくすることができ、チルド室200内のより早い温度変動に対しても抑制効果を得ることが可能となる。
なお、図4では、吹出空気ガイド2によってチルド室吹出空気Aをチルド室200の前方(冷蔵室扉101側)へ導いているが、吹出空気ガイド2によってチルド室吹出空気Aが導かれる位置はこの位置に限定されるものではない。例えば、チルド室200内で最も空気温度が高くなる位置に局所的に導いてもよい。チルド室200内の温度分布ムラを改善するには、チルド室吹出空気Aをより高温の位置に導くのが最も効果的である。
また、本実施の形態2では、上部蓄冷手段1aは吹出空気ガイド2の下面に設置されているが、実施の形態1のようにチルド室天板202の下面に上部蓄冷手段1aが設置されていてもよい。チルド室天板202の下面に設置されていても、上部蓄冷手段1aによりチルド室200の空気温度変動は抑制されるので、同様の効果が得られる。
[実施の形態3]
貯蔵室に設置される蓄冷手段は、上部蓄冷手段1aのみに限定されるものではなく、上部蓄冷手段1aと共に次のような蓄冷手段を設置してもよい。なお、本実施の形態3で特に記述しない項目については実施の形態1又は実施の形態2と同様とし、同一の機能や構成については同一の符号を用いて述べることとする。
図5は、本発明の実施の形態3に係る冷蔵庫のチルド室を示す概略構成図(側面断面図)である。
図5に示すように、本実施形態3に係る冷蔵庫1000のチルド室200には、上部蓄冷手段1aに加え、下部蓄冷手段1bが設けられている。この下部蓄冷手段1bは、蓄冷剤をアルミ蒸着フィルム等によって漏れなきよう封入し、樹脂や金属ケース内に設置したものである。本実施の形態3では、下部蓄冷手段1bに封入(充填)する蓄冷剤として、例えば水や無機塩類、食品添加物等を混合したものを用いている。また、この蓄冷剤は、水や無機塩類、食品添加物等の混合比を調整することにより、融点をチルド室200の設定温度範囲内としている。下部蓄冷手段1bは、チルド室200内の下方で、且つ、チルド室吸込口204に配置されている。より詳しくは、下部蓄冷手段1bは、チルドケース201の下面で、且つ、冷蔵室・チルド室戻り空気Bの通風路に設置されている。
次に、図5を用いて動作の一例について説明する。動作についても、実施の形態1又は実施の形態2と同一の箇所については説明を割愛する。
実施の形態2と同様に、冷却器1002によって冷却され、チルド室吹出口203から供給されたチルド室吹出空気Aは、チルド室天板202と吹出空気ガイド2によって形成される風路を通って、チルド室200の前方に導かれ、その後チルド室200内を循環する。そして、チルド室200内を循環したチルド室吹出空気Aは、冷蔵室100を冷却した空気と合流して冷蔵室・チルド室戻り空気Bとなり、冷蔵室・チルド室戻り空気Bとなってチルド室吸込口204から流出する。このとき、上部蓄冷手段1aと同様に、チルドケース201の下面に設置された下部蓄冷手段1bは、チルド室200の空気温度が融点より高い場合には、下部蓄冷手段1bが融解して空気から吸熱し、逆に空気温度が融点より低い場合には、下部蓄冷手段1bが凝固して空気に発熱する。これにより、チルド室200内の空気温度は、下部蓄冷手段1bの融点を中心に平均化され、実施の形態1及び実施の形態2よりもさらに温度変動が抑制される。そして、チルド室200内の空気によって冷却されるチルド室内保存食品205の温度変動もさらに抑制され、チルド室内保存食品205の保存品質の向上をさらに図ることができる。
