JP2015036591A - 除湿機 - Google Patents

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Abstract

【課題】冷媒回路の構造に関わらず、圧縮機を保護しかつ消費電力を低減することができる除湿機を提供する。【解決手段】除湿機の制御装置は、停止湿度HSと設定湿度HAとを有し、圧縮機の運転中において室内湿度が停止湿度HSよりも低くなったとき圧縮機の運転を停止し、圧縮機の運転停止中において室内湿度が設定湿度HA以上となったとき圧縮機の運転を再開する。停止湿度HSの設定処理時の除湿機の除湿効率が、圧縮機の運転開始から停止湿度HSの設定処理時までの期間における除湿機の平均除湿効率よりも低くなる時点を、除湿効率が上昇から下降に切り替わる時点を示すものとして検出し、この時点の湿度を第1の停止湿度とする。また圧縮機の保護に係る第2の停止湿度を算出する。そして、第1の停止湿度と第2の停止湿度とのうちでその値が低いものを選択し、両者が等しいときはいずれか一方を選択し、選択に係る湿度を停止湿度HSに設定する。【選択図】図11

Description

本発明は、熱交換器で除湿する除湿機に関する。
上記除湿機として、次の技術が知られている。
この技術では、室内湿度を設定湿度に維持するため、次のように圧縮機を制御する。すなわち、設定湿度が設定されたとき、この設定湿度から所定値を引いて得られる湿度を、圧縮機を停止するための停止湿度として設定する。この停止湿度は、圧縮機の保護の観点から、圧縮機の保護のための圧縮機保護停止時間よりも停止時間が短くならないように、上記所定値を大きく見積もって、設定される。
そして、室内湿度が停止湿度まで低下したときに圧縮機を停止し、その後、湿度が上昇して室内湿度が設定湿度に達したときに圧縮機の運転を再開する。
特開昭61−184382号公報
ところで、省エネの観点から、除湿機の消費電力を低減させたいという要求がある。
この点、上記特許文献1の記載には、冷媒回路を2系統にして、除湿負荷に応じて2系統の冷媒回路を運転させる技術が開示されている。しかし、消費電力を低減させることができ、かつ1系統の冷媒回路にも適用することができる技術は提案されていない。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、冷媒回路の構造に関わらず、圧縮機を保護し、かつ消費電力を低減することができる除湿機を提供することにある。
課題を解決する除湿機は、圧縮機と、吸入空気を露点温度以下に冷却する熱交換器と、前記圧縮機を制御する制御装置とを備え、前記制御装置は、前記圧縮機の運転を停止する条件としての停止湿度と、前記圧縮機の運転を再開する条件としての設定湿度とを有し、前記圧縮機の運転中において室内湿度が前記停止湿度よりも低くなったとき前記圧縮機の運転を停止し、前記圧縮機の運転停止中において前記室内湿度が前記設定湿度以上となったとき前記圧縮機の運転を再開する除湿機において、前記制御装置は、前記圧縮機の保護のための圧縮機保護停止時間を記憶し、前記停止湿度の設定処理時における前記除湿機の除湿効率が、前記圧縮機の運転開始から処理時までの期間における前記除湿機の平均除湿効率よりも低くなる時点を、前記除湿効率が上昇から下降に切り替わる時点を示すものとして検出し、この時点の湿度を第1の停止湿度として記憶し、更に、前記除湿機が設置されている室内の室内空間容積と、この除湿機の除湿能力と、この除湿機に加わる除湿負荷と、前記設定湿度と、前記停止湿度とに基づいて、前記圧縮機の停止時間を算出し、この停止時間及び前記圧縮機保護停止時間のうちでその時間が長いものを選択して、選択に係る時間に基づいて前記停止湿度を算出し、この算出に係る停止湿度を、前記圧縮機の保護のための第2の停止湿度として記憶し、前記第1の停止湿度と前記第2の停止湿度とのうちでその値が低いものを選択し、両者が等しいときはいずれか一方を選択して、選択に係る湿度を前記停止湿度に設定する。
従来技術では、圧縮機の保護のため、除湿負荷に関わらず、圧縮機の停止時間が圧縮機保護停止時間よりも短くならないようにするため、圧縮機の停止湿度を設定湿度よりも大幅に低いところに設定する。この場合、室内湿度の低下により、圧縮機の除湿効率が低下している場合でも、室内湿度がこの停止湿度に至るまで除湿する。このため、無駄に電力を消費することがある。
上記構成では、圧縮機の運転開始から前記停止湿度の設定処理時までの期間における除湿機の平均除湿効率よりも低くなる時点を、除湿効率が上昇から下降に切り替わる時点を示すものとして検出し、この時点の湿度を第1の停止湿度とする。
しかし、除湿効率だけを追及すると、圧縮機の保護の観点からその停止時間が短くなりすぎることがある。そこで、圧縮機を保護するための第2の停止湿度を設定する。そして、除湿効率の向上のための第1の停止湿度及び圧縮機の保護のための第2の停止湿度のうち、その値が低いものを停止湿度として選択する。すなわち、第2の停止湿度が第1の停止湿度よりも低いときは、第2の停止湿度を圧縮機の停止湿度とする。これにより、圧縮機の停止時間は、圧縮機保護停止時間よりも長くなる。第1の停止湿度が第2の停止湿度よりも低いときは、第1の停止湿度を圧縮機の停止湿度とする。この場合、圧縮機の停止時間は、圧縮機保護停止時間よりも長くなる。また、除湿効率が低下し始める時点で、圧縮機の運転を停止するため消費電力が低減する。
また、この技術は冷媒回路を備える除湿機に適用可能であり、冷媒回路の構造によってその適用が妨げられることはない。すなわち、上記構成によれば、冷媒回路の構造に関わらず、圧縮機を保護しかつ消費電力の低減を図ることができる。
