JP2015033881A - 自動車用通気ダクト - Google Patents

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直幸 中島
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淳一 鵜飼
Junichi Ukai
淳一 鵜飼
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Abstract

【課題】通気する空気の温度を維持するための高い断熱性と、形状を保持するための強度及び剛性とを両立できる自動車用通気ダクトを提供する。
【解決手段】曲げ弾性率が15MPa以上であり、かつ発泡体層の少なくとも片面に曲げ弾性率が1,750MPa以上である樹脂を用いた樹脂層が設けられたポリオレフィン架橋発泡積層体からなる自動車用通気ダクト。
【選択図】図1

Description

本発明は、樹脂層で補強したポリオレフィン架橋発泡体(これを本発明ではポリオレフィン架橋発泡積層体と呼ぶ。)を用いた自動車用通気ダクトに関する。
近年、エコロジーの観点や、環境問題の観点から温室効果ガスである二酸化炭素の発生抑制のためにハイブリッド自動車もしくは電気自動車、これらの融合であるプラグインハイブリッド自動車への要求が高まっている。これらは如何に燃費を向上させるかが肝要であり、そのためには搭載されるバッテリーの温度管理が重要になっている。
そこでバッテリーを一定の温度環境下に置く方法として空冷法をとる場合があるが、一方で配置されているエンジンルーム内は発熱体が多く配置されており、ダクト内を通気する空気をコントロールすることが課題となっている。
また、車室内の温調を行うエアコンディショナーから空気を導入するためのダクトについても如何に温度を維持したまま空気を導入するかがエコロジーの観点でも重要である。
そこでこれまでは樹脂製のダクトの周りにウレタンの発泡体を貼り付けるなどして断熱性を確保してきたが、手間と時間が掛かり経済的に不利であった。
これらを解決する方法として発泡ブローダクトが提案されている(例えば、特許文献1)。しかし、この場合、断熱性を高くするためには発泡倍率を上げ、見かけ密度を下げる必要があるが、強度および剛性は低下する傾向にあり、逆に強度および剛性を保持するために発泡倍率を下げ見かけ密度を上げると、十分な断熱性を得られない場合があった。
特開2010−203772号公報
そこで本発明の課題は、上記のような従来技術に鑑み、通気する空気の温度を維持するための高い断熱性と、形状を保持するための強度及び剛性とを両立できる自動車用通気ダクトを提供することにある。
本発明はかかる課題を解決するために、次の手段を採用するものである。即ち、本発明に係る自動車用通気ダクトは、曲げ弾性率が15MPa以上であり、かつ発泡体層の少なくとも片面に曲げ弾性率が1,750MPa以上である樹脂を用いた樹脂層が設けられたポリオレフィン架橋発泡積層体からなる。発泡体層と特定値以上の曲げ弾性率の樹脂の層の積層体構成とすることにより、ダクトを構成するポリオレフィン架橋発泡積層体に、主として発泡体層による高い断熱性と主として付加樹脂層による高い強度及び剛性とが付与され、ダクトを構成するポリオレフィン架橋発泡積層体としても特定値以上の曲げ弾性率とすることにより、ダクト全体としても所定形状の保持が可能になる。
上記本発明に係る自動車用通気ダクトにおいては、発泡体層の熱伝導率が0.043W/K・m以下であることが好ましく、熱伝導率が低いことによって高い断熱性が確保される。
また、発泡体層の見掛け密度としては10〜100kg/mの範囲にあることが好ましく、これによって、発泡体層自体としても過度の強度および剛性の低下を回避して取扱い性等を確保しつつ、十分な断熱性を発現させることが可能になる。
また、ポリオレフィン架橋発泡積層体の単位面積当たりの質量としては50〜1,500g/mの範囲にあることが好ましく、これによって、通気時の遮音性と通気ダクトの軽量性の両立が可能となる。
さらに、上記の曲げ弾性率が1,750MPa以上である樹脂としては、例えば環状ポリオレフィンを採用できる。
このように、本発明に係る自動車用通気ダクトによれば、通気する空気の温度を維持するための高い断熱性と、形状を保持するための強度及び剛性とを両立することができ、また総重量の軽量化が図れることにより、自動車の燃費向上等にも寄与することが可能となる。
本発明の一実施態様に係る自動車用通気ダクトの概略横断面図である。 図1の自動車用通気ダクトを構成するポリオレフィン架橋発泡積層体の拡大概略部分断面図である。 本発明に係る自動車用通気ダクトの一例を示す概略斜視図である。 図3のA矢視に係るダクト端部構造と取付部構造を示す概略構成図である。 自動車用通気ダクトのサンプリング位置の例を示す概略構成図である(樹脂層の平均厚み、ポリオレフィン架橋発泡積層体の単位面積当たりの質量)。 自動車用通気ダクトのサンプリング位置の例を示す概略構成図である(ポリオレフィン架橋発泡積層体の曲げ試験)。 自動車用通気ダクトにおける空気温度差の測定方法の例を示す概略構成図である。
