JP2015038242A - 金属フォームを合成する方法、金属フォーム、その使用法、及び係る金属フォームを含む装置 - Google Patents

金属フォームを合成する方法、金属フォーム、その使用法、及び係る金属フォームを含む装置 Download PDF

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Abstract

【課題】多孔質マイクロメートル構造を有する少なくとも1つの金属Mの金属フォームを製造する方法、装置、及び得られる金属フォームを提供する。
【解決手段】金属フォームの製造方法は、接触グロー放電電解の1工程を含み、上記電気分解は、連続電源22に接続された陽極18と陰極20が浸された電解液16を含む装置10によって行われる電解プラズマ還元法であり、電解液16が、溶媒中にカチオン形態の少なくとも1つの金属Mを含み、更にゼラチンを含む。また、上記方法によって得られる金属フォーム、上記フォームの使用法、及びそのようなフォームを含む装置に関する。
【選択図】図1

Description

本発明は、低密度金属フォームを合成する方法に関し、そのようなフォームは、三次元多孔質マイクロメートル構造を有する。「マイクロメートル構造」は、構成要素、即ち、ストランドが、0.1μm〜100μm、更には0.01μm〜100μmの寸法(長さ)を有する構造を意味するように解釈される。
本発明は、また、多孔質金属フォームに関し、この場合、ストランドは、これらの同じ範囲にある寸法(又は、長さ)を有し、上記金属フォームは、この合成法によって得られる。
本発明は、また、特に触媒及び電子回路の分野におけるそのような金属フォームの使用に関する。
本発明は、最終的に、そのような金属フォームを含む装置に関し、そのような装置は、特に、微小電極又はマイクロセンサとされうる。
触媒、吸収剤及び電子装置などの多くの応用分野、及び/又はセンサ、バッテリ、及び水素などの気体を貯蔵する装置などの様々な装置で使用するために、現在、低密度金属フォームを合成する多数の研究が行われている。
「低密度金属フォーム」という表現は、見掛密度が、対応する金属の理論密度の10%以下の金属フォームを意味するように解釈される。
そのような金属フォームは、マイクロメートル、更にはナノメートルの三次元多孔質構造を有する金属材料から構成される。「ナノメートル構造」又は「ナノ構造」という表現は、構成要素(即ち、ストランド)が1nm〜100nmの寸法(長さ)を有する構造を意味するように解釈される。
そのようなマイクロメートル構造により、そのような金属フォームは、高い比表面積を有し、これにより、金属フォームに多くの利点が与えられ、特に、きわめて高速な電気化学応答性能を備える。したがって、そのような金属フォームを使用してガスマイクロセンサと微小電極を製造することが想定されており、そのような微小電極は、特にエレクトロニクス産業に用いることができる。
金属フォームの合成を可能にする既知の方法の中でも特に、「高電流密度」として知られ、電解液中に存在する金属カチオンの電解還元が行われる電気分解を実施する方法が挙げられる。この方法によれば、金属イオンのこの電解還元(1)は、同時に起こる水の電解還元(2)を伴う。対応する電解還元反応は、陰極の表面で起こり、それぞれ以下のようなものである。
Mは金属を表し、nは整数である。
水の電解還元は、陰極の表面に、金属フォームの隙間又は小孔を形成するためのマトリクスとして働く水素の多数の泡から形成されたガス放出を生成する。したがって、陰極の表面に、金属フォームの形で還元された金属Mの析出が観察される。実際には、この付着は、多孔質構造を有し、小孔の形成は、電解質中に存在する水の還元から得られる水素の泡によって保証される。しかしながら、高電流密度でこの電解還元方法によって得られるような金属フォームの小孔は、規則的で均質なサイズを有しておらず、このサイズは、特に、放出される水素の泡の合体現象により、金属フォームの厚さと共に大きくなることが分かる。更に、陰極の表面に析出するこの金属フォームの厚さは、やはり放出される水素の泡のこの合体現象により、数百マイクロメートルに制限される。更に、この金属フォームが、きわめて脆く、また取り扱いにくく更に成形し難いくいことがあることが分かる。
非特許文献1(本明細書の末尾の参考文献[1])は、金属フォームを合成する別の方法について述べており、上記方法は、接触グロー放電電解の工程を含む。
接触グロー放電電解法(CGDE)は、過去数年にわたって幾つかの研究分野で関心の回復が見られた方法である。
非特許文献2(参考文献[2])で、著者は、酸化表面を処理するためにこのCGDE法の実施について述べている。
また、非特許文献3(参考文献[3])を参照すると、文献に記載されたこのCGDE法の応用例が検討されている。そのような応用例の中でも特に、非導電材料の微細加工、廃水の処理、表面処理、及びナノ粒子の合成の処理が挙げられている。詳細には、この出版物[3]は、ニッケル、銅、白金又は金のコロイドナノ粒子、白金と金の混合コロイドナノ粒子、並びにニッケル、チタン、銀又は金のコロイドナノビーズの合成について報告している。これらのナノ粒子又はナノビーズは、電解液中に懸濁状態なので、「コロイド」として知られる。そのようなナノ粒子の一部は、数十ナノメートルから数ナノメートルの範囲にある粒径を達成できることが述べられている。詳細には、数nm〜約50nmの粒径を有するニッケルナノ粒子と、5nm〜約30nmの粒径を有する銅ナノ粒子が合成された。しかしながら、出版物[3]には、ナノ材料、更には金属フォームの合成について述べられていない。実際には、ナノ粒子のサイズを制御し陰極での金属析出の形成を防ぐために、この出版物[3]は、ナノ粒子のコロイド溶液を確実に得る回転円板電極の使用を教示する。ナノビーズの合成の文脈内で、走査電子顕微鏡を用いた陰極の表面の観察から、数百ナノメートルのサイズを有する比較的分散したナノ球体の存在が分かった。
また、非特許文献4は、コロイドナノ粒子と、特に、銅、白金又は金のナノ粒子、並びに白金と金の混合ナノ粒子を合成するために、今日まで述べられた様々なプロセスを検討しており、これらのナノ粒子のサイズは、30nm〜400nmである。
出版物[3]及び[4]と異なり、出版物[1]は、コロイド金属ナノ粒子ではなく多孔質金属ナノ材料を合成する接触グロー放電電解法の実施を提案している。より正確には、出版物[1]は、周囲温度で行われるそのようなCGDE法によって、ニッケルフォーム基材上にナノ多孔質白金フォームを析出することを含む、複合材料の合成について述べている。出版物[1]で行なわれた試験から、電解液中の白金Pt4+カチオンの濃度が高いほど、ナノ多孔質白金フォームで覆われるニッケルフォームの表面が大きくなり、小孔の平均径が小さくなり、約100nmの値になることが分かった。しかしながら、この出版物[1]に提示された画像は、三次元多孔質マイクロメートル構造の金属フォームを実際に示しておらず、用語「マイクロメートル」は、前に定義された通りである。更に、この出版物[1]には、ナノ多孔質白金フォームを、例えば成形のために、順次析出されたニッケルフォームから分離できることが示されていない。
したがって、本発明の目的は、先行技術の欠点を克服し、低密度金属フォームを合成する方法を提案することであり、低密度金属フォームは、三次元多孔質マイクロメートル構造、更には多孔質ナノメートル構造を有し、上記構造は、その厚さ全体にわたって更に規則的かつ均質であり、高電流密度電解法によって得られるフォームと異なる。
更に、この方法によって、特定の厚さを有する金属フォームを得ることができ、そのような厚さは、有利には少なくとも0.1mmであり、そのような金属フォームは、例えばそのような金属フォームの潜在的用途に適合する形態を与えるために、処理、更には補足的成形工程、詳細には機械加工を可能にするのに十分に固い。
C. Zhou et al. "Nanoporous platinum grown on nickel foam by facile plasma reduction with enhanced electro-catalytic performance", Electrochemistry Communications, 2012,18, 33-36 K. Azumi et al. "Removal of oxide layer on SUS304 using high-voltage discharging polarization", Electrochimica Acta, 2007,52, 4463-4470 2010 publication of R. Wuthrich et al. "Building micro and nanosystems with electrochemical discharges", Electrochimica Acta, 2010,55, 8189-8196 2011 publication of T. A. Kareem et al. "Glow discharge plasma electrolysis for nanoparticles synthesis", Ionics, 2012,18, 315-327
