JP2015036448A - 円筒形セラミックス体の加工方法および円筒形スパッタリングターゲット - Google Patents

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Abstract

【課題】割れや欠けなどが存在しない円筒形スパッタリングターゲットを提供する。【解決手段】第1の固定治具5を、円筒形セラミックス体1の中空部4に挿通し、円筒形セラミックス体1を第1の固定治具5に仮止め用接着剤10を介して固定して、円筒形セラミックス体1の外周面2を加工する外周面加工工程と、第2の固定治具7の中空部8に、円筒形セラミックス体1を挿入し、円筒形セラミックス体1を第2の固定治具7に仮止め用接着剤10を介して固定して、円筒形セラミックス体1の内周面3を加工する内周面加工工程とを備え、前記仮止め用接着剤10として、熱溶融温度が50℃以上の接着剤を使用する加工方法を用いて、円筒形セラミックス体を加工し、円筒形スパッタリングターゲットを得る。【選択図】図1

Description

本発明は、マグネトロン型回転カソードスパッタリング装置によるスパッタリングに使用される、円筒形スパッタリングターゲット、および、この円筒形スパッタリングターゲットの母材である円筒形セラミックス体の加工方法に関する。
マグネトロン型回転カソードスパッタリング装置は、平板型マグネトロンスパッタリング装置と比較して、高い成膜速度とスパッタリングターゲットの使用効率を有することから、注目を集めている。このマグネトロン型回転カソードスパッタリング装置によるスパッタリングには、円筒形スパッタリングターゲットが用いられる。円筒形スパッタリングターゲットの材料としては、円筒形状への加工が容易で機械的強度の高い金属材料が広く使用されているものの、セラミックス材料については、機械的強度が低く、脆いという特性から、いまだ普及するには至っていない。
現在、セラミックス製の円筒形スパッタリングターゲットの製造手段は、円筒形バッキングチューブの外周にセラミックス粉末を溶射して付着させる溶射や、円筒形バッキングチューブの外周にセラミックス粉末を充填し、高温高圧の不活性雰囲気下でセラミックス粉末を焼成する、熱間静水圧プレス(HIP)などに限られている。しかしながら、溶射には高密度のターゲットが得られにくいという問題があり、HIPには、イニシャルコストやランニングコストが高く、熱膨張差による剥離、さらにはターゲットのリサイクルができないといった問題がある。したがって、このような問題のない、冷間静水圧プレス(CIP)を用いて円筒形セラミックス成形体を得て、この成形体またはこれを焼成することにより得られる焼結体を加工して、円筒形スパッタリングターゲットを製造することが望まれている。
しかしながら、CIPを用いて得られた円筒形セラミックス成形体や円筒形セラミックス焼結体(以下、これらを「円筒形セラミックス体」という)は、セラミックスが、機械的強度が低く、脆いという特性を有することから、加工中に割れや変形などが発生しやすく、工作機械への固定が困難であるという問題がある。たとえば、円筒形セラミックス体を三つ爪チャックなどで固定しようとすると、各爪との接触部に応力が集中し、この部分を起点として割れや欠けが発生する可能性が高い。また、割れないように三つ爪チャックの固定力(加圧力)を弱めると、円筒形セラミックス体を安定して固定することが困難となり、著しい場合には、三つ爪チャックから円筒形セラミックスが脱落し、破損する事態となる。
これに対して、特開昭63−16935号公報には、円柱状セラミックス成形体を加工するに際して、この円柱状セラミックス成形体を、半円状の嵌め合い溝が設けられた一対の挟持体からなる固定治具を用いて固定することが開示されている。この固定治具では、対向する嵌め合い溝に円柱状セラミックス成形体を挟持した状態で、これらの挟持体のクリアランスを調整することにより、その挟持力を最適状態にすることが可能であるとされている。しかしながら、円柱状セラミックス成形体と異なり、円筒形セラミックス体は、径方向に荷重を受けた場合に変形しやすく、この固定治具を用いて円筒形セラミックス体を最適状態で保持するためのクリアランスの調整はきわめて困難なものとなる。
特開2005−281862号公報には、円筒形セラミックス焼結体の加工において、旋盤を用いて内周面を加工した後に、中心位置合わせ用の穴を備えたテーパ付き固定治具を円筒形セラミックス焼結体に嵌め込み、この固定治具の両端を旋盤に固定して、円筒形セラミックス焼結体の外周面を加工する旨が記載されている。しかしながら、旋盤で内周面を加工する際の具体的な円筒形セラミックス焼結体の固定手段については、何ら記載されていない。また、テーパ付き固定治具は、円筒形セラミックス焼結体との接触面積が限られるため、加工に際して円筒形セラミックス焼結体を安定して固定することは困難である。
なお、特開2005−281862号公報では、バッキングチューブへの接合時における加熱に伴う不均一な膨張を防止する観点から、内外径の偏心(外径の中心と内径の中心のずれ)を0.2mm以下としているが、工業的規模での製造において、このような不安定な固定手段を用いた場合、内外径の偏心を上記範囲に規制することはきわめて困難である。
これらの機械的な固定手段以外に、ワックスや高分子系凝固剤などの固定媒体を介して、セラミックスなどの脆性材料を固定治具に固定することも行われている。たとえば、特開2000−5982号公報には、半導体インゴットを切断して得られたウエーハの表面に溶融したワックスを塗布し、ウエーハの溶融ワックス塗布面をプレートの貼付面に押圧し、溶融ワックスを固化させることにより、ウエーハをプレートに固定することが記載されている。
しかしながら、この固定手段では、溶融ワックス塗布面をプレートの貼付面に押圧し、密着させる必要がある。ウエーハのプレートへの固定と異なり、円筒形セラミックス体を固定治具に固定するに際しては、その構造上、軸方向一方の端面を溶融ワックスの塗布面とするが、この場合、円筒形セラミックス体の外周面または内周面の研削に耐え得る固定強度を得ることができず、加工中に円筒形セラミックス体が固定治具から脱落し、割れてしまう可能性がある。あるいは、固定が緩み、加工中に微振動が発生し、これにより、微細な割れや欠けなどの欠陥が内包されてしまう可能性もある。このような欠陥が存在すると、バッキングチューブとの接合時またはスパッタリング時の熱負荷により、円筒形セラミックス体が割れてしまう。
一方、特開平10−230429号公報には、シリコーンオイルなどの凝固点が水よりも高い高分子系凝固剤を、円筒形セラミックス体などのワークと固定用治具の表面の間に介在させ、この状態で高分子系凝固剤の凝固温度よりも低い温度の流体をワーク加工中に固定用治具に作用させることで高分子系凝固剤を冷却し、ワークを凍結固定する方法が記載されている。この方法によれば、円筒形状ワークの外周面および内周面に対して、研削または切削を高精度かつ容易に行うことができるとされている。しかしながら、円筒形セラミックス体を切断するための固定手段については具体的に開示されているものの、その外周面および内周面を研削または切削するための固定手段については、具体的に開示されていない。また、この方法では、加工中に高分子系凝固剤をその凝固点以下の温度に保持する必要があるため、研削液の温度を低温に保持するための冷却手段を用意しなければならないという問題がある。さらに、このような低温の研削液を使用した場合には、工作機械に歪が生じ、加工精度が低下するという問題もある。