以下に、本発明について、実施の形態とともに詳細に説明する。
本発明に係る自動車用通気ダクトは、発泡体層の少なくとも片面に樹脂層が設けられたポリオレフィン架橋発泡積層体を所定の形状にし、自動車に搭載される通気ダクトとして好適に適用できるものである。
即ち、通気する空気の温度を維持するための高い断熱性と、形状を保持するための強度及び剛性とを両立することができ、また総重量の軽量化を図ることができるため自動車の燃費を向上することが可能となる。
上記した樹脂層に用いる樹脂としては、熱可塑性樹脂と熱硬化性樹脂が例示される。そのうち、熱可塑性樹脂とは、加熱により軟化し冷却により固化する特性を有する樹脂で、特に限定されないが、例えばポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ乳酸、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリテトラフルオロエチレン、ポリウレタン、ポリスチレン、ポリエステル、ABS樹脂、アクリル樹脂、ポリアセタール樹脂あるいはこれらの樹脂の共重合体等が例示される。
ここでいうポリオレフィンとしては、例えば、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、超低密度ポリエチレンなどに代表されるポリエチレン系樹脂(ここでいう密度の定義は以下の通り。超低密度:0.910g/cm未満、低密度:0.910g/cm以上0.940g/cm以下、高密度:0.940g/cmより大きく0.965g/cm以下)や、エチレンを主成分とする共重合体、もしくはホモポリプロピレン、エチレン−プロピレンランダム共重合体、エチレン−プロピレンブロック共重合体などに代表されるポリプロピレンなどが挙げられ、またこれらの混合物を用いることもできる。上記エチレンを主成分とする共重合体としては、例えばエチレンと炭素数4つ以上のα−オレフィン(例えば、エチレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘプテン、1−オクテン等が挙げられる。)を重合して得られるエチレン−α−オレフィン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレンとノルボルネンのような環状モノマーと共重合した環状ポリオレフィン等を挙げることができる。
熱硬化性樹脂とは、加熱により化学反応が起こり硬化する特性を有する樹脂であり、特に限定されないが、例えばフェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル、ジアリルフタレート樹脂、エポキシ樹脂、ケイ素樹脂、ポリウレタン、ポリイミドが挙げられる。
これらのうち本発明において使用する樹脂として好ましくは熱可塑性樹脂であり、その中でも好ましくはポリオレフィンである。もちろん、1種のみを用いてもよく、2種以上混合して用いてもよい。
本発明における樹脂層の厚みは、特に限定されるものではないが、0.1〜2.0mmの範囲が好ましく、より好ましくは0.15〜1.5mmの範囲であり、さらに好ましくは0.2〜1.0mmの範囲である。厚みが0.1mmを下回った場合、本発明の目的である強度および剛性の保持が困難となり、2.0mmを超える場合は軽量化による自動車の燃費向上という観点において不利となる。
上記した樹脂としては、曲げ弾性率が1,750MPa以上である樹脂を用いる。樹脂の曲げ弾性率は、好ましくは2,100MPa以上4,000MPa以下であり、より好ましくは2,400MPa以上3,600MPa以下である。なお、ここでいう曲げ弾性率はJIS K 7171(2008年版JISハンドブック記載)に記載されており、そこで規定された二点のひずみと応力を測定により出し、応力同士の差をひずみ同士の差で除したものをいう。曲げ試験方法は試験片を二つの支点で水平に支え、中央部に上から荷重を加えて試験片を折り曲げて行う方法を採用する。曲げ弾性率が1,750MPa未満の場合は十分な強度および剛性が得られず、本発明が目的とする形状保持が困難となる。
上記の樹脂層は強度の向上を目的として充填剤を含有することが好ましい。充填材としては特に限定はしないが、例えば木粉、パルプなどの天然物や、炭酸カルシウム、ガラス、タルク、シリカ、マイカ、金属粉、金属酸化物などの無機充填剤、炭素繊維に代表される有機充填剤などが挙げられる。上記充填剤は1種もしくは2種以上混合して使用してもよい。
かかる充填剤の含有量は特に限定はしないが、好ましくは樹脂100質量部に対して1〜30質量部である。より好ましくは5〜25質量部、さらに好ましくは10〜20質量部である。充填剤の含有量が1質量部よりも下回ると十分な強度の向上が得られにくく、30質量部を超えると樹脂への十分な分散が困難になり、逆に強度の低下を生じる恐れがある。
