JP2015035530A - 基板処理システム - Google Patents

基板処理システム Download PDF

Info

Publication number
JP2015035530A
JP2015035530A JP2013166260A JP2013166260A JP2015035530A JP 2015035530 A JP2015035530 A JP 2015035530A JP 2013166260 A JP2013166260 A JP 2013166260A JP 2013166260 A JP2013166260 A JP 2013166260A JP 2015035530 A JP2015035530 A JP 2015035530A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
processing
substrate
conditioning
processing chamber
chamber
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2013166260A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6105436B2 (ja
Inventor
大輔 森澤
Daisuke Morisawa
大輔 森澤
小川 純一
Junichi Ogawa
純一 小川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tokyo Electron Ltd
Original Assignee
Tokyo Electron Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Tokyo Electron Ltd filed Critical Tokyo Electron Ltd
Priority to JP2013166260A priority Critical patent/JP6105436B2/ja
Priority to TW103127018A priority patent/TWI631615B/zh
Priority to KR1020140101534A priority patent/KR101742356B1/ko
Priority to US14/455,795 priority patent/US9845531B2/en
Publication of JP2015035530A publication Critical patent/JP2015035530A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6105436B2 publication Critical patent/JP6105436B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C23COATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; CHEMICAL SURFACE TREATMENT; DIFFUSION TREATMENT OF METALLIC MATERIAL; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL; INHIBITING CORROSION OF METALLIC MATERIAL OR INCRUSTATION IN GENERAL
    • C23CCOATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; SURFACE TREATMENT OF METALLIC MATERIAL BY DIFFUSION INTO THE SURFACE, BY CHEMICAL CONVERSION OR SUBSTITUTION; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL
    • C23C16/00Chemical coating by decomposition of gaseous compounds, without leaving reaction products of surface material in the coating, i.e. chemical vapour deposition [CVD] processes
    • C23C16/44Chemical coating by decomposition of gaseous compounds, without leaving reaction products of surface material in the coating, i.e. chemical vapour deposition [CVD] processes characterised by the method of coating
    • C23C16/4401Means for minimising impurities, e.g. dust, moisture or residual gas, in the reaction chamber
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01LSEMICONDUCTOR DEVICES NOT COVERED BY CLASS H10
    • H01L21/00Processes or apparatus adapted for the manufacture or treatment of semiconductor or solid state devices or of parts thereof
    • H01L21/67Apparatus specially adapted for handling semiconductor or electric solid state devices during manufacture or treatment thereof; Apparatus specially adapted for handling wafers during manufacture or treatment of semiconductor or electric solid state devices or components ; Apparatus not specifically provided for elsewhere
    • H01L21/67005Apparatus not specifically provided for elsewhere
    • H01L21/67242Apparatus for monitoring, sorting or marking
    • H01L21/67276Production flow monitoring, e.g. for increasing throughput

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Power Engineering (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Manufacturing & Machinery (AREA)
  • Computer Hardware Design (AREA)
  • Microelectronics & Electronic Packaging (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Condensed Matter Physics & Semiconductors (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Metallurgy (AREA)
  • Automation & Control Theory (AREA)
  • Container, Conveyance, Adherence, Positioning, Of Wafer (AREA)
  • Chemical Vapour Deposition (AREA)
  • Robotics (AREA)

Abstract

【課題】マルチチャンバタイプの基板処理システムにおいて、システム全体の処理効率を改善する。
【解決手段】 制御部70は、PM10A,10B,10C,10Dについて、予め定められた規則に基づき基板Wの処理やコンディショニングを行う優先順位を決定する。そして、全てのPM10について1回ずつコンディショニングを実施する1サイクルの間に、全てのPM10で同時に基板Wの処理を行っている全処理室同時使用状態が発生しないように制御する。コンディショニングCの実施タイミングは、PM10A,10B,10C,10Dにおいて重なっておらず、167枚ずつ順次ずれたサイクルが形成される。
【選択図】図1