上記除湿機において、前記制御装置は、前記室内湿度が設定湿度(HA)から停止湿度に低下するまでの時間の逆数と、前記室内湿度が停止湿度(HS)から設定湿度に上昇するまでの時間の逆数との和に基づいて、前記室内空間容積(V)を設定する。
室内空間容積を固定値に設定する場合、次の問題が生じる。すなわち、除湿機が設置される実際の室内空間容積と、予め設定された室内空間容積との間に大きな差があると、室内空間容積に基づいて導出される第2の停止湿度を精確に算出することができなくなる。そこで、上記構成では、室内湿度が設定湿度HAから停止湿度HSに低下するまでの時間の逆数と、室内湿度が停止湿度HSから設定湿度HAに上昇するまでの時間の逆数との和に基づいて室内空間容積を設定する。これにより、第2の停止湿度を精確に算出することができるようになる。
上記除湿機によれば、冷媒回路の構造に関わらず、圧縮機を保護し、かつ消費電力を低減することができる。
本実施形態に係る除湿機の模式図。 除湿機の冷媒回路の模式図。 圧縮機の運転状態と室内湿度の時間変化との関係を示すグラフ。 湿度に対する除湿効率を示すグラフ。 除湿負荷に対する除湿効率を示すグラフ。 室内の水分収支を示す模式図。 圧縮機の運転状態と、室内湿度の変化と、室内水分量Xの変化との関係を示すグラフ。 圧縮機の運転期間における水分収支を示す模式図。 圧縮機の停止期間における水分収支を示す模式図。 圧縮機制御処理の処理手順を示すフローチャート。 停止湿度の設定変更と、室内湿度の変化、除湿負荷の変化、及び消費電力の時間変化との関係を示すグラフ。
[除湿機の構成]
図1及び図2を参照して、本実施形態に係る除湿機1を説明する。
除湿機1は、冷媒を圧縮する圧縮機10と、冷媒を膨張させる膨張弁13(図2参照)と、冷却器としての第1熱交換器11と、加熱器としての第2熱交換器12と、除湿した水を受けるドレンパン14と、室内空気を吸い込むためのファン15と、圧縮機10を制御する制御装置17と、これらの装置を収容するケース20とを備えている。
第1熱交換器11は、膨張弁13を通過した冷媒と吸入空気との間で熱交換させて、吸入空気を露点以下に冷却する。すなわち、第1熱交換器11は除湿機能を有する。
第2熱交換器12は、圧縮機10を通過した冷媒と吸入空気との間で熱交換させて、吸入空気を室温近くの温度にまで加熱する。
ファン15は、室内空気を吸い込む。
ドレンパン14は、第1熱交換器11で凝縮した水を受けるためのものであり、第1熱交換器11の下方に配置されている。ドレンパン14が受けた水は、除湿機1の外部に排出される。なお、この外部への排水構成に代えて、ドレンパン14が受けた水を除湿機1の内部に設けられたタンクに貯留する構成を採用してもよい。
ケース20には、室内空気を取り入れるための吸込口21と、除湿した空気を室内に戻すための送風口22とを有する。
吸込口21から送風口22までの吸入空気の流通経路(図1の矢印参照)には、第1熱交換器11、第2熱交換器12、ファン15が配置されている。これら装置は、吸入空気の流通経路の上流から下流に向かって、第1熱交換器11、第2熱交換器12、ファン15の順に配置されている。
また、ケース20の前面には、室内湿度の目標値である設定湿度HAを設定する設定部23が設けられている。なお、この設定部23に代えて、リモートコントローラにより設定湿度HAを設定するように構成してもよい。
制御装置17は、圧縮機10の運転開始及び運転停止を制御する。
すなわち、制御装置17は、圧縮機10の運転制御により、室内湿度を設定湿度HA以下またはその近辺に維持する。
制御装置17には、温度センサ18と湿度センサ19とが接続されている。温度センサ18及び湿度センサ19は、ケース20の吸込口21に配置されている。温度センサ18は、吸入空気の温度を測定する。湿度センサ19は、吸入空気の湿度(以下、「室内湿度」という。)を測定する。なお、湿度センサ19は、本実施形態においては、室内湿度を相対湿度として測定する。
図2に示すように、圧縮機10と、第1熱交換器11と、第2熱交換器12と、膨張弁13とは一つの冷媒回路を構成する。冷媒は、膨張弁13、第1熱交換器11、圧縮機10、第2熱交換器12の順に循環する。なお、図2に示す例では、圧縮機10の吸入口の前(上流側)にアキュムレータ16が設けられている。アキュムレータ16は、冷媒を気体と液体とに分離するものであり、圧縮機10が液状の冷媒を吸入することを抑制する。
この冷媒回路において、第1熱交換器11は、冷媒を蒸発させる蒸発器として作用する。すなわち、第1熱交換器11は、冷媒が蒸発するときの潜熱を利用する冷却器である。
また、第2熱交換器12は、冷媒を凝縮させる凝縮器として作用する。すなわち、第2熱交換器12は、冷媒が凝縮するときの凝縮熱を利用する加熱器である。
[圧縮機の動作]
図3を参照して、圧縮機10の動作について説明する。
圧縮機10は、その運転中に、室内湿度が所定湿度(以下、「停止湿度HS」という。)よりも低くなったとき、停止する。また、圧縮機10は、その停止中に、室内湿度が設定湿度HAに達したとき、運転を再開する。
ところで、従来技術では、停止湿度HSは、設定湿度HAに対して所定値(以下、「差分Δd」という。)だけ低い値に設定される。すなわち、停止湿度HSは、設定湿度HAから差分Δdを引いた値として設定される。差分Δdは、圧縮機10の保護のため、十分に大きい値に予め設定されている。例えば、除湿負荷が変化したとしても圧縮機10の停止時間が圧縮機保護停止時間よりも短くならないように、この差分Δdが十分に大きい値に設定される。