また、上記の樹脂層は強度の向上を目的として結晶核剤を含有することが好ましい。結晶核剤としては特に限定しないが、例えばリン酸エステル金属塩、安息香酸金属塩、ピメリン酸金属塩、ロジン金属塩、シュウ酸金属塩、ステアリン酸金属塩、アイオノマー、高融点PET(ポリエチレンテレフタレート)、高融点PA(ポリアミド)、カーボンブラック、ベンジリデンソルビトール、キナクリドン、シアニンブルー、タルク、カオリン、クレイ、金属酸化物、金属硫酸塩などが挙げられる。
かかる結晶核剤の含有量は特に限定はしないが、好ましくは樹脂100質量部に対して1〜30質量部である。より好ましくは5〜25質量部、さらに好ましくは10〜20質量部である。結晶核剤の含有量が1質量部よりも下回ると十分な強度の向上が得られにくく、30質量部を超えると樹脂への十分な分散が困難になり、逆に強度の低下を生じる恐れがある。
さらにまた、上記の樹脂層には、発明の効果を損なわない範囲で各種添加剤を添加しても構わない。添加剤としては特に限定しないが、例えば、発泡剤の分解促進剤、気泡核調整剤、酸化防止剤、熱安定剤、光安定剤、紫外線吸収剤、着色剤、難燃剤、帯電防止剤などが例示できる。
本発明における発泡体層にはポリオレフィン架橋発泡体を用いる。このポリオレフィン架橋発泡体とは、ポリオレフィンを使用した発泡体をいい、このポリオレフィンの分子鎖を架橋せしめているものをいう。
ポリオレフィン架橋発泡体に用いる樹脂としては、ポリオレフィンが好ましく、その例示としては低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、超低密度ポリエチレンなどに代表されるポリエチレン系樹脂(ここでいう密度の定義は以下の通り。超低密度:0.910g/cm未満、低密度:0.910g/cm以上0.940g/cm以下、高密度:0.940g/cmより大きく0.965g/cm以下)や、エチレンを主成分とする共重合体、もしくはホモポリプロピレン、エチレン−プロピレンランダム共重合体、エチレン−プロピレンブロック共重合体などに代表されるポリプロピレンなどが挙げられ、またこれらの混合物を用いることもできる。上記エチレンを主成分とする共重合体としては、例えばエチレンと炭素数4つ以上のα−オレフィン(例えば、エチレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘプテン、1−オクテン等が挙げられる。)を重合して得られるエチレン−α−オレフィン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレンとノルボルネンのような環状モノマーと共重合した環状ポリオレフィン等を挙げることができる。それぞれ単独あるいは2種類以上を組み合わせて使用することができる。
ポリオレフィン架橋発泡体の発泡方法としては、特に限定されないが、押出機内でガスあるいは気化する溶剤を溶融させ高圧下で押出しながら発泡する押出発泡法、ガスあるいは気化する溶剤を含有した樹脂粒子を予備発泡し更に金型内で発泡融着するビーズ発泡法、高圧容器内でポリオレフィンにガスを溶解し常圧で加熱し発泡するガス含浸法といった溶剤気散法やポリオレフィンと熱分解型化学発泡剤を溶融混錬し常圧加熱にて発泡する常圧発泡法、押出機内で熱分解型化学発泡剤を加熱分解し高圧下で押出ながら発泡する押出発泡法、プレス金型内で熱分解型化学発泡剤を加熱分解し減圧しながら発泡するプレス発泡法といった発泡剤分解法等が例示される。
上記溶剤気散法に用いるガスあるいは気化する溶剤は特に限定するものではなく、例えば有機、無機系の各種があり、有機系物理発泡剤としてはプロパン、ノルマルブタン、イソブタン、ノルマルペンタン、イソペンタン、ノルマルヘキサン、イソヘキサン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素、シクロプロパン、シクロブタン、シクロペンタン等の環式脂肪族炭化水素、シクロロフルオロメタン、ジクロロジフルオロメタン、ジクロロテトラフルオロエタン、トリクロロフルオロメタン、テトラフルオロエタン等のハロゲン化炭化水素が例示され、無機系物理発泡剤としては炭酸ガス、窒素、ヘリウム等が例示され、それぞれ単独あるいは2種類以上を組み合わせて使用することができる。
また、発泡剤分解法に用いる熱分解型化学発泡剤とは、熱を加えることで分解しガスを放出する化学発泡剤であれば特に限定するものではなく、例えば有機、無機系の各種があり、有機系にはアゾジカルボンアミド、N,N’−ジニトロソペンタメチレンテトラミン、P,P’−オキシベンゼンスルフォニルヒドラジドなど、無機系には重炭酸ナトリウム、炭酸アンモニウム、重炭酸アンモニウム、カルシウムアジドなどが例示され、それぞれ単独あるいは2種類以上を組み合わせて使用することができ、必要に応じて熱分解型発泡剤の分解性を改善する尿素、脂肪酸の金属塩、亜鉛華等の発泡助剤を添加してもよい。
かかるポリオレフィン架橋発泡体は、電離性放射線を照射し架橋させる電子線架橋法、ジクミルパーオキサイド、ターシャリーブチルパーベンゾエート、ジターシャリーブチルパーオキサイド等の有機過酸化物を混練し発泡時に該有機過酸化物を分解し架橋させる化学架橋法、シラン基を持つポリオレフィンを混合し加熱水分と接触することで架橋させるシラン架橋法などの方法を用いポリオレフィン架橋発泡体としてもよく、必要に応じて架橋特性を改善するジビニルベンゼン、トリメチロールプロパントリメタクリレート等の架橋助剤を用いてもよい。