前述及び他の目的は、最初に、少なくとも1つの金属Mの金属フォームを合成する方法によって達成され、上記金属フォームは、三次元多孔質マイクロメートル構造を有する。
本発明によれば、この方法は、接触グロー放電電解の工程を含み、上記電気分解は、連続電源に接続された陽極と陰極が浸された電解液中で行われる電解プラズマ還元であり、電解液は、溶媒中に少なくとも1つの第1の電解質を含み、上記第1の電解質は、カチオン形態の少なくとも1つの金属Mであり、電解液は、更に、ゼラチンを含む。
接触グロー放電電解(CGDE)法は、「電解プラズマ」電解法とも呼ばれ、「電解プラズマ」として知られるプラズマが分極電極と電極が浸される電解液との間に集中する特定の電解法である。
この電解プラズマは、分極電極のまわりのガスのイオン化後に、「臨界電圧」として知られる電圧から形成され、ガス自体は、溶媒並びに電解液中でイオン化されている化合物の一部の電解還元又は電解酸化の際にあらかじめ形成されている。
本発明において、電解プラズマは、ガスエンベロープの形であり、陰極の表面に形成される。電解液中のゼラチンの存在は、直流電流の印加と組み合わされて、陰極のまわりに、このガスエンベロープを維持し封じ込め、したがって電解プラズマを維持し封じ込めることを可能にする。
その際に、陰極の表面に電解プラズマを維持することによって、ゼラチンは、電解液中に、カチオン形態(Mn+)で存在する金属Mから金属フォームを成長させるのに好都合である。
より正確には、本発明による方法によって合成された金属フォームは、ストランドから構成され、上記ストランドは、グレーン成長(germination)の後、還元金属イオンの成長によって得られている。上記ストランドは、実際には、接触グロー放電電解中に形成された電気マイクロアークによって残された痕跡に対応する。そのような電気マイクロアークは、上記電気マイクロアークが電解液と接触するとすぐに、電子移動によって、金属カチオンMn+を金属Mに還元する。ゼラチンの存在は、陰極のまわりにガスエンベロープを維持することによって、上記ガスエンベロープによって形成された空間内、即ち、陰極と電解液との間にある体積内に上記電気マイクロアークの形成を支援する。これらの電気マイクロアークは、陰極の表面から生じ、それぞれ徐々に形成された金属ストランドの端部に伝搬し、それにより、合成金属フォームが拡張し、この拡張は、ガスエンベロープが維持される限り続く。このように電気マイクロアークが、形成された金属ストランドの端まで伝搬することにより、特に均一密度の金属フォームの合成が、その厚さ全体にわたって保証され、同時に金属フォームの中心における高密度化が防止される。
本発明による合成法により、典型的には10%以下、更には0.5%以下のきわめて低い見掛密度を特徴としかつ/又はBET法によって測定され、典型的には250m/g以上の特に高い比表面積を特徴とする金属フォームが得られる。
「見掛密度」という表現は、当該の金属フォームの密度を対応する金属Mの密度と比較して表わした百分率を意味するように解釈される。類似の概念は、「相対密度」であり、これは、金属フォームの密度とこの同じ金属Mの密度との比を表すことに注意されたい。
本発明による方法によって合成された金属フォームは、見掛密度がきわめて低いが、扱い易さは完全なままである。
更に、出版物[1]に記載された金属フォームを合成する方法と異なり、本発明による方法は、かなりの厚さの金属フォームを得ることを可能にし、上記厚さは、少なくとも0.1mmであり、好ましくは0.5mm以上である。
本発明による方法は、実際に、数センチメートルまでの金属フォームの厚さを達成することを可能にする。
明らかに、特に上記金属フォームの後の用途に直接関連した理由及び/又は要件のために、0.1mm未満の厚さを有する金属フォームの析出を行うことが完全に想定されうる。
更に、本発明による合成法は、出版物[1]に記載された合成法の事例のように必ずしもニッケルフォーム基材上ではなく、金属フォームを陰極の表面に直接形成することを可能にする。したがって、少なくとも1つの金属Mの金属フォームを直接得ることが想定され、例えば出版物[1]によって教示されたようなニッケルフォーム基材などの金属フォーム基材との補足的な分離工程に頼らなくてもよい。
しかしながら、本発明の範囲内で、既に形成された(例えば金属M以外の金属で作製された)少なくとも1つの金属フォーム基材を表面に含む陰極に合成法を実施することを妨げるものはない。
また、金属フォームの多層析出を形成するために、金属フォームの連続析出を想定することができ、これらの金属フォームは、同じ金属Mから形成されてもよく少なくとも2つの異なる金属MおよびMから形成されてもよい。
「連続電源(continuous electrical power supply)」は、直流電流、言い換えると連続して循環する電流を提供する電源を意味するように解釈され、したがって、交流又はパルス電流と対照的に、接触グロー放電電解法の間に中断されない。
更に、電解プラズマを維持することは、電解還元の実質的に一定の条件を維持することを可能にし、得られる厚さ全体にわたって規則的で均質の構造を備えた金属フォームに好都合である。
電解液中のゼラチンの使用は、出版物[4]に思いがけず言及されており、出版物[4]は、O. Takaiの以前の出版物 ("Solution plasma processing (SPP)", Pure Appl. Chem., 2008,80(9), 2003-2011)(参考文献[5])を参照する。
この出版物[5]では、実際には、10nmのサイズの金のコロイドナノ粒子は、溶液中プラズマ法(plasma in solution method)によって、印加電圧2500V、パルス幅2μs、電解質としてHAuCl及び添加物としてKCl及びゼラチンとからなる水溶液を含む電解液から合成された。しかし、この出版物[5]に記載された濃度法におけるプラズマは、本発明による方法で実施される接触グロー放電電解法と同等ではない。実際には、2500Vの高電圧を2μsの電解時間と組み合わせて印加することによっては、ガスエンベロープを生成できず、したがって電解プラズマを生成することはできず、とりわけ、単一陰極のまわりに局所的に維持し閉じ込めることはできない。これは、連続直流が実施される本発明の合成法で行われるものと異なる。
更に、出版物[5]は、ゼラチンの使用が、発明者が実証したような電解プラズマに対してゼラチンが及ぼす効果と違って、合成された金ナノ粒子の凝集を防ぐことを可能にすることを教示する。これにより、もしまだ必要である場合は、本発明による合成法を、出版物[5]に記載された濃度法のプラズマとはっきりと区別できることが明らかである。
一般的に言って、本発明による方法は、周囲温度で実施されてもよい。ただし、この方法を上記周囲温度より高いか又は低い他の温度で実施するように想定されてもよい。
本発明の有利な変形物では、金属フォームを合成する方法は、
−陽極と陰極を電解液中に導入する工程と、
−連続電源によって提供された、臨界電圧U以上の電圧を印加して、陰極のまわりに少なくとも部分的に電解プラズマを形成する工程と、
−上記電圧を維持して、電解液中に存在するカチオン形態の金属Mを還元する電気マイクロアークを形成し、陰極の表面に金属Mの金属フォームを形成する工程と、
−電解液からの陰極を引き上げる工程と、
−陰極の表面に形成された金属Mの金属フォームを電位収集する(potential collection)工程とを連続して含む。
したがって、本発明による方法は、電解液中にある金属Mのカチオンから、金属Mで形成された金属フォームを、単一工程で比較的容易に合成することを可能にする。第2の補足的な収集工程は、陰極の表面に形成された金属フォームを分離することを可能にする。
所定の電解液に関してUで示された臨界電圧の決定は、U(Vで表された)で示された印加電圧の関数として測定されるI(Aで表された)で示された強度の曲線を確立することによって行われる。この関数については、後に、図2と図13に関して、それぞれ「電解プラズマによる電解法の実証」と「印加電圧の関数としての強度の曲線に対するゼラチンの影響」の章で述べる。