特開昭63−16935号公報 特開2005−281862号公報 特開2000−5982号公報 特開平10−230429号公報
本発明は、母材である円筒形セラミックス体を固定治具に安定して固定する加工手段を提供すること、もって、割れや欠けなどの欠陥が存在しない円筒形スパッタリングターゲットを提供することを目的とする。
本発明の円筒形セラミックス体の加工方法は、
第1の固定治具を、円筒形セラミックス体の中空部に挿通し、該円筒形セラミックス体を第1の固定治具に仮止め用接着剤を介して固定し、該円筒形セラミックス体の外周面を加工する外周面加工工程と、
第2の固定治具の中空部に、円筒形セラミックス体を挿入し、該円筒形セラミックス体を第2の固定治具に仮止め用接着剤を介して固定し、該円筒形セラミックス体の内周面を加工する内周面加工工程と、
を備え、
前記仮止め用接着剤として、熱溶融温度が50℃以上の接着剤を使用する、
ことを特徴とする。
第1の固定治具を円筒形セラミックス体の中空部に挿通した状態、または、第2の固定治具の中空部に円筒形セラミックス体を挿入した状態において、該円筒形セラミックス体と、第1の固定治具または第2の固定治具との間に存在する前記仮止め用接着剤が固化する前に、該円筒セラミックス体と第1の固定治具または第2の固定治具の間に、複数本の金属細線を周方向に等間隔で差し込み、その後、該仮止め用接着剤を固化させて、該円筒形セラミックス体を第1の固定治具または第2の固定治具に固定することが好ましい。
また、前記内周面加工工程において、円筒形セラミックス体の一端を、第2の固定治具の一端から1mm〜20mmの範囲で突出させ、この突出部を基準として、円筒形セラミックス体の中心軸と工作機械の回転軸との軸合わせを行うことが好ましい。
前記仮止め用接着剤の熱溶融温度は50℃〜200℃であることが好ましく、60℃〜120℃であることがより好ましい。
前記円筒形セラミックス体は、酸化亜鉛または酸化インジウムを主成分とするセラミックスにより構成されていることが好ましい。
本発明の円筒形スパッタリングターゲットは、前記加工方法により円筒形セラミックス体を加工することにより得られ、外周面における欠陥密度が0.01個/cm2未満であることを特徴とし、内外径の偏心が0.5mm未満であることが好ましい。
本発明によれば、円筒形セラミックス体を固定治具に安定して固定することができるため、外周面加工工程および内周面加工工程において、割れや欠けが発生することを防止することができる。また、このようにして得られた円筒形セラミックス体を用いることにより、円筒形セラミックス体とバッキングチューブとの接合時において、割れや欠けの発生を大幅に低減することができる。さらに、スパッタリング工程においても、割れや欠けの発生を防止し、安定かつ効率的にスパッタリングを行うことができるため、その工業的意義はきわめて大きい。
図1は、本発明の実施の形態の1例における、円筒形セラミックス体の外周面の加工工程を説明するための概略断面図である。 図2は、本発明の実施の形態の1例における、円筒形セラミックス体の内周面の加工工程を説明するための概略断面図である。 図3は、円筒形セラミックス体の突出部を利用した軸合わせを説明するための、(a)概略断面図と、(b)平面図である。
本発明者らは、円筒形セラミックス体を固定治具に安定して固定し、割れや欠けの発生を抑制しつつ、その外周面および内周面を加工する方法について鋭意研究を重ねた。その結果、円筒形セラミックス体を、仮止め用接着剤を介して固定治具に固定し、その外周面および内周面を加工することで、加工中における微振動の発生を抑制し、これにより円筒形セラミック体に割れや欠けが発生することを効果的に防止することができるとの知見を得た。本発明は、この知見に基づいて完成されたものである。
以下、本発明について詳細に説明をするが、本発明の加工方法は、CIPなどにより得られる円筒形セラミックス成形体、または、これを焼成することにより得られる円筒形セラミックス焼結体のいずれに対しても適用することができる。また、その材質にも限定されることはなく、種々のセラミックスから構成される円筒形セラミックス体に対して適用することができる。特に、酸化亜鉛(ZnO)や酸化インジウム(In23)などを主成分とする円筒形セラミックス体に対して、本発明の加工方法を好適に適用することができる。なお、本発明は、円筒形セラミックス体の大きさにも限定されることはなく、種々の大きさの円筒形セラミックス体に対して適用することができるが、以下では、外径が100mm〜200mm、内径が80mm〜180mm、全長が50mm〜500mmの円筒形セラミックス体の外周面および内周面を加工して、円筒形スパッタリングターゲットを製造する場合を例に挙げて説明する。
1.円筒形セラミックス体の加工方法
本発明の円筒形セラミックス体の加工方法は、第1の固定治具を、円筒形セラミックス体の中空部に挿通し、円筒形セラミックス体を第1の固定治具に仮止め用接着剤を介して固定し、円筒形セラミックス体の外周面を加工する外周面加工工程と、第2の固定治具の中空部に、円筒形セラミックス体を挿入し、円筒形セラミックス体を第2の固定治具に仮止め用接着剤を介して固定し、円筒形セラミックス体の内周面を加工する内周面加工工程とを備え、仮止め用接着剤として、熱溶融温度が50℃以上の接着剤を使用することを特徴とする。
このような加工方法では、円筒形セラミックス体は、仮止め用接着剤を介して、その内周面または外周面が第1の固定治具または第2の固定治具に支持および固定され、これらの固定治具が、三つ爪チャックなどにより工作機械に固定されることとなる。このため、円筒形セラミックス体には、割れや欠けなどの起点となる応力集中が生じることはない。また、円筒形セラミックス体の外周面または内周面は、加工中に微振動が発生しないように、概ね全面にわたって第1の固定治具または第2の固定治具に強固かつ安定して支持および固定される。このため、加工中に円筒形セラミックス体が第1の固定治具または第2の固定治具から脱落したり、固定が緩み、微振動が発生したりすることが効果的に防止される。