しかし、このような差分Δdの設定は、圧縮機保護の観点からは適切な設定であるといえるが、省エネの観点からは改善の余地がある。従来技術では、差分Δdは固定値であって設定湿度HAが一定であるときは停止湿度HSが一定値であるが、停止湿度HSを変更することにより消費電力の低減を図ることが可能である。
図4は、室内湿度に対する除湿機1の除湿効率を示すグラフである。
除湿効率とは、所定湿度において、除湿機1の消費電力に対する単位空気容積あたりの水分変化量を示す。図4に示すように、除湿機1の除湿効率は、湿度が小さい程低下する。従って、除湿機1による運転において、除湿機1の運転開始時直後が最も除湿効率が高く、その後、湿度が低下するにつれて、除湿効率が低下する。
図5は、除湿負荷Q2に対する除湿機1の除湿効率を示すグラフである。
図5に示すように、室内空間の除湿効率は、除湿負荷Q2の増大により低下する。
除湿負荷Q2が存在するとき、除湿機1は、除湿負荷Q2による水分を除湿しながら室内の水分を除湿する。このため、除湿負荷Q2が大きいとき、除湿機1の除湿能力Q1のうちで室内の除湿に寄与する部分は、小さくなる。すなわち、除湿負荷Q2が大きい程、その除湿機1による見かけ上の除湿能力(以下、「実質除湿能力」)が低下する。このため、室内湿度を設定湿度HAから停止湿度HSまで低下させる場合において、除湿負荷Q2が大きいときは、除湿負荷Q2が小さいときに比べて、消費電力が増大する。
また、除湿機1の除湿効率は、室内空間の大きさによっても変化する。
すなわち、室内空間が大きい場合は、室内空間が小さい場合に比べて、除湿効率が低下する。
以上のことから、除湿機1の除湿効率を高めるため、除湿負荷及び湿度を考慮して、圧縮機10の停止条件すなわち圧縮機10の停止湿度を変更すること好ましい。
また、圧縮機10の保護の観点からは、圧縮機10の停止時間を少なくとも圧縮機保護停止時間tpよりも長くなるように設定する必要がある。ここで、圧縮機保護停止時間tpは、圧縮機10の故障が生じにくくなる最小時間であり、圧縮機10の耐久試験等により設定される。
[停止湿度の設定方法]
圧縮機10の停止湿度HSは、上記考えに基づいて次のようにして設定される。
・第1に、除湿効率の低下を抑制することを目的として、第1の停止湿度HSAを求める(以下、これを「第1処理」という。)。
・第2に、圧縮機10の保護を目的として、第2の停止湿度HSBを求める(以下、これを「第2処理」という。)。
・第3に、第1の停止湿度HSAと第2の停止湿度HSBのうちの低いものを、圧縮機10の停止湿度HSに設定する(以下、これを「決定処理」という。)。
「第1処理」について説明する。
除湿効率を向上する手段として次の考え方を導入する。
すなわち、「圧縮機10の運転再開時から停止湿度の設定処理時までの期間の平均除湿効率が、停止湿度の設定処理時における除湿効率よりも大きくなる時点」以降は、その後、平均除湿効率が低下することになるため、当該時点における室内湿度を第1の停止湿度HSAに設定する。
ここで、「停止湿度の設定処理時」とは、第1の停止湿度HSAを求める演算を行う処理時を示す。以降の説明では、単に「処理時」というものとする。なお、この処理は、除湿機1の運転中、所定周期で繰り返し実行される。そして、この処理毎に、「平均除湿効率」と「処理時における除湿効率」を求めて、両者を比較し、「圧縮機10の運転再開時から処理時までの期間の平均除湿効率が、処理時における除湿効率よりも大きくなる時点」を検出する。
「処理時における除湿効率」は、「処理時の除湿能力/処理時の消費電力」として定義される。「処理時の除湿能力」は、処理時の単位時間あたりの実質除湿量を示す。この実質除湿量は、処理時の吸込み空気温度・湿度、ファン風量、圧縮機運転状態(高圧、低圧、吸入冷媒温度、回転数)などに基づいて求められる。「処理時の消費電力」は、例えば、圧縮機10のモータの電流、電圧及び力率、並びにファン15のモータの電流、電圧及び力率に基づいて求められる。
「平均除湿効率」とは、圧縮機10の運転再開から処理時までの期間にわたる除湿効率を示し、「除湿能力積算値/消費電力積算値」として定義される。「除湿能力積算値」は、圧縮機10の運転再開時から処理時までの期間にわたる除湿能力Q1の時間積分により見積もられる。この「除湿能力積算値」は、圧縮機10の運転再開時から処理時までの期間において除湿した水分の積算値に相当する。なお、「除湿能力積算値」を、圧縮機10の運転再開時から処理時までの吸込み空気温度・湿度、ファン風量、圧縮機運転状態(高圧、低圧、吸入冷媒温度、回転数)などに基づいて求めることもできる。
「消費電力積算値」は、圧縮機10の運転再開時から処理時までの期間において圧縮機10及びファン15で消費される電力消費量を示す。この「消費電力積算値」には、圧縮機10の運転再開時において消費される起動ロス電力すなわち除湿に寄与しない起動電力も含まれる。例えば、消費電力積算値は、当該期間(圧縮機10の運転再開時から処理時までの期間)において、圧縮機10のモータの電流、電圧及び力率、並びにファン15のモータの電流、電圧及び力率に基づいて求められる。なお、消費電力積算値について、圧縮機10の運転状態(回転数、高圧、低圧など)から計算で求めることもできる。
「第2処理」について説明する。
圧縮機10の停止時間は、停止湿度HS、設定湿度HA、除湿負荷Q2、及び室内空間容積Vに基づいて変化する。このため、停止湿度HS、設定湿度HA、除湿負荷Q2、及び室内空間容積Vの値によっては、圧縮機10の停止時間が上記圧縮機保護停止時間tpよりも短くなるおそれがある。このため、停止時間が圧縮機保護停止時間tpよりも短くならないように、第2の停止湿度HSBが設定される。