Description

本発明は、半導体ウエハなどの基板に対し、所定の処理を行う基板処理システムに関する。
半導体装置の製造過程では、半導体ウエハなどの基板に対し、成膜やエッチングなどの種々の処理が繰り返し行われる。これらの処理を行う半導体製造装置には、複数の処理室を備えた基板処理システムが使用されている。このような基板処理システムは、複数の処理室間を含むシステム内の基板の搬送および他の基板処理システムとの間で基板の受け渡しを行うために、一つないし複数の搬送装置を備えている。
ところで、基板処理システムにおいて、成膜等の処理が行われる処理室の内壁や部品には、処理が繰り返されるごとに反応生成物が付着して堆積していく。このような付着物は、剥離するとパーティクルとなって基板に付着し、製品の品質を低下させる原因となる。
上記の付着物を除去するためには、処理室の内部をクリーニングする必要がある。例えば、成膜処理が行われる処理室のクリーニングは、処理室内にClFガス、NFガス、Clガス等のクリーニングガスを供給することによって行われる。また、クリーニングを実施した後は、後続プロセスの処理条件を揃える目的で、処理室内に薄膜を堆積させるプリコート処理が行なわれる。このように、クリーニングと、それに引き続いて行われるプリコート処理との組み合わせを「コンディショニング」という。このようなコンディショニングを定期的に行うことによって、パーティクルの発生を防止することができる。基板処理システムにおける各処理室でコンディショニングが行われるタイミングは、成膜条件によって変化する。
処理室におけるクリーニングの実行タイミングを調整する方法として、処理室の汚れ具合を検出し、所定の判断基準に基づき、クリーニングを実行するか否かを決定する方法が提案されている(例えば、特許文献1)。
また、処理室内のクリーニングの頻度を低減するために、処理室内の成膜回数をカウントし、成膜回数が所定の回数を超えると判断した場合に、処理室内のプリコート処理を行う方法も提案されている(例えば、特許文献2)。
特開2003−277935号公報(特許請求の範囲など) 特開2006−351655号公報(特許請求の範囲など)
複数の処理室を備えたマルチチャンバタイプの基板処理システムでは、各処理室において、それぞれのタイミングでコンディショニングが行われる。例えば、成膜処理が行われる処理室のコンディショニングは、通常、各処理室における累積の処理枚数や累積膜厚、汚れ具合などを基準に、所定の枚数や膜厚、汚れ具合に達した時点で実行される。従って、各処理室においてコンディショニングが行われるタイミングは、それぞれ独立している。
しかし、基板処理システムにおける全ての処理室で同時に基板の処理を行っている状態(以下、「全処理室同時使用状態」と記すことがある)が長時間継続すると、搬送装置による基板の搬送が間に合わなくなり、処理室に空き時間が生じ、生産性を低下させる一因となる。
また、例えば、各処理室においてコンディショニングが行われるタイミングが一致してしまうと、数時間にわたって基板処理システムでの生産が停止した状態となってしまう、という不都合もある。
本発明の目的は、複数の処理室を備えたマルチチャンバタイプの基板処理システムにおいて、基板の処理を行っている処理室の数と、コンディショニングを行っている処理室との数を調整することによって、システム全体の処理効率を改善することである。
本発明の第1の観点の基板処理システムは、複数の基板を順次処理するものであって、前記基板に対し、同種の処理を施す複数の処理室と、前記複数の処理室へ前記基板を搬送する搬送装置と、前記複数の処理室及び前記搬送装置を制御する制御部と、を備えている。本発明の基板処理システムにおいて、前記制御部は、前記搬送装置の動作を制御する搬送制御部と、各処理室への基板の搬送順序を設定する搬送順序設定部と、各処理室において前回のクリーニング終了後もしくは前回のプリコート処理終了後に処理した前記基板の処理枚数又は成膜された薄膜の膜厚を積算する積算部と、前記複数の処理室について、予め定められた規則に基づき、前記基板の処理を行う優先順位を決定する処理室順位決定部と、各処理室でコンディショニングを実行させる実行指令部と、を有している。
本発明の第1の観点の基板処理システムは、全ての前記処理室について1回ずつコンディショニングを実施する1サイクルの間に、全ての前記処理室で同時に基板の処理を行っている全処理室同時使用状態が発生しないように制御する。
本発明の第1の観点の基板処理システムにおいて、前記制御部は、前記基板処理システムに使用可能な状態で含まれる前記処理室の数をn(ここで、nは正の整数である)とし、各処理室において前回のコンディショニング終了後、次のコンディショニングを行うまでの前記基板の処理枚数の設定値をN(ここで、Nは正の整数である)としたとき、一の処理室でコンディショニングを実施している間に、他の各処理室でそれぞれ処理される基板の枚数Pが、
P=N/(n−1)(ただし、小数点以下は、繰上げまたは切捨て)
となるように、前記他の各処理室への前記搬送装置による1枚の前記基板の搬送時間、及び一つの前記処理室のコンディショニング時間を調節するものであってもよい。
本発明の第1の観点の基板処理システムは、使用可能な状態の第1の処理室、第2の処理室、第3の処理室及び第4の処理室を含んでいてもよい。この場合、前記処理室順位決定部は、以下の第1規則、第2規則及び第3規則、
第1規則:
前記第1から第4の処理室の中で、前記積算部でカウントされた前記基板の積算処理枚数が降順で3番目に大きい処理室の積算処理枚数が(N×3/6)枚未満(ただし、小数点以下は、繰上げ)であるとき、前記基板の積算処理枚数が降順で1番目、2番目及び3番目の処理室を使用して処理を行う;
第2規則;
前記第1から第4の処理室の中で、前記積算部でカウントされた前記基板の積算処理枚数が降順で2番目に大きい処理室の積算処理枚数が(N×5/6)枚未満(ただし、小数点以下は、繰上げ)であるとき、前記基板の積算処理枚数が降順で1番目、2番目及び4番目の処理室を使用して処理を行う;
第3規則;
前記第1規則及び第2規則のいずれにも該当しない場合、前記積算部でカウントされた前記基板の積算処理枚数が降順で1番目、3番目及び4番目の前記処理室を使用して処理を行う;
(ただし、第1規則、第2規則、第3規則の順に優先して適用される。また、各処理室の積算処理枚数が同じ場合は、第1の処理室、第2の処理室、第3の処理室、第4の処理室の順に適用する)
に基づき、次に基板の処理を行う処理室を決定する手順を繰り返し実行することによって、各処理室で行われるコンディショニングの時期が重ならず、かつ、いずれか1つの処理室でコンディショニングが実施され、他の処理室で基板の処理が行われている状態を実現させるものであってもよい。
本発明の第2の観点の基板処理システムは、複数の基板を順次処理するものであって、前記基板に対し、同種の処理を施す複数の処理室と、前記複数の処理室へ前記基板を搬送する搬送装置と、前記複数の処理室及び前記搬送装置を制御する制御部と、を備えている。
順序設定部と、
各処理室において前回のクリーニング終了後もしくは前回のプリコート
本発明の第2の観点の基板処理システムにおいて、前記制御部は、前記搬送装置の動作を制御する搬送制御部と、各処理室への基板の搬送順序を設定する搬送
処理終了後に処理した前記基板の処理枚数又は成膜された薄膜の膜厚を積算する積算部と、
前記複数の処理室について、予め定められた規則に基づき、コンディショニングを行う優先順位を決定する処理室順位決定部と、各処理室でコンディショニングを実行させる実行指令部と、
を有している。そして、前記制御部は、前記基板処理システムに使用可能な状態で含まれる前記処理室の数をn(ここで、nは正の整数である)とし、1ロット内に含まれる前記基板の最大枚数を25枚とし、かつ全ての前記処理室について1回ずつコンディショニングを実施するまでを1サイクルとしたとき、該1サイクルの間に、全ての前記処理室で同時に基板の処理を行っている全処理室同時使用状態で前記処理室毎に処理される基板の数が25/n枚(ただし、小数点以下は、繰上げ)を超えないように制御する。
本発明の第2の観点の基板処理システムにおいて、前記制御部は、各処理室において前回のコンディショニング終了後、次のコンディショニングを行うまでの前記基板の処理枚数の設定値をN(ここで、Nは正の整数である)としたとき、一の処理室でコンディショニングを実施している間に、他の各処理室でそれぞれ処理される基板の枚数Pが、
P=N/(n−1)(ただし、小数点以下は、繰上げまたは切捨て)
となるように、前記他の各処理室への前記搬送装置による1枚の前記基板の搬送時間、及び一つの前記処理室のコンディショニング時間を調節するものであってもよい。
本発明の第2の観点の基板処理システムは、使用可能な状態の第1の処理室、第2の処理室、第3の処理室及び第4の処理室を含み、以下の規則;
前記基板処理システムに使用可能な状態で含まれる全ての前記処理室を使用して前記基板を処理した場合に、前記1ロットの処理が終了した時点で、各処理室内での積算処理枚数が最大の処理室でコンディショニングを実行する;
(ただし、1ロットの処理が終了した時点で各処理室の積算処理枚数が同じ場合は、第1の処理室、第2の処理室、第3の処理室、第4の処理室の順に適用する)
に基づき、次にコンディショニングを行う処理室を決定する手順を繰り返し実行することによって、全ての前記処理室について1回ずつコンディショニングを実施する1サイクルの間に、全ての前記処理室で同時に基板の処理を行っている全処理室同時使用状態で前記処理室毎に処理される基板の枚数が25/n枚(ただし、小数点以下は、繰上げ)を超えない状態を実現させるものであってもよい。
本発明の第1の観点及び第2の観点の基板処理システムにおいて、前記制御部は、各処理室で短時間プリコート処理を実行させるコンディショニング実行指令部と、前記短時間プリコート処理の種類を選択するプリコート選択部と、をさらに備えてもよい。この場合、前記プリコート選択部は、各処理室において前回のコンディショニング終了後、次のコンディショニングを行うまでの間に前記積算部でカウントされた前記基板の積算処理枚数が所定の基準値以下のときは、前記処理室に対して、前記基板をa枚処理する毎に前記処理室の短時間プリコート処理を行う長サイクルのプリコート処理を選択し、前記所定の基準値を超えているときは、前記a枚よりも少ないb枚毎に前記処理室の短時間プリコート処理を行う短サイクルのプリコート処理を選択するものであってもよい。
本発明によれば、複数の処理室を備えたマルチチャンバタイプの基板処理システムにおいて、基板の処理を行っている処理室の数と、コンディショニングを行っている処理室との数を調整することによって、処理効率を向上させることができる。具体的には、本発明では、全ての処理室について1回ずつコンディショニングを実施する1サイクルの間に、全ての処理室で同時に基板の処理を行っている全処理室同時使用状態が発生しないか、全処理室同時使用状態で処理される基板の数が25/n枚(ただし、小数点以下は、繰上げ)を超えないように制御するため、基板処理システムにおけるスループットを大幅に向上させることができる。
本発明の第1の実施の形態に係る基板処理システムを概略的に示す平面図である。 本発明の第1の実施の形態におけるプロセスモジュールの構成を示す断面図である。 本発明の第1の実施の形態に係る基板処理システムの制御部のハードウェア構成を示すブロック図である。 図3における装置コントローラのハードウェア構成を示すブロック図である。 図3における装置コントローラの機能構成を示す機能ブロック図である。 図3におけるモジュールコントローラの機能構成を示す機能ブロック図である。 第1の実施の形態の基板処理システムにおいて行わるプロセスモジュールのコンディショニングの実施タイミングと、前回のコンディショニング終了後に処理した基板の積算処理枚数を示す図面である。 第1の実施の形態において、規則に基づいて、基板の処理とプロセスモジュールのコンディショニングを繰り返す過程を示す図面である。 図7Aに続き、第1の実施の形態において、規則に基づいて、基板の処理とプロセスモジュールのコンディショニングを繰り返す過程を示す図面である。 第1の実施の形態の基板処理システムにおいて行われる短時間プリコートの手順を説明するフローチャートである。 第1の実施の形態の基板処理システムにおいて行われる長サイクルのプリコートの手順を説明するフローチャートである。 第1の実施の形態の基板処理システムにおいて行われる短サイクルのプリコートの手順を説明するフローチャートである。 第2の実施の形態において、規則に基づいて、基板の処理とプロセスモジュールのコンディショニングを繰り返す過程を示す図面である。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
