JP2015038372A - 埋設管の接続部の被覆方法および被覆装置 - Google Patents

埋設管の接続部の被覆方法および被覆装置 Download PDF

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Abstract

【課題】高価な熱収縮チューブを使用することなく、かつ、熟練工によることなく作業を行うことができ、均一で高い防食品質を得ることのできる埋設管の接続部の被覆方法および被覆装置を提供すること。【解決手段】埋設管2の接続部4の鋼管表面部を裸出させ接続部4の端面同士を溶接して該接続部5を被覆する被覆方法において、埋設管2の接続部4の外周面を密閉する密閉ケーシング1を配設し、埋設管2の接続部4の外周面と密閉ケーシング1とで形成される空隙部Sに熱可塑性樹脂からなる粒状物Pを充填し、その後、空隙部Sを真空引きして減圧し、減圧状態において空隙部S内の熱可塑性樹脂の粒状物Pが溶融するまで加熱し、熱可塑性樹脂の粒状物Pの溶融後、粒状物Pの溶融物と密閉ケーシング1との間に大気を導入する。【選択図】図3

Description

本発明は、鋼管の外周面が樹脂塗膜で被覆されるなどの樹脂を主体とした被覆層で被覆された被覆鋼管同士が接続されてなる埋設管の接続部の被覆のための被覆方法および被覆装置に関するものである。
埋設流体配管において、地中に埋設された後の配管の腐食を防止するために、表面をポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン等のオレフィン系樹脂などで被覆した鋼管が使用されている。図6(a)に示すように、従来、この樹脂被覆鋼管50同士を接続する場合、鋼管50を覆う樹脂を主体とした被覆層51の端部を所定の長さだけ剥離して、鋼管50を剥き出しにしてから接続部52が現地溶接される。現地溶接が完了した後、温度が低下したら、予め鋼管50に嵌入しておいた防食機能を備えた熱収縮チューブ53(例えば、ポリエチレン製)を接続部52にスライドさせてセットし、プロパンガスバーナ54などで熱を加え、熱収縮チューブ53を鋼管50の外周面に付着させることで鋼管50の接続部52の腐食を防止してきた(例えば、特許文献1参照。)。
また、継手部の外周面を被覆するようにポリエチレンの熱収縮チューブを第1層として設け、その上にガラス繊維もしくは金属繊維が混入しているポリエステルまたはエポキシアクリレート樹脂の保護層を第2層として施されるものが知られている(例えば、特許文献2参照。)。
しかし、熱収縮チューブを用いる上記の方法では、作業の過程で鋼管50外周面と熱収縮チューブ53との間に空気を巻き込むことがしばしば発生し、品質の低下を招くことがあった。このため、図6(b)に示すように、熱収縮チューブ53の収縮過程を真空加熱機55内で行うようにすることで空気の巻き込みを防止する手段を講じてきたが(例えば、特許文献3参照。)、以下の問題があった。
熱収縮チューブ53を鋼管50の外周面にプロパンガスバーナ54などで熱を加えて付着させる作業は注意深く行うことが大切であり、作業の効率が悪いものであった。特に、この作業を行うには、鉄工と呼ばれる熟練者が二人で行う必要があり、コスト高を招いていた。
また、使用される熱収縮チューブ53は、特殊なものであって、国内においては製造先が限られており、価格面においてコスト高の問題があった。また、海外メーカーによる製品では品質の問題でトラブルが発生している。
特開平6−240699号公報(第3頁、第1図) 特公平7−6595号公報(第2頁、第1図) 特開平8−132449号公報(第3頁、第2図)
本発明は、上記のような問題点を解決するためになされたもので、高価な熱収縮チューブを使用することなく、かつ、熟練工によることなく作業を行うことができ、均一で高い防食品質を得ることのできる埋設管の接続部の被覆方法および被覆装置を提供することを目的とする。
前記課題を解決するために、本発明の埋設管の接続部の被覆方法は、