図6は、本発明の実施の形態3に係る上部蓄冷手段及び下部蓄冷手段の有無によるチルド室内壁面及び空気の温度分布実測データの一例である。なお、13はチルド室200の上面壁面温度の最大温度差、14はチルド室200の下面壁面温度の最大温度差、15はチルド室200の中心高さ平面における空気温度の最大温度差である。チルド室200の上面壁面温度の最大温度差13は、チルド室200の上面壁面の6点で温度を計測し、これらの最大温度差を求めたものである。チルド室200の下面壁面温度の最大温度差14も同様に、チルド室200の下面壁面の6点で温度を計測し、これらの最大温度差を求めたものであるチルド室200の空気温度の最大温度差15も同様に、チルド室200の中心高さ平面の6点で温度を計測し、これらの最大温度差を求めたものである。また、図6に示す「蓄冷手段なし」は、上部蓄冷手段1a及び下部蓄冷手段1bを設置していない条件のチルド室200を示している。図6に示す「上面設置」は、上部蓄冷手段1aのみ設置している条件のチルド室200を示している。図6に示す「下面設置」は、下部蓄冷手段1bのみ設置している条件のチルド室200を示している。
図6より、上部蓄冷手段1a及び下部蓄冷手段1bを設置していない場合においては、チルド室200の上面壁面温度の最大温度差13及びチルド室200の下面壁面温度の最大温度差14は、共に2.5℃以上となっている。これに対し、上部蓄冷手段1aを設置した場合にはチルド室200の上面壁面温度の最大温度差13が約40%低減され、下部蓄冷手段1bを設置した場合にはチルド室200の下面壁面温度の最大温度差14が約50%低減されている。このとき、チルド室200の空気温度の最大温度差15は、上部蓄冷手段1aを設置した場合には蓄冷剤を設置しない場合とほとんど変化がないが、下部蓄冷手段1bを設置した場合には半分以下にまで低減している。すなわち、下部蓄冷手段1bを設置した場合、空気温度の変動抑制としては上部蓄冷手段1aを設置した場合より小さいが、温度分布ムラの改善としては、より大きな効果が得られることが示されている。
以上、本実施の形態3のように構成された冷蔵庫1000においては、下部蓄冷手段1bをチルドケース201の下部に設置することにより、実施の形態1及び実施の形態2で示した効果に加え、チルド室200内の温度分布ムラを改善することができる。このため、チルド室200内のどの位置にチルド室内保存食品205を設置しても、同様の保存状態を確保することができる、すなわち上部蓄冷手段1aによる温度変動抑制効果を得ることかできるという効果が得られる。また、チルド室内保存食品205はチルドケース201の上に直接設置され、下部蓄冷手段1bは空気を介さずにチルド室内保存食品205と接触することができる。このため、チルド室内保存食品205に対して、直接、温度変動抑制及び温度分布ムラの改善効果を与えることができる。このとき、上部蓄冷手段1aと同様に、チルド室200の設定温度及び下部蓄冷手段1bの融点を−3℃〜0℃の範囲(例えば−2℃)に設定することにより、チルド室200の空気温度及びチルド室内保存食品205の温度がどの位置においても−2℃を中心に平均化されるので(例えば−2±1℃以内)、チルド室200内の全範囲において未凍結保存が可能となる。
また、本実施の形態3では、下部蓄冷手段1bを冷蔵室・チルド室戻り空気Bの通風路に設置しているので、下部蓄冷手段1bと冷蔵室・チルド室戻り空気B(チルド室200の空気温度とほぼ同一温度の空気)との熱交換が促進されるため、チルド室200内の空気の温度変動幅をさらに小さくすることができ、チルド室200内のより早い温度変動に対しても抑制効果を得ることが可能となる。
なお、本実施の形態3では、下部蓄冷手段1bはチルドケース201の下面外側に設置されているが、下部蓄冷手段1bの設置位置はこれに限定されるものではない。例えば、下部蓄冷手段1bをチルドケース201の下面内側に露出するように設置し(例えば、チルドケース201の下面内側に設置する等)、チルド室内保存食品205を載せるためのプレートを下部蓄冷手段1b上に設置してもよい。どちらの場合も、下部蓄冷手段1bは、チルド室200内空気及びチルド室内保存食品205に対しては、プレート1枚分を介して接触していることになるので、同様の効果が得られる。