本発明の特定の実施形態によれば、印加電圧は、強度が上記電圧の関数として実質的に一定の電圧範囲に位置する。
電流が安定しているこの特定の範囲では、電解プラズマは、陰極のまわりに一体的に形成される。したがって、本発明による方法をそのような電圧範囲で実施することにより、金属フォームの多孔質マイクロメートル構造のきわめて良好な再現性を達成することができる。
本発明の特に有利な変形物によれば、陰極は、電圧を遮断する前に電解液から引き上げられる。
実際には、電圧を印加したまま電解液から陰極を引き上げることにより、乾燥しているだけでなく完全性を更に完全に保持する金属フォームが得られる。
別の有利な変形物によれば、本発明による方法は、更に、単独又は組み合わせで行われる少なくとも1つ又は複数の補助工程を含みうる。
詳細には、本発明による方法は、
−電解液を撹拌する工程と、
−少なくとも陰極が電解液内に配置されているときに陰極を回転させる工程とのうちの少なくとも1つの補助工程を含むことができる。
電解液の撹拌によって、上記電解液中にあるイオン種の均一な混合が可能になり、それにより、ガスエンベロープのすぐ近くの金属カチオンMn+の存在と、したがってストランドの形の上記カチオンの減少を維持することができる。この撹拌は、特に、回転磁気撹拌子を使用して実行されてもよく、回転は、例えば、磁気撹拌機又は磁気撹拌子によって保証される。
陰極の回転は、特に、上記陰極を回転モータに取り付けることによって保証されうる。
電圧を印加し維持している間に陰極を回転させることにより、上記陰極の表面に完全に均質で規則的な厚さの金属フォームを形成することできるが、金属フォームのフォームと見掛密度(即ち、相対密度)を変更することもできる。
実際には、陰極を回転させることにより、金属フォームの見掛密度を、約0.2%でもよい見掛密度値まで更に低下させることができ、更に、金属フォームは、完全に取り扱いやすいままである。特に、0.2%の見掛密度及び/又は約500m/gのBET比表面積を同時に有する金属フォームを合成することができる。
しかしながら、電解液中で陰極を回転させることにつきもののこの見掛密度の低下は、ストランドの形の構造を劣化させずに起こり、詳細には、ストランドは0.1μm〜100μm、更には0.01μm〜100μmの寸法(即ち、長さ)を有する。
陰極が、合成金属フォームの劣化のリスクなしに、最大5000rpmの角速度で回転されてもよく、この合成金属フォームは、何らかの方法によって周囲のガスエンベロープによって保護されることに注意されたい。
本発明の一実施形態によれば、電極への印加電圧の値は、10V〜100V、有利には15V〜50V、及び好ましくは20V〜30Vである。
上で使用し本出願で使用されている「・・・〜・・・(comprised between … and …)」という表現は、範囲の値だけでなく上記範囲の境界値も定義することを理解されるべきであることに注意されたい。
本発明の別の実施形態によれば、電極への印加電圧の値は、5秒〜5分、有利には10秒〜2分、及び好ましくは20秒〜60秒の継続時間維持される。
本発明の別の実施形態によれば、金属フォームを合成する方法は、更に、収集された金属フォームを形成する工程を含む。
この成形工程は、詳細には、本発明による合成法の終わりで収集された金属フォームの機械加工でよい。
また、この成形工程が本質的に電鋳にあることを想定することもできる。したがって、金属フォームの成長は、上記金属フォームに与えたい形状に対応する形状を有する陰極上で行われる。
電気鋳造法によるこの成形は、その後に機械加工が続き完成されることを想定することを妨げるものではない。
前述したように、電解液は、ゼラチンを含む。
ゼラチンの存在によって、電解プラズマと、より一般には合成金属フォームに与えられる効果は、電解液中のゼラチンの濃度がきわめて低いときでも得られることに注意されたい。
電解液中のこのゼラチン濃度は、200g/l以下、好ましくは1g/l〜100g/l、より好ましくは5g/l〜50g/l、更により好ましくは10g/l〜25g/lである。
電解液中のゼラチン濃度が、接触グロー放電電解を実施する前の、電解液の溶液中のゼラチンの濃度を意味するように解釈されることは明らかである。
電解液にゼラチンを粉末の形で導入することが有利であることに注意されたい。電解液中のゼラチンの完全溶解を保証するために、上記電解液の加熱が必要なことがあることが分かる。
本発明の別の実施形態によれば、電解液中にある第1の電解質は、金属塩であり、その場合、カチオン形態の金属Mが、少なくとも1つのアニオンと、必要に応じて1つ又は複数のカチオンと結合し、例えば2倍又は3倍の金属塩を形成する。
有利には、この金属塩は、金属Mの硫酸塩SO 2−、硝酸塩NO、ハロゲン化合物X(Cl、Br、又はI)、シアニドCN、および水酸化物OHから選択された少なくとも1つの要素を含む。
本発明の一実施形態によれば、電解液中の第1の電解質の濃度は、溶媒中の上記第1の電解質の溶解度以下である。
したがって、第1の電解質は、電解液中の溶液に一体化していることが分かる。
ゼラチン濃度に関して以前のように、電解液中の第1の電解質の濃度は、接触グロー放電電解を実施する前の電解液の溶液中のこの第1の電解質の濃度を意味するように解釈される。
第1の電解質のこの濃度は、0.1mol/l〜2mol/l、好ましくは0.2mol/l〜1mol/lである。
本発明の別の実施形態によれば、電解液の溶媒は、水と、好ましくは脱塩水である。
しかしながら、他の溶媒の使用が想定されてもよく、そのような溶媒は、水なしでもよい。
したがって、特に、アルコール、エーテル、炭化水素、特にベンゼンやトルエンなどの芳香族炭化水素などの有機溶媒を使用することが想定されてもよい。
また、溶融塩などの溶媒を使用することもできる。そのような仮説では、合成法は、周囲温度ではなく、溶融塩培地における電解法と適合する電解液温度で実行される。
本発明の別の実施形態によれば、電解液は、更に、少なくとも1つの第2の電解質を含む。
この第2の電解質は、電解液の導電率を改善できるように選択される。
本発明の変形物によれば、第2の電解質は、強電解質であり、この強電解質は、電解液の溶媒中で完全に又は実質的に完全に解離又はイオン化するという利点を有する。
電解液中にあるこの第2の電解質は、塩、酸又は塩基から選択されると有利である。
塩類の中では、特に、塩化ナトリウムNaCl又は塩化カリウムKClが挙げられうる。
酸の中では、特に硫酸HSOが挙げられうる。
塩基の中では、特に水酸化ナトリウム又はソーダNaOHが挙げられうる。
本発明の一実施形態によれば、第2の電解質の濃度は、電解液で、溶媒中の上記第2の電解質の溶解度以下である。
したがって、第2の電解質は、電解液の溶液中に一体的であることが分かる。
ゼラチン濃度に関して以前のように、電解液中の第2の電解質の濃度は、接触グロー放電電解を実施する前の、電解液中の溶液におけるこの第2の電解質の濃度を意味するように解釈される。
第2の電解質のこの濃度は、0.1mol/l〜18mol/l、好ましくは0.5mol/l〜10mol/lである。
本発明による合成法では、直流電流の循環を中断させないように陰極と陽極を位置決めしなければならないこと以外、電極の配置に関して特定の要件はない。ついでながら、出版物[5]が、0.3mmの極めて限られた電極の隙間を課していることに注意されたい。
本発明の有利な実施形態では、陰極は、少なくとも1500℃の高い融解温度を有する材料で作製される。特に、ステンレス鋼、タンタル又はタングステンで作製された陰極の使用を想定することができる。
本発明の有利な実施形態では、特に金属フォームの電気鋳造法による成形が想定されるとき、陰極は回転している。
本発明の有利な実施形態では、陽極は、不活性金属で作製される。したがって、電解液中にある化合物の一部で起こる酸化反応の座は、電解プラズマ電解法で溶解しない。
そのような陽極は、特に白金で作製されうる。
本発明の別の有利な実施形態では、陽極は、金属Mで作製される。この場合、陽極は、CGDE法において消費されるので、「可溶性陽極」と呼ばれる。
接触グロー放電電解の際に金属Mでできた可溶性陽極に生じる電解酸化の作用と、必要に応じて、電解液中に第2の電解質(強電解質)があるときにその腐食作用により、上記電解質は、更に、第1の電解質の解離によってすぐに得られる金属カチオンMn+を既に含み、以下の電解酸化反応(3)により、金属カチオンMn+の濃度が高くなる。
