JP2015036792A - 電子写真用画像転写シート、画像記録体、および画像記録体の製造方法 - Google Patents

電子写真用画像転写シート、画像記録体、および画像記録体の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2015036792A
JP2015036792A JP2013168828A JP2013168828A JP2015036792A JP 2015036792 A JP2015036792 A JP 2015036792A JP 2013168828 A JP2013168828 A JP 2013168828A JP 2013168828 A JP2013168828 A JP 2013168828A JP 2015036792 A JP2015036792 A JP 2015036792A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
image
transfer sheet
receiving layer
layer
image receiving
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2013168828A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6098431B2 (ja
Inventor
小林 智雄
Tomoo Kobayashi
智雄 小林
江草 尚之
Naoyuki Ekusa
尚之 江草
鳥越 薫
Kaoru Torigoe
薫 鳥越
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Business Innovation Corp
Original Assignee
Fuji Xerox Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Xerox Co Ltd filed Critical Fuji Xerox Co Ltd
Priority to JP2013168828A priority Critical patent/JP6098431B2/ja
Publication of JP2015036792A publication Critical patent/JP2015036792A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6098431B2 publication Critical patent/JP6098431B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Laminated Bodies (AREA)

Abstract

【課題】画像記録体を作製した後の経時における表面の亀裂の発生を抑制し得る電子写真用画像転写シートの提供。
【解決手段】少なくとも基材層110を有する基体と、熱可塑性を有する未硬化の紫外線硬化性樹脂を含有し、30℃以下で接着性を発現せず、且つ紫外線照射後における伸度が5%以上である画像受像層140を少なくとも有する、前記基体から剥離し得る転写層と、を備える電子写真用画像転写シート。
【選択図】図1