さらに、下部蓄冷手段1bをチルドケース201の下面内側に露出するように設置する場合、図7のように下部蓄冷手段1bの上に熱伝導率の高い熱伝導性プレート3を設置し、熱伝導性プレート3を介して、チルド室200内空気やチルド室内保存食品205と下部蓄冷手段1bとを接触させるのが望ましい。この熱伝導性プレート3は、アルミニウムやステンレス等の金属、あるいは高熱伝導性樹脂等の熱伝導率の高い材料(良熱伝導材料)で形成されたものである。なお、高熱伝導性樹脂としては、熱伝導率が例えば10W/mK以上のものを想定している。熱伝導性プレート3上では面方向への熱伝導が早くなるため、チルド室200内の温度分布のムラがさらに改善される。また通常の樹脂プレートと比較して、チルド室200内空気やチルド室内保存食品205と下部蓄冷手段1bとの熱交換が促進されるので、温度変動抑制、温度分布ムラ改善について、効果の向上がさらに期待できる。
なお、熱伝導性プレート3を上部蓄冷手段1aに設けても勿論よい。熱伝導性プレート3を上部蓄冷手段1aに設けても、チルド室200内空気と上部蓄冷手段1aとの熱交換が促進されるので、温度変動抑制、温度分布ムラ改善について、効果の向上がさらに期待できる。
[実施の形態4]
実施の形態1〜実施の形態3においては、上部蓄冷手段1a及び下部蓄冷手段1bとして、蓄冷剤をアルミ蒸着フィルム等によって漏れなきよう封入し、樹脂や金属ケース内に設置したものを用いた。これに限らず、上部蓄冷手段1a及び下部蓄冷手段1bとして、次のような蓄冷手段を用いてもよい。なお、本実施の形態4で特に記述しない項目については実施の形態1〜実施の形態3のいずれかと同様とし、同一の機能や構成については同一の符号を用いて述べることとする。
図8は、本発明の実施の形態4に係る蓄冷手段の概略構成図(側面断面図)である。なお、図8(a)は、内部に充填された蓄冷剤1が液相のときの蓄冷手段10を示している。また、図8(b)は、内部に充填された蓄冷剤1が固相のときの蓄冷手段10を示している。
蓄冷剤1は、実施の形態1〜実施の形態3で示した上部蓄冷手段1a及び下部蓄冷手段1bに充填された蓄冷剤と同様の構成となっている。つまり、蓄冷剤1は潜熱の大きい蓄冷剤であり、例えば水や無機塩類、食品添加物等を混合したものを用いている。そして、水や無機塩類、食品添加物等の混合比を調整することにより、蓄冷剤1の融点を所定の温度(例えば、チルド室200の設定温度範囲内)としている。この蓄冷剤1は、アルミニウムやステンレス等の金属、あるいは高熱伝導性樹脂等の熱伝導率の高い材料(良熱伝導材料)で形成された熱伝導性ケース4の中に充填されている。なお、本実施の形態1に係る蓄冷手段10は、熱伝導性ケース4内に充填される蓄冷剤1の量を以下のように設定している。つまり、図8(a)に示すように蓄冷剤1が液相時の場合は、蓄冷剤1と熱伝導性ケース4との間にある程度の空隙5が形成されるようになっている。また、図8(b)に示すように蓄冷剤1が固相時の場合、蓄冷剤1は熱伝導性ケース4内部全体に充満するようになっている。
次に、図8を用いて動作の一例について説明する。
実施の形態1〜実施の形態3で説明した上部蓄冷手段1a及び下部蓄冷手段1bを本実施の形態4に係る蓄冷手段10に置き換えることにより、熱伝導性ケース4の表面上における熱伝導、及び熱伝導性ケース4を介しての蓄冷剤1とチルド室200内空気との熱交換が促進される。このため、貯蔵室内の温度変動抑制や温度分布ムラ改善について、さらに効果の向上が期待できる。