金属Mは、実施される電解液中の電気分解によって還元されうるように選択されることは明らかである。
本発明の有利な実施形態では、金属Mは、遷移金属と卑金属から選択された少なくとも1つの元素を含む。
したがって、金属Mは、遷移金属か卑金属のいずれかの単一金属から成ってもよいが、2つの金属を含んでもよく、更には、それにより金属合金を形成してもよい。
遷移金属の中でも特に、ニッケル、パラジウム、白金、銅、銀、金などの10族と11族の遷移金属が挙げられる。
卑金属の中でも特に、すずが挙げられる。
有利には、金属Mは、ニッケル、銅、銀、すず、白金及び金から選択された少なくとも1つの元素を含む。
銅フォームの合成に関して、特に、第1の電解質として、硫酸銅(例えば、水和硫酸銅CuSO4・5HO)の使用を想定することができる。また、シアン化銅カリウムCu(CN)Kなどの二重金属塩の使用を想定することもできる。金フォームの合成に関して、出版物[5]に述べられているように、化合物HAuClの使用を想定することができる。
本発明による方法を実施すると、有利には以下の特徴の一方及び/又は他方を有する陰極の表面に形成された金属Mの金属フォームを得ることができる。
・0.1mm〜10mm、好ましくは0.3mm〜5mm、より好ましくは0.5mm〜2mmの厚さ。
・対応する金属Mの理論密度の10%以下、好ましくは1%〜8%、より好ましくは1.5%〜5%の見掛密度ρ。
詳細には、M=Cuの場合、本発明による方法は、1g/cm以下、好ましくは0.10g/cm〜0.80g/cm、より好ましくは0.15g/cm〜0.50g/cmの見掛密度ρを有する銅フォームを得ることを可能にする。
本発明は、第2に、多孔質マイクロメートル構造、換言すれば、構成要素、この特定の事例ではストランドが0.1μm〜100μm、更には0.01μm〜100μmの寸法(長さ)を有する多孔質構造、を有する少なくとも1つの金属Mの金属フォームに関する。
本発明によれば、上記金属フォームは、上に定義された合成法を実施することにより得ることができる。
より詳細には、上記金属フォームは、接触グロー放電電解工程を含む方法によって得ることができ、上記電気分解は連続電源に接続された陽極と陰極が浸された電解液内に導かれる電解プラズマ還元であり、電解液は、溶媒中に少なくとも1つの第1の電解質を含み、上記第1の電解質は、カチオン形態の少なくとも1つの金属Mであり、電解液は更にゼラチンを含む。
金属フォームの合成を可能にする方法の他の有利な特徴に関して、以前に定義された特徴が参照される。
本発明によるそのような金属フォームは、出版物[1]に記載された方法によって得られるナノ多孔質白金の析出と構造的に区別されうる。実際には、出版物[1]に示されたように、ナノ多孔質白金の析出は、カチオンPt4+の還元により得られ均一の粒径分布を有する白金ナノ粒子のスタックから構成される。このスタックは、この同じ出版物[1]の画像でも観察でき、本発明による金属フォームの構造(ストランドから構成された構造)と非常に明確に区別できる構造を特徴とするナノ多孔質網状構造となる。
前述したように、本発明による金属フォームは、典型的には10%以下、更には0.5%以下のきわめて低い見掛密度、及び/又はBET法により測定され、典型的には250m/g以上の特に高い比表面積を特徴とする。
第3に、本発明は、上に定義されたような多孔質マイクロメートル構造を有する少なくとも1つの金属Mの金属フォームの使用に関する。
本発明によれば、この金属フォームは、触媒、宝飾品、吸収剤、バッテリ、新しい形態のエネルギー、又は電子装置の分野で有利に使用される。
したがって、宝飾品の分野では、金属フォームで作製された宝飾品(例えば、詳細には24カラットの金宝飾品)を製造するか、宝飾品にめっきを施してその磨耗抵抗を高めることができる。
第4に、本発明は、上に定義されたような多孔質マイクロメートル構造を有する少なくとも1つの金属Mの金属フォームを含む装置に関する。
本発明によれば、この装置は、特に、微小電極、マイクロセンサ(詳細にはガスマイクロセンサ)、バッテリ、又はその代わりの貯蔵装置(詳細にはガス貯蔵装置)でよい。
本発明のその他の特性及び利点は、以下の記述の補足を読むことでより明らかになり、補足は、様々な金属フォーム(この特定の事例では銅フォーム)の合成に関し、また金属フォームのフォーム、体積及び構造、電圧の関数としての強度の曲線I=f(U)、並びに銅の還元に対する様々なパラメータの影響、及び詳細にはゼラチンの影響に関する。
この詳細な説明は、特に添付図1〜図20を参照し、単に発明の内容の実例として示され、いかなる場合でも上記主題の制限とならないことに注意されたい。
詳細には、後で詳述される銅フォームを合成する方法は、銅以外の1つ又は複数の金属のフォームの合成に置き換えられることは明らかである。
試験中に使用される試験的装置の概略図である。 実験的に得られた、U(Vで表された)で示された印加電圧の関数として測定されたI(Aで表された)強度の曲線を表わす図である。 10Vの電圧の印加中に従来の電気分解によって得られる陰極上の銅の析出物の画像に対応する図である。 25Vの電圧の印加中に接触グロー放電電解によって得られる陰極上の銅の析出物の画像に対応する図である。 U(Vで表された)で示され実験的に得られ印加された電圧の関数としてT(℃で表された)で示された温度の曲線を示し、これらの温度は、図1に表わされた試験的装置の陰極の代わりの熱電対の表面で測定される。 接触グロー放電電解によって銅フォームを合成するためにとる操作手順の連続工程を概略的に表す。 接触グロー放電電解によって銅フォームを合成するためにとる操作手順の連続工程を概略的に表す。 接触グロー放電電解によって銅フォームを合成するためにとる操作手順の連続工程を概略的に表す。 接触グロー放電電解によって銅フォームを合成するためにとる操作手順の連続工程を概略的に表す。 図6A〜図6Dに示された操作手順の終わりに得られる銅フォームの画像に対応する図である。 図7の銅フォームの顕微鏡画像に対応し、双眼拡大鏡を使用した観察図である。 図7の銅フォームの顕微鏡画像に対応し、走査電子顕微鏡(SEM)を使用した観察図である。 図7のこの同じ銅フォームの走査電子顕微鏡(SEM)を使用して撮影された画像に対応する図であり、フォームの内部に対応する。 図7のこの同じ銅フォームの走査電子顕微鏡(SEM)を使用して撮影された画像に対応する図であり、フォームの外側に対応する。 電解プラズマ電解法の実施後に陰極の表面で合成される銅フォームの画像に対応する図である。 電解プラズマ電解法の実施後に陰極の表面で合成される銅フォームの画像に対応する図である。 [ゼラチン](g/lで表された)で示されたゼラチン濃度の関数として、当該の電解液のt(sで表した)で示されたガスエンベロープを維持する時間の曲線を表わすグラフである。 45秒の継続時間の電解プラズマ電解法の実施後に陰極の表面に合成された銅フォームの画像に対応する図である。 60秒の継続時間の電解プラズマ電解法の実施後に陰極の表面に合成された銅フォームの画像に対応する図である。 電解プラズマ電解法で電解液A〜Eの実施で得られたような、U(Vで表された)で示された印加電圧の関数として測定されたI(Aで表された)で示された強度の曲線を表わすグラフである。 30Vの印加電圧下で10秒間実行された電解プラズマの実施において、当該の電解液の[ゼラチン](g/lで表された)で示されたゼラチン濃度の関数として測定されたR(%で表された)で示された陰極効率の曲線を表わすグラフである。 電解プラズマ電解法で、25Vの印加電圧で10秒間、電解液A〜Eの実施で合成された銅フォームの走査電子顕微鏡(SEM)を使用して様々な倍率で撮影された画像をまとめた図である。 電解プラズマ電解法で、25Vの印加電圧で10秒間、電解液Eの実施により合成された金属フォームのエネルギー分散分析スペクトルに対応する図である。 電解プラズマ電解法で、25Vの印加電圧で10秒間、電解液Eの実施により合成された金属フォームの顕微鏡と走査電子顕微鏡(SEM)により撮影された画像をまとめた図である。 電解プラズマ電解法で、35Vの印加電圧で10秒間、電解液Eの実施により合成された金属フォームの顕微鏡と走査電子顕微鏡(SEM)により撮影された画像をまとめた図である。 本発明による電解プラズマ電解法で、25Vの印加電圧で15秒間、電解液Eの実施により合成されたMM1で示された金属フォームの顕微鏡を使用して撮影された画像に対応する図である。 本発明による電解プラズマ電解法で、25Vの印加電圧で15秒間、電解液Eの実施により合成されたMM2で示された金属フォームの顕微鏡を使用して撮影された画像に対応する図である。 本発明による電解プラズマ電解法で、25Vの印加電圧で15秒間、電解液Eの実施により合成されたMM3で示された金属フォームの顕微鏡を使用して撮影された画像に対応する図である。 本発明による電解プラズマ電解法で、25Vの印加電圧で15秒間、陰極をさらに撹拌しながら、維持された電解液Eの実施により合成されたMM5で示された金属フォームの顕微鏡により撮影された画像に対応する図である。 円筒の形に機械加工した後の、図19の金属フォームMM5の顕微鏡により撮影された画像に対応する図である。