以下、本発明の外周面加工工程および内周面加工工程について、図1および図2を参照しながら詳細に説明する。なお、本発明においては、外周面加工工程と内周面加工工程の順番は、特に限定されるものではなく、得られる円筒形スパッタリングターゲットに要求される特性を考慮した上で適宜選択される。たとえば、円筒形スパッタリングターゲットの内外径の偏心が問題となるような場合には、外周面加工工程により外周面の真円度を向上させてから、この外周面を基準として、内周面加工工程を行えばよい。また、円筒形スパッタリングターゲットの表面に残存する不純物が問題となるような場合には、内周面加工工程後に外周面加工工程を行うことにより、清浄度の高い外周面を得ることができる。このほか、本発明では、外周面加工工程後に内周面加工工程を行い、さらに外周面加工工程を行うことも可能である。この場合、高い精度で内外径の偏心を抑制しつつ、不純物が少なく、清浄度の高い外周面を得ることができる。
(1)外周面加工工程
図1は、円筒形セラミックス体1の外周面2を加工するための構成を模式的に示した概略断面図である。外周面加工工程では、円筒形セラミックス体1は、その中空部4(図2参照)に第1の固定治具5を挿通し、仮止め用接着剤10を介して、第1の固定治具5に固定される。ここで、挿通とは、図1に示すように、第1の固定治具5が円筒形セラミックス体1を完全に貫通していることを意味する。すなわち、外周面加工工程では、円筒形セラミックス体1は、第1の固定治具5によって、その内周面3全体が支持されることとなるため、加工中に微振動が発生し、微細な割れや欠けが発生することが効果的に防止される。
円筒形セラミックス体1と第1の固定治具5との固定方法は、仮止め用接着剤10を使用する限り、特に限定されることはない。たとえば、円筒形セラミックス体1と第1の固定治具5を、オーブンなどの加熱装置を用いて、使用する仮止め用接着剤10の熱溶融温度以上に加熱した後、円筒形セラミックス体1の内周面3と第1の固定治具5の外周面6に仮止め用接着剤10を均一に塗布し、円筒形セラミックス体1の中空部4に第1の固定治具5を挿通し、室温(20℃程度)まで冷却することにより固定することができる。
このようにして、第1の固定治具5に固定された円筒形セラミックス体1は、第1の固定治具5の一端を、三つ爪チャックなど(図示せず)により工作機械に固定された状態で、加工手段11により、その外周面2が加工されることとなる。
(第1の固定治具)
外周面加工工程で用いる第1の固定治具5の形状は、円筒形セラミックス体1を隙間嵌めで外嵌できるものであれば任意の柱形または筒型の形状を採用できるが、通常は円柱形または円筒形である。この場合、第1の固定治具5の外径は、円筒形セラミックス体1の内径よりも、0.2mm〜4mm、好ましくは1mm〜2mm小さくなるようにする必要がある。すなわち、第1の固定治具5の外径は、円筒形セラミックス体1の内径の0.1%〜5%、好ましくは0.5%〜3%程度とする。第1の固定治具5の外径と円筒形セラミックス体1の内径の差が0.2mm未満では、仮止め用接着剤10を塗布するために、第1の固定治具5および円筒形セラミックス体1を加熱した場合に、第1の固定治具5を、円筒形セラミックス体1に挿通することができなくなる場合がある。一方、4mmを超えると、第1の固定治具5と円筒形セラミックス体1の軸合わせが困難となる。また、第1の固定治具5は、上述したように、円筒形セラミックス体1を挿通していることが必要となるため、その全長は、円筒形セラミック体1の全長よりも長いことが必要となる。
第1の固定治具5は、200℃程度の温度で変形せず、かつ、三つ爪チャックなどの固定手段によっても変形しないものである必要がある。このような材質としては、ステンレス鋼や炭素鋼などの金属材料を用いることができる。ただし、仮止め用接着剤10の塗布時の加熱温度や材質の組合せによっては、上述したように、第1の固定治具5に円筒形セラミックス体1を挿通することが困難となる場合がある。このため、第1の固定治具5の材質は、円筒形セラミックス体1との熱膨張率の差を考慮した上、適宜選択することが好ましい。
なお、第1の固定治具5を用いた円筒形セラミックス体1の外周面加工が最終加工となる場合、第1の固定治具5をバッキングチューブにて代替することが可能である。この場合、第1の固定治具5として、円筒形セラミックス体1の内径よりも、0.2mm〜4mm、好ましくは1mm〜2mm小さい外径を有する、すなわち、円筒形セラミックス体1の内径の0.1%〜5%、好ましくは0.5%〜3%程度の外径を有する、ステンレス鋼やチタンなどの非磁性の金属材料製のバッキングチューブを用いる。
(加工手段)
円筒形セラミックス体1の外周面2を加工するための加工手段11としては、研削または切削などの公知の手段を用いることができる。ただし、本発明の加工方法を用いて、円筒形スパッタリングターゲットを得ようとする場合は、平滑度の高い表面が得られる研削により加工することが好ましい。この場合、研削に使用する回転砥石の種類および粒度、回転砥石および円筒形セラミックス体1の回転方向および回転速度などの条件は、工作機械の性能や円筒形セラミックス体1の材質などに応じて選択すればよい。
なお、本発明の加工方法により、円筒形セラミックス焼結体を加工する際には、湿式または乾式のいずれの加工手段も採用することができるが、円筒形セラミックス成形体を加工する際には、研削液などを使用しない乾式の加工手段を採用する必要がある。これは、円筒形セラミックス成形体が研削液などにより濡れてしまうと、その形状が崩れてしまうことがあるためである。
(剥離手段)
外周面加工工程後、円筒形セラミックス体1と第1の固定治具5とを剥離する必要がある。この際の剥離手段としては、たとえば、仮止め用接着剤10を有機溶剤によって溶解したり、または、加熱溶融したりする手段を挙げることができる。ただし、剥離後の円筒形セラミックス体1の外周面2に不純物が残存したり、その表面粗さが悪化したりすると、スパッタリング時にアーキングやノジュールの発生の原因となる。このため、円筒形セラミックス体1の材質を考慮の上、有機溶剤の種類または加熱温度を適切に選択することが必要となる。たとえば、有機溶剤を用いて剥離する場合は、アルコール、メチルエチルケトン、酢酸エチルなどの有機溶剤を用いることが好ましい。また、加熱溶融によって剥離する場合は、加熱温度を、仮止め用接着剤10の熱溶融温度よりも10℃〜50℃程度高い温度とすることが好ましい。
なお、加熱溶融によって剥離する場合、急激に加熱すると、円筒形セラミックス体1と第1の固定治具5との熱膨張率の差に起因して、円筒形セラミックス体1に割れや欠けが生じる場合がある。このため、加熱速度を適宜調整することが好ましく、5℃/分〜50℃/分程度に調整することがより好ましい。
(2)内周面加工工程
図2は、円筒形セラミックス体1の内周面3を加工するための構成を模式的に示した概略断面図である。なお、内周面加工工程における加工手段11および剥離手段については、基本的には外周面加工工程と同様であるため、ここでの説明は省略する。
内周面加工工程では、円筒形セラミックス体1は、第2の固定治具7の中空部8に挿入され、仮止め用接着剤10を介して、第2の固定治具7に固定される。ここで、挿入とは、図2に示すように、円筒形セラミックス体1が、第2の固定治具7の中空部8に完全に収容されているか、または、加工中に微振動が発生しない範囲で、円筒形セラミックス体1の一端が、第2の固定治具7の一端から突出していることを意味する。また、微振動が発生しない範囲とは、円筒形セラミックス体1の剛性や三つ爪チャックなどの固定手段などに応じて定まるものであり、一義的に定めることはできないが、酸化亜鉛製または酸化インジウム製などの円筒形セラミックス体1の場合には、突出部の突出量が、概ね30mm以下、好ましくは1mm〜20mmの範囲にあることを意味する。