ここで、蓄冷剤1は、貯蔵室の空気温度が融点より高い場合には、融解して空気から吸熱し、逆に空気温度が融点より低い場合には、凝固して空気に発熱するという、液相と固相の相変化を繰り返す。このとき、蓄冷剤1が液相から固相に変化する場合、蓄冷剤1は膨張するため、熱伝導性ケース4内に液相状態で充満させてしまうと、凝固時に熱伝導性ケース4を破損する可能性がある。そこで、本実施の形態4では、蓄冷剤1が固相状態においては蓄冷剤1が熱伝導性ケース4内を充満するようにしている(図8(a)参照)。また、蓄冷剤1が液相状態においては、蓄冷剤1と熱伝導性ケース4との間に膨張率を考慮した空隙5が形成されるようにしている。本実施の形態4では、例えば、熱伝導性ケース4の内容積の10〜20%の空隙5が形成されるように、蓄冷剤1を熱伝導性ケース4内に充填している。蓄冷剤1が固相状態においては蓄冷剤1が熱伝導性ケース4内を充満するようにしているので、蓄冷剤1と熱伝導性ケース4の内壁との接触面積が最大となり、蓄冷手段10(つまり蓄冷剤1)の性能を確実に引き出すことが可能となる。
[実施の形態5]
実施の形態1〜実施の形態4で示した蓄冷手段に次のようなフィンを設けることにより、貯蔵室内の温度変動や温度分布ムラをさらに改善することが可能となる。なお、本実施の形態5で特に記述しない項目については実施の形態1〜実施の形態4のいずれかと同様とし、同一の機能や構成については同一の符号を用いて述べることとする。
図9は、本発明の実施の形態5に係る蓄冷手段の一例を示す概略構成図(斜視図)である。なお、この図9は、実施の形態4で示した蓄冷手段10に縦フィン6a等を設けた例であり、熱伝導性ケース4内を透視して示している。
図9(a)に示す蓄冷手段10には、放熱又は吸熱用の縦フィン6aが、例えば複数設けられている。これら縦フィン6aは、その一方の端部が熱伝導性ケース4の外壁を貫通するように設置されている。つまり、縦フィン6aは、一方の端部が熱伝導性ケース4の内部(つまり、蓄冷剤1の充填層内部)に配置され、他方の端部が熱伝導性ケース4(つまり、蓄冷剤1の充填層)の外部に配置されている。
また、図9(b)に示す蓄冷手段10は、縦フィン6aに加え、底板6bを備えている。この底板6bは、熱伝導性ケース4の内部(つまり、蓄冷剤1の充填層内部)に設けられ、縦フィン6aと一体形成されている。
上記の縦フィン6a及び底板6bは、アルミニウムやステンレス等の金属、あるいは高熱伝導性樹脂等の熱伝導率の高い材料(良熱伝導材料)で形成されている。
図10及び図11は、本発明の実施の形態5における蓄冷手段をチルド室に設置した場合の概略設置図(側面断面図)である。詳しくは、図10は、実施の形態1における上部蓄冷手段1aを、本実施の形態5における蓄冷手段10に置き換えたものである。同様に図11は、実施の形態3における上部蓄冷手段1a及び下部蓄冷手段1bを、本実施の形態5における蓄冷手段10に置き換えたものである。なお、上部蓄冷手段1aは、縦フィン6aがチルド室吹出空気Aの通風路(チルド室吹出空気Aが通過する位置)に配置されるように設けられている。また、下部蓄冷手段1bは、縦フィン6aが冷蔵室・チルド室戻り空気Bの通風路(冷蔵室・チルド室戻り空気Bが通過する位置)に配置されるように設けられている。
次に、図9から図11を用いて動作の一例について説明する。