試験的装置
図1に、行なった試験の際に使用された試験的装置10を概略的に示す。
この試験的装置10は、電磁撹拌機14上に配置された容量500mlのビーカ12を含む。このビーカ12は、電解液16を含み、電解液16の中には2つの電極、即ち陽極18と陰極20が浸されている。陽極18と陰極20はそれぞれ、連続電源22の正極と負極に接続され、連続電源22は、最高35ボルトまでの電圧を印加することができる。また、陽極18と陰極20間に直列に電量計(図示せず)が配置される。上記電量計は、接触グロー放電電解中に利用された電荷の量を測定することができる。電荷結合素子(CCD)カメラ(図示せず)は、対物レンズがビーカ12内に配置された状態で装備され、陰極20上の金属フォームの形成を実時間で視覚化することができる。
陽極18は、長さ10cm、幅5cm及び厚さ0.2mmの銅片から形成され、一方、陰極20は、タングステン線から構成され、その直径は、0.4〜1mmである。
電解液16は、溶媒中に少なくとも1つの第1の電解質を含み、第1の電解質は、カチオン形態Mn+の金属Mである。電解液16は、更に、強電解質から構成された第2の電解質を含む。
試験が行なわれた際、電解液16は、温度25℃の硫酸銅水溶液から生成され、
−第1の電解質として64g/lの硫酸銅CuSO4・5HO、
−第2の電解質として80ml/lの98%の硫酸HSO、及び、
−溶媒としての脱塩水を含む。
また、電解液16は、ゼラチン、この特定の事例ではゼラチン(CAS 9000708)を含み、その濃度は、0g/l(この溶液は参照電解液に対応する)〜25g/lの範囲でよい。
硫酸銅は、後で分かるように、陰極20で還元される銅カチオンCu2+を生成する塩である。上記硫酸銅は、第2の強電解質(この特定の事例では硫酸)の存在によって、電解液16中で完全にイオン化される。この硫酸の存在は、電解液16の良好な導電率を保証し、更に、銅陽極18の腐食に好都合である。
電解液16の撹拌は、必要に応じて、ビーカ12内に配置された磁気撹拌子26によって保証されうる。
同様に、必要に応じて、陰極20の回転は、陰極20が取り付けられた回転モータ28を使用して保証されうる。
電解プラズマ電解法の実証
接触グロー放電電解法(「電解プラズマ」電解法とも呼ばれる)は、「電解プラズマ」として知られるプラズマが、分極電極と電極が浸された電解液との間に集中した特定の電解法であることを想起されよう。
この電解プラズマは、「臨界電圧」として知られるUで示された電圧によって分極した電極のまわりのガスがイオン化された後で生じ、ガス自体は、溶媒並びに電解質中のイオン化された化合物の一部の電解還元(又は、酸化)の際にあらかじめ形成されている。
この特定の事例で、また後で分かるように、陰極20と電解液16との間に集中した電解プラズマは、陰極20のまわりの水素Hをイオン化し、上記水素自体は、電解液16中にある陽子H+の電解還元中に生成される。
そのような接触グロー放電又は電解プラズマ電解法は、強度Iの測定を印加電圧Uの関数I=f(U)として確立することによって実証されうる。
したがって、図2は、測定されたアンペア(A)で表された強度Iの曲線を、ボルト(V)で表された陰極20に印加された電圧Uの関数として示す。この曲線は、前述の硫酸銅の水溶液で作製された電解液16を含む前述の装置10によって、25℃の温度で、ゼラチンのない状態で実験的に得られ、この溶液は、後でわかるように、電解液Aに対応する。
この図2で、この曲線が、それぞれI、II、及びIIIで示された3つの部分に分割されうることが分かり、これらの部分はそれぞれ、個々のプロセスに対応する。
Iで示された曲線の第1の部分は、従来の電解法(この特定の事例では、陰極還元)、換言するとオームの法則に従った純粋な電解法に対応する。ここで、強度は、印加電圧の関数として増大し、「臨界電圧」として知られUで示された25Vの電圧値まで増大する。0〜25Vのこの電圧範囲では、浸された陰極20の表面が、電解液16によって常に濡れたままであり、銅(4)の還元反応の座である。銅(4)のこの還元反応は、最高電圧のために、水素の放出を含む水(5)の還元反応を伴い、この水素は、臨界電圧Uの近くで合体する泡の形である。
対応する電解還元反応は、以下の通りである。
この従来の電解法の際、陰極20の表面に、銅の析出物が形成され、この析出物は、印加電圧が高くなるほど小瘤が増え粉状になる。そのような小瘤状で粉状の析出物の図を図3に示す。図3は、この陰極20に10Vの電圧を印加した際に陰極20の表面に得られる銅の析出物の画像に対応する。
臨界電圧Ucから、強度は、印加電圧の関数として急激に30Vの電圧値まで減少し、その値から強度が安定する。
25Vから30Vの電圧範囲は、IIで示された曲線の第2の部分に対応する。この強度の低下は、印加電圧の関数として、「電解プラズマ」とも呼ばれるガスエンベロープが陰極20のまわりに成長する結果である。この部分IIで、接触グロー放電電解が確立され始める。このガスエンベロープの導電率が、電解液16より低いので、強度は低下する。
曲線のIIIと呼ばれる第3の部分に対応する30Vの電圧値から、ガスエンベロープが、完全に形成され、陰極20を電解液16から分離する。この部分IIIで、強度と接触グロー放電電解法が安定する。このとき測定された強度は、形成された放電に対応し、そのような放電は、「マイクロアーク」又は「マイクロスパーク」としても知られる。
接触グロー放電電解のこのプロセス中に、陰極20の表面に、多数のストランドが絡み合った形の銅の析出物が形成される。金属ストランドのそのような機構は、「金属フォーム」として知られるフォームと類似する。銅の多数のストランドの析出によって形成されたそのような金属フォームの図を図4に示す。図4は、この陰極20に25Vの電圧を印加している間に陰極20上に得られる銅の析出物の画像に対応する。
記述した接触グロー放電又は電解プラズマ電解法のこの実証は、更に、この陰極20に印加電圧の関数としての陰極20の表面の温度を測定することによって確認されうる。
その確認のため、前述の試験的装置10を修正した。陰極20は、電解プラズマが先端に形成される金属熱電対と置き換えられた。熱電対によって示された温度測定値は、印加電圧が10Vから35Vまで変化する間、図5に表わされた曲線で報告された。測定が+/−10℃の不確実さで行なわれたことに注意されたい。
図5に表わされたこの曲線が示すように、熱電対によって測定された温度は、陰極20の表面の温度に対応し、30Vの印加電圧から急激に上昇する。この温度は、ガスエンベロープ(即ち、「電解プラズマ」)が完全に形成される温度に対応する。35Vの電圧では、測定温度は180℃に達する。文献において、この180℃の温度は、このタイプの電解プラズマの「常温」と呼ばれ、更に「低温プラズマ」とも呼ばれる。
様々な銅フォームの合成
電解液
A〜Eで示した様々な電解液を調製した。これらの電解液の組成を下の表1に詳述する。
これらの溶液A〜Eは、溶媒として脱塩水によって調製された水溶液である。使用されたゼラチンは、登録番号CAS 9000708であり、粉末の形で混合物に導入される。上記混合物は、ゼラチンが各電解液B〜Eに完全に溶解できるように、60℃の温度に加熱される。
これらの電解液A〜Eは、接触グロー放電電解法を実施するために、前述した試験的装置10のビーカ12に連続的に導入される。
ここで、上記電解プラズマ電解法を実施するためにとった操作手順について述べる。
操作手順
後述する操作手順は、電解液16の実施と関連して述べられ、電解質16の組成は、上記の表1で詳述したような電解液Aの組成に対応する。この電解液Aは、ゼラチンを含まず、したがって、出版物[1]によって教示された参照電解液に対応する。しかしながら、この操作手順が、本発明による金属フォームを合成する方法を実施するために、電解液B〜Eと完全に置換え可能であることに注意されたい。
既に理解されたように、ガスエンベロープ(即ち、電解プラズマ)の形成と成長は、臨界電圧Uc(この場合には25V)の印加によって陰極のまわりで行われる。