Description

本発明は、電子写真用画像転写シート、画像記録体、および画像記録体の製造方法に関する。
また、個人の識別情報(顔写真、氏名、住所、生年月日、各種免許証など)等の個々に対応する必要がある印刷を行う場合、現在もっとも主流となっている画像形成手段は、インクリボン等を用いた昇華型や溶融型の熱転写方式を採用したプリンタ等による画像形成方法である。尚、特許文献1乃至6には、この熱転写方式において中間転写体を用いて画像記録体へ印字する方法が述べられている。
これに対して、電子写真方式による画像形成(印刷)は、像保持体表面を帯電させ、画像信号に応じて該像保持体表面を露光して露光部分と非露光部分との電位差による静電潜像を形成させ、その後、前記帯電の電位と反対の(または同じ)極性を持つトナーと呼ばれる色粉(画像形成材料)を静電現像させることにより、前記像保持体表面に可視画像(トナー画像)を形成させる方法で行われる。カラー画像の場合は、この工程を複数回繰り返すこと、または画像形成器を複数並配置することによりカラーの可視画像を形成し、これらを画像記録体に転写、定着(固定化:主に熱による色粉の溶融と冷却による固化)することにより画像を得る方法で行われる。
尚、特許文献7には、各種個人情報や不可視バーコードを厚さ250μmの塩化ビニルシートや厚さ280μmのポリエステルシートに電子写真方式で印字し、それぞれ印字面にオーバーフィルムを重ね、熱プレス機でラミネートする方法が述べられている。
また、特許文献8には、光透過性のラミネートシートに個人識別情報を鏡像で印字する方法が述べられ、該光透過性のラミネートシートに関し、少なくとも一部が2軸延伸ポリエステルフィルム、ABSまたはポリエステルからなるフィルムと2軸延伸ポリエステルフィルムとを有するフィルム、塩化ビニルフィルムが列挙されている。
また、特許文献9には、画像受像層が硬化性シリコーン樹脂を含有する層であり、前記画像受像層が、基体または該基体側に隣接する層から剥離し得るな層である電子写真用画像転写シートを用い、該画像転写シートの画像受像層が設けられた側の面に電子写真方式によって画像を形成し画像記録体を製造する方法が述べられている。
特開平5−96871号公報 特開平7−68812号公報 特開平8−142365号公報 特開平8−156302号公報 特開平9−314875号公報 特開平11−291646号公報 特開2001−92255号公報 特開平11−334265号公報 特許第4645553号公報
本発明の課題は、画像記録体を作製した後の経時における表面の亀裂の発生を抑制し得る電子写真用画像転写シートを提供することにある。
上記課題は、以下の本発明によって達成される。
即ち、請求項1に係る発明は、
少なくとも基材層を有する基体と、
熱可塑性を有する未硬化の紫外線硬化性樹脂を含有し、30℃以下で接着性を発現せず、且つ紫外線照射後における伸度が5%以上である画像受像層を少なくとも有する、前記基体から剥離し得る転写層と、
を備える電子写真用画像転写シートである。
請求項2に係る発明は、
前記画像受像層が、4級アンモニウム塩および4級アンモニウム塩を側鎖に有するアクリル系樹脂から選択される少なくとも一種を含有する請求項1に記載の電子写真用画像転写シートである。
請求項3に係る発明は、
請求項1または請求項2に記載の電子写真用画像転写シートの前記画像受像層が設けられた側の表面に、電子写真法により鏡像で画像形成材料からなる画像を形成し、前記画像が形成された面を画像支持体の片面に対面するよう重ね合わせて積層体とし、前記積層体を加熱圧着し且つ加熱圧着された前記積層体の前記画像受像層に紫外線を照射して前記紫外線硬化性樹脂を硬化させ、前記基体を前記転写層から剥離することで、前記転写層および前記画像形成材料からなる画像を前記画像支持体に転写してなる画像記録体である。
請求項4に係る発明は、
請求項1または請求項2に記載の電子写真用画像転写シートの前記画像受像層が設けられた側の表面に、電子写真法により鏡像で画像形成材料からなる画像を形成する画像形成工程と、
前記画像が形成された面を画像支持体の片面に対面するよう重ね合わせて積層体とする重合せ工程と、
前記積層体を加熱圧着する加熱圧着工程と、
加熱圧着された前記積層体の前記画像受像層に紫外線を照射して前記紫外線硬化性樹脂を硬化させる紫外線照射工程と、
前記基体を前記転写層から剥離することで、前記転写層および前記画像形成材料からなる画像を前記画像支持体に転写する剥離工程と、
を有する画像記録体の製造方法。
請求項1に係る発明によれば、紫外線照射後における伸度が5%以上である画像受像層を有しない場合に比べ、画像記録体を作製した後の経時における表面の亀裂の発生を抑制し得る電子写真用画像転写シートが提供される。
請求項2に係る発明によれば、画像受像層が前記成分を含有しない場合に比べ、画質に優れた画像を形成し得る電子写真用画像転写シートが提供される。
請求項3に係る発明によれば、紫外線照射後における伸度が5%以上である画像受像層を有する電子写真用画像転写シートを用いない場合に比べ、経時における表面の亀裂の発生が抑制された画像記録体が提供される。
請求項4に係る発明によれば、紫外線照射後における伸度が5%以上である画像受像層を有する電子写真用画像転写シートを用いない場合に比べ、経時における表面の亀裂の発生を抑制し得る画像記録体の製造方法が提供される。
本実施形態に係る画像転写シートの一例を示す断面図である。 本実施形態に係る画像転写シートの一例を示す断面図である。 本実施形態に係る加熱圧着前後の積層体、画像記録体の状態を示す断面図である。 本実施形態に係る加熱圧着前後の積層体、画像記録体の状態を示す断面図である。 本実施形態に係る画像記録体の作製装置の構成の一例を示す概略図である。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。
<画像転写シート>
本実施形態に係る電子写真用画像転写シート(以下単に「転写シート」とも称す)は、基体と、前記基体から剥離し得る転写層と、を備える。前記基体は少なくとも基材層を有し、また前記転写層は画像受像層を少なくとも有する。前記画像受像層には、熱可塑性を有する未硬化の紫外線硬化性樹脂を含有する。尚、画像受像層は30℃以下で接着性を発現せず、且つ紫外線照射後における伸度が5%以上である。
基体上に硬化性の樹脂を含有する画像受像層を備えた転写シートを用い、該画像受像層上に形成された画像を画像受像層と共に画像支持体に転写して画像記録体を製造した場合に、経時変化により画像記録体の表面に亀裂が発生することがある。
これに対し、本実施形態に係る転写シートは、画像受像層の紫外線照射後における伸度が5%以上であることで、画像記録体の経時による表面での亀裂の発生が抑制される。
画像受像層に含まれる硬化性の樹脂が硬化すると収縮が発生するものと考えられ、画像記録体での画像支持体と画像受像層との熱膨張係数の違いのために、時間が経過するにしたがって画像記録体の表面に亀裂が発生していたものと推察される。一方、本実施形態では紫外線照射後の画像受像層の伸度が上記範囲であることで、熱膨張係数の違いによる変形に対しても画像受像層が適度に追随し得るものと思われ、その結果経時で発生する亀裂が抑制されるものと考えられる。
一方で、上記転写シートの画像受像層上に電子写真方式の画像形成装置によって画像を形成する際に、画像を加熱定着するための部材に対して転写シートが巻き付いてしまうことがある。更に、上記転写シートを作製する際に、完成した転写シートを巻き取る段階で転写シートとそのシートの外側に巻き取られた転写シートとが貼り付いてしまうことがある。
これに対し、本実施形態に係る転写シートは、30℃以下で接着性を発現しない画像受像層を備えることで、画像受像層上に画像を加熱定着する際の加熱定着部材への巻き付きが抑制され、また転写シートを作製する際に巻き取った転写シート同士における貼り付きも抑制される。
転写シートにおいて画像受像層の外側に他の表面層を有していない態様、つまり画像受像層が最表面となっている態様では、該画像受像層に熱可塑性樹脂を含有する場合に、含まれる該熱可塑素性樹脂の影響で画像受像層が粘着性を示すことがある。そのため、画像形成の際の加熱定着部材への巻き付きや、転写シートを作製し巻き取った際の転写シート同士の貼り付きが生じていたものと考えられるが、本実施形態では上記の温度範囲で接着性を発現しない画像受像層を備えることで、加熱定着部材への上記巻き付きや、巻き取った際の上記貼り付きが抑制されるものと考えられる。
また、本実施形態に係る転写シートを用いて画像記録体を製造する場合に、転写シートを画像支持体に重ね合せて加熱圧着を施しその後に紫外線照射を施すことで、紫外線照射を施すまでは画像受像層中の加熱された樹脂が可塑性を示し、加熱圧着の際に巻き込まれた残留気泡を低減させられる。
また、上記紫外線照射によって樹脂を硬化することで、画像受像層と該画像受像層に接する画像支持体との接着性が向上させられる。
更に、転写シートを用いて形成された画像記録体において画像受像層が最外層となる、つまり画像受像層が露出している場合、この画像受像層に熱可塑性樹脂が含まれると、塩化ビニル等の材質のケースに収納した際に、画像記録体の表面または画像形成材料が前記ケースに対してオフセットし、画像記録体の画像が認識し得なくなるほど画像変形が生じることがある。
これに対し、本実施形態に係る転写シートは未硬化の紫外線硬化性樹脂を含有しており、転写シートを画像支持体に重ね合せて加熱圧着を施した後に前述の通り紫外線照射を施して樹脂を硬化させることで、塩化ビニル等の材質のケースに収納した場合であっても前記オフセットの発生が抑制され、画像の変形が抑制される。
次いで、本実施形態に係る転写シートを構成する各層について詳細に説明する。
本実施形態に係る転写シートは、基体および前記基体から剥離し得る転写層を備える。尚、前記基体は少なくとも基材層を有し、また前記転写層は画像受像層を少なくとも有する。つまり、基体と転写層とを備える上記転写シートは、表面に画像が形成された転写層側の面を画像支持体に対向するように重合せて加熱圧着し、少なくとも基材層を有する前記基体を剥離して、画像受像層を有する転写層と前記画像とを転写することで画像記録体が得られる。
前記基体には、基材層の他に、離型層、粘着層、背面層等を有していてもよい。
また前記転写層には、画像受像層の他に、透明支持体、接着層、他の画像受像層等を有していてもよい。
本実施形態に係る転写シートの層構成としては、例えば画像受像層からなる転写層と、離型層、基材層、および背面層からなる基体と、をこの順に有する態様が挙げられる。この態様は、画像受像層が離型層から良好に剥離し得るものであれば、特に限定されない。
また、別の転写シートの層構成としては、画像受像層、および透明支持体からなる転写層と、粘着層、基材層、および背面層からなる基体と、をこの順に有する態様が挙げられる。転写シートにおける画像受像層と透明支持体とを画像支持体に転写する際に、基材層を良好に剥離する観点から、透明支持体と基材層とが粘着層を介して形成された態様である。尚、前記画像受像層と前記透明支持体とが接着層を介して形成されていてもよい。
また、本実施形態においては、画像受像層として、前述の要件を満たす画像受像層を少なくとも1層備えていればよい。従って、画像受像層が、前述の要件を満たす画像受像層と、他の組成からなる1層または複数層の画像受像層とを積層した層であってもよい。
以下に、本実施形態の転写シートの構成例を、図面により詳細に説明する。但し、本実施形態の画像転写シートの構成は以下に図示する構成に限定されるものではない。
図1は、本実施形態の転写シートの一例を示す概略断面図である。図1に示す本実施形態の転写シートは、背面層150と、基材層110と、離型層160と、を有する基体、および画像受像層140を有する転写層がこの順に積層されて構成される。
図2は、本実施形態の画像転写シートの一例を示す概略断面図である。図2に示す本実施形態の画像転写シートは、背面層150と、基材層110と、粘着層120と、を有する基体、および透明支持体130と、画像受像層140と、を有する転写層がこの順に積層されて構成される。
以下、本実施形態に係る転写シートの各層の構成について詳細に説明する。
(転写層)
・画像受像層
画像受像層には、熱可塑性を有する未硬化の紫外線硬化性樹脂を含有する。尚、画像受像層は30℃以下で接着性を発現せず、且つ紫外線照射後における伸度が5%以上である。
(1)伸度
紫外線照射後における伸度が5%以上であることは、即ち紫外線照射によって硬化された後に伸縮性を有することを意味する。この伸縮性によって、画像支持体と画像受像層との熱膨張係数の違いのために、時間が経過するにしたがって発生する画像記録体の表面の亀裂が抑制されるものと考えられる。
尚、上記伸度は、更に10%以上がより好ましく、20%以上が更に好ましい。また上限値としては、特に限定されるものではないが、100%以下がより好ましく、80%以下が更に好ましい。
画像受像層における紫外線照射後の伸度を上記範囲に制御する方法としては、画像受像層に含有させる紫外線硬化性樹脂等の樹脂の種類や量を選択する方法が挙げられる。
−測定方法−
画像受像層の紫外線照射後における伸度は、紫外線を照射していない画像受像層に対して紫外線照射(高圧水銀)ランプにて500mJ/cmとなるよう紫外線を照射して画像受像層を硬化させた後、幅15mm×長さ50mmのフィルムに切り出し、引張り試験機(今田製作所:SVZ-50NA)にて10mm/minの速度で延伸し、目視で画像受像層に亀裂が入った時点までの延伸率(引張り試験開始前の長さに対する延伸された長さ)を伸度とする。
(2)30℃以下での接着性
30℃以下で接着性を発現しない(所謂タックフリーである)ことにより、画像受像層上に画像を加熱定着する際の加熱定着部材への巻き付きが抑制され、また転写シートを作製する際に巻き取った転写シート同士における貼り付きも抑制される。
画像受像層において上記温度範囲で接着性を発現させないよう制御する方法としては、画像受像層に含有させる紫外線硬化性樹脂等の樹脂の種類や量を選択する方法が挙げられる。
−接着性の確認方法−
高炭素クロム軸受鋼鋼材のSUJ2製の1/32インチの鋼球を用い、試験試料(転写シート)に対し、助走路100mm、試験試料面の距離100mm、傾斜角20°、環境温度30℃の条件で前記鋼球を転がした際に鋼球の減速が生じない(より詳細には鋼球の減速が0.01mm/sec以下である)ことを、本明細書においては接着性を発現していないこととする。
(3)熱可塑性を有する未硬化の紫外線硬化性樹脂
本実施形態では画像受像層に熱可塑性を有する未硬化の紫外線硬化性樹脂を含有する。
画像記録体を製造する場合に、転写シートを画像支持体に重ね合せて加熱圧着を施しその後に紫外線照射を施すことで、紫外線照射を施すまでは画像受像層中の加熱された樹脂が可塑性を示し、加熱圧着の際に巻き込まれた残留気泡を低減させられる。
また、上記紫外線照射によって樹脂を硬化することで、画像受像層と該画像受像層に接する画像支持体との接着性が向上させられる。
本実施形態に用いられる紫外線硬化性樹脂は、例えば、アクリレート系樹脂(ウレタン変性体、ポリエステル変性体等も含む)等の中から選択される。
紫外線硬化性樹脂として好ましいものは、分子内に2個以上の(メタ)アクリロイル基を有する紫外線硬化し得る多官能アクリレートが挙げられる。分子内に2個以上の(メタ)アクリロイル基を有する紫外線硬化し得る多官能アクリレートの具体例としては、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等のポリオールポリアクリレート、ビスフェノールAジグリシジルエーテルのジアクリレート、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテルのジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテルのジ(メタ)アクリレートなどのエポキシ(メタ)アクリレート、多価アルコールと多価カルボン酸またはその無水物とアクリル酸とをエステル化することによって得られるポリエステル(メタ)アクリレート、多価アルコール、多価イソシアネートおよび水酸基含有(メタ)アクリレートを反応させることによって得られるウレタン(メタ)アクリレート、ポリシロキサンポリ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
前記の紫外線硬化し得る多官能アクリレートは単独または2種以上混合して用いてもよく、その含有量は画像受像層用の塗料の樹脂固形分に対して、好ましくは50質量%以上95質量%以下である。
なお、上記の多官能(メタ)アクリレートの他に、画像受像層用塗料の樹脂固形分に対して、好ましくは10質量%以下の2−ヒドロキシ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート等の単官能アクリレートを添加してもよい。
一般的には、上記各種アクリレートの樹脂成分において、光開始剤や触媒等の介在により紫外線のエネルギーによって硬化反応が進む。本実施形態においては、前記官能基を有する樹脂を使用することで、紫外線を照射するまでは、一般的な熱可塑性樹脂としての挙動を示し、硬化が必要な段階で紫外線による硬化反応を引き起こさせ、目的とする表面の硬化と画像支持体の熱膨張にも対応し得る伸度を有するものとなる。
具体的に、前述の伸度の達成と接着性を発現しない点(タックフリー)とをより効率的に成す観点から、アクリルポリマーの主鎖骨格に、前記(メタ)アクリロイル基を側鎖に導入し、さらに他の側鎖には分子量が6000程度(より詳細には5000以上7000以下)のアクリル系マクロモノマーが重合された紫外線硬化型アクリルポリマーが好適である。
更には、下記一般式(1)で示される構造を有する(構造となる)モノマーと一般式(2)で示される構造を有する(構造となる)モノマーとが共重合された紫外線硬化型アクリルポリマーがより好適である。
(一般式(1)および一般式(2)中、R21は、それぞれ独立に水素またはメチル基を、R22はアクリロイル基またはメタクリロイル基を、R23は、分子量5000以上7000以下のアクリル系マクロモノマーの水素原子を1つ除いた基を、表す。)