まず、停止湿度HS、設定湿度HA、除湿負荷Q2、及び室内空間容積Vに基づいて、圧縮機10の停止時間を算出する。そして、算出に係る停止時間が圧縮機保護停止時間tp以上であるときは、当該停止時間に基づいて第2の停止湿度HSBを設定する。一方、算出に係る停止時間が圧縮機保護停止時間tpよりも小さくなる場合は、圧縮機保護停止時間tpに基づいて第2の停止湿度HSBを設定する。なお、圧縮機10の停止時間については、「停止時間の算出方法」で詳述する。また、圧縮機10の停止湿度については、「停止湿度の算出方法」で詳述する。
[決定処理]について説明する。
制御装置17は、周期的に、上記「第1処理」及び上記「第2処理」を実行する。そして、「第1処理」で求められる第1の停止湿度HSAと、「第2処理」で求められる第2の停止湿度HSBとのうちで、低い方の停止湿度HSを選択し、これを圧縮機10の停止湿度HSに設定する。なお、第1の停止湿度HSAと第2の停止湿度HSBとが等しいときは第1の停止湿度HSA(または第2の停止湿度HSB)を停止湿度HSに設定する。
すなわち、第1の停止湿度HSAが第2の停止湿度HSBよりも低いときは、第1の停止湿度HSAを停止湿度HSに設定する。このときは、圧縮機10の停止時間は、圧縮機保護停止時間tpよりも長くなり、かつ平均除湿効率が低下し始める時点まで圧縮機10の運転が継続される。これにより、圧縮機10を保護しかつ消費電力の低減を図ることができる。
第2の停止湿度HSBが第1の停止湿度HSAよりも低いとき、または両者が等しいときは、第2の停止湿度HSBを停止湿度HSに設定する。これにより、圧縮機10の停止時間は、圧縮機保護停止時間tpよりも長くなる。このため、圧縮機10が保護される。
以下、「第2処理」で説明した「第2の停止湿度HSB」の算出方法を説明する。
まず、前提事項を説明する。その次に、「第2の停止湿度HSB」の算出方法の一例を説明する。
[前提事項]
第2の停止湿度HSBの算出においては、絶対湿度を用いる。すなわち、第2の停止湿度HSBの算出では、絶対湿度で表された室内湿度、設定湿度HA、及び停止湿度HSを用いる。なお、湿度センサ19で測定された値(相対湿度)は、温度センサ18により測定された温度に基づいて絶対湿度に換算され、換算に係る湿度が「第2の停止湿度HSB」の算出のために用いられる。
この説明で用いる各用語を次のように定義する。
・室内空間容積Vは、室内空間の容積(m)を示す。
・空気比体積νは、単位空気量あたりの空気容積(m/kg)を示す。
・室内空気質量V/νは、室内空間容積Vを空気比体積νで除算したものであり、室内に存在する空気の空気量(kg)を示す。
・室内水分量Xは、室内に含まれる水分量(kg)である。室内水分量Xは、室内湿度と室内空間容積Vとに基づいて算出される。
・除湿能力Q1は、除湿機1の単位時間あたりの除湿能力(kg/h)を示す。
・除湿負荷Q2は、室内において単位時間あたりの水分増大量(kg/h)を示す。
・再蒸発量Q3は、圧縮機10の停止中において、除湿機1から蒸発する単位時間あたりの水分量(kg/h)を示す。
図6に、室内における水分収支を示す。
室内水分量Xは、換気に伴って変化する。
すなわち、室外空気の吸気に伴って水分が増大し、室内空気の排気に伴って水分が減少する。除湿負荷Q2は、この差すなわち、室外空気の吸気に伴って室内に流入する水分量と室内空気の排気に伴って室内から流出する水分量との差として定義される。
また、室内水分量Xは、除湿機1のドレンパン14の貯留された水の再蒸発に伴って増大し、除湿機1による除湿により減少する。
従って、除湿負荷Q2と、除湿能力Q1、再蒸発量Q3とに基づいて、室内水分量Xを見積ることができる。
除湿機1の実質除湿能力は除湿負荷Q2により変化する。すなわち、実質除湿能力は、除湿機1の除湿能力Q1から除湿負荷Q2を引いた値であることから、実質除湿能力は、除湿負荷Q2が大きい程小さくなる。
「第2の停止湿度HSB」は、設定湿度HA、除湿負荷Q2、室内空間容積V等に基づいて算出することができる。
そこで、まず、除湿負荷Q2の算出のためのデータを取得して、除湿負荷Q2を算出する。次に、「第2の停止湿度HSB」及び室内空間容積Vを算出する。室内空間容積Vは、除湿負荷Q2の算出後に行う。これは、圧縮機10の運転サイクル上、室内空間容積Vの算出のためのデータ取得を、除湿負荷Q2の算出のためのデータ取得時期(サンプリング時期)よりも前の時期に行うことが難しいためである。
図7に、圧縮機10の運転状態と、室内湿度の変化と、室内水分量Xの変化と、各種のサンプリング時期との関係を示す。
図7に示す例では、除湿開始時において、室内湿度が設定湿度HAよりも高い。室内湿度は、除湿により徐々に低下し、時間taにおいて停止湿度HSよりも低下する。このとき、圧縮機10の運転が停止する。その後、圧縮機10の停止すなわち除湿運転の停止により、室内湿度が徐々に上昇する。そして、室内湿度が設定湿度HAを超えるとき、圧縮機10の運転が再開される。これにより、室内湿度が、再び下降する。なお、室内水分量Xは、室内湿度と同様の変化を示す。
このような圧縮機10の運転において、各種データを取得するため、次の第1〜第3サンプリング期間が設定されている。
第1サンプリング期間は、圧縮機10の運転により室内湿度が下降するところに設定される。なお、図7においては、第1サンプリング期間は、室内湿度が設定湿度HA以上である時期に設定されているが、室内湿度が設定湿度HAと停止湿度HSとの間で推移するときには、この第1サンプリング期間は、設定湿度HA以下である時期に設定される。
第1サンプリング期間では、この期間に取得した各種パラメータに基づいて除湿負荷Q2が算出される。