本発明におけるポリオレフィン架橋発泡体の架橋度は特に限定はしない。しかし、成形性や耐熱性の観点から好ましくは、ゲル分率として10〜50%の範囲である。より好ましくは15〜40%、さらに好ましくは20〜30%である。ここでいうゲル分率とは、架橋度を表すものであり、具体的には1mm角の賽の目状に裁断した発泡体を130℃に熱したテトラリン溶剤に5時間浸漬させて残った不溶物の質量を投入前の発泡体質量で除した数値を百分率で表したものをいう。ゲル分率が10%を下回ると耐熱性が不十分となり、50%を超えると伸びが低下し成形性が低下する恐れがある。
本発明における発泡体層の厚みとしては1〜20mmが好ましく、2〜10mmがより好ましい。さらに好ましくは3〜5mmである。厚みが1mm未満であれば断熱性を付与することが困難な場合があり、一方、厚みが20mmを超えると車両内の他の部材と干渉し、設置が困難になる場合がある。ここで示す厚みとは、JIS K 7222(2001年版JISハンドブック記載)準じた測定方法で測定した数値を示す。
本発明において発泡体層の見掛け密度としては10〜100kg/mが好ましく、20〜60kg/mがより好ましい。さらに好ましくは25〜40kg/mである。見掛け密度が10kg/mより小さい場合、強度が不十分となる場合があり、一方見かけ密度が100kg/mを超える場合、適度な断熱性能を付与することが困難な場合がある。ここで示す見掛け密度とは、JIS K 7222(2001年版JISハンドブック記載)準じた測定方法で測定した数値を示す。
上記した発泡体層の熱伝導率としては、0.043W/K・m以下であることが好ましい。より好ましくは0.040W/K・m以下であり、さらに好ましくは0.038W/K・m以下である。熱伝導率が0.043W/K・mを超えると本発明が達成しようとする断熱性が十分に達成できないことがある。下限は特に設定しないが、現実的には0.020W/K・m以上が好ましい。なお、ここでいう熱伝導率とは、熱の伝わり易さを示す手法として、JIS A 1412−2(2001年度版JISハンドブック記載)に記載されている方法により得られた数値をいう。
本発明における発泡体層には、発明の効果を損なわない範囲で各種添加剤を添加しても構わない。添加剤としては特に限定しないが、例えば、発泡剤の分解促進剤、気泡核調整剤、酸化防止剤、熱安定剤、光安定剤、紫外線吸収剤、着色剤、難燃剤、帯電防止剤、無機充填剤等が例示できる。
本発明における発泡体層に使用する樹脂としては、発明の効果を損なわない範囲で他の熱可塑性樹脂を含んでいても構わない。含んでもよい他の熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ乳酸、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリテトラフルオロエチレン、ポリウレタン、ポリスチレン、ポリエステル、ABS樹脂、アクリル樹脂、ポリアセタール樹脂あるいは前記樹脂の共重合体等が例示される。
本発明におけるポリオレフィン架橋発泡積層体とは、発泡体層の少なくとも片面に前述のような樹脂層が設けられたものをいう。樹脂層は片面でもよく、必要に応じて両面でも構わない。
本発明におけるポリオレフィン架橋発泡積層体の曲げ弾性率は15MPa以上である。好ましくは25MPa以上であり、より好ましくは35MPa以上である。上限は特に設定しないが、200MPa以下が好ましい。曲げ弾性率はJIS K 7171(2008年版JISハンドブック記載)に準拠して測定する。具体的には幅50mmに裁断した試料を用いて測定したときの弾性率をいう。15MPa未満の場合、嵌合性に劣り本発明に係る自動車用通気ダクトが外れやすくなる場合がある。
本発明におけるポリオレフィン架橋発泡積層体の曲げ強度は1N/50mm以上であることが好ましい。より好ましくは2N/25mm以上であり、さらに好ましくは3N/25mm以上である。上限は特に設定しないが、100N/25mm以下が好ましい。曲げ強度はJIS K 7171(2008年版JISハンドブック記載)に準拠して測定する。具体的には幅50mmに裁断した試料を用いて測定したときの最大荷重を曲げ強度とする。1N/50mm未満の場合、十分な強度および剛性が得られず形状を保持することが困難となる。
本発明ではポリオレフィン架橋発泡積層体の単位面積当たりの質量は50〜1,500g/mであることが好ましい。より好ましくは50〜1,000g/mであり、さらに好ましくは50〜500g/mである。単位面積当たりの質量が50g/mを下回るとダクト内を空気が通気したときに振動し、車室内に音が漏れる可能性があり、1,500g/mを上回ると本発明の目的の一つである軽量化への寄与が低下することがある。