[第1の実施の形態]
まず、図1を参照して、本発明の第1の実施の形態に係る基板処理システムの構成について説明する。図1は、本実施の形態に係る基板処理システムの概略の構成を示す平面図である。本実施の形態に係る基板処理システム1は、連続する複数の動作を伴って、例えば半導体デバイス製造用の基板Wに対して、成膜処理を施すシステムである。
基板処理システム1は、基板Wに対して所定の処理が行われる複数のプロセスモジュール(以下、「PM」と記すことがある)を備えている。本実施の形態では、基板処理システム1は、4つのPM10A,10B,10C,10Dを備えている。PM10A,10B,10C,10Dは、それぞれ、その内部空間を所定の減圧雰囲気(真空状態)に維持できるように構成された処理室と、各処理室内で行われる処理のための装置とを有している。PM10A,10B,10C,10Dの構成については、後で詳しく説明する。
基板処理システム1は、更に、第1の搬送室11と、2つのロードロック室12A,12Bとを備えている。本実施の形態では、第1の搬送室11は、6つの側面を有している。PM10A,10B,10C,10Dとロードロック室12A,12Bは、それぞれ第1の搬送室11の各側面に隣接するように配置されている。図1に示した例では、PM10A,10B,10C,10Dとロードロック室12A,12Bは、第1の搬送室11を囲むように、PM10A,10B,10C,10D及びロードロック室12B,12Aの順に、図1における時計回り方向に並ぶように配置されている。第1の搬送室11は、PM10A,10B,10C,10Dの各処理室と同様に、所定の減圧雰囲気に保持できるように構成されている。
ロードロック室12A,12Bは、その内部空間を、大気圧状態と真空状態とに切り替えられるように構成されている。ロードロック室12A内には、基板Wを載置する基板載置台13Aが配備されている。ロードロック室12B内には、基板Wを載置する基板載置台13Bが配備されている。
基板処理システム1は、更に、ゲートバルブG1A,G1B,G1C,G1D,G2A,G2Bを備えている。ゲートバルブG1Aは、第1の搬送室11とPM10Aの処理室との間に配置されている。ゲートバルブG1Bは、第1の搬送室11とPM10Bの処理室との間に配置されている。ゲートバルブG1Cは、第1の搬送室11とPM10Cの処理室との間に配置されている。ゲートバルブG1Dは、第1の搬送室11とPM10Dの処理室との間に配置されている。ゲートバルブG2Aは、第1の搬送室11とロードロック室12Aとの間に配置されている。ゲートバルブG2Bは、第1の搬送室11とロードロック室12Bとの間に配置されている。
ゲートバルブG1A〜G1D,G2A,G2Bは、いずれも、隣接する2つの空間を仕切る壁に設けられた開口部を開閉する機能を有している。ゲートバルブG1A〜G1Dは、閉状態でPM10A,10B,10C,10Dの各処理室を気密にシールすると共に、開状態で各処理室と第1の搬送室11との間で基板Wの移送を可能にする。ゲートバルブG2A,G2Bは、閉状態で第1の搬送室11の気密性を維持すると共に、開状態で第1の搬送室11とロードロック室12A,12Bとの間で基板Wの移送を可能にする。
基板処理システム1は、更に、第2の搬送室14を備えている。第2の搬送室14は、水平方向の断面が一方向(図1における左右方向)に長い矩形形状を有し、第1の搬送室11との間にロードロック室12A,12Bを挟むように配置されている。第2の搬送室14の1つの側面は、ロードロック室12A,12Bに隣接している。図示しないが、第2の搬送室14は、例えば窒素ガスや清浄空気をその内部空間にダウンフローで供給する循環設備を有している。
基板処理システム1は、更に、ゲートバルブG3A,G3Bを備えている。ゲートバルブG3Aは、ロードロック室12Aと第2の搬送室14との間に配置されている。ゲートバルブG3Bは、ロードロック室12Bと第2の搬送室14との間に配置されている。ゲートバルブG3A,G3Bは、いずれも、隣接する2つの空間を仕切る壁に設けられた開口部を開閉する機能を有している。ゲートバルブG3A,G3Bは、閉状態でロードロック室12A,12Bの気密性を維持すると共に、開状態でロードロック室12A,12Bと第2の搬送室14との間で基板Wの移送を可能にする。
基板処理システム1は、更に、基板Wの位置合わせを行う装置であるオリエンタ15を備えている。オリエンタ15は、第2の搬送室14の長手方向の一方の端部に連結されている。オリエンタ15は、図示しない駆動モータによって回転される回転板16と、この回転板16の外周位置に設けられ、基板Wの周縁部を検出するための光学センサ17とを有している。
基板処理システム1は、更に、複数のロードポートを備えている。図1に示した例では、基板処理システム1は、3つのロードポート18A,18B,18Cを備えている。ロードポート18A,18B,18Cは、ロードロック室12A,12Bに隣接する側面とは反対側の第2の搬送室14の側面に隣接するように配置されている。ロードポート18A,18B,18Cには、それぞれ、カセット容器19A,19B,19Cを載置できるようになっている。各カセット容器19A,19B,19C内には、基板Wを、上下に間隔を空けて多段に配置できるようになっている。
基板処理システム1は、更に、第1の搬送室11内に配置された第1の搬送装置21と、第2の搬送室14内に配置された第2の搬送装置25とを備えている。第1の搬送装置21は、PM10A,10B,10C,10Dの各処理室とロードロック室12A,12Bの間で基板Wの搬送を行うための装置である。第2の搬送装置25は、ロードポート18A,18B,18Cの各カセット容器19A,19B,19Cと、ロードロック室12A,12Bと、オリエンタ15との間で基板Wの搬送を行うための装置である。
第1の搬送装置21は、基部22と、この基部22に連結され、互いに対向するように配置された一対の搬送アーム部23a,23bと、搬送アーム部23aの先端に設けられたフォーク24aと、搬送アーム部23bの先端に設けられたフォーク24bとを有している。搬送アーム部23a,23bは、それぞれ、基部22の回転軸を中心として、屈伸及び旋回可能に構成されている。フォーク24a,24bは、基板Wを載置して保持する保持部材として機能する。第1の搬送装置21は、フォーク24a,24bに基板Wを載置した状態で、基板Wの搬送を行う。
第2の搬送装置25は、第2の搬送室14内に配備されたガイドレール28に沿って、第2の搬送室14の長手方向(図1における左右方向)に移動可能に構成されている。また、第2の搬送装置25は、上下2段に配置された一対の搬送アーム部26a,26bと、搬送アーム部26aの先端に設けられたフォーク27aと、搬送アーム部26bの先端に設けられたフォーク27bとを有している。搬送アーム部26a,26bは、それぞれ、屈伸及び旋回可能に構成されている。フォーク27a,27bは、基板Wを載置して保持する保持部材として機能する。第2の搬送装置25は、フォーク27a,27bに基板Wを載置した状態で、基板Wの搬送を行う。
基板処理システム1は、更に、基板処理システム1の各構成部が接続されると共に、各構成部を制御する制御部70を備えている。制御部70の構成については、後述する。
次に、図2を参照して、PM10A,10B,10C,10Dの構成について詳しく説明する。図2は、本実施の形態におけるPMの構成を示す断面図である。PM10A,10B,10C,10Dでは、基板Wに対して、成膜処理等の所定の処理が行われる。例えば、本実施の形態では、PM10A,10B,10C,10Dで同じ内容の成膜処理が行われる。また、本実施の形態では、PM10A,10B,10C,10Dは、同じ構造を有している。以下、PM10A,10B,10C,10Dについて、区別をしない場合は、PM10として表す。
PM10は、基板Wに対して所定の処理が行われる処理室30と、この処理室30に連結された排気室40とを備えている。PM10Aの処理室30は、本発明における第1の処理室に対応する。PM10Bの処理室30は、本発明における第2の処理室に対応する。PM10Cの処理室30は、本発明における第3の処理室に対応する。PM10Dの処理室30は、本発明における第4の処理室に対応する。
処理室30は、板状の天井部31及び底部33と、天井部31と底部33とを連結する側壁部32とを有している。処理室30は、例えば、略円筒形状をなしている。図示しないが、PM10の側壁部32には、第1の搬送室11(図1参照)との間で基板Wの搬入出を行うための搬入出口が形成されている。PM10の処理室30と第1の搬送室11との間に配置されたゲートバルブG1A〜G1D(図1参照)を開状態にすることにより、この搬入出口を通して、基板Wの搬入出が可能になる。底部33の中央には開口部33aが形成されている。排気室40は、開口部33aを覆うように、底部33に連結されている。
排気室40は、環状のフランジ部41と、板状の底部43と、フランジ部41と底部43とを連結する側壁部42とを有している。フランジ部41は、処理室30の底部33に接合されている。側壁部42には排気孔44が形成されている。
処理室30と排気室40は、その内部空間を所定の減圧雰囲気(真空状態)に維持できるように構成されている。処理室30と排気室40との接合部分、ならびに、処理室30及び排気室40を構成する各部材の接合部分には、接合部分の気密性を確保するために、シール部材としてのOリングが配備されている。図2に示した例では、処理室30と排気室40との接合部分、すなわち、処理室30の底部33と排気室40のフランジ部41との接合部分には、環状のOリング35が配備されている。また、処理室30の天井部31と側壁部32との接合部分には、環状のOリング36が配備されている。
PM10は、更に、処理室30及び排気室40の外部に配置された排気装置51と、排気孔44と排気装置51とを接続する排気管52と、排気管52の途中に設けられたバルブ53とを備えている。バルブ53は、閉状態で処理室30及び排気室40の気密性を維持すると共に、開状態で排気装置51による処理室30及び排気室40の減圧を可能にする。処理室30及び排気室40は、排気装置51を作動させることによって、その内部空間が所定の真空度まで減圧される。
PM10は、更に、処理室30内に配置されたサセプタ55と、処理室30内及び排気室40内においてサセプタ55を支持する支持部材56とを備えている。サセプタ55は、基板Wを水平に支持する基板載置台である。サセプタ55は、基板Wが載置される基板載置面Sと、その反対側の下面とを有している。サセプタ55の下面の中央部には、支持部材56の一端部が固定されている。支持部材56の他端部は、排気室40の底部43に固定されている。
図示しないが、サセプタ55は、基板載置面Sに対して突没可能に設けられた複数の支持ピンを有している。複数の支持ピンは、任意の昇降機構により上下に変位し、上昇位置において、第1の搬送装置21との間で基板Wの受け渡しを行うことができるように構成されている。
PM10は、更に、ヒーター57と、ヒーター電源58と、熱電対(図2ではTCと記す。)59と、を備えている。ヒーター57と熱電対59の測温部分59aは、サセプタ55に埋設されている。ヒーター電源58は、処理室30及び排気室40の外部に配置されている。ヒーター57は、例えば、支持部材56の内部を通る配線を介してヒーター電源58に接続されている。ヒーター電源58は、ヒーター57に対して、サセプタ55に載置された基板Wを所定の温度に加熱するための電気的出力を供給する。サセプタ55の温度は、熱電対59によって計測される。
PM10は、更に、処理室30の天井部31に設けられたシャワーヘッド61を備えている。シャワーヘッド61は、その内部に形成されたガス拡散空間61aと、ガス拡散空間61aからサセプタ55に向かって貫通するように形成された複数のガス吐出孔61bとを有している。