埋設管の接続部の鋼管表面部を裸出させ前記接続部の端面同士を溶接して該接続部を被覆する被覆方法において、
前記埋設管の接続部の外周面を密閉する密閉ケーシングを配設し、
前記埋設管の接続部の外周面と前記密閉ケーシングとで形成される空隙部に熱可塑性樹脂からなる粒状物を充填し、
その後、前記空隙部を真空引きして減圧し、減圧状態において前記空隙部内の前記熱可塑性樹脂の粒状物が溶融するまで加熱し、
前記熱可塑性樹脂の粒状物の溶融後、溶融された前記熱可塑性樹脂の粒状物と前記密閉ケーシングとの間に大気を導入することを特徴としている。
この特徴によれば、高価な熱収縮チューブを使用することなく、かつ、熟練工によることなく作業を行うことができ、均一で高い防食品質の防食保護層を得ることができる。また、粒状物が溶融される過程で、溶融物内及び溶融物と埋設管の接続部の外周面との間にガス溜まりが形成されたり、ガスが包含されたりするのを防止でき、また、溶融物は周囲の大気圧により埋設管の接続部の外周面に押し付けられ、埋設管の接続部の外周面と粒状物の溶融物との隙間は消滅され、同時に、隙間に存在したガスも排出されるため、熱可塑性樹脂の粒状物の溶融物内、及び、当該溶融物と埋設管の接続部の外周面との間にガスあるいは空気が包含されない品質のよい防食保護層を得ることができる。
本発明の埋設管の接続部の被覆装置は、
埋設管の接続部の鋼管表面部を裸出させ前記接続部の端面同士を溶接して該接続部を被覆する被覆装置において、
前記埋設管の接続部の外周面を密閉する密閉ケーシングと、
前記埋設管の接続部の外周面と前記密閉ケーシングとで形成される空隙部に熱可塑性樹脂の粒状物を供給する粒状物供給手段と、
前記空隙部を真空引きして減圧させる減圧手段と、
減圧状態において前記空隙部内の前記熱可塑性樹脂の粒状物を加熱する加熱手段とを備え、
前記密閉ケーシングには、前記粒状物供給手段、前記減圧手段及び前記加熱手段が装着されることを特徴としている。
この特徴によれば、高価な熱収縮チューブを使用することなく、かつ、熟練工によることなく作業を行うことができ、均一で高い防食品質の防食保護層を得ることができる。また、粒状物が溶融される過程で、溶融物内及び溶融物と埋設管の接続部の外周面との間にガス溜まりが形成されたり、ガスが包含されたりするのを防止でき、また、溶融物は周囲の大気圧により埋設管の接続部の外周面に押し付けられ、埋設管の接続部の外周面と粒状物の溶融物との隙間は消滅され、同時に、隙間に存在したガスも排出されるため、熱可塑性樹脂の粒状物の溶融物内、及び、当該溶融物と埋設管の接続部の外周面との間にガスあるいは空気が包含されない品質のよい防食保護層を得ることができる。
本発明の埋設管の接続部の被覆装置は、
前記密閉ケーシングは分割構造に形成され、分割部材同士の接合面及び前記分割部材と前記鋼管表面部との接合面には密封部材が配設されることを特徴としている。
この特徴によれば、埋設管の端部から密閉ケーシングを装着することなく、埋設管の接続部に容易に密閉ケーシングを装着することができる。
本発明の埋設管の接続部の被覆装置は、
前記粒状物供給手段は、前記密閉ケーシングの上方に配設されると共に前記空隙部に連通する粒状物供給室を備えることを特徴としている。
この特徴によれば、粒状物を空隙部に対して容易かつ確実に充填することができる。
本発明の埋設管の接続部の被覆装置は、
前記減圧手段は、前記粒状物供給室に連結された減圧管を備えることを特徴としている。
この特徴によれば、粒状物の加熱・溶融の際、粒状物の間、及び、粒状物の溶融物内から確実にガスあるいは空気を排出することができる。
本発明の埋設管の接続部の被覆装置は、
前記加熱手段は、前記密閉ケーシング内に配設された高周波誘導加熱用のコイル及び導電性部材を備えることを特徴としている。
この特徴によれば、高周波誘導加熱の原理を利用して効率よく粒状物を加熱・溶融することができる。
実施例に係る埋設管の接続部の被覆装置の斜視図である。 図1のA−A断面図である。 図2のB−B断面図である。 実施例に係る埋設管の接続部の被覆装置の正面図である。 実施例に係る埋設管の接続部の被覆方法を説明する図である。 従来技術を説明する図である。