このような内周面加工工程では、円筒形セラミックス体1は、第2の固定治具7によって、概ね、その外周面2全体が支持されることとなるため、加工中に微振動が発生し、微細な割れや欠けが発生することが効果的に防止される。なお、微振動が発生しない範囲で、円筒形セラミックス体1の一端が、第2の固定治具7の一端から突出することを許容しているのは、後述するように、円筒形スパッタリングターゲットの内外径の偏心をさらに抑制するためには、この突出部を基準として、円筒形セラミックス体1の中心軸と工作機械の回転軸との軸合わせを行うことが効果的だからである。
円筒形セラミックス体1と第2の固定治具7との固定は、仮止め用接着剤10を使用する限り、特に限定されることはない。たとえば、上述した円筒形セラミックス体1と第1の固定治具5の固定方法と同様の手段を採ることができる。
このようにして、第2の固定治具7に固定された円筒形セラミックス体1は、第2の固定治具7の一端を、三つ爪チャックなど(図示せず)により工作機械に固定された状態で、加工手段11により、その内周面3が加工されることとなる。
(第2の固定治具)
第2の固定治具7は、円筒形セラミックス体1を隙間嵌めで内嵌できる中空部8を有するものであれば任意の筒型形状を採用できるが、通常は、円筒形である。円筒形の固定治具からなる場合、第2の固定治具7の内径は、円筒形セラミックス体1の外径よりも、0.2mm〜4mm、好ましくは1mm〜2mm大きくなるようにする必要がある。すなわち、第2の固定治具7の内径は、円筒形セラミック体1の外径の0.1%〜5%、好ましくは0.5%〜3%程度とする。第2の固定治具7の内径と円筒形セラミックス体1の外径の差が0.2mm未満では、第2の固定治具7に、円筒形セラミックス体1を挿入することができなくなったり、内周面加工工程後に、第2の固定治具7から円筒形セラミックス体1を取り出すことが困難となったりする場合がある。一方、4mmを超えると、第2の固定治具7と円筒形セラミックス体1の軸合わせが困難となる。また、第2の固定治具7の全長は、円筒形セラミック体1の全長よりも長いことが好ましい。第2の固定治具7の全長が、円筒形セラミックス体1の全長よりも長ければ、加工中の微振動を防止するために円筒形セラミックス体1の外周面2全体を支持する場合、または、後述するように、円筒形セラミックス体1の中心軸と工作機械の回転軸との軸合わせを行うために第2の固定治具7の一端から円筒形セラミックス体1の一端を突出させる場合のいずれの場合にも柔軟に対応することができる。
なお、第2の固定治具7の材質は、第1の固定治具5と同様に、ステンレス鋼や炭素鋼などの金属材料を用いることができるが、加工後に、第2の固定治具7から円筒形セラミックス体1を取り出すことが困難とならないように、円筒形セラミックス体1との熱膨張率の差を考慮した上で、適宜選択することが好ましい。
(3)仮止め用接着剤
本発明では、円筒形セラミックス体1を第1の固定治具5および第2の固定治具7に固定するため、常温(5℃〜35℃)で固体であって、熱溶融性のある樹脂などから構成される仮止め用接着剤10を使用する。このため、本発明では、円筒形セラミックス体1と第1の固定治具5または第2の固定治具7との固定に際して、円筒形セラミックス体1を第1の固定治具5または第2の固定治具7に対して押圧しなくても、高い固定強度(接着強度)を得ることができる。また、仮止め用接着剤10は、常温で固体であるため、特開平10−230429号公報に記載の技術のように、加工中に仮止め用接着剤10を冷却する必要がなく、また、冷却に伴う工作機械の歪や加工精度の低下といった問題が生じることもない。
(熱溶融温度)
仮止め用接着剤10としては、上述したように、常温で固体であって、熱溶融性のある樹脂などから構成されるものを使用することができる。このような仮止め用接着剤10の熱溶融温度は50℃以上、好ましくは50℃〜200℃、より好ましくは60℃〜120℃であることが必要となる。熱溶融温度が50℃未満では、加工中に生じた熱により、円筒形セラミックス体1が、第1の固定治具5または第2の固定治具7から脱落したり、または、固定が緩み、微振動が発生する。なお、熱溶融温度の上限は特に制限されることはないが、200℃を超えると、熱溶融温度が高すぎるため、その取扱いが困難となる。
(種類)
熱溶融温度が上記範囲にある限り、仮止め用接着剤10の種類は問われることはなく、たとえば、ビニル系高分子化合物、石油系樹脂、ロジンなどの天然樹脂およびその誘導体、並びに、パラフィンワックスなどの熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂を用いることができる。これらの中で、接着強度および加工後の剥離のしやすさなどを考慮すると熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂が好ましい。ただし、前述したように、外周面加工工程が最終工程になる場合において、円筒形セラミックス体1を第1の固定治具5の代わりにバッキングチューブと固定する場合には、仮止め用接着剤10として、金属インジウムや導電性接着剤などを用いる必要がある。
(塗布厚)
円筒形セラミックス体1の外周面2または内周面3、第1の固定治具5の外周面6、第2の固定治具7の内周面9に仮止め用接着剤10を塗布した後、円筒形セラミックス体1と第1の固定治具5または第2の固定治具7とを組み合わせて、仮止め用接着剤10を冷却することにより、円筒形セラミックス体1と第1の固定治具5または第2の固定治具7とを固定する場合、それぞれの面に塗布される仮止め用接着剤10の厚さは、使用する仮止め用接着剤10の種類にもよるが、0.05mm〜1mmとすることが好ましく、0.1mm〜0.5mmとすることがより好ましい。仮止め用接着剤10の厚さが0.05mm未満では、十分な接着強度を得ることができない場合がある。一方、1mmを超えると、後述する円筒形セラミックス体1と第1の固定治具5または第2の固定治具7とのクリアランスとの関係で、余剰分の仮止め用接着剤10がはみ出してしまうなどの問題が生じる場合がある。
(塗布手段)
仮止め用接着剤10の塗布手段は、特に限定されることはなく公知の手段を用いることができるが、棒状の仮止め用接着剤10を、予め加熱した円筒形セラミックス体1、第1の固定治具5または第2の固定治具7の塗布面に押し当てて、仮止め用接着剤10を溶融させながら塗布することが好ましい。このような方法によれば、仮止め用接着剤10を、容易に、適度な厚さで均一に塗布することができる。
(4)軸合わせ