なお、この計算において室内空間容積Vを用いるが、除湿機1の運転開始初期においては、室内空間容積Vは測定により算出されていない。このため、室内空間容積Vとして、予め設定されている初期値若しくは前回の除湿機1の運転終了時に設定された初期設定値が用いられる。
第2サンプリング期間は、室内湿度が設定湿度HAであるときから室内湿度が停止湿度HSに低下するまでの期間に設定される。すなわち、第2サンプリング期間は、圧縮機10の運転再開から圧縮機10の運転停止までの期間、また、圧縮機10の運転中において室内湿度が設定湿度HAに低下したときから圧縮機10が運転停止するときまでの期間を示す。第2サンプリング期間では、室内空間容積Vの算出のためのデータが取得される。
第3サンプリング期間は、室内湿度が停止湿度HSであるときから室内湿度が設定湿度HAまで上昇するまでの期間に設定される。すなわち、第3サンプリング期間は、圧縮機10の運転停止後から圧縮機10の運転再開までの期間を示す。
第3サンプリング期間では、除湿負荷Q2及びこの期間に取得した各種パラメータに基づいて「第2の停止湿度HSB」が算出される。なお、この計算において室内空間容積Vを用いるが、室内空間容積Vは測定により算出されていないときは、室内空間容積Vとして、予め設定されている初期値若しくは前回の除湿機1の運転終了時に設定された初期設定値が用いられる。
更に、第3サンプリング期間では、第2サンプリング期間及び第3サンプリング期間に取得したデータに基づいて室内空間容積Vが算出される。
なお、除湿機1の運転中は周期的に、除湿負荷Q2、停止湿度HS、及び室内空間容積Vが更新される。
[除湿負荷の算出]
図7及び図8を参照して、除湿負荷Q2の算出方法について説明する。
図8は、第1サンプリング期間における室内の水分収支を示す図である。
図8に示すように、第1サンプリング期間においては除湿により室内空間の水分量は減少する。すなわち、第1サンプリング期間の開始時から終了時までに、室内水分量Xは、「X01」から「X02」に変化する。この水分量の変化量は、除湿能力Q1と除湿負荷Q2との差である実質除湿能力(すなわち「Q1−Q2」)に時間t0をかけて得た値に相当する((1−1)式参照)。
また、第1サンプリング期間の終了時における室内水分量X(「X02」)は室内湿度(「x02」)と室内空気質量(「V/ν」)との積で表されるため、第1サンプリング期間の終了時の室内湿度は、次の(1−2)式により示される。
この上記(1−2)式から除湿負荷Q2((2)式)が導かれる。
この式において、「x02」は、第1サンプリング期間の終了時の室内湿度であり、測定により得られる値である。「X01」は、第1サンプリング期間の開始時の室内水分量Xであり、第1サンプリング期間の開始時における室内湿度と室内空間容積Vから求められる。室内空間容積Vとしては、除湿機1の運転開始時期においては予め設定されている初期設定値が用いられ、後述の「室内空間容積Vの算出」において室内空間容積Vが求められたときは、新たに求められた室内空間容積Vが用いられる。「t0」は、第1サンプリング期間の開始時から終了時までの時間を示し、この時間は予め設定されている。
[停止時間の算出方法]
図7及び図9を参照して、圧縮機10の停止時間の算出方法を次に説明する。
図9に、第3サンプリング期間における室内の水分収支を示す図である。
図9に示すように、第3サンプリング期間(圧縮機10の運転停止から運転再開までの期間)では、除湿負荷Q2と、除湿機1からの水分の再蒸発とにより、室内空間の水分量が増大する。すなわち、第3サンプリング期間の開始時から終了時までに、室内水分量Xは、「X2」から「X1」に変化するとき、この水分量の変化量(「X1−X2」)は、除湿負荷Q2と除湿機1の再蒸発量Q3との和に時間t2をかけて得た値に相当する((3−1)式参照)。ここで「t2」とは、室内湿度が停止湿度HSから設定湿度HAに上昇するまでの時間を示す(図7参照)。
また、第3サンプリング期間の終了時における室内水分量X(「X1」)は、室内湿度(設定湿度HA=「xs」)と室内空気質量(「V/ν」)との積で表されるため、第3サンプリング期間の終了時の室内湿度(すなわち設定湿度HA=「xs」)は、(3−2)式により示される。
ここで、「X2」は、第3サンプリング期間の開始時における室内水分量Xを示す。これは、圧縮機10の停止時における室内水分量Xであり、圧縮機10の停止時における停止湿度HSと室内空気質量(「V/ν」)とに基づいて求められる。停止湿度HSが設定されていないとき、すなわち圧縮機10の運転開始時期においては、予め設定された値がこの計算のために用いられる。
この(3−2)式から、停止時間である「t2」が求められる。
(4)式で示される停止時間は、除湿負荷Q2及び除湿機1の再蒸発量Q3を考慮して求められる時間である。すなわち、この時間は、圧縮機10の停止後、室内湿度が設定湿度HAに上昇するまでの時間を示す。
[停止湿度の算出方法]
次に、このように算出された停止時間に基づいて、圧縮機10の停止時における停止湿度HSを算出する。停止湿度HSは(5)式で示される。そして、このようにして得られた停止湿度HSは、第2の停止湿度HSBとして記憶される。
上記(4)式で求められる停止時間が、圧縮機10の圧縮機保護停止時間tpよりも短くなる場合がある。この場合、圧縮機10が劣化するおそれがある。そこで、上記(4)式で求められる停止時間が、圧縮機10の圧縮機保護停止時間tpよりも短くなる場合は、この圧縮機保護停止時間tpを停止時間として、上記(5)式に基づいて圧縮機10の停止湿度HSが算出される。そして、この算出に係る値が第2の停止湿度HSBに設定される。