本発明に係る埋設管の接続部の被覆方法および被覆装置を実施するための形態を実施例に基づいて以下に説明する。
実施例に係る埋設管の接続部の被覆装置(以下、単に「被覆装置」ということがある。)につき、図1ないし図4を参照して説明する。以下、図1及び図2の左右方向が埋設管の長手方向であり、同上下方向が埋設管の上下方向であるとして以下に説明する。
図1及び図2において、埋設管2は、通常、鋼管などの金属管の外表面が、その管端部を残して、ポリエチレン、ポリウレタン等の樹脂から成る所望厚みの防食保護層3(図2参照。)で被覆されており、被覆されていない管端部の外表面には防食塗覆層が施されている。このような配管を用いて埋設工事を行う場合には、まず、管端部の防食塗覆層が予め除去された金属管の表面部、あるいは防食塗覆層を除去して表面部を裸出したのち、各配管の管端を突き合わせ、その突き合わせ個所を溶接して溶接部5にする。そのため、各配管の接続部4には、溶接部5とその溶接部5の両脇に所望の長さで裸出する裸出表面部6とが存在することになる。
このため、接続部4に対しては、ただちに外周面を被覆する防食保護層を形成して当該接続部4に防食保護処理を施すことが必要になる。この防食保護層は、地中に埋設されて地中の砂礫などと摩擦して損耗し、当該接続部4から剥離することもあるので、防食保護層は、摩擦を受けても損耗しにくい材料で形成されることが要求される。
本発明において、被覆装置1は、主として、埋設管2の接続部4の外周面を密閉する密閉ケーシング10、埋設管2の接続部4の外周面と密閉ケーシング10とで形成される空隙部Sに熱可塑性樹脂の粒状物P(図3参照。)を供給する粒状物供給手段20、空隙部Sを真空引きして減圧させる減圧手段30、減圧状態において空隙部S内の熱可塑性樹脂の粒状物Pを加熱する加熱手段40(図3参照。)を備え、粒状物供給手段20及び減圧手段30は密閉ケーシング10に連接するように設けられ、加熱手段40は密閉ケーシング10に装着される。
本例では、密閉ケーシング10は分割構造に形成されている。具体的には、図1〜図4に示す密閉ケーシング10は、中空半円筒状の上部ケーシング10a及び下部ケーシング10bとの2つに分割されており、上部ケーシング10aと下部ケーシング10bとの接合部には、それぞれ、上部フランジ10c、下部フランジ10dが設けられ、これら上部フランジ10c、下部フランジ10dはボルト11により締め付け固定される。また、上部ケーシング10aと下部ケーシング10bとの接合面、及び、上部フランジ10cと下部フランジ10dとの接合面にわたって密封する平板状のパッキン12が配設されている。さらに、上部ケーシング10a及び下部ケーシング10bのそれぞれの両側には、これら両ケーシングと埋設管2の外周面との間を密閉する半円状のパッキン13が配設されている。
熱可塑性樹脂の粒状物Pとしては、例えば、ポリエチレンのペレットが挙げられるが、これに限定されることなく、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレートあるいはポリカーボネート等のペレットでもよい。粒状物Pの形状としては、球形、円筒形あるいは直方体など特に限定されるものではなく、また、粒状物Pのサイズも空隙部Sに供給可能な大きさであればよい。
粒状物供給手段20は、本例では、密閉ケーシング10の上方、すなわち、上部ケーシング10aの上方に配設されると共に空隙部Sに上方から連通する粒状物供給室21を備えている。粒状物供給室21は、例えば、漏斗形状をなし、粒状物供給室21に供給された粒状物Pが重力で空隙部Sに落下するようにされている。また、粒状物供給室21には、例えば、蓋部材22を開閉自在に設け、開時には粒状物Pが供給できるとともに、閉時には密閉できる構造とされている。粒状物供給室21は、空隙部Sに粒状物Pを供給する機能と、供給された粒状物Pが空隙部Sに対してオーバーフロー可能なように一定程度貯留できる貯留機能とを備えている。