円筒形セラミックス体1を、第1の固定治具5または第2の固定治具7に固定する際、これらの中心軸を一致させた状態で固定することが好ましい。これらの中心軸がずれた状態で、円筒形セラミックス体1の外周面2または内周面3を加工すると、加工中に微振動が発生し、割れや欠けなどの欠陥が発生するおそれがある。仮に、これらの欠陥が発生しなかったとしても、円筒形セラミックス体1に内外径の偏心が生じ、バッキングチューブとの接合時の加熱により、または、スパッタリングに発生した熱により、円筒形セラミックス体1または円筒形スパッタリングターゲットが不均一に膨張し、これらの欠陥が誘発されるおそれがある。
従来、このような問題を防止するため、ダイヤルゲージなどを用いた測定により、円筒形セラミックス体1と、第1の固定治具5または第2の固定治具7との中心軸を一致させた状態で固定し、仮止め用接着剤10が固化するまでの間、これらの変位を防止することが必要であった。しかしながら、このような方法では、軸合わせに手間と時間がかかり、生産性が悪化してしまう。また、仮止め用接着剤10が固化するまでの間に、円筒形セラミックス体1、第1の固定治具5または第2の固定治具7に何らかの外力が作用すると、これらの中心軸は容易にずれてしまい、円筒形セラミックス体1の偏心を防止することは困難であった。このため、本発明では、以下の手段により、軸合わせを行い、円筒形セラミックス体1の偏心を防止することが好ましい。
(金属細線を利用した軸合わせ)
円筒形セラミックス体1の偏心を効率的に防止する手段として、本発明では、円筒形セラミックス体1と、第1の固定治具5または第2の固定治具7とを組み合わせた状態で、円筒形セラミックス体1と第1の固定治具5または第2の固定治具7との間に、仮止め用接着剤10が固化する前に、周方向に等間隔で複数本の金属細線(図示せず)を差し込み、その後、仮止め用接着剤10を固化させて、円筒形セラミックス体1を第1の固定治具5または第2の固定治具7に固定する手段を採ることができる。
このような手段によれば、ダイヤルゲージなどを用いた測定によらずとも、円筒形セラミックス体1と第1の固定治具5または第2の固定治具7との間隔を、周方向にわたって等しく規制することができるばかりでなく、軸合わせを容易かつ短時間で行うことができるため、生産性の向上を図ることができる。また、仮止め用接着剤10が固化するまでの間、円筒形セラミックス体1や第1の固定治具5または第2の固定治具7に外力が作用した場合であっても、円筒形セラミックス体1の変位を最小限に抑えることができるため、中心軸のずれを抑制し、ひいては、円筒形セラミックス体1の偏心を抑制することができる。
このとき使用する金属細線としては、その直径が、円筒形セラミックス体1と第1の固定治具5または第2の固定治具7の間の幅よりも細い、より具体的には、この幅よりも0.1mm〜0.5mm程度細いものが好ましい。この幅と金属細線の直径の差が0.1mm未満では、金属細線を差し込むことできなくなる場合がある。一方、0.5mmを超えると、金属細線を差し込んだ状態であっても、円筒形セラミックス体1の変位幅が大きくなり、中心軸のずれを抑制することが困難となる。
円筒形セラミックス体1と第1の固定治具5または第2の固定治具7の間に差し込まれる金属細線の長さは、円筒形セラミックス体1の全長の50%以上とすることが好ましい。差し込む部分の長さが50%未満では、仮止め用接着剤10が固化するまでの間に、円筒形セラミックス体1と第1の固定治具5または第2の固定治具7の中心軸がずれてしまうおそれがある。なお、金属細線の一端は、円筒形セラミックス体1の一端から10mm〜100mm程度突出させておくことが好ましい。これにより、円筒形セラミックス体1を第1の固定治具5または第2の固定治具7から取り出す際に、金属細線を容易に引き抜くことができる。
金属細線は、周方向に等間隔で3本〜8本差し込むことが好ましい。金属細線が3本未満では、安定して中心軸を一致させることが困難となる。一方、8本を超えても、それ以上の効果が得られないばかりか、金属細線の差し込む作業および引き抜く作業に長時間を要することになるため、生産性を十分に向上させることができなくなる。
金属細線としては、銅線、黄銅線、ピアノ線などを使用することができる。あるいは、厚みが円筒形セラミックス体1と第1の固定治具5または第2の固定治具7の間の幅よりも0.1mm〜0.5mm程度薄い金属板を使用してもよい。ただし、前述したように、外周面加工工程が最終工程になる場合において、円筒形セラミックス体1を第1の固定治具5の代わりにバッキングチューブと固定する場合には、金属細線として、銅線や黄銅線などの非磁性のものを用いることが必要となる。これらの非磁性の金属細線を用いることで、マグネトロン型回転カソードスパッタリング装置に設置してスパッタリングを行う際に必要なターゲット表面磁束を確保することができる。
なお、外周面加工工程または内周面加工工程の終了後、円筒形セラミックス体1を、第1の固定治具5または第2の固定治具7から取り出すこととなるが、この際、円筒形セラミックス体1の内周面3または外周面2に傷がつかないように、予め、金属細線を引き抜いておくことが好ましい。
(突出部を利用した軸合わせ)
内周面加工工程においては、円筒形セラミックス体1と第2の固定治具7とを固定する際に、これらの中心軸に若干のずれが生じた場合であっても、円筒形セラミックス体1の一端を第2の固定治具7の一端から突出させておくことにより、この突出部を基準として、円筒形セラミックス体1の中心軸と工作機械の回転軸を一致させ、この状態で内周面加工工程を行うことで、円筒形セラミックス体1の中心軸と工作機械の回転軸のずれを解消することができる。この方法では、第2の固定治具7のほかに、図3に示すような、円筒形セラミックス体1を載置する円盤状の基台13と、この基台13の周方向に等間隔で配置される少なくとも3個の固定片14とから構成される第3の固定治具12を使用する。なお、これらの固定片14のそれぞれは、ボルトなどの取付手段(図示せず)によって、基台13に、その径方向にスライド可能に取り付けられている。
突出部を利用した軸合わせでは、最初に、第3の固定治具12を、工作機械の回転軸に、三つ爪チャック(図示せず)などの固定手段を介して固定する。次に、その一端が、第2の固定治具7の一端から突出するように、第2の固定治具7に固定された円筒形セラミックス体1を、基台13の中心部に載置し、固定片14を基台13の径方向中心部に向かってそれぞれスライドさせ、その内側面を第2の固定治具7の外周面6に当接させる。この状態で、第3の固定治具12を低速で回転させながら、円筒形セラミックス体1のうち、突出部の外周面2にダイヤルゲージなどの偏心測定具を接触させ、偏心を測定する。その後、固定片14をそれぞれスライドさせることにより第2の固定治具7の位置を微調整し、偏心が最小となる位置ですべての固定片14を固定する。これにより、円筒形セラミックス体1の中心軸と工作機械の回転軸とを一致させることができ、この状態で内周面加工工程を行うことで、円筒形セラミックス体1の中心軸と工作機械の回転軸とのずれを解消することが可能となる。