図6A〜図6Dを参照して、銅金属フォームを合成するためにとった操作手順の連続工程を概略的に示す。
図6Aに表わされたように、試験的装置10の陽極18と陰極20は、電解液16に浸される。陽極18は、電源22の陽極に接続され、陰極20の方は、この電源22の陰極に接続される。図6Aに表わされたように、電源22は、この正確な瞬間に、電圧(U=0V)を提供しない。
特に明示的に示さない限り、以下の試験は、電解液16の撹拌なしにかつ陰極20を回転させることなく行なわれたことに注意されたい。
次に、電源22が、25V〜35Vの電圧に調整され、電解プラズマ24の形成及び成長を保証し始める(図6B)。図6Bと図6Cに示された事例では、電源22によって提供される電圧は、U=25Vに設定される。
25Vの電圧が印加されるとすぐに、電解プラズマ24が、陰極20のまわりに生じそして成長する。電気マイクロアークが生じ、陰極20の表面から電解プラズマ24と電解液16の間にある境界面に向けて発達する。そのような電気マイクロアークが、陰電荷からなるので、電解液16中にある銅カチオンCu2+は、前述の電解還元反応(4)により、各電気マイクロアークの終わりに減少する。銅カチオンCu2+のこの減少によって、陰極20の表面に、複数の銅ストランドの絡み合いから構成された銅フォーム30が形成され、上記ストランドは、接触グロー放電電解(CGDE)又は電解プラズマ電解法の際に形成されたマイクロアークの「ネガ」を表わす。この金属フォーム30の形成と成長は、図6Bと図6Cに示されている。この金属フォーム30の成長は、電解プラズマ24が維持される限り続く。
電源22の起動の約10秒後に、陰極20は、25Vの電圧が印加されたまま、電解液16(この特定の事例では電解液A)から引き抜かれる。実際には、陰極20の表面に形成された銅金属フォーム30の完全性を保つために、図6Dに表わされたように、陰極20が電解液16から取り出された後で、電源22によって提供される電圧を遮断することが好ましい。そのような条件で、陰極20の表面に形成された金属フォーム30は、完全に乾く。この銅フォーム30は、比較的脆いものの、それにもかかわらず、小さいブラシを使って押すことで、陰極20から銅フォームを取り外すのに十分な機械強度を有する。
電解液Aによって得られた銅金属フォーム30の画像を図7に示す。この図7では、上記銅フォーム30が、電解プラズマ電解法の際に形成された多数の銅ストランドの絡み合いから生じた胞状構造を有することが分かる。
金属フォーム30の空間的配置を確認するため、上記金属フォーム30の顕微鏡画像を撮影した。図8Aは、双眼拡大鏡を用いて観察によって得られた画像であり、図8Bは、走査電子顕微鏡(SEM)を用いた観察によって得られた画像である。銅ストランドが、極めて薄く、マイクロメートルレベルの寸法を有し、また図3に示されたように、従来の電解法の実施によって得られた構造とは通常異なる溶融態様(molten aspect)を有することが分かる。
走査電子顕微鏡(SEM)を使用して撮影された金属フォーム30の内側と外側の画像にそれぞれ対応する図9Aと図9Bを参照すると、この銅金属フォーム30が、その中心と縁に、構造と密度が同一のナノメートル構造を有することに注意されたい。その結果、多孔率は、電解プラズマ電解法の実施により得られた金属フォーム30の析出物の厚さ全体に一定である。
行なった試験と得られた結果
前述の操作手順を上の表1の電解液B〜Eによって再現した。
金属フォームの形態と体積に対するゼラチンの効果
電解液Aによって得られた金属フォームは、その厚さの全体にわたって多孔質マイクロメートル及び均質構造を有することが分かった。しかしながら、図4と図7の画像で分かるように、電解液Aによって合成された金属フォームが、組織的に不規則な一般形態を有するという事実が残る。
これに対して、電解液B〜Eから合成された金属フォームの方は、その厚さ全体にわたって同じ特徴の多孔質マイクロメートル及び均質構造を有するだけでなく、きわめて規則的な一般形態も有する。
合成金属フォームの一般形態に存在する重要な違いを視覚化するために、図10Aと図10Bについて言及する。
これらの図10Aと図10Bは、同一操作条件、即ち25Vの電圧が5秒間維持された条件下で、電解プラズマ電解法の実施後に陰極の表面に得られた銅フォームの画像に対応する。より正確には、図10Aの画像は、電解液Aの実施で得られた銅フォームに対応し、図10Bの画像は、電解液Eの実施により得られた銅フォームに対応する。
図10Aと図10Bのこれらの2つの画像の比較から、本発明の方法により合成された金属フォームの一般形態は、規則的であり(図10B)、図10Aの画像の金属フォームと違って、脆弱又は破断領域がないことは明らかである。
更に、前述したように、電解液Aから合成された金属フォームは、比較的脆弱である。小さいブラシを使って細やかに作業を進めることによって、金属フォームが表面に形成された陰極から取り外すことができるが、上記金属フォームを、その後の成形工程(例えば機械加工による)にかけることは絶対に想定できない。この脆弱性は、特に、図10Aの画像で明らかなように、一般的不規則形態に関連付けられる。
この形態の不規則性は、電解液Aの実施により得られる金属フォームの特徴であり、接触グロー放電電解法の際、より詳細には金属フォームの成長の際に、ガスエンベロープ(即ち、電解プラズマ)の変形によって生じる。実際には、CCDカメラを用いて、接触グロー放電電解の際に陰極20の高さで起こる現象を観察することによって、金属フォームの形成が、素早く、10秒ほどで、かなり激しく行われ、これにより、ガスエンベロープが、この金属フォームの成長により生じる力に耐えるのに十分な頑強さを持たず、その結果、陰極20のまわりに規則的形態を保持できなくなることが分かる。更に、15秒後に、このガスエンベロープが壊れ、それにより、電解プラズマが遮断され、形成された金属フォームの完全な破壊が起こることが分かる。
したがって、出版物[1]で教示されたような接触グロー放電電解による金属フォームの合成が、規則的形態を有するフォームを得ることを可能にするが、得られた金属フォームの体積に関して制限されることに注意されたい。実際には、ゼラチンがない状態で得ることができる金属フォームの厚さは、電解プラズマの継続時間が15秒を超える場合のこの金属フォームの破壊のため、最大で約0.5mmである。
これと反対に、ゼラチンを含む電解液を実施することにより、ガスエンベロープを得ることができ、このガスエンベロープは、CCDカメラ画像から分かるように、金属フォームの成長中に陰極のまわりに均一のままであり、15秒より明らかに長く持続する。
図11は、この現象をはっきりと示す。この図11では、25Vの電圧下で生成された電解プラズマ電解法で形成されたガスエンベロープの破断を引き起こす時間の終わりが、実施された電解液A〜Eのゼラチン濃度の関数として報告される。
図11が示すように、電解液中のゼラチン濃度が高いほど、ガスエンベロープの抵抗が大きくなり、その結果、電解プラズマを維持する時間が長くなる。
既に分かっているように、電解プラズマが、電解液Aを実施した15秒の終わりに破壊した場合、この電解プラズマは、電解液Bでゼラチンの濃度が1g/lしかない場合に2分間維持され、更にはゼラチンの濃度が10g/lと25g/lの場合(電解液D及びE)は4分に達することさえある。
しかしながら、十分な体積の金属フォームを得るには、必ずしも1分より長い時間にわたって電解プラズマを維持しなければならないわけではない。実際には、電解液B〜Eにより実施された電解プラズマのわずか45秒後に、陰極の表面に、約3〜4mmの厚さを有する金属フォームの析出物が得られ、この厚さは、ゼラチンを含まない電解液で得ることができる金属フォームの析出物の厚さを十分に超える。
実際には、1分後に、図12Bの画像が示すように、金属フォームはより不規則な一般形態をとる。
図12Aと図12Bは、本発明による方法で電解液Eを実施した後に、陰極の表面で得られる銅フォームの画像に対応する。25Vの電圧下で生成された電解プラズマは、図12Aのケースでは45秒維持され、図12Bのケースでは60秒間維持された。
印加電圧の関数としての強度の曲線に対するゼラチンの効果
印加電圧の関数としての強度の曲線に対するゼラチンの効果を評価するために、図13について言及する。
この図13は、U(Vで表した)で示した印加電圧の関数として測定されたI(Aで表した)で示した強度の曲線を表わし、この曲線は、電解プラズマ電解法で、電解液A〜Eを25℃の温度で実施することにより得られた。