本実施形態において好適に用いられる紫外線硬化型アクリルポリマーの製造法としては、通常一段目に溶剤中でラジカル重合等によって官能基(酸およびエポキシ)を含む(メタ)アクリル酸エステル系のモノマーおよびアクリル系マクロモノマーを共重合したポリマーを作製し、二段目にエポキシや酸を含有した(メタ)アクリル酸エステル系のモノマーを一段目に重合したポリマーに付加反応することによって得られる。
アクリル主鎖は数多くの(メタ)アクリル酸エステル系のモノマーから選択し自由に設計し得るため、用途や要求される性能に応じて分子量および二重結合等の量などを考慮して設計される。
本実施形態において好適に用いられる紫外線硬化型アクリルポリマーとして、市販品を用いてもよく、例えば大成ファインケミカル(株)社の8KXシリーズが挙げられる。また、この他にも具体的にはDIC(株)社製ユニディックV−6840、6841、RC29−120、EKC−1054、WHV−649、EKS−675、中国塗料(株)社製フォルシードNo.370C等の製品が挙げられる。
(4)その他の成分
−他の樹脂−
画像受像層に含まれる樹脂としては、上記紫外線硬化性樹脂の他に、ポリエチレン、ポロプロピレン、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリエステル等の熱可塑性樹脂や、フェノール樹脂、ウレア樹脂、不飽和ポリエステル、エポキシ、ケイ素樹脂等の熱硬化性樹脂を、画像受像層の伸長性と硬度を損わない範囲内で含有してもよい。
−離型剤−
さらに画像受像層は、天然ワックスや合成ワックス、あるいは離型性樹脂、反応性シリコーン化合物、変性シリコーンオイルなどの離型剤を含有していてもよい。
ワックスは具体的には、カルナバワックス、密ロウ、モンタンワックス、パラフィンワックス、ミクロクリスタリンワックスなどの天然ワックスや低分子量ポリエチレンワックス、低分子量酸化型ポリエチレンワックス、低分子量ポリプロピレンワックス、低分子量酸化型ポリプロピレンワックス、高級脂肪酸ワックス、高級脂肪酸エステルワックス、サゾールワックスなどの合成ワックスなどが挙げられ、これらは単独使用に限らず混合して複数使用される。
−粒子−
本実施形態においては、前記画像受像層には粒子を含有してもよく、特に平均粒子径が3μm以上30μm以下の粒子を0.3質量%以上25質量%以下含有していることが望ましく、画像受像層膜厚の1.2倍以上の兵器塩粒子径を有するものがより望ましい。
前記粒子の形状としては、球状粒子が一般的であるが、板状、針状、不定形状であってもよい。
本実施形態で用いられる粒子としては、有機樹脂粒子から構成されるものの場合、具体的には、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸フェニル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸ドデシル等のアクリル系の架橋型粒子が好ましい。その他に、スチレン、ビニルスチレン、クロロスチレン等のスチレン類;エチレン、プロピレン、ブチレン、イソブチレン等のモノオレフィン類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、安息香酸ビニル、酪酸ビニル等のビニルエステル類;α−不飽和脂肪酸モノカルボン酸のエステル類;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルブチルエーテル等のビニルエーテル類;ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、ビニルイソプロペニルケトン等のビニルケトン類;イソプレン、2−クロロブタジエン等のジエン系モノマーの1種以上を重合させて得られる単独重合体あるいは共重合体等を混合してもよい。
また粒子として、無機粒子を用いてもよく、具体的な例示物としては、マイカ、タルク、シリカ、炭酸カルシウム、亜鉛華、ハロサイトクレー、カオリン、塩酸性炭酸マグネシウム、石英粉、二酸化チタン、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、アルミナなどが挙げられる。
また、粒子の体積平均粒子径としては、3μm以上30μm以下であることが好ましい。一方、前記粒子の体積平均粒子径が画像受像層の膜厚よりも大きいものが含有されることが好ましく、画像受像層膜厚の1.2倍以上が好ましい。粒子の体積平均粒子径が1.2倍を以上であると、粒子が画像受像層から頭を突出することになり、塗工後の巻き取り、ロール状での保管、または、シート状に切断した後の数百枚単位での重ね合わせ時に、表裏の摩擦係数が点接触効果で低下し、スムーズな巻き出し、または電子写真装置内でのスムーズなシートの送り出しが行える。
一方で、画像形成材料(トナー)による画像が形成された転写シートを、転写させたい画像支持体と積層し、この積層体を移動させながら加熱圧着させる(つまりラミネートする)場合、一般的には加熱圧着部分で画像形成材料が形成された画像部分と画像形成材料の無い非画像部分とのミクロンオーダーの高さの違いやその段差が、圧着部分での空気の流れを遮断し、その部分に空気が気泡として目に見える形で残存することがある。この場合、前述した粒子の突出が空気の逃げ道を作り、または粒子間に微細な気泡として分散させる効果があるため、画像受像層膜厚の1.2倍以上の体積平均粒子径が好適となる。
画像転写シートの画像受像層中における粒子と樹脂成分(結着剤)との質量比(粒子:樹脂)は、0.3:99.7乃至25:75の範囲であることが好ましく、0.5:99.5乃至20:80の範囲であることがより好ましい。
粒子の割合が前記範囲内の場合は、画像転写シートから画像記録体に加熱圧着する際、画像の乱れや画像濃度の低下も許容範囲内で画像品質が良く、作製された画像記録体の表面硬度も許容範囲内とし易く、画像記録体としての品質も維持される。
−界面活性剤−
本実施形態における画像受像層には、界面活性剤(より好ましくは4級アンモニウム塩、および4級アンモニウム塩を側鎖に含むアクリル系樹脂から選択される少なくとも一種)を含有することが望ましい。
その目的は、転写シートに安定した半導電性を持たせられ、外部からの静電吸着物(浮遊ゴミ)を引き付け難くすること、または付着した吸着物(ゴミ)を容易に払いのけられることが挙げられ、異物のない品質の良い画像記録体を作製する為である。
また、別の目的として、電子写真方式における画像形成においては、静電気力を利用して装置内にある像保持体(感光体)または一次転写ベルトから画像形成材料を転写シート上に移行させるが、画像形成材料を品質良く移行させるには、電子写真法においては原理的に転写シート表面は、半導電性が好ましい。その表面抵抗率は常温(22℃)において1×10Ω/□以上1×1013Ω/□以下が好ましく、より好ましくは1×108Ω/□以上1×1012Ω/□以下がより好ましい。
そのため、表面の抵抗率を調整するために種々の導電性材料を添加することがあるが、本実施形態も含め界面活性剤が多用されている。用いられる界面活性剤としては、例えば、ポリアミン類、アンモニウム塩類、スルホニウム塩類、ホスホニウム塩類、ベタイン系両性塩類などのカチオン系界面活性剤、アルキルホスフェートなどのアニオン系界面活性剤、脂肪酸エステルなどのノニオン系界面活性剤が挙げられる。これらの界面活性剤の中でも、電子写真用に用いる観点で、昨今の電子写真用の負帯電型トナーと相互作用の大きいカチオン系界面活性剤を用いることが望ましい。
また、上記カチオン系界面活性剤の中でも、4級アンモニウム塩類が望ましい。4級アンモニウム塩類としては下記の一般式(I)で代表される化合物が望ましい。
(一般式(I)中、Rは炭素数6以上22以下のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基を表し、Rは炭素数1以上6以下のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基を表す。R、R、Rは同一でも異なってもよく、脂肪族基、芳香族基、ヘテロ環基を表す。脂肪族基とは、直鎖、分岐または環状のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基をいう。芳香族基とは、ベンゼン単環、縮合多環のアリール基を表す。これらの基は水酸基等の置換基を有してもよい。Aはアミド結合、エーテル結合、エステル結合、フェニル基を表すが、これは無くてもよい。Xは、ハロゲン元素、硫酸イオン、硝酸イオンを表し、これらのイオンは置換基を有してもよい。)
上記界面活性剤については、前記樹脂との組み合わせにおいては前記樹脂表面に移行してしみ出てくるブリードアウトという現象を引き起こす場合がある。この場合、転写シートの画像受像層と、該画像受像層と接する転写シートの裏面との摩擦系数が上がったり、密着してしまう場合が発生し、ミスフィード、重送が発生することがある。
そのため、本実施形態に係る画像受像層は、一般式(I)で示される4級アンモニウム塩を側鎖に含むアクリル系共重合体を使用することがさらに好ましい。例えば、一例をあげれば、下記一般式(II)または一般式(III)とポリオレフィン構造単位や(メタ)アクリレート構造単位等が線状に配列した共重合体が挙げられ、その分子量としては数平均分子量として20000以上100000以下の範囲が好ましい。
(一般式(II)および(III)中、RおよびR16は水素原子またはメチル基を、RおよびR17は炭素数1以上4以下のアルキレン基を、R、R、R10、R18およびR19はそれぞれ独立に水素原子または炭素数1以上4以下のアルキル基を、Xはハロゲン原子、CHOSOまたはCOSOを示す。)
一般式(II)または(III)で表される構成単位は、全共重合体成分において10質量%以上60質量%以下の割合のものが好ましい。
本実施形態における画像受像層は、紫外線硬化性樹脂を用いることで、作製される画像記録体の表面硬度を得ている。上記一般式の構造を取り入れて紫外線硬化させるアクリレートオリゴマーも市販され、これらは画像記録体の表面硬度を低下させず表面抵抗率を前記範囲にし得る観点で、より望ましい。具体的には、DIC(株)社製:ユニディックEKC−492、EKC−565、V−9030、日本合成化学(株)社製:紫光UV−AS102等がある。
・透明支持体
次に、本実施形態に用い得る透明支持体について説明する。
上記透明支持体としては、プラスチックフィルムが代表的に用いられる。この中でも、OHPフィルムとして使用される光透過性のあるフィルムである、ポリアセテートフィルム、三酢酸セルローズフィルム、ナイロンフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリサルホンフィルム、ポリスチレンフィルム、ポリフェニレンサルファイドフィルム、ポリフェニレンエーテルフィルム、シクロオレフィンフィルム、ポリプロピレンフィルム、セロハン、ABS(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン)樹脂フィルムなどが挙げられ、その中でも特に、ポリエチレンナフタレートフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリフェニレンサルファイドフィルムが望ましく用いられる。
本実施形態に用いられる透明支持体の製造方法は任意であるが、共押出し法、貼り合わせ法等、公知の方法を利用して作製される。
なお、一般的に作製する際には、共押出しされた後、縦延伸工程に入り、周速が異なる2本または多数本ロール間で延伸し、目的のフィルム厚みに調整して巻き取られる。2軸延伸の場合は、上記工程を通ったフィルムをそのままテンターに導入し、幅方向に2.5倍以上5倍以下に延伸する。このときの望ましい延伸温度は100℃以上200℃以下の範囲である。
こうして得られた2軸延伸フィルムは、必要に応じて熱処理が施される。熱処理はテンター内で行うのが望ましく、特に縦横方向に緩和しながら熱処理すると、熱収縮率の低いフィルムが得られる。透明支持体としては2軸延伸フィルムが特に望ましい。
−離型性処理−
この透明支持体の基材層側の面や後述する基材層における透明支持体側の面は、離型性処理を施していることがさらに望ましい。
これら離型性処理としては、一般的に離型性の材料を表面処理することが行われる。離型性材料としては特に制限されないが、シリコン系材料が望ましい。これらシリコン系材料は少なくともシラン系組成物を含む縮合物樹脂、または、これらとコロイダルシリカ分散液との混合組成物からなるものである。また、さらに有機樹脂を含んでいることが望ましい。
上記シラン系組成物としては、具体的には有機珪素化合物であり、シラン化合物、フッ素含有シラン化合物およびイソシアネートシラン化合物などがあり、これらが縮合反応し、樹脂組成物になる。
シラン化合物としては、Si(OCH、CHSi(OCH、HSi(OCH、(CHSi(OCH、CHSiH(OCH、CSi(OCH、Si(OC、CHSi(OC、(CHSi(OC、HSi(OC、CSi(OC、(CHCHCHSi(OCH、CH(CH11Si(OC、CH(CH15Si(OC、CH(CH17Si(OC等のアルコキシシラン類;(CHSiNHSi(CH等のシラザン類;((CH)SiNH)CO、tert−C(CHSiCl等の特殊シリル化剤類;シランカップリング剤;およびHSCSi(OCH等のシラン化合物;並びにこれらの加水分解物および部分縮合物等が挙げられる。
前記シランカップリング剤としては、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン等のビニルシラン類;γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン等のアクリルシラン類;β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン等のエポキシシラン類;N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン等のアミノシラン類;等が例示される。
前記フッ素含有シラン化合物類としては、例えば、CF(CHSi(OCH、C13Si(OCH、C15CONH(CHSi(OC、C17Si(OCH、C17SiCH(OCH、C17Si(ON=C(CH)(C))、C19Si(OCH、C19Si(NCO)、(NCO)SiC12Si(NCO)、C19Si(C)(OCH、(CHO)SiC16Si(OCH、(CHO)(CH)SiC18Si(CH)(OCH等のフッ素含有シラン化合物、およびこれらの加水分解物またはその部分縮合物等のシラン化合物が例示される。
前記イソシアネートシラン化合物類としては、(CHSiNCO、(CHSi(NCO)、CHSi(NCO)、ビニルシリルトリイソシアネート、CSi(NCO)、Si(NCO)、COSi(NCO)、C17Si(NCO)、C1837Si(NCO)、(NCO)SiC(NCO)等が例示される。
本実施形態におけるシラン系組成物の縮合物樹脂としては、例えば、熱硬化性(縮合型、付加型)および光硬化性のシリコーン樹脂等の硬化性シリコーン樹脂が挙げられるが、具体例を挙げると、以下のものがある。
前記熱硬化性シリコーン樹脂のうち、縮合型の硬化性シリコーン樹脂としては、末端にシラノール基を有するポリジメチルシロキサン等のポリシロキサンをベースポリマーとし、架橋剤としてポリメチルハイドロジェンシロキサン等を配合し、有機スズ触媒等の有機酸金属塩やアミン類等の存在下で加熱縮合して合成した硬化性シリコーン樹脂や、水酸基、アルコキシ基等の反応性の官能性基を末端に持つポリジオルガノシロキサンを反応させて合成した硬化性シリコーン樹脂、さらに、3官能性以上のクロロシランまたはこれらと1,2官能性のクロロシランとの混合物等を加水分解したシラノールを縮合して合成したポリシロキサン樹脂等が挙げられる。
なお、前記縮合型は、形態的には、溶液型とエマルジョン型とに分類され、そのいずれも好適に使用される。
前記熱硬化性シリコーン樹脂のうち、付加型の硬化性シリコーン樹脂としては、ビニル基を含有するポリジメチルシロキサンの様なポリシロキサンをベースポリマーとし、架橋剤としてポリジメチルハイドロジェンシロキサンを配合して、白金触媒の存在下で反応・硬化させて合成した硬化性シリコーン樹脂等が挙げられる。
なお、前記付加型は、形態的には、溶剤型、エマルジョン型、および無溶剤型に分類され、そのいずれも好適に使用される。
前記縮合型、付加型の硬化で得られる熱硬化性シリコーン樹脂としては、例えば、純シリコーン樹脂、シリコーンアルキド樹脂、シリコーンエポキシ樹脂、シリコーンポリエステル樹脂、シリコーンアクリル樹脂、シリコーンフェノール樹脂、シリコーンウレタン樹脂、シリコーンメラミン樹脂等が好適に挙げられる。
前記光硬化性のシリコーン樹脂としては、光カチオン触媒を利用して合成した硬化性シリコーン樹脂や、ラジカル硬化機構を利用して合成した硬化性シリコーン樹脂等が挙げられる。また、ケイ素原子と結合した水酸基またはアルコキシ基等を有する低分子量ポリシロキサンと、アルキド樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、フェノール樹脂、ポリウレタンまたはメラミン樹脂等とを光硬化反応させて得られる変性シリコーン樹脂が望ましく用いられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
(基体)
・基材層
次に、本実施形態に用いられる基材層について説明する。
上記基材層としては、特に限定されないが、例えば、プラスチックフィルムが代表的に用いられる。例えば、ポリアセテートフィルム、三酢酸セルローズフィルム、ナイロンフィルム、ポリエステルフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリサルホンフィルム、ポリスチレンフィルム、ポリフェニレンサルファイドフィルム、ポリフェニレンエーテルフィルム、シクロオレフィンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリイミドフィルム、セロハン、ABS(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン)樹脂フィルムなどが望ましく用いられ、さらに白色など不透明であってもよい。
さらに紙や金属、プラスチック、セラミックなどシート状のものも好適に用いられる。