PM10は、更に、シャワーヘッド61における複数のガス吐出孔61bとは反対側に設けられ、ガス拡散空間61aに連通するガス導入管62と、処理室30及び排気室40の外部に配置されたガス供給源63と、ガス導入管62とガス供給源63とを接続するガス配管64と、ガス配管64の途中に設けられたMFC(マスフローコントローラ)65及び図示しないバルブとを備えている。ガス供給源63は、シャワーヘッド61に対して、成膜処理に用いられる成膜原料ガス、処理室30内及び排気室40内をクリーニンするためのクリーニングガス、処理室30内及び排気室40内の雰囲気を置換するためのパージガス等を供給する。これらのガスは、ガス配管64及びガス導入管62を介してガス拡散空間61aに供給され、複数のガス吐出孔61bから処理室30内に吐出される。
PM10は、更に、処理室30及び排気室40の外部に配置された高周波電源66と、シャワーヘッド61と高周波電源66とを接続する配線67と、配線67の途中に設けられた整合器68とを備えている。高周波電源66は、シャワーヘッド61に対して、処理室30内に供給された成膜原料ガスをプラズマ化するための高周波電力を供給する。
以上のような構成のPM10では、基板Wの表面に対して、例えば化学的気相成長法(以下、CVD法と記す。)によって、Ti膜、TiN膜等の所定の薄膜を成膜することが可能である。ここで、薄膜の成膜方法の一例について説明する。この方法では、まず、処理室30内及び排気室40内を真空状態にする。次に、サセプタ55に基板Wを載置する。次に、ヒーター57によって基板Wを加熱する。次に、シャワーヘッド61(ガス吐出孔61b)から基板Wに向けて原料ガスを供給する。このようにして、基板Wの表面に薄膜が形成される。なお、成膜反応を促進するために、高周波電源66からシャワーヘッド61に対して高周波電力を供給してもよい。この場合、シャワーヘッド61を介して処理室30内に供給された原料ガスをプラズマ化して成膜することが可能になる。
基板処理システム1の各構成部は、制御部70に接続されて制御される構成となっている。図3を参照して、本実施の形態における基板処理システム1の制御部70について説明する。図3は、基板処理システム1の制御部70のハードウェア構成を示すブロック図である。図3に示したように、基板処理システム1の制御部70は、装置コントローラ(Equipment Controller;以下、「EC」と記すことがある)71と、複数(図3では2つのみ図示)のモジュールコントローラ(Module Controller;以下、「MC」と記すことがある)73と、EC71とMC73とを接続するスイッチングハブ(HUB)75とを備えている。
EC71は、MC73を統括して、基板処理システム1の全体の動作を制御する主制御部(マスタ制御部)である。複数のMC73は、それぞれ、EC71の制御の下で、PM10A,10B,10C,10D、第1の搬送装置21を含む第1の搬送室11、第2の搬送装置25を含む第2の搬送室14などの動作を制御する副制御部(スレーブ制御部)である。スイッチングハブ75は、EC71からの制御信号に応じて、EC71に接続されるMC73を切り替える。
EC71は、基板処理システム1で実行される基板Wに対する各種処理を実現するための制御プログラムと、処理条件データ等が記録されたレシピとに基づいて、各MC73に制御信号を送ることによって、基板処理システム1の全体の動作を制御する。
制御部70は、更に、サブネットワーク77と、DIST(Distribution)ボード78と、入出力(以下、I/Oと記す。)モジュール79と、を備えている。各MC73は、サブネットワーク77およびDISTボード78を介してI/Oモジュール79に接続されている。
I/Oモジュール79は、複数のI/O部80を有している。I/O部80は、基板処理システム1の各エンドデバイスに接続されている。図示しないが、I/O部80には、デジタル信号、アナログ信号およびシリアル信号の入出力を制御するためのI/Oボードが設けられている。各エンドデバイスに対する制御信号は、それぞれI/O部80から出力される。また、各エンドデバイスからの出力信号は、それぞれI/O部80に入力される。I/O部80に接続されたエンドデバイスとしては、例えば、PM10A,10B,10C,10Dにおける成膜原料ガスなどの各種ガスのMFC(マスフローコントローラ)、圧力ゲージ、APC(自動圧力制御)バルブ、第1の搬送装置21、第2の搬送装置25、各ゲートバルブG1A〜G1Dなどが挙げられる。
EC71は、LAN(Local Area Network)81を介して、基板処理システム1が設置されている工場全体の製造工程を管理するMES(Manufacturing Execution System)としてのコンピュータ83に接続されている。コンピュータ83は、基板処理システム1の制御部70と連携して工場における工程に関するリアルタイム情報を基幹業務システムにフィードバックすると共に、工場全体の負荷等を考慮して工程に関する判断を行う。コンピュータ83は、例えばコンピュータ85などの情報処理機器に接続されていてもよい。
次に、図4を参照して、EC71のハードウェア構成の一例について説明する。EC71は、主制御部101と、キーボード、マウス等の入力装置102と、プリンタ等の出力装置103と、表示装置104と、記憶装置105と、外部インターフェース106と、これらを互いに接続するバス107とを備えている。主制御部101は、CPU(中央処理装置)111、RAM(ランダムアクセスメモリ)112およびROM(リードオンリメモリ)113を有している。記憶装置105は、情報を記憶できるものであれば、その形態は問わないが、例えばハードディスク装置または光ディスク装置である。また、記憶装置105は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体115に対して情報を記録し、また記録媒体115より情報を読み取るようになっている。記録媒体115は、情報を記憶できるものであれば、その形態は問わないが、例えばハードディスク、光ディスク、フラッシュメモリなどである。記録媒体115は、本実施の形態に係る基板の搬送制御方法のレシピを記録した記録媒体であってもよい。
EC71では、CPU111が、RAM112を作業領域として用いて、ROM113または記憶装置105に格納されたプログラムを実行することにより、本実施の形態の基板の搬送制御方法を実行できるようになっている。なお、図3におけるコンピュータ83,85のハードウェア構成も、例えば、図4に示した構成になっている。また、図3に示したMC73のハードウェア構成は、例えば、図4に示した構成、あるいは図4に示した構成から不要な構成要素を除いた構成になっている。
次に、図5Aおよび図5Bを参照して、EC71およびMC73の機能構成について説明する。図5Aは、EC71の機能構成を示す機能ブロック図である。なお、以下の説明では、EC71のハードウェア構成が図4に示した構成になっているものとして、図4中の符号も参照する。図5Aに示したように、EC71は、処理制御部121と、搬送制御部122と、搬送順序設定部123と、処理室順位決定部124と、コンディショニング実行指令部125と、プリコート選択部126と、入出力制御部127とを備えている。これらは、CPU111が、RAM112を作業領域として用いて、ROM113または記憶装置105に格納されたプログラムを実行することによって実現される。
処理制御部121は、予め記憶装置105に保存されているレシピやパラメータ等に基づいて、各MC73に制御信号を送信することにより、目的の成膜処理を行うように、基板処理システム1の各PM10A,10B,10C,10Dを制御する。
搬送制御部122は、予め記憶装置105に保存されているレシピやパラメータ等に基づいて、第1の搬送装置21を含む第1の搬送室11のMC73及び第2の搬送装置25を含む第2の搬送室14のMC73へ制御信号を送信することにより、例えば、ロードロック室12A,12Bと各PM10A,10B,10C,10Dとの間や、ロードポート18A〜18Cのカセット容器19A〜19Cと、ロードロック室12A,12Bと、オリエンタ15との間で基板Wの受け渡しを行うように制御する。
搬送順序設定部123は、MC73から送られてくる、各PM10A,10B,10C,10Dでの積算処理枚数などの情報、及び、予め記憶装置105に保存されているレシピやパラメータに基づいて、各PM10A,10B,10C,10Dへの基板Wの搬入の順序を設定する。
処理室順位決定部124は、PM10A,10B,10C,10Dについて、予め定められた規則に基づき基板Wの処理やコンディショニングを行う優先順位を決定する。ここで、予め定められた規則については後述する。
コンディショニング実行指令部125は、各PM10A,10B,10C,10Dでクリーニングを実行させるクリーニング実行指令信号やプリコートを実行させるプリコート実行指令信号および短時間プリコートを実行させる短時間プリコート実行指令信号を生成し、各MC73を介して各PM10A,10B,10C,10Dで所定のクリーニングおよび/または、プリコート、短時間プリコートを実行させる。
プリコート選択部126は、各PM10A,10B,10C,10Dで行われるプリコート処理の種類を選択する。ここで、プリコート処理の種類としては、1回のプリコート処理時間が異なるものとして、例えば、クリーニング終了直後に比較的長時間かけて行われる通常プリコート処理と、前回のコンディショニング終了後、次のコンディショニングまでの間に所定の間隔で行われる短時間プリコート処理と、の少なくとも2種類が存在する。
また、短時間プリコート処理は、プリコート処理の間隔が異なるものとして、長サイクルのプリコート処理と、短サイクルのプリコート処理の少なくとも2種類が存在する。長サイクルのプリコート処理では、例えば、各PM10において、a枚の基板Wを処理する毎にプリコート処理を行う。短サイクルのプリコート処理では、各PM10において、前記a枚よりも少ないb枚の基板Wを処理する毎にプリコート処理を行う。
入出力制御部127は、入力装置102からの入力の制御や、出力装置103に対する出力の制御や、表示装置104における表示の制御や、外部インターフェース106を介して行う外部とのデータ等の入出力の制御を行う。
図5Bは、MC73の機能構成を示す機能ブロック図である。なお、以下の説明では、MC73のハードウェア構成が図4に示した構成になっているものとして、図4中の符号も参照する。図5Bに示したように、MC73は、搬送制御部131と、積算部132と、コンディショニング実行部133と、を備えている。これらは、CPU111が、RAM112を作業領域として用いて、ROM113または記憶装置105に格納されたプログラムを実行することによって実現される。
搬送制御部131は、EC71の記憶装置105に予め保存されているレシピやパラメータ等に基づいて、第1の搬送装置21を含む第1の搬送室11のMC73及び第2の搬送装置25を含む第2の搬送室14のMC73への制御信号により、例えば、ロードロック室12A,12Bと各PM10A,10B,10C,10Dとの間や、ロードポート18A〜18Cのカセット容器19A〜19Cと、ロードロック室12A,12Bと、オリエンタ15との間で基板Wの受け渡しを行うように制御する。
積算部132は、各PM10A,10B,10C,10Dにおいて、前回のクリーニング終了後もしくは前回のプリコート処理終了後に処理した基板Wの処理枚数をカウントし、積算する。
コンディショニング実行部133は、クリーニング実行部133a、プリコート実行部133bおよび短時間プリコート実行部133cを含んでいる。クリーニング実行部133aは、EC71のコンディショニング実行指令部125の指令により、各PM10A,10B,10C,10Dにおいて、クリーニングを実行する。プリコート実行部133bは、EC71のコンディショニング実行指令部125の指令により、各PM10A,10B,10C,10Dにおいて、プリコートを実行する。短時間プリコート実行部133cは、EC71のコンディショニング実行指令部125の指令およびプリコート選択部126の指令により、各PM10A,10B,10C,10Dにおいて、短時間プリコート処理の長サイクルによるプリコート、または、短サイクルによるプリコートを実行する。
以上のような構成の基板処理システム1では、制御部70の制御の下で、基板Wに対してレシピで定められた所定の処理が行われる。ここでは、PM10Aを用いて処理を行う場合を例に挙げて説明するが、他のPM10B,10C,10Dにおいても同様である。