蓄冷剤1は、比較的熱容量が大きく、また金属等と比較すれば熱伝導率も小さいため、特に蓄冷剤1層が厚くなった場合には、蓄冷剤1の表面における温度変動が内部にまで伝わらない場合がある。このような場合、チルド室200内の空気温度変動に追従できず、相変化しない蓄冷剤1の層が発生し、変動抑制効果の効率が低下する。そこで、図9のように縦フィン6aを熱伝導性ケース4の外壁を貫通するように設置し、図10のように縦フィン6aがチルド室吹出空気Aの通風路となるように設置している。これにより、蓄冷剤1の内部層は、縦フィン6aを介して、チルド室200内の空気及びチルド室吹出空気Aと熱交換することができる。このため、蓄冷剤1全体を有効に活用することが可能となり、チルド室200内空気の温度変動抑制効果の向上が可能となる。特に図9(b)のように、縦フィン6aに加え、蓄冷剤1の内部層において底板6bにより縦フィン6aを接続することにより、蓄冷剤1の内部層の面方向の熱伝導も促進される。このため、温度変動抑制効果のさらなる向上に加え、図10のように蓄冷手段10を上面に設置した場合においても、チルド室200内の温度分布ムラの抑制効果が期待できる。
また、図11のように、上部蓄冷手段1aについては縦フィン6aがチルド室天板202と吹出空気ガイド2によって形成される風路内に、下部蓄冷手段1bについては縦フィン6aが冷蔵室・チルド室戻り空気Bが通過する位置(チルド室吸込口204の風上)に配置されるように設置することにより、それぞれ蓄冷剤1の内部層とチルド室吹出空気A、冷蔵室・チルド室戻り空気Bとの熱交換が促進されるため、チルド室200内の温度変動抑制、温度分布ムラ改善について、さらに効果の向上が期待できる。
[実施の形態6]
実施の形態1〜実施の形態5では、上部蓄冷手段1aを設置した貯蔵室(例えばチルド室200)を備えた冷蔵庫1000、又は、上部蓄冷手段1a及び下部蓄冷手段1bを設置した貯蔵室(例えばチルド室200)を備えた冷蔵庫1000について説明した。しかしながら、貯蔵室に設置される構成は上部蓄冷手段1aや下部蓄冷手段1bに限定されるものではなく、これら蓄冷手段と共に例えば次のような構成を貯蔵室に設置してもよい。なお、本実施の形態6で特に記述しない項目については実施の形態1〜実施の形態5のいずれかと同様とし、同一の機能や構成については同一の符号を用いて述べることとする。
図12は、本発明の実施の形態6に係る冷蔵庫のチルド室を示す概略構成図(側面断面図)である。
本実施の形態6に係るチルド室200は、実施の形態3で示したチルド室200の構成に加え、チルドケース201内に設置された変形型蓄冷手段1cを備えている。変形型蓄冷手段1cは、柔軟性を有したケースに蓄冷剤1を充填したものである。また、本実施の形態6では、変形型蓄冷手段1cを収納する蓄冷手段収納装置7を備えている。変形型蓄冷手段1cは、蓄冷手段収納装置7内に、巻き取る、あるいは折りたたむ等して収納可能となっている。
次に、図12を用いて動作の一例について説明する。
実施の形態3で説明したように、上部蓄冷手段1aは空気温度変動の抑制、下部蓄冷手段1bは空気温度分布ムラの改善に効果があり、それに伴い、空気との熱交換によって冷却されるチルド室内保存食品205にもその効果が波及する。このとき、図12のように、変形型蓄冷手段1cでチルド室内保存食品205の上部を覆い、例えば下部蓄冷手段1bと挟み込むようにしてチルド室内保存食品205を保存することにより、変形型蓄冷手段1cとチルド室内保存食品205とを直接接触させることができる。また、変形型蓄冷手段1cは変形可能となっているので、変形型蓄冷手段1cとチルド室内保存食品205との接触面積も大きくできる。このため、変形型蓄冷手段1cによる温度変動抑制効果がチルド室内保存食品205に直接作用し、保存品質をさらに向上することが可能となる。また、変形型蓄冷手段1cは、不要な場合には蓄冷手段収納装置7内に収納可能としているので、冷却の阻害となるようなこともない。