ところで、第3サンプリング期間の開始時から終了時までに除湿機1内の水分が全て蒸発する場合がある。すなわち、第3サンプリング期間の途中から除湿機1からの再蒸発量Q3は「0」となる。この場合、(6−1)式が成立する。ここで、「A」は、除湿機1から蒸発する水分量を示す。(6−1)式を変形すると(6−2)式になる。そして、(6−2)式から(7)式が導かれる。この場合、停止湿度HSは(8)式で示される。そして、(8)式で得られる停止湿度HSが第2の停止湿度HSBに設定される。
停止湿度HSを算出するときに停止時間を算出するが、この停止時間を、上記(4)式及び(7)式のいずれの式で算出するかについては、次のように判定する。すなわち、設定湿度HAが閾値以上であるときは室内湿度が高めに維持され、再蒸発量Q3が小さくなると推定されることから、(4)式に基づいて停止時間が算出される。設定湿度HAが閾値よりも低いときは室内湿度が低めに維持され、再蒸発量Q3が大きくなると推定されることから、(7)式に基づいて停止時間が算出される。
[室内空間容積の算出方法]
図7を参照して、室内空間容積Vの算出方法について説明する。
室内空間容積Vは、第2サンプリング期間における各種パラメータと、第3サンプリング期間の各種パラメータに基づいて次のように算出する。
第2サンプリング期間、室内湿度が設定湿度HAであるときの室内水分量X(「X1」)と室内湿度が停止湿度HSであるときの室内水分量X(「X2」)との差分が、実質除湿能力(除湿能力Q1と除湿負荷Q2との差分)の時間積分に等しい。このため、(9−1)式が成立する。なお、ここで「t1」とは、室内湿度が設定湿度HAから停止湿度HSに低下するまでの時間を示す。また、室内湿度が設定湿度HAであるときの室内水分量X(「X1」)は(9−2)式で示され、室内湿度が停止湿度HSであるときの室内水分量X(「X2」は(9−3)式で示されることから、除湿負荷Q2は(9−4)式で示される。
第3サンプリング期間、すなわち、室内湿度が停止湿度HSであるときから室内湿度が設定湿度HAまで上昇するまでの期間では、上記(5)式が成立する。従って、この時期の除湿負荷Q2は、下記(10)式により示される。
除湿負荷Q2は、時期に関わらず変化しないと仮定し、(9−4)式に示される「Q2」と式(10)に示される「Q2」は等しいとすると、室内空間容積Vは、次の式(11)で表される。
以上のように、停止湿度HS、除湿負荷Q2、室内空間容積Vのそれぞれが、第1〜第3サンプリング期間で取得されたデータ(温度、湿度、及び時間)に基づいて求められる。なお、停止湿度HS、除湿負荷Q2、及び室内空間容積Vは、データ取得の都度更新される。
図10を参照して、制御装置17が実行する「圧縮機制御処理」の手順について説明する。
なお、この「圧縮機制御処理」は、除湿機1の運転中、周期的に実行される。
ステップS110では、制御装置17は、室内湿度が設定湿度HAよりも大きいか否かを判定する。この判定において、肯定判定(「YES」)のとき、すなわち、室内湿度が設定湿度HAよりも大きいときは、次のステップS120に移行する。この判定において、否定判定(「NO」)のとき、すなわち室内湿度が設定湿度HA以下であるときは、「圧縮機制御処理」のフローを一旦終了する。
ステップS120では、制御装置17は圧縮機10を運転開始する。これにより、室内の除湿が開始される。このため、室内湿度が低下し始める。
そして、ステップS130では、制御装置17が除湿負荷Q2を算出する。
また、制御装置17は、第1サンプリング期間中、上記「第1処理」を繰り返し実行し、その都度、「第1の停止湿度HSA」を求める。そして、「第1の停止湿度HSA」と「第2の停止湿度HSB」を参照して「決定処理」を実行する。これにより、圧縮機10の停止湿度HSを設定する。
なお、運転開始後の最初のステップS130の処理においては、第2及び第3サンプリング期間を経過していないため、「第2の停止湿度HSB」が設定されていない。このため、運転開始後の最初の処理においては、設定湿度HAから予め設定された所定値を引いて得られる値が、第2の停止湿度HSBとして設定される。
ステップS140では、制御装置17は、室内湿度が停止湿度HSよりも小さいか否かを判定する。この判定において、肯定判定(「YES」)のとき、すなわち、室内湿度が停止湿度HSよりも小さいときは、次のステップS150に移行し、圧縮機10の運転を停止する。この判定において、否定判定(「NO」)のとき、すなわち、室内湿度が停止湿度HS以上であるときは、圧縮機10の運転を継続する。そして、所定時間経過後、再度、ステップS130の処理を行う。
圧縮機10の運転停止後、ステップS160において、制御装置17は、ファン15を駆動し、送風運転を開始する。その後、送風運転中、除湿が行われないため、室内湿度は徐々に上昇する。制御装置17は、ステップS160に続けてステップS170を実行する。
ステップS170では、制御装置17は、室内湿度が設定湿度HAよりも大きいか否かを判定する。この判定において、肯定判定(「YES」)のとき、すなわち、室内湿度が設定湿度HAよりも大きいときは、次のステップS180に移行する。この判定において、否定判定(「NO」)のとき、すなわち、室内湿度が設定湿度HA以下であるときは、送風運転を継続する。そして、所定時間経過後、再度、ステップS170の処理を行う。
ステップS180では、送風運転を停止する。そして、制御装置17は「第2処理」を実行し、「第2の停止湿度HSB」を算出する。また、制御装置17は室内空間容積Vを算出する。そして、制御装置17はこれらの値(第2の停止湿度HSB及び室内空間容積V)を記憶する。