まず、MC73の搬送制御部131による制御の下で、第2の搬送装置25(図1参照)によって、カセット容器19Aから1枚の基板Wを取り出し、続けて、基板Wをオリエンタ15に搬入する。次に、オリエンタ15において、基板Wの位置合わせを行う。次に、第2の搬送装置25によって、基板Wをオリエンタ15から搬出し、続けて、基板Wをロードロック室12A,12Bのいずれかに搬入する。基板Wは、基板載置台13A又は13Bに載置され、大気状態から真空状態へ減圧される。
次に、EC71の搬送制御部122、搬送順序設定部123およびMC73の搬送制御部131による制御の下で、第1の搬送装置21(図1参照)によって、基板載置台13A又は13Bに載置された基板Wを、ロードロック室12A又は12Bから搬出し、続けて、基板WをPM10Aの処理室30に搬入する。基板Wは、PM10Aのサセプタ55に載置される。次に、処理制御部121による制御の下で所定のレシピに基づき、PM10Aにおいて、基板Wに対して成膜処理を行う。
次に、EC71の搬送制御部122、搬送順序設定部123およびMC73の搬送制御部131による制御の下で、第1の搬送装置21によって、基板WをPM10Aの処理室30から搬出し、続けて、基板Wをロードロック室12A,12Bのいずれかに搬入する。基板Wは、基板載置台13A,13Bのいずれかに載置され、真空状態から大気状態に加圧される。次に、MC73の搬送制御部131による制御の下で、第2の搬送装置25によって、基板載置台13A又は13Bに載置された基板Wをロードロック室12A又は13Bから搬出し、続けて、基板Wをカセット容器19Aに格納する。
なお、PM10B,10C,10Dでは、PM10Aにおける上記の一連の工程と並行して、この一連の工程と同じ工程を他の基板Wに対して行うことが可能である。
次に、図6、図7A及び図7Bを参照しながら、本実施の形態の基板処理システムにおいて行われる基板処理方法について説明する。まず、図6は、本実施の形態の基板処理方法におけるPM10A,10B,10C,10DにおけるコンディショニングCの実施タイミングと、前回のコンディショニング終了後に処理した基板Wの積算処理枚数Mを示している。図6中の各行の数字は、基板Wの積算処理枚数Mの具体例の値である。この積算処理枚数Mは、コンディショニングCの実施タイミングを基準にして、MC73の積算部132においてカウントされたものである。図6に示したように、コンディショニングCの実施タイミングは、PM10A,10B,10C,10Dにおいて重なっておらず、167枚ずつ順次ずれたサイクルが形成されている。ここで、全てのPM10について1回ずつコンディショニングCが実施されるまでを1サイクルとする。つまり、図6は、1サイクルの処理を示している。
図6では、1つのPM10でコンディショニングCが実行されている間は、他の3つのPM10において、コンディショニングCは実行されていない。すなわち、図6に示した1サイクルの間に、全てのPM10で同時に基板Wの処理を行っている状態(全処理室同時使用状態)が発生しないように制御部70によって制御されている。図6の状態は、基板処理システム1で次に例示するような手順を行うことによって実現できる。
まず、以下の(1)〜(3)を基本原則とする。
(1)後述の第1規則、第2規則及び第3規則は、1ロットがX枚の基板Wを含むとして、全PMの累積処理枚数がXの倍数のタイミングで適用される。
(2)コンディショニングは、全PMの累積処理枚数がXの倍数のときに開始する。
(3)コンディショニング終了後は、すぐにコンディショニングが終了したPMを使用する。なお、本実施の形態では、1ロットが25枚の基板Wを含む(X=25)と仮定する。
また、前提条件として、基板処理システム1に使用可能な状態で含まれるPM10の数をn(ここで、nは正の整数である)とし、各PM10において前回のコンディショニング終了後、次のコンディショニングを行うまでの基板Wの処理枚数の設定値をN(ここで、Nは正の整数である)とする。このとき、制御部70は、一つのPM10でコンディショニングを実施している間に、他の各PM10でそれぞれ処理される基板Wの枚数Pが、
P=N/(n−1)(ただし、小数点以下は、繰上げまたは切捨て)
となるように制御する。具体的には、制御部70は、処理可能な他の各PM10への第1の搬送装置21,第2の搬送装置25による1枚の基板Wの搬送時間、及び一つのPM10のコンディショニング時間などを調節する。
次に、処理室順位決定部124は、PM10A,10B,10C,10Dについて、予め定められた規則に基づき基板Wの処理やコンディショニングを行う優先順位を決定する。ここで、予め定められた規則として、例えば、以下の第1規則、第2規則及び第3規則を挙げることができる。これらの優先順位に基づき、搬送順序設定部123は、PM10A,10B,10C,10Dへの基板Wの搬入の順序を設定する。また、コンディショニング実行指令部125は、クリーニング実行指令信号およびプリコート実行指令信号を生成し、PM10A,10B,10C,10Dで所定のコンディショニングを実行させる。
第1規則:
PM10A,10B,10C,10Dの中で、積算部132でカウントされた基板Wの積算処理枚数Mが降順で3番目に大きいPM10の積算処理枚数Mが(N×3/6)枚未満(ただし、小数点以下は、繰上げ)であるとき、基板Wの積算処理枚数Mが降順で1番目、2番目及び3番目のPM10を使用して処理を行う。
第2規則;
PM10A,10B,10C,10Dの中で、積算部132でカウントされた基板Wの積算処理枚数Mが降順で2番目に大きいPM10の積算処理枚数Mが(N×5/6)枚未満(ただし、小数点以下は、繰上げ)であるとき、基板Wの積算処理枚数Mが降順で1番目、2番目及び4番目のPM10を使用して処理を行う。
第3規則;
上記の第1規則及び第2規則のいずれにも該当しない場合、積算部132でカウントされた基板Wの積算処理枚数Mが降順で1番目、3番目及び4番目のPM10を使用して処理を行う。
上記規則は、第1規則、第2規則、第3規則の順に優先して適用される。また、各PM10A(第1の処理室),PM10B(第2の処理室),PM10C(第3の処理室),PM10D(第4の処理室)の積算処理枚数Mが同じ場合は、PM10A,10B,10C,10Dの順に適用する。なお、積算部132でカウントされた基板Wの積算処理枚数Mが降順で1番目のPM10は、基板Wの処理枚数が上記設定値Nに到達するまで使用を継続する。
本実施の形態では、上記第1規則、第2規則および第3規則に従うことによって、PM10A〜PM10Dから選ばれる3つのPM10の組み合わせを、以下の比率で使用することが可能になり、4つのPM10の使用頻度に差を生じさせている。なお、本実施の形態では、PM10Aを「第1の処理室」として設定しているので、PM10Aを最も高頻度に使用している。
第1規則に従う組み合わせ:
PM10AとPM10BとPM10Cとの組み合わせ…使用比率3
第2規則に従う組み合わせ:
PM10AとPM10BとPM10Dとの組み合わせ…使用比率2
第3規則に従う組み合わせ:
PM10AとPM10CとPM10Dとの組み合わせ…使用比率1
以上の規則に基づき、次に基板Wの処理を行うPM10を決定する手順を繰り返し実行することによって、PM10A,10B,10C,10Dで行われるコンディショニングの時期が重ならず、かつ、いずれか1つのPM10でコンディショニングが実施され、他のPM10で基板Wの処理が行われている状態(以下、「順次コンディショニング状態」と記すことがある)を実現させることができる。
図7A及び図7Bは、上記第1規則、第2規則および第3規則に基づいて、基板Wの処理とPM10のコンディショニングを繰り返すことによって、順次コンディショニング状態を作り出すまでの過程を示している。図7A及び図7Bでは、図6と同様に、PM10A,10B,10C,10DにおけるコンディショニングCの実施タイミングと、前回のコンディショニング終了後に処理した基板Wの積算処理枚数Mを示している。この積算処理枚数Mは、コンディショニングCの実施タイミングを基準にして、MC73の積算部132においてカウントされたものである。
図7A及び図7Bに示した例では、各PM10において前回のコンディショニング終了後、次のコンディショニングを行うまでの基板Wの処理枚数の設定値Nを500枚とする。また、25枚を1ロットとして処理を実行し、ロット終了時に各PM10における積算処理枚数Mが500枚以上になっていたときにコンディショニングを実行する。さらに、一つのPM10でコンディショニングを実施している間に、他の各PM10でそれぞれ処理される基板Wの枚数Pを167枚として、第1規則、第2規則および第3規則を適用している。従って、第1規則、第2規則および第3規則は、以下のとおりとなる。
第1規則:
PM10A,10B,10C,10Dの中で、積算部132でカウントされた基板Wの積算処理枚数Mが降順で3番目に大きいPM10の積算処理枚数Mが250枚未満であるとき、基板Wの積算処理枚数Mが降順で1番目、2番目及び3番目のPM10を使用して処理を行う。
第2規則;
PM10A,10B,10C,10Dの中で、積算部132でカウントされた基板Wの積算処理枚数Mが降順で2番目に大きいPM10の積算処理枚数Mが417枚未満であるとき、基板Wの積算処理枚数Mが降順で1番目、2番目及び4番目のPM10を使用して処理を行う。
第3規則;
上記の第1規則及び第2規則のいずれにも該当しない場合、積算部132でカウントされた基板Wの積算処理枚数Mが降順で1番目、3番目及び4番目のPM10を使用して処理を行う。
図7A及び図7Bの各区間を参照すると、以下のとおりである。
区間1は、初期状態であり、どのPM10においても基板Wの処理は行われていない。
区間2では、第1規則により、PM10A,10B,10Cで基板Wの処理を行う。
区間3では、第2規則により、PM10A,10B,10Dで基板Wの処理を行う。
区間4では、第3規則により、PM10A,10C,10Dで基板Wの処理を行う。
区間5では、PM10Aでコンディショニングを実行する。その途中でPM10Bにおける基板Wの積算処理枚数Mが500枚に達する(つまり、M≧N)。
区間6では、PM10Aのコンディショニング完了まで92枚の基板Wの処理を行う。
区間7では、PM10Cにおける基板Wの積算処理枚数Mが500枚を超過する(M≧N)。
区間8では、PM10Bのコンディショニング完了まで61枚の基板Wの処理を行う。
区間9では、PM10Dにおける基板Wの積算処理枚数Mが500枚を超過する(M≧N)。
区間10では、PM10Cのコンディショニング完了まで96枚の基板Wの処理を行う。
区間11では、PM10Dのコンディショニング完了まで71枚の基板Wを処理する。
区間12では、第1規則により、PM10A,10B,PM10Cで基板Wの処理を行う。
区間13では、第2規則により、PM10A,10B,10Dで基板Wの処理を行う。
区間14では、第3規則により、PM10A,10C,10Dで基板Wの処理を行う。
区間15では、PM10Aでコンディショニングを実行する。その途中でPM10Bにおける基板Wの積算処理枚数Mが500枚を超過する(M≧N)。
区間16では、PM10Aのコンディショニング完了まで84枚の基板Wを処理する。
区間17では、PM10Cにおける基板Wの積算処理枚数Mが500枚を超過する(M≧N)。
区間18では、PM10Bのコンディショニング完了まで6枚の基板Wを処理する。
区間19では、PM10Dにおける基板Wの積算処理枚数Mが500枚を超過する(M≧N)。
区間20では、PM10Cのコンディショニング完了まで48枚の基板Wを処理する。
区間21では、PM10Dのコンディショニング完了まで119枚の基板Wを処理する。
区間22では、第1規則により、PM10A、PM10B、PM10Cで基板Wの処理を行う。
区間23では、第2規則により、PM10A,10B,10Dで基板Wの処理を行う。
区間24では、PM10Aでコンディショニングを実行する。その途中でPM10Bにおける基板Wの積算処理枚数Mが500枚を超過する(M≧N)。
区間25では、PM10Aのコンディショニング完了まで83枚又は84枚の基板Wを処理する。
区間26では、PM10Bのコンディショニング完了まで83枚又は84枚の基板Wを処理する。
区間27では、第1規則により、PM10A,10C,10Dで基板Wの処理を行う。
区間28では、PM10Cでコンディショニングを実行する。
区間29では、第1規則により、PM10A,10B,10Dで基板Wの処理を行う。
区間30では、PM10Dでコンディショニングを実行する。
区間31では、第1規則により、PM10A,10B,10Cで基板Wの処理を行う。