なお、図12では上部蓄冷手段1aが設置されているが、変形型蓄冷手段1cによりチルド室内保存食品205の上側の空気温度変動も抑制されるため、上部蓄冷手段1aを設置しなくてもよい。また、図12では変形型蓄冷手段1cが1段のみとなっているが、変形型蓄冷手段1cを複数段設置して、棚のような構成にしてもよい。変形型蓄冷手段1cを複数段設置することにより、それぞれの段において、チルド室内保存食品205に対して、上面からの温度変動抑制効果と下面からの温度ムラ改善効果が得ることが可能となる。
チルド室内保存食品205への接触面積拡大手段としては、図13のように、下部蓄冷手段1bの上に熱伝導性クッション8を設置する手段もある。この熱伝導性クッション8は、アルミニウムやステンレス等の金属、あるいは高熱伝導性樹脂等の熱伝導率の高い材料(良熱伝導材料)で形成された複数の粒子が変形可能な収納部材に収納されたものである。熱伝導性クッション8はチルド室内保存食品205の形状に応じて包み込むように変形するので、チルド室内保存食品205との接触面積が大きく、また下部蓄冷手段1bとの熱交換も促進されるので、蓄冷剤の効果を最大限に得ることができる。さらに熱伝導性クッション8自体の熱容量が大きいため、チルド室内保存食品205への直接的な温度変動抑制効果も期待できる。
1 蓄冷剤、1a 上部蓄冷手段、1b 下部蓄冷手段、1c 変形型蓄冷手段、2 吹出空気ガイド、3 熱伝導性プレート、4 熱伝導性ケース、5 空隙、6a 縦フィン、6b 底板、7 蓄冷手段収納装置、8 熱伝導性クッション、10 蓄冷手段、11a 蓄冷手段設置なし時の空気温度履歴、11b 上部蓄冷手段1a設置時の空気温度履歴、11c 上部蓄冷手段1aと同じ蓄熱手段をチルド室200の下部に設置した際の空気温度履歴、12 蓄冷手段温度履歴、13 チルド室200の上面壁面温度の最大温度差、14 チルド室200の下面壁面温度の最大温度差、15 チルド室200の空気温度(中心高さ平面)の最大温度差、100 冷蔵室、101 冷蔵室扉、110 冷蔵室戻り風路、200 チルド室、201 チルドケース、202 チルド室天板、203 チルド室吹出口、204 チルド室吸込口、205 チルド室内保存食品、300 切替室、400 冷凍室、500 野菜室、510 野菜室戻り風路、1000 冷蔵庫、1001 圧縮機、1002 冷却器、1003 空気搬送装置、1010 冷却風路、1020 戻り風路、A チルド室吹出空気、B 冷蔵室・チルド室戻り空気。
本発明に係る冷蔵庫は、貯蔵室と、貯蔵室に供給する空気を冷却する冷却器と、冷却器で冷却された空気を貯蔵室に搬送する空気搬送手段と、を備え、貯蔵室は、冷却器で冷却された空気を当該貯蔵室内に吹き出すための空気吹出口と、当該貯蔵室内の上方で、且つ、空気吹出口の下流側に配置され、ケースの内部に蓄冷剤が設けられた上部蓄冷手段と、空気吹出口から供給される冷却空気を貯蔵室内の前方へ導くための風路と、を備え、風路は、貯蔵室の上面に沿って形成され、上部蓄冷手段は、風路の下面と接するように、且つ、風路の下面によって分割された貯蔵室内の空間のうちの食品が載置される側の空間に設けられたものである。
本発明は、内部に蓄冷剤が充填された上部蓄冷手段を当該貯蔵室内の上方で、且つ、空気吹出口の下流側に配置している。さらに詳しくは、本発明は空気吹出口から供給される冷却空気を貯蔵室内の前方へ導くための風路を備え、この風路は貯蔵室の上面に沿って形成され、上部蓄冷手段は、風路の下面と接するように、且つ、風路の下面によって分割された貯蔵室内の空間のうちの食品が載置される側の空間に設けられている。このため、上部蓄冷手段は、貯蔵室内温度が設定温度以上になった場合は吸熱し、設定温度以下になった場合は発熱するので、貯蔵室内の空気温度を恒温化、すなわち貯蔵室内の空気温度の変動を抑制できる。したがって、本発明は、貯蔵室内に保存された食品の恒温化も図ることができ、貯蔵室内に保存された食品の保存品質を向上することができる。例えば、貯蔵室がチルド室の場合、チルド室温度及び蓄冷手段の融点を例えば−3℃〜0℃の範囲内に設定すれば、本発明はチルド室内の温度変動が小さいため、肉や魚等の生鮮食品の未凍結保存が可能となり、ドリップや解凍における生鮮食品の品質劣化を防ぐことができる。