減圧手段30は、密閉ケーシング10に連接するように設けられるものであり、本例では、減圧管31の先端側が粒状物供給室21に連結され、空隙部S及び粒状物供給室21を減圧するように構成されている。減圧管31の基部側は、真空ポンプ32に接続されている。
加熱手段40は、空隙部Sに供給された粒状物Pを加熱し、完全に溶融させるものである。本例では、例えば、図3及び図4に示すように、密閉ケーシング10、すなわち、上部ケーシング10a及び下部ケーシング10bの内側のそれぞれに高周波誘導加熱用の半開放鞍型コイル41が配設されている。また、図2及び図3に示すように、半開放鞍型コイル41の内側であって空隙部Sに面して中空半円筒状の伝熱性を備えた導電性部材42が設けられる。
なお、上部ケーシング10aの上方には空隙部Sに上方から連通する粒状物供給室21が設けられることから、上部ケーシング10aの空隙部Sに連通する部分は開口されているので、半開放鞍型コイル41及び導電性部材42もこの開口された部分を除いてその周囲に設けられている(図2には、上部ケーシング10aに設けられた半開放鞍型コイル41及び導電性部材42が破線で示されている。)。これに伴い、図3に示すように、上部ケーシング10aに設けられた導電性部材42の開口部42aに粒状物供給室21の側壁23の下端が接続されている。
半開放鞍型コイル41の一端は電源の一方の電極に、他端は他方の電極に接続されている。半開放鞍型コイル41に電流が流されると磁界が発生し、その磁界は導電性部材42内にも発生し、さらに、導電性部材42内にはこの磁界を打ち消す方向のうず電流が発生し、導電性部材42の電気抵抗でジュール熱が発生する。このジュール熱により、空隙部S内に供給された粒状物Pは加熱され、溶融される。
なお、上部ケーシング10a及び下部ケーシング10bの内側のそれぞれに配設される高周波誘導加熱用の半開放鞍型コイル41に代えて、上部ケーシング10a及び下部ケーシング10bの内側に、それぞれ、中空半円筒状のコイルを配設し、上部ケーシング10aと下部ケーシング10bとが固定される際、これら半円状のコイルが接続されて中空円筒状のコイルが形成されるようにしてもよい。また、加熱手段40としては、高周波誘導加熱手段に限らず、電熱線を用いた抵抗加熱手段でもよい。
図3には、空隙部Sに熱可塑性樹脂の粒状物Pが充填されるとともに粒状物供給室21内にもオーバーフロー分の粒状物Pが貯留され、粒状物供給室21の蓋部材22が閉にされ、減圧手段30により粒状物供給室21及び空隙部Sが減圧される状態が示されている。この状態では、まだ、加熱手段40はOFF状態にある。
空隙部Sには粒状物Pができるだけ隙間なく充填されることが望ましいが、加熱手段40により粒状物Pが溶融される過程で、順次、隙間が埋められていくので、上方から新たな粒状物Pを供給できるようにしておけば、最初から完全に充填される必要はない。
また、粒状物Pが溶融される段階で、当該溶融物内、及び、当該溶融物と埋設管2の接続部4の外周面との間にガスあるいは空気が包含されないようにするため、予め空隙部S内は減圧手段30により減圧される。また、粒状物Pの溶融過程において発生するガスは減圧手段30側に排出される。このため、ガスを包含しない品質のよい防食保護層を得ることができる。なお、粒状物Pの溶融過程においても減圧手段30を作動させて真空引きを行うようにしてもよい。
次に、図5を参照しながら、実施例に係る埋設管2の接続部4の被覆方法を説明する。埋設管2の接続部4の鋼管表面部を裸出させ、接続部の端面同士を溶接した状態において、まず、裸出された鋼管表面部に耐熱性接着剤を塗布し、乾燥させる。
次に、図5(a)に示すように、埋設管2の接続部4の外周面を密閉する密閉ケーシング10を配設する。密閉ケーシング10の配設は、本例の場合、高周波誘導加熱用の半開放鞍型コイル41、中空半円筒状の導電性部材42及び半円状のパッキン13がそれぞれ装着された半円筒状の上部ケーシング10a及び下部ケーシング10bを埋設管2の接続部4の周囲に配置し、上部フランジ10c及び下部フランジ10dを、パッキン12を介して接合し、ボルト11により締め付け固定することにより行われる。