区間32では、PM10Aでコンディショニングを実行する。その途中でPM10Bにおける基板Wの積算処理枚数Mが500枚に到達する(M≧N)。
区間33では、PM10Aのコンディショニング完了まで83枚又は84枚の基板Wを処理する。
区間34では、PM10Bのコンディショニング完了まで83枚又は84枚の基板Wを処理する。
区間35では、第1規則により、PM10A,10C,10Dで基板Wの処理を行う。
区間36では、PM10Cでコンディショニングを実行する。
区間37では、第1規則により、PM10A,10B,10Dで基板Wの処理を行う。
区間38では、PM10Dでコンディショニングを実行する。
区間39では、PM10Aでコンディショニングを実行する。その途中でPM10Bにおける基板Wの積算処理枚数Mが500枚に到達する(M≧N)。
区間40では、PM10Aのコンディショニング完了まで9枚の基板Wを処理する。
区間41では、PM10Bのコンディショニング完了まで158枚の基板Wを処理する。
区間42では、第1規則により、PM10A,10C,10Dで基板Wの処理を行う。
区間43では、PM10Cでコンディショニングを実行する。
区間44では、PM10Dでコンディショニングを実行する。
区間45では、PM10Aでコンディショニングを実行する。
区間46では、PM10Bでコンディショニングを実行する。
区間47では、PM10Cでコンディショニングを実行する。
区間48では、PM10Dでコンディショニングを実行する。
上記区間1〜区間44までは、上記第1規則、第2規則および第3規則に基づいて、基板Wの処理とPM10のコンディショニングを繰り返すことによって、順次コンディショニング状態を作り出すまでの過程である。
また、上記区間45〜区間48までは、制御部70によって自動的に作成された順次コンディショニング状態を示している(図6も参照)。順次コンディショニング状態は、必ず1つのPM10でクリーニングが行われているため、第1の搬送装置21及び第2の搬送装置25による他のPM10への基板Wの搬送に余裕が生じる。従って、PM10の空き時間が生じることがなく、高いスループットで効率的な基板Wの処理が可能になる。
<シミュレーション試験1>
次に、本発明の効果を確認したシミュレーション試験について説明する。基板処理システム1と同様の構成の基板処理システムを想定し、以下の条件で基板Wの処理と、処理室30のコンディショニングおよび従来の短時間プリコートを繰り返し実施した場合の処理効率をシミュレーションした。
<設定条件>
プロセスレシピ時間:60秒
短時間プリコート周期:基板Wを25枚処理毎
短時間プリコート時間:87秒
コンディショニング周期:400枚
コンディショニング時間:5.25時間
シミュレーションの結果、4つのPM10について1回ずつコンディショニングが実施される1サイクルの間に、全てのPM10で同時に基板Wの処理を行っている状態(全処理室同時使用状態)を許容した通常の制御を行った比較例の基板処理システムの場合は、1時間あたり86枚の基板Wを処理可能であった。それに対し、4つのPM10で行われるコンディショニングの時期が重ならず、かつ、いずれか1つのPM10でコンディショニングが実施され、他のPM10で基板Wの処理が行われている順次コンディショニング状態が作られるように制御を行った本発明の基板処理システムの場合は、1時間あたり94枚の基板Wを処理可能であった。このシミュレーション結果から、本発明の基板処理システムによって、基板Wの処理効率が向上することが確認できた。これは、順次コンディショニング状態によって、第1の搬送装置21及び第2の搬送装置25によるPM10への基板Wの搬送に余裕が生じ、PM10の空時間が削減されたためであると考えられる。
なお、本実施の形態では、PM10Aを「第1の処理室」、PM10Bを「第2の処理室」、PM10Cを「第3の処理室」、PM10Dを「第4の処理室」として設定し、「第1の処理室」を最も高頻度に使用した場合の例であるが、PM10B、10C、10Dのいずれかを「第1の処理室」として設定することによっても、同様に実施することが可能である。
以上のように、第1規則、第2規則および第3規則に従い、基板Wの処理とPM10のコンディショニングを繰り返すことによって、制御部70による制御の下で、自動的に順次コンディショニング状態を作り出すことができる。順次コンディショニング状態は、全てのPM10で同時に基板Wの処理を行っている全処理室同時使用状態を含まないため、基板処理システム1における基板Wの処理のスループットを大幅に向上させることができる。
(プリコート方法)
次に、図8〜10を参照しながら、本実施の形態の基板処理システム1において行われる短時間プリコート方法について説明する。図8は、本実施の形態の基板処理システム1において行われる短時間プリコート方法の手順を説明するフローチャートである。図9は、本実施の形態の基板処理システム1において行われる長サイクルのプリコートの手順を説明するフローチャートである。図10は、本実施の形態の基板処理システム1において行われる短サイクルのプリコートの手順を説明するフローチャートである。
本実施の形態の基板処理システム1では、PM10において前回のコンディショニング終了後、次のコンディショニングを行うまでの間に、積算部132でカウントされた基板Wの積算処理枚数Mを所定の基準値Qと比較する。ここで用いる基準値Qは可変であり、処理の内容に応じて設定することができる。
図8に示すように、まず、ステップS1では、プリコート選択部126が、対象となるPM10について、積算部132で積算された基板Wの積算処理枚数Mと基準値Qを取得する。この基準値Qは、各PM10で行われる処理の種類に応じて予め設定されたものである。基準値Qとしては、各PM10において前回のコンディショニング終了後、次のコンディショニングを行うまでの基板Wの処理枚数の設定値Nに対し、例えば(1/4×N)〜(3/4×N)の範囲内の値に設定することができる。基準値Qは、例えばパラメータの一部分としてEC71の記憶装置105に保存されていたものをプリコート選択部126が参照する。
次に、ステップS2では、プリコート選択部126によって、積算処理枚数Mと基準値Qとを比較し、積算処理枚数Mが基準値Q以下であるか否かを判断する。このステップS2で、積算処理枚数Mが基準値Q以下である(Yes)ならば、次のステップS3でプリコート選択部126は、当該PM10に対して、長サイクルのプリコート処理を設定する。ここで、長サイクルのプリコート処理は、当該PM10において、a枚の基板Wを処理する毎に短時間プリコート処理を行う。ここで、枚数aとしては、例えばN/50〜N/10とすることができる。次に、ステップS4では、コンディショニング実行指令部125が、当該PM10に対して、設定された長サイクルのプリコート処理を実行するように指令する。
一方、ステップS2で、積算処理枚数Mが所定の基準値Q以下ではない(No)ならば、次のステップS5で、プリコート選択部126は、当該PM10に対して、前記a枚よりも少ないb枚の基板Wを処理する毎に短時間プリコート処理を行う短サイクルのプリコート処理を設定する。ここで、枚数bとしては、例えば1〜N/50とすることができる。ステップS6では、コンディショニング実行指令部125が、当該PM10に対して、設定された短サイクルのプリコート処理を実行するように指令する。
以上のステップS1〜S6までの手順は、対象となるPM10において、前回のコンディショニング終了後、次のコンディショニングを行うまでの間に基板Wを処理する毎に、繰り返し実行される。
図8のステップS3で設定された長サイクルのプリコート処理は、例えば、図9に示した手順で行われる。まず、ステップS11では、コンディショニング実行指令部125が、対象となるPM10に関し、積算部132から、前回のプリコート終了後の基板Wの積算処理枚数M1を取得する。次に、ステップS12では、コンディショニング実行指令部125によって、積算処理枚数M1と前記a枚とを比較し、積算処理枚数M1がa枚であるか否かを判断する。このステップS12で、積算処理枚数M1がa枚である(Yes)ならば、次のステップS13でコンディショニング実行指令部125は、当該PM10に対して、長サイクルのプリコート処理を実行するように指令する。具体的には、コンディショニング実行指令部125が、MC73の短時間プリコート実行部133cへ指令信号を送出し、短時間プリコート実行部133cが長サイクルのプリコート処理を実行する。
一方、ステップS12で、積算処理枚数M1がa枚でない(No)ならば、図8のステップS3に戻る。
以上のステップS11〜S13までの手順は、対象となるPM10において、短時間プリコート終了後、次のコンディショニングを行うまでの間に基板Wを処理する毎に、繰り返し実行される。
図8のステップS5で設定された短サイクルのプリコート処理は、例えば、図10に示した手順で行われる。まず、ステップS21では、コンディショニング実行指令部125が、対象となるPM10に関し、積算部132から、前回のプリコート終了後の基板Wの積算処理枚数M1を取得する。次に、ステップS22では、コンディショニング実行指令部125によって、積算処理枚数M1と前記b枚とを比較し、積算処理枚数M1がb枚であるか否かを判断する。このステップS22で、積算処理枚数M1がb枚である(Yes)ならば、次のステップS23でコンディショニング実行指令部125は、当該PM10に対して、短サイクルのプリコート処理を実行するように指令する。具体的には、コンディショニング実行指令部125が、MC73の短時間プリコート実行部133cへ指令信号を送出し、短時間プリコート実行部133cが短サイクルのプリコート処理を実行する。
一方、ステップS22で、積算処理枚数M1がb枚でない(No)ならば、図8のステップS5に戻る。
以上のステップS21〜S23までの手順は、対象となるPM10において、短時間プリコート終了後、次のコンディショニングを行うまでの間に基板Wを処理する毎に、繰り返し実行される。
<シミュレーション試験2>
次に、本発明の効果を確認したシミュレーション試験について説明する。基板処理システム1と同様の構成の基板処理システムを想定し、以下の条件で基板Wの処理と、処理室30の短時間プリコート及びコンディショニングを繰り返し実施した場合の処理効率をシミュレーションした。
<設定条件>
プロセスレシピ時間:70秒
短時間プリコート時間:87秒
コンディショニング周期:400枚
コンディショニング時間:5.25時間
条件A(比較例);短時間プリコートを、基板Wを10枚処理毎に実施した。
条件B(実施例);短時間プリコートを、前回のコンディショニングからの基板Wの積算処理枚数Mが250枚までは25枚処理毎に実施し、積算処理枚数Mが250枚を超えてからは10枚処理毎に実施した。
なお、条件A、Bともに、順次コンディショニング状態が作られるように制御を行った。
シミュレーションの結果、条件A(比較例)の基板処理システムの場合は、1時間あたり88枚の基板Wを処理可能であった。それに対し、条件B(本発明)の基板処理システム1の場合は、1時間あたり91枚の基板Wを処理可能であった。このシミュレーション結果から、本発明の基板処理システム1を用いて基板Wの処理を行うことによって、基板Wの処理効率が向上することが確認できた。これは、本発明の基板処理システムでは、短時間プリコートを実施するサイクルの長短を設定するプリコート方法を採用することによって、積算処理枚数Mが少ない間は、プリコート間隔を長くしてプリコートの頻度を少なくすることができるためであると考えられる。
以上説明したように、制御部70が、可変の基準値Qを設定し、積算処理枚数Mが基準値Q以下であるか否かによって短時間プリコートを実施するサイクルの長短を設定する。このようにすれば、処理室30内のプリコート膜が比較的安定している、積算処理枚数Mが少ない間は、プリコート間隔を長くしてプリコートの頻度を少なくすることができる。従って、コンディショニングとコンディショニングの間に、一定のサイクルで短時間プリコート処理を行う場合に比べて、プリコートに要する時間を節減することが可能になり、基板処理システム1におけるスループットを向上させることができる。
また、本実施の形態では、上記順次コンディショニング状態を作り出すコンディショニング方法と、上記プリコート方法とを組み合わせることによって、基板処理システム1におけるスループットを大幅に向上させることができる。
[第2の実施の形態]
次に、図11を参照しながら、本発明の第2の実施の形態の基板処理システムにおいて行われる基板処理方法について説明する。本実施の形態の基板処理方法は、図1に示したものと同様の構成の基板処理システム1において実施することができる。以下、適宜、図1〜5A、5Bも参照しながら説明する。図11は、本実施の形態の基板処理方法におけるPM10A,10B,10C,10DにおけるコンディショニングCの実施タイミングと、前回のコンディショニング終了後に処理した基板Wの積算処理枚数Mを示している。この積算処理枚数Mは、コンディショニングCの実施タイミングを基準にして、MC73の積算部132においてカウントされたものである。
図11に示したように、コンディショニングCの実施タイミングは、PM10A,10B,10C,10Dのすべてについて1回ずつコンディショニングを実施するまでを1サイクルとしたとき、該1サイクルの間に、全てのPM10で同時に基板Wの処理を行っている状態(全処理室同時使用状態)でPM10毎に処理される基板の数が25/n枚(ただし、小数点以下は、繰上げ)を超えないように制御される。図11の状態は、基板処理システム1で次に例示するような手順を行うことによって実現できる。
まず、以下の(1)〜(3)を基本原則とする。
(1)後述の第4規則は、1ロットがX枚の基板Wを含むとして、全PMの累積処理枚数がXの倍数のタイミングで適用される。
(2)コンディショニングは、全PMの累積処理枚数がXの倍数のときに開始する。
(3)コンディショニング終了後は、すぐにコンディショニングが終了したPMを使用する。本実施の形態では、1ロットが25枚の基板Wを含む(X=25)と仮定する。
また、前提条件として、基板処理システム1に使用可能な状態で含まれるPM10の数をn(ここで、nは正の整数である)とし、各PM10において前回のコンディショニング終了後、次のコンディショニングを行うまでの基板Wの処理枚数の設定値をN(ここで、Nは正の整数である)とする。このとき、制御部70は、一つのPM10でコンディショニングを実施している間に、他の各PM10でそれぞれ処理される基板Wの枚数Pが、
P=N/(n−1)(ただし、小数点以下は、繰上げまたは切捨て)
となるように制御する。具体的には、処理可能な他の各PM10への第1の搬送装置21,第2の搬送装置25による1枚の基板Wの搬送時間、及び一つのPM10のコンディショニング時間などを調節する。
次に、処理室順位決定部124は、PM10A,10B,10C,10Dについて、予め定められた規則に基づき、コンディショニングCを行うPM10の優先順位を決定する。ここで、予め定められた規則として、例えば、以下の第4規則を挙げることができる。これらの優先順位に基づき、コンディショニング実行指令部125は、クリーニング実行指令信号およびプリコート実行指令信号を生成し、PM10A,10B,10C,10Dで所定のコンディショニングを実行させる。
(第4規則)
基板処理システム1に使用可能な状態で含まれる全てのPM10を使用して基板Wを処理した場合に、複数の基板Wによって構成される1ロットの処理が終了した時点で、各PM10内での積算処理枚数Mが最大の処理室でコンディショニングを実行する。
上記第4規則は、各PM10A(第1の処理室),PM10B(第2の処理室),PM10C(第3の処理室),PM10D(第4の処理室)の積算処理枚数Mが同じ場合は、PM10A,10B,10C,10Dの順に適用する。この積算処理枚数Mは、コンディショニングCの実施タイミングを基準にして、MC73の積算部132においてカウントされたものである。
上記第4規則に基づき、次にコンディショニングCを行うPM10を決定する手順を繰り返し実行することによって、全処理室同時使用状態でPM10毎に処理される基板の数が25/n枚(ただし、小数点以下は、繰上げ)を超えないように制御される。
図11に示した例では、各PM10において前回のコンディショニング終了後、次のコンディショニングを行うまでの基板Wの処理枚数の設定値Nを500枚とする。また、25枚を1ロットとして処理を実行し、ロット終了時に各PM10における積算処理枚数Mが500枚以上になっていたときにコンディショニングを実行する。さらに、一つのPM10でコンディショニングを実施している間に、他の各PM10でそれぞれ処理される基板Wの枚数Pを167枚、1ロットに含まれる基板Wの枚数を25枚として、第4規則を適用している。
図11の各区間を参照すると、以下のとおりである。
区間1は、初期状態であり、どのPM10においても基板Wの処理は行われていない。
区間2では、4つのPM10A,10B,10C,10Dで基板Wを処理する。
区間3では、第4規則により、PM10Aでコンディショニングを実行する。
区間4では、4つのPM10A,10B,10C,10Dで基板Wを処理する。
区間5では、PM10Bでコンディショニングを実行する。
区間6では、4つのPM10A,10B,10C,10Dで基板Wを処理する。
区間7では、PM10Cでコンディショニングを実行する。その途中でPM10Dが500枚を超過する(M≧N)。
区間8では、PM10Cのコンディショニング完了まで17枚の基板Wの処理を行う。
区間9では、PM10Dのコンディショニング完了まで150枚の基板Wの処理を行う。
区間10では、4つのPM10A,10B,10C,10Dで基板Wを処理する。
区間11では、PM10Aでコンディショニングを実行する。
区間12では、4つのPM10A,10B,10C,10Dで基板Wを処理する。
区間13では、PM10Bでコンディショニングを実行する。
区間14では、4つのPM10A,10B,10C,10Dで基板Wを処理する。
区間15では、PM10Cでコンディショニングを実行する。その途中でPM10Dが500枚に到達する(M≧N)。
区間16では、PM10Cのコンディショニング完了まで17枚の基板Wを処理する。
区間17では、PM10Dのコンディショニング完了まで150枚の基板Wを処理する。
区間18では、4つのPM10A,10B,10C,10Dで基板Wを処理する。
区間19では、PM10Aでコンディショニングを実行する。
区間20では、4つのPM10A,10B,10C,10Dで基板Wを処理する。
区間21では、PM10Bでコンディショニングを実行する。
区間22では、4つのPM10A,10B,10C,10Dで基板Wを処理する。
区間23では、PM10Cでコンディショニングを実施する。その途中でPM10Dが500枚に到達する(M≧N)。
上記区間1〜区間7までは、上記第4規則に基づいて、基板Wの処理とPM10のコンディショニングを繰り返すことによって、全処理室同時使用状態でPM10毎に処理される基板の数が7枚を超えない状態を作り出すまでの過程である。
また、上記区間8〜15、区間16〜23までは、それぞれ、制御部70によって自動的に作成された、全処理室同時使用状態でPM10毎に処理される基板の数が7枚を超えない状態を示している。この状態は、全処理室同時使用状態でPM10毎に処理される基板Wの数が7枚を超えないため、第1の搬送装置21及び第2の搬送装置25によるPM10への基板Wの搬送に余裕が生じる。従って、PM10の空き時間が生じることがなく、高いスループットで効率的な基板Wの処理が可能になる。なお、区間16以降は、区間8〜15と同じ内容の繰り返しとなる。
以上のように、第4規則に従い、基板Wの処理とPM10のコンディショニングを繰り返すことによって、制御部70による制御の下で、自動的に全処理室同時使用状態でPM10毎に処理される基板の数が25/n枚(ただし、小数点以下は、繰上げ)を超えない状態を作り出すことができる。従って、基板処理システム1における基板Wの処理のスループットを大幅に向上させることができる。
本実施の形態におけるその他の構成、作用および効果は、第1の実施の形態と同様である。なお、本実施の形態の基板処理方法は、第1の実施の形態と同様のプリコート方法を含むことができる。すなわち、制御部70が、可変の基準値Qを設定し、積算処理枚数Mが基準値Q以下であるか否かによって短時間プリコートを実施するサイクルの長短を設定する。このようにすれば、処理室30内のプリコート膜が比較的安定している積算処理枚数Mが少ない間は、プリコート間隔を長くしてプリコートの頻度を少なくすることができる。従って、コンディショニングとコンディショニングの間に、一定のサイクルで短時間プリコート処理を行う場合に比べて、プリコートに要する時間を節減することが可能になり、基板処理システム1におけるスループットを向上させることができる。
また、本実施の形態では、全処理室同時使用状態でPM10毎に処理される基板の数が25/n枚(ただし、小数点以下は、繰上げ)を超えない状態を作り出すコンディショニング方法と、上記プリコート方法とを組み合わせることによって、基板処理システム1における基板Wの処理のスループットを大幅に向上させることができる。
上記第1及び第2の実施の形態では、真空側の搬送室3に隣接した4つのPM10A〜10Dを備えた基板処理システム1を例に挙げて説明したが、本発明は、処理室が複数あれば、異なる構成のクラスタツールを備えた基板処理システムにも適用可能である。
以上、本発明の実施の形態を例示の目的で詳細に説明したが、本発明は上記実施の形態に制約されることはなく、種々の変形が可能である。
例えば、上記実施の形態では、基板Wの処理枚数を積算してコンディショニングやプリコートの実施タイミングを決定することとしたが、基板Wの表面に成膜された薄膜の膜厚を積算することによって、コンディショニングやプリコートの実施タイミングを決定することも可能である。
また、本発明は大気搬送を行う処理システムにも当然に適用できる。
また、本発明は、例えば液晶表示装置、有機ELディスプレイ等に用いられる大型のガラス基板やセラミックス基板等を処理する基板処理システムにも適用できる。
1…基板処理システム、10,10A,10B,10C,10D…プロセスモジュール(PM)、11…第1の搬送室、12A,12B…ロードロック室、14…第2の搬送室、21…第1の搬送装置、25…第2の搬送装置、30…処理室、40…排気室、51…排気装置、55…サセプタ、61…シャワーヘッド、63…ガス供給源、66…高周波電源、W…基板