ゼラチン濃度が高いほど、曲線の第1の部分(オーム部分)で測定された強度が低くなることが分かる。この強度は、臨界電圧Uよりも低い電圧に対応し、これは従来の電解が存在する状態であることが分かる。実際には、電解液中のゼラチン濃度が高くなるほど電気抵抗が大きくなる。この電気抵抗の増大は、電子の移動を制限し、したがって、電気化学の反応中に交換される電荷の量を制限する。
また、ガスエンベロープが陰極のまわりに生じ始める臨界電圧Uの値は、ゼラチンを含まない電解液Aの実施で25Vであり、ゼラチンを含む電解液B、D及びEの実施で20Vの値に到達することが分かる。
ガスエンベロープが陰極のまわりに完全に形成されたときに接触グロー放電電解が安定し、そのような安定化は、印加電圧値が、強度が上記電圧の関数として実質的に一定である電圧の範囲内にあるときに生じることを想起されたい。
更に、この接触グロー放電電解は、電解液がゼラチンを含むときにはもっと低い電圧値で安定し、詳細には電解液C、D及びEの実施で25Vの値から安定することが分かる。
発明者を拘束するものではないが、前述の観察を説明するために立てられた仮説は、ゼラチンが、陰極の表面に、電解液に含まれるプロトンの電解還元による水素の放出により形成されたガスエンベロープをより適切に含むことを可能にし、同時に上記電解液中の上記ガスエンベロープの溶解度が低下するというものである。したがって、電解液がゼラチンを含むとき、ガスエンベロープは、電解液がゼラチンを含まないときよりも低い電圧で完全に形成製され、したがって、ガスのイオン化を可能し、やはりより低い電圧での電解プラズマの完全な形成を可能にする。
最後に、図13から、電解液中のゼラチン濃度に関係なく、接触グロー放電電解法の安定化に対応する曲線の第3部分で測定された強度の値は、ゼラチンを含まない電解液の事例と同じように、一定であり、約0.5Aであることに注意されたい。これは、電解プラズマ内の電荷の量が一定であるという事実を反映する。
銅の還元に対するゼラチンの効果
銅の還元に対するゼラチンの効果を決定するために、陰極効率Rが決定される。この陰極効率Rは、陰極に実際に析出した銅の質量(mCu depositedで示された)と、上記陰極に析出するはずの銅の理論質量との比率として定義され、これは、電解プラズマ電解法で使用された電荷の全てが、以下の式(6)により、銅(mCu theoreticalで示された)の電解還元に使用された場合のものである。
この陰極効率Rは、30Vの印加電圧下で10秒間、電解液B〜Eのそれぞれで行われた電解プラズマ電解法の実施の終わりに得られた各金属フォームに関して計算された。
銅の論理質量mCu theoreticalの決定には、ファラデーの第1法則が使用され、この法則は、1グラム当量の金属を還元するために96,485Cを必要とするというものであり、グラム当量は、上記金属の質量数と、上記金属の1つの原子の還元のために交換される電子の数との比である。銅の論理質量mCu theoreticalは、回路に流れた電気の量の関数として、以下の式(7)で示される。
ここで、
Q=測定された電気量(Cで表した)
F=ファラデー定数(即ち、96,485C/mol)
M=銅の質量数(g/molで表した)(即ち、63.546g/mol)
n=前述のような銅の電解還元反応(4)中に活用された電子の数。即ち、n=2。
電解プラズマ電解法中に使用された電荷の総量は、Qで示された電気量に対応し、EGG PARC型電量計を使用して行なわれた電量測定によって決定された。
下の表3に、以下の値を報告する。
−試験の終わりに測定された銅の析出質量mCu deposited(gで表された)。
−試験中に生成された電解プラズマの継続時間中に測定された電気量Q(Cで表された)。
−前述の式(7)を適用して計算された銅の論理質量mCu theoretical(gで表された)。
−前述の式(6)を適用して計算された陰極効率R(%で表した)。
添付図14は、陰極効率Rに対応し、それにより電解液B〜Eのゼラチン濃度([ゼラチン]と示した)の関数として計算された曲線を表す。
この陰極効率Rが、電解液中のゼラチン濃度と共に増大することに注意されたい。したがって、同等の電気量Qに関して、銅カチオンCu2+の電解還元だけに使用される電荷の割合は、約10g/lのゼラチン濃度レベルになるまで、電解液のゼラチン濃度と共に増加する。
ゼラチン濃度が上昇すると、電解液の電気抵抗が大きくなり、したがって、電気抵抗が、理論上、カチオンCu2+の電解還元にとってあまり好都合でなくなることを前に示したが、図14の曲線のようすは、上記ゼラチン濃度の関数としての陰極効率Rの増大が、ガスエンベロープ又は電解プラズマ内の電気密度の増大と直接関連することを示す傾向がある。したがって、ゼラチン濃度が上昇するほど、陰極で生成されて電解液に溶解するガスエンベロープが少なくなる。そのような条件では、ガスエンベロープ内部のガス圧力が大きくなり、電解プラズマのエネルギーが大きくなり、したがって、電気密度が高くなる。
金属フォームの構造に対するゼラチンの影響
電解プラズマ電解法で、25Vの印加電圧で10秒間、電解液B〜Eの実施により様々な金属フォームが得られた。
これらの各金属フォームを特徴を決定するために、その画像を、ESM LMTDIMEB002という名前の走査電子顕微鏡(SEM)を使用して、異なる倍率(2000倍、10000倍、及び70000倍)で撮影した。
図15の画像で分かるように、電解液中のゼラチン濃度を高めることにより、金属フォームの構造を精緻化することができる。
図示したように、1g/lのゼラチンを含む電解液Bで得られた金属フォームが、500nm〜1000nmの寸法を有する銅ストランドから形成され、25g/lのゼラチンを含む電解液Eで得られた金属フォームが、寸法がわずか約100nmの銅ストランドから形成されることが分かる。
更に、電解液のゼラチン濃度が高くなると、金属ストランドの数が増え、また金属ストランド間の隙間の大きさが減少する。
最後に、70000倍の高倍率で撮影された画像から、電解液B〜Dで得られたフォームの金属ストランドが、従来の電解法で得られた銅の析出の構造と似た構造を有する小さい小瘤を含むことが分かる。しかしながら、そのような小瘤の存在が、電解液中のゼラチン濃度と共に減少して、25g/lの濃度で完全に消えることに注意されたい(電解液E)。また、この発見から、電解液のゼラチン濃度が高いほど、カチオンCu2+の電解還元の反応が速く激しくなり、この反応が、おそらく電解プラズマの活性化により、ガスエンベロープと電解液の境界面で起こることが分かると思われる。
走査電子顕微鏡を使用した特徴の決定に加えて、電解プラズマ電解法で、25Vの印加電圧下で10分間、電解液Eの実施で得られた金属フォームが、ESM LMTPCMEB001という名前のエネルギー分散X線分光測定(EDX)を使用して分析されて、上記金属フォームの化学組成が決定された。
得られたスペクトルを図16で報告し、金属フォームのほとんどの元素が、約80%原子の濃度で、銅のままであることを示す。他の2つの元素は、酸素と硫黄であり、電解液中にある他の化合物(CuSO、HSO、及びHO)に由来するものであり、それぞれ約15%原子と5%原子の濃度である。
この発見は、電解液B〜E中にあるゼラチン濃度を考慮した場合でも同じである。
金属フォームの構造に対する印加電圧の影響
図13を参照すると、電解液E中のゼラチン濃度が25g/lの場合に、印加電圧Uの関数としての強度Iの曲線から、電解プラズマを25Vの印加電圧から安定化できることが分かる(図13を参照)。
印加電圧が金属フォームの構造に及ぼす可能性のある影響を決定するために、電解プラズマ電解法でこの電解液Eの実施から、10秒間、2つの異なる電圧(一方が25Vで他方が30V)を印加して、2つの金属フォームを合成した。
顕微鏡及び走査電子顕微鏡(SEM)によって得られた金属フォームの画像から、印加電圧の変化が、金属フォームの構造に影響を及ぼすことが分かる。35Vの印加電圧で得られた銅フォーム(図17B)は、25Vの印加電圧で得られた銅フォーム(図17A)よりも規則的でない構造を有し、割れの存在を特徴とする。更に、35Vの印加電圧で得られたこの銅フォームの金属ストランドは、25Vの印加電圧で得られた銅フォームのものより厚い。したがって、印加電圧が高いほど、電解プラズマに生成されるマイクロアークが多くなることが分かる。
金属フォームの見掛密度の評価
第1の一連の金属フォームMM1〜MM3