この突出部の突出量は、加工中に、円筒形セラミックス体1に微振動が発生しない程度とすることが必要であるが、好ましくは1mm〜20mm、より好ましくは2mm〜10mm、さらに好ましくは3mm〜8mmとする。突出量が1mm未満では、上記効果を十分に得ることができない。一方、20mmを超えても、それ以上の効果を得ることができないばかりか、円筒形セラミックス体1の剛性が低い場合には、割れや欠けなどの欠陥の原因となる場合がある。
(その他)
このほか、本発明では、上述したように、外周面加工工程後に内周面加工工程を行うことで、円筒形セラミックス体1の偏心を抑制することが可能である。また、上記以外の公知の手段により、または、公知の手段と上記手段を組み合せて軸合わせを行うことも可能である。これらの手段は、要求される精度などに応じて適宜選択することが好ましい。
2.円筒形スパッタリングターゲット
本発明の円筒形スパッタリングターゲットは、本発明の加工方法により円筒形セラミックス体を加工することで得られることを特徴とする。円筒形セラミックス体とバッキングチューブとの接合方法などは、従来技術と同様である。
本発明の円筒形スパッタリングターゲットは、割れや欠けなどの欠陥がきわめて少ないことを特徴としている。具体的には、本発明の円筒形スパッタリングターゲットでは、その外周面1cm2当たりの欠陥の個数を表す欠陥密度を、好ましくは0.01個/cm2未満、より好ましくは0.001個/cm2未満とすることができる。このため、本発明の円筒形スパッタリングターゲットをマグネトロン型回転カソードスパッタリング装置に設置してスパッタリングを行った場合に、アーキングやノジュールの発生を効果的に抑止することができる。なお、欠陥密度は、浸透探傷検査により求めることができる。
また、本発明の円筒形スパッタリングターゲットでは、円筒形セラミックス体と第1の固定治具および第2固定治具の中心軸を高い精度で工作機械の回転軸と一致させた状態で、外周面加工工程および内周面加工工程を行うことにより、その内外径の偏心を、好ましくは0.5mm未満、より好ましくは0.1mm未満とすることができる。このため、スパッタリング時に、円筒形スパッタリングターゲットが不均一に膨張することがなく、また、偏心しながらターゲットが回転することに伴い、成膜速度が不安定になるなどの問題が生じることもない。なお、内外径の偏心は、特に限定されることはなく、公知の手段により測定することができる。このような手段として、たとえば、ダイヤルゲージによる測定が挙げられる。
以下、実施例を用いて、本発明をさらに詳細に説明する。
(実施例1)
加工の対象となる円筒形セラミックス体として、外径が126mm、内径が96mm、全長が206mmの円筒形状の酸化インジウム・スズ(ITO)焼結体(20℃における線膨張率:7.2×10-6/K)を用意した。また、この円筒形セラミックス体の外周面および内周面を加工するため、外径が94mm、全長が300mmである、SUS304(20℃における線膨張率:17.4×10-6/K)製の第1の固定治具と、外径が180mm、内径が122mm、全長が300mmである、SUS304製の第2の固定治具を用意した。
初めに、円筒形セラミックス体と第1の固定治具をオーブンで150℃に加熱し、円筒形セラミックス体の内周面と第1の固定治具の外周面に、熱溶融温度が120℃の熱硬化性樹脂系の仮止め用接着剤(日化精工株式会社製、商品名:アドフィックス)を、その厚さがそれぞれ0.3mm(合計で0.6mm)となるように均一に塗布した。その後、円筒形セラミックス体の内周面全体が第1の固定治具により支持されるように、第1の固定治具を円筒形セラミックス体の中空部に挿通した。このとき、円筒形セラミックス体と第1の固定治具との中心軸が一致するように組み合わせた後、仮止め用接着剤が固化する前に、円筒形セラミックス体と第1の固定治具との間(幅:1mm)に、金属細線として、直径0.7mm、全長250mmのピアノ線を、周方向に等間隔で6本差し込んだ。この金属細線のうち差し込み部分の長さは円筒形セラミックス体の全長の100%であった。この状態で室温(25℃)まで冷却することにより、円筒形セラミックス体と第1の固定治具とを固定した。
このようにして円筒形セラミックス体が接着固定された第1の固定治具の一端を、研削盤(株式会社太陽工機製、NVG)の三つ爪チャックに取り付けた。その後、第1の固定治具の中心軸と研削盤の回転軸を一致させた状態で、研削盤の回転軸を100rpmで反時計回りに回転させながら、円筒形セラミックス体の外周面に、5000rpmで反時計回りに回転させた粒度:#140の回転砥石(株式会社ニートレックス製)を接触させることにより、外周面加工工程を行った。このとき、研削液として水溶性クーラントを使用し、円筒形セラミックス体の外径が120mmとなるまで研削した。なお、外周面加工工程中に、円筒形セラミックス体に微振動や、割れまたは欠けが生じることはなかった。
外周面加工工程終了後、研削盤から円筒形セラミックス体を第1の固定治具ごと取外し、これをオーブンで、加熱速度を10℃/分として150℃まで加熱することにより仮止め用接着剤を熱溶融させ、全てのピアノ線を引き抜いた後、円筒形セラミックス体から第1の固定治具を取り出した。
外周加工工程終了後、円筒形セラミックス体と第2の固定治具をオーブンで150℃に加熱し、円筒形セラミックス体の外周面と第2の固定治具の内周面に、外周面加工工程で使用したものと同じ仮止め用接着剤を、その厚さがそれぞれ0.3mm(合計で0.6mm)となるように均一に塗布した。その後、円筒形セラミックス体の外周面全体が第2の固定治具により支持されるように、第2の固定治具の中空部に円筒形セラミックス体を完全に収容した。このとき、円筒形セラミックス体と第2の固定治具との中心軸が一致するように組み合わせた後、仮止め用接着剤が固化する前に、円筒形セラミックス体と第1の固定治具との間(幅:1mm)に、金属細線として、直径0.7mm、長さ250mmのピアノ線を、周方向に等間隔で6本差し込んだ。この金属細線のうち差し込み部分の長さは円筒形セラミックス体の全長の100%であった。この状態で室温(25℃)まで冷却することにより、円筒形セラミックス体と第2の固定治具とを固定した。
このようにして円筒形セラミックス体が接着固定された第2の固定治具の一端を、研削盤の三つ爪チャックに取り付けた。その後、第2の固定治具の中心軸と研削盤の回転軸を一致させた状態で、研削盤の回転軸を100rpmで反時計回りに回転させながら、その内周面に、5000rpmで時計回りに回転させた、粒度:#140の回転砥石を接触させることにより、内周面加工工程を行った。このとき、研削液として水溶性クーラントを使用し、円筒形セラミックス体の内径が100mmとなるまで研削した。なお、内周面加工工程中に、円筒形セラミックス体に微振動や、割れまたは欠けが生じることはなかった。
内周面加工工程終了後、研削盤から円筒形セラミックス体を第2の固定治具ごと取外し、これをオーブンで、加熱速度を10℃/分として150℃まで加熱することにより仮止め用接着剤を熱溶融させ、全てのピアノ線を引き抜いた後、円筒形セラミックス体を第2の固定治具から取り出した。