Claims (8)

  1. 複数の基板を順次処理する基板処理システムであって、
    前記基板に対し、同種の処理を施す複数の処理室と、
    前記複数の処理室へ前記基板を搬送する搬送装置と、
    前記複数の処理室及び前記搬送装置を制御する制御部と、を備え、
    前記制御部は、
    前記搬送装置の動作を制御する搬送制御部と、
    各処理室への基板の搬送順序を設定する搬送順序設定部と、
    各処理室において前回のクリーニング終了後もしくは前回のプリコート処理終了後に処理した前記基板の処理枚数又は成膜された薄膜の膜厚を積算する積算部と、
    前記複数の処理室について、予め定められた規則に基づき、前記基板の処理を行う優先順位を決定する処理室順位決定部と、
    各処理室でコンディショニングを実行させる実行指令部と、
    を有しており、
    全ての前記処理室について1回ずつコンディショニングを実施する1サイクルの間に、全ての前記処理室で同時に基板の処理を行っている全処理室同時使用状態が発生しないように制御することを特徴とする基板処理システム。
  2. 前記制御部は、前記基板処理システムに使用可能な状態で含まれる前記処理室の数をn(ここで、nは正の整数である)とし、各処理室において前回のコンディショニング終了後、次のコンディショニングを行うまでの前記基板の処理枚数の設定値をN(ここで、Nは正の整数である)としたとき、一の処理室でコンディショニングを実施している間に、他の各処理室でそれぞれ処理される基板の枚数Pが、
    P=N/(n−1)(ただし、小数点以下は、繰上げまたは切捨て)
    となるように、前記他の各処理室への前記搬送装置による1枚の前記基板の搬送時間、及び一つの前記処理室のコンディショニング時間を調節する請求項1に記載の基板処理システム。
  3. 前記処理室は、使用可能な状態の第1の処理室、第2の処理室、第3の処理室及び第4の処理室を含み、
    前記処理室順位決定部は、以下の第1規則、第2規則及び第3規則、
    第1規則:
    前記第1から第4の処理室の中で、前記積算部でカウントされた前記基板の積算処理枚数が降順で3番目に大きい処理室の積算処理枚数が(N×3/6)枚未満(ただし、小数点以下は、繰上げ)であるとき、前記基板の積算処理枚数が降順で1番目、2番目及び3番目の処理室を使用して処理を行う;
    第2規則;
    前記第1から第4の処理室の中で、前記積算部でカウントされた前記基板の積算処理枚数が降順で2番目に大きい処理室の積算処理枚数が(N×5/6)枚未満(ただし、小数点以下は、繰上げ)であるとき、前記基板の積算処理枚数が降順で1番目、2番目及び4番目の処理室を使用して処理を行う;
    第3規則;
    前記第1規則及び第2規則のいずれにも該当しない場合、前記積算部でカウントされた前記基板の積算処理枚数が降順で1番目、3番目及び4番目の前記処理室を使用して処理を行う;
    (ただし、第1規則、第2規則、第3規則の順に優先して適用される。また、各処理室の積算処理枚数が同じ場合は、第1の処理室、第2の処理室、第3の処理室、第4の処理室の順に適用する)
    に基づき、次に基板の処理を行う処理室を決定する手順を繰り返し実行することによって、各処理室で行われるコンディショニングの時期が重ならず、かつ、いずれか1つの処理室でコンディショニングが実施され、他の処理室で基板の処理が行われている状態を実現させる請求項2に記載の基板処理システム。
  4. 前記制御部は、
    各処理室でプリコート処理を実行させるコンディショニング実行指令部と、
    前記プリコート処理の種類を選択するプリコート選択部と、
    をさらに備えており、
    前記プリコート選択部は、各処理室において前回のコンディショニング終了後、次のコンディショニングを行うまでの間に前記積算部でカウントされた前記基板の積算処理枚数が所定の基準値以下のときは、前記処理室に対して、前記基板をa枚処理する毎に前記処理室の短時間プリコート処理を行う長サイクルのプリコート処理を選択し、前記所定の基準値を超えているときは、前記a枚よりも少ないb枚毎に前記処理室の短時間プリコート処理を行う短サイクルのプリコート処理を選択する、請求項1から3のいずれか1項に記載の基板処理システム。
  5. 複数の基板を順次処理する基板処理システムであって、
    前記基板に対し、同種の処理を施す複数の処理室と、
    前記複数の処理室へ前記基板を搬送する搬送装置と、
    前記複数の処理室及び前記搬送装置を制御する制御部と、を備え、
    前記制御部は、
    前記搬送装置の動作を制御する搬送制御部と、
    各処理室への基板の搬送順序を設定する搬送順序設定部と、
    各処理室において前回のクリーニング終了後もしくは前回のプリコート処理終了後に処理した前記基板の処理枚数又は成膜された薄膜の膜厚を積算する積算部と、
    前記複数の処理室について、予め定められた規則に基づき、コンディショニングを行う優先順位を決定する処理室順位決定部と、
    各処理室でコンディショニングを実行させる実行指令部と、
    を有しており、
    前記制御部は、前記基板処理システムに使用可能な状態で含まれる前記処理室の数をn(ここで、nは正の整数である)とし、1ロット内に含まれる前記基板の最大枚数を25枚とし、かつ、全ての前記処理室について1回ずつコンディショニングを実施するまでを1サイクルとしたとき、該1サイクルの間に、全ての前記処理室で同時に基板の処理を行っている全処理室同時使用状態で前記処理室毎に処理される基板の数が25/n枚(ただし、小数点以下は、繰上げ)を超えないように制御することを特徴とする基板処理システム。
  6. 前記制御部は、各処理室において前回のコンディショニング終了後、次のコンディショニングを行うまでの前記基板の処理枚数の設定値をN(ここで、Nは正の整数である)としたとき、一の処理室でコンディショニングを実施している間に、他の各処理室でそれぞれ処理される基板の枚数Pが、
    P=N/(n−1)(ただし、小数点以下は、繰上げまたは切捨て)
    となるように、前記他の各処理室への前記搬送装置による1枚の前記基板の搬送時間、及び一つの前記処理室のクリーニング時間を調節する請求項5に記載の基板処理システム。
  7. 前記処理室は、使用可能な状態の第1の処理室、第2の処理室、第3の処理室及び第4の処理室を含み、以下の規則;
    前記基板処理システムに使用可能な状態で含まれる全ての前記処理室を使用して前記基板を処理した場合に、前記1ロットの処理が終了した時点で、各処理室内での積算処理枚数が最大の処理室でコンディショニングを実行する;
    (ただし、1ロットの処理が終了した時点で各処理室の積算処理枚数が同じ場合は、第1の処理室、第2の処理室、第3の処理室、第4の処理室の順に適用する)
    に基づき、次にコンディショニングを行う処理室を決定する手順を繰り返し実行することによって、全ての前記処理室について1回ずつコンディショニングを実施する1サイクルの間に、全ての前記処理室で同時に基板の処理を行っている全処理室同時使用状態で前記処理室毎に処理される基板の枚数が25/n枚(ただし、小数点以下は、繰上げ)を超えない状態を実現させる請求項6に記載の基板処理システム。
  8. 前記制御部は、
    各処理室でプリコート処理を実行させるコンディショニング実行指令部と、
    前記プリコート処理の種類を選択するプリコート選択部と、
    をさらに備えており、
    前記プリコート選択部は、各処理室において前回のコンディショニング終了後、次のコンディショニングを行うまでの間に前記積算部でカウントされた前記基板の積算処理枚数が所定の基準値以下のときは、前記処理室に対して、前記基板をa枚処理する毎に前記処理室の短時間プリコート処理を行う長サイクルのプリコート処理を選択し、前記所定の基準値を超えているときは、前記a枚よりも少ないb枚毎に前記処理室の短時間プリコート処理を行う短サイクルのプリコート処理を選択する、請求項5から7のいずれか1項に記載の基板処理システム。
JP2013166260A 2013-08-09 2013-08-09 基板処理システム Active JP6105436B2 (ja)