本発明に係る冷蔵庫は、前方に設けられた扉を開閉して食品が出し入れされる貯蔵室と、貯蔵室に供給する空気を冷却する冷却器と、冷却器で冷却された空気を貯蔵室に搬送する空気搬送手段と、を備え、貯蔵室は、冷却器で冷却された空気を当該貯蔵室内に吹き出すための空気吹出口と、当該貯蔵室内の上方で、且つ、空気吹出口の下流側に配置され、ケースの内部に蓄冷剤が設けられた上部蓄冷手段と、空気吹出口から供給される冷却空気を貯蔵室内において温度が高くなる前記扉側まで導くための風路と、を備え、風路は、貯蔵室の上面に沿って形成され、上部蓄冷手段は、風路の下面と接するように、且つ、風路の下面によって分割された貯蔵室内の空間のうちの食品が載置される側の空間に設けられたものである。
本発明は、内部に蓄冷剤が充填された上部蓄冷手段を当該貯蔵室内の上方で、且つ、空気吹出口の下流側に配置している。さらに詳しくは、本発明は空気吹出口から供給される冷却空気を貯蔵室内の前方へ導くための風路を備え、この風路は貯蔵室の上面に沿って形成され、上部蓄冷手段は、風路の下面と接するように、且つ、風路の下面によって分割された貯蔵室内の空間のうちの食品が載置される側の空間に設けられている。また、風路は、上部蓄冷手段が設けられた貯蔵室内において温度が高くなる扉側まで、空気吹出口から供給される冷却空気を導くように構成されている。このため、上部蓄冷手段は、貯蔵室内温度が設定温度以上になった場合は吸熱し、設定温度以下になった場合は発熱するので、貯蔵室内の空気温度を恒温化、すなわち貯蔵室内の空気温度の変動を抑制できる。また、上部蓄冷手段が設けられた貯蔵室内において温度が高くなる扉側まで、空気吹出口から供給される冷却空気を導くため、温度の高い扉側から貯蔵室内を冷却することにより、貯蔵室内の温度分布ムラを改善することもできる。したがって、本発明は、貯蔵室内に保存された食品の恒温化も図ることができ、貯蔵室内に保存された食品の保存品質を向上することができる。例えば、貯蔵室がチルド室の場合、チルド室温度及び蓄冷手段の融点を例えば−3℃〜0℃の範囲内に設定すれば、本発明はチルド室内の温度変動が小さいため、肉や魚等の生鮮食品の未凍結保存が可能となり、ドリップや解凍における生鮮食品の品質劣化を防ぐことができる。

Claims (18)

  1. 貯蔵室と、
    前記貯蔵室に供給する空気を冷却する冷却器と、
    前記冷却器で冷却された空気を前記貯蔵室に搬送する空気搬送装置と、
    を備え、
    前記貯蔵室は、
    前記冷却器で冷却された空気を当該貯蔵室内に吹き出すための空気吹出口と、
    当該貯蔵室内の上方で、且つ、前記空気吹出口の下流側に配置され、ケースの内部に蓄冷剤が設けられた上部蓄冷手段と、
    を備えたことを特徴とする冷蔵庫。
  2. 前記上部蓄冷手段の蓄冷剤の融点は、前記空気吹出口から前記貯蔵室に吹き出される空気の温度以上で、前記貯蔵室の設定温度範囲の上限温度以下であることを特徴とする請求項1に記載の冷蔵庫。
  3. 前記空気吹出口から供給される冷却空気を前記貯蔵室内の前方へ導くための風路を備え、
    前記風路は、前記貯蔵室上面に沿って形成され、
    前記風路と接するように、前記上部蓄冷手段を備えたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の冷蔵庫。