次に、埋設管2の接続部4の外周面と密閉ケーシング10とで形成される空隙部Sに熱可塑性樹脂からなる粒状物Pを充填する。本例の場合、粒状物Pの充填は、上部ケーシング10aの上方に配設された粒状物供給室21を通して行われる。その際、粒状物Pは空隙部Sに対してオーバーフローするように粒状物供給室21にも一定量が貯留される。
その後、空隙部Sを減圧手段30により真空引きして減圧する。この減圧は、粒状物Pが溶融される過程で、溶融物内及び溶融物と埋設管2の接続部4の外周面との間にガス溜まりが形成され、ガスが包含されるのを防止し、品質のよい防食保護層を得るためである。
空隙部Sが減圧された後、図5(b)に示すように、加熱手段40を作動させて空隙部S内の熱可塑性樹脂の粒状物Pを加熱する。この加熱は、図5(c)に示すように、空隙部S内の粒状物Pが溶融されるまで行われる。この粒状物Pの溶融過程において、先に溶融された溶融物は重力で下方に流れ、形成された空間に粒状物供給室21から新たな粒状物Pが補充される現象が引き続き繰り返され、やがて、空隙部Sは溶融物で充満される。溶融物が空隙部Sの下方に流れる際、下方に存在するガスは上方に置換され、粒状物供給室21を介して減圧手段30側に排出される。
このように、減圧状態において粒状物Pの溶融が行われるため、溶融物内、及び、溶融物と埋設管2の接続部4の外周面との間にガスが包含されることが防止される。なお、粒状物Pの溶融過程においても、空隙部Sの真空引きを継続してもよい。
熱可塑性樹脂の粒状物Pの溶融後、図5(d)に示すように、粒状物Pの溶融物と密閉ケーシング10との間に大気を導入する。大気の導入は、例えば、減圧管31と粒状物供給室21との接続を解除し、粒状物供給室21を大気に開放することにより行われる。粒状物Pの溶融物と密閉ケーシング10との間に大気が導入されると、該溶融物は周囲の大気圧により埋設管2の接続部4の外周面に押し付けられる。この押付力により、埋設管2の接続部4の外周面と粒状物Pの溶融物との隙間は消滅され、同時に、隙間に存在したガスも排出される。
図5(e)は、粒状物Pの溶融物が完全に固化した状態を示している。溶融物内及び溶融物と埋設管2の接続部4の外周面との間にガスは包含されておらず、品質のよい防食保護層が得られているのがわかる。粒状物Pの溶融物が完全に固化した後、図5(f)に示すように、埋設管2の接続部4の外周面に配設された密閉ケーシング10を取り外す。
本実施例の埋設管の接続部の被覆方法および被覆装置においては、以下のような作用効果を奏する。
高価な熱収縮チューブを使用することなく、かつ、熟練工によることなく作業を行うことができ、均一で高い防食品質の防食保護層を得ることができる。
また、埋設管2の接続部4の外周面を密閉する密閉ケーシング10を配設し、埋設管2の接続部4の外周面と密閉ケーシング10とで形成される空隙部Sに熱可塑性樹脂からなる粒状物Pを充填し、その後、空隙部Sを真空引きして減圧し、減圧状態において空隙部S内の熱可塑性樹脂の粒状物Pが溶融するまで加熱し、熱可塑性樹脂の粒状物Pの溶融後、溶融物と密閉ケーシングとの間に大気を導入することにより、粒状物Pが溶融される過程で、溶融物内及び溶融物と埋設管2の接続部4の外周面との間にガス溜まりが形成されたり、ガスが包含されたりするのを防止でき、また、溶融物は周囲の大気圧により埋設管2の接続部4の外周面に押し付けられ、埋設管2の接続部4の外周面と粒状物Pの溶融物との隙間は消滅され、同時に、隙間に存在したガスも排出されるため、溶融物内、及び、溶融物と埋設管2の接続部4の外周面との間にガスあるいは空気が包含されない品質のよい防食保護層を得ることができる。
また、密閉ケーシング10が分割構造に形成されることにより、埋設管2の端部から密閉ケーシング10を装着することなく、埋設管2の接続部4に容易に密閉ケーシング10を装着することができる。