ステップS180の実行後、この「圧縮機制御処理」が一旦終了するが、所定周期の経過後、再度「圧縮機制御処理」が実行される。このときは室内湿度が設定湿度HAよりも高くなっていると、圧縮機10の運転が再開する(ステップS110)。
図11を参照して、停止湿度HSの推移と、室内湿度の変化、除湿負荷Q2、及び消費電力の時間変化との関係を示す。
図11の(a)に示す実線と図11の(b)に示す実線とは同じものであり、本実施形態に係る除湿機1を運転した場合の室内湿度の変化を示す。本実施形態に係る除湿機1を運転した場合の室内湿度の変化を示す。
図11の(a)に示す破線は、従来技術に係る除湿機を運転した場合の室内湿度の変化を示す。この従来技術に係る除湿機は、差分Δdを十分に大きくして、停止湿度HSを設定し、除湿負荷Q2に関わらず停止湿度HSを一定値にする。
図11の(b)に示す破線は、比較技術に係る除湿機を運転した場合の室内湿度の変化を示す。この比較技術に係る除湿機は、差分Δdを小さくして、停止湿度HSを設定し、除湿負荷Q2に関わらず停止湿度HSを一定値にする。
図11の(a)に示されるように、本実施形態に係る除湿機1では、除湿負荷Q2が小さいときは、停止湿度HSを低くし、除湿負荷Q2が大きいときには、停止湿度HSを高くする。すなわち、除湿負荷Q2が小さいときは、室内湿度が低下しても運転停止中の除湿機1からの再蒸発分のロス(除湿効率を低下させる効率上の損失)を考慮しても低湿度まで除湿運転を継続する方が、実質的な除湿効率の低下が小さいことから、停止湿度HSは、除湿負荷Q2が大であるときと比べて低いところに設定される。これに対し、除湿負荷Q2が大きいときは、室内湿度が低下に伴って実質的な除湿効率の低下が大きくなるため、停止湿度HSは、除湿負荷Q2が小であるときと比べて高いところに設定される。これにより、圧縮機10の平均除湿効率の低下が抑制される。
図11の(d)に示されるように、本実施形態に係る除湿機1(実線を参照。)は、従来技術に係る除湿機(破線参照。)よりも消費電力量が少ない。これは、従来技術に比べて、エネルギー損失が大きい除湿が抑制されていることを示す。
また、本実施形態に係る除湿機1は、比較技術に係る除湿機よりも消費電力量が少ない。比較技術(一点鎖線参照。)では、従来技術(破線参照。)に比べて停止湿度HSを高いところに設定しているが、本実施形態に係る除湿機1よりも除湿効率が低い。これは、除湿負荷Q2に関わらず停止湿度HSを一定にしていることに起因する。すなわち、比較技術では、停止湿度HSが一定値に固定されているため、除湿負荷Q2が低いときに、除湿効率を高めることができない。これに対して、本実施形態では、除湿負荷Q2が小さいときには、停止湿度HSを低くして除湿効率を高める。
本実施形態によれば以下の効果を奏する。
(1)従来技術では、圧縮機10の保護のため、除湿負荷Q2の大きさに関わらず圧縮機10の停止時間が圧縮機保護停止時間tpよりも短くならないようにするため、圧縮機10の停止湿度HSを設定湿度HAよりも大幅に低いところに設定する。この場合、室内湿度の低下により圧縮機10の除湿効率が低下している場合でも、室内湿度がこの停止湿度HSに至るまで除湿する。このため、無駄に電力を消費することがある。
これに対して、本実施形態に係る除湿機1では、処理時(停止湿度HSの設定処理時)の除湿機1の除湿効率が、圧縮機10の運転開始から処理時(停止湿度HSの設定処理時)までの期間における除湿機1の平均除湿効率よりも低くなる時点を、除湿効率が上昇から下降に切り替わる時点を示すものとして検出する。そして、この時点の湿度を「第1の停止湿度HSA」とする。
しかし、除湿効率だけを追及すると、圧縮機10の保護の観点からその停止時間が短くなりすぎることがある。そこで、圧縮機10を保護するため、圧縮機10の停止時間として圧縮機保護停止時間tp以上の時間が確保されるように、第2の停止湿度HSBを設定する。そして、除湿効率の向上のための第1の停止湿度HSA及び圧縮機10の保護のための第2の停止湿度HSBのうち、その値が低いものを停止湿度HSとして選択する。すなわち、第2の停止湿度HSBが第1の停止湿度HSAよりも低いときは、第2の停止湿度HSBを圧縮機10の停止湿度HSとする。これにより、圧縮機10の停止時間は、圧縮機保護停止時間tpよりも長くなる。第1の停止湿度HSAが第2の停止湿度HSBよりも低いときは、第1の停止湿度HSAを圧縮機10の停止湿度HSとする。この場合、圧縮機10の停止時間は、圧縮機保護停止時間tpよりも長くなる。また、平均除湿効率が低下し始める時点で圧縮機10の運転を停止するため消費電力が低減する。
また、この技術は冷媒回路を備える除湿機1に適用可能であり、冷媒回路の構造によってその適用が妨げられることはない。すなわち、上記構成によれば、冷媒回路の構造に関わらず、圧縮機10を保護しかつ消費電力の低減を図ることができる。なお、ここで示す冷媒回路とは、少なくとも圧縮機10と、膨張弁13と、2つの熱交換器11,12を備える回路を示す。
(2)また、上記除湿機1において、制御装置17は、室内湿度が設定湿度HAから停止湿度HSに低下するまでの時間t1の逆数と、室内湿度が停止湿度HSから設定湿度HAに上昇するまでの時間t2の逆数との和に基づいて、室内空間容積Vを設定する。
室内空間容積Vを固定値に設定する場合、次の問題が生じる。すなわち、除湿機1が設置される実際の室内空間容積Vと、予め設定された室内空間容積Vとの間に大きな差があると、室内空間容積Vに基づいて導出される第2の停止湿度HSBを精確に算出することができなくなる。そこで、上記構成では、室内湿度が設定湿度HAから停止湿度HSに低下するまでの時間t1の逆数と、室内湿度が停止湿度HSから設定湿度HAに上昇するまでの時間t2の逆数との和に基づいて室内空間容積Vを設定する((11)式参照。)。これにより、第2の停止湿度HSBを精確に算出することができるようになる。