本発明のポリオレフィン架橋発泡積層体の樹脂層と発泡体層とを積層する方法は特に限定されず、種々の方法を用いて積層することができる。具体的積層方法としては、予めTダイを用いた単軸押出機や二軸押出機等の押出機やカレンダーロール等で未延伸のフィルム状に成形した樹脂層を溶媒系、水系等の液状、ゲル状、固形状の接着剤や粘着テープを介して発泡体層と積層する方法や、熱風、ヒータ等の熱源による加熱、火炎処理等で発泡体の表面を溶融後、予め未延伸フィルム状に成形した樹脂層と圧着により溶着する方法、あるいはTダイを用いた押出機等を用いフィルム状に押し出した樹脂層を同時に発泡体層と冷却圧着し積層する方法が例示される。また、成形と同時に行う方法も例示される。例えば、事前に所定の形状に賦形した樹脂層にプライマー等を塗布し、発泡体層を真空成形と同時に貼り付ける方法や、事前に賦形するもしくは賦形せずに金型内に入れた発泡体のキャビティもしくはコアもしくはその両側から溶融させた樹脂を展開する射出成形法、樹脂層と該発泡体の間にホットメルトフィルム等の接着剤層を同時に金型に導入し、加圧・加熱により賦形させる熱プレス成形法などが例示される。
本発明のポリオレフィン架橋発泡積層体を自動車用通気ダクトの形状に成形する方法は、特に限定されず、種々の手法が採用可能である。既に上述した方法に加え、例えば、2枚のポリオレフィン架橋発泡積層体をそれぞれ真空成形した後に貼り合わせる方法、2枚のポリオレフィン架橋発泡積層体を同時に加熱した後、金型内で圧空と真空により賦形する圧空真空成形法などが例示できる。
本発明に係る自動車用通気ダクトは、ダクト内を通気する空気の温度を低温あるいは高温に維持するのに十分な高い断熱性があり、過度な冷却および加熱によるエネルギー消費量の増加を低減することができ、所定の形状を保持するための強度及び剛性を有するため、例えばダクトの設置時の取扱いがし易く、長期的には連続的に発生する振動や衝撃に耐えることが可能となる。これら断熱性と強度及び剛性の両立に加えて、総質量の軽量化を図ることができ自動車の燃費向上に寄与することが可能となる。
本発明に係る自動車用通気ダクトを好適に用いることができる対象として、例えば、車室内の温度をコントロールするエアーコンディショナーダクトやリチウムイオンバッテリ等に代表されるバッテリーを冷却するために必要なバッテリーダクトなどが挙げられる。
以下に、本発明について、実施例を用いて更により詳細に説明するが、以下の実施例は一例であり、本発明がこれら実施例により限定されるものではない。
まず、本発明に係る自動車用通気ダクトの形状、構造例について説明する。例えば、図1に、本発明の一実施態様に係る自動車用通気ダクトの概略横断面を示すように、本発明に係る自動車用通気ダクト100は、ポリオレフィン架橋発泡体層1の少なくとも片面に(図示例では両面に)曲げ弾性率が1,750MPa以上である樹脂を用いた樹脂層2、3が設けられたポリオレフィン架橋発泡積層体4が所定の形状に形成されたものからなる。ポリオレフィン架橋発泡積層体4の曲げ弾性率は15MPa以上とされる。図2にも示すように、樹脂層2とは自動車用通気ダクト100の外側の樹脂層を示し、樹脂層3とはダクト内側の樹脂層を示す。
通気ダクト100の横断面形状としては、図示例の六角形のものには限定されず、四角形でもよく、他の断面形状でもよい。本実施例では、図1、図3に示すように、横断面六角形の通気ダクト100が、2つの分割部材を両側の接合部5で接合することにより所定断面構造に構成されている。図3における6はダクト端部を示しており、このダクト端部6は、例えば図3のA矢視に係る図4に示すように、適当な嵌合可能構造に構成しておくことにより、他の部材(接続される他の通気ダクトであってもよく、他の取付け部材であってもよい。)の取付部7に、嵌合等により接続することが可能になる。
次に本発明における自動車用通気ダクトの加工方法の例について説明する。
「積層方法」
(1)押出ラミネート方法
樹脂層に接するロール表面に金属ロールを用い、ポリオレフィン架橋発泡体層に接するロール表面にシリコーン樹脂で覆ったゴムロールを配置し、ゴムロールを600kPaの圧力で圧接した2本のロール間に押出した樹脂とポリオレフィン架橋発泡体を同時に供給し積層し、ポリオレフィン架橋発泡積層体を得た。このとき押出機は60mmφ単軸押出機を用い、シリンダー温度290℃、口金温度250℃、回転数150rpmで切り出した。樹脂層の厚みについてはロールの回転速度により所望の厚みに調整した。
(2)接着ラミネート方法
ドクターナイフで塗布量を調整するナチュラルロールコーターを用い、接着剤として“サイビノール”(登録商標)EX−8(サイデン化学株式会社製)をフィルム状の樹脂に塗布し、40〜80℃に設定した熱風循環式乾燥機中で1〜10分間の十分な乾燥を行った後、600kPaの圧力で圧接した2本のシリコーン樹脂で覆ったゴムロール間に接着剤を塗布した事前に押出成形を行った樹脂層とポリオレフィン架橋発泡体を同時に供給し、ポリオレフィン架橋発泡積層体を得た。接着剤塗布量は乾燥後の質量で50〜70g/mの範囲で塗布した。このとき事前に行う押出成形は、押出機に(1)と同様に60mmφ単軸押出機を用い、シリンダー温度290℃、口金温度250℃、回転数150rpmで切り出した。樹脂層の厚みについてはロールの回転速度により所望の厚みに調整した。