更に、粒状物供給手段20は、密閉ケーシング10の上方に配設されると共に空隙部Sに上方から連通する粒状物供給室21を備えることにより、粒状物Pを空隙部Sに対して容易かつ確実に充填することができる。
また、減圧手段30は、粒状物供給室21に連結された減圧管31を備えることにより、粒状物Pの加熱・溶融の際、粒状物Pの間、及び、粒状物Pの溶融物内から確実にガスあるいは空気を排出することができる。
また、加熱手段40は、密閉ケーシング10内に配設された高周波誘導加熱用のコイル41及び導電性部材42を備えることにより、高周波誘導加熱の原理を利用して効率よく粒状物Pを加熱・溶融することができる。
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
前記実施例では、埋設管2が水平方向に配設されているため、密閉ケーシング10は、中空半円筒状の上部ケーシング10a及び下部ケーシング10bとの2つに分割された構成が示されているが、これに限らず、例えば、埋設管2が上下方向に配設されている場合、密閉ケーシング10は左右に分割されるのがよく、また、いずれの場合も、2つ割に限らず3つ割以上であってもよい。
また例えば、前記実施例では、粒状物供給手段20は、上部ケーシング10aの上方に配設され、粒状物Pの重力を利用して空隙部Sに粒状物を充填する方式としているが、これに限定されることなく、例えば、上部ケーシング10aの上方に限定されることなく配設され、機械的に押し込む方式、あるいは、圧送方式であってもよい。
また例えば、前記実施例では、減圧手段30は、粒状物供給室21を介して減圧する構成を説明しているが、これに限定されることなく、例えば、密閉ケーシング10の周囲から空隙部Sに、直接、複数の吸入口を接続する構成としてもよい。
また例えば、前記実施例では、加熱手段40として、高周波誘導加熱手段などの電気的加熱手段を説明しているが、これに限らず、例えば、火力を用いて加熱する方式でもよい。
また例えば、前記実施例では、埋設管2の接続部4の鋼管表面部を裸出させ、接続部の端面同士を溶接した状態において、まず、裸出された鋼管表面部に耐熱性接着剤を塗布し、乾燥させる工程を採用しているが、この工程を省略しても、本発明の目的を達成することができる。
1 被覆装置
2 埋設管
3 防食保護層
4 接続部
5 溶接部
6 裸出表面部
10 密閉ケーシング
10a 上部ケーシング
10b 下部ケーシング
10c 上部フランジ
10d 下部フランジ
11 ボルト
12 パッキン
13 パッキン
20 粒状物供給手段
21 粒状物供給室
22 蓋部材
23 側壁
30 減圧手段
31 減圧管
32 真空ポンプ
40 加熱手段
41 半開放鞍型コイル
42 導電性部材
42a 開口部
S 空隙部
P 粒状物
前記課題を解決するために、本発明の埋設管の接続部の被覆方法は、
埋設管の接続部の鋼管表面部を裸出させ前記接続部の端面同士を溶接して該接続部を被覆する被覆方法において、
前記埋設管の接続部の外周面を密閉する中空円筒状の密閉ケーシングを配設するとともに、前記密閉ケーシングの上方に、熱可塑性樹脂からなる粒状物の貯留機能を備えた粒状物供給手段を配設し、
前記熱可塑性樹脂からなる粒状物を、前記粒状物供給手段を通して、前記埋設管の接続部の外周面と前記中空円筒状の密閉ケーシングとで形成される空隙部に重力で落下させて充填し、
その後、前記空隙部を真空引きして減圧し、減圧状態において前記空隙部内の前記熱可塑性樹脂の粒状物が溶融するまで加熱し、
前記熱可塑性樹脂の粒状物の溶融後、溶融された前記熱可塑性樹脂と前記密閉ケーシングとの間に大気を導入することを特徴としている。
この特徴によれば、高価な熱収縮チューブを使用することなく、かつ、熟練工によることなく作業を行うことができ、均一で高い防食品質の防食保護層を得ることができる。また、粒状物が溶融される過程で、溶融物内及び溶融物と埋設管の接続部の外周面との間にガス溜まりが形成されたり、ガスが包含されたりするのを防止でき、また、溶融物は周囲の大気圧により埋設管の接続部の外周面に押し付けられ、埋設管の接続部の外周面と粒状物の溶融物との隙間は消滅され、同時に、隙間に存在したガスも排出されるため、熱可塑性樹脂の粒状物の溶融物内、及び、当該溶融物と埋設管の接続部の外周面との間にガスあるいは空気が包含されない品質のよい防食保護層を得ることができる。