得られた円筒形セラミックス体の上端面および下端面を、平面研削盤を用いて研削することにより、この円筒形セラミックス体の全長が200mmとなるように調整した。以上の工程により、外径が120mm、内径が100mm、全長が200mmの円筒形セラミックス体を得た。
次に、この円筒形セラミックス体を、外径が98mm、全長が300mmであるSUS304製のバッキングチューブに金属インジウムからなる接合剤を用いて接合することにより、円筒形スパッタリングターゲットを作製した。この際、円筒形スパッタリングターゲットに割れや欠けが生じることはなかった。また、浸透探傷検査により、この円筒形スパッタリングターゲットの外周面に欠陥は認められず、欠陥密度は0.001個/cm2未満であることが確認された。さらに、ダイヤルゲージを用いた測定により、内外径の偏心は0.1mmであることが確認された。
最後に、この円筒形スパッタリングターゲットを、マグネトロン型回転カソードスパッタリング装置に取り付けてスパッタリングを行った。このとき、円筒形スパッタリングターゲットに割れや欠けは生じなかった。
(実施例2)
第1の固定治具として、外径が98mm、全長が300mmであるSUS304(20℃における線膨張率:17.4×10-6/K)製のものを、第2の固定治具として、外径が180mm、内径が128mm、全長が300mmであるSUS304製のものを用意し、内周面加工工程後に、外周面加工工程を行ったこと以外は、実施例1と同様にして、外径が120mm、内径が100mm、全長が200mmの円筒形セラミックス体を得た。この際、円筒形セラミックス体に微振動や、割れまたは欠けが生じることはなかった。
次に、この円筒形セラミックス体を、実施例1と同様にバッキングチューブと接合することにより、円筒形スパッタリングターゲットを作製した。この際、円筒形スパッタリングターゲットに割れや欠けが生じることはなかった。また、浸透探傷検査により、この円筒形スパッタリングターゲットの外周面に欠陥は認められず、欠陥密度は0.001個/cm2未満であることが確認された。さらに、ダイヤルゲージを用いた測定により、内外径の偏心は0.2mmであることが確認された。
最後に、この円筒形スパッタリングターゲットを用いて、実施例1と同様にしてスパッタリングを行った。このとき、円筒形スパッタリングターゲットに割れや欠けは生じなかった。
(実施例3)
仮止め用接着剤として、熱溶融温度が57℃の熱可塑性樹脂系の接着剤(九重電気株式会社製、スロットワックスグレードF)を使用し、この仮止め用接着剤を溶融するための加熱温度を80℃としたこと、並びに、外周面加工工程後および内周面加工工程後のそれぞれにおいて、有機溶剤としてメチルエチルケトンを使用し、円筒形セラミックス体をこの有機溶剤に浸漬することにより仮止め用接着剤を溶解した後、金属細線の引き抜きと円筒形セラミックス体の取出しを行ったこと以外は、実施例1と同様にして、外径が120mm、内径が100mm、全長が200mmの円筒形セラミックス体を得た。この際、円筒形セラミックス体に微振動や、割れまたは欠けが生じることはなかった。
次に、この円筒形セラミックス体を、実施例1と同様にバッキングチューブと接合することにより、円筒形スパッタリングターゲットを作製した。この際、円筒形スパッタリングターゲットに割れや欠けが生じることはなかった。また、浸透探傷検査により、この円筒形スパッタリングターゲットの外周面の欠陥密度は0.003個/cm2であることが確認された。さらに、ダイヤルゲージを用いた測定により、内外径の偏心は0.3mmであることが確認された。
最後に、この円筒形スパッタリングターゲットを用いて、実施例1と同様にしてスパッタリングを行った。このとき、円筒形スパッタリングターゲットに割れや欠けは生じなかった。
(実施例4)
円筒形セラミックス体を固定治具に挿入する工程において、円筒形セラミックス体と第1の固定治具および第2の固定治具との間に金属細線を差し込まなかったこと以外は、実施例1と同様にして、外径が120mm、内径が100mm、全長が200mmの円筒形セラミックス体を得た。この際、円筒形セラミックス体に微振動や、割れまたは欠けが生じることはなかった。
次に、この円筒形セラミックス体を、実施例1と同様にバッキングチューブと接合することにより、円筒形スパッタリングターゲットを作製した。この際、円筒形スパッタリングターゲットに割れや欠けが生じることはなかった。また、浸透探傷検査により、この円筒形スパッタリングターゲットの外周面における欠陥密度は0.003個/cm2であることが確認された。さらに、ダイヤルゲージを用いた測定により、内外径の偏心は0.4mmであることが確認された。
最後に、この円筒形スパッタリングターゲットを用いて、実施例1と同様にしてスパッタリングを行った。このとき、円筒形スパッタリングターゲットに割れや欠けは生じなかった。
(実施例5)
円筒形セラミックス体として、外径が126mm、内径が96mm、全長が206mmの円筒形状の酸化亜鉛・アルミニウム(AZO)焼結体(20℃における線膨張率:7.2×10-6/K)を使用したこと以外は、実施例1と同様にして、外径が120mm、内径が100mm、全長が200mmの円筒形セラミックス体を得た。この際、円筒形セラミックス体に微振動や、割れまたは欠けが生じることはなかった。
次に、この円筒形セラミックス体を、実施例1と同様にバッキングチューブと接合することにより、円筒形スパッタリングターゲットを作製した。この際、円筒形スパッタリングターゲットに割れや欠けが生じることはなかった。また、浸透探傷検査により、この円筒形スパッタリングターゲットの外周面に欠陥は認められず、欠陥密度は0.001個/cm2未満であることが確認された。さらに、ダイヤルゲージを用いた測定により、内外径の偏心は0.1mmであることが確認された。
最後に、この円筒形スパッタリングターゲットを用いて、実施例1と同様にしてスパッタリングを行った。このとき、円筒形スパッタリングターゲットに割れや欠けは生じなかった。
(実施例6)
内周面加工工程において、第2の固定治具の一端から円筒形セラミックス体の一端を5mm突出させたこと、第3の固定治具を介して第2の固定治具を研削盤の三つ爪チャックに取り付けたこと、および、円筒形セラミックス体の突出部を基準として、第3の固定治具により円筒形セラミックス体の中心軸と研削盤の回転軸との軸合わせを行ったこと以外は、実施例1と同様にして、外径が120mm、内径が100mm、全長が200mmの円筒形セラミックス体を得た。この際、円筒形セラミックス体に微振動や、割れまたは欠けが生じることはなかった。
次に、この円筒形セラミックス体を、実施例1と同様にバッキングチューブと接合することにより、円筒形スパッタリングターゲットを作製した。この際、円筒形スパッタリングターゲットに割れや欠けが生じることはなかった。また、浸透探傷検査により、この円筒形スパッタリングターゲットの外周面に欠陥は認められず、欠陥密度は0.001個/cm2未満であることが確認された。さらに、ダイヤルゲージを用いた測定により、内外径の偏心は0.05mmであることが確認された。