・離型層、粘着層
また、本実施形態に係る転写シートは、図1に示すごとく、前記画像受像層と前記基材層とが離型層を介して形成されていてもよい。
「離型層」とは、転写シート上に画像が形成され、その画像を画像支持体上に転写する行程の前行程まで物理的に画像受像層と基材層とをつなぎ合わせる接着剤としての機能と、画像をラミネートし冷却したあと画像転写する工程で画像受像層から剥れる離型機能とを有する層を指す。
また、本実施形態に係る転写シートは、図2に示すごとく、前記透明支持体と前記基材層とが粘着層を介して形成されていてもよい。
「粘着層」とは、転写シート上に画像が形成され、その画像を画像支持体上に転写する行程の前行程まで物理的に透明支持体と基材層とをつなぎ合わせる接着剤としての機能と、画像をラミネートし冷却したあと画像転写する工程で透明支持体から剥れる離型機能とを有する層を指す。
尚、接着層や粘着層としては、常温常圧(22℃50%)の環境で半固体(即ち粘性を有する)の材料からなり、接合形成後もその状態は変わらず、粘着層自体を固化させずとも他の層同士を接合し得るものを用いても、また常温常圧(22℃50%)の環境で固体(即ち粘性を有しない)の材料を用いてもよい。
上記接着層や粘着層の材料としては、ゴム系として天然ゴム、SBR(スチレン−ブタジエン−ラバー)、ブチルゴムなどがある。合成樹脂系として、アクリル系、シリコン系、ホットメルト系があるが、ここでは剥離強度を添加剤などによって調整し得る合成樹脂系が望ましく、さらにその中でもシリコン系が経時安定性や耐熱性等により望ましい。但し、透明支持体との相性などとの関連もありこれに限らない。
・接着層
また、図示しないものの、前記画像受像層と透明支持体との接着性を強固にし、転写シートを用いて作製された画像支持体からの透明支持体の剥がれの発生を抑制する目的で、前記画像受像層と透明支持体とを接着層を介して設けてもよい。
接着層の膜厚としては、特に限定されるものではないが、0.1μm以上10μm以下の範囲であることが望ましく、1μm以上5μm以下の範囲であることがより望ましい。
・背面層
本実施形態に係る転写シートは、更に基材層の外側(転写層が設けられる側とは反対側)に背面層を設けてもよい。
(画像転写シートの物性)
また、本実施形態の転写シートの基体側表面および転写層側表面の表面抵抗率が、1.0×10Ω以上3.2×1013Ω以下の範囲であることが望ましく、上記表面抵抗率は更に1.0×10Ω以上1.0×1012Ω以下の範囲であることがより望ましい。
本実施形態における転写シートの23℃、55%RHにおける表裏面の表面抵抗率差は、4桁以内であることが望ましく、3桁以内であることがより望ましい。
なお、上記表面抵抗率は、23℃、55%RHの環境下で、円形電極(例えば、三菱油化(株)製ハイレスターIPの「HRプローブ」)を用い、JIS K6911に従って測定される。
尚、画像受像層が最表面である場合における該画像受像層の表面抵抗率を1.0×10Ω以上3.2×1013Ω以下の範囲内に制御するにあたっては、画像受像層中に帯電制御剤を含有させることが望ましい。該帯電制御剤としては、高分子導電剤、界面活性剤や、導電性金属酸化物粒子等が用いられる。
また、マット剤が画像受像層や背面層、基材層表面に設けられる画像受像層以外の塗工層に添加されることが望ましい。
上記導電性金属酸化物粒子としては、ZnO、TiO、TiO、SnO、Al、In、SiO、SiO、MgO、BaOおよびMoO等が挙げられる。これらは、単独で使用してもよく、これらを複合して使用してもよい。また、金属酸化物としては、異種元素をさらに含有するものが望ましく、例えば、ZnOに対してAl、In等、TiOに対してNb、Ta等、SnOに対しては、Sb、Nb、ハロゲン元素等を含有(ドーピング)させたものが望ましい。これらの中で、SbをドーピングしたSnOが、経時的にも導電性の変化が少なく安定性が高いので特に望ましい。
上記マット剤に使用される潤滑性を有する樹脂としては、ポリエチレン等のポリオレフィン;ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン(テフロン(登録商標))等のフッ素樹脂;が挙げられる。
(画像転写シートの製造方法)
ここで、画像転写シートの製造方法について、図2に示される本実施形態の一例に係る画像転写シートを例に挙げて説明する。図2に示す本実施形態の画像転写シートは、背面層150と、基材層110と、粘着層120と、透明支持体130と、画像受像層140と、から構成される。
本実施形態の画像転写シートには、例えば、透明性を有する基材層110の表面に、画像を画像支持体に転写したときに、画像支持体上の画像が正転画像(通常イメージ)となるよう、反転画像(鏡像)の定着画像を形成する。
本実施形態に係る転写シートが粘着層120を有する場合は、基材層110表面に、粘着層120となる粘着剤を塗布した後、透明支持体130を形成する前述のフィルム等を貼付ける。一方で、基材層110の前記透明支持体130が設けられた面とは反対側の表面に、背面層150となる塗工層を塗布し硬化させる。さらに前記透明支持体130の表面に画像受像層140となる塗工層を塗布し硬化させることによって、転写シートが形成される。
また、基材層110表面に粘着層120となる粘着剤を塗布し且つ基材層110のもう一方の表面に背面層150となる塗工層を塗布し硬化させる。一方で透明支持体130を形成する前述のフィルム等の表面に画像受像層140となる塗工層を塗布した後、透明支持体130の画像受像層140とは反対側の面と基材層110の粘着層120側の面とを貼付けることによっても形成し得る。
上記画像受像層140の塗工層は、ワックスや樹脂、粒子等の各成分を有機溶媒もしくは水などを用いて混合し、超音波、ウエーブローター、アトライターやサンドミルなどの装置により分散させ塗工液を作製し、該塗工液をそのままの状態で、透明支持体130の表面へ塗布させて形成する。
塗布または含浸させる方法としては、ブレード塗布法、ワイヤーバー塗布法、スプレー塗布法、浸漬塗布法、ビード塗布法、エアーナイフ塗布法、カーテン塗布法、ロール塗布法等の通常使用される方法が採用される。
上記塗布は、基材層110のどちらの面を先に塗工してもよいし、同時に両面塗工してもよい。
基材層110の表面に塗工層を形成する際の乾燥は、風乾でもよいが、熱乾燥を行えば容易に乾燥される。乾燥方法としては、オーブンに入れる方法、オーブンに通す方法、または加熱ローラに接触させる方法など通常使用される方法が採用される。
実際の使用上、転写シート表面の静止摩擦係数は、2以下であることが望ましく、1以下であることがより望ましい。また転写シート表面の動摩擦係数は、0.05以上1以下の範囲であることが望ましく、0.1以上0.65以下の範囲であることがより望ましい。
例えば、本実施形態においては、画像転写シート表面に画像としてトナー画像が形成される。トナー画像を形成する場合、この形成されたトナー画像の定着を、該画像転写シート表面(画像形成面)の温度が、トナーの溶融温度以下となるよう行うことが望ましい。通常のトナーの溶融温度を考慮すると、前記画像転写シートの表面温度が130℃以下となるよう行うことが望ましく、110℃以下となるよう行うことがより望ましい。
また、本実施形態においては、画像転写シートの表面に形成する画像として、電子写真方式の画像形成装置によって形成されるトナー画像について説明したが、これに限られるものではない。例えば、インクなどを用いて画像形成してもよい。
こうして形成される画像受像層140の膜厚は、5μm以上25μm以下の範囲であることが望ましく、7μm以上20μm以下の範囲であることがより望ましい。
また、背面層の膜厚としては、前記表面抵抗率の範中にあることが望ましく、0.01以上0.3μm以下が望ましい。
(画像転写シートの膜厚)
ICチップ等の情報チップが入ったカードの厚みは基準として840μmまでと規定(例えばJISX6301:2005等)されており、それを超えると規格外となる。しかし、ICチップ等の情報チップが入ったカードのコアとなる部分は既に760μmの厚みがあり、このカードのコアの表面に、ラミネートフィルムを用いて画像を転写するには、片面への転写であれば転写される層の厚みが80μm以下、両面への転写であれば転写される層の厚みが40μm以下とする必要がある。しかし、ラミネートフィルム(転写シート)は電子写真式画像形成装置等の画像形成装置に通紙しなくてはならないため、コシの強さを保持する観点から最低75μmの厚みを有することが望ましい。
上記観点より、本実施形態に係る転写シートは、画像受像層および透明支持体の総厚みが12μm以上80μm以下であり、且つ全体の総厚みが75μm以上135μm以下であることが望ましい。
画像受像層および透明支持体の総厚みが80μm以下に規定された転写シートにおいて、全体の総厚みが75μm以上であることにより、画像形成装置に通紙する際のコシの強さが保持され、一方135μm以下であることにより、トナー等の画像形成材料の転写性が良好に保持され、画質に優れた画像が形成される。尚、画像受像層および透明支持体の総厚みが12μm以上であることにより、透明支持体上への画像受像層のムラの無い形成がし易くなり、大面積での保持がし易くなる傾向がある。
ここで、本明細書に記載の各層の膜厚数値は、(株)ミツトヨ製 デジマチックインジケータ ID−H0530にて測定されたものである。
<画像記録体>
次に、上記に説明した本実施形態に係る画像転写シートを用いて作製される画像記録体について説明する。
尚、本実施形態に係る転写シートの画像受像層表面に画像を形成する方法としては、電子写真方式の画像形成方法によってトナー像を形成する方法の他、インクを用いてインク画像を形成する方法等公知の画像形成方法が採用される。
本実施形態に係る画像記録体は、本実施形態に係る画像転写シートの画像受像層が設けられた側の面に鏡像で画像形成材料からなる画像を形成し、前記画像が形成された面を画像支持体の片面に対面するよう重ね合わせた後、少なくとも前記画像転写シートにおける前記基材層を前記画像支持体から剥離することで、前記画像転写シートにおける画像受像層および透明支持体と前記画像形成材料からなる画像とを前記画像支持体に転写して作製され、少なくとも前記画像支持体と、前記画像受像層と、前記透明支持体と、をこの順に有し、且つ該画像支持体と画像受像層とで挟まれる領域に前記画像を有する。
尚、上記画像記録体の作製は、例えば、前述の画像転写シートの画像受像層が設けられた側の面に、鏡像で画像形成材料からなる画像を形成する画像形成工程と、前記画像転写シートの前記画像が形成された面と画像支持体の片面とを対面するよう重ね合わせて位置決めした積層体とする位置決め工程と、前記位置決めされた積層体を加熱圧着する加熱圧着工程と、前記画像形成材料が冷却固化した後、少なくとも前記画像転写シートにおける基材層を前記画像支持体から剥離し、少なくとも前記画像転写シートにおける画像受像層および透明支持体と前記画像形成材料とを前記画像支持体に転写して画像を記録する剥離工程と、を少なくとも含む方法により行われる。
この画像記録体としては、例えば、(1)表面に情報に応じたトナー画像が形成された本実施形態の画像転写シートから、加熱圧着により画像が画像支持体に転写された画像シート、画像パネルなどの構成や、(2)前記画像支持体の少なくともいずれか1箇所に配置された、電気的手段、磁気的手段、光学的手段から選択される少なくとも1つの手段を利用することにより少なくとも情報を読み出しし得る情報チップと、を少なくとも含む、ICカード、磁気カード、光カード、またはこれらが組み合わさったカードなど、予め定められた情報を納め、外部装置と接触または非接触に交信し得る情報記録媒体等の構成が挙げられる。
上記(1)項に示す画像記録体では、トナー画像は、その一部または全体が何らかの識別機能を有する情報を兼ねるもので、画像情報、文字情報等、識別し得る情報として機能するトナー画像を含むものであれば特に限定されない。また情報としてのトナー画像の識別は、視覚的に識別し得るものであるか否かは特に限定されず、機械的に識別し得るものであってもよい。
また、上記(2)項に示す画像記録体(情報記録媒体)では、情報チップが何らかの識別機能を有する情報を有しており、電気的手段、磁気的手段、光学的手段から選択される少なくとも1つの手段を利用することにより読み出しし得るものであれば特に限定されない。この情報チップは、情報の読み出し専用であってもよいが、必要に応じて情報の読み出しと書き込み(「書き換え」も含む)との両方が行い得るものを用いてもよい。また、この情報チップの具体例としては、例えばICチップ(半導体回路)が挙げられる。
なお、画像記録体の情報源として、上記の情報チップを用いる場合に形成されるトナー画像は、その一部または全体が何らかの識別機能を有する情報を有するか否かは特に限定されない。
一方、トナー画像や情報チップが有する情報は、識別し得るものであれば特に限定されないが可変情報を含むものであってもよい。該可変情報とは、同一の規格や基準で作製される複数の画像記録体において、個々の画像記録体の有する情報が異なることを意味する。
例えば、トナー画像が可変情報を含む場合、可変情報に対応した部分のトナー画像は、画像記録体毎に異なるトナー画像としてもよい。
さらに、上記の可変情報は個人情報を含むものであってもよい。この場合、本実施形態の画像記録体(情報記録媒体)は、キャッシュカードや社員証、学生証、個人会員証、居住証、各種運転免許証、各種資格取得証明などに適用され、この用途に使用される場合、個人情報としては、例えば、顔写真、本人照合用画像情報、氏名、住所、生年月日等やこれらの組合せが挙げられる。
前記電子写真方式による転写シートへの画像形成は、まず、電子写真用感光体(像保持体)の表面に電荷を与え帯電させた後、その表面に、得られた画像情報を露光し、露光に対応した静電潜像を形成する。次に、前記感光体表面の静電潜像に現像器から画像形成材料であるトナーを供給することで、静電潜像がトナーによって可視化現像される(トナー画像が形成される)。さらに、形成されたトナー画像を、転写シートの画像受像層が形成された面に転写し、最後に熱や圧力などによりトナー画像が画像受像層表面に定着されて、転写シートが電子写真装置から排出される。
本実施形態の転写シートは、画像形成面(画像受像層が設けられた側の面)をICチップなどが含まれた画像支持体と重ね、画像を転写するものであるため、転写シートの画像受像層に形成される画像は反転画像(鏡像画像)とする必要があり、前記感光体表面に静電潜像を形成する際には、上記感光体表面に露光される画像情報としては画像受像層に転写された像が鏡像となる情報が提供されることが望ましい。
本実施形態で用いられる画像支持体は、金属、プラスチック、セラミックなどであり、さらにこれらはシート状のものが望ましい。
本実施形態に用いられる画像支持体としては、プラスチックシートが望ましく、特に、画像記録体としたときに形成された画像が見えやすいよう不透明であることが望ましく、白色化したプラスチックシートが代表的に使用される。
上記プラスチックシート用樹脂としては、前記画像転写シートの基材層に用いたものが用いられ、ポリアセテートフィルム、三酢酸セルローズフィルム、ナイロンフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンテレナフタレート、ポリカーボネートフィルム、ポリスチレンフィルム、ポリフェニレンサルファイドフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリイミドフィルム、セロハン、ABS(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン)樹脂フィルム、塩化ビニルシート、アクリルシートなどが望ましく用いられる。
上記の中でも、ポリエステルフィルム、特に、ポリエチレンテレフタレートのエチレングリコール成分の半分前後を1,4−シクロへキサンメタノール成分に置き換えたPETGと呼ばれるものや、前記ポリエチレンテレフタレートにポリカーボネートを混ぜアロイ化させたもの、さらに二軸延伸しないポリエチレンテレフタレートで、A−PETと呼ばれる非晶質系ポリエステル等がより望ましく用いられる。
本実施形態においては、画像支持体の少なくとも画像が転写される側の面が、PETGを含むことが望ましい。
本実施形態においては、塩素を含まない画像支持体の使用を考慮し、さらなる材料として、前記ポリスチレン系樹脂シート、ABS樹脂シート、AS(アクリロニトリル−スチレン)樹脂シート、またポリエチレンテレフタレートシートや、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン系樹脂シートに、ポリエステルやEVA等のホットメルト系接着剤が付加されているシート等も望ましく用いられる。
プラスチックを白色化する方法としては、白色顔料、例えば、酸化珪素、酸化チタン、酸化カルシウム等の金属酸化物粒子、有機の白色顔料、ポリマー粒子等をフィルム中に混入させる方法が使用される。また、プラスチックシート表面にサンドブラスタ処理やエンボス加工等を施すことにより、プラスチックシートの表面を凹凸にし、その凹凸による光の散乱によりプラスチックシートを白色化してもよい。
本実施形態に用いられる画像支持体としては、厚さ75μm以上1000μm以下の範囲のプラスチックからなるシートを用いることが望ましく、厚さ100μm以上750μm以下の範囲のPETGシートを用いることがより望ましい。
本実施形態においては、最終的な画像記録体がICカード等として用いられる場合には、画像支持体として、その内部または表面に半導体回路を有するものが用いられる。
画像支持体中に半導体回路を内蔵させる方法としては、前記半導体回路が固定されたインレットと呼ばれるシートを、画像支持体を構成するシート材料間に挟み、熱プレスによって熱融着一体化させる方法が一般的に望ましく用いられる。また、上記インレットシートなしに直接、半導体回路を配置し、熱融着一体化させてもよい。
その他、上記熱融着によらず、ホットメルト等の接着剤を用いて、前記画像支持体を構成するシートどうしを貼り合わせ、半導体回路を内蔵させてもよいが、これらに限られるものではなく、例えば、ICカードに半導体回路を内蔵させる方法であれば、いずれも前記画像支持体の製造方法として適用される。