(付記)
本実施形態に係る除湿機1は次の技術を含む。
(付記1)
圧縮機と、膨張弁と、吸入空気を露点温度以下に冷却する熱交換器と、前記熱交換器で冷却された空気を再加熱する加熱器と、前記圧縮機を制御する制御装置とを備え、前記制御装置は、前記圧縮機の運転を停止する条件としての停止湿度と、前記圧縮機の運転を再開する条件としての設定湿度とを有し、前記圧縮機の運転中において室内湿度が前記停止湿度よりも低くなったとき前記圧縮機の運転を停止し、前記圧縮機の運転停止中において室内湿度が前記設定湿度以上となったとき前記圧縮機の運転を再開する除湿機において、次の構成を備える。
前記制御装置は、前記処理時の前記除湿機の除湿効率が、前記圧縮機の運転開始から処理時までの期間における前記除湿機の平均除湿効率よりも低くなる時点を、前記除湿効率が上昇から下降に切り替わる時点を示すものとして検出し、この時点の湿度を第1の停止湿度として記憶し、圧縮機保護時間に基づいて算出した第3の停止湿度を記憶し、前記第1の停止時間と前記第3の停止時間とのうちでその値が低いものを選択して、選択に係る湿度を前記停止湿度に設定する除湿機。
(付記2)
付記1の除湿機において加熱器は冷媒回路の凝縮器である除湿機。
この構成によれば、冷媒回路で発生する熱を有効に利用することができる。
(付記3)
付記1または付記2に記載の除湿機において、前記加熱器が冷媒回路の凝縮器及び電気ヒータのうちの少なくとも電気ヒータを備える除湿機。この構成によれば、吸気空気を要求温度に設定しやすくなる。
(付記4)
付記1〜付記3のいずれか1項に記載の除湿機において、前記圧縮機の停止時間が前記圧縮機保護時間以上に設定される除湿機。
(付記5)
付記1〜付記3のいずれか1項に記載の除湿機において、前記圧縮機の運転開始から運転停止までの期間が、前記圧縮機保護時間以上に設定される除湿機。
(変形例)
なお、本技術の実施態様は上記に示した態様に限られるものではなく、これを例えば以下に示すように変更して実施することもできる。
・上記実施形態では、冷媒回路の第2熱交換器12を、吸入空気を加熱する加熱器として用いているが、この構成に代えて、電気ヒータを加熱器として用いることもできる。この構成の場合、第2熱交換器12は室外に配置される。また、第2熱交換器12と電気ヒータの両者を加熱器として用いることもできる。
・上記実施形態では、「決定処理」により、圧縮機10の停止湿度HSを設定するが、次の構成をとることもできる。例えば、第1の停止湿度HSAについては、上記実施形態と同様の方法で設定する。第2の停止湿度HSBに代えて、第3の停止湿度HSCを設定する。第3の停止湿度HSCは圧縮機保護停止時間tpに基づいて設定する。そして、上記第1の停止湿度HSAと第3の停止湿度HSCとのうちで低いものを圧縮機10の停止湿度HSに設定する(付記1を参照)。この構成によっても、圧縮機10の保護を図りかつ消費電力を低減することができる。
1…除湿機、10…圧縮機、11…第1熱交換器、12…第2熱交換器、13…膨張弁、14…ドレンパン、15…ファン、16…アキュムレータ、17…制御装置、18…温度センサ、19…湿度センサ、20…ケース、21…吸込口、22…送風口、23…設定部。

Claims (2)

  1. 圧縮機(1)と、吸入空気を露点温度以下に冷却する熱交換器(11)と、前記圧縮機(1)を制御する制御装置(17)とを備え、前記制御装置(17)は、前記圧縮機(1)の運転を停止する条件としての停止湿度(HS)と、前記圧縮機(1)の運転を再開する条件としての設定湿度(HA)とを有し、前記圧縮機(1)の運転中において室内湿度が前記停止湿度(HS)よりも低くなったとき前記圧縮機(1)の運転を停止し、前記圧縮機(1)の運転停止中において前記室内湿度が前記設定湿度(HA)以上となったとき前記圧縮機(1)の運転を再開する除湿機において、
    前記制御装置(17)は、
    前記圧縮機(1)の保護のための圧縮機保護停止時間(tp)を記憶し、
    前記停止湿度の設定処理時における前記除湿機の除湿効率が、前記圧縮機(1)の運転開始から処理時までの期間における前記除湿機の平均除湿効率よりも低くなる時点を、前記除湿効率が上昇から下降に切り替わる時点を示すものとして検出し、この時点の湿度を第1の停止湿度(HSA)として記憶し、
    更に、前記除湿機が設置されている室内の室内空間容積(V)と、この除湿機の除湿能力と、この除湿機に加わる除湿負荷(Q2)と、前記設定湿度(HA)と、前記停止湿度(HS)とに基づいて、前記圧縮機(1)の停止時間を算出し、この停止時間及び前記圧縮機保護停止時間(tp)のうちでその時間が長いものを選択して、選択に係る時間に基づいて前記停止湿度を算出し、この算出に係る停止湿度を、前記圧縮機(1)の保護のための第2の停止湿度(HSB)として記憶し、
    前記第1の停止湿度(HSA)と前記第2の停止湿度(HSB)とのうちでその値が低いものを選択し、両者が等しいときはいずれか一方を選択して、選択に係る湿度を前記停止湿度(HS)に設定する
    ことを特徴とする除湿機。
  2. 前記制御装置(17)は、前記室内湿度が設定湿度(HA)から停止湿度(HS)に低下するまでの時間(t1)の逆数と、前記室内湿度が停止湿度(HS)から設定湿度(HA)に上昇するまでの時間(t2)の逆数との和に基づいて、前記室内空間容積(V)を設定する
    ことを特徴とする請求項1に記載の除湿機。
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