最後に、この円筒形スパッタリングターゲットを用いて、実施例1と同様にしてスパッタリングを行った。このとき、円筒形スパッタリングターゲットに割れや欠けは生じなかった。
(実施例7)
内周面加工工程において、第2の固定治具の一端から円筒形セラミックス体の一端を20mm突出させたこと以外は、実施例6と同様にして、外径が120mm、内径が100mm、全長が200mmの円筒形セラミックス体を得た。この際、円筒形セラミックス体に微振動や、割れまたは欠けが生じることはなかった。
次に、この円筒形セラミックス体を、実施例1と同様にバッキングチューブと接合することにより、円筒形スパッタリングターゲットを作製した。この際、円筒形スパッタリングターゲットに割れや欠けが生じることはなかった。また、浸透探傷検査により、この円筒形スパッタリングターゲットの外周面に欠陥は認められず、欠陥密度は0.001個/cm2未満であることが確認された。さらに、ダイヤルゲージを用いた測定により、内外径の偏心は0.04mmであることが確認された。
最後に、この円筒形スパッタリングターゲットを用いて、実施例1と同様にしてスパッタリングを行った。このとき、円筒形スパッタリングターゲットに割れや欠けは生じなかった。
(実施例8)
内周面加工工程において、第2の固定治具の一端から円筒形セラミックス体の一端を30mm突出させたこと以外は、実施例6と同様にして、外径が120mm、内径が100mm、全長が200mmの円筒形セラミックス体を得た。この際、円筒形セラミックス体に微振動や、割れまたは欠けが生じることはなかった。
次に、この円筒形セラミックス体を、実施例1と同様にバッキングチューブと接合することにより、円筒形スパッタリングターゲットを作製した。この際、円筒形スパッタリングターゲットに割れや欠けが生じることはなかった。また、浸透探傷検査により、この円筒形スパッタリングターゲットの外周面に欠陥は認められず、欠陥密度は、0.001個/cm2未満であることが確認された。さらに、ダイヤルゲージを用いた測定により、内外径の偏心は0.04mmであることが確認された。
最後に、この円筒形スパッタリングターゲットを用いて、実施例1と同様にしてスパッタリングを行った。このとき、円筒形スパッタリングターゲットに割れや欠けは生じなかった。
(比較例1)
円筒形セラミックス体の一端から50mmまでの部分を第1の固定治具の一端から突出させ、当該部分が第1の固定治具に支持されないようにしたこと以外は、実施例1と同様にして外周面加工工程を行ったところ、加工中に微振動が生じ、円筒形セラミックス体が割れてしまい、円筒形スパッタリングターゲットを得ることができなかった。
(比較例2)
仮止め用接着剤として、熱溶融温度が40℃のノルマルパラフィンを使用し、この仮止め用接着剤を溶融するための加熱温度を50℃としたこと以外は、実施例1と同様にして外周面加工工程を行ったところ、加工中に微振動が生じ、円筒形セラミックス体が割れてしまい、円筒形スパッタリングターゲットを得ることができなかった。
(比較例3)
内周面加工工程において、第2の固定治具の一端から円筒形セラミックス体の一端を50mm突出させたこと以外は、実施例6と同様にして、外径が120mm、内径が100mm、全長が200mmの円筒形セラミックス体を得た。この際、円筒形セラミックス体は、上記突出部を起点として微振動が生じていた。
次に、この円筒形セラミックス体を、実施例1と同様にバッキングチューブと接合することにより、円筒形スパッタリングターゲットを作製した。この際、円筒形スパッタリングターゲットに割れや欠けが生じた。また、浸透探傷検査により、この円筒形スパッタリングターゲットの外周面における欠陥密度は、0.2個/cm2であることが確認された。さらに、ダイヤルゲージを用いた測定により、内外径の偏心は0.2mmであることが確認された。
最後に、この円筒形スパッタリングターゲットを用いて、実施例1と同様にしてスパッタリングを行ったところ、スパッタリング中に、円筒形スパッタリングターゲットが割れてしまった。
Figure 2015036448
Figure 2015036448
1 円筒形セラミックス体
2 円筒形セラミックス体の外周面
3 円筒形セラミックス体の内周面
4 円筒形セラミックス体の中空部
5 第1の固定治具
6 第1の固定治具の外周面
7 第2の固定治具
8 第2の固定治具の中空部
9 第2の固定治具の内周面
10 仮止め用接着剤
11 加工手段
12 第3の固定治具
13 基台
14 固定片

Claims (7)

  1. 第1の固定治具を、円筒形セラミックス体の中空部に挿通し、該円筒形セラミックス体を第1の固定治具に仮止め用接着剤を介して固定し、該円筒形セラミックス体の外周面を加工する外周面加工工程と、
    第2の固定治具の中空部に、円筒形セラミックス体を挿入し、該円筒形セラミックス体を第2の固定治具に仮止め用接着剤を介して固定し、該円筒形セラミックス体の内周面を加工する内周面加工工程と、
    を備え、
    前記仮止め用接着剤として、熱溶融温度が50℃以上の接着剤を使用する、
    円筒形セラミックス体の加工方法。
  2. 第1の固定治具を円筒形セラミックス体の中空部に挿通した状態、または、第2の固定治具の中空部に円筒形セラミックス体を挿入した状態において、該円筒形セラミックス体と、第1の固定治具または第2の固定治具との間に存在する前記仮止め用接着剤が固化する前に、該円筒セラミックス体と第1の固定治具または第2の固定治具の間に、複数本の金属細線を周方向に等間隔で差し込み、その後、該仮止め用接着剤を固化させて、該円筒形セラミックス体を第1の固定治具または第2の固定治具に固定する、請求項1に記載の円筒形セラミックス体の加工方法。
  3. 前記内周面加工工程において、円筒形セラミックス体の一端を、第2の固定治具の一端から1mm〜20mmの範囲で突出させ、この突出部を基準として、円筒形セラミックス体の中心軸と工作機械の回転軸との軸合わせを行う、請求項2に記載の円筒形セラミックス体の加工方法。
  4. 前記仮止め用接着剤の熱溶融温度は50℃〜200℃である、請求項1〜3のいずれかに記載の円筒形セラミックス体の加工方法。
  5. 前記円筒形セラミックス体は、酸化亜鉛または酸化インジウムを主成分とするセラミックスにより構成されている、請求項1〜4のいずれかに記載の円筒形セラミックス体の加工方法。
  6. 請求項1に記載の加工方法により円筒形セラミックス体を加工することにより得られ、外周面における欠陥密度が0.01個/cm2未満である、円筒形スパッタリングターゲット。
  7. 内外径の偏心が0.5mm未満である、請求項7に記載の円筒形スパッタリングターゲット。
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