  4. 前記貯蔵室は、
    当該貯蔵室内の空気を排出するための空気吸込口と、
    当該貯蔵室内の下方で、且つ、前記空気吸込口の下流側に配置され、ケースの内部に蓄冷剤が設けられた下部蓄冷手段と、
    を備えたことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の冷蔵庫。
  5. 前記下部蓄冷手段の蓄冷剤の融点は、前記貯蔵室の設定温度範囲内であることを特徴とする請求項4に記載の冷蔵庫。
  6. 前記下部蓄冷手段に、金属や高熱伝導性樹脂などの良熱伝導材料によって形成されたプレートを設置することを特徴とする請求項4又は請求項5に記載の冷蔵庫。
  7. 前記下部蓄冷手段のケースは、金属や高熱伝導性樹脂などの良熱伝導材料によって形成され、
    当該ケースに設けられた蓄冷剤は、液相状態において当該ケースとの間に所定の空隙が形成されるように当該ケース内に充填されていることを特徴とする請求項4〜請求項6のいずれか一項に記載の冷蔵庫。
  8. 前記下部蓄冷手段は、金属や高熱伝導性樹脂などの良熱伝導材料によって形成されたフィンを備え、
    当該フィンは、一方の端部が蓄冷剤の内部に配置され、他方の端部がケースの外部に配置されていることを特徴とする請求項4〜請求項7のいずれか一項に記載の冷蔵庫。
  9. 前記下部蓄冷手段に設けられたフィンの前記他方の端部は、前記空気吸込口に流れる空気が通過する位置に配置されていることを特徴とする請求項8に記載の冷蔵庫。
  10. 金属や高熱伝導性樹脂などの良熱伝導材料によって形成された複数の粒子が変形可能な収納部材に収納され、前記下部蓄冷手段の上部に配置されるクッションを備えたことを特徴とする請求項4〜請求項9のいずれか一項に記載の冷蔵庫。
  11. 前記上部蓄冷手段に、金属や高熱伝導性樹脂などの良熱伝導材料によって形成されたプレートを設置することを特徴とする請求項1〜請求項10のいずれか一項に記載の冷蔵庫。
  12. 前記上部蓄冷手段のケースは、金属や高熱伝導性樹脂などの良熱伝導材料によって形成され、
    当該ケースに設けられた蓄冷剤は、液相状態において当該ケースとの間に所定の空隙が形成されるように当該ケース内に充填されていることを特徴とする請求項1〜請求項11のいずれか一項に記載の冷蔵庫。
  13. 前記上部蓄冷手段は、金属や高熱伝導性樹脂などの良熱伝導材料によって形成されたフィンを備え、
    当該フィンは、一方の端部が蓄冷剤の内部に配置され、他方の端部がケースの外部に配置されていることを特徴とする請求項1〜請求項12のいずれか一項に記載の冷蔵庫。
  14. 前記上部蓄冷手段に設けられたフィンの前記他方の端部は、前記空気吹出口から前記貯蔵室に吹き出された空気が通過する位置に配置されていることを特徴とする請求項13に記載の冷蔵庫。
  15. 変形可能なケースの内部に蓄冷剤が充填され、前記貯蔵室に保存される食品の上部を覆う変形型蓄冷手段を備えたことを特徴とする請求項1〜請求項14のいずれか一項に記載の冷蔵庫。
  16. 前記変形型蓄冷手段を収納する収納装置を備えたことを特徴とする請求項15に記載の冷蔵庫。
  17. 前記貯蔵室がチルド室であり、
    当該チルド室に設けられた蓄冷手段の蓄冷剤の融点が、−5℃〜0℃の範囲内であることを特徴とする請求項1〜請求項16のいずれか一項に記載の冷蔵庫。
  18. 前記貯蔵室が切替室であり、
    当該チルド室に設けられた蓄冷手段の蓄冷剤の融点が、−18℃〜−5℃の範囲内であることを特徴とする請求項1〜請求項16のいずれか一項に記載の冷蔵庫。
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