さらに、画像記録体として使用上許される範囲であれば、半導体回路を画像支持体の内部ではなく、表面に露出した状態で配置してもよい。
なお、本実施形態の画像記録体がICカードだけでなく、磁気カード等として用いられる場合には、画像支持体にアンテナ、磁気ストライプ、外部端子などが埋め込まれてもよい。また、磁気ストライプ、ホログラム等が印刷されたり、必要文字情報がエンボスされる場合がある。
前記転写シートと画像支持体との重ね合わせは、転写シートと画像支持体とを手で保持して揃えることにより行ってもよいし、転写シート上に画像形成後に、丁合い部などに転写シートおよび画像支持体を順次排出し、揃えることにより行ってもよい。
前記加熱圧着工程における圧着方法としては、特に限定されるものではなく、従来公知の各種ラミネート技法、並びにラミネート装置がいずれも好適に採用される。これらの中でも、熱を加えることによりラミネートするヒートプレス法を用いることが望ましく、例えば、転写シートおよび画像支持体の積層体を加熱し得る1対の熱ロールの圧接部(ニップ部)に挿通させることにより、両者をある程度熱溶融させ熱融着させる、通常のラミネート技法、並びにラミネート装置を用いて、圧着させてもよい。
加熱圧着された前記積層体は、画像形成材料が冷却固化した後、前記電子写真用転写シートの基材層を画像支持体から剥し、画像形成材料が画像支持体に転写されることで画像が記録され、本実施形態の画像記録体となる。
前記冷却固化する温度は、具体的にはトナーが十分固まる軟化温度以下の温度であり、例えば画像形成材料のガラス転移温度以下であり、望ましくは常温(22℃)以上50℃以下であることが望ましい。また、転写シートを画像支持体から剥がす条件としては、特に限定されないが、転写シートの端面を掴んで画像支持体から徐々に剥していくことが望ましい。
次に、以上に説明した画像記録体の具体例について図面を用いて説明する。図3(A)および図3(B)は、本実施形態の画像記録体の作製における加熱圧着前の状態と、加熱圧着、剥離後の画像記録体の一例を示す断面図である。図3(A)および図3(B)中、100は転写シート、200は画像支持体、300は画像記録体を表す。
図3(A)は、転写シート100と、被転写体である画像支持体200(例えばPETGシート)とを重ね合わせて積層体を構成した時の状態を示すものである。加熱圧着前は、画像形成材料(トナー)190は転写シートの画像受像層180側、または画像受像層180と画像支持体200との界面に存在する。
一方、図3(B)に示すごとく、加熱圧着、剥離後は、画像形成材料190は画像支持体200の表面と画像受像層180に完全に埋め込まれた状態となっている。したがって、画像支持体200の表面と画像形成材料190の存在する部分とでは、段差がほとんどなく、作製された画像記録体300はそのまま印刷された画像記録体と同等の感触を有し、画像形成材料190も簡単に剥がれたりすることがない。
また、剥離後において画像支持体200側に残る透明支持体170が、画像記録体300においてはオーバーコート層の役割を果たす。
剥離された画像記録体300は、そのまま本実施形態の画像記録体となり得るが、電子写真用転写シートに個別の画像が複数形成されている場合、この各画像毎に裁断し、定められたサイズの複数の画像記録体が得られる。
尚、本実施形態に係る画像記録体の態様としては、顔写真入りキャッシュカードや社員証、学生証、個人会員証、居住証、各種運転免許証、各種資格取得証明等の非接触式または接触式個人情報画像情報入り情報記録媒体、RFIDタグさらに医療現場などで用いる本人照合用画像シートや画像表示板、表示ラベルなどの画像記録体が挙げられる。
(画像記録体の作製)
次に、本実施形態の画像記録体の作製方法について説明する。図4は、本実施形態の画像記録体の作製装置を示す概略構成図である。
図4に示す画像記録体の作製装置10は、画像形成装置12と、丁合い装置14(位置決め部)と、ラミネート装置16(加熱圧着部)と、剥離装置17(剥離部)と、から構成されている。
画像形成装置12は、例えば、転写シート収納部18と、画像形成部20と、転写シート収納部18から画像形成部20へ転写シート22を搬送する搬送路24と、画像形成部20から排出口28へ転写シート22を搬送する搬送路26とから構成されている。その他の構成は省略する。
転写シート収納部18には、転写シート22が収納されると共に、通常の給紙装置に備えられている取り出しロールや給紙ロールが備えられ、定められたタイミングで給紙ロール等が回転し、画像形成部20へ転写シート22を搬送する。
画像形成部20は、図示しないが、潜像保持体と、潜像保持体を帯電する帯電器と、帯電した潜像保持体に潜像を形成する潜像形成装置と、該潜像を少なくともトナーを含む現像剤を用いて現像しトナー画像を得る現像器と、現像されたトナー画像を転写シート22に転写する転写器と、転写シート22に転写されたトナー画像を加熱・加圧して定着する定着器と、を含む公知の電子写真方式の装置で構成されている。
搬送路24、26は、駆動ローラ対を含む複数のローラ対やガイド(図示せず)から構成されており、さらに搬送路26には、転写シート22の搬送方向を180°反転させる反転路26aが設けられる。搬送路26と反転路26aとの分岐部分には、転写シート22の案内方向を変更するカム32が設けられている。この反転路26aで転写シート22を往復させ、再び搬送路26に戻すと、転写シート22の搬送方向が180°反転されると共に、転写シート22の表裏が反転して搬送される。
丁合い装置14は、プラスチックシート(画像支持体)収納部34と、丁合い部36(位置決め部)と、プラスチックシート収納部34から丁合い部36へプラスチックシート38(画像支持体)を供給する搬送路40と、画像形成装置12の排出口28から排出された転写シート22を、丁合い部36へ供給する搬送路42と、から構成されている。
プラスチックシート38を丁合い部36へ供給する搬送路40排出部と、転写シート22を丁合い部36へ供給する搬送路42排出部は、高さ方向に並列して設けられている。
搬送路40、42としては、板状部材と、その表面を転写シート22またはプラスチックシート38を搬送させるための搬送ロールが設けられた構成であってもよく、また回転するベルト状の搬送体で構成されていてもよい。そして転写シート22が画像形成装置12から排出されるタイミング、またはプラスチックシート38が排出されるタイミングで搬送ロールやベルトが回転し、転写シート22またはプラスチックシート38を丁合い部36に搬送する。
プラスチックシート収納部34(画像支持体収納部)には、プラスチックシート38が収納されると共に、通常の給紙装置に備えられている取り出しロールや給紙ロールが備えられ、丁合い部36がプラスチックシート収納部34の排出口の位置に移動した後給紙ロール等が回転し、丁合い部36にプラスチックシート38を搬送する。
丁合い部36は、搬送路40排出部と搬送路42排出部からプラスチックシート38および転写シート22がそれぞれ供給されるよう、例えば、その端部の一部が上下(図中上下)に支持されたベルト外壁に連結されており、当該ベルトの回転駆動に伴い昇降するよう構成されている。この昇降手段に限らず、モーター駆動方式など、公知の昇降手段を適用させてもよい。また、積層されたプラスチックシート38および転写シート22の端部を揃える位置決め手段(図示しない)が設けられている。
丁合い部36には、プラスチックシート38を介して2つの転写シート22を積層した積層体を仮止めする仮止め装置44が設けられている。この仮止め装置は、例えば、ヒータなどにより加熱されるよう金属からなる一対の突片で構成されており、この加熱された一対の突片により積層体の端部を挟むことで、積層体の端部が熱溶着されて仮止めされる。
仮止めの方法としては、熱溶着を用いるのであれば一対の突片による方法に限らず、既存のその他の方式、すなわち加熱した針状の部材をシートの垂直方向に貫通させたり、超音波振動子を搭載した部材でシートを挟み、超音波振動により発生した熱により溶着してもよい。また、熱を用いずに機械的に互いの動きを拘束する手段、すなわち、ステープラの針等を用いて固定したり、または搬送経路に沿ってシートとともに移動し得るグリッパーを設けてもよい。
仮止め装置44が丁合い部36からラミネート装置16への積層体の搬送路上に設けられる場合には、仮止め装置44は、仮止め時のみ丁合い部36の端部に配置され、それ以外のときは上記搬送路から退避し得る構造をとる必要がある。
ラミネート装置16は、例えば、一対のベルト46から構成されるベルトニップ方式を採用してもよい。それぞれのベルト46は、加熱・加圧ロール48と、支持ロール50により支持され、更に加圧ロール52および54を有する。
ラミネート装置16における圧着方法としては、特に限定されるものではなく、従来公知の各種ラミネート技法、並びにラミネート装置がいずれも好適に採用される。例えば、前記積層体を熱ロール対などによるニップ部に挿通させることにより、両者をある程度熱溶融させ熱融着させる、通常のラミネート技法、並びにラミネート装置、または熱プレス技法、ならびに熱プレス装置を用いて、圧着される。
本実施形態においては、ラミネート装置16と剥離装置17の間に、紫外線照射装置が設けられ、透明ガラス板60上を通過するラミネートされた積層体の表裏から紫外線を照射する紫外線照射ランプ62が設置されている。この紫外線照射ランプ62は、紫外線の波長領域を発生させる光源として、目的に応じて200nm以上400nm以下の波長のメタルハイドライドランプや365nm波長の高圧水銀ランプ、185/254nm波長の低圧水銀ランプ等が用いられる。一般的な紫外線硬化樹脂の紫外線露光量は、各種樹脂によって決まってくるが、基本的に数秒で硬化するものが多い。紫外線露光量=紫外線照度×照射時間の関係式で示される為、紫外線照度が判れば必要な照射時間が求められる。装置には、80/120W/cm、または120/160W/cmのように照度切り替えを行い得るものもある。装置には、照射対象のサイズ、形状によって卓上(バッチ)型、コンベア型など作業に適したものが選ばれる。
剥離装置17は、例えば、エア噴出しノズル19とガイド21a、21bからなっており、プラスチックシートの搬送経路下流側に、排出受け56が設けられている。
次いで、上記画像記録体の作製装置10の動作について説明する。
まず、画像形成装置12において、転写シート22のうち、プラスチックシート38の裏面(図面中下側)に積層される第1の転写シート22aが、転写シート収納部18から搬送路24を経由して画像形成部20へと供給され、第1の転写シート22aの上面(図面中上側)に電子写真方式によりトナー画像が転写された後、定着され定着画像が形成される(画像形成工程)。このとき、第1の転写シート22aの上面に定着画像が形成されているので、第1の転写シート22aは、そのまま搬送路26を経て排出口28へ搬送され、丁合い装置14へと送られる。
そして、丁合い装置14において、第1の転写シート22aは、丁合い装置14の搬送路42を経て、丁合い部36へと供給される。ここで、搬送路42排出部を出た第1の転写シート22aは画像面が上面を向くよう、その自重により丁合い部36への供給される。
次に、丁合い部36を、搬送路40排出部まで昇降させ、プラスチックシート38が、プラスチックシート収納部34から搬送路40を経て、丁合い部36へと供給される。ここで、搬送路40排出部を出たプラスチックシート38は、その自重により丁合い部36へと供給され、第1の転写シート22aと重ねられる。
次に、画像形成装置12において、プラスチックシート38の表面(図面中上側)に積層される第2の転写シート22bが、転写シート収納部18から搬送路24を経由して画像形成部20へと供給され、第2の転写シート22bの上面(図面中上側)に電子写真方式によりトナー画像が転写された後、定着され定着画像が形成される(画像形成工程)。第2の転写シート22bの上面に定着画像が形成されているので、第2の転写シート22bは、搬送路26を通り、一端、反転路26aを経由して、再び搬送路26に戻り排出口28へ搬送され、丁合い装置14へと送られる。
このとき、搬送路26と反転路26aの分岐部において、カム32はその先端が搬送路26に重なるよう駆動され、カム32の先端位置に到達した第2の転写シート22bは搬送方向が変更され、反転路26aへと案内搬送される。そして、第2の転写シート22bが反転路26aに到達した後、図示しない駆動ロールを反転させ、第2の転写シート22bを反転路26aで往復移動させて、再び搬送路26に戻す。このため、搬送路26に戻った第2の転写シート22bは、搬送方向が180°反転される共に、その表裏も反転し、画像面が下側(図面中下側)を向いて搬送されることとなる。
そして、丁合い装置14において、第2の転写シート22bは、丁合い装置14の搬送路42を経て、丁合い部36へと供給される。ここで、搬送路42排出部を出た第2の転写シート22bは、画像面が下面を向くよう、その自重により丁合い部36へ供給され、プラスチックシート38と重ねられる。
こうして、丁合い部36には、画像面が上向きの第1の転写シート22a、プラスチックシート38、および画像面が下向きの第2の転写シート22bの順番で供給されると共に重ねられる(位置決め工程)。この積層体は、プラスチックシート38を介して、第1の転写シート22aおよび第2の転写シート22bがその画像面を対面させて積層されている。
次に、丁合い部36上の第1の転写シート22a、プラスチックシート38、および第2の転写シート22bの端部を、図示しない位置決め手段により揃え、続いて、仮止め装置44により、積層体の端部に仮止めを施した後、ラミネート装置16へ搬送される。なお、転写シート22、プラスチックシート38のサイズを同等にしており、積層体の端部を揃えることで、位置決めが行なわれる。
次いで、ラミネート装置16において、第1の転写シート22a、プラスチックシート38、および第2の転写シート22bの積層体を、一対のベルト46ニップ間に通過させて加熱圧着処理をし、プラスチックシート38を第1の転写シート22aおよび第2の転写シート22bで加熱圧着する(加熱圧着工程)。
加熱圧着された積層体は、ラミネート部から出てくると透明ガラス板60上に搬送され、その上下から紫外線照射ランプ62によって、紫外線が照射される。これによって画像受像層が硬化し、プラスチックシート38と強固に接着される。その後、積層体は次の剥離装置17へ搬送される。
積層体先端部がエア噴出しノズル19にさしかかると、ノズルから圧縮空気が噴射される。第1の転写シート22aの基材層と第2の転写シート22bの基材層の端部が画像受像層および透明支持体が圧着されたプラスチックシート38より浮き上がり、ガイド21a、21bの先端が第1の転写シート22aの基材層と透明支持体とで挟まれる領域および第2の転写シート22bの基材層と透明支持体とで挟まれる領域に入る。さらに、積層体が搬送されるにつれ、2つの転写シートの基材層はガイド21a、21bに沿ってプラスチックシート38と分離する方向に搬送され、プラスチックシート38から剥がされる。
画像受像層および透明支持体が圧着されたプラスチックシート38は排出受け56に排出され、記録済みプラスチックシートが得られる。ここで、プラスチックシートに個別の画像が複数形成されている場合、この各画像毎に裁断し、定められたサイズのプラスチックシートを得る。
第1の転写シート22aの背面層を含む基材層および第2の転写シート22bの背面層を含む基材層は、その後図示しない経路を通って転写シート排出受け57に排出される。
以上のごとく、本実施形態の画像記録体の作製装置では、2つ転写シート22の片面に電子写真方式により画像を形成し、プラスチックシート38を介して、この2つの転写シート22をその画像面を対面させて加熱圧着し、転写シートの基材層を剥離することで、画像記録体が得られる。
また、画像形成装置12における画像形成部20から排出口28と転写シート22を搬送する搬送路26の途中に反転路26aを設けて、転写シート22のうち、丁合い部36上の下側に供給される第1の転写シート22aは反転路26aを経由させず、上側に供給される第2の転写シート22bは反転路26aを経由させその表裏を反転させて搬送するといった具合に、選択的に転写シート22の表裏を反転させることで、連続した位置決めが行なわれ、より効率良くプラスチックシートに印刷が行われる。
以下に、実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、下記実施例および比較例における「部」は「質量部」を、「%」は「質量%」を意味する。
〔実施例1〕
電子写真用画像転写シート(転写シートA1)を以下のように作製した。以下、その作製方法を工程ごとに説明する。
<受像層塗工液a−1の調製>
熱可塑性を有する未硬化の紫外線硬化性樹脂としてアクリレート系紫外線硬化樹脂(大成ファインケミカル社製:アクリット8KX−077、固型分濃度40%)50部に、光重合開始剤として1,2α−ヒドロキシアルキルフェノン(BASF社製イルガキュア184)0.6部、四級アンモニウム塩タイプの界面活性剤(日油社製:エレガン264WAX)1部、粒子として架橋型ポリメタクリル酸ブチルの真球状粒子(積水化成品工業社製:BM30X−8、体積平均粒子径:8μm)0.5部を、添加して十分に混合攪拌し、受像層塗工液a−1を調製した。
<背面層塗工液b−1の調製>
熱可塑性樹脂としてポリエステル樹脂(綜研化学社製:フォレットFF−4M、固型分濃度30%)20部と、四級アンモニウム塩タイプの界面活性剤(日油社製:エレガン264WAX)0.5部と、粒子として架橋型アクリル樹脂の真球状粒子(綜研化学社製:MX−200、体積平均粒子径2μm)0.45部と、メチルエチルケトン200部と、を混合して十分攪拌し、背面層塗工液b−1を調製した。
<転写シートA1の作製>
基材層として片面に離型処理(離型層)を施した二軸延伸PETフィルム(パナック社製パナピール100SG−2、厚み101μm)の未処理面に、前記背面層塗工液b−1をワイヤーバーを用いて塗布し、100℃で1分乾燥させ、基材層裏面側に膜厚0.3μmの背面層を形成した。この基材の離型処理した離型層面に、前記受像層塗工液a−1をワイヤーバーを用いて塗布し、120℃で1分間乾燥させ、膜厚5μmの画像受像層を形成した。その後A4サイズ(210mm×297mm)にカットして画像転写シートA1を50枚作製した。