Priority Applications (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013166260A JP6105436B2 (ja) 2013-08-09 2013-08-09 基板処理システム
TW103127018A TWI631615B (zh) 2013-08-09 2014-08-07 Substrate processing system
KR1020140101534A KR101742356B1 (ko) 2013-08-09 2014-08-07 기판 처리 시스템
US14/455,795 US9845531B2 (en) 2013-08-09 2014-08-08 Substrate processing system

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013166260A JP6105436B2 (ja) 2013-08-09 2013-08-09 基板処理システム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2015035530A true JP2015035530A (ja) 2015-02-19
JP6105436B2 JP6105436B2 (ja) 2017-03-29

Family

ID=52447489

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013166260A Active JP6105436B2 (ja) 2013-08-09 2013-08-09 基板処理システム

Country Status (4)

Country Link
US (1) US9845531B2 (ja)
JP (1) JP6105436B2 (ja)
KR (1) KR101742356B1 (ja)
TW (1) TWI631615B (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6089082B1 (ja) * 2015-09-29 2017-03-01 株式会社日立国際電気 基板処理装置、半導体装置の製造方法、プログラムおよび記録媒体
TWI575638B (zh) * 2015-08-27 2017-03-21 Hitachi Int Electric Inc A substrate processing apparatus, a manufacturing method, a program, and a recording medium of a semiconductor device
US9974154B2 (en) 2013-08-26 2018-05-15 Hitachi Kokusai Electric Inc. Power supply device and method for plasma generation
JP2019169663A (ja) * 2018-03-26 2019-10-03 株式会社Kokusai Electric 基板処理装置、半導体装置の製造方法および記録媒体

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7348440B2 (ja) * 2018-03-20 2023-09-21 東京エレクトロン株式会社 統合的な半導体処理モジュールを組み込んだ自己認識及び補正異種プラットフォーム及びその使用方法
JP6719523B2 (ja) * 2018-09-18 2020-07-08 株式会社Kokusai Electric 基板処理装置、半導体装置の製造方法および記録媒体
KR102634948B1 (ko) * 2020-08-26 2024-02-08 삼성전자주식회사 기판 처리 시스템 및 기판 처리 장치
US11823932B2 (en) * 2020-08-26 2023-11-21 Samsung Electronics Co., Ltd. Substrate processing system and substrate processing apparatus

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003045766A (ja) * 2001-08-02 2003-02-14 Hitachi Kokusai Electric Inc 半導体製造装置及び半導体製造装置の保守判断方法
JP2003209058A (ja) * 2002-01-15 2003-07-25 Hitachi Kokusai Electric Inc 半導体製造装置
JP2012079922A (ja) * 2010-10-01 2012-04-19 Hitachi Kokusai Electric Inc 基板処理装置
JP2012216630A (ja) * 2011-03-31 2012-11-08 Tokyo Electron Ltd コンディショニング方法、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体及び基板処理装置

Family Cites Families (16)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2644912B2 (ja) * 1990-08-29 1997-08-25 株式会社日立製作所 真空処理装置及びその運転方法
USRE39824E1 (en) * 1990-08-29 2007-09-11 Hitachi, Ltd. Vacuum processing apparatus and operating method with wafers, substrates and/or semiconductors
US6650409B1 (en) * 1991-04-02 2003-11-18 Hitachi, Ltd. Semiconductor device producing method, system for carrying out the same and semiconductor work processing apparatus included in the same system
JPH053174A (ja) 1991-06-26 1993-01-08 Fujitsu Ltd 半導体装置の製造方法
US5565034A (en) * 1993-10-29 1996-10-15 Tokyo Electron Limited Apparatus for processing substrates having a film formed on a surface of the substrate
US5551165A (en) * 1995-04-13 1996-09-03 Texas Instruments Incorporated Enhanced cleansing process for wafer handling implements
DE10103253A1 (de) * 2001-01-25 2002-08-01 Leica Microsystems Verfahren und Anordnung zum Transportieren und Inspizieren von Halbleitersubstraten
JP2002313789A (ja) * 2001-04-13 2002-10-25 Matsushita Electric Ind Co Ltd 電子デバイス製造装置の反応室クリーニング方法
US20030045098A1 (en) * 2001-08-31 2003-03-06 Applied Materials, Inc. Method and apparatus for processing a wafer
JP2003277935A (ja) 2002-03-19 2003-10-02 Seiko Epson Corp プラズマ処理方法、クリーニング判断システム、クリーニングレシピ選択システム、プログラムおよび情報記憶媒体
US7113253B2 (en) * 2003-09-16 2006-09-26 Asml Netherlands B.V. Method, apparatus and computer product for substrate processing
JP4492963B2 (ja) * 2005-06-14 2010-06-30 ルネサスエレクトロニクス株式会社 薄膜の成膜方法、気相成長装置、プログラム
JP5294681B2 (ja) * 2008-04-28 2013-09-18 東京エレクトロン株式会社 基板処理装置及びその基板搬送方法
JP5616591B2 (ja) * 2008-06-20 2014-10-29 株式会社日立国際電気 半導体装置の製造方法及び基板処理装置
KR102002042B1 (ko) * 2012-05-29 2019-07-19 주성엔지니어링(주) 기판 처리 장치 및 기판 처리 방법
JP5571122B2 (ja) * 2012-06-06 2014-08-13 東京エレクトロン株式会社 基板処理装置および基板処理装置の制御方法

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003045766A (ja) * 2001-08-02 2003-02-14 Hitachi Kokusai Electric Inc 半導体製造装置及び半導体製造装置の保守判断方法
JP2003209058A (ja) * 2002-01-15 2003-07-25 Hitachi Kokusai Electric Inc 半導体製造装置
JP2012079922A (ja) * 2010-10-01 2012-04-19 Hitachi Kokusai Electric Inc 基板処理装置
JP2012216630A (ja) * 2011-03-31 2012-11-08 Tokyo Electron Ltd コンディショニング方法、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体及び基板処理装置

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US9974154B2 (en) 2013-08-26 2018-05-15 Hitachi Kokusai Electric Inc. Power supply device and method for plasma generation
TWI575638B (zh) * 2015-08-27 2017-03-21 Hitachi Int Electric Inc A substrate processing apparatus, a manufacturing method, a program, and a recording medium of a semiconductor device
JP6089082B1 (ja) * 2015-09-29 2017-03-01 株式会社日立国際電気 基板処理装置、半導体装置の製造方法、プログラムおよび記録媒体
CN106558516A (zh) * 2015-09-29 2017-04-05 株式会社日立国际电气 衬底处理装置及半导体器件的制造方法
JP2017069315A (ja) * 2015-09-29 2017-04-06 株式会社日立国際電気 基板処理装置、半導体装置の製造方法、プログラムおよび記録媒体
US9728431B2 (en) 2015-09-29 2017-08-08 Hitachi Kokusai Electric Inc. Method of manufacturing semiconductor device
JP2019169663A (ja) * 2018-03-26 2019-10-03 株式会社Kokusai Electric 基板処理装置、半導体装置の製造方法および記録媒体

Also Published As

Publication number Publication date
KR101742356B1 (ko) 2017-05-31
TW201521110A (zh) 2015-06-01
US9845531B2 (en) 2017-12-19
TWI631615B (zh) 2018-08-01
KR20150018450A (ko) 2015-02-23
JP6105436B2 (ja) 2017-03-29
US20150040828A1 (en) 2015-02-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6105436B2 (ja) 基板処理システム
US9312155B2 (en) High-throughput semiconductor-processing apparatus equipped with multiple dual-chamber modules
JP6688850B2 (ja) 基板処理装置、半導体装置の製造方法、および、プログラム
JP2018139287A (ja) 最適化された低エネルギ/高生産性の蒸着システム
US9766617B2 (en) Substrate processing apparatus
US10559483B2 (en) Platform architecture to improve system productivity
KR101715440B1 (ko) 기판 처리 시스템 및 기판의 반송 제어 방법
JP6600081B2 (ja) 基板処理装置、半導体装置の製造方法及びプログラム
JP5695956B2 (ja) コンディショニング方法、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体及び基板処理装置
JP5571122B2 (ja) 基板処理装置および基板処理装置の制御方法
JP2003209058A (ja) 半導体製造装置
JP6680895B2 (ja) 基板処理装置、半導体装置の製造方法およびプログラム
KR102605465B1 (ko) 기판 처리 시스템, 기판 처리 방법, 및 제어 장치
US20230187243A1 (en) Substrate processing apparatus, method of manufacturing semiconductor device, and recording medium
JP2013207013A (ja) 真空処理装置
TW202341314A (zh) 基板處理裝置、半導體裝置之製造方法及程式
JP2008311365A (ja) 基板処理装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20160525

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20170221

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20170302

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6105436

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250