「成形方法」
(A)真空成形
200℃に温調された熱風オーブンにポリオレフィン架橋発泡積層体を投入し、2分間加熱した後、発泡体側もしく樹脂層3側を下にして真空孔の開いた凸型(雄型)の金型(アルミニウム製)の上に設置し、ロータリー真空ポンプにより真空度200Paで成形を行った。その後2分間放冷した後に脱型した。そうして得られた二つの成形体の図1及び図3で示す接合部5の発泡体側もしくは樹脂層3側をヒーティングガンを用いて熱した後、接合してダクト形状にした。
(B)真空圧空成形
上下に一枚ずつクランプにより配したポリオレフィン架橋発泡積層体のそれぞれの上下に配した350℃に熱した赤外線ヒータを用いて加熱し、その1分後に上下の真空孔の開いた凹型(雌型)の金型(アルミニウム製)の中に入れ、型を閉じると同時に2枚のポリオレフィン架橋発泡積層体間に圧空を封入しながら、ロータリー真空ポンプにより真空度200Paで真空を引き成形を行った。このとき接合部5は上下の型に挟まれる形態をとり、同時に接合を行った。1分間型内で冷却した後脱型した。
「積層・成形同時方法」
(C)真空成形+射出成形
所定の形状にするために作成された金型内に溶融した樹脂を射出し、樹脂層となる成形体を作成した。これにダイノックプライマー(登録商標)DP−900N(3M社製)を塗布した後、真空孔を開ける。これを更に真空孔の開いた凸型(雄型)の金型(アルミニウム製)の上に配置した。その後200℃に温調された熱風オーブンにポリオレフィン架橋発泡体を投入、2分間加熱した後、成形された樹脂層を配置した金型の上に設置し、ロータリー真空ポンプにより真空度200Paで成形を行った。その後2分間放冷した後に脱型した。このとき発泡体の熱によりプライマーが固化することによって樹脂層とポリオレフィン架橋発泡体を一体化させて、ポリオレフィン架橋発泡積層体とした。そうして得られた二つの成形体の図1及び図3で示す接合部5の樹脂層3側をヒーティングガンを用いて熱した後、接合してダクト形状にした。
本発明における評価方法は次の通りである。
「ポリオレフィン架橋発泡体の厚み、見掛け密度の測定方法」
JIS K 7222(2001年版JISハンドブック記載)に準じた測定方法で測定した。具体的には50mm角に裁断した試験片を、ダイヤルゲージを用いて厚みを測定した。見掛け密度については上記試験片の質量を電子天秤により計量し、これを上記の厚み、面積で除した値を採用した。
「樹脂層の厚みの測定方法」
樹脂層の厚みの測定方法としては、ダクトから図5に示すサンプリング位置8でダクトの上壁および下壁からそれぞれ試験片(20mm角)を合計6片採取し、その断面を計測機能を保有したマイクロスコープ(キーエンス社製VHX−2000)で50倍に拡大して測定を行い、得られた数値の平均を樹脂層の厚みとした。
「樹脂及びポリオレフィン架橋発泡積層体の曲げ弾性率及び曲げ強度の測定方法」
JIS K 7171(2008年版JISハンドブック記載)に記載された方法で行う。曲げ試験方法は試験片を二つの支点で水平に支え、中央部に上から荷重を加えて試験片を折り曲げて行うものをいう。樹脂層中の樹脂については、押出や接着ラミネートした積層体からカッターナイフ等の刃物を用いて削り取り、この削り取った面をアセトン、テトラリン、エタノール、トルエン等の有機溶剤を用いて洗浄し、この樹脂片を200℃に加熱した15tプレス機を用いて、2MPaの条件下5分間圧縮した状態を維持し、4mm厚みになるよう成形・調製したシートを長さ80mm、幅10mmの試験片にカットし、長手方向を支点で支えて測定を行い、得られた値を樹脂の曲げ弾性率とした。また、ポリオレフィン架橋発泡積層体は図6に示す通気ダクト100からサンプリング位置9にて長さ150mm、幅50mmの寸法にカットして試験片を作成した。曲げ弾性率は規定された二点のひずみと応力を測定により出し、応力同士の差をひずみ同士の差で除したものをいい、曲げ強度は最高点荷重点の強度を指す。
「ゲル分率(架橋度)の測定方法」
1mm角の賽の目状に裁断した発泡体を130℃に熱したテトラリン溶剤に5時間浸漬させて残った不溶物の質量を投入前の発泡体質量で除した数値を百分率で表したものをいう。
「熱伝導率の測定方法」
JIS A 1412−2(2001年度版JISハンドブック記載)に記載されている平板熱流計法により測定した。
「ポリオレフィン架橋発泡積層体の単位面積当たりの質量の測定方法」
上記、樹脂層の厚みの測定方法で採取した試験片を用いて、電子天秤により質量を測定し面積(試験片(20mm×20mm)の投影面積)で除した。
「空気温度差測定方法」
系外の温度、ここでは層内温度を40℃に、湿度を50%に調整した恒温恒湿層の中に試験片である通気ダクトを設置し、系内、つまりダクト内を20℃にした空気を流入させ、図7に示すダクト入口10での空気の温度とダクト出口11に出たときの温度をそれぞれ熱伝対を用いて測定し(空気の流れ方向12)、ダクト出口温度からダクト入口温度の差し引いた数値を空気温度差として示す。このとき、ダクト寸法は近似内径50mm、長さを500mmとし、通気させる空気量は0.5m/minとした。また、温度測定は空気の通気開始時から3分後とした。