質量(mで示され、μgで表された)と見掛体積(Vで示され、cmで表された)を決定するための測定を行って、本発明による合成法により電解液Eから連続的に合成された3つの銅フォームMM1、MM2及びMM3の見掛密度(ρで示され、g/cmで表された)を計算することができた。この方法は、25Vの印加電圧で、15秒間、電解液Eの撹拌も陰極の回転もなしに行われた。
見掛密度ρは、以下の式(8)から計算される。

添付図18A〜図18Cに、3つの金属フォームMM1、MM2及びMM3の顕微鏡画像を報告する。
これらの3つの金属フォームMM1、MM2及びMM3が、実際に、同じ多孔質マイクロメートル構造を有することが分かる。
評価された3つの金属フォームに関して計算された質量m、見掛体積V、及び見掛密度ρの値を、下の表4に報告する。
また、表4には、計算された見掛密度ρの値が、銅の理論密度に対するパーセントで示され、銅の理論密度は、20℃で8.92g/cmである。
しかしながら、本発明による方法を実施することにより得られた金属フォームが、均質で規則的な構造を有する場合でも、これらの図18A〜図18Cの画像で分かるように、完全に球状ではないことに注意されたい。したがって、見掛体積Vの決定と、それによる見掛密度ρの決定には、下の表4に示した不確実さがある。
いずれの場合も、表4に計算され報告された見掛密度の百分率値は、本発明による方法で得られる金属フォームの見掛密度の大きさを示す。
本発明の方法によって得られる金属フォームのそのような見掛密度の百分率値は、最大で約10%である。
第2の一連の金属フォームMM4〜MM7
質量(mで示され、μgで表された)と見掛体積(Vで示され、cmで表された)を決定するための類似の測定を行って、25Vの印加電圧下で15秒間行われた本発明による合成法により電解液Eから連続的に合成された4つの銅フォームMM4、MM5、MM6、及びMM7の見掛密度(ρで示され、g/cmで表された)を計算することができた。
この第2の一連の試験では、前の試験と異なり、電解液Eは、220rpmの角速度で撹拌された状態で維持され、一方、陰極は、合成の間ずっと300rpmの角速度の回転に維持された。
図19の画像は、金属フォームMM5に対応する。
4つの金属フォームに関して前述のように計算された、示された質量mの値、g/cmと%で示された見掛体積Vと見掛密度ρを下の表5に報告する。
フォームMM5に対応する図19の画像を見ると、本発明による合成法が回転陰極により実施されたとき、得られた金属フォームは、均質で規則的な構造を有することに加えて、規則形状でもあることが分かる。
更に、全く驚くべきことに、陰極の回転により、表4で得られ報告されたものより実質的に10分の1より低い見掛密度値を得ることができる。
この特に低い見掛濃度値にもかかわらず、金属フォームMM5は、図20の画像に示されたように、陰極から容易に分離され、円筒の形に機械加工され、その劣化なしにミクロ吸盤を使用して取り扱うことができた。
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Claims (25)

  1. 多孔質構造を有し、ストランドが0.01μm〜100μmの寸法を有する少なくとも1つの金属Mの金属フォームを合成する方法であって、前記方法が、接触グロー放電電解法(CGDE)の1工程を含み、
    前記電気分解が、連続電源(22)に接続された陽極(18)と陰極(20)が浸された電解液(16)中で行われる電解プラズマ還元であり、
    前記電解液(16)が、溶媒中に少なくとも1つの第1の電解質を含み、前記第1の電解質が、カチオン形態の前記少なくとも1つの金属Mであり、前記電解液がゼラチンを含む、金属フォームを合成する方法。
  2. −前記陽極(18)と前記陰極(20)を前記電解液(16)に導入する工程と、
    −前記連続電源(22)によって提供される、臨界電圧U以上の電圧を印加して、前記電解プラズマ(24)を前記陰極(20)のまわりに少なくとも部分的に形成する工程と、
    −前記電圧を維持してカチオン形態の前記金属Mを還元する電気マイクロアークを形成し、前記陰極(20)の前記表面に前記金属Mの前記金属フォームを形成する工程と、
    −前記電解液(16)から前記陰極(20)を引き上げる工程と、
    −必要に応じて、前記陰極(20)の前記表面に形成された前記金属Mの前記金属フォームを収集する工程とを連続的に含む、請求項1に記載の方法。
  3. 前記印加電圧が、前記強度が前記電圧の関数として実質的に一定である電圧の範囲内にある、請求項2に記載の方法。
  4. 前記電解液(16)から前記陰極(20)を引き上げる工程が、前記電圧の遮断前に行なわれる、請求項2又は3に記載の方法。
  5. −前記電解液(16)を撹拌する工程と、
    −少なくとも前記陰極(20)が前記電解液(16)内に配置されたときに、前記陰極(20)を回転させる工程、の少なくとも一方の補助工程を含む、請求項2〜4のいずれかに記載の方法。
  6. 前記印加電圧が、10V〜100V、好ましくは15V〜50V、さらに好ましくは20V〜30Vである、請求項2〜5のいずれかに記載の方法。
  7. 前記印加電圧が、5秒〜5分、好ましくは10秒〜2分、さらに好ましくは20秒〜60秒の継続時間で維持される、請求項2〜6のいずれかに記載の方法。
  8. 収集された前記金属フォームを成形する工程を更に含む、請求項1〜7のいずれかに記載の方法。
  9. 前記成形する工程が、電鋳と機械加工から選択された少なくとも1つの工程を含む、請求項8に記載の方法。
  10. 前記ゼラチン濃度が、前記電解液(16)中で、200g/l以下、好ましくは1g/l〜100g/l、さらに好ましくは5g/l〜50g/l、より好ましくは10g/l〜25g/lである、請求項1〜9のいずれかに記載の方法。
  11. 前記第1の電解質が、金属塩であり、前記金属塩が、有利には前記金属Mの硫酸塩、硝酸塩、ハロゲン化物、シアニドCN及び水酸化物から選択された少なくとも1つの成分を含む、請求項1〜10のいずれかに記載の方法。
  12. 前記第1の電解質の濃度が、前記電解液(16)中で、前記溶媒中の前記第1の電解質の溶解度以下、有利には0.1mol/l〜2mol/l、好ましくは0.2mol/l〜1mol/lである、請求項1〜11のいずれかに記載の方法。
  13. 前記溶媒が、水であり、好ましくは脱塩水である、請求項1〜12に記載の方法。
  14. 前記電解液(16)が、少なくとも1つの第2の電解質を含み、この第2の電解質が、前記電解液(16)の前記導電率を改善することができる、請求項1〜13に記載の方法。
  15. 前記第2の電解質が、塩、酸又は塩基から有利に選択された強電解質である、請求項14に記載の方法。
  16. 前記第2の電解質の濃度が、前記電解液(16)中で、前記溶媒中の前記第2の電解質の溶解度以下、好ましくは0.1mol/l〜18mol/l、さらに好ましくは0.5mol/l〜10mol/lである、請求項14又は15に記載の方法。
  17. 前記陰極(20)が、ステンレス鋼、タンタル、又はタングステンで作製されている、請求項1〜16のいずれかに記載の方法。
  18. 前記陽極(18)が前記金属Mで作製されている、請求項1〜17のいずれかに記載の方法。
  19. 前記金属Mが、遷移金属と卑金属から選択された少なくとも1つの元素を含む、請求項1〜18のいずれかに記載の方法。
  20. 前記金属Mが、ニッケル、銅、銀、すず、白金及び金から選択された少なくとも1つの元素を含む、請求項19に記載の方法。
  21. 前記陰極(20)の前記表面に形成された前記金属Mの前記金属フォームが、0.1mm〜10mm、好ましくは0.3mm〜5mm、さらに好ましくは0.5mm〜2mmの厚みを有する、請求項1〜20のいずれかに記載の方法。
  22. 金属Mの前記金属フォームが、前記対応する金属Mの前記理論密度の10%以下、好ましくは1%〜8%、さらに好ましくは1.5%〜5%の見掛密度ρを有する、請求項1〜21のいずれかに記載の方法。
  23. 多孔質構造を有し、前記ストランドが、請求項1〜22のいずれかに記載の方法により得られる0.01μm〜100μmの寸法を有する、少なくとも1つの金属Mの金属フォーム。
  24. 触媒作用、宝飾品、吸収剤、バッテリ、新しい形態のエネルギー、又は電子回路の分野の、請求項23に記載の金属フォームの使用法。
  25. 前記装置が、微小電極、詳細にはガスマイクロセンサであるマイクロセンサ、バッテリ、又はその代わりに詳細にはガス貯蔵装置である貯蔵装置、である、請求項23に記載の金属フォームを含む装置。
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