この転写シートA1の背面層の表面抵抗率は1.4×1011Ω/□、画像受像層の表面抵抗率は、3.7×1012Ω/□であった。
(転写シートの性能評価)
−画像受像層の30℃での接着性確認−
前述の方法により、環境温度30℃の条件での鋼球の減速を観察し、接着性が発現しているか否かを確認した。結果を表1に示す。
−画像受像層の紫外線(UV)照射後の伸度確認−
前述の方法により、画像受像層に対して紫外線照射(高圧水銀)ランプにて500mJ/cmとなるよう紫外線を照射して画像受像層を硬化させ、引張り試験機(今田製作所:SVZ-50NA)にて10mm/minの速度で延伸し、目視で画像受像層に亀裂が入った時点までの延伸率(引張り試験開始前の長さに対する延伸された長さ)を求めた。尚、例えば50mmから60mmまで延伸したものを伸度20%と表記する。結果を表1に示す。
−タック性評価−
室温22℃、湿度55%の条件下において、上記転写シートA1を50枚重ね、その上に300mm×300mmのアルミニウム板2Kgを載せ、24時間保持した。
その後、アルミニウム板を50枚重ねられた前記転写シートA1上から取り除き、一番上にある転写シートA1から1枚づつシートの角(エッジ)を持ち上げて、シート間で接着(タック)しているか否かを確認した。タックしていれば複数枚が重なって持ち上がることになる。
全て問題がなく分離し得た場合は、Aとする。1回でも複数の転写シートが重なって持ち上がった場合は、Bとする。結果を表1に示す。
−電子写真装置内搬送性評価−
その後、前記転写シートA1の50枚を電子写真装置(富士ゼロックス社製:DocuColor1450GA)のトレイにセットして、顔写真や名前、1から5ポイントの大きさの英数字、ベタ画像を含むカラーの鏡像画像を画像受像層面に連続で50枚印字作業を行って、装置内でのシートに起因する搬送停止(ジャム)あるいはフィルムが重なって搬送してしまう重送が発生するか否かを確認した。
ジャムや重送が1回でも発生した場合にはB、発生しない場合をAとした。結果を表1に示す。
−印字画質評価−
転写シートA1上に形成された画像の画質について、目視により画像欠陥(像つぶれ、像流れ)の発生の度合いを評価した。
画像欠陥の発生が確認されなければA、多少でも画像欠陥が見られた場合をBとした。結果を表1に示す。
<画像記録体A1の作製>
画像記録体を作製するに当たり、図4に示した画像記録体の作製装置10からラミネート装置16と剥離装置17を丁合装置14部分から分離して作動するよう調整した。
画像記録体は、白色顔料等が添加されたPET−G樹脂の白色シート(三菱樹脂社製:PG−WHI、厚み740μm)を画像支持体として、この白色シートの表裏に、画像が形成された前記転写シートA1の画像形成面で重ね合わせ、図4のラミネート装置16の一対の金属ベルト46のニップ間に挿入した。ラミネート条件は、加圧ロール52が130℃、圧力は10Kg/cm、搬送速度は5mm/secである。
さらにラミネート後排出された積層体が透明ガラス板60上を通過するとき、その上下から紫外線照射ランプ62(高圧水銀)にて500mJ/cmとなるよう紫外線を照射し、画像受像層を硬化させた。その後、剥離装置17で画像転写シートA1の画像受像層が画像支持体(白色シート)に転写され、基材層と画像記録体が分離され、画像記録体A1が排出受け56に排出される。
<画像記録体A1の評価>
−画像接着性の評価−
画像記録体A1に転写された画像の接着性の評価は、画像記録体A1の表面に転写された画像部に、市販の18mm幅セロハン粘着テープ(ニチバン社製、セロハンテープ)を700g/cmの線圧で貼り付け、10mm/secの速度で180度剥離を行った時の画像の剥がれを評価した。
本評価では、まったく問題が無かった場合は、Aとした。少しでも画像が剥がれたりした場合は、Bとした。結果を表1に示す。
−画質評価−
画質に関しては、細線文字印字部分のラミネート後の正確な再現性を評価した。
画像として1から5ポイントの英数字の解像度を文字の判別し得るポイント数で評価し、3ポイントより小さい英数字が確認し得た場合は、A。4ポイントまでの英数字が確認がし得た場合は、B。5ポイントより大きい英数字しか確認し得ない場合は、Cとした。結果を表1に示す。
−残留気泡の評価−
残留気泡に関しては、転写されている画像の7ポイント英数字「O」と「8」の丸の内側にラミネート時に空気が逃げ切れず、目視によって気泡として残存したことが明らかに確認し得た場合は、C。確認し得ない場合はA。判別が難しい場合はBとした。結果を表1に示す。
−冷熱衝撃評価(亀裂評価)−
冷熱衝撃評価は、画像支持体と画像受像層の熱膨張係数が異なる場合を想定して、高温低温のサイクルを繰り返して、画像受像層に大きな変化が生じるか否かを確認した。具体的には、エスペック社製:TSA−72ELを使用して、高温:70℃、低温:0℃、各15分の曝し時間で、500サイクル連続して行い、画像記録体表面に亀裂が発生していた場合は、B。亀裂が発生していない場合は、Aとした。結果を表1に示す。
−ソフト塩ビ(PVC)耐性−
市販のソフト塩化ビニル製のカードケースに画像記録体(カード)を入れて高温高湿(65℃80%)下で24時間放置し、カードの表面材料や画像がケースにオフセットした場合は、B。オフセットが発生していない場合は、Aとした。結果を表1に示す。
〔実施例2〕
<受像層塗工液a−2の調製>
紫外線硬化性樹脂としてメタクリレート系紫外線硬化樹脂(大成ファインケミカル社製:アクリット8KX−018C、固型分濃度40%)50部、四級アンモニウム塩を側鎖に結合したウレタンアクリレート系の紫外線硬化剤(日本合成化学社製:紫光UV−AS102、固型分濃度40%)25部、光重合開始剤として1,2α−ヒドロキシアルキルフェノン(BASF社製イルガキュア184)1部、粒子として架橋型ポリメタクリル酸メチルの真球状粒子(積水化成品工業社製:SSX−115、平均粒子径:15μm)4.5部を、添加して十分に混合攪拌し、受像層塗工液a−2を調製した。
<転写シートA2および画像記録体A2の作製>
実施例1において、前記受像層塗工液a−1の替わりに受像層塗工液a−2を用いて、受像層膜厚10μmの受像層(表面抵抗率:1.0×1013Ω/□)を形成させた以外は実施例1と同様にして転写シートA2と画像記録体A2を作製し、実施例1と同様に評価を行った。
〔実施例3〕
<受像層塗工液a−3の調製>
実施例2の紫外線硬化性樹脂の替わりにメタクリレート系紫外線硬化樹脂(大成ファインケミカル社製:アクリット8KX−054C、固型分濃度54%)37部に変更し、フィラーとして架橋型ポリアクリル酸メチルの真球状粒子(綜研化学社製:MX−1000、平均粒子径:10μm)1.5部を添加した以外は実施例1と同様にして、受像層塗工液a−3を調製した。
<転写シートA3および画像記録体A3の作製>
実施例1において、前記受像層塗工液a−1の替わりに受像層塗工液a−3を用いて、受像層膜厚6.5μmの受像層(表面抵抗率:9.1×1012Ω/□)を形成させた以外は実施例1と同様にして転写シートA3と画像記録体A3を作製し、実施例1と同様に評価を行った。
〔実施例4〕
<受像層塗工液a−4の調製>
紫外線硬化性樹脂としてアクリレート系紫外線硬化樹脂(DIC社製:ユニディックRC29−120、固型分濃度50%)40部、四級アンモニウム塩を結合したウレタンアクリレート系の紫外線硬化剤(日本合成化学社製:紫光UV−AS102、固型分濃度40%)25部、光重合開始剤として1,2α−ヒドロキシアルキルフェノン(BASF社製イルガキュア184)0.4部、粒子として架橋型ポリメタクリル酸メチルの真球状粒子(積水化成品工業社製:SSX−115、平均粒子径:15μm)0.5部、希釈溶媒として酢酸ブチル100部、酢酸エチル100部に添加して十分に混合攪拌し、受像層塗工液a−4を調製した。
<転写シートA4および画像記録体A4の作製>
実施例1において、前記受像層塗工液a−1の替わりに受像層塗工液a−4を用いて、受像層膜厚8μmの受像層(表面抵抗率:8.5×1012Ω/□)を形成させた以外は実施例1と同様にして転写シートA4と画像記録体A4を作製し、実施例1と同様に評価を行った。
〔実施例5〕
<受像層塗工液a−5の調製>
紫外線硬化性樹脂としてアクリレート系紫外線硬化樹脂(DIC社製:ユニディックEKC−1054、固型分濃度50%)40部、四級アンモニウム塩を結合したウレタンアクリレート系の紫外線硬化剤(日本合成化学社製:紫光UV−AS102、固型分濃度40%)25部、光重合開始剤として1,2α−ヒドロキシアルキルフェノン(BASF社製イルガキュア184)0.4部、粒子として架橋型ポリメタクリル酸メチルの真球状粒子(積水化成品工業社製:SSX−110、平均粒子径:10μm)1部、希釈溶媒としてメチルイソブチルケトン100部に添加して十分に混合攪拌し、受像層塗工液a−5を調製した。
<転写シートA5および画像記録体A5の作製>
実施例1において、前記受像層塗工液a−1の替わりに受像層塗工液a−5を用いて、受像層膜厚6μmの受像層(表面抵抗率:6.7×1012Ω/□)を形成させた以外は実施例1と同様にして転写シートA5と画像記録体A5を作製し、実施例1と同様に評価を行った。
〔実施例6〕
<受像層塗工液a−6の調製>
実施例1の紫外線硬化性樹脂の替わりにアクリレート系紫外線硬化樹脂(DIC社製:ユニディックV−6840、固型分濃度50%)30部に変更し、希釈溶媒としてメチルイソブチルケトン200部に混合した以外は実施例1と同様にして、受像層塗工液a−6を調製した。
<転写シートA6および画像記録体A6の作製>
実施例1において、前記受像層塗工液a−1の替わりに受像層塗工液a−6を用いて、受像層膜厚5μmの受像層(表面抵抗率:3.2×1011Ω/□)を形成させた以外は実施例1と同様にして転写シートA6と画像記録体A6を作製し、実施例1と同様に評価を行った。
〔比較例1〕
<受像層塗工液c−1の調製>
実施例1の(大成ファインケミカル社製:アクリット8KX−077、固型分濃度40%)の替わりに熱可塑性ポリエステル樹脂(東洋紡績社製:バイロン24SS、固型分濃度30%)50部を用いて、四級アンモニウム塩タイプの界面活性剤(日油社製:エレガン264WAX)0.5部、粒子として架橋型ポリメタクリル酸ブチルの真球状粒子(積水化成品工業社製:BM30X−8、体積平均粒子径:8μm)0.5部を、添加して十分に混合攪拌し、受像層塗工液c−1を調製した。
<転写シートC1および画像記録体C1の作製>
実施例1において、前記受像層塗工液a−1の替わりに受像層塗工液c−1を用いて、受像層膜厚5μmの受像層(表面抵抗率:8.2×1009Ω/□)を形成させた以外は実施例1と同様にして転写シートC1と画像記録体C1を作製し、実施例1と同様に評価を行った。
その結果、転写シートC1の搬送性および印字画質評価は、問題がなかった。また、画像記録体C1の画像接着性、画質、残留気泡、冷熱衝撃評価は問題なかったが、高温高湿下における塩化ビニルのソフトカードケース内に入れておいたカードについては、ケースとカードが接着し、無理やり剥したら一部画像がケース内側に移行(オフセット)してしまった。結果をまとめて表1に示す。
〔比較例2〕
<受像層塗工液c−2の調製>
実施例1のウレタンアクリレート系紫外線硬化樹脂(大成ファインケミカル社製:アクリット8KX−077、固型分濃度40%)の替わりにアクリル系紫外線硬化樹脂(DIC社製:ユニディックRC29−124、固型分濃度60%)を用いた以外は実施例1と同様にして受像層塗工液c−2を調製した。
<転写シートC2の作製>
実施例1において、前記受像層塗工液a−1の替わりに受像層塗工液c−2を用いて、受像層膜厚7μmの受像層を形成させた以外は実施例1と同様にして転写シートC2を作製し、実施例1と同様に評価を行った。
その結果、転写シートC1は画像受像層がタックするため装置内でジャムして画像も出力できなかった。よって、画像記録体C2の作製は出来なかった。結果をまとめて表1に示す。
〔比較例3〕
<受像層塗工液c−3の調製>
シリコーンアクリル系紫外線硬化樹脂(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製:UVHC1101、固型分濃度100%)20部を用いて、四級アンモニウム塩を側鎖に結合したアクリレート系樹脂(大成ファインケミカル社製:アクリット1SX−1055、固型分濃度41%)20部、粒子として架橋型ポリメタクリル酸ブチルの真球状粒子(積水化成品工業社製:BM30X−8、体積平均粒子径:8μm)0.5部を、イソプロピルアルコール40部添加して十分に混合攪拌し、受像層塗工液c−3を調製した。
<転写シートC3および画像記録体C3の作製>
実施例1において、前記受像層塗工液a−1の替わりに受像層塗工液c−3を用いて、受像層膜厚5μmの受像層(表面抵抗率:3.8×1012Ω/□)を形成させた以外は実施例1と同様にして転写シートC3と画像記録体C3を作製し、実施例1と同様に評価を行った。
その結果、転写シートC3の搬送性および印字画質評価は、問題がなかった。画像記録体C3の画像接着性は、一部の画像が剥がれた(B)。また残留気泡が多く(C)、さらに冷熱衝撃評価においては、画像記録体表面に亀裂が発生していた(B)。高温高湿下における塩化ビニルのソフトカードケース内に入れておいたカードについては画像記録体の表面の一部に亀裂が生じていた。結果をまとめて表1に示す。
〔比較例4〕
<受像層塗工液c−4の調製>
シリコーンアクリル系紫外線硬化樹脂(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製:UVHC1101、固型分濃度100%)20部を用いて、四級アンモニウム塩タイプの界面活性剤(日油社製:エレガン264WAX)2部、粒子として架橋型ポリメタクリル酸ブチルの真球状粒子(積水化成品工業社製:BM30X−8、体積平均粒子径:8μm)0.5部を、イソプロピルアルコール40部添加して十分に混合攪拌し、受像層塗工液c−4を調製した。
<転写シートC4および画像記録体C4の作製>
実施例1において、前記受像層塗工液a−1の替わりに受像層塗工液c−4を用いて、受像層膜厚5μmの受像層(表面抵抗率:3.8×1010Ω/□)を形成させた以外は実施例1と同様にして転写シートC4と画像記録体C4を作製し、実施例1と同様に評価を行った。
その結果、転写シートC4の搬送性および印字画質評価は、問題がなかった。画像記録体C4の画像接着性は、一部の画像と画像受像層全体が剥がれた(B)。また残留気泡が多く(C)、さらに冷熱衝撃評価においては、画像記録体表面に亀裂がヘビ革文様状に発生していた(B)。高温高湿下における塩化ビニルのソフトカードケース内に入れておいたカードについては画像記録体の表面の一部に亀裂が生じていた。結果をまとめて表1に示す。
〔比較例5〕
<受像層塗工液c−5の調製>
シリコーン系熱硬化性樹脂化合物(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製:SHC900、固型分濃度30%)60部を用いて、四級アンモニウム塩タイプの界面活性剤(日油社製:エレガン264WAX)2部、粒子として架橋型ポリメタクリル酸ブチルの真球状粒子(積水化成品工業社製:BM30X−8、体積平均粒子径:8μm)0.5部を、イソプロピルアルコール40部添加して十分に混合攪拌し、受像層塗工液c−5を調製した。
<転写シートC5および画像記録体C5の作製>
実施例1において、前記受像層塗工液a−1の替わりに受像層塗工液c−5を用いて、受像層膜厚5μmの受像層(表面抵抗率:5.5×1012Ω/□)を形成させた以外は実施例1と同様にして転写シートC5と画像記録体C5を作製し、実施例1と同様に評価を行った。
その結果、転写シートC5の搬送性および印字画質評価は、問題がなかった。画像記録体C5の画像接着性は、一部の画像と画像受像層全体が剥がれた(B)。また残留気泡が多く(C)、さらに冷熱衝撃評価においては、画像記録体表面に亀裂がヘビ革文様状に発生していた(B)。高温高湿下における塩化ビニルのソフトカードケース内に入れておいたカードについては問題なかったが、画像記録体の表面の一部に亀裂が生じていた。結果をまとめて表1に示す。
〔比較例6〕
<受像層塗工液c−6の調製>
熱硬化性シリコーン系材料(信越化学工業社製:KP−86、固型分濃度20%)80部を用いて、四級アンモニウム塩タイプの界面活性剤(日油社製:エレガン264WAX)2部、粒子として架橋型ポリメタクリル酸ブチルの真球状粒子(積水化成品工業社製:BM30X−8、体積平均粒子径:8μm)0.5部を、イソプロピルアルコール40部添加して十分に混合攪拌し、受像層塗工液c−6を調製した。
<転写シートC6および画像記録体C6の作製>
実施例1において、前記受像層塗工液a−1の替わりに受像層塗工液c−6を用いて、受像層膜厚5μmの受像層(表面抵抗率:5.5×1012Ω/□)を形成させた以外は実施例1と同様にして転写シートC6と画像記録体C6を作製し、実施例1と同様に評価を行った。
その結果、転写シートC6の搬送性および印字画質評価は、問題がなかった。画像記録体C6の画像接着性は、一部の画像と画像受像層全体が剥がれた(B)。また残留気泡が多く(C)、さらに冷熱衝撃評価においては、画像記録体表面に亀裂がヘビ革文様状に発生していた(B)。高温高湿下における塩化ビニルのソフトカードケース内に入れておいたカードについては画像記録体の表面の一部に亀裂が生じていた。結果をまとめて表1に示す。
10 画像記録体の作製装置
12 画像形成装置
14 丁合い装置(位置決め部)
16 ラミネート装置(加熱圧着部)
17 剥離装置(剥離部)
18 転写シート収納部
20 画像形成部
22、100 転写シート
24、26、40、42 搬送路
26a 反転路
28 排出口
32 カム
34 プラスチックシート収納部(画像支持体収納部)
36 丁合い部
38、200 プラスチックシート(画像支持体)
46 ベルト
56 排出受け
57 転写シート排出受け
60 透明ガラス板
62 紫外線照射ランプ
110 基材層
120 粘着層
130、170 透明支持体
140、180 画像受像層
150 背面層
160 離型層
190 画像形成材料
200 画像支持体
300 画像記録体