本発明の埋設管の接続部の被覆装置は、
埋設管の接続部の鋼管表面部を裸出させ前記接続部の端面同士を溶接して該接続部を被覆する被覆装置において、
前記埋設管の接続部の外周面を密閉する中空円筒状の密閉ケーシングと、
前記密閉ケーシングの上方に配設され、熱可塑性樹脂からなる粒状物の貯留機能を備え、前記埋設管の接続部の外周面と前記中空円筒状の密閉ケーシングとで形成される空隙部に熱可塑性樹脂の粒状物を重力で落下させて供給する粒状物供給手段と、
前記空隙部を真空引きして減圧させる減圧手段と、
減圧状態において前記空隙部内の前記熱可塑性樹脂の粒状物を加熱する加熱手段とを備え、
前記密閉ケーシングには、前記粒状物供給手段、前記減圧手段及び前記加熱手段が装着されることを特徴としている。
この特徴によれば、高価な熱収縮チューブを使用することなく、かつ、熟練工によることなく作業を行うことができ、均一で高い防食品質の防食保護層を得ることができる。また、粒状物が溶融される過程で、溶融物内及び溶融物と埋設管の接続部の外周面との間にガス溜まりが形成されたり、ガスが包含されたりするのを防止でき、また、溶融物は周囲の大気圧により埋設管の接続部の外周面に押し付けられ、埋設管の接続部の外周面と粒状物の溶融物との隙間は消滅され、同時に、隙間に存在したガスも排出されるため、熱可塑性樹脂の粒状物の溶融物内、及び、当該溶融物と埋設管の接続部の外周面との間にガスあるいは空気が包含されない品質のよい防食保護層を得ることができる。

Claims (6)

  1. 埋設管の接続部の鋼管表面部を裸出させ前記接続部の端面同士を溶接して該接続部を被覆する被覆方法において、
    前記埋設管の接続部の外周面を密閉する密閉ケーシングを配設し、
    前記埋設管の接続部の外周面と前記密閉ケーシングとで形成される空隙部に熱可塑性樹脂からなる粒状物を充填し、
    その後、前記空隙部を真空引きして減圧し、減圧状態において前記空隙部内の前記熱可塑性樹脂の粒状物が溶融するまで加熱し、
    前記熱可塑性樹脂の粒状物の溶融後、溶融された前記熱可塑性樹脂の粒状物と前記密閉ケーシングとの間に大気を導入することを特徴とする埋設管の接続部の被覆方法。
  2. 埋設管の接続部の鋼管表面部を裸出させ前記接続部の端面同士を溶接して該接続部を被覆する被覆装置において、
    前記埋設管の接続部の外周面を密閉する密閉ケーシングと、
    前記埋設管の接続部の外周面と前記密閉ケーシングとで形成される空隙部に熱可塑性樹脂の粒状物を供給する粒状物供給手段と、
    前記空隙部を真空引きして減圧させる減圧手段と、
    減圧状態において前記空隙部内の前記熱可塑性樹脂の粒状物を加熱する加熱手段とを備え、
    前記密閉ケーシングには、前記粒状物供給手段、前記減圧手段及び前記加熱手段が装着されることを特徴とする埋設管の接続部の被覆装置。
  3. 前記密閉ケーシングは分割構造に形成され、分割部材同士の接合面及び前記分割部材と前記鋼管表面部との接合面には密封部材が配設されることを特徴とする請求項2に記載の埋設管の接続部の被覆装置。
  4. 前記粒状物供給手段は、前記密閉ケーシングの上方に配設されると共に前記空隙部に連通する粒状物供給室を備えることを特徴とする請求項2または3に記載の埋設管の接続部の被覆装置。
  5. 前記減圧手段は、前記粒状物供給室に連結された減圧管を備えることを特徴とする請求項4に記載の埋設管の接続部の被覆装置。
  6. 前記加熱手段は、前記密閉ケーシング内に配設された高周波誘導加熱用のコイル及び導電性部材を備えることを特徴とする請求項2ないし5のいずれかに記載の埋設管の接続部の被覆装置。
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