「空気温度差の判定基準」
空気温度差の判定基準は以下の通りとした。
○判定:空気温度差が5℃未満
△判定:空気温度差が5℃以上10℃未満
×判定:空気温度差が10℃以上
「軽量性の判定基準」
軽量性の判断基準は以下の通りとした。
○判定:ポリオレフィン架橋発泡積層体の単位面積当たりの質量が500g/m未満
△判定:ポリオレフィン架橋発泡積層体の単位面積当たりの質量が500g/m以上1,000g/m未満
×判定:ポリオレフィン架橋発泡積層体の単位面積当たりの質量が1,000g/m以上
「耐傷性の判定基準」
JIS K 5600−5−4(1999年度版JISハンドブック記載)の方法に準拠して評価した。具体的には2Bの鉛筆の芯をダクト表面に押付けて動かして傷の有無により評価した。車輪つきブロックに、鉛筆先端の負荷荷重を750gとして斜め45度にセットして走行させた。傷が付かなかった物を○、傷が付いた物を△、破れた物を×と判定した。
「外観の判定基準」
通気ダクトに成形した後のものをもって評価した。表面状態、つまり著しい凹凸や変色、破れ、傷が無いもの、成形状態、つまり角のRがしっかり出ているものを良好と判断し、上記の状態が発生したもの(良好以外のもの)を不良と判定した。良好を○、不良を×として示した。
「嵌合性の判定基準」
PP(ポリプロピレン)樹脂(樹脂厚み:0.5mm、近似外径49mm)でダクト断面と相似形で作成した取付部(図4に示した取付部7)にダクト端部6を嵌め合わせた時の嵌め易さの官能評価で行った。良好を○、嵌め合わせ難いが使用上問題とならない場合を△、嵌め合わせた後に抜けやすい場合を×として判定を行った。
「総合判定基準」
総合判定としては以下の通りとした。
×判定:成形良品が得られないか、嵌合性が×判定であるか、またはその他の判定が二つ以上×判定のもの
○判定:上記以外のもの
[実施例1]
ダクト外側の樹脂層2の樹脂として、ポリプロピレンである日本ポリプロ株式会社製“ノバテック(登録商標)PP”FY6H、ポリオレフィン架橋発泡体として、東レ株式会社製“トーレペフ(登録商標)”30030AP66を選択し、積層方法として(1)押出ラミネート方法、成形方法として(A)真空成形の上記条件に基づいて自動車用通気ダクトを得た(調整した樹脂厚みについては表1参照)。このときのポリオレフィン架橋発泡積層体の曲げ弾性率、曲げ強度、単位面積当たり質量、ならびに自動車用通気ダクトの空気温度差、軽量性、耐傷性、外観、嵌合性については表1の通りであり、上記方法によって得た自動車用通気ダクトは総合判定で合格であった。
[実施例2]
ポリオレフィン架橋発泡体として、東レ株式会社製“トーレペフ(登録商標)”07011AM00を選択し、成形方法として(B)真空圧空成形を選択した以外は実施例1と同様の条件によって自動車用通気ダクトを得た(調整した樹脂厚みについては表1参照)。このときのポリオレフィン架橋発泡積層体ならびに自動車用通気ダクトの物性等については表1の通りであり、上記方法によって得た自動車用通気ダクトは総合判定で合格であった。
[実施例3]
ポリオレフィン架橋発泡体として、東レ株式会社製“トーレペフ(登録商標)”40040AY0Bを選択した以外は実施例1と同様の条件によって自動車用通気ダクトを得た(調整した樹脂厚みについては表1参照)。このときのポリオレフィン架橋発泡積層体ならびに自動車用通気ダクトの物性等については表1の通りであり、上記方法によって得た自動車用通気ダクトは総合判定で合格であった。
[実施例4]
ダクト内側の樹脂層3の樹脂として、ポリプロピレンである日本ポリプロ株式会社製“ノバテック(登録商標)PP”FY6H、この樹脂100質量部に対してタルク33質量部を混合押出した樹脂層を積層方法として(2)積層ラミネート方法、成形方法を(B)真空圧空成形を選択した以外は実施例1と同様の条件によって自動車用通気ダクトを得た(調整した樹脂厚みについては表1参照)。このときのポリオレフィン架橋発泡積層体ならびに自動車用通気ダクトの物性等については表1の通りであり、上記方法によって得た自動車用通気ダクトは総合判定で合格であった。
Figure 2015033881
[実施例5〜8]
樹脂層2もしくは樹脂層3の樹脂として、ポリプロピレンである日本ポリプロ株式会社製“ノバテック(登録商標)PP”EA6Aを選択し、積層方法を(1)押出ラミネーション方法、成形方法を(B)真空圧空成形を用いて、それぞれ自動車用通気ダクトを得た(その他条件(樹脂層添加剤、樹脂厚み、発泡体種類)については表2参照)。このときのそれぞれのポリオレフィン架橋発泡積層体ならびに自動車用通気ダクトの物性等については表2の通り。それぞれの評価結果は総合判定で合格であった。
Figure 2015033881
[実施例9〜11]
樹脂層2もしくは樹脂層3の樹脂として、環状ポリオレフィンである日本ゼオン株式会社製“ゼオネックス(登録商標)”E48Rを選択し、積層方法を(1)押出ラミネーション方法、成形方法を(B)真空圧空成形を用いて、それぞれ自動車用通気ダクトを得た(その他条件(樹脂層添加剤、樹脂厚み、発泡体種類)については表3参照)。このときのそれぞれのポリオレフィン架橋発泡積層体ならびに自動車用通気ダクトの物性等については表3の通り。それぞれの評価結果は総合判定で合格であった。
Figure 2015033881
[実施例12〜14]
樹脂層2もしくは樹脂層3の樹脂として、環状ポリオレフィンである三井化学株式会社製“アペル(登録商標)”APL6015Tを選択し、積層・成形同時方法として(C)真空成形+射出成形を用いて、それぞれ自動車用通気ダクトを得た(その他条件(樹脂層添加剤、樹脂厚み、発泡体種類)については表4参照)。このときのそれぞれのポリオレフィン架橋発泡積層体ならびに自動車用通気ダクトの物性等については表4の通り。それぞれの評価結果は総合判定で合格であった。
Figure 2015033881
[実施例15〜20]
樹脂層2と樹脂層3にそれぞれ表5に示す樹脂を選択し、積層方法として(1)押出ラミネーション方法、成形方法として(B)真空圧空成形を用いて、それぞれ自動車用通気ダクトを得た(その他条件(樹脂層添加剤、樹脂厚み、発泡体種類)については表5参照)。このときのそれぞれのポリオレフィン架橋発泡積層体ならびに自動車用通気ダクトの物性等については表5の通り。それぞれの評価結果は総合判定で合格であった。
Figure 2015033881
[比較例1]
樹脂層2および樹脂層3に樹脂を積層しない以外は実施例1と同様の条件によって自動車用通気ダクトを得た。このときのポリオレフィン架橋発泡積層体(この場合はポリオレフィン架橋発泡体のみ)の曲げ弾性率、曲げ強度、単位面積当たり質量、ならびに自動車用通気ダクトの空気温度差、軽量性、耐傷性、外観、嵌合性については表6の通りであり、上記方法によって得た自動車用通気ダクトは総合判定で不合格であった。
[比較例2]
ポリオレフィン架橋発泡体を用いず、樹脂層2の樹脂として、ポリプロピレンである日本ポリプロ株式会社製“ノバテック(登録商標)PP”FY6Hを選択し、成形方法として(B)真空圧空成形の上記条件に基づいて自動車用通気ダクトを得た(調整した樹脂厚みについては表6参照)。このときのポリオレフィン架橋発泡積層体(この場合は樹脂層のみ)ならびに自動車用通気ダクトの空気温度差、軽量性、耐傷性、外観、嵌合性については表6の通りであり、上記方法によって得た自動車用通気ダクトは総合判定で不合格であった。
[比較例3]
樹脂層2の樹脂として、環状ポリオレフィンである三井化学株式会社製“アペル(登録商標)”APL6015T、ポリオレフィン架橋発泡体(この場合は無架橋)として、酒井化学工業株式会社製“ミナフォーム(登録商標)”#160を選択し、積層・成形同時方法として(C)真空成形+射出成形を用いて、成形を行おうとしたが良品が得られなかったため、総合判定を不合格とした。
[比較例4]
樹脂層2の樹脂として、日本ポリプロ株式会社製“ノバテック(登録商標)PP”BC6Cを選択し、成形方法として(B)真空圧空成形を選択した以外は実施例1と同様の条件によって自動車用通気ダクトを得た(調整した樹脂厚みについては表6参照)。このときのポリオレフィン架橋発泡積層体ならびに自動車用通気ダクトの物性等については表6の通りであり、上記方法によって得た自動車用通気ダクトは総合判定で不合格であった。
[比較例5]
樹脂層3の樹脂として、日本ポリプロ株式会社製“ノバテック(登録商標)PP”FL02Aを選択し、成形方法として(B)真空圧空成形を選択した以外は実施例1と同様の条件によって自動車用通気ダクトを得た(調整した樹脂厚みについては表6参照)。このときのポリオレフィン架橋発泡積層体ならびに自動車用通気ダクトの物性等については表6の通りであり、上記方法によって得た自動車用通気ダクトは総合判定で不合格であった。
Figure 2015033881
1 ポリオレフィン架橋発泡体層
2 ダクト外側の樹脂層
3 ダクト内側の樹脂層
4 ポリオレフィン架橋発泡積層体
5 接合部
6 ダクト端部
7 取付部
8 サンプリング位置
9 サンプリング位置
10 ダクト入口
11 ダクト出口
12 空気の流れ方向
100 自動車用通気ダクト

Claims (5)

  1. 曲げ弾性率が15MPa以上であり、かつ発泡体層の少なくとも片面に曲げ弾性率が1,750MPa以上である樹脂を用いた樹脂層が設けられたポリオレフィン架橋発泡積層体からなる自動車用通気ダクト。
  2. 発泡体層の熱伝導率が0.043W/K・m以下である、請求項1に記載の自動車用通気ダクト。
  3. 発泡体層の見掛け密度が10〜100kg/mである、請求項1または2に記載の自動車用通気ダクト。
  4. ポリオレフィン架橋発泡積層体の単位面積当たりの質量が50〜1,500g/mである、請求項1〜3のいずれかに記載の自動車用通気ダクト。
  5. 曲げ弾性率が1,750MPa以上である樹脂が環状ポリオレフィンである、請求項1〜4のいずれかに記載の自動車用通気ダクト。
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