Claims (4)

  1. 少なくとも基材層を有する基体と、
    熱可塑性を有する未硬化の紫外線硬化性樹脂を含有し、30℃以下で接着性を発現せず、且つ紫外線照射後における伸度が5%以上である画像受像層を少なくとも有する、前記基体から剥離し得る転写層と、
    を備える電子写真用画像転写シート。
  2. 前記画像受像層が、4級アンモニウム塩および4級アンモニウム塩を側鎖に有するアクリル系樹脂から選択される少なくとも一種を含有する請求項1に記載の電子写真用画像転写シート。
  3. 請求項1または請求項2に記載の電子写真用画像転写シートの前記画像受像層が設けられた側の表面に、電子写真法により鏡像で画像形成材料からなる画像を形成し、前記画像が形成された面を画像支持体の片面に対面するよう重ね合わせて積層体とし、前記積層体を加熱圧着し且つ加熱圧着された前記積層体の前記画像受像層に紫外線を照射して前記紫外線硬化性樹脂を硬化させ、前記基体を前記転写層から剥離することで、前記転写層および前記画像形成材料からなる画像を前記画像支持体に転写してなる画像記録体。
  4. 請求項1または請求項2に記載の電子写真用画像転写シートの前記画像受像層が設けられた側の表面に、電子写真法により鏡像で画像形成材料からなる画像を形成する画像形成工程と、
    前記画像が形成された面を画像支持体の片面に対面するよう重ね合わせて積層体とする重合せ工程と、
    前記積層体を加熱圧着する加熱圧着工程と、
    加熱圧着された前記積層体の前記画像受像層に紫外線を照射して前記紫外線硬化性樹脂を硬化させる紫外線照射工程と、
    前記基体を前記転写層から剥離することで、前記転写層および前記画像形成材料からなる画像を前記画像支持体に転写する剥離工程と、
    を有する画像記録体の製造方法。
JP2013168828A 2013-08-15 2013-08-15 電子写真用画像転写シート、および画像記録体の製造方法 Expired - Fee Related JP6098431B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013168828A JP6098431B2 (ja) 2013-08-15 2013-08-15 電子写真用画像転写シート、および画像記録体の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013168828A JP6098431B2 (ja) 2013-08-15 2013-08-15 電子写真用画像転写シート、および画像記録体の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2015036792A true JP2015036792A (ja) 2015-02-23
JP6098431B2 JP6098431B2 (ja) 2017-03-22

Family

ID=52687294

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013168828A Expired - Fee Related JP6098431B2 (ja) 2013-08-15 2013-08-15 電子写真用画像転写シート、および画像記録体の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6098431B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017134349A (ja) * 2016-01-29 2017-08-03 富士ゼロックス株式会社 貼付ラベル、及び貼合せ物

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS63126797A (ja) * 1986-11-17 1988-05-30 大日本印刷株式会社 硬化性保護層を有する転写シ−トおよび転写方法
JP2001056579A (ja) * 1999-06-08 2001-02-27 Fuji Xerox Co Ltd 画像記録体
JP2001080294A (ja) * 1999-09-20 2001-03-27 Ricoh Co Ltd 転写シート及びそれを用いた画像形成方法並びに転写方法
JP2007072449A (ja) * 2005-08-08 2007-03-22 Fuji Xerox Co Ltd 電子写真用画像転写シート、及びこれを用いた画像記録体の作製方法、並びに画像記録体
JP2009069389A (ja) * 2007-09-12 2009-04-02 Fuji Xerox Co Ltd 画像転写媒体および画像記録体

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS63126797A (ja) * 1986-11-17 1988-05-30 大日本印刷株式会社 硬化性保護層を有する転写シ−トおよび転写方法
JP2001056579A (ja) * 1999-06-08 2001-02-27 Fuji Xerox Co Ltd 画像記録体
JP2001080294A (ja) * 1999-09-20 2001-03-27 Ricoh Co Ltd 転写シート及びそれを用いた画像形成方法並びに転写方法
JP2007072449A (ja) * 2005-08-08 2007-03-22 Fuji Xerox Co Ltd 電子写真用画像転写シート、及びこれを用いた画像記録体の作製方法、並びに画像記録体
JP2009069389A (ja) * 2007-09-12 2009-04-02 Fuji Xerox Co Ltd 画像転写媒体および画像記録体

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017134349A (ja) * 2016-01-29 2017-08-03 富士ゼロックス株式会社 貼付ラベル、及び貼合せ物

Also Published As

Publication number Publication date
JP6098431B2 (ja) 2017-03-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6044121B2 (ja) 画像転写シート、および画像記録体
US7820272B2 (en) Image transfer sheet for electrophotography, and image recorded medium, as well as method for manufacturing the same
CN100492212C (zh) 电子照相用图像转印片、使用该转印片制作图像记录介质的方法和图像记录介质
JP4525100B2 (ja) 電子写真用画像形成材料転写シートを用いた画像記録体の作製方法
JP2014004830A (ja) 画像転写シート、および画像記録体
JP5867367B2 (ja) 画像転写シート
JP5509580B2 (ja) 画像転写シート、画像記録体および画像記録体の作製方法
JP4645553B2 (ja) 電子写真用画像転写シート、及びこれを用いた画像記録体の作製方法、並びに画像記録体
JP6098431B2 (ja) 電子写真用画像転写シート、および画像記録体の製造方法
JP6593204B2 (ja) 貼付ラベル、及び貼合せ物
JP2008158219A (ja) 電子写真用画像転写シート及び画像記録体
JP6089842B2 (ja) 画像付きレンチキュラー媒体
JP2009069389A (ja) 画像転写媒体および画像記録体
JP2010230700A (ja) 画像記録体の製造方法、および画像記録体の製造装置
JP5374999B2 (ja) 画像記録体の作製方法および画像記録体
JP4168847B2 (ja) 情報記録媒体用コア基材とラミネートするためのフィルム及びその製造方法、並びに、これを用いた画像形成方法及び情報記録媒体
JP4193605B2 (ja) 電子写真用ラミネートフィルム及びその製造方法、並びに、画像形成方法及び情報記録媒体
JP2005271217A (ja) 情報記録媒体及びその作製方法
JP2005004029A (ja) 電子写真用ラミネートフィルム、並びに、これを用いた画像形成方法及び情報記録媒体
JP2008268408A (ja) 画像記録体除電方法および画像記録体形成装置
JP4168849B2 (ja) 電子写真用ラミネートフィルム、情報記録媒体、及びこれらの製造方法、画像形成方法
JP2017062419A (ja) 画像転写シート、及び画像記録体の製造方法
JP2010229286A (ja) カード用コア基材シート及び情報記録媒体
JP2008087951A (ja) 画像記録体形成装置および画像記録体形成装置用ベルト
JP2004354861A (ja) 電子写真用ラミネートフィルム及びその製造方法、並びに、これを用いた画像形成方法及び情報記録媒体

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20160218

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20161024

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20161101

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20161216

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20170124

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20170206

